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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-19
(45)【発行日】2023-12-27
(54)【発明の名称】発光装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20231220BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20231220BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20231220BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALN20231220BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231220BHJP
【FI】
F21S2/00 419
H01L33/00 L
H01L33/00 K
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21S2/00 420
G02F1/13357
F21Y115:10
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021206435
(22)【出願日】2021-12-20
(65)【公開番号】P2023091612
(43)【公開日】2023-06-30
【審査請求日】2023-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100180529
【弁理士】
【氏名又は名称】梶谷 美道
(74)【代理人】
【識別番号】100125922
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 章子
(74)【代理人】
【識別番号】100184985
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 悠
(74)【代理人】
【識別番号】100202197
【弁理士】
【氏名又は名称】村瀬 成康
(74)【代理人】
【識別番号】100218981
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 寛之
(72)【発明者】
【氏名】竹内 康洋
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-192362(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0382225(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第113759599(CN,A)
【文献】特開2017-227534(JP,A)
【文献】特開2014-179186(JP,A)
【文献】特開平11-008338(JP,A)
【文献】特開2021-051167(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
H01L 33/00
F21V 19/00
G02F 1/13357
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面および前記上面の反対側に位置する下面を有し、複数の第1貫通孔が設けられた支持体と、前記支持体の前記上面側に位置する第1面および前記第1面の反対側に位置する第2面を有する発光素子を含む光源であって、前記支持体の前記上面の法線方向に見た平面視において前記複数の第1貫通孔と重なって前記上面側に配置された光源とを含む中間体を準備する工程(A)と、
前記支持体の前記下面側から前記複数の第1貫通孔に向けて光を照射しながら、前記支持体の前記上面側から、前記光源に重なる第1領域の近傍に位置する第2領域の明度を取得する工程(B)と
を含む、発光装置の製造方法。
【請求項2】
前記工程(B)は、
前記支持体の前記上面側から前記中間体の画像を取得する工程(B1)と、
前記第2領域の明度を前記画像から取得する工程(B2)と
を含む、請求項1に記載の発光装置の製造方法。
【請求項3】
前記工程(B)は、前記支持体に対する前記光源の相対的な配置を検出する工程を含む、請求項1または2に記載の発光装置の製造方法。
【請求項4】
前記工程(B)は、前記複数の第1貫通孔に対する前記光源の相対的な位置を検出する工程を含む、請求項3に記載の発光装置の製造方法。
【請求項5】
前記中間体は、前記支持体と前記光源との間に位置し、複数の第2貫通孔が設けられた光反射性シートを含み、
前記複数の第2貫通孔のそれぞれは、前記複数の第1貫通孔のうち対応する1つに連通する、請求項1から4のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
【請求項6】
前記中間体は、前記支持体の前記上面側に位置し、第3貫通孔が設けられた導光シートを含み、
前記光源は、前記第3貫通孔内に位置する、請求項1から5のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
【請求項7】
前記光源は、前記第1面側に位置する第1光反射層を含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
【請求項8】
前記光源は、前記第2面の上方に位置する第2光反射層を含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
【請求項9】
前記工程(B)の後、前記第2領域の明度が所定の基準値以上の場合に、前記光源を前記支持体から除去して、発光素子を含む第2の光源を前記支持体の前記上面側に配置し直す工程(C)
をさらに含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
【請求項10】
前記発光素子は、前記第1面に電極を有し、
前記工程(A)において、前記電極は、前記平面視において前記複数の第1貫通孔のうちの対応する1つと重なっており、
前記工程(B)の後、前記第2領域の明度が前記基準値よりも小さい場合に、前記電極に接続された導電部を前記第1貫通孔の内部に配置する工程(D)
をさらに含む、請求項9に記載の発光装置の製造方法。
【請求項11】
前記工程(C)において、前記第2の光源の前記発光素子は、前記支持体の前記上面側に位置する第1面に電極を有し、前記電極は、前記平面視において前記複数の第1貫通孔のうちの対応する1つと重なっており、
前記工程(C)の後、前記支持体の前記下面側から前記複数の第1貫通孔に向けて光を照射しながら、前記支持体の前記上面側から、前記第2の光源に重なる第3領域の近傍に位置する第4領域の明度を取得する工程(E)と、
前記工程(E)の後、前記第4領域の明度が前記基準値よりも小さい場合に、前記電極に接続された導電部を前記第1貫通孔の内部に配置する工程(F)と
をさらに含む、請求項9に記載の発光装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
それぞれがLEDを含む複数の光源を二次元に配置した直下型の発光装置が知られている。例えば下記の特許文献1は、複数の光源が実装された基板と、基板上に配置された導光板とを含む発光装置を開示している。特許文献1の図6および図7Aは、導光板に複数の貫通孔を設け、それら貫通孔の内部に位置するように光源を基板上に配置した構成を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-211085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板に対する光源の電気的および機械的な接続を確実とすることは、発光装置の信頼性の向上に貢献する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態による発光装置の製造方法は、上面および前記上面の反対側に位置する下面を有し、複数の第1貫通孔が設けられた支持体と、前記支持体の前記上面側に位置する第1面および前記第1面の反対側に位置する第2面を有する発光素子を含む光源であって、前記支持体の前記上面の法線方向に見た平面視において前記複数の第1貫通孔と重なって前記上面側に配置された光源とを含む中間体を準備する工程(A)と、前記支持体の前記下面側から前記複数の第1貫通孔に向けて光を照射しながら、前記支持体の前記上面側から、前記光源に重なる第1領域の近傍に位置する第2領域の明度を取得する工程(B)とを含む。
【発明の効果】
【0006】
本開示の実施形態によれば、信頼性の向上された発光装置を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の実施形態によって得られる発光装置の外観の一例を示す模式的な上面図である。
図2図1に示す発光装置を導光シートの上面に垂直に切断したときの断面の一部を模式的に示す図である。
図3】本開示のある実施形態による発光装置の製造方法の一例を示すフローチャートである。
図4】本開示のある実施形態による発光装置の例示的な製造方法を説明するための模式的な断面図である。
図5】本開示のある実施形態による発光装置の例示的な製造方法を説明するための模式的な図である。
図6】本開示のある実施形態による発光装置の例示的な製造方法を説明するための模式的な図である。
図7】本開示のある実施形態による発光装置の例示的な製造方法を説明するための模式的な図である。
図8】本開示のある実施形態による発光装置の例示的な製造方法を説明するための模式的な図である。
図9】本開示のある実施形態による発光装置の例示的な製造方法を説明するための模式的な図である。
図10】本開示のある実施形態による発光装置の例示的な製造方法を説明するための模式的な上面図である。
図11】本開示のある実施形態による発光装置の例示的な製造方法を説明するための模式的な上面図である。
図12】光源が第2接着層の上面に対して傾いた状態で第2接着層上に配置された例を説明するための模式的な断面図である。
図13】本開示のある実施形態による発光装置の例示的な製造方法を説明するためのフローチャートである。
図14】第2領域の形状に関する他の例を説明するための模式的な上面図である。
図15】本開示のある実施形態による発光装置の例示的な製造方法を説明するための模式的な図である。
図16】本開示のある実施形態による発光装置の例示的な製造方法を説明するための模式的な断面図である。
図17】本開示のある実施形態による発光装置の例示的な製造方法を説明するための模式的な断面図である。
図18】本開示のある実施形態による発光装置の例示的な製造方法を説明するための模式的な断面図である。
図19】本開示のある実施形態による発光装置の例示的な製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態は、例示であり、本開示による発光装置の製造方法は、以下の実施形態に限られない。例えば、以下の実施形態で示される数値、形状、材料、ステップ、そのステップの順序などは、あくまでも一例であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の改変が可能である。以下に説明する各実施形態は、あくまでも例示であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の組み合わせが可能である。
【0009】
図面が示す構成要素の寸法、形状などは、分かりやすさのために誇張されている場合があり、実際の発光装置における寸法、形状および構成要素間の大小関係を反映していない場合がある。また、図面が過度に複雑になることを避けるために、一部の要素の図示を省略することがある。例えば、切断面のみを示す端面図を断面図として示す場合がある。
【0010】
以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。以下の説明では、特定の方向または位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」およびそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向または位置を分かりやすさのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」などの用語による相対的な方向または位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品、製造装置などにおいて、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。本開示において「平行」とは、特に他の言及がない限り、2つの直線、辺、面などが0°から±5°程度の範囲にある場合を含む。また、本開示において「垂直」または「直交」とは、特に他の言及がない限り、2つの直線、辺、面などが90°から±5°程度の範囲にある場合を含む。
【0011】
(複数の光源を含む発光装置)
本開示の実施形態の理解の容易のために、まず、本開示の実施形態によって得られる例示的な発光装置の構成の概略を説明する。図1は、本開示の実施形態によって得られる発光装置の外観の一例を示す。図1には、説明の便宜のために、互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印をあわせて図示している。本開示の他の図面においてもこれらの方向を示す矢印を図示することがある。
【0012】
図1に示す発光装置1000は、例えば液晶表示装置のバックライトに適用可能な直下型の面状光源である。発光装置1000は、概略的には、配線基板1100と、配線基板1100に支持された導光シート1200と、複数の光源130とを含む。
【0013】
配線基板1100は、支持体としての例えばフレキシブルプリント基板(FPC基板)をその一部に含み、導光シート1200をその上面1100aに固定するための接着層などをさらに有し得る。図1に示す例では、配線基板1100は、導光シート1200の配置されている領域から延びる延伸部110tを含んでいる。この例では、延伸部110tの数は、4つである。延伸部110tのそれぞれは、外部の電源などへの接続のための端子部を含む。
【0014】
導光シート1200は、配線基板1100の上面1100aに垂直に見た平面視において、典型的には、矩形状の外形を有する。図1に示す例において、導光シート1200は、Y方向と比較してX方向に長い長方形状を有している。導光シート1200の長方形状の長辺は、X方向に平行であり、短辺は、Y方向に平行である。
【0015】
図1に例示する構成において、導光シート1200は、それぞれがX方向またはY方向に延びる複数の溝部20gを有する。また、導光シート1200は、複数の貫通孔20hを有する。図1中に拡大して模式的に示すように、各貫通孔20hの内部には、光源130が配置される。すなわち、発光装置1000は、複数の光源130を含んでいる。なお、図1に示す例では、貫通孔20hを覆う形状の光反射性部材140が導光シート1200の上面1200a上に配置されている。
【0016】
図1中に拡大して示すように、複数の貫通孔20hのそれぞれは、溝部20gによって四方を囲まれる。言い換えれば、複数の溝部20gは、それぞれが1つの貫通孔20hを有する複数の単位に導光シート1200を区画している。
【0017】
図1に例示する発光装置1000は、それぞれが光源130を含む複数の単位構造100の集合体であるといえる。発光装置1000は、このような単位構造100が複数の行および列に配列された構成を有する。図1に示す例では、発光装置1000は、25行40列に配列された合計1000個の単位構造100を含む。本開示の実施形態において、発光装置1000中の単位構造100の数およびそれらの配置は、任意である。
【0018】
各単位構造100は、それ自身が発光可能な構造を有する。この意味で、単位構造100自身も発光装置であるということができる。以下、単位構造100を発光装置100と呼ぶことがある。このように、本明細書では、光源130を含む単位構造と、そのような単位構造を一次元または二次元に配列した構成を有する面状光源との両方に共通して「発光装置」の用語を用いる。言い換えれば、本明細書における「発光装置」の用語は、光源130を含む単位構造と、複数の単位構造の配列から構成された装置(すなわち面状光源)との両方を包含するように解釈される。
【0019】
図2は、発光装置100を導光シート1200の上面1200aに垂直に切断したときの断面を模式的に示す。図2に示すように、単位構造としての発光装置100は、配線基板1100の一部と、導光シート120と、光源130と、光反射性部材140とを含む。配線基板1100は、上面110aおよび上面110aとは反対側の下面110bを有する支持体110をその一部に含んでいる。導光シート120は、図1に示す導光シート1200の一部であり、その中央付近に貫通孔20hを有する。光源130は、貫通孔20hの内部において配線基板1100に固定される。
【0020】
図2に例示する構成において、光源130は、発光素子32と、第1透光性部材34と、第1光反射層36と、第2光反射層38とを含む。発光素子32は、支持体110の上面110a側に位置する第1面32b(下面)と、第1面32bとは反対側の第2面32a(上面)とを有する。発光素子32は、第1面32bに一対の電極32eを有しており、これらの電極32eの下面は、発光素子32の第1面32b側に位置する第1光反射層36から露出されている。電極32eは、複数の層を含む積層構造を有していてもよい。
【0021】
光源130の第1透光性部材34は、発光素子32の上面である第2面32aと、側面32cの少なくとも一部とを覆う。第2光反射層38は、第1透光性部材34の上面34a上に配置され、発光素子32の第2面32aの上方に位置する。第2光反射層38の上面38aは、光源130の上面を構成する。
【0022】
図2に示す例では、発光装置100は、導光シート120の貫通孔20h内に配置された第2透光性部材150をさらに含んでいる。第2透光性部材150は、貫通孔20h内部の空間のうち光源130以外の領域を占める。図2に示す例では、第2透光性部材150の上面150aの全体が光反射性部材140によって覆われている。
【0023】
図2に示すように、光反射性部材140は、第2透光性部材150の上面150aだけでなく導光シート120の上面120aのうち第2透光性部材150の上面150aの周囲に位置する領域にまで位置し得る。光反射性部材140が第2透光性部材150の上面150aの全体を覆っていることは、必須ではない。光反射性部材140は、第2透光性部材150の上面150aの一部が露出された形状を有していてもよい。
【0024】
配線基板1100の支持体110には、それぞれが下面110bから上面110aに達する複数の貫通孔10h(第1貫通孔)が設けられる。1つの発光装置100に注目すると、支持体110は、発光素子32の一対の電極32eに対応して一対の貫通孔10hを有する。
【0025】
図2に模式的に示すように、各貫通孔10hの内部には、導電部160が配置される。各導電部160の一方の端部は、発光素子32の電極32eのうち対応する1つに接することにより、その電極との間に電気的接続を有する。
【0026】
支持体110は、下面110b側に配線層116を有する。配線層116は、配線基板1100の延伸部110tの端子部まで延びる。図2に示すように、貫通孔10h内部の導電部160のそれぞれは、支持体110の下面110b側において配線層116まで延びており、配線層116に電気的に接続される。配線基板1100は、このような導電構造を有することにより、支持体110の下面110b側の配線層116と、貫通孔10h内部の導電部160とを介して、外部の電源から発光素子32に所定の電流を供給可能である。支持体110の下面110b側には、導電部160の一部および配線層116を覆う絶縁層170がさらに設けられ得る。
【0027】
他方、支持体110の上面110a上には、第1接着層112が配置される。図1に示す例では、第1接着層112上に光反射性シート114が配置されている。導光シート120は、導光シート120と光反射性シート114との間に配置された第2接着層180によって配線基板1100に固定される。図2に示すように、上述の導電部160は、第1接着層112、光反射性シート114および第2接着層180を貫通して発光素子32の電極32eの下面に達している。
【0028】
(発光装置の製造方法)
図3は、本開示のある実施形態による発光装置の製造方法の一例の概略を示す。図3に例示する製造方法は、概略的には、複数の貫通孔が設けられた支持体および支持体の上面側に配置された光源を有する中間体を準備する工程(ステップS1)と、支持体の下面側から光を照射しながら、支持体の上面側から、光源に重なる第1領域の近傍に位置する第2領域の明度を取得する工程(ステップS2)とを含む。
【0029】
以下に詳細に説明するように、本開示の実施形態によれば、第1領域の近傍に位置する第2領域の明度を取得することにより、第2領域の明度に関する情報に基づき、注目した光源130が、支持体をその一部に含む中間体において適切に配置されているか否かを導電部160の形成の前に判定可能である。第2接着層180上の光源130の配置が適切であるか否かの判定により、光源の光軸が傾いていたり、光源が適切な位置からずれていたりすることにより接続不良となる可能性がある光源の交換または再配置が可能になる。すなわち、本開示の実施形態によれば、発光装置の不良率低減および信頼性向上の効果が得られ、より効率的な発光装置の製造が可能になる。以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態による例示的な発光装置の製造方法を詳細に説明する。
【0030】
(支持体および光源を有する中間体を準備する工程)
まず、支持体および光源を有する中間体を準備する(図3のステップS1)。ここでは、支持体110の上面110a側に複数の光源130を配置する例を説明する。例えば、図4に示すように、一方の主面である下面110b側に、銅などの導電材料から形成された配線層116が設けられた支持体110を準備し、第1接着層112により、他方の主面である上面110aに光反射性シート114を接合する。図4に示す例では、光反射性シート114上にさらに第2接着層180を配置している。支持体110には、例えばFPC基板を用いることができる。支持体110は、購入によって準備されてもよい。
【0031】
次に、図5に示すように、支持体110、第1接着層112、光反射性シート114および第2接着層180の積層体の所定の位置に複数の貫通孔を形成する。典型的には、光源130の配置される領域ごとに一対の貫通孔10hが支持体110に設けられる。支持体110の上面110a側に複数の光源130を例えば複数の行および列に配置する場合には、支持体110に、貫通孔10hの組が複数の行および列に形成される。
【0032】
貫通孔10hは、パンチングまたはレーザ加工などにより形成できる。支持体110への貫通孔10hの形成の際、第1接着層112、光反射性シート114および第2接着層180にも一括して貫通孔を形成してよい。貫通孔の開口の形状は、円形状に限定されず、任意の形状であってよい。図5に示されるように、光反射性シート114の各貫通孔14h(第2貫通孔)は、支持体110の貫通孔10hのうち対応する1つに連通する。
【0033】
次に、透光性を有する、例えば樹脂シートを準備し、樹脂シートの所定の箇所に貫通孔20h(第3貫通孔)を形成することにより、導光シート1200を得る。貫通孔20hの形成方法に特に限定は無く、パンチングまたはレーザ加工などを適用し得る。導光シート1200は、単層構造に限定されず、積層構造を有していてもよい。例えば、複数の透光性シートの積層後に貫通孔20hを形成することにより、導光シート1200を得てもよい。
【0034】
図6に示す例では、導光シート1200の上面1200aに表れた、貫通孔20hの開口20aは、円形状を有している。また、貫通孔20hの内側面20cは、支持体110の上面110aに対して垂直である。すなわち、この例では、貫通孔20hは、円柱形状を有する。貫通孔20hの形状は、円柱形状に限定されず、求める光学特性に応じて適宜変更され得る。
【0035】
導光シート1200の準備後、第2接着層180によって導光シート1200を光反射性シート114に接合する。このとき、図6に示すように、支持体110に設けられた一対の貫通孔10hが、支持体110の上面110aの法線方向に見た平面視において導光シート1200の貫通孔20hの内側に位置するようにして、第2接着層180上に導光シート1200を配置する。
【0036】
その後、必要に応じて、ダイシングブレードなどを用いて導光シート1200に複数の溝部20gを形成する。図7に示す例では、溝部20gの形成により、導光シート1200が複数の導光シート120に分割される。なお、この例では、溝部20gは、第2接着層180まで達しており、複数の導光シート120は、互いに空間的に分離されている。あるいは、第1接着層112に達する深さで溝部20gを形成することにより、導光シート1200と同様に、第2接着層180および光反射性シート114のそれぞれを複数の部分に分割してもかまわない。なお、溝部20gが第2接着層180まで達していることは、本開示の実施形態において必須ではない。複数の導光シート120が互いに空間的に分離されないこともあり得る。
【0037】
次に、図8に示すように、別途に準備した光源130を、第2接着層180のうち導光シート120の貫通孔20hの内部に露出された部分上に配置する。光源130の配置に際しては、光反射性シート114の貫通孔14hに連通して形成された第2接着層180の貫通孔、あるいは、導光シート120の貫通孔20hの開口20aを位置合わせの基準に利用できる。具体的には、光源130に含まれる発光素子32の電極32eが平面視において支持体110の貫通孔10hに重なるように光源130を第2接着層180上に配置する。支持体110の貫通孔10hは、光源130の配置により閉塞される。
【0038】
第2接着層180により、光源130を支持体110の上面110a側に一時的に固定できる。以上の工程により、支持体110と、支持体110の上面110a側の所定の位置に複数の光源130が配置された中間体2000を得ることができる。中間体2000は、購入によって準備されてもよい。
【0039】
(支持体の上面側から、光源に重なる第1領域の近傍に位置する第2領域の明度を取得する工程)
中間体2000の準備の後、支持体110の下面110b側から中間体2000に光を照射しながら、支持体110の上面110a側から各光源130の近傍の明度を取得する(図3のステップS2)。各光源130の近傍における、明度に関する情報の取得は、例えば、支持体110の上面110a側から中間体2000を撮影し、撮影によって得られた画像の解析により実行できる。
【0040】
図9は、中間体2000の撮影時のカメラおよび照明の例示的な配置を示す。図9に示すように、例えば、XY面内で移動可能なステージ3000上に面状光源装置4000を設置し、導光シート120の上面120aが上を向くようにして面状光源装置4000の光出射面に中間体2000を配置する。例えば液晶表示装置のバックライトを面状光源装置4000として利用できる。面状光源装置4000と中間体2000との間に、プリズムシートなどの光学シートがさらに配置されることもあり得る。
【0041】
図9は、同軸照明を実行しながら面状光源装置4000上の中間体2000をカメラ5000で撮影する例である。カメラ5000としてラインセンサを用い、ステージ3000を一定方向に移動させながら撮影を繰り返すことにより、導光シート120の二次元配列における行単位または列単位で、光源130とその周辺とに関する画像を取得できる。図9に例示するような撮像システムの利用により、複数の光源のそれぞれの周囲に位置する領域の明度を一括して取得可能である。あるいは、カメラとしてエリアセンサを用いて、導光シート120の二次元配列の全体を撮影し、各光源130とその周辺とに関する画像を一括して取得してもかまわない。
【0042】
図10は、支持体110の上面110a側から光源130のうちの1つとその周辺とを撮影したときに得られる画像の一例を示す。図11は、支持体110の上面110a側から光源130のうちの1つとその周辺とを撮影したときに得られる画像の他の一例を示す。
【0043】
上述の、第2接着層180への光源130の配置の工程において、例えば光源130と第2接着層180との間に埃などの異物90が挟みこまれることにより、図12に模式的に示すように、第2接着層180の上面180aに対して傾いた状態で光源130が第2接着層180上に配置されることがあり得る。第2接着層180の上面180aに対して光源130が傾いていると、第2接着層180に設けられた貫通孔が完全には閉塞されず、支持体110の貫通孔10hを通過した光の一部が光源130と第2接着層180との間から漏れ出す。その場合、図10に拡大して模式的に示すように、取得される画像において、光源130の近傍に位置する領域R2(第2領域)中に、比較的大きな明度を有する部分BAが比較的に大きな面積で現れる。なお、図10中の拡大図では、分かりやすさのために、画像中で光源130の占める領域R1(第1領域)と、光源130の近傍に位置する領域R2とを明暗を反転させて図示している。
【0044】
光源が傾いて第2接着層180に一時的に固定された場合だけでなく、XY面内において光源の電極の位置が支持体110の貫通孔10hから大きくずれるように光源が第2接着層180に一時的に固定された場合も、支持体110の貫通孔10hを通過した光の一部が光源130と第2接着層180との間から漏れ出し得る。すなわち、この場合も、図10に拡大して模式的に示すように、取得される画像において、光源130の近傍に位置する領域R2中に、比較的大きな明度を有する部分BAが比較的に大きな面積で現れ得る。
【0045】
これに対し、適切な配置で光源130が第2接着層180に固定されていると、光源130の下面側からの光の漏れ出しが低減される結果、図11に模式的に示すように、光源130の近傍に位置する領域R2中の明るい部分BAの面積が縮小する。すなわち、導光シート120の各貫通孔20hの内側に位置する光源130およびその周囲の画像を取得し、例えば、画像中で領域R1の近傍に位置する領域R2中に現れた明るい部分BAの大きさを計測することにより、注目した光源130が適切に配置されているか否かを判定可能である。
【0046】
図2に示すように、発光装置100の支持体110の貫通孔10hの内部には、導電部160が配置される。すなわち、支持体110の貫通孔10hの内部には、後の工程において、導電ペーストなどの導電材料が配置され得る。そのため、第2接着層180の上面180aに対して光源130が傾いていると(図12参照)、貫通孔10hおよび貫通孔14hを介して上面180a上に導電材料が漏れ出し、光源130中の正負の電極32eが短絡してしまう可能性がある。あるいは、光源130の電極32eに導電材料が接触しないことにより、光源130に電流を供給するための導電経路を適切に形成できないおそれがある。また、光源130が傾いていると、所望の光学特性が得られない可能性もある。XY面内において光源の電極の位置が支持体110の貫通孔10hから大きくずれるように光源が第2接着層180に一時的に固定された場合も同様に、上面180a上への導電材料の漏れ出しにより、導電経路を適切に形成できない可能性がある。
【0047】
したがって、第2接着層180の上面180aに一時的に固定された複数の光源のうち第2接着層180の上面180a上に適切に配置されていない光源があれば、導電部160形成の工程の実行前に、不適切な配置を検出できると有益である。本明細書における光源の「配置」は、XY面に対する光源の「傾き」だけでなく、XY面内における光源の「位置」および「回転」も包含するように解釈される。
【0048】
本開示の実施形態では、中間体2000を得た後、支持体110の下面110b側から複数の貫通孔10hに向けて光を照射しながら、光源130の近傍に位置する領域R2の明度に関する情報を取得する。領域R2の明度は、例えば支持体110の上面110a側からの中間体2000の撮影によって得ることが可能である。この場合、上述の領域R1は、取得された画像中あるいは画像データ中において光源130を表現する画素の占める例えば矩形状の領域である。
【0049】
ここで、領域R1の「近傍」とは、領域R1の外側であって、領域R1の外縁から、光源130に関する特徴的な長さの50%以下までの範囲を指す。例えば光源130が平面視において矩形状を有する場合、その矩形状のいずれか一辺の長さを「光源130に関する特徴的な長さ」として採用できる。図10および図11に示す例において、領域R1の「近傍」に位置する領域R2は、光源130の矩形状を膨らませた相似な図形から光源130の矩形状を除いた領域である。これらの例では領域R2の外縁は、矩形状であるが、領域R2の形状は、光源130の外形に相似な形状に限定されず、導光シート120の貫通孔20hの開口20aよりも内側に位置する限り、任意の形状を採用し得る。
【0050】
以下では、支持体110の上面110a側から中間体2000の画像を取得する工程と、光源に重なる領域R1の近傍に位置する領域R2の明度を画像から取得する工程とを順次に実行する例を説明する。図13は、複数の光源130を含む中間体2000の撮影による、領域R2の明度に関する情報の例示的な取得方法を示すフローチャートである。
【0051】
図13に示す例では、まず、図9に示すような撮像システムを利用して、支持体110の上面110a側から、複数の行および列に配置された導光シート120の例えば行単位で中間体2000をモノクロ撮影する(図13のステップS21)。あるいは、中間体2000をカラー撮影の後にグレースケール変換することにより、例えば8ビット、すなわち256階調で各画素の画素値が表現された画像データを取得する。
【0052】
次に、例えば貫通孔20hの開口20aの検出により、画像中の光源130の位置を検出する(図13のステップS22)。さらに、検出された光源130ごとに、領域R1の外側に位置する領域R2中の画素のうち、所定の閾値以上の階調レベルを有する画素の数をカウントする(図13のステップS23)。所定の閾値とは、例えば、180階調レベルである。このとき、領域R2として、領域R1の外側に連続する単一の領域を選んでもよいし、領域R1の外側に位置する複数の領域を選んでもよい。例えば、平面視における光源130の外形が正方形状である場合、図14に模式的に示すように、それぞれが光源130の正方形状の半分のサイズを有し、かつその正方形状の辺に隣接する4つの長方形状の領域の集合を領域R2としてもよい。
【0053】
図12に示す例のように、光源の一部が第2接着層180の上面180aから離れていると、支持体110の上面110a側から見たとき、光源の周囲の明度に差が出る。言い換えれば、光源の周囲の光の漏れに偏りが生じ得る。図14に例示するように、光源に重なる領域R1の近傍に位置する複数の領域の集合を領域R2とすることにより、光の漏れの偏りを利用して、支持体110に対する光源130の相対的な配置を検出し得る。
【0054】
図14に示す例では、光源130の正方形状のある頂点V1の近くに位置する2つの長方形状の領域内に、明るい部分BAが現れている。このことから、光源が、貫通孔10hに対して図の左上の方向にずれて配置されている可能性が示唆される。あるいは、明るい部分BAの面積または画素値と、光源の傾きの大きさとの間に相関が認められた場合には、光源のうち頂点V1を含む角部が第2接着層180の上面180aから離れていると推測できる。領域R1の重心と、領域R2中の明るい部分BAの重心との間の距離を算出し、その距離と光源の傾きの大きさとの間に相関が認められた場合には、その相関を利用して光源の配置を推定してもよい。このように、領域R2の明度の取得により、支持体110に対する光源の相対的な配置、すなわち、貫通孔10hに対する光源の相対的な位置および/または支持体110の上面110aに対する光源の傾きを推定可能である。
【0055】
上述したように、本実施形態では、支持体110の下面110b側から光を照射しながら、光源130近傍の領域R2の明度に関する情報を取得する。本開示の典型的な実施形態において、支持体110の厚さは、比較的に小さい。そのため、支持体110に貫通孔10hが設けられていなくても、下面110b側から照射される光の一部は、支持体110を透過し得る。しかしながら、支持体110に貫通孔10hを設けることにより、支持体110の下面110b側から中間体2000に光を照射した際に、光源の下方に位置する貫通孔10hから光を優先的に通過させることが可能になる。その結果、光の漏れの偏りの検出がより容易になる。
【0056】
光の漏れの偏りを検出する観点からは、中間体2000が光反射性シート114を有しているとより有利である。中間体2000が、貫通孔14hの設けられた光反射性シート114を有することにより、貫通孔14h以外の領域からの光の透過を抑制でき、支持体110の下面110b側から照射される光を貫通孔10hにさらに優先的に通過させやすくできるからである。したがって、光の漏れの偏りをさらに検出しやすくなる。
【0057】
また、光源130が第1光反射層36を有していると、光の漏れの偏りの検出にさらに有利である。光源130が第1光反射層36を有することにより、光源の一部が第2接着層180の上面180aから離れている場合に、貫通孔10hを通過した光が第1光反射層36によって反射され、領域R2に拡がる。その結果、光の漏れの偏りを検出しやすくなる。
【0058】
光源130が第2光反射層38を有すると、より好ましい。光源130が第1光反射層36を有する場合であっても、貫通孔10hを通過した光の一部は、第1光反射層36を透過して発光素子32および第1透光性部材34に入射し得る。光源130が第2光反射層38を有すると、発光素子32および第1透光性部材34を透過した光を第2光反射層38で反射でき、領域R2に光を拡げる効果を得られるので、光の漏れの偏りの検出が容易になる。なお、光源に第2光反射層38を設けた場合、光源が第1光反射層36を有しなくとも、貫通孔10hを通過した光を第2光反射層38で反射させることができる。そのため、光源に第1光反射層36を設けた場合と同様に、第2光反射層38における反射を利用して、領域R2に光を拡げることができる。
【0059】
領域R2の明度に加えて、光源130に重なる領域R1の明度を取得してもよい。領域R2の明度に関する情報と同様に、領域R1の明度に関する情報も、例えば撮影によって得られた画像から取得できる。領域R1の明度を取得した場合、領域R1全体の明度の例えば平均値を所定の閾値として用いてもよい。例えば、領域R2に含まれる各画素と領域R1全体の明度の平均値との間の差分を算出し、その差分が所定の大きさ以上となる画素の数に基づき、支持体110に対する光源の相対的な配置を推定してもよい。すなわち、本開示の実施形態による製造方法は、領域R1と領域R2との間の明度差を算出する工程を含んでいてもよい。
【0060】
領域R2に含まれる画素のうち、所定の閾値以上の階調レベルを有する画素のカウント後、その計数値、および/または、光源130を中心とする範囲の画像をメモリに格納する(図13のステップS24)。複数の導光シート120の一行に含まれる複数の光源130のそれぞれについて上述の処理を繰り返す(図13のステップS25)。一行分の光源130について領域R2の明度を取得したら、ステージ3000を移動させて次の行について同様の処理を実行する(図13のステップS26)。中間体2000に含まれるすべての光源130について上述の処理が完了したら(図13のステップS27)、例えばカウントされた画素数に関するデータと、中間体2000全体の画像とをメモリなどに出力させる(図13のステップS28)。以上により、画像処理を利用した、中間体2000の検査フローが終了する。
【0061】
図13に例示するフローによれば、中間体2000下面側からの光の漏れの大きい光源を含む単位構造の位置がマッピングされたデータを得られる。このデータに基づき、中間体2000において、第2接着層180の上面180aに対する相対的な配置が適切でない光源、言い換えれば、第2接着層180の上面180aに対する傾き、および/または、貫通孔10hを基準としたときの位置ずれの大きい光源の位置を特定できる。後の工程において接続不良が生じる可能性のある光源の位置を特定できれば、以下に説明するように、導電部160の形成の前にそのような光源を交換し得る。
【0062】
(発光素子を含む他の光源を支持体の上面側に配置し直す工程)
光源130を含む各単位構造について領域R2の明度を取得した後、明度が所定の閾値以上であるような画素の数が一定の基準値以上である単位構造が見つかった場合には、その単位構造中の光源130を配置し直してもよい。例えば、以下に説明するように、その単位構造中の光源130をいったん取り除き、同様の構造を有する他の光源を支持体110の上面110a側に配置し直す。つまり、本開示の実施形態による製造方法は、支持体110に対する配置が適切でない光源が見つかった場合にその光源を他の光源に置き換える付加的な工程を含み得る。
【0063】
中間体2000中において、例えば図12に示すような配置の光源130を含む単位構造の位置が特定できた場合、機械的な手段などによりその単位構造から光源130を除去する。このとき、第2接着層180の一部が光源130とともに除去されることがある。その場合、そのまま光源を配置してしまうと、部分的に残った第2接着層180上に光源が再配置されることになり、光源が傾いた状態で第2接着層180上に配置されたり、光源を安定して支持体110の上面110a側に固定できなかったりする可能性がある。そのため、光源の除去後に、貫通孔20h内部の第2接着層180の残渣を除去しておくと有利である。
【0064】
例えば、図15に模式的に示すように、接着剤または接着層などの接着部材を先端に有する押圧部材Ctなどによって第2接着層180の残渣を拭いとることにより、光反射性シート114上から第2接着層180を除去してもよい。押圧部材Ctの材料の例は、金属、樹脂、紙などである。接着部材には、第2接着層180と同じ材料を用いることが好ましい。あるいは、レーザ光の照射により第2接着層180の残渣を光反射性シート114上から除去してもよい。押圧部材Ctによる拭いとりと、レーザ光の照射による第2接着層180の残渣の除去とを組み合わせてもよい。
【0065】
その後、光反射性シート114のうち貫通孔20hの内側に現れた部分上に、第2接着層180に含まれる接着剤と同様の接着剤を含む接着層を配置する。例えば、図16に示すように、光反射性シート114のうち貫通孔20hの内側に現れた部分上に接着シート片190を配置してもよい。接着シート片190の配置後、光反射性シート114の貫通孔14hと連通する貫通孔19hを接着シート片190に形成する。貫通孔19hは、レーザ加工またはパンチングなどにより形成することができる。予め貫通孔が形成された接着シート片を接着シート片190として用いてもよい。
【0066】
接着シート片190の配置後、図17に示すように、取り除いた光源130と同様の構造を有する光源131(第2の光源)を貫通孔20hの内側に配置し直す。光源130と同様に、光源131中の発光素子32は、支持体110側に向けられる第1面32bに一対の電極32eを有する。
【0067】
貫通孔20hの内側への光源131の配置の際、図17に模式的に示すように、光源131中の発光素子32の電極32eが支持体110の貫通孔10hに重なるようにして光源131を接着シート片190上に配置する。本開示の実施形態によれば、第2接着層180の上面180aに対して傾いた状態で固定された光源を中間体2000が含む場合であっても、そのような光源を含む単位構造の、中間体2000中の位置を特定し得る。さらに、配置が適切でない光源を選択して他の光源に置き換えることが可能であるので、発光装置の完成後にはじめて不良品が見つかることを回避し得る。
【0068】
なお、光源131に代えて、第2接着層180から取り外した光源130を接着シート片190上に配置することも可能である。すなわち、一度中間体2000から取り外した光源130を再利用してもよい。この場合、光源130の下面(支持体110に向けられる側の面)上の第2接着層180の残渣を除去してから、光源130を接着シート片190上に再度配置することが好ましい。
【0069】
(光源に重なる領域の近傍に位置する領域の明度を再度取得する工程)
光源131の配置後、光源130近傍の領域R2の明度の取得と同様に、光源131に重なる領域(第3領域)の近傍に位置する領域(第4領域)の明度を取得してもよい。例えば、支持体110の下面110b側から複数の貫通孔10hに向けて光を照射しながら、図13と同様のフローを再度実行することにより、支持体110の上面110a側から、光源131近傍の領域の明度に関する情報を取得してもよい。光源131近傍の領域の明度の取得により、接着シート片190の上面に対する光源131の配置を推定でき、光源131の配置が適切か否かを判断することが可能になる。
【0070】
(第1貫通孔の内部に導電部を配置する工程)
中間体2000に設けられた貫通孔が光源130または光源131によって閉塞されていることが確認できれば、中間体2000に導電部160を形成する。典型的には、光源130の近傍に位置する領域R2あるいは光源131の近傍に位置する領域のうち明度が所定の基準値以上である部分が一定値以下の面積のとき、中間体2000に設けられた貫通孔のそれぞれの内部に導電部160を形成する。本開示の実施形態は、導電部160の形成の前に光源の配置の検査を可能にするので、各光源の電極32eに導電部160をより確実に接続することが可能になる。
【0071】
導電部160の形成工程では、例えば、中間体2000に設けられた貫通孔を導電ペーストで充填した後、加熱により導電ペーストを硬化させる。このとき、導電ペーストは、支持体110の下面110bに設けられた配線層116に接触するように、配線層116上まで延ばされ得る。導電ペーストの硬化により、図18に示すように、一端が各光源の電極32eに接続された導電部160が得られる。
【0072】
(第2透光性部材および光反射部材の形成の工程)
次に、ポッティングなどにより、各導光シート120の貫通孔20hの内部を透光性の樹脂材料で充填する。樹脂材料の硬化により、図18に示すように、光源(光源130または131)を覆う第2透光性部材150を貫通孔20h内部に形成できる。図18に示す例では、第2透光性部材150の上面150aは、導光シート120の上面120aに整合している。第2透光性部材150の上面150aは、概ね平坦な面であってもよいし、曲面であってもよい。第2透光性部材150の上面150aは、導光シート120の上面120aに対して盛り上がった形状、あるいは、導光シート120の上面120aの位置から支持体110に向かって窪んだ形状であってもよい。
【0073】
第2透光性部材150の形成後、第2透光性部材150の上面150a上に光反射性部材140を配置してもよい。図19に示すように、光反射性部材140は、第2透光性部材150の上面150aだけでなく、導光シート120の上面120aの一部をも覆っていてもよい。
【0074】
(絶縁層の形成の工程)
さらに、図19に示す例のように、導電部160のうち支持体110の下面110b上に現れた部分と、配線層116とを覆う絶縁層170を支持体110の下面110b側に配置してもよい。絶縁層170は、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂またはアクリル樹脂などから、例えば印刷および紫外線の照射により形成され、導電部160および配線層116を保護する機能を有する。なお、光反射性部材140を形成する工程と、絶縁層170を形成する工程とは、いずれが先に実行されてもかまわない。絶縁層170の形成の後に光反射性部材140が形成されることもあり得る。
【0075】
必要に応じ、導光シート1200を支持する構造の外形を切断によって整え、延伸部110tを形成する。以上の工程により、図1に示す発光装置1000を得られる。
【0076】
以下、主に図2を参照しながら、発光装置100の各構成要素をより詳細に説明する。
【0077】
[光源130、131の発光素子32]
上述したように、図2に例示する構成において、光源130は、発光素子32と、第1透光性部材34と、第1光反射層36と、第2光反射層38とを含む。発光素子32の典型例は、LEDである。発光素子32は、サファイアまたは窒化ガリウムなどの透光性の支持基板と、支持基板上の半導体積層体と、半導体積層体に電気的に接続された一対の電極32eとを有し得る。発光素子32が支持基板を有する場合、支持基板の主面のうち、半導体積層体が配置された主面とは反対側の主面が、発光素子32の第2面32aを構成する。
【0078】
半導体積層体は、n型半導体層およびp型半導体層と、これらに挟まれた発光層とを含む。発光層は、ダブルヘテロ接合または単一量子井戸(SQW)などの構造を有していてもよいし、多重量子井戸(MQW)のようにひとかたまりの活性層群をもつ構造を有していてもよい。半導体積層体は、可視光または紫外光を発光可能に構成されている。このような発光層を含む半導体積層体は、例えばInxAlyGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)を含むことができる。
【0079】
半導体積層体は、n型半導体層とp型半導体層との間に1つ以上の発光層を含む構造を有していてもよいし、n型半導体層と発光層とp型半導体層とを順に含む構造が複数回繰り返された構造を有していてもよい。半導体積層体が複数の発光層を含む場合、発光ピーク波長が異なる発光層を含んでいてもよいし、発光ピーク波長が同じ発光層を含んでいてもよい。なお、発光ピーク波長が同じとは、数nm程度のばらつきがある場合も含む。各発光層は、発光ピーク波長が異なる複数の活性層を含んでいてもよいし、発光ピーク波長が同じ複数の活性層を含んでいてもよい。
【0080】
[第1透光性部材34]
第1透光性部材34は、発光素子32の第2面32a上と、側面32cの少なくとも一部上とに位置する。発光素子32が複数の側面32cを有する場合、第1透光性部材34は、各側面32c(例えば4つの側面32cのそれぞれ)の一部または全部を覆う。
【0081】
第1透光性部材34の材料には、透明な樹脂を母材として含む樹脂材料を適用できる。第1透光性部材34の母材として、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂もしくはポリノルボルネン樹脂、または、これらの2種以上を含む材料を用いてもよい。
【0082】
第1透光性部材34は、発光素子32の発光ピーク波長を有する光に対して、例えば60%以上の透過率を有する。光の取出し効率を高める観点から、発光素子32の発光ピーク波長における第1透光性部材34の透過率が70%以上であると有益であり、80%以上であるとより有益である。
【0083】
第1透光性部材34は、蛍光体などの波長変換材料を含有し得る。例えば、発光素子32に青色LEDを用い、発光素子32からの青色光の一部を波長変換して黄色光を発する波長変換材料を第1透光性部材34に含有させ得る。この場合、第1透光性部材34を通過した青色光と、第1透光性部材34に含まれる波長変換材料から発せられた黄色光との混色によって、白色光が得られる。
【0084】
第1透光性部材34に含有させる波長変換材料には、公知の蛍光体を適用できる。蛍光体の例は、KSF系蛍光体(例えばKSiF:Mn)、KSAF系蛍光体(例えばK(Si,Al)F:Mn)などのフッ化物系蛍光体およびCASNなどの窒化物系蛍光体(例えばCaAlSiN:Eu、(Sr,Ca)AlSiN:Eu)、YAG系蛍光体(例えばY(Al,Ga)12:Ce)、βサイアロン蛍光体(例えば(Si,Al)(O,N):Eu)などである。KSF系蛍光体、KSAF系蛍光体およびCASNは、青色光を赤色光に変換する波長変換材料の例であり、YAG系蛍光体は、青色光を黄色光に変換する波長変換材料の例である。βサイアロン蛍光体は、青色光を緑色光に変換する波長変換材料の例である。蛍光体は、ペロブスカイト構造を有する蛍光体(例えばCsPb(F,Cl,Br,I))、または、量子ドット蛍光体(例えばCdSe、InP、AgInSまたはAgInSe)であってもよい。第1透光性部材34は、二酸化チタン、酸化ケイ素の粒子などの光拡散材をさらに含有していてもよい。
【0085】
[第1光反射層36]
第1光反射層36は、発光素子32の第1面32b側に位置し、発光素子32の第1面32bのうち電極32eの配置された領域以外の領域と、第1透光性部材34の下面とを覆う。本明細書において、「光反射性」とは、発光素子32の発光ピーク波長における反射率が60%以上であることを指す。光源に第1光反射層36を設けることにより、発光素子32の第1面32b側からの光の漏れを低減でき、光の取出し効率の低下を回避し得る。
【0086】
第1光反射層36の材料には、例えば、白色の樹脂材料を用いることができる。白色の樹脂材料は、典型的には、母材と、光反射性のフィラーとを含む。第1光反射層36の母材の例は、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、BTレジン、ポリフタルアミド(PPA)などである。光反射性のフィラーとしては、金属の粒子、または、母材よりも高い屈折率を有する無機材料もしくは有機材料の粒子を用いることができる。光反射性のフィラーの例は、二酸化チタン、酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライト、酸化ニオブ、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、硫酸バリウムの粒子、または、酸化イットリウムおよび酸化ガドリニウムなどの各種希土類酸化物の粒子などである。
【0087】
[第2光反射層38]
第2光反射層38は、第1透光性部材34の上面34a上に配置され、典型的には、上面34aの全体を覆う。第2光反射層38は、例えば、第1光反射層36と同様に、母材と、光反射性のフィラーとを含有する。この場合、第2光反射層38は、光反射層として機能する。ただし、第2光反射層38は、白色の樹脂層に限定されない。第2光反射層38は、Ag膜もしくはAl膜などの金属膜または誘電体多層膜などの反射膜であってもよい。第2光反射層38は、白色の樹脂層と反射膜との複合体であってもよい。例えば、第2光反射層38は、白色の樹脂層と金属膜との複合体であってもよい。
【0088】
発光素子32の上面である第2面32aの上方に第2光反射層38を配置することにより、発光素子32から上方に向けて出射された光の少なくとも一部を第2光反射層38で反射させることができる。第2光反射層38と第1透光性部材34との界面での反射により、発光素子32の光軸上の輝度を抑えつつ、光源の側方に向けてより多くの光を放射させ得る。光源のこのような構成は、導光シート120への光学的な結合に有利であり得る。
【0089】
第2光反射層38の反射率は、発光装置100の用途によって適宜に調整され得る。第2光反射層38は、発光素子32から出射された光を適度に反射させ、発光素子32直上の輝度を適度に低下できればよい。第2光反射層38が発光素子32からの光を完全に遮蔽することは、必須ではない。
【0090】
なお、発光装置100に適用される光源が、第1透光性部材34、第1光反射層36および第2光反射層38のすべてを有していることは、本開示の実施形態において必須ではない。例えば、発光素子32の第1面32b側に位置する第1光反射層36が省略されることがあり得る。光源130、131から第1透光性部材34が省略されてもよい。この場合、第2光反射層38は、発光素子32の第2面32a上に直接に接する。第1光反射層36がさらに省略されてもよい。あるいは、第1透光性部材34、第1光反射層36および第2光反射層38のいずれをも有しない発光素子32単体を光源130または光源131として利用することも可能である。
【0091】
[導光シート120]
導光シート120は、中間体2000において支持体110の上面110a側に位置する、透光性を有する概ね板状の部材である。導光シート120は、例えば150μm以上800μm以下の範囲の厚さを有する。
【0092】
導光シート120は、アクリル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタラート、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂、または、エポキシ、シリコーンなどの熱硬化性樹脂で構成される。導光シート120の材料として、ガラスを用いてもよい。
【0093】
本明細書における「透光性」の用語は、入射した光に対して拡散性を示すことをも包含するように解釈され、「透明」であることに限定されない。母材とは異なる屈折率を有する光拡散材が分散させられることにより、導光シート120が光拡散機能を有していてもよい。
【0094】
導光シート120は、光源(光源130または光源131)からの光をその内部に伝播させて上面120aから出射させる機能を有する。導光シート120の上面120aは、典型的には、矩形状を有する。図1に示す例においては、複数の導光シート120の上面120aの集合が発光装置1000の発光面を構成している。
【0095】
上述したように、導光シート120は、複数の溝部20gを有し得る。溝部20gは、例えば、発光装置1000において、互いに隣接する2つの単位構造の境界に設けられ、平面視において各単位構造の導光シート120の貫通孔20hを取り囲む配置を有する。導光シート120に溝部20gを設けることにより、例えばローカルディミング駆動下において、互いに隣接する2つの単位構造の間におけるコントラスト比(光源が点灯させられた単位構造と、その単位構造に隣接し、かつ光源が消灯させられた単位構造との間における輝度変化の急峻さ)を有利に向上させ得る。
【0096】
この例では、各溝部20gは、導光シート120の上面120aに位置する開口を含み、その底は、第2接着層180の上面にまで達している。溝部20gは、第2接着層180および光反射性シート114をも貫通して第1接着層112まで達していてもよい。支持体110に配線層116を形成したことに起因する、配線基板1100の応力の緩和の観点からは、第1接着層112に達する深さで溝部20gを形成すると有利である。
【0097】
溝部20gの形状を規定する内側面は、断面視において、導光シート120の上面120aに垂直であってもよいし、図2に例示するように上面120aに対して傾いていてもよい。溝部20gの内側面は、断面視において段差を有していてもよい。
【0098】
溝部20gの内部に光反射性の区画部材が配置されることもある。区画部材は、例えば、母材としての樹脂と、光反射性のフィラーとを含有する樹脂材料で構成される。区画部材の材料としては、第1光反射層36または第2光反射層38と同様の材料を用い得る。区画部材は、白色の樹脂層であり得る。
【0099】
区画部材の材料は、樹脂を母材とする材料に限定されない。区画部材は、金属膜(Ag膜、Al膜など)、誘電体多層膜などの反射膜であってもよい。なお、区画部材は、その一部が導光シート120の上面120aを覆う形状を有していてもよい。
【0100】
各溝部20gの上面視における幅は、例えば200μm以上1000μm以下である。なお、導光シート1200の外縁に位置する溝部20gは、省略されることがあり得る。
【0101】
[第2透光性部材150]
第2透光性部材150は、導光シート120の貫通孔20hの内部に位置し、光源(光源130または光源131)を覆う。第2透光性部材150の材料には、樹脂を母材として含む材料を適用できる。第2透光性部材150の母材の典型例は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂である。光源からの光を導光シート120の内部に効率的に導入する観点からは、第2透光性部材150が導光シート120の材料と同等であるかあるいは導光シート120の材料よりも高い屈折率を有していると有利である。第2透光性部材150は、単層であってもよいし、複数の層を含む積層構造を有していてもよい。
【0102】
第2透光性部材150には波長変換材料を含有させることができる。また、波長変換材料に代えて、あるいは、波長変換材料に加えて、第2透光性部材150に光拡散材を含有させることもできる。なお、導電部160の形成後の動作確認の際に、光源からの光の色度が所期の色度からずれていることが判明することがある。そのような場合であっても、動作確認の結果に基づき、単位構造ごとに第2透光性部材150中の波長変換材料の含有の有無および量を変えることにより、光源を点灯させたときの第2透光性部材150の上面150aの色度を、発光装置1000中の複数の単位構造の間で揃えることができる。第2透光性部材150に波長変換材料を含有させることは、事後的な色補正を可能にする。すなわち、所期の色度からのずれが発見された光源自体を取り換えることなく、発光装置1000の歩留まりを向上させ得る。
【0103】
[光反射性部材140]
発光装置100は、第2透光性部材150の上面150a上に位置する光反射性部材140を有し得る。光反射性部材140の形成には、第1光反射層36または第2光反射層38と同様の材料を用いることができる。
【0104】
光反射性部材140は、典型的には、導光シート120の上面120a側において貫通孔20hの全体を覆う。光反射性部材140を光源の上方に配置することにより、発光素子32から上方に向けて出射された光の少なくとも一部を光反射性部材140で反射させることができる。したがって、発光装置100の発光面のうち発光素子32から離れた位置にある領域と比較して、発光素子32の直上に位置する領域の輝度が極端に高くなることを抑制し得る。
【0105】
光反射性部材140は、発光装置100の発光面のうち、第2透光性部材150の上面150a上に選択的に配置されてもよいし、その一部が導光シート120の上面120a上に配置されてもよい。光反射性部材140の平面視における形状は、貫通孔20hの開口20aの形状に相似でなくてもよいし、相似であってもよい。
【0106】
[支持体110]
支持体110は、導光シート120の上面120aとは反対側の下面側に位置し、導光シート120を支持する。支持体110の例は、FPC基板である。支持体110は、両面プリント基板であってもよいし、片面プリント基板であってもよい。
【0107】
支持体110は、光源の電極32eに対応する位置に貫通孔10hを有する。貫通孔10h内部には、光源の電極32eを支持体110の下面110b上の配線層116に電気的に接続する導電部160が配置される。
【0108】
図2に示す例では、支持体110の下面110bは、例えば樹脂から形成される絶縁層170で覆われている。絶縁層170は、支持体110の下面110b上の配線層116と、導電部160の一部とを覆う。
【0109】
[第1接着層112]
第1接着層112は、支持体110と光反射性シート114との間に配置され、光反射性シート114を支持体110の上面110aに固定する。第1接着層112は、例えば、アクリルなどの樹脂材料で構成される接着層であり得る。ボンディングシートなどの、接着剤の層を有する公知の樹脂シートを第1接着層112として用いてもよい。後述の第2接着層180と同様に、第1接着層112は、光反射性を有していてもよい。
【0110】
[光反射性シート114]
光反射性シート114は、支持体110と、光源との間に位置し、導光シート120内部において支持体110側に向かって進行する光を導光板の上面120aに向けて反射させることにより、光の取出し効率を向上させる。
【0111】
光反射性シート114は、例えば白色の部材であり、光反射性シート114の材料としては、光拡散材として光反射性のフィラーを含有する樹脂材料を適用できる。光反射性シート114は、例えば、ポリエチレンテレフタラートを母材として含む樹脂シートであり得る。光拡散材としては、例えば二酸化チタンの粒子を用いることができる。母材中に光拡散材を含有する材料で光反射性シート114を構成することに代えて、多数の気泡を含む白色のポリエチレンテレフタラートのシートを光反射性シート114として用いてもよい。
【0112】
[第2接着層180]
第2接着層180としては、接着剤の層を有する公知の樹脂シートを用いることができる。例えば、シート状の光学用透明粘着剤(OCA)を第2接着層180に適用できる。
【0113】
第2接着層180は、例えば光反射性のフィラーを含有することにより、光反射性を有していてもよい。第2接着層180が光反射性を有することにより、光源から導光シート120に導入されて導光シート120の下面に向かう光を第2接着層180により導光シート120の上面120aに向けて反射させることができ、光の取出し効率が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本開示の実施形態により得られる発光装置は、液晶表示装置用バックライトなどに有利に適用できる。本開示の実施形態は、厚さ低減の要求が厳しいモバイル機器の表示装置用のバックライト、ローカルディミングが要求される面発光装置などの製造に好適に適用できる。
【符号の説明】
【0115】
10h 支持体の貫通孔
14h 光反射性シートの貫通孔
20h 導光シートの貫通孔
32 発光素子
32e 発光素子の電極
34 第1透光性部材
36 第1光反射層
38 第2光反射層
100 発光装置
110 支持体
112 第1接着層
114 光反射性シート
116 配線層
120 導光シート
130、131 光源
140 光反射性部材
150 第2透光性部材
160 導電部
170 絶縁層
180 第2接着層
1000 発光装置
1100 配線基板
1200 導光シート
2000 中間体
R1 第1領域
R2 第2領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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