(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-19
(45)【発行日】2023-12-27
(54)【発明の名称】燃焼設備および燃焼方法
(51)【国際特許分類】
F23C 99/00 20060101AFI20231220BHJP
F23J 15/00 20060101ALI20231220BHJP
F23N 5/00 20060101ALI20231220BHJP
F23N 5/24 20060101ALI20231220BHJP
【FI】
F23C99/00 303
F23J15/00 Z
F23N5/00 J
F23N5/00 L
F23N5/00 Y
F23N5/24 107Z
(21)【出願番号】P 2019125567
(22)【出願日】2019-07-04
【審査請求日】2022-05-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000173809
【氏名又は名称】一般財団法人電力中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【氏名又は名称】大浪 一徳
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 武治
【審査官】古川 峻弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-202946(JP,A)
【文献】特開2009-138576(JP,A)
【文献】特開2011-122526(JP,A)
【文献】特開2010-286128(JP,A)
【文献】特開2000-018569(JP,A)
【文献】中国実用新案第204611814(CN,U)
【文献】特開平05-315070(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23C 1/00-99/00
F23J 15/00-15/08
F23N 1/00- 5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にバーナーが設けられたボイラと、前記ボイラで発生した排気ガスを外部に排出するための煙道と、前記バーナーの内部または前記バーナーの先端部と対向する位置に設けられ、燃料の燃焼過程で生成される火炎内の燃焼ガス成分と未燃焼炭素成分との少なくとも一方を振動させる高周波電磁波を前記燃料
と空気が混ざり合って燃焼する領域である燃焼領域に印加する第1高周波電磁波印加手段、および、前記煙道に設けられ、前記煙道内の排気ガスに含まれる未燃焼成分を振動させる高周波電磁波を前記煙道内の排気ガスに印加する第2高周波電磁波印加手
段を備えることを特徴とする燃焼設備。
【請求項2】
前記ボイラ内の下流における排気ガスの成分を分析する第1排気ガス分析手段と、前記第1排気ガス分析手段による排気ガス情報に基づいて前記第1高周波電磁波印加手段から前記燃焼領域に印加する高周波電磁波の強度を制御する第1制御手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の燃焼設備。
【請求項3】
前記バーナーに供給される燃料の成分を分析する第1燃料分析手段と、前記第1燃料分析手段による燃料情報に基づいて前記第1高周波電磁波印加手段から前記燃焼領域に印加する高周波電磁波の強度を制御する第2制御手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の燃焼設備。
【請求項4】
前記ボイラ内の下流における排気ガスの成分を分析する第1排気ガス分析手段と、前記バーナーに供給される燃料の成分を分析する第1燃料分析手段と、前記第1排気ガス分析手段による排気ガス情報および前記第1燃料分析手段による燃料情報に基づいて前記第1高周波電磁波印加手段から前記燃焼領域に印加する高周波電磁波の強度を制御する第3制御手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の燃焼設備。
【請求項5】
前記煙道内の排気ガスの成分を分析する第2排気ガス分析手段と、前記第2排気ガス分析手段による排気ガス情報に基づいて前記第2高周波電磁波印加手段から前記煙道内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御する第4制御手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の燃焼設備。
【請求項6】
前記バーナーに供給される燃料の成分を分析する第2燃料分析手段と、前記第2燃料分析手段による燃料情報に基づいて前記第2高周波電磁波印加手段から前記煙道内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御する第5制御手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の燃焼設備。
【請求項7】
前記ボイラ内の下流における排気ガスの成分を分析する第3排気ガス分析手段と、前記第3排気ガス分析手段による排気ガス情報に基づいて前記第2高周波電磁波印加手段から前記煙道内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御する第6制御手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の燃焼設備。
【請求項8】
前記煙道内の排気ガスの成分を分析する第2排気ガス分析手段と、前記バーナーに供給される燃料の成分を分析する第2燃料分析手段と、前記ボイラ内の下流における排気ガスの成分を分析する第3排気ガス分析手段と、前記第2排気ガス分析手段による排気ガス情報、前記第2燃料分析手段による燃料情報および前記第3排気ガス分析手段による排気ガス情報に基づいて前記第2高周波電磁波印加手段から前記煙道内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御する第7制御手段と、を有することを特徴とする請求項1に記載の燃焼設備。
【請求項9】
ボイラの内部に設けられたバーナーで燃料を燃焼する燃焼方法であって、
前記バーナーの内部または前記バーナーの先端部と対向する位置に設けられた第1高周波電磁波印加手段から、前記燃料の燃焼過程で生成される火炎内の燃焼ガス成分と未燃焼炭素成分との少なくとも一方を振動させる高周波電磁波を前記燃料
と空気が混ざり合って燃焼する領域である燃焼領域に印加する第1工程、および、前記ボイラで発生した排気ガスを外部に排出するための煙道内にて、前記煙道に設けられた第2高周波電磁波印加手段から、前記煙道内の排気ガスに含まれる未燃焼成分を振動させる高周波電磁波を前記煙道内の排気ガスに印加する第2工
程を有することを特徴とする燃焼方法。
【請求項10】
前記ボイラ内の下流における排気ガスの成分を分析する第3工程と、前記第3工程による排気ガス情報に基づいて前記第1工程にて前記燃焼領域に印加する高周波電磁波の強度を制御する第4工程と、を有することを特徴とする請求項9に記載の燃焼方法。
【請求項11】
前記バーナーに供給される燃料の成分を分析する第5工程と、前記第5工程による燃料情報に基づいて前記第1工程にて前記燃焼領域に印加する高周波電磁波の強度を制御する第6工程と、を有することを特徴とする請求項9に記載の燃焼方法。
【請求項12】
前記ボイラ内の下流における排気ガスの成分を分析する第3工程と、前記バーナーに供給される燃料の成分を分析する第5工程と、前記第3工程による排気ガス情報および前記第5工程による燃料情報に基づいて前記第1工程にて前記燃焼領域に印加する高周波電磁波の強度を制御する第7工程と、を有することを特徴とする請求項9に記載の燃焼方法。
【請求項13】
前記煙道内の排気ガスの成分を分析する第8工程と、前記第8工程による排気ガス情報に基づいて前記第2工程にて前記煙道内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御する第9工程と、を有することを特徴とする請求項9に記載の燃焼方法。
【請求項14】
前記バーナーに供給される燃料の成分を分析する第10工程と、前記第10工程による燃料情報に基づいて前記第2工程にて前記煙道内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御する第11工程と、を有することを特徴とする請求項9に記載の燃焼方法。
【請求項15】
前記ボイラ内の下流における排気ガスの成分を分析する第12工程と、前記第12工程による排気ガス情報に基づいて前記第2工程にて前記煙道内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御する第13工程と、を有することを特徴とする請求項9に記載の燃焼方法。
【請求項16】
前記煙道内の排気ガスの成分を分析する第8工程と、前記バーナーに供給される燃料の成分を分析する第10工程と、前記ボイラ内の下流における排気ガスの成分を分析する第12工程と、前記第8工程による排気ガス情報、前記第10工程による燃料情報および前記第12工程による排気ガス情報に基づいて前記第2工程にて前記煙道内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御する第14工程と、を有することを特徴とする請求項9に記載の燃焼方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼設備および燃焼方法に関する。
【背景技術】
【0002】
火力発電、例えば、微粉炭火力発電では、燃料である石炭の燃焼に伴い、燃料中の二酸化ケイ素(SiO2)や酸化アルミニウム(Al2O3)を主成分とする燃焼灰(例えば、石炭灰)が大量に発生する(例えば、特許文献1参照)。燃焼灰の大半は、セメント原料や土工材等として有効に活用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、電力自由化に伴って、電力が限界費用を基準に電力市場で取り引きされているため、発電事業者により一層、発電原価を低減することが求められている。発電原価を低減するためには、これまでに利用されていなかった安価な低品位炭の活用が進められている。低品位炭の品質は様々であるため、ボイラの燃焼特性や石炭灰の品質に大きく影響する。すなわち、従来と異なる石炭を既設のボイラで燃焼させた場合、燃焼特性の相違に起因して燃焼灰中の未燃焼成分(主に炭素成分)濃度が増加し、さらに石炭中の微量成分により、セメント原料や土工材等としての利用が制限されることが懸念される。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ボイラ内部に設けられたバーナーにおける燃料の燃焼反応の促進を図り、燃焼効率を高く維持して、燃焼灰中の未燃焼成分を低減することができる燃焼設備および燃焼方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]内部にバーナーが設けられたボイラと、前記ボイラで発生した排気ガスを外部に排出するための煙道と、前記バーナーまたはその近傍に設けられ、燃料の燃焼領域に高周波電磁波を印加する第1高周波電磁波印加手段、および、前記煙道に設けられ、前記煙道内の排気ガスに高周波電磁波を印加する第2高周波電磁波印加手段の少なくとも一方と、を備える燃焼設備。
[2]前記ボイラ内の下流における排気ガスの成分を分析する第1排気ガス分析手段と、前記第1排気ガス分析手段による排気ガス情報に基づいて前記第1高周波電磁波印加手段から前記燃焼領域に印加する高周波電磁波の強度を制御する第1制御手段と、を備える[1]に記載の燃焼設備。
[3]前記バーナーに供給される燃料の成分を分析する第1燃料分析手段と、前記第1燃料分析手段による燃料情報に基づいて前記第1高周波電磁波印加手段から前記燃焼領域に印加する高周波電磁波の強度を制御する第2制御手段と、を備える[1]に記載の燃焼設備。
[4]前記ボイラ内の下流における排気ガスの成分を分析する第1排気ガス分析手段と、前記バーナーに供給される燃料の成分を分析する第1燃料分析手段と、前記第1排気ガス分析手段による排気ガス情報および前記第1燃料分析手段による燃料情報に基づいて前記第1高周波電磁波印加手段から前記燃焼領域に印加する高周波電磁波の強度を制御する第3制御手段と、を備える[1]に記載の燃焼設備。
[5]前記煙道内の排気ガスの成分を分析する第2排気ガス分析手段と、前記第2排気ガス分析手段による排気ガス情報に基づいて前記第2高周波電磁波印加手段から前記煙道内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御する第4制御手段と、を備える[1]に記載の燃焼設備。
[6]前記バーナーに供給される燃料の成分を分析する第2燃料分析手段と、前記第2燃料分析手段による燃料情報に基づいて前記第2高周波電磁波印加手段から前記煙道内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御する第5制御手段と、を備える[1]に記載の燃焼設備。
[7]前記ボイラ内の下流における排気ガスの成分を分析する第3排気ガス分析手段と、前記第3排気ガス分析手段による排気ガス情報に基づいて前記第2高周波電磁波印加手段から前記煙道内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御する第6制御手段と、を備える[1]に記載の燃焼設備。
[8]前記煙道内の排気ガスの成分を分析する第2排気ガス分析手段と、前記バーナーに供給される燃料の成分を分析する第2燃料分析手段と、前記ボイラ内の下流における排気ガスの成分を分析する第3排気ガス分析手段と、前記第2排気ガス分析手段による排気ガス情報、前記第2燃料分析手段による燃料情報および前記第3排気ガス分析手段による排気ガス情報に基づいて前記第2高周波電磁波印加手段から前記煙道内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御する第7制御手段と、を備える[1]に記載の燃焼設備。
[9]ボイラの内部に設けられたバーナーで燃料を燃焼する燃焼方法であって、前記燃料の燃焼領域に高周波電磁波を印加する第1工程、および、前記ボイラで発生した排気ガスを外部に排出するための煙道内にて、前記排気ガスに高周波電磁波を印加する第2工程の少なくとも一方を有する燃焼方法。
[10]前記ボイラ内の下流における排気ガスの成分を分析する第3工程と、前記第3工程による排気ガス情報に基づいて前記第1工程にて前記燃焼領域に印加する高周波電磁波の強度を制御する第4工程と、を有する[9]に記載の燃焼方法。
[11]前記バーナーに供給される燃料の成分を分析する第5工程と、前記第5工程による燃料情報に基づいて前記第1工程にて前記燃焼領域に印加する高周波電磁波の強度を制御する第6工程と、を有する[9]に記載の燃焼方法。
[12]前記ボイラ内の下流における排気ガスの成分を分析する第3工程と、前記バーナーに供給される燃料の成分を分析する第5工程と、前記第3工程による排気ガス情報および前記第5工程による燃料情報に基づいて前記第1工程にて前記燃焼領域に印加する高周波電磁波の強度を制御する第7工程と、を有する[9]に記載の燃焼方法。
[13]前記煙道内の排気ガスの成分を分析する第8工程と、前記第8工程による排気ガス情報に基づいて前記第2工程にて前記煙道内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御する第9工程と、を有する[9]に記載の燃焼方法。
[14]前記バーナーに供給される燃料の成分を分析する第10工程と、前記第10工程による燃料情報に基づいて前記第2工程にて前記煙道内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御する第11工程と、を有する[9]に記載の燃焼方法。
[15]前記ボイラ内の下流における排気ガスの成分を分析する第12工程と、前記第12工程による排気ガス情報に基づいて前記第2工程にて前記煙道内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御する第13工程と、を有する[9]に記載の燃焼方法。
[16]前記煙道内の排気ガスの成分を分析する第8工程と、前記バーナーに供給される燃料の成分を分析する第10工程と、前記ボイラ内の下流における排気ガスの成分を分析する第12工程と、前記第8工程による排気ガス情報、前記第10工程による燃料情報および前記第12工程による排気ガス情報に基づいて前記第2工程にて前記煙道内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御する第14工程と、を有する[9]に記載の燃焼方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ボイラ内部に設けられたバーナーにおける燃料の燃焼反応の促進を図り、燃焼効率を高く維持して、燃焼灰中の未燃焼成分を低減することができる燃焼設備および燃焼方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の燃焼設備の一例である微粉炭火力発電設備の概略構成を示す模式図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態の燃焼設備を構成するバーナー近傍の概略構成を示す断面模式図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態の燃焼設備を構成するバーナー近傍の概略構成を示す断面模式図である。
【
図4】本発明の第2の実施形態の燃焼設備の概略構成を示す模式図である。
【
図5】本発明の第3の実施形態の燃焼設備の概略構成を示す模式図である。
【
図6】本発明の第4の実施形態の燃焼設備の概略構成を示す模式図である。
【
図7】本発明の第5の実施形態の燃焼設備の概略構成を示す模式図である。
【
図8】本発明の第6の実施形態の燃焼設備の概略構成を示す模式図である。
【
図9】本発明の第7の実施形態の燃焼設備の概略構成を示す模式図である。
【
図10】本発明の第8の実施形態の燃焼設備の概略構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の燃焼設備および燃焼方法の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
【0010】
本実施形態の燃焼設備および燃焼方法は、例えば、
図1に示すような微粉炭火力発電設備に適用される。微粉炭火力発電設備は、微粉炭を空気搬送によりバーナーから火炉内に噴出・燃焼し、ボイラで高温高圧の水蒸気を作り、その蒸気でタービンを回転させて発電する設備である。すなわち、微粉炭火力発電設備は、大気圧下で運転(実施)する。
【0011】
(1)第1の実施形態
[燃焼設備]
図1は、本実施形態の燃焼設備の一例である微粉炭火力発電設備の概略構成を示す模式図である。
図2は、本実施形態の燃焼設備を構成するバーナー近傍の概略構成を示す断面模式図である。
【0012】
図1に示すように、燃焼設備(微粉炭火力発電設備)1は、例えば、内部にバーナー2が設けられたボイラ3と、ボイラ3で発生した排気ガスを外部に排出するための煙道4と、煙道4に設けられた脱硝装置5と、熱交換器6と、電気集塵機7と、脱硫装置8と、煙突9と、ボイラ3で得られた高温高圧の水蒸気によって駆動するタービン(図示略)と、を備える。また、脱硝装置5は、脱硝剤槽10を備える。脱硝装置5と脱硝剤槽10は、供給路11を介して接続されている。
【0013】
図2に示すように、バーナー2は、外形がボイラ3側から離れるに従って長手方向と垂直な長さが大きくなるテーパ形状をなす筒状の部材である。バーナー2は、燃料の燃焼領域(ボイラ3の壁面または内部であって、バーナー2の先端部2Aが挿入され、バーナー2から噴出されたメイン燃料、パイロット燃料、一次空気および二次空気が混ざり合って燃焼する領域。ボイラ3のバーナー収容部3A、バーナー収容部3Aの出口部、バーナー収容部3Aの出口部の外周に高温の燃焼ガスの循環流が形成されて保炎され、燃焼が進行する。)αに高周波電磁波を印加する第1高周波電磁波印加手段20を有する。
本実施形態では、第1高周波電磁波印加手段20としては、バーナー2の中心に、バーナー2の長手方向に沿って設けられたプローブ21が用いられる。
【0014】
バーナー2は、プローブ21を中心として、同心円状に、パイロット燃料流路22と、メイン燃料流路23とを有する。すなわち、バーナー2の中心から、プローブ21と、パイロット燃料流路22と、メイン燃料流路23とがこの順に設けられている。
【0015】
バーナー2の先端部(ボイラ3側に配置される部分)2Aには、所定の間隔を置いて、先端部2Aの外形に沿って、かつ先端部2Aを覆うように、キャップ状の仕切部材30が設けられている。仕切部材30の先端部(ボイラ3側に配置される部分)には、開口した開口部30aが設けられ、開口部30aを介してパイロット燃料流路22およびメイン燃料流路23とボイラ3内部が連通している。また、バーナー2の先端部2Aは、仕切部材30を介して、ボイラ3内部に挿入されている。仕切部材30は、ボイラ3と所定の間隔を置いて配置されており、仕切部材30とボイラ3の間には、二次空気が流れる二次空気流路32が形成されている。
なお、二次空気流路32の開口面積を一定に維持するために、仕切部材30のボイラ3側にさらに仕切部材33を設け、かつ先端部2A、仕切部材33を一体とするバーナー2を形成することもある。さらに、ボイラ3側のテーパ形状をなす部分(先端部2A)も含めてバーナー2を形成することもある。
【0016】
本実施形態の燃焼設備1によれば、バーナー2の中心にプローブ21を設けて、そのプローブ21から燃焼領域αに存在する燃料噴霧流および噴霧火炎に高周波電磁波を印加することにより、ボイラ3内部に設けられたバーナー2における燃料の燃焼反応の促進を図り、燃焼効率を高く維持して、燃焼灰中の未燃焼成分を低減することができる。具体的には、高周波電磁波を印加することにより、以下に示すような様々な現象が生じて、燃焼反応を促進する。
(a)燃料(石炭中の水分または石炭に付着した水分)および空気中の水分からOHラジカル等が生成し、燃焼反応を促進する。
(b)誘導加熱により、燃料および揮発分の分解反応や燃焼反応を促進する。
(c)燃料および揮発分の分解反応や燃焼反応を促進する。
(d)火炎内のプラズマを拡大し、燃焼反応を促進するとともに、火炎の強度を保つ。
(e)燃焼ガス中のイオンが火炎内を移動することを促進し、火炎伝播速度を上昇して、燃焼反応を促進する。
【0017】
火力発電では、発電原価低減と燃料多様化の観点から各種低品位炭(亜瀝青炭、高Ca炭、高灰分炭、褐炭等)の利用拡大が図られている。従来使用されてきた瀝青炭等と燃焼特性が異なる低品位炭を既設のボイラで燃焼する場合、バーナーのブラックスカート等の不安定燃焼や、ボイラの収熱分布の変化等の障害が生じることが懸念される。その結果、燃焼効率が低下して、発電効率が低下するとともに、燃焼灰中の未燃焼成分が増加することにより、セメント原料や土工材等として有効活用されてきた大量の燃焼灰の処分を困難にする。また、ボイラの収熱分布の変化により最悪の場合には蒸発管の噴破に至る。
【0018】
そこで、本実施形態の燃焼設備1では、バーナー2の中心に設けたプローブ21から燃焼領域αに存在する燃料噴霧流および噴霧火炎に高周波電磁波を印加することにより、未燃焼炭素成分であるすす(正電位に荷電していることが多い)を火炎内で振動させることにより、すすの燃焼反応を促進させる。特に、燃焼過程でプラズマ状態となっている火炎については、電離した分子が振動し、その分子が中間生成物およびすす等と衝突することにより、燃焼反応を促進し、または、空間的に広がることにより、バーナー2での燃焼を安定に保つ。これにより、燃料の完全燃焼を実現して、発電効率を維持するとともに、燃焼灰中の未燃焼成分の濃度を低減し、セメント原料や土工材等としての利用促進を図ることができる。また、ボイラの収熱分布を設計仕様に沿った値に改善し、蒸発管の噴破等の障害を防止することができる。
【0019】
<他の実施形態>
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
【0020】
例えば、
図3に示すような第1変形例のバーナー50および第1高周波電磁波印加手段60を採用してもよい。
図3において、
図2に示す構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0021】
図3に示す第1変形例のバーナー50は、外形がボイラ3側から離れるに従って長手方向と垂直な長さが大きくなるテーパ形状をなす筒状の部材である。
バーナー50は、同心円状に、パイロット燃料流路51と、メイン燃料流路52とを有する。すなわち、バーナー50の中心から、パイロット燃料流路51と、メイン燃料流路52とがこの順に設けられている。
【0022】
バーナー50の先端部(ボイラ3側に配置される部分)50Aには、所定の間隔を置いて、先端部50Aの外形に沿って、かつ先端部50Aを覆うように、キャップ状の仕切部材30が設けられている。仕切部材30の先端部(ボイラ3側に配置される部分)には、開口した開口部30aが設けられ、開口部30aを介してパイロット燃料流路51およびメイン燃料流路52とボイラ3内部が連通している。また、バーナー50の先端部50Aは、仕切部材30を介して、ボイラ3内部に挿入されている。仕切部材30は、ボイラ3と所定の間隔を置いて配置されており、仕切部材30とボイラ3の間には、二次空気が流れる二次空気流路32が形成されている。
【0023】
本実施形態では、第1高周波電磁波印加手段60としては、燃料の燃焼領域(ボイラ3の壁面または内部であって、バーナー50の先端部50Aが挿入され、バーナー50から噴出されたメイン燃料、パイロット燃料、一次空気および二次空気が混ざり合って燃焼する領域。ボイラ3のバーナー収容部3A、バーナー収容部3Aの出口部、バーナー収容部3Aの出口部の外周に高温の燃焼ガスの循環流が形成されて保炎され、燃焼が進行する。)αに、バーナー50の先端部50Aと対向するように設けられたプローブ61が用いられる。プローブ61は、その長手方向が、ボイラ3のバーナー収容部3Aの開口径に沿うように設けられている。プローブ61には、その長手方向に沿って、所定の間隔を置いて、複数の電磁波噴出孔62が設けられている。すなわち、プローブ61は、バーナー50とは離間した位置に設けられている。
【0024】
本実施形態の燃焼設備によれば、バーナー50とは離間した位置に、バーナー50の先端部50Aと対向するようにプローブ61を設けて、そのプローブ61から燃焼領域αに存在する燃料噴霧流および噴霧火炎に高周波電磁波を印加することにより、ボイラ3内部に設けられたバーナー2における燃料の燃焼反応の促進を図り、燃焼効率を高く維持して、燃焼灰中の未燃焼成分を低減することができる。本実施形態の燃焼設備は、特に、バーナー50から噴出した燃料および燃焼用空気噴霧により形成された火炎が高温である場合に、より効率的に燃料の燃焼反応の促進を図ることができる。
【0025】
[燃焼方法]
図2を参照して、本実施形態の燃焼方法を詳細に説明する。
本実施形態の燃焼方法は、ボイラ3内部に設けられたバーナー2で燃料を燃焼する燃焼方法であって、燃料の燃焼領域αに高周波電磁波を印加する第1工程を有する。
【0026】
第1工程では、第1高周波電磁波印加手段20のプローブ21により、燃料の燃焼領域αに高周波電磁波を印加する。
第1工程において、燃料の燃焼領域αに印加する高周波電磁波の周波数、または、電力量(以下では、「強度」と称する。)は、燃料の成分、燃料の流量、燃料と空気の混合比等に応じて適宜調整される。
【0027】
本実施形態の燃焼方法によれば、第1工程において、プローブ21により、燃料の燃焼領域αに高周波電磁波を印加するため、ボイラ3内部に設けられたバーナー2における燃料の燃焼反応の促進を図り、燃焼効率を高く維持して、燃焼灰中の未燃焼成分を低減することができる。
【0028】
(2)第2の実施形態
[燃焼設備]
図4は、本実施形態の燃焼設備の概略構成を示す模式図である。なお、
図4において、
図1および
図2に示した第1の実施形態の燃焼設備と同一の構成には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図4に示すように、本実施形態の燃焼設備(微粉炭火力発電設備)100は、例えば、内部にバーナー2が設けられたボイラ3と、第1排気ガス分析手段110と、第1制御手段120と、を備える。
【0029】
第1の実施形態と同様に、バーナー2は、第1高周波電磁波印加手段20を有する。
【0030】
第1排気ガス分析手段110としては、排気ガス分析装置が用いられる。
第1排気ガス分析手段110は、配線130を介して、ボイラ3内の下流(煙道4側の領域)に設けられたガス検出部140に接続されている。第1排気ガス分析手段110は、ボイラ3内の下流における排気ガスを分析する。
【0031】
第1制御手段120としては、高周波電磁波印加制御装置が用いられる。
第1制御手段120は、配線150を介して、第1排気ガス分析手段110に接続されている。また、第1制御手段120は、配線160を介して、バーナー2に設けられた第1高周波電磁波印加手段20に接続されている。第1制御手段120は、第1排気ガス分析手段110によるボイラ3内の下流における排気ガスの分析結果(排気ガス情報)に基づいて第1高周波電磁波印加手段20から燃焼領域αに印加する高周波電磁波の強度を制御する。
【0032】
本実施形態の燃焼設備100によれば、排気ガスに含まれる燃焼灰中の未燃焼成分の濃度を最小限に抑制するように、第1排気ガス分析手段110の排気ガス情報に基づいて、第1制御手段120により、第1高周波電磁波印加手段20から燃焼領域αに印加する高周波電磁波の強度を最適値、または電力消費を最小に制御することができる。その結果、ボイラ3内部に設けられたバーナー2における燃料の燃焼反応の促進を図り、燃焼効率を高く維持して、燃焼灰中の未燃焼成分を低減することができる。
【0033】
[燃焼方法]
図4を参照して、本実施形態の燃焼方法を詳細に説明する。
本実施形態の燃焼方法は、上記の第1工程に加えて、ボイラ3内の下流における排気ガスの成分を分析する第3工程と、第3工程による排気ガス情報に基づいて第1工程にて燃焼領域αに印加する高周波電磁波の強度を制御する第4工程と、を有する。
【0034】
第3工程では、第1排気ガス分析手段110により、ボイラ3内の下流における排気ガスの成分を分析する。
【0035】
第4工程では、第1制御手段120により、第3工程にて、第1排気ガス分析手段110によって得られたボイラ3内の下流における排気ガスの成分の分析結果(排気ガス情報)に基づいて、第1工程にて、第1高周波電磁波印加手段20により燃焼領域αに印加する高周波電磁波の強度を制御する。
【0036】
本実施形態の燃焼方法によれば、排気ガスに含まれる燃焼灰中の未燃焼成分の濃度を最小限に抑制するように、第4工程において、第3工程による排気ガス情報に基づいて、第1工程にて燃焼領域αに印加する高周波電磁波の強度を制御するため、燃焼領域αに印加する高周波電磁波の強度を最適値、または電力消費を最小に制御することができる。その結果、ボイラ3内部に設けられたバーナー2における燃料の燃焼反応の促進を図り、燃焼効率を高く維持して、燃焼灰中の未燃焼成分を低減することができる。
【0037】
(3)第3の実施形態
[燃焼設備]
図5は、本実施形態の燃焼設備の概略構成を示す模式図である。なお、
図5において、
図1および
図2に示した第1の実施形態の燃焼設備と同一の構成には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態の燃焼設備(微粉炭火力発電設備)200は、例えば、内部にバーナー2が設けられたボイラ3と、第1燃料分析手段210と、第2制御手段220と、を備える。
【0038】
第1の実施形態と同様に、バーナー2は、第1高周波電磁波印加手段20を有する。
【0039】
第1燃料分析手段210としては、燃料成分分析装置が用いられる。
第1燃料分析手段210は、配線230を介して、第2制御手段220に接続されている。第1燃料分析手段210は、バーナー2の前段で、バーナー2に供給される燃料を分析し、燃料組成、粉砕度、供給温度、噴射流速、空気と燃料の混合比等の燃料に関する情報(燃料情報)を得る。
【0040】
第2制御手段220としては、高周波電磁波印加制御装置が用いられる。
第2制御手段220は、第1燃料分析手段210による燃料の分析結果(燃料情報)に基づいて第1高周波電磁波印加手段20から燃焼領域αに印加する高周波電磁波の強度を制御する。
【0041】
本実施形態の燃焼設備200によれば、排気ガスに含まれる燃焼灰中の未燃焼成分の濃度を最小限に抑制するように、第1燃料分析手段210の燃料情報に基づいて、第2制御手段220により、第1高周波電磁波印加手段20から燃焼領域αに印加する高周波電磁波の強度を最適値、または電力消費を最小に制御することができる。その結果、ボイラ3内部に設けられたバーナー2における燃料の燃焼反応の促進を図り、燃焼効率を高く維持して、燃焼灰中の未燃焼成分を低減することができる。
【0042】
[燃焼方法]
図5を参照して、本実施形態の燃焼方法を詳細に説明する。
本実施形態の燃焼方法は、上記の第1工程に加えて、バーナー2に供給される燃料の成分を分析する第5工程と、第5工程による燃料情報に基づいて第1工程にて燃焼領域αに印加する高周波電磁波の強度を制御する第6工程と、を有する。
【0043】
第5工程では、第1燃料分析手段210により、バーナー2に供給される燃料の成分を分析する。
【0044】
第6工程では、第2制御手段220により、第5工程にて、第1燃料分析手段210によって得られた燃料の分析結果(燃料情報)に基づいて、第1工程にて、第1高周波電磁波印加手段20により燃焼領域αに印加する高周波電磁波の強度を制御する。
【0045】
本実施形態の燃焼方法によれば、排気ガスに含まれる燃焼灰中の未燃焼成分の濃度を最小限に抑制するように、第6工程において、第5工程による燃料情報に基づいて、第1工程にて燃焼領域αに印加する高周波電磁波の強度を制御するため、燃焼領域αに印加する高周波電磁波の強度を最適値、または電力消費を最小に制御することができる。その結果、ボイラ3内部に設けられたバーナー2における燃料の燃焼反応の促進を図り、燃焼効率を高く維持して、燃焼灰中の未燃焼成分を低減することができる。
【0046】
(4)第4の実施形態
[燃焼設備]
図6は、本実施形態の燃焼設備の概略構成を示す模式図である。なお、
図6において、
図1および
図2に示した第1の実施形態の燃焼設備、
図4に示した第2の実施形態の燃焼設備、および、
図5に示した第3の実施形態の燃焼設備と同一の構成には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態の燃焼設備(微粉炭火力発電設備)300は、例えば、内部にバーナー2が設けられたボイラ3と、第1排気ガス分析手段110と、第1燃料分析手段210と、第3制御手段310と、を備える。
【0047】
第1の実施形態と同様に、バーナー2は、第1高周波電磁波印加手段20を有する。
【0048】
第3制御手段310としては、高周波電磁波印加制御装置が用いられる。
第3制御手段310は、配線150を介して、第1排気ガス分析手段110に接続されている。また、第3制御手段310は、配線230を介して、第1燃料分析手段210に接続されている。さらに、第3制御手段310は、配線160を介して、バーナー2に設けられた第1高周波電磁波印加手段20に接続されている。第3制御手段310は、第1排気ガス分析手段110によるボイラ3内の下流における排気ガスの分析結果(排気ガス情報)および第1燃料分析手段210による燃料の分析結果(燃料情報)に基づいて第1高周波電磁波印加手段20から燃焼領域αに印加する高周波電磁波の強度を制御する。
【0049】
本実施形態の燃焼設備300によれば、排気ガスに含まれる燃焼灰中の未燃焼成分の濃度を最小限に抑制するように、第1排気ガス分析手段110の排気ガス情報および第1燃料分析手段210の燃料情報に基づいて、第3制御手段310により、第1高周波電磁波印加手段20から燃焼領域αに印加する高周波電磁波の強度を最適値、または電力消費を最小に制御することができる。その結果、ボイラ3内部に設けられたバーナー2における燃料の燃焼反応の促進を図り、燃焼効率を高く維持して、燃焼灰中の未燃焼成分を低減することができる。
【0050】
[燃焼方法]
図6を参照して、本実施形態の燃焼方法を詳細に説明する。
本実施形態の燃焼方法は、上記の第1工程に加えて、ボイラ3内の下流における排気ガスの成分を分析する第3工程と、バーナー2に供給される燃料の成分を分析する第5工程と、第3工程による排気ガス情報および第5工程による燃料情報に基づいて第1工程にて燃焼領域αに印加する高周波電磁波の強度を制御する第7工程と、を有する。
【0051】
第3工程では、第1排気ガス分析手段110により、ボイラ3内の下流における排気ガスの成分を分析する。
【0052】
第5工程では、第1燃料分析手段210により、バーナー2に供給される燃料の成分を分析する。
【0053】
第7工程では、第3制御手段310により、第3工程にて第1排気ガス分析手段110によって得られたボイラ3内の下流における排気ガスの成分の分析結果(排気ガス情報)および第5工程にて第1燃料分析手段210によって得られた燃料の分析結果(燃料情報)に基づいて、第1工程にて、第1高周波電磁波印加手段20により燃焼領域αに印加する高周波電磁波の強度を制御する。
【0054】
本実施形態の燃焼方法によれば、排気ガスに含まれる燃焼灰中の未燃焼成分の濃度を最小限に抑制するように、第7工程において、第3工程による排気ガス情報および第5工程による燃料情報に基づいて、第1工程にて燃焼領域αに印加する高周波電磁波の強度を制御するため、燃焼領域αに印加する高周波電磁波の強度を最適値、または電力消費を最小に制御することができる。その結果、ボイラ3内部に設けられたバーナー2における燃料の燃焼反応の促進を図り、燃焼効率を高く維持して、燃焼灰中の未燃焼成分を低減することができる。
【0055】
(5)第5の実施形態
[燃焼設備]
図7は、本実施形態の燃焼設備の概略構成を示す模式図である。なお、
図7において、
図1および
図2に示した第1の実施形態の燃焼設備と同一の構成には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図7に示すように、本実施形態の燃焼設備(微粉炭火力発電設備)400は、例えば、内部にバーナー2が設けられたボイラ3と、燃焼灰中未燃焼成分除去装置410と、第2排気ガス分析手段420と、を備える。
【0056】
第1の実施形態と同様に、バーナー2は、第1高周波電磁波印加手段20を有してもいてもよく、第1高周波電磁波印加手段20を有していなくてもよい。
【0057】
燃焼灰中未燃焼成分除去装置410は、ボイラ3から排出され、煙道4内を流れる排気ガスに含まれる燃焼灰中の未燃焼成分を除去する未燃焼成分除去手段(図示略)と、煙道4内の排気ガスに高周波電磁波を印加する第2高周波電磁波印加手段411と、第2排気ガス分析手段420の排気ガス情報に基づいて第2高周波電磁波印加手段411から煙道4内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御する第4制御手段412と、を有する。
【0058】
第2高周波電磁波印加手段411としては、第1高周波電磁波印加手段20と同様にプローブ等が用いられる。
【0059】
第4制御手段412としては、高周波電磁波印加制御装置が用いられる。
第4制御手段412は、配線450を介して、第2排気ガス分析手段420に接続されている。また、第4制御手段412は、配線(図示略)を介して、燃焼灰中未燃焼成分除去装置410に設けられた第2高周波電磁波印加手段411に接続されている。第4制御手段412は、第2排気ガス分析手段420による煙道4内の排気ガスの分析結果(排気ガス情報)に基づいて第2高周波電磁波印加手段411から煙道4内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御する。
【0060】
第2排気ガス分析手段420としては、排気ガス分析装置が用いられる。
第2排気ガス分析手段420は、配線430を介して、煙道4内に設けられたガス検出部440に接続されている。第2排気ガス分析手段420は、未燃焼成分除去手段にて排気ガスに含まれる燃焼灰中の未燃焼成分を除去した後に、煙道4内を流れる排気ガスを分析する。
【0061】
本実施形態の燃焼設備400によれば、排気ガスに含まれる燃焼灰中の未燃焼成分の濃度を最小限に抑制するように、第4制御手段412により、第2排気ガス分析手段420による煙道4内の排気ガスの分析結果(排気ガス情報)に基づいて第2高周波電磁波印加手段411から煙道4内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を最適値、または電力消費を最小に制御することができる。本実施形態の燃焼設備400では、煙道4内を流れる排気ガスに含まれる燃料中の炭素成分および燃焼灰中の炭素成分を高周波振動させることにより、これらの炭素成分の酸化反応を促進することができる。また、第1~第4の実施形態よりも、排気ガス情報に基づいて、高周波電磁波の強度を最適値、または電力消費を最小に制御するまでの時間差を小さくすることができ、より高精度に高周波電磁波を制御することができる。これにより、燃料の完全燃焼を実現して、発電効率を維持するとともに、燃焼灰中の未燃焼成分を低減し、セメント原料や土工材等としての利用促進を図ることができる。また、ボイラの収熱分布を設計仕様に沿った値に改善し、蒸発管の噴破等の障害を防止することができる。
【0062】
なお、本実施形態の燃焼設備400は、第2の実施形態にて示した第1排気ガス分析手段110および第1制御手段120、第3の実施形態にて示した第1燃料分析手段210および第2制御手段220、または、第2の実施形態にて示した第3制御手段310を備えていてもよい。
【0063】
[燃焼方法]
図7を参照して、本実施形態の燃焼方法を詳細に説明する。
本実施形態の燃焼方法は、上記の第1工程に加えて、ボイラ3で発生した排気ガスを外部に排出するための煙道4内にて、排気ガスに高周波電磁波を印加する第2工程と、煙道4内の排気ガスの成分を分析する第8工程と、第8工程による排気ガス情報に基づいて第2工程にて煙道4内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御する第9工程と、を有する。
【0064】
第2工程では、煙道4内にて、第2高周波電磁波印加手段411により、排気ガスに高周波電磁波を印加する。
【0065】
第8工程では、第2排気ガス分析手段420により、煙道4内の排気ガスの成分を分析する。
【0066】
第9工程では、第4制御手段412により、第8工程にて、第2排気ガス分析手段420によって得られた煙道4内の排気ガスの成分の分析結果(排気ガス情報)に基づいて、第2工程にて、第2高周波電磁波印加手段411により、煙道4内の排気ガスに高周波電磁波を印加する。
【0067】
本実施形態の燃焼方法によれば、排気ガスに含まれる燃焼灰中の未燃焼成分の濃度を最小限に抑制するように、第9工程において、第8工程による排気ガス情報に基づいて、第2工程にて煙道4内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御するため、煙道4内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を最適値、または電力消費を最小に制御することができる。また、第1~第4の実施形態よりも、排気ガス情報に基づいて、高周波電磁波の強度を最適値、または電力消費を最小に制御するまでの時間差を小さくすることができ、より高精度に高周波電磁波を制御することができる。これにより、燃料の完全燃焼を実現して、発電効率を維持するとともに、燃焼灰中の未燃焼成分を低減することができる。
【0068】
なお、本実施形態の燃焼方法は、第2の実施形態にて示した第3工程および第4工程、第3の実施形態にて示した第5工程および第6工程、または、第2の実施形態にて示した第7工程を有していてもよい。
【0069】
(6)第6の実施形態
[燃焼設備]
図8は、本実施形態の燃焼設備の概略構成を示す模式図である。なお、
図8において、
図1および
図2に示した第1の実施形態の燃焼設備および
図7に示した第5の実施形態の燃焼設備と同一の構成には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図8に示すように、本実施形態の燃焼設備(微粉炭火力発電設備)500は、例えば、内部にバーナー2が設けられたボイラ3と、燃焼灰中未燃焼成分除去装置410と、第2燃料分析手段510と、を備える。
【0070】
第1の実施形態と同様に、バーナー2は、第1高周波電磁波印加手段20を有してもいてもよく、第1高周波電磁波印加手段20を有していなくてもよい。
【0071】
燃焼灰中未燃焼成分除去装置410は、ボイラ3から排出され、煙道4内を流れる排気ガスに含まれる燃焼灰中の未燃焼成分を除去する未燃焼成分除去手段(図示略)と、煙道4内の排気ガスに高周波電磁波を印加する第2高周波電磁波印加手段411と、第2燃料分析手段510の燃料情報に基づいて第2高周波電磁波印加手段411から煙道4内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御する第5制御手段520と、を有する。
【0072】
第5制御手段520としては、高周波電磁波印加制御装置が用いられる。
第5制御手段520は、配線530を介して、第2燃料分析手段510に接続されている。また、第5制御手段520は、配線(図示略)を介して、燃焼灰中未燃焼成分除去装置410に設けられた第2高周波電磁波印加手段411に接続されている。第5制御手段520は、第2燃料分析手段510による燃料の分析結果(燃料情報)に基づいて第2高周波電磁波印加手段411から煙道4内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御する。
【0073】
第2燃料分析手段510としては、燃料成分分析装置が用いられる。
第2燃料分析手段510は、配線540を介して、燃料供給路550に設けられたガス検出部560に接続されている。第2燃料分析手段510は、バーナー2に供給される燃料を分析する。
【0074】
本実施形態の燃焼設備500によれば、排気ガスに含まれる燃焼灰中の未燃焼成分の濃度を最小限に抑制するように、第5制御手段520により、第2燃料分析手段510による燃料の分析結果(燃料情報)に基づいて第2高周波電磁波印加手段411から煙道4内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を最適値、または電力消費を最小に制御することができる。また、第1~第4の実施形態よりも、排気ガス情報に基づいて、高周波電磁波の強度を最適値、または電力消費を最小に制御するまでの時間差を小さくすることができ、より高精度に高周波電磁波を制御することができる。これにより、燃料の完全燃焼を実現して、発電効率を維持するとともに、燃焼灰中の未燃焼成分を低減することができる。
【0075】
なお、本実施形態の燃焼設備500は、第2の実施形態にて示した第1排気ガス分析手段110および第1制御手段120、第3の実施形態にて示した第1燃料分析手段210および第2制御手段220、または、第2の実施形態にて示した第3制御手段310を備えていてもよい。
【0076】
[燃焼方法]
図8を参照して、本実施形態の燃焼方法を詳細に説明する。
本実施形態の燃焼方法は、上記の第1工程に加えて、ボイラ3で発生した排気ガスを外部に排出するための煙道4内にて、排気ガスに高周波電磁波を印加する第2工程と、バーナー2に供給される燃料の成分を分析する第10工程と、第10工程による燃料情報に基づいて第2工程にて煙道4内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御する第11工程と、を有する。
【0077】
第2工程では、煙道4内にて、第2高周波電磁波印加手段411により、排気ガスに高周波電磁波を印加する。
【0078】
第10工程では、第2燃料分析手段510により、バーナー2に供給される燃料の成分を分析する。
【0079】
第11工程では、第5制御手段520により、第10工程にて第2燃料分析手段510によって得られた燃料の成分の分析結果(燃料情報)に基づいて、第2工程にて、第2高周波電磁波印加手段411により、煙道4内の排気ガスに高周波電磁波を印加する。
【0080】
本実施形態の燃焼方法によれば、排気ガスに含まれる燃焼灰中の未燃焼成分の濃度を最小限に抑制するように、第11工程において、第10工程による燃料情報に基づいて、第2工程にて煙道4内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御するため、煙道4内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を最適値、または電力消費を最小に制御することができる。また、第1~第4の実施形態よりも、排気ガス情報に基づいて、高周波電磁波の強度を最適値、または電力消費を最小に制御するまでの時間差を小さくすることができ、より高精度に高周波電磁波を制御することができる。これにより、燃料の完全燃焼を実現して、発電効率を維持するとともに、燃焼灰中の未燃焼成分を低減することができる。
【0081】
なお、本実施形態の燃焼方法は、第2の実施形態にて示した第3工程および第4工程、第3の実施形態にて示した第5工程および第6工程、または、第2の実施形態にて示した第7工程を有していてもよい。
【0082】
(7)第7の実施形態
[燃焼設備]
図9は、本実施形態の燃焼設備の概略構成を示す模式図である。なお、
図9において、
図1および
図2に示した第1の実施形態の燃焼設備および
図7に示した第5の実施形態の燃焼設備と同一の構成には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図9に示すように、本実施形態の燃焼設備(微粉炭火力発電設備)600は、例えば、内部にバーナー2が設けられたボイラ3と、燃焼灰中未燃焼成分除去装置410と、第3排気ガス分析手段610と、を備える。
【0083】
第1の実施形態と同様に、バーナー2は、第1高周波電磁波印加手段20を有してもいてもよく、第1高周波電磁波印加手段20を有していなくてもよい。
【0084】
燃焼灰中未燃焼成分除去装置410は、ボイラ3から排出され、煙道4内を流れる排気ガスに含まれる燃焼灰中の未燃焼成分を除去する未燃焼成分除去手段(図示略)と、煙道4内の排気ガスに高周波電磁波を印加する第2高周波電磁波印加手段411と、第3排気ガス分析手段610の排気ガスに基づいて第2高周波電磁波印加手段411から煙道4内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御する第6制御手段620と、を有する。
【0085】
第3排気ガス分析手段610としては、排気ガス分析装置が用いられる。
第3排気ガス分析手段610は、配線630を介して、ボイラ3内の下流に設けられたガス検出部640に接続されている。
【0086】
第6制御手段620としては、高周波電磁波印加制御装置が用いられる。
第6制御手段620は、配線650を介して、第3排気ガス分析手段610に接続されている。また、第6制御手段620は、配線(図示略)を介して、燃焼灰中未燃焼成分除去装置410に設けられた第2高周波電磁波印加手段411に接続されている。第6制御手段620は、第3排気ガス分析手段610によるボイラ3内の下流の排気ガスの分析結果(排気ガス情報)に基づいて第2高周波電磁波印加手段411から煙道4内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御する。
【0087】
本実施形態の燃焼設備600によれば、排気ガスに含まれる燃焼灰中の未燃焼成分の濃度を最小限に抑制するように、第6制御手段620により、ボイラ3内の下流の排気ガスの分析結果(排気ガス情報)に基づいて第2高周波電磁波印加手段411から煙道4内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を最適値、または電力消費を最小に制御することができる。また、第1~第4の実施形態よりも、排気ガス情報に基づいて、高周波電磁波の強度を最適値、または電力消費を最小に制御するまでの時間差を小さくすることができ、より高精度に高周波電磁波を制御することができる。これにより、燃料の完全燃焼を実現して、発電効率を維持するとともに、燃焼灰中の未燃焼成分を低減することができる。
【0088】
なお、本実施形態の燃焼設備600は、第2の実施形態にて示した第1排気ガス分析手段110および第1制御手段120、第3の実施形態にて示した第1燃料分析手段210および第2制御手段220、または、第2の実施形態にて示した第3制御手段310を備えていてもよい。
【0089】
[燃焼方法]
図9を参照して、本実施形態の燃焼方法を詳細に説明する。
本実施形態の燃焼方法は、上記の第1工程に加えて、ボイラ3で発生した排気ガスを外部に排出するための煙道4内にて、排気ガスに高周波電磁波を印加する第2工程と、ボイラ3内の下流における排気ガスの成分を分析する第12工程と、第12工程による排気ガス情報に基づいて第2工程にて煙道4内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御する第13工程と、を有する。
【0090】
第2工程では、煙道4内にて、第2高周波電磁波印加手段411により、排気ガスに高周波電磁波を印加する。
【0091】
第12工程では、第3排気ガス分析手段610により、ボイラ3内の下流における排気ガスの成分を分析する。
【0092】
第13工程では、第6制御手段620により、第12工程にて第3排気ガス分析手段610によって得られたボイラ3内の下流における排気ガスの分析結果(排気ガス情報)に基づいて、第2工程にて、第2高周波電磁波印加手段411により、煙道4内の排気ガスに高周波電磁波を印加する。
【0093】
本実施形態の燃焼方法によれば、排気ガスに含まれる燃焼灰中の未燃焼成分の濃度を最小限に抑制するように、第13工程において、第12工程による排気ガス情報に基づいて、第2工程にて煙道4内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御するため、煙道4内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を最適値、または電力消費を最小に制御することができる。また、第1~第4の実施形態よりも、排気ガス情報に基づいて、高周波電磁波の強度を最適値、または電力消費を最小に制御するまでの時間差を小さくすることができ、より高精度に高周波電磁波を制御することができる。これにより、燃料の完全燃焼を実現して、発電効率を維持するとともに、燃焼灰中の未燃焼成分を低減することができる。
【0094】
なお、本実施形態の燃焼方法は、第2の実施形態にて示した第3工程および第4工程、第3の実施形態にて示した第5工程および第6工程、または、第2の実施形態にて示した第7工程を有していてもよい。
【0095】
(8)第8の実施形態
[燃焼設備]
図10は、本実施形態の燃焼設備の概略構成を示す模式図である。なお、
図10において、
図1および
図2に示した第1の実施形態の燃焼設備、
図7に示した第5の実施形態の燃焼設備、
図8に示した第6の実施形態の燃焼設備、および、
図9に示した第7の実施形態の燃焼設備と同一の構成には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図10に示すように、本実施形態の燃焼設備(微粉炭火力発電設備)700は、例えば、内部にバーナー2が設けられたボイラ3と、燃焼灰中未燃焼成分除去装置410と、第2排気ガス分析手段420と、第2燃料分析手段510と、第3排気ガス分析手段610と、を備える。
【0096】
第1の実施形態と同様に、バーナー2は、第1高周波電磁波印加手段20を有してもいてもよく、第1高周波電磁波印加手段20を有していなくてもよい。
【0097】
燃焼灰中未燃焼成分除去装置410は、ボイラ3から排出され、煙道4内を流れる排気ガスに含まれる燃焼灰中の未燃焼成分を除去する未燃焼成分除去手段(図示略)を有する。また、燃焼灰中未燃焼成分除去装置410は、煙道4内の排気ガスに高周波電磁波を印加する第2高周波電磁波印加手段411を有する。また、燃焼灰中未燃焼成分除去装置410は、第2排気ガス分析手段420の排気ガス情報に基づいて第2高周波電磁波印加手段411から煙道4内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御する第4制御手段412を有する。また、燃焼灰中未燃焼成分除去装置410は、第2燃料分析手段510の燃料情報に基づいて第2高周波電磁波印加手段411から煙道4内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御する第5制御手段520を有する。また、燃焼灰中未燃焼成分除去装置410は、第3排気ガス分析手段610の排気ガスに基づいて第2高周波電磁波印加手段411から煙道4内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御する第6制御手段620を有する。なお、第4制御手段412、第5制御手段520および第6制御手段620は一体となっており、その一体となっている制御手段を第7制御手段710と言う。
【0098】
第4制御手段412は、配線450を介して、第2排気ガス分析手段420に接続されている。また、第4制御手段412は、配線(図示略)を介して、燃焼灰中未燃焼成分除去装置410に設けられた第2高周波電磁波印加手段411に接続されている。
【0099】
第5制御手段520は、配線530および配線650(配線450)を介して、第7制御手段710を構成する第2燃料分析手段510に接続されている。また、第5制御手段520は、配線(図示略)を介して、燃焼灰中未燃焼成分除去装置410に設けられた第2高周波電磁波印加手段411に接続されている。
【0100】
第2燃料分析手段510は、配線540を介して、燃料供給路550に設けられたガス検出部560に接続されている。
【0101】
第3排気ガス分析手段610は、配線630を介して、ボイラ3内の下流に設けられたガス検出部640に接続されている。
【0102】
第6制御手段620は、配線650を介して、第3排気ガス分析手段610に接続されている。また、第6制御手段620は、配線(図示略)を介して、燃焼灰中未燃焼成分除去装置410に設けられた第2高周波電磁波印加手段411に接続されている。
【0103】
本実施形態の燃焼設備700によれば、排気ガスに含まれる燃焼灰中の未燃焼成分の濃度を最小限に抑制するように、第7制御手段710により、第2排気ガス分析手段420による排気ガス情報、第2燃料分析手段510による燃料情報および第3排気ガス分析手段610による排気ガス情報に基づいて第2高周波電磁波印加手段411から煙道4内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を最適値、または電力消費を最小に制御することができる。また、第1~第4の実施形態よりも、排気ガス情報に基づいて、高周波電磁波の強度を最適値、または電力消費を最小に制御するまでの時間差を小さくすることができ、より高精度に高周波電磁波を制御することができる。これにより、燃料の完全燃焼を実現して、発電効率を維持するとともに、燃焼灰中の未燃焼成分を低減することができる。
【0104】
なお、本実施形態の燃焼設備700は、第2の実施形態にて示した第1排気ガス分析手段110および第1制御手段120、第3の実施形態にて示した第1燃料分析手段210および第2制御手段220、または、第2の実施形態にて示した第3制御手段310を備えていてもよい。
【0105】
[燃焼方法]
図10を参照して、本実施形態の燃焼方法を詳細に説明する。
本実施形態の燃焼方法は、上記の第1工程に加えて、ボイラ3で発生した排気ガスを外部に排出するための煙道4内にて、排気ガスに高周波電磁波を印加する第2工程と、煙道4内の排気ガスの成分を分析する第8工程と、バーナー2に供給される燃料の成分を分析する第10工程と、ボイラ3内の下流における排気ガスの成分を分析する第12工程と、第8工程による排気ガス情報、第10工程による燃料情報および第12工程による排気ガス情報に基づいて第2工程にて煙道4内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御する第14工程と、を有する。
【0106】
第2工程では、煙道4内にて、第2高周波電磁波印加手段411により、排気ガスに高周波電磁波を印加する。
【0107】
第8工程では、第2排気ガス分析手段420により、煙道4内の排気ガスの成分を分析する。
【0108】
第10工程では、第2燃料分析手段510により、バーナー2に供給される燃料の成分を分析する。
【0109】
第12工程では、第3排気ガス分析手段610により、ボイラ3内の下流における排気ガスの成分を分析する。
【0110】
第14工程では、第8工程による排気ガス情報、第10工程による燃料情報および第12工程による排気ガス情報に基づいて第2工程にて煙道4内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御する。
【0111】
本実施形態の燃焼方法によれば、排気ガスに含まれる燃焼灰中の未燃焼成分の濃度を最小限に抑制するように、第14工程において、第8工程による排気ガス情報、第10工程による燃料情報および第12工程による排気ガス情報に基づいて第2工程にて煙道4内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を制御するため、煙道4内の排気ガスに印加する高周波電磁波の強度を最適値、または電力消費を最小に制御することができる。また、第1~第4の実施形態よりも、排気ガス情報に基づいて、高周波電磁波の強度を最適値、または電力消費を最小に制御するまでの時間差を小さくすることができ、より高精度に高周波電磁波を制御することができる。これにより、燃料の完全燃焼を実現して、発電効率を維持するとともに、燃焼灰中の未燃焼成分を低減することができる。
【0112】
なお、本実施形態の燃焼方法は、第2の実施形態にて示した第3工程および第4工程、第3の実施形態にて示した第5工程および第6工程、または、第2の実施形態にて示した第7工程を有していてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明は、ボイラにおける燃焼効率の管理、または燃焼に伴って生成される石炭灰をセメント原料または土工材等として用いる際の品質管理に係る。本発明の燃焼設備および燃焼方法は、ボイラに設けられたバーナーにおける燃焼反応の促進を図り、発電効率を高く維持する。また、本発明の燃焼設備および燃焼方法は、ボイラまたは煙道における燃焼灰中の未燃焼成分の酸化分解を促進し、燃焼灰中の未燃焼成分を低減する。従って、本発明の燃焼設備および燃焼方法は、火力発電設備の安定・高効率運用と石炭灰の有効活用の促進に寄与する。
【符号の説明】
【0114】
1,100,200,300,400,500,600,700 燃焼設備(微粉炭火力発電設備)
2,50 バーナー
3 ボイラ
4 煙道
5 脱硝装置
6 熱交換器
7 電気集塵機
8 脱硫装置
9 煙突
10 脱硝剤槽
11 供給路
20,60 第1高周波電磁波印加手段
110 第1排気ガス分析手段
120 第1制御手段
210 第1燃料分析手段
220 第2制御手段
310 第3制御手段
410 燃焼灰中未燃焼成分除去装置
411 第2高周波電磁波印加手段
412 第4制御手段
420 第2排気ガス分析手段
510 第2燃料分析手段
520 第5制御手段
610 第3排気ガス分析手段
620 第6制御手段
710 第7制御手段