IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東京エレクトロン株式会社の特許一覧

特許74066833Dロジック及びメモリのための電力分配ネットワーク
<>
  • 特許-3Dロジック及びメモリのための電力分配ネットワーク 図1A
  • 特許-3Dロジック及びメモリのための電力分配ネットワーク 図1B
  • 特許-3Dロジック及びメモリのための電力分配ネットワーク 図2A
  • 特許-3Dロジック及びメモリのための電力分配ネットワーク 図2B
  • 特許-3Dロジック及びメモリのための電力分配ネットワーク 図2C
  • 特許-3Dロジック及びメモリのための電力分配ネットワーク 図3A
  • 特許-3Dロジック及びメモリのための電力分配ネットワーク 図3B
  • 特許-3Dロジック及びメモリのための電力分配ネットワーク 図4
  • 特許-3Dロジック及びメモリのための電力分配ネットワーク 図5
  • 特許-3Dロジック及びメモリのための電力分配ネットワーク 図6
  • 特許-3Dロジック及びメモリのための電力分配ネットワーク 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】3Dロジック及びメモリのための電力分配ネットワーク
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/82 20060101AFI20231221BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20231221BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20231221BHJP
   H01L 23/522 20060101ALI20231221BHJP
   H01L 27/00 20060101ALI20231221BHJP
   H01L 21/8238 20060101ALI20231221BHJP
   H01L 27/092 20060101ALI20231221BHJP
   H10B 10/00 20230101ALI20231221BHJP
   H10B 41/27 20230101ALI20231221BHJP
   H10B 43/27 20230101ALI20231221BHJP
【FI】
H01L21/82 L
H01L21/82 W
H01L21/88 A
H01L21/88 Z
H01L27/00 301C
H01L27/092 A
H10B10/00
H10B41/27
H10B43/27
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021512235
(86)(22)【出願日】2019-09-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-27
(86)【国際出願番号】 US2019049506
(87)【国際公開番号】W WO2020055642
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】62/727,098
(32)【優先日】2018-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】リーブマン,ラース
(72)【発明者】
【氏名】デヴィリアーズ,アントン
(72)【発明者】
【氏名】スミス,ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】タピリー,カンダバラ
【審査官】鈴木 聡一郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0270512(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0111517(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0053906(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0228383(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3205-21/3213
H01L 21/336
H01L 21/768
H01L 21/822
H01L 21/8232-21/8238
H01L 21/8249
H01L 23/522
H01L 23/532
H01L 27/04
H01L 27/06
H01L 27/07
H01L 27/085-27/092
H01L 27/118
H01L 29/786
H10B 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスであって、
基板の上に積み重ねられる複数のトランジスタ対を有するトランジスタスタックであり、
前記複数のトランジスタ対の各トランジスタ対は、互いの上に積み重ねられるn型トランジスタとp型トランジスタとを含み、
前記複数のトランジスタ対は、
前記基板の上に積み重ねられ、かつ、前記複数のトランジスタ対のゲート構造に電気的に結合される複数のゲート電極と、
前記基板の上に積み重ねられ、かつ前記複数のトランジスタ対のソース領域及びドレイン領域に電気的に結合される複数のソース/ドレイン(S/D)ローカルインターコネクトと、を有する、
トランジスタスタックと、
前記基板の上に形成された1つ以上の導電面であり、
前記トランジスタスタックに隣接して配置され、前記トランジスタスタックの高さにわたって広がり、かつ、前記トランジスタスタックに電気的に結合される、
1つ以上の導電面と
を含む、半導体デバイス。
【請求項2】
前記半導体デバイスは、さらに、
前記トランジスタスタックの下に配置される複数の電源レール、を含み、
前記1つ以上の導電面のそれぞれは、連続的接続を形成するように、前記複数の電源レールのそれぞれの電源レールの上に配置され、かつ、それに沿って延びる、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記半導体デバイスは、さらに、
前記トランジスタスタックの下に配置される複数の電源レール、を含み、
前記1つ以上の導電面のそれぞれは、2つ以上の接続点を形成するように、前記複数の電源レールの2つ以上の電源レールの上に、かつ、それらにわたって配置される、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記1つ以上の導電面は、前記複数の電源レールから前記トランジスタスタックに電力を引き込むための連続的な横方向構造を含む、
請求項2に記載のデバイス。
【請求項5】
前記半導体デバイスは、さらに、
複数の電源レール、を含み、
前記複数の電源レールは、前記1つ以上の導電面の上に配置され、
前記1つ以上の導電面のそれぞれは、連続的接続を形成するように、前記複数の電源レールのそれぞれの電源レールに沿って配置される、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記複数のS/Dローカルインターコネクトの1つ以上は、前記1つ以上の導電面に電気的に結合される、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記半導体デバイスは、さらに、
前記基板に垂直な方向に形成され、かつ、前記複数のS/Dローカルインターコネクトに電気的に結合された複数の垂直コンタクト、を含み、
前記複数の垂直コンタクトの少なくとも1つは、出力信号に電気的に結合される、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記n型トランジスタ及び前記p型トランジスタは、前記複数のゲート電極の1つに電気的に結合されるゲート構造を共有する、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
半導体デバイスを形成する方法であって、
基板の上に積み重ねられる複数のトランジスタ対を含むトランジスタスタックを形成するステップであり、
前記複数のトランジスタ対の各トランジスタ対は、互いの上に積み重ねられるn型トランジスタとp型トランジスタとを含み、
前記複数のトランジスタ対は、前記基板の上に積み重ねられ、かつ、前記複数のトランジスタ対のゲート構造に電気的に結合される複数のゲート電極と、
前記基板の上に積み重ねられ、かつ、前記複数のトランジスタ対のソース領域及びドレイン領域に電気的に結合される複数のソース/ドレイン(S/D)ローカルインターコネクトと、を有する、
形成するステップと、
前記基板の上に1つ以上の導電面を形成するステップであり、
前記1つ以上の導電面は、前記トランジスタスタックに隣接して配置され、前記トランジスタスタックの高さにわたって広がり、かつ、前記トランジスタスタックに電気的に結合される、
形成するステップと、
を含む、方法。
【請求項10】
前記方法は、さらに、
複数の電源レールを形成するステップ、を含み、
前記複数の電源レールは、前記トランジスタスタックの下に配置され、
前記1つ以上の導電面のそれぞれは、連続的接続を形成するように、前記複数の電源レールのそれぞれの電源レールに沿って延びる、
請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、さらに、
複数の電源レールを形成するステップ、を含み、
前記複数の電源レールは、前記トランジスタスタックの下に配置され、
前記1つ以上の導電面のそれぞれは、2つ以上の接続点を形成するように、前記複数の電源レールの2つ以上の電源レールの上に、かつ、それらにわたって配置される、
請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、さらに、
複数の電源レールを形成するステップ、を含み、
前記複数の電源レールは、前記1つ以上の導電面の上に配置され、
前記複数の電源レールのそれぞれは、連続的接続を形成するように、前記複数の電源レールのそれぞれの電源レールに沿って延びる、
請求項に記載の方法。
【請求項13】
前記1つ以上の導電面は、複数の電源レールから前記トランジスタスタックに電力を引き込むための連続的な横方向構造、を含む、
請求項に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のS/Dローカルインターコネクトの1つ以上は、前記1つ以上の導電面に電気的に結合される、
請求項に記載の方法。
【請求項15】
前記方法は、さらに、
前記基板に垂直な方向に配置され、かつ、前記複数のS/Dローカルインターコネクトに電気的に結合される複数の垂直コンタクトを形成するステップ、を含み、
前記複数の垂直コンタクトの少なくとも1つは、出力信号に電気的に結合される、
請求項に記載の方法。
【請求項16】
半導体デバイスであって、
基板の上に積み重ねられる複数のトランジスタ対であり、
前記複数のトランジスタ対の各トランジスタ対は、互いの上に積み重ねられるn型トランジスタとp型トランジスタとを含む、
複数のトランジスタ対と、
前記基板の上に積み重ねられ、かつ、前記複数のトランジスタ対のゲート構造に電気的に結合される複数のゲート電極と、
前記基板の上に積み重ねられ、かつ、前記複数のトランジスタ対のソース領域及びドレイン領域に電気的に結合される複数のソース/ドレイン(S/D)ローカルインターコネクトと、
前記基板の上に形成された1つ以上の導電面であり、前記複数のトランジスタ対に隣接して配置され、前記複数のトランジスタ対の高さにわたって広がり、かつ、前記複数のトランジスタ対に電気的に結合される1つ以上の導電面と、
前記基板の上に配置され、かつ、前記1つ以上の導電面に電気的に結合される複数の電源レールと、
を含む、半導体デバイス。
【請求項17】
前記複数の電源レールは、前記1つ以上の導電面の上に配置され、
前記複数の電源レールのそれぞれは、連続的接続を形成するように、前記複数の電源レールのそれぞれの電源レールに沿って延びる、
請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記複数の電源レールは、前記1つ以上の導電面の下に配置され、
前記1つ以上の導電面のそれぞれは、
連続的接続を形成するように、前記複数の電源レールのそれぞれの電源レールの上に配置され、かつ、それに沿って延びるか、または、
2つ以上の接続点を形成するように、前記複数の電源レールの2つ以上の電源レールの上に、かつ、それらにわたって配置されるか、
のいずれかである、
請求項16に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、微細加工の方法を含む、半導体デバイス、トランジスタ及び集積回路を含むマイクロエレクトロニクスデバイスに関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年9月5日に出願された米国仮特許出願第62/727,098号について優先権の利益を主張するものであり、この仮特許出願の内容全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0003】
半導体デバイスの(特に顕微鏡スケールでの)製造において、薄膜形成堆積、エッチングマスク生成、パターン形成、材料エッチング及び除去、並びに、ドーピング処理等の様々な製作プロセスが行われている。これらのプロセスは、基板上に所望の半導体デバイス素子を形成するよう繰り返し行われる。歴史的に、トランジスタは、微細加工により、能動デバイス平面の上に形成される配線/メタライゼーションと共に1つの平面内に作製されており、従って二次元(2D)回路又は2D製作として特徴付けられている。微細化の取り組みにより、2D回路内の単位面積当たりのトランジスタ数は、大幅に増加したものの、微細化が1桁のナノメートル(single digit nanometer)の半導体デバイス製造ノードに入るにつれて、微細化の取り組みは、より大きい課題に直面している。半導体デバイス製造業者は、トランジスタ同士が互いの上に積み重ねられる三次元(3D)半導体回路に対する要望を表明してきた。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書の技術は、トランジスタの3Dスケーリングを可能にするのに役立つデバイスアーキテクチャ及びプロセス方法を提供する。このような技術は、電源壁構造(power wall structure)を提供して、モノリシックに集積化された3Dロジック又はメモリデバイスをサポートする。このような設計により、デバイススタック全体にわたって全てのレベルで電力を引き出すことが可能になる。電力は、(従来の電力供給ネットワークのように)上から、又は、埋設電源レール(buried power-rails)を介して下からのいずれかで垂直電源壁に供給することができる。このような埋設電源レール(又は従来のトップダウン電力分配ネットワーク(PDN))は、垂直電源壁に平行に又は垂直電源壁に垂直に延びるように構成され得る。このような構造は、ロジックデバイス又はメモリデバイスに使用できる。
【0005】
当然ながら、本明細書に開示する製造ステップの順序は、明確にするために提示されている。一般に、これらの製造ステップは、任意の好適な順序で実施され得る。加えて、本明細書における様々な特徴、技術、構成などのそれぞれは、本開示の異なる箇所で考察されることがあるが、それらの概念のそれぞれは、互いに独立して又は互いと組み合わせて実行され得ることに留意されたい。従って、本開示は、多くの異なる方法で具現化及び検討することができる。
【0006】
この要約のセクションは、本開示又は特許請求される本発明の全ての実施形態及び/又は付加的に新規な態様を指定するものではないことに留意されたい。代わりに、この概要は、様々な実施形態と、従来技術に対する対応する新規な点とについての予備的な考察のみを提供する。本発明及び実施形態の更なる詳細及び/又は予想される観点について、読者は、以下で更に議論されるような、本開示の詳細な説明のセクション及び対応する図面を参照されたい。
【0007】
本開示の一態様によれば、半導体デバイスが提供される。半導体デバイスは、基板の上に積み重ねられる複数のトランジスタ対を有するトランジスタスタックを含む。複数のトランジスタ対の各トランジスタ対は、互いの上に積み重ねられるn型トランジスタとp型トランジスタとを含む。複数のトランジスタ対は、基板の上に積み重ねられ、かつ複数のトランジスタ対のゲート構造に電気的に結合される複数のゲート電極と、基板の上に積み重ねられ、かつ複数のトランジスタ対のソース領域及びドレイン領域に電気的に結合される複数のソース/ドレイン(S/D)ローカルインターコネクトとを有する。半導体デバイスは、基板の上に形成された1つ以上の導電面を更に含む。1つ以上の導電面は、トランジスタスタックに隣接して配置され、トランジスタスタックの高さにわたって広がり、かつトランジスタスタックに電気的に結合される。
【0008】
半導体デバイスは、トランジスタスタックの下に配置される複数の電源レールを含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の導電面のそれぞれは、連続的接続を形成するように、それぞれの電源レールの上に配置され、かつ、それに沿って延びる。いくつかの実施形態では、1つ以上の導電面のそれぞれは、2つ以上の接続点を形成するように、複数の電源レールの2つ以上の電源レールの上に、かつ、それらにわたって配置される。
【0009】
いくつかの実施形態では、1つ以上の導電面は、1つ以上の電源レールからトランジスタスタックに電力を引き込むための連続的な横方向構造を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の導電面は、チャネルを出て、かつ、1つ以上の電源レールからトランジスタスタックに電力を引き込む、区分的に中断された構造を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、複数の電源レールは、1つ以上の導電面の上に配置される。1つ以上の導電面のそれぞれは、連続的接続を形成するように、それぞれの電源レールに沿って配置される。
【0011】
半導体デバイスでは、複数のS/Dローカルインターコネクトの1つ以上は、1つ以上の導電面に電気的に結合される。加えて、複数の垂直コンタクトは、基板に垂直な方向に形成され、かつ、複数のS/Dローカルインターコネクトに電気的に結合される。複数の垂直コンタクトの少なくとも1つは、出力信号に電気的に結合される。
【0012】
半導体デバイスでは、n型トランジスタ及びp型トランジスタは、複数のゲート電極の1つに電気的に結合されるゲート構造を共有する。
【0013】
本開示の別の態様によれば、半導体デバイスを形成する方法が提供される。この方法は、基板の上に積み重ねられる複数のトランジスタ対を含むトランジスタスタックを形成するステップを含み、複数のトランジスタ対の各トランジスタ対は、互いの上に積み重ねられるn型トランジスタとp型トランジスタとを含む。複数のトランジスタ対は、基板の上に積み重ねられ、かつ、複数のトランジスタ対のゲート構造に電気的に結合される複数のゲート電極と、基板の上に積み重ねられ、かつ、複数のトランジスタ対のソース領域及びドレイン領域に電気的に結合される複数のソース/ドレイン(S/D)ローカルインターコネクトとを有する。この方法は、基板の上に1つ以上の導電面を形成するステップも含む。1つ以上の導電面は、トランジスタスタックに隣接して配置され、トランジスタスタックの高さにわたって広がり、かつ、トランジスタスタックに電気的に結合される。
【0014】
いくつかの実施形態では、この方法は、複数の電源レールを形成するステップを含み得る。いくつかの実施形態では、複数の電源レールは、トランジスタスタックの下に配置される。1つ以上の導電面のそれぞれは、連続的接続を形成するように、複数の電源レールのそれぞれの電源レールに沿って延びる。いくつかの実施形態では、複数の電源レールは、トランジスタスタックの下に配置され、1つ以上の導電面のそれぞれは、2つ以上の接続点を形成するように、複数の電源レールの2つ以上の電源レールの上に、かつ、それらにわたって配置される。いくつかの実施形態では、複数の電源レールは、1つ以上の導電面の上に配置され、複数の電源レールのそれぞれは、連続的接続を形成するように、複数の電源レールのそれぞれの電源レールに沿って延びる。
【0015】
本開示の更に別の態様によれば、半導体デバイスは、基板の上に積み重ねられる複数のトランジスタ対を含み、複数のトランジスタ対の各トランジスタ対は、互いの上に積み重ねられるn型トランジスタとp型トランジスタとを含む。デバイスは、基板の上に積み重ねられ、かつ、複数のトランジスタ対のゲート構造に電気的に結合される複数のゲート電極も含む。デバイスでは、複数のソース/ドレイン(S/D)ローカルインターコネクトは、基板の上に積み重ねられ、かつ、複数のトランジスタ対のソース領域及びドレイン領域に電気的に結合される。加えて、1つ以上の導電面が基板の上に形成され、1つ以上の導電面は、複数のトランジスタ対に隣接して配置され、複数のトランジスタ対の高さにわたって広がり、かつ、複数のトランジスタ対に電気的に結合される。デバイスは、基板の上に配置され、かつ、1つ以上の導電面に電気的に結合される複数の電源レールを更に含む。
【0016】
本開示の態様は、添付の図面と共に読まれると、以下の詳細な説明から最もよく理解される。業界の標準的な慣行に従い、様々な特徴が縮尺通りには描かれていないことに留意されたい。実際に、様々な特徴の寸法は、説明を明確にするために適宜拡大又は縮小される場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A】いくつかの実施形態による、AND-OR-反転22(AOI22)セルの概略回路図である。
図1B】いくつかの実施形態による、AOI22セルの相補型電界強化トランジスタ(CFET)の実施形態を上から見たレイアウト図である。
図2A】いくつかの実施形態による、第1の垂直ルーティング技術を使用することによって形成されるAOI22セルの概略図である。
図2B】いくつかの実施形態による、第2の垂直ルーティング技術を使用することによって形成されるAOI22セルの概略図である。
図2C】いくつかの実施形態による、第3の垂直ルーティング技術を使用することによって形成されるAOI22セルの概略図である。
図3A】いくつかの実施形態による、垂直ルーティング技術を使用することによって形成されるAOI22セルの概略図である。
図3B】いくつかの実施形態による、3D集積化CFETスタックに基づいて形成されたAOI22セルの概略図である。
図4】いくつかの実施形態による、AOI22セルに結合されている電源壁構造の概略図である。
図5】いくつかの実施形態による、電源壁構造と電源レール構造との間の第1の接続構成の概略図である。
図6】いくつかの実施形態による、電源壁構造と電源レール構造との間の第2の接続構成の概略図である。
図7】いくつかの実施形態による、電源壁構造と電源レール構造との間の第3の接続構成の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の本開示は、提供される主題(subject matter)の異なる特徴を実装するための多くの異なる実施形態又は実施例を提供する。本開示を単純にするために、構成要素及び構成の特定の例について以下に説明する。当然のことながら、これらは、単なる例に過ぎず、限定することを意図するものではない。加えて、本開示は、様々な例において参照番号及び/又は参照文字を繰り返す場合がある。この繰り返しは、単純化及び明確化を目的とするものであり、それ自体、考察された様々な実施形態及び/又は構成間の関係を決定付けるものではない。
【0019】
更に、本明細書では、「下」、「下方」、「より下」、「上方」、「より上」などの空間的に相対的な用語を、説明を簡単にするために使用して、図に示すような1つの要素又は特徴の、別の要素又は特徴に対する関係を説明することがある。空間的に相対的な用語は、図示の向きに加えて、使用中又は動作中の装置の様々な向きを包含することが意図されている。装置は、他の形態で方向付けられる(90度回転されるか又は他の方向に向けられる)ことがあり、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子もそれに応じて解釈することができる。
【0020】
本明細書の全体を通して、「一実施形態」又は「実施形態」に言及することは、その実施形態に関して記載する特定の特徴、構造、材料、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味するが、それらが全ての実施形態に存在することを示すものではない。従って、本明細書を通して様々な箇所で語句「一実施形態において」が現れることは、同じ実施形態を必ずしも参照するものではない。更に、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、1つ以上の実施形態において任意の好適な様式で組み合わされ得る。
【0021】
本明細書の技術は、(例えば)スタックトランジスタを使用する3D集積化ロジックに使用できる新規な電力供給ネットワーク(PDN)を提供する。
【0022】
相補型FETデバイス(CFET)は、3次元的に積層されたロジックトランジスタであり、このデバイスでは、NMOSトランジスタ又はPMOSトランジスタのいずれかがその相補物の上に位置している。このような構成により、ロジック標準セル及びSRAMメモリセルに対して、エリアスケーリング及びルーティング混雑が改善される。3D集積化は、限界寸法スケーリングの飽和が避けられないにもかかわらず、半導体スケーリングを継続するための実行可能な選択肢である。製造のばらつきと静電的なデバイス限界とに起因して、コンタクテッドゲートピッチがスケーリング限界に達すると、2次元のトランジスタ密度スケーリングが停止する。垂直チャネルゲートオールアラウンドトランジスタなど、これらのコンタクテッドゲートピッチスケーリング限界をあるときには克服できたであろう実験的な新しいトランジスタ設計でさえ、半導体スケーリングを軌道に戻す見込みはない。これは、抵抗、静電容量、及び信頼性の懸念が配線ピッチスケーリングを制限し、それによりトランジスタを回路に配線できる密度が制限されるからである。
【0023】
3D集積化、すなわち複数のデバイスの垂直積層化は、面積より、むしろ体積でトランジスタ密度を増加させることにより、これらのスケーリング限界を克服することを目的としている。3D集積化デバイスにおいて達成可能な回路性能の主な制限は、トランジスタに電力を供給できる効率である。
【0024】
ロジックチップの大部分は、標準セルでレンダリングされたロジックプリミティブから生成される。1つの例示的な標準セルを図1Aに示すことができる。図1Aは、AND-OR-反転(AOI)セル100の概略回路図を示す。本明細書のAOIセル100は、セルのp-fet側で並列対(parallel pairs)にグループ化され、CMOS回路のn-fet側で直列対(serial pairs)にグループ化されたトランジスタを有する中程度に複雑な標準セルである。例えば、p-fet側は、4つのp型トランジスタP1~P4を含むことができ、P1とP2とが並列に接続され、P3とP4とが並列に接続されている。n-fet側は、4つのn型トランジスタN1~N4を含むことができ、N1とN2とが直列に接続され、N3とN4とが直列に接続されている。AOIセル100は、4つの入力A~D及び出力Yに電気的に結合されている。4つの入力A~Dの各々がAOIセル100のそれぞれのn型ゲート及びp型ゲートに結合されている。例えば、入力Aは、n型トランジスタN1のn型ゲートと、p型トランジスタP1のp型ゲートとに結合されている。加えて、AOIセル100は、p型トランジスタP1及びP2のソース領域に結合されている供給電圧VDDに接続されている。AOIセル100は、n型トランジスタN2及びN4のソース領域に結合されている接地電圧GND(VSSとも称される)に更に接続されている。
【0025】
図1Bは、非3D集積化CFETレンダリングに基づいて形成されたAOIセル100についての関連するレイアウト200である。図1Bは、AOIセル100のレイアウトを上から見た図を示す。図1Bに示されるように、レイアウト200は、イオン注入プロセスを経てドープされる活性領域102を有することができる。レイアウト200は、4つのゲート構造104a及び104bを有することができる。レイアウト200は、複数の最下レベルの金属層(例えば、M0)106a~106fも含む。レイアウト200は、複数のn-fetソース/ドレイン(S/D)ローカルインターコネクト108a~108d及び複数のp-fetソース/ドレイン(S/D)ローカルインターコネクト110a~110dを含むことができる。n-fetソース/ドレイン(S/D)ローカルインターコネクト108及びp-fetソース/ドレイン(S/D)ローカルインターコネクト110は、複数のコンタクト112a~112eを通してM0 106に接続されている。加えて、レイアウト200は、入力A~Dにそれぞれアクセスするためにゲート構造104及びM0に接続された複数のゲートコンタクトA~Dを含むことができる。本明細書で説明されている電力供給は、図1Aの回路概略図では、VDD及びGND(VSSとも称される)として示されている。レイアウト200を上から見た図では、VDD及びVSS電源レールは、レイアウト200の上部及び下部の水平の縁部において幅広のバーとして示されている。S/Dローカルインターコネクト108及び110において形成された電源タップ(図示せず)は、トランジスタのソース領域をこれらの電源レールに接続するために使用される。
【0026】
3D集積化は、積層化デバイスのモノリシック集積化、すなわち「垂直ルーティング(“vertical routing”)」を使用した、3D空間での複数デバイスの同時製造に従うことが望ましい。図2Aは、そのような構成を示し、残存する設計及びプロセスの複雑さを強調している。図2Aに示されるように、AOIセル100は、垂直ルーティングプロセスを介してトランジスタスタック300によって形成することができる。トランジスタスタック300は、スタックされて並列な2つのグループ300A~300Bになった4つのCFETデバイス302~308を有することができる。2つのグループのそれぞれは、互いの上に積み重ねられた2つのCFETデバイスを更に有することができる。例えば、グループ300Aは、CFETデバイス306の上に積み重ねられるCFETデバイス302を有することができる。CFETデバイスのそれぞれは、n型トランジスタとp型トランジスタとを含むことができる。n型トランジスタとp型トランジスタとは、共有ゲート構造を有することができる。例えば、CFETデバイス302は、図1Aに示すn型トランジスタN1及びp型トランジスタP1を含む。4つのCFETデバイス302~308は、垂直ルーティングを介して複数のインターコネクト310によって接続されている。4つのCFETデバイスは、供給電圧VDD、接地電圧VSS及び出力Yに更に結合されている。
【0027】
垂直配線技術は、中間配線レベルなしで能動トランジスタを積み重ねることにより、3D集積化における大きい非効率性の1つ対処し、この場合、全てのトランジスタが同時にパターン形成及び製造され得る。残っている1つの課題を図2Bに示すことができる。図2Bは、いくつかの実施形態による、第2の垂直ルーティング技術を使用することによって形成されるAOIセル100の概略図である。図2Bに示されるように、AOIセル100は、トランジスタスタック400Aによって実現することができる。トランジスタスタック400Aは、基板に垂直な方向に沿って一列にスタックされた4つのCFETデバイス402~408を含む。4つのCFETデバイス402~408は、垂直ルーティングを介して複数のインターコネクト410によって接続されている。図2Bに示されるように、VDD(すなわち正の電圧)及びGND(すなわち負の電圧、VSSとも称される)の両方の電源接続がトランジスタスタック400Aにおける様々なレベルにおいてトランジスタに行われなければならない。多数のトランジスタが電源レール(例えば、VDD及びVSS)から電流を引き出す場合、電圧降下につながる抵抗を最小限に抑える一方、同時に過剰な空間を占有してトランジスタ密度スケーリングから逸脱することがないように、これらの接続を堅牢に行う必要がある。図2Cは、第3の垂直ルーティング技術を使用することによって形成されたAOIセル100の概略図である。図2Cに示されるように、AOIセル100は、トランジスタスタック400Bによって実現することができる。図2Aの400Aと同様に、VDD(すなわち正の電圧)及びGND(すなわち負の電圧、VSSとも称される)の両方の電源接続がトランジスタスタック400Bにおける様々なレベルにおいてトランジスタに行われなければならない。
【0028】
それに応じて、本明細書における技術は、モノリシックに集積化された3Dロジック又はメモリデバイスをサポートする垂直電源壁構造を提供する。このような構造により、デバイススタック全体にわたって全てのレベルで電力を引き出すことが可能になる。加えて、電力は、(従来の電力供給ネットワークのように)上から、又は、埋設電源レールを介して下からのいずれかで垂直電源壁に送り込むか、又は、供給することができる。このような埋設電源レール(又は従来のトップダウンPDN)は、垂直電源壁に平行に、又は、垂直電源壁に垂直に延びることができる。電源壁は、連続した垂直電源壁であり得る。
【0029】
図3Aは、電源壁構造と組み合わせることができる、改善された垂直ルーティング技術を使用することによって形成されたAOIセル100の概略図である。図3Aに示されるように、AOIセル100は、トランジスタスタック500によって実現することができる。トランジスタスタック500は、基板に垂直な方向に沿って一列にスタックされた4つのCFETデバイス502~508を含む。4つのCFETのそれぞれは、トランジスタ対を含む。トランジスタ対は、n型トランジスタ及びp型トランジスタを含む。例えば、CFET 502は、n型トランジスタN3及びp型トランジスタP3を含む。4つのCFETデバイス502~508は、垂直ルーティングを介して複数のインターコネクト510によって接続されている。いくつかの実施形態では、複数のインターコネクト510は、図3Bに示すような、複数の垂直コンタクト、複数のソース/ドレイン(S/D)ローカルインターコネクト及び複数のゲート電極を含むことができる。
【0030】
図3Bは、3D集積化トランジスタスタック600に基づいて形成されたAOIセル100の概略図である。トランジスタスタック600は、基板601上に形成された4つのCFETデバイス602~608を含むことができる。4つのCFETデバイスのそれぞれは、n型トランジスタ及びp型トランジスタによって形成されるトランジスタ対を含むことができる。例えば、CFETデバイス602は、入力Dに結合されているn型トランジスタN3と、入力Dに結合されているp型トランジスタP3とを含むことができる。n型トランジスタとp型トランジスタとは、共有ゲート構造を有することができる。n型トランジスタは、p型トランジスタの上に配置されている。ゲート構造は、n型トランジスタのnチャネル領域及びp型トランジスタのpチャネル領域を取り囲むことができる。チャネル領域は、シート、ワイヤ、又はバーの構成であり得る。n型トランジスタは、nチャネル領域の2つの端部にそれぞれ配置されたソース領域及びドレイン領域を有することができ、ゲート構造は、nチャネル領域を取り囲み、n型トランジスタのソース領域とドレイン領域との間に配置されている。p型トランジスタは、pチャネル領域の2つの端部にそれぞれ配置されたソース領域及びドレイン領域を有することができ、ゲート構造は、pチャネル領域を取り囲み、p型トランジスタのソース領域とドレイン領域との間に配置されている。その上、ゲート構造は、ゲート電極に電気的に結合することができる。ソース領域及びドレイン領域は、それぞれソースローカルインターコネクト及びドレインローカルインターコネクトを有することができる。
【0031】
例えば、図3Bに示されるように、n型トランジスタN3及びp型トランジスタP3は、共有ゲート構造610を有する。n型トランジスタN3は、nチャネル領域の2つの端部に位置するソース領域612及びドレイン領域614を有する。nチャネル領域は、ゲート構造610によって取り囲まれ、ゲート構造610は、ソース領域612とドレイン領域614との間に配置されている。p型トランジスタP3は、ソース領域616と、ゲート構造610の背後におけるドレイン領域とを有する。ソース領域616及びドレイン領域は、pチャネル領域の2つの端部に配置されている。同様に、pチャネル領域は、ゲート構造610によって取り囲まれ、ゲート構造610は、p型トランジスタP3のソース領域616とドレイン領域との間に配置されている。
【0032】
ゲート構造610は、1つ以上のゲート電極618を有することができる。ゲート電極618は、ゲート構造610の2つの端部に配置することができる。n型トランジスタN3のソース領域612及びドレイン領域614は、それぞれソースローカルインターコネクト622及びドレインローカルインターコネクト620を有することができる。同様に、p型トランジスタP3のソース領域616は、ソースローカルインターコネクト624を有することができ、p型トランジスタP3のドレイン領域は、ゲート電極618の背後に配置されたドレインローカルインターコネクトを有することができる。トランジスタN1のソースローカルコンタクト632及びトランジスタN4のソースローカルインターコネクト636が接地電圧VSS(又は、GND)に結合され、トランジスタP1のソースローカルコンタクト643が供給電圧VDDに結合されていることに留意すべきである。
【0033】
依然として図3Bを参照すると、トランジスタスタック600は、複数の垂直コンタクトを有することができる。垂直コンタクトは、ソース/ドレイン(S/D)ローカルインターコネクト、入力、出力、VSS又はVDDに結合できる。例えば、トランジスタスタック600は、垂直コンタクト628a~628fを含むことができる。垂直コンタクト628aは、トランジスタP3のソースローカルインターコネクト624とトかつ、n型出力端子としての役割を果たす。
【0034】
図3Bは、単なる例であることに留意すべきである。トランジスタスタック600は、基板601の上に積み重ねられる任意の数のCFETデバイスを有することができる。CFETデバイスは、示されていない複数の誘電体層によって互いに間隔を空けることができる。CFETデバイスは、n型トランジスタ及びp型トランジスタを有することができる。いくつかの実施形態では、n型トランジスタをp型トランジスタの上に配置することができる。いくつかの実施形態では、p型トランジスタをn型トランジスタの上に配置することができる。加えて、n型トランジスタとp型トランジスタとを絶縁層で分離することができる。更に、ソース領域及びゲート構造は、絶縁層によって分離されており、ドレイン領域及びゲート構造も絶縁層によって分離されていることに留意すべきである。
【0035】
図3A及び図3Bに示すトランジスタスタックは、図2A図2Cに示すトランジスタスタックを上回る利点を有する。図3Bに示されるように、トランジスタスタック600は、トランジスタスタックの側面部分に沿って形成されたVDD及びGND電源タップを有することができる。例えば、VDD接続は、最も下のpトランジスタレベル(すなわちトランジスタP1)で行うことができ、ゲートスタックの背後を左に向かって延びている。nトランジスタN2及びN4に2つのGND接続を行うことができる。これら2つのGND電源タップは、右に向かって延びている(ゲートスタックの前面に1つ、背後に1つ)。トランジスタスタックの側面部分に沿って電源タップを形成することにより、その後に形成される電源壁をトランジスタスタックの任意のレベルに取り込み、電力をデバイスに引き込むことができる。
【0036】
上述した課題を克服する本明細書の技術を図4に示すことができる。図4は、垂直電源壁の構成例を示す。図4に示されるように、2つの垂直電源壁638及び640を形成することができる。垂直電源壁638及び640は、トランジスタスタック(例えば、トランジスタスタック600)の高さ全体にわたって広がる垂直に連続する電源プレーン(又は導電面)とすることができ、トランジスタスタックの任意のレベルに取り込み、かつ、電力をデバイスに引き込むことができる。例えば、垂直電源壁638は、VDD電源タップに結合することができ、垂直電源壁640は、2つのGND電源タップに結合することができる。それに応じて、電源壁と電源タップとの間の接続に基づいて、トランジスタスタック600に電力を引き込むことができる。
【0037】
垂直電源壁は、タングステン、ルテニウム、銅、コバルト、アルミニウム又は他の好適な導電性材料で作製することができる。垂直電源壁は、パターン形成プロセスと堆積プロセスとの組み合わせに基づいて、誘電体スタック内に形成することができる。パターン形成プロセスは、フォトリソグラフィープロセス及びエッチングプロセスを含むことができ、フォトリソグラフィープロセスは、レジストパターンを形成し、エッチングプロセスは、パターンを誘電体スタックに転写して開口部を形成する。続いて、堆積プロセスを導入して、導電性材料を開口部内に堆積させて電源壁を形成することができる。堆積プロセスは、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、原子層堆積(ALD)、拡散、又は他の好適な堆積プロセスを含むことができる。いくつかの実施形態では、トランジスタスタック600が形成された後に電源壁を形成することができる。いくつかの実施形態では、トランジスタスタック600が形成される前に電源壁を形成することができる。
【0038】
図5は、垂直電源壁から埋設電源レール接続への第1の実施形態を示す。図5に示されるように、2つの埋設電源レール642及び644は、連続的接続を有して垂直電源壁638及び640と平行に延びることができ、電源壁のそれぞれは、連続的接続を形成するように、それぞれの電源レール上に配置され、それに沿って延びている。電源レールは、VDD及びVSS電圧を供給し、タングステン、ルテニウム、コバルト、又は他の導電性材料で作製することができる。電源レールに接続することにより、電源壁は、電源レールからトランジスタスタック600に電力を引き込む。
【0039】
図6は、垂直電源壁から埋設電源レール接続への第2の実施形態を示す。図6に示されるように、垂直電源壁638及び640は、垂直に延び、交互に並んだ交差点において、それぞれの電源レールに接続することができる。従って、垂直電源壁のそれぞれは、2つ以上の接続点を形成するように、2つの電源レール642及び644の上に、かつ、それらにわたって配置されている。図6に示す垂直レイアウトは、より均一な電力グリッドを提供し、チップ上の応力分布と熱負荷を改善する。いくつかの実施形態では、電源レールと電源壁との間にローカルコンタクトを形成することができる。例えば、電源レール642と電源壁638との間にローカルコンタクト646を配置することができる。
【0040】
図7は、垂直電源壁から埋設電源レール接続への第3の実施形態を示す。図7に示されるように、電源レール642及び644を垂直電源壁638及び640の上に配置することができる。電源壁のそれぞれは、連続的接続を形成するように、それぞれの電源レールに沿って延びている。
【0041】
本開示では、垂直電源壁のセットは、積層化3Dロジック又はメモリデバイスの高さ全体にわたって広がり、積層体内の任意のトランジスタレベルにおいて電源タップに直接接触することを可能にしている。このような構成には、いくつかの利点がある。例えば、必要なインターコネクトが少なくなるため、電源壁は、デバイスのスペースを削減できる。加えて、電源壁は、トランジスタスタックと電源レールとの間のインターコネクトの抵抗を削減できる。
【0042】
本開示では、本明細書の電源壁は、上から従来の電源レールに接続すること又は下から埋設電源レールに接続することのいずれかができる。配置は、連続的接続を有して埋設電源レール又は従来の電源レールに対して平行に延在する/延びるか、又は交互に並んだ交差点において選択的に接続された電力グリッドを形成して垂直に延在する/延びるかのいずれかであり得る。このような構造は、連続的な横方向構造又は信号配線のためのチャネルを残す区分的に中断された構造のいずれかとして形成できる。本明細書における例示的な実施形態は、3Dロジック構造に焦点を当てているが、当業者は、本明細書における技術を積層化SRAMなどの3Dメモリ構造にどのように適用できるかを理解できることに留意されたい。本開示では、AOIセルは、単なる一例である。開示された電源壁は、他のロジック構造、アナログ構造、メモリ構造、又は他の半導体デバイスに適用することができる。
【0043】
前述の説明では、処理システムの特定の形状並びにそこで使用される様々な構成要素及びプロセスの説明など、特定の詳細について説明してきた。しかしながら、本明細書における技術は、これらの特定の詳細から逸脱する他の実施形態で実施することができ、そのような詳細は、説明のためのものであり、限定のためのものではないことを理解されたい。本明細書で開示される実施形態が添付の図面を参照して説明されてきた。同様に、説明の目的のため、詳細な理解を提供するために特定の番号、材料、及び構成が示されてきた、いかなる冗長な説明も省略される場合がある。
【0044】
様々な実施形態の理解を支援するために、様々な技術が複数の個別の動作として説明されてきた。説明の順序は、これらの動作が必ず順序に依存することを意味すると解釈されるべきではない。実際に、これらの動作は、提示した順序で実行される必要はない。説明された動作は、説明された実施形態と異なる順序で実行され得る。追加の実施形態では、様々な追加の動作を実行することができ、かつ/あついは、説明した動作を省略することができる。
【0045】
本明細書で使用される「基板」又は「ターゲット基板」は、本発明に従って処理されるオブジェクトを総称して指す。基板は、デバイス、特に半導体又は他の電子デバイスの任意の材料部分又は構造を含むことがあり、例えば半導体ウェハ、レチクルなどのベース基板構造、又は、薄膜などのベース基板構造上の若しくはそれに重なる層であり得る。従って、基板は、いかなる特定のベース構造、下層又は上層、パターン付き又はパターンなしにも限定されず、むしろ、任意のそのような層若しくはベース構造、並びに、層及び/又はベース構造の任意の組み合わせを含むことが企図されている。説明では、特定の種類の基板を参照している場合があるが、これは、説明のみを目的とするものである。
【0046】
また、当業者であれば、本発明の同じ目的を達成しながら、上記で説明した技術の動作に対してなされる多くの変形形態が存在し得ることを理解するであろう。そのような変形形態は、本開示の範囲に包含されることが意図されている。従って、本発明の実施形態の前述の説明は、限定することを意図したものではない。むしろ、本発明の実施形態に対するいかなる限定も以下の特許請求の範囲に提示されている。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7