(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】レーザーリフロー装置、及び、レーザーリフロー方法
(51)【国際特許分類】
B23K 1/005 20060101AFI20231221BHJP
B23K 26/00 20140101ALI20231221BHJP
B23K 26/57 20140101ALI20231221BHJP
B23K 1/00 20060101ALI20231221BHJP
H01L 21/60 20060101ALI20231221BHJP
H05K 3/34 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
B23K1/005 A
B23K26/00 N
B23K26/57
B23K1/00 330E
H01L21/60 311T
H05K3/34 507E
(21)【出願番号】P 2019234128
(22)【出願日】2019-12-25
【審査請求日】2022-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100142804
【氏名又は名称】大上 寛
(72)【発明者】
【氏名】小林 賢史
(72)【発明者】
【氏名】キム ヨンソク
(72)【発明者】
【氏名】木村 展之
(72)【発明者】
【氏名】一宮 佑希
(72)【発明者】
【氏名】陳 之文
【審査官】岩見 勤
(56)【参考文献】
【文献】特許第6608559(JP,B1)
【文献】国際公開第2010/018680(WO,A1)
【文献】特開昭64-023543(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 1/005
B23K 26/00
B23K 26/57
B23K 1/00
H01L 21/60
H05K 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側面にバンプを配した半導体チップを少なくとも1つ含む被加工物に対して、該半導体チップの他側面からレーザービームを照射して該被加工物の被照射範囲に含まれる該バンプをリフローさせるレーザーリフロー装置であって、
(A)
レーザー光源から出射されたレーザービームについて該被照射範囲内におけるレーザーパワー密度を局所的に設定可能とするレーザーパワー密度設定機能を有する空間光変調手段と、
該レーザー光源から出射されたレーザービームを該被加工物に結像し該被加工物の該被照射範囲に照射する結像機能を有する結像手段と、有する、
又は、
(B)
レーザー光源から出射されたレーザービームについて該被照射範囲内におけるレーザーパワー密度を局所的に設定可能とするレーザーパワー密度設定機能、及び、該レーザービームを該被加工物に結像し該被加工物の該被照射範囲に照射する結像機能と、を有する空間光変調手段を有する、
レーザーリフロー装置。
【請求項2】
該被加工物上の被照射範囲の位置を変更可能な被照射範囲変更手段を更に備えた、
ことを特徴とする請求項1に記載のレーザーリフロー装置。
【請求項3】
該空間光変調手段は、該被照射範囲のうち該バンプが存在するバンプ領域に照射されるレーザービームのレーザーパワー密度を、該バンプが存在しない非バンプ領域に照射されるレーザービームのレーザーパワー密度よりも高くするよう設定される、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレーザーリフロー装置。
【請求項4】
該レーザー光源と該空間光変調手段の間に配設され、該レーザー光源から出射されたレーザービームのレーザーパワー密度を該空間光変調手段の入射面において均一化する、均一照射ユニットを更に備えた、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のレーザーリフロー装置。
【請求項5】
該レーザー光源は、複数の光源からなる、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のレーザーリフロー装置。
【請求項6】
被加工物の上面の温度を検出する温度検出器を更に備えた、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のレーザーリフロー装置。
【請求項7】
該レーザービームを透過させる材質からなり、被加工物の上面を抑える押圧部材を更に備えた、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のレーザーリフロー装置。
【請求項8】
(A)
該空間光変調手段と、該結像手段と、を有する一つのレーザー照射ユニットを有する、
又は、
(B)
該空間光変調手段を有する一つのレーザー照射ユニットを有する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載のレーザーリフロー装置。
【請求項9】
該空間光変調手段のレーザー被照射面と、該被加工物のレーザー被照射面とが非共役となる、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載のレーザーリフロー装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項
9のいずれか一項に記載のレーザーリフロー装置を用いたレーザーリフロー方法であって、
該被照射範囲内の各特定領域について照射されるレーザービームのレーザーパワー密度を個別に設定する、レーザーリフロー方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バンプを介して半導体チップを基板に接続する構成の被加工物に対し、半導体チップ側からレーザービームを照射してバンプをリフローさせるレーザーリフロー装置、及び、レーザーリフロー方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バンプを有した半導体チップを基板上にバンプを介して載置した後、基板とチップとの全体を加熱することでバンプを溶かして基板上の電極に接続するフリップチップ実装が知られている。
【0003】
フリップチップ実装において、基板全体を加熱してボンディングするマスリフロープロセス(Mass Reflow)が知られている。このマスリフローでは、基板と、基板上に複数配置されるチップとの熱膨張係数の違いから加熱中に基板が大きく反り、これに伴ってチップが動き、断線やショート等の不良が発生する可能性があることが知られている。
【0004】
また、各チップに加熱・加圧を実施することでボンディングするTCBプロセス(Thermo-Compression Bonding:熱圧着)も知られている。このTCBプロセスでは、ボンダーヘッドの冷却に時間がかかることや、生産性が劣るということが知られている。
【0005】
以上のようなプロセスに対し優位性のあるプロセスとして、例えば特許文献1に開示されるようなレーザーリフロープロセスが知られている。このレーザーリフロープロセスでは、基板の実装面の所定の範囲において、チップの上側からレーザービームを照射してバンプを溶かし、チップを基板上の電極に接続するものである。
【0006】
そして、このようなレーザーリフロープロセスでは、複数のチップに対してレーザービームを照射することでTCBプロセスよりも高い生産性が得られ、マスリフロープロセスのように基板に大きな反りが発生しないという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、レーザーリフロープロセスは利点を有するものであるが、レーザービームの照射によって基板も加熱されることから、基板の反りの問題は依然として残るものであり、さらなる改善の余地がある。
【0009】
ここで、単純にレーザーの出力を抑えることで、基板の温度上昇を抑えることも考えられるが、その場合バンプが充分に溶解されずに接続不良を生じることが懸念される。
【0010】
また、半導体チップを基板に実装するフリップチップ実装の他、半導体チップに分割する前のウェーハを積層し、ウェーハの状態でパンプ接合をするウェーハオンウェーハ(wafer on wafer)も知られており、このアプリケーションにおいてもウェーハの反りの問題が懸念される。
【0011】
本発明は以上の問題に鑑み、レーザーリフロープロセスにおいて、熱による被加工物の反りを抑えつつ、バンプ接続不良を低減可能とする新規な技術を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様によれば、
一側面にバンプを配した半導体チップを少なくとも1つ含む被加工物に対して、該半導体チップの他側面からレーザービームを照射して該被加工物の被照射範囲に含まれる該バンプをリフローさせるレーザーリフロー装置であって、
(A)
レーザー光源から出射されたレーザービームについて該被照射範囲内におけるレーザーパワー密度を局所的に設定可能とするレーザーパワー密度設定機能を有する空間光変調手段と、
該レーザー光源から出射されたレーザービームを該被加工物に結像し該被加工物の該被照射範囲に照射する結像機能を有する結像手段と、有する、
又は、
(B)
レーザー光源から出射されたレーザービームについて該被照射範囲内におけるレーザーパワー密度を局所的に設定可能とするレーザーパワー密度設定機能、及び、該レーザービームを該被加工物に結像し該被加工物の該被照射範囲に照射する結像機能と、を有する空間光変調手段を有する、
レーザーリフロー装置とする。
【0013】
また、本発明の一態様によれば、
該被加工物上の被照射範囲の位置を変更可能な被照射範囲変更手段を更に備えた、
こととする。
【0014】
また、本発明の一態様によれば、
該空間光変調手段は、該被照射範囲のうち該バンプが存在するバンプ領域に照射されるレーザービームのレーザーパワー密度を、該バンプが存在しない非バンプ領域に照射されるレーザービームのレーザーパワー密度よりも高くするよう設定される、
こととする。
【0015】
また、本発明の一態様によれば、
該レーザー光源と該空間光変調手段の間に配設され、該レーザー光源から出射されたレーザービームのレーザーパワー密度を該空間光変調手段の入射面において均一化する、均一照射ユニットを更に備えた、
こととする。
【0016】
また、本発明の一態様によれば、
該レーザー光源は、複数の光源からなる、
こととする。
【0017】
また、本発明の一態様によれば、
被加工物の上面の温度を検出する温度検出器を更に備えた、
こととする。
【0018】
また、本発明の一態様によれば、
該レーザービームを透過させる材質からなり、被加工物の上面を抑える押圧部材を更に備えた、
こととする。
【0019】
また、本発明の一態様によれば、
上記記載のレーザーリフロー装置を用いたレーザーリフロー方法であって、
該被照射範囲内の各特定領域について照射されるレーザービームのレーザーパワー密度を個別に設定する、レーザーリフロー方法とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の構成によれば、空間光変調素子を備える構成とすることで、レーザーパワー密度を被照射範囲内で局所的に設定することができ、例えば、バンプ領域のみにレーザーパワー密度の高いレーザービームを照射することで、不必要な箇所を無駄に加熱することなく被加工物の反りを抑制しながらも、パンプを確実に溶かすことが可能となり、パンプ接続不良の発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】レーザーリフロー装置の一構成例について示す図である。
【
図2】光学系の一構成例について説明する図である。
【
図3】(A)はコリメートレンズと非球面レンズによる均一照射ユニットの図であり、(B)はコリメートレンズとDOEによる均一照射ユニットの図であり、(C)はロッドレンズと導光ユニットによる均一照射ユニットの図であり、(D)はコリメートレンズとレンズアレイと集光レンズによる均一照射ユニットの図である。
【
図4】テレセントリックレンズにて形成する平行入射光について説明する図である。
【
図5】(A)は半導体チップの領域にのみレーザービームを照射する例について示す図であり、(B)は領域ごとに異なるレーザーパワー密度が設定される例について示す図であり、(C)は半導体チップが積層されるものについてレーザーリフローを実施する例について示す図である。
【
図6】(A)は一つの半導体チップの領域にレーザービームが照射される例について説明する図である。(B)は複数の半導体チップの領域にレーザービームが照射される例について説明する図である。(C)はバンプが配置される領域にレーザービームが照射される例について説明する図である。(D)は領域ごとに異なるレーザーパワー密度が設定される様子について示す図である。
【
図7】(A)は基板表面のみにレーザービームが照射される例について説明する図である。(B)は領域ごとに異なるレーザーパワー密度が設定される様子について示す図である。
【
図8】光学系の他の実施例について説明する図である。
【
図9】光学系の他の実施例について説明する図である。
【
図10】押圧部材による基板の反りの抑制について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態に係るレーザーリフロー装置について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、レーザーリフロー装置1は、レーザービームを照射するレーザー照射ユニット2と、被加工物40を保持する加工テーブル3と、を有し、加工テーブル3をレーザー照射ユニット2に対して相対移動させることで、被加工物40にレーザー加工を施すように構成されている。
【0023】
被加工物40は、例えば矩形の基板20上に半導体チップ30の表面を下向きにした状態で配列させたものであり、半導体チップ30の表側に配置されるバンプをレーザービームにてリフローすることにより、半導体チップ30が基板20に対しフリップチップ実装されることが予定されるものである。基板20は、例えば、PCB基板(Printed Circuit Board)や、チップに分割される前のデバイスウェーハ等である。
【0024】
なお、被加工物40としては、
図5(A)に示すように、半導体チップ30がバンプを介して基板20に配列されたものや、
図5(C)に示すように、半導体チップ30A,30B,30Cが積層され、各半導体チップ30間にバンプ32が存在するものなどが考えられる。また、複数枚のデバイスウェーハを積層してバンプ接合するウェーハオンウェーハ(wafer on wafer)のアプリケーションにおいても本発明は適用可能であり、この場合は、複数のウェーハを積層したものが被加工物となる。
【0025】
図1に示すように、レーザーリフロー装置1は、基台4と、基台4の後端部から上方に立設した縦壁部5と、を備える。縦壁部5の前面5aには、前方に突出したアーム部6が設けられ、アーム部6の先端側にはレーザー照射ユニット2の加工ヘッド7が設けられている。加工ヘッド7は、詳しくは後述するようにレーザー光源から照射されるレーザービームを集光し、加工テーブル3上に保持された被加工物40にレーザービームを照射するためのものである。
【0026】
本実施例では、加工テーブル3は、図示せぬ回転機構によりθ方向(Z軸周り)に回転可能に構成されるものであるが、回転可能としない構成であってもよい。なお、被加工物40が加工ヘッド7に対し斜めに載置される場合には、回転機構を備えることが有効である。
【0027】
基台4の上面には、Y軸方向に延在する一対のガイドレール8と、一対のガイドレール8に対し摺動可能に支持されるY軸テーブル9と、モーター17と、モーター17により回転駆動されるボールネジ15が設けられている。Y軸テーブル9はナット部材を介してボールネジ15に連結されており、モーター17の駆動によってY軸テーブル9がY軸方向に移動される。
【0028】
Y軸テーブル9の上面には、X軸方向に延在する一対のガイドレール10と、一対のガイドレール10に対し摺動可能に支持されるX軸テーブル11と、モーター18と、モーター18により回転駆動されるボールネジ16が設けられている。X軸テーブル11はナット部材を介してボールネジ16と連結されており、モーター18の駆動によってX軸テーブル11がX軸方向に移動される。
【0029】
アーム部6において、加工ヘッド7の側方には、被加工物40の位置と加工ヘッド7の位置をアライメントするために用いる撮像カメラ71と、被加工物40の温度を検出するための温度検出器72が配置されている。例えば、撮像カメラ71は、CCDカメラにて構成することができ、温度検出器72は、赤外線カメラにて構成することができる。
【0030】
アーム部6において、加工ヘッド7の下方には、半導体チップ30の上面に対向するように押圧部材60が設けられる。押圧部材60は、熱変形により基板20に反りが生じようとした際に、半導体チップ30を上側から押さえて反りの発生やズレを防止するためのものである。押圧部材60は、被加工物に照射されるレーザービームを透過させる材質にて構成され、本実施例では、平板部材で構成されてアーム部6の側面に設けられる昇降機構62により上下方向に移動可能に構成される。
【0031】
半導体チップ30の上面ではレーザービームの一部が反射し、この反射したレーザービームが押圧部材60の上面に到達すると、その一部が押圧部材60の上面において再び反射して半導体チップ30に向けて進行し、半導体チップ30に吸収されることができる。このように、押圧部材60は、レーザービームの多重反射を生じさせ、加工効率を向上させることも目的として設けられる。
【0032】
レーザーリフロー装置1には、レーザー照射ユニット2の動作、加工テーブル3のXY移動、撮像カメラ71や温度検出器72の制御など、レーザーリフロー装置1を構成する各機能を制御するための制御装置100が設けられている。
【0033】
また、レーザーリフロー装置1には、制御装置100に対し、被加工物40の加工条件や属性情報などを入力するための入力装置200が設けられている。入力装置200はタッチパネルなどで構成することができる。
【0034】
次に、レーザー照射ユニットの光学系の一実施形態について説明する。
図2に示す例では、レーザー照射ユニット2は、順に、レーザー光源51と、均一照射ユニット52と、導光ユニット53と、空間光変調手段54と、結像手段55と、拡大レンズ56と、テレセントリックレンズ57、とを有して構成される。
【0035】
レーザー光源51は、例えば、ファイバレーザや、単一のレーザーダイオード(LD)を有する単一光源や、複数のレーザーダイオード(LD)を配置してなるマルチ光源、にて構成することができる。
【0036】
レーザー光源51から出射られるレーザービームは、被加工物(半導体チップ)に対して吸収性を有する波長の連続波とされる。半導体チップ30(
図1)がシリコンである場合には、例えば波長400~1100nmのレーザービームが使用されるが、より短波長のものが採用されてもよい。短波長の場合では半導体チップ表面での反射が増加し、長波長では半導体チップ表面での反射が抑えられるがシリコンに対する透過性が増加することになる。したがって、特に好ましくは、波長900~1000nmを採用することが考えられ、これによれば、半導体チップ表面での反射が抑えられるとともに、半導体チップでの吸収を確保することができる。
【0037】
均一照射ユニット52は、均一照射ユニット52から出射されるレーザービームによって、空間光変調手段54に対する均一照射面を形成するためのものである。この均一照射面では、レーザービームのレーザーパワー密度が均一なものとなる。
【0038】
この均一照射ユニット52は、レーザー光源51がマルチ光源である場合には、特に設けられることが好ましい。均一照射ユニット52は、単一光源の場合にも、ガウシアン分布をなす光源の場合には、完全なトップハット分布にするために設けられることが好ましく、また、トップハット分布をなす光源の場合においてもより完全なトップハット分布にするために設けられることが好ましい。
【0039】
均一照射ユニット52は、例えば、
図3(A)に示すように、コリメートレンズR1と非球面レンズR2の組み合わせにより均一照射面Kが形成されるもの、
図3(B)に示すように、コリメートレンズR3、DOE(Diffractive Optical Element:回折光学素子)R4,集光レンズR5の組み合わせにより均一照射面Kが形成されるもの、
図3(C)に示すように、ロッドレンズR6(ロッドレンズはガラスからなる筒状部材)と導光ユニットR7(リレーレンズや光ファイバ)の組み合わせにより均一照射面Kが形成されるもの、
図3(D)に示すように、コリメートレンズR8と第一・第二レンズアレイR9・R10(複数のロッドレンズを束ねてアレイ状にしたものや、レンズをアレイ状に面加工したもの)と集光レンズR11の組み合わせにより均一照射面Kが形成されるもの、を利用することができる。なお、
図3(C)の構成において、ロッドレンズR6の代わりに、ライトパイプ(鏡で囲まれた中空の筒状部材であり、ホモジナイザーロッドとも呼ぶ)を用いることとしてもよい。
【0040】
また、
図3(C)に示すロッドレンズR6(又は、ライトパイプ)の構成において、
図3(C)に示されるように、入射側よりも出射側の径が小さいものを使用するほか他、同径とするもの、あるいは、入射側のほうが出射側の径よりも小さいものを使用することとしてもよい。
【0041】
図2に示される導光ユニット53は、均一照射ユニットによって形成された均一照射面の光(あるいは、光源からの直接の光)を、空間光変調手段54に転写するためのユニットであり、例えば光ファイバやリレーレンズ(組みレンズ)により構成することができる。なお、組みレンズを利用する場合には、光ファイバと比較して、導光ユニット53と空間光変調手段54の間の距離を広く設けることが可能となるため、装置設計の自由度が高いものとなる。
【0042】
図2に示される空間光変調手段54は、出射されるレーザービームの強度(レーザーパワー密度)の空間密度分布をコントロールできる空間光変調素子で構成され、SLM(Spatial Light Modulator)と称されるものである。例えば、周知の反射型液晶LCOS(Liquid-Crystal on Silicon)、透過型液晶LCP(Liquid Crystal Panel)、Deformable Mirror、DMD(Digital Micro-mirror Device)などの周知のSLMデバイスから選択して構成することができる。
【0043】
また、空間光変調手段54のレーザー被照射面(入射面)と、被加工物40のレーザー被照射面とが非共役となるように、空間光変調手段54は位相変調型のものを利用することが好ましい。これによれば、光源から出射されるレーザービームの利用効率を高いものとすることができる。
【0044】
なお、空間光変調手段54のレーザー被照射面(入射面)と、被加工物のレーザー被照射面とが共役となる振幅変調型の空間光変調手段54も利用可能である。例えば、上記で列記したSLMデバイスにおいて振幅変調型のものの他、マスクも空間光変調手段54の代わりに採用することができる。ただし、振幅変調型のSLMデバイスや、マスクや、DMDについては、被加工物に照射されない光の損失が生じることになる。
【0045】
図2に示される結像手段55は、単一のレンズや、組みレンズからなる結像レンズで構成することができる。
図2の例では、両凸レンズと両凹レンズを順に配置して構成される。
【0046】
なお、空間光変調手段54が位相変調型(例えば、反射型LCOSやDeformable Mirrorなど)の場合には、空間光変調手段54を構成する空間光変調素子により結像手段55(結像レンズ)の機能も兼ね備えることができ、この場合には、結像手段55(結像レンズ)を省略することとしてもよい。
【0047】
図2に示される拡大結像レンズ56は、結像レンズで結像される像(共役像)を拡大して被加工物40のレーザー被照射面に結像するものである。拡大結像レンズ56は省略可能である。
【0048】
図2に示されるテレセントリックレンズ57は、被加工物40のレーザー被照射面に対しレーザービームを垂直に入射させる、つまりは、光軸と平行に入射させるためのものである。例えば、
図4に示すように、テレセントリックレンズ57によりレーザービームLBを平行入射光とし、隣接する半導体チップ30の狭い隙間に、半導体チップ30を避けて基板20に照射させる際には、テレセントリックレンズ57の利用は特に有効である。なお、
図2に示される結像手段55をテレセントリックレンズに構成することもでき、また、テレセントリックレンズ57を省略して光学系を構成することとしてもよい。
【0049】
また、テレセントリックレンズ57を用いる光学系を構成するメリットとして、レーザー被照射面での焦点合わせに関し、高精度のZ方向の位置決めが不要となるという点もある。また、
図4に示すように、レーザービームLBが被加工物40のレーザー被照射面に対し垂直に入射されるので、隣り合う半導体チップ30の間隔が狭い場合や、半導体チップ30が厚い場合であっても、レーザービームLBが半導体チップ30の表面に照射されてしまうことを防ぐことができる。
【0050】
次に、レーザーリフローを実施する例について説明する。
図1に示すように、被加工物40が加工テーブル3にセットされるとともに、加工条件が入力装置200から入力される。ここで、加工条件は、例えば、
図5(A)に示すように、「半導体チップ30が存在する各特定領域AのみにレーザービームLAを照射する」という加工条件である。別の例としては、
図5(B)に示すように、「半導体チップ30が存在する各特定領域Aに照射されるレーザービームLAのレーザーパワー密度が、半導体チップ30が存在せずレーザービームが直接基板に照射される各特定領域Bに照射されるレーザービームLBのレーザーパワー密度よりも高い」という加工条件である。
【0051】
以上のように、被照射範囲内の特定領域について局所的にレーザービームを照射することや、レーザーパワー密度の分布を設定することは、空間光変調手段54を利用することによって可能となるものである。なお、レーザーパワー密度とは、単位面積当たりのレーザーパワーのことであり単位W/cm2であり、本実施形態におけるレーザーリフローでは、10~300W/cm2であることが想定される。
【0052】
ここで、レーザーパワー密度は、被加工物の材質や、レーザービームが透過する半導体チップや被加工物の厚みに応じて設定され、例えば10~300W/cm2であり、照射時間(リフローに要する時間)を短縮するためには80~300Wcm2とすることがより好ましい。半導体チップや被加工物の厚みによっては300Wよりも高い密度のレーザービームも利用可能だがデバイスを損傷するリスクが高まるので、この点を考慮して適宜設定される。
【0053】
制御装置100は、撮像カメラ71で加工表面を撮像し、被照射範囲の中から特定領域を確定するステップを実行する。次いで、各特定領域についてレーザーパワー密度を個別に設定する。
図5(B)の例であれば、被照射範囲の中から特定領域A,Bを確定し、特定領域Aについてレーザーパワー密度を高く、特定領域Bについてレーザーパワー密度を低く設定するものである。
【0054】
また、加工前に特定領域の確定とレーザーパワー密度の設定をしておくようにしてもよい。例えば、加工前に被加工物の各種寸法をもとに特定領域を確定しておき、各特定領域のレーザーパワー密度をそれぞれ設定し、加工条件として特定領域と各レーザーパワー密度を加工装置に登録しておく。同時に被加工物の特徴点の撮像画像をターゲットとして登録するとともにターゲットと各特定領域の位置関係を装置に登録しておく。そして、これにより、リフロー時には、被加工物を撮像カメラで撮像して特徴点を検出し、特定領域を検出して登録しておいた各レーザーパワー密度でレーザービームを照射する。
【0055】
次いで、撮像画像に基づいて加工ヘッド7の位置と被加工物40の位置を、加工テーブル3を移動させることで適宜位置合わせする。
【0056】
位置合わせ完了後、制御装置100は、上記加工条件に対応してレーザービームを照射し、バンプ32を溶かして半導体チップ30と基板20の電気的接続を行う。
【0057】
なお、
図5(C)に示すように、半導体チップ30A,30B,30Cが積層され、各半導体チップ30A,30B,30C間にバンプ32が存在する構成においても、本願の構成は好適に実施できるものである。
【0058】
レーザーリフローの加工条件としては、
図5(A),
図5(B)に示すもののほか、例えば、
図6(A)に示すように一つの半導体チップ30の領域A1のみをレーザービームが照射される特定領域する、
図6(B)に示すように複数の半導体チップ30の領域A1~A6のみをレーザービームが照射される特定領域とする、
図6(C)に示すように複数の半導体チップ30においてバンプ32が配置されるバンプ領域M1~M6のみをレーザービームが照射される特定領域とする、
図6(D)に示すように複数の半導体チップ30においてバンプ32が配置されるバンプ領域M1~M6についてレーザーパワー密度を高くし、バンプが配置されない非バンプ領域N1~N6のレーザーパワー密度を低くする、といった条件も設定可能である。
【0059】
また、加工条件として、
図7(A)に示すように基板20において半導体チップ30が存在せずに露出する露出領域R1(基板表面)のみをレーザービームが照射される特定領域とする、
図7(B)に示すように露出領域R1についてレーザーパワー密度を高くし、半導体チップ30の領域A1~A6のレーザーパワー密度を低くする、あるいは、その逆で露出領域R1についてレーザーパワー密度を高くし、半導体チップ30の領域A1~A6のレーザーパワー密度を低くする、といった条件も設定可能である。
【0060】
また、図5(C)に示すように、複数の半導体チップ30A,30B,30Cが積層される場合などにおいて、半導体チップの損傷を抑えたい場合などでは、あえて半導体チップに照射するレーザービームのレーザーパワー密度を低く設定することも有効な場合もある。また、あえて基板20に照射するレーザービームのレーザーパワー密度を高くする、あるいは、基板20のみにレーザービームを照射することで、基板20側の温度上昇を利用してバンプを溶かし易くすることもできる。
【0061】
例えば、図5(C)に示す構成においては、均等にレーザービームを照射してしまうと、最下層の半導体チップ30Cのバンプが溶ける前に、最上層の半導体チップ30Aが加熱されすぎることで、半導体チップ30Aのデバイスが損傷する可能性がある。そこで、チップが存在する領域のレーザーパワー密度を低くするとともに、基板20A(Siインターポーザー)に高いレーザーパワー密度のレーザービームを照射して基板20Aを積極的に加熱し、基板20Aからの熱伝導により、最下層の半導体チップ30Cを溶融させる。このように、基板20Aを熱源として利用することで、各半導体チップ30A,30B,30Cのバンプを均一に溶融させ、デバイスの損傷を防ぐことが可能となる。
【0062】
また、被加工物が大きく被照射範囲が広くなる場合には、局所的なレーザービーム照射を繰り返し、段階的にレーザービームを照射してもよい。例えば、
図6(B)において、特定領域A1~A6を含む範囲を被照射範囲H1として設定し、被照射範囲H1に含まれる特定領域A1~A6についてレーザービームを照射する。次いで、残りの特定領域A7~A12を含む範囲を被照射範囲H2として設定し、被照射範囲H2に含まれる特定領域A7~A12についてレーザービームを照射するようにしてもよい。
【0063】
次に、段階的にレーザービームの照射を行う場合に用いる被照射範囲変更手段について説明する。
図1に示すレーザーリフロー装置1では、加工テーブル3をXY方向に移動させることにより、
図6(B)に示す被照射範囲H1を被照射範囲H2に変更することが可能となる。このように、加工テーブル3を被照射範囲変更手段とすることで、被照射範囲H1,被照射範囲H2を順次遷移させることにより、被加工物40の全範囲についてレーザーリフローを実施することができる。
【0064】
被照射範囲変更手段は、
図1に示すように、加工テーブル3を移動させる構成にて実現することとする他、
図8、
図9に示される光学系により実現することとしてもよい。
図8に示す光学系では、順に、レーザー光源・均一照射ユニット81、リレーレンズ82、空間光変調素子83(空間光変調手段)、結像レンズ84(結像手段)、リレーレンズ85、第一ガルバノスキャナ86、第二ガルバノスキャナ87、リレーレンズ88を配置して構成されるものである。第一ガルバノスキャナ86は、第一ミラー86a,アクチュエータ86bを備え、第二ガルバノスキャナ87は、第二ミラー87a,アクチュエータ87bを備える。
【0065】
第一ガルバノスキャナ86の第一ミラー86aが、レーザー光源・均一照射ユニット81から出射されて空間光変調素子83を通過したレーザービームをY方向に偏向し、第二ガルバノスキャナ87の第二ミラー87aがレーザービームをX方向に偏向することで、被照射範囲Hを所望の位置に移動させることが可能となる。
【0066】
また、
図9に示す光学系では、順に、レーザー光源91、均一照射ユニット92、リレーレンズ93、空間光変調素子94(空間光変調手段)、結像レンズ95(結像手段)、リレーレンズ96、2軸MEMSミラー97(Micro Electro Mechanical Systems)、リレーレンズ98を配置して構成される。
【0067】
2軸MEMSミラー97は、X方向に伸長する第一の回転軸により
図9の矢印Rx方向に回転することで、レーザービームをY方向に偏向するとともに、Y方向に伸長する第二の回転軸により
図9の矢印Ry方向方向に回転することで、レーザービームをY方向に偏向する構成としている。これにより、2軸MEMSミラー97により、レーザービームをX方向、Y方向に偏向することで、被照射範囲Hを所望の位置に移動させることが可能となる。
【0068】
次に、基板の反りの発生を抑制する押圧部材について説明する。
以上のようにしてレーザーリフローを行う際には、
図10に示すように、押圧部材60を半導体チップ30の上面に対向させ、半導体チップ30を上側から押さえて反りの発生を防止することが好ましい。このように反りの発生を機械的に抑制することで、バンプ接続不良の発生をより確実に抑えることができる。
【0069】
押圧部材60は半導体チップ30の上面に当接させて抑えることとしてもよく、あるいは、押圧部材60と半導体チップ30の上面の間に僅かな隙間を設けておき、基板20に反りが生じた際に反りの進行を抑えることとしてもよい。
【0070】
押圧部材60は、例えば、波長400nm~1000nmのレーザービームLAを透過させる石英ガラス板にて構成することができる。また、
図1に示すように、加工テーブル3の上方に配置し、昇降機構62にて昇降させる構成とし、適宜上下位置を設定できる構成を採用することができる。
【0071】
次に、リフロー時の被加工物の温度のモニターについて説明する。
レーザービームを照射してレーザーリフローを実施する際には、
図1に示すように、温度検出器72により、リアルタイムで温度を計測し、所定の温度でリフローが実施されているかをモニタリングし、必要であれば、レーザービームを追加的に照射することや、レーザービームのレーザーパワー密度を変更することや、所定の温度に到達した際にレーザービームの照射を停止して過度の加熱を防止するなど、フィードバック制御をすることが好ましい。
【0072】
これによれば、バンプの溶解不良等による電気的な接続不良の発生をより確実に防止することが可能となる。
【0073】
以上のようにして本発明を実現することができる。
即ち、
図1及び
図2に示すように、
一側面にバンプを配した半導体チップ30を少なくとも1つ含む被加工物40に対して、半導体チップ30の他側面からレーザービームを照射して被加工物40の被照射範囲に含まれるバンプをリフローさせるレーザーリフロー装置1であって、
(A)
レーザー光源51から出射されたレーザービームについて被照射範囲内におけるレーザーパワー密度を局所的に設定可能とするレーザーパワー密度設定機能を有する空間光変調手段54と、
レーザー光源51から出射されたレーザービームを被加工物40に結像し被加工物40の被照射範囲に照射する結像機能を有する結像手段55と、有する、
又は、
(B)
レーザー光源51から出射されたレーザービームについて被照射範囲内におけるレーザーパワー密度を局所的に設定可能とするレーザーパワー密度設定機能、及び、レーザービームを被加工物に結像し被加工物40の被照射範囲に照射する結像機能と、を有する空間光変調手段54を有する、
レーザーリフロー装置とするものである。
【0074】
このように空間光変調手段を備える構成とすることで、レーザーパワー密度を被照射範囲内で局所的に設定することができ、例えば、バンプ領域のみにレーザーパワー密度の高いレーザービームを照射することで、不必要な箇所を無駄に加熱することなく被加工物の反りを抑制しながらも、パンプを確実に溶かすことが可能となり、パンプ接続不良の発生を抑えることができる。
【0075】
また、
図6(B)に示すように、被加工物40上の被照射範囲H1,H2の位置を変更可能な被照射範囲変更手段を更に備えた、こととするものである。
図1の例では、加工テーブル3にて被照射範囲変更手段が構成され、
図8の例では第一ガルバノスキャナ86、第二ガルバノスキャナ87により被照射範囲変更手段が構成され、
図9の例では、2軸MEMSミラー97にて被照射範囲変更手段を構成することができる。
【0076】
これにより、光学系において大きな結像レンズが不要となり、光学系に関する装置構成をコンパクトにできる。
【0077】
また、
図6(D)に示すように、空間光変調手段は、被照射範囲のうちバンプが存在するバンプ領域M1~M6に照射されるレーザービームのレーザーパワー密度を、バンプが存在しない非バンプ領域N1~N6に照射されるレーザービームのレーザーパワー密度よりも高くするよう設定される、こととする。
【0078】
これにより、バンプ領域を重点的に加熱できるので、基板を無駄に加熱することなく基板の反りを抑えられる。特に
図5(C)に示すように、複数の半導体チップが積層された状態で加熱する場合、基板側の半導体チップのバンプをリフローするのに十分な加熱を行うと、上側の半導体チップのデバイスを損傷しかねないことになるため、バンプ領域に限定してレーザービームを照射することは有効なものとなる。なお、逆に、
図7(A)に示すように、基板のみを加熱することや、半導体チップの箇所のレーザーパワー密度を低くすることなどによりデバイスの損傷を防止できることになり、各領域におけるレーザーパワー密度の設計を適宜最適化することが好ましい。
【0079】
また、
図2に示すように、レーザー光源51と空間光変調手段54の間に配設され、レーザー光源51から出射されたレーザービームのレーザーパワー密度を空間光変調手段54の入射面において均一化する、均一照射ユニット52を更に備えた、こととするものである。
【0080】
これによれば、レーザー光源からのレーザービームのエネルギー分布をそのまま被加工物の被照射面に反映させるのではなく、被照射面でのエネルギー分布を均一にすることが可能となり、エネルギーのばらつきが抑えられた均一なリフローを実現可能となる。
【0081】
また、
図2に示すように、レーザー光源51は、複数の光源からなる、こととするものである。
【0082】
これによれば、例えば、高出力を実現するレーザー光源51を安価に構成することが可能となる。
【0083】
また、
図1に示すように、被加工物40の上面の温度を検出する温度検出器72を更に備えた、こととするものである。
【0084】
これによれば、温度のモニタリングが可能となり、必要であれば、レーザービームを追加的に照射することや、レーザービームのレーザーパワー密度を変更することや、所定の温度に到達した際にレーザービームの照射を停止して過度の加熱を防止するなど、フィードバック制御が可能となり、バンプの溶解不良等による電気的な接続不良の発生をより確実に防止することが可能となる。
【0085】
また、
図10に示すように、レーザービームを透過させる材質からなり、被加工物40の上面を抑える押圧部材60を更に備えた、こととするものである。
【0086】
これによれば、基板の反りの発生を機械的に抑制することが可能となり、バンプ接続不良の発生をより確実に抑えることができる。
【0087】
また、
図5乃至
図7に示すように、被照射範囲内において複数の特定領域を確定し、各特定領域について照射されるレーザービームのレーザーパワー密度を個別に設定する、レーザーリフロー方法とするものである。
【0088】
これにより、例えば、バンプ領域のみにレーザーパワー密度の高いレーザービームを照射することで、基板を無駄に加熱することなく基板の反りを抑制しながらも、パンプを確実に溶かすことが可能となり、パンプ接続不良の発生を抑えることができる。
【符号の説明】
【0089】
1 レーザーリフロー装置
2 レーザー照射ユニット
3 加工テーブル
4 基台
7 加工ヘッド
20 基板
30 半導体チップ
32 バンプ
40 被加工物
51 レーザー光源
52 均一照射ユニット
53 導光ユニット
54 空間光変調手段
55 結像レンズ
56 拡大レンズ
56 拡大結像レンズ
57 テレセントリックレンズ
60 押圧部材
H 被照射範囲
H1 被照射範囲
H2 被照射範囲