(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-21
(45)【発行日】2024-01-04
(54)【発明の名称】縦型メモリデバイス
(51)【国際特許分類】
H10B 43/27 20230101AFI20231222BHJP
H10B 41/27 20230101ALI20231222BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20231222BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20231222BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20231222BHJP
【FI】
H10B43/27
H10B41/27
H01L29/78 371
(21)【出願番号】P 2021546332
(86)(22)【出願日】2020-01-28
(86)【国際出願番号】 CN2020074059
(87)【国際公開番号】W WO2021151222
(87)【国際公開日】2021-08-05
【審査請求日】2021-08-06
(73)【特許権者】
【識別番号】519237948
【氏名又は名称】長江存儲科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Yangtze Memory Technologies Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.88 Weilai 3rd Road,East Lake High-tech Development Zone,Wuhan,Hubei,China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ユフイ・ハン
(72)【発明者】
【氏名】ジリアン・シア
(72)【発明者】
【氏名】ウェンシ・ジョウ
【審査官】田邊 顕人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0355740(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0312051(US,A1)
【文献】特表2018-534765(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0148800(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0027835(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0043879(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110707091(CN,A)
【文献】韓国登録特許第10-1056113(KR,B1)
【文献】国際公開第2018/084928(WO,A1)
【文献】特開2019-161042(JP,A)
【文献】特開2019-165178(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 43/27
H10B 41/27
H01L 21/336
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
ソース接続層を含み、前記基板の主面に対して垂直な第1の方向に沿って前記基板上に積層された、第1の層スタックと、
前記第1の層スタック内に前記第1の方向に延在するように構成された、チャネル構造と、
少なくとも1つがシールド構造によって囲まれた領域内に配置され、少なくとも1つが前記シールド構造によって囲まれた領域外に配置されている、複数のダミーチャネル構造と
を備え、
前記ソース接続層を含まない層スタックのソース犠牲層が、前記第1の層スタックを支持する、
半導体デバイス。
【請求項2】
前記ソース接続層が、前記基板上に形成される、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記シールド構造が、前記ソース犠牲層の材料に対して
エッチング速度が小さい材料から形成される、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
第2の層スタックが、前記第1の層スタック上に交互に積層されたゲート層と絶縁層とを含み、
前記チャネル構造が、前記第1の層スタックおよび前記第2の層スタック内に前記第1の方向に延在する、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記第1の層スタックが、交互に積層されたゲート層と絶縁層とを含む、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記シールド構造が、2つの隣り合ったゲート線カット構造同士の間に配置される、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記シールド構造が、前記チャネル構造が配置されたコア領域に非包囲部分を含む、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記シールド構造の前記非包囲部分が、階段領域の前記シールド構造の包囲部分と同じ高さを有する、
請求項7に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記チャネル構造が、前記第1の方向に延在する、少なくとも電荷蓄積層、トンネリング絶縁層、および半導体層を含む、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記ダミーチャネル構造が、階段領域にある、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
前記シールド構造が、前記第1の層スタックを通って前記基板まで延びる、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
前記シールド構造が、前記ソース接続層と隣接して配置されている、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項13】
基板と、
1つまたは複数のソース接続層とゲート層と絶縁層とを含み、前記基板上に前記基板の主面に対して垂直な第1の方向に沿って積層された第1の層スタックであって、前記ゲート層と前記絶縁層が交互に積層された、第1の層スタックと、
前記第1の層スタックの前記第1の方向に延在するように構成され、前記第1の層スタックのソース接続層と接触しているチャネル層を含む、チャネル構造と、
前記第1の層スタック全体に形成され、前記ソース接続層を含まない層スタックを囲む、シールド構造であって、前記ソース接続層を含まない層スタックのソース犠牲層が前記第1の層スタックを支持する、シールド構造と、
少なくとも1つが前記シールド構造によって囲まれた領域内に配置され、少なくとも1つが前記シールド構造によって囲まれた領域外に配置されている、複数のダミーチャネル構造と、
を備える、半導体デバイス。
【請求項14】
前記ソース接続層が、前記基板上に形成される、請求項13に記載の半導体デバイス。
【請求項15】
前記シールド構造が、前記ソース犠牲層の材料に対して
エッチング速度が小さい材料から形成される、請求項13に記載の半導体デバイス。
【請求項16】
前記シールド構造が、2つの隣り合ったゲート線カットトレンチ同士の間に配置される、
請求項13に記載の半導体デバイス。
【請求項17】
前記シールド構造が、前記チャネル構造が配置されたコア領域に非包囲部分を含む、
請求項13に記載の半導体デバイス。
【請求項18】
前記シールド構造の前記非包囲部分が、階段領域の前記シールド構造の包囲部分と同じ高さを有する、
請求項17に記載の半導体デバイス。
【請求項19】
前記チャネル構造が、前記第1の方向に延在する、少なくとも電荷蓄積層、トンネリング絶縁層、および半導体層を含む、請求項13に記載の半導体デバイス。
【請求項20】
基板上に、1つまたは複数のソース犠牲層を含む第1の層を前記基板の主面に対して垂直な第1の方向に沿って積層するステップと、
前記第1の層内へと前記第1の方向に延在するチャネル構造および複数のダミーチャネル構造を形成するステップであって、前記ダミーチャネル構造の少なくとも1つがシールド構造によって囲まれた領域内に配置され、少なくとも1つが前記シールド構造によって囲まれた領域外に配置される、ステップと、
前記第1の層の犠牲層まで下に向けてゲート線カットトレンチを形成するステップと、
前記ゲート線カットトレンチを用いて、前記ソース犠牲層を少なくとも1つのソース接続層で置き換えるステップであって、前記シールド構造によって囲まれた前記ソース犠牲層の部分が残り、積層された第1の層を支持する、ステップと
を含む、半導体デバイスを製造する方法。
【請求項21】
マスクに基づいて前記シールド構造を画定するステップ
をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記シールド構造のための開口を形成するように前記第1の層をエッチングするステップと、
前記開口にシールド材料を充填するステップと
をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記開口にシールド材料を前記充填するステップが、
前記開口に前記シールド材料を過充填するステップと、
前記シールド材料の過堆積部分を除去するように研磨するステップと、をさらに含む、
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記ゲート線カットトレンチを用いて、ソース接続開口を形成する前記1つまたは複数のソース犠牲層をエッチングし、
前記ゲート線カットトレンチを用いて前記チャネル構造の絶縁層をエッチングし、チャネル層を露出させる、
請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記ソース接続開口をソース接続層で埋める、
請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記シールド構造の形成後の前記第1の層上に、ゲート犠牲層と絶縁層を含む第2の層を積層するステップと、
前記ゲート線カットトレンチを用いて前記ゲート犠牲層をゲート層で置き換えるステップと
をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記シールド構造が、階段領域の1つまたは複数のダミーチャネル構造を囲む包囲部分を含む、
請求項20に記載の方法。
【請求項28】
前記シールド構造が、コア領域に非包囲部分を含む、
請求項20に記載の方法。
【請求項29】
前記第2の層が、ゲート犠牲層と絶縁層を含み、
前記方法は、
前記ゲート線カットトレンチを用いて前記ゲート犠牲層をゲート層で置き換えるステップ
をさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記ダミーチャネル構造が、階段領域にある、請求項20に記載の方法。
【請求項31】
前記シールド構造が、前記第1の層を通って前記基板まで延びる、請求項20に記載の方法。
【請求項32】
前記シールド構造が、前記ソース接続層に隣接して配置されている、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
半導体製造業は、より小さなメモリセルを必要とせずにより高いデータ記憶密度を達成するために、3次元(3D)NANDフラッシュメモリ技術などの縦型デバイス技術を開発した。いくつかの例では、3D NANDメモリは、コア領域と階段領域を含む。コア領域は、ゲート層と絶縁層の交互スタックを含む。ゲート層と絶縁層の交互スタックは、垂直に積層されるメモリセルの形成に使用される。階段領域は、個々のゲート層へのコンタクトを形成しやすくするように、階段の形態の個々のゲート層を含む。コンタクトは、積層されたメモリセルを制御するために駆動回路を個々のゲート層に接続することに使用される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
開示の態様は、半導体デバイスを提供する。半導体デバイスは、基板上に積層された第1の層スタックを含む。第1の層スタックは、ソース接続層を含む。ソース接続層は、ソース犠牲層を置き換えることで形成される。半導体デバイスは、第1の層スタックに延在するチャネル構造を含む。チャネル構造は、第1の層スタックのソース接続層と接触している半導体層などのチャネル層を含む。さらに、半導体デバイスは、第1の層スタックに形成されたシールド構造を含む。シールド構造は、ソース接続層を含まない層スタックを囲んでいる。
【0003】
いくつかの実施形態では、シールド構造は、階段領域に形成される。シールド構造によって囲まれた領域は、1つまたは複数のダミーチャネル構造を含むことができる。いくつかの例では、シールド構造は、2つの隣り合ったゲート線カット構造同士の間に配置される。いくつかの実施形態では、シールド構造は、非包囲部分を含む。一実施形態では、非包囲部分は、チャネル構造を含むコア領域に配置される。
【0004】
一実施形態では、シールド構造は、閾値より大きい、ソース犠牲層に対するエッチング速度選択性を有する材料から形成される。他の実施形態では、シールド構造の幅は、幅閾値より大きい。
【0005】
いくつかの例では、第1の層スタックは、選択トランジスタのための1つまたは複数のゲート層を含む。
【0006】
開示の態様は、半導体デバイスを製造する方法を提供する。方法は、基板上に、1つまたは複数のソース犠牲層を含む第1の層を基板の主面に対して垂直な第1の方向に沿って積層するステップを含む。次いで、方法は、ソース犠牲層の一部分を囲むシールド構造を形成するステップを含む。さらに、方法は、第1の層内へと第1の方向に延在するチャネル構造を形成するステップを含む。チャネル構造は、1つまたは複数の絶縁層によって囲繞されたチャネル層を含む。次いで、方法は、第1の層の犠牲層まで下に向けてゲート線カットトレンチを形成するステップと、ゲート線カットトレンチを用いて、ソース犠牲層を少なくとも1つのソース接続層で置き換えるステップとを含む。シールド構造によって囲まれたソース犠牲層の部分は基板上に残る。
【0007】
本開示の態様は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明から最も良く理解されよう。産業界における慣例に従って、様々な特徴は縮尺通りには描かれていないことに留意されよう。実際、様々な特徴の寸法は、説明を明瞭化するために任意に増減され得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】いくつかの実施形態による半導体デバイスの水平断面図である。
【
図1B】いくつかの実施形態による半導体デバイスの垂直断面図である。
【
図1C】開示のいくつかの実施形態によるシールド構造の断面の拡大図である。
【
図1D】いくつかの実施形態による他の半導体デバイスの断面図である。
【
図2A】いくつかの実施形態によるシールド構造のレイアウト設計例の図である。
【
図2B】いくつかの実施形態によるシールド構造のレイアウト設計例の図である。
【
図2C】いくつかの実施形態によるシールド構造のレイアウト設計例の図である。
【
図3】開示のいくつかの実施形態によるプロセス例を略述するフローチャートである。
【
図4A】開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの間の半導体デバイスの垂直断面図である。
【
図4B】開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの間の半導体デバイスの垂直断面図である。
【
図4C】開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの間の半導体デバイスの垂直断面図である。
【
図4D】開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの間の半導体デバイスの垂直断面図である。
【
図4E】開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの間の半導体デバイスの垂直断面図である。
【
図4F】開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの間の半導体デバイスの垂直断面図である。
【
図4G】開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの間の半導体デバイスの垂直断面図である。
【
図4H】開示のいくつかの実施形態による製造プロセスの間の半導体デバイスの垂直断面図である。
【
図5】開示のいくつかの実施形態によるプロセス例を略述するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の開示は、多くの異なる実施形態、または提供の主題の異なる特徴を実現するための例を提供する。以下では、本開示を簡略化するため、構成要素および配置の特定の例を説明している。当然、これらは単なる例に過ぎず、限定を意図するものではない。例えば、以下の説明における第2の特徴より上位にある、または前記第2の特徴上にある第1の特徴の構造は、前記第1の特徴および前記第2の特徴が直接接触して形成される実施形態を含む場合があり、また前記第1の特徴と前記第2の特徴が直接接触し合わないよう前記第1の特徴と前記第2の特徴の間に追加特徴が形成可能な実施形態を含む場合もある。さらに、本開示は、様々な例において参照符号および/または参照文字を繰り返すことがある。この繰り返しは、簡略化および明瞭化が目的であり、議論される様々な実施形態および/または構成間の関係をそれ自体は指示しない。
【0010】
さらに、「下に」、「下方に」、「下位に」、「上に」、「上方に」などの空間的な相対関係を示す語は、本明細書では、ある要素または特徴物の他の要素または特徴に対する図示の関係を記述するときの記述の容易さのために用いられ得る。この空間的な関係を示す語は、図面に示された向きに加えて、使用または動作する装置の様々な向きを包含しようとするものである。装置は(90°回転したり、他の方向に向いたりと)他に向くこともでき、本明細書で使用される空間的な相対関係を表す用語はその場に応じて解釈されるのがよい。
【0011】
側壁の選択的エピタキシャル成長(SEG)などの様々な製造技術が縦型メモリデバイスの製造のために開発されている。側壁のSEG技術は、SWS技術とも称される。SWS技術は、半導体デバイスの製造中、縦型メモリセルストリングを形成するための層スタックの下層のソース犠牲層を、縦型メモリセルストリングのためのソース接続部(connections)の形成に使用され得るエピタキシャル層で置き換えることに使用される。置き換えプロセスの間、層スタックは、ソース犠牲層が除去されてからエピタキシャル層が完全に形成される前まで、崩壊する危険を有することがある。
【0012】
本開示は、崩壊の危険を低減する技術を提供する。具体的には、シールド構造が、ソース犠牲層のある部分を除去から保護するようにこのソース犠牲層部分を囲むように形成され、それによって、このソース犠牲層部分は所定位置に残り、縦型メモリデバイスを形成するための層スタックを支持することができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、シールド構造は、第1の初期層スタックが半導体デバイスの基板上に積層された後に形成される。第1の初期層スタックは、ソース犠牲層を含む。シールド構造は、犠牲層の一部分を囲むように第1の初期層スタックに形成される。次いで、第1の初期層スタック上に第2の初期層スタックが積層される。第2の初期層スタックは、ゲート犠牲層を含む。
【0014】
第2の初期層スタックおよび第1の初期層スタックに延在する垂直チャネル構造の形成後、第1の初期層スタックのソース犠牲層まで下に向けてトレンチが形成される。トレンチは、ゲート線(GL)カットトレンチ、またはいくつかの例ではゲート線スリットと称される。GLカットトレンチを用いてソース犠牲層が除去され得、それによってソース接続開口が形成され、垂直チャネル構造の底部分の側壁が露出する。垂直チャネル構造の底部分の露出した側壁は、縦型メモリセルのストリングのソースに対応する。次いで、ソース接続開口をソース接続層で埋め、縦型メモリセルのチャネルとのソース接続部を形成するようにSEGが行われ得る。ソース犠牲層がソース接続層で置き換えられると、第1の初期層スタックは、半導体デバイスの第1の層スタックになる。
【0015】
GLカットトレンチを用いてゲート犠牲層がゲート層で置き換えられ得ることに留意されよう。ゲート犠牲層がゲート層で置き換えられると、第2の初期層スタックは、半導体デバイスの第2の層スタックになる。
【0016】
ソース犠牲層が除去されるとき、メモリセルのチャネル構造は、コア領域を崩壊から支えることができる。一般的に、ダミーチャネル構造は、コア領域でのチャネル構造の形成と同時に階段領域に形成され得る。しかし、階段領域のダミーチャネル構造は、コア領域のチャネル構造よりかなり低い密度であるため、階段領域は、ソース犠牲層の除去時に脆弱であり崩壊の危険があり得る。
【0017】
開示のいくつかの態様によれば、シールド構造は、階段領域に形成され得る。シールド構造は、ソース犠牲層の除去の間に、階段領域にあるソース犠牲層の部分が完全には除去されないようにすることができる。ソース犠牲層の残った部分は、階段領域を安定に保ち、崩壊の危険を低減することができる。
【0018】
図1Aは、開示のいくつかの実施形態による半導体デバイス100の水平断面図であり、
図1Bは垂直断面図である。半導体デバイス100は、基板101(例えば、ウエハ基板)と、ウエハ基板上に形成された回路を含む。基板101の主面(例えば、ウエハの表面)は、例えば、X方向とY方向に延在する。水平断面(例えば、X-Y平面)は、基板101の主面に対して平行であり、垂直断面(例えば、X-Z平面、Y-Z平面)は、基板101の主面に対して垂直である。
図1Aは、
図1Bの垂直断面図を作り出す線B-B’を示し、
図1Bは、
図1Aの水平断面図を作り出す線A-A’を示している。
【0019】
簡素化のため、いくつかの構成要素は断面図から省かれている。
【0020】
半導体デバイス100は、例えば、メモリ回路、メモリ回路が形成された半導体チップ(またはダイ)、多重半導体ダイが形成された半導体ウエハ、半導体チップのスタック、パッケージ基板上に組み立てられた1つまたは複数の半導体チップを含む半導体パッケージなど、あらゆる適当なデバイスを示す。基板101は、シリコン(Si)基板、ゲルマニウム(Ge)基板、シリコン-ゲルマニウム(SiGe)基板、および/またはシリコンオンインシュレータ(SOI)基板など、あらゆる適当な基板とすることができる。基板101は、例えば、IV族半導体、III-V族化合物半導体、またはII-VI族酸化物半導体である、半導体材料を含むことができる。IV族半導体は、Si、GeまたはSiGeを含むことができる。基板101は、バルクウエハまたはエピタキシャル層であってもよい。
【0021】
様々な実施形態では、半導体デバイス100は、基板101上に形成された3次元(3D)NANDメモリ回路を含む。半導体デバイス100は、基板101または他の適当な基板上に形成され3D NANDメモリ回路に適当に接続された、論理回路、電源回路などの他の適当な回路(図示せず)を含むこともできる。一般的に、3D NANDメモリ回路は、メモリアレイと、周辺回路(例えば、アドレスデコーダ、駆動回路、センスアンプなど)を含む。コア領域102には、縦型メモリセルストリングのアレイのようなメモリアレイが形成されている。周辺領域(図示せず)には周辺回路が形成されている。半導体デバイス100は、コア領域102および周囲領域の近くに、縦型メモリセルストリング内のメモリセルのゲートに接触しやすくする階段領域103を含む。縦型メモリセルストリングのメモリセルのゲートは、NANDメモリアーキテクチャのためのワード線に接続されている。
【0022】
開示のいくつかの態様によれば、シールド構造130は、ソース犠牲層141の一部分を囲むように第1の層スタック142に形成され、縦型メモリセルストリングは、第1の層スタック142上に積層された第2の層スタック150内に形成される。第2の層スタック150は、交互に積層されたゲート層105と絶縁層104を含む。ゲート層105および絶縁層104は、垂直方向に積層されたトランジスタを形成するように構成される。いくつかの例では、トランジスタスタックは、メモリセルと、下部選択トランジスタ、上部選択トランジスタなどの選択トランジスタを含む。いくつかの例では、トランジスタスタックは、1つまたは複数のダミー下部選択トランジスタを含むことができる。ゲート層105は、トランジスタのゲートに対応する。ゲート層105は、高誘電率(高k)ゲート絶縁層、金属ゲート(MG)電極などのゲートスタックの材料から作られる。絶縁層104は、窒化シリコン、二酸化シリコンなどの絶縁材料から作られる。
【0023】
開示のいくつかの態様によれば、チャネル構造109は、コア領域102に形成され、ダミーチャネル構造110は、階段領域103に形成される。いくつかの実施形態では、各チャネル構造109は、柱形を有し、基板101の主面の方向に対して垂直なZ方向に延在する。複数のチャネル構造109は、X方向とY方向に沿って互いに離れて配置され、X方向とY方向に沿ったマトリクスアレイ形、XまたはY方向に沿ったジグザグアレイ形、蜂の巣(例えば、六角形)アレイ形など、いくつかの適当なアレイ形に配置され得る。いくつかの実施形態では、各チャネル構造109は、円形形状をX-Y平面に、柱形状をX-Z平面およびY-Z平面に有する。いくつかの実施形態では、2つのGLカット120同士の間のチャネル構造109の数量および配置は制限されない。
【0024】
ダミーチャネル構造110は、チャネル構造109と同様の構造を有する。いくつかの実施形態では、ダミーチャネル構造110は、チャネル構造109と同じ構造およびアレイを有する。しかし、この適用例では、階段領域103は、メモリセルのゲートとのコンタクトを形成するように構成され、コンタクトは、ダミーチャネル構造にオーバーラップすることができないので、ダミーチャネル構造110の密度はチャネル構造109の密度よりはるかに低いことに留意されよう。
【0025】
一実施形態では、チャネル構造109およびダミーチャネル構造110のそれぞれは、X-Y平面に円形形状をなす材料によって形成され、Z方向に延在する。例えば、ダミーチャネル構造110およびチャネル構造109のそれぞれは、X-Y平面に円形形状を有し、Z方向に延在する、ブロッキング絶縁層111(例えば、酸化シリコン)、電荷蓄積層(例えば、窒化シリコン)112、トンネリング絶縁層113(例えば、酸化シリコン)、半導体層114、および絶縁層115などの機能層を含む。一例では、ダミーチャネル構造110およびチャネル構造109のホールの側壁上にはブロッキング絶縁層111(例えば、酸化シリコン)が形成され、次いで側壁から順に、電荷蓄積層(例えば、窒化シリコン)112、トンネリング絶縁層113、半導体層114および絶縁層115が積層される。半導体層114は、ポリシリコンまたは単結晶シリコンなど、あらゆる適当な半導体材料とすることができ、半導体材料は、ドープされていなくてもよく、またはp型もしくはn型のドーパントを含んでもよい。絶縁層115は、酸化シリコンおよび/または窒化シリコンなどの絶縁材料から形成される、および/または空隙として形成されてもよい。
【0026】
開示のいくつかの態様によれば、ダミーチャネル構造110のいくつかは、シールド構造130に囲まれた領域に配置され、他のダミーチャネル構造およびチャネル構造109とは異なる端構造を有する。
【0027】
図1Aおよび
図1Bの例では、シールド構造130は領域140を囲み、ソース犠牲層141がソース接続層143で置き換えられる間、ダミーチャネル構造110Bおよび110Cはシールド構造130によって囲まれる領域140内にあり、ダミーチャネル構造110Aおよび110Dはシールド構造130によって保護される領域140の外にある。したがって、領域140内のソース犠牲層141は所定位置に残り、領域140外のソース犠牲層141はソース接続層143で置き換わっている。さらに、ソース犠牲層141の除去によって、チャネル構造、および領域140に囲まれていないダミーチャネル構造の端の半導体層114が露出する。
図1Bに示されるように、ダミーチャネル構造110Bの端構造119Bおよびダミーチャネル構造110Cの端構造119Cは、ダミーチャネル構造110Aの端構造119Aおよびダミーチャネル構造110Dの端構造119Dとは異なる。いくつかの例では、チャネル構造110は、端構造119Aおよび119Dと同様の端構造を有することに留意されよう。
【0028】
具体的には、一例として端構造119Bを用いると、ダミーチャネル構造110Bは、シールド構造130によって保護される領域140内にあるので、端構造119Bは、ダミーチャネル構造110Bの他の部分と、例えば同じ材料の層のように、同じ構造を有する。例えば、端構造119Bは、ダミーチャネル構造110B全体の、Z方向に沿って延在するブロッキング絶縁層111、電荷蓄積層112、トンネリング絶縁層113、半導体層114および絶縁層115を含む。シールド構造130の保護外では、例えば、
図1Bの端構造119Aおよび119Dによって示されるように、チャネル構造109およびダミーチャネル構造110A、110Dの端において、ブロッキング絶縁層111、電荷蓄積層112、トンネリング絶縁層113などのチャネル構造層のうちのいくつかは、ソース犠牲層141の除去の間に除去される。除去されたソース犠牲層の空きスペースがソース接続層143で埋められるとき、
図1Bの端構造119Aおよび119Dによって示されるように、チャネル構造109の半導体層114とソース接続層143の接続部が形成され得る。
【0029】
シールド構造130は、ソース犠牲層の除去のときにシールド構造130が完全にはエッチング除去されず、したがってシールド構造130によって囲繞されたソース犠牲層の(領域140として図示される)一部を保護することができるように適当(例えば、適当な材料およびX-Y平面の適当な幅)に構成される。いくつかの例では、シールド構造130は、ソース犠牲層の材料に対して高いエッチング速度選択性(例えば、閾値より大きい)を有する材料から適当に形成される。一例では、ソース犠牲層は、2つの窒化シリコン層の間に挟まれ、さらに2つの酸化シリコン層の間に挟まれたポリシリコン層を含む。他の例では、シールド構造130の幅(W)は、ソース犠牲層の除去によりシールド構造130が完全にはエッチング除去されないほどの十分な(例えば、幅閾値より大きい)幅となるように設計される。
【0030】
一実施形態では、シールド構造130は、酸化物層などの単一層から形成される。他の実施形態では、シールド構造130は、複数層から形成される。一例では、シールド構造130は、酸化物層およびポリシリコン層から形成される。他の例では、シールド構造130は、酸化アルミニウム(Al2O3)層および酸化物層から形成される。他の例では、シールド構造130は、窒化シリコン層および酸化物層から形成される。他の例では、シールド構造130は、交互積層された多数の窒化シリコン層および酸化物層から形成される。
【0031】
図1Bではシールド構造130の断面は矩形形状として示されているが、シールド構造130の断面は他の形状であってもよい。
図1Cは、開示のいくつかの実施形態による、第1のシールド構造130-Aおよび第2のシールド構造130-Bの2つの断面を拡大した図である。第1のシールド構造130-Aおよび第2のシールド構造130-Bの断面は、台形形状を有する。さらに、第1のシールド構造130-Aおよび第2のシールド構造130-Bは、複数の層から形成される。
【0032】
例えば、第1のシールド構造130-Aは、側壁ライナ層131-Aおよび充填材層132-Aから形成される。側壁ライナ層131-Aは、シールド構造130-Aのための開口の側壁を覆うが、開口の底部は覆わない。第2のシールド構造130-Bは、ライナ層131-Bおよび充填材層132-Bから形成される。ライナ層131-Bは、シールド構造130-Bのための開口の側壁と底部を覆う。
【0033】
開示のいくつかの態様によれば、シールド構造130は、第2のスタック150の下の第1のスタック142に形成される(例えば、シールド構造130および第1のスタック142は、Z方向においてほぼ同じ高さレベルを有する)。第1のスタック142は、Z方向に最初に、ソース接続層143で置き換えられるソース犠牲層を含む。いくつかの例では、第1のスタック142は、ダミー下部選択トランジスタの層(ゲート層および絶縁層)を含む。いくつかの例では、第1のスタック142は、下部選択トランジスタの層(ゲート層および絶縁層)を含む。いくつかの例では、第1のスタック142は、メモリセルの層(ゲート層および絶縁層)を含む。第1のスタック142がゲート層を含む場合、シールド構造130は、包囲領域140内の犠牲ゲート層がゲート層で置き換えられることを防ぐことができることに留意されよう。
【0034】
開示のいくつかの態様によれば、シールド構造は、ソース接続層で置き換えられるソース犠牲層、ダミー下部選択トランジスタの層(ゲート層および絶縁層)、下部選択トランジスタの層(ゲート層および絶縁層)、メモリセルの層(ゲート層および絶縁層)、および上部選択トランジスタの層(ゲート層および絶縁層)などを含む完全スタック(entire stack)内に形成することができる。したがって、いくつかの例では、完全スタックを第1のスタックと称することができ、第2のスタックは存在しない。
【0035】
図1Dは、開示のいくつかの実施形態による半導体デバイス100-Dの断面図である。半導体デバイス100-Dは、半導体デバイス100と同一または同等の構造を含み、したがって、これらの構造の説明は上記でなされているので、ここでは明確化のために省略する。
図1Dの例において、半導体デバイス100-Dは、ソース接続層で置き換えられるソース犠牲層、ダミー下部選択トランジスタの層(ゲート層および絶縁層)、下部選択トランジスタの層(ゲート層および絶縁層)、メモリセルの層(ゲート層および絶縁層)、および上部選択トランジスタの層(ゲート層および絶縁層)などを含む完全スタックに形成されたシールド構造130-Dを含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、X-Y平面において、シールド構造130は、マスクのパターンに従って画定される。一般的に、シールド構造130は2つのGLカット構造120同士の間の階段領域103に配置される。いくつかの実施形態では、シールド構造130は、GLカット構造120から間隔を置いて配置され、シールド構造130とGLカット構造120との間の部分は、信号経路または電流経路のために構成され得る層(例えば、ソース接続層、ゲート層)を含む。
【0037】
一実施形態では、シールド構造130は、ソース犠牲層の除去プロセスの間のエッチング除去からある領域のソース犠牲層を保護するためにその領域を囲繞する包囲パターンを有することができる。したがって、シールド構造130、およびシールド構造130によって保護されるソース犠牲層の部分は、近傍領域のソース犠牲層が除去されるときにその近傍領域を支持し、崩壊の危険を低減することができる。他の実施形態では、シールド構造130は、包囲パターンを有さない。シールド構造130は、(比較的大きな幅となるように)適当に構成され、ソース犠牲層の除去プロセスの間に完全にはエッチング除去されない。したがって、シールド構造130の残った部分は、近傍領域のソース犠牲層が除去されるときにその近傍領域を支持し、崩壊の危険を低減することができる。
【0038】
図2A~
図2Cは、いくつかの実施形態によるシールド構造130のパターンのレイアウト設計例を示している。
【0039】
図2Aは、シールド構造130のようなシールド構造のレイアウト設計200Aを示している。レイアウト設計200Aは、半導体デバイス100のような半導体デバイスの製造に使用することができる。レイアウト設計200Aは、シールド構造の画定に使用される第1のパターン230A-1と第2のパターン230A-2を含む。第1のパターン230A-1と第2のパターン230A-2は、同様に構成される。一例として第1のパターン230A-1を用いると、第1のパターン230A-1は、隣り合ったGLカット構造のパターン220同士の間に配置され、領域240A-1を囲む包囲部分231Aと、232Aおよび233Aによって示される非包囲部分を有する。
図2Aの例では、包囲部分231Aは、階段領域203に配置され、非包囲部分232Aは、コア領域202に配置され、非包囲部分233Aは、階段領域203に配置される。
【0040】
図2Bは、シールド構造130のようなシールド構造のレイアウト設計200Bを示している。レイアウト設計200Bは、半導体デバイス100のような半導体デバイスの製造に使用することができる。レイアウト設計200Bは、シールド構造の画定に使用される第1のパターン230B-1と第2のパターン230B-2を含む。第1のパターン230B-1と第2のパターン230B-2は互いに異なる。第1のパターン230B-1は、隣り合ったGLカット構造のパターン220同士の間の階段領域203に配置される。第1のパターン230B-1は、領域240-1を囲む包囲部分231Bと、非包囲部分233Bを有する。第2のパターン230B-2は、隣り合ったGLカット構造のパターン220同士の間に配置される。第2のパターン230B-2は、階段領域の領域240B-2を囲む包囲部分234Bと、コア領域202の非包囲部分236Bと、階段領域203の非包囲部分235Bを有する。包囲領域240B-1および240B-2は、互いに異なる矩形形状を有する。
【0041】
図2Cは、シールド構造130のようなシールド構造のレイアウト設計200Cを示している。レイアウト設計200Cは、半導体デバイス100の製造に使用することができる。レイアウト設計200Cは、シールド構造の画定に使用される第1のパターン230C-1と第2のパターン230C-2を含む。第1のパターン230C-1と第2のパターン230C-2は、同様に構成される。一例として第1のパターン230C-1を用いると、第1のパターン230C-1は、隣り合ったGLカット構造のパターン220同士の間に配置され、領域240C-1を囲む包囲部分231Cと、非包囲部分232Cおよび233Cを有する。
図2Cの例では、包囲部分231Cは、階段領域203に配置され、非包囲部分232Cは、コア領域202に配置され、非包囲部分233Cは、階段領域203に配置される。包囲領域240C-1は、楕円形形状を有する。
【0042】
図2A~
図2Cは、単なる一例であり、他の適当なパターン(円形のような規則パターンおよび/または不規則パターン)をシールド構造130の画定に使用することもできることに留意されよう。いくつかの例では、シールドマスクは、レイアウト設計におけるシールド構造のパターンに基づいて生成され、製造の間、半導体デバイスにおけるシールド構造を画定することに使用される。
【0043】
図3は、半導体デバイス100のような半導体デバイスを製造するプロセス例を略述するフローチャートであり、
図4A~
図4Hは、開示のいくつかの実施形態による、製造の間の半導体デバイスの断面図である。簡素化のため、包囲領域140の外にあるダミーチャネル構造110Aおよび110Dは断面図では省略されている。プロセスは、S301から始まり、S310へと進む。
【0044】
S310で、基板上に第1の初期層スタックが形成される。第1の初期層スタックは、ソース犠牲層を含む。いくつかの例では、第1の初期層スタックは、ダミー下部選択トランジスタ、下部選択トランジスタ、メモリセルトランジスタなどのトランジスタの形成に使用される、犠牲ゲート層と絶縁層を含むことができる。加えて、いくつかの例では、第1の初期層スタック上にバッファ層が形成されてもよい。
【0045】
図4Aは、基板101上に第1の初期層スタック142-Iが形成された後の半導体デバイス100の断面図である。第1の初期層スタック142-Iは、1つもしくは複数のソース犠牲層141、および/または1つもしくは複数の隔離層(isolation layer)を含む。他の実施形態では、ソース犠牲層141は、1つの層だけを含む。ソース犠牲層141がソース接続層で置き換えられると、第1の初期層スタック142-Iは、第1の層スタック142になる。
図4Aの例では、第1の初期層スタック142-I上にバッファ層149がさらに積層される。バッファ層149は、エッチングプロセスまたは化学機械研磨(CMP)プロセスの間に第1のスタックを保護することができる。他の実施形態では、バッファ層149は、例えば隔離層または犠牲層である1つの層だけを含む。
【0046】
図3に戻って参照すると、S320で、第1の初期層スタック142-Iにシールド構造130が形成される。いくつかの例では、シールドマスクを用いて、第1の初期層スタック142-Iにシールド構造のパターンが転写される。
【0047】
一例では、シールド構造のパターンをシールドマスクから第1の初期層スタック142-Iに転写することにリソグラフィプロセスおよびエッチングプロセスが用いられ得る。
【0048】
図4Bは、第1の初期層スタック142-Iに開口131を生成するエッチングプロセス後の半導体デバイス100の断面図である。開口131のパターンは、形成されるべきシールド構造のパターンに対応する。
【0049】
さらに、一例では、シールド構造130を形成するためにシールド材料が開口131に充填される。一例では、開口131は、シールド材料で過充填される。
図4Cは、開口がシールド材料132で過充填された後の半導体デバイス100の断面図である。
【0050】
さらに、化学機械研磨(CMP)プロセスを用いて、過堆積(overburden)シールド材料が除去される。バッファ層149は、第1の初期層スタック142-IがCMPプロセスによる損傷を受けないようにすることができる。バッファ層149は、CMPプロセス後、第2の初期層スタックの形成前までに除去され得る。
【0051】
図3に戻って参照すると、S330で、第1の初期層スタック上に第2の初期層スタックが積層される。第2の初期層スタックは、メモリセルトランジスタの形成に使用されるゲート犠牲層と絶縁層を含む。ゲート犠牲層がゲート層で置き換えられると、第2の初期層スタックは、半導体デバイス100の第2の層スタックになる。
図4Dは、第2の初期層スタック150-Iが第1の初期層スタック142-I上に積層された後の半導体デバイス100の断面図である。
【0052】
図3に戻って参照すると、S340で、第1の初期層スタック142-Iおよび第2の初期層スタック150-Iにチャネル構造が形成される。
【0053】
いくつかの実施形態では、階段領域に階段が形成され、比較的平坦な面を得るために適当な平坦化プロセスが行われる。次いで、フォトリソグラフィ技術を用いて、フォトレジストおよび/またはハードマスク層にチャネルホールとダミーチャネルホールのパターンが画定され、エッチング技術を用いて、それらのパターンが第2の初期層スタック150-Iおよび第1の初期層スタック142-Iに転写される。こうして、チャネルホールがコア領域に形成され、ダミーチャネルホールが階段領域に形成される。
【0054】
図4Eは、チャネルホールおよびダミーチャネルホールが形成された後の半導体デバイス100の断面図である。
図4Eの例では、2つのダミーチャネルホール118が、シールド構造130によって囲まれた領域140に形成されている。
【0055】
次いで、チャネルホール内にチャネル構造が形成され、ダミーチャネルホール内にダミーチャネル構造が形成される。いくつかの実施形態では、ダミーチャネル構造は、チャネル構造と一緒に形成することができ、したがって、ダミーチャネル構造は、チャネル構造と同じ材料から形成される。いくつかの実施形態では、ダミーチャネル構造は、チャネル構造とは異なるように形成される。一例では、チャネルホールおよびダミーチャネルホールの側壁には、ブロッキング絶縁層が形成される。次いで、その側壁から順に、電荷蓄積層、トンネリング絶縁層、半導体層および絶縁層が積層される。いくつかの実施形態では、ダミーチャネル構造は、支持材料によって形成される。
【0056】
図4Fは、チャネル構造、およびダミーチャネル構造110Bおよび110Cのようなダミーチャネル構造の形成後の半導体デバイスの断面図である。
【0057】
図3に戻って参照すると、S350で、ゲート線カットトレンチ(いくつかの例ではゲート線スリットとも称される)が形成される。いくつかの実施形態では、ゲート線カットトレンチは、第1の初期層スタック142-Iのソース犠牲層までエッチングされる。一例では、ソース犠牲層141は、下から、酸化シリコン層、窒化シリコン層、ポリシリコン層、窒化シリコン層および酸化シリコン層を含む。ポリシリコン層は、2つの窒化シリコン層に挟まれ、さらに2つの酸化シリコン層に挟まれている。この場合、ゲート線カットトレンチのエッチングは、ポリシリコン層で停止する。
【0058】
図4Gは、ゲート線カットトレンチ129の形成後の半導体デバイスの断面図である。ゲート線カットトレンチのエッチングは、ポリシリコン層などのソース犠牲層のうちの1つで停止する。
【0059】
図3に戻って参照すると、S360で、ソース犠牲層がゲート線カットトレンチを用いて除去される。ソース犠牲層の除去によって、ソース接続開口が形成される。一例では、ポリシリコン層が2つの窒化シリコン層に挟まれ、さらに2つの酸化シリコン層に挟まれている場合、第1のエッチング液が適用されてポリシリコン層が除去される。窒化シリコン層は、第1のエッチング液による損傷から他の層を保護することができる。次いで、第2のエッチング液が適用されて2つの窒化シリコン層が除去される。酸化シリコン層は、第2のエッチング液による損傷から他の層を保護することができる。次いで、第3のエッチング液が適用されて2つの酸化シリコン層が除去される。
【0060】
図4Hは、ゲート線カットトレンチを用いてソース犠牲層を除去した後の半導体デバイスの断面図である。ソース犠牲層の除去により、ソース接続開口159が形成される。シールド構造130の保護により、領域140内のソース犠牲層は除去されていないことに留意されよう。さらに、ダミーチャネル構造110Bおよび110Cは領域140内にあるので、ダミーチャネル構造110Bおよび110Cの端は無傷である。領域140内の第1の層スタックは、ソース犠牲層の除去後も半導体デバイスに残り、近傍領域を支持し、崩壊の危険を低減させることができる。
【0061】
酸化物-窒化物-酸化物(ONO)構造を有する、ブロッキング絶縁層、電荷蓄積層およびトンネリング絶縁層などのチャネル構造を形成する層のうちのいくつかを除去することができ、それによってチャネル構造の底部の半導体層がソース接続開口に対して露出されることに留意されよう。
【0062】
一例では、ゲート線カットトレンチの側壁は、ソース犠牲層の除去の間における犠牲ゲート層のエッチングを回避するために保護層で覆うことができることにも留意されよう。
【0063】
図3に戻って参照すると、S370で、エピタキシャル層を成長させ、ソース接続開口に対して、ドープされたシリコン、ドープされたポリシリコン、ドープされたアモルファスなどのソース接続材料を充填するように側壁SEGが行われる。したがって、ソース接続材料は、チャネル構造の底部で(メモリセルおよび選択トランジスタのチャネルを形成するために)半導体層に接触し、ソース接続部を形成する。
【0064】
S380で、さらなるプロセスが行われ得る。一例では、真のゲートが形成される。いくつかの実施形態では、ゲート線カットトレンチを用いて、ゲート犠牲層がゲート層で置き換えられ得る。一例では、ゲート線カットトレンチを通してエッチング液がゲート犠牲層に適用され、ゲート犠牲層が除去される。一例では、ゲート犠牲層は、窒化シリコンから作られ、熱硫酸(H2SO4)がゲート線カットトレンチを通して適用され、ゲート犠牲層が除去される。さらに、ゲート線カットトレンチを用いて、アレイ領域のトランジスタへのゲートスタックが形成される。一例では、ゲートスタックは、高-k誘電体層、接着剤層および金属層から形成される。高-k誘電体層は、酸化ハフニウム(HfO2)、ケイ酸ハフニウム(HfSiO4)、酸窒化シリコンハフニウム(hafnium silicon oxynitride)(HfSiON)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ランタン(La2O3)、酸化タンタル(Ta2O5)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、ケイ酸ジルコニウム(ZrSiO4)、ジルコン酸ハフニウム(HfZrO4)など、比較的大きな誘電率をもたらすあらゆる適当な材料を含むことができる。接着剤層は、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、およびTiN、TaN、W2N、TiSiN、TaSiNなどのその窒化物などの耐火金属を含むことができる。金属層は、タングステン(W)、銅(Cu)などの高伝導率を有する金属を含む。
【0065】
さらに、いくつかの例では、製造プロセスは、例えば、ゲート線カット構造を形成するように、スペーサ材料(例えば、酸化シリコン)および共通のソース材料(例えば、タングステン)をゲート線カットトレンチに充填することへと続く。さらに、コンタクトの構造が形成され、金属トレースが形成され得る。
【0066】
図5は、開示のいくつかの実施形態による半導体デバイス100-Dのような半導体デバイスの製造プロセス例を略述したフローチャートである。プロセスは、S501から始まり、S510へと進む。
【0067】
S510で、基板上に完全初期層スタックが形成される。完全初期層スタックは、ソース犠牲層と、ダミー下部選択トランジスタ、下部選択トランジスタ、メモリセルトランジスタ、上部選択トランジスタなどのトランジスタの形成に使用される犠牲ゲート層および絶縁層など、セルストリングのトランジスタを形成するための層とを含む。加えて、いくつかの例では、第1の初期層スタック上にバッファ層が形成されてもよい。
【0068】
S520で、完全初期層スタックにシールド構造130-Dが形成される。いくつかの例では、シールドマスクを用いて、完全初期層スタックにシールド構造のパターンが転写される。
【0069】
一例では、シールド構造のパターンをシールドマスクから完全初期層スタックに転写することにリソグラフィプロセスおよびエッチングプロセスを用いることができ、シールドマスクのシールドパターンに対応する開口が完全初期層スタックに生成され得る。
【0070】
さらに、一例では、シールド構造130-Dを形成するためにシールド材料が開口に充填される。一例では、開口はシールド材料で過充填され、次いで化学機械研磨(CMP)プロセスを用いて過堆積シールド材料が除去される。一例では、バッファ層は、CMPプロセス後に除去され得る。
【0071】
S530で、完全初期層スタックにチャネル構造が形成される。
【0072】
いくつかの実施形態では、階段領域に階段が形成され、比較的平坦な面を得るために適当な平坦化プロセスが行われる。次いで、フォトリソグラフィ技術を用いて、フォトレジストおよび/またはハードマスク層にチャネルホールとダミーチャネルホールのパターンが画定され、エッチング技術を用いて、それらのパターンが完全初期層スタックに転写される。こうして、チャネルホールがコア領域に形成され、ダミーチャネルホールが階段領域に形成される。1つまたは複数のダミーチャネルホールは、シールド構造によって囲まれた領域にある。
【0073】
次いで、チャネルホール内にチャネル構造が形成され、ダミーチャネルホール内にダミーチャネル構造が形成される。いくつかの実施形態では、ダミーチャネル構造は、チャネル構造と一緒に形成することができ、したがって、ダミーチャネル構造は、チャネル構造と同じ材料から形成される。いくつかの実施形態では、ダミーチャネル構造は、チャネル構造とは異なるように形成される。一例では、チャネルホールおよびダミーチャネルホールの側壁には、ブロッキング絶縁層が形成される。次いで、その側壁から順に、電荷蓄積層、トンネリング絶縁層、半導体層および絶縁層が積層される。いくつかの実施形態では、ダミーチャネル構造は、支持材料によって形成される。したがって、1つまたは複数のダミーチャネル構造は、シールド構造によって囲まれた領域にある。
【0074】
S540で、ゲート線カットトレンチ(いくつかの例ではゲート線スリットとも称される)が形成される。いくつかの実施形態では、ゲート線カットトレンチは、ソース犠牲層までエッチングされる。一例では、ソース犠牲層は、下から、酸化シリコン層、窒化シリコン層、ポリシリコン層、窒化シリコン層および酸化シリコン層を含む。ポリシリコン層は、2つの窒化シリコン層に挟まれ、さらに2つの酸化シリコン層に挟まれている。この場合、ゲート線カットトレンチのエッチングは、ポリシリコン層で停止する。
【0075】
S550で、ソース犠牲層がゲート線カットトレンチを用いて除去される。ソース犠牲層の除去によって、ソース接続開口が形成される。一例では、ポリシリコン層が2つの窒化シリコン層に挟まれ、さらに2つの酸化シリコン層に挟まれている場合、第1のエッチング液が適用されてポリシリコン層が除去される。窒化シリコン層は、第1のエッチング液による損傷から他の層を保護することができる。次いで、第2のエッチング液が適用されて2つの窒化シリコン層が除去される。酸化シリコン層は、第2のエッチング液による損傷から他の層を保護することができる。次いで、第3のエッチング液が適用されて2つの酸化シリコン層が除去される。
【0076】
ソース犠牲層の除去により、ソース接続開口が形成される。シールド構造の保護により、シールド構造によって囲まれた領域内のソース犠牲層は除去されていないことに留意されよう。さらに、シールド構造によって囲まれた領域内の1つまたは複数のダミーチャネル構造もシールド構造によって保護されるので、ダミーチャネル構造の端は無傷である。シールド構造によって囲まれた領域の完全初期層スタックは、シールド構造によって保護されないソース犠牲層の除去プロセス後も半導体デバイスに残り、近傍領域を支持し、崩壊の危険を低減することができることに留意されよう。
【0077】
酸化物-窒化物-酸化物(ONO)構造を有する、ブロッキング絶縁層、電荷蓄積層およびトンネリング絶縁層などのチャネル構造を形成する層のうちのいくつかを除去することができ、それによってチャネル構造の底部の半導体層がソース接続開口に対して露出されることに留意されよう。
【0078】
一例では、ゲート線カットトレンチの側壁は、ソース犠牲層の除去の間における犠牲ゲート層のエッチングを回避するために保護層で覆うことができることにも留意されよう。
【0079】
S560で、エピタキシャル層を成長させソース接続開口に対して、ドープされたシリコン、ドープされたポリシリコン、ドープされたアモルファスなどのソース接続材料を充填するように、側壁SEGが行われる。したがって、ソース接続材料は、チャネル構造の底部で(メモリセルおよび選択トランジスタのチャネルを形成するために)半導体層に接触し、ソース接続部を形成する。
【0080】
S570で、さらなるプロセスが行われ得る。一例では、真のゲートが形成される。いくつかの実施形態では、ゲート線カットトレンチを用いて、ゲート犠牲層がゲート層で置き換えられ得る。一例では、ゲート線カットトレンチを通してゲート犠牲層にエッチング液が適用され、ゲート犠牲層が除去される。一例では、ゲート犠牲層は、窒化シリコンから作られ、熱硫酸(H2SO4)がゲート線カットトレンチを通して適用され、ゲート犠牲層が除去される。さらに、ゲート線カットトレンチを用いて、アレイ領域のトランジスタへのゲートスタックが形成される。一例では、ゲートスタックは、高-k誘電体層、接着剤層および金属層から形成される。高-k誘電体層は、酸化ハフニウム(HfO2)、ケイ酸ハフニウム(HfSiO4)、酸窒化シリコンハフニウム(HfSiON)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ランタン(La2O3)、酸化タンタル(Ta2O5)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、ケイ酸ジルコニウム(ZrSiO4)、ジルコン酸ハフニウム(HfZrO4)など、比較的大きな誘電率をもたらすあらゆる適当な材料を含むことができる。接着剤層は、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、および例えばTiN、TaN、W2N、TiSiN、TaSiNなどのその窒化物などの耐火金属を含むことができる。金属層は、タングステン(W)、銅(Cu)など、高伝導率を有する金属を含む。
【0081】
さらに、いくつかの例では、製造プロセスは、例えば、ゲート線カット構造を形成するようにスペーサ材料(例えば、酸化シリコン)と共通のソース材料(例えば、タングステン)をゲート線カットトレンチに充填することへと続く。さらに、コンタクトの構造が形成され、金属トレース形成され得る。
【0082】
図5の例のステップシーケンスは、変えることができることに留意されよう。一例では、シールド構造は、チャネル構造の形成後に形成される。
【0083】
当業者が本開示の態様をより良く理解することができるようにいくつかの実施形態の特徴を上記で略述した。当業者は、本明細書に記載の実施形態の同様の目的を行うおよび/または同様の利点を達成するための他のプロセスおよび構造を設計または修正するための基礎として、本開示を容易に利用し得ることを理解すべきである。さらに、当業者は、そのような等価の構造は、本開示の趣旨および範囲から逸脱していないこと、ならびに、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書に様々な変更、置き換え、および交替を行えることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0084】
100、100-D 半導体デバイス
101 基板
102 コア領域
103 階段領域
104 絶縁層
105 ゲート層
109 チャネル構造
110、110A、110B、110C、110D ダミーチャネル構造
111 ブロッキング絶縁層
112 電荷蓄積層
113 トンネリング絶縁層
114 半導体層
115 絶縁層
118 ダミーチャネルホール
119A、119B、119C、119D 端構造
120 GLカット
129 ゲート線カットトレンチ
130、130-D シールド構造
130-A 第1のシールド構造
130-B 第2のシールド構造
131 開口
131-A、131-B 側壁ライナ層
132 シールド材料
132-A、132-B 充填材層
140 領域
141 ソース犠牲層
142 第1の層スタック
142-I 第1の初期層スタック
143 ソース接続層
149 バッファ層
150 第2の層スタック
150-I 第2の初期層スタック
159 ソース接続開口
200A、200B、200C レイアウト設計
202 コア領域
203 階段領域
220 パターン
230A-1、230B-1、230C-1 第1のパターン
230A-2、230B-2、230C-2 第2のパターン
231A、231B、231C 包囲部分
232A、232B、232C 非包囲部分
233A、233B、233C 非包囲部分
234B 包囲部分
235B 非包囲部分
236B 非包囲部分
240A-1、240B-1、240B-2、240C-1 領域