IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社KOKUSAI ELECTRICの特許一覧

特許7408772基板処理装置、排気装置、半導体装置の製造方法、基板処理方法及びプログラム
<>
  • 特許-基板処理装置、排気装置、半導体装置の製造方法、基板処理方法及びプログラム 図1
  • 特許-基板処理装置、排気装置、半導体装置の製造方法、基板処理方法及びプログラム 図2
  • 特許-基板処理装置、排気装置、半導体装置の製造方法、基板処理方法及びプログラム 図3
  • 特許-基板処理装置、排気装置、半導体装置の製造方法、基板処理方法及びプログラム 図4
  • 特許-基板処理装置、排気装置、半導体装置の製造方法、基板処理方法及びプログラム 図5
  • 特許-基板処理装置、排気装置、半導体装置の製造方法、基板処理方法及びプログラム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-22
(45)【発行日】2024-01-05
(54)【発明の名称】基板処理装置、排気装置、半導体装置の製造方法、基板処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20231225BHJP
   H01L 21/316 20060101ALI20231225BHJP
   C23C 16/40 20060101ALI20231225BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
H01L21/31 B
H01L21/316 X
C23C16/40
C23C16/44 E
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022508350
(86)(22)【出願日】2021-03-15
(86)【国際出願番号】 JP2021010402
(87)【国際公開番号】W WO2021187425
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】P 2020048503
(32)【優先日】2020-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】318009126
【氏名又は名称】株式会社KOKUSAI ELECTRIC
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】山崎 裕久
(72)【発明者】
【氏名】寿崎 健一
(72)【発明者】
【氏名】永冨 佳将
【審査官】佐藤 靖史
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-084561(JP,A)
【文献】特開2005-109383(JP,A)
【文献】特開2008-270508(JP,A)
【文献】特開2020-033619(JP,A)
【文献】特表2019-505096(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
H01L 21/316
C23C 16/40
C23C 16/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する処理室と、
前記処理室内に金属含有ガスを供給する第1ガス供給部と、
前記処理室内に第1の酸素含有ガスを供給する第2ガス供給部と、
ガス排気管と、プラズマにより排気ガスに含まれる前記金属含有ガス成分を捕集するためのトラップ部と、が設けられ、前記処理室内から前記排気ガスを排気する排気部と、を備え
前記トラップ部は、前記排気ガスに含まれる前記金属含有ガス成分を捕集するトラップ機構と、前記プラズマを生成するプラズマ生成部と、前記プラズマ生成部に第2の酸素含有ガスを供給する第3ガス供給部と、前記プラズマ生成部からのガスを前記トラップ機構に供給する第4ガス供給部と、を備える基板処理装置。
【請求項2】
前記トラップ部は、前記処理室内を排気するポンプと、該ポンプを補助する補助ポンプとの間に設けられる請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記プラズマ生成部は、前記第2の酸素含有ガスをプラズマにより活性化して前記第4ガス供給部を介して前記トラップ機構に供給する請求項に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記プラズマ生成部に高周波電力を供給する高周波電源を備え、
前記プラズマ生成部は、前記高周波電源に接続される電極と、基準電位であるアースに接続され、接地される電極と、を備える請求項に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記トラップ機構内で、前記金属含有ガス成分と前記プラズマ生成部で活性化された前記第2の酸素含有ガスとを反応させる請求項に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記トラップ機構は、前記金属含有ガス成分を付着させるトラップフィンを有する請求項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記金属含有ガス成分と前記プラズマ生成部で活性化された第2の酸素含有ガスとを反応させて生成された生成物を前記トラップフィンに付着させる請求項に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記トラップフィンは、ステンレスである請求項又は請求項に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記ポンプはドライポンプであり、前記補助ポンプはメカニカルブースターポンプである請求項に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記第1の酸素含有ガスと前記第2の酸素含有ガスが同一のガスである請求項に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記第1の酸素含有ガス及び前記第2の酸素含有ガスがともにオゾンである請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記第1の酸素含有ガスと前記第2の酸素含有ガスとが異なるガスである請求項に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記第1の酸素含有ガスが酸素であり、前記第2の酸素含有ガスがオゾンである請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記オゾンを発生させるオゾナイザを備える請求項11又は請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項15】
(a)前記第1ガス供給部から前記処理室内に金属含有ガスを供給する処理と、(b)前記第2ガス供給部から前記処理室内に前記第1の酸素含有ガスを供給する処理と、を交互に行い、(c)(a)の後に、前記金属含有ガス成分を含む排気ガスを排気する処理と、(d)前記排気ガスに含まれる前記金属含有ガス成分を捕集する処理と、を行う請求項に記載の基板処理装置。
【請求項16】
ガス排気管と、
プラズマを用いて活性化された酸素含有ガスにより排気ガスに含まれる金属含有ガス成分を捕集するためのトラップ部と、が設けられ、処理室内から前記金属含有ガス成分を含む排気ガスを排気する排気部と、を備え、
前記トラップ部は、前記排気ガスに含まれる前記金属含有ガス成分を捕集するトラップ機構と、前記プラズマを生成するプラズマ生成部と、前記プラズマ生成部に第2の酸素含有ガスを供給する第3ガス供給部と、前記プラズマ生成部からのガスを前記トラップ機構に供給する第4ガス供給部と、を備える排気装置。
【請求項17】
基板を処理する処理室と、前記処理室内に金属含有ガスを供給する第1ガス供給部と、前記処理室内に第1の酸素含有ガスを供給する第2ガス供給部と、ガス排気管と、プラズマにより排気ガスに含まれる前記金属含有ガス成分を捕集するためのトラップ部と、が設けられ、前記処理室内から前記排気ガスを排気する排気部と、を備え、前記トラップ部は、前記排気ガスに含まれる前記金属含有ガス成分を捕集するトラップ機構と、前記プラズマを生成するプラズマ生成部と、前記プラズマ生成部に第2の酸素含有ガスを供給する第3ガス供給部と、前記プラズマ生成部からのガスを前記トラップ機構に供給する第4ガス供給部と、を備える基板処理装置の前記処理室に前記基板を収容する工程と、
前記処理室内に前記金属含有ガスを供給する工程と、
前記処理室から前記金属含有ガス成分を排気する工程と、
前記トラップ部により前記金属含有ガス成分を捕集する工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項18】
基板を処理する処理室と、前記処理室内に金属含有ガスを供給する第1ガス供給部と、前記処理室内に第1の酸素含有ガスを供給する第2ガス供給部と、ガス排気管と、プラズマにより排気ガスに含まれる前記金属含有ガス成分を捕集するためのトラップ部と、が設けられ、前記処理室内から前記排気ガスを排気する排気部と、を備え、前記トラップ部は、前記排気ガスに含まれる前記金属含有ガス成分を捕集するトラップ機構と、前記プラズマを生成するプラズマ生成部と、前記プラズマ生成部に第2の酸素含有ガスを供給する第3ガス供給部と、前記プラズマ生成部からのガスを前記トラップ機構に供給する第4ガス供給部と、を備える基板処理装置の前記処理室に前記基板を収容する工程と、
前記処理室内に前記金属含有ガスを供給する工程と、
前記処理室から前記金属含有ガス成分を排気する工程と、
前記トラップ部により前記金属含有ガス成分を捕集する工程と、
を有する基板処理方法。
【請求項19】
基板を処理する処理室と、前記処理室内に金属含有ガスを供給する第1ガス供給部と、前記処理室内に第1の酸素含有ガスを供給する第2ガス供給部と、ガス排気管と、プラズマにより排気ガスに含まれる前記金属含有ガス成分を捕集するためのトラップ部と、が設けられ、前記処理室内から前記排気ガスを排気する排気部と、を備え、前記トラップ部は、前記排気ガスに含まれる前記金属含有ガス成分を捕集するトラップ機構と、前記プラズマを生成するプラズマ生成部と、前記プラズマ生成部に第2の酸素含有ガスを供給する第3ガス供給部と、前記プラズマ生成部からのガスを前記トラップ機構に供給する第4ガス供給部と、を備える基板処理装置の前記処理室に前記基板を収容する手順と、
前記処理室内に前記金属含有ガスを供給する手順と、
前記処理室から前記金属含有ガス成分を排気する手順と、
前記トラップ部により前記金属含有ガス成分を捕集する手順と、
をコンピュータにより前記基板処理装置に実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置、排気装置、半導体装置の製造方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置の成膜プロセスにおいては、様々な液体原料が使用される。成膜プロセスにおいては、CVD、ALD等の手法によって気化された成膜原料が、反応室へ供給され、排気配管を通して真空ポンプにて除害装置へ排気される。その過程においては、成膜原料の材料特性によって、成膜原料の液化、熱分解、成膜反応による副生成物の発生等、様々な障害が発生する可能性がある。
【0003】
特に、真空ポンプでは、副生成物の堆積によって内部のローター機構が停止する場合があるので、成膜原料を捕捉するトラップ機構を反応室と真空ポンプ間に設けることがある。しかし、トラップ機構は、成膜原料を捕捉しやすくするため、複雑な構造をとり、排気コンダクタンスが小さくなる傾向となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-174725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、液体原料や副生成物等を捕集するために反応室と真空ポンプ間にトラップ機構を設置するため、排気コンダクタンスを大きくすると、捕集効率が低下する。また、逆に捕集効率を高くするため、排気コンダクタンスを小さくすると、ポンプ排気性能を低下させるといった相反の関係となる。そのため、液体原料に対しては十分な捕集効率が得られない、または排気コンダクタンスが小さくなるという課題がある。
【0006】
本開示の目的は、捕集効率の低下を抑えると共にポンプ排気性能の低下を抑える技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様によれば、
基板を処理する処理室と、
前記処理室内に金属含有ガスを供給する第1ガス供給部と、
前記処理室内に酸素含有ガスを供給する第2ガス供給部と、
前記処理室内から金属含有ガス成分を含む排気ガスを排気する排気部と、を有し、
前記排気部は、ガス排気管と、前記処理室内を排気するポンプと、該ポンプを補助する補助ポンプと、前記ポンプと前記補助ポンプとの間に設けられ、プラズマにより前記金属含有ガス成分を捕集するためのトラップ部と、
を備える技術が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、捕集効率の低下を抑えると共にポンプ排気性能の低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施形態に好適に用いられる基板処理装置を説明するための概略縦断面図である。
図2図1のA-A線における垂直断面図である。
図3】本開示の実施形態に好適に用いられるトラップを説明するための概略縦断面図である。
図4】本開示の実施形態に好適に用いられるコントローラ構成を示す図である。
図5】本開示の好ましい実施の形態の基板処理装置を使用して金属酸化膜を製造するプロセスを説明するためのフローチャートである。
図6】本開示の好ましい実施の形態の基板処理装置を使用して金属酸化膜を製造するプロセスを説明するためのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(1)基板処理装置の構成
以下、実施形態について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明を省略することがある。なお、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。
【0011】
以下、本開示の好ましい実施の形態の基板処理装置について図面を参照しながら説明する。この基板処理装置は、一例として、半導体装置(半導体デバイス)としてのIC(Integrated Circuit)の製造方法における基板処理工程としての成膜工程を実施する半導体製造装置として構成されている。
【0012】
図1に示されているように、基板処理装置が備える処理炉202は、加熱手段(加熱機構)としてのヒータ207を有する。ヒータ207は円筒形状であり、保持板としてのヒータベース(図示せず)に支持されることにより垂直に据え付けられている。ヒータ207の内側には、ヒータ207と同心円状に反応容器(処理容器)を構成する反応管203が設けられる。
【0013】
反応管203の下方には、反応管203の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシールキャップ219が設けられている。シールキャップ219は反応管203の下端に垂直方向下側から当接されるようになっている。シールキャップ219の上面には反応管203の下端と当接するシール部材としてのOリング220が設けられている。シールキャップ219の処理室201と反対側には基板支持具としてのボート217を回転させる回転機構267が設けられている。
【0014】
回転機構267の回転軸255はシールキャップを貫通して、ボート217に接続されており、ボート217を回転させることで基板としてのウエハ200を回転させるように構成されている。シールキャップ219は反応管203の外部に設けられた昇降機構としてのボートエレベータ115によって垂直方向に昇降されるように構成されており、これによりボート217を処理室201内に対し搬入搬出することが可能となっている。
【0015】
シールキャップ219には断熱部材としての石英キャップ218を介してボート217が立設されている。石英キャップ218は、例えば石英や炭化珪素等の耐熱性材料で構成され断熱部として機能すると共にボートを保持する保持体となっている。ボート217は例えば石英や炭化珪素等の耐熱性材料で構成され複数枚のウエハ200を水平姿勢でかつ互いに中心を揃えた状態で整列させて管軸方向に多段に支持されるように構成されている。
【0016】
処理室201であって反応管203の下部には、ノズル249a、ノズル249b、が反応管203を貫通するように設けられている。ノズル249a、ノズル249bにはガス供給管232a、ガス供給管232bがそれぞれ接続されている。このように、反応管203には2本のノズル249a、249bと、2本のガス供給管232a、232bが設けられており、処理室201内へ複数の種類のガスを供給することができるように構成されている。また、後述のように、ガス供給管232a、ガス供給管232bには、それぞれ不活性ガス供給管232c、232e等が接続されている。
【0017】
ガス供給管232aには上流方向から順に、気化装置(気化手段)であり液体原料を気化して原料ガスとしての気化ガスを生成する気化器271a、ミストフィルタ300、ガスフィルタ272a、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)241a、及び開閉弁であるバルブ243aが設けられている。バルブ243aを開けることにより、気化器271a内にて生成された気化ガスがノズル249aを介して処理室201内へ供給される。
【0018】
ガス供給管232aにはMFC241aとバルブ243aの間に、後述のガス排気管231に接続されたベントライン232dが接続されている。このベントライン232dには開閉弁であるバルブ243dが設けられており、後述の原料ガスを処理室201に供給しない場合は、バルブ243dを介して原料ガスをベントライン232dへ供給する。
【0019】
バルブ243aを閉め、バルブ243dを開けることにより、気化器271aにおける気化ガスの生成を継続したまま、処理室201内への気化ガスの供給を停止することが可能なように構成されている。気化ガスを安定して生成するには所定の時間を要するが、バルブ243aとバルブ243dの切り替え動作によって、処理室201内への気化ガスの供給・停止をごく短時間で切り替えることが可能なように構成されている。
【0020】
さらにガス供給管232aには、バルブ243aの下流側に不活性ガス供給管232cが接続されている。この不活性ガス供給管232cには、上流方向から順に、流量制御器(流量制御部)であるMFC241c、及び開閉弁であるバルブ243cが設けられている。ガス供給管232a、不活性ガス供給管232c、ベントライン232dにはヒータ150を取り付けて、再液化を防止している。
【0021】
ガス供給管232aの先端部には、上述のノズル249aが接続されている。ノズル249aは、反応管203の内壁とウエハ200との間における円弧状の空間に、反応管203の内壁の下部より上部に沿って、ウエハ200の積載方向上方に向かって立ち上がるように設けられている。ノズル249aはL字型のロングのノズルとして構成されている。
【0022】
ノズル249aの側面にはガスを供給するガス供給孔250aが設けられている。図2に示すように、ガス供給孔250aは反応管203の中心を向くように開口している。このガス供給孔250aは、反応管203の下部から上部にわたって複数設けられ、それぞれが同一の開口面積を有し、更に同じ開口ピッチで設けられている。
【0023】
主に、ガス供給管232a、ベントライン232d、バルブ243a、243d、MFC241a、気化器271a、ミストフィルタ300、ガスフィルタ272a、ノズル249aにより第1の処理ガス供給系が構成される。少なくとも、ノズル249aにより第1ガス供給部が構成される。また主に、不活性ガス供給管232c、MFC241c、バルブ243cにより第1の不活性ガス供給系が構成される。
【0024】
ガス供給管232bには、上流方向から順に、オゾン(O)ガスを生成する装置であるオゾナイザ500、バルブ243f、流量制御器(流量制御部)であるMFC241b及び開閉弁であるバルブ243bが設けられている。ガス供給管232bの上流側は、例えば、酸素(O)ガスを供給する図示しない酸素ガス供給源に接続されている。
【0025】
オゾナイザ500に供給されたOガスは、オゾナイザ500にて酸素含有ガスとしてOガスとなり、処理室201内に供給されるように構成されている。ガス供給管232bにはオゾナイザ500とバルブ243fの間に、後述のガス排気管231に接続されたベントライン232gが接続されている。このベントライン232gには開閉弁であるバルブ243gが設けられており、後述のOガスを処理室201に供給しない場合は、バルブ243gを介して原料ガスをベントライン232gへ供給する。バルブ243fを閉め、バルブ243gを開けることにより、オゾナイザ500によるOガスの生成を継続したまま、処理室201内へのOガスの供給を停止することが可能なように構成されている。
【0026】
酸素含有ガスとしてのOガスを安定して精製するには所定の時間を要するが、バルブ243f、バルブ243gの切り替え動作によって、処理室201へのOガスの供給や停止をごく短時間で切り替えることが可能なように構成されている。さらにガス供給管232bには、バルブ243bの下流側に不活性ガス供給管232eが接続されている。この不活性ガス供給管232eには、上流方向から順に流量制御器(流量制御部)であるMFC241e、及び開閉弁であるバルブ243eが設けられている。
【0027】
ガス供給管232bの先端部には、上述のノズル249bが接続されている。ノズル249bは、反応管203の内壁とウエハ200との間における円弧状の空間に、反応管203の内壁の下部より上部に沿って、ウエハ200の積載方向上方に向かって立ち上がるように設けられている。ノズル249bはL字型のロングのノズルとして構成されている。
【0028】
ノズル249bの側面にはガスを供給するガス供給孔250bが設けられている。図2に示すように、ガス供給孔250bは反応管203の中心を向くように開口している。このガス供給孔250bは、反応管203の下部から上部にわたって複数設けられ、それぞれが同一の開口面積を有し、更に同じ開口ピッチで設けられている。
【0029】
主に、ガス供給管232b、ベントライン232g、オゾナイザ500、バルブ243f、243g、243b、MFC241b、ノズル249bにより第2の処理ガス供給系が構成される。少なくとも、ノズル249bにより第2ガス供給部が構成される。また主に、不活性ガス供給管232e、MFC241e、バルブ243eにより第2の不活性ガス供給系が構成される。
【0030】
ガス供給管232aからは、例えば、金属含有ガスとしての原料ガス、が第1の原料ガスとして、気化器271a、ミストフィルタ300、ガスフィルタ272a、MFC241a、バルブ243a、ノズル249aを介して処理室201内へ供給される。
【0031】
ガス供給管232bには、酸素(O)原子を含むガス(酸素含有ガス)が供給され、オゾナイザ500にて、例えば、Oガス(第1の酸素含有ガス)となり、酸化ガス(酸化剤)として、バルブ243f、MFC241b、バルブ243bを介して処理室201内へ供給される。また、オゾナイザ500にてOガスを生成せずに酸化ガス(第1の酸素含有ガス)としてOガスを処理室201内へ供給することも可能である。
【0032】
不活性ガス供給管232c、232eからは、不活性ガスが、それぞれMFC241c、241e、バルブ243c、243e、ガス供給管232a、232b、ノズル249a、249bを介して処理室201に供給される。
【0033】
反応管203には、処理室201の雰囲気を排気する排気管231が設けられている。排気管231には処理室201の圧力を検出する圧力検出器(圧力検出部)としての圧力センサ245及び圧力調整器(圧力調整部)としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ244を介して真空排気装置246が接続されており、処理室201内の圧力が所定の圧力(真空度)となるよう真空排気し得るように構成されている。
【0034】
尚、APCバルブ244は弁を開閉して処理室201の真空排気・真空排気停止ができ、更に弁開度を調節して圧力調整可能となっている開閉弁である。主に、ガス排気管231、APCバルブ244、真空排気装置246、圧力センサ245により排気系が構成される。
【0035】
真空排気装置246は、処理室201側から補助ポンプとしてのメカニカルブースターポンプ(MBP)9、成膜原料や副生成物を捕集するトラップ機構10、ポンプとしてのドライポンプ(DP)11の順に接続されて構成されている。ドライポンプ11には除外装置12が接続されている。ドライポンプ11は大気を圧縮するので、圧縮熱が発生する。そのため、有機金属原料が反応して生成物が付着してしまう可能性がある。これに対して、メカニカルブースターポンプ9はドライポンプ11に比べ、処理室201に近く真空に近いところで動作するので圧縮熱が発生しづらいため、有機金属原料は反応せずに通過する。よって、メカニカルブースターポンプ9とドライポンプ11の間にトラップ機構10を設けるのが好ましい。なお、トラップ機構10とドライポンプ11との間にメカニカルブースターポンプ9を設けてもよい。少なくとも、ガス排気管231、メカニカルブースターポンプ9、トラップ部100、ドライポンプ11により排気部(排気装置)が構成される。
【0036】
図3に示すように、トラップ部100は、排気ガスに含まれる金属含有ガスを捕集するトラップ機構10と、プラズマを生成するプラズマ生成部16と、プラズマ生成部16に酸素含有ガスを供給するガス供給管(ガス供給部)17と、前記プラズマ生成部16に高周波電力を供給する高周波電源18と、プラズマ生成部16で活性化された活性種をトラップ機構10に供給するガス供給管(ガス供給部)21で構成される。トラップ機構10は、酸素プラズマ方式を用い、成膜原料を流している間にラジカル酸化にて成膜原料や副生成物をトラップフィン14に付着させて捕集する。ここで、トラップフィン14の材質は、ステンレス、例えば、SUS316であるのが好ましい。
【0037】
処理室201内に、金属含有ガスが供給されると、プラズマ生成部16に酸素含有ガス(第2の酸素含有ガス)として酸素(O)ガス(HO、Oでもよい)を第3ガス供給部としてのガス供給管17から供給して、高周波電源18から高周波電力(例えば、27.12MHzの高周波電力を、0.5KW以上3.5KW以下の範囲内の電力)を印加すると、高周波電源18に接続される電極19と基準電位であるアースに接続され、接地される電極20との間にプラズマが発生し、プラズマ状態に励起(活性化)された酸素ガス(プラズマ化して活性化され、活性種)が生成される。このプラズマを生成する手段は容量結合プラズマ(Capacitively Cpupled Plasma、略称:CCP)である。
【0038】
処理室201内から排気された未反応もしくは金属含有層形成に寄与した後の金属含有ガス(金属含有ガス成分)を含む排気ガスが、トラップ機構10のInからトラップ機構10内に供給される。プラズマ生成部16で活性化された活性種をガス供給管21を介してトラップ機構10内に供給すると、活性種が金属含有ガス成分と反応し、トラップフィン14に生成物が付着されることで、排気ガスから未反応もしくは金属含有層形成に寄与した後の金属含有ガス成分が除去される。未反応もしくは金属含有層形成に寄与した後の金属含有ガス成分が除去された排気ガスが、トラップ機構10のOutからドライポンプ11に排出される。これにより、ドライポンプ11内での生成物の堆積を防止することができる。
【0039】
プラズマを生成する手段としては、どのような方法を用いてもよく、例えば、誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma:略称:IPC)、電子サイクロトン共鳴プラズマ(Electron Cyclotron Resonance Plasma、略称:ECRプラズマ)、ヘリコン波励起プラズマ(Helicon Wave Excited Plasma、略称:HWP)、表面は波プラズマ(Surface Wave Plasma、略称:SWP)等を用いてもよい。
【0040】
成膜工程で使用される第1の酸素含有ガスと、トラップ部100で使用される第2の酸素含有ガスは、同一のガスでも異なるガスでもよい。同一のガスの場合、成膜工程では多量のOが必要となり、トラップ部100で使用する量を確保することが難しい。そこで、異なるガスとして、プラズマにOを用いることで、Oの消費を減らせることが可能となる。成膜工程で使用する量とトラップで使用する量を確保できれば、同一ガスとしてOを用いる場合、オゾナイザを共通して用いることができるため、装置構成を簡略化することが可能となる。
【0041】
排気ガスの温度は特に温度制御する必要はないが、排気配管を加熱して、排気ガスを加熱するようにしてもよい。そうすることで、有機金属原料と酸素プラズマとが更に反応しやすくなる。
【0042】
反応管203内には温度検出器としての温度センサ263が設置されており、温度センサ263により検出された温度情報に基づきヒータ207への通電具合を調整することで、処理室201内の温度が所望の温度分布となるように構成されている。温度センサ263は、ノズル249a、249bと同様にL字型に構成されており、反応管203の内壁に沿って設けられている。
【0043】
制御部(制御手段)であるコントローラ121は、図4に示すように、CPU(Central Processing Unit)121a、RAM(RandomAccess Memory)121b、記憶装置121c、I/Oポート121dを備えたコンピュータとして構成されている。RAM121b、記憶装置121c、I/Oポート121dは、内部バスを介して、CPU121aとデータ交換可能なように構成されている。コントローラ121には、例えばタッチパネル等として構成された入出力装置122が接続されている。また、コントローラ121には、後述するプログラムを記憶した外部記憶装置(記憶媒体)123が接続可能とされる。
【0044】
記憶装置121cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。記憶装置121c内には、基板処理装置の動作を制御する制御プログラムや、後述する基板処理の手順や条件などが記載されたプロセスレシピ等が、読み出し可能に格納されている。また、外部記憶装置123に制御プログラムやプロセスレシピ等を記憶させ、当該外部記憶装置123をコントローラ121に接続することにより、制御プログラムやプロセスレシピ等を記憶装置121cに格納させることもできる。
【0045】
なお、プロセスレシピは、後述する基板処理工程における各手順をコントローラ121に実行させ、所定の結果を得ることができるように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。以下、このプロセスレシピや制御プログラム等を総称して、単にプログラムともいう。
【0046】
本明細書においてプログラムという言葉を用いた場合は、プロセスレシピ単体のみを含む場合、制御プログラム単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。また、RAM121bは、CPU121aによって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。
【0047】
I/Oポート121dは、MFC241a、241b、241c、241e、バルブ243a、243b、243c、243d、243e、243f、243g、気化器271a、ミストフィルタ300、オゾナイザ500、圧力センサ245、APCバルブ244、メカニカルブースターポンプ9、ドライポンプ11、高周波電源18、ヒータ150、207、温度センサ263、ボート回転機構267、ボートエレベータ115等に接続されている。
【0048】
CPU121aは、記憶装置121cから制御プログラムを読み出して実行すると共に、入出力装置122からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置121cからプロセスレシピを読み出すように構成されている。
【0049】
CPU121aは、読み出したプロセスレシピに従って、MFC241a、241b、241c、241eによる各種ガスの流量調整動作、バルブ243a、243b、243c、243d、243e、243f、243gの開閉動作、APCバルブ244の開閉及び圧力センサ245に基づく圧力調整動作、ヒータ150の温度調整動作、温度センサ263に基づくヒータ207の温度調整動作、気化器271a、ミストフィルタ300、オゾナイザ500の制御、メカニカルブースターポンプ9、ドライポンプ11、高周波電源18の起動・停止、ボート回転機構267の回転速度調節動作、ボートエレベータ115の昇降動作等の制御等が行われる。
【0050】
(2)基板処理工程
次に、上述の基板処理装置の処理炉を用いて半導体装置(半導体デバイス)の製造工程の一工程として、基板上に絶縁膜を成膜するシーケンス例について、図5図6を参照して説明する。なお、以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作はコントローラ121により制御される。
【0051】
成膜方法として、例えば、形成する膜を構成する複数の元素を含む複数種類のガスを同時に供給する方法、また、形成する膜を構成する複数の元素を含む複数種類のガスを交互に供給する方法がある。
【0052】
まず、複数枚のウエハ200がボート217に装填(ウエハチャージ)されると(図5、ステップS101参照)、複数枚のウエハ200を支持したボート217は、ボートエレベータ115によって持ち上げられて処理室201に搬入(ボートロード)される(図5、ステップS102参照)。この状態で、シールキャップ219はOリング220を介して反応管203の下端をシールした状態となる。
【0053】
処理室201が所望の圧力(真空度)となるように真空排気装置246によって真空排気される。この際、処理室201内の圧力は、圧力センサ245で測定され、この測定された圧力に基づきAPCバルブ244が、フィードバック制御される(圧力調整)(図5、ステップS103参照)。
【0054】
処理室201が所望の温度となるようにヒータ207によって加熱される。この際、処理室201が所望の温度分布となるように、温度センサ263が検出した温度情報に基づきヒータ207への通電具合がフィードバック制御される(温度調整)(図5、ステップS103参照)。続いて、回転機構267により、ボート217が回転されることで、ウエハ200が回転される。
【0055】
次に、金属含有ガスと酸素含有ガスを処理室201に供給することにより絶縁膜である金属酸化膜を成膜する絶縁膜形成工程(図5、ステップS104参照)を行う。絶縁膜形成工程では次の4つのステップを順次実行する。
【0056】
(絶縁膜形成工程)
<ステップS105>
ステップS105(図5図6参照)では、まず金属含有ガスを流す。ガス供給管232aのバルブ243aを開き、ベントライン232dのバルブ243dを閉じることで、気化器271a、ミストフィルタ300およびガスフィルタ272aを介してガス供給管232a内に金属含有ガスを流す。ガス供給管232a内を流れた金属含有ガスは、MFC241aにより流量調整される。流量調整された金属含有ガスはノズル249aのガス供給孔250aから処理室201に供給されつつガス排気管231から排気される。このとき、同時にバルブ243cを開き、ガス供給管232c内に不活性ガスを流す。ガス供給管232c内を流れた不活性ガスは、MFC241cにより流量調整される。流量調整された不活性ガスは金属含有ガスと一緒に処理室201に供給されつつガス排気管231から排気される。金属含有ガスを処理室201に供給することでウエハ200と反応し、ウエハ200上に金属含有含有層が形成される。
【0057】
このとき、APCバルブ244を適正に調整して処理室201の圧力を、例えば50~400Paの範囲内の圧力とする。MFC241aで制御する金属含有ガスの供給流量は、例えば0.1~0.5g/分の範囲内の流量とする。金属含有ガスをウエハ200に晒す時間、すなわちガス供給時間(照射時間)は、例えば30~240秒間の範囲内の時間とする。このときヒータ207の温度は、ウエハ200の温度が、例えば150~250℃の範囲内の温度となるような温度に設定する。
【0058】
<ステップS106>
ステップS106(図5図6参照)では、金属含有層が形成された後、バルブ243aを閉じ、バルブ243dを開けて処理室201への金属含有ガスの供給を停止し、金属含有ガスをベントライン232dへ流す。このとき、ガス排気管231のAPCバルブ244は開いたままとして、真空排気装置246により処理室201を真空排気し、処理室201に残留する未反応もしくは金属含有層形成に寄与した後の金属含有ガスを処理室201から排除する。尚、この時バルブ243cは開いたままとして、不活性ガスの処理室201への供給を維持する。これにより、処理室201に残留する未反応もしくは金属含有層形成に寄与した後の金属含有ガスを処理室201から排除する効果を高める。また、処理室201内から排気された金属含有ガス(金属含有ガス成分)を含む排気ガスは、トラップ機構内10に供給される。トラップ機構10内に供給された金属含有ガス成分と活性種が反応し、トラップフィン14に生成物が付着されることで、排気ガスから未反応もしくは金属含有含有層形成に寄与した後の金属含有ガス成分が除去される。
【0059】
<ステップS107>
ステップS107(図5図6参照)では、処理室201の残留ガスを除去した後、ガス供給管232b内に酸素含有ガスを流す。ガス供給管232b内を流れた、例えば、Oガスは、オゾナイザ500によりOガスとなる。ガス供給管232bのバルブ243f及びバルブ243bを開き、ベントライン232gのバルブ243gを閉めることで、ガス供給管232b内を流れた酸素含有ガス(第2の酸素含有ガス)は、MFC241bにより流量調整され、ノズル249bのガス供給孔250bから処理室201に供給されつつガス排気管231から排気される。この時同時にバルブ243eを開き、不活性ガス供給管232e内に不活性ガスを流す。不活性ガスガスは酸素含有ガスと一緒に処理室201に供給されつつガス排気管231から排気される。酸素含有ガスを処理室201に供給することにより、ウエハ200上に形成された金属含有層と酸素含有ガスが反応して金属酸化層が形成される。
【0060】
酸素含有ガスを流すときは、APCバルブ244を適正に調整して処理室201の圧力を、例えば50~400Paの範囲内の圧力とする。MFC241bで制御するOガスの供給流量は、例えば10~20slmの範囲内の流量とする。酸素含有ガスにウエハ200を晒す時間、すなわちガス供給時間(照射時間)は、例えば60~300秒間の範囲内の時とする。このときのヒータ207の温度は、ステップ105と同様、ウエハ200の温度が150~250℃の範囲内の温度となるような温度に設定する。
【0061】
<ステップS108>
ステップS108(図5図6参照)では、ガス供給管232bのバルブ243bを閉じ、バルブ243gを開けて処理室201への酸素ガス(第2の酸素含有ガス)の供給を停止し、酸素含有ガスをベントライン232gへ流す。このとき、ガス排気管231のAPCバルブ244は開いたままとして、真空排気装置246により処理室201を真空排気し、処理室201に残留する未反応もしくは酸化に寄与した後の酸素含有ガスを処理室201から排除する。尚、この時バルブ243eは開いたままとして、不活性ガスの処理室201への供給を維持する。これにより、処理室201に残留する未反応もしくは酸化に寄与した後の酸素ガスを処理室201から排除する効果を高める。
【0062】
上述したステップS105~S108を1サイクルとして、このサイクルを少なくとも1回以上行う(ステップS109)ことにより、ウエハ200上に所定膜厚の金属酸化膜を形成することができる。尚、上述のサイクルは、複数回繰り返すのが好ましい。これにより、ウエハ200上に所望の金属酸化膜が形成される。
【0063】
金属酸化膜を形成後、ガス供給管232aのバルブ243aを閉じ、ガス供給管232bのバルブ243bを閉じ、不活性ガス供給管232cの243cを開き、不活性ガス供給管232eの243eを開いて、処理室201に不活性ガスを流す。不活性ガスはパージガスとして作用し、これにより、処理室201が不活性ガスでパージされ、処理室201に残留するガスが処理室201から除去される(パージ、ステップS110)。その後、処理室201の雰囲気が不活性ガスに置換され、処理室201の圧力が常圧に復帰される(大気圧復帰、ステップS111)。
【0064】
その後、ボートエレベータ115によりシールキャップ219が下降されて、マニホールド209の下端が開口されるとともに、処理済のウエハ200がボート217に保持された状態でマニホールド209の下端から反応管203の外部に搬出(ボートアンロード、ステップS112)される。その後、処理済みのウエハ200はボート217より取り出される(ウエハディスチャージ、ステップS112)。
【0065】
また、本開示は、例えば、既存の基板処理装置のプロセスレシピを変更することでも実現できる。プロセスレシピを変更する場合は、本開示に係るプロセスレシピを電気通信回線や当該プロセスレシピを記録した記録媒体を介して既存の基板処理装置にインストールしたり、また、既存の基板処理装置の入出力装置を操作し、そのプロセスレシピ自体を本開示に係るプロセスレシピに変更したりすることも可能である。
【0066】
例えば、上述の実施形態では、金属含有ガスとしては、例えば、Zr(O-tBu)ガス、TDMAZ(テトラキスジメチルアミノジルコニウム:Zr(NMe)ガス、TEMAZ(テトラキスエチルメチルアミノジルコニウム((Zr[N(CH)C)、TDEAZ(テトラキスジエチルアミノジルコニウム:Zr(NETt)ガス、Zr(MMP)ガス等を使用することができる。原料ガスとしては、例えば、トリメチルアルミニウム(Al(CH、略称:TMA)ガス等の金属元素および炭素を含む有機金属原料ガスを用いることもできる。反応ガスとしては、上述の実施形態と同様なガスを用いることができる。
また、成膜工程で使用される酸素含有ガス(第1の酸素含有ガス)としては、Oガス、HOガス、Oガス等を用いることができる。
また、トラップ部100で使用される酸素含有ガス(第2の酸素含有ガス)としては、Oガス、HOガス、Oガス等を用いることができる。
また、不活性ガスとしては、Nガスや、Arガス、Heガス、Neガス、Xeガス等の希ガスを用いることができる。
【0067】
また、上述の実施形態では、ウエハ200上に膜を堆積させる例について説明した。しかしながら、本開示は、このような態様に限定されない。例えば、ウエハ200上に形成された膜等に対して、酸化処理、拡散処理、アニール処理、エッチング処理等の処理を行う場合にも、好適に適用可能である。
【0068】
また、本実施形態に係る基板処理装置のような半導体ウエハを処理する半導体製造装置などに限らず、ガラス基板を処理するLCD(Liquid Crystal Display)製造装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0069】
9…メカニカルブースターポンプ(補助ポンプ)
10…トラップ機構
11…ドライポンプ(ポンプ)
100…トラップ部
200…ウエハ(基板)
201…処理室
231…ガス排気管
図1
図2
図3
図4
図5
図6