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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】アクセサリおよびカメラボディ
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/14 20210101AFI20231226BHJP
   G03B 9/36 20210101ALI20231226BHJP
   G03B 5/00 20210101ALI20231226BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20231226BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20231226BHJP
   H04N 23/66 20230101ALI20231226BHJP
   H04N 23/68 20230101ALI20231226BHJP
【FI】
G03B17/14
G03B9/36 Z
G03B5/00 L
G03B17/02
G03B17/56 Z
G03B5/00 J
H04N23/66
H04N23/68
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2019184742
(22)【出願日】2019-10-07
(65)【公開番号】P2021060509
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2022-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】三家本 英志
(72)【発明者】
【氏名】真田 覚
(72)【発明者】
【氏名】大石 末之
(72)【発明者】
【氏名】松本 豪
【審査官】瀬戸 息吹
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-179488(JP,A)
【文献】特開2000-152057(JP,A)
【文献】特開2018-143006(JP,A)
【文献】特開2017-010037(JP,A)
【文献】特許第6508402(JP,B1)
【文献】特開2019-080137(JP,A)
【文献】特開2007-212933(JP,A)
【文献】特開2007-251382(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 5/00 - 5/08
G03B 9/08 - 9/54
G03B 17/00 - 17/17
G03B 17/22
G03B 17/26 - 17/34
G03B 17/38 - 17/46
G03B 17/56 - 17/58
H04N 5/222 - 5/257
H04N 23/40 - 23/76
H04N 23/90 - 23/959
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャッタ機構を備えるカメラボディに装着可能なアクセサリであって、
振れを補正する補正機構と、
被写体像を形成する光学系と、
前記カメラボディに備えられる部材が駆動した際に、前記補正機構による振れの補正が正しく行われるか否かを示す情報であり、前記カメラボディが撮影を行う際のシャッタ制御の選択に用いられる第1情報を前記カメラボディに送信する第1送信部と、
を備え
前記第1情報は、撮影の際のシャッタ制御の選択肢として、電子先幕シャッタ制御と電子シャッタ制御との2者を選択可能に設定するか、電子先幕シャッタ制御と電子シャッタ制御とメカシャッタ制御との3者を選択可能に設定するか、を示す情報であるアクセサリ。
【請求項2】
シャッタ機構を備えるカメラボディに装着可能なアクセサリであって、
振れを補正する補正機構と、
被写体像を形成する光学系と、
前記カメラボディに備えられる部材が駆動した際に、前記補正機構による振れの補正が正しく行われるか否かを示す情報であり、前記カメラボディが撮影を行う際のシャッタ制御の選択に用いられる第1情報を前記カメラボディに送信する第1送信部と、
を備え
前記第1情報は、撮影の際のシャッタ制御として、電子先幕シャッタ制御と電子シャッタ制御から一方を設定させるか、撮影の際のシャッタ制御として、電子先幕シャッタ制御と電子シャッタ制御とメカシャッタ制御とから1つを設定させるか、を指定する情報であるアクセサリ。
【請求項3】
シャッタ機構を備えるカメラボディに装着可能なアクセサリであって、
振れを補正する補正機構と、
被写体像を形成する光学系と、
前記カメラボディに備えられる部材が駆動した際に、前記補正機構による振れの補正が正しく行われるか否かを示す情報であり、前記カメラボディが撮影を行う際のシャッタ制御の選択に用いられる第1情報を前記カメラボディに送信する第1送信部と、
を備え
前記第1情報は、前記カメラボディのシャッタの駆動により生じる前記シャッタ機構の衝撃または振動に伴う前記被写体像の位置の変化に関連する情報であるアクセサリ。
【請求項4】
シャッタ機構を備えるカメラボディに装着可能なアクセサリであって、
振れを補正する補正機構と、
被写体像を形成する光学系と、
前記カメラボディに備えられる部材が駆動した際に、前記補正機構による振れの補正が正しく行われるか否かを示す情報であり、前記カメラボディが撮影を行う際のシャッタ制御の選択に用いられる第1情報を前記カメラボディに送信する第1送信部と、
を備え
前記第1情報は、前記シャッタ機構の衝撃または振動の発生後の所定の期間における前記被写体像の位置の変化に関連する情報であるアクセサリ。
【請求項5】
前記第1情報は、撮影を行う際にカメラボディが選択可能とするシャッタ制御の設定に用いられる請求項1~4のいずれか一項に記載のアクセサリ。
【請求項6】
前記第1情報は、撮影を行う際のシャッタ制御として前記シャッタ機構の先幕の駆動を選択可能とするか否かを示す情報である請求項1~5のいずれか一項に記載のアクセサリ。
【請求項7】
前記第1情報は、前記カメラボディに所定範囲内のシャッタ速度における前記シャッタ機構の先幕の駆動を禁止させる情報である請求項1~のいずれか一項に記載のアクセサリ。
【請求項8】
前記第1情報は、撮影の際のシャッタ制御の選択肢として、電子先幕シャッタ制御と電子シャッタ制御との2者を選択可能に設定するか、電子先幕シャッタ制御と電子シャッタ制御とメカシャッタ制御との3者を選択可能に設定するか、を示す情報である請求項のいずれか一項に記載のアクセサリ。
【請求項9】
前記第1情報は、撮影の際のシャッタ制御として、電子先幕シャッタ制御と電子シャッタ制御から一方を設定させるか、撮影の際のシャッタ制御として、電子先幕シャッタ制御電子シャッタ制御とメカシャッタ制御とから1つを設定させるか、を指定する情報である請求項1、3のいずれか一項に記載のアクセサリ。
【請求項10】
前記メカシャッタ制御は、シャッタ機構の先幕及び後幕を順次に走行させる制御であり、
前記電子先幕シャッタ制御は、撮像素子の画素のリセット動作を行単位でシャッタ幕の走行方向に走査して行うと共に、前記撮像素子の画素のリセット動作の開始後に前記シャッタ機構の後幕の走行を行う制御であり、
前記電子シャッタ制御は、前記撮像素子の画素のリセット動作を行単位で走査して行うと共に、前記撮像素子の画素のリセット動作の開始後に画素の信号の読み出し動作を行単位で走査して行う制御である請求項1または請求項8に記載のアクセサリ。
【請求項11】
前記カメラボディから指示を受信する第1受信部と、
前記第1送信部及び前記第1受信部と独立して前記カメラボディへデータを送信する第2送信部を備え、
前記第1受信部は、前記カメラボディへの前記第1情報の送信を指示する第1指示を受信し、
前記第1送信部は、前記第1受信部で第1指示を受信すると、前記第1情報をカメラボディへ送信し、
前記第1受信部は、前記カメラボディから前記補正機構の駆動開始を指示する第2指示を受信し、
前記第2送信部は、前記補正機構が備える補正レンズの位置情報を前記カメラボディへ送信する請求項1~のいずれか一項に記載のアクセサリ。
【請求項12】
前記第1情報は、前記第1送信部で送信され、前記第2送信部では送信されない請求項11に記載のアクセサリ。
【請求項13】
請求項1から請求項12までのいずれか一項に記載のアクセサリにおいて、
前記第1情報は、前記カメラボディから前記シャッタ機構の衝撃または振動の少なくとも一方が前記アクセサリに与えられた場合に、前記被写体像の位置が変化するか否かを表すものであるアクセサリ。
【請求項14】
請求項1から請求項13までのいずれか一項に記載のアクセサリにおいて、
前記第1情報は、前記カメラボディから前記シャッタ機構の衝撃または振動の少なくとも一方が前記アクセサリに与えられた場合の前記被写体像の位置の変化のしやすさを表すものであるアクセサリ。
【請求項15】
請求項1から請求項14までのいずれか一項に記載のアクセサリにおいて、
前記アクセサリの振れを検出する検出部を備え、
前記検出部は、前記シャッタ機構の衝撃または振動を検出可能であるアクセサリ。
【請求項16】
請求項1から請求項15までのいずれか一項に記載のアクセサリにおいて、
前記被写体像の位置の変化は、前記アクセサリの変形または前記光学系に含まれる光学部材の少なくとも一部の光軸と直交する方向における変位に基づく変化であるアクセサリ。
【請求項17】
請求項1、請求項2、および、請求項4から請求項16までのいずれか一項に記載のアクセサリにおいて、
前記第1情報は、前記カメラボディのシャッタの駆動により生じる前記シャッタ機構の衝撃または振動に伴う前記被写体像の位置の変化に関連する情報であるアクセサリ。
【請求項18】
請求項1から請求項3まで、および、請求項5から請求項17までのいずれか一項に記載のアクセサリにおいて、
前記第1情報は、前記シャッタ機構の衝撃または振動の発生後の所定の期間における前記被写体像の位置の変化に関連する情報であるアクセサリ。
【請求項19】
請求項1から請求項18までのいずれか一項に記載のアクセサリにおいて、
前記第1送信部は、前記第1情報と共に、振れ補正機能の有無に関する第2情報を前記カメラボディに送信するアクセサリ。
【請求項20】
請求項1から請求項19までのいずれか一項に記載のアクセサリにおいて、
前記光学系は焦点距離が可変であり、
前記第1情報は、前記光学系の焦点距離に応じて変換する値であるアクセサリ。
【請求項21】
請求項1から請求項20までのいずれか一項に記載のアクセサリにおいて、
前記第1情報は、前記光学系の振れに関連する情報であるアクセサリ。
【請求項22】
請求項1から請求項21までのいずれか一項に記載のアクセサリにおいて、
前記光学系は、振れ補正レンズを有し、
前記第1情報は、前記振れ補正レンズの振れに関連する情報であるアクセサリ。
【請求項23】
請求項1から請求項22までのいずれか一項に記載のアクセサリにおいて、
前記第1情報を記憶する記憶部を備え、
前記第1送信部は、前記記憶部に記憶された前記第1情報を前記カメラボディに送信するアクセサリ。
【請求項24】
請求項1から請求項23までのいずれか一項に記載のアクセサリにおいて、
前記アクセサリは、交換レンズであるアクセサリ。
【請求項25】
振れを補正する補正機構を有するアクセサリを装着可能なカメラボディであって、
被写体像を撮像する撮像素子と、
前記撮像素子に入射する光を遮蔽可能なシャッタ機構と、
前記シャッタ機構の衝撃または振動の少なくとも一方が前記アクセサリに与えられた場合に、前記補正機構による振れ補正が正しく行われるか否かを示す第1情報を、前記アクセサリから受信するボディ側受信部と、
前記ボディ側受信部により受信した前記第1情報に基づいて、撮影時のシャッタ制御として、前記シャッタ機構の先幕の走行を伴うシャッタ制御を選択可能とするか否かを判断する判断部と、
を備え
前記判断部は、前記第1情報が、前記補正機構による振れ補正が正しく行われないことを示す情報であると、撮影の際のシャッタ制御として、電子先幕シャッタ制御と電子シャッタ制御とのいずれかを選択し、前記第1情報が、前記補正機構による振れ補正が正しく行われること示す情報であると、撮影の際のシャッタ制御として、電子先幕シャッタ制御と電子シャッタ制御とメカシャッタ制御とから1つを選択するカメラボディ。
【請求項26】
前記メカシャッタ制御は、シャッタ機構の先幕及び後幕を順次に走行させる制御であり
、前記電子先幕シャッタ制御は、前記撮像素子の画素のリセット動作を行単位でシャッタ
幕の走行方向に走査して行うと共に、前記撮像素子の画素のリセット動作の開始後に前記
シャッタ機構の後幕の走行を行う制御であり、
前記電子シャッタ制御は、前記撮像素子の画素のリセット動作を行単位で走査して行う
と共に、前記撮像素子の画素のリセット動作の開始後に画素の信号の読み出し動作を行単
位で走査して行う制御である、請求項25に記載のカメラボディ。
【請求項27】
請求項25または請求項26に記載のカメラボディにおいて、
前記判断部は、前記撮像素子と前記シャッタ機構の少なくとも一方の大きさまたは重量
に基づいて、前記シャッタ機構による遮蔽を行うか否かを判断するカメラボディ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクセサリおよびカメラボディに関する。
【背景技術】
【0002】
撮像素子を振れ補正駆動するか否かにより、先幕としてメカニカルシャッタを用いるか電子シャッタを用いるかを選択するカメラが知られている(特許文献1)。従来から画像の画質の向上が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-193155号公報
【発明の概要】
【0004】
第1の態様によると、アクセサリは、シャッタ機構を備えるカメラボディに装着可能なアクセサリであって、振れを補正する補正機構と、被写体像を形成する光学系と、前記カメラボディに備えられる部材が駆動した際に、前記補正機構による振れの補正が正しく行われるか否かを示す情報であり、前記カメラボディが撮影を行う際のシャッタ制御の選択に用いられる第1情報を前記カメラボディに送信する第1送信部と、を備え、前記第1情報は、撮影の際のシャッタ制御の選択肢として、電子先幕シャッタ制御と電子シャッタ制御との2者を選択可能に設定するか、電子先幕シャッタ制御と電子シャッタ制御とメカシャッタ制御との3者を選択可能に設定するか、を示す情報である
第2の態様によると、アクセサリは、シャッタ機構を備えるカメラボディに装着可能なアクセサリであって、振れを補正する補正機構と、被写体像を形成する光学系と、前記カメラボディに備えられる部材が駆動した際に、前記補正機構による振れの補正が正しく行われるか否かを示す情報であり、前記カメラボディが撮影を行う際のシャッタ制御の選択に用いられる第1情報を前記カメラボディに送信する第1送信部と、を備え、前記第1情報は、撮影の際のシャッタ制御として、電子先幕シャッタ制御と電子シャッタ制御から一方を設定させるか、撮影の際のシャッタ制御として、電子先幕シャッタ制御と電子シャッタ制御とメカシャッタ制御とから1つを設定させるか、を指定する情報である。
第3の態様によると、アクセサリは、シャッタ機構を備えるカメラボディに装着可能なアクセサリであって、振れを補正する補正機構と、被写体像を形成する光学系と、前記カメラボディに備えられる部材が駆動した際に、前記補正機構による振れの補正が正しく行われるか否かを示す情報であり、前記カメラボディが撮影を行う際のシャッタ制御の選択に用いられる第1情報を前記カメラボディに送信する第1送信部と、を備え、前記第1情報は、前記カメラボディのシャッタの駆動により生じる前記シャッタ機構の衝撃または振動に伴う前記被写体像の位置の変化に関連する情報である。
第4の態様によると、アクセサリは、シャッタ機構を備えるカメラボディに装着可能なアクセサリであって、振れを補正する補正機構と、被写体像を形成する光学系と、前記カメラボディに備えられる部材が駆動した際に、前記補正機構による振れの補正が正しく行われるか否かを示す情報であり、前記カメラボディが撮影を行う際のシャッタ制御の選択に用いられる第1情報を前記カメラボディに送信する第1送信部と、を備え、前記第1情報は、前記シャッタ機構の衝撃または振動の発生後の所定の期間における前記被写体像の位置の変化に関連する情報である。
第5の態様によると、カメラボディは、振れを補正する補正機構を有するアクセサリを装着可能なカメラボディであって、被写体像を撮像する撮像素子と、前記撮像素子に入射する光を遮蔽可能なシャッタ機構と、前記シャッタ機構の衝撃または振動の少なくとも一方が前記アクセサリに与えられた場合に、前記補正機構による振れ補正が正しく行われるか否かを示す第1情報を、前記アクセサリから受信するボディ側受信部と、前記ボディ側受信部により受信した前記第1情報に基づいて、撮影時のシャッタ制御として、前記シャッタ機構の先幕の走行を伴うシャッタ制御を選択可能とするか否かを判断する判断部と、を備え、前記判断部は、前記第1情報が、前記補正機構による振れ補正が正しく行われないことを示す情報であると、撮影の際のシャッタ制御として、電子先幕シャッタ制御と電子シャッタ制御とのいずれかを選択し、前記第1情報が、前記補正機構による振れ補正が正しく行われること示す情報であると、撮影の際のシャッタ制御として、電子先幕シャッタ制御と電子シャッタ制御とメカシャッタ制御とから1つを選択する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】撮像装置の構成例を示す図である。
図2】撮像装置における第一通信を説明するための図である。
図3】撮像装置におけるシャッタの動作と振れ量との関係を示す図である。
図4】撮像装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
(本実施形態)
図1は、本実施形態に係る撮像装置の一例であるカメラ1を示す模式図である。カメラ1は、カメラボディ2と、カメラボディ2に取り付け可能なアクセサリである交換レンズ3とを有する。カメラ1は、カメラボディ2と交換レンズ3とから構成されるので、カメラシステムと称することもある。
【0007】
カメラボディ2には、交換レンズ3が取り付けられるボディ側マウント部201が設けられる。交換レンズ3には、カメラボディ2に取り付けられるレンズ側マウント部301が設けられる。レンズ側マウント部301及びボディ側マウント部201には、それぞれレンズ側接続部302、ボディ側接続部202が設けられる。レンズ側接続部302及びボディ側接続部202には、それぞれクロック信号用の端子、データ信号用の端子、及び電源供給用の端子等の複数の端子が設けられている。交換レンズ3は、レンズ側マウント部301及びボディ側マウント部201により、カメラボディ2に着脱可能に装着される。
【0008】
カメラボディ2に交換レンズ3が装着されると、ボディ側接続部202に設けられた複数の端子とレンズ側接続部302に設けられた複数の端子とが、それぞれ電気的に接続される。これにより、カメラボディ2から交換レンズ3への電力供給や、カメラボディ2及び交換レンズ3間の通信が可能となる。本実施形態に係るカメラ1は、後述するシャッタ21(フォーカルプレーンシャッタ)を用いる機械方式のシャッタ機能(メカシャッタ機能)と、撮像素子22のリセット走査を行う電子方式のシャッタ機能(電子シャッタ機能)とを有する。
【0009】
交換レンズ3は、撮像光学系(結像光学系)31と、振れ検出部32と、レンズメモリ33と、レンズ制御部37とを備える。撮像光学系31は、焦点距離を変更するズームレンズ(変倍レンズ)31a、フォーカスレンズ(焦点調節レンズ)31b、及び、振れ補正レンズ(防振レンズ)31cを含む複数のレンズと、絞り(開口絞り)31dとを含み、カメラボディ2の撮像素子22の撮像面に被写体像を形成する。なお、振れ補正レンズ31cは、光軸Lと交差する方向(例えば、光軸L方向と直交する方向)に移動(駆動)可能な部材である。振れ補正レンズ31cは、光軸L方向に垂直な方向の成分を含むように移動可能な部材ともいえる。
【0010】
振れ検出部32は、角速度センサ(ジャイロセンサ)、加速度センサ等によって構成され、カメラ1の振れ(ブレ)を検出する。振れ検出部32は、カメラ1を持つユーザの手振れによって生じたカメラ1の振れを検出する。振れ検出部32は、カメラ1の振れ量に応じた信号(振れ信号)を生成し、生成した振れ信号をレンズ制御部37に出力する。
【0011】
レンズ制御部37は、CPU、FPGA、ASIC等のプロセッサ、及びROM、RAM等のメモリによって構成され、制御プログラムに基づいて交換レンズ3の各部を制御する。また、レンズ制御部37は、レンズ側接続部302及びボディ側接続部202の端子を介して、カメラボディ2と交換レンズ部3との間で双方向に情報を送受信する通信を行う。
【0012】
レンズ制御部37は、カメラボディ2のボディ制御部27から出力される信号に基づき、ズームレンズ31a、フォーカスレンズ31b、振れ補正レンズ31c、及び絞り31dの駆動を制御する。レンズ制御部37は、ボディ制御部27からフォーカスレンズ31bの移動方向及び移動量に関する信号が入力されると、その信号に基づいてフォーカスレンズ31bを光軸Lの方向に進退移動させて撮像光学系31の焦点位置を調節する。また、レンズ制御部37は、ボディ制御部27から出力される信号に基づき、ズームレンズ31aの位置、及び絞り31dの開口径を制御する。
【0013】
レンズ制御部37は、振れ検出部32から出力される振れ信号に基づき、カメラ1の振れに起因する被写体像の像振れを打ち消すように振れ補正(ブレ補正)を行う。レンズ制御部37は、振れ信号を用いてカメラ1の振れ量を算出し、算出したカメラ1の振れ量に基づいて振れ補正レンズ31cの移動量を算出(決定)する。レンズ制御部37は、算出した移動量に従って振れ補正レンズ31cの駆動制御を行い、振れ補正レンズ31cの位置を調整する。例えば、レンズ制御部37は、カメラ1の振れ量に応じて、撮像光学系31の光軸Lに垂直な面において、振れ補正レンズ31cを移動(シフト)させる。このように、カメラ1では、カメラ1の振れ量に応じて振れ補正レンズ31cの位置が調整されることで、被写体像の像振れが補正される。
【0014】
また、レンズ制御部37は、ズームレンズ31aの光軸L方向の位置と、フォーカスレンズ31bの光軸L方向の位置と、振れ補正レンズ31cの位置と、絞り31dの開口径とを検出する。レンズ制御部37は、ズームレンズ31aの位置に関する情報、フォーカスレンズ31bの位置に関する情報、振れ補正レンズ31cの位置に関する情報、絞り31dの絞り値(F値)に関する情報などをボディ制御部27に送信する。
【0015】
レンズメモリ33は、不揮発性の記憶媒体等により構成される。レンズメモリ33には、交換レンズ3に関連する情報が記憶(記録)される。本実施形態では、レンズメモリ33には、交換レンズ3に衝撃または振動の少なくとも一方が与えられた場合の、被写体の像の変化に関連する情報(以下、像変化情報と称する)が記憶される。像変化情報は、被写体像の位置の変化のし易さに関連する情報であり、レンズの設計データを用いたシミュレーション又はレンズを用いた実験等を行うことによって予め求められる。像変化情報は、カメラボディ2の内部における部材の駆動による衝撃又は振動の少なくとも一方が交換レンズ3に与えられた場合の、被写体像の位置が変化するか否かを表すもの、又は被写体像の位置の変化のしやすさを表すものであってよい。衝撃または振動の少なくとも一方の具体例としては、カメラボディ2の内部に配置された所定の部材が他の部材に衝突して移動を停止する際の衝撃または振動のうち、カメラボディ2に装着されている交換レンズ3に伝わるものなどがある。像変化情報を予め求める際には、カメラボディ2から所定の衝撃または振動の少なくとも一方が伝わったと設定して、交換レンズ3の内部の振れ補正レンズ31cなどの可動部の変位による被写体像の位置の変化をみて求めるのが好ましい。なお、像変化情報は、レンズ制御部37の内部のメモリに記憶するようにしてもよい。
【0016】
レンズメモリ33へのデータの書き込み、及びレンズメモリ33からのデータの読み出しは、レンズ制御部37によって制御される。像変化情報は、任意のタイミング、例えば交換レンズ3がカメラボディ2に装着された後の初期通信において、交換レンズ3からカメラボディ2に送信される。なお、交換レンズ3は、像変化情報を、定期的又は不定期に、繰り返しカメラボディ2に送信するようにしてもよい。
【0017】
また、レンズ制御部37は、第1レンズ通信部38と第2レンズ通信部39とを有する。後述するが、第1レンズ通信部38は、レンズ側接続部302及びボディ側接続部202を介して、第1ボディ通信部28と第一通信を行う。第2レンズ通信部39は、レンズ側接続部302及びボディ側接続部202を介して、第2ボディ通信部29と第二通信を行う。第一通信と第二通信については後述する。
【0018】
次に、カメラボディ2の構成について説明する。カメラボディ2は、シャッタ21と、撮像素子22と、ボディメモリ23と、表示部24と、操作部25と、ボディ制御部27とを備える。シャッタ(シャッタ機構)21は、フォーカルプレーンシャッタであり、撮像光学系31と撮像素子22との間に配置される。シャッタ21は、2つのシャッタ幕(先幕、後幕)を有し、撮像素子22に入射する光を遮蔽可能である。シャッタ21は、ボディ制御部27によって制御され、撮像素子22に入射する光を遮光(遮断)する。
【0019】
撮像素子22は、CMOSイメージセンサである。撮像素子22は、撮像光学系31及びシャッタ21を通過した光束を受光して、被写体像を撮像する。撮像素子22には、光電変換部を有する複数の画素が二次元状(行方向及び列方向)に配置される。光電変換部は、フォトダイオード(PD)によって構成される。撮像素子22は、受光した光を光電変換して信号を生成し、生成した信号をボディ制御部27に出力する。なお、撮像素子22は、CCDイメージセンサであってもよい。
【0020】
ボディメモリ23は、不揮発性の記憶媒体等により構成される。ボディメモリ23には、画像データ及び制御プログラム等が記録される。ボディメモリ23へのデータの書き込み、及びボディメモリ23からのデータの読み出しは、ボディ制御部27によって制御される。
【0021】
表示部24は、画像データに基づく画像、シャッタ速度や絞り値(F値)等の撮像に関する情報、及びメニュー画面等を表示する。操作部25は、レリーズボタン、電源スイッチ、各種モードを切り替えるためのスイッチなどの各種設定スイッチ等を含み、それぞれの操作に応じた信号をボディ制御部27へ出力する。
【0022】
ボディ制御部27は、CPU、FPGA、ASIC等のプロセッサ、及びROM、RAM等のメモリによって構成され、制御プログラムに基づいてカメラ1の各部を制御する。ボディ制御部27は、撮像素子22を制御する信号を撮像素子22に供給して、撮像素子22の動作を制御する。撮像素子22では、画素に蓄積された電荷の排出(リセット動作)と、画素の光電変換部に入射した光を光電変換して生成された電荷を蓄積する動作(蓄積動作)と、蓄積した電荷に基づく信号を画素から読み出す動作(読み出し動作)とが行われる。ボディ制御部27は、撮像素子22から出力される信号に各種の画像処理を行って画像データを生成する。画像処理には、例えば、階調変換処理、色補間処理等の画像処理が含まれる。
【0023】
また、ボディ制御部27は、第1ボディ通信部28と、第2ボディ通信部29とを有する。後述するが、第1ボディ通信部28は、ボディ側接続部202及びレンズ側接続部302を介して、第1レンズ通信部38と第一通信を行う。また、第2ボディ通信部29は、ボディ側接続部202及びレンズ側接続部302を介して、第2レンズ通信部39と第二通信を行う。
【0024】
次に、第一通信について説明する。第1レンズ通信部38と第1ボディ通信部28とは、レンズ側接続部302及びボディ側接続部202の各々の端子を介して全二重通信を行う。図2を用いて後述するが、第1レンズ通信部38及び第1ボディ通信部28は、例えば、RDY信号、CLK信号、DATAB信号、及びDATAL信号の4種類の信号の授受を行う。
【0025】
RDY信号は、第1レンズ通信部38の通信可否を示す信号であり、第1レンズ通信部38がハイレベル(Hレベル)とローレベル(Lレベル)とを切り換える。RDY信号は第1ボディ通信部28に対して送信(出力)される信号である。CLK信号は、第1ボディ通信部28から第1レンズ通信部38に対して送信されるカメラボディ側のクロック信号である。DATAB信号は、第1ボディ通信部28から第1レンズ通信部38に対して送信されるデータ信号である。DATAL信号は、第1レンズ通信部38から第1ボディ通信部28に対して送信されるデータ信号である。
【0026】
次に、第一通信で送受信される情報(コマンド、データ)について説明する。交換レンズ3からカメラボディ2には、DATAL信号によって、例えば、撮像光学系31の光学特性(開放F値や収差等)に関するデータや、交換レンズ3の機能(オートフォーカス機能や手ブレ補正機能)の有無に関するデータや、交換レンズ3に備えられるモータの種類に関するデータや、フォーカスレンズ31bの無限遠位置や至近位置に関するデータ、上述した像変化情報、カメラボディ2からの初期化コマンドに対する初期化の実行状況などの応答内容(応答データ)が送信される。他方、カメラボディ2から交換レンズ3には、DATAB信号によって、制御指令(コマンド)及び制御内容(制御データ)が送信される。制御指令は、例えば、撮像光学系31のズームレンズ31aやフォーカスレンズ31bや振れ補正レンズ31cの駆動及び開口絞り31dの駆動指令、レンズの初期化の指令、交換レンズ3の有するデータの送信指令等が挙げられる。制御内容は、例えば、駆動指令に伴う駆動量や駆動方向等が挙げられる。
【0027】
図2は、本実施形態に係る撮像装置における第一通信を説明するための図である。図2において、レンズ制御部37とボディ制御部27との、第1レンズ通信部38及び第1ボディ通信部28間による第一通信のタイミングチャートの一例を模式的に示している。第1レンズ通信部38は、RDY信号、CLK信号、DATAB信号、DATAL信号によって、第1ボディ通信部28との信号の送受信を行う。
【0028】
RDY信号の信号レベルは、第1レンズ通信部38が通信可能な状態であるか否かを表している。第1レンズ通信部38が第1ボディ通信部28と通信可能な状態である場合は、レンズ制御部37はRDY信号の信号レベルをローレベル(Lレベル、例えば接地電圧、基準電圧)とする。第1レンズ通信部38が第1ボディ通信部28と通信できない状態である場合には、レンズ制御部37はRDY信号の信号レベルをハイレベル(Hレベル、例えば電源電圧)とする。第1ボディ通信部28はRDY信号の信号レベルを検出し、ボディ制御部27は第1レンズ通信部38が通信可能な状態であるか否かを判定する。
【0029】
RDY信号がローレベル(Lレベル)である時刻t1において、第1ボディ通信部28は、クロック信号(CLK信号)を第1レンズ通信部38に出力(伝送)する。即ち、第1ボディ通信部28は、時刻t1までは所定の電圧(例えばハイレベル、電源電圧)であったCLK信号の信号レベルを、時刻t1以降ではハイレベルとローレベル(例えば接地電圧、基準電圧)とに所定周期で交互に切り換える。また、時刻t1から時刻t2までの期間では、第1ボディ通信部28は、CLK信号の立ち上がり又は立ち下がりに同期させて、DATAB信号によってコマンドパケット41を送信する。
【0030】
なお、RDY信号がハイレベル(Hレベル)の場合は、第1レンズ通信部38が通信を受け付けない状態であり、この状態では第1ボディ通信部28は、第1レンズ通信部38に対してコマンド及びデータの送信を行わない。この場合、第1ボディ通信部28は、CLK信号及びDATAB信号の信号レベルを所定の電圧(例えばハイレベル)に固定する。
【0031】
レンズ制御部37は、第1ボディ通信部28から入力されたコマンドパケット41の内容をチェックサム等によって確認し、正常にコマンドパケット41を受信できたか否かを判定する。第1レンズ通信部38がコマンドパケット41を正常に受信できた場合は、レンズ制御部37は時刻t3においてRDY信号をハイレベルにする。また、レンズ制御部37は、コマンドパケット41の内容に応じた第1の処理51を行う。第1の処理51が完了すると、レンズ制御部37は、時刻t4においてRDY信号をローレベルにする。なお、第1レンズ通信部38がコマンドパケット41を正常に受信できなかった場合は、レンズ制御部37はRDY信号をローレベルのままとして、コマンドパケット41を正常に受信できなかったことを第1ボディ通信部28に通知する。
【0032】
第1ボディ通信部28は、RDY信号がハイレベルからローレベルになったことを検出すると、時刻t5において、CLK信号の出力を再び開始する。また、時刻t5から時刻t6までの期間では、第1ボディ通信部28は、CLK信号の立ち上がり又は立ち下がりに同期させて、DATAB信号によってデータパケット42を送信する。さらに、同じ時刻t5から時刻t6までの期間で、第1レンズ通信部38は、第1ボディ通信部28から入力されるCLK信号の立ち上がり又は立ち下がりに同期させて、DATAL信号によってデータパケット43を送信する。
【0033】
第1レンズ通信部38が第1ボディ通信部28からデータパケット42を正常に受信すると、レンズ制御部37は時刻t7においてRDY信号をハイレベルにする。レンズ制御部37は、データパケット42の内容に応じた第2の処理52を行う。第2の処理52が完了すると、レンズ制御部37は、時刻t8においてRDY信号をローレベルにする。
【0034】
上述した第1ボディ通信部28から出力されるコマンドパケット41及びデータパケット42が示す内容は、例えば、交換レンズ3の初期化の要求や、特定のデータの要求、撮像光学系31の被駆動部材(例えばフォーカスレンズ、開口絞り等)の駆動の指示、第2レンズ通信部39による第二通信の開始の指示等である。レンズ制御部37は、第1の処理51又は第2の処理52として、要求されている特定データを生成する処理や、被駆動部材を駆動する処理等を行う。レンズ制御部37は、データパケット43として、例えば交換レンズ3の初期化完了を示すフラグデータ、光学特性を示すデータ、指示された被駆動部材の駆動が完了したことを示すデータ等を送信する。
【0035】
次に、第二通信について説明する。図1に示す第2レンズ通信部39と第2ボディ通信部29とは、レンズ側接続部302及びボディ側接続部202の各々の端子を介して交換レンズ3からカメラボディ2への単方向通信を行う。第2レンズ通信部39は第2ボディ通信部29に対し、例えば、HCLK信号及びHDATA信号の2種類の信号を送信する。
【0036】
HCLK信号は、第2レンズ通信部39から第2ボディ通信部29に対して送信される交換レンズ側のクロック信号である。HDATA信号は、第2レンズ通信部39から第2ボディ通信部29に対して送信されるデータ信号であって、上述したズームレンズ31aやフォーカスレンズ31bや振れ補正レンズ31cの位置に関する情報や、開口絞り31dの開口径に関する情報である。第2レンズ通信部39は、HCLK信号の周期的な立ち上がり又は立ち下がりに同期させて、HDATA信号を第2ボディ通信部29に送信する。このように、第2レンズ通信部39及び第2ボディ通信部29は、第2レンズ通信部39から第2ボディ通信部29へクロック信号及びデータ信号を送信する単方向通信を行う。
以下では、本実施形態に係るカメラ1の構成及び動作について更に説明する。
【0037】
ボディ制御部27は、シャッタ21を制御する信号をシャッタ21に供給して、シャッタ幕の駆動を制御する。ボディ制御部27は、シャッタ21(のシャッタ幕)を開閉するタイミングを調整することにより、撮像素子22の露光時間の制御が可能である。また、ボディ制御部27は、シャッタ21及び撮像素子22を制御することにより、複数種類のシャッタ制御(処理)を行う。本実施形態では、ボディ制御部27は、第1のシャッタ制御と第2のシャッタ制御と第3のシャッタ制御とを行う。
【0038】
第1のシャッタ制御(メカシャッタ制御)では、ボディ制御部27は、シャッタ21の先幕及び後幕を順次に走行させて、撮像素子22の露光時間を制御する。ボディ制御部27は、メカシャッタ制御において、先幕の走行を制御することによって、露光が開始されて撮像素子22の各画素において電荷の蓄積が開始される時刻(タイミング)を制御する。また、ボディ制御部27は、後幕の走行を制御して、後幕により撮像素子22に入射する光を遮蔽させて、露光が終了する時刻を制御する。
【0039】
第2のシャッタ制御(電子先幕シャッタ制御)では、ボディ制御部27は、撮像素子22の画素のリセット動作を行単位でシャッタ幕の走行方向に走査して行うと共に、リセット動作の開始後にシャッタ21の後幕の走行を行う。ボディ制御部27は、電子先幕シャッタ制御において、撮像素子22の各画素に蓄積された電荷を順次にリセットして、電荷の蓄積が開始される時刻を制御する。また、ボディ制御部27は、後幕の走行を制御することによって、露光が終了する時刻を制御する。電子先幕シャッタ制御では、シャッタ21の先幕の走行によって画素における電荷蓄積の開始時刻が制御される代わりに、リセット動作の走査(スキャン)によって画素における電荷蓄積の開始時刻が制御される。
【0040】
第3のシャッタ制御(電子シャッタ制御)では、ボディ制御部27は、リセット動作を行単位で走査して行うと共に、リセット動作の開始後に画素の信号の読み出し動作を行単位で走査して行う。ボディ制御部27は、電子シャッタ制御において、各画素に蓄積された電荷を順次にリセットして、電荷の蓄積が開始される時刻を制御する。また、ボディ制御部27は、蓄積された電荷に基づく信号を各画素から順次に読み出すことで、電荷の蓄積が終了する時刻を制御する。電子シャッタ制御では、シャッタ21の先幕及び後幕の走行の代わりに、リセット動作及び読み出し動作の走査によって電荷蓄積期間が制御される。
【0041】
カメラ1では、カメラ1の部材の動作に起因して生じるカメラボディ2内部の部材の駆動が生じ、その駆動に起因する衝撃または振動の少なくとも一方が交換レンズ3に与えられる場合がある。カメラボディ2内の部材の駆動を行った場合に、ボディ側マウント部201を介して、カメラボディ2内の部材の駆動に起因して交換レンズ3に衝撃や振動が加えられ得る。カメラボディ2から交換レンズ3に伝わる衝撃または振動の一例としては、図3を用いて後述するが、カメラボディ2においてシャッタ幕の開閉を行う場合に、シャッタ幕の走行後の衝突により生じる振動が挙げられる。シャッタ21のシャッタ幕は、走行した後に他の部材に衝突して停止する。シャッタ幕が衝突した際の振動が、レンズ側マウント部301及びボディ側マウント部201を経由して交換レンズ3に伝わることがある。交換レンズ3内に振れ補正レンズ31cなどの可動部がある場合、伝わった振動により可動部が変位し、被写体像が変位するおそれがある。また、カメラボディ2から交換レンズ3に伝わる衝撃または振動の他の例として、被写体からの光の光路中に配置される位置と光路から退避した位置とに移動可能なミラー(クイックリターンミラー)がカメラボディ2内に配置される場合に、このミラーの作動により生じるミラーの振れが挙げられる。ミラーの振れの影響により、交換レンズ3の撮像光学系31の光学部材の変位が生じる場合や、交換レンズ3全体の振れや変形(撓み、反り)が生じる場合もある。カメラボディ2から交換レンズ3に伝わる衝撃または振動が交換レンズ3に及ぼす影響の大きさは、カメラ1全体の重量、カメラボディ2に装着される交換レンズ3の種類、カメラボディ2と交換レンズ3の組み合わせ等によって異なる。
【0042】
カメラボディ2に装着される交換レンズ3によっては、カメラボディ2から伝わる衝撃または振動の影響を受けて、交換レンズ3の撮像光学系31により形成される被写体像が変化する。カメラボディ2から交換レンズ3に伝わる衝撃または振動に起因して、振れ補正レンズ31cの光軸Lと直交する方向における変位が生じて、被写体像の位置が変化することが考えられる。特に、振れ補正レンズ31cによる振れ補正を行っている場合や、振れ補正を行っていない場合であっても振れ補正レンズ31cが特定の位置(例えば、振れ補正レンズ31cの可動範囲のうちの中央位置)に固定(保持)されていない場合に、衝撃または振動が伝わると、振れ補正レンズ31cの変位が生じる。また、衝撃または振動に起因して、フォーカスレンズ31bの光軸L方向における変位が生じて、被写体像の位置が変化することも考えられる。撮像光学系31による被写体像を撮像して生成される画像では、被写体像の位置の変化の影響を受けて、画像の振れ等の画質の低下が生じ得る。また、カメラボディ2から交換レンズ3に伝わる衝撃または振動が振れ検出部32に伝わることにより、手振れとは異なる信号成分を含む振れ信号がレンズ制御部37に出力され、レンズ制御部37及び振れ補正レンズ31cによる振れ補正が正しく行われず、被写体像の振れが悪化するおそれもある。
【0043】
図3は、本実施形態に係る撮像装置におけるシャッタの動作と振れ量との関係を示す図である。図3では、同一の時間軸に、シャッタ21の走行処理と、シャッタ21の走行処理によって生じる衝撃又は振動の大きさ(振れ量)とを模式的に示している。なお、図3に示す時刻t1から時刻t2までの期間は、露光時間となり、撮像素子22の各画素は、撮像光学系31及びシャッタ21を通過して入射した光を光電変換し電荷を蓄積する。
【0044】
時刻t1においてシャッタ21の先幕の走行が開始されると、被写体からの光は、撮像光学系31及びシャッタ21を通過して撮像素子22に入射する。先幕の走行後の衝突が生じると、図3(a)に示す例のように振れ量が大きくなる。図3に示す期間taは、先幕の衝突に起因して振れが生じる期間であり、交換レンズとカメラボディの組合せにより変わるが概ね数ms~十数ms程度となる。時刻t2においてシャッタ21の後幕の走行が開始されると、撮像素子22に入射する光は、シャッタ21により遮蔽される。後幕の走行後の衝突が生じた場合、図3(a)に示すように振れ量が大きくなる。期間tbは、後幕の衝突に起因して振れが生じる期間であり、概ね期間taと同じ程度となる。
【0045】
このように、撮像素子22の露光期間の途中において、先幕の衝突によって衝撃または振動が生じ、その衝撃や振動が交換レンズ3に与えられることになる。交換レンズ3に衝撃や振動が与えられることで、撮像光学系31のレンズの変位が生じると、撮像光学系31により形成される被写体像の位置が変化し、被写体像を撮像して得られる画像の品質が低下する。また、先幕の衝突によって生じる期間taの間の衝撃や振動が振れ検出部32によって検出され、手振れとは異なる信号成分を含む振れ信号がレンズ制御部37に入力されると、振れ補正が正しく行われず、画像の品質が低下する。
【0046】
そこで、本実施形態では、上述したように、像変化情報がレンズメモリ33に記憶されている。交換レンズ3のレンズ制御部37は、レンズメモリ33に記憶された像変化情報を、カメラボディ2のボディ制御部27に送信する。ボディ制御部27は、像変化情報を受信することで、交換レンズ3に衝撃・振動が与えられた場合に被写体像の位置が変化するか否か、又は交換レンズ3に衝撃・振動が与えられた場合の被写体像の位置の変化のしやすさを把握することができる。
【0047】
ボディ制御部27は、判断部27でもあり、交換レンズ3から受信した像変化情報に基づいて、シャッタ21による遮蔽を行うか否かを判断する。ボディ制御部27は、像変化情報に基づき、撮影を行う際に実行するシャッタ制御を、第1のシャッタ制御(メカシャッタ制御)、第2のシャッタ制御(電子先幕シャッタ制御)、又は第3のシャッタ制御(電子シャッタ制御)に切り替える。例えば、ボディ制御部27は、振動又は衝撃が生じた場合に被写体像の位置が変化する又は被写体像の位置が変化しやすい交換レンズ3がカメラボディ2に装着された場合は、電子先幕シャッタ制御又は電子シャッタ制御を選択(設定)可能とする。ボディ制御部27は、電子先幕シャッタ制御又は電子シャッタ制御を行って、シャッタ21の先幕の走行の代わりにリセット動作の走査によって電荷蓄積期間を制御する。これにより、露光されて電荷の蓄積を行う期間内にシャッタ21の先幕の走行が行われて交換レンズ3に衝撃や振動が加わってしまうことを回避することができ、画質の低下が生じることを防ぐことができる。また、振れ検出部32が先幕の衝突による振動又は衝撃の影響を受けて振れ補正が正しく行われなくなることを防ぐことが可能となる。
【0048】
また、ボディ制御部27は、被写体像の位置が変化しない又は被写体像の位置が変化しにくい交換レンズ3がカメラボディ2に装着された場合には、メカシャッタ制御、電子先幕シャッタ制御、又は電子シャッタ制御を選択可能とする。ボディ制御部27は、メカシャッタ制御、電子先幕シャッタ制御、又は電子シャッタ制御を行って、撮像素子22に撮像を行わせる。
【0049】
このように、本実施形態では、交換レンズ3から送信される像変化情報に基づき、選択可能なシャッタ制御を決定する。このため、被写体像の位置の変化のしやすさを考慮して、選択可能なシャッタ制御を変更することができる。被写体像の位置が変化しやすい交換レンズ3がカメラボディ2に装着された場合でも、被写体像を撮像して得られる画像の品質が低下することを抑制することができる。
【0050】
図4は、本実施形態の撮像装置の動作例を示したフローチャートである。この図4のフローチャートを参照して、カメラ1の動作例について説明する。ステップS100において、カメラボディ2のボディ制御部27は、例えば電源がオンされた後に、第一通信によって、像変化情報の送信を要求する指令を交換レンズ3に送信する。ステップS200において、交換レンズ3のレンズ制御部37は、第一通信によって、カメラボディ2から像変化情報の要求指令を受信する。
【0051】
ステップS210において、レンズ制御部37は、レンズメモリ33等に記憶された像変化情報を、第一通信によってカメラボディ2に送信する。ステップS110において、ボディ制御部27は、第一通信によって交換レンズ3から像変化情報を受信して、ボディ制御部27の内部のメモリ(又はボディメモリ23)等に記憶させる。
【0052】
ステップS120では、ボディ制御部27は、受信した像変化情報に基づいて、振動又は衝撃が生じた場合に被写体像の位置が変化するか否か、又は振動又は衝撃が生じた場合の被写体像の位置の変化のしやすさを把握する。ボディ制御部27は、像変化情報に基づいて、シャッタ21による遮蔽を行うか否かを判断し、撮影を行う際に選択可能なシャッタ制御を決定する。
【0053】
ボディ制御部27は、被写体像の位置が変化する又は被写体像の位置が変化しやすい交換レンズ3がカメラボディ2に装着されていると判定した場合は、電子先幕シャッタ制御又は電子シャッタ制御を選択可能とする。また、ボディ制御部27は、被写体像の位置が変化しない又は被写体像の位置が変化しにくい交換レンズ3がカメラボディ2に装着されていると判定した場合には、メカシャッタ制御、電子先幕シャッタ制御、又は電子シャッタ制御を選択可能とする。
【0054】
ステップS130において、操作部25によるレリーズ操作が行われると、ボディ制御部27は、ステップS120で選択可能とされたシャッタ制御のうち、ユーザによる操作部25の操作によって又はカメラ1が自動的に選択したシャッタ制御を行うと共に、撮像素子22に被写体像を撮像させる。ボディ制御部27は、撮像素子22から出力される信号に画像処理を施して画像データを生成する。
【0055】
上述した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)アクセサリ(交換レンズ3)は、カメラボディ2に装着可能なアクセサリであって、被写体像を形成する光学系(撮像光学系31)と、衝撃または振動の少なくとも一方がアクセサリに与えられた場合の被写体像の位置の変化に関連する第1情報をカメラボディ2に送信する送信部(レンズ制御部37)と、を備える。本実施形態では、交換レンズ3のレンズ制御部37は、衝撃または振動の少なくとも一方が交換レンズ3に与えられた場合の被写体像の位置の変化に関連する像変化情報を、カメラボディ2に送信する。このため、カメラボディ2のボディ制御部27は、振動又は衝撃が生じた場合に被写体像の位置が変化するか否か、又は振動又は衝撃が生じた場合の被写体像の変化のしやすさを把握することが可能となる。
【0056】
(2)カメラボディ2は、アクセサリを装着可能なカメラボディであって、被写体像を撮像する撮像素子22と、撮像素子22に入射する光を遮蔽可能なシャッタ機構(シャッタ21)と、衝撃または振動の少なくとも一方がアクセサリに与えられた場合の被写体像の位置の変化に関連する第1情報を、アクセサリから受信するボディ側受信部(ボディ制御部27)と、ボディ側受信部により受信した第1情報に基づいて、シャッタ機構による遮蔽を行うか否かを判断する判断部(ボディ制御部27)と、を備える。本実施形態では、ボディ制御部27は、交換レンズ3から受信した像変化情報に基づいて、シャッタ21による遮蔽を行うか否かを判断する。このため、交換レンズ3の像変化情報に基づいて設定可能なシャッタ制御を変更し、撮像を行って得られる画像の画質が低下することを抑制することが可能となる。
【0057】
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
【0058】
(変形例1)
図3を用いて上述したように、シャッタ幕の走行に起因して振動又は衝撃が生じる期間は、交換レンズとカメラボディの組合せにより変わるが概ね数ms~十数ms程度となる。このため、像変化情報として、衝撃または振動の発生後の所定の期間(例えば、期間taの範囲内)における被写体像の位置の変化に関連する情報を、レンズメモリ33に記憶するようにしてもよい。また、振動又は衝撃が画像の画質に及ぼす影響の度合いはシャッタ速度(露光時間)毎に異なることになる。低速域から高速域までのシャッタ速度のうち、露光時間に対する振動又は衝撃が生じている期間の割合が最も高くなるシャッタ速度の場合の被写体像の位置の変化に関連する像変化情報を、レンズメモリ33に記憶するようにしてもよい。
【0059】
なお、複数の期間についての像変化情報を、レンズメモリ33に記憶するようにしてもよい。シャッタ速度毎の像変化情報(データテーブル)を、レンズメモリ33に記憶するようにしてもよい。シャッタ速度を複数の範囲(例えば、低速域、中速域、高速域)に分割し、範囲ごとに像変化情報をレンズメモリ33に記憶してもよい。ボディ制御部27は、交換レンズ3から受信した像変化情報に基づき、振動又は衝撃が画質に及ぼす影響が大きくなると考えられる中速域のシャッタ速度で撮影を行う場合に、メカシャッタ制御を禁止するようにしてもよい。また、ボディ制御部27は、低速域又は高速域のシャッタ速度により撮影を行う場合には、メカシャッタ制御を選択可能としてもよい。
【0060】
(変形例2)
レンズ制御部37は、像変化情報と共に、交換レンズ3の有する機能に関する情報などをカメラボディ2に送信するようにしてもよい。交換レンズ3が振れ補正機能を有する場合において、ボディ制御部27は、交換レンズ3により振れ補正機能が実行されていない場合はメカシャッタ制御を選択可能とし、交換レンズ3により振れ補正機能が実行されている場合はメカシャッタ制御を禁止するようにしてもよい。交換レンズ3に含まれるモータの種類を表す情報も、像変化情報とともにカメラボディ2に送信することとしてもよい。ボディ制御部27は、自己保持力の無いモータが含まれる場合にメカシャッタを禁止するようにしてもよい。また、交換レンズ3の機能のON/OFF設定情報も、像変化情報とともにカメラボディ2に送信することとしてもよい。ボディ制御部27は、例えば、手ぶれ補正機能のレンズ側設定がOFFとなっており、振れ補正レンズ31cが機械的にロックされている場合、像変化情報によらずにメカシャッタ制御を選択可能としてもよい。
また、レンズ制御部37は、像変化情報と上述の情報とを1回の第一通信でカメラボディ2に送信してもよく、複数の第一通信に分けてカメラボディ2に送信してもよい。
【0061】
(変形例3)
被写体像の位置が変化するか否か、又は被写体像の変化のしやすさは、焦点距離、被写体距離に応じて変化する。ボディ制御部27は、像変化情報及びズームレンズ31aの位置に基づき、選択可能なシャッタ制御を切り替えるようにしてもよい。この場合、ボディ制御部27は、ズームレンズ31aが振動又は衝撃の影響を受けやすい位置(例えば、望遠側の位置)に位置する場合に、メカシャッタ制御を禁止するようにしてもよい。
【0062】
ボディ制御部27は、像変化情報及び被写体距離に基づき、選択可能なシャッタ制御を切り替えるようにしてもよい。被写体距離が短いほど衝撃または振動により生じる交換レンズ3の振れ量が大きくなることが考えられるため、ボディ制御部27は、被写体距離が短い場合に、メカシャッタ制御を禁止するようにしてもよい。
【0063】
(変形例4)
衝撃または振動に起因する被写体像の振れが画像に及ぼす影響の大きさは、撮像素子22の大きさ及び重量、シャッタ21の大きさ及び重量、撮像素子22の画素数、撮像素子22の画素のピッチ、画素の信号の加算処理の有無によって異なる。ボディ制御部27は、像変化情報、シャッタ21の情報(サイズ、重量)、撮像素子22の情報(サイズ、重量、画素数、画素ピッチ)、画素の信号の加算処理の有無に応じて、選択可能なシャッタ制御を切り替えるようにしてもよい。
【0064】
撮像素子22のサイズが大きい場合は、シャッタ21のサイズも大きく、シャッタ幕の衝突に起因して生じる被写体像の振れが大きくなることが考えられるため、ボディ制御部27は、撮像素子22のサイズが大きい場合は、メカシャッタ制御を禁止するようにしてもよい。撮像素子22の画素ピッチが小さい場合には、被写体像の振れが画質に及ぼす影響が大きいことが考えられるため、ボディ制御部27は、画素ピッチが小さい場合に、メカシャッタ制御を禁止するようにしてもよい。
【0065】
なお、ボディ制御部27は、被写体像の振れ量が画素ピッチよりも小さい場合に、メカシャッタ制御を選択可能としてもよい。また、ボディ制御部27は、被写体像の振れ量が画素の信号の加算対象となる複数の画素の合計サイズよりも小さい場合に、メカシャッタ制御を選択可能としてもよい。ボディ制御部27は、メカシャッタ制御を行った場合の衝撃または振動の影響が比較的小さいカメラボディ2の場合は、交換レンズ3の像変化情報にかかわらず、メカシャッタ制御を選択可能としてもよい。
【0066】
(変形例5)
上述した実施形態では、先幕の走行動作によって衝撃または振動が生じて、被写体像の位置が変化し、画像の画質低下が生じる場合について説明した。しかし、後幕の走行動作によっても衝撃または振動が生じて、被写体像の位置が変化し、例えば連写撮影を行う場合に画像の画質低下が生じ得る。このため、ボディ制御部27は、連写撮影を行う場合に、電子シャッタ制御を行うようにしてもよい。
【0067】
(変形例6)
上述した実施の形態では、第1レンズ通信部38と第1ボディ通信部28との第一通信として、全二重通信を行う例について説明した。しかし、第1レンズ通信部38及び第1ボディ通信部28は、第一通信として、半二重通信を行うようにしてもよい。
【0068】
(変形例7)
上述した実施の形態では、レンズ制御部37は、第1レンズ通信部38と第2レンズ通信部39とを有したが、これらを個別に備えることなく、一つのレンズ通信部によって通信を行うようにしてもよい。また、ボディ制御部27は、第1ボディ通信部28と第2ボディ通信部29とを有したが、これらを個別に備えることなく、一つのボディ通信部によって通信を行うようにしてもよい。
【0069】
(変形例8)
上記の実施の形態では、アクセサリとしてカメラの交換レンズを例に挙げて説明したが、アクセサリは交換レンズに限らない。例えばカメラボディと交換レンズとの間に装着され、交換レンズの焦点距離を変更するテレコンバータやワイドコンバータ、接写リングなどでもよい。あるいは、カメラボディのマウント規格に他のマウント規格の交換レンズを含むアクセサリを装着可能にするマウントアダプタなどにも適用できる。
【0070】
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0071】
1…カメラ、2…カメラボディ、3…交換レンズ、21…シャッタ、22…撮像素子、27…ボディ制御部、31…撮像光学系、31c…振れ補正レンズ、32…振れ検出部、33…レンズメモリ、37…レンズ制御部
図1
図2
図3
図4