(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】試験プローブ・チップ及び抵抗性要素
(51)【国際特許分類】
G01R 1/067 20060101AFI20231226BHJP
【FI】
G01R1/067 D
G01R1/067 C
(21)【出願番号】P 2019094772
(22)【出願日】2019-05-20
【審査請求日】2022-04-26
(32)【優先日】2018-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391002340
【氏名又は名称】テクトロニクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TEKTRONIX,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【氏名又は名称】荒船 良男
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジュリー・エイ・キャンプベル
(72)【発明者】
【氏名】ジョシア・エイ・バートレット
【審査官】永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-126018(JP,A)
【文献】特開2006-337361(JP,A)
【文献】特開2004-109121(JP,A)
【文献】特開昭59-44665(JP,A)
【文献】特開2012-122905(JP,A)
【文献】特開2002-40049(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 1/06
G01R 31/26
G01R 31/28
G01R 19/00
G01R 31/00
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験プローブ・チップであって、
被試験デバイスと電気的に接続されるよう構成される第1端部を有するチップ部品であって、試験プローブ・チップの信号フロー軸に沿って、上記第1端部と反対側にある第2端部とを有する上記チップ部品と、
上記信号フロー軸に沿って上記チップ部品の上記第2端部に電気的に接続される抵抗性要素であって、該抵抗性要素を通過する電気信号に電気的インピーダンスを与えるよう構成される上記抵抗性要素と、
上記試験プローブ・チップの上記信号フロー軸に沿った第1軸方向に上記チップ部品にメカ的な力が加えられたときに、上記第1軸方向に上記チップ部品が動くことを可能にすると共に、上記メカ的な力が除去されるか又は低減されたときに、上記第1軸方向と反対の第2軸方向への上記チップ部品の動きを生じさせるよう構成されるコンプライアンス部材と
、
上記チップ部品を上記コンプライアンス部材に対してメカ的に結合する構造部材と
を具え
、
該構造部材と上記抵抗性要素との間に空隙が設けられる試験プローブ・チップ。
【請求項2】
上記抵抗性要素が、該抵抗性要素の第1端部において、上記チップ部品の上記第2端部と電気的に接続され、上記コンプライアンス部材は、上記抵抗性要素の第2端部で電気的に接続されるプランジャ台座部を有し、上記抵抗性要素の上記第2端部は、上記試験プローブ・チップの上記信号フロー軸に沿って、上記抵抗性要素の上記第1端部の反対にある請求項1の試験プローブ・チップ。
【請求項3】
上記プランジャ台座部が、上記抵抗性要素の上記第2端部に上記プランジャ台座部の第1端部で電気的に結合され、上記コンプライアンス部材は、円筒型部品を更に有し、上記プランジャ台座部の第2端部は、上記試験プローブ・チップの上記信号フロー軸に沿って、上記円筒型部品内をスライドするよう構成され、このとき、上記プランジャ台座部の上記第2端部は、上記試験プローブ・チップの上記信号フロー軸に沿って、上記プランジャ台座部の上記第1端部の反対側にある請求項2の試験プローブ・チップ。
【請求項4】
上記コンプライアンス部材は、上記円筒型部品内にスプリング機構を更に有し、該スプリング機構は、上記第1軸方向に上記チップ部品にメカ的な力が加えられたときに、上記第1軸方向に上記円筒型部品内の上記プランジャ台座部が動くことを可能にすると共に、上記メカ的な力が除去されるか又は低減されたときに、上記第2軸方向への上記円筒型部品内の上記プランジャ台座部の動きを生じさせるよう構成される請求項
3の試験プローブ・チップ。
【請求項5】
上記抵抗性要素は、第1インピーダンスを有
し、上記信号フロー軸と直交な第1レイヤと、第2インピーダンスを有
し、上記信号フロー軸と直交な第2レイヤとを有し、上記第2インピーダンスは、上記第1インピーダンスよりも大きい請求項1から4のいずれかの試験プローブ・チップ。
【請求項6】
上記抵抗性要素は、上記第2インピーダンスより小さい第3インピーダンスを有し、上記信号フロー軸と直交な第3レイヤを更に有し、上記第2レイヤが上記第1レイヤと上記第3レイヤの間にあり、上記第1レイヤ及び上記第3レイヤが、夫々電気的に導電性である請求項5の試験プローブ・チップ。
【請求項7】
上記第2レイヤが、上記信号フロー軸と平行に上記第2レイヤを貫通するビアを有する請求項5の試験プローブ・チップ。
【請求項8】
上記抵抗性要素が、浮遊抵抗性材料を有する導電性エポキシ又はエラストマから構成される請求項1から4のいずれかの試験プローブ・チップ。
【請求項9】
信号フロー軸に沿って通過する電気信号に電気的なインピーダンスを与えるよう構成される抵抗性要素であって、
第1インピーダンスを有
し、上記信号フロー軸と直交な第1レイヤと、
上記第1インピーダンスよりも大きい第2インピーダンスを有
し、上記信号フロー軸と直交な第2レイヤと
、
上記第2インピーダンスより小さい第3インピーダンスを有し、上記信号フロー軸と直交な第3レイヤと
を具え、
上記第2レイヤが上記第1レイヤと上記第3レイヤの間にあり、上記第1レイヤ及び上記第3レイヤが、夫々電気的に導電性である抵抗性要素。
【請求項10】
上記第2レイヤが、上記信号フロー軸と平行に上記第2レイヤを貫通するビアを有する請求項9の抵抗性要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、試験プローブに関し、特に、試験プローブ用のプローブ・チップと、これに用いる抵抗性要素に関する。
【背景技術】
【0002】
今日のエンジニアは、高速シリアル・バスを有するデバイスを試験することを試み続けている。これらデバイスの多くは、これらに限定するものではないが、DDR2(double data rate 第2generation)SDRAM(synchronous dynamic random-access memory)、DDR4(double data rate fourth generation)SDRAM及びPCIe(peripheral component interconnect express)と認められる。電圧スイングの振幅は小さくなり、パルス周波数は非常に高速で、複雑なシグナリングのために、正確な電気的プロービングが必要となる。こうした高速シルアル・バスは、様々の形態のコンシューマ・ハードウェア装置に広く普及している。これら製品の夫々に、重要な試験ポイントが多数ある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献】
【0004】
【文献】「主成分分析」の記事、Wikipedia(日本語版)、[オンライン]、[2019年5月15日検索]、インターネット<https://ja.wikipedia.org/wiki/主成分分析>
【文献】「Micropenning(マイクロペンニング)」の紹介サイト、米国 MicroPen Technologies Corporation の1部門である Ohmcraft、[online]、[2019年5月20日検索]、インターネット<https://www.ohmcraft.com/resources/micropenning>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これら製品中の試験ポイントは、配置やアクセスしやすさの両方が非常の大きく変わり得るもので、通常、1つ又は2つの接触ポイントが必要となる。典型的には、接触ポイントには、高速信号と電気的に接触し、これによって、高速信号にアクセスするマイクロ・トレース、ビア(VIA)、コンポーネント・パッド及びコネクタ・コンタクトがある。しかし、これら試験ポイントは、常に同じ平面状にあるわけではなく、もし2つのプローブ・コンタクトが必要(差動プローブの場合のように)なら、適切に接触するようプローブの位置決めを補助するために、プローブ・チップに柔軟性(compliance:コンプライアンス)があることが望ましい。接触ポイントは、主成分分析(PCA:principal component analysis)ハードウェア上で、仮想的に垂直から水平までを含むあらゆる方位角に存在することがある。こうした状況では、これら試験ポイントは、コンプライアンスのあるプローブ・チップの方がアクセスがしやすい。
【0006】
これらアクセス・ポイントに関しては、こうしたポイントにワイヤを半田付けするなど、半恒久的なプローブの接触形態が多数ある一方で、こうしたやり方には、接続中に被測定デバイス(DUT)を損傷する可能性や、長い設定時間、そして、これら試験ポイントにワイヤを半田付けするための非常に器用なスキルが必要となるといった多数の欠点もある。また、半恒久的な接触では、ミスを素早く修正することができない。半田付けプローブ・チップは、2、3回の接続だけで摩耗しがちなので、交換の必要性を生じることとなり、これは、非常に不経済なものとなり得る。最後に、信号の忠実度が、特に高周波数において、半付け接続の品質及び配置を原因として、大きく変動しがちである。
【0007】
そこで、本発明は、従来技術の欠点を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態としては、大まかに言えば、試験プローブと共に利用するのに適し、例えば、被試験デバイス(DUT)上の試験ポイントと正確に接触するよう構成されるプローブ・チップがある。こうした試験プローブ・チップは、スプリング・プローブとして構成されても良く、これは、DUTと接触するポイントの近くに配置される抵抗性要素又はインピーダンス要素を含む。この抵抗性要素又はインピーダンス要素は、スプリング・プローブのスルー応答を大幅に改善すると共にDUT負荷を大幅に低減し、これによって、高速な信号のアクイジション(取込み)を可能にする。スプリング(又は、コンプライアンス)要素は、試験プローブ・チップによって被るメカ的な負荷を低減できる。
【0009】
本発明による試験プローブ及び試験プローブ・チップは、接触領域の物理的及び電気的なコントロールを改善し、更に、長時間のセットアップ時間に適していないデバッグ環境を迅速なものにするのに役立つ。本発明による試験プローブ及びプローブ・チップは、様々なクラスの製品、特に、ハンドヘルド製品や、迅速なプローブの配置が必要な製品などにおいて、接続箇所のより良い視認性と、直感的な操作性を効果的に提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態による試験プローブ・チップの立体分解図である。
【
図3】
図3は、例示的な試験プローブに組み込まれた、本発明の実施形態による例示的な試験プローブ・チップを示す。
【
図4】
図4は、例示的な試験プローブに組み込まれた、本発明の実施形態による例示的な試験プローブ・チップを示す。
【
図5A】
図5Aは、本発明の実施形態による抵抗性要素の側面断面図である。
【
図5B】
図5Bは、抵抗性要素の信号フロー軸と垂直な線に沿った、
図5Aの抵抗性要素の断面図である。
【
図6A】
図6Aは、本発明の実施形態による抵抗性要素の側面部分断面図である。
【
図6B】
図6Bは、抵抗性要素の信号フロー軸と垂直な線に沿った、
図6Aの抵抗性要素の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の実施形態による試験プローブ・チップ100の一部を示す立体分解図である。
図2Aは、
図1の試験プローブ・チップ100を組み立てた場合の斜視図である。
図2Bは、
図2Aに示す線に沿った試験プローブ・チップの断面図である。なお、図中に描いたものは、必ずしも一定の縮尺ではない(以下、同じ)。
【0012】
図1、2A及び2Bに示すように、試験プローブ・チップ100には、チップ部品101、抵抗性要素102、コンプライアンス部材103及び構造部材104があっても良い。使用中、電気信号は、チップ部品101によって取り込むことができ、抵抗性要素102を通して伝送される。これらは、試験プローブ・チップ100の信号フロー軸(signal-flow axis)105を規定する。
図2Aに示すように、信号フロー軸は、試験プローブ・チップ100の長手軸とほぼ一致していても良い。
【0013】
チップ部品101は、被試験デバイス107に電気的に接続されるよう構成される第1端部106を有していても良い(
図3及び4参照)。例えば、チップ部品101は、DUT107上の1つ以上の接触ポイントとの精密な電気的接続を確立するか又は接続を容易にする1つ以上のポイントを有していても良い。第2端部108は、試験プローブ・チップ100の信号フロー軸105に沿って、チップ部品101の第1端部106の反対側にある。
【0014】
抵抗性要素102は、試験プローブ・チップ100の信号フロー軸105に沿った、抵抗性要素102の第1端部109で、チップ部品101の第2端部108に電気的に結合されても良い。この電気的結合は、面接触、半田付け、導電性エポキシその他の適切な方法によって実現されても良い。抵抗性要素102は、抵抗性要素102を通過する電気信号に電気的なインピーダンスを与えるように構成される。抵抗性要素102には、更に、第2端部110があっても良く、これは、試験プローブ・チップ100の信号フロー軸105に沿った、抵抗性要素102の第1端部109の反対側にある。
【0015】
抵抗性要素102は、従来からある抵抗性要素であっても良いし、抵抗性要素102が、
図5A~6Bに関して後述するような、専用の抵抗性要素であっても良い。もし抵抗性要素102が、従来型の抵抗性要素であれば、例えば、0402サイズ(長さ0.4mm×幅0.2mm)パッケージの抵抗器で、これに可変エア・ギャップがあるものからエア・ギャップがないものまで、種々のものであって良い。
【0016】
抵抗性要素102は、抵抗性材料を浮遊させた導電性エポキシ抵抗器であるか、又は、こうした導電性エポキシ抵抗器を含んでいても良い。この導電性エポキシは、例えば、エポキシがくっつかないチューブ内で形成されても良い。このチューブは、例えば、テフロン(登録商標)のブランドで提供されるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から形成されていても良い。導電性エポキシ内に浮遊させる抵抗性材料の量は、抵抗性要素102が所望の抵抗値を実現するように増減させても良い。加えて、又は、これに代えて、抵抗性要素102で与えられる抵抗値は、得られる抵抗値をモニタしながら、抵抗性要素102から抵抗性材料を除去する(例えば、従来からあるダイヤモンド・ソーやレーザを使って)ことによって調整しても良い。
【0017】
抵抗性要素102は、浮遊抵抗性材料を有するエラストマであるか、又は、こうしたエラストマを含んでいても良い。このエラストマは、例えば、エラストマがくっつかないチューブ内で形成されても良い。このチューブは、例えば、テフロン(登録商標)のブランドで提供されるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から形成されていても良い。エラストマ内に浮遊させる抵抗性材料の量は、抵抗性要素102が所望の抵抗値を実現するように増減させても良い。加えて、又は、これに代えて、抵抗性要素102で与えられる抵抗値は、得られる抵抗値をモニタしながら、抵抗性要素102から抵抗性材料を除去する(例えば、従来からあるダイヤモンド・ソーやレーザを使って)ことによって調整しても良い。
【0018】
こうしたエラストマ(弾性)抵抗性要素は、そのエラストマをチップ部品101とプランジャ台座部114の間で圧縮し、次いで、エラストを圧縮状態(これは、エラストの抵抗特性にある程度影響を与える)に確実に維持するように、構造部材104を適切な位置に接着、さもなければ固定することによって組み立てられても良い。その抵抗値は、エラストマを圧縮しているときに、所望の抵抗値を確実に実現するために、測定されても良い。
【0019】
抵抗性要素102に代えて、又は、抵抗性要素102に加えて、本発明の実施形態は、チップ部品101をDUT107にくっつける抵抗性エポキシを有していても良く、これによって、試験プローブ・チップ100とDUT107との間に抵抗を与えるようにしても良い。こうした場合では、エポキシの抵抗特性は、様々な校正技術に基づいて定めても良い。
【0020】
コンプライアンス部材103は、試験プローブ・チップ100の信号フロー軸105に沿った第1軸方向111にチップ部品101に対してメカ的な力(mechanical force:機械的な力)が加えられたときに、第1軸方向111へとチップ部品101が動くのを可能にするよう構成されても良い。例えば、メカ的な力は、試験プローブ・チップ100のチップ部品101がDUT107に接触することから生じることがある。コンプライアンス部材103は、更に、チップ部品101に加えられたメカ的な力が除去されるか又は減少したときに、試験プローブ・チップ100の信号フロー軸105に沿った第2軸方向112へ向かうチップ部品101の動きが生じるよう構成されても良い。第2軸方向112は、第1軸方向111と反対である。
【0021】
本発明の全ての実施形態がコンプライアンス部材103を含んでいなくても良い。こうした実施形態では、抵抗性要素102は、後述するプローブ本体のような試験プローブ本体113(
図3及び4参照)に接続されても良い。
【0022】
コンプライアンス部材103は、更に、プランジャ台座部114、スプリング機構(メカニズム)115及び円筒型(barrel:たる型、バレル)部品116を有していても良い。
【0023】
プランジャ台座部114は、プランジャ台座部114の第1端部117において、抵抗性要素102の第2端部110に電気的に結合できる。電気的な結合は、表面接触、半田付け、導電性エポキシ、又は、他の何らか適切な方法で実現されても良い。プランジャ台座部114の第2端部118は、試験プローブ・チップ100の信号フロー軸105に沿って、プランジャ台座部114の第1端部117の反対側にある。プランジャ台座部114の第2端部118は、円筒型部品116の内部を、試験プローブ・チップ100の信号フロー軸105に沿って、スライドするように構成されていても良い。
【0024】
円筒型部品116は、
図1及び2Aに示すように、端部が球形になってい
ても良い。この球形によって、円筒型部品116を試験プローブ120の受け入れソケットへ挿入するのを容易にできる(
図3及び4参照)。しかしながら、円筒型部品116が全ての実施形態で球形の端部を有する必要はなく、他の構成を用いても良い。
【0025】
スプリング機構115は、少なくとも一部分が、円筒型部品116内にあっても良い。スプリング機構115は、チップ部品101に第1軸方向111へのメカ的な力が加えられたときに、プランジャ台座部114が、円筒型部品116内で、第1軸方向111へ移動できるように構成されても良い。スプリング機構115は、更に、メカ的な力が除去されるか、低減されたときに、円筒型部品116内において、プランジャ台座部114の第2軸方向112への移動を生じさせるように構成されていても良い。スプリング機構115は、例えば、
図1に示す例示的なスプリングのような、圧縮コイルばね(helical compression spring)であっても良い。結果として、圧縮コイルばねは、チップ部品101に第1軸方向111へのメカ的な力が加わると圧縮される一方、メカ的な力が除去されるか又は低減されると、広がることができる。別の例としては、スプリング機構115が、弾性ディスク(resilient disk)若しくは弾性パック(resilient puck:ゴム製弾性材)、又は、ねじりばね(torsion spring:トーション・スプリング)であっても良い。
【0026】
構造部材104は、チップ部品101をプランジャ台座部114に構造的に結合しても良く、そして、抵抗性要素102は、構造部材104内にあっても良い。抵抗性要素102自身は、構造的にはそれほど高精度でないことがあるため、構造部材104が、チップ部品101に加えられたメカ的な力の全部又は一部をコンプライアンス部材103へ伝えても良い。構造部材104は、プランジャ台座部114とチップ部品101とに、接着剤、エポキシ、保持用ねじ(retention screw)、又は他の適切な化学的又はメカ的な固定手段でメカ的(機械的)に結合されても良い。構造部材104は、プラスチックのような非導電性材料から構成されていても良い。構造部材104は、開口等のない構造物として描かれているが、実施形態によっては、構造部材104に、開口や孔などの間隙があってにも良い。
【0027】
実施形態によっては、抵抗性要素102と構造部材104との間に空隙(air gap:エア・ギャップ)を確保するために、構造部材104の内径が、抵抗性要素102の外径よりも大きくなっている。この構成の例が、
図2Bに示されている。空隙119は、構造部材104が抵抗性要素102の電気特性に影響を与えないようにするのに役立つ。空隙119の大きさ(具体的には、抵抗性要素102の外径と構造部材104の内径との間の距離)は、試験プローブ・チップ100の構成又は試験プローブ・チップ100で捕捉される信号に基づいて選択しても良く、よって、所望の実施形態に応じて変化させても良い。
【0028】
図3は、例示的な試験プローブ120に取り付けられた例示的な試験プローブ・チップ100を示している。
図3に示すように、シングル・チップ試験プローブ120は、試験プローブ本体113に取り付けられた1つの試験プローブ・チップ100を有していても良い。試験プローブ120は、例えば、試験測定装置の試験プローブであっても良い。試験プローブ・チップ100は、例えば、円筒型部品116(
図1及び2A参照)を試験プローブ120の受け入れソケットに挿入することによって、例示的な試験プローブ120に取り付けられても良い。受け入れソケットは、例えば、試験プローブ120の一部分であるフレキシブル回路に半田付けされていても良い。
【0029】
こうして、試験プローブ120は、試験プローブ・チップ100のチップ部品101をDUT107の目標とする領域に対して位置決めすることによって、DUT107からの電気信号を取り込むことができる。よって、例えば、ユーザは、試験プローブ120を使って、試験プローブ・チップ100と、DUT107上の試験ポイント(例えば、高速信号アクセス・ポイントなど)との間に圧縮抵抗を形成できる。
【0030】
図4は、例示的な試験プローブ121に取り付けられた複数の例示的な試験プローブ・チップ100を示している。
図4に示すように、ダブル・チップ差動試験プローブ121は、試験プローブ本体113に取り付けられた2つの試験プローブ・チップ100を有していても良い。試験プローブ121は、例えば、試験測定装置の試験プローブであっても良い。試験プローブ・チップ100の夫々は、例えば、円筒型部品116(
図1及び2A参照)を試験プローブ121の受け入れソケットに挿入することによって、例示的な試験プローブ121に取り付けられても良い。受け入れソケットは、例えば、試験プローブ121の一部分であるフレキシブル回路に半田付けされていても良い。
【0031】
こうして、試験プローブ121は、試験プローブ・チップ100夫々のチップ部品101をDUT107の目標とする領域に対して位置決めすることによって、被試験デバイスからの差動電気信号を取り込むことができる。よって、例えば、ユーザは、試験プローブ121を使って、試験プローブ・チップ100の1つと、DUT107上の1つの試験ポイント(又は、試験プローブ・チップ100の両方と2つの試験ポイント)との間に圧縮抵抗を形成できる。試験ポイントは、例えば、高速信号アクセス・ポイントである。
【0032】
図5Aは、本発明の実施形態による抵抗性要素122の部分を示す側面部分断面図である。断面は、抵抗性要素122の信号フロー軸132と平行な切断面に沿っている。
図5Aの抵抗性要素122は、例えば、
図1の抵抗性要素102であっても良い。
図5Bは、抵抗性要素122の信号フロー軸132と垂直な切断面に沿った、
図5Aの抵抗性要素122の断面図である。使用中、電気信号は、信号フロー軸132の方向に抵抗性要素122を通過する。
図5Aに示すように、信号フロー軸132は、抵抗性要素122の長手軸とほぼ一致していても良い。抵抗性要素122が、
図1~2Bの試験プローブ・チップ100のような試験プローブ・チップの一部分である場合、抵抗性要素122の信号フロー軸132は、試験プローブ・チップ100の信号フロー軸105とほぼ一致していても良い。
【0033】
図5A及び5Bに示すように、抵抗性要素122は、第1インピーダンスを有する第1レイヤ123と、第2インピーダンスを有する第2レイヤ124とを有していても良い。第2インピーダンスは、第1インピーダンスよりも大きくても良く、また、第1レイヤ123と第2レイヤ124は、同心状となっていても良い。ここで「同心」とは、中心を共有することを意味する。これらレイヤ(第1レイヤ123及び第2レイヤ124)の断面は、断面に中心を特定できる正多角形、矩形、円形又は他の形状であっても良く、ここで、断面は、抵抗性要素122の信号フロー軸132と垂直である。
【0034】
実施形態によっては、
図5Bに示すように、第2レイヤ124が、第1レイヤ123の周りを囲んでいる。別の実施形態では、第1レイヤ123が第2レイヤ124の周りを囲んでいる。実施形態によっては、第2レイヤ124の第2インピーダンスが、第2レイヤ124が実質的に絶縁体であるかのように、第1レイヤ123の第1インピーダンスよりも大幅に大きくても良い。
【0035】
図5A及び5Bに示すように、抵抗性要素122が、更に、第2インピーダンスよりも大きな第3インピーダンスを有する第3レイヤ125を含んでいても良い。第1レイヤ123、第2レイヤ124及び第3レイヤ125が同心であっても良い。抵抗性要素122の信号フロー軸132に垂直な断面において、第2レイヤ124が第1レイヤ123の周りを囲んでいても良く、そして、第3レイヤ125が、第2レイヤ124の周りを囲んでいても良い。よって、これらレイヤのインピーダンス値は、最も内側のレイヤから最も外側のレイヤへと増加するとしても良い。
電気信号の周波数が高くなるほど、抵抗器の中心からより遠くを
電気信号が伝わるので(表皮効果)、最も内側のレイヤから最も外側のレイヤへと複数レイヤのインピーダンス値が増加する構成では、抵抗性要素122の中心を通過する信号の直流(DC)及び低周波数(low frequency:LF)成分は、比較的小さい抵抗を与える一方、高い周波数ほど、高い抵抗を被ることになる。
【0036】
別の実施形態では、これらレイヤのインピーダンス値が、最も内側のレイヤから最も外側のレイヤへと減少するとしても良い。更に別の実施形態では、中間レイヤのインピーダンス値が、隣接する2つのレイヤのインピーダンス値よりも大きいとしても良い。
【0037】
抵抗性要素122は、複数の金属レイヤ126を有していても良い。金属レイヤ126は、プランジャ台座部114及びチップ部品101と電気的な接続を形成するのに適した任意の材料としても良い。こうした材料としては、銀、金、銅又は任意の他の電気的に導電性材料であるか、これら材料の任意の組み合わせであっても良い。金属レイヤ126は、マイクロペンニング処理のような任意の適切な処理を利用してつけられても良い。金属レイヤ126は、キャップ(Cap)として形成されても良いし、又は、金属レイヤ126は、抵抗性レイヤの一方の端部(又は両端部)を露出したままにすることで形成されても良い。
【0038】
図5A及び5Bは、3つの同心状抵抗性レイヤを描いているが、もっと多数又はもっと小数の抵抗性レイヤも本発明の範囲内にある。具体的には、2以上の抵抗性レイヤを含む任意の抵抗器が、明確に意図したものである。
【0039】
図6Aは、本発明の実施形態による抵抗性要素127の部分を示す側面部分断面図である。断面は、抵抗性要素127の信号フロー軸132と平行な切断面に沿っている。
図6Aの抵抗性要素127は、例えば、
図1の抵抗性要素102であっても良い。
図6Bは、抵抗性要素127の信号フロー軸132と垂直で、抵抗性要素127の例示的な第2レイヤ129を通過する切断面に沿った、
図6Aの抵抗性要素127の断面図である。使用中、電気信号は、信号フロー軸132の方向に抵抗性要素127を通過する。
図6Aに示すように、信号フロー軸132は、抵抗性要素127の長手軸とほぼ一致していても良い。抵抗性要素127が、
図1~2Bの試験プローブ・チップ100のような試験プローブ・チップの一部分である場合、抵抗性要素127の信号フロー軸132は、試験プローブ・チップ100の信号フロー軸105とほぼ一致していても良い。
【0040】
図6A及び6Bに示すように、抵抗性要素127は、第1インピーダンスを有する第1レイヤ128と、第2インピーダンスを有する複数の第2レイヤ129及び133とを有していても良い。第2インピーダンスは、第1インピーダンスよりも大きくても良く、また、第1レイヤ128と第2レイヤ129及び133は、抵抗性要素127の信号フロー軸132と直交であっても良い。これら第2レイヤ129及び133は、電気的に非導電性(nonconductive)であっても良い。
【0041】
実施形態によっては、第2レイヤ129及び133に、第2レイヤ129及び133を貫通するビア(VIA)130があっても良い。ビア130は、抵抗性要素127の信号フロー軸132と平行であっても良く、また、ビア130は、導電性材料でメッキされているか又は充填されていても良い。実施形態によっては、第2レイヤ129及び133は、1つ以上のビア130を有していても良い。1つ又は複数のビア130は、第2レイヤ129及び第2レイヤ133に関して
図6Aで示すように、例えば、第2レイヤ129及び133を通過する電気信号に対して異なる影響を与えるように、信号フロー軸132から異なる距離にあっても良い。ビア130は、電気信号が第2レイヤ129及び133の夫々を通して次のレイヤへと通過できるように構成される。こうした構成によれば、電気信号のDC及び低周波数(LF)成分が、第2レイヤ129及び133を基本的にインピーダンスなしで通過可能になる一方で、電気信号の高い周波数成分ほど、1つのレイヤから次のレイヤへとジャンプすることを強制され、よって、電気信号の高い周波数成分ほど、遅れることになる。例えば、高い周波数成分ほど、次の導電性レイヤに容量的に結合することになろう。
【0042】
図6A及び6Bに示すように、抵抗性要素127は、更に、試験プローブ・チップ100の信号フロー軸105と直交な第3レイヤ131を含んでいても良い。第3レイヤ131は、第2インピーダンスよりも小さい第3インピーダンスを有している。実施形態によっては、第1レイヤ128の第1インピーダンスと、第3レイヤ131の第3インピーダンスが同じであっても良い。第2レイヤ129及び133は、第1レイヤ128と第3レイヤ131の間にあっても良い。第1レイヤ128及び第3レイヤ131は、夫々電気的に導電性であっても良い。例に示されるように、
図6A及び6Bの実施形態は、導電性レイヤ(第1レイヤ128及び第3レイヤ131)と、非導電性レイヤ(第2レイヤ129及び133)とを交互に有していても良い。
図6A及び6Bの例は、これらレイヤを交互させる可能な1つの実施形態に過ぎない。
【0043】
導電性レイヤは、何らかの適切な導電性材料であるか、又は、こうした材料を含んでいても良い。こうした材料としては、銀、金、銅又は任意の他の電気的に導電性材料であるか、又は、これら材料の任意の組み合わせであっても良い。非導電性レイヤは、例えば、プラスチックのような任意の適切な絶縁材料であるか、又は、こうした材料を含んでいても良い。
【0044】
以下では、本願で開示される発明の説明に有益な実施例が提示される。発明の実施形態は、以下で記述する実施例の1つ以上及び任意の組み合わせを含んでいても良い。
【0045】
実施例1としては、試験プローブ・チップがあり、被試験デバイスと電気的に接続されるよう構成される第1端部を有するチップ部品であって、試験プローブ・チップの信号フロー軸に沿って、上記第1端部と反対側にある第2端部とを有する上記チップ部品と、上記信号フロー軸に沿って上記チップ部品の上記第2端部に電気的に接続される抵抗性要素であって、該抵抗性要素を通過する電気信号に電気的インピーダンスを与えるよう構成される上記抵抗性要素と、上記試験プローブ・チップの上記信号フロー軸に沿った第1軸方向に上記チップ部品にメカ的な力が加えられたときに、上記第1軸方向に上記チップ部品が動くことを可能にすると共に、上記メカ的な力が除去されるか又は低減されたときに、上記第1軸方向と反対の第2軸方向への上記チップ部品の動きを生じさせるよう構成されるコンプライアンス部材とを具えている。
【0046】
実施例2としては、実施例1の試験プローブ・チップがあり、このとき、上記抵抗性要素は、上記チップ部品の上記第2端部と上記抵抗性要素の第1端部において電気的に接続され、上記コンプライアンス部材は、上記抵抗性要素の第2端部で電気的に接続されるプランジャ台座部を有し、上記抵抗性要素の上記第2端部は、上記試験プローブ・チップの上記信号フロー軸に沿って、上記抵抗性要素の上記第1端部の反対にある。
【0047】
実施例3としては、実施例1~2のいずれかの試験プローブ・チップがあり、上記チップ部品を上記コンプライアンス部材に構造的に結合する構造部材を更に具えている。
【0048】
実施例4としては、実施例3の試験プローブ・チップがあり、このとき、上記抵抗性要素は、上記構造部材内にある。
【0049】
実施例5としては、実施例2~4のいずれかの試験プローブ・チップがあり、上記プランジャ台座部は、上記抵抗性要素の上記第2端部に上記プランジャ台座部の第1端部で電気的に結合され、上記コンプライアンス部材は、円筒型部品を更に有し、上記プランジャ台座部の第2端部は、上記試験プローブ・チップの上記信号フロー軸に沿って、上記円筒型部品内をスライドするよう構成され、このとき、上記プランジャ台座部の上記第2端部は、上記試験プローブ・チップの上記信号フロー軸に沿って、上記プランジャ台座部の上記第1端部の反対側にある。
【0050】
実施例6としては、実施例1~5のいずれかの試験プローブ・チップがあり、このとき、上記コンプライアンス部材は、上記円筒型部品内にスプリング機構を更に有し、該スプリング機構は、上記第1軸方向に上記チップ部品にメカ的な力が加えられたときに、上記第1軸方向に上記円筒型部品内の上記プランジャ台座部が動くことを可能にすると共に、上記メカ的な力が除去されるか又は低減されたときに、上記第2軸方向への上記円筒型部品内の上記プランジャ台座部の動きを生じさせるよう構成される。
【0051】
実施例7としては、実施例1~6のいずれかの試験プローブ・チップがあり、このとき、上記抵抗性要素は、第1インピーダンスを有する第1レイヤと、第2インピーダンスを有する第2レイヤとを有し、上記第2インピーダンスは、上記第1インピーダンスよりも大きい。
【0052】
実施例8としては、実施例1~7のいずれかの試験プローブ・チップがあり、上記第1レイヤ及び上記第2レイヤは、同心である。
【0053】
実施例9としては、実施例1~8のいずれかの試験プローブ・チップがあり、上記試験プローブ・チップの上記信号フロー軸に垂直な断面において、上記第2レイヤは、上記第1レイヤの周りを囲んでいる。
【0054】
実施例10としては、実施例1~9のいずれかの試験プローブ・チップがあり、このとき、上記抵抗性要素は、第3インピーダンスを有する第3レイヤを更に有し、上記第3インピーダンスは、上記第2インピーダンスよりも大きく、上記第1レイヤ、上記第2レイヤ及び上記第3レイヤは、同心であり、上記試験プローブ・チップの上記信号フロー軸に垂直な断面において、上記第2レイヤは、上記第1レイヤの周りを囲み、上記第3レイヤは、上記第2レイヤの周りを囲む。
【0055】
実施例11としては、実施例1~7のいずれかの試験プローブ・チップがあり、上記第1レイヤ及び上記第2レイヤは、上記試験プローブ・チップの上記信号フロー軸と直交である。
【0056】
実施例12としては、実施例11の試験プローブ・チップがあり、上記第2レイヤは、電気的に非導電性である共に、上記試験プローブ・チップの上記信号フロー軸と平行で、上記第2レイヤを貫通するビア(VIA)を有する。
【0057】
実施例13としては、実施例11~12のいずれかの試験プローブ・チップがあり、上記試験プローブ・チップの上記信号フロー軸と直交な第3レイヤを更に具え、該第3レイヤは、上記第2インピーダンスより小さい第3インピーダンスを有し、上記第2レイヤが上記第1レイヤと上記第3レイヤの間にあり、上記第1レイヤ及び上記第3レイヤが、夫々電気的に導電性である。
【0058】
実施例14としては、実施例1~13のいずれかの試験プローブ・チップがあり、このとき、上記抵抗性要素は、浮遊(suspended)抵抗性材料を有する導電性エポキシ抵抗器、又は、浮遊(suspended)抵抗性材料を有するエラストマからなるグループから選択される材料を有している。
【0059】
実施例15としては、その信号フロー軸に沿って通過する電気信号に電気的なインピーダンスを与えるよう構成される抵抗性要素であり、上記抵抗性要素は、第1インピーダンスを有する第1レイヤと、第2インピーダンスを有する第2レイヤとを具え、上記第2インピーダンスは、上記第1インピーダンスよりも大きい。
【0060】
実施例16としては、実施例15の抵抗性要素があり、このとき、上記第1レイヤ及び上記第2レイヤは、同心である。
【0061】
実施例17としては、実施例15~16のいずれかの抵抗性要素があり、このとき、上記信号フロー軸に垂直な断面において、上記第2レイヤは、上記第1レイヤの周りを囲んでいる。
【0062】
実施例18としては、実施例15~16のいずれかの抵抗性要素があり、このとき、上記信号フロー軸に垂直な断面において、上記第1レイヤは、上記第2レイヤの周りを囲み、該第2レイヤは、実質的に絶縁体である。
【0063】
実施例19としては、実施例15~17のいずれかの抵抗性要素があり、このとき、上記抵抗性要素は、第3インピーダンスを有する第3レイヤを更に有し、上記第3インピーダンスは、上記第2インピーダンスよりも大きく、上記第1レイヤ、上記第2レイヤ及び上記第3レイヤは、同心であり、上記信号フロー軸に垂直な断面において、上記第2レイヤは、上記第1レイヤの周りを囲み、上記第3レイヤは、上記第2レイヤの周りを囲む。
【0064】
実施例20としては、実施例15の抵抗性要素があり、このとき、上記第1レイヤ及び上記第2レイヤは、上記信号フロー軸と直交である。
【0065】
実施例21としては、実施例20の抵抗性要素があり、このとき、上記第2レイヤは、電気的に非導電性である共に、上記信号フロー軸と平行で、上記第2レイヤを貫通するビア(VIA)を有する。
【0066】
実施例22としては、実施例20~21のいずれかの抵抗性要素があり、このとき、上記信号フロー軸と直交な第3レイヤを更に具え、該第3レイヤは、上記第2インピーダンスより小さい第3インピーダンスを有し、上記第2レイヤが上記第1レイヤと上記第3レイヤの間にあり、上記第1レイヤ及び上記第3レイヤが、夫々電気的に導電性である。
【0067】
開示された主題の上述のバージョンは、記述したか又は当業者には明らかであろう多くの効果を有する。それでも、開示された装置、システム又は方法のすべてのバージョンにおいて、これらの効果又は特徴のすべてが要求されるわけではない。
【0068】
加えて、本願の記述は、特定の特徴に言及している。本明細書における開示には、これらの特定の特徴の全ての可能な組み合わせが含まれると理解すべきである。ある特定の特徴が特定の態様又は実施例の状況において開示される場合、その特徴は、可能である限り、他の態様及び実施例の状況においても利用できる。
【0069】
また、本願において、2つ以上の定義されたステップ又は工程を有する方法に言及する場合、これら定義されたステップ又は工程は、状況的にそれらの可能性を排除しない限り、任意の順序で又は同時に実行しても良い。
【0070】
説明の都合上、本発明の具体的な実施例を図示し、説明してきたが、本発明の要旨と範囲から離れることなく、種々の変更が可能なことが理解できよう。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲を除いて限定されるべきではない。
【符号の説明】
【0071】
100 試験プローブ・チップ
101 チップ部品
102 抵抗性要素
103 コンプライアンス部材
104 構造部材
105 信号フロー軸
106 チップ部品の第1端部
107 被試験デバイス
108 チップ部品の第1端部
109 抵抗性要素の第1端部
110 抵抗性要素の第2端部
111 第1軸方向
112 第2軸方向
113 試験プローブ本体
114 プランジャ台座部
115 スプリング機構
116 円筒型部品
117 プランジャ台座部の第1端部
118 プランジャ台座部の第2端部
120 試験プローブ
121 試験プローブ
122 抵抗性要素
123 第1レイヤ
124 第2レイヤ
125 第3レイヤ
126 金属レイヤ
127 抵抗性要素
128 第1レイヤ
129 第2レイヤ
130 ビア
131 第3レイヤ
132 抵抗性要素の信号フロー軸
133 第2レイヤ