(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-25
(45)【発行日】2024-01-09
(54)【発明の名称】コンピュータシステムおよびゲームシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/795 20140101AFI20231226BHJP
A63F 13/847 20140101ALI20231226BHJP
A63F 13/792 20140101ALI20231226BHJP
A63F 13/49 20140101ALI20231226BHJP
【FI】
A63F13/795
A63F13/847
A63F13/792
A63F13/49
(21)【出願番号】P 2020038902
(22)【出願日】2020-03-06
【審査請求日】2023-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】宮野 鉄平
(72)【発明者】
【氏名】阿須名 孝次
(72)【発明者】
【氏名】南 清志
(72)【発明者】
【氏名】小倉 建一
(72)【発明者】
【氏名】恩田 明生
(72)【発明者】
【氏名】青木 隆
(72)【発明者】
【氏名】村井 伸太郎
【審査官】比嘉 翔一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/182992(WO,A1)
【文献】特開2016-053804(JP,A)
【文献】特許第5089801(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F13/00-13/98
A63F 9/24
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のゲームをプレイするプレーヤ間で行う干渉プレーヤによる被干渉プレーヤへの所定の干渉行為の実行を制御するコンピュータシステムであって、
前記干渉行為は、前記ゲームの所定の進行単位について前記干渉プレーヤがゲームプレイを行って、当該ゲームプレイを前記被干渉プレーヤに視聴可能に提供することであり、
前記ゲームをプレイした各プレーヤのプレイデータを記憶する記憶手段と、
前記被干渉プレーヤ
による前記進行単位に係る複数回のゲームプレイを分析し、前記被干渉プレーヤによ
る問題点
の有る前記進行単位に係るゲームプレイを判別する分析手段と、
前記被干渉プレーヤの前記問題点
を解消するゲームプレイが可能な前記干渉プレーヤを選定する選定手段と、
前記分析手段によって問題点が有ると判別された前記進行単位以外の進行単位について、前記被干渉プレーヤによる所与の対価又は所与のポイントの支払いと引き換えに、前記干渉プレーヤを選定する課金選定手段と、
を備えたコンピュータシステム。
【請求項2】
前記選定手段は、前記被干渉プレーヤの前記問題点
を解消するゲームプレイを過去に行ったプレーヤを前記干渉プレーヤとして選定する手段を有する、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記選定手段は、プレイレベルが前記被干渉プレーヤに対して所定のレベル差条件を満たすプレーヤを前記干渉プレーヤとして選定する手段を有する、
請求項1又は2に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
過去に前記干渉行為を行った前記干渉プレーヤの当該干渉行為におけるゲームプレイに前記問題点が有ったか否かに基づく干渉プレイ実績を、前記干渉行為を行ったプレーヤ毎に記憶する干渉プレイ実績記憶手段、
を更に備え、
前記選定手段は、前記干渉プレイ実績に基づいて前記干渉プレーヤを選定する手段を有する、
請求項1~3の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記被干渉プレーヤの前記問題点と同じ問題点を有するゲームプレイを過去に行ったプレーヤであって、当該過去に行った時点のプレイレベルが前記被干渉プレーヤに対して所定のレベル差条件を満たすプレーヤを前記干渉プレーヤとして選定する手段を有する、
請求項1~4の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
過去に前記干渉行為を行った前記干渉プレーヤの当該干渉行為に対する評価を、前記干渉行為を行ったプレーヤ毎に記憶する評価記憶手段、
を更に備え、
前記選定手段は、前記評価記憶手段に記憶された評価に基づいて前記干渉プレーヤを選定する手段を有する、
請求項1~5の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記干渉行為の前に前記被干渉プレーヤが行ったゲームプレイ上の問題点と、前記干渉行為の後に前記被干渉プレーヤが行ったゲームプレイ上の問題点との差に基づいて前記評価を決定し、前記評価記憶手段の記憶内容を更新する評価決定手段、
を更に備えた請求項6に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記被干渉プレーヤからの前記干渉行為の依頼を受け付ける依頼受付手段、
を更に備え、
前記選定手段は、前記依頼受付手段の受け付けに応じて前記被干渉プレーヤへの干渉行為を行う干渉プレーヤを選定することと、過去に受け付けがなされた同じ被干渉プレーヤからの受け付けがなされた場合に前回の受け付けの際に選定した干渉プレーヤよりも前記干渉プレイ実績の高いプレーヤを今回の干渉プレーヤとして選定することと、を実行する、
請求項4に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記被干渉プレーヤからの前記干渉行為の依頼を受け付ける依頼受付手段、
を更に備え、
前記選定手段は、前記依頼受付手段の受け付けに応じて前記被干渉プレーヤへの干渉行為を行う干渉プレーヤを選定することと、過去に受け付けがなされた同じ被干渉プレーヤからの受け付けがなされた場合に前回の受け付けの際に選定した干渉プレーヤよりも前記評価の高いプレーヤを今回の干渉プレーヤとして選定することと、を実行する、
請求項6又は7に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記選定手段は、前記被干渉プレーヤの前記問題点
を解消するゲームプレイが可能なプレーヤを募集する制御を行う募集制御手段を有し、前記募集に応募した応募プレーヤの中から前記干渉プレーヤを選定する、
請求項1~
9の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
前記選定手段は、前記応募プレーヤによるゲームプレイを受け付けることでオーディションを行うオーディション実施手段を有し、前記オーディションの結果に基づいて前記干渉プレーヤを選定する、
請求項
10に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
前記応募プレーヤには、前記干渉行為を行う場合の対価が設定されており、
前記選定手段は、
前記応募プレーヤおよび当該応募プレーヤに設定された対価を前記被干渉プレーヤに通知する手段と、
前記被干渉プレーヤによる選択操作に基づいて前記干渉プレーヤを選定する手段と、
を有する、
請求項
10に記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
前記コンピュータシステムは、各プレーヤのプレーヤ端末と通信接続されるサーバシステムである、
請求項1~
12の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項14】
各プレーヤのプレーヤ端末と、
前記プレーヤ端末と通信接続されるサーバシステムである請求項1~
12の何れか一項に記載のコンピュータシステムと、
を具備したゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定のゲームを実行するコンピュータシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、他のプレーヤの助けを借りることができるゲームの態様が知られている。例えば、苦手な箇所があっても、代替プレーヤに替わりにプレイしてもらうことで継続してゲームプレイができるようにする技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、代替プレーヤをどのように選択するかについて、特段の技術は知られていなかった。すなわち、元のプレーヤにとって適切と思われる代替プレーヤをどのようにして選択するかの技術は知られていなかった。
【0005】
また、代替プレーヤは、元のプレーヤのゲームプレイに対して何らかの干渉(干渉行為)を行うものであるため、干渉プレーヤと言うことができる。元のプレーヤは、干渉プレーヤによって自身のゲームプレイが干渉される(干渉行為が行われる)ことから、被干渉プレーヤと言うことができる。代替プレイという概念を干渉行為という概念に広げた場合も、同じような問題があった。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、被干渉プレーヤにとって適切と思われる代替プレーヤを選択することが可能となる技術を提供すること、である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための第1の発明は、所定のゲームをプレイするプレーヤ間で行う干渉プレーヤによる被干渉プレーヤへの所定の干渉行為の実行を制御するコンピュータシステムであって、前記ゲームをプレイした各プレーヤのプレイデータ(例えば、
図7のプレイデータ518)を記憶する記憶手段(例えば、
図6のサーバ記憶部500s)と、前記被干渉プレーヤの複数回のゲームプレイを分析し、前記被干渉プレーヤによるゲームプレイ上の問題点を判別する分析手段(例えば、
図6の分析部233)と、前記被干渉プレーヤの前記問題点に対応したゲームプレイが可能な前記干渉プレーヤを選定する選定手段(例えば、
図6の選定部240)と、を備えたコンピュータシステムである。
【0008】
第1の発明によれば、各プレーヤのプレイデータをもとに、被干渉プレーヤのゲームプレイ上の問題点を判別し、判別された問題点に対応したゲームプレイが可能な干渉プレーヤを選定する。したがって、被干渉プレーヤのゲームプレイ上の問題点を克服するゲームプレイが可能な干渉プレーヤを確実に選定することができる。これにより、被干渉プレーヤにとって適切と思われる代替プレーヤを選択することが可能となる。
【0009】
また、第2の発明として、前記選定手段は、前記被干渉プレーヤの前記問題点に対応したゲームプレイを過去に行ったプレーヤを前記干渉プレーヤとして選定する手段を有する、第1の発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0010】
第2の発明によれば、被干渉プレーヤについて判別された問題点が過去に行ったゲームプレイにおいて生じていないプレーヤを、干渉プレーヤとして選定することができる。
【0011】
また、第3の発明として、前記選定手段は、プレイレベルが前記被干渉プレーヤに対して所定のレベル差条件を満たすプレーヤを前記干渉プレーヤとして選定する手段を有する、第1又は第2の発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0012】
第3の発明によれば、例えば被干渉プレーヤとのレベル差が小さく、経験値が被干渉プレーヤと同程度であるプレーヤを干渉プレーヤとして選定したり、逆に、被干渉プレーヤとのレベル差が大きく、被干渉プレーヤと比べて経験値が十分に高いプレーヤを干渉プレーヤとして選定することができる。
【0013】
また、第4の発明として、前記干渉行為は、前記干渉プレーヤが行うゲームプレイを前記被干渉プレーヤに視聴可能に提供することであり、過去に前記干渉行為を行った前記干渉プレーヤの当該干渉行為におけるゲームプレイに前記問題点が有ったか否かに基づく干渉プレイ実績を、前記干渉行為を行ったプレーヤ毎に記憶する干渉プレイ実績記憶手段(例えば、
図6のサーバ記憶部500s)、を更に備え、前記選定手段は、前記干渉プレイ実績に基づいて前記干渉プレーヤを選定する手段を有する、第1~第3の何れかの発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0014】
第4の発明によれば、選定した干渉プレーヤが行うゲームプレイを被干渉プレーヤに視聴可能に提供することで、干渉行為の実行を制御できる。またその際、当該干渉行為におけるゲームプレイに問題点が有ったか否かをもとに、干渉行為を行ったプレーヤ毎に干渉プレイ実績を記憶しておくことができる。そして、この干渉プレイ実績を用いて干渉プレーヤを選定することができる。
【0015】
また、第5の発明として、前記被干渉プレーヤの前記問題点と同じ問題点を有するゲームプレイを過去に行ったプレーヤであって、当該過去に行った時点のプレイレベルが前記被干渉プレーヤに対して所定のレベル差条件を満たすプレーヤを前記干渉プレーヤとして選定する手段を有する、第1~第4の何れかの発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0016】
第5の発明によれば、過去に被干渉プレーヤと同じ問題点を有するゲームプレイを行ったプレーヤのうち、そのときのプレイレベルと被干渉プレーヤのプレイレベルとのレベル差が例えば小さいプレーヤを干渉プレーヤとして選定したり、逆に、当該レベル差が大きいプレーヤを干渉プレーヤとして選定することができる。
【0017】
また、第6の発明として、過去に前記干渉行為を行った前記干渉プレーヤの当該干渉行為に対する評価を、前記干渉行為を行ったプレーヤ毎に記憶する評価記憶手段(例えば、
図6のサーバ記憶部500s)、を更に備え、前記選定手段は、前記評価記憶手段に記憶された評価に基づいて前記干渉プレーヤを選定する手段を有する、第1~第5の何れかの発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0018】
第6の発明によれば、干渉行為を行ったプレーヤ毎に、過去の干渉行為に対する評価を記憶しておくことができる。そして、この評価を用いて干渉プレーヤを選定することができる。
【0019】
また、第7の発明として、前記干渉行為の前に前記被干渉プレーヤが行ったゲームプレイ上の問題点と、前記干渉行為の後に前記被干渉プレーヤが行ったゲームプレイ上の問題点との差に基づいて前記評価を決定し、前記評価記憶手段の記憶内容を更新する評価決定手段(例えば、
図6の評価決定部255)、を更に備えた第6の発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0020】
第7の発明によれば、干渉行為の前と後に被干渉プレーヤが行ったゲームプレイ上の問題点の差をもとに、当該干渉行為の評価を決定することができる。これによれば、例えば、干渉行為の前に有った問題点が干渉行為の後に無くなった等、干渉行為によって被干渉プレーヤのゲームプレイが上達した場合に評価を高くするといったことが可能となる。
【0021】
また、第8の発明として、前記被干渉プレーヤからの前記干渉行為の依頼を受け付ける依頼受付手段(例えば、
図6の依頼受付部241)、を更に備え、前記選定手段は、前記依頼受付手段の受け付けに応じて前記被干渉プレーヤへの干渉行為を行う干渉プレーヤを選定することと、過去に受け付けがなされた同じ被干渉プレーヤからの受け付けがなされた場合に前回の受け付けの際の干渉プレーヤよりも前記干渉プレイ実績の高いプレーヤを今回の干渉プレーヤとして選定することと、を実行する、第4の発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0022】
第8の発明によれば、被干渉プレーヤからの干渉行為の依頼を受け付けた場合に、干渉プレーヤを選定することができる。そして、過去に受け付けがなされた同じ被干渉プレーヤからの受け付けがなされた場合に、前回よりも干渉プレイ実績の高いプレーヤを干渉プレーヤとして選定することができる。
【0023】
また、第9の発明として、前記被干渉プレーヤからの前記干渉行為の依頼を受け付ける依頼受付手段(例えば、
図6の依頼受付部241)、を更に備え、前記選定手段は、前記依頼受付手段の受け付けに応じて前記被干渉プレーヤへの干渉行為を行う干渉プレーヤを選定することと、過去に受け付けがなされた同じ被干渉プレーヤからの受け付けがなされた場合に前回の受け付けの際に選定した干渉プレーヤよりも前記評価の高いプレーヤを今回の干渉プレーヤとして選定することと、を実行する、第6又は第7の発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0024】
第9の発明によれば、被干渉プレーヤからの干渉行為の依頼を受け付けた場合に、干渉プレーヤを選定することができる。そして、過去に受け付けがなされた同じ被干渉プレーヤからの受け付けがなされた場合に、前回よりも評価の高いプレーヤを干渉プレーヤとして選定することができる。
【0025】
また、第10の発明として、前記干渉行為は、前記ゲームの所定の進行単位について前記干渉プレーヤがゲームプレイを行って、当該ゲームプレイを前記被干渉プレーヤに視聴可能に提供することであり、前記分析手段は、前記進行単位に係るゲームプレイについて前記分析を行うことで、問題点の有る前記被干渉プレーヤの前記進行単位に係るゲームプレイを判別する、第1~第9の何れかの発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0026】
第10の発明によれば、ゲームの所定の進行単位毎に、被干渉プレーヤのゲームプレイ上の問題点を判別することができる。そして、例えば問題点の有る進行単位について干渉プレーヤが行ったゲームプレイを被干渉プレーヤに視聴可能に提供することで、干渉行為の実行を制御できる。
【0027】
また、第11の発明として、前記分析手段によって問題点が有ると判別された前記進行単位以外の進行単位について、前記被干渉プレーヤによる所与の対価又は所与のポイントの支払いと引き換えに、前記干渉プレーヤを選定する課金選定手段、を更に備えた第10の発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0028】
第11の発明によれば、例えば、干渉行為の対象となる進行単位に問題点の無い進行単位が含まれる場合に、当該問題点の無い進行単位についての被干渉プレーヤによる対価又はポイントの支払いと引き換えに、干渉プレーヤを選定することができる。
【0029】
また、第12の発明として、前記選定手段は、前記被干渉プレーヤの前記問題点に対応したゲームプレイが可能なプレーヤを募集する制御を行う募集制御手段(例えば、
図6の募集制御部243)を有し、前記募集に応募した応募プレーヤの中から前記干渉プレーヤを選定する、第1~第11の何れかの発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0030】
第12の発明によれば、被干渉プレーヤについて判別された問題点に対応したゲームプレイが可能なプレーヤを募集し、応募した応募プレーヤの中から干渉プレーヤを選定することができる。
【0031】
また、第13の発明として、前記選定手段は、前記応募プレーヤによるゲームプレイを受け付けることでオーディションを行うオーディション実施手段を有し、前記オーディションの結果に基づいて前記干渉プレーヤを選定する、第12の発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0032】
第13の発明によれば、応募に際して受け付けた応募プレーヤのゲームプレイをもとに、応募プレーヤの中から干渉プレーヤを選定することができる。
【0033】
また、第14の発明として、前記応募プレーヤには、前記干渉行為を行う場合の対価が設定されており、前記選定手段は、前記応募プレーヤおよび当該応募プレーヤに設定された対価を前記被干渉プレーヤに通知する手段と、前記被干渉プレーヤによる選択操作に基づいて前記干渉プレーヤを選定する手段と、を有する、第12の発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0034】
第14の発明によれば、応募プレーヤが干渉行為を行った場合の対価を被干渉プレーヤが考慮して応募プレーヤを選ぶことで、干渉プレーヤを選定することができる。
【0035】
また、第15の発明として、前記コンピュータシステムは、各プレーヤのプレーヤ端末(例えば、
図1のプレーヤ端末1500)と通信接続されるサーバシステム(例えば、
図1のサーバシステム1100)である、第1~第14の何れかの発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0036】
第15の発明によれば、第1~第14の何れかの発明と同様の効果を奏するサーバシステムを実現できる。
【0037】
また、第16の発明として、各プレーヤのプレーヤ端末と、前記プレーヤ端末と通信接続されるサーバシステムである請求項1~14の何れか一項に記載のコンピュータシステムと、を具備したゲームシステム(例えば、
図1のゲームシステム1000)を構成してもよい。
【0038】
第16の発明によれば、第1~第14の何れかの発明と同様の効果を奏するゲームシステムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図6】サーバシステムの機能構成例を示すブロック図。
【
図9】干渉行為実行データのデータ構成例を示す図。
【
図10】プレーヤ端末の機能構成例を示すブロック図。
【
図11】サーバシステムにおける処理の流れを説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付す。
【0041】
[全体構成]
図1は、本実施形態におけるゲームシステム1000の全体構成例を示す図である。
図1に示すように、ゲームシステム1000は、コンピュータシステムであるサーバシステム1100と、本実施形態のゲームのプレーヤ(ユーザ)2が所持するプレーヤ端末1500とを含み、これらがネットワーク9を介して相互にデータ通信可能に接続されて構成される。
【0042】
ネットワーク9は、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、ネットワーク9とは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0043】
サーバシステム1100は、本体装置1101と、キーボード1106と、タッチパネル1108と、ストレージ1140とを備え、本体装置1101は、CPU(Central Processing Unit)1151やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM、ROM等の各種ICメモリ1152、通信装置1153等の電子部品が搭載された制御基板1150を内蔵している。なお、制御基板1150の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(field-programmable gate array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
【0044】
このサーバシステム1100は、CPU1151等が所定のプログラムおよびデータに基づいて演算処理することにより、ユーザ登録等に係るユーザ管理機能と、プレーヤ端末1500でゲームをプレイするのに必要なデータを提供してプレーヤ端末1500でのゲームの実行制御を管理するゲーム管理機能と、を実現する。つまり、本実施形態におけるゲームは、一種のクライアント・サーバ型のオンラインゲームとして実現される。プレーヤ2は、自分のプレーヤ端末1500でサーバシステム1100にアクセスし、発給されたアカウント(プレーヤID)によりログインして本実施形態のゲームを楽しむ。
【0045】
また、サーバシステム1100は、電子決済業者等が運営する外部の電子決済サーバと連携し、ゲーム内通貨であるゲームコインの購入手続き(課金処理)を行う。課金処理に際し、電子決済サーバは、サーバシステム1100からの問合せに応答してゲームコインの購入額をプレーヤ2のクレジットカードやプリペイドカード等で清算する処理を行う。そして、サーバシステム1100は、電子決済サーバにより清算された購入額相当のゲームコインをプレーヤ2に付与する。
【0046】
なお、サーバシステム1100は、
図1に示す単体の構成に限らず、各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であってもよい。或いは、離れた場所に設置された独立した複数のサーバを、ネットワーク9を介してデータ通信させることで、全体としてサーバシステム1100として機能させる構成であってもよい。
【0047】
プレーヤ端末1500は、マンマシンインターフェースの機能を担うコンピュータシステムであって、携帯電話基地局や無線通信基地局等を介してネットワーク9に接続し、サーバシステム1100とデータ通信を行うことができる。このプレーヤ端末1500は、例えば、スマートフォン、携帯電話機、携帯型ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置のコントローラ、業務用ゲーム装置、パソコン、タブレット型コンピュータ、ウェアラブルコンピュータ等の形態を取り得る。
【0048】
図2は、プレーヤ端末1500の一例であるスマートフォンの装置構成例を示す図である。
図2に示すように、プレーヤ端末1500は、方向入力キー1502と、ホームキー1504と、画像表示デバイス兼接触位置入力デバイスとして機能するタッチパネル1506と、内蔵バッテリー1509と、スピーカ1510と、マイク1512と、制御基板1550と、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体であるメモリカード1540に対してデータを読み書きできるメモリカード読取装置1542とを備える。その他、図示しない電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
【0049】
制御基板1550には、CPU1551やGPU、DSP等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552、ネットワーク9に接続する携帯電話基地局や無線LAN基地局等と無線通信するための無線通信モジュール1553等が搭載されている。また、制御基板1550には、方向入力キー1502やホームキー1504からの信号を受信する回路、タッチパネル1506のドライバ回路、スピーカ1510へ音声信号を出力する出力アンプ回路、マイク1512で集音された音声の信号を生成する音声信号生成回路、メモリカード読取装置1542への信号入出力回路といった、いわゆるI/F回路(インターフェース回路)1557等が搭載されている。これら制御基板1550に搭載されている各要素は、それぞれがバス回路等を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。なお、制御基板1550の一部又は全部をASICやFPGA、SoCにて構成してもよい。
【0050】
この制御基板1550においてICメモリ1552には、ゲームクライアントプログラムや、このゲームクライアントプログラムを実行するのに必要な各種設定データ等が格納される。ゲームクライアントプログラム等は、適宜のタイミングでサーバシステム1100からダウンロードされる。なお、別途入手したメモリカード1540等の記憶媒体から読み出す構成としてもよい。そして、CPU1551等がゲームクライアントプログラムを実行して演算処理を実行し、タッチパネル1506や方向入力キー1502、ホームキー1504に対する操作入力に応じてプレーヤ端末1500の各部を制御することで、プレーヤ2のゲームプレイを可能にする。
【0051】
[詳細]
本実施形態のゲームは、例えば、ゲームステージを順にクリアしていくステージクリア型の対戦ゲームである。プレーヤは、所有しているキャラクタをプレーヤキャラクタとして用い、ゲームステージ毎に出現する敵キャラクタとのバトル等に挑む。最終的にボスキャラクタとのバトルに勝利すると、ステージクリアとなる。
【0052】
そして、サーバシステム1100は、当該ゲームをプレイするプレーヤ間で行う干渉プレーヤによる被干渉プレーヤへの所定の干渉行為の実行を制御する。本実施形態では、ゲームステージを進行単位としてプレーヤのゲームプレイをゲームステージ単位で分析し、ゲームプレイ上の問題点が有る場合に当該プレーヤを被干渉プレーヤとする。そして、ゲームに参加している他のプレーヤ(他の登録ユーザ)の中から干渉プレーヤを選定し、干渉プレーヤによる干渉行為の実行を制御する。
【0053】
そのために、サーバシステム1100は、ゲームに参加しているプレーヤ毎にプレイデータ518(
図7を参照)を記憶しておく。そして、サーバシステム1100は、プレーヤのゲームプレイを分析する分析処理と、干渉プレーヤを選定する選定処理と、干渉プレーヤによる干渉行為の実行を制御する干渉行為実行制御処理と、干渉行為を行ったプレーヤ毎に干渉プレイ実績を決定する実績決定処理と、プレーヤ毎に干渉評価を決定する評価決定処理と、干渉プレーヤに特典を付与する特典付与処理とを行う。
【0054】
1.干渉行為
先ず、干渉行為について説明する。
図3は、干渉行為テーブル550のデータ構成例を示す図である。干渉行為テーブル550は、干渉行為の種類と、干渉プレーヤの選定方法との対応関係を格納する。本実施形態では、複数の干渉行為種類(
図3では「リアルタイム視聴(実演/リプレイ表示)」「随時視聴」「リプレイ表示」「代行」および「アドバイス」)のうちの何れか1つを実行種類とし、その実行を制御する。より詳細には、本実施形態では、ゲームステージ毎に何れかの干渉行為種類(適用干渉行為種類533;
図8を参照)が予め設定されており、ゲームプレイ上問題点が有るとされたゲームステージ(以下「干渉対象ステージ」という)の適用干渉行為種類533が実行種類とされる。また、
図3に示すように、各干渉行為種類には対応する選定方法が予め設定されており、選定処理では、実行種類に対応する選定方法に従って干渉プレーヤを選定する。そして、干渉行為実行制御処理では、当該干渉プレーヤによる当該実行種類の干渉行為の実行を制御する。つまり、干渉対象ステージについて、その適用干渉行為種類533の干渉行為が、干渉プレーヤにより被干渉プレーヤに向けて行われることとなる。以下、順番に各干渉行為について説明する。
【0055】
1-1.リアルタイム視聴
リアルタイム視聴は、「干渉プレーヤが行ったゲームプレイを被干渉プレーヤに視聴可能に提供すること」を内容とする干渉行為である。より詳細には、リアルタイム視聴の干渉行為は、実演とリプレイ表示の2つに分けられ、選定処理の時点でサーバシステム1100にログインしているプレーヤが干渉プレーヤとされる場合は前者が、ログインしていないプレーヤが干渉プレーヤとされる場合は後者が実行種類とされる。
【0056】
実演は、「干渉プレーヤが干渉対象ステージを実際にゲームプレイすること」を内容とする干渉行為である。したがって、実行種類が実演とされた場合は、干渉プレーヤによる干渉対象ステージのゲームプレイを被干渉プレーヤに手本として見せることで、干渉対象ステージの攻略法を被干渉プレーヤに教示することができる。被干渉プレーヤは、自分が上手くプレイできなかった箇所を含むゲームステージ全体の実際のゲームプレイを直ぐに見ることができるので、学習効果が高い。この場合の干渉行為実行制御処理では、干渉プレーヤのプレーヤ端末1500において干渉対象ステージのゲームを実行し、干渉プレーヤによるゲームプレイの進行を制御する。その際、使用するキャラクタや装備、保有するアイテム、プレイレベル等のプレイ状況を被干渉プレーヤと同じ設定にしてゲームを実行するとよい。そして、当該干渉プレーヤのゲームプレイの様子を示す画像(ゲーム画面の画像)を被干渉プレーヤのプレーヤ端末1500に表示する制御を行う。
【0057】
リプレイ表示は、「干渉プレーヤが干渉対象ステージをクリアしたときのゲームプレイのリプレイを表示すること」を内容とする干渉行為である。実演の場合と同様に、干渉プレーヤのゲームプレイを手本として被干渉プレーヤに見せて、干渉対象ステージの攻略法を被干渉プレーヤに教示できる。この場合の干渉行為実行制御処理では、干渉プレーヤのプレイデータ518から干渉対象ステージ部分を読み出し、被干渉プレーヤのプレーヤ端末1500においてそのリプレイ表示を制御する。
【0058】
1-2.随時視聴
随時視聴は、リアルタイム視聴における実演と同様の干渉行為である。随時視聴の場合には、干渉プレーヤが干渉対象ステージのゲームプレイを開始するのを待つ。具体的には、選定処理で選定された干渉プレーヤのプレーヤ端末1500に対し、干渉プレーヤとして選定された旨を通知する制御を行う。選定時に当該プレーヤがログインしていないときには、次にログインした際に当該プレーヤ端末1500における通知を制御する。そして、この通知に応答して干渉プレーヤがゲームプレイの開始を指示した場合に、実演に係る干渉行為実行制御処理を行う。随時視聴の選定方法は、「自動選定」「手動選定」および「応募選定」のうちの何れかとされている。
【0059】
1-3.リプレイ表示
リプレイ表示は、リアルタイム視聴におけるリプレイ表示と同様の干渉行為である。リプレイ表示の選定方法は、「自動選定」「手動選定」および「応募選定」のうちの何れかとされている。
【0060】
1-4.代行
代行は、「干渉プレーヤが、被干渉プレーヤの代わりに干渉対象ステージのゲームプレイを行うこと」を内容とする干渉行為である。実行種類が代行とされた場合は、被干渉プレーヤは、自分がクリアできなかったゲームステージを干渉プレーヤに攻略してもらうことができる。この場合の干渉行為実行制御処理では、干渉プレーヤのプレーヤ端末1500において干渉対象ステージのゲームを実行し、そこでの干渉プレーヤのゲームプレイを被干渉プレーヤのゲームプレイとして、当該被干渉プレーヤのゲームプレイの進行を制御する。この干渉行為によって干渉プレーヤが干渉対象ステージをプレイし、クリアできれば、被干渉プレーヤは次のゲームステージをプレイできるようになる。代行の選定方法は、「自動選定」「手動選定」および「応募選定」のうちの何れかとされている。
【0061】
1-5.アドバイス
アドバイスは、「干渉プレーヤが、干渉対象ステージのゲームプレイについてアドバイスを行うこと」を内容とする干渉行為である。実行種類がアドバイスとされた場合は、メールやチャット、ボイスチャット等を利用して干渉プレーヤが被干渉プレーヤにアドバイスすることで、干渉対象ステージの攻略法を被干渉プレーヤに教示できる。例えば、干渉プレーヤは、使用するキャラクタや装備の種類、必要なアイテム、当該干渉対象ステージでのキャラクタの立ち回り方等を記載したメッセージを被干渉プレーヤに送信する。この場合の干渉行為実行制御処理では、干渉プレーヤと被干渉プレーヤとの間でメッセージの送受信を制御する。アドバイスの選定方法は、「自動選定」「手動選定」および「応募選定」のうちの何れかとされている。
【0062】
2.分析処理
分析処理では、サーバシステム1100は、被干渉プレーヤの複数回のゲームプレイを分析し、被干渉プレーヤによるゲームプレイ上の問題点を判別する。
【0063】
図4は、本実施形態のゲームにおけるゲームステージの構成例を示す図である。本実施形態のゲームでは、1つのゲームステージが複数のエリアで構成されている。例えば、
図4に示す第10ステージは、4つのエリアで構成されている。具体的には、第1エリアであるザコ戦エリアと、第2エリアである疾走エリアと、第3エリアである釣りエリアと、第4エリアである中ボスエリアとで構成されており、第1エリアから順に第4エリアまで連続して全てクリアすると、第10ステージはクリア成功となる。途中で何れかのエリアをクリアできないと、第10ステージはクリア失敗となる。
【0064】
また、ゲームステージを構成する各エリアには、
図4中に例示するように、予めその模範的なプレイ内容の設定(模範プレイ内容設定541;
図8を参照)がされている。模範プレイ内容設定541は、そのエリアを効率よく攻略するためのキャラクタの立ち回り方等を定めたものである。
【0065】
本実施形態の分析処理では、プレーヤが同じゲームステージをクリアできずに当該ゲームステージのプレイが所定数回失敗し続けている場合に、「ゲームステージをクリアできないこと」を問題点として判別して、そのプレーヤを被干渉プレーヤとする。また、そのゲームステージを干渉対象ステージとする。そして、当該干渉対象ステージのクリアに失敗した各ゲームプレイにおいて、その失敗の要因となったエリア(クリアできなかったエリア)を不得意エリアとして設定する。
【0066】
例えば、
図4の例では、プレーヤが5回連続で第10ステージのクリアに失敗しており、所定数回が5回として設定されている場合には、当該プレーヤが被干渉プレーヤとされて、第10ステージが干渉対象ステージとされる。また、各ゲームプレイでクリアできていない第2エリアと第4エリアとが、不得意エリアとして設定される。
【0067】
3.選定処理
選定処理では、分析処理の結果判別された問題点に従って、当該問題点に対応したゲームプレイが可能な干渉プレーヤを選定する。上記したように、本実施形態の分析処理では、ゲームステージをクリアできないことを問題点として判別し、そのゲームステージを干渉対象ステージとすることから、選定処理では、干渉対象ステージを既にクリアしているプレーヤの中から干渉プレーヤを選定する。
【0068】
図5は、本実施形態における選定処理の概略手順を説明するためのフローチャートである。
図5に示すように、ゲームプレイを終えたプレーヤが分析処理の結果被干渉プレーヤとされた場合は、選定処理に先立ち先ず、被干渉プレーヤからの干渉行為の依頼を受け付ける。例えば、被干渉プレーヤのプレーヤ端末1500に対し、干渉行為を依頼するか否かの選択を促すメッセージ画面を表示する制御を行う。そして、依頼する旨の依頼指示操作を検出した場合は(ステップS1:YES)、ステップS3以降の選定処理に移る。
【0069】
そして、ステップS3では、全登録ユーザの中から、干渉対象ステージをクリア済みのプレーヤを干渉プレーヤの候補(以下「干渉プレーヤ候補」という)として抽出する。
【0070】
干渉プレーヤ候補を抽出したら、続いて、選定方法を決定する(ステップS5)。具体的には、干渉対象ステージの適用干渉行為種類533に従って、
図3の干渉行為テーブル550から対応する選定方法を読み出して決定する。読み出した選定方法が「自動選定」「手動選定」および「応募選定」の何れかの設定である場合は、この3つの中から1つを例えばランダムに選出して選定方法を決める。被干渉プレーヤが選ぶ構成でもよい。その後は、ステップS5で決定した選定方法に従って、干渉プレーヤを選定する(ステップS7)。以下、順番に、各選定方法について説明する。
【0071】
3-1.リアルタイム視聴時自動選定
決定した選定方法が「リアルタイム視聴時自動選定」の場合には、サーバシステム1100は先ず、干渉プレーヤ候補毎に、サーバシステム1100にログインしているか否かの判定を行う。ログインしている干渉プレーヤ候補がいる場合は干渉行為を「実演」とし、当該ログインしている干渉プレーヤ候補を以下の手順で絞り込む。一方、ログインしているプレーヤがいない場合は干渉行為を「リプレイ表示」とする。その場合は、全ての干渉プレーヤ候補を以下の手順で絞り込む。そして、当該絞り込みの過程で最後まで残った干渉プレーヤ候補を、干渉プレーヤとして選定する。最後まで複数の干渉プレーヤ候補が残ったときには、そのうちの1人を例えばランダムに選出し、干渉プレーヤとする。
【0072】
絞り込みは、予め設定される1つ又は複数の絞り込み項目を用いて行う。絞り込み項目としては、例えば、再干渉条件項目、模範プレイ条件項目、選定時レベル差条件項目、フレンド条件項目、克服条件項目、プレイ時レベル差条件項目、干渉プレイ実績条件項目、干渉評価条件項目等を含めることができる。複数の絞り込み項目で絞り込む場合の順番は、各絞り込み項目の優先順位に従う。優先順位は、重視する絞り込み項目の順に適宜設定しておくことができる。ここでは、例えば上記列挙の順とする。
【0073】
再干渉条件項目の絞り込みでは、「被干渉プレーヤ向けの前回の干渉行為に係る干渉対象ステージが今回と同じこと」を再干渉条件として判定し、再干渉条件を満たすか否かに応じて干渉プレーヤ候補を絞り込む。
【0074】
具体的には、再干渉条件を満たす場合は、その前回の干渉行為実行データ570(
図9を参照)を参照し、当該干渉行為を行った干渉プレーヤの当該干渉行為時の干渉プレイ実績(干渉行為時実績583)と干渉評価(干渉行為時評価584)とを読み出す。そして、干渉プレーヤ候補の中から、干渉プレイ実績又は干渉評価が干渉行為時実績583又は干渉行為時評価584よりも高い干渉プレーヤ候補を抽出して絞り込む。干渉プレイ実績のみを比較してその値が大きい干渉プレーヤ候補を抽出するのでもよいし、干渉評価のみを比較してその値が大きい干渉プレーヤ候補を抽出するのでもよい。或いは、干渉プレイ実績および干渉評価の何れかの値が大きい干渉プレーヤ候補を抽出するのでもよいし、その両方の値が大きい干渉プレーヤ候補を抽出するのでもよい。
【0075】
つまり、ここでの絞り込みによって、被干渉プレーヤに対して前回も同じゲームステージを干渉対象ステージとした干渉行為が行われていたときには、前回よりも干渉プレイ実績および/又は干渉評価の高い干渉プレーヤ候補が干渉プレーヤとして選定されるようにする。
【0076】
なお、前回の干渉プレーヤと比べて干渉プレイ実績や干渉評価の高い干渉プレーヤ候補を抽出するのではなく、干渉プレイ実績や干渉評価の値が予め設定される所定値以上である干渉プレーヤ候補を抽出するのでもよい。
【0077】
模範プレイ条件項目の絞り込みでは、分析処理で問題点と判別された干渉対象ステージの不得意エリアについての干渉プレーヤ候補のゲームプレイが、模範プレイ内容設定541に沿ったものかどうかで干渉プレーヤ候補を絞り込む。
【0078】
具体的には、干渉プレーヤ候補毎に、そのプレイデータ518から不得意エリア部分を読み出す。そして、当該不得意エリアのプレイ内容が、模範プレイ内容設定541に合致する干渉プレーヤ候補を抽出して絞り込む。例えば、
図5の第10ステージが干渉対象ステージの場合であって、第4エリアが不得意エリアとされている場合であれば、第4エリアのゲームプレイにおいて序盤~中盤で防御技を多用しており、そのプレイ内容が模範プレイ内容設定541と合致している干渉プレーヤ候補を抽出する。不得意エリアが複数設定されている場合は、全ての不得意エリアのゲームプレイが模範プレイ内容に合致する干渉プレーヤ候補を抽出するようにしてもよい。
【0079】
ここでの絞り込みによって、被干渉プレーヤに対して干渉対象ステージ(より詳細には不得意エリア)の攻略法を的確に示せる干渉プレーヤ候補が、干渉プレーヤとして選定されるようにする。
【0080】
実行時レベル差条件項目の絞り込みでは、実行時レベル差条件を満たすかどうかで干渉プレーヤ候補を絞り込む。実行時レベル差条件は、例えば、「干渉プレーヤのそのときのプレイレベルが被干渉プレーヤよりもが高く、且つその差が所定値以内であること」等とすることができる。プレイレベルの大小は問わずに、その差のみを判定する条件でもよい。
【0081】
ここでの絞り込みによって、被干渉プレーヤとプレイレベルの近い経験値が同程度である干渉プレーヤ候補が、干渉プレーヤとして選定されるようにする。プレイレベルが大きく離れたプレーヤのゲームプレイでは、被干渉プレーヤにとっては高度で真似できず、参考にならない場合もあるためである。これにより、被干渉プレーヤにとって適切と思われる代替プレーヤが選定されるようになる。
【0082】
なお、実行時レベル差条件は、「干渉プレーヤのそのときのプレイレベルが被干渉プレーヤよりも高く、且つその差が所定値以上であること」等とすることもできる。その場合は、被干渉プレーヤと比べてプレイレベルが相当程度高い干渉プレーヤ候補が、干渉プレーヤとして選定されることとなる。これによれば、被干渉プレーヤと比べて経験値が十分に高い干渉プレーヤ候補を干渉プレーヤとして選定することができる。
【0083】
フレンド条件項目の絞り込みでは、被干渉プレーヤがフレンド登録している干渉プレーヤ候補を抽出して絞り込む。被干渉プレーヤをフレンド登録している干渉プレーヤ候補を抽出する構成でもよい。これにより、被干渉プレーヤにとって適切と思われる代替プレーヤが選定されるようになる。
【0084】
克服条件項目の絞り込みでは、干渉対象ステージのステージクリアに所定数回失敗したプレーヤかどうかで干渉プレーヤ候補を絞り込む。例えば、干渉プレーヤ候補毎に、当該プレーヤが被干渉プレーヤとなった干渉行為実行データ570を参照して、その中に干渉対象ステージが今回と同じものが含まれる干渉プレーヤ候補を抽出する。その際、不得意エリアが一致するかについても判定し、一致する干渉プレーヤ候補を抽出する構成としてもよい。なお、各干渉プレーヤ候補のプレイデータ518をもとにして、干渉対象ステージのクリアに所定数回失敗しているかや、不得意エリアが一致するかの判定を行うのでもよい。
【0085】
ここでの絞り込みによって、過去に同じ問題点を抱えており、それを克服した干渉プレーヤ候補が、干渉プレーヤとして選定されるようにする。これにより、被干渉プレーヤにとって適切と思われる代替プレーヤが選定されるようになる。
【0086】
プレイ時レベル差条件の絞り込みでは、プレイ時レベル差条件を満たすかどうかで干渉プレーヤ候補を絞り込む。プレイ時レベル差条件は、例えば、「干渉プレーヤが干渉対象ステージをクリアしたときのプレイレベルが被干渉プレーヤよりもが高く、且つその差が所定値以内であること」等とすることができる。プレイレベルの大小は問わずに、その差のみを判定する条件でもよい。
【0087】
ここでの絞り込みによって、干渉対象ステージをクリアしたときのプレイレベルが被干渉プレーヤのプレイレベルと近い干渉プレーヤ候補が、干渉プレーヤとして選定されるようにする。前段の克服条件項目の絞り込みで過去に被干渉プレーヤと同じ問題点を有するゲームプレイを行った干渉プレーヤ候補が抽出されていることから、被干渉プレーヤと同じ問題点を抱えていた当時の経験値が被干渉プレーヤと同程度の干渉プレーヤ候補を、干渉プレーヤとして選定できる。これにより、被干渉プレーヤにとって適切と思われる代替プレーヤが選定されるようになる。
【0088】
なお、プレイ時レベル差条件は、「干渉プレーヤが干渉対象ステージをクリアしたときのプレイレベルが被干渉プレーヤよりも高く、且つその差が所定値以上であること」等とすることもできる。その場合は、被干渉プレーヤと比べてプレイレベルが相当程度高い干渉プレーヤ候補が、干渉プレーヤとして選定されることとなる。
【0089】
干渉プレイ実績条件項目の絞り込みでは、干渉プレイ実績条件を満たすかどうかで干渉プレーヤ候補を絞り込む。干渉プレイ実績条件は、例えば、「干渉プレイ実績の値が所定値以上であること」等とすることができる。これにより、被干渉プレーヤにとって適切と思われる代替プレーヤが選定されるようになる。
【0090】
また、干渉評価条件項目の絞り込みでは、干渉評価条件を満たすかどうかで干渉プレーヤ候補を絞り込む。干渉評価条件は、例えば、「干渉評価の値が所定値以上であること」等とすることができる。
【0091】
干渉プレイ実績条件項目の絞り込みによれば、例えば、干渉プレイ実績がある程度高い干渉プレーヤ候補を干渉プレーヤとして選定することができる。同様に、干渉評価条件項目の絞り込みによれば、干渉評価がある程度高い干渉プレーヤ候補を干渉プレーヤとして選定することができる。これにより、被干渉プレーヤにとって適切と思われる代替プレーヤが選定されるようになる。
【0092】
3-2.自動選定
決定した選定方法が「自動選定」の場合には、サーバシステム1100は、上記した絞り込み手順に従って干渉プレーヤを選定する。「自動選定」は、各干渉プレーヤ候補が選定の時点でログインしているか否かの判定を行わない点で「リアルタイム視聴時自動選定」と異なる。
【0093】
3-3.手動選定
決定した選定方法が「手動選定」の場合には、サーバシステム1100は、先ず、被干渉プレーヤのプレーヤ端末1500に対し、干渉プレーヤ候補の一覧を選択肢として提示する候補者一覧画面の表示を制御する。そして、この候補者一覧画面の一覧から1人を選ぶ候補者指定操作を受け付けて、干渉プレーヤを選定する。
【0094】
なお、上記した絞り込み手順に従って干渉プレーヤ候補をある程度絞り込んだ上で、候補者指定操作を受け付ける構成としてもよい。例えば、再干渉条件項目による絞り込みを行った上で、残った干渉プレーヤ候補の一覧を候補者一覧画面に表示するようにしてもよい。これによれば、被干渉プレーヤに対して前回も同じゲームステージを干渉対象ステージとした干渉行為が行われていたときに、前回よりも干渉プレイ実績や干渉評価が高い干渉プレーヤ候補の中から干渉プレーヤが選べるようにすることができる。
【0095】
3-4.応募選定
決定した選定方法が「応募選定」の場合には、サーバシステム1100は、干渉プレーヤを募集する制御を行い、当該募集に応募した応募プレーヤの中から干渉プレーヤを選定する。例えば、各干渉プレーヤ候補のプレーヤ端末1500に対して干渉プレーヤ候補となっている旨を通知する制御を行い、応募操作を受け付けることで募集の制御を行う。通知に際しては、応募操作を受け付けていることや、被干渉プレーヤの情報、干渉行為の内容等を併せて通知する。例えば、被干渉プレーヤのプレーヤ名、プレイレベル等のプレイ状況、干渉対象ステージのステージID、不得意エリアのエリア番号やその模範プレイ内容設定541等を通知に含めるとよい。そして、当該通知に応答した最初の応募操作を検出した場合に、当該応募操作を行った干渉プレーヤ候補(応募プレーヤ)を干渉プレーヤとして選定する。
【0096】
なお、応募操作の受け付けを開始してから所定時間が経過するまでの間待機し、その間に応募操作を行った干渉プレーヤ候補(応募プレーヤ)の中から干渉プレーヤを選定する構成としてもよい。例えば、被干渉プレーヤのプレーヤ端末1500に対し、応募プレーヤの一覧を選択肢として提示する応募者一覧画面の表示を制御する。そして、この応募者一覧画面の一覧から1人を選ぶ応募者指定操作を受け付けて、干渉プレーヤを選定する。もちろん、応募プレーヤの中からランダムに1人を選出するのでもよい。
【0097】
また、被干渉プレーヤが応募プレーヤの中から干渉プレーヤを選ぶ構成の場合には、被干渉プレーヤから対価を徴収する構成としてもよい。対価は、所定額のゲームコインでもよいし、所定数のゲーム内ポイント(ポイント)でもよい。そしてその場合は、干渉行為を行う場合の対価をプレーヤ毎に設定しておき、被干渉プレーヤが選んだ干渉プレーヤに係る対価を徴収する構成としてもよい。各プレーヤの対価は、例えば、干渉プレイ実績や干渉評価が高いほど高額にする等、適宜設定しておくことができる。各プレーヤが自分で設定するのでもよい。本構成においては、応募者一覧画面において、応募プレーヤの一覧に各々の対価の表示を付すとよい。これによれば、被干渉プレーヤは、徴収される対価の額を考慮しつつ、干渉プレーヤを選ぶことができる。
【0098】
また、応募選定の場合も、上記した絞り込み手順に従って干渉プレーヤ候補をある程度絞り込んだ上で、残った干渉プレーヤ候補を対象に募集の制御を行うようにしてもよい。
【0099】
また、上記各選定方法による干渉プレーヤの選定において干渉プレーヤ候補の絞り込みを行う場合には、実行する干渉行為種類に応じて絞り込み項目を変更する構成としてもよい。干渉行為種類と絞り込み項目との関係は、予め設定しておけばよい。例えば、リプレイ表示のときには、克服条件項目とプレイ時レベル差条件項目による絞り込みをこの順に行うとしてもよい。これによれば、被干渉プレーヤと同じ問題点を抱えていた当時の経験値が被干渉プレーヤと同程度の干渉プレーヤ候補の中から、干渉プレーヤを選定することが可能となる。そして、その干渉プレーヤが干渉対象ステージをクリアしたときのプレイ内容をリプレイ表示できるので、被干渉プレーヤが参考にし易い内容で攻略法を示すことが可能となる。
【0100】
4.実績決定処理
実績決定処理では、干渉プレーヤが干渉行為を行うたびに、干渉プレーヤの干渉プレイ実績の値を算出・更新する。具体的には、過去に行った干渉行為におけるゲームプレイに問題点が有ったか否かに基づく値として干渉プレイ実績を決定し、干渉行為を行ったプレーヤ毎に随時更新する。そのため、「アドバイス」を除く干渉行為の実行が更新の対象となる。
【0101】
例えば、干渉行為の結果干渉プレーヤが干渉対象ステージをクリアしており問題点が無かった場合は、当該干渉プレーヤに係る干渉プレイ実績に所定点数を加算する。一方、干渉対象ステージのクリアに失敗しており問題点が有った場合には所定点数を減算することで、プレーヤ毎にその干渉行為のたびに干渉プレイ実績の値を算出・更新していく。その際、当該干渉プレーヤの問題点が被干渉プレーヤの問題点と同じ場合の減点数を多くするとしてもよい。
【0102】
なお、干渉対象ステージをクリアしたか否かに加え、不得意エリアのゲームプレイが模範プレイ内容設定541に沿ったプレイ内容であったか否かに応じた加点や減点を行うことで、当該不得意エリアのプレイ内容を干渉プレイ実績の値に反映させる構成としてもよい。例えば、
図4の第10ステージの第2エリアが不得意エリアとして設定されていた場合であれば、干渉行為における第2エリアのプレイ内容が、模範プレイ内容設定541に合致しているかどうかを判定する。すなわち、スピードアイテムを所定数個以上使用しており模範プレイ内容設定541に合致していれば、所定点数の加点を行って干渉プレイ実績の値を更新する。逆に、合致していないときには所定点数の減点を行い、干渉プレイ実績の値を更新する。
【0103】
したがって、干渉プレイ実績の値は、そのプレーヤが行った干渉行為において期待された手本としてのゲームプレイを被干渉プレーヤに見せることができていれば増えるし、できていなければ減っていく。つまり、干渉プレイ実績の値は、そのプレーヤが干渉プレーヤとなったときに被干渉プレーヤに干渉対象ステージの攻略法を的確に示せたかどうか、或いは干渉対象ステージをクリアして確実に代行できたかどうかといった、干渉プレーヤとしての役割を果たしたかどうかを示す指標値である。
【0104】
5.評価決定処理
評価決定処理では、干渉プレーヤが干渉行為を行った後、被干渉プレーヤが干渉対象ステージのゲームプレイを行った場合に、干渉プレーヤの干渉評価の値を算出・更新する。具体的には、その干渉行為の前に被干渉プレーヤが行ったゲームプレイ上の問題点と、当該干渉行為の後に当該被干渉プレーヤが行ったゲームプレイ上の問題点との差に基づく値として干渉評価を決定し、干渉行為を行ったプレーヤ毎に随時更新する。そのため、「代行」を除く干渉行為の実行が更新の対象となる。
【0105】
例えば、干渉行為の後で被干渉プレーヤが干渉対象ステージのゲームプレイを行っており、その結果当該ゲームステージをクリアしたのであれば、干渉行為前に有った問題点が干渉行為後に解消されたこととなる。そのため、当該干渉行為を行った干渉プレーヤに係る干渉評価の値に所定点数を加算する。一方、当該ゲームプレイの結果当該ゲームステージをクリアできなかった場合には、干渉行為の前後で問題がある状態が変わらず両者に差がないため、当該干渉行為を行った干渉プレーヤに係る干渉評価の値から所定点数を減算する。このようにして、プレーヤ毎に、干渉評価の値を算出・更新する。
【0106】
なお、干渉評価の値を算出・更新においても、干渉プレイ実績と同様に、不得意エリアのゲームプレイが模範プレイ内容設定541に沿ったプレイ内容であったか否かに応じた加点や減点を行うとしてもよい。すなわち、干渉行為後の被干渉プレーヤによる干渉対象ステージのゲームプレイにおいて不得意エリアのプレイ内容が模範プレイ内容設定541に合致しているときには、干渉プレーヤの干渉行為によって被干渉プレーヤのゲームプレイが上達したといえるため、所定点数の加点を行って干渉評価に反映させるとしてもよい。
【0107】
したがって、干渉評価の値は、そのプレーヤが行った干渉行為の結果被干渉プレーヤが上手くゲームプレイできれば増えるし、できなければ減っていく。
【0108】
なお、干渉評価の決定手法は上記の手法に限らず、被干渉プレーヤの投票を受け付けることで決定する構成も可能である。例えば、被干渉プレーヤが自分のために干渉プレーヤが行った干渉行為に対して行った「いいね」の数をプレーヤ毎に計数することで、干渉評価の値を算出・更新するとしてもよい。
【0109】
6.特典付与処理
特典付与処理では、干渉行為を行ったプレーヤに対して特典を付与する制御を行う。その際、当該干渉行為がリアルタイム視聴の実演、随時視聴、又は代行の場合(干渉プレーヤが実際に干渉対象ステージのゲームをプレイした場合)には、当該干渉行為に係るゲームプレイの内容に基づいて、当該干渉プレーヤに付与する特典を可変に決定する。
【0110】
特典の内容は特に限定されないが、例えば、ゲームで利用可能なゲームオブジェクトを付与することができる。ゲームオブジェクトには、プレーヤキャラクタとして選択可能なキャラクタ、プレーヤキャラクタが装備し、又は使用することができる武器や防具、弾、薬等の各種アイテム、プレーヤキャラクタの乗り物、召喚獣、魔法やスキル等のプレーヤキャラクタに付加できる追加能力、抽選権等が含まれる。
【0111】
本実施形態では、予めゲームステージ毎に付与する特典の内容(特典内容535;
図8を参照)が設定される。そして、対応する適用干渉行為種類533の設定がリアルタイム視聴の実演、随時視聴、および代行の何れかである特典内容535には、ゲームプレイの内容に応じた場合分け毎に、付与するゲームオブジェクトの種類や数等が設定される。例えば、当該干渉行為に係るゲームプレイでそのゲームステージをクリアした場合とクリアしなかった場合とに分けて、特典の内容を設定しておくことができる。さらに、当該ゲームステージをクリアした場合を不得意エリアのゲームプレイが模範プレイ内容設定541に沿っているか否かで分けて、各々に異なる特典の内容を設定しておいてもよい。或いは、当該ゲームステージの難易度に応じた特典内容を設定しておくのでもよい。
【0112】
なお、特典は、干渉行為を終えた干渉プレーヤに必ず付与する構成に限らず、当該干渉行為の結果干渉プレイ実績が予め設定される所定値を超えた場合や、干渉評価が予め設定される所定値を超えた場合にのみ付与する構成としてもよい。
【0113】
[機能構成]
1.サーバシステム
図6は、サーバシステム1100の機能構成例を示すブロック図である。
図6に示すように、本実施形態のサーバシステム1100は、操作入力部100sと、サーバ処理部200sと、画像表示部390sと、音出力部392sと、通信部394sと、サーバ記憶部500sとを備える。
【0114】
操作入力部100sは、システム管理や保守等のための各種操作を入力するためのものであり、例えばキーボードやマウス、タッチパネル等で実現できる。
図1では、キーボード1106やタッチパネル1108がこれに該当する。
【0115】
サーバ処理部200sは、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100sやサーバ記憶部500sを含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100sからの操作入力信号、プレーヤ端末1500から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、サーバシステム1100の動作を統括制御する。
図1では、制御基板1150やそのCPU1151がこれに該当する。
【0116】
このサーバ処理部200sは、ユーザ管理部210と、課金処理部220と、ゲーム管理部230と、画像生成部290sと、音生成部292sと、通信制御部294sとを備える。
【0117】
ユーザ管理部210は、ユーザ登録に係る処理およびプレーヤID(アカウント)に紐付けられる各登録ユーザ(プレーヤ)のデータの管理を行う。例えば、ユーザ登録を済ませたプレーヤへの固有のプレーヤIDの付与処理、プレーヤID別に個人情報を登録管理する登録情報管理処理、ログインおよびログアウトの履歴等を管理する利用履歴管理処理等を実行することができる。勿論、これら以外のプレーヤIDに紐付けられる他のデータの管理処理も適宜含めることができる。
【0118】
課金処理部220は、プレーヤによるゲームコインの購入操作に応じて課金処理を行い、購入額相当のゲームコインを当該プレーヤに付与する。
【0119】
ゲーム管理部230は、ゲームの実行管理に係る各種処理を行う。本実施形態のゲームはクライアント・サーバ型のオンラインゲームなので、ゲーム管理部230は、プレーヤ端末1500と通信を行いながらゲームプレイに必要なデータを提供する制御を行う。このゲーム管理部230は、ゲーム進行制御部231と、分析部233と、選定部240と、干渉行為実行制御部251と、実績決定部253と、評価決定部255と、特典付与部257とを含む。
【0120】
ゲーム進行制御部231は、プレーヤ端末1500との通信を随時行って当該プレーヤ端末1500におけるゲームプレイの進行を制御し、プレイ内容の反映に関する処理を行う。
【0121】
分析部233は、分析処理を行う機能部であり、プレーヤ毎に各々のプレイデータ518を参照し、その複数回のゲームプレイを分析してゲームプレイ上の問題点を判別する。ここでの処理により、プレーヤに問題点(ゲームステージがクリアできないこと)が有るときには当該プレーヤが被干渉プレーヤとされ、当該ゲームステージが干渉対象ステージとされて、不得意エリアが設定される。
【0122】
選定部240は、選定処理を行う機能部であり、分析部233により判別された問題点に対応したゲームプレイが可能な干渉プレーヤを選定する。本実施形態では、干渉対象ステージの適用干渉行為種類533を実行種類とする。そして、干渉行為テーブル550に従い、実行種類に応じた選出方法で干渉プレーヤを選定する。
【0123】
この選定部240は、依頼受付部241と、募集制御部243とを備える。依頼受付部241は、分析部233によって被干渉プレーヤとされたプレーヤからの干渉行為の依頼を受け付ける。募集制御部243は、決定した選定方法が「応募選定」である場合に上記干渉プレーヤの募集制御を行って、当該募集に応募した応募プレーヤの中から干渉プレーヤを選定する。
【0124】
干渉行為実行制御部251は、干渉行為実行制御処理を行う機能部であり、干渉プレーヤによる実行種類の干渉行為の実行を制御する。
【0125】
実績決定部253は、実績決定処理を行う機能部であり、干渉行為を行った干渉プレーヤの当該干渉行為におけるゲームプレイに問題点が有ったか否かに基づく干渉プレイ実績の値を、干渉行為を行ったプレーヤ毎に算出・更新する。
【0126】
評価決定部255は、評価決定処理を行う機能部であり、過去に干渉行為を行った干渉プレーヤの当該干渉行為に対する干渉評価の値を、干渉行為を行ったプレーヤ毎に算出・更新する。
【0127】
特典付与部257は、特典付与処理を行う機能部であり、干渉プレーヤが干渉行為を終えた場合に、当該プレーヤに特典を付与する制御を行う。
【0128】
画像生成部290sは、サーバシステム1100のシステム管理等に関する画像を生成し、画像表示部390sへ出力する。
【0129】
音生成部292sは、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、サーバシステム1100のシステム管理や動画配信に係る操作音、BGM等の音声データを生成し、或いはデコードする。システム管理に関する音声信号は、音出力部392sへ出力される。
【0130】
通信制御部294sは、通信部394sを介して外部装置(例えばプレーヤ端末1500)とのデータ通信のための通信接続およびデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0131】
画像表示部390sは、画像生成部290sから入力される画像信号に基づいてシステム管理等のための各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。
図1では、タッチパネル1108がこれに該当する。
【0132】
音出力部392sは、音生成部292sから入力される音声信号を放音する。
図1では、本体装置1101やタッチパネル1108が備えるスピーカ(不図示)がこれに該当する。
【0133】
通信部394sは、ネットワーク9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。
図1では、通信装置1153がこれに該当する。
【0134】
サーバ記憶部500sには、サーバシステム1100を動作させ、サーバシステム1100が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。
図1では、ICメモリ1152やストレージ1140がこれに該当する。
【0135】
例えば、サーバ記憶部500sは、サーバプログラム501と、配信用ゲームクライアントプログラム503と、ユーザ管理データ510と、ゲーム設定データ520と、
図3に示した干渉行為テーブル550と、プレイ中データ560と、干渉行為実行データ570とを格納する。またその他にも、タイマーやカウンタ、各種フラグ等、必要なデータも適宜記憶できる。
【0136】
サーバプログラム501は、サーバ処理部200sをユーザ管理部210、課金処理部220およびゲーム管理部230として機能させるためのプログラムである。なお、画像生成部290sや音生成部292s、通信制御部294sとして機能させるプログラムも適宜これに含めることができる。
【0137】
配信用ゲームクライアントプログラム503は、プレーヤ端末1500にダウンロードされるゲームクライアントプログラム502(
図10を参照)の原本である。
【0138】
ユーザ管理データ510は、ユーザ登録を済ませたプレーヤ毎に用意され、当該プレーヤのゲームプレイに関する管理用の各種データを格納する。具体的には、1つのユーザ管理データ510は、
図7に示すように、該当するプレーヤのプレーヤID(アカウント)511と、決済媒体帳簿データ512と、プレイレベル513と、干渉プレイ実績514と、干渉評価515と、所有オブジェクトリスト516と、フレンドリスト517と、プレイデータ518とを含む。
【0139】
決済媒体帳簿データ512は、当該プレーヤに紐付けられる電子決済媒体(本実施形態ではゲーム内通貨であるゲームコイン)の収支の情報、例えば、ゲームコインの購入日時や購入数(課金額)の履歴、ゲームコインの消費日時や消費数の履歴等を格納する。
【0140】
所有オブジェクトリスト516は、当該プレーヤがゲームの過程で入手し、現時点で保有しているキャラクタや武器、アイテム等のゲームオブジェクトのリストを格納する。本実施形態では、特典付与処理でのゲームオブジェクトの付与にあたり、そのゲームオブジェクトのオブジェクトIDが所有オブジェクトリスト516に追加される。
【0141】
フレンドリスト517は、当該プレーヤがフレンド登録している他のプレーヤのリストを格納する。
【0142】
プレイデータ518は、当該プレーヤが行ったゲーム毎に用意される。そして、1つのプレイデータ518は、例えば、プレーヤキャラクタや敵キャラクタ、ゲーム空間を構成する背景オブジェクト等の制御履歴データや仮想カメラの制御履歴データ、当該プレーヤによる操作入力の履歴データ等が含まれる。このプレイデータ518によって、そのゲームプレイに係るゲーム空間の一切の事象を再現することができる。
【0143】
ゲーム設定データ520は、ゲームを実行するために必要な各種設定データを格納する。例えば、プレーヤキャラクタとすることができるキャラクタや敵キャラクタ等の各種能力パラメータ値、モデルデータ、動作制御に用いるモーションデータ等を定義するキャラクタ設定データ、ゲームの過程でプレーヤが入手し得るアイテム等の各種ゲームオブジェクトに係るオブジェクト定義データ等を格納する。
【0144】
また、ゲーム設定データ520は、
図8に示すように、ゲームステージの設定に係るステージ設定データ530を格納する。ステージ設定データ530は、ゲームステージ毎に用意される。そして、1つのステージ設定データ530は、例えば、該当するゲームステージのステージID531と、当該ゲームステージの適用干渉行為種類533と、当該ゲームステージを干渉対象ステージとした干渉行為に対する特典内容535と、当該ゲームステージを構成する各エリアのエリア設定データ540とを含む。
【0145】
1つのエリア設定データ540は、該当するエリアに係るゲーム空間を形成するための各種設定データや、敵キャラクタの出現設定等を格納する。また、エリア設定データ540は、当該エリアの模範プレイ内容設定541を格納する。
【0146】
プレイ中データ560は、実行中のゲーム毎に用意され、該当するゲームをプレイするプレーヤIDや、当該ゲームのプレイ状況(進行状況)を記述する各種データを格納する。このプレイ中データ560が、ゲームの終了後にプレイデータ518とされてプレーヤ毎に保持される。
【0147】
干渉行為実行データ570は、被干渉プレーヤによる依頼のあった干渉行為毎に用意される。具体的には、1つの干渉行為実行データ570は、
図9に示すように、干渉行為ID571と、実行済フラグ572と、実行日時573と、干渉対象ステージID574と、不得意エリア番号575と、干渉行為種類576と、干渉プレーヤ情報580と、被干渉プレーヤ情報590とを含む。
【0148】
実行済フラグ772は、該当する干渉行為が実行済みか否かを示すフラグ情報である。
【0149】
干渉プレーヤ情報580は、当該干渉行為の干渉プレーヤに関する情報を格納する。例えば、干渉プレーヤのプレーヤID581と、該当するプレーヤの当該干渉行為の時点でのプレイレベル582と、当該干渉行為時の干渉プレイ実績(干渉行為時実績)583と、当該干渉行為時の干渉評価(干渉行為時評価)584とを含む。
【0150】
被干渉プレーヤ情報590は、当該干渉行為の被干渉プレーヤに関する情報を格納する。例えば、被干渉プレーヤのプレーヤID591と、該当するプレーヤの当該干渉行為時のプレイレベル592とを含む。
【0151】
2.プレーヤ端末
図10は、プレーヤ端末1500の機能構成例を示すブロック図である。
図10に示すように、プレーヤ端末1500は、操作入力部100と、端末処理部200と、画像表示部390と、音出力部392と、通信部394と、端末記憶部500とを備える。
【0152】
操作入力部100は、プレーヤが各種操作を入力するためのものであり、例えば、ボタンスイッチ、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサ、角速度センサ、CCDモジュール等によって実現できる。
図2では、方向入力キー1502やホームキー1504、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0153】
端末処理部200は、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100や端末記憶部500を含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号、サーバシステム1100から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、プレーヤ端末1500の動作を統括制御する。
図2では、制御基板1550やそのCPU1551がこれに該当する。そして、本実施形態における端末処理部200は、プレーヤ端末演算部270と、画像生成部290と、音生成部292と、通信制御部294とを備える。
【0154】
プレーヤ端末演算部270は、プレーヤ端末1500をプレーヤのゲームプレイのための端末として機能させるための各種演算処理を実行する。例えば、プレーヤ端末演算部270は、操作信号送信制御部271と、ゲーム画面表示制御部273とを含む。
【0155】
操作信号送信制御部271は、操作入力部100に対する操作入力に応じて、各種データやリクエスト情報をサーバシステム1100へ送信するための処理を行う。
【0156】
ゲーム画面表示制御部273は、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて、ゲーム画面を表示するための制御を行う。例えば、本実施形態のオンラインゲームをウェブゲームとして実現するならば、ウェブブラウザをベースとしてHTMLとともにJava(登録商標)やCSS(Cascading Style Sheets)を利用して能動的に画面表示を制御するウェブ技術、Adobe(登録商標)Flash等のプラグインを用いて実現できる。勿論、その他の方法でもかまわない。また、本実施形態の構成では、ゲーム画面のベースとなるゲーム空間画像(例えば、3DCG等)はサーバシステム10にて生成されるが、ゲーム空間画像をプレーヤ端末1500で生成する構成も可能である。その場合、ゲーム画面表示制御部273は、3DCGを生成するための仮想3次元空間に配置されたオブジェクトの制御を行うこととなる。
【0157】
画像生成部290は、ゲーム画面表示制御部273と連係して、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面を表示するための画像信号を生成し、生成した画像信号を画像表示部390に出力する。例えば、GPU、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)等のプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデック等のプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現できる。
【0158】
音生成部292は、例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成IC等のプロセッサ、音声ファイルを再生するためのオーディオコーデック等によって実現され、ゲームの効果音やBGM、各種操作音の音声信号を生成して音出力部392に出力する。
【0159】
通信制御部294は、通信部394を介して外部装置(例えばサーバシステム1100)とのデータ通信のための通信接続およびデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0160】
画像表示部390は、画像生成部290から入力される画像信号に基づいて、ゲーム画面等の各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。
図2では、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0161】
音出力部392は、音生成部292から入力される音声信号に基づいてゲームに関する効果音やBGM等を放音する。
図2では、スピーカ1510がこれに該当する。
【0162】
通信部394は、ネットワーク9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。
図2では、無線通信モジュール1553がこれに該当する。
【0163】
端末記憶部500には、プレーヤ端末1500を動作させ、プレーヤ端末1500が備える機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。
図2では、ICメモリ1552や、メモリカード1540がこれに該当する。
【0164】
また、端末記憶部500には、ゲームクライアントプログラム502が格納される。ゲームクライアントプログラム502は、端末処理部200をプレーヤ端末演算部270として機能させるためのプログラムである。このゲームクライアントプログラム502は、オンラインゲームを実現する技術手法に応じた専用のクライアントプログラムであってもよいし、ウェブブラウザプログラムおよびインタラクティブな画像表示を実現するプラグイン等により構成するとしてもよい。本実施形態では、サーバシステム1100から提供される配信用ゲームクライアントプログラム503(
図6を参照)のコピーとする。
【0165】
[処理の流れ]
図11は、サーバシステム1100の処理の流れを示すフローチャートである。ここで説明する処理は、サーバ処理部200sがサーバプログラム501を読み出して実行することによって実現される。
【0166】
サーバシステム1100では、ゲームプレイを開始するプレーヤがいる場合は(ステップS101:YES)、ゲーム進行制御部231がゲームを実行し、当該プレーヤのプレーヤ端末1500でのゲームプレイの進行を制御する(ステップS103)。
【0167】
そして、ゲームプレイが終了したならば、分析部233が分析処理を行い、当該ゲームをプレイしたプレーヤの今回のプレイデータ518を含む複数回分のプレイデータ518を用いてそのゲームプレイを分析し、ゲームプレイ上の問題点を判別する(ステップS105)。
【0168】
分析処理の結果問題点が有る場合には(ステップS107:YES)、被干渉プレーヤからの干渉行為の依頼を受け付ける(ステップS109)。そして、干渉行為の依頼を受け付けた場合には(ステップS111:YES)、選定部240が選定処理を行い、ステップS105で判別された問題点に対応したゲームプレイが可能な干渉プレーヤを選定する(ステップS113)。
【0169】
続いて、干渉行為実行制御部251が干渉行為実行制御処理を行い、ステップS113で選定した干渉プレーヤによる干渉行為の実行を制御する(ステップS115)。
【0170】
干渉プレーヤの干渉行為が終了したならば、実績決定部253が実績決定処理を行い、ステップS115での制御のもと干渉行為を行った干渉プレーヤの干渉プレイ実績を算出・更新するとともに(ステップS117)、評価決定部255が評価決定処理を行い、当該干渉プレーヤの干渉評価を算出・更新する(ステップS119)。そして、特典付与部257が特典付与処理を行い、干渉プレーヤに特典を付与する(ステップS121)。
【0171】
その後は、本処理の終了判定がされなければ(ステップS123:NO)、ステップS1に戻って上記した処理を繰り返す。
【0172】
以上説明したように、本実施形態によれば、プレーヤの複数回のゲームプレイを分析してゲームプレイ上の問題点を判別することができる。そして、判別された問題点に対応したゲームプレイが可能な干渉プレーヤを選定し、当該干渉プレーヤが行うゲームプレイを被干渉プレーヤに視聴可能に提供する(実演又はリプレイ表示)とか、干渉プレーヤが被干渉プレーヤの代わりにゲームプレイを行う(代行)とか、干渉プレーヤが被干渉プレーヤにゲームプレイについてアドバイスするといった、干渉プレーヤによる被干渉プレーヤへの所定の干渉行為の実行を制御することができる。したがって、被干渉プレーヤのゲームプレイ上の問題点を克服するゲームプレイが可能な干渉プレーヤを確実に選定することができる。これにより、被干渉プレーヤにとって適切と思われる代替プレーヤを選択することが可能となる。
【0173】
なお、本発明を適用可能な形態は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0174】
[変形例1]
例えば、上記実施形態では、干渉行為の対象となるゲームの進行単位をゲームステージとして説明したが、エリアを進行単位としてもよい。例えば、
図4の例では、最終的にクリアできなかった第4エリアをゲームプレイ上の問題点が有るエリアとし、第4エリアを干渉行為の対象とする構成でもよい。
【0175】
或いは、所定数回クリアに失敗した各ゲームプレイにおいてクリアできなかったエリア(不得意エリア)を全て問題点の有るエリアとして、干渉行為の対象とする構成でもよい。例えば、
図4の例では、不得意エリアである第2エリアと第4エリアとをそれぞれ干渉行為の対象とする。本例のように不得意エリアが複数あるときは、不得意エリア毎に干渉プレーヤを選定するようにしてもよい。
【0176】
[変形例2]
また、干渉対象ステージにおいてエリア単位で問題点を判別する場合には、問題点の無いエリアを干渉行為の対象に含められるようにしてもよい。
【0177】
例えば、被干渉プレーヤによる追加依頼操作を受け付けた場合に、当該追加依頼操作において指示されたエリアを干渉行為の対象として干渉プレーヤの選定を行う。その場合は、選定部240が、課金選定手段として、被干渉プレーヤによる対価又はポイント(例えばゲームコインやゲーム内ポイント)の支払いと引き換えに、干渉プレーヤを選定する。
【0178】
これによれば、例えば、プレーヤが、あるエリアについてクリアはできたもののプレイ内容に満足できず、模範的なプレイ内容を知りたいと考えた場合等において、当該プレーヤが被干渉プレーヤとして、当該エリアの干渉行為を依頼することができる。そしてその際に、当該被干渉プレーヤから所定額のゲームコイン等を徴収した上で、干渉プレーヤを選定することができる。
【0179】
或いは、干渉プレーヤを選定した後で、干渉プレーヤによる追加要請操作を受け付けるようにしてもよい。この追加要請操作は、当初から干渉行為の対象とされている問題点の有るエリアに、問題点の無いエリアを加えて干渉行為の対象を変更する操作であり、追加要請操作を受け付けた場合には、当該追加要請操作において指示されたエリアを干渉行為の対象に追加する制御を行う。
【0180】
これによれば、例えば、第1エリア~第3エリアの3つのエリアで構成されたゲームステージにおいて第2エリアに問題点が有る場合に、干渉プレーヤにとって第1エリアから通してゲームをプレイした方がプレイし易いときに第1エリアについて追加要請操作を行うといったことが可能となる。
【0181】
なお、その場合も、追加要請操作を行ったプレーヤ(干渉プレーヤ)から対価を徴収することとしてもよい。或いは、問題点の無いエリアを干渉行為の対象に追加したことを干渉プレイ実績や干渉評価に反映させる構成としてもよい。すなわち、干渉行為後の干渉プレイ実績や干渉評価の算出に際し、それから所定点数を減点することとしてもよい。
【0182】
[変形例3]
また、上記実施形態では、選定方法の1つである応募選定において干渉プレーヤの募集制御を行い、当該募集に応募した干渉プレーヤ候補(応募プレーヤ)の中から1人を干渉プレーヤとして選定する構成を説明した。これに対し、応募の際にオーディションを実施するとしてもよい。その場合には、募集制御部243が、オーディション実施手段として、応募プレーヤによるゲームプレイを受け付けることでオーディションを行い、オーディションの結果に基づいて干渉プレーヤを選定する。つまり、オーディションは、応募プレーヤの各々が応募の時点で干渉対象ステージを実際にプレイすることによって行う。
【0183】
そして、例えば、応募の際に受け付けたオーディションに係るゲームプレイにおいて応募プレーヤが干渉対象ステージをクリアしており、被干渉プレーヤが有する問題点に対応したゲームプレイができているときは、当該応募プレーヤのオーディションの結果を合格とする。或いは、干渉対象ステージをクリアしたことに加えて、不得意エリアのプレイ内容がその模範プレイ内容設定541に合致している場合に合格とするのでもよい。その後は、合格した応募プレーヤの中から干渉プレーヤを選定する。ランダムに1人を選出するのでもよいし、被干渉プレーヤが選ぶのでもよい。干渉プレーヤを選定したならば、干渉行為実行制御処理に移る。
【0184】
また、オーディションに係るゲームプレイの内容を被干渉プレーヤに見せ、被干渉プレーヤが気に入ったゲームプレイを選んで合格者(つまり干渉プレーヤ)を選定する構成としてもよい。その場合には、干渉プレーヤを選定した後の干渉行為実行制御処理は省略してもよい。被干渉プレーヤは、干渉プレーヤのゲームプレイを既に視聴しているからである。
【0185】
また、本変形例のオーディションを行う場合には、募集に際して応募資格を提示し、応募可能な干渉プレーヤを制限するようにしてもよい。例えば、応募資格には、被干渉プレーヤとのレベル差等を含めることができる。
【0186】
また、募集に際しては、干渉行為を行うと付与される特典内容を更に提示するとしてもよい。これによれば、干渉プレーヤ候補は、干渉行為を行うと獲得できる特典の内容を考慮して、応募するかどうか決めることができる。
【0187】
[変形例4]
また、上記実施形態や上記変形例1等では、ゲームステージやエリア等の進行単位毎にそれがクリアできないことを問題点として判別することとしたが、操作入力の履歴データからそのプレーヤが苦手としている操作入力を問題点として判別することもできる。
【0188】
例えば、プレーヤがプレーヤキャラクタを操作し、攻撃や防御の動作を行わせて対戦する格闘ゲームの仕様として、プレーヤキャラクタが行う動作に硬直時間が設定されているものが知られている。硬直時間は、その動作の実行後、次の動作を開始できるようになるまでに要する時間をいう。硬直時間が経過するまでの間は、次の動作の操作を入力しても無効である。よって、対戦相手の側からみれば、ガードされることなく確実に攻撃をヒットできる「確定反撃」の機会となる。この確定反撃の操作入力が苦手か否かを問題点として判別するとしてもよい。例えば、ゲームプレイ中の対戦相手のキャラクタの硬直時間における操作入力を抽出し、当該確定反撃の機会を逃さずにダメージを与えることができているか否かやそのダメージの大きさ等から確定反撃の成否を判定することで、複数回のゲームプレイにおける確定反撃の成功率を求める。そして、成功率が所定値以下の場合に、確定反撃の操作入力に問題点が有ると判別する。
【0189】
或いは、ゲームプレイ中に操作ミスをして失敗することの多かった操作入力を特定して、それらの操作入力を問題点として判別するとしてもよい。例えば、格闘ゲームにおいてゲームプレイ中になされたコンボ入力の操作入力を抽出し、その成否を判定することで、複数のゲームプレイにおけるコンボ入力毎の成功率を求める。そして、成功率が所定値以下のコンボ入力があれば、そのコンボ入力の操作入力に問題点が有ると判別する。
【0190】
そして、問題点が有るときには、判別した問題点に対応したゲームプレイが可能な干渉プレーヤを選定し、選定した干渉プレーヤによる干渉行為の実行を制御する。すなわち、上記した確定反撃の例であれば、例えば、複数回のゲームプレイを分析した結果硬直時間において安定して効率よくダメージを与えているプレーヤを干渉プレーヤとして選定し、当該干渉プレーヤが行うゲームプレイを被干渉プレーヤに視聴可能に提供する等して干渉行為の実行を制御する。被干渉プレーヤは、視聴した干渉プレーヤのゲームプレイから、硬直時間におけるキャラクタの立ち振る舞い等を学習できる。
【符号の説明】
【0191】
1000…ゲームシステム
1100…サーバシステム
100s…操作入力部
200s…サーバ処理部
210…ユーザ管理部
220…課金処理部
230…ゲーム管理部
231…ゲーム進行制御部
233…分析部
240…選定部
241…依頼受付部
243…募集制御部
251…干渉行為実行制御部
253…実績決定部
255…評価決定部
257…特典付与部
290s…画像生成部
292s…音生成部
294s…通信制御部
390s…画像表示部
392s…音出力部
394s…通信部
500s…サーバ記憶部
501…サーバプログラム
503…配信用ゲームクライアントプログラム
510…ユーザ管理データ
513…プレイレベル
514…干渉プレイ実績
515…干渉評価
517…フレンドリスト
518…プレイデータ
520…ゲーム設定データ
530…ステージ設定データ
533…適用干渉行為種類
535…特典内容
540…エリア設定データ
541…模範プレイ内容設定
550…干渉行為テーブル
560…プレイ中データ
570…干渉行為実行データ
574…干渉対象ステージID
575…不得意エリア番号
576…干渉行為種類
580…干渉プレーヤ情報
583…干渉行為時実績
584…干渉行為時評価
590…被干渉プレーヤ情報
1500…プレーヤ端末
100…操作入力部
200…端末処理部
270…プレーヤ端末演算部
271…操作信号送信制御部
273…ゲーム画面表示制御部
290…画像生成部
292…音生成部
294…通信制御部
390…画像表示部
392…音出力部
394…通信部
500…端末記憶部
502…ゲームクライアントプログラム
9…ネットワーク
2…プレーヤ