(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】収量調整方法、収量調整支援方法及び収量調整支援プログラム、並びに情報処理装置
(51)【国際特許分類】
A01G 22/05 20180101AFI20231228BHJP
A01G 7/06 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
A01G22/05 Z
A01G7/06 A
(21)【出願番号】P 2020191629
(22)【出願日】2020-11-18
【審査請求日】2023-05-17
(31)【優先権主張番号】P 2019212897
(32)【優先日】2019-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501203344
【氏名又は名称】国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】東出 忠桐
(72)【発明者】
【氏名】小田 篤
【審査官】吉原 健太
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-515094(JP,A)
【文献】特開2007-308493(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102510720(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0277191(US,A1)
【文献】山崎 聖司,キュウリの性分化における雄蕊・雌蕊原基の退化に働く新規MMP遺伝子の単離と解析,日本,2013年07月10日,[2023年11月24日検索],インターネット<URL:https://kaken.nii.ac.jp/ja/report/KAKENHI-PROJECT-23780026/237800262011hokoku/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 2/00 - 2/38
A01G 5/00 - 7/06
A01G 9/28
A01G 17/00 - 17/02
A01G 17/18
A01G 20/00 - 22/67
A01G 24/00 - 24/60
A01N 1/00 - 65/48
A01P 1/00 - 23/00
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウリ科野菜果実の植物体に対して、雌花が着生する節に雄花を着生させる作用を有する植物成長調整剤を第1のタイミングで施用することで、前記第1のタイミングから所定期間経過後に前記植物体に着生する雌花の量を減少させ、前記ウリ科野菜果実の収量を調整する、ことを特徴とする収量調整方法。
【請求項2】
前記植物成長調整剤は、前記植物体における花の性決定を制御する植物ホルモンの合成又は作用を阻害し、あるいは前記植物ホルモンの代謝又は作用を攪乱する植物成長調整剤である、ことを特徴とする請求項1に記載の収量調整方法。
【請求項3】
前記植物成長調整剤は、1-MCP(1-methylcyclopropene)である、ことを特徴とする請求項2に記載の収量調整方法。
【請求項4】
前記植物成長調整剤の濃度を、前記収量の調整量に基づいて決定する、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の収量調整方法。
【請求項5】
前記植物成長調整剤の濃度は、前記植物体に施用した前記植物成長調整剤の濃度と、前記植物成長調整剤を施用した後に前記植物体に着生した雌花の減少量との関係を示す情報に基づいて、決定することを特徴とする請求項4に記載の収量調整方法。
【請求項6】
前記植物成長調整剤の濃度は、前記植物体に施用した前記植物成長調整剤の濃度と、前記植物成長調整剤を施用した後に前記植物体に雄花が着生する期間との関係を示す情報に基づいて、決定することを特徴とする請求項4又は5に記載の収量調整方法。
【請求項7】
前記収量を減らす必要のある期間を特定し、
特定した前記期間に基づいて、前記植物体に施用する前記植物成長調整剤の濃度を決定する、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の収量調整方法。
【請求項8】
前記濃度を決定する処理において、前記植物成長調整剤を施用した後の日平均気温に基づいて、前記濃度を決定する、ことを特徴とする請求項7に記載の収量調整方法。
【請求項9】
ウリ科野菜果実の収量を予測し、
予測した前記収量に基づいて、前記ウリ科野菜果実の植物体に対して、雌花が着生する節に雄花を着生させる作用を有する植物成長調整剤を施用する第1のタイミングを決定し、出力する、
処理をコンピュータが実行する収量調整支援方法。
【請求項10】
前記出力する処理では、前記第1のタイミングが到来したことを報知する、ことを特徴とする請求項9に記載の収量調整支援方法。
【請求項11】
前記出力する処理では、前記植物体に対して前記植物成長調整剤を施用する施用装置に対して、前記第1のタイミングが到来したことを通知する、ことを特徴とする請求項9に記載の収量調整支援方法。
【請求項12】
予測した前記収量に基づいて、前記ウリ科野菜果実の収量を減らす必要のある第2のタイミングを特定し、特定した前記第2のタイミングから所定時間遡ったタイミングを前記第1のタイミングとして決定する、ことを特徴とする請求項9~11のいずれか一項に記載の収量調整支援方法。
【請求項13】
前記ウリ科野菜果実の収穫を行う人手の情報を取得し、
前記第1のタイミングを決定する際に、予測した前記収量と前記人手の情報とに基づいて、前記第2のタイミングを特定する、ことを特徴とする請求項12に記載の収量調整支援方法。
【請求項14】
予測した前記収量に基づいて、前記植物成長調整剤の濃度を決定し、出力する、処理を前記コンピュータが更に実行することを特徴とする請求項9~13のいずれか一項に記載の収量調整支援方法。
【請求項15】
前記植物成長調整剤の濃度を決定し、出力する処理では、前記植物成長調整剤の濃度を、前記植物体に施用した前記植物成長調整剤の濃度と、前記植物成長調整剤を施用した後に前記植物体に着生した雌花の減少量との関係を示す情報に基づいて、決定することを特徴とする請求項14に記載の収量調整支援方法。
【請求項16】
前記植物成長調整剤の濃度を決定し、出力する処理では、前記植物成長調整剤の濃度を、前記植物体に施用した前記植物成長調整剤の濃度と、前記植物成長調整剤を施用した後に前記植物体に雄花が着生する期間との関係を示す情報に基づいて、決定することを特徴とする請求項14又は15に記載の収量調整支援方法。
【請求項17】
予測した前記収量に基づいて、前記収量を減らす必要のある期間を特定し、
特定した前記期間に基づいて、前記植物体に施用する前記植物成長調整剤の濃度を決定し、出力する、処理を前記コンピュータが更に実行することを特徴とする請求項9~13のいずれか一項に記載の収量調整支援方法。
【請求項18】
前記濃度を決定し、出力する処理では、前記植物成長調整剤を施用した後の日平均気温に基づいて、前記濃度を決定する、ことを特徴とする請求項17に記載の収量調整支援方法。
【請求項19】
ウリ科野菜果実の収量を予測し、
予測した前記収量に基づいて、前記ウリ科野菜果実の植物体に対して、雌花が着生する節に雄花を着生させる作用を有する植物成長調整剤を施用する第1のタイミングを決定し、出力する、
処理をコンピュータに実行させるための収量調整支援プログラム。
【請求項20】
ウリ科野菜果実の収量を予測する予測部と、
予測した前記収量に基づいて、前記ウリ科野菜果実の植物体に対して、雌花が着生する節に雄花を着生させる作用を有する植物成長調整剤を施用する第1のタイミングを決定する決定部と、
決定した前記第1のタイミングの情報を出力する出力部と、を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収量調整方法、収量調整支援方法及び収量調整支援プログラム、並びに情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ウリ科野菜果実(例えばキュウリ)は、果実の収穫適期が半日程度と短い。このため、収穫作業が間に合わない場合は収穫の適期を逃し、規格外となるので廃棄せざるを得ないことがある。近年の労働者不足や働き方改革によって施設園芸でも作業者を十分に確保することは難しく、作業量の平準化は重要な課題である。また、雌花が増え果実が必要以上に多くなると、樹勢が衰え、成長点が消失していわゆるかんざし状態となり、生育停止となることがしばしばある。
【0003】
なお、ホップの育種のために、ホップ雌株に対して、内生エチレンによる反応を低減する薬剤を施用して、雄株を着生させる技術が知られている(例えば、特許文献1等参照)。また、雌雄同株系統キュウリ果実の増収を図るために、アブサイジン酸で処理する技術が知られている(例えば、特許文献2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開2013/027659号
【文献】特開昭63-36716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
トマトのような果菜類では着果数が多すぎると見込まれるときは、摘果作業によって果実数を制限する。しかしながら、着果から収穫までの時間が短く1花に1果しかつかないウリ科野菜果実の栽培においては、摘果作業は、収穫と同等の作業労力・時間が必要となり、作業の省力化や平準化には貢献しない。
【0006】
本発明は、手間を掛けずにウリ科野菜果実の収量を調整することが可能な収量調整方法を提供することを目的とする。また、本発明は、ウリ科野菜果実の収量を調整するための植物成長調整剤の適切な施用タイミングを出力することが可能な収量調整支援方法及び収量調整支援プログラム、並びに情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の収量調整方法は、ウリ科野菜果実の植物体に対して、雌花が着生する節に雄花を着生させる作用を有する植物成長調整剤を第1のタイミングで施用することで、前記第1のタイミングから所定期間経過後に前記植物体に着生する雌花の量を減少させ、前記ウリ科野菜果実の収量を調整する、収量調整方法である。
【0008】
本発明の収量調整支援方法は、ウリ科野菜果実の収量を予測し、予測した前記収量に基づいて、前記ウリ科野菜果実の植物体に対して、雌花が着生する節に雄花を着生させる作用を有する植物成長調整剤を施用する第1のタイミングを決定し、出力する、処理をコンピュータが実行する収量調整支援方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の収量調整方法は、手間を掛けずにウリ科野菜果実の収量を調整することができるという効果を奏する。また、本発明の収量調整支援方法及び収量調整支援プログラム、並びに情報処理装置は、ウリ科野菜果実の収量を調整するための植物成長調整剤の適切な施用タイミングを出力することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1の実施形態に係る農業システムの構成を示す図である。
【
図2】
図1の情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図4】キュウリの収量を予測する手順を示す図である。
【
図5】収量予測部が予測した各週における収量を示すグラフである。
【
図6】
図6(a)は、キュウリの植物体に対して1-MCPを施用しない場合(対象区)の各節位における雌花節と雄花節の比率の一例を示す図であり、
図6(b)は、キュウリの植物体に対して、第3節が出現したタイミングで、1-MCPを3日間施用した場合の各節位における雌花節と雄花節の比率を示す図である。
【
図7】情報処理装置の処理を示すフローチャートである。
【
図8】
図5の収量予測結果に基づいて、作業量(作業者全員の延べ作業時間)を算出した結果を示す図である。
【
図9】
図9(a)、
図9(b)は、作業量上限の変形例を示す図である。
【
図10】
図10(a)~
図10(c)は、キュウリ植物体に対して、1-MCPを施用しなかった場合(対象区)、第5節が出現したタイミングで濃度1ppmの1-MCPを施用した場合、第5節が出現したタイミングで濃度4ppmの1-MCPを施用した場合、の各節位における雄花と雌花の出現割合を示すグラフである。
【
図11】1-MCPの濃度ごとに、施用後に増加した雄花の割合をプロットした結果、及び回帰曲線を示すグラフである。
【
図12】1-MCPの濃度ごとに、施用後に雄花のつく節の範囲、すなわち最初に雄花がでた節から最後に雄花がでた節までの節数をプロットした結果、及び回帰曲線を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
《第1の実施形態》
以下、農業システムの第1の実施形態について、
図1~
図8に基づいて詳細に説明する。
図1には、第1の実施形態に係る農業システム100の構成が概略的に示されている。本第1の実施形態の農業システム100は、ウリ科野菜果実(例えばキュウリ)を栽培する大規模施設(例えば温室)において、キュウリの収量を予測し、必要な作業の情報を出力するシステムである。
【0012】
農業システム100は、
図1に示すように、情報処理装置10と、屋外センサ12と、温室20内に設置された温室内センサ14と、外部サーバ22と、を備える。情報処理装置10、屋外センサ12、温室内センサ14、外部サーバ22は、インターネットなどのネットワークを介して接続されており、各装置間において情報のやり取りが可能となっている。
【0013】
情報処理装置10は、温室20内でキュウリを栽培する作業者が利用可能な情報処理装置である。情報処理装置10は、屋外センサ12や温室内センサ14において取得される環境情報、外部サーバ22から入力される屋外環境の予測情報を取得する。また、情報処理装置10は、屋外環境の予測情報に基づいて、温室20内の環境を推定する。そして、情報処理装置10は、推定した温室20内の環境と、過去の温室20内の環境と、に基づいて、例えば1、2カ月先までの各日や各週におけるキュウリの収量を予測する。また、情報処理装置10は、予測した収量に基づいて、収量を減らすべき日や週(第2のタイミング)を決定し、決定した日や週から所定日数前を、作業者が所定の作業を実行すべきタイミング(第1のタイミング)として決定し、出力する。なお、情報処理装置10の構成や処理、作業者が行う所定の作業の詳細については後述する。
【0014】
屋外センサ12は、温室20の外部の気温を検出する温度センサや日射を検出する日射センサを含み、検出結果を情報処理装置10に対して入力する。
【0015】
温室内センサ14は、温室20内の気温を検出する温度センサ、温室20内の日射を検出する日射センサ、温室20内のCO2(二酸化炭素)濃度を検出するCO2濃度センサを含み、検出結果を情報処理装置10に対して入力する。なお、温室内センサ14には、温室20内の湿度(相対湿度)を検出する湿度センサが含まれていてもよい。
【0016】
外部サーバ22は、屋外環境の予測情報を情報処理装置10に提供するサーバである。外部サーバ22は、過去の気象データや、気象予報データ等に基づいて、屋外環境の予測情報を生成し、情報処理装置10に提供する。
【0017】
ここで、情報処理装置10の構成や処理について詳細に説明する。
図2には、情報処理装置10のハードウェア構成が概略的に示されている。
図2に示すように、情報処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)90、ROM(Read Only Memory)92、RAM(Random Access Memory)94、記憶部(ここではHDD(Hard Disk Drive))96、ネットワークインタフェース97、表示部93、入力部95、及び可搬型記憶媒体用ドライブ99等を備えている。表示部93は、液晶ディスプレイ等を含み、入力部95は、キーボードやマウス、タッチパネル等を含む。これら情報処理装置10の構成各部は、バス98に接続されている。情報処理装置10では、ROM92あるいはHDD96に格納されているプログラム(収量調整支援プログラムを含む)、或いは可搬型記憶媒体用ドライブ99が可搬型記憶媒体91から読み取ったプログラム(収量調整支援プログラムを含む)をCPU90が実行することにより、
図3に示す各部の機能が実現される。なお、
図3の各部の機能は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0018】
図3には、情報処理装置10の機能ブロック図が示されている。情報処理装置10においては、CPU90がプログラムを実行することにより、
図3に示すように、情報取得部30、予測部としての収量予測部32、決定部としての処理タイミング決定部34、出力部36、としての機能が実現されている。
【0019】
情報取得部30は、屋外センサ12、温室内センサ14及び外部サーバ22から情報を取得し、収量予測部32に受け渡す。
【0020】
収量予測部32は、情報取得部30から受け取った情報に基づいて、例えば1、2か月先までの各日や各週のキュウリの収量を予測し、予測結果を処理タイミング決定部34に受け渡す。
【0021】
図4には、キュウリの収量を予測する手順が示されている。ここで、
図4の処理が開始される段階では、作業者は、情報処理装置10の入力部95を用いて、キュウリの生体情報(栽植密度や、平均的な個葉面積(葉長及び葉幅から求められる))を入力しているものとする。また、吸光係数、果実への分配率、果実乾物率は予め定められているものとする。また、収量予測部32は、収量を予測する日の気温、日射量、CO
2濃度の予測値を取得しているものとする。
【0022】
図4の処理では、まず、収量予測部32が、気温に基づいて、葉数(展開葉数)を計算する。次いで、収量予測部32は、個葉面積と栽植密度から葉面積指数(LAI:Leaf Area Index)を計算する。ここで、葉面積指数は、単位土地面積(1m
2)に対する作物の全葉面積(m
2)を意味する。すなわち、葉面積指数(m
2/m
2)は、個体あたり葉面積と栽植密度の積であるといえる。
【0023】
次いで、収量予測部32は、葉面積指数(LAI)、積算日射量(MJ/m2)、吸光係数から一日の積算受光量を計算する。次いで、収量予測部32は、一日の平均CO2濃度から光利用効率(g/MJ)を計算する。そして、収量予測部32は、一日の積算受光量と光利用効率との積を求め、一日の総乾物生産量(g/(m2・d))とする。
【0024】
次いで、収量予測部32は、総乾物生産量に果実分配率をかけて、一日の乾物果実収量とする。そして、収量予測部32は、一日の乾物果実収量を果実乾物率で除して、一日の果実(キュウリ)の収量を算出する。
【0025】
収量予測部32は、
図4の手順を繰り返すことで、例えば、1、2カ月先までの各日や各週の収量を予測する。なお、収量予測部32は、気温、日射量、CO
2濃度以外の予測値、例えば湿度などの予測値を収量予測に用いることとしてもよい。
【0026】
図5には、収量予測部32が予測した各週における収量の変化がグラフにて示されている。収量予測部32は、
図5に示す予測結果を処理タイミング決定部34に対して受け渡す。
【0027】
処理タイミング決定部34は、収量予測部32から受け取った収量の予測結果に基づいて、作業者に所定の作業をどのタイミングで実行させるかを決定する。処理タイミング決定部34は、決定したタイミングの情報を、出力部36に受け渡す。
【0028】
ここで、作業者が実行する「所定の作業」とは、キュウリの植物体に対して、雌花が着生する節に雄花を着生させる作用を有する植物成長調整剤を施用する作業である。植物成長調整剤としては、例えば、1-MCP(1-methylcyclopropene)を用いることができる。
【0029】
1-MCPは、キュウリの花の性を制御するエチレンの作用を阻害するエチレン作用阻害剤である。また、1-MCPは、硝酸銀等の劇物のように人体に対して有害ではないため、1-MCPを施用した植物体から収穫されたキュウリを人が摂取しても人体への影響はない。
【0030】
図6(a)には、キュウリの植物体に対して1-MCPを施用しない場合(対象区)の各節位における雌花節と雄花節の比率の一例が示されている。
図6(a)では、第3節は雄花が100%であり、第4節は雄花が67%(33%は雄花も雌花も着花しなかった)であったことが示されている。また、第5節、第6節は雌花が100%であったことが示されている。
【0031】
これに対し、
図6(b)には、キュウリの植物体に対して、第3節が出現したタイミングで、1-MCPを3日間施用した場合の各節位における雌花節と雄花節の比率が示されている。1-MCPを施用する際には、キュウリの植物体を箱に入れ、箱内に1-MCP(気体)を充填させることとした。
図6(b)と
図6(a)からは、1-MCPを施用すると、その所定期間後(第5節~第8節)において雄花の数が増え、雌花の数が減ったことがわかる。
【0032】
本発明者は、
図6(a)、
図6(b)から、1-MCPをキュウリの植物体に施用すれば、施用したタイミングから所定期間P後に着花する節位において雌花を減らすことができることを見出した。更に、本発明者は、着花から収穫までの平均日数Mに所定期間Pを加えた日数を、遡る日数Dとして定めておき、収量を減らしたい日から日数Dだけ遡ったタイミングで1-MCPを施用すれば、収量を減らしたい日に収量を減らすことができることを見出した。
【0033】
したがって、処理タイミング決定部34は、収量予測部32から受け取った収量の予測結果に基づいて、収量を減らすべき時点(第2のタイミング)を特定し、その時点から日数Dだけ遡ったタイミング(第1のタイミング)を、1-MCPを施用すべき日として決定し、出力部36に受け渡す。
【0034】
出力部36は、処理タイミング決定部34から受け取った1-MCPを施用すべき日の情報を表示部93に表示するなどして、作業者に報知する。また、出力部36は、1-MCPを施用すべき日が到来したときに、その旨を表示部93等に表示するなどして、作業者に報知する。作業者は、表示部93に表示された情報を参照することにより、適切なタイミングで1-MCPを施用することができる。ここで、作業者は、ビニールハウス一棟ごとに1-MCPを施用するものとする。例えば、収量を半分にしたい場合、作業者は、管理しているn棟のビニールハウスのうち、n/2棟のビニールハウス内に1-MCPを充満させて、ビニールハウス内の植物体に1-MCPを施用する。
【0035】
(情報処理装置10の処理)
次に、情報処理装置10の処理について、
図7のフローチャートに沿って、その他図面を適宜参照しつつ詳細に説明する。
図7の処理は、作業者が管理している複数のビニールハウス内において、キュウリの植物体が所定大きさになった段階で実行されるものとする。なお、
図7の処理が開始される際には、作業者の実験の結果得られた所定期間P、着花から収穫までの平均日数M、が処理タイミング決定部34に予め入力されており、処理タイミング決定部34は、所定期間Pと平均日数との和である遡る日数Dを予め算出しているものとする。
【0036】
図7の処理では、まず、ステップS10において、情報取得部30が、屋外センサ12、温室内センサ14及び外部サーバ22から情報を取得する。情報取得部30は、取得した情報を収量予測部32に受け渡す。
【0037】
次いで、ステップS12では、収量予測部32が、収量予測を実行する。ここでは、収量予測部32は、
図4を用いて説明した手順で、1、2カ月先の各日(各週)におけるキュウリの収量を予測する。本第1の実施形態では、収量予測部32は、
図5に示すような各週におけるキュウリの収量を予測したものとする。収量予測部32は、
図5の収量予測結果を、処理タイミング決定部34に受け渡す。
【0038】
次いで、ステップS14では、処理タイミング決定部34が、作業量を予測する。
図8には、
図5の収量予測結果に基づいて、作業量(作業者全員の延べ作業時間)を算出した結果が示されている。収穫に要する作業量は、
図5の収量予測結果から求められる。具体的には、各週の収量の予測値に所定値を掛けることで、収穫に要する作業量を求めることができる。また、各週に行う必要のある収穫以外の作業(その他作業)の作業量としては、週ごとに予め定められていてもよい。あるいは、処理タイミング決定部34が、その他作業の作業量を、その種類や工数等から求めてもよい。処理タイミング決定部34は、各週の収穫に要する作業量と、その他作業の作業量とを合計した値を各週の作業量とする。
【0039】
次いで、ステップS16では、処理タイミング決定部34が、予測した作業量が作業量上限を超えているか否かを判断する。ここで、作業量上限は、各週における作業者の人数や作業能力等に基づいて定められる。なお、
図8では、作業量上限が各週において一定である場合を示している。
図8の例では、第5週において予測した作業量が作業量上限を超えているので、ステップS16の判断は肯定されることになる。
【0040】
ステップS16の判断が肯定されて、ステップS18に移行すると、処理タイミング決定部34は、作業量上限を超えている時点(第5週の第1日目)から予め定められている日数Dだけ遡ったタイミングを1-MCPを施用する日として決定する。そして、ステップS20では、出力部36が、1-MCPを施用する日の情報を出力(例えば表示部93に表示)する。なお、出力部36は、1-MCPを施用する日の情報に加えて、1-MCPを施用する必要のあるビニールハウスの数を出力することとしてもよい。例えば、作業者が管理するビニールハウス(同一面積とする)が10棟あるとする。
図8の例では、第5週の予測した作業量が作業量上限(100(人・h))を20(人・h)だけ超えている。したがって、出力部36は、10棟のうち、2棟のビニールハウスに1-MCPを施用するように作業者に報知するようにしてもよい。これにより、収穫に要する作業量を20(人・h)減らせるため、第5週の作業量を作業量上限に収めることができる。なお、出力部36は、ステップS18の直後のタイミングにステップS20を実行しなくてもよい。すなわち、出力部36は、1-MCPを施用するタイミングが到来したタイミングで、ステップS20の処理(表示部93等を用いた作業者への報知)を実行することとしてもよい。
【0041】
なお、上述したステップS16の判断が否定された場合には、1-MCPを施用する必要が無いため、出力部36から情報を出力せずに、
図7の全処理を終了する。なお、
図7の処理は、所定日数経過するごとに実行することとしてもよい。
【0042】
以上、詳細に説明したように、本第1の実施形態においては、キュウリの植物体に対して、1-MCPを施用することで、施用したタイミングから所定期間P経過後に植物体に着生する雌花の量を減少させ、施用したタイミングから日数D後のキュウリの収量を調整することとしている。このように1-MCPをキュウリの植物体に施用することで、摘果作業を行わなくても、計画的に収量を調整することができるため、作業者の省力化を図ることができる。
【0043】
また、本第1の実施形態では、人体に害のない1-MCPを用いるため、1-MCPを施用した植物体から収穫されたキュウリを人が摂取しても人体への影響はない。
【0044】
また、本第1の実施形態では、収量予測部32が、キュウリの収量を予測し(S12)、処理タイミング決定部34が、予測した収量に基づいて、キュウリの植物体に対して1-MCPを施用するタイミングを決定し(S14~S18)、出力部36がタイミングの情報を出力する(S20)。これにより、本第1の実施形態では、収量調整をするために1-MCPを施用すべき適切なタイミングを作業者に知らせることができる。
【0045】
また、本第1の実施形態では、収量を減らす必要のあるタイミング(第2のタイミング)から所定時間(日数D)遡ったタイミングを、1-MCPを施用するタイミングとして決定する。これにより、1-MCPの施用によって収量を適切に減らすことができる。
【0046】
なお、上記第1の実施形態では、
図8に示すように作業量上限が一定である場合について説明したが、これに限られるものではない。処理タイミング決定部34は、各週における作業者の情報(人手の情報)を取得し、当該人手の情報に基づいて、作業量上限を設定することとしてもよい。例えば、第6週以降に人手が減る場合には、
図9(a)に示すように第6週以降の作業量上限を下げてもよい。また、例えば、第6週に作業者が一斉に長期休暇をとるような場合には、
図9(b)に示すように、作業量上限を設定してもよい。
図9(b)の場合、出力部36は、第6週にキュウリの収穫量が0に近づくように、第6週の第1日目から日数D遡ったタイミングにおいて全ビニールハウス内に1-MCPを施用するように出力(表示部93に表示)すればよい。なお、第6週のその他作業については、別の週に行うようにすればよい。
【0047】
なお、上記第1の実施形態では、出力部36が、1-MCPを施用するタイミングを表示部93に表示する場合について説明したが、これに限られるものではない。各ビニールハウス内に1-MCPを施用する装置(施用装置)が存在しており、情報処理装置10が施用装置と通信可能な場合には、出力部36は、施用装置に対して1-MCPの施用タイミングの情報を出力することとしてもよい。これにより、施用装置は、自動的に適切なタイミングで1-MCPを施用することが可能になる。
【0048】
なお、上記第1の実施形態では、キュウリの植物体に施用する植物成長調整剤が、1-MCPである場合について説明したが、これに限られるものではない。1-MCPと同様、雌花が着生する節に雄花を着生させる作用を有する植物成長調整剤、すなわち、植物体における花の性決定を制御する植物ホルモン(エチレン等)の合成又は作用を阻害し、あるいは当該植物ホルモンの代謝又は作用を攪乱する植物成長調整剤であれば、その他の植物成長調整剤を用いることも可能である。
【0049】
また、上記第1の実施形態では、キュウリの収量を調整するために、キュウリの植物体に植物成長調整剤を施用する場合について説明したが、これに限られるものではない。キュウリ以外のウリ科野菜果実(例えば、ニガウリ、へちま、ツルレイシ、メロン、カボチャなど)の収量を調整するために、上記と同様の方法で植物成長調整剤を施用することとしてもよい。また、雌花が着生する節に着生するのは、完全な雄花でなくてもよい。例えば、不完全で中性的な花であっても果実に生育しなければよい。
【0050】
なお、上記第1の実施形態では、処理タイミング決定部34は、予測した作業量と、作業量上限とに基づいて、1-MCPを施用するタイミングを決定する場合について説明したが、これに限られるものではない。雌花が増えキュウリの収量が必要以上に多くなると、樹勢が衰え、成長点が消失していわゆるかんざし状態となり、生育停止となる可能性がある。したがって、例えば、処理タイミング決定部34は、予測したキュウリの収量に基づいて、樹勢が衰える可能性を推定し、樹勢を維持するようにキュウリの収量を調整すべく、1-MCPを施用するタイミングを決定することとしてもよい。この場合、処理タイミング決定部34は、例えば、各週における収量が予め定めた量を超えないように、1-MCPを施用するタイミングと、施用するビニールハウスと、を決定することができる。
【0051】
《第2の実施形態》
次に、第2の実施形態について、
図10~
図12に基づいて詳細に説明する。本第2の実施形態では、施用する植物成長調整剤(例えば1-MCP)の濃度の違いが、キュウリにおける雄花の割合に与える影響の違いを考慮した処理を実行する点が、第1の実施形態と異なる。
【0052】
図10(a)~
図10(c)には、1-MCPを施用しなかった場合(対象区)、第5節目が出現したタイミングで濃度1ppmの1-MCPを施用した場合、第5節目が出現したタイミングで濃度4ppmの1-MCPを施用した場合、の各節位における雄花と雌花の出現割合が示されている。
【0053】
なお、
図10(a)~
図10(c)の調査は、具体的には、キュウリ品種「フレスコダッシュ」をクレハ培養土に播種し、蛍光灯の光(PPFD= 350μmol・m
-2・s
-1)で16時間日長、二酸化炭素濃度1000ppm、昼間22℃、夜間19℃の環境で2週間生育させた。その後、25℃以上で換気、15℃以下で暖房を開始する設定にした施設に移動して生育させた。キュウリ植物体の第5節の葉が完全に展開したときに濃度1ppm、4ppmの1-MCPを16時間施用した。そして、18節目に形成された花の性が目視で判別できるまで生育させ、各節に形成された花の性を記録した。
【0054】
濃度1ppmの1-MCPを施用した場合(
図10(b))、対象区(
図10(a))と比較すると、第10節から第13節目にかけて雄花の割合が増加したことが分かる。また、濃度4ppmの1-MCPを施用した場合(
図10(c))、濃度1ppmの1-MCPを施用した場合(
図10(b))と比較して、第14節から第16節目にかけて雄花の割合が増加したことが分かる。
【0055】
図11には、1-MCPの濃度ごとに、施用後に増加した雄花の割合(第10節から第18節目に形成された雄花の増加割合)をプロットした結果が示されている。なお、
図11の調査においては、濃度が0.1ppm(log0.1=-1.0)、0.5ppm(log0.5=-0.3)、1ppm(log1=0)、2ppm(log2=0.3)、4ppm(log4=0.6)の1-MCPを用いた。1-MCPの濃度と増加した雄花の割合の回帰式を求めたところ、実線で示すように、1-MCPの濃度依存的な雄花の割合の増加がみられた。なお、実線の式は、
図11の横軸をX、縦軸をYとすると、次式(1)にて表すことができた。
Y=-3.459+(18.91+3.459)/(1+10
(-0.01965-X))
…(1)
【0056】
この式(1)は、キュウリに施用した1-MCPの濃度と、1-MCPを施用した後にキュウリに着生した雌花の減少量との関係を示す情報であるといえる。
【0057】
図12は、1-MCPの濃度ごとに、施用後に雄花のつく節の範囲、すなわち最初に雄花がでた節から最後に雄花がでた節までの節数をプロットした結果、及び回帰曲線を示すグラフである。このグラフは、キュウリに施用した1-MCPの濃度と、1-MCPの施用によりキュウリに雄花が着生した期間との関係を示す情報であるといえる。
【0058】
本第2の実施形態では、上式(1)や
図12のグラフを用いることで、収穫量をどの程度の期間、どの程度減らしたいか(収量の調整量)に応じて、施用する1-MCPの濃度を設定することができる。例えば、処理タイミング決定部34は、予測作業量が作業量上限をどの程度超えるかを特定し、特定した作業量上限を超える作業量に応じて、施用する1-MCPの濃度を決定し、出力部36を介して出力するようにすればよい。
【0059】
《第3の実施形態》
本発明者は、
図10(a)~
図10(c)、
図11及び
図12の結果から得られる知見に基づいて、1-MCPを施用してから収穫量を調整できる期間を1-MCPの濃度や日平均気温から算出する方法について見出した。以下、この算出方法について説明する。
【0060】
植物成長調節剤の施用時の最上位展開葉の節位をN、植物成長調節剤の施用前の施設内の平均気温をT1とした場合、植物成長調節剤の施用に起因して雄花が発生し始める節Xは、次式(2)にて表すことができる。
X=N+a・ln(T1)-b …(2)
【0061】
なお、a、bは品種固有の値であり、第2の実施形態と同一品種「フレスコダッシュ」であれば、a=9.7、b=20.1となるため、上式(2)は、次式(2)’のように表される。
X=N+9.7・ln(T1)-20.1 …(2)’
【0062】
また、
図12からは、植物成長調節剤の濃度をCとすると、植物成長調節剤の施用に起因して雄花が最後に形成される節Yは、次式(3)にて表すことができる。
Y=X+c+(d-c)/(1+10
(e-logC)) …(3)
【0063】
なお、c、d、eは係数であり、植物成長調節剤が1-MCPであれば、c=‐1.65、d=6.161、e=0.1536となるため、上式(3)は、次式(3)’のように表される。
Y=X-1.65+(6.161+1.65)/(1+10(0.1536-logC))
…(3)’
【0064】
一方、植物成長調節剤の施用後の日平均気温をTnとした場合、葉の展開速度dNln/dtは、次式(4)にて表すことができる。なお、Nlnは植物成長調節剤の施用後の葉数(Number of leaves)である。
dNln/dt=f・Tn-g …(4)
【0065】
なお、f、gは品種固有の値であり、第2の実施形態と同一品種「フレスコダッシュ」であれば、f=0.065、g=0.511となるため、上式(4)は、次式(4)’のように表される。
dNln/dt=0.065・Tn-0.511 …(4)’
【0066】
この場合、上記(4)、(4)’において、X=dNln/dtとなる日数n(=n1)と、Y=dNln/dtとなる日数n(=n2)を算出可能である。そして、1-MCPを施用してから収穫量が抑制され始める日数(Z1)と、1-MCPを施用してから収穫量が回復するまでの日数(Z2)は、日数n1、n2を用いて、次式(5)、(6)にて表すことができる。
Z1=n1+a・Tn-b …(5)
Z2=n2+a・Tn-b …(6)
【0067】
本第3の実施形態では、処理タイミング決定部34は、予測作業量が作業量上限を超える期間(Z1~Z2)を特定する。なお、当該期間は、収量を減少させたい期間である。処理タイミング決定部34は、期間(Z1~Z2)を特定した段階で、当該期間において収穫量が低減するように、上式(2)~(6)を用いて、どのタイミングで(どの節位の葉が展開しているときに)、どの程度の濃度の1-MCPを施用すべきかを決定する。また、出力部36は、処理タイミング決定部34が決定した1-MCPのタイミング及び濃度の情報を出力する。
【0068】
作業者等は、出力部36が出力した情報に基づいて1-MCPを施用することで、予測作業量が作業量上限を超える期間におけるキュウリの収量を減らすことができる。これにより、摘果作業を行わなくても、計画的に収量を調整することができるため、作業者の負担を軽減することができる。
【0069】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、処理装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体(ただし、搬送波は除く)に記録しておくことができる。
【0070】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記憶媒体の形態で販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0071】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記憶媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記憶媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0072】
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0073】
10 情報処理装置
32 収量予測部(予測部)
34 処理タイミング決定部(決定部)
36 出力部