(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】ヘキサヒドロベンゾジピロール及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
C07D 487/04 20060101AFI20240104BHJP
C01B 39/48 20060101ALN20240104BHJP
【FI】
C07D487/04 137
C07D487/04 CSP
C01B39/48
(21)【出願番号】P 2019154857
(22)【出願日】2019-08-27
【審査請求日】2022-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000173762
【氏名又は名称】公益財団法人相模中央化学研究所
(72)【発明者】
【氏名】荒木 啓介
(72)【発明者】
【氏名】中村 慎司
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 真人
(72)【発明者】
【氏名】楢木 祐介
【審査官】谷尾 忍
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06365705(US,B1)
【文献】特開2009-023946(JP,A)
【文献】特開2016-169139(JP,A)
【文献】米国特許第03950496(US,A)
【文献】特表2003-505576(JP,A)
【文献】RUGGLI,P. et al.,Heterocyclic nitrogen compounds. LXI. Dipyrrolino-3',4';1,2:3'',4'';4,5-benzene,Helvetica Chimica Acta,1947年,Vol.30,p.2035-45
【文献】RIED,W. et al.,Condensation of bis(halomethyl) compounds with non-aromatic amines,Chemische Berichte,1958年,Vol.91,p.2485-95
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 487/04
C01B 39/48
CAplus/REGISTRY(STN)
CASREACT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロール。
【化1】
[式中、Xは、同一又は相異なって、水素原子又はハロゲン原子を表す。
R
1は、同一又は相異なって、炭素数1から10の直鎖状、分岐状又は環状アルキル基、炭素数1から10の直鎖状、分岐状又は環状ハロアルキル基(前記の炭素数1から10の直鎖状、分岐状又は環状アルキル基及び前記の炭素数1から10の直鎖状、分岐状又は環状ハロアルキル基は、水酸基及び炭素数1から6の直鎖状、分岐状又は環状アルキル基の少なくともいずれかの置換基で置換されていてもよい。)又はR
2C(O)(式中、R
2は、炭素数1から10の直鎖状、分岐状又は環状ハロアルキル基を表す。)で表されるアシル基を表す。ただし、二つのR
1が、同時にメチル基、同時にプロピル基、同時にブチル基、同時にシクロヘキシル基及び同時にベンジル基とはなりえない。]。
【請求項2】
前記一般式(1)において、R
1が、同一であって、エチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、4-ヒドロキシブチル基、5-ヒドロキシペンチル基、ヘキシル基、炭素数1から10の直鎖状、分岐状又は環状ハロアルキル基(前記の炭素数1から10の直鎖状、分岐状又は環状ハロアルキル基は、水酸基で置換されていてもよい。)又はR
2C(O)(式中、R
2は、炭素数1から10の直鎖状、分岐状又は環状ハロアルキル基を表す。)で表されるアシル基である請求項1に記載のヘキサヒドロベンゾジピロール。
【請求項3】
前記一般式(1)において、Xが水素原子である請求項1又は2に記載のヘキサヒドロベンゾジピロール。
【請求項4】
前記一般式(1)において、R
1が、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基又はtert-ブチル基である請求項1乃至3のいずれかに記載のヘキサヒドロベンゾジピロール。
【請求項5】
前記一般式(1)において、R
1が、エチル基である請求項1乃至4のいずれかに記載のヘキサヒドロベンゾジピロール。
【請求項6】
一般式(2)
【化2】
[式中、Xは、同一又は相異なって、水素原子又はハロゲン原子を表す。
R
3は、同一又は相異なって、炭素数1から10の直鎖状、分岐状又は環状アルキル基又は炭素数1から10の直鎖状、分岐状又は環状ハロアルキル基(前記の炭素数1から10の直鎖状、分岐状又は環状アルキル基及び前記の炭素数1から10の直鎖状、分岐状又は環状ハロアルキル基は、水酸基で置換されていてもよい。)を表す。]
で表されるピロメリット酸ジイミドと、還元剤とを反応させることを特徴とする、一般式(1a)
【化3】
[式中、Xは、同一又は相異なって、水素原子又はハロゲン原子を表す。
R
4は、同一又は相異なって、炭素数1から10の直鎖状、分岐状又は環状アルキル基又は炭素数1から10の直鎖状、分岐状又は環状ハロアルキル基(前記の炭素数1から10の直鎖状、分岐状又は環状アルキル基及び前記の炭素数1から10の直鎖状、分岐状又は環状ハロアルキル基は、水酸基で置換されていてもよい。)を表す。]
で表されるヘキサヒドロベンゾジピロールの製造方法。
【請求項7】
前記一般式(1a)及び(2)において、Xが水素原子である請求項6に記載のヘキサヒドロベンゾジピロールの製造方法。
【請求項8】
前記一般式(2)において、R
3が、同一であって、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基又はtert-ブチル基であり、一般式(1a)において、R
4が、同一であって、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基又はtert-ブチル基である請求項6又は7に記載のヘキサヒドロベンゾジピロールの製造方法。
【請求項9】
前記一般式(2)において、R
3、同一であって、エチル基であり、一般式(1a)において、R
4が、同一であって、エチル基である請求項6乃至8に記載のヘキサヒドロベンゾジピロールの製造方法。
【請求項10】
一般式(3)
【化4】
(式中、Xは、同一又は相異なって、水素原子又はハロゲン原子を表す。
Yは
、ハロゲン原
子を表す
。)
で表される芳香族化合物と、一般式(4a)
【化5】
(式中、R
2aは、炭素数1から10の直鎖状、分岐状又は環状ハロアルキル基を表す。)
で表されるアミド化合物と下記一般式(4b)
【化6】
(式中、R
2bは、炭素数1から10の直鎖状、分岐状又は環状ハロアルキル基を表す。)
で表されるアミド化合物とを反応させることを特徴とする、一般式(1b)
【化7】
(式中、Xは、同一又は相異なって、水素原子又はハロゲン原子を表す。
R
2a及びR
2bは、各々独立に、炭素数1から10の直鎖状、分岐状又は環状ハロアルキル基を表す。)
で表されるヘキサヒドロベンゾジピロールの製造方法。
【請求項11】
前記一般式(3)において、R
2a及びR
2bが、同一であって、炭素数1から10の直鎖状、分岐状又は環状ハロアルキル基である請求項10に記載のヘキサヒドロベンゾジピロールの製造方法。
【請求項12】
前記一般式(3)において、Yが、同一又は相異なって、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である請求項10又は11に記載のヘキサヒドロベンゾジピロールの製造方法。
【請求項13】
前記一般式(3)及び(1b)において、Xが水素原子である請求項10乃至12のいずれかに記載のヘキサヒドロベンゾジピロールの製造方法。
【請求項14】
前記一般式(4)及び(1b)において、R
2a及びR
2bが、同一であって、トリフルオロメチル基又はトリクロロメチル基であることを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに記載のヘキサヒドロベンゾジピロールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイオノマーの陽イオン源等に有用なヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩の前駆体であるヘキサヒドロベンゾジピロールと、その製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩は、アイオノマーの陽イオン源等の用途で使用されている(特許文献1)。しかしながら、ヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩をゼオライト合成用構造規定剤として用いた例は知られていない。
【0003】
ヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩の合成法として、テトラキス(ハロメチル)ベンゼンと第2級アミンとの反応で、ヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩が得られることが知られている(非特許文献1及び2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献】
【0005】
【文献】Helvetica Chimica Acta,1947年,30巻,2035-2045頁。
【文献】Chemische Berichte,1958年,91巻,2485-2495頁。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、アイオノマーの陽イオン源等の用途で使用されているヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩の前駆体であるヘキサヒドロベンゾジピロール及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、下記一般式(1)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロールを前駆体として用いることでヘキサヒドロベンゾジピロリウム塩を効率よく製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] 一般式(1)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロール。
【0009】
【0010】
[式中、Xは、同一又は相異なって、水素原子又はハロゲン原子を表す。
R1は、同一又は相異なって、炭素数1から10のアルキル基、炭素数1から10のハロアルキル基(前記の炭素数1から10のアルキル基、及び前記の炭素数1から10のハロアルキル基は、水酸基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数6から10のアリール基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基及び炭素数12から20のジアリールアミノ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。)又はR2C(O)(式中、R2は、炭素数1から10のハロアルキル基を表す。)で表されるアシル基を表す。
ただし、二つのR1が、同時にメチル基、同時にプロピル基、同時にブチル基、同時にシクロヘキシル基又は同時にベンジル基とはなりえない。]
[2] 前記一般式(1)において、R1が、同一であって、エチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、1つ以上の水酸基で置換された炭素数1から4のアルキル基、1つ以上の炭素数1から6のアルコキシ基で置換された炭素数1から4のアルキル基、炭素数5から10のアルキル基、炭素数1から10のハロアルキル基(前記の炭素数5から10のアルキル基及び前記の炭素数1から10のハロアルキル基は、水酸基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数6から10のアリール基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基及び炭素数12から20のジアリールアミノ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。)又はR2C(O)(式中、R2は、炭素数1から10のハロアルキル基を表す。)で表されるアシル基である[1]に記載のヘキサヒドロベンゾジピロール。
[3] 前記一般式(1)において、Xが水素原子である[1]又は[2]に記載のヘキサヒドロベンゾジピロール。
[4] 前記一般式(1)において、R1が、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、1つ以上の水酸基で置換された炭素数1から4のアルキル基、1つ以上の炭素数1から4のアルコキシ基で置換された炭素数1から4のアルキル基、1つ以上の水酸基で置換されていてもよい炭素数5から10のアルキル基、CF3C(O)で表されるアシル基又はCl3CC(O)で表されるアシル基である[1]乃至[3]のいずれかに記載のヘキサヒドロベンゾジピロール。
[5] 前記一般式(1)において、R1が、エチル基、4-ヒドロキシブチル基、5-ヒドロキシペンチル基、へキシル基又はCF3C(O)で表されるアシル基である[1]乃至[4]のいずれかに記載のヘキサヒドロベンゾジピロール。
[6] 一般式(2)
【0011】
【0012】
[式中、Xは、同一又は相異なって、水素原子又はハロゲン原子を表す。
R3は、同一又は相異なって、炭素数1から10のアルキル基又は炭素数1から10のハロアルキル基(前記の炭素数1から10のアルキル基及び前記の炭素数1から10のハロアルキル基は、水酸基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数6から10のアリール基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基、炭素数12から20のジアリールアミノ基及びR2bC(O)(式中、R2bは、炭素数1から4のアルキル基を表す。)で表されるアシル基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。)を表す。]
で表されるピロメリット酸ジイミドと、還元剤とを反応させることを特徴とする、一般式(1a)
【0013】
【0014】
[式中、Xは、同一又は相異なって、水素原子又はハロゲン原子を表す。
R4は、同一又は相異なって、炭素数1から10のアルキル基又は炭素数1から10のハロアルキル基(前記の炭素数1から10のアルキル基及び前記の炭素数1から10のハロアルキル基は、水酸基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数6から10のアリール基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基及び炭素数12から20のジアリールアミノ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。)を表す。]
で表されるヘキサヒドロベンゾジピロールの製造方法。
[7] 前記一般式(2)において、R3が、同一であって、炭素数1から10のアルキル基又は炭素数1から10のハロアルキル基(前記の炭素数1から10のアルキル基及び前記の炭素数1から10のハロアルキル基は、水酸基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数6から10のアリール基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基、炭素数12から20のジアリールアミノ基及びR2bC(O)(式中、R2bは、炭素数1から4のアルキル基を表す。)で表されるアシル基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。)であり、一般式(1a)において、R4が、同一であって、炭素数1から10のアルキル基又は炭素数1から10のハロアルキル基(前記の炭素数1から10のアルキル基及び前記の炭素数1から10のハロアルキル基は、水酸基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数6から10のアリール基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基及び炭素数12から20のジアリールアミノ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。)である[6]に記載のヘキサヒドロベンゾジピロールの製造方法。
[8] 前記一般式(1a)及び(2)において、Xが水素原子である[6]又は[7]に記載のヘキサヒドロベンゾジピロールの製造方法。
[9] 前記一般式(2)において、R3が、同一であって、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、1つ以上の水酸基で置換された炭素数1から4のアルキル基、1つ以上の炭素数1から4のアルコキシ基で置換された炭素数1から4のアルキル基、1つ以上の水酸基で置換されていてもよい炭素数5から10のアルキル基又はR2bC(O)(式中、R2bは、炭素数1から4のアルキル基を表す。)で表されるアシル基で置換された炭素数1から5のアルキル基であり、前記一般式(1a)において、R4が、同一であって、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、1つ以上の水酸基で置換された炭素数1から4のアルキル基、1つ以上の炭素数1から4のアルコキシ基で置換された炭素数1から4のアルキル基又は1つ以上の水酸基で置換されていてもよい炭素数5から10のアルキル基である請求項6乃至8のいずれかに記載のヘキサヒドロベンゾジピロールの製造方法。
[10] 前記一般式(2)において、R3、同一であって、エチル基、4-アセトキシブチル基、5-アセトキシペンチル基又はへキシル基であり、前記一般式(1a)において、R4が、同一であって、エチル基、4-ヒドロキシブチル基、5-ヒドロキシペンチル基又はへキシル基である請求項6乃至8のいずれかに記載のヘキサヒドロベンゾジピロールの製造方法。
[11] 一般式(3)
【0015】
【0016】
(式中、Xは、同一又は相異なって、水素原子又はハロゲン原子を表す。
Yは、同一又は相異なって、ハロゲン原子又はR5SO2Oで表されるスルホニルオキシ基を表す。R5は、炭素数1から9のアルキル基、炭素数1から9のフルオロアルキル基又はフェニル基であり、該フェニル基は、炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のフルオロアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基、炭素数1から4のフルオロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びニトロ基の群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。)
で表される芳香族化合物と、一般式(4a)
【0017】
【0018】
(式中、R2aは、炭素数1から10のハロアルキル基を表す。)
で表されるアミド化合物と下記一般式(4b)
【0019】
【0020】
(式中、R2bは、炭素数1から10のハロアルキル基を表す。)
で表されるアミド化合物とを反応させることを特徴とする、一般式(1b)
【0021】
【0022】
(式中、Xは、同一又は相異なって、水素原子又はハロゲン原子を表す。
R2a及びR2bは、各々独立に、炭素数1から10のハロアルキル基を表す。)
で表されるヘキサヒドロベンゾジピロールの製造方法。
[12] 前記一般式(3)において、R2a及びR2bが、同一であって、炭素数1から10のハロアルキル基である[11]に記載のヘキサヒドロベンゾジピロールの製造方法。
[13] 前記一般式(3)において、Yが、同一又は相異なって、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、C6H5SO2Oで表されるベンゼンスルホニルオキシ基、p-CH3C6H4SO2Oで表されるp-トルエンスルホニルオキシ基又はCH3SO2Oで表されるメタンスルホニルオキシ基である[11]又は[12]に記載のヘキサヒドロベンゾジピロールの製造方法。
[14] 前記一般式(3)及び(1b)において、Xが水素原子である[11]乃至[13]のいずれかに記載のヘキサヒドロベンゾジピロールの製造方法。
[15] 前記一般式(4)及び(1b)において、R2a及びR2bが、同一であって、トリフルオロメチル基又はトリクロロメチル基であることを特徴とする[11]乃至[14]のいずれかに記載のヘキサヒドロベンゾジピロールの製造方法。
【発明の効果】
【0023】
本発明により、新規なヘキサヒドロベンゾジピロール及びその製造方法を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明のヘキサヒドロベンゾジピロールについて詳細に説明する。
【0025】
本発明は、以下の一般式(1)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロール(以下、「本発明のヘキサヒドロベンゾジピロール」ともいう。)に係る。
【0026】
【0027】
[式中、Xは、同一又は相異なって、水素原子又はハロゲン原子を表す。
R1は、同一又は相異なって、炭素数1から10のアルキル基、炭素数1から10のハロアルキル基(前記の炭素数1から10のアルキル基及び前記の炭素数1から10のハロアルキル基は、水酸基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数6から10のアリール基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基及び炭素数12から20のジアリールアミノ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。)又はR2C(O)(式中、R2は、炭素数1から10のハロアルキル基を表す。)で表されるアシル基を表す。
ただし、二つのR1が、同時にメチル基、同時にプロピル基、同時にブチル基、同時にシクロヘキシル基又は同時にベンジル基とはなりえない。]
本発明において、R1が、同一又は相異なって、炭素数1から10のアルキル基、炭素数1から10のハロアルキル基(前記の炭素数1から10のアルキル基及び前記の炭素数1から10のハロアルキル基は、水酸基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数6から10のアリール基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基及び炭素数12から20のジアリールアミノ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい)又はR2C(O)(式中、R2は、炭素数1から10のハロアルキル基を表す。)で表されるアシル基を表す。ただし、二つのR1が、同時にメチル基、同時にプロピル基、同時にブチル基、同時にシクロヘキシル基又は同時にベンジル基とはなりえない。
【0028】
本発明において、R1で表される炭素数1から10のアルキル基としては、特に限定するものではないが、具体的には、直鎖状、分岐状又は環状アルキル基のいずれでもよく、特に限定するものではないが、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、シクロヘキシルメチル基、2-シクロペンチルエチル基、2-メチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、3-シクロプロピルプロピル基、シクロプロピル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、3-メチルブタン-2-イル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、2-メチルペンチル基、3-エチルペンチル基、2,4-ジメチルペンチル基、1-メチルブチル基、2-メチルペンタン-2-イル基、4,4-ジメチルペンタン-2-イル基、2-エチルプロピル基、3-エチルペンタン-3-イル基、シクロペンチル基、2,5-ジメチルシクロペンチル基、3-エチルシクロペンチル基、ヘキシル基、2-メチルヘキシル基、3,3-ジメチルヘキシル基、4-エチルヘキシル基、1-メチルペンチル基、2-メチルヘキサン-2-イル基、5,5-ジメチルヘキサン-2-イル基、2-エチルブチル基、2,4-ジメチルヘキサン-3-イル基、シクロヘキシル基、4-エチルシクロヘキシル基、4-プロピルシクロヘキシル基、4,4-ジメチルシクロヘキシル基、ヘプチル基、1-メチルヘキシル基、1-エチルペンチル基、1-プロピルブチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル基、オクチル基、1-メチルヘプチル基、1-エチルへキシル基、1-プロピルペンチル基、シクロオクチル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン-2-イル基、ノニル基、1-ブチルペンチル基、デシル基、1-メチルノニル基、1-ブチルヘキシル基等を例示することができる。
【0029】
本発明において、R1で表される炭素数1から10のハロアルキル基としては、特に限定するものではないが、具体的には、直鎖状、分岐状又は環状ハロアルキル基のいずれでもよく、特に限定するものではないが、具体的には、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、1,1-ジフルオロエチル基、2,2-ジフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、1,1-ジフルオロプロピル基、ペルフルオロ(1-メチルプロピル)基、2,2,2-トリフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル基、ペルフルオロシクロプロピル基、2,2,3,3-テトラフルオロシクロプロピル基、ペルフルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチル基、3,3,4,4,4-ペンタフルオロブチル基、4,4,4-トリフルオロブチル基、1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-(トリフルオロメチル)プロピル基、1-(トリフルオロメチル)プロピル基、1-メチル-3,3,3-トリフルオロプロピル基、ペルフルオロシクロブチル基、2,2,3,3,4,4-ヘキサフルオロシクロブチル基、ペルフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロペンチル基、3,3,4,4,5,5,5-ヘプタフルオロペンチル基、4,4,5,5,5-ペンタフルオロペンチル基、5,5,5-トリフルオロペンチル基、1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-(ペルフルオロエチル)プロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロ-1-(ペルフルオロエチル)プロピル基、ペルフルオロシクロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6-ウンデカフルオロヘキシル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロヘキシル基、4,4,5,5,6,6,6-ヘプタフルオロヘキシル基、5,5,6,6,6-ペンタフルオロヘキシル基、6,6,6-トリフルオロヘキシル基、ペルフルオロシクロヘキシル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、2-クロロエチル基、3-ブロモプロピル基等を例示することができる。
【0030】
本発明において、R1で表される炭素数1から10のアルキル基及び前記の炭素数1から10のハロアルキル基は、1つ以上の水酸基で置換されていてもよい。1つ以上の水酸基で置換された炭素数1から10のアルキル基又は1つ以上の水酸基で置換された炭素数1から10のハロアルキル基としては、特に限定するものではないが、具体的には、4-ヒドロキシブチル基、5-ヒドロキシペンチル基、6-ヒドロキシヘキシル基、4-ヒドロキシシクロヘキシル基、2,3-ジヒドロキシプロピル基等を例示できる。
【0031】
本発明において、R1で表される炭素数1から10のアルキル基及び前記の炭素数1から10のハロアルキル基は、1つ以上の炭素数1から6のアルキル基で置換されていてもよく、当該炭素数1から6のアルキル基としては、特に限定するものではないが、具体的には、直鎖状、分岐状又は環状アルキル基のいずれでもよく、特に限定するものではないが、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2-メチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、3-シクロプロピルプロピル基、シクロプロピル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、3-メチルブタン-2-イル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、2-メチルペンチル基、1-メチルブチル基、2-メチルペンタン-2-イル基、2-エチルプロピル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、1-メチルペンチル基、2-エチルブチル基、シクロヘキシル基等を例示することができる。
【0032】
本発明において、R1で表される炭素数1から10のアルキル基及び前記の炭素数1から10のハロアルキル基は、1つ以上の炭素数6から10のアリール基で置換されていてもよく、当該炭素数6から10のアリール基としては、特に限定するものではないが、具体的には、フェニル基、2-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、2,3-ジメチルフェニル基、2,4-ジメチルフェニル基、2,5-ジメチルフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、3,4-ジメチルフェニル基、3,5-ジメチルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、ナフチル基等を例示することができる。
【0033】
本発明において、R1で表される炭素数1から10のアルキル基及び炭素数1から10のハロアルキル基は、1つ以上の炭素数1から6のアルコキシ基で置換されていてもよい。該炭素数1から6のアルコキシ基としては、特に限定するものではないが、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、2-メチルプロポキシ基、2,2-ジメチルプロポキシ基、3-シクロプロピルプロポキシ基、シクロプロポキシ基、2-メチルブトキシ基、3-メチルブトキシ基、tert-ブトキシ基、シクロブトキシ基、ペンチルオキシ基、2-メチルペンチルオキシ基、1-メチルブチルオキシ基、1,2-ジメチルブトキシ基、1-エチルプロポキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等を例示できる。
【0034】
本発明において、R1で表される炭素数1から10のアルキル基及び炭素数1から10のハロアルキル基は、1つ以上の炭素数6から10のアリールオキシ基で置換されていてもよい。該炭素数6から10のアリールオキシ基としては、特に限定するものではないが、具体的には、フェニルオキシ基、2-メチルフェニルオキシ基、3-メチルフェニルオキシ基、4-メチルフェニルオキシ基、2,3-ジメチルフェニルオキシ基、2,4-ジメチルフェニルオキシ基、2,5-ジメチルフェニルオキシ基、2,6-ジメチルフェニルオキシ基、3,4-ジメチルフェニルオキシ基、3,5-ジメチルフェニルオキシ基、2,3,4-トリメチルフェニルオキシ基、2,3,5-トリメチルフェニルオキシ基、2,3,6-トリメチルフェニルオキシ基、2,4,5-トリメチルフェニルオキシ基、2,4,6-トリメチルフェニルオキシ基、3,4,5-トリメチルフェニルオキシ基、2,3,4,5-テトラメチルフェニルオキシ基、2,3,4,6-テトラメチルフェニルオキシ基、2,3,5,6-テトラメチルフェニルオキシ基、2-エチルフェニルオキシ基、3-エチルフェニルオキシ基、4-エチルフェニルオキシ基、2,3-ジエチルフェニルオキシ基、2,4-ジエチルフェニルオキシ基、2,5-ジエチルフェニルオキシ基、2,6-ジエチルフェニルオキシ基、3,4-ジエチルフェニルオキシ基、3,5-ジエチルフェニルオキシ基、2-プロピルフェニルオキシ基、3-プロピルフェニルオキシ基、4-プロピルフェニルオキシ基、2-イソプロピルフェニルオキシ基、3-イソプロピルフェニルオキシ基、4-イソプロピルフェニルオキシ基、2-シクロプロピルフェニルオキシ基、3-シクロプロピルフェニルオキシ基、4-シクロプロピルフェニルオキシ基、2-ブチルフェニルオキシ基、3-ブチルフェニルオキシ基、4-ブチルフェニルオキシ基、2-(1-メチルプロピル)フェニルオキシ基、3-(1-メチルプロピル)フェニルオキシ基、4-(1-メチルプロピル)フェニルオキシ基、2-(2-メチルプロピル)フェニルオキシ基、3-(2-メチルプロピル)フェニルオキシ基、4-(2-メチルプロピル)フェニルオキシ基、2-シクロブチルフェニルオキシ基、3-シクロブチルフェニルオキシ基、4-シクロブチルフェニルオキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基等を例示できる。
【0035】
本発明において、R1で表される炭素数1から10のアルキル基及び炭素数1から10のハロアルキル基は、1つ以上の炭素数2から12のジアルキルアミノ基で置換されていてもよい。該炭素数2から12のジアルキルアミノ基としては、特に限定するものではないが、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ビス(2-メチルプロピル)アミノ基、ビス(2,2-ジメチルプロピル)アミノ基、ビス(3-シクロプロピルプロピル)アミノ基、ジシクロプロピルアミノ基、ビス(2-メチルブチル)アミノ基、ビス(3-メチルブチル)アミノ基、ジ(tert-ブチル)アミノ基、ジシクロブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ビス(2-メチルペンチル)アミノ基、ビス(1-メチルブチル)アミノ基、ビス(1,2-ジメチルブチル)アミノ基、ビス(1-エチルプロピル)アミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、N-エチル-N-メチルアミノ基、N-メチル-N-プロピル基、N-シクロプロピル-N-メチルアミノ基、N-ブチル-N-メチルアミノ基、N-シクロブチル-N-メチルアミノ基、N-メチル-N-ペンチル基、N-シクロペンチル-N-メチルアミノ基、N-ヘキシル-N-メチルアミノ基、N-シクロヘキシル-N-メチルアミノ基、N-シクロヘプチル-N-メチルアミノ基、N-メチル-N-オクチルアミノ基、N-メチル-N-ノニルアミノ基、N-デシル-N-メチルアミノ基、N-メチル-N-ウンデシルアミノ基等を例示できる。
【0036】
本発明において、R1で表される炭素数1から10のアルキル基及び炭素数1から10のハロアルキル基は、1つ以上の炭素数6から10のモノアリールアミノ基で置換されていてもよい。該炭素数6から10のモノアリールアミノ基としては、特に限定するものではないが、フェニルアミノ基、2-メチルフェニルアミノ基、3-メチルフェニルアミノ基、4-メチルフェニルアミノ基、2,3-ジメチルフェニルアミノ基、2,4-ジメチルフェニルアミノ基、2,5-ジメチルフェニルアミノ基、2,6-ジメチルフェニルアミノ基、3,4-ジメチルフェニルアミノ基、3,5-ジメチルフェニルアミノ基、2,3,4-トリメチルフェニルアミノ基、2,3,5-トリメチルフェニルアミノ基、2,3,6-トリメチルフェニルアミノ基、2,4,5-トリメチルフェニルアミノ基、2,4,6-トリメチルフェニルアミノ基、3,4,5-トリメチルフェニルアミノ基、2,3,4,5-テトラメチルフェニルアミノ基、2,3,4,6-テトラメチルフェニルアミノ基、2,3,5,6-テトラメチルフェニルアミノ基、2-エチルフェニルアミノ基、3-エチルフェニルアミノ基、4-エチルフェニルアミノ基、2,3-ジエチルフェニルアミノ基、2,4-ジエチルフェニルアミノ基、2,5-ジエチルフェニルアミノ基、2,6-ジエチルフェニルアミノ基、3,4-ジエチルフェニルアミノ基、3,5-ジエチルフェニルアミノ基、2-プロピルフェニルアミノ基、3-プロピルフェニルアミノ基、4-プロピルフェニルアミノ基、2-イソプロピルフェニルアミノ基、3-イソプロピルフェニルアミノ基、4-イソプロピルフェニルアミノ基、2-シクロプロピルフェニルアミノ基、3-シクロプロピルフェニルアミノ基、4-シクロプロピルフェニルアミノ基、2-ブチルフェニルアミノ基、3-ブチルフェニルアミノ基、4-ブチルフェニルアミノ基、2-(1-メチルプロピル)フェニルアミノ基、3-(1-メチルプロピル)フェニルアミノ基、4-(1-メチルプロピル)フェニルアミノ基、2-(2-メチルプロピル)フェニルアミノ基、3-(2-メチルプロピル)フェニルアミノ基、4-(2-メチルプロピル)フェニルアミノ基、2-シクロブチルフェニルアミノ基、3-シクロブチルフェニルアミノ基、4-シクロブチルフェニルアミノ基、1-ナフチルアミノ基、2-ナフチルアミノ基等を例示できる。
【0037】
本発明において、R1で表される炭素数1から10のアルキル基及び炭素数1から10のハロアルキル基は、1つ以上の炭素数12から20のジアリールアミノ基で置換されていてもよく、該炭素数12から20のジアリールアミノ基としては、特に限定されるものではないが、ジフェニルアミノ基、ビス(2-メチルフェニル)アミノ基、ビス(3-メチルフェニル)アミノ基、ビス(4-メチルフェニル)アミノ基、ビス(2,3-ジメチルフェニル)アミノ基、ビス(2,4-ジメチルフェニル)アミノ基、ビス(2,5-ジメチルフェニル)アミノ基、ビス(2,6-ジメチルフェニル)アミノ基、ビス(3,4-ジメチルフェニル)アミノ基、ビス(3,5-ジメチルフェニル)アミノ基、ビス(2,3,4-トリメチルフェニル)アミノ基、ビス(2,3,5-トリメチルフェニル)アミノ基、ビス(2,3,6-トリメチルフェニル)アミノ基、ビス(2,4,5-トリメチルフェニル)アミノ基、ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)アミノ基、ビス(3,4,5-トリメチルフェニル)アミノ基、ビス(2,3,4,5-テトラメチルフェニル)アミノ基、ビス(2,3,4,6-テトラメチルフェニル)アミノ基、ビス(2,3,5,6-テトラメチルフェニル)アミノ基、ビス(2-エチルフェニル)アミノ基、ビス(3-エチルフェニル)アミノ基、ビス(4-エチルフェニル)アミノ基、ビス(2,3-ジエチルフェニル)アミノ基、ビス(2,4-ジエチルフェニル)アミノ基、ビス(2,5-ジエチルフェニル)アミノ基、ビス(2,6-ジエチルフェニル)アミノ基、ビス(3,4-ジエチルフェニル)アミノ基、ビス(3,5-ジエチルフェニル)アミノ基、ビス(2-プロピルフェニル)アミノ基、ビス(3-プロピルフェニル)アミノ基、ビス(4-プロピルフェニル)アミノ基、ビス(2-イソプロピルフェニル)アミノ基、ビス(3-イソプロピルフェニル)アミノ基、ビス(4-イソプロピルフェニル)アミノ基、ビス(2-シクロプロピルフェニル)アミノ基、ビス(3-シクロプロピルフェニル)アミノ基、ビス(4-シクロプロピルフェニル)アミノ基、ビス(2-ブチルフェニル)アミノ基、ビス(3-ブチルフェニル)アミノ基、ビス(4-ブチルフェニル)アミノ基、ビス[2-(1-メチルプロピル)フェニル]アミノ基、ビス[3-(1-メチルプロピル)フェニル]アミノ基、4-(1-メチルプロピル)フェニルアミノ基、ビス[2-(2-メチルプロピル)フェニル]アミノ基、ビス[3-(2-メチルプロピル)フェニル]アミノ基、ビス[4-(2-メチルプロピル)フェニル]アミノ基、ビス(2-シクロブチルフェニル)アミノ基、ビス(3-シクロブチルフェニル)アミノ基、ビス(4-シクロブチルフェニル)アミノ基、ジ(1-ナフチル)アミノ基、ジ(2-ナフチル)アミノ基、N-(2-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(3-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(4-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(2,3-ジメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(2,4-ジメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(2,5-ジメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(2,6-ジメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(3,4-ジメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(3,5-ジメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(2,3,4-トリメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(2,3,5-トリメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(2,3,6-トリメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(2,4,5-トリメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(2,4,6-トリメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(3,4,5-トリメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ基、N-(2-ナフチル)-N-フェニルアミノ基等を例示できる。
【0038】
本発明において、R1がR2C(O)で表されるアシル基である場合、R2は、炭素数1から10のハロアルキル基であり、該炭素数1から10のハロアルキル基としては、直鎖状、分岐状又は環状ハロアルキル基のいずれでもよく、特に限定するものではないが、具体的には、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、1,1-ジフルオロエチル基、2,2-ジフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、1,1-ジフルオロプロピル基、ペルフルオロ(1-メチルプロピル)基、2,2,2-トリフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル基、ペルフルオロシクロプロピル基、2,2,3,3-テトラフルオロシクロプロピル基、ペルフルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチル基、3,3,4,4,4-ペンタフルオロブチル基、4,4,4-トリフルオロブチル基、1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-(トリフルオロメチル)プロピル基、1-(トリフルオロメチル)プロピル基、1-メチル-3,3,3-トリフルオロプロピル基、ペルフルオロシクロブチル基、2,2,3,3,4,4-ヘキサフルオロシクロブチル基、ペルフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロペンチル基、3,3,4,4,5,5,5-ヘプタフルオロペンチル基、4,4,5,5,5-ペンタフルオロペンチル基、5,5,5-トリフルオロペンチル基、1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-(ペルフルオロエチル)プロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロ-1-(ペルフルオロエチル)プロピル基、ペルフルオロシクロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6-ウンデカフルオロヘキシル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロヘキシル基、4,4,5,5,6,6,6-ヘプタフルオロヘキシル基、5,5,6,6,6-ペンタフルオロヘキシル基、6,6,6-トリフルオロヘキシル基、ペルフルオロシクロヘキシル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、2-クロロエチル基、3-ブロモプロピル基等を例示することができる。
【0039】
本発明において、R1は、本発明のヘキサヒドロベンゾジピロールが収率良く得られる点で、同一であって、エチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、1つ以上の水酸基で置換された炭素数1から4のアルキル基、1つ以上の炭素数1から6のアルコキシ基で置換された炭素数1から4のアルキル基、炭素数5から10のアルキル基、炭素数1から10のハロアルキル基(前記の炭素数5から10のアルキル基及び前記の炭素数1から10のハロアルキル基は、水酸基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数6から10のアリール基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基及び炭素数12から20のジアリールアミノ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。)又はR2C(O)(式中、R2は、炭素数1から10のハロアルキル基を表す。)で表されるアシル基であることが好ましく、同一であって、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、1つ以上の水酸基で置換された炭素数1から4のアルキル基、一つ以上の炭素数1から4のアルコキシ基で置換された炭素数1から4のアルキル基、1つ以上の水酸基で置換されていてもよい炭素数5から10のアルキル基、CF3C(O)で表されるアシル基、CF3CF2C(O)で表されるアシル基又はCl3CC(O)で表されるアシル基のいずれかであることがより好ましく、同一であって、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、1つ以上の水酸基で置換された炭素数1から4のアルキル基、一つ以上の炭素数1から4のアルコキシ基で置換された炭素数1から4のアルキル基、炭素数5から10のアルキル基、CF3C(O)で表されるアシル基又はCl3CC(O)で表されるアシル基であることがより好ましく、同一であって、エチル基、4-ヒドロキシブチル基、5-ヒドロキシペンチル基、へキシル基又はCF3C(O)で表されるアシル基であることがより好ましく、同一であって、エチル基、4-ヒドロキシブチル基、5-ヒドロキシペンチル基又はCF3C(O)で表されるアシル基のいずれかであることが殊更好ましい。
【0040】
上記の1つ以上の水酸基で置換された炭素数1から4のアルキル基としては、具体的には、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、3-ヒドロキシプロピル基、2,3-ジヒドロキシプロピル基、4-ヒドロキシブチル基等を例示できる。
【0041】
上記の1つ以上の炭素数1から6のアルコキシ基で置換された炭素数1から4のアルキル基としては、具体的には、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、ペンチルオキシメチル基、ヘキシルオキシメチル基、2-メトキシエチル基、2-エトキシエチル基、2-プロポキシエチル基、2-ブトキシエチル基、2-ペンチルオキシエチル基、2-ヘキシルオキシエチル基、3-メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、3-プロポキシプロピル基、3-ブトキシプロピル基、3-ペンチルオキシプロピル基、3-ヘキシルオキシプロピル基、4-メトキシブチル基、4-エトキシブチル基、4-プロポキシブチル基、4-ブトキシブチル基、4-ペンチルオキシブチル基、4-ヘキシルオキシブチル基等を例示できる。
【0042】
上記の炭素数5から10のアルキル基としては、具体的には、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等を例示できる。
【0043】
上記の1つ以上の炭素数1から4のアルコキシ基で置換された炭素数1から4のアルキル基としては、具体的には、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、2-メトキシエチル基、2-エトキシエチル基、2-プロポキシエチル基、2-ブトキシエチル基、3-メトキシプロピル基、3-エトキシプロピル基、3-プロポキシプロピル基、3-ブトキシプロピル基、4-メトキシブチル基、4-エトキシブチル基、4-プロポキシブチル基、4-ブトキシブチル基等を例示できる。
【0044】
上記の1つ以上の水酸基で置換されていてもよい炭素数5から10のアルキル基としては、具体的には、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、5-ヒドロキシペンチル基、6-ヒドロキシヘキシル基、7-ヒドロキシヘプチル基、8-ヒドロキシオクチル基、9-ヒドロキシノニル基、10-ヒドロキシデシル基等を例示できる。
【0045】
本発明において、Xは、同一又は相異なって、水素原子又はハロゲン原子であり、収率が良い点で、同一又は相異なって、水素原子、塩素原子又は臭素原子であることが好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
【0046】
次に、本発明のヘキサヒドロベンゾジピロールの製造方法(以下、「本発明の製造方法」ともいう。)について詳細に説明する。
【0047】
本発明の好ましい製造方法として、下記一般式(2)で表されるピロメリット酸ジイミドと、還元剤とを反応させることを特徴とする、下記一般式(1a)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロールの製造方法(以下「本発明の製法-1」ともいう。)、を挙げることができる。
【0048】
【0049】
(式中、Xは、同一又は相異なって、水素原子又はハロゲン原子を表す。
R3は、同一又は相異なって、炭素数1から10のアルキル基又は炭素数1から10のハロアルキル基(前記の炭素数1から10のアルキル基及び前記の炭素数1から10のハロアルキル基は、水酸基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数6から10のアリール基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基、炭素数12から20のジアリールアミノ基及びR2bC(O)(式中、R2bは、炭素数1から4のアルキル基を表す。)で表されるアシル基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。)を表す。)
一般式(1a)
【0050】
【0051】
(式中、Xは、同一又は相異なって、水素原子又はハロゲン原子を表す。
R4は、同一又は相異なって、炭素数1から10のアルキル基又は炭素数1から10のハロアルキル基(前記の炭素数1から10のアルキル基及び前記の炭素数1から10のハロアルキル基は、水酸基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数6から10のアリール基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基及び炭素数12から20のジアリールアミノ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。)を表す。)
本発明の製法-1において、R3は、同一又は相異なって、炭素数1から10のアルキル基又は炭素数1から10のハロアルキル基(前記の炭素数1から10のアルキル基及び前記の炭素数1から10のハロアルキル基は、水酸基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数6から10のアリール基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基、炭素数12から20のジアリールアミノ基及びR2bC(O)(式中、R2bは、炭素数1から4のアルキル基を表す。)で表されるアシル基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。)のいずれかである。
【0052】
本発明の製法-1において、R4は、同一又は相異なって、炭素数1から10のアルキル基又は炭素数1から10のハロアルキル基(前記の炭素数1から10のアルキル基及び前記の炭素数1から10のハロアルキル基は、水酸基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数6から10のアリール基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基及び炭素数12から20のジアリールアミノ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。)のいずれかである。
【0053】
本発明の製法-1において、R3及びR4で表される炭素数1から10のアルキル基としては、特に限定するものではないが、具体的には、直鎖状、分岐状又は環状アルキル基のいずれでもよく、特に限定するものではないが、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、シクロヘキシルメチル基、2-シクロペンチルエチル基、2-メチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、3-シクロプロピルプロピル基、シクロプロピル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、3-メチルブタン-2-イル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、2-メチルペンチル基、3-エチルペンチル基、2,4-ジメチルペンチル基、1-メチルブチル基、2-メチルペンタン-2-イル基、4,4-ジメチルペンタン-2-イル基、2-エチルプロピル基、3-エチルペンタン-3-イル基、シクロペンチル基、2,5-ジメチルシクロペンチル基、3-エチルシクロペンチル基、ヘキシル基、2-メチルヘキシル基、3,3-ジメチルヘキシル基、4-エチルヘキシル基、1-メチルペンチル基、2-メチルヘキサン-2-イル基、5,5-ジメチルヘキサン-2-イル基、2-エチルブチル基、2,4-ジメチルヘキサン-3-イル基、シクロヘキシル基、4-エチルシクロヘキシル基、4-プロピルシクロヘキシル基、4,4-ジメチルシクロヘキシル基、ヘプチル基、1-メチルヘキシル基、1-エチルペンチル基、1-プロピルブチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル基、オクチル基、1-メチルヘプチル基、1-エチルへキシル基、1-プロピルペンチル基、シクロオクチル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン-2-イル基、ノニル基、1-ブチルペンチル基、デシル基、1-メチルノニル基、1-ブチルヘキシル基等を例示することができる。
【0054】
本発明の製法-1において、R3及びR4で表される炭素数1から10のハロアルキル基としては、特に限定するものではないが、具体的には、直鎖状、分岐状又は環状ハロアルキル基のいずれでもよく、特に限定するものではないが、具体的には、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、1,1-ジフルオロエチル基、2,2-ジフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、1,1-ジフルオロプロピル基、ペルフルオロ(1-メチルプロピル)基、2,2,2-トリフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル基、ペルフルオロシクロプロピル基、2,2,3,3-テトラフルオロシクロプロピル基、ペルフルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチル基、3,3,4,4,4-ペンタフルオロブチル基、4,4,4-トリフルオロブチル基、1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-(トリフルオロメチル)プロピル基、1-(トリフルオロメチル)プロピル基、1-メチル-3,3,3-トリフルオロプロピル基、ペルフルオロシクロブチル基、2,2,3,3,4,4-ヘキサフルオロシクロブチル基、ペルフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロペンチル基、3,3,4,4,5,5,5-ヘプタフルオロペンチル基、4,4,5,5,5-ペンタフルオロペンチル基、5,5,5-トリフルオロペンチル基、1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-(ペルフルオロエチル)プロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロ-1-(ペルフルオロエチル)プロピル基、ペルフルオロシクロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6-ウンデカフルオロヘキシル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロヘキシル基、4,4,5,5,6,6,6-ヘプタフルオロヘキシル基、5,5,6,6,6-ペンタフルオロヘキシル基、6,6,6-トリフルオロヘキシル基、ペルフルオロシクロヘキシル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、2-クロロエチル基、3-ブロモプロピル基等を例示することができる。
【0055】
本発明の製法-1において、R3及びR4で表される炭素数1から10のアルキル基又は炭素数1から10のハロアルキル基は、1つ以上の水酸基で置換されていてもよい。水酸基で置換された炭素数1から10のアルキル基としては、特に限定するものではないが、具体的には、4-ヒドロキシブチル基、5-ヒドロキシペンチル基、6-ヒドロキシヘキシル基、4-ヒドロキシシクロヘキシル基、2,3-ジヒドロキシプロピル基等を例示できる。
【0056】
本発明の製法-1において、R3で表される炭素数1から10のアルキル基又は炭素数1から10のハロアルキル基は、1つ以上のR2bC(O)(式中、R2bは、炭素数1から4のアルキル基を表す。)で表されるアシル基で置換されていてもよい。前記の炭素数1から4のアルキル基としては、特に限定するものではないが、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2-メチルプロピル基、シクロプロピル基、tert-ブチル基、シクロブチル基等を例示することができる。該R2bC(O)(式中、R2bは、炭素数1から4のアルキル基を表す。)で表されるアシル基としては、特に限定するものではないが、具体的には、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ペンタノイル基等を例示できる。
【0057】
本発明の製法-1において、R3及びR4で表される炭素数1から10のアルキル基又は炭素数1から10のハロアルキル基は、1つ以上の炭素数1から6のアルキル基で置換されていてもよい。該炭素数1から6のアルキル基としては、特に限定するものではないが、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2-メチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、3-シクロプロピルプロピル基、シクロプロピル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、3-メチルブタン-2-イル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、2-メチルペンチル基、1-メチルブチル基、2-メチルペンタン-2-イル基、2-エチルプロピル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、1-メチルペンチル基、2-エチルブチル基、シクロヘキシル基等を例示できる。
【0058】
本発明の製法-1において、R3及びR4で表される炭素数1から10のアルキル基又は炭素数1から10のハロアルキル基は、1つ以上の炭素数6から10のアリール基で置換されていてもよく、当該炭素数6から10のアリール基としては、特に限定するものではないが、具体的には、フェニル基、2-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、2,3-ジメチルフェニル基、2,4-ジメチルフェニル基、2,5-ジメチルフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、3,4-ジメチルフェニル基、3,5-ジメチルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、ナフチル基等を例示することができる。
【0059】
本発明の製法-1において、R3及びR4で表される炭素数1から10のアルキル基又は炭素数1から10のハロアルキル基は、1つ以上の炭素数1から6のアルコキシ基で置換されていてもよい。該炭素数1から6のアルコキシ基としては、特に限定するものではないが、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、2-メチルプロポキシ基、2,2-ジメチルプロポキシ基、3-シクロプロピルプロポキシ基、シクロプロポキシ基、2-メチルブトキシ基、3-メチルブトキシ基、tert-ブトキシ基、シクロブトキシ基、ペンチルオキシ基、2-メチルペンチルオキシ基、1-メチルブチルオキシ基、1,2-ジメチルブトキシ基、1-エチルプロポキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等を例示できる。
【0060】
本発明の製法-1において、R3及びR4で表される炭素数1から10のアルキル基又は炭素数1から10のハロアルキル基は、1つ以上の炭素数6から10のアリールオキシ基で置換されていてもよい。該炭素数6から10のアリールオキシ基としては、特に限定するものではないが、具体的には、フェニルオキシ基、2-メチルフェニルオキシ基、3-メチルフェニルオキシ基、4-メチルフェニルオキシ基、2,3-ジメチルフェニルオキシ基、2,4-ジメチルフェニルオキシ基、2,5-ジメチルフェニルオキシ基、2,6-ジメチルフェニルオキシ基、3,4-ジメチルフェニルオキシ基、3,5-ジメチルフェニルオキシ基、2,3,4-トリメチルフェニルオキシ基、2,3,5-トリメチルフェニルオキシ基、2,3,6-トリメチルフェニルオキシ基、2,4,5-トリメチルフェニルオキシ基、2,4,6-トリメチルフェニルオキシ基、3,4,5-トリメチルフェニルオキシ基、2,3,4,5-テトラメチルフェニルオキシ基、2,3,4,6-テトラメチルフェニルオキシ基、2,3,5,6-テトラメチルフェニルオキシ基、2-エチルフェニルオキシ基、3-エチルフェニルオキシ基、4-エチルフェニルオキシ基、2,3-ジエチルフェニルオキシ基、2,4-ジエチルフェニルオキシ基、2,5-ジエチルフェニルオキシ基、2,6-ジエチルフェニルオキシ基、3,4-ジエチルフェニルオキシ基、3,5-ジエチルフェニルオキシ基、2-プロピルフェニルオキシ基、3-プロピルフェニルオキシ基、4-プロピルフェニルオキシ基、2-イソプロピルフェニルオキシ基、3-イソプロピルフェニルオキシ基、4-イソプロピルフェニルオキシ基、2-シクロプロピルフェニルオキシ基、3-シクロプロピルフェニルオキシ基、4-シクロプロピルフェニルオキシ基、2-ブチルフェニルオキシ基、3-ブチルフェニルオキシ基、4-ブチルフェニルオキシ基、2-(1-メチルプロピル)フェニルオキシ基、3-(1-メチルプロピル)フェニルオキシ基、4-(1-メチルプロピル)フェニルオキシ基、2-(2-メチルプロピル)フェニルオキシ基、3-(2-メチルプロピル)フェニルオキシ基、4-(2-メチルプロピル)フェニルオキシ基、2-シクロブチルフェニルオキシ基、3-シクロブチルフェニルオキシ基、4-シクロブチルフェニルオキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基等を例示できる。
【0061】
本発明の製法-1において、R3及びR4で表される炭素数1から10のアルキル基又は炭素数1から10のハロアルキル基は、1つ以上の炭素数2から12のジアルキルアミノ基で置換されていてもよい。該炭素数2から12のジアルキルアミノ基としては、特に限定するものではないが、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ビス(2-メチルプロピル)アミノ基、ビス(2,2-ジメチルプロピル)アミノ基、ビス(3-シクロプロピルプロピル)アミノ基、ジシクロプロピルアミノ基、ビス(2-メチルブチル)アミノ基、ビス(3-メチルブチル)アミノ基、ジ(tert-ブチル)アミノ基、ジシクロブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ビス(2-メチルペンチル)アミノ基、ビス(1-メチルブチル)アミノ基、ビス(1,2-ジメチルブチル)アミノ基、ビス(1-エチルプロピル)アミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、N-エチル-N-メチルアミノ基、N-メチル-N-プロピル基、N-シクロプロピル-N-メチルアミノ基、N-ブチル-N-メチルアミノ基、N-シクロブチル-N-メチルアミノ基、N-メチル-N-ペンチル基、N-シクロペンチル-N-メチルアミノ基、N-ヘキシル-N-メチルアミノ基、N-シクロヘキシル-N-メチルアミノ基、N-シクロヘプチル-N-メチルアミノ基、N-メチル-N-オクチルアミノ基、N-メチル-N-ノニルアミノ基、N-デシル-N-メチルアミノ基、N-メチル-N-ウンデシルアミノ基等を例示できる。
【0062】
本発明の製法-1において、R3及びR4で表される炭素数1から10のアルキル基又は炭素数1から10のハロアルキル基は、1つ以上の炭素数6から10のモノアリールアミノ基で置換されていてもよい。該炭素数6から10のモノアリールアミノ基としては、特に限定するものではないが、フェニルアミノ基、2-メチルフェニルアミノ基、3-メチルフェニルアミノ基、4-メチルフェニルアミノ基、2,3-ジメチルフェニルアミノ基、2,4-ジメチルフェニルアミノ基、2,5-ジメチルフェニルアミノ基、2,6-ジメチルフェニルアミノ基、3,4-ジメチルフェニルアミノ基、3,5-ジメチルフェニルアミノ基、2,3,4-トリメチルフェニルアミノ基、2,3,5-トリメチルフェニルアミノ基、2,3,6-トリメチルフェニルアミノ基、2,4,5-トリメチルフェニルアミノ基、2,4,6-トリメチルフェニルアミノ基、3,4,5-トリメチルフェニルアミノ基、2,3,4,5-テトラメチルフェニルアミノ基、2,3,4,6-テトラメチルフェニルアミノ基、2,3,5,6-テトラメチルフェニルアミノ基、2-エチルフェニルアミノ基、3-エチルフェニルアミノ基、4-エチルフェニルアミノ基、2,3-ジエチルフェニルアミノ基、2,4-ジエチルフェニルアミノ基、2,5-ジエチルフェニルアミノ基、2,6-ジエチルフェニルアミノ基、3,4-ジエチルフェニルアミノ基、3,5-ジエチルフェニルアミノ基、2-プロピルフェニルアミノ基、3-プロピルフェニルアミノ基、4-プロピルフェニルアミノ基、2-イソプロピルフェニルアミノ基、3-イソプロピルフェニルアミノ基、4-イソプロピルフェニルアミノ基、2-シクロプロピルフェニルアミノ基、3-シクロプロピルフェニルアミノ基、4-シクロプロピルフェニルアミノ基、2-ブチルフェニルアミノ基、3-ブチルフェニルアミノ基、4-ブチルフェニルアミノ基、2-(1-メチルプロピル)フェニルアミノ基、3-(1-メチルプロピル)フェニルアミノ基、4-(1-メチルプロピル)フェニルアミノ基、2-(2-メチルプロピル)フェニルアミノ基、3-(2-メチルプロピル)フェニルアミノ基、4-(2-メチルプロピル)フェニルアミノ基、2-シクロブチルフェニルアミノ基、3-シクロブチルフェニルアミノ基、4-シクロブチルフェニルアミノ基、1-ナフチルアミノ基、2-ナフチルアミノ基等を例示できる。
【0063】
本発明の製法-1において、R3及びR4で表される炭素数1から10のアルキル基又は炭素数1から10のハロアルキル基は、1つ以上の炭素数12から20のジアリールアミノ基で置換されていてもよく、該炭素数12から20のジアリールアミノ基としては、特に限定されるものではないが、ジフェニルアミノ基、ビス(2-メチルフェニル)アミノ基、ビス(3-メチルフェニル)アミノ基、ビス(4-メチルフェニル)アミノ基、ビス(2,3-ジメチルフェニル)アミノ基、ビス(2,4-ジメチルフェニル)アミノ基、ビス(2,5-ジメチルフェニル)アミノ基、ビス(2,6-ジメチルフェニル)アミノ基、ビス(3,4-ジメチルフェニル)アミノ基、ビス(3,5-ジメチルフェニル)アミノ基、ビス(2,3,4-トリメチルフェニル)アミノ基、ビス(2,3,5-トリメチルフェニル)アミノ基、ビス(2,3,6-トリメチルフェニル)アミノ基、ビス(2,4,5-トリメチルフェニル)アミノ基、ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)アミノ基、ビス(3,4,5-トリメチルフェニル)アミノ基、ビス(2,3,4,5-テトラメチルフェニル)アミノ基、ビス(2,3,4,6-テトラメチルフェニル)アミノ基、ビス(2,3,5,6-テトラメチルフェニル)アミノ基、ビス(2-エチルフェニル)アミノ基、ビス(3-エチルフェニル)アミノ基、ビス(4-エチルフェニル)アミノ基、ビス(2,3-ジエチルフェニル)アミノ基、ビス(2,4-ジエチルフェニル)アミノ基、ビス(2,5-ジエチルフェニル)アミノ基、ビス(2,6-ジエチルフェニル)アミノ基、ビス(3,4-ジエチルフェニル)アミノ基、ビス(3,5-ジエチルフェニル)アミノ基、ビス(2-プロピルフェニル)アミノ基、ビス(3-プロピルフェニル)アミノ基、ビス(4-プロピルフェニル)アミノ基、ビス(2-イソプロピルフェニル)アミノ基、ビス(3-イソプロピルフェニル)アミノ基、ビス(4-イソプロピルフェニル)アミノ基、ビス(2-シクロプロピルフェニル)アミノ基、ビス(3-シクロプロピルフェニル)アミノ基、ビス(4-シクロプロピルフェニル)アミノ基、ビス(2-ブチルフェニル)アミノ基、ビス(3-ブチルフェニル)アミノ基、ビス(4-ブチルフェニル)アミノ基、ビス[2-(1-メチルプロピル)フェニル]アミノ基、ビス[3-(1-メチルプロピル)フェニル]アミノ基、4-(1-メチルプロピル)フェニルアミノ基、ビス[2-(2-メチルプロピル)フェニル]アミノ基、ビス[3-(2-メチルプロピル)フェニル]アミノ基、ビス[4-(2-メチルプロピル)フェニル]アミノ基、ビス(2-シクロブチルフェニル)アミノ基、ビス(3-シクロブチルフェニル)アミノ基、ビス(4-シクロブチルフェニル)アミノ基、ジ(1-ナフチル)アミノ基、ジ(2-ナフチル)アミノ基、N-(2-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(3-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(4-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(2,3-ジメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(2,4-ジメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(2,5-ジメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(2,6-ジメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(3,4-ジメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(3,5-ジメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(2,3,4-トリメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(2,3,5-トリメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(2,3,6-トリメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(2,4,5-トリメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(2,4,6-トリメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(3,4,5-トリメチルフェニル)-N-フェニルアミノ基、N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ基、N-(2-ナフチル)-N-フェニルアミノ基等を例示できる。
【0064】
本発明の製法-1では以下に示す反応によって、一般式(1a)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロールが得られる。
【0065】
【0066】
(式中、R3及びR4は、前記と同じ意味を表す。)
本発明の製法-1において、ピロメリット酸ジイミド(2)におけるXは、同一又は相異なって、水素原子又はハロゲン原子であり、本発明のヘキサヒドロベンゾジピロールが製造しやすい点で、同一又は相異なって、水素原子、塩素原子及び臭素原子のいずれかであることが好ましく、水素原子がさらに好ましい。
【0067】
本発明の製法-1において、ピロメリット酸ジイミド(2)のR3は、同一であって、炭素数1から10のアルキル基又は炭素数1から10のハロアルキル基(前記の炭素数1から10のアルキル基及び前記の炭素数1から10のハロアルキル基は、水酸基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数6から10のアリール基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基、炭素数12から20のジアリールアミノ基及びR2bC(O)(式中、R2bは、炭素数1から4のアルキル基を表す。)で表されるアシル基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。)であることが好ましく、ヘキサヒドロベンゾジピロール(1a)のR4は、同一であって、炭素数1から10のアルキル基又は炭素数1から10のハロアルキル基(前記の炭素数1から10のアルキル基及び前記の炭素数1から10のハロアルキル基は、水酸基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数6から10のアリール基、炭素数1から6のアルコキシ基、炭素数6から10のアリールオキシ基、炭素数2から12のジアルキルアミノ基、炭素数6から10のモノアリールアミノ基及び炭素数12から20のジアリールアミノ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。)であることが好ましい。
【0068】
本発明の製法-1において、ピロメリット酸ジイミド(2)のR3は、同一であって、炭素数1から10のアルキル基、1つ以上の水酸基で置換された炭素数1から4のアルキル基、1つ以上の炭素数1から4のアルコキシ基で置換された炭素数1から4のアルキル基、1つ以上の水酸基で置換されていてもよい炭素数5から10のアルキル基又はR2bC(O)(式中、R2bは、炭素数1から4のアルキル基を表す。)で表されるアシル基で置換された炭素数1から5のアルキル基であることがより好ましく、ヘキサヒドロベンゾジピロール(1a)のR4は、同一であって、炭素数1から10のアルキル基、1つ以上の水酸基で置換された炭素数1から4のアルキル基、1つ以上の炭素数1から4のアルコキシ基で置換された炭素数1から4のアルキル基又は1つ以上の水酸基で置換されていてもよい炭素数5から10のアルキル基であることがより好ましい。
【0069】
本発明の製法-1において、ピロメリット酸ジイミド(2)のR3は、同一であって、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、1つ以上の水酸基で置換された炭素数1から4のアルキル基、1つ以上の炭素数1から4のアルコキシ基で置換された炭素数1から4のアルキル基、1つ以上の水酸基で置換されていてもよい炭素数5から10のアルキル基又はR2bC(O)(式中、R2bは、炭素数1から4のアルキル基を表す。)で表されるアシル基で置換された炭素数1から5のアルキル基であることがより好ましく、ヘキサヒドロベンゾジピロール(1a)のR4は、同一であって、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、1つ以上の水酸基で置換された炭素数1から4のアルキル基、1つ以上の炭素数1から4のアルコキシ基で置換された炭素数1から4のアルキル基又は1つ以上の水酸基で置換されていてもよい炭素数5から10のアルキル基であることがより好ましい。
【0070】
本発明の製法-1において、ピロメリット酸ジイミド(2)のR3は、同一であって、エチル基、4-アセトキシブチル基、5-アセトキシペンチル基又はへキシル基であり、ヘキサヒドロベンゾジピロール(1a)のR4は、同一であって、エチル基、4-ヒドロキシブチル基、5-ヒドロキシペンチル基又はへキシル基であることがより好ましい。
【0071】
本発明の製法-1に供する、ピロメリット酸ジイミド(2)は、本明細書中の参考例1-1及び参考例1-2に記載の製造方法によって得られるもの、公知の製造方法で得られるもの又は市販のものを用いることができ、公知の製造方法としては、例えば、Tetrahedron,56巻,6899-6911頁,2000年で開示された製造方法を挙げることができる。
【0072】
本発明の製法-1において、還元剤は、特に限定するものではないが、ヒドリドを供給できるものであればよく、具体的には、水素化アルミニウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、ボラン-ジメチルスルフィド錯体、ボラン-テトラヒドロフラン錯体、ボラン-ピリジン錯体、水素化ホウ素ナトリウム/三フッ化ホウ素―ジエチルエーテル錯体等を例示することができる。入手が容易であり、収率が良い点で、水素化アルミニウムリチウム、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、ボラン-ジメチルスルフィド錯体、ボラン-テトラヒドロフラン錯体であることが好ましく、水素化アルミニウムリチウム、ボラン-ジメチルスルフィド錯体であることが特に好ましい。
【0073】
本発明の製法-1において、還元剤は、ピロメリット酸ジイミド(2)に対して、本発明のヘキサヒドロベンゾジピロール(1a)収率が良い点で2~50当量を用いることが好ましく、4~10当量を用いることが特に好ましい。
【0074】
本発明の製法-1は、溶媒中で実施することができる。当該溶媒は、反応を阻害しないものであればよく、特に限定するものではないが、具体的には、トルエン、キシレン及びクロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン及び1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒又はメタノール、エタノール及びプロパノール等のアルコール系溶媒を例示できる。また、これらの溶媒を2種以上組み合わせて用いてもよい。製法-1における本発明のヘキサヒドロベンゾジピロール(1a)収率が良い点で好ましい溶媒として芳香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒が好ましく、さらに具体的には、トルエン、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。
【0075】
本発明の製法-1において、反応温度は、特に限定するものではないが、20℃以上150℃以下の任意の温度とすることができる。本発明のヘキサヒドロベンゾジピロール(1a)の収率が良い点で、反応温度は40℃以上120℃以下であることが好ましい。
【0076】
本発明の製法-1において、反応時間は、特に制限はなく、例えば、1時間以上100時間以下を挙げることができる。
【0077】
本発明の製法-1は、反応後、得られたヘキサヒドロベンゾジピロール(1a)を単離する工程、を含んでいてもよい。単離方法は任意であり、特に限定するものではないが、具体的には、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー、分取液体クロマトグラフィー及び再結晶等を例示することができる。
【0078】
別の好ましい本発明の製造方法として、下記一般式(3)で表される芳香族化合物と、下記一般式(4a)で表されるアミド化合物と下記一般式(4b)で表されるアミド化合物とを反応させることを特徴とする、下記一般式(1b)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロールの製造方法(以下「本発明の製法-2」ともいう。)、を挙げることができる。
【0079】
【0080】
(式中、Xは、同一又は相異なって、水素原子又はハロゲン原子を表す。
Yは、同一又は相異なって、ハロゲン原子又はR5SO2Oで表されるスルホニルオキシ基を表す。R5は、炭素数1から9のアルキル基、炭素数1から9のフルオロアルキル基又はフェニル基であり、該フェニル基は、炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のフルオロアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基、炭素数1から4のフルオロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びニトロ基の群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。)
【0081】
【0082】
(式中、R2aは、炭素数1から10のハロアルキル基を表す。)
【0083】
【0084】
(式中、R2bは、炭素数1から10のハロアルキル基を表す。)
【0085】
【0086】
(式中、Xは、同一又は相異なって、水素原子又はハロゲン原子を表す。
R2a及びR2bは、各々独立に、炭素数1から10のハロアルキル基を表す。)
本発明の製法-2では、以下に表す反応によって、一般式(1b)で表されるヘキサヒドロベンゾジピロールが得られる。
【0087】
【0088】
(式中、X、Y、R2a及びR2bは、前記と同じ意味を表す。)
本発明の製法-2の反応に供する、アミド化合物(4a)及びアミド化合物(4b)は、同じ化合物を用いても良いし、異なる2種類のアミド化合物を用いても良く、異なる2種類のアミド化合物を用いた場合、非対称のヘキサヒドロベンゾピロール(1b)を得ることができる。
【0089】
本発明の製法-2において、アミド化合物(4a)及びアミド化合物(4b)は、芳香族化合物(3)と段階的に反応させてもよいし、同時に反応させることもできる。
【0090】
本発明の製法-2において、一般式(3)で表される芳香族化合物は、市販されているものであってもよいが、公知の製造方法により得られるものであってもよい。公知の製造方法として、例えば、Tetrahedron,71巻,6944-6955頁,2005年やJournal of the American Chemical Society,129巻,13362-13363頁,2007年などで開示された製造方法を挙げることができる。
【0091】
本発明の製法-2において、芳香族化合物(3)及びヘキサヒドロベンゾピロール(1b)におけるXは、同一又は相異なって、水素原子又はハロゲン原子である。当該ハロゲン原子としては、特に限定するものではないが、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を例示することができる。当該Xについては、本発明のヘキサヒドロベンゾジピロールが製造しやすい点で、同一又は相異なって、水素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子のいずれかであることが好ましく、同一又は相異なって、水素原子又は臭素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることが殊更好ましい。
【0092】
本発明の製法-2において、一般式(3)で表される芳香族化合物におけるYは、同一又は相異なって、ハロゲン原子又はR5SO2Oで表されるスルホニルオキシ基のいずれかである。なお、前記のR5は、炭素数1から9のアルキル基、炭素数1から9のフルオロアルキル基又はフェニル基のいずれかである。該フェニル基は、炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のフルオロアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基、炭素数1から4のフルオロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びニトロ基の群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0093】
本発明の製法-2において、Yがハロゲン原子である場合、該ハロゲン原子としては、特に限定するものではないが、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を例示することができる。
【0094】
本発明の製法-2において、YがR5SO2Oで表されるスルホニルオキシ基である場合、R5は、炭素数1から9のアルキル基、炭素数1から9のフルオロアルキル基又はフェニル基であり、該フェニル基は、炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のフルオロアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基、炭素数1から4のフルオロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びニトロ基の群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0095】
R5が炭素数1から9のアルキル基である場合、該炭素数1から9のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、1-メチルブチル基、3-メチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、オクチル基及びノニル基等を例示することができる。
【0096】
R5が炭素数1から9のフルオロアルキル基である場合、該炭素数1から9のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、トリフルオロメチル基、4,4,4-トリフルオロブチル基及び1,1,2,2,3,3,4,4,4-ノナフルオロブチル基等を例示することができる。
【0097】
R5がフェニル基である場合、該フェニル基は、炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のフルオロアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基、炭素数1から4のフルオロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びニトロ基の群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0098】
R5が炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のフルオロアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基、炭素数1から4のフルオロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びニトロ基からなる群の少なくとも1種で置換されたフェニル基(以下、「置換フェニル基」ともいう。)である場合、置換フェニル基としては、特に限定するものではないが、例えば、2-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、2,5-ジメチルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、4-エチルフェニル基、4-プロピルフェニル基、2,4,6-トリイソプロピルフェニル基、4-tert-ブチルフェニル基、2-トリフルオロメチルフェニル基、3-(トリフルオロメチル)フェニル基、4-トリフルオロメチルフェニル基、3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、4-メトキシフェニル基、4-(イソプロポキシ)フェニル基、4-トリフルオロメトキシフェニル基、2-フルオロフェニル基、3-フルオロフェニル基、4-フルオロフェニル基、2-クロロフェニル基、3-クロロフェニル基、4-クロロフェニル基、3,5-ジクロロフェニル基、2,6-ジクロロフェニル基、2-ブロモフェニル基、3-ブロモフェニル基、4-ブロモフェニル基、2-シアノフェニル基、3-シアノフェニル基、4-シアノフェニル基、2-ニトロフェニル基、3-ニトロフェニル基及び4-ニトロフェニル基等を例示することができる。
【0099】
本発明の製法-2において、芳香族化合物(3)におけるYは、収率が良くなる点で、同一又は相異なって、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、C6H5SO2Oで表されるベンゼンスルホニルオキシ基、p-CH3C6H4SO2Oで表されるp-トルエンスルホニルオキシ基、CH3SO2Oで表されるメタンスルホニルオキシ基又はCF3SO2Oで表されるトリフルオロメタンスルホニルオキシ基であることが好ましく、同一又は相異なって、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、C6H5SO2Oで表されるベンゼンスルホニルオキシ基、p-CH3C6H4SO2Oで表されるp-トルエンスルホニルオキシ基又はCH3SO2Oで表されるメタンスルホニルオキシ基であることがより好ましい。
【0100】
本発明の製法-2において、アミド化合物(4a)におけるR2a及びアミド化合物(4b)におけるR2bは、同一又は相異なって、炭素数1から10のハロアルキル基である。該炭素数1から10のハロアルキル基としては、特に限定するものではないが、具体的には、直鎖状、分岐状又は環状ハロアルキル基のいずれでもよく、特に限定するものではないが、具体的には、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、1,1-ジフルオロエチル基、2,2-ジフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、1,1-ジフルオロプロピル基、ペルフルオロ(1-メチルプロピル)基、2,2,2-トリフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル基、ペルフルオロシクロプロピル基、2,2,3,3-テトラフルオロシクロプロピル基、ペルフルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチル基、3,3,4,4,4-ペンタフルオロブチル基、4,4,4-トリフルオロブチル基、1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-(トリフルオロメチル)プロピル基、1-(トリフルオロメチル)プロピル基、1-メチル-3,3,3-トリフルオロプロピル基、ペルフルオロシクロブチル基、2,2,3,3,4,4-ヘキサフルオロシクロブチル基、ペルフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロペンチル基、3,3,4,4,5,5,5-ヘプタフルオロペンチル基、4,4,5,5,5-ペンタフルオロペンチル基、5,5,5-トリフルオロペンチル基、1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-(ペルフルオロエチル)プロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロ-1-(ペルフルオロエチル)プロピル基、ペルフルオロシクロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6-ウンデカフルオロヘキシル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロヘキシル基、4,4,5,5,6,6,6-ヘプタフルオロヘキシル基、5,5,6,6,6-ペンタフルオロヘキシル基、6,6,6-トリフルオロヘキシル基、ペルフルオロシクロヘキシル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、2-クロロエチル基、3-ブロモプロピル基等を例示することができる。
【0101】
当該R2については、収率が良くなる点で、同一であって、炭素数1から10のハロアルキル基であることが好ましく、同一であって、CF3(トリフルオロメチル基)、CF3CF2(ペンタフルオロエチル基)、CCl3(トリクロロメチル基)のいずれかであることがより好ましく、同一であって、CF3(トリフルオロメチル基)又はCCl3(トリクロロメチル基)であることがより好ましい。
【0102】
本発明の製法-2において、一般式(3)で表される芳香族化合物に対して、アミド化合物(4a)及びアミド化合物(4b)で表されるアミド化合物の量は、2~50当量であることが好ましく、さらに好ましくは2~5当量である。
【0103】
本発明の製法-2において、反応は塩基存在下で実施することで、収率を向上させることができる。該塩基としては、有機塩基及び無機塩基等が挙げられる。具体的な有機塩基としては、特に限定するものではないが、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン等が例示でき、無機塩基としては、特に限定するものではないが、例えば、水素化ナトリウム、水素化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸セシウム等が例示することができる。該塩基は、収率が良くなる点で、ジイソプロピルエチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン、水素化ナトリウム、水素化カリウムのいずれかであることが好ましく、水素化ナトリウムであることが特に好ましい。
【0104】
本発明の製法-2において、反応は溶媒中で実施することができる。溶媒は、反応を阻害しないものであればよく、特に限定するものではないが、例えば、トルエン、キシレン及びクロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン及び1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロピリミジン-2(1H)-オン等のウレア系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒又はジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒を例示できる。また、これらの溶媒を2種以上組み合わせて用いてもよい。本発明の製法-2における好ましい溶媒として収率が良い点でエーテル系溶媒、アミド系溶媒、ニトリル系溶媒を挙げることができ、さらに好ましい溶媒には、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等を挙げることができる。
【0105】
本発明の製法-2において、反応温度は、特に限定するものではないが、室温以上200℃以下の任意の温度とすることができる。ヘキサヒドロベンゾジピロール(1b)の収率が高くなる傾向があるため、反応温度は、室温以上80℃以下であることが好ましい。
【0106】
本発明の製法-2において、反応時間に特に制限はなく、例えば、1時間以上100時間以下を挙げることができる。
【0107】
本発明の製法-2は、反応後、得られたヘキサヒドロベンゾジピロールを単離する工程、を含んでいてもよい。単離方法は任意であり、特に限定するものではないが、例えば、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー、分取液体クロマトグラフィー及び再結晶等を例示することができる。
【実施例】
【0108】
次に、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(H1-NMR)
AscendTM AVANCE III HD(400MHz、Bruker製)又はUltraShieldTM Plus AVANCE III(400MHz、Bruker製)を使用して、試料のH1-NMR測定を行った。測定溶媒として、重クロロホルム(CDCl3)、重アセトン(Acetone-d6)又は重ジメチルスルフィド(DMSO-d6)を、内部標準物質としてテトラメチルシラン(TMS)を用いて試料のH1-NMRを測定した。また、測定溶媒として重水(D2O)を用いた場合は、溶媒シグナルを4.70ppmに設定した。測定データは、化学シフト、多重度、カップリング定数(Hz)、積分値の順に記載した。
(イオンクロマトグラフ)
イオンクロマトグラフ装置IC-2001(東ソー製)を使用し、陰イオンクロマトグラフを測定した。測定条件は以下のとおりである。
【0109】
カラム: TSKgel SuperIC-AZ
溶離液: 7.5mmol/L炭酸水素ナトリウム水溶液
+1.1mmol/L炭酸ナトリウム水溶基
流速 : 0.8mL/min
温度 : 40℃
検出 : 電気伝導度
参考例1-1
【0110】
【0111】
ピロメリット酸無水物(4.36g,20.0mmol)と酢酸(40mL)の懸濁液に、5-アミノペンタノール(4.80mL,44.0mmol)を加え、加熱還流下で19時間撹拌した。反応後、反応液を室温に放冷し、水(120mL)を入れ、水層を酢酸エチル(120mLx3)で抽出した。併せた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、濃縮することで、淡黄色固体のN,N’-ビス(5-アセトキシペンチル)ピロメリット酸ジイミド(8.88g,収率94%)を得た。この生成物は更なる精製をせずに次の反応に用いた。
【0112】
N,N’-ビス(5-アセトキシペンチル)ピロメリット酸ジイミドのNMRスペクトル:1H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ(ppm):8.18(s,2H),3.98(t,J=6.6Hz,4H),3.62(t,J=7.3Hz,4H),1.98(s,6H),1.70~1.54(m,8H),1.40~1.27(m,4H)。
【0113】
参考例1-2
【0114】
【0115】
ピロメリット酸無水物(4.36g,20.0mmol)と酢酸(40mL)の懸濁液に、4-アミノブタノール(4.10mL,44.0mmol)を加え、加熱還流下で19時間撹拌した。反応後、反応液を室温に放冷し、水(120mL)を入れ、水層を酢酸エチル(120mLx3)で抽出した。併せた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mLx2)で洗浄し、濃縮することで、淡黄色固体のN,N’-ビス(4-アセトキシブチル)ピロメリット酸ジイミド(8.72g,収率98%)を得た。この生成物は更なる精製をせずに次の反応に用いた。
【0116】
N,N’-ビス(4-アセトキシブチル)ピロメリット酸ジイミドのNMRスペクトル:1H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ(ppm):8.19(s,2H),4.02(t,J=6.0Hz,4H),3.65(t,J=6.6Hz,4H),1.99(s,6H),1.73~1.55(m,8H)。
【0117】
実施例1-1
【0118】
【0119】
水素化アルミニウムリチウム(3.41g,90.0mmol)とテトラヒドロフラン(150mL)の懸濁液に、N,N’-ビス(5-アセトキシペンチル)ピロメリット酸ジイミド(7.09g,15.0mmol)を氷浴下で加え、60℃で5時間撹拌した。反応後、反応液を氷浴で冷却し、水(3.40mL)、15%水酸化ナトリウム水溶液(3.40mL)、水(10.2mL)を順次加えて撹拌した。反応液から析出した固体をろ別し、固体をテトラヒドロフラン及び酢酸エチルで洗浄した。ろ液から溶媒を減圧下で留去し、得られた液体をシリカカラムクロマトグラフィーで精製して、黄色油状の2,6-ビス(5-ヒドロキシペンチル)-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロール(2.26g,収率:45%)を得た。
【0120】
2,6-ビス(5-ヒドロキシペンチル)-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロールのNMRスペクトル:1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):7.00(s,2H),3.87(s,8H),3.64(t,J=6.5Hz,4H),2.71(t,J=7.3Hz,4H),1.67~1.54(m,8H),1.52~1.41(m,4H)(水酸基に由来するピークは観測できなかった。)。
【0121】
実施例1-2
【0122】
【0123】
水素化アルミニウムリチウム(4.10g,108mmol)とテトラヒドロフラン(180mL)の懸濁液に、N,N’-ビス(4-アセトキシブチル)ピロメリット酸ジイミド(8.00g,18.0mmol)を氷浴下で加え、60℃で5時間撹拌した。反応後、反応液を氷浴で冷却し、水(4.10mL)、15%水酸化ナトリウム水溶液(4.10mL)、水(12.3mL)を順次加えて撹拌した。反応液から析出した固体をろ別し、固体をテトラヒドロフラン及び酢酸エチルで洗浄した。ろ液から溶媒を減圧下で留去し、得られた液体をシリカカラムクロマトグラフィーで精製して、黄色油状の2,6-ビス(4-ヒドロキシブチル)-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロール(1.75g,収率:32%)を得た。
【0124】
2,6-ビス(4-ヒドロキシブチル)-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロールのNMRスペクトル:1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):7.00(s,2H),3.88(s,8H),3.65(t,J=6.5Hz,4H),2.70(t,J=7.4Hz,4H),1.62~1.52(m,4H),1.51~1.39(m,4H)(水酸基に由来するピークは観測できなかった。)。
【0125】
実施例1-3
【0126】
【0127】
水素化ナトリウム(1.09g,25.0mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(25mL)懸濁液に、トリフルオロアセトアミド(2.83g,25.0mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(25mL)溶液を滴下して室温で1時間撹拌した後、1,2,4,5-テトラキス(ブロモメチル)ベンゼン(2.24g,5.00mmol)を加えた。室温で24時間撹拌した後、反応液を2M塩酸に注ぎ入れて15分間撹拌した。混合液から析出した固体をろ取し、酢酸エチルで洗浄することで、黄色固体の2,6-ビス(トリフルオロアセチル)-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロール(0.690g,収率39%)を得た。
【0128】
2,6-ビス(トリフルオロアセチル)-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロールのNMRスペクトル:1H-NMR(400MHz,Acetone-d6)δ(ppm):7.51~7.43(m,2H),5.14(s,4H),4.91(s,4H).19F-NMR(376MHz,Acetone-d6)δ-73.4(s,6F)。
【0129】
参考例1-3
【0130】
【0131】
実施例1-1で合成した2,6-ビス(5-ヒドロキシペンチル)-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロール(3.32g,10.0mmol)、トリエチルアミン(3.62mL,26.0mmol)及び1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(0.112g,1.00mmol)のジクロロメタン(100mL)溶液に、塩化p-トルエンスルホニル(4.19g,22.0mmol)を氷浴下で加えた。室温で12時間撹拌した後、析出した固体をろ取し、クロロホルムで洗浄して、白色の固体を得た。次いで、得られた固体のメタノール溶液を陰イオン交換樹脂(アンバーライト IRA-400 Cl-型,250cm3)を充填したカラムに通じた後、溶液からメタノールを留去した。得られた固体をアセトンで洗浄して、固体をろ取することで、ジスピロ[ピペリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピペリジン]=ジクロリド(3.30g,2工程での総収率90%)を得た。得られた化合物をイオンクロマトグラフにて分析した結果、塩化物イオンの存在を確認した。
【0132】
ジスピロ[ピペリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピペリジン]=ジクロリドのNMRスペクトル:1H-NMR(400MHz,D2O)δ(ppm):7.37(s,2H),4.85(s,8H),3.55~3.51(m,8H),1.94~1.85(m,8H),1.72~1.62(m,4H)。
【0133】
参考例1-4
【0134】
【0135】
実施例1-2で合成した2,6-ビス(4-ヒドロキシブチル)-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロール(1.25g,4.10mmol)、トリエチルアミン(1.49mL,10.7mmol)及び1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(45.9mg,0.410mmol)のジクロロメタン(41mL)溶液に、塩化p-トルエンスルホニル(1.72g,9.00mmol)を氷浴下で加えた。室温で12時間撹拌した後、析出した固体をろ取し、クロロホルムで洗浄して、白色の固体を得た。次いで、得られた固体のメタノール溶液を陰イオン交換樹脂(アンバーライト IRA-400 Cl-型,250cm3)を充填したカラムに通じた後、溶液からメタノールを留去した。得られた固体をアセトンで洗浄して、固体をろ取することで、ジスピロ[ピロリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ジクロリド(1.25g,2工程での総収率89%)を得た。得られた化合物をイオンクロマトグラフにて分析した結果、塩化物イオンの存在を確認した。
【0136】
ジスピロ[ピロリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ジクロリドのNMRスペクトル:1H-NMR(400MHz,D2O)δ(ppm):7.37(s,2H),4.84(s,8H),3.73~3.60(m,8H),2.30~2.18(m,8H)。
【0137】
参考例1-5
【0138】
【0139】
実施例1-3で合成した2,6-ビス(トリフルオロアセチル)-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロール(0.704g,2.00mmol)のエタノール/テトラヒドロフラン(1:1,6.8mL)溶液に、ブロモエタン(0.630mL,8.40mmol)、及び30%水酸化ナトリウム水溶液(1.32mL,10.0mmol)を加え、密栓容器内70℃で18時間撹拌した。反応後、反応液を室温まで冷却し、溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣にエタノールを加えて、モレキュラーシーブ4Aで乾燥し、固体をろ別した後、ろ液からエタノールを留去した。得られた固体をアセトンで洗浄し、ろ取することで、白色固体の2,2,6,6-テトラエチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム=ジブロミド(0.659g,収率76%)を得た。得られた化合物をイオンクロマトグラフにて分析した結果、臭化物イオンの存在を確認した。
【0140】
2,2,6,6-テトラエチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム=ジブロミドのNMRスペクトル:1H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ(ppm):7.33(s,2H),4.82(s,8H),3.53(q,J=7.2Hz,8H),1.27(q,J=7.2Hz,12H)。
【0141】
参考例1-6
【0142】
【0143】
実施例1-3で合成した2,6-ビス(トリフルオロアセチル)-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロール(0.704g,2.00mmol)のエタノール/テトラヒドロフラン(1:1,6.8mL)溶液に、1,4-ジブロモブタン(0.500mL,4.20mmol)、及び30%水酸化ナトリウム水溶液(1.32mL,10.0mmol)を加え、70℃で20時間撹拌した。反応後、反応液を室温まで冷却し、溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣にエタノールを加えて固体をろ別した後、ろ液からエタノールを留去した。得られた固体をアセトンで洗浄し、ろ取することで、白色固体のジスピロ[ピロリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ジブロミド(0.803g,収率94%)を得た。得られた化合物をイオンクロマトグラフにて分析した結果、臭化物イオンの存在を確認した。
【0144】
ジスピロ[ピロリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ジブロミドのNMRスペクトル:1H-NMR(400MHz,D2O)δ(ppm):7.37(s,2H),4.84(s,8H),3.73~3.60(m,8H),2.30~2.18(m,8H)。
【0145】
実施例1-4
【0146】
【0147】
水素化アルミニウムリチウム(3.04g,80.0mmol)とテトラヒドロフラン(100mL)の懸濁液に、N,N’-ジエチルピロメリット酸ジイミド(5.45g,20.0mmol)を氷浴下で加え、60℃で18時間撹拌した。反応後、反応液を氷浴で冷却し、水(3.0mL)、15%水酸化ナトリウム水溶液(3.0mL)、水(9.0mL)を順次加えて撹拌した。反応液から析出した固体をろ別し、固体をテトラヒドロフラン及び酢酸エチルで洗浄した後、ろ液から溶媒を減圧下で留去して、2,6-ジエチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロールの粗生成物(4.10g)を得た。
【0148】
2,6-ジエチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロール(粗生成物)のNMRスペクトル:1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):7.01(s,2H),3.88(s,8H),2.77(q,J=7.2Hz,4H),1.19(q,J=7.2Hz,6H)。
【0149】
参考例1-7
【0150】
【0151】
実施例1-4で合成した2,6-ジエチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロールを含む粗生成物(4.10g)のアセトニトリル(40mL)溶液に、ブロモエタン(4.48mL,60.0mmol)を加えた。室温で13時間撹拌した後、反応液から溶媒を減圧下で留去した。得られた固体をアセトンで洗浄して、固体をろ取することで、白色固体の2,2,6,6-テトラエチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム=ジブロミド(3.47g,2工程での総収率40%)を得た。得られた化合物をイオンクロマトグラフにて分析した結果、臭化物イオンの存在を確認した。
【0152】
実施例1-5
【0153】
【0154】
水素化アルミニウムリチウム(3.42g,90.0mmol)とテトラヒドロフラン(150mL)の懸濁液に、N,N’-ジヘキシルピロメリット酸ジイミド(6.19g,15.0mmol)を氷浴下で加え、60℃で7時間撹拌した。反応後、反応液を氷浴で冷却し、水(3.5mL)、15%水酸化ナトリウム水溶液(3.5mL)、水(10.5mL)を順次加えて撹拌した。反応液から析出した固体をろ別し、固体をテトラヒドロフラン及び酢酸エチルで洗浄した。ろ液から溶媒を減圧下で留去して得られた粘稠性液体にジエチルエーテルを加え、析出した固体をろ取することで、白色固体の2,6-ジヘキシル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロール(2.15g,収率44%)を得た。
【0155】
2,6-ジヘキシル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロールのNMRスペクトル:1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):7.00(s,2H),3.86(s,8H),2.68(t,J=7.7Hz,4H),1.57(dt,J=6.9,7.7Hz,4H),1.44~1.23(m,12H),0.90(t,J=6.9Hz,6H)。
【0156】
参考例1-8
【0157】
【0158】
実施例1-5で合成した2,6-ジヘキシル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロール(1.78g,5.43mmol)のアセトニトリル/トルエン(1:1,10mL)溶液に、1-ブロモヘキサン(1.54mL,11.0mmol)を加えた。100℃で12時間撹拌した。得られた粘稠性液体にクロロホルムを加え、析出した固体をろ取することで、白色固体の2,2,6,6-テトラヘキシル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム=ジブロミド(3.36g,収率94%)を得た。得られた化合物をイオンクロマトグラフにて分析した結果、臭化物イオンの存在を確認した。
【0159】
2,2,6,6-テトラヘキシル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム=ジブロミドのNMRスペクトル:1H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δδ(ppm):7.39(s,2H),4.95(s,8H),3.59~3.41(m,8H),1.72~1.49(m,8H),1.37~1.18(m,24H),0.87(t,J=6.7Hz,12H)。
【0160】
参考例2-1
(AFX型ゼオライトの合成)
実施例1-2を行って、次いで、参考例1-4で得られたジスピロ[ピロリジン-1,2’-(1’,2’,3’,5’,6’,7’-ヘキサヒドロベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジピロリウム)-6’,1’’-ピロリジン]=ジクロリドを構造規定剤(SDA)とし、48%NaOH及びY型ゼオライト(商品名:HSZ-350HUA、東ソー製、シリカ及びアルカリ源)を混合し組成物を得た。得られた組成物のモル組成を示す。
【0161】
SiO2/Al2O3 = 11.1
OH/SiO2 = 0.35
Na/SiO2 = 0.35
SDA/SiO2 = 0.10
H2O/SiO2 = 25
組成物中のケイ素をSiO2換算した重量に対する、種晶中のケイ素をSiO2換算した重量割合が3.0重量%となるように、組成物に種晶AFX型ゼオライトを添加した後、十分に撹拌した。
攪拌後の組成物をステンレス製オートクレーブに密閉し、当該オートクレーブを回転させながら、180℃で162時間加熱して生成物を得た。
【0162】
生成物を濾過、洗浄し、大気中110℃で一晩乾燥させた。生成物を粉末X線回析装置(装置名:Ultima IV、RIGAKU製)にて分析したところ、生成物はAFX型ゼオライトの単一相であった。また、誘導結合プラズマ発光分析装置(装置名:OPTIMA3300DV、PERKIN ELMER製)を用いて、試料の組成分析を行ったところ、SiO2/Al2O3は10.1であった。