(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】画像診断方法、画像診断支援装置、及び計算機システム
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20240104BHJP
G01N 15/14 20240101ALI20240104BHJP
G01N 33/48 20060101ALI20240104BHJP
【FI】
G06T7/00 630
G01N15/14 C
G01N33/48 M
(21)【出願番号】P 2020097112
(22)【出願日】2020-06-03
【審査請求日】2023-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(73)【特許権者】
【識別番号】000173588
【氏名又は名称】公益財団法人がん研究会
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】服部 英春
(72)【発明者】
【氏名】柿下 容弓
(72)【発明者】
【氏名】内田 憲孝
(72)【発明者】
【氏名】桜井 智也
(72)【発明者】
【氏名】秋山 太
【審査官】小太刀 慶明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/087112(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00
G01N 15/14
G01N 33/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像診断支援装置が実行する画像診断方法であって、
前記画像診断支援装置は、演算装置、記憶装置、及び外部装置と接続するための接続インタフェースを有し、
前記画像診断方法は、
前記演算装置が、前記接続インタフェースを介して、組織及び細胞の少なくともいずれかを要素として含む画像を取得し、前記記憶装置に格納する第1のステップと、
前記演算装置が、前記画像の一部分である部分画像毎に、前記部分画像に含まれる前記要素の性質を識別し、前記識別の結果を前記記憶装置に格納する第2のステップと、
前記演算装置が、
複数の前記部分画像の前記識別の結果に基づいて、前記画像を、病変要素が存在しないことを示す良性、病変要素が存在することを示す悪性、及び、経過観察のいずれかに分類し、前記分類の結果を診断結果として前記記憶装置に格納する第3のステップと、
前記演算装置が、前記接続インタフェースを介して、前記診断結果を出力する第4のステップと、
を含
み、
前記要素の前記性質は複数存在し、
前記第2のステップは、前記演算装置が、複数の前記性質の各々について前記部分画像に含まれる前記要素が前記性質に該当する程度を示す識別強度を算出し、複数の前記識別強度を含む前記識別の結果を前記記憶装置に格納するステップを含み、
前記第3のステップは、
前記演算装置が、複数の前記部分画像の前記識別の結果に基づいて、複数の前記性質の各々について前記画像における前記性質の識別面積を算出し、複数の前記識別面積を前記記憶装置に格納する第5のステップと、
前記演算装置が、複数の前記識別強度及び閾値の比較結果に基づいて、複数の前記識別面積及び閾値の比較を行い、当該比較の結果に基づいて、前記画像を、前記良性、前記悪性、及び前記経過観察のいずれかに分類する第6のステップと、を含むことを特徴とする画像診断方法。
【請求項2】
請求項1に記載の画像診断方法であって、
前記第4のステップは、前記演算装置が、前記診断結果とともに、前記画像の分類の根拠情報を出力することを特徴とする画像診断方法。
【請求項3】
請求項2に記載の画像診断方法であって、
前記根拠情報は、複数の前記識別面積を示す画像、及び複数の前記識別強度に基づいて算出される、病変らしさの程度を示す値の少なくともいずれかであることを特徴とする画像診断方法。
【請求項4】
演算装置、記憶装置、及び外部装置と接続するための接続インタフェースを備える画像診断支援装置であって、
前記接続インタフェースを介して、組織及び細胞の少なくともいずれかを要素として含む画像を取得する入力部と、
前記画像の一部分である部分画像毎に、前記部分画像に含まれる前記要素の性質を識別し、前記識別の結果を前記記憶装置に格納する識別部と、
複数の前記部分画像の前記識別の結果に基づいて、前記画像を、病変要素が存在しないことを示す良性、病変要素が存在することを示す悪性、及び、経過観察のいずれかに分類し、前記分類の結果を診断結果として前記記憶装置に格納する判定部と、
前記接続インタフェースを介して、前記診断結果を出力する出力部と、を有し、
前記要素の前記性質は複数存在し、
前記識別部は、複数の前記性質の各々について前記部分画像に含まれる前記要素が前記性質に該当する程度を示す識別強度を算出し、複数の前記識別強度を含む前記識別の結果を前記記憶装置に格納し、
前記判定部は、
複数の前記部分画像の前記識別の結果に基づいて、複数の前記性質の各々について前記画像における前記性質の識別面積を算出し、複数の前記識別面積を前記記憶装置に格納し、
複数の前記識別強度及び閾値の比較結果に基づいて、複数の前記識別面積及び閾値の比較を行い、当該比較の結果に基づいて、前記画像を、前記良性、前記悪性、及び前記経過観察のいずれかに分類することを特徴とする画像診断支援装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像診断支援装置であって、
前記出力部は、前記診断結果とともに、前記画像の分類の根拠情報を出力することを特徴とする画像診断支援装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像診断支援装置であって、
前記根拠情報は、複数の前記識別面積を示す画像、及び複数の前記識別強度に基づいて算出される、病変らしさの程度を示す値の少なくともいずれかであることを特徴とする画像診断支援装置。
【請求項7】
請求項4に記載の画像診断支援装置と、処理画像を撮像し、前記画像診断支援装置に送信する計算機と、を備えることを特徴とする計算機システム。
【請求項8】
請求項7に記載の計算機システムであって、
前記画像診断支援装置は、前記計算機から前記処理画像を受信した場合、前記処理画像の前記診断結果を前記計算機に送信することを特徴とする計算機システム。
【請求項9】
請求項7に記載の計算機システムであって、
前記計算機は、前記入力部、前記識別部、前記判定部、及び前記出力部を有し、
前記画像診断支援装置は、前記計算機から前記処理画像を受信した場合、前記処理画像に対して正しい前記診断結果が得られるように、前記部分画像に含まれる前記要素の前記性質を識別する前記識別部を実現するための識別器の情報を生成し、前記計算機に前記識別器の情報を送信し、
前記計算機は、診断用画像を取得し、前記識別器の情報を用いて、前記診断用画像の前記診断結果を出力することを特徴とする計算機システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を用いて特定の組織又は細胞を検出する画像診断方法、装置、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、病気の診断においては、病変部組織標本の顕微鏡観察による「病理診断」が重要な位置を占めている。病理診断では、標本作成から診断まで作業の多くを人手に頼っており、自動化が困難である。特に、正確な診断を行うためには能力及び経験が重要な因子であり、診断の精度は病理医の能力に依存する。一方で、高齢化に伴うがん患者の増加などに起因して、医療現場では病理医が不足している。そのため、病理診断を支援する画像処理技術及び遠隔診断等のニーズが増加している。
【0003】
このように、病理診断を支援するための技術として、例えば、特許文献1に記載されているような技術が知られている。特許文献1には、「画像診断支援装置は、標本組織の高倍率の画像データを取得する画像データ取得手段を備えている。また、画像診断支援装置は、画像データ取得手段により取得された高倍率の画像データから低倍率の画像データを生成し、該生成した低倍率の画像データを、複数の病理組織の画像データパターン毎のグループに分類する画像分類手段と、画像分類手段により分類された低倍率の画像データの元となる高倍率の画像データが、分類されたグループの病理組織であるか否かを判定する画像判定手段と、を備えている」ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術では、組織/細胞を含む画像から異常組織/細胞(例えば、悪性であることを示す組織/細胞)及び良性組織/細胞のいずれであるかを判定している。しかし、現状では異常又は良性のいずれであるかを見極めるのが難く、経過観察を行った方がよいケースもある。このようなケースにおいて、異常又は良性のいずれかの判定を行った場合、異常組織/細胞の検出漏れ(悪性の組織/細胞の見逃し)又は異常組織/細胞の誤検出が発生するという課題がある。異常組織/細胞の検出漏れにより、症状の重症化等を引き起こす可能性があり、異常組織/細胞の誤検出により、誤った部位切除等が発生する可能性がある。
【0006】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、組織/細胞を含む画像から悪性及び良性だけでなく、経過観察を診断結果として提示するための技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願において開示される発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、画像診断支援装置が実行する画像診断方法であって、前記画像診断支援装置は、演算装置、記憶装置、及び外部装置と接続するための接続インタフェースを有し、前記画像診断方法は、前記演算装置が、前記接続インタフェースを介して、組織及び細胞の少なくともいずれかを要素として含む画像を取得し、前記記憶装置に格納する第1のステップと、前記演算装置が、前記画像の一部分である部分画像毎に、前記部分画像に含まれる前記要素の性質を識別し、前記識別の結果を前記記憶装置に格納する第2のステップと、前記演算装置が、複数の前記部分画像の前記識別の結果に基づいて、前記画像を、病変要素が存在しないことを示す良性、病変要素が存在することを示す悪性、及び、経過観察のいずれかに分類し、前記分類の結果を診断結果として前記記憶装置に格納する第3のステップと、前記演算装置が、前記接続インタフェースを介して、前記診断結果を出力する第4のステップと、を含み、前記要素の前記性質は複数存在し、前記第2のステップは、前記演算装置が、複数の前記性質の各々について前記部分画像に含まれる前記要素が前記性質に該当する程度を示す識別強度を算出し、複数の前記識別強度を含む前記識別の結果を前記記憶装置に格納するステップを含み、前記第3のステップは、前記演算装置が、複数の前記部分画像の前記識別の結果に基づいて、複数の前記性質の各々について前記画像における前記性質の識別面積を算出し、複数の前記識別面積を前記記憶装置に格納する第5のステップと、前記演算装置が、複数の前記識別強度及び閾値の比較結果に基づいて、複数の前記識別面積及び閾値の比較を行い、当該比較の結果に基づいて、前記画像を、前記良性、前記悪性、及び前記経過観察のいずれかに分類する第6のステップと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像診断支援装置は、画像から、悪性、良性、及び経過観察のいずれかを診断結果として提示することができる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施例1の画像診断支援装置1の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】実施例1の画像診断支援装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】実施例1の特徴量抽出部及び識別部の具体的な構成を示す図である。
【
図4】実施例1の特徴量抽出部の動作を説明する図である。
【
図5A】実施例1の識別部の動作を説明する図である。
【
図5B】実施例1の識別部の動作を説明する図である。
【
図6A】実施例1の描画部によって提示される画面の一例を示す図である。
【
図6B】実施例1の描画部によって提示される画面の一例を示す図である。
【
図7】実施例1の画像診断支援装置が実行する処理を説明するフローチャートである。
【
図8】実施例2の遠隔診断支援システムの構成の一例を示す図である。
【
図9】実施例3のネット受託サービス提供システムの構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施例は、悪性、良性、及び経過観察のいずれかを診断結果として出力することによって、例えば、がん等の病変の組織/細胞を示す異常組織/細胞の検出漏れ及び誤検出を抑制する画像診断支援装置及びその方法を提供する。
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明の実施例について説明する。添付図面では、機能的に同じ要素は同じ番号で表示される場合もある。なお、添付図面は本発明の原理に則った具体的な実装例を示しているが、これらは本発明の理解のためのものであり、決して本発明を限定的に解釈するために用いられるものではない。
【0012】
本実施例では、当業者が本発明を実施するのに十分詳細にその説明がなされているが、他の実装/形態も可能で、本発明の技術的思想の範囲と精神を逸脱することなく構成/構造の変更や多様な要素の置き換えが可能であることを理解する必要がある。従って、以降の記述をこれに限定して解釈してはならない。
【0013】
さらに、本発明の実施例は、後述されるように、汎用コンピュータ上で稼動するソフトウェアで実装してもよいし専用ハードウェア又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせで実装してもよい。
【0014】
以下では「プログラムとしての各処理部(例えば、特徴量抽出部等)」を主語(動作主体)として本発明の実施形態における各処理について説明を行うが、プログラムは、プロセッサ及びCPU等の演算装置によって実行されることで定められた処理をメモリ及び通信ポート(通信制御装置)を用いながら行うため、演算装置を主語とした説明としてもよい。
【実施例1】
【0015】
図1は、実施例1の画像診断支援装置1の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0016】
画像診断支援装置1は、入力部100、特徴量抽出部101、識別部102、経過観察判定部103、描画部104、記録部105、及び制御部106を有する。
【0017】
入力部100、特徴量抽出部101、識別部102、経過観察判定部103、描画部104、記録部105、及び制御部106は、プログラムによって実現されてもよいし、モジュール化して実現されてもよい。
【0018】
入力部100は、画像の入力を受け付ける。例えば、入力部100は、顕微鏡にビルトインされたカメラ等の撮像手段が、所定間隔で撮像した、JPG、Jpeg2000、PNG、BMP形式等の符号化された静止画像等を、入力画像として受け付けてもよい。また、入力部100は、MotionJPEG、MPEG、H.264、HD/SDI形式等の動画像から、所定間隔のフレームの静止画像を抜き出して、当該静止画像を入力画像として受け付けてもよい。また、入力部100は、撮像手段がバス又はネットワーク等を介して取得した画像を入力画像として受け付けもよい。また、入力部100は、脱着可能な記録媒体に記憶された画像を入力画像として受け付けてもよい。
【0019】
特徴量抽出部101は、副記憶装置203に格納されるアルゴリズム(モデル)の定義情報を取得し、当該アルゴリズムを用いて、組織/細胞を含む画像(入力画像)の一部である部分画像から、組織/細胞に関する特徴量を抽出する。
【0020】
識別部102は、副記憶装置203に格納されるアルゴリズム(モデル)の定義情報を取得し、当該アルゴリズム及び特徴量を用いて、入力画像の各部分画像に対して、正常組織/細胞(例えば、良性の組織/細胞等)らしさを表す識別強度と異常組織/細胞(例えば、悪性の組織/細胞等)らしさを表す識別強度を算出する。すなわち、組織/細胞がある性質に該当する程度を示す値が算出される。また、識別部102は、各識別強度に基づいて、各部分画像の良性及び悪性のいずれかの識別結果を出力する。
【0021】
経過観察判定部103は、各部分画像の識別結果に基づいて、入力画像における各識別結果の面積(識別面積)を算出する。また、経過観察判定部103は、各部分画像の各識別強度及び識別面積に基づいて、入力画像を、悪性、良性、及び経過観察のいずれかに分類する。
【0022】
描画部104は、識別部102によって算出された各識別結果の識別強度の分布を表す画像を表示する。描画部104は、例えば、各識別結果に対応した色分けを行った入力画像を表示する。また、描画部104は、経過観察判定部103の分類結果(診断結果)を表示する。
【0023】
記録部105は、描画部104が表示した画像及び診断結果を副記憶装置203(
図2参照)に保存する。
【0024】
制御部106は、画像診断支援装置1全体を制御する。制御部106は、入力部100、特徴量抽出部101、識別部102、経過観察判定部103、描画部104、及び記録部105と接続する。画像診断支援装置1の各機能部は、自律的に動作し、又は制御部106の指示により動作する。
【0025】
実施例1の画像診断支援装置1は、特徴量抽出部101を用いて、入力画像に含まれる組織/細胞の異常らしさを示す特徴量を抽出し、識別部102を用いて、入力画像に関して、組織/細胞の正常らしさ及び異常らしさの程度を示す識別強度を算出する。さらに、画像診断支援装置1は、経過観察判定部103を用いて、各識別結果(正常及び異常)の識別面積を算出し、各部分画像の識別結果の識別強度及び識別面積を用いて、悪性、良性、及び経過観察のいずれかをクラスに分類する。
【0026】
なお、画像診断支援装置1が有する各機能部については、複数の機能部を一つの機能部にまとめてもよいし、一つの機能部を機能毎に複数の機能部に分けてもよい。例えば、識別部102に特徴量抽出部101を含めてもよい。
【0027】
なお、画像診断支援装置1は、装置としてではなく、機能として実装することもできる。この場合、当該機能は、バーチャルスライド等の組織/細胞画像取得装置に実装されてもよいし、実施例2及び実施例3で説明するように、組織/細胞画像取得装置とネットワークを介して接続されるサーバに実装されてもよい。
【0028】
図2は、実施例1の画像診断支援装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0029】
画像診断支援装置1は、CPU201、主記憶装置202、副記憶装置203、出力装置204、入力装置205、通信装置206を有する。前述した各ハードウェアは、バス207を介して相互に接続される。
【0030】
CPU201は、演算装置の一例であり、必要に応じて主記憶装置202からプログラムを読み出し、プログラムを実行する。
【0031】
主記憶装置202は、メモリ等の記憶装置であり、入力部100、特徴量抽出部101、識別部102、経過観察判定部103、描画部104、記録部105、及び制御部106を実現するプログラムを格納する。また、主記憶装置202は、プログラムが一時的に使用するワークエリアを含む。
【0032】
副記憶装置203は、HDD(Hard Disk Drive)及びSSD(Solid State Drive)等の記憶装置であり、永続的にデータを格納する。実施例1の副記憶装置203は、入力画像、識別部102によって出力された入力画像の各部分画像の識別結果及び識別強度、経過観察判定部103によって出力された各識別結果の識別面積及び診断結果、並びに、描画部104によって生成された画像(識別強度を描画するための識別強度の数値と位置情報)を格納する。また、副記憶装置203は、特徴量抽出部101及び識別部102が使用するアルゴリズムの情報等を格納する。
【0033】
出力装置204は、ディスプレイ、プリンタ、及びスピーカ等のデバイスで構成される。例えば、出力装置204は、描画部104によって生成された表示データをディスプレイに表示する。
【0034】
入力装置205は、キーボード、マウス、及びマイク等のデバイスで構成される。ユーザは、入力装置205を用いて、入力画像の決定及びパラメータの設定等の各種指示を画像診断支援装置1に入力する。
【0035】
通信装置206は、ネットワークを介して他の装置と通信する。例えば、通信装置206は、サーバ等、ネットワークを介して接続される装置から送信された、画像等のデータを受信し、副記憶装置203に格納する。なお、通信装置206は、画像診断支援装置1の必須の構成ではない。例えば、画像取得装置に接続された計算機等に通信装置が含まれる場合、画像診断支援装置1は通信装置206を有していなくてもよい。
【0036】
次に、画像診断支援装置1が有する機能部の詳細を説明する。
【0037】
図3は、実施例1の特徴量抽出部101及び識別部102の具体的な構成を示す図である。
図4は、実施例1の特徴量抽出部101の動作を説明する図である。
図5A及び
図5Bは、実施例1の識別部102の動作を説明する図である。
図6A及び
図6Bは、実施例1の描画部104によって提示される画面の一例を示す図である。
【0038】
まず、特徴量抽出部101について説明する。
【0039】
特徴量抽出部101は、入力画像の特徴量を抽出する。特徴量抽出部101は、
図3に示すように、N層のCNN(Convolutional Neural Network)等の識別器を用いて、入力画像に含まれる組織/細胞の特徴量を算出する。識別器は、特徴量を算出して画像内の物体を識別する。
【0040】
例えば、特徴量抽出部101は、
図4に示すように、式(1)のような演算処理を行うCNNを用いて、入力画像の左上から右下に対してフィルタiを移動させて、フィルタiの特徴量fiを算出する。特徴量抽出部101は、特徴量fiの行列を、入力画像に含まれる組織/細胞の特徴量FAiとして算出する。
【0041】
【0042】
ここで、式(1)のwjは示すフィルタ係数を表し、pjは画素値を表し、biはオフセット値を表し、mはフィルタ係数の数を表し、hは非線形関数を表す。フィルタ係数wjは、識別器の係数であり、正常組織/細胞及び異常組織/細胞を識別できるように、公知の機械学習の技術を用いて算出される。副記憶装置203には、フィルタ係数wj及びオフセット値bi等のパラメータ等が格納される。
【0043】
次に、識別部102について説明する。
【0044】
識別部102は、特徴量抽出部101によって算出された特徴量FAiから構成される行列fを用いたロジスティック回帰処理を実行して、病変らしさを示す値(識別強度)を算出する。
【0045】
識別部102は、例えば、式(2)に基づいて、各識別結果の識別強度yを算出する。すなわち、識別部102は、
図3に示すように、各識別結果の識別強度に基づいて、部分画像に含まれる組織/細胞が正常又は異常のいずれであるかを識別し、識別結果を出力する。ここでは、識別強度が大きい識別結果が採用される。
【0046】
【0047】
ここで、式(2)のwは重みの行列を表し、bはオフセット値を表し、gは非線形関数を表し、yは識別結果の識別強度を表す。重みの行列w及びオフセット値bは、公知の機械学習の技術を用いて算出される。例えば、機械学習の技術としてCNNを用いてもよい。副記憶装置203には、重みの行列w及びオフセット値b等のパラメータ等が格納される。
【0048】
次に、経過観察判定部103について説明する。
【0049】
経過観察判定部103は、識別部102が出力した各部分画像の識別結果に基づいて、
図5A及び
図5Bに示すように、入力画像における各識別結果の識別面積を算出する。
図5A及び
図5Bでは、識別結果「正常」の部分を白色で示し、識別結果「異常」の部分を斜線で表示している。
【0050】
例えば、経過観察判定部103は、入力画像の各色の総数(例えば、画素数)から識別面積を算出する。又は、経過観察判定部103は、入力画像から組織領域を検出し、その組織領域の各色の総数(例えば、画素数)から識別面積を算出する。
【0051】
また、経過観察判定部103は、複数の部分画像の各識別結果の識別強度yを用いて、入力画像に対する病変らしさ(HE)の値を算出する。病変らしさの値は0から1の間の実数である。
【0052】
経過観察判定部103は、各識別結果の識別領域に関する判定条件に基づいて、入力画像が悪性、良性、及び経過観察のいずれかのクラスに該当するかを判定する。
【0053】
例えば、以下のような判定処理が考えられる。
【0054】
(Step0)経過観察判定部103は、識別結果「異常」の識別強度がA1以上の領域が存在するか否かを判定する。前述の判定条件を満たす場合、経過観察判定部103は、入力画像のクラスを「悪性」と判定する。前述の判定条件を満たさない場合、経過観察判定部103は、Step1に進む。
【0055】
(Step1)経過観察判定部103は、識別結果「異常」の識別強度がA1より小さくかつA2以上の識別面積がB1%未満であるか否かを判定する。前述の判定条件を満たす場合、経過観察判定部103は入力画像のクラスを「良性」と判定する。前述の判定条件を満たさない場合、経過観察判定部103は、Step2に進む。
【0056】
(Step2)経過観察判定部103は、識別結果「異常」の識別強度がA1より小さくかつA2以上の識別面積がB1%以上かつB2%未満であるか否かを判定する。前述の判定条件を満たす場合、経過観察判定部103は入力画像のクラスを「経過観察」と判定する。前述の判定条件を満たさない場合、経過観察判定部103は、Step3に進む。
【0057】
(Step3)経過観察判定部103は、識別結果「異常」の識別強度がA1より小さくかつA2以上の識別面積がB2%以上の場合、入力画像のクラスを「悪性」と判定する。
【0058】
A1、A2、B1、B2は、予め設定された閾値である。A1及びA2は、例えば、0.8及び0.5等の値であり、また、B1及びB2は、例えば5又は10等の値である。
図5Aの例では、上記の判定処理を実行した場合、入力画像のクラスは「悪性」と判定される。
図5Bに示す例では、上記の判定処理を実行した場合、入力画像のクラスは「経過観察」と判定される。
【0059】
このように、実施例1の画像診断支援装置1は、識別結果の識別強度及び識別結果の面積を考慮した判定を実行することによって、「良性」及び「悪性」だけではなく、「経過観察」の分類が可能となる。
【0060】
次に、描画部104について説明する。
【0061】
描画部104は、根拠とともに診断結果を提示する。例えば、描画部104は、
図6Aに示すようなGUI(Graphical User Interface)600を用いて診断結果を提示する。
図6Aは、乳房の画像が入力された場合に診断結果を提示するGUIを示す図である。
【0062】
GUI600は、診断結果分類欄601、表示欄602、画像ボタン603、及び診断結果提示欄604を含む。診断結果分類欄601は、診断結果として出力するクラスを表示する欄である。診断結果分類欄601の各クラスのアイコンの内、該当するクラスが強調表示される。表示欄602は、識別部102によって算出された病変らしさの値を表示する欄である。画像ボタン603は、画像を表示するための操作ボタンである。診断結果提示欄604は、経過観察判定部103によって出力された診断結果を表示する欄である。
【0063】
図5Bに示すように、乳房の画像に悪性の組織/細胞(異常組織/細胞)がほとんど含まれていないため、経過観察判定部103によって診断結果が「経過観察」に分類され、また、分類の根拠として病変らしさの値を提示している。病変らしさの値は小さい値(0.08)となっている。
【0064】
画像ボタン603が操作された場合、描画部104は、
図6Bに示すようなGUI610を提示する。GUI610には、識別結果が「異常」の領域と、識別結果が「正常」の領域とを示すために、識別結果に基づいて色分けされた入力画像が表示される。
図6Bでは、斜線の領域は識別結果が「異常」の領域を示し、白色の領域は識別結果が「正常」の領域を示す。また、入力画像には、診断結果が重畳して表示される。
図6Bでは、色分けされた入力画像が分類の根拠として提示される。
【0065】
次に、記録部105について説明する。
【0066】
記録部105は、入力画像、各識別結果の識別強度、診断結果、及び描画部104が各識別結果に応じて色分けされた入力画像を描画するための座標情報等を副記憶装置203に保存する。
【0067】
以上が、画像診断支援装置1が有する機能部の説明である。次に、画像診断支援装置1が実行する処理について説明する。
【0068】
図7は、実施例1の画像診断支援装置1が実行する処理を説明するフローチャートである。以下では、画像診断支援装置1の各処理部を動作主体として記述するが、CPU201を動作主体とし、CPU201がプログラムとしての各処理部を実行するように読み替えてもよい。
【0069】
画像診断支援装置1は、入力画像を受け付けた場合、以下で説明する処理を開始する。
【0070】
入力部100は、入力画像を特徴量抽出部101に入力する(ステップS701)。
【0071】
特徴量抽出部101は、副記憶装置203に格納される識別器の定義情報を取得し、当該識別器の定義情報を用いて入力画像の部分画像の特徴量FAiを算出する(ステップS702)。
【0072】
具体的には、特徴量抽出部101は、副記憶装置203からフィルタ係数wj及びオフセット値bi等のパラメータを取得し、式(1)を用いて特徴量FAiを算出する。
【0073】
識別部102は、副記憶装置203に格納される識別器の定義情報を取得し、当該識別器の定義情報及び特徴量FAiから構成される行列fを用いて、部分画像の識別結果の識別強度yを算出する(ステップS703)。
【0074】
具体的には、識別部102は、副記憶装置203から重みの行列w及びオフセット値b等のパラメータを取得し、式(2)を用いて、部分画像の識別結果の識別強度yを算出する。
【0075】
識別部102は、識別強度yと閾値Th1の比較結果に基づいて、部分画像に含まれる組織/細胞が正常及び異常のいずれであるかを判定する(ステップS704)。
【0076】
具体的には、識別部102は、識別強度yが閾値Th1以上であるか否かを判定する。
【0077】
識別強度yが閾値Th1以上である場合、識別部102は、識別結果resに異常組織/細胞を示す値(例えば、1)を設定し(ステップS705)、その後、ステップS707に進む。識別強度yが閾値Th1より小さい場合、識別部102は、識別結果resに正常組織/細胞を示す値(例えば、0)を設定し(ステップS706)、その後、ステップS707に進む。
【0078】
識別部102は、入力画像の全ての部分画像の識別が完了したか否かを判定する(ステップS707)。
【0079】
入力画像の全ての部分画像の識別が完了していない場合、識別部102は、特徴量抽出部101を呼び出し、ステップS702に移行する。入力画像の全ての部分画像の識別が完了した場合、識別部102は、経過観察判定部103を呼び出し、ステップS708に移行する。
【0080】
経過観察判定部103は、複数の部分画像の識別結果に基づいて、各識別結果の識別面積を算出し、各識別結果の識別強度及び識別面積を用いて、入力画像を分類する(ステップS708)。
【0081】
具体的には、経過観察判定部103は、前述した判定処理を実行することによって、入力画像を良性、悪性、及び経過観察のいずれかのクラスに分類する。また、経過観察判定部103は、各識別結果の識別強度に基づいて病変らしさの値を算出する。
【0082】
描画部104は、診断結果を提示する(ステップS709)。
【0083】
具体的には、描画部104は、
図5A及び
図5Bに示すような、診断結果とともに、分類根拠として各識別結果に基づいて色分けされた入力画像を表示する。例えば、描画部104は、「異常」と識別された領域を斜線で表示し、「正常」と識別された領域を白で表示する。また、描画部104は、
図6Aに示すように、診断結果とともに、分類根拠として病変らしさの値を表示する。
【0084】
記録部105は、入力画像、各識別結果の識別強度、診断結果、及び各識別結果に応じて色分けされた入力画像を描画するための座標情報等を副記憶装置203に保存する(ステップS710)。
【0085】
以上で説明したように、実施例1によれば、画像診断支援装置1は、各識別結果の識別強度及び識別面積に基づいて、入力画像を良性、悪性、及び経過観察のいずれかに分類することができる。これによって、良性及び悪性の誤った分類によって発生する病変の誤検出及び過検出を抑制できる。
【実施例2】
【0086】
実施例2では、実施例1で説明した画像診断支援装置1を利用したシステムについて説明する。
【0087】
図8は、実施例2の遠隔診断支援システム800の構成の一例を示す図である。
【0088】
遠隔診断支援システム800は、画像取得装置を有するサーバ801及び画像診断支援装置1の機能を有するサーバ802を含む。二つのサーバ801、802は、物理的に離れた地点に設置されており、ネットワーク803を介して互いに接続される。ネットワーク803は、LAN(Local Area Network)及びWAN(Wide Area Network)等であり、接続方式は有線及び無線のいずれでもよい。
【0089】
サーバ801は、バーチャルスライド装置及びカメラ等の画像取得装置を搭載した計算機である。サーバ801は、画像を撮影する撮像部811、及びサーバ802から送信される診断結果を表示する表示部812を有する。
【0090】
なお、サーバ801は、図示しない、演算装置、記憶装置、及び、サーバ802への画像の送信及びサーバ802からのデータの受信を行う通信装置を有する。
【0091】
サーバ802は、実施例1の画像診断支援装置1と同様の画像処理を実行する計算機である。サーバ802は、サーバ801が送信した画像に対して、実施例1の画像処理を実行する画像診断支援部821、画像診断支援部821から出力された診断結果を格納する格納部822、画像診断支援部821から出力された診断結果を表示する表示部823を有する。
【0092】
なお、サーバ802は、図示しない、演算装置、記憶装置、及び、サーバ801への診断結果の送信及びサーバ801からの画像の受信を行う通信装置を有する。なお、サーバ802は、画像診断支援装置1と同等のハードウェアとして画像診断支援部821を搭載してもよいし、プログラムとして画像診断支援部821を搭載してもよい。
【0093】
画像診断支援部821は、撮像部811によって撮影された画像について、がん等の異常組織/細胞の有無を識別する。また、画像診断支援部821は、入力画像の特徴量を用いた識別結果を用いて、異常組織/細胞の進行度(識別強度)に応じた病変らしさの分類を行う。また、画像診断支援部821は、各識別結果の識別強度及び識別面積を用いて、入力画像を良性、悪性、及び経過観察のいずれかに分類し、診断結果として出力する。
【0094】
表示部812、823は、サーバ801、802に接続される画面に、入力画像の識別結果及び診断結果等を表示する。
【0095】
なお、画像取得装置は、撮影部を有する再生医療装置及びiPS細胞の培養装置、又はMRI及び超音波画像撮像装置等を用いてもよい。
【0096】
実施例2によれば、ある地点に設置される計算機(又はシステム)が、異なる地点の施設等から送信された画像を良性、悪性、及び経過観察のいずれかに分類し、診断結果を異なる地点の施設等に送信できる。これによって、画像を送信した施設等に含まれる計算機が診断結果を表示できる。このように、実施例2によれば、遠隔診断支援システムを提供することが可能となる。
【実施例3】
【0097】
実施例3では、実施例1で説明した画像診断支援装置1を利用したシステムについて説明する。
【0098】
図9は、実施例3のネット受託サービス提供システム900の構成の一例を示す図である。
【0099】
ネット受託サービス提供システム900は、画像取得装置を有するサーバ901及び画像診断支援装置1の機能を有するサーバ902を含む。二つのサーバ901、902は、物理的に離れた地点に設置されており、ネットワーク903を介して互いに接続される。ネットワーク903は、LAN(Local Area Network)及びWAN(Wide Area Network)等であり、接続方式は有線及び無線のいずれでもよい。
【0100】
サーバ901は、バーチャルスライド装置及びカメラ等の画像取得装置を搭載した計算機である。サーバ901は、画像を撮影する撮像部911、サーバ902から送信される識別器情報を格納する格納部912、及び識別器情報を用いて、撮像部911が新たに撮影した画像に対して実施例1の画像処理を実行する画像診断支援部913を有する。
【0101】
なお、サーバ901は、図示しない、演算装置、記憶装置、及び、サーバ902への画像の送信及びサーバ902からの識別器情報の受信を行う通信装置を有する。なお、サーバ901は、画像診断支援装置1と同等のハードウェアとして画像診断支援部913を搭載してもよいし、プログラムとして画像診断支援部913を搭載してもよい。
【0102】
サーバ902は、実施例1の画像診断支援装置1と同様の画像処理を実行する計算機である。サーバ902は、実施例1の画像処理を実行する画像診断支援部921、及び画像診断支援部921から出力された識別器情報を格納する格納部922を有する。
【0103】
なお、サーバ902は、図示しない、演算装置、記憶装置、及び、サーバ901への識別器情報の送信及びサーバ901からの画像の受信を行う通信装置を有する。なお、サーバ902は、画像診断支援装置1と同等のハードウェアとして画像診断支援部921を搭載してもよいし、プログラムとして画像診断支援部921を搭載してもよい。
【0104】
サーバ902は、撮像部911によって撮影された画像に対して実施例1の画像処理を実行して、正常組織/細胞及び異常組織/細胞を正しく識別するための識別器(モデル)を生成するための機械学習を実行する。ここで、識別器は、特徴量抽出部101及び識別部102を含む。サーバ902は、識別器の定義情報である識別器情報を、異なる地点の施設等に設置されたサーバ901に送信する。
【0105】
サーバ901は、実際の診断を行う場合、格納部912から識別器情報を呼び出し、当該識別器情報にて定義される識別器を用いて、撮像部911によって撮影された画像への識別処理と分類処理を実行する。
【0106】
なお、画像取得装置は、撮影部を有する再生医療装置及びiPS細胞の培養装置、又はMRI及び超音波画像撮像装置等を用いてもよい。
【0107】
なお、サーバ902は、画像診断支援部921を用いて、予め、特性が異なる画像を用いて複数回学習処理を実行し、複数の識別器情報を格納部922に格納してもよい。サーバ902は、サーバ901から画像を受信した場合、各識別器を設定した画像診断支援部921を用いて識別処理と分類処理を実行し、最も精度のよい識別器の識別器情報をサーバ901に送信する。
【0108】
実施例3によれば、ある地点に設置された計算機(又はシステム)が、異なる地点の施設等から送信された画像を用いて識別器を生成し、識別器の情報を異なる地点の施設等に送信できる。これによって、画像を送信した施設等に含まれる計算機が、新たな画像に対して良性、悪性、及び経過観察のいずれかの診断結果を出力することができる。このように、実施例3によれば、ネット受託サービス提供システムを適用することが可能となる。
【0109】
以上で説明した各実施例については、次のような変形が可能である。
【0110】
特徴量抽出部101は、機械学習により生成されたフィルタ(CNN等)を用いて特徴量を算出していたが、HOG等の他の特徴量を用いてもよく、同様の効果を有する。
【0111】
特徴量抽出部101は、入力画像に対して一つの識別器を用いて特徴量を算出したが、二つ以上の識別器を用いて特徴量を算出してもよく、同様の効果を有する。
【0112】
識別部102は、ロジスティック回帰処理を実行して、組織/細胞を識別していたが、線形回帰及びポアソン回帰等を用いてもよく、同様の効果を有する。
【0113】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために構成を詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施例の構成の一部について、他の構成に追加、削除、置換することが可能である。
【0114】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、本発明は、実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードによっても実現できる。この場合、プログラムコードを記録した記憶媒体をコンピュータに提供し、そのコンピュータが備えるプロセッサが記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施例の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそれを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD-ROM、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、光ディスク、光磁気ディスク、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどが用いられる。
【0115】
また、本実施例に記載の機能を実現するプログラムコードは、例えば、アセンブラ、C/C++、perl、Shell、PHP、Python、Java(登録商標)等の広範囲のプログラム又はスクリプト言語で実装できる。
【0116】
さらに、実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを、ネットワークを介して配信することによって、それをコンピュータのハードディスクやメモリ等の記憶手段又はCD-RW、CD-R等の記憶媒体に格納し、コンピュータが備えるプロセッサが当該記憶手段や当該記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行するようにしてもよい。
【0117】
上述の実施例において、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。全ての構成が相互に接続されていてもよい。
【符号の説明】
【0118】
1 画像診断支援装置
100 入力部
101 特徴量抽出部
102 識別部
103 経過観察判定部
104 描画部
105 記録部
106 制御部
201 CPU
202 主記憶装置
203 副記憶装置
204 出力装置
205 入力装置
206 通信装置
207 バス
600、610 GUI
800 遠隔診断支援システム
801、802 サーバ
803 ネットワーク
811 撮像部
812、823 表示部
821 画像診断支援部
822 格納部
900 ネット受託サービス提供システム
901、902 サーバ
903 ネットワーク
911 撮像部
912、922 格納部
913、921 画像診断支援部