(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】新規な3D NANDメモリデバイスおよびこれを形成する方法
(51)【国際特許分類】
H10B 43/27 20230101AFI20240104BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240104BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20240104BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20240104BHJP
【FI】
H10B43/27
H01L29/78 371
(21)【出願番号】P 2021570974
(86)(22)【出願日】2019-08-29
(86)【国際出願番号】 CN2019103208
(87)【国際公開番号】W WO2021035601
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2021-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】519237948
【氏名又は名称】長江存儲科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Yangtze Memory Technologies Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.88 Weilai 3rd Road,East Lake High-tech Development Zone,Wuhan,Hubei,China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】インジエ・オウヤン
(72)【発明者】
【氏名】ジリアン・シア
(72)【発明者】
【氏名】レイ・ジン
(72)【発明者】
【氏名】チグアン・ワン
(72)【発明者】
【氏名】ウェンシ・ジョウ
(72)【発明者】
【氏名】ジョンワン・スン
(72)【発明者】
【氏名】ルイ・ス
(72)【発明者】
【氏名】ユエ・チアン・プ
(72)【発明者】
【氏名】ジウェイ・チェン
【審査官】小山 満
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0358933(US,A1)
【文献】特開2013-084715(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109887927(CN,A)
【文献】特開2010-140997(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0353591(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第107706191(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0072789(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0240548(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 43/27
H01L 21/336
H01L 29/788
H01L 29/792
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の側部から延び、側壁および底部領域を有し、さらに、前記底部領域に位置する底部チャネルコンタクト、および前記側壁に沿って前記底部チャネルコンタクトの上に形成されたチャネル層を備えるチャネル構造と、
前記チャネル構造の前記側壁に沿って前記チャネル層の上、かつ前記底部チャネルコンタクトの上に形成された高k層と
を備え、
前記高k層は、半導体デバイスの初期閾値電圧(Uvvt)を増加させる第1の材料、または前記半導体デバイスの前記初期閾値電圧を減少させる第2の材料を
含み、
前記半導体デバイスのUvvtは、前記高k層によって調整される、半導体デバイス。
【請求項2】
前記高k層の増加した厚さは、前記半導体デバイスの前記初期閾値電圧のより大きな変化につながる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記チャネル構造はさらに、
前記チャネル構造の前記側壁に沿って形成され、さらに前記底部チャネルコンタクトの第1の部分を覆うブロック層と、
前記ブロック層の上に形成された電荷捕捉層であって、前記チャネル構造の前記側壁に沿って位置する側部、および前記底部チャネルコンタクトの上の底部を有する電荷捕捉層と、
前記電荷捕捉層の上に形成されたトンネル層であって、前記チャネル構造の前記側壁に沿って位置する側部、および前記底部チャネルコンタクトの上の底部を有するトンネル層と
を備え、
前記チャネル層は、前記トンネル層の上に位置し、さらに、前記底部チャネルコンタクトの第2の部分に接触するように、前記ブロック層、前記電荷捕捉層、および前記トンネル層の前記底部を通って延びている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第1の材料は、HfO
2およびAl
2O
3を含み、前記第2の材料は、La
2O
3およびY
2O
3を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記チャネル構造はさらに、前記チャネル層の上に前記チャネル構造の前記側壁に沿って形成された誘電層を備え、前記高k層は、前記誘電層が前記高k層と前記チャネル層との間に位置するように、前記誘電層の上に位置する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記チャネル構造の前記側壁に沿って形成された前記高k層の側部は、前記誘電層によって前記チャネル層から間隔を置いて配置され、前記底部チャネルコンタクトの上の前記高k層の底部は、前記チャネル層と接触している、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記チャネル構造はさらに、
前記チャネル構造の前記側壁に沿って形成され、さらに前記底部チャネルコンタクトの第1の上部表面を覆うブロック層と、
前記ブロック層の上に形成された電荷捕捉層であって、前記チャネル構造の前記側壁に沿って位置する側部、および前記底部チャネルコンタクトの前記第1の上部表面の上の底部を有する電荷捕捉層と、
前記電荷捕捉層の上に形成されたトンネル層であって、前記チャネル構造の前記側壁に沿って位置する側部、および前記底部チャネルコンタクトの前記第1の上部表面の上の底部を有するトンネル層と
を備え、
前記チャネル層は、前記トンネル層の上に位置し、前記ブロック層および前記電荷捕捉層の前記底部を通って延び、さらに、前記底部チャネルコンタクトの第2の上部表面に接触するように前記底部チャネルコンタクト内に延び、前記第2の上部表面は前記底部チャネルコンタクトの前記第1の上部表面の下に位置する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記基板の上に位置する複数のワード線、および
前記基板の上に位置する複数の絶縁層
をさらに含み、
前記複数のワード線および前記複数の絶縁層は、前記複数のワード線が前記複数の絶縁層によって互いに間隔を置いて配置されるように、交互に積み重ねられており、前記チャネル構造は、前記複数のワード線および前記複数の絶縁層を通って延びている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
基板の側部から延びるチャネル構造を形成するステップであって、前記チャネル構造は側壁および底部領域を有し、前記チャネル構造はさらに、前記底部領域に位置する底部チャネルコンタクト、および前記側壁に沿って前記底部チャネルコンタクトの上に形成されたチャネル層を備える、ステップと、
前記チャネル構造の前記側壁に沿って前記チャネル層の上、かつ前記底部チャネルコンタクトの上に高k層を形成するステップと
を含み、
前記高k層は、半導体デバイスの初期閾値電圧(Uvvt)を増加させる第1の材料、または前記半導体デバイスの前記初期閾値電圧を減少させる第2の材料を備
え、
前記半導体デバイスのUvvtは、前記高k層によって調整される、半導体デバイスを形成する方法。
【請求項10】
前記基板の上に位置する複数のワード線を形成するステップと、
前記基板の上に位置する複数の絶縁層を形成するステップと
をさらに含み、
前記複数のワード線および前記複数の絶縁層は、前記複数のワード線が前記複数の絶縁層によって互いに間隔を置いて配置されるように、交互に積み重ねられる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記チャネル構造を形成するステップが、
前記複数のワード線および前記複数の絶縁層を通って延び、さらに前記基板内に延びるチャネル開口部を形成するステップであって、前記チャネル開口部は前記基板を露出させるように側壁および底部領域を有する、ステップと、
前記チャネル開口部の前記底部領域に前記底部チャネルコンタクトを形成するステップであって、前記底部チャネルコンタクトは前記チャネル開口部の前記側壁に沿って形成され、さらに前記基板内に延びる、ステップと、
前記チャネル開口部の前記側壁に沿って前記底部チャネルコンタクトの上にブロック層を形成するステップであって、前記ブロック層は、前記チャネル開口部の前記側壁に沿った側部、および前記底部チャネルコンタクトを覆う底部を有する、ステップと、
前記ブロック層の上に電荷捕捉層を形成するステップであって、前記電荷捕捉層は前記チャネル開口部の前記側壁に沿った側部、および前記底部チャネルコンタクトの上の底部を有する、ステップと、
前記電荷捕捉層の上にトンネル層を形成するステップであって、前記トンネル層は前記チャネル開口部の前記側壁に沿った側部、および前記底部チャネルコンタクトの上の底部を有する、ステップと、
前記底部チャネルコンタクトを露出させるように、前記ブロック層、前記電荷捕捉層、および前記トンネル層の前記底部を通って延びる底部開口部を形成するステップと、
前記チャネル層が、前記ブロック層、前記電荷捕捉層および前記トンネル層の前記底部を通って延び、前記底部チャネルコンタクトと接触するように、前記トンネル層の上に前記底部開口部を通るように前記チャネル層を形成するステップと
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ブロック層、前記電荷捕捉層および前記トンネル層の前記底部を通って延び、前記ブロック層、前記電荷捕捉層および前記トンネル層が前記底部チャネルコンタクトの第1の上部表面の上に配置されるように、前記底部チャネルコンタクト内にさらに延びる前記底部開口部を形成するステップと、
前記トンネル層の上に前記底部開口部を通るように前記チャネル層を形成するステップであって、前記チャネル層は、前記ブロック層および前記電荷捕捉層の前記底部を通って延び、前記チャネル層が前記底部チャネルコンタクトの第2の上部表面の上に位置するように前記底部チャネルコンタクト内にさらに延び、前記第2の上部表面は前記底部チャネルコンタクトの前記第1の上部表面の下に位置する、ステップと
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記チャネル開口部の前記側壁に沿って前記チャネル層の上に誘電層を形成するステップと、
前記誘電層が前記高k層と前記チャネル層との間に位置するように、前記誘電層の上に前記高k層を形成するステップと
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記チャネル開口部の前記側壁に沿って形成された前記高k層の側部は、前記誘電層によって前記チャネル層から間隔を置いて配置され、前記底部チャネルコンタクトの上の前記高k層の底部は前記チャネル層と接触している、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
基板と、
前記基板の上に位置する複数のワード線と、
前記基板の上に位置する複数の絶縁層であって、前記複数のワード線および前記複数の絶縁層は、前記複数のワード線が前記複数の絶縁層によって互いに間隔を置いて配置されるように、交互に積み重ねられている、複数の絶縁層と、
前記基板から前記複数のワード線および前記複数の絶縁層を通って延び、側壁および底部領域を有し、さらに、前記底部領域に位置する底部チャネルコンタクト、および前記側壁に沿って前記底部チャネルコンタクトの上に形成されたチャネル層を含むチャネル構造と、
前記チャネル構造の前記側壁に沿って前記チャネル層の上、かつ前記底部チャネルコンタクトの上に形成された高k層と
を備え、
前記高k層は、3D NANDメモリデバイスの初期閾値電圧(Uvvt)を増加させる第1の材料、または前記3D NANDメモリデバイスの前記初期閾値電圧を減少させる第2の材料を備
え、
前記3D NANDメモリデバイスのUvvtは、前記高k層によって調整される、3D NANDメモリデバイス。
【請求項16】
前記チャネル構造はさらに、
前記チャネル構造の前記側壁に沿って形成され、さらに前記底部チャネルコンタクトの第1の部分を覆うブロック層であって、前記底部チャネルコンタクトの第2の部分がブロック層によって覆われていない、ブロック層と、
前記ブロック層の上に形成された電荷捕捉層であって、前記チャネル構造の前記側壁に沿って位置する側部、および前記底部チャネルコンタクトの上の底部を有する電荷捕捉層と、
前記電荷捕捉層の上に形成されたトンネル層であって、前記チャネル構造の前記側壁に沿って位置する側部、および前記底部チャネルコンタクトの上の底部を有するトンネル層と
を備え、
前記チャネル層は、前記トンネル層の上に位置し、さらに、前記底部チャネルコンタクトの前記第2の部分に接触するように、前記ブロック層、前記電荷捕捉層、および前記トンネル層の前記底部に沿って延びている、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記チャネル構造がさらに、
前記チャネル構造の前記側壁に沿って形成され、さらに前記底部チャネルコンタクトの第1の上部表面を覆っているブロック層と、
前記ブロック層の上に形成された電荷捕捉層であって、前記チャネル構造の前記側壁に沿って位置する側部、および前記底部チャネルコンタクトの前記第1の上部表面の上の底部を有する電荷捕捉層と、
前記電荷捕捉層の上に形成されたトンネル層であって、前記チャネル構造の前記側壁に沿って位置する側部、および前記底部チャネルコンタクトの前記第1の上部表面の上の底部を有するトンネル層と
を備え、
前記チャネル層は、前記トンネル層の上に位置し、前記ブロック層および前記電荷捕捉層の前記底部を通って延び、さらに、前記底部チャネルコンタクトの第2の上部表面と接触するように前記底部チャネルコンタクト内に延び、前記第2の上部表面は、前記底部チャネルコンタクトの前記第1の上部表面の下に位置する、請求項15に記載のデバイス。
【請求項18】
前記チャネル構造はさらに、
前記チャネル層の上に前記チャネル構造の前記側壁に沿って形成された誘電層を備え、
前記誘電層が前記高k層と前記チャネル層との間に位置するように、前記高k層が前記誘電層の上に位置し、
前記チャネル構造の前記側壁に沿って形成された前記高k層の側部は、前記誘電層によって前記チャネル層から間隔を置いて配置され、前記底部チャネルコンタクトの上の前記高k層の底部は、前記チャネル層と接触している、請求項15に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
集積回路内のデバイスの限界寸法が一般的なメモリセル技術の限界にまで小さくなると、より大きな記憶容量を達成し、より低いビット当たり費用を達成するために、設計者は、メモリセルの多数の平面を積み重ねるための技術を目指してきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本開示は、不揮発性メモリデバイスに関し、より詳細には、チャネル構造が垂直方向に延びる、垂直タイプの3D NANDメモリデバイスに関する。電子製品のサイズは次第に小さくされ得るが、これらの製品がより大容量でのデータ処理を行うよう要求されることがある。したがって、電子製品内で使用される半導体メモリデバイスの集積度が増加されることがある。半導体メモリデバイスの集積度を増加させる1つの方法は、平面トランジスタ構造の代わりに垂直構造を有する不揮発性メモリデバイスを必要とすることがある。
【0003】
平面トランジスタ構造と比較すると、3D NANDメモリデバイスの垂直構造は、より重要かつ複雑な製造プロセスを必要とする。より低いビット当たり費用でのより高い密度を達成するために3D NANDメモリデバイスがより多くのメモリセル層を備える構成に移行するにつれ、構造およびこれを製造するための方法を改善することが、ますます難しくなってきた。例えば、より多くのメモリセル層が導入されるので、3D NANDメモリデバイス内でメモリセルの初期閾値電圧(Uvvt)を制御することが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
3D NANDメモリデバイスは、複数のメモリセルストリングを含むことができる。各メモリセルストリングは、複数の絶縁層によって互いに分離される複数のワード線を有することができ、絶縁層およびワード線は構造の上に位置し、別の方法では、ワード線が絶縁層によって互いから間隔を置いて配置されるように積み重ねられる。各メモリセルストリングはまた、基板からワード線および絶縁層を通って垂直に延びるチャネル構造を有することができる。チャネル構造は、側壁および底部領域を有する。チャネル構造は、チャネル構造の底部領域に位置する底部チャネルコンタクトを備える。
【0005】
チャネル構造では、ブロック層(ゲート誘電層とも呼ばれる)は、チャネル構造の側壁に沿って形成され、さらに、底部チャネルコンタクトの一部を覆う。電荷捕捉層は、ブロック層の上に形成される。電荷捕捉層は、チャネル構造の側壁に沿って形成された側部、および底部チャネルコンタクトの上に位置する底部を有する。トンネル層は、電荷捕捉層の上に形成されている。トンネル層は、チャネル構造の側壁に沿って位置する側部、および底部チャネルコンタクトの上の底部を有する。さらに、チャネル層は、チャネル構造の側壁に沿ってトンネル層の上に形成されている。チャネル層はさらに、底部チャネルコンタクトに接触するように、ブロック層、電荷捕捉層、およびトンネル層の底部を通って延びている。
【0006】
いくつかの実施形態では、チャネル層は、高品質で薄いポリシリコン(Si)でできている。ポリSiは、負のUvvtを生じさせることができる。このUvvtは、あらゆるサイクルテストが動作される前の、メモリストリング内のメモリセルの初期閾値電圧であってもよい。メモリセルのUvvtは、ポリSiの厚さを調節することによって調整することができる。しかし、Ion(オン電流)、SS(サブ閾値スロープ)などの一連のパラメータは、調節されたポリSi厚さにより影響を受ける可能性がある。本開示では、高k層が、チャネル構造内のチャネル層の上に配置される。高k層は、複数の電気双極子の形成につながり、その後、メモリセルのUvvtに影響を与える可能性がある。高k層は、正の電気双極子を提供しUvvtを増加させる第1の材料、または負の電気双極子を提供しUvvtを減少させる第2の材料でできていることがある。メモリセルのUvvtはしたがって、高k層に基づいて調節することができる。
【0007】
本開示の一態様によると、半導体デバイスが提供される。半導体デバイスは、基板の側部から延びるチャネル構造を備える。チャネル構造は、側壁および底部領域を有する。チャネル構造は、底部領域に位置する底部チャネルコンタクト、および側壁に沿って、底部チャネルコンタクトの上に形成されたチャネル層を備える。底部チャネルコンタクトは、チャネル構造が基板に結合されるように、基板内に延びている。チャネル構造はさらに、チャネル構造の側壁に沿ってチャネル層の上、かつ底部チャネルコンタクトの上に形成された高k層を備える。
【0008】
本開示では、高k層は、半導体デバイスの初期閾値電圧(Uvvt)を増加させる第1の材料、および半導体デバイスの初期閾値電圧を減少させる第2の材料を含むことができる。加えて、高k層の増加した厚さは、半導体デバイスの初期閾値電圧(Uvvt)のより大きな変化につながる。第1の材料は、HfO2およびAl2O3を含み、第2の材料は、La2O3およびY2O3を含むことができる。
【0009】
開示した半導体デバイスはまた、チャネル構造の側壁に沿って形成され、さらに底部チャネルコンタクトの第1の部分を覆うブロック層、およびブロック層の上に形成された電荷捕捉層を含むことができる。電荷捕捉層は、チャネル構造の側壁に沿った側部、および底部チャネルコンタクトの上の底部を有する。半導体デバイスはさらに、電荷捕捉層の上に形成されたトンネル層を有する。トンネル層は、チャネル構造の側壁に沿った側部、および底部チャネルコンタクトの上の底部を有する。チャネル層は、トンネル層の上に位置し、さらに、底部チャネルコンタクトの第2の部分に接触するように、ブロック層、電荷捕捉層、およびトンネル層の底部を通って延びている。
【0010】
いくつかの実施形態では、ブロック層は、チャネル構造の側壁に沿って形成することができ、さらに、底部チャネルコンタクトの第1の上部表面を覆う。電荷捕捉層は、ブロック層の上に形成することができる。電荷捕捉層は、チャネル構造の側壁に沿って位置する側部、および底部チャネルコンタクトの第1の上部表面の上の底部を有することができる。トンネル層は、電荷捕捉層の上に形成することができ、トンネル層はチャネル構造の側壁に沿って位置する側部、および底部チャネルコンタクトの第1の上部表面の上の底部を有する。チャネル層はトンネル層の上に位置することができ、ブロック層および電荷捕捉層の底部を通って延び、さらに、底部チャネルコンタクトの第2の上部表面に接触するように、底部チャネルコンタクト内に延びている。
【0011】
いくつかの実施形態では、誘電層は、チャネル層の上にチャネル構造の側壁に沿って形成することができ、誘電層が高k層とチャネル層との間に位置するように、高k層は誘電層の上に位置している。いくつかの実施形態では、チャネル構造の側壁に沿って形成された高k層の側部は、誘電層によってチャネル層から間隔を置いて配置され、底部チャネルコンタクトの上の高k層の底部はチャネル層に接触している。
【0012】
開示した半導体デバイスはさらに、高k層の上に位置し、さらにチャネル層によって囲まれている上部チャネルコンタクトを備える。開示した半導体デバイスでは、複数のワード線および複数の絶縁層が基板の上に位置する。複数のワード線および複数の絶縁層は、複数のワード線が複数の絶縁層によって互いに間隔を置いて配置されるように、交互に積み重ねられている。チャネル構造は、複数のワード線および複数の絶縁層を通って延びている。
【0013】
別の態様によると、半導体デバイスを形成する方法が開示されている。開示した方法では、複数のワード線および複数の絶縁層が基板の上に形成される。複数のワード線および複数の絶縁層は、複数のワード線が複数の絶縁層によって互いに間隔を置いて配置されるように、交互に積み重ねられる。チャネル開口部はその後、ワード線および絶縁層内に形成される。チャネル開口部は、ワード線および絶縁層を通って延び、さらに基板内に延び、チャネル開口部は、基板を露出させるように、側壁および底部領域を有する。
【0014】
その後、底部チャネルコンタクトは、チャネル開口部の底部領域に形成される。底部チャネルコンタクトは、チャネル開口部の側壁に沿って形成され、さらに、基板内に延びる。ブロック層はその後、チャネル開口部の側壁に沿って、底部チャネルコンタクトの上に形成され、ブロック層は、チャネル開口部の側壁に沿った側部、および底部チャネルコンタクトを覆う底部を有する。電荷捕捉層は、ブロック層の上に形成される。電荷捕捉層は、チャネル開口部の側壁に沿った側部、および底部チャネルコンタクトの上の底部を有する。さらに、トンネル層が電荷捕捉層の上に形成され、トンネル層はチャネル開口部の側壁に沿った側部、および底部チャネルコンタクトの上の底部を有する。
【0015】
したがって、底部チャネルコンタクトを露出させるように、ブロック層、電荷捕捉層、およびトンネル層の底部を通って延びる底部開口部が形成される。底部チャネルコンタクトに接触するように、チャネル層が、ブロック層、電荷捕捉層、およびトンネル層を通って延びるように、チャネル層はトンネル層の上に底部開口部を通るように形成される。高k層はチャネル層上に形成することができ、高k層は、チャネル開口部の側壁に沿って底部チャネルコンタクトの上に位置することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、誘電層は、チャネル開口部の側壁に沿ってチャネル層の上に形成することができ、高k層は、誘電層が高k層とチャネル層との間に位置するように、誘電層の上に形成することができる。いくつかの実施形態では、チャネル開口部の側壁に沿って形成された高k層の側壁は、誘電層によってチャネル層から間隔を置いて配置され、底部チャネルコンタクトの上の高k層の底部は、チャネル層と接触する。
【0017】
本開示のさらに別の態様によると、3D NANDメモリデバイスが開示されている。メモリデバイスは、基板の上に位置する複数のワード線および複数の絶縁層を有する。複数のワード線および複数の絶縁層は、複数のワード線が複数の絶縁層によって互いに間隔を置いて配置されるように、交互に積み重ねられている。メモリデバイスはまた、基板から複数のワード線および複数の絶縁層を通って延びるチャネル構造を有する。チャネル構造は、側壁および底部領域を有する。チャネル構造はさらに、底部領域に位置する底部チャネルコンタクト、および側壁に沿って底部チャネルコンタクトの上に形成されたチャネル層を備える。チャネル構造はさらに、チャネル構造の側壁に沿ってチャネル層の上、かつ底部チャネルコンタクトの上に形成された高k層を備える。
【0018】
本開示の態様は、添付の図面とともに読んだ場合に、以下の詳細な説明から最もよく理解される。当業界の標準的プラクティスに従い、様々なフィーチャは等尺では描かれていないことに留意されたい。実際、様々なフィーチャの寸法は、議論を明確にするために任意で増減させることがある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】いくつかの実施形態による、例示的3D NANDメモリデバイスの断面図である。
【
図2A】いくつかの実施形態による、開示した3D NANDメモリデバイス内の例示的チャネル構造の第1の断面図である。
【
図2B】いくつかの実施形態による、開示した3D NANDメモリデバイス内の例示的チャネル構造の第2の断面図である。
【
図2C】いくつかの実施形態による、開示した3D NANDメモリデバイス内の例示的チャネル構造の第3の断面図である。
【
図3】いくつかの実施形態による、関連する3D NANDメモリデバイス内の例示的チャネル構造の断面図である。
【
図4】いくつかの実施形態による、例示的3D NANDメモリデバイスのチャネル構造内のエネルギーバンドギャップの略図である。
【
図5a】いくつかの実施形態による、例示的3D NANDメモリデバイス内のチャネル構造の第1のエネルギーバンド図である。
【
図5b】いくつかの実施形態による、正の電気双極子が導入された場合の、例示的3D NANDメモリデバイス内のチャネル構造の第2のエネルギーバンド図である。
【
図5c】いくつかの実施形態による、負の電気双極子が導入された場合の、例示的3D NANDメモリデバイス内のチャネル構造の第3のエネルギーバンド図である。
【
図6A】いくつかの実施形態による、高kゲート誘電/SiO
2界面での正の電気双極子のエネルギーバンド図である。
【
図6B】いくつかの実施形態による、高kゲート誘電/SiO
2界面での負の電気双極子のエネルギーバンド図である。
【
図7A】いくつかの実施形態による、3D NANDメモリデバイスを製造する様々な例示的中間ステップの断面図である。
【
図7B】いくつかの実施形態による、3D NANDメモリデバイスを製造する様々な例示的中間ステップの上面図である。
【
図8A】いくつかの実施形態による、3D NANDメモリデバイスを製造する様々な例示的中間ステップの断面図である。
【
図8B】いくつかの実施形態による、3D NANDメモリデバイスを製造する様々な例示的中間ステップの上面図である。
【
図9A】いくつかの実施形態による、3D NANDメモリデバイスを製造する様々な例示的中間ステップの断面図である。
【
図9B】いくつかの実施形態による、3D NANDメモリデバイスを製造する様々な例示的中間ステップの上面図である。
【
図10A】いくつかの実施形態による、3D NANDメモリデバイスを製造する様々な例示的中間ステップの断面図である。
【
図10B】いくつかの実施形態による、3D NANDメモリデバイスを製造する様々な例示的中間ステップの上面図である。
【
図11A】いくつかの実施形態による、3D NANDメモリデバイスを製造する様々な例示的中間ステップの断面図である。
【
図11B】いくつかの実施形態による、3D NANDメモリデバイスを製造する様々な例示的中間ステップの上面図である。
【
図12A】いくつかの実施形態による、3D NANDメモリデバイスを製造する様々な例示的中間ステップの断面図である。
【
図12B】いくつかの実施形態による、3D NANDメモリデバイスを製造する様々な例示的中間ステップの上面図である。
【
図13A】いくつかの実施形態による、3D NANDメモリデバイスを製造する様々な例示的中間ステップの断面図である。
【
図13B】いくつかの実施形態による、3D NANDメモリデバイスを製造する様々な例示的中間ステップの上面図である。
【
図14】いくつかの実施形態による、3D NANDメモリデバイスを製造するプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の開示は、提供した主題の異なる特徴を実施するための多くの異なる実施形態、または実施例を提供する。構成部品および配置の特定の実施例を、本開示を単純化するために以下に記載する。もちろん、これらは単なる例であって、限定することを意図したものではない。例えば、以下の説明における第2のフィーチャ上にまたはその上に第1のフィーチャを形成することは、形成される第1および第2のフィーチャが直接接触する実施形態を含むことができ、また、第1および第2のフィーチャが直接接触しないように、追加のフィーチャを第1および第2のフィーチャの間に形成することができる実施形態を含むことができる。加えて、本開示は、様々な実施例の参照番号および/または文字を繰り返すことができる。この繰り返しは、単純化および明確化する目的であり、論じた様々な実施形態および/または構成の間の関係を決定付けるものではない。
【0021】
さらに、「下で」、「下に」、「下側」、「上に」、「上側」などの空間的に相対的な用語は、図面に図示したような、別の(1つまたは複数の)要素または(1つまたは複数の)フィーチャに対する1つの要素またはフィーチャの関係性を説明するために、説明を容易にするために本明細書で使用することができる。空間的に相対的な用語は、図に示した配向に加えて、使用または動作中のデバイスの異なる配向を含むことを意図している。装置はあるいは、配向させる(90度または他の配向で回転させる)ことができ、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子は同様にそれに従って解釈することができる。
【0022】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、3D NANDメモリデバイス100の断面図である。メモリデバイス100は、基板102を有することができる。複数のワード線112a~112fは、基板102の上に形成することができる。加えて、複数の絶縁層114a~114iは基板102の上に位置する。ワード線112および絶縁層114は、ワード線112が絶縁層114によって互いに間隔を置いて配置されるように、交互に積み重ねられている。
【0023】
メモリデバイス100は、複数のチャネル構造を有することができる。例えば、4つのチャネル構造104~110が、メモリデバイス100内に含まれている。メモリデバイス100内には、複数のメモリセルストリングが形成されている。各メモリセルストリングは、それぞれのチャネル領域およびワード線に基づいて形成することができる。
図1は単なる例であり、メモリデバイス100は、技術要件に従って、多数のワード線、絶縁層、およびチャネル構造を備えることができることに留意すべきである。メモリデバイス100はまた、
図1に示していないが、共通ソース領域、ビット線、ワード線コンタクトなどの他の構成部品を備えることができる。
【0024】
さらに
図1を参照すると、チャネル構造はチャネル層を備えることができる。関連するメモリデバイス内では、チャネル層は高品質で薄いポリシリコン(Si)でできている。ポリSiは、メモリデバイス100の負のUvvt(初期閾値電圧とも呼ばれる)を生じさせることができる。本開示では、高k層がチャネル構造内でチャネル層の上に配置されている。高k層は、複数の電気双極子の形成につながり、その後、メモリデバイスのUvvtに影響を与える可能性がある。単純化および明確化するため、以下の部分の議論は、チャネル構造104に基づいている。
【0025】
図2Aは、チャネル構造104の第1の構成を提供する、例示的チャネル構造104の第1の断面図である。
図2Aに示すように、チャネル構造104は、基板102の側部102aから垂直に突出している。チャネル構造104はさらに、ワード線112および絶縁層114を通って延びている。チャネル構造104は、側壁104aおよび底部領域104bを備える円筒形状を有することができる。もちろん、他の形状も可能である。チャネル構造104は、基板102に対して鉛直に形成され、チャネル構造104の底部領域104bに位置する底部チャネルコンタクト116を通して基板102に電気的に結合されている。
【0026】
チャネル構造104はさらに、チャネル層124、トンネル層122、電荷捕捉層120、およびブロック層(ゲート誘電層、ゲートバリア層とも呼ぶ)118を備える。ブロック層118は、チャネル構造104の側壁104aに沿って形成され、底部チャネルコンタクト116の第1の部分116aを覆っている。ブロック層118は、ワード線112a~112fおよび絶縁層114a~114iと直接接触することができる。電荷捕捉層120は、ブロック層118の上に形成されている。電荷捕捉層120は、側壁104aに沿った側部、および底部チャネルコンタクト116の上の底部を有する。トンネル層122は、電荷捕捉層120の上に形成される。トンネル層122は、側壁104aに沿った側部、および底部チャネルコンタクト116の上の底部を有する。
【0027】
チャネル層124は、トンネル層122に沿って形成された側部を有し、底部チャネルコンタクト116の上に位置するトンネル層122、電荷捕捉層120、およびブロック層118の底部を通って延びるT字形底部を有する。チャネル層124のT字形底部はさらに、チャネル層124が底部チャネルコンタクト116に接触するように、底部チャネルコンタクト116の第2の部分116bの上に位置する。加えて、トンネル層122、電荷捕捉層120、およびブロック層118は、チャネル構造104において「L脚」構成を形成することができる。L脚構成は、チャネル構造の側壁104aに沿って形成された側部、および底部チャネルコンタクト116の上に位置する底部を備えることができる。
【0028】
チャネル構造104はまた、チャネル層124の上に形成された高k層126を備えることができる。
図2Aに示すように、高k層126は、側壁104aに沿った側部、および底部チャネルコンタクト116の上の底部を有することができる。チャネル構造104では、チャネル絶縁層128は、チャネル構造104を充填するように高k層126の上に形成されている。チャネル構造104はさらに、チャネル層124に沿って配置され、高k層126およびチャネル絶縁層128の上に位置する上部チャネルコンタクト130を備えることができる。いくつかの実施形態では、上部チャネルコンタクト130は、上部チャネルコンタクト130とワード線112fとの間のあらゆる電気的干渉を防ぐために、ワード線112fの上に位置する。いくつかの実施形態では、ゲート誘電層(図示せず)がさらに、ワード線112aと底部チャネルコンタクト116との間に形成される。ゲート誘電層(図示せず)は、絶縁層114a、114bの間に位置することができ、底部チャネルコンタクト116を囲むように環状形状を有することができる。
【0029】
図2Bは、チャネル構造104の第2の構成を提供する、チャネル構造104の第2の断面図である。
図2Aにおけるチャネル構造104の第1の断面図と比較すると、誘電層132が、チャネル構造104の側壁104aに沿ってチャネル層124の上に形成されている。高k層126はその後、誘電層132が高k層126とチャネル層124との間に配置されるように、誘電層132の上に位置する。いくつかの実施形態では、高k層126全体は、誘電層132によってチャネル層124から間隔を置いて配置され、
図12Aおよび12Bに示すことができる。いくつかの実施形態では、
図2Bに示すように、高k層126およびチャネル層124の部分のみが、誘電層132によって離れている。例えば、
図2Bに示すように、側壁104aに沿って形成された高k層の側部は、誘電層132によってチャネル層124から間隔を置いて配置され、底部チャネルコンタクトの上の高k層126の底部がチャネル層124と接触している。
【0030】
図2Cは、チャネル構造104の第3の構成を提供する、例示的チャネル構造104の第3の断面図である。
図2Aにおけるチャネル構造104の第1の断面図と比較すると、チャネル層124および高k層126は、底部チャネルコンタクト116内に延びるU字形底部を有する。
図2Cに示すように、ブロック層118、電荷捕捉層120、およびトンネル層122は、底部チャネルコンタクト116の第1の上部表面116aの上に配置されている。ブロック層118および電荷捕捉層120は、「L脚」構成を備える底部を有することができる。チャネル層124および高k層126は、ブロック層118、電荷捕捉層120、およびトンネル層122の底部を通って延び、さらに底部チャネルコンタクト116内に延び、底部チャネルコンタクト116の第2の上部表面116bの上に位置する。
図2Cに示すように、第2の上部表面116bは、第1の上部表面116aの下に位置する。
【0031】
図2Aおよび2Bの実施形態では、ブロック層118はSiO
2でできている。別の実施形態では、ブロック層118は、SiO
2およびAl
2O
3などの多数の層を含むことができる。一実施形態では、電荷捕捉層120はSiNでできていることがある。別の実施形態では、電荷捕捉層120は、SiN/SiON/SiN多層構成などの多層構成を含むことができる。いくつかの実施形態では、トンネル層122は、SiN/SiON/SiN多層構成などの多層構成を含むことができる。
図2Aおよび2Bの実施形態では、チャネル層124は、炉低圧化学蒸着(CVD)プロセスを介したポリシリコンでできている。チャネル絶縁層128および誘電層132は、SiO
2またはその他の適切な誘電材料でできていてもよい。上部および底部チャネルコンタクト116および130は、ポリシリコンでできていてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、
図2A~2Cに示したワード線112は、導電性、低抵抗、簡単な製造、および隣接する構成部品との無反応の特性を備える材料を使用することによって直接形成される。例えば、ワード線112はポリシリコンでできていてもよい。いくつかの実施形態では、ワード線112は、犠牲層を最初に使用することによって作ることができる。犠牲層は取り除き、高K材料および金属層と交換することができる。犠牲層は、選択エッチングを提供することができる材料で作ることができる。選択エッチングは、絶縁層114をエッチングすることなく犠牲層112をエッチングすることを言うことができる。加えて、材料は絶縁層114と反応せず、その後の高温処理中のストレスにほとんど影響を与えない。犠牲層を作るための例示的材料は、SiN、SiON、SiCNなどであってもよい。高K材料は、酸化アルミニウム、酸化ハフニウムなどで作ることができる。金属層は、タングステン(W)、ルテニウム、コバルト、または他の適切な導電性材料で作ることができる。絶縁層114は、SiO
2、または他の適切な誘電材料で作ることができる。いくつかの実施形態では、絶縁層114hは、プロセス要件に従って、他の絶縁層とは異なる密度または品質を有することができる。
【0033】
さらに
図2A~2Cを参照すると、チャネル構造104は円筒形状を有することができる。しかし、本開示はこれに限定されるものではなく、チャネル構造104は、角柱形状、楕円柱形状、またはあらゆる他の適切な形状などの他の形状に形成することができる。
【0034】
図3は、チャネル構造200を提供する、関連する3D NANDメモリデバイスの断面図である。
図2Aまたは
図2Bにおけるチャネル構造104と比較すると、チャネル構造200は、チャネル層224の上に形成された高k層を有していない。上に記載したように、チャネル層224は、高品質で薄いポリシリコン(Si)でできている。ポリSiは、関連するメモリデバイスに対して負のUvvtを生じさせることができる。メモリデバイスのUvvtは、ポリSiの厚さを調節することによって調整することができる。しかし、Ion(オン電流)、SS(サブ閾値スロープ)などの一連のパラメータは、調節されたポリSi厚さにより影響を受ける可能性がある。
【0035】
本開示では、高k層(例えば、高k層126)が、チャネル構造内のチャネル層の上に配置される。高k層は、複数の電気双極子の形成につながり、その後、メモリセルのUvvtに影響を与える可能性がある。高k層は、正の電気双極子を提供し、Uvvtを増加させる第1の材料、または負の電気双極子を提供し、メモリデバイスのUvvtを減少させる第2の材料でできていることがある。いくつかの実施形態では、第1の材料は、HfO2またはAl2O3などを含むことができる。第2の材料は、La2O3またはY2O3などを含むことができる。さらに、高k層の増加した厚さは、メモリデバイスの初期閾値電圧(Uvvt)のより大きな変化につながる。第1の材料の高k層が導入されると、Uvvtは増加する可能性がある。したがって、同じターゲット閾値電圧を満たすために、必要な電荷の数がより少なくなり、これに応じて、メモリデバイスのプログラム速度が改善される。加えて、データ維持中のバンド曲がりが減少する。減少したバンド曲がりは、電荷逃げ能力を弱め、データ維持を向上させることができる。第2の材料の高k層が導入されると、Uvvtを減少させることができ、消去速度を増加することができ、その後、消去ストレス時間が減少し、耐久特性および3K(すなわち、3000サイクル)維持が改善する。
【0036】
図4は、高k層が第1の材料でできており、高k層が導入された場合の、チャネル構造内のエネルギーバンドギャップの変化を示している。
図4に示すように、高k層が導入される前に、チャネル構造(例えば、チャネル構造104)は、トンネル層のバンドギャップ401、電荷捕捉層のバンドギャップ402、ブロック層のバンドギャップ403、およびワード線のバンドギャップ404を有することができる。トンネル層、電荷捕捉層、ブロック層およびワード線が異なる材料特性を有するので、バンドギャップ401~404は異なるギャップを有することに留意すべきである。さらに、
図4では、高k層が導入されると、トンネル層のバンドギャップ401はより少ないバンド曲がりを有するバンドギャップ401’となる。同様に、ブロック層403のバンドギャップは、第1の材料の高k層により、より小さなバンド曲がりを有するバンドギャップ403’となる。上に記載したように、減少したバンド曲がりは、電荷逃げ能力を弱め、データ維持を向上させることができる。
【0037】
図5(a)~5(b)は、チャネル構造内の金属ゲート(例えば、メモリデバイス内のワード線)の効果的な仕事関数への電気双極子の効果を示すエネルギーバンド図である。
図5(a)は、電気双極子が導入されない場合の平衡状態でのエネルギーバンド図である。
図5(b)は、正の電気双極子502が高k層およびSiO
2層(例えば、ブロック層、ゲート誘電層)の界面において導入される場合の平衡状態でのエネルギーバンド図である。
図5(b)に示すように、実線506は金属ゲートのフェルミレベルであり、破線504は正の電気双極子が導入された後の金属ゲートのフェルミレベルである。
図5(c)は、負の電気双極子508が高k層およびSiO
2層の界面において導入される場合の平衡状態でのエネルギーバンド図である。
図5(c)に示すように、実線510は金属ゲートのフェルミレベルであり、破線512は負の電気双極子が導入された後の金属ゲートのフェルミレベルである。電気双極子を導入することは、金属ゲートの効果的な仕事関数を変化させることと同等であり、その後、メモリデバイスのUvvtが変化する。
【0038】
図6Aは、高kゲート誘電/SiO
2界面での正の電気双極子のエネルギーバンド図である。
図6Bは、高kゲート誘電/SiO
2界面での負の電気双極子のエネルギーバンド図である。
図6A~6Bでは、qΔ1はE
f,HKとφ
CNL,HKとの間の差であり、E
f,HKは高k層のフェルミレベルであり、φ
CNL,HKは高k層の電荷中性レベル(CNL)である。加えて、qΔ3はφ
CNL,SiO2とE
f,SiO2との間の差であり、E
f,SiO2はSiO
2のフェルミレベルであり、φ
CNL,SiO2はSiO
2のCNLである。さらに、qΔ2はE
f,SiO2とE
f,HKとの間のエネルギー差である。
図6Aおよび6Bでは、E
vは価電子帯を示し、E
cは伝導バンドを示している。
図6Aおよび6Bによると、Uvvtへの電気双極子の影響は、以下の等式(1)によって説明することができる。
V
FB=ψ
g-ψ
Si+ΔDipole (1)
式中、V
FBはUvvtを示すフラットバンド状態でのゲート電圧であり、ψ
gはゲートの仕事関数(メモリデバイス100内のワード線とも呼ばれる)であり、ψ
Siはチャネル層の仕事関数であり、ΔDipoleは電気双極子によって導入される電圧デルタである。ΔDipoleは以下の等式(2)によって説明することができる。
ΔDipole=(φ
CNL,SiO2-φ
CNL,HK)/q (2)
【0039】
式中、φCNL,HKは高k層の電荷中立レベル(CNL)であり、φCNL,SiO2はSiO2のCNLであり、qは電気または電荷の量である。
【0040】
等式(1)に示すように、ΔDipoleが正である場合、VFBが増加する。HfO2またはAl2O3などの第1の材料は、正のΔDipoleにつながることがある。ΔDipoleが負である場合、VFBが減少する。La2O3またはY2O3などの第2の材料は、負のΔDipoleにつながることがある。加えて、高k層の増加した厚さは、より大きな電気双極子を導入することができ、より大きなVFB変化につながる。
【0041】
図7Aから13Bは、いくつかの実施形態による、3D NANDメモリデバイスの製造の様々な中間ステップの断面および上面図である。
図7Aに示すように、半導体構造300は、フォトリソグラフィ、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、乾式エッチング、湿式エッチング、湿式洗浄、拡散、原子層蒸着(ALD)、化学機械平坦化(CMP)、イオン注入、計測学、または他の適切な技術などの様々な半導体処理技術により調製される。半導体構造300は、基板102を有する。基板102として、シリコン(Si)基板、ゲルマニウム(Ge)基板、シリコンゲルマニウム(SiGe)基板、および/またはシリコンオンインシュレーター(SOI)基板を挙げることができる。基板102は、半導体材料、例えば、IV族半導体、III-V族化合物半導体、またはII-VI族酸化物半導体を含むことができる。基板102は、バルクウェハまたはエピタキシャル層であってもよい。
図7Aの実施形態では、基板102は、Si、Ge、またはSiGeを含むことができるIV族半導体である。
【0042】
半導体構造300はまた、複数のワード線112a~112g、およびワード線を互いに分離させる複数の絶縁層114a~114iを含む。チャネル開口部150は、複数のワード線および複数の絶縁層を通過するように形成され、さらに、基板102内に延びる。チャネル開口部150は、基板102を露出させるように、側壁104aおよび底部領域104bを有することができる。チャネル開口部150は、パターニングプロセスによって形成することができ、ここで、パターンをフォトリソグラフィプロセスによりマスク層(図示せず)内に形成することができ、その後のエッチングプロセスは、チャネル開口部150を形成するために、パターンをワード線および絶縁層内に転送させる。
【0043】
さらに
図7Aを参照すると、底部チャネルコンタクト116を、チャネル開口部150の底部領域104bに形成することができる。底部チャネルコンタクトは、チャネル開口部150の側壁104aに沿って形成することができ、さらに、基板102内に延びる。CVDプロセス、拡散プロセス、エピタキシャル成長プロセス、または他の適切なプロセスなどのあらゆる適切なプロセスを、底部チャネルコンタクトを形成するために適用することができる。底部チャネルコンタクト116は、nタイプドーパントでドープしたSiでできていてもよい。
【0044】
ブロック層118は、チャネル開口部の側壁に沿って底部チャネルコンタクト116の上に形成することができる。ブロック層118は、チャネル開口部150の側壁104aに沿った側部、および底部チャネルコンタクト116を覆う底部を有する。電荷捕捉層120は、ブロック層118の上に形成することができる。電荷捕捉層120は、チャネル開口部150の側壁に沿った側部、および底部チャネルコンタクトの上の底部を有する。トンネル層122は、電荷捕捉層の上に形成することができる。トンネル層112はまた、チャネル開口部150の側壁104aに沿った側部、および底部チャネルコンタクト116の上の底部を有する。
【0045】
底部開口部104cは、その後、エッチングプロセスによって形成することができる。底部開口部104cは、底部チャネルコンタクト116を露出させるように、ブロック層118、電荷捕捉層120、およびトンネル層122の底部を通って延びている。その後、チャネル層124はチャネル開口部150内に堆積させることができる。チャネル層124は、チャネル開口部150の側壁に沿ってトンネル層122の上に形成することができる。チャネル層124はさらに、底部開口部104cを通過し、それによって、チャネル層124は、ブロック層118、電荷捕捉層120、およびトンネル層122の底部を通って延び、底部チャネルコンタクト116に接触する。チャネル層124はまた、形成中に、ワード線112gの上部表面を覆うことができる。CVDプロセス、拡散プロセス、およびALDプロセスなどのあらゆる適切なプロセスを、チャネル層124を形成するために適用することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、チャネル層124を堆積するために、ダミーまたは保護チャネル層(図示せず)を、第1に、トンネル層122の上に形成することができる。ダミーチャネル層は、チャネル開口部の側壁に沿った側部、および底部チャネルコンタクトの上の底部を有することができる。その後のパンチエッチングステップは、ブロック層、電荷捕捉層、トンネル層、およびダミーチャネル層の底部を通って延びる底部開口部を形成するために適用させることができる。パンチエッチングステップはまた、底部開口部の形成中に、ダミーチャネル層の側部をエッチングすることができる。チャネル層124はその後、ダミーチャネル層の上に堆積させることができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、アニーリングプロセスを、チャネル層124の堆積後に適用することができる。アニーリングプロセスは、チャネル層124の結晶化を向上させ、チャネル層の抵抗率を減少させることができる。
【0048】
図7Bは、チャネル層124が形成された後の、半導体構造300の上面図である。
図7Bは、
図7A内の基板と平行な方向に沿った線A-A’から得られる。
【0049】
図8Aでは、高k層126を、チャネル開口部の側壁に沿ってチャネル層124の上に堆積させることができる。高k層126はさらに、高k層126を底部チャネルコンタクト116の上に位置することができるように、底部開口部104cを通過する。高k層126はまた、ワード線112gの上部表面の上に堆積させることができる。高k層126は、HfO
2またはAl
2O
3などを含む第1の材料、およびLa
2O
3またはY
2O
3などを含む第2の材料を含むことができる。高k層126は、CVDプロセス、拡散プロセス、ALDプロセス、PVDプロセス、または他の適切なプロセスにより形成することができる。
図8Bは、
図8A内の基板と平行な方向に沿った線B-B’から得られる、高k層126が形成された後の上面図である。
【0050】
図9Aでは、チャネル絶縁層128は、チャネル開口部150を充填するように、その後堆積させることができる。CMPプロセスまたはエッチバックプロセスなどの表面平坦化プロセスは、ワード線112gの上部表面から、あらゆる余剰絶縁層128、余剰チャネル層124、および余剰高k層126を取り除くために適用させることができる。
図9Bは、表面平坦化プロセスが完了した場合の上面図である。
【0051】
図10Aでは、上部開口部(図示せず)を形成して、チャネル絶縁層128の部分、および高k層126の部分を取り除くことができる。上部開口部は、チャネル層124に沿って形成することができ、絶縁層114iおよび114gの間の位置まで延びる。上部開口部を形成するために、マスク層(図示せず)を、ワード線112g(
図9参照)およびチャネル絶縁層128の上に位置させることができる。パターンはフォトリソグラフィプロセスにより形成することができ、パターンはその後、上部開口部を形成するために、エッチングプロセスによって絶縁層128内に転送することができる。さらに、上部開口部を充填するために、伝導層(図示せず)を堆積させることができる。伝導層は、タングステン、銅、ルテニウム、コバルト、アルミニウム、または他の適切な伝導材料であってもよい。伝導層は、CVDプロセス、PVDプロセス、拡散プロセス、電気めっきプロセス、または他の適切なプロセスにより形成することができる。CMPプロセスまたはエッチングバックプロセスなどの表面平坦化をその後、あらゆる余剰伝導層を取り除くために適用させることができる。表面平坦化はさらに、ワード線112gを取り除き、絶縁層114i上で止まることができる。伝導層は、上部開口部内に留まり、上部チャネルコンタクト130となる。
【0052】
表面平坦化が完了した後、
図2Aにおけるチャネル構造104と同様のチャネル構造104が形成される。
図10Aに示すように、
図10Aにおけるチャネル構造104は、
図2Aにおけるチャネル構造104と同様の構成を有する。例えば、チャネル構造104は、ワード線112a~112f、および絶縁層114a~114iを通って延びる。チャネル構造104は、基板102内に延びる底部チャネル構造116を有する。高k層126は、チャネル構造の側壁104aに沿ってチャネル層124の上に形成され、さらに、底部チャネルコンタクト116の上に位置する。
図10Bは、チャネル構造104の上面図である。
【0053】
図11A~12Bは、
図2Bに示されたチャネル構造104を形成するための中間ステップを示している。
図7Aを再び参照すると、チャネル層124が形成された後に、誘電層132がチャネル層124の上に形成されるように、誘電層132をチャネル開口部150内に堆積させることができる。一実施形態では、誘電層132がチャネル層124の側壁に沿って選択的に形成され、誘電層132は底部開口部104cを覆わない。高k層126はその後、誘電層132の上に形成され、さらに、底部開口部104cを通過する。したがって、誘電層132は高k層126とチャネル層124との間に位置する。加えて、
図11Aに示すように、チャネル開口部150の側壁104aに沿った高k層126の側部は、誘電層132によってチャネル層124から分離され、底部チャネルコンタクト116の上の高k層126の底部はチャネル層124と接触している。
【0054】
別の実施形態では、
図12Aに示すように、誘電層132は、側壁104aに沿ってチャネル層124の上に形成することができ、さらに、底部開口部104cを通過する。したがって、高k層126全体が、誘電層132によってチャネル層124から間隔を置いて配置されている。
【0055】
さらに
図11Aおよび12Aでは、チャネル絶縁層128をチャネル開口部150内に堆積させることができ、あらゆる余剰チャネル絶縁層128、余剰高k層126、および余剰チャネル層124を取り除くためにその後の表面平坦化プロセスを適用することができる。
図11Bおよび12Bは、表面平坦化プロセスが完了した後の上面図である。
【0056】
図13Aでは、
図10Aと同様に、上部開口部(図示せず)を形成することができる。上部開口部は、チャネル絶縁層128の部分、誘電層132の部分、および高k層126の部分を取り除く。伝導層(図示せず)は、上部開口部を充填するために形成することができる。表面平坦化を適用して、あらゆる余剰伝導層を取り除き、さらにワード線112gを取り除く。表面平坦化が完了した場合、
図2Bにおけるチャネル構造104と同様の、チャネル構造104が形成される。
【0057】
図2Cに示したチャネル構造を作るために、
図7Aに示した底部開口部104cは底部チャネルコンタクト116内にさらに延びるように形成することができることに留意すべきである。したがって、ブロック層118、電荷捕捉層120、およびトンネル層122が、底部チャネルコンタクト116の第1の上部表面116aの上に配置されている。チャネル層124はその後、トンネル層122の上に底部開口部104cを通るように形成することができる。したがって、チャネル層124は、ブロック層118および電荷捕捉層120の底部を通って延び、さらに、チャネル層124が底部チャネルコンタクト116の第2の上部表面116bの上に位置するように、底部チャネルコンタクト116内に延びている。
【0058】
図14は、いくつかの実施形態による、3D NANDメモリデバイスを製造するプロセス1400のフローチャートである。プロセス1400はステップ1404で始まり、チャネル開口部を形成することができる。チャネル開口部は、基板の上に形成された、複数のワード線および複数の絶縁層を通って延びることができる。チャネル開口部は、基板内に延びる側壁および底部領域を有することができる。底部チャネルコンタクトを、チャネル開口部の底部領域に形成することができる。ブロック層、電荷捕捉層、およびトンネル層は、側壁に沿ってチャネル開口部内に、底部チャネルコンタクトの上に順に堆積させることができる。底部開口部を形成し、チャネル層は、側壁に沿ってトンネル層の上に、さらに底部開口部を通るように形成することができる。いくつかの実施形態では、ステップ1404は、
図7A~7Bを参照して図示するように行うことができる。
【0059】
プロセス1400はその後、ステップ1406に進み、高k層がチャネル層の上に形成される。第1の実施例では、高k層は、チャネル開口部の側壁に沿ってチャネル層の上に形成され、高k層がさらに底部チャネルコンタクトの上に位置するように、底部開口部を通ってさらに延びている。いくつかの実施形態では、ステップ1406は、
図8A~8Bを参照して図示したように行うことができる。
【0060】
第2の実施例では、誘電層は最初、チャネル層の上に形成することができ、その後、高k層が誘電層の上に形成される。誘電層は、チャネル開口部の側壁に沿って選択的に形成することができる、または誘電層はチャネル開口部の側壁に沿って形成することができ、さらに底部開口部に沿って延びる。いくつかの実施形態では、第2の実施例のステップ1406は、
図11A~12Bを参照して図示するように行うことができる。
【0061】
プロセス1400はステップ1408に進み、チャネル開口部を充填するようにチャネル絶縁層が形成される。第1の実施例のステップ1408は、
図9A~9Bに示すことができ、第2の実施例のステップ1408は、
図11A~12Bに示すことができる。
【0062】
ステップ1410では、上部チャネルコンタクトを形成することができる。上部チャネルコンタクトは、最初、上部開口部を形成することによって形成することができる。上部開口部は、チャネル絶縁層の一部、高k層の一部、および誘電層の一部を取り除くことによって形成される。伝導層はその後、上部開口部内で堆積され、あらゆる余剰伝導層を取り除くために、表面平坦化プロセスが適用される。第1の実施例のステップ1410は、
図10A~10Bに示すことができ、第2の実施例のステップ1410は、
図13A~13Bに示すことができる。ステップ1410が完了した場合、3D NANDメモリデバイス内のチャネル構造が形成される。
【0063】
プロセス1400の前、その間、および後に追加のステップを設けることができ、本明細書に記載したステップのいくつかは、プロセス1400の追加の実施形態に対して、交換する、なくす、または異なる順序で行うことができることに留意すべきである。その後のプロセスステップでは、様々な追加の相互接続構造(例えば、導電線および/またはビアを有する金属化層)を、半導体デバイス100の上に形成することができる。このような相互接続構造は、機能回路を形成するように、半導体デバイス100を他の接触構造および/または能動デバイスと電気接続させる。受動層、入力/出力構造などの追加のデバイスフィーチャも形成することができる。
【0064】
本明細書に記載された様々な実施形態は、関連する実施例に対していくつかの利点を提供する。例えば、関連する実施例では、メモリデバイスのUvvtはポリSiの厚さを調節することによって調整することができる。しかし、Ion(オン電流)、SS(サブ閾値スロープ)などの一連のパラメータは、調節されたポリSi厚さにより影響を受ける可能性がある。本開示では、高k層が、チャネル構造内のチャネル層の上に配置される。高k層は、複数の電気双極子の形成につながり、その後、メモリデバイスのUvvtに影響を与える可能性がある。高k層は、正の電気双極子を提供し、Uvvtを増加させる第1の材料、および負の電気双極子を提供し、半導体デバイスの初期閾値電圧を減少させる第2の材料を含むことができる。チャネル層の上の誘導された高k層に基づいて、メモリデバイスのUvvtを調節することができる。
【0065】
上述の記載は、当業者が本開示の態様をよりよく理解できるように、いくつかの実施形態の特徴の概略を説明している。当業者は、同じ目的を行う、および/または本明細書で導入された実施形態の同じ利点を達成するために、他のプロセスおよび構造を設計または変更するための基礎として、本開示を容易に使用することができることを理解すべきである。当業者はまた、このような均等の構成が本開示の精神および範囲から逸脱しないことを理解すべきであり、さらに、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、および改変を行うことができることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0066】
100 3D NANDメモリデバイス
102 基板
102a 側部
104~110 チャネル構造
104a 側壁
104b 底部領域
104c 底部開口部
112、112a~112f ワード線
114、114a~114i 絶縁層
116 底部チャネルコンタクト
116a 第1の部分
116b 第2の部分
118 ブロック層
120 電荷捕捉層
122 トンネル層
124 チャネル層
126 高k層
128 チャネル絶縁層
130 上部チャネルコンタクト
132 誘電層
150 チャネル開口部
200 チャネル構造
224 チャネル層
300 半導体構造
401 バンドギャップ
402 バンドギャップ
403 バンドギャップ
404 バンドギャップ
502 正の電気双極子
508 負の電気双極子