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特許7412548極端紫外線パターンマスクの印刷可能な欠陥を減少させるためのシステムと方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】極端紫外線パターンマスクの印刷可能な欠陥を減少させるためのシステムと方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 1/84 20120101AFI20240104BHJP
   G03F 1/24 20120101ALI20240104BHJP
【FI】
G03F1/84
G03F1/24
【請求項の数】 38
(21)【出願番号】P 2022521176
(86)(22)【出願日】2020-10-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-26
(86)【国際出願番号】 US2020054325
(87)【国際公開番号】W WO2021071790
(87)【国際公開日】2021-04-15
【審査請求日】2023-08-09
(31)【優先権主張番号】62/913,659
(32)【優先日】2019-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/022,973
(32)【優先日】2020-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン シャオチュン
(72)【発明者】
【氏名】トラニ ヴィクラム
(72)【発明者】
【氏名】ザン ヤオ
【審査官】菅原 拓路
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/021154(WO,A1)
【文献】特開2014-039038(JP,A)
【文献】特表2014-514735(JP,A)
【文献】特開2004-356330(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0161893(US,A1)
【文献】特開2013-149875(JP,A)
【文献】特開2015-135874(JP,A)
【文献】特開2012-248767(JP,A)
【文献】特開2010-008738(JP,A)
【文献】特開2001-033941(JP,A)
【文献】特開2004-170948(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターンマスク上の印刷可能な欠陥を減少させるためのシステムであって、
特徴付けサブシステムに通信可能に結合されるように構成されたコントローラであって、プログラム命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサを含み、プログラム命令は前記1つ以上のプロセッサに、
前記特徴付けサブシステムにマスクブランクの検査を実行して、前記マスクブランク上の1つ以上の欠陥の欠陥マップを生成するように指示させ、
費用関数を第1の特徴及び第2の特徴に基づき生成させ、ここで前記第1の特徴は前記マスクブランク上の前記1つ以上の欠陥の欠陥露出のエリアを含み、前記第2の特徴は欠陥領域内の設計パターンのパターン複雑度を含み、
非線形最適化手順を介して前記費用関数の最小を示す1つ以上の値を決定させ、
1つ以上の制御信号を生成させて、前記設計パターンに対する前記マスクブランクの回転及び並進を、前記費用関数の前記最小を示す前記決定された1つ以上の値に基づいて調整させる、コントローラ、を備える、
システム。
【請求項2】
前記コントローラは更に、
前記調整されたマスクブランクが前記設計パターンに対してどの程度良好かを示す1つ以上のメトリックを決定する、ように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つ以上のメトリックは、0~1の間のスコアを含み、ここで1に近いスコアは、前記設計パターンを有する前記調整されたマスクブランクが前記マスクブランク上の前記1つ以上の欠陥を軽減する可能性が高いことを示す、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記コントローラは更に、
マージンを前記マスクブランクの前記1つ以上の欠陥のサイズに追加し、ここで前記マージンの前記追加は、前記1つ以上の欠陥を、設計パターンの1つ以上のエッジから選択距離に配置するように構成される、ように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記マスクブランクの前記回転及び並進は、前記マスクブランク上の前記1つ以上の欠陥を複雑度の高い設計パターンの下に配置することを回避するように更に構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記設計パターンの前記パターン複雑度は、前記マスクブランク上の前記1つ以上の欠陥の前記欠陥領域におけるパターン臨界寸法、及び前記マスクブランク上の前記1つ以上の欠陥の前記欠陥領域における臨界寸法パターンの密度によって決定される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記マスクブランク上の前記1つ以上の欠陥の前記欠陥露出のエリアは、前記設計パターンの露光領域との1つ以上の欠陥領域の重なり合いエリアを使用して決定される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記非線形最適化手順はBound Optimization BY Quadratic Approximation(BOBYQA)を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記マスクブランクは極端紫外線ブランクマスクを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記設計パターンは前記調整されたマスクブランク上に印刷されて前記パターンマスクを生成し、前記パターンマスクは多層反射体部分及び吸収体層を含む極端紫外線パターンマスクを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
パターンマスク上の印刷可能な欠陥を減少させるためのシステムであって、
特徴付けサブシステムに通信可能に結合されるように構成されたコントローラであって、プログラム命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサを含み、プログラム命令は前記1つ以上のプロセッサに、
前記特徴付けサブシステムにマスクブランクの検査を実行して、前記マスクブランク上の1つ以上の欠陥の欠陥マップを生成するように指示させ、
費用関数を第1の特徴及び第2の特徴に基づき生成させ、ここで前記第1の特徴は前記マスクブランク上の前記1つ以上の欠陥の欠陥露出のエリアを含み、前記第2の特徴は欠陥領域内の設計パターンのパターン複雑度を含み、
非線形最適化手順を介して前記費用関数の最小を示す1つ以上の値を決定させ、
前記マスクブランクが前記設計パターンに対してどの程度良好かを示す1つ以上のメトリックを決定させ、
1つ以上の制御信号を生成させて、前記設計パターンに対する前記マスクブランクの回転及び並進を、前記費用関数の前記最小を示す前記決定された1つ以上の値、又は前記マスクブランクが前記設計パターンに対してどの程度良好かを示す前記1つ以上のメトリック、のうちの少なくとも1つに基づいて調整させる、コントローラ、を備える、
システム。
【請求項12】
前記1つ以上のメトリックは、0~1の間のスコアを含み、ここで1に近いスコアは、前記設計パターンを有する前記調整されたマスクブランクが前記マスクブランク上の前記1つ以上の欠陥を軽減する可能性が高いことを示す、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記コントローラは更に、
マージンを前記マスクブランクの前記1つ以上の欠陥のサイズに追加し、ここで前記マージンの前記追加は、前記1つ以上の欠陥を、設計パターンの1つ以上のエッジから選択距離に配置するように構成される、ように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記マスクブランクの前記回転及び並進は、前記マスクブランク上の前記1つ以上の欠陥を複雑度の高い設計パターンの下に配置することを回避するように更に構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記設計パターンの前記パターン複雑度は、前記マスクブランク上の前記1つ以上の欠陥の前記欠陥領域におけるパターン臨界寸法、及び前記マスクブランク上の前記1つ以上の欠陥の前記欠陥領域における臨界寸法パターンの密度によって決定される、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記マスクブランク上の前記1つ以上の欠陥の前記欠陥露出のエリアは、設計パターンの露光領域との1つ以上の欠陥領域の重なり合いエリアを使用して決定される、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記非線形最適化手順はBound Optimization BY Quadratic Approximation(BOBYQA)を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
前記マスクブランクは極端紫外線ブランクマスクを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
前記設計パターンは、前記調整されたマスクブランク上に印刷されて前記パターンマスクを生成し、前記パターンマスクは、多層反射体部分及び吸収体層を含む極端紫外線パターンマスクを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
パターンマスク上の印刷可能な欠陥を減少させるための方法であって、
特徴付けサブシステムに、マスクブランクの検査を実行して前記マスクブランク上の1つ以上の欠陥の欠陥マップを生成するように指示することと、
費用関数を第1の特徴及び第2の特徴に基づき生成することであって、ここで前記第1の特徴は前記マスクブランク上の前記1つ以上の欠陥の欠陥露出のエリアを含み、前記第2の特徴は欠陥領域内の設計パターンのパターン複雑度を含むことと、
非線形最適化手順を介して前記費用関数の最小を示す1つ以上の値を決定することと、
1つ以上の制御信号を生成して、前記設計パターンに対する前記マスクブランクの回転及び並進を、前記費用関数の前記最小を示す前記決定された1つ以上の値に基づいて調整することと、を含む
方法。
【請求項21】
前記調整されたマスクブランクが前記設計パターンに対してどの程度良好かを示す1つ以上のメトリックを決定すること、を更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記1つ以上のメトリックは、0~1の間のスコアを含み、ここで1に近いスコアは、前記設計パターンを有する前記調整されたマスクブランクが前記マスクブランク上の前記1つ以上の欠陥を軽減する可能性が高いことを示す、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
マージンを、前記マスクブランクの前記1つ以上の欠陥のサイズに追加することであって、ここで前記マージンの前記追加は、前記1つ以上の欠陥を、設計パターンの1つ以上のエッジから選択距離に配置するように構成される、ことを更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記マスクブランクの前記回転及び並進は、前記マスクブランク上の前記1つ以上の欠陥を複雑度の高い設計パターンの下に配置することを回避するように更に構成される、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記設計パターンの前記パターン複雑度は、前記マスクブランク上の前記1つ以上の欠陥の前記欠陥領域におけるパターン臨界寸法、及び前記マスクブランク上の前記1つ以上の欠陥の前記欠陥領域における臨界寸法パターンの密度によって決定される、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記マスクブランク上の前記1つ以上の欠陥の前記欠陥露出のエリアは、前記設計パターンの露光領域との1つ以上の欠陥領域の累積する重なり合いエリアを使用して決定される、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記非線形最適化手順はBound Optimization BY Quadratic Approximation(BOBYQA)を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項28】
前記マスクブランクは極端紫外線ブランクマスクを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項29】
前記設計パターンは、前記調整されたマスクブランク上に印刷されて前記パターンマスクを生成し、前記パターンマスクは、多層反射体部分及び吸収体層を含む極端紫外線パターンマスクを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項30】
パターンマスク上の印刷可能な欠陥を減少させるための方法であって、
マスクブランクの検査を実行して、前記マスクブランク上の1つ以上の欠陥の欠陥マップを、特徴付けサブシステムを用いて生成することと、
費用関数を第1の特徴及び第2の特徴に基づき生成することであって、ここで前記第1の特徴は前記マスクブランク上の前記1つ以上の欠陥の欠陥露出のエリアを含み、前記第2の特徴は欠陥領域内の設計パターンのパターン複雑度を含むことと、
非線形最適化手順を介して前記費用関数の最小を示す1つ以上の値を決定することと、
前記マスクブランクが前記設計パターンに対してどの程度良好かを示す1つ以上のメトリックを決定することと、
1つ以上の制御信号を生成して、前記設計パターンに対する前記マスクブランクの回転及び並進を、前記費用関数の前記最小を示す前記決定された1つ以上の値、又は前記マスクブランクが前記設計パターンに対してどの程度良好かを示す前記1つ以上のメトリックのうちの少なくとも1つに基づいて調整することと、を含む
方法。
【請求項31】
前記1つ以上のメトリックは、0~1の間のスコアを含み、ここで1に近いスコアは、前記設計パターンを有する前記調整されたマスクブランクが前記マスクブランク上の前記1つ以上の欠陥を軽減する可能性が高いことを示す、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
マージンを、前記マスクブランクの前記1つ以上の欠陥のサイズに追加することであって、ここで前記マージンの前記追加は、前記1つ以上の欠陥を、設計パターンの1つ以上のエッジから選択距離に配置するように構成される、ことを更に含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記マスクブランクの前記回転及び並進は、前記マスクブランク上の前記1つ以上の欠陥を複雑度の高い設計パターンの下に配置することを回避するように更に構成される、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記設計パターンの前記パターン複雑度は、前記マスクブランク上の前記1つ以上の欠陥の前記欠陥領域におけるパターン臨界寸法、及び前記マスクブランク上の前記1つ以上の欠陥の前記欠陥領域における臨界寸法パターンの密度によって決定される、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記マスクブランク上の前記1つ以上の欠陥の前記欠陥露出のエリアは、設計パターンの露光領域との1つ以上の欠陥領域の累積する重なり合いエリアを使用して決定される、請求項30に記載の方法。
【請求項36】
前記非線形最適化手順はBound Optimization BY Quadratic Approximation(BOBYQA)を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項37】
前記マスクブランクは極端紫外線ブランクマスクを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項38】
前記設計パターンは、前記調整されたマスクブランク上に印刷されて前記パターンマスクを生成し、前記パターンマスクは、多層反射体部分及び吸収体層を含む極端紫外線パターンマスクを含む、請求項30に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、リソグラフィシステムで使用するためのパターンマスク、特に、費用関数を使用してEUVパターンマスク上の印刷可能な欠陥を減少させるためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年10月10日に出願された、「FAST METHOD FOR EXTREME ULTRAVIOLET PHOTOMASK BLANK DEFECT OPTIMIZATION」と題し、発明者としてXiaochun Yang、Vikram Tolani、及びYao Zhangを指名する、米国仮出願第62/913,659号の優先権を主張するものであり、それは参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
極端紫外線リソグラフィ(EUVL)は、次世代リソグラフィの先端技術である。しかしながら、EUVLが直面する重要な課題の1つは、マスクブランクの欠陥性である。EUVマスクは、モリブデンとシリコンの複数の交互層を含むブラッグ反射器である。設計パターンは、この多層反射体の上部に吸収体層の形態で配置される。マスクブランクの製造中に形成されたマスクブランクの欠陥は、マスクブランクに印刷された設計パターンを大幅に変更し、それは後でEUVL中にサンプルに転写される。これらの欠陥は、欠陥がEUVマスクブランクの多層膜の下に埋め込まれているため、修復は困難である。大量生産用のEUVLの実装には、半導体業界がこれらの課題を克服する必要があるが、現在、欠陥のないマスクブランクを製造するための実行可能な解決策はなく、また埋め込み欠陥を修復するための費用効果の高いツールはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2015/0117754号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、上記で特定された以前のアプローチの不足を解消するシステム及び方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の1つ以上の実施形態による、パターンマスク上の印刷可能な欠陥を減少させるためのシステムが開示される。1つの実施形態では、システムは、特徴付けサブシステムに通信可能に結合されるように構成されたコントローラを含み、コントローラは、プログラム命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサを含み、プログラム命令は1つ以上のプロセッサに、特徴付けサブシステムにマスクブランクの検査を実行してマスクブランク上の1つ以上の欠陥の欠陥マップを生成するように指示させ、費用関数を第1の特徴及び第2の特徴であって、マスクブランク上の1つ以上の欠陥の欠陥露出のエリアを含む第1の特徴と欠陥領域内の設計パターンのパターン複雑度を含む第2の特徴に基づき生成させ、非線形最適化手順を介して費用関数の最小を示す1つ以上の値を決定させ、1つ以上の制御信号を生成させて、設計パターンに対するマスクブランクの回転及び並進を、費用関数の最小を示す決定された1つ以上の値に基づいて調整させる。
【0007】
本開示の1つ以上の実施形態による、パターンマスク上の印刷可能な欠陥を減少させるためのシステムが開示される。1つの実施形態では、システムは、特徴付けサブシステムに通信可能に結合されるように構成されたコントローラを含み、コントローラは、プログラム命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサを含み、プログラム命令は1つ以上のプロセッサに、特徴付けサブシステムにマスクブランクの検査を実行してマスクブランク上の1つ以上の欠陥の欠陥マップを生成するように指示させ、費用関数を第1の特徴及び第2の特徴であって、マスクブランク上の1つ以上の欠陥の欠陥露出のエリアを含む第1の特徴と欠陥領域内の設計パターンのパターン複雑度を含む第2の特徴に基づき生成させ、非線形最適化手順を介して費用関数の最小を示す1つ以上の値を決定させ、マスクブランクが設計パターンに対してどの程度良好かを示す1つ以上のメトリックを決定させ、1つ以上の制御信号を生成させて、設計パターンに対するマスクブランクの回転及び並進を、費用関数の最小を示す決定された1つ以上の値、又はマスクブランクが設計パターンに対してどの程度良好かを示す1つ以上のメトリックに基づいて調整させる。
【0008】
本開示の1つ以上の実施形態による、パターンマスク上の印刷可能な欠陥を減少させるための方法が開示される。1つの実施形態では、方法は、特徴付けサブシステムに、マスクブランクの検査を実行してマスクブランク上の1つ以上の欠陥の欠陥マップを生成するように指示することを含む。別の実施形態では、方法は、費用関数を第1の特徴及び第2の特徴に基づき生成させることを含み、第1の特徴はマスクブランク上の1つ以上の欠陥の欠陥露出のエリアを含み、第2の特徴は欠陥領域内の設計パターンのパターン複雑度を含む。別の実施形態では、方法は、非線形最適化手順を介して費用関数の最小を示す1つ以上の値を決定することを含む。別の実施形態では、方法は、1つ以上の制御信号を生成して、設計パターンに対するマスクブランクの回転及び並進を、費用関数の最小を示す決定された1つ以上の値に基づいて調整することを含む。
【0009】
本開示の1つ以上の実施形態による、パターンマスク上の印刷可能な欠陥を減少させるための方法が開示される。1つの実施形態では、方法は、特徴付けサブシステムに、マスクブランクの検査を実行してマスクブランク上の1つ以上の欠陥の欠陥マップを生成するように指示することを含む。別の実施形態では、方法は、費用関数を第1の特徴及び第2の特徴に基づき生成させることを含み、第1の特徴はマスクブランク上の1つ以上の欠陥の欠陥露出のエリアを含み、第2の特徴は欠陥領域内の設計パターンのパターン複雑度を含む。別の実施形態では、方法は、非線形最適化手順を介して費用関数の最小を示す1つ以上の値を決定することを含む。別の実施形態では、方法は、マスクブランクが設計パターンに対してどの程度良好かを示す1つ以上のメトリックを決定することを含む。別の実施形態では、方法は、1つ以上の制御信号を生成して、設計パターンに対するマスクブランクの回転及び並進を、費用関数の最小を示す決定された1つ以上の値、又はマスクブランクが設計パターンに対してどの程度良好かを示す1つ以上のメトリックのうちの少なくとも1つに基づいて調整することを含む。
【0010】
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求されるように本発明を必ずしも限定するものではないことが理解される。添付の図面は、本明細書に組み込まれ、その一部を構成するものであり、本発明の実施形態を例示し、一般的な説明とともに、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【0011】
本開示の多くの利点は、添付の図面を参照することにより、当業者によってよりよく理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】本開示の1つ以上の実施形態による、パターンマスクの印刷可能な欠陥を減少させるためのシステムを示す概念図である。
図1B】本開示の1つ以上の実施形態による、極端紫外線リソグラフィサブシステムを示す概念図である。
図1C】本開示の1つ以上の実施形態による、特徴付けサブシステムを示す概念図である。
図2A】本開示の1つ以上の実施形態による、設計パターンがマスクブランクに印刷される前の欠点のあるマスクブランクを示す概念図である。
図2B】本開示の1つ以上の実施形態による、設計パターンがマスクブランクに印刷された後の欠点のあるパターンマスクを示す概念図である。
図3A】本開示の1つ以上の実施形態による、転写されたマスクブランク欠陥のサンプルの設計パターン上への影響を示す概念図である。
図3B】本開示の1つ以上の実施形態による、転写されたマスクブランク欠陥のサンプルの設計パターン上への影響を示す概念図である。
図4】本開示の1つ以上の実施形態による、パターンマスクの印刷可能な欠陥を減少させるための方法の概念的な流れ図である。
図5】本開示の1つ以上の実施形態による、マスクブランクシフトの一例を示す概念図である。
図6】本開示の1つ以上の実施形態による、費用関数に基づく設計パターンシフト提案の一例を示す概念図である。
図7A】本開示の1つ以上の実施形態による、パターン複雑度を示す概念図である。
図7B】本開示の1つ以上の実施形態による、パターン複雑度を示す概念図である。
図8】本開示の1つ以上の実施形態による、マスクブランク欠陥にマージンを追加することを示す概念図である。
図9】本開示の1つ以上の実施形態による、費用関数を使用してパターンマスクの印刷可能な欠陥を減少させる方法の流れ図を示す。
図10】本開示の1つ以上の実施形態による、費用関数を使用してパターンマスクの印刷可能な欠陥を減少させる方法の流れ図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示は、特定の実施形態及びその特定の特徴に関して特に示されて説明されている。本明細書に記載の実施形態は、限定的ではなく例示的であると解釈される。形態及び詳細の様々な変更と修正が、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく行われ得ることは、当業者には容易に明らかである。ここで、開示された主題を詳細に参照し、それは添付の図面に示される。
【0014】
ここで、開示された主題を詳細に参照し、それは添付の図面に示される。
【0015】
EUVLは、次世代リソグラフィの先端技術である。しかし、この技術が直面する重要な課題の1つは、マスクブランクの欠陥性ある。現在、欠陥のないマスクブランクを生成するために利用できる実行可能な解決策はなく、マスクブランクの欠陥を修復するための費用効果の高いツールもない。したがって、これらの欠陥のいくつかを歩留まりに影響を与えることなく許容する性能は極めて重要である。欠陥の回避と軽減技術は、マスクの欠陥の許容度を高めるための非常に効果的なアプローチとして出現した。現在のマスク欠陥軽減/回避方法は、欠陥と吸収体エッジとの間の距離を使用して、パターンの限界寸法に対する欠陥の影響を計算するが、これは十分ではない。そのような方法は、複雑なパターンエリア上の欠陥の拡張された影響を受けた領域を考慮できない。次に、禁止シフト矩形/禁止再配置立方形(PSR/PRC)が計算され、重複するPSR/PRCの数が最小化されるポイントを見つける。代替的に、現在使用されている別のアプローチは、最急降下法によって非凸最適化問題を解決するように構成された光モデルを展開することである。
【0016】
本開示の実施形態は、本開示の1つ以上の実施形態による、EUVフォトマスク上の印刷可能な欠陥を減少させるためのシステムと方法に関する。特に、本開示の実施形態は、費用関数を欠陥の露出領域及びパターン複雑度に基づき使用することに関し、その結果、費用関数は、EUVLで使用されるEUVフォトマスクの印刷可能なマスク欠陥を軽減するように構成され得る。費用関数は、パラメータのセット(例えば、回転及び並進)を推定して吸収体層の1つ以上の欠陥を最適に隠すための高速非線形最適化手順を使用して最小化され得る。費用関数は、EUVマスク製造用の1つ以上の欠陥隠し解決策を提供して、妥当なプロセス時間内にウェハへのマスクブランク欠陥の影響を最小限に抑えるように構成され得る。例えば、システムは、隠し解決策を提案することで、マスクブランク欠陥がフォトマスクの吸収体層によって隠され、パターンの印刷適性に対する欠陥の影響が最小限になるように構成され得る。隠されたブランク欠陥(露出された欠陥ではなく)は、サンプルでの印刷可能性が低いため、パターン限界寸法への悪影響は製造の間、許容される。更に、欠陥軽減により、製造に非常に費用がかかるEUVブランクの無駄が減少し、それによって歩留まりが向上する。
【0017】
一般に、図1A図10を参照すると、本開示の1つ以上の実施形態による、費用関数を使用してEUVパターンマスク上の印刷可能な欠陥を減少させるためのシステムと方法が説明される。
【0018】
図1Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、費用関数を使用してEUVパターンマスク上の印刷可能な欠陥を減少させるためのシステム100を示す概念図である。1つの実施形態では、システム100は、1つ以上のパターンをサンプル128にリソグラフィ印刷するための極端紫外線(EUV)リソグラフィサブシステム102を含む。EUVリソグラフィサブシステム102は、当技術分野で周知の任意のリソグラフィ印刷ツールを含み得る。例えば、EUVリソグラフィサブシステム102は、限定するものではないが、スキャナ又はステッパを含み得る。EUVリソグラフィサブシステム102は、パターンマスクを照明することによって動作でき、次にパターンマスクは、パターンマスク上のマスク要素に従って照明を反射する。リソグラフィシステム内の光学素子(例えば、1セットの投影光学部品)は、その後、パターンマスクの画像を、1セットの投影光学部品によって収集されたパターンマスクからの反射照明に基づいてサンプル上に生成し得る。
【0019】
別の実施形態では、システム100は、1つ以上のパターンマスク製造サブシステム104を含み、EUVリソグラフィサブシステム102で使用するためのパターンマスクを製造する。1つ以上のパターンマスク製造サブシステム104は、パターンマスク製造に適した当技術分野で周知の任意の製造ツールを含み得る。例えば、1つ以上のパターンマスク製造サブシステム104は、限定するものではないが、1つ以上の堆積ツール、1つ以上の計測ツールなどを含み得る。1つ以上のパターンマスク製造サブシステム104は、当技術分野で周知の任意の種類のパターンマスクを製造するように構成され得て、限定するものではないが、極端紫外線パターンマスクを含む。EUVパターンマスクは、多層反射体部分、キャッピング層、及び吸収体層のうちの少なくとも1つを含んでもよい。例えば、1つ以上のパターンマスク製造サブシステム104は、費用関数に基づいて調整された設計パターンでEUVパターンマスクを生成するように構成され得て、図4図10に関して本明細書で更に論じられる。
【0020】
別の実施形態では、システム100は、マスクブランク500(図5に示される)の層で欠陥検査を実行するように構成された特徴付けサブシステム106を含む。本明細書では、特徴付けサブシステム106は、限定するものではないが、検査サブシステム又は計測サブシステムを含み得ることに留意する。特徴付けサブシステム106は、当技術分野で周知の任意の検査サブシステム106を含み得て、限定するものではないが、光ベースの検査ツール、荷電粒子ベースの検査ツール、レビューツールなどを含む。特徴付けサブシステム106は、当技術分野で周知の任意の撮像ベースの計測サブシステム106を含み得て、限定するものではないが、光撮像ベースの計測ツール、走査型電子顕微鏡(SEM)ツールなどを含む。
【0021】
別の実施形態では、システム100は、コントローラ108を含む。別の実施形態では、コントローラ108は、メモリ媒体112上に維持されたプログラム命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサ110を含む。これに関して、コントローラ108の1つ以上のプロセッサ110は、本開示全体を通して説明される様々なプロセスステップのいずれかを実行し得る。更に、コントローラ108は、マスク支持デバイス124及び/又はサンプルステージ130に通信可能に結合されて、パターンマスク122上のパターン要素のサンプル128への転写を指示し得る。本明細書では、本発明のEUVリソグラフィサブシステム102は、本開示全体を通して説明されるパターンマスク設計のいずれかを実装し得ることに留意する。
【0022】
特徴付けサブシステム106は、マスクブランクの層に関連する様々な種類の特徴付けデータを提供し得る。例えば、特徴付けサブシステム106は、欠陥特徴付けデータを提供し得る。例えば、特徴付けサブシステム106は、マスクブランク層の欠陥の位置、サイズ、数、又は種類を提供し得る。
【0023】
図1Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、EUVリソグラフィサブシステム102を示す概念図である。1つの実施形態では、EUVリソグラフィサブシステム102は、1つ以上の照明ビーム116を生成するように構成された照明源114を含む。照明ビーム116は、1つ以上の選択された波長のEUV光を含み得る。例えば、照明ビーム116のスペクトルの少なくとも一部分は、半導体製造に適したEUVベースのリソグラフィデバイスに関連付けられた波長を含み得て、限定するものではないが、13.5nmなどである。EUVベースのリソグラフィは、2014年12月23日に発行されたWangの米国特許第8,916,831号に一般的に記載されており、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0024】
1つの実施形態では、照明源114は、極端紫外線照明源114を含む。例えば、EUV照明源114は、広帯域プラズマ(BBP)照明源を含み得る。これに関して、照明ビーム116は、プラズマによって放出される放射線を含み得る。例えば、BBP照明源114は、照明をガスの体積に集束して、エネルギーをガスによって吸収させて、放射線を放出するのに適したプラズマを生成又は維持するように構成された1つ以上のポンプ源(例えば、1つ以上のレーザ)を含み得るが、含むことを要求していない。更に、プラズマ放射線の少なくとも一部分は、照明ビーム116として利用されてもよい。別の実施形態では、照明源114は、1つ以上の選択された波長で放射線を放出することができる1つ以上のレーザを含み得る。
【0025】
別の実施形態では、照明源114は、照明経路118を介して照明ビーム116をパターンマスク122に向ける。照明経路118は、パターンマスク122上で照明ビーム116を方向付けし、集束し、及び/又は成形するのに適した1つ以上の照明光学部品120を含み得る。例えば、照明光学部品120は、1つ以上のレンズ、1つ以上の集束素子などを含み得る。更に、照明光学部品120は、照明ビーム116を方向付け及び/又は集束するのに適した当技術分野で周知の任意の反射光学素子を含み得る。例えば、照明光学部品120は、低波長光(例えば、EUV光など)を方向付け及び/又は集束するのに適した反射光学部品を含み得て、限定するものではないが、平面鏡又は球面鏡(例えば、楕円鏡、放物面鏡など)などである。
【0026】
照明光学部品120は、照明ビーム116を成形するため、及び/又はマスク122上の照明ビーム116の入射角の範囲を制御するために適切な1つ以上の追加の照明経路構成要素(例えば、照明瞳分布)を更に含み得る。例えば、照明経路構成要素は、限定するものではないが、1つ以上のアパーチャ、1つ以上のアポダイザ、1つ以上のホモジナイザ、1つ以上のディフューザ、1つ以上の偏光子、又は1つ以上のフィルタを含み得る。
【0027】
別の実施形態では、EUVリソグラフィサブシステム102は、マスク支持デバイス124を含む。マスク支持デバイス124は、マスク122を固定するように構成され得る。
【0028】
別の実施形態では、EUVリソグラフィサブシステム102は、1セットの投影光学部品126を含み、投影光学部品126は1つ以上の照明ビーム116によって照明されたパターンマスク122の画像を、サンプルステージ130の上に配置されたサンプル128の表面に投影するように構成される。例えば、1セットの投影光学部品126は、パターンマスク122の画像をサンプル128上のレジスト層132上に投影して、パターンマスク122上のパターン要素に対応するレジスト層132上に印刷されたパターン要素を生成する(例えば、露光するなど)ように構成され得る。別の実施形態では、マスク支持デバイス124は、パターンマスク122を作動又は配置するように構成され得る。例えば、マスク支持デバイス124は、パターンマスク122を、EUVリソグラフィサブシステム102の投影光学部品126に関して選択された位置に作動し得る。
【0029】
パターンマスク122は、当技術分野で周知の任意の撮像構成において(例えば、EUVリソグラフィサブシステム102によって)利用され得る。例えば、パターンマスク122は、ポジティブマスク(例えば、明視野マスク)であり得て、パターン要素はサンプル128のレジスト層132の印刷されたパターン要素としてポジティブに撮像される。別の例として、パターンマスク122は、ネガティブマスク(例えば、暗視野マスク)であり得て、パターンマスク122のパターン要素は、サンプル128のレジスト層132のネガティブ印刷されたパターン要素(例えば、ギャップ、スペースなど)を形成する。
【0030】
本開示を通して使用される場合、「サンプル」という用語は、一般に、半導体又は非半導体材料(例えば、ウェハなど)で形成された基板を指す。例えば、半導体又は非半導体材料は、限定するものではないが、単結晶シリコン、ガリウムヒ素、及びリン化インジウムを含む。サンプルは、1つ以上の層を含み得る。例えば、そのような層は、限定するものではないが、レジスト、誘電体材料、導電性材料、及び半導電性材料が含まれ得る。そのような層の多くの異なる種類は当技術分野で周知であり、本明細書で使用されるサンプルという用語は、すべての種類のそのような層が形成され得るサンプルを包含することが意図される。サンプル上に形成された1つ以上の層は、パターン化されても、パターン化されなくてもよい。例えば、サンプルは、それぞれが繰り返し可能なパターン化された特徴を有する複数のダイを含み得る。このような材料の層の形成と処理により、最終的にデバイスが完成し得る。多くの異なる種類のデバイスはサンプル上に形成され得て、本明細書で使用されるサンプルという用語は、当技術分野で周知の任意の種類のデバイスが製造されるサンプルを包含することが意図される。更に、本開示の目的のために、サンプルとウェハという用語は交換可能であると解釈されるべきである。更に、本開示の目的のために、パターン化装置、パターンマスク、マスク、及びレチクルという用語は、交換可能であると解釈されるべきである。
【0031】
図1Cは、本開示の1つ以上の実施形態による、特徴付けサブシステム106を示す概念図である。1つの実施形態では、特徴付けサブシステム106は、照明源140を含み、照明ビーム142を生成する。照明ビーム142は、1つ以上の選択された波長の光を含み得て、限定するものではないが、紫外線(UV)放射、可視光放射、又は赤外線(IR)放射を含む。本明細書では、特徴付けサブシステム106は、本開示の範囲を制限することなく、当技術分野で周知の任意の種類の特徴付けサブシステム106を含み得ることに留意する。例えば、図1Cには示されないが、特徴付けサブシステム106は、本開示の範囲から逸脱することなく、極端紫外線(EUV)特徴付けサブシステム、深紫外線(DUV)特徴付けサブシステムなどを含み得る。
【0032】
別の実施形態では、照明源140は、照明経路144を介して照明ビーム142をサンプル128に向ける。照明経路144は、1つ以上のレンズ146を含み得る。更に、照明経路144は、照明ビーム142を修正及び/又は調整するのに適した1つ以上の追加の光学部品148を含んでもよい。例えば、1つ以上の光学部品148は、限定するものではないが、1つ以上の偏光子、1つ以上のフィルタ、1つ以上のビームスプリッタ、1つ以上のディフューザ、1つ以上のホモジナイザ、1つ以上のアポダイザ、又は1つ以上のビームシェイパを含み得る。1つの実施形態では、照明経路144は、ビームスプリッタ150を含む。別の実施形態では、特徴付けサブシステム106は、対物レンズ152を含み、照明ビーム142をサンプル128に集束させる。
【0033】
別の実施形態では、特徴付けサブシステム106は、1つ以上の検出器154を含み、検出器154は集光経路156を介してサンプル128から発する放射線を捕捉するように構成される。集光経路156は、複数の光学素子を含んで、対物レンズ152によって収集された照明を方向付け及び/又は修正してもよく、限定するものではないが、1つ以上のレンズ146、1つ以上のフィルタ、1つ以上の偏光子、1つ以上のビームブロック、又は1つ以上のビームスプリッタを含む。
【0034】
例えば、検出器158は、集光経路156内の要素(例えば、対物レンズ152、1つ以上のレンズ146など)によって提供されるサンプル128の画像を受信し得る。別の例では、検出器158は、サンプル128から反射又は散乱された(例えば、鏡面反射、拡散反射などを介して)放射線を受け取ることができる。別の例では、検出器158は、サンプルによって生成された放射線(例えば、照明ビーム142の吸収に関連する発光など)を受け取ることができる。更に、本明細書では、1つ以上の検出器158は、サンプル128から受け取った照明を測定するのに適した当技術分野で周知の任意の光学検出器を含み得ることに留意する。例えば、検出器158は、限定するものではないが、CCD検出器、TDI検出器、光電子増倍管(PMT)、アバランシェフォトダイオード(APD)などを含み得る。
【0035】
別の実施形態では、特徴付けサブシステム106は、システム100のコントローラ108に通信可能に結合される。これに関して、コントローラ108は、限定するものではないが、欠陥特徴付けデータなどの特徴付けデータを受信するように構成され得る。
【0036】
コントローラ108の1つ以上のプロセッサ110は、当技術分野で周知の任意のプロセッサ又は処理要素を含み得る。本開示の目的のために、「プロセッサ」又は「処理要素」という用語は、1つ以上の処理又は論理要素を有する任意のデバイス(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサデバイス、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)デバイス、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は1つ以上のデジタルシグナルプロセッサ(DSP))を包含するように広く定義され得る。この意味で、1つ以上のプロセッサ110は、アルゴリズム及び/又は命令(例えば、メモリに格納されたプログラム命令)を実行するように構成された任意のデバイスを含み得る。1つの実施形態では、1つ以上のプロセッサ110は、デスクトップコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、画像コンピュータ、並列プロセッサ、ネットワーク化されたコンピュータ、或いは本開示全体を通して説明されるように、動作するか、又はシステム100と連動して動作するように構成されたプログラムを実行するように構成された他の任意のコンピュータシステムとして具体化され得る。
【0037】
更に、システム100の異なるサブシステム、例えばシステム100のサブシステム102、104、106は、本開示に記載されたステップの少なくとも一部分を実行するのに適したプロセッサ又は論理要素を含み得る。したがって、上記の説明は、本開示の実施形態に対する限定として解釈されるべきではなく、単なる例示として解釈されるべきである。更に、本開示全体を通して説明されるステップは、単一のコントローラ108、又は、複数のコントローラによって実行され得る。更に、コントローラ108は、共通のハウジング内又は複数のハウジング内に収容された1つ以上のコントローラを含んでもよい。このようにして、任意のコントローラ又はコントローラの組み合わせは、システム100への統合に適したモジュールとして個別にパッケージされ得る。
【0038】
メモリ媒体112は、関連付けられた1つ以上のプロセッサ110によって実行可能なプログラム命令を格納するのに適した当技術分野で周知の任意の記憶媒体を含み得る。例えば、メモリ媒体112は、非一時的なメモリ媒体を含み得る。別の例として、メモリ媒体112は、限定するものではないが、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気又は光メモリデバイス(例えば、ディスク)、磁気テープ、ソリッドステートドライブなどを含み得る。更に、メモリ媒体112は、1つ以上のプロセッサ110を備えた共通のコントローラハウジングに収容され得ることに留意する。1つの実施形態では、メモリ媒体112は、1つ以上のプロセッサ110とコントローラ108の物理的位置に関して遠隔に配置され得る。例えば、コントローラ108の1つ以上のプロセッサ110は、ネットワーク(例えば、インターネット、イントラネットなど)を介してアクセス可能なリモートメモリ(例えば、サーバ)にアクセスし得る。
【0039】
図2A図2Bは、パターン前及びパターン後の欠点の比較を示す。1つの実施形態では、マスクブランク200内の1つ以上の欠陥202(又は欠点202)は、マスク製造後のパターンマスク206上に1つ以上の欠陥として現れる。これらの欠陥は、リソグラフィ後に印刷可能であり、サンプルに転写されるパターンに大きな影響を与える可能性がある。例えば、欠陥208は、設計パターンの露光領域の一部分と重なる場合があり、一方、他の欠陥204は、設計パターンの露光領域と重ならない場合がある。パターンの露光領域と重なる欠陥208は、リソグラフィ中にサンプルに転写されるパターンに大きな影響を与える可能性がある。
【0040】
図3A図3Bは、サンプルの設計パターン上の転写されたブランク欠陥の影響を示す。本明細書で前述したように、EUVLの重要な課題の1つは、EUVマスクブランクの欠陥性である。EUVマスクは、モリブデンとシリコンの複数の交互層を含むブラッグ反射器である。設計パターンは、この多層反射体の上部に吸収体層の形態で配置される。マスクブランクの欠陥は、ブランクの製造中に形成される。マスクの製造中に形成されたマスクブランクの欠陥は、サンプルに印刷された設計パターンを大幅に変更する。図3Aは、マスクブランク300に欠陥がないサンプルパターンを示し、図3Bは、マスクブランク304が、埋め込まれた粒子欠陥306をマスクブランク304の多層膜部分302に含むサンプルパターンを示す。図3Bに示されるように、この埋め込まれた粒子欠陥306は、サンプルに転写された設計パターンに影響を与える。例えば、図3Bに示されるように、埋め込まれた粒子欠陥306は、サンプルに転写され、サンプルパターンに同様の欠陥308を作成する。これらの欠陥を修復するのは、欠陥が多層膜の下に埋め込まれているため、非常に困難である。
【0041】
図4は、本開示の1つ以上の実施形態による、EUVパターンマスクにおける印刷可能な欠陥を減少させるための方法400の概念的な流れ図である。本明細書では、方法400のステップは、システム100によって全部又は部分的に実装され得ることに留意する。しかしながら、方法400は、追加又は代替のシステムレベルの実施形態が方法400のステップの全部又は一部を実行し得るという点で、システム100に限定されないことが更に認識される。
【0042】
1つの実施形態では、システム100は、マスクブランク500のパターン化前検査を実行するように構成される(ステップ402)。例えば、システム100は、特徴付けサブシステム106にマスクブランク500の層を検査させるように構成され得る。例えば、特徴付けサブシステム106は、マスクブランク500の層の欠陥マップ(図5によって示される)を生成するように構成され得て、欠陥マップはマスクブランク500の層における1つ以上の欠陥502の位置、サイズ、数、及び種類を含む。これに関して、マスクブランク500は、設計パターン504をマスクブランク500上の1つ以上の欠陥502上に配置するのを回避するように調整(回転及び/又は並進)され得る(510によって示されるように)。悪い解決策は、508に示され、設計パターン504が1つ以上の欠陥502の一部分に接触する。
【0043】
別の実施形態では、システム100のコントローラ108は、費用関数を生成するように構成され(ステップ404)、パラメータとして、マスク製造の第1の特徴及び第2の特徴に基づいて、回転及び並進を伴う。例えば、費用関数は、欠陥露出とパターン複雑度のエリアに基づく場合がある。例えば、費用関数は、欠陥の露出エリア(例えば図1B図1Cに示されるマスク122)を含む第1の特徴に基づき得る。別の例では、費用関数は、欠陥領域内の設計パターンのパターン複雑度を含む第2の特徴に基づいてもよい。本明細書では、生成された費用関数は、優先度の高い欠陥を回避し、吸収体層によって欠陥を隠し、複雑度の高いパターン上の欠陥を回避するように構成され得ることに留意する。
【0044】
費用関数は、方程式1(式1)で示され、記述される。
費用関数θ(Δx,Δy)=
Σ(Wエリア(Dθ,i(Δx,Δy)∩P)+W複雑度(Dθ,i(Δx,Δy)∩P))式1
ここで、θは、欠陥のあるマスクブランク500をブランク中心の周りで回転させる角度である。1つの実施形態では、システム100は、ブランク中心の周りの回転を90°の増分で支持するように構成される。例えば、システム100は、ブランク中心の周りで0°、90°、180°、270°などの回転を支持するように構成され得る。本明細書では、回転角の限界は、マスクライタによって決定され得ることに留意する。設計パターンに対するマスクブランク500の、x及びy方向の並進(又はシフト)は、それぞれ、Δx、Δyによって表される。本明細書では、マスクブランクの回転及び/又は並進の結果は、費用関数の最小を示す1つ以上の値が決定された後(例えば、ステップ406)、提案された解決策の出力パラメータに含まれ得ることに留意する。
【0045】
マスクの回転及び並進の下での欠陥の領域は、Dθ,i(Δx,Δy)で表される。交差演算は演算子∩で表され、マスクパターンはPで表される。結果として、Dθ,i(Δx,Δy)∩Pは、パラメータとしてブランクの回転と並進を伴う欠陥iの露出エリアを表し、マスクパターンPによって決定され、マスクパターンPは多角形(又は画像)で表される。
【0046】
とWは、それぞれ、露出エリアの重み付け(weight)と欠陥の上のパターン複雑度の重み付けである。各特徴の重み付けは、どの特徴が他の特徴よりも重要であるかを制御する。例えば、欠陥露出に対してより高い重み付けは、吸収体層の下に欠陥を隠すことが、複雑なパターン上に欠陥を配置するよりも重要であることを示す。別の例では、パターン複雑度に対してより高い重み付けは、複雑度の高いパターン上の欠陥を回避することが、欠陥露出よりも重要であることを示す。ここで、パターン複雑度は、複雑度の高いパターン上の欠陥がパターンの限界寸法(CD)に大きな影響を与えるため、より重要であることが多いことに留意する。
【0047】
1つの実施形態では、パターン複雑度(複雑度(Dθ,i(Δx,Δy)∩P))は、欠陥領域内のパターンの限界寸法(CD)及び欠陥領域内の小さなCDパターンの密度によって決定される。例えば、図7A図7Bに示されるように、パターンCDが小さいほど、そのようなパターンの密度が高くなり、したがって、そのパターン複雑度は高くなる。
【0048】
1つの実施形態では、ブランクの回転及び並進の下での欠陥の露出のエリア(エリア(Dθ,i(Δx,Δy)∩P))は、吸収体層によって覆われない欠陥の一部によって決定される。例えば、欠陥露出のエリアは、設計パターンの1つ以上の欠陥領域及び露光領域の累積された重なり合いエリアを使用して決定されてもよい。エリア(Dθ,i(Δx,Δy)∩P)は、総欠陥エリアと比較したマスクパターンを用いた欠陥の露出エリアの比率を計算する関数を表す。例えば、エリア(Dθ,i(Δx,Δy)∩P)は1.0に等しい場合があり、その結果、欠陥領域とマスクパターンの露光領域との間に完全な重なり合いがある(例えば、100%の露出)。別の例として、エリア(Dθ,i(Δx,Δy)∩P)は0.0に等しい場合があり、その結果、欠陥は吸収体によって完全に覆われる(例えば、ゼロパーセントの露出)。
【0049】
は、欠陥クラス又は種類に基づく欠陥優先度を表す。ここで、一部の欠陥は比較的、修復が容易であることに留意する。更に、一部の欠陥は、他の欠陥ほどウェハCDに悪影響を与えない。この点について、これらの欠陥には、修復が困難な欠陥(例えば、ブランクの多層膜に埋め込まれた欠陥)、又はウェハCDにとってより重要な欠陥よりも低い重み付けが与えられる。これらの、修復が困難な欠陥、又はウェハCDにとってより重要な欠陥には、より高い重み付けが与えられ、そのような欠陥が吸収体層によって最大限に隠され、複雑度の高い設計パターンを回避することを確実にする。
【0050】
別の実施形態では、システム100は、費用関数の最小を示す1つ以上の値を、非線形最適化手順を使用して決定するように構成される(ステップ406)。例えば、システム100のコントローラ108は、費用関数の最小を示す1つ以上の値を、方程式2(式2)を使用して決定するように構成され得る。例えば、式2は、費用関数の最適なパラメータ(例えば、回転及び並進)を決定するように構成され得る。この点において、費用関数の最小は、ユーザに、マスクブランクを回転させる角度を提案するように構成され得る。更に、費用関数の最小は、ユーザに、マスクブランクをx及びy方向に並進(シフト)する量を提案するように構成され得る(図5図6に示されるように)。例えば、マスクブランク500は、270°回転されてもよく、その結果、1つ以上の欠陥502は設計パターン504に影響を与えない。
【0051】
式2は、以下によって示され、説明される。
【数1】
【0052】
1つの実施形態では、システム100は、費用関数の最小(式2)を利用して最適な離散回転角及びシフト量を決定し、その結果、図6に示すように、欠陥は吸収体層によって隠される。別の実施形態では、システム100は、費用関数の最小を利用して最適な離散回転角及びシフト量を決定し、その結果、図7A図7Bに示されるように、複雑度の高いパターン上の欠陥が回避される。
【0053】
図6は、本開示の1つ以上の実施形態による、マスクブランクシフトの一例を示す概念図である。1つの実施形態では、システム100は、マスクブランクの回転及び並進を、ステップ406で決定された費用関数の最小に基づき調整するように構成される。例えば、図6に示されるように、マスクブランクの回転及び並進が調整され得て、その結果、欠陥はマスク600の吸収体層602によって隠される。例えば、露光領域604に位置する欠陥606aは、マスクブランクの回転及び並進を調整することによって、吸収体層602の下に(欠陥606bによって示されるように)隠され得る。別の例では、露光領域604に位置する欠陥608aは、マスクブランクの回転及び並進を調整することによって、吸収体層602の下に(欠陥608bによって示されるように)隠され得る。最適化の結果は、元のパターン層設計と比較したマスクブランクの並進及び回転の解決策を提供する。
【0054】
いくつかの実施形態では、システム100は、調整されたマスクブランクが設計パターンに対してどの程度良好かを示す1つ以上のメトリックを生成するように構成される。例えば、システム100のコントローラ108は、マスクブランクが設計パターンに対してどの程度良好かを示す1つ以上のメトリックを生成するように構成され得る(ステップ408)。マスクブランクが特定のパターンに対してどの程度良好かを示す1つ以上のメトリックが示され、方程式3~4(式3~4)で記述される。
【数2】
【数3】
ここで、Nは欠陥の総数である。1つの実施形態では、1つ以上のメトリックは、0~1の間のスコアを含む。例えば、システム100のコントローラ108は、式3~4を使用して0~1の間のスコアを決定するように構成され得る。1に近いスコアは、マスクブランクが特定の設計パターンPに対して良好に一致することを示す。スコアは、ユーザに、ブランクがマスクパターンPに対してどの程度良好かの直感的な指標を与える。本明細書では、このスコアは、ユーザが所与のマスクパターンPに対してマスクライブラリから最適なマスクブランクを選択するのに使用され得ることに留意する。例えば、マスクブランクライブラリから最適なマスクブランクが選択され得て、すべてのマスクブランクが最適に利用される。したがって、ブランクの無駄を最大限に削減し、生産環境における歩留まりを大幅に向上させることができる。
【0055】
1つの実施形態では、システム100は、1つ以上の制御信号を生成して、設計パターンに対してマスクブランクの回転及び並進を調整するように構成される(ステップ410)。 例えば、1つ以上の制御信号は、費用関数の最小に基づいて生成され得る。例えば、費用関数の最小は、最適な回転及び並進量を含み得て、その結果、欠陥は、設計パターンがマスクブランクに書き込まれるときに、吸収体層によって隠される。
【0056】
いくつかの実施形態では、システム100の1つ以上のパターンマスク製造サブシステム104は、調整された設計パターンをマスクブランク500に印刷して、EUVマスク(図1B図1Cに示されるマスク122など)を生成するように構成され得る(ステップ412)。例えば、1つ以上のパターンマスク製造サブシステム104は、調整されたパターンをマスクブランクに印刷し、その結果、マスクブランク上の1つ以上の欠陥がマスクブランクの吸収体層によって隠されるように構成され得る。この点で、1つ以上のブランク欠陥は隠されることで、サンプルに転写されたパターンに大きな影響を与えない。
【0057】
本明細書では、式1によって示され、記述された費用関数を利用することで、ユーザは妥当な時間内にブランク欠陥の最適化を実行できることに留意する。例えば、約120個の欠陥の場合、システム100の実行時間は、約1分33秒であり得る。別の例として、約1000個の欠陥の場合、システム100の実行時間は約30分であり得る。
【0058】
本明細書で留意することは、欠陥を吸収体エッジから選択した距離に配置することが望ましい場合があり、それは吸収体層によって隠された欠陥であっても、それらが吸収体エッジに近すぎる場合には露光される可能性があることである。更に、そのような欠陥はウェハCDにも影響を与える可能性がある。いくつかの実施形態では、図8に示されるように、欠陥は、マージン800を費用関数の欠陥サイズに追加することによって拡張され得る。例えば、費用関数の最適化(ステップ406)中に、オプティマイザは、マスクブランクを、その他の方法でシフトされる以上にシフトすることができ(例えば、図8の806b及び806cによって示されるように)、その結果、欠陥は吸収体エッジ808から離れて選択距離に配置される。例えば、オプティマイザは、欠陥806aが位置806cではなくポイント806bに配置されるようにマスクブランクをシフトし得て、その結果、欠陥は吸収体エッジ808から更に離れて配置される。
【0059】
いくつかの実施形態では、システム100は、ステップ412で生成されたEUVマスクを使用して、EUVリソグラフィ(EUVL)を実行する(ステップ414)ように構成される。例えば、EUVリソグラフィサブシステム102は、EUVマスクを使用してEUVリソグラフィを実行し、EUVマスク上の設計パターンをサンプル128に転写するように構成され得る。
【0060】
追加/代替の実施形態では、パターン複雑度は、1つ以上のシミュレートされたエアリアルイメージから計算され得る。例えば、エアリアルイメージは、前方リソグラフィシミュレーションによって設計パターンから取得され得る。この点で、パターン複雑度は、次にシミュレートされたエアリアルイメージの対数勾配から計算され得る。
【0061】
図9は、本開示の1つ以上の実施形態による、EUVフォトマスクの印刷可能な欠陥を、費用関数を使用して減少させるための方法900のフローチャートを示す。本明細書では、方法900のステップは、システム100によって全部又は部分的に実装され得ることに留意する。しかし、方法900は、追加又は代替のシステムレベルの実施形態が方法900のステップの全部又は一部を実行し得るという点で、システム100に限定されないことが更に認識される。
【0062】
ステップ902において、マスクブランク500のブランク検査が実行されて、欠陥マップが生成される。1つの実施形態では、システム100は、特徴付けサブシステム106にマスクブランクのパターン前検査を実行させてマスクブランク500の層の欠陥マップを生成させるように構成される。例えば、特徴付けサブシステム106は、マスクブランク500内の1つ以上の欠陥502の数、サイズ、種類、及び位置を識別するように構成され得る。
【0063】
ステップ904において、費用関数は、回転及び並進をパラメータとして備えて生成される。1つの実施形態では、システム100のコントローラ108は、費用関数を、費用関数(式1に示される費用関数など)の第1の特徴及び第2の特徴に基づいて、回転及び並進を費用関数のパラメータとして備えて生成するように構成される。例えば、費用関数の第1の特徴は、マスクブランク上の欠陥領域の露出エリアを含み得る。別の例として、費用関数の第2の特徴は、その下に欠陥が存在する設計パターンのパターン複雑度を含み得る。
【0064】
1つの実施形態では、システム100は、欠陥領域内のパターンのCDによるパターン複雑度、及び欠陥領域内の小さなCDパターンの密度を決定するように構成される。別の実施形態では、システム100は、設計パターンの露光領域の下の欠陥の露出エリアを、吸収体層によって覆われていない欠陥の部分を使用して、決定するように構成される。
【0065】
ステップ906において、費用関数の最小を示す1つ以上の値は、非線形最適化手順を介して生成される。1つの実施形態では、費用関数は、非線形最適化手順によって最小化され、1つ以上の最適な回転及び並進パラメータを、システム100のコントローラ108を使用して決定する。例えば、費用関数は、Bound Optimization BY Quadratic Approximation(BOBYQA)を使用して最小化され得て、回転及び並進のパラメータを決定する(式2で示される)。例えば、費用関数の最小は、特定のパターンを有するマスクブランクを、マスクブランクの中心に対して90°回転させ、x方向に約-1.1268μm、y方向に0.1956μmシフトする必要があることを示す場合がある。
【0066】
本明細書では、任意の非線形最適化手順が使用され得ることに留意する。したがって、上記の説明は、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0067】
ステップ908では、1つ以上の制御信号が生成されて、設計パターンに対するマスクブランクの回転及び並進を、ステップ906で決定された1つ以上の値に基づき調整する。例えば、図5に示されるように、マスクブランク500は、費用関数の最小の最適な回転及び並進パラメータに基づき選択された量を回転及び並進され得て、その結果、マスクブランク500上の欠陥502は、設計パターン504の露光エリアの下に置かれない(例えば、吸収体層によって隠される)。
【0068】
ステップ910では、マスクは、調整された設計パターンで生成され、サンプルのフォトリソグラフィを実行する。例えば、生成されるマスクは、EUVフォトマスクであってもよく、EUVリソグラフィサブシステム(図1B図1Cに示されるEUVリソグラフィサブシステム102など)によって使用される。
【0069】
図10は、本開示の1つ以上の実施形態による、EUVフォトマスクの印刷可能な欠陥を、費用関数を使用して減少させるための追加/代替方法1000のフローチャートを示す。本明細書では、方法1000のステップは、システム100によって全部又は部分的に実装され得ることに留意する。しかしながら、方法1000は、追加又は代替のシステムレベルの実施形態が方法1000のステップの全部又は一部を実行し得るという点で、システム100に限定されないことが更に認識される。
【0070】
ステップ1002において、マスクブランク500のブランク検査が実行されて、欠陥マップが生成される。1つの実施形態では、システム100は、特徴付けサブシステム106にマスクブランク500の層の欠陥マップを生成させるように構成される。例えば、特徴付けサブシステム106は、マスクブランク500内の欠陥の数、サイズ、種類、及び位置を識別するように構成され得る。
【0071】
ステップ1004において、費用関数は、回転及び並進をパラメータとして備えて生成される。1つの実施形態では、システム100のコントローラ108は、費用関数を、費用関数(式1に示される費用関数など)の第1の特徴及び第2の特徴に基づいて生成するように構成される。例えば、費用関数の第1の特徴は、マスクブランク上の欠陥領域の露出エリアを含み得る。別の例として、費用関数の第2の特徴は、欠陥領域内の設計パターンのパターン複雑度を含み得る。
【0072】
ステップ1006において、費用関数の最小を示す1つ以上の値は、非線形最適化手順を介して生成される。1つの実施形態では、費用関数は、非線形最適化手順によって最小化され、回転及び並進のパラメータを見つける。例えば、費用関数は、Bound Optimization BY Quadratic Approximation(BOBYQA)を使用して最小化され得て、回転及び並進の最適なパラメータを決定する。本明細書では、任意の非線形最適化手順が使用され得ることに留意する。したがって、上記の説明は、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0073】
ステップ1008では、調整されたマスクブランクが特定の設計パターンに対してどの程度良好であるかを示す1つ以上のメトリックが生成される。例えば、システム100のコントローラ108は、マスクブランクが設計パターンに対してどの程度良好であるかを示す1つ以上のメトリックを、本明細書で前述した式3~4を使用して生成するように構成され得る。1つの実施形態では、1つ以上のメトリックは、0~1の間のスコアを含む。例えば、システム100のコントローラ108は、0~1の間のスコアを、式3~4を使用して決定するように構成され得る。1に近いスコアは、設計パターンを有する調整されたマスクブランクが、マスクブランク上の1つ以上の欠陥を軽減する可能性が高いことを示す。例えば、スコア1は、設計パターンを有する調整されたマスクブランクが、マスクブランク上の1つ以上の欠陥を軽減することを示し、一方、スコア0は、設計パターンを有する調整されたマスクブランクが、マスクブランク上の1つ以上の欠陥を良好に軽減しないことを示す。この点で、スコアは、ユーザに、ブランクがマスクパターンPに対してどの程度良好か、またどれ程、パターンマスクがブランク内の1つ以上の欠陥を効果的に隠すかを直感的に示す。
【0074】
ステップ1010において、1つ以上の制御信号が生成されて、マスクブランクの回転及び並進を、ステップ1006で決定された費用関数の最小の推定パラメータ、又は調整されたマスクブランクがステップ1008で決定された特定のパターンに対してどの程度良好かを示す1つ以上のメトリックに基づき調整する。例えば、マスクブランクライブラリからの最適なマスクブランクは、ステップ1008で決定された1つ以上のメトリックを使用して選択され得て、その結果、すべてのマスクブランクは、特定のパターンに基づいて最もよく利用される。例えば、システム100のコントローラ108は、最適化後に(例えば、マスクブランクが、x方向に-1.1268μm、及びy方向に0.1956μmの並進とともに90°回転された後に)特定のマスクパターンを有するマスクブランクの中で0.9355の最高スコアを取得するように構成され得る。この場合、最高のスコアは、マスクブランクが90°回転され、x方向に-1.1268μm、及びy方向に0.1956μm並進された後、マスクブランクが設計パターンに最適なペアであることを示す。したがって、ブランクの無駄を最大限に削減し、生産環境での歩留まりを大幅に向上させることができる。
【0075】
ステップ1012において、マスクは、調整されたマスクブランクで生成されて、サンプルのフォトリソグラフィを実行する。例えば、生成されるマスクは、EUVリソグラフィサブシステム(図1B図1Cに示されるリソグラフィサブシステム102など)によって使用されるEUVフォトマスクであり得る。
【0076】
本明細書に記載のすべての方法は、方法の実施形態の1つ以上のステップの結果をメモリに格納することを含んでもよい。結果は、本明細書に記載の任意の結果を含み得て、当技術分野で周知の任意の方法に格納し得る。メモリは、本明細書に記載の任意のメモリ、又は当技術分野で周知の任意の他の適切な格納媒体を含めてもよい。結果を格納した後に、結果は、メモリ内でアクセスされ、本明細書に記載の方法又はシステムの実施形態のいずれかによって使用され、ユーザに表示するためにフォーマット化され、別のソフトウェアモジュール、方法、又はシステムなどによって使用され得る。更に、結果は、「永久的に」「半永久的に」「一時的に」、又は一定期間、格納され得る。例えば、メモリはランダムアクセスメモリ(RAM)であってもよく、結果は必ずしもメモリ内で無期限に持続しなくてもよい。
【0077】
上述された方法の実施形態のそれぞれは、本明細書に説明される任意の他の方法(複数可)の任意の他のステップ(複数可)を含んでよいことが更に意図される。加えて、上述された方法の実施形態のそれぞれは、本明細書に説明されるシステムのいずれかによって実行されてもよい。
【0078】
当業者は、本明細書に記載の構成要素、操作、デバイス、物体、及びそれらに付随する説明が、概念を明確にするための例として使用され、様々な構成の修正が企図されることを認識するであろう。したがって、本明細書で使用されるように、記載された特定の実施例及び付随する議論は、それらのより一般的なクラスを代表することが意図される。一般に、特定の実施例の使用は、そのクラスを表すことを意図としており、特定の構成要素、操作、デバイス、及び物体を含まないことを制限するものと見なすべきではない。
【0079】
本明細書で使用される場合、「上部(top)」、「下部(bottom)」、「上に(over)」、「下に(under)」、「上方(upper)」、「上向き(upward)」、「下方(lower)」、「下へ(down)」、及び「下向き(downward)」などの方向用語は、説明の目的で相対位置を提供することを意図しており、絶対的な基準フレームを指定することを意図するものではない。説明された実施形態に対する様々な修正は、当業者には明らかであり、本明細書で定義された一般原理は、別の実施形態に適用され得る。
【0080】
本明細書における実質的に任意の複数形及び/又は単数形の用語の使用に関して、当業者は、複数形から単数形へ、及び/又は単数形から複数形へ、文脈及び/又は用途に適切なように解釈し得る。様々な単数形/複数形の順列は、明確にするために、本明細書では明示的に記載されていない。
【0081】
本明細書に記載の主題は、他の構成要素内に含有される、又は他の構成要素と接続される異なる構成要素を示す場合がある。そのような描写されたアーキテクチャは単なる例示であり、実際に、同じ機能を実現する他の多くのアーキテクチャが実装され得ることが理解されるべきである。概念的な意味では、同じ機能を実現するための構成要素の任意の配置は、効果的に「関連付け」られて、所望の機能が実現される。したがって、特定の機能を実現するために組み合わされた本明細書の任意の2つの構成要素は、互いに「関連付けられている」と見なすことができ、その結果、所望の機能はアーキテクチャ又は中間構成要素に関係なく実現される。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの構成要素はまた、互いに「接続」又は「結合」されて所望の機能を実現すると見なし得て、かつそのように関連付けられている可能性がある任意の2つの構成要素は、互いに「結合可能」であると見なして、所望の機能を実現し得る。結合可能な特定の例には、限定するものではないが、物理的に相互作用可能及び/又は物理的に相互作用する構成要素、及び/又は無線的に相互作用可能及び/又は無線的に相互作用する構成要素、及び/又は論理的に相互作用する及び/又は論理的に相互作用可能な構成要素を含む。
【0082】
更に、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定められることが理解されるべきである。一般に、本明細書で、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、一般的に「開放(open)」用語として意図されていることが当業者によって理解されるであろう(例えば、「含んでいる(including)」という用語は「含んでいるがこれに限定されない」と解釈されるべきであり、「有している(having)」という用語は「少なくとも有している」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「含むが、それに限定されない」と解釈されるべきであるなど)。特定数の導入された請求項の記載(claim recitation)が意図されている場合、そのような意図は請求の範囲に明示的に記載され、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが当業者によって更に理解されるであろう。例えば、理解を助けるために、以下の添付の請求項には、請求項の記載を導入するため、導入句「少なくとも1つ」及び「1つ以上」の使用を含んでもよい。しかしながら、そのような句の使用は、不定冠詞「a」又は「an」による請求項の記載の導入が、そのように導入された請求項の記載を含む任意の特定の請求の範囲を、そのような記載を1つのみ含む発明に限定することを意味すると解釈されるべきではなく、たとえ同じ請求項が導入句「1つ以上」又は「少なくとも1つ」と不定冠詞「a」又は「an」(例えば、「a」及び/又は「an」は通常、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである)を含む場合であっても同様であり、同じことが請求項の記載を導入するために用いられる定冠詞の使用に対しても当てはまる。加えて、導入された請求項の記載の特定数が明示的に記載されている場合でも、当業者は、そのような記載は通常、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることを認識するであろう(例えば、他の修飾語がない「2つの記載」のみの記載は、通常、少なくとも2つの記載、又は2つ以上の記載を意味する)。更に、「A、B及びCの少なくとも1つ、など」に類似した慣用語が用いられる例において、一般に、そのような構成は、当業者がその慣用語を理解するであろう意味に意図されている(例えば、「A、B及びCの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBを一緒に、AとCを一緒に、BとCを一緒に、及び/又はA、BとCを一緒に有するシステムを含む、など)。「A、B又はCの少なくとも1つ、など」に類似した慣用語が用いられる例において、一般に、そのような構成は、当業者がその慣用語を理解するであろう意味に意図されている(例えば、「A、B又はCの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBを一緒に、AとCを一緒に、BとCを一緒に、及び/又はA、BとCを一緒に有するシステムを含む、など)。2つ以上の代替用語を表す実質的に任意の離接語及び/又は句は、説明、特許請求の範囲又は図面においても、用語の1つ、用語のいずれか、又は両方の用語を含む可能性を考慮するように理解すべきであることは、当業者によって更に理解されるであろう。例えば句「A又はB」は、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むと理解されるであろう。
【0083】
本開示及びその付随する利点の多くは、前述の説明によって理解されると考えられ、開示された主題から逸脱することなく、又はその重要な利点のすべてを犠牲にすることなく、構成要素の形態、構造、及び配置に様々な変更を加え得ることは明らかであろう。説明される形態は単なる説明であり、以下の特許請求の範囲の意図はそのような変更を包含及び含むことである。更に、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義されることが理解されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10