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特許7412562ガス放電レーザチャンバのためのアンダーカット電極
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】ガス放電レーザチャンバのためのアンダーカット電極
(51)【国際特許分類】
   H01S 3/038 20060101AFI20240104BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20240104BHJP
【FI】
H01S3/038 Z
G03F7/20 505
H01S3/038 A
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022534769
(86)(22)【出願日】2020-12-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-28
(86)【国際出願番号】 US2020064373
(87)【国際公開番号】W WO2021138019
(87)【国際公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-07-26
(31)【優先権主張番号】62/955,542
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/029,099
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513192029
【氏名又は名称】サイマー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ルオ,エドワード,スーチー
(72)【発明者】
【氏名】ワン,チョウ
【審査官】百瀬 正之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0093112(US,A1)
【文献】特表2007-500942(JP,A)
【文献】特表2004-503946(JP,A)
【文献】米国特許第05070513(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0131100(US,A1)
【文献】特開平08-018134(JP,A)
【文献】特開昭62-169383(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 3/00-3/30
G03F 7/20
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス放電媒体を保持するように構成されたチャンバと、
前記ガス放電媒体を励起し、出力光ビームを生成するプラズマを生成するように構成された対向電極の対と、
を備え、
対向電極の前記対のうちの少なくとも一方の電極が、前記少なくとも一方の電極の各端部に形成された凹状部分を含み、
電極の前記対の各電極が、
前記ガス放電媒体に内向きに面した第1の表面、及び
前記第1の表面と反対の第2の表面を含み、前記少なくとも一方の電極の前記凹状部分が前記第2の表面の各端部において前記第2の表面内に形成されている、
光源装置。
【請求項2】
前記少なくとも一方の電極が、バルク厚さ、及び前記ガス放電媒体に内向きに面した平面状の第1の表面を含み、前記凹状部分が、前記少なくとも一方の電極の前記端部が前記バルク厚さ未満の厚さを有するアンダーカット部分を各々含む、請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
電極の前記対の各電極が、各端部に形成された前記凹状部分を含む、請求項1に記載の光源装置。
【請求項4】
ガス放電媒体を保持するように構成されたチャンバと、
前記ガス放電媒体を励起し、出力光ビームを生成するプラズマを生成するように構成された対向電極の対と、
を備え、
対向電極の前記対のうちの少なくとも一方の電極が、前記少なくとも一方の電極の各端部に形成された凹状部分を含み、
電極の前記対の各電極が、
前記ガス放電媒体に内向きに面した第1の表面、及び
前記第1の表面と反対の第2の表面を含み、前記少なくとも一方の電極の前記凹状部分が、前記第1及び第2の表面の間に形成された空洞化部分である、光源装置。
【請求項5】
前記ガス放電媒体が、エキシマ及び/又はエキシプレックスを形成するためのハロゲンガス及び希ガスを含む、請求項1に記載の光源装置。
【請求項6】
アンダーカット電極であって、
ガス放電媒体に内向きに面した第1の表面、
前記第1の表面と反対の第2の表面、及び
前記アンダーカット電極の各端部において前記第2表面内に形成された凹状部分、
を含む、アンダーカット電極。
【請求項7】
前記アンダーカット電極がバルク厚さを含み、前記凹状部分が、前記アンダーカット電極の前記端部が前記バルク厚さ未満の厚さを有する前記第2の表面内のアンダーカット部分を各々含む、請求項に記載のアンダーカット電極。
【請求項8】
アンダーカット電極であって、
ガス放電媒体に内向きに面した第1の表面、
前記第1の表面と反対の第2の表面、及び
前記アンダーカット電極の各端部に形成された凹状部分を含み、
前記凹状部分が、前記第1及び第2の表面の間に形成された空洞化部分である、アンダーカット電極。
【請求項9】
前記空洞化部分に非導電材料が充填されている、請求項に記載のアンダーカット電極。
【請求項10】
ガス媒体を励起し、プラズマを形成するように構成された対向電極の対であって、電極の前記対の各電極が、
前記ガス媒体に内向きに面した第1の表面、及び
前記第1の表面と反対の第2の表面、
を含み、
対向電極の前記対のうちの少なくとも一方の電極が、前記少なくとも一方の電極の各端部において前記第2表面内に形成された凹状部分を含む、対向電極の対。
【請求項11】
前記少なくとも一方の電極がバルク厚さを含み、前記第1の表面が、前記ガス媒体に内向きに面した平面状の表面を含み、前記凹状部分が、前記少なくとも一方の電極の前記端部が前記バルク厚さ未満の厚さを有するアンダーカット部分を各々含む、請求項10に記載の対向電極の対。
【請求項12】
ガス放電媒体を保持するように構成されたチャンバと、
前記ガス放電媒体を励起し、出力光ビームを生成するプラズマを生成するように構成された対向電極の対と、
を備え、
対向電極の前記対のうちの少なくとも一方の電極が凹状部分又は空洞化部分のうちの少なくとも一方を含み、
電極の前記対の各電極が、
前記ガス放電媒体に内向きに面した第1の表面、及び
前記第1の表面と反対の第2の表面を含み、前記少なくとも一方の電極が前記凹状部分を含み、前記凹状部分が前記第2の表面内に形成されている、
光源装置。
【請求項13】
ガス放電媒体を保持するように構成されたチャンバと、
前記ガス放電媒体を励起し、出力光ビームを生成するプラズマを生成するように構成された対向電極の対と、
を備え、
対向電極の前記対のうちの少なくとも一方の電極が凹状部分又は空洞化部分のうちの少なくとも一方を含み、
電極の前記対の各電極が、
前記ガス放電媒体に内向きに面した第1の表面、及び
前記第1の表面と反対の第2の表面を含み、前記少なくとも一方の電極が前記空洞化部分を含み、前記空洞化部分が前記第1及び第2の表面の間に形成されている、光源装置。
【請求項14】
前記空洞化部分が複数の空洞化部分を含む、請求項13に記載の光源装置。
【請求項15】
前記複数の空洞化部分の各々に非導電材料が充填されている、請求項14に記載の光源。
【請求項16】
前記凹状部分又は空洞化部分が前記少なくとも一方の電極の中心線からオフセットしている、請求項12に記載の光源装置。
【請求項17】
前記少なくとも一方の電極が前記凹状部分及び前記空洞化部分を含む、請求項12に記載の光源装置。
【請求項18】
前記凹状部分又は前記空洞化部分のうちの前記少なくとも一方に非導電材料が充填されている、請求項12に記載の光源装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、UNDERCUT ELECTRODES FOR A LIGHT SOURCEと題する、2019年12月31日に出願された、米国特許出願第62/955,542号、及びUNDERCUT ELECTRODES FOR A GAS DISCHARGE LASER CHAMBERと題する、2020年5月22日に出願された、米国特許出願第63/029,099号に対する優先権を主張する。両出願は全体が本明細書において参照により組み込まれる。
【0002】
[0002] 本開示は、光を生成するエキシマレーザなどのレーザシステムに関し、より詳細には、ガス放電レーザ中の放電プラズマのために最適化された電極設計に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、基板上に所望のパターンを施すように構築された機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC(integrated circuit))の製造において使用することができる。リソグラフィ装置は、例えば、パターニングデバイス(例えば、マスク、レチクル)のパターンを、基板上に提供された放射感応性材料(フォトレジスト、又は、単に、「レジスト」)の層上に投影し得る。
【0004】
[0004] パターンを基板上に投影するために、リソグラフィ装置は電磁放射を用い得る。この放射の波長は、基板上に形成され得るフィーチャの最小サイズを決定する。範囲20~400nm内、例えば、193nm又は248nmの波長を有する、深紫外(DUV(deep ultraviolet))放射を用いる、リソグラフィ装置が、基板上のフィーチャを形成するために用いられ得る。
【0005】
[0005] 主発振器パワー増幅器(MOPA(master oscillator power amplifier))又は主発振器パワーリング増幅器(MOPRA(master oscillator power ring amplifier))は、高コヒーレント増幅光ビームを生成する2段レーザシステムである。MOPA又はMOPRAの性能は、主発振器(MO(master oscillator))、パワー増幅器(PA(power amplifier))、及び/又はパワーリング増幅器(PRA(power ring amplifier))に大きく依存し得る。MO、PA、及び/又はPRAの電極は、エネルギーを与えられて放電プラズマになったガス媒体を包囲する。電極はガス及びプラズマの腐食性のゆえに経時的に侵食され得る。放電強度は電極の長さに沿って均一にならないことがある。多くの場合、放電強度は電極の端部において最も高く、それは中心においても、長さの残りの部分と比べて、より高くなり得る。放電の端部又は中央における相対的に高くなった局所的放電強度は、電極上の対応する場所の侵食の増大を生じさせ得る。電極の間のガスの絶縁破壊によって放電プラズマが生成されるのに伴って、電極の不均等な侵食がプラズマの放電品質の劣化をもたらし、ひいては、放電チャンバの早期の交換を必要とし得る。
【発明の概要】
【0006】
[0006] したがって、電極の侵食均一性を制御することが必要とされており、これが結果として電極の寿命を増大させる。
【0007】
[0007] 実施形態によっては、光源装置が、ガス媒体を保持するように構成されたチャンバを含む。放電チャンバは、光ビームを出力するように構成され得る。光源装置はまた、(いわゆる絶縁破壊プロセスを通じて)ガスをプラズマに励起するように構成された対向電極の対を含み得る。実施形態によっては、対向電極の対のうちの少なくとも一方の電極は、少なくとも一方の電極の各端部に形成された凹状部分を含む。
【0008】
[0008] 実施形態によっては、電極の対の各電極は、ガス媒体、及び、励起後には、プラズマに内向きに面した第1の表面、並びに第1の表面と反対の第2の表面を含み、少なくとも一方の電極の凹状部分は、第2の表面の各端部における第2の表面内、又は端部から内側の第2の表面上に形成されている。
【0009】
[0009] 実施形態によっては、少なくとも一方の電極は、バルク厚さ、及びプラズマに内向きに面した平面状の第1の表面を含み、凹状部分は、少なくとも一方の電極の端部がバルク厚さ未満の厚さを有するアンダーカット部分を含む。
【0010】
[0010] 実施形態によっては、電極の対のうちの少なくとも一方の電極はアノードを含む。
【0011】
[0011] 実施形態によっては、電極の対のうちの少なくとも一方の電極はカソードを含む。
【0012】
[0012] 実施形態によっては、電極の対の各電極は、各端部に形成された凹状部分を含む。
【0013】
[0013] 実施形態によっては、電極の対の各電極は、ガス媒体、及び、励起後には、放電プラズマに内向きに面した第1の表面、並びに第1の表面と反対の第2の表面を含み、少なくとも一方の電極の凹状部分は第1及び第2の表面の間に形成されている。
【0014】
[0014] 以下において、ガス媒体、及びガス媒体から形成された放電プラズマは、説明を簡潔にするために、まとめてガス放電媒体と称され得ることに留意されたい。
【0015】
[0015] 実施形態によっては、ガス放電媒体は、エキシマ及び/又はエキシプレックスを形成するためのハロゲンガス及び希ガスを含む。
【0016】
[0016] 実施形態によっては、光源は、チャンバの周りの光共振器を形成するように構成された光学要素のセットを更に含む。
【0017】
[0017] 実施形態によっては、アンダーカット電極は、ガス放電媒体に内向きに面した第1の表面、第1の表面と反対の第2の表面、並びに第2の表面内にアンダーカットすること、又は第1及び第2の表面の間においてアンダーカットすること、即ち、「空洞化」によって形成された局所的凹状又はアンダーカット部分を含む。
【0018】
[0018] 実施形態によっては、アンダーカット電極は、バルク厚さ、及びガス放電媒体に内向きに面した平面状の第1の表面を含み、凹状部分は、アンダーカット電極の端部がバルク厚さ未満の厚さを有する第2の表面内のアンダーカット部分を含む。
【0019】
[0019] 実施形態によっては、凹状部分は第1及び第2の表面の間に形成されている。
【0020】
[0020] 実施形態によっては、凹状部分は長方形状凹部を含む。
【0021】
[0021] 実施形態によっては、凹状部分は湾曲した凹部を含む。
【0022】
[0022] 実施形態によっては、アンダーカット電極はアノードを含む。
【0023】
[0023] 実施形態によっては、アンダーカット電極はカソードを含む。
【0024】
[0024] 実施形態によっては、対向電極の対は、ガスを絶縁破壊させてプラズマにするように構成されている。電極の対の各電極は、プラズマに内向きに面した第1の表面、及び第1の表面の反対の第2の表面を含む。実施形態によっては、対向電極の対のうちの少なくとも一方の電極は、少なくとも一方の電極の各端部に形成された凹状部分を含む。
【0025】
[0025] 実施形態によっては、少なくとも一方の電極はバルク厚さを含み、第1の表面は、ガス放電媒体に内向きに面した平面状の表面を含み、凹状部分は、少なくとも一方の電極の端部がバルク厚さ未満の厚さを有するアンダーカット部分を含む。
【0026】
[0026] 実施形態によっては、凹状部分は長方形状凹部を含む。
【0027】
[0027] 実施形態によっては、凹状部分は湾曲した凹部を含む。
【0028】
[0028] 実施形態によっては、電極の対の各電極は、各端部に形成された凹状部分を含む。
【0029】
[0029] 実施形態によっては、光源装置が、ガス放電媒体を保持するように構成されたチャンバと、ガス放電媒体を励起し、出力光ビームを生成するプラズマを生成するように構成された対向電極の対と、を含む。実施形態によっては、対向電極の対のうちの少なくとも一方の電極は凹状部分又は空洞化部分のうちの少なくとも一方を含む。
【0030】
[0030] 実施形態によっては、電極の対の各電極は、ガス放電媒体に内向きに面した第1の表面、及び第1の表面の反対の第2の表面を含む。少なくとも一方の電極は凹状部分を含み得、凹状部分は第2の表面内に形成されている。
【0031】
[0031] 実施形態によっては、凹状部分は少なくとも一方の電極の中心線に沿って配置され得る。
【0032】
[0032] 実施形態によっては、凹状部分は少なくとも一方の電極の端部に配置され得る。
【0033】
[0033] 実施形態によっては、凹状部分は少なくとも一方の電極の中心線からオフセットし得る。
【0034】
[0034] 実施形態によっては、凹状部分は複数の凹状部分を含む。
【0035】
[0035] 実施形態によっては、複数の凹状部分は少なくとも一方の電極の各端部に配置され得る。
【0036】
[0036] 実施形態によっては、電極の対の各電極は、ガス放電媒体に内向きに面した第1の表面、及び第1の表面の反対の第2の表面を含む。実施形態によっては、少なくとも一方の電極は空洞化部分を含み、空洞化部分は第1及び第2の表面の間に形成されている。
【0037】
[0037] 実施形態によっては、空洞化部分は少なくとも一方の電極の中心線に沿って配置されている。
【0038】
[0038] 実施形態によっては、空洞化部分は少なくとも一方の電極の中心線からオフセットしている。
【0039】
[0039] 実施形態によっては、空洞化部分は複数の空洞化部分を含む。
【0040】
[0040] 実施形態によっては、最少の一方の電極は凹状部分及び空洞化部分の両方を含み得る。
【0041】
[0041] 実施形態によっては、凹状部分又は空洞化部分のうちの少なくとも一方に非導電材料が充填され得る。
【0042】
[0042] 上述された技法のうちの任意のものの実装形態は、DUV光源、システム、方法、プロセス、デバイス、及び/又は装置を含み得る。1つ以上の実装形態の詳細が添付の図面及び以下の説明において説明される。他の特徴も、説明及び図面から、並びに請求項から明らかになるであろう。
【0043】
[0043] 実施形態の更なる特徴及び例示的な態様、並びに様々な実施形態の構造及び動作が以下において添付の図面を参照して詳細に説明される。実施形態は、本明細書において説明される特定の実施形態に限定されないことに留意されたい。このような実施形態は本明細書において単に例示の目的のために提示されるにすぎない。当業者には、本明細書に包含される教示に基づいて追加の実施形態が明らかであろう。
【0044】
[0044] 本明細書に組み込まれ本明細書の一部を形成する添付の図面は、実施形態を例示し、また、説明文と併せて、実施形態の原理を説明し、当業者が実施形態を実施し使用できるように更に機能する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1A】[0045]図1Aは、例示的な一実施形態による反射型リソグラフィ装置の概略図である。
図1B】[0046]図2Aは、例示的な一実施形態による透過型リソグラフィ装置の概略図である。
図2】[0047]図2は、例示的な一実施形態に係る、光源装置の概略図である。
図3】[0048]図3は、例示的な実施形態に係る、例示的なアンダーカット電極を示す。
図4】[0048]図4は、例示的な実施形態に係る、例示的なアンダーカット電極を示す。
図5】[0048]図5は、例示的な実施形態に係る、例示的なアンダーカット電極を示す。
図6】[0048]図6は、例示的な実施形態に係る、例示的なアンダーカット電極を示す。
図7】[0048]図7は、例示的な実施形態に係る、例示的なアンダーカット電極を示す。
図8】[0048]図8は、例示的な実施形態に係る、例示的なアンダーカット電極を示す。
図9】[0048]図9は、例示的な実施形態に係る、例示的なアンダーカット電極を示す。
図10】[0048]図10は、例示的な実施形態に係る、例示的なアンダーカット電極を示す。
図11】[0048]図11は、例示的な実施形態に係る、例示的なアンダーカット電極を示す。
図12】[0048]図12は、例示的な実施形態に係る、例示的なアンダーカット電極を示す。
図13】[0048]図13は、例示的な実施形態に係る、例示的なアンダーカット電極を示す。
図14】[0049]図14は、例示的な実施形態に係る、電極の侵食速度を実際に示すグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
[0050] 実施形態の特徴及び例示的な態様は、図面と併せて、以下において記載される詳細な説明からより明らかになるであろう。図面において、同様の参照符号は、全体を通じて、対応する要素を識別する。図面において、同様の参照符号は、概して、同一の、機能的に同様の、及び/又は構造的に同様の要素を指示する。加えて、概して、参照符号の最も左の桁は、参照符号が最初に現れる図面を特定する。別途記載のない限り、本開示全体を通じて提供される図面は、原寸に比例した図面と解釈されるべきでない。
【0047】
[0051] 本明細書は、本発明の特徴を組み込んだ1つ又は複数の実施形態について開示する。開示される実施形態は、本発明を単に例示するに過ぎない。本発明の範囲は、開示される実施形態に限定されない。本発明は、本明細書に添付の特許請求の範囲によって規定される。
【0048】
[0052] 記載される実施形態、及び「一実施形態」、「ある実施形態」、「例示の実施形態」「例示的な実施形態」等への明細書中での言及は、説明される実施形態が、特定の特徴、構造、又は特性を含み得ることを示すが、必ずしも全ての実施形態が、その特定の特徴、構造、又は特性を含んでいなくてもよい。更に、そのような語句は、必ずしも同一の実施形態を指してはいない。更に、ある実施形態に関連して特定の特徴、構造、又は特性が説明される場合、明示的に説明されていようといまいと、そのような特徴、構造、又は特性を他の実施形態に関連してもたらすことは、当業者の知識の範囲内であると理解される。
【0049】
[0053] 「~の下(beneath)」、「~の下方(below)」、「下部(lower)」、「~の上方(above)」、「~の上(on)」、「上部(upper)」、及び同様のものなどの、空間的相対語は、本明細書において、図に示される、1つの要素又は特徴の、別の要素又は特徴に対する関係を記述するための説明を容易にするために使用され得る。空間的相対語は、図に示される向きに加えて、使用又は動作時におけるデバイスの異なる向きを包含することを意図されている。装置は他の様態で配向されてもよく(90度又は他の向きに回転させられてもよく)、本明細書で使用される空間的相対記述語はそれに応じて同様に解釈され得る。
【0050】
[0054] 用語「約(about)」、又は「実質的に(substantially)」、又は「およそ(approximately)」は、本明細書で使用するとき、特定の技術に基づいて変化することができる所与の数量の値を指示する。特定の技術に基づいて、用語「約」、又は「実質的に」、又は「およそ」は、例えば、値の1~15%(例えば、値の±1%、±2%、±5%、±10%、又は±15%)以内で変化する所与の数量の値を指示することができる。
【0051】
[0055] 本開示の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はこれらの任意の組み合わせの形態で実施され得る。本開示の実施形態はまた、1つ以上のプロセッサによって読み出され、実行され得る、機械可読媒体上に記憶される命令として実施され得る。機械可読媒体は、機械(例えば、コンピューティングデバイス)によって可読の形式の情報を記憶又は伝送するための任意の機構を含み得る。例えば、機械可読媒体としては、リードオンリーメモリ(ROM(read only memory));ランダムアクセスメモリ(RAM(random access memory));磁気ディスク記憶媒体;光記憶媒体;フラッシュメモリデバイス;電気的、光学的、音響的、又は他の形態の伝搬信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号等)、並びに他のものを挙げることができる。更に、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、及び/又は命令は、本明細書において、特定のアクションを遂行するように説明され得る。しかし、このような説明は単に便宜のためのものにすぎず、このようなアクションは、実際には、コンピューティングデバイス、プロセッサ、コントローラ、又は他のデバイスが、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令等を実行する結果生じることを理解されたい。
【0052】
[0056] しかしながら、そのような実施形態をより詳細に説明する前に、本開示の実施形態を実施することができる例示的な環境を提示することが有益である。
【0053】
[0057] 反射型及び例示的リソグラフィシステムの例
[0058] 図1A及び図1Bは、それぞれ、本発明の実施形態を実施することができる、リソグラフィ装置100及びリソグラフィ装置100’の概略図である。リソグラフィ装置100及びリソグラフィ装置100’は、それぞれ、以下のものを含む、即ち、放射ビームB(例えば、深紫外線(DUV)放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えば、マスク、レチクル、又はダイナミックパターニングデバイス)MAを支持するように構成され、かつパターニングデバイスMAを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTと、基板(例えば、フォトレジスト塗布ウェーハ)Wを保持するように構成され、かつ基板Wを正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された、基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WTとを含む。リソグラフィ装置100及び100’は、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを、基板Wの(例えば、1つ又は複数のダイを含む)ターゲット部分Cに投影するように構成された、投影システムPSも有する。リソグラフィ装置100では、パターニングデバイスMA及び投影システムPSは反射型である。リソグラフィ装置100’では、パターニングデバイスMA及び投影システムPSは透過型である。
【0054】
[0059] 照明システムILは、放射ビームBの方向決め、成形、又は制御のための、屈折型、反射型、反射屈折型、磁気型、電磁気型、静電気型などの様々な種類の光学コンポーネント、又は他の種類の光学コンポーネント、又はそれらの任意の組み合わせを含むことがある。
【0055】
[0060] サポート構造MTは、基準座標系に対するパターニングデバイスMAの向き、リソグラフィ装置100及び100’のうちの少なくとも1つの設計、及びパターニングデバイスMAが真空環境に保持されているか否かなどの他の条件、に依存するような態様で、パターニングデバイスMAを保持する。サポート構造MTは、機械式、真空式、静電気式、又は他のクランプ技術を使用して、パターニングデバイスMAを保持することがある。サポート構造MTは、例えば、必要に応じて固定であることも又は可動であることもあるフレーム又はテーブルであり得る。センサを使用することにより、サポート構造MTは、パターニングデバイスMAが、例えば投影システムPSに対して所望の位置にあることを確実にすることができる。
【0056】
[0061] 「パターニングデバイス」MAという用語は、基板Wのターゲット部分Cにパターンを生成するように、放射ビームBの断面にパターンを付与するために使用することができる任意のデバイスを指すものとして、広く解釈されるべきである。放射ビームBに付与されたパターンは、集積回路を形成するためにターゲット部分Cに生成されるデバイスの特定の機能層に対応することができる。
【0057】
[0062] パターニングデバイスMAは、(図1Bのリソグラフィ装置100’のように)透過型であっても、又は(図1Aのリソグラフィ装置100のように)反射型であってもよい。パターニングデバイスMAの例としては、レチクル、マスク、プログラマブルミラーアレイ、又はプログラマブルLCDパネルが挙げられる。マスクは、リソグラフィではよく知られており、バイナリ型、レベンソン型(交互位相シフト型)、又はハーフトーン型(減衰位相シフト型)などのマスクタイプ、並びに様々なハイブリッドマスクタイプを含む。プログラマブルミラーアレイの一例では、小型のミラーのマトリックス配置が用いられており、各小型ミラーは、入射する放射ビームを異なる方向に反射するように、個々に傾斜していることがある。傾斜したミラーは、小型ミラーのマトリックスによって反射される放射ビームBにパターンを付与する。
【0058】
[0063] 「投影システム」PSという用語は、使用される露光放射に適した、又は基板W上での液浸液の使用若しくは真空の使用などの他の要因に適した、屈折型、反射型、反射屈折型、磁気型、電磁気型、及び静電気型の光学系、若しくはそれらの任意の組み合わせを含む、任意の種類の投影システムを包含することができる。真空環境は、DUV又は電子ビーム放射用に使用することができる、というのも、他のガスは、放射線又は電子をあまりに多く吸収することがあるからである。したがって、真空壁及び真空ポンプの助けを借りて、ビームパス全体に真空環境を提供することができる。
【0059】
[0064] リソグラフィ装置100及び/又はリソグラフィ装置100’は、2つ(デュアルステージ)以上の基板テーブルWT(及び/又は2つ以上のマスクテーブル)を有する種類のものとすることができる。そのような「マルチステージ」の機械では、追加の基板テーブルWTを並行して使用することができ、又は、1つ又は複数のテーブルで準備工程を実行している間に、1つ又は複数の他の基板テーブルWTを露光用に使用することができる。場合によっては、追加のテーブルは基板テーブルWTではないことがある。
【0060】
[0065] リソグラフィ装置はまた、投影システムと基板との間の空間を充填するために、基板の少なくとも部分が、比較的高い屈折率を有する液体、例えば、水によって覆われ得る種類のものであり得る。液浸液はまた、例えば、マスクと投影システムとの間の、リソグラフィ装置内の他の空間にも適用され得る。液浸技法は、投影システムの開口数を増大させることで当該技術分野において周知である。用語「液浸」は、本明細書で使用するとき、基板などの構造が液体中に浸漬されなければならないことを意味せず、むしろ、露光中に液体が投影システムと基板との間に配置されていることを意味するのみである。
【0061】
[0066] 図1A及び図1Bを参照すると、イルミネータILが放射源SOから放射ビームを受け取る。例えば、放射源SOがエキシマレーザ(例えば、主発振器パワー増幅器(MOPA)又は主発振器パワーリング増幅器(MOPRA))である場合、放射源SO及びリソグラフィ装置100、100’は、別個の物理的要素であることがある。そのような場合、放射源SOはリソグラフィ装置100又は100’の一部を形成するとはみなされず、放射ビームBは、例えば、適切な誘導ミラー及び/又はビーム拡大器を含む、ビームデリバリシステムBD(図1B)の助けを借りて、放射源SOからイルミネータILへと通過する。他の場合では、例えば放射源SOが水銀ランプである場合には、放射源SOは、リソグラフィ装置100、100’の一体化された部分とすることができる。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとまとめて、放射システムと呼ばれることがある。
【0062】
[0067] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調節するためのアジャスタAD(図1B)を含むことができる。一般的に、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側及び/又は内側の径方向範囲(一般的に、それぞれ「σ-outer」及び「σ-inner」と呼ばれる)を調節することができる。更に、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの様々な他の構成要素(図1B)を含むことができる。イルミネータILを使用して、放射ビームBの断面において所望の均一性及び強度分布になるように放射ビームBを調節することができる。
【0063】
[0068] 図1Aを参照すると、放射ビームBが、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MT上に保持されたパターニングデバイス(例えば、マスク)MAに入射し、パターニングデバイスMAによってパターン付けされる。リソグラフィ装置100では、放射ビームBはパターニングデバイス(例えば、マスク)MAから反射される。パターニングデバイス(例えば、マスク)MAから反射された後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは放射ビームBを基板Wのターゲット部分C上に集束させる。第2のポジショナPW及び位置センサIF2(例えば、干渉デバイス、リニアエンコーダ、又は静電容量センサ)の助けを借りて、基板テーブルWTを、(例えば、放射ビームBの経路に異なるターゲット部分Cを位置決めするように)正確に移動させることができる。同様に、第1のポジショナPM及び別の位置センサIF1を使用して、放射ビームBの経路に対して正確にパターニングデバイス(例えば、マスク)MAを位置決めすることができる。パターニングデバイス(例えば、マスク)MA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。
【0064】
[0069] 図1Bを参照すると、放射ビームBが、サポート構造(例えば、マスクテーブルMT)上に保持されたパターニングデバイス(例えば、マスクMA)に入射し、パターニングデバイスによってパターン付けされる。マスクMAを横断した後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSはビームを基板Wのターゲット部分C上に集束させる。投影システムは、照明システムの瞳IPUへの瞳共役PPUを有する。放射の部分は、照明システムの瞳IPUでの強度分布から放射され、マスクパターンでの回折による影響を受けることなくマスクパターンを通り抜け、照明システムの瞳IPUにおける強度分布の像を生成する。
【0065】
[0070] 投影システムPSはマスクパターンMPの像MP’を、基板W上にコーティングされたフォトレジスト層上に投影する。ここで、像MP’は、強度分布からの放射によってマークパターンMPから生成された回折ビームによって形成される。例えば、マスクパターンMPはライン及びスペースのアレイを含み得る。アレイにおける、及び0次回折とは異なる放射の回折は、ラインと垂直な方向における方向の変化を伴う変向回折ビームを生成する。非回折ビーム(即ち、いわゆる0次回折ビーム)は、伝搬方向の変化を全く伴わずにパターンを横断する。0次回折ビームは、投影システムPSの瞳共役PPUの上流の、投影システムPSの上部レンズ又は上部レンズ群を横断し、瞳共役PPUに到達する。瞳共役PPUの平面内の、及び0次回折ビームに関連付けられた強度分布の部分は、照明システムILの照明システムの瞳IPU内の強度分布の像である。開口デバイスPDは、例えば、投影システムPSの瞳共役PPUを含む平面に、又は実質的に該平面に配設されている。
【0066】
[0071] 投影システムPSは、上部レンズ若しくは上部レンズ群L1及び下部レンズ若しくは下部レンズ群L2を用いて、0次回折ビームだけでなく、1次又は1次以上の回折ビーム(図示せず)も取り込むように構成されている。実施形態によっては、ラインと垂直な方向に延びるラインパターンを結像させるためのダイポール照明が、ダイポール照明の解像度増強効果を利用するために用いられ得る。例えば、1次回折ビームは、ウェーハWのレベルにおいて、対応する0次回折ビームと干渉し、可能な限り高い解像度及びプロセスウィンドウ(即ち、許容露光線量逸脱と組み合わせた使用可能焦点深度)におけるラインパターンMPの像MP’を作り出す。実施形態によっては、照明システムの瞳IPUの反対の象限内の放射極(図示せず)を提供することによって、非点収差が低減され得る。例えば、照明システムの瞳IPUにおける照明は、時としてBMW照明と称される、2つの反対の照明象限のみを用い得、これにより、残りの2つの象限は照明において用いられず、1次回折ビームを取り込むように構成されている。更に、実施形態によっては、反対の象限内の放射極に関連付けられた投影システムの瞳共役PPU内の0次ビームを遮断することによって、非点収差が低減され得る。
【0067】
[0072] 第2のポジショナPW及び位置センサIF(例えば、干渉デバイス、リニアエンコーダ、又は静電容量センサ)の助けを借りて、基板テーブルWTを、(例えば、放射ビームBの経路に異なるターゲット部分Cを位置決めするように)正確に移動させることができる。同様に、第1のポジショナPM及び別の位置センサ(図1Bには図示せず)を使用して、(例えば、マスクライブラリの機械検索の後で、又は走査中に)放射ビームBの経路に対して正確にマスクMAを位置決めすることができる。
【0068】
[0073] 一般的に、マスクテーブルMTの移動は、第1のポジショナPMの一部を形成する、ロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けを借りて実現することができる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの一部を形成する、ロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを用いて実現することができる。(スキャナとは対照的に)ステッパの場合、マスクテーブルMTはショートストロークアクチュエータのみに接続されるか、又は固定されることがある。マスクMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。基板アライメントマークは(図示するように)専用のターゲット部分を占めるが、これらのマークはターゲット部分同士の間のスペースに配置することもできる(スクライブレーンアライメントマークとして知られる)。同様に、マスクMA上に2つ以上のダイが設けられる場合には、マスクアライメントマークはダイの間に配置されることがある。
【0069】
[0074] マスクテーブルMT及びパターニングデバイスMAは真空チャンバ内にあることがあり、真空チャンバでは、真空内ロボットIVRを使用して、マスクなどのパターニングデバイスを真空チャンバの内外へ移動させることができる。或いは、マスクテーブルMT及びパターニングデバイスMAが真空チャンバの外側にある場合、真空内ロボットIVRと同様に、真空外ロボットを様々な運搬動作用に使用することができる。真空内及び真空外ロボットの両方とも、移送ステーションの固定されたキネマティックマウントへ任意のペイロード(例えば、マスク)をスムーズに移送するために、較正する必要がある。
【0070】
[0075] リソグラフィ装置100及び100’は、以下のモードのうちの少なくとも1つで使用することができる。
【0071】
[0076] 1.ステップモードでは、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MT及び基板テーブルWTを基本的に静止状態に保ちながら、放射ビームBに付与された全体パターンを、ターゲット部分Cに一度に投影する(即ち、単一静的露光)。次いで、基板テーブルWTは、異なるターゲット部分Cを露光することができるように、X及び/又はY方向にシフトされる。
【0072】
[0077] 2.スキャンモードでは、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MT及び基板テーブルWTを同期して走査しながら、放射ビームBに付与されたパターンを、ターゲット部分Cに投影する(即ち、単一動的露光)。サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの(縮小)倍率及び像反転特性によって決定されることがある。
【0073】
[0078] 3.別のモードでは、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTを、プログラマブルパターニングデバイスを保持させながら実質的に静止状態に保ち、また、基板テーブルWTを移動させるか又は走査しながら、放射ビームBに付与されたパターンをターゲット部分Cに投影する。パルス放射源SOを使用することができ、また、プログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTの各移動の後で、又は走査中の連続的な放射パルスの合間に、必要に応じて更新される。この動作モードは、プログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
【0074】
[0079] 説明された使用モードの組み合わせ及び/若しくは変形例、又は全く異なる使用モードを使用することもできる。
【0075】
[0080] 更なる実施形態では、リソグラフィ装置100は、EUVリソグラフィ用のEUV放射のビームを生成するように構成された、極端紫外線(EUV)放射源を含む。
【0076】
[0081] 相対真空、即ち、大気圧をはるかに下回る圧力における少量のガス(例えば、水素)が、放射源SO内、照明システムIL内、及び/又は投影システムPS内において提供され得る。放射源SOは、レーザ生成プラズマ(LPP(laser produced plasma))源、放電生成プラズマ(DPP(discharge produced plasma))源、自由電子レーザ(FEL(free electron laser))、エキシマレーザ、主発振器パワー増幅器(MOPA)、主発振器パワーリング増幅器(MOPRA)、又はDUV放射を発生する能力を有する任意の他の放射源であり得る。
【0077】
例示的な光源装置
[0082] ガス放電レーザにおける放電プラズマのための電極の不均等な侵食は放電チャンバの寿命を制限する。不均等な侵食は、電極の幾何学構成の最適化された設計を用いて電極全体にわたる放電強度を再分布させることによって、著しく改善することができる。ここで開示されるアンダーカット及び/又は空洞化電極は、電極のアンダーカット又は空洞化区分の場所における局所的放電強度を低減し、したがって、侵食プロファイルを均一にし、放電チャンバの寿命を増大させる。実施形態によっては、ここで開示されるアンダーカット電極は電極の両端部において局所的プラズマ放電強度を低減し、侵食プロファイルを均一にし、放電チャンバの寿命を増大させる。
【0078】
[0083] 上述されたように、主発振器パワー増幅器(MOPA)又は主発振器パワーリング増幅器(MOPRA)は2段レーザシステムである。主発振器(MO)(例えば、第1の光共振器段)は高コヒーレント光ビームを生成する。パワー増幅器(PA)又はパワーリング増幅器(PRA)(例えば、第2の光共振器段)は、ビーム特性を保存しつつビームパワーを増幅する。MOは、ガス放電チャンバ、光結合器(OC(optical coupler))、及び線幅狭小化モジュール(LNM(linewidth narrowing module))を含むことができる。OC及びLNMはガス放電チャンバを包囲し、光共振器を形成する。PA又はPRAは、第2のガス放電チャンバ、波面エンジニアリングボックス(WEB(wavefront engineering box))、ビーム反転器(BR(beam reverser))を含むことができる。WEB及びBRは第2のガス放電チャンバを包囲し、第2の光共振器を形成することができる。例えば、特定のMOPA及びMOPRAが、2010年1月5日に発行された、米国特許第7,643,528号、及び2010年10月26日に発行された、米国特許第7,822,092号に以前に記載されている。これらの特許は全体が本明細書において参照により組み込まれる。
【0079】
[0084] MOPA/MOPRAシステム又はMOのみのシステムの一例として、エキシマレーザは、深紫外(DUV)放射を出力するためにエキシマ(例えば、励起二量体)又はエキシプレックス(例えば、励起錯体)を利用する。エキシマは、2種の化学種(例えば、Ar、Kr、F、Xe)から形成された短寿命のホモ二量体分子である。エキシプレックスは、2種を超える化学種(例えば、ArF、KrCl、KrF、XeBr、XeCl、XeF)から形成されたヘテロ二量体分子である。ガス(例えば、F、ArF、KrF、及び/又はXeF)を絶縁破壊させることによって生成されたプラズマを包囲するMO、PA、及び/又はPRAの電極は経時的に侵食され、金属フッ化物粉塵(例えば、約2.0μmの平均直径)を生成し得る。金属フッ化物粉塵はMO、PA、及び/又はPRAの光学窓上に不必要に積もり得、光損傷(例えば、局所的熱吸着及び/又は加熱)をもたらし得る。更に、MO内における金属フッ化物粉塵の循環もまた、電極からの放電電圧の低減、及びレーザ性能の劣化をもたらし得る。
【0080】
[0085] 実施形態によっては、ガス放電媒体内の汚染を低減するために、金属フッ化物トラップ(MFT(metal fluoride trap))をMOのチャンバに、並びにPA及び/又はPRAのチャンバに結合することができる。
【0081】
[0086] 本明細書において開示される光源装置及びシステムの実施形態は、電極の長さ全体にわたるガス放電強度の均一性を改善し、電極の不均等な劣化を防止し、窓収容装置を通る流れの分布の制御を改善し、金属フッ化物トラップからの清浄ガス逆流量を増大させることなく効率的なパージをもたらし、光学窓上の金属フッ化物の粉塵堆積を低減し、金属フッ化物トラップ、並びにエキシマレーザビーム(例えば、DUV放射)を、例えば、DUVリソグラフィ装置に提供するための主発振器、パワー増幅器、及び/又はパワーリング増幅器の両方のサービス寿命を増大させ得る。
【0082】
[0087] 図2は、種々の例示的な実施形態に係る、光源装置200を示す。光源装置200は、高コヒーレントなアライメントされたレーザビーム(例えば、レーザビーム202)を、例えば、DUVリソグラフィ装置(例えば、リソグラフィ装置100’)に提供することができる。光源装置200は図2において単体の装置及び/又はシステムとして示されているが、本開示の実施形態は、限定するものではないが、放射源SO、リソグラフィ装置100、100’、及び/又は他の光学システムなどの、他の光学システムと共に用いることができる。実施形態によっては、光源装置200はリソグラフィ装置100、100’内の放射源SOであることができる。例えば、DUV放射ビームBはレーザビーム202であることができる。実施形態によっては、光源装置200は、ガス放電段210(例えば、MO)並びに第2のガス放電段(例えば、ガス放電段210と同様のPA及び/又はPRA)(図示せず)によって形成されたMOPA又はMOPRAであることができる。上述されたように、例えば、特定のMOPA及びMOPRAが、2010年1月5日に発行された、米国特許第7,643,528号、及び2010年10月26日に発行された、米国特許第7,822,092号に以前に記載されている。これらの特許は全体が本明細書において参照により組み込まれる。
【0083】
[0088] 図2に示されるように、光源装置200は、ガス放電段210、電圧制御システム230、圧力制御システム240を含むことができる。実施形態によっては、以上において列挙された構成要素の全てを3次元(3D)フレーム201内に収容することができる。例えば、3Dフレーム201は、金属(例えば、アルミニウム、鋼鉄等)、セラミック、及び/又は任意の他の好適な硬質材料を含むことができる。
【0084】
[0089] ガス放電段210は、高コヒーレント光ビーム(例えば、レーザビーム202)を出力するように構成され得る。ガス放電段210は、放電チャンバ206、第1の光モジュール250(例えば、光結合器(OC)、波面エンジニアリングボックス(WEB))、及び第2の光モジュール260(例えば、線幅狭小化モジュール(LNM)、ビーム反転器(BR))を含むことができる。実施形態によっては、第1の光モジュール250は第1の光共振器要素252を含むことができ、第2の光モジュール260は第2の光共振器要素262を含むことができる。(例えば、第1の光共振器要素252を介して)第1の光モジュール250及び(例えば、第2の光共振器要素262を介して)第2の光モジュール260によって光共振器270を規定することができる。光共振器270を形成するために、第1の光共振器要素252は部分反射型(例えば、部分ミラー)であることができ、第2の光共振器要素262は反射型(例えば、ミラー、格子等)であることができる。光共振器270は、放電チャンバ206によって生成された光を、コヒーレントレーザビーム202を形成するように仕向けることができる。実施形態によっては、ガス放電段210はレーザビーム202を、MOPA機構の部分としてのPA段(図示せず)、又はMOPRA機構の部分としてのPRA段(図示せず)へ出力することができる。実施形態によっては、ガス放電段210は、例えば、OC及びLNMを有する、MO段であることができる。実施形態によっては、ガス放電段210は、例えば、WEB及びBRを有する、PA段であることができる。実施形態によっては、ガス放電段210は、例えば、WEB及びBRを有する、PRA段であることができる。
【0085】
[0090] 図2に示されるように、放電チャンバ206は、チャンバ本体211、第1の窓収容装置218、及び第2の窓収容装置220を含むことができる。チャンバ本体211は、ガス放電媒体213を第1及び第2の窓収容装置218、220内に保持するように構成され得る。上述のように、ガス放電媒体213は、ガスが絶縁破壊させられるか、又は励起され、及び/又はガスが絶縁破壊させられるか、又は励起されたときにプラズマ又は放電プラズマが形成される前のガス又はガス媒体を表し得、矢印はガス放電媒体213のガスの流れを指示する。形成されるプラズマ又は放電プラズマは、ガスが絶縁破壊させられ、及び/又は励起されたときに、プラズマ領域215内で電極204a、204bの間に形成される。チャンバ本体211は、電極204a、204b(まとめて電極204と称される)、ブロワ212、ガス放電媒体213、第1の窓収容装置218、及び第2の窓収容装置220を含むことができる。実施形態によっては、当業者によって理解されるはずであるように、電極204aはカソードであり得、電極204bはアノードであり得る。
【0086】
[0091] 放電チャンバ206は、第1の光モジュール250及び第2の光モジュール260によって規定された光共振器270に光学的に結合され得る。放電チャンバ206は、ガス放電媒体213をチャンバ本体211内において電極204の間で絶縁破壊させ、ガス媒体をプラズマ放電に変換することによって、増幅自然放出光(ASE(amplified spontaneous emission))及び/又はレーザビーム202を出力するように構成され得る。ガス放電媒体213は、ブロワ212によってチャンバ本体211内において電極204の間を循環させることができる。実施形態によっては、ブロワ212は、ガスの流れ217を生じさせる接線ブロワであることができる。
【0087】
[0092] ガス放電媒体213は、ASE及び/又はレーザビーム202(例えば、193nm)を出力するように構成され得る。実施形態によっては、ガス放電媒体213は、エキシマレージングのためのガス(例えば、Ar、Kr、F、Xe、ArF、KrCl、KrF、XeBr、XeCl、XeF等)を含むことができる。例えば、ガス放電媒体213は、チャンバ本体211内の包囲電極204からの励起(例えば、印加電圧)時にArFを形成し、第1及び第2の窓収容装置218、220を通してASE及び/又はレーザビーム202(例えば、193nm)を出力することができる。実施形態によっては、ガス放電媒体213は、エキシマ及び/又はエキシプレックスを形成するためのハロゲンガス及び希ガスを含むことができる。例えば、ガス放電媒体213は、放電プラズマ下でArF、KrF及び/又はXeFを形成する、F、Ar、Kr、及び/又はXeを含むことができる。
【0088】
[0093] 実施形態によっては、第1の光モジュール250は、光ビームを部分反射し、光共振器270の部分を形成するように構成され得る。例えば、第1の光モジュール(例えば、OC、WEB)が、2011年2月8日に発行された、米国特許第7,885,309号、及び2010年1月5日に発行された、米国特許第7,643,528号に以前に記載されている。これらの特許は全体が本明細書において参照により組み込まれる。図2に示されるように、第1の光モジュール250は、放電チャンバ206からの光(例えば、ASE及び/又はレーザビーム202)を放電チャンバ206内へ再び案内し、及び/又はレーザビーム202を出力するための第1の光共振器要素252を含むことができる。実施形態によっては、第1の光共振器要素252は調整することができる(例えば、傾き)。
【0089】
[0094] 実施形態によっては、第2の光モジュール260は、光ビームへ狭まるスペクトル線を提供し、光共振器270の部分を形成するように構成され得る。図2に示されるように、第2の光モジュール260は、放電チャンバ206からの光(例えば、ASE及び/又はレーザビーム202)を第1の光モジュール250に向けて放電チャンバ206内へ再び案内するための第2の光共振器要素262を含むことができる。実施形態によっては、第2の光共振器要素262は調整することができる(例えば、傾き、角度)。
【0090】
[0095] 電圧制御システム230は、チャンバ本体211内の電極204の両端に高電圧電気パルスを印加し、ガス媒体213を放電及び励起し、ASE及び/又はレーザビーム202(例えば、193nm)を出力するように構成され得る。電圧制御システム230は電圧供給ライン232を含むことができる。実施形態によっては、電圧制御システム230は、高電圧電力供給(図示せず)、電圧圧縮増幅器(図示せず)、パルスエネルギーモニタ(図示せず)、及び/又は電極204の両端に高電圧電気パルスを提供するためのコントローラ(図示せず)を含むことができる。
【0091】
[0096] 圧力制御システム240は、チャンバ本体211内のフッ素濃度を制御し、ガス放電媒体213をチャンバ本体211に提供するように構成され得る。圧力制御システム240はガス放電ライン242及び真空ライン244を含むことができる。ガス放電ライン242は、ガス放電媒体213の1種以上のガス成分(例えば、Ar、Kr、F、Xe等)をチャンバ本体211に提供するように構成され得る。真空ライン244は、例えば、ガス放電ライン242を通したガス放電媒体213への1種以上のガス成分の注入の間に、チャンバ本体211内のガス放電媒体213の部分を負圧を提供する(例えば、引き出す)ように構成され得る。実施形態によっては、ガス放電ライン242及び真空ライン244は1つのガスラインとして組み合わせられる。実施形態によっては、圧力制御システム240は、1つ以上のガス源(図示せず)、1つ以上の圧力調整器(図示せず)、真空ポンプ(図示せず)、フッ素(F)トラップ、及び/又はチャンバ本体211内のフッ素濃度を制御し、ガス放電媒体213をチャンバ本体211内に再充填するためのコントローラ(図示せず)を含むことができる。
【0092】
[0097] 図3図13は、本開示の態様に係る電極の対を各々示す。即ち、図3図13は、電極204a及び204bの間の電極及びガス放電媒体213の側面図を示す。例えば、図3図6に示されるように、電極204の各々(即ち、電極204a及び204b)は第1の表面305a、305b(まとめて第1の表面305と称される)をそれぞれ含み得、第1の表面305は、電極204a及び204bによって励起されているときにはプラズマであるガス放電媒体213の方に内向きに面している。加えて、電極の各々は第2の表面310a、310b(まとめて第2の表面310と称される)をそれぞれ含み得、第2の表面310は、ガス放電媒体213から遠ざかる方に面している。
【0093】
[0098] 実施形態によっては、電極204のうちの1つ以上は電極204の各端部に凹状部分を含み得る。凹状部分を有する電極はアンダーカット電極と称され得る。例えば、図3に示されるように、電極204bは電極204bの各端部に凹状部分315を含み得る。実施形態によっては、電極204bは電極204bの一方の端部にのみ凹状部分315を含み得る。上述のように、実施形態によっては、電極204aはカソードであり得、電極204bはアノードであり得るが、他の実施形態では、他の構成が用いられる。実施形態によっては、電極204bは、バルク厚さX、及び放電プラズマに内向きに面した平面状の第1の表面を有し得、凹状部分315は、電極204bの端部が、バルク厚さX未満である厚さYを有するよう、アンダーカット部分を含む。
【0094】
[0099] 図4に示される別の実施例では、電極204aが電極204aの各端部に凹状部分415を含み得る。
【0095】
[0100] 図5に示される別の実施例では、電極204の両方が電極204の各端部に凹状部分515を含み得る。実施形態によっては、電極204のうちの一方又は両方は電極204の一方の端部のみに凹状部分515を含み得る。
【0096】
[0101] 図6に示される別の実施例では、電極204は電極204の各端部に凹状部分615を含み得、凹状部分は各電極204の第1の表面305と第2の表面310との間に形成されている。図6に示される実施例は両方の電極を、凹状部分615を有するように示しているが、どちらか又は両方の電極204が凹状部分615を有し得ることが当業者によって理解されるべきである。
【0097】
[0102] 図3図6に示される実施例は電極204を、長方形又は正方形の凹状部分を有するように示しているが、これらは単に例示の目的ために用いられているにすぎず、本開示の態様によれば、他の形状の凹状部分も更に企図されることが当業者によって理解されるべきである。例えば、図7に示されるように、電極204bの凹状部分715は丸い縁部を有し得る。電極204aが、図7に示されるように、丸いものを同様に有してもよいことが当業者によって理解されるべきである。
【0098】
[0103] 図8に示される一実施例では、電極204bは、第2の表面310b内に形成された凹状部分815を含み得る。実施形態によっては、凹状部分815は電極204bの長さに沿って中心に配設され得る。即ち、凹状部分815は電極204bの中心線に沿って配置され得る。実施形態によっては、凹状部分815は、局所的侵食速度を、電極204bの残りの部分に一致するよう均一にするために、局所的にアンダーカットされ得る。図8は、電極204bを、凹状部分815を有するように示しているが、本開示の態様によれば、電極204aが、第2の表面310a内に形成された凹状部分815を同様に有し得ることが当業者によって理解されるべきである。即ち、実施形態によっては、どちらか又は両方の電極204a、204bが凹状部分815を含み得る。
【0099】
[0104] 図9に示される一実施例では、電極204bは、第2の表面310b内に形成された複数の凹状部分915を含み得る。実施形態によっては、複数の凹状部分915は電極204bの中心線からオフセットし得る。実施形態によっては、複数の凹状部分915は、局所的侵食速度を、電極204bの残りの部分に一致するよう均一にするために、局所的にアンダーカットされ得る。図9は、電極204bを、複数の凹状部分915を有するように示しているが、本開示の態様によれば、電極204aが複数の凹状部分915を同様に有し得ることが当業者によって理解されるべきである。即ち、実施形態によっては、どちらか又は両方の電極204a、204bが複数の凹状部分915を含み得る。
【0100】
[0105] 図10に示される一実施例では、電極204bは、第2の表面310b内に形成された凹状部分1015a、及び電極204bのどちらか若しくは両方の端部における凹状部分1015bの組み合わせを含み得る。実施形態によっては、凹状部分1015aは電極204bの中心線に沿って形成され得るか、又は凹状部分1015aは中心線からオフセットし得る。実施形態によっては、凹状部分1015aは、局所的侵食速度を、電極204bの残りの部分に一致するよう均一にするために、局所的にアンダーカットされ得る。図10は、電極204bを、凹状部分1015a及び凹状部分1015bを有するように示しているが、本開示の態様によれば、電極204aが凹状部分1015a及び凹状部分1015bを同様に有し得ることが当業者によって理解されるべきである。即ち、実施形態によっては、どちらか又は両方の電極204a、204bが凹状部分1015a及び凹状部分1015bを含み得る。
【0101】
[0106] 図11に示される一実施例では、電極204bは、電極204bの本体内に形成された空洞化部分1115を含み得る。実施形態によっては、空洞化部分1115は電極204bの中心線に沿って形成され得る。実施形態によっては、空洞化部分1115は、局所的侵食速度を、電極204bの残りの部分に一致するよう均一にするために、局所的にアンダーカットされ得る。図11は、電極204bを、空洞化部分1115を有するように示しているが、本開示の態様によれば、電極204aが空洞化部分1115を同様に有し得ることが当業者によって理解されるべきである。即ち、実施形態によっては、どちらか又は両方の電極204a、204bが空洞化部分1115を含み得る。
【0102】
[0107] 図12に示される一実施例では、電極204bは、電極204bの本体内に形成された複数の空洞化部分1215を含み得る。実施形態によっては、複数の空洞化部分1215は電極204bの中心線からオフセットし得る。実施形態によっては、複数の空洞化部分1215は、局所的侵食速度を、電極204bの残りの部分に一致するよう均一にするために、局所的にアンダーカットされ得る。図12は、電極204bを、複数の空洞化部分1215を有するように示しているが、本開示の態様によれば、電極204aが複数の空洞化部分1215を同様に有し得ることが当業者によって理解されるべきである。即ち、実施形態によっては、どちらか又は両方の電極204a、204bが複数の空洞化部分1215を含み得る。
【0103】
[0108] 実施形態によっては、図3図12に示される実施例における電極204の凹状部分及び/又は空洞化部分に非導電材料が充填され得る。例えば、図13に示されるように、電極204bのアンダーカット部分に非導電材料1315が充填され得る。実施形態によっては、非導電材料1315は、例えば、セラミック、プラスチック、ポリマー、又は同様のものであり得る。これらは非導電材料の単なる例にすぎず、本開示の態様によれば、他の非導電材料も企図されることが当業者によって理解されるべきである。
【0104】
[0109] 実施形態によっては、本明細書において説明される凹状部分及び空洞化部分は、最適に均一になった電極侵食を達成するために、任意の組み合わせで、及び各々の異なる位置において互いに組み合わせられ得る。
【0105】
[0110] 実施形態によっては、電極204の凹状部分の深さ及び高さは、電極204の近傍における局所的放電プラズマ強度を低減することに基づいて決定され得る。
【0106】
[0111] 実施形態によっては、凹状部分の深さは約0.1~約10cmの範囲に及び得、凹状部分の高さは約0.05~約5cmの範囲に及び得る。これらは電極204の凹状部分の深さ及び高さの単なる例示的な寸法にすぎず、本開示の態様によれば、他の寸法も更に企図されることが当業者によって理解されるべきである。例えば、電極の異なる電極材料又は電極の異なる厚さのために、凹部の異なる寸法を必要とし得る。
【0107】
[0112] 図14は、従来の電極の侵食性能と比較された本開示のアンダーカット電極の侵食性能を図表で示すグラフである。性能グラフは、特定のレーザパルス数当たりの電極の高さの変化として定義された侵食速度対電極上の場所を任意の単位で示す。図14は、従来の電極1405の第1の侵食速度、及び図3に示される実施形態の侵食速度を示す。図14は、例えば、第1の侵食速度1405は、電極の内部と比べて、従来の電極の各端部において、及び従来の電極の中心において、増大した侵食に悩まされることを示す。実施形態によっては、第1の侵食速度1405において示されるように、従来の電極の各端部は、同じ電極の中心部分における侵食速度よりも2~2.5倍大きい侵食速度を呈する。
【0108】
[0113] 実施形態によっては、図3に示されるアンダーカット電極の第2の侵食速度1410は電極の全長にわたってより均一な侵食速度を示す。実施形態によっては、従来の電極の各端部は、図3に示される電極の縁部部分における第2の侵食速度1410よりも2~2.5倍大きい速度1405で侵食される。アンダーカット電極の各端部はアンダーカット電極の中心部分と同程度の侵食速度を有し得る。態様によっては、電極の均等な侵食のゆえに、電極204の寿命は増大し得る。例えば、図14の、電極の端部の改善された侵食速度、及び均一にされた侵食プロファイルは、従来の設計と比べて電極がアンダーカットされた端部における放電プラズマ強度の低減の結果であり得るか、或いは端部における放電プラズマ強度の低減は、電極の端部における空洞化部分によるものか、又は図3図13に示されるものなどの非導電材料アンダーカットが充填されたアンダーカット若しくは空洞化部分によるものであり得る。
【0109】
[0114] 図8図9図11、及び図12に示される実施形態などの、実施形態によっては、アンダーカット部分の場所における、その場所における放電プラズマ強度の低減に起因する侵食速度の低減も、第2の侵食速度1410に示されるものなどの、同様の均一にされた侵食プロファイルをもたらすことになる。
【0110】
[0115] 以上においては、光リソグラフィの状況における実施形態の使用に具体的に言及されたが、実施形態は、他の適用物、例えば、インプリントリソグラフィにおいて用いられてもよく、状況が許す場合には、光リソグラフィに限定されないことは理解されるであろう。
【0111】
[0116] 本明細書の語句又は用語は、説明の目的のためのものであり、限定するものではなく、本明細書の用語又は語句は、関連技術分野の当業者によって、本明細書の教示に照らし合わせて解釈されるべきものであることを、理解されたい。
【0112】
[0117] 本明細書で使用する「基板」という用語は、その上に後続の材料層が追加される材料を表す。実施形態によっては、基板自体がパターン付けされることがあり、基板の上部に追加された材料もパターン付けされることがあるか、又はパターン付けされないままであることがある。
【0113】
[0118] 以下の実施例は本開示の実施形態の例示であり、それらの限定ではない。当技術分野において通常遭遇する、及び当業者に明らかであろう種々の条件及びパラメータの他の好適な変更及び適合も本開示の趣旨及び範囲に含まれる。
【0114】
[0119] 具体的な実施形態について上記で説明したが、実施形態は、説明したものとは別の態様で実施されることがあることを、理解されたい。説明は、請求項の範囲を限定することを意図したものではない。
【0115】
[0120] 「発明の概要」及び「要約」の章ではなく、「発明を実施するための形態」の章が、請求項を解釈するために使用されるように意図されていることを理解されたい。「発明の概要」及び「要約」の章は、発明者らによって企図された例示的な実施形態の、全てではないが1つ又は複数を記載していることがあり、したがって、いかなる態様でも、実施形態及び添付の特許請求の範囲を限定することを意図していない。
【0116】
[0121] 実施形態について、具体的な機能の実装及びそれらの関係を示す機能的構成ブロックの助けを借りて、上述した。これらの機能的構成ブロックの境界は、説明の便宜上、本明細書では任意に規定される。特定の機能及びそれらの関係が適切に実行される限り、代替の境界を規定することができる。
【0117】
[0122] 特定の実施形態についての前述の説明は、実施形態の一般的性質を完全に明らかにしているので、当分野の技術の範疇の知識を応用することによって、他者が、実施形態の一般的な概念から逸脱することなく、不適当な実験を行うことなしに、そのような特定の実施形態を容易に修正するかつ/又は様々な用途へ適合させることができる。したがって、そのような適合及び修正は、本明細書で提示された教示及び指導に基づいて、開示された実施形態の均等物の趣旨及び範囲の内部にあることが意図されている。
【0118】
[0123] 実施形態の広さ及び範囲は、上述された例示的な実施形態のうちのいずれによっても限定されてはならず、添付の請求項及びそれらの等価物にのみ従って定義されるべきである。
【0119】
[0124] 本発明の他の態様が以下の番号付き条項において提示される。
1.ガス放電媒体を保持するように構成されたチャンバと、
ガス放電媒体を励起し、出力光ビームを生成するプラズマを生成するように構成された対向電極の対と、
を備え、
対向電極の対のうちの少なくとも一方の電極が、少なくとも一方の電極の各端部に形成された凹状部分を含む、光源装置。
2.電極の対の各電極が、
ガス放電媒体に内向きに面した第1の表面、及び
第1の表面と反対の第2の表面を含み、少なくとも一方の電極の凹状部分が第2の表面の各端部において第2の表面内に形成されている、条項1に記載の光源装置。
3.少なくとも一方の電極が、バルク厚さ、及びガス放電媒体に内向きに面した平面状の第1の表面を含み、凹状部分が、少なくとも一方の電極の端部がバルク厚さ未満の厚さを有するアンダーカット部分を各々含む、条項1に記載の光源装置。
4.電極の対のうちの少なくとも一方の電極がアノードを含む、条項1に記載の光源装置。
5.電極の対のうちの少なくとも一方の電極がカソードを含む、条項1に記載の光源装置。
6.電極の対の各電極が、各端部に形成された凹状部分を含む、条項1に記載の光源装置。
7.電極の対の各電極が、
ガス放電媒体に内向きに面した第1の表面、及び
第1の表面と反対の第2の表面を含み、少なくとも一方の電極の凹状部分が、第1及び第2の表面の間に形成された空洞化部分である、条項1に記載の光源装置。
8.ガス放電媒体が、エキシマ及び/又はエキシプレックスを形成するためのハロゲンガス及び希ガスを含む、条項1に記載の光源装置。
9.ガス放電媒体が、F、ArF、KrF、及び/又はXeFを含む、条項1に記載の光源装置。
10.チャンバの周りの光共振器を形成するように構成された光学要素のセットを更に備える、条項1に記載の光源装置。
11.アンダーカット電極であって、
ガス放電媒体に内向きに面した第1の表面、
第1の表面と反対の第2の表面、及び
アンダーカット電極の各端部に形成された凹状部分、
を含む、アンダーカット電極。
12.アンダーカット電極がバルク厚さを含み、凹状部分が、アンダーカット電極の端部がバルク厚さ未満の厚さを有する第2の表面内のアンダーカット部分を各々含む、条項11に記載のアンダーカット電極。
13.凹状部分が、第1及び第2の表面の間に形成された空洞化部分である、条項11に記載のアンダーカット電極。
14.空洞化部分に非導電材料が充填されている、条項13に記載のアンダーカット電極。
15.凹状部分が長方形状凹部を含む、条項11に記載のアンダーカット電極。
16.凹状部分が湾曲した凹部を含む、条項11に記載のアンダーカット電極。
17.アンダーカット電極がアノードを含む、条項11に記載のアンダーカット電極。
18.アンダーカット電極がカソードを含む、条項11に記載のアンダーカット電極。
19.ガス媒体を励起し、プラズマを形成するように構成された対向電極の対であって、電極の対の各電極が、
ガス媒体に内向きに面した第1の表面、及び
第1の表面と反対の第2の表面、
を含み、
対向電極の対のうちの少なくとも一方の電極が、少なくとも一方の電極の各端部に形成された凹状部分を含む、対向電極の対。
20.少なくとも一方の電極がバルク厚さを含み、第1の表面が、ガス放電媒体に内向きに面した平面状の表面を含み、凹状部分が、少なくとも一方の電極の端部がバルク厚さ未満の厚さを有するアンダーカット部分を各々含む、条項19に記載の対向電極の対。
21.凹状部分が長方形状凹部を含む、条項19に記載の対向電極の対。
22.凹状部分が湾曲した凹部を含む、条項19に記載の対向電極の対。
23.電極の対の各電極が、各端部に形成された凹状部分を含む、条項19に記載の対向電極の対。
24.ガス放電媒体を保持するように構成されたチャンバと、
ガス放電媒体を励起し、出力光ビームを生成するプラズマを生成するように構成された対向電極の対と、
を備え、
対向電極の対のうちの少なくとも一方の電極が凹状部分又は空洞化部分のうちの少なくとも一方を含む、光源装置。
25.電極の対の各電極が、
ガス放電媒体に内向きに面した第1の表面、及び
第1の表面と反対の第2の表面を含み、少なくとも一方の電極が凹状部分を含み、凹状部分が第2の表面内に形成されている、条項24に記載の光源装置。
26.凹状部分が複数の凹状部分を含む、条項24に記載の光源装置。
27.複数の凹状部分が少なくとも一方の電極の各端部に配置されている、条項26に記載の光源装置。
28.電極の対の各電極が、
ガス放電媒体に内向きに面した第1の表面、及び
第1の表面と反対の第2の表面を含み、少なくとも一方の電極が空洞化部分を含み、空洞化部分が第1及び第2の表面の間に形成されている、条項24に記載の光源装置。
29.空洞化部分が複数の空洞化部分を含む、条項28に記載の光源装置。
30.複数の空洞化部分の各々に非導電材料が充填されている、条項29に記載の光源。
31.凹状部分又は空洞化部分が少なくとも一方の電極の中心線に沿って配置されている、条項24に記載の光源装置。
32.凹状部分又は空洞化部分が少なくとも一方の電極の端部に配置されている、条項24に記載の光源装置。
33.凹状部分又は空洞化部分が少なくとも一方の電極の中心線からオフセットしている、条項24に記載の光源装置。
34.最少の一方の電極が凹状部分及び空洞化部分を含む、条項24に記載の光源装置。
35.凹状部分又は空洞化のうちの少なくとも一方に非導電材料が充填されている、条項24に記載の光源装置。
【0120】
[0125] 実施形態の広さ及び範囲は、上述された例示的な実施形態のうちのいずれによっても限定されてはならず、添付の請求項及びそれらの等価物にのみ従って定義されるべきである。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14