IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ディスコの特許一覧

<>
  • 特許-研削装置 図1
  • 特許-研削装置 図2
  • 特許-研削装置 図3
  • 特許-研削装置 図4
  • 特許-研削装置 図5
  • 特許-研削装置 図6
  • 特許-研削装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】研削装置
(51)【国際特許分類】
   B23Q 17/09 20060101AFI20240105BHJP
   B24B 41/06 20120101ALI20240105BHJP
   B24B 51/00 20060101ALI20240105BHJP
   B24B 7/04 20060101ALI20240105BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
B23Q17/09 B
B24B41/06 L
B24B51/00
B24B7/04 A
H01L21/304 622R
H01L21/304 631
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019222863
(22)【出願日】2019-12-10
(65)【公開番号】P2021091035
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】弁理士法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】万波 秀年
【審査官】マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-311615(JP,A)
【文献】特開2018-148140(JP,A)
【文献】特開平08-206954(JP,A)
【文献】特開平11-255306(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 17/09
B24B 41/06
B24B 51/00
B24B 7/04
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持面によってウェーハを保持する保持手段と、研削砥石を装着し該保持手段に保持されたウェーハを研削する研削手段と、該研削手段と該保持手段とを相対的に該保持面に垂直な方向に研削送りする研削送り手段と、複数のウェーハを収納可能なカセットを載置するカセットステージと、該カセットと該保持手段との間でウェーハを搬送する搬送手段と、を備え、該カセットに収納されているウェーハを該研削砥石で研削する研削装置であって、
該研削砥石を用いてウェーハを研削するために、少なくとも該研削砥石の品種と該研削送り手段の送り速度とを含む加工条件を設定する加工条件設定部と、
設定された該加工条件でウェーハを研削して、一枚目のウェーハを仕上げ厚さまで研削した際の該研削手段の高さと二枚目のウェーハを仕上げ厚さまで研削した際の該研削手段の高さとの差で求められる該研削砥石の消耗量データが記憶される記憶媒体の一領域と、
該カセットに収納されているウェーハの枚数を設定するウェーハ枚数設定部と、
該ウェーハ枚数設定部に設定された該枚数に該消耗量データをかけ該カセットに収納されているウェーハを全て研削した際の該研削砥石の累積消耗量を算出する累積消耗量算出部と、
該研削砥石の残量を認識する残量認識部と、
加工開始前において、該残量認識部によって認識された該研削砥石の残量から該累積消耗量算出部によって算出された該累積消耗量を差し引いた値が砥石残量許容値以下になったら、該カセット内の全てのウェーハの研削が完了する前に該研削砥石が無くなると判断し通知する判断通知部と、を備える、研削装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハを研削砥石で研削する研削装置に関する。
【背景技術】
【0002】
研削砥石で保持手段に保持されたウェーハを研削する研削装置は、ウェーハを研削することによって研削砥石が摩耗するため、研削砥石が無くなる前に加工を実施している最中であっても研削砥石を交換するように作業者に通知している。そして、その通知があった後に、作業者は研削砥石を新しいものに交換している。
【0003】
上記通知は、例えば特許文献1に開示されているように、研削加工中に、装置が研削砥石の残量を遂次リアルタイムで認識し、さらに、ウェーハを一枚研削する毎に、研削終了時の研削手段の高さから算出した砥石消耗量を、該研削砥石の残量から差し引きしていて、研削砥石の残量が予め設定した限界値より小さくなると行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015―036170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
研削装置では、例えば、ウェーハカセットに25枚のウェーハが収納されており、カセットから一枚ずつウェーハを取り出して連続的に研削している。したがって、例えば5枚のウェーハを研削した時に上記の通知が発せられると、25枚のウェーハを研削し終える途中で研削砥石を交換する事になる。
【0006】
そして、研削砥石を交換したことにより、加工室内において一時的に回転するものが無くなったり、加工室を外気に解放したりすることで、加工室内の温度に変化が起きる。その温度変化によって研削砥石を交換する前と後とで、研削後のウェーハの厚さがウェーハ毎に異なってしまうということがある。
よって、ウェーハを研削砥石で研削する研削装置においては、研削砥石を交換する事無くカセット内の全てのウェーハの研削加工を完了させるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明は、保持面によってウェーハを保持する保持手段と、研削砥石を装着し該保持手段に保持されたウェーハを研削する研削手段と、該研削手段と該保持手段とを相対的に該保持面に垂直な方向に研削送りする研削送り手段と、複数のウェーハを収納可能なカセットを載置するカセットステージと、該カセットと該保持手段との間でウェーハを搬送する搬送手段と、を備え、該カセットに収納されているウェーハを該研削砥石で研削する研削装置であって、該研削砥石を用いてウェーハを研削するために、少なくとも該研削砥石の品種と該研削送り手段の送り速度とを含む加工条件を設定する加工条件設定部と、設定された該加工条件でウェーハを研削して、一枚目のウェーハを仕上げ厚さまで研削した際の該研削手段の高さと二枚目のウェーハを仕上げ厚さまで研削した際の該研削手段の高さとの差で求められる該研削砥石の消耗量データが記憶される記憶媒体の一領域と、該カセットに収納されているウェーハの枚数を設定するウェーハ枚数設定部と、該ウェーハ枚数設定部に設定された該枚数に該消耗量データをかけ該カセットに収納されているウェーハを全て研削した際の該研削砥石の累積消耗量を算出する累積消耗量算出部と、該研削砥石の残量を認識する残量認識部と、加工開始前において、該残量認識部によって認識された該研削砥石の残量から該累積消耗量算出部によって算出された該累積消耗量を差し引いた値が砥石残量許容値以下になったら、該カセット内の全てのウェーハの研削が完了する前に該研削砥石が無くなると判断し通知する判断通知部と、を備える、研削装置である。
【発明の効果】
【0008】
従来は、研削加工中に研削砥石の交換の通知がされることがあり、カセット内に収納されている複数のウェーハを同じ研削砥石及び略同じ加工室内温度で研削加工できない事があった。それによって、複数枚のウェーハの研削後の厚さが均一とならない場合が生じていた。
しかし、本発明に係る研削装置は、研削砥石を用いてウェーハを研削するために、少なくとも研削砥石の品種と研削送り手段の送り速度とを含む加工条件を設定する加工条件設定部と、設定された加工条件でウェーハを研削して、一枚目のウェーハを仕上げ厚さまで研削した際の該研削手段の高さと二枚目のウェーハを仕上げ厚さまで研削した際の該研削手段の高さとの差で求められる該研削砥石の消耗量データが記憶される記憶媒体の一領域と、カセットに収納されているウェーハの枚数を設定するウェーハ枚数設定部と、該ウェーハ枚数設定部に設定された該枚数に該消耗量データをかけ該カセットに収納されているウェーハを全て研削した際の該研削砥石の累積消耗量を算出する累積消耗量算出部と、研削砥石の残量を認識する残量認識部と、加工開始前において、残量認識部によって認識された研削砥石の残量から累積消耗量算出部によって算出された累積消耗量を差し引いた値が砥石残量許容値以下になったら、カセット内の全てのウェーハの研削が完了する前に研削砥石が無くなると判断し通知する判断通知部と、を備えることで、カセットに収納されている全てのウェーハの研削加工が完了する前に研削砥石を交換する必要があることを、研削加工を開始する前に作業者に通知するので、通知があった場合に、作業者が研削加工前に研削砥石を交換し、その後、研削加工を開始することができるので、加工された複数枚のウェーハの厚さ等を含む加工結果を均一にする事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】研削装置の一例を示す斜視図である。
図2】一枚目のウェーハを仕上げ厚さまで研削した場合を説明する断面図である。
図3】二枚目のウェーハを研削して消耗量データを得る場合の、研削砥石の消耗量を説明する断面図である。
図4】残量認識部によって研削砥石の残量を認識するために、非接触式の砥石残量検出手段から研削砥石の下面に測定光を照射している状態を説明する断面図である。
図5】残量認識部によって研削砥石の残量を認識するために、非接触式の砥石残量検出手段からホイール基台の下面に測定光を照射している状態を説明する断面図である。
図6】残量認識部によって研削砥石の残量を認識するために、接触式の砥石残量検出手段に研削砥石の下面を接触させている状態を説明する断面図である。
図7】残量認識部によって研削砥石の残量を認識するために、接触式の砥石残量検出手段にホイール基台の下面を接触させている状態を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1に示す研削装置1は、研削手段4によって保持手段30に保持されたウェーハWを研削する装置である。研削装置1のベース10上の前方(-Y方向側)は、保持手段30に対してウェーハWの搬入出が行われる領域である搬入出領域Aとなっており、ベース10上の後方(+Y方向側)は、研削手段4によって保持手段30上に保持されたウェーハWの研削加工が行われる領域である加工領域Bとなっている。
なお、本発明に係る研削装置は、研削手段として粗研削手段と仕上げ研削手段との2軸備え、回転するターンテーブルでウェーハWを保持した保持手段30を各研削手段の下方に位置付ける構成となっていてもよい。
【0011】
図1に示すウェーハWは、本実施形態においては、シリコン母材等からなる円形の半導体ウェーハであり、図1においては下方を向いているウェーハWの表面Waは、複数のデバイスが形成されており、図示しない保護テープが貼着されて保護されている。上側を向いているウェーハWの裏面Wbは、研削加工が施される被加工面となる。なお、ウェーハWはシリコン以外にガリウムヒ素、サファイア、窒化ガリウム、樹脂、セラミックス、又はシリコンカーバイド等で構成されていてもよい。
【0012】
ベース10の正面側(-Y方向側)には、第1のカセットステージ150及び第2のカセットステージ151が設けられており、第1のカセットステージ150には複数の加工前のウェーハWが棚状に収納される第1のカセット150aが載置され、第2のカセットステージ151には複数の加工後のウェーハWが棚状に収納される第2のカセット151aが載置される。
【0013】
第1のカセット150aの+Y方向側の開口の後方には、第1のカセット150aから加工前のウェーハWを搬出するとともに加工後のウェーハWを第2のカセット151aに搬入するロボット155が配設されている。ロボット155に隣接する位置には、仮置き領域152が設けられており、仮置き領域152には位置合わせ手段153が配設されている。位置合わせ手段153は、第1のカセット150aから搬出され仮置き領域152に載置されたウェーハWを、縮径する位置合わせピンで所定の位置に位置合わせ(センタリング)する。
【0014】
位置合わせ手段153と隣接する位置には、ウェーハWを保持した状態で旋回するローディングアーム154aが配置されている。ローディングアーム154aは、位置合わせ手段153において位置合わせされたウェーハWを保持し、加工領域B内に配設されている保持手段30へ搬送する。ローディングアーム154aの隣には、加工後のウェーハWを保持した状態で旋回するアンローディングアーム154bが設けられている。アンローディングアーム154bと近接する位置には、アンローディングアーム154bにより搬送された加工後のウェーハWを洗浄する枚葉式の洗浄手段156が配置されている。洗浄手段156により洗浄・乾燥されたウェーハWは、ロボット155により第2のカセット151aに搬入される。
【0015】
本実施形態においては、上記ロボット155、ローディングアーム154a、及びアンローディングアーム154bによって、第1のカセット150a及び第2のカセット151aと保持手段30との間でウェーハWを搬送する搬送手段が構成される。
【0016】
研削装置1のベース10上に配設されウェーハWを保持する保持手段30は、例えば、その外形が平面視円形状であり、図示しない吸引源に連通しポーラス部材等からなりウェーハWを吸引保持する保持面30aを備えている。また、保持手段30は、カバー39によって周囲から囲まれており、カバー39及びカバー39に連結された蛇腹カバー39aの下に配設された図示しないY軸方向送り手段によって、ベース10上をY軸方向に往復移動可能となっている。また、保持手段30は、Z軸方向の回転軸を中心として回転可能となっている。
【0017】
加工領域Bの後方(+Y方向側)には、コラム12が立設されており、コラム12の-Y方向側の前面には研削手段4と保持手段30とを相対的に保持面30aに垂直なZ軸方向(鉛直方向)に研削送りする研削送り手段2が配設されている。研削送り手段2は、Z軸方向の軸心を有するボールネジ20と、ボールネジ20と平行に配設された一対のガイドレール21と、ボールネジ20の上端に連結しボールネジ20を回動させるモータ22と、内部のナットがボールネジ20に螺合し側部がガイドレール21に摺接する昇降板23と、昇降板23に連結され研削手段4を保持するホルダ24とを備えており、モータ22がボールネジ20を回動させると、これに伴い昇降板23がガイドレール21にガイドされてZ軸方向に往復移動し、ホルダ24に保持された研削手段4がZ軸方向に研削送りされる。
【0018】
保持手段30に保持されたウェーハWを研削加工する研削手段4は、軸方向がZ軸方向である回転軸40と、回転軸40を回転可能に支持するハウジング41と、回転軸40を回転駆動するモータ42と、回転軸40の下端に接続された円環状のマウント43と、マウント43の下面に着脱可能に装着された研削ホイール44とを備える。
【0019】
研削ホイール44は、ホイール基台441と、ホイール基台441の底面に環状に配設された略直方体形状の複数の研削砥石440とを備える。研削砥石440は、例えば、所定のバインダー等で研削砥粒等が固着されて成形されている。
【0020】
回転軸40の内部には、研削水の通り道となる図示しない流路が回転軸40の軸方向(Z軸方向)に貫通して形成されている。この流路はマウント43を通り、ホイール基台441の底面において研削砥石440に向かって研削水を噴出できるように開口している。
【0021】
ウェーハWを研削する際の高さ位置まで下降した研削ホイール44の近傍となる位置には、例えば、研削中においてウェーハWの厚さを接触式にて測定する厚さ測定手段38が配設されている。
厚さ測定手段38は、例えば、一対の厚さ測定器(ハイトゲージ)、即ち、保持手段30の保持面30aの高さ位置測定用の第1の厚さ測定器381と、保持手段30で保持されたウェーハWの被研削面である裏面Wbの高さ位置測定用の第2の厚さ測定器382とを備えている。
【0022】
第1の厚さ測定器381及び第2の厚さ測定器382は、その各先端に、上下方向に昇降し各測定面に接触するコンタクトを備えている。第1の厚さ測定器381(第2の厚さ測定器382)は上下動可能に支持されていると共に、各測定面に対して適宜の力で押し付け可能となっている。厚さ測定手段38は、第1の厚さ測定器381により、基準面となる保持面30aの高さ位置を検出し、第2の厚さ測定器382により、研削されるウェーハWの上面となる裏面Wbの高さ位置を検出し、両者の検出値の差を算出することで、ウェーハWの厚さを研削中に逐次測定することができる。
なお、厚さ測定手段38は、非接触式の厚さ測定手段であってもよい。
【0023】
研削装置1は、装置の全体の制御を行う制御手段9を備えており、制御手段9は、制御プログラムに従って演算処理するCPU及びメモリ等の記憶媒体等から構成されており、図示しない有線又は無線の通信経路を介して、保持手段30をY軸方向に移動させる図示しないY軸方向送り手段、及び研削手段4等に電気的に接続されており、制御手段9の制御の下で、ウェーハWを吸引保持した保持手段30のY軸方向における移動制御や研削手段4に対する位置づけ制御、及び研削手段4における研削ホイール44の回転動作の制御等がされる。
【0024】
例えば、制御手段9は、研削手段4を上下動させる研削送り手段2のモータ22に電気的に接続されている。
例えば、モータ22がサーボモータである場合には、サーボモータのロータリエンコーダは、サーボアンプとしての機能も有する制御手段9に接続されており、制御手段9の出力インターフェイスからサーボモータに対して動作信号が供給された後、サーボモータの回転数をエンコーダ信号として制御手段9の入力インターフェイスに対して出力する。そして、エンコーダ信号を受け取った制御手段9は、サーボモータの回転角度を基に研削手段4の移動量を逐次認識し、これによって研削手段4の高さ位置を逐次認識することができる。
【0025】
例えば、研削装置1は、作業者が研削装置1に対して加工条件等を入力するための入力手段として、タッチパネル16(又は装置付属のキーボード等)を備えている。例えば、タッチパネル16は、制御手段9に電気的に接続されており、作業者が指で触れた位置を検出し、検出結果を示す信号を制御手段9に送信する。タッチパネル16には、入力画面及び表示画面が映し出され、入力画面によって作業者が加工条件の各種情報等を研削装置1に入力して設定でき、表示画面によって加工条件の各種情報等、ウェーハWの研削された裏面Wbの状態、及び装置の各部の状態等を表示できる。
【0026】
研削装置1は、研削砥石440を用いてウェーハWを研削するために少なくとも研削砥石440の品種と研削送り手段2の送り速度とを含む加工条件を設定する加工条件設定部91と、設定された加工条件でウェーハWを一枚研削した際の研削砥石440の消耗量を表す消耗量データ93と、第1のカセット150aに収納されている加工前のウェーハWの枚数を設定するウェーハ枚数設定部95と、消耗量データ93を参照し、[ウェーハW一枚当たりの研削砥石440の消耗量]×[ウェーハ枚数設定部95に設定したウェーハWの枚数]、の式によって第1のカセット150aに収納されているウェーハWを全て研削した際の研削砥石440の累積消耗量を算出する累積消耗量算出部96と、を備えている。
なお、上記のように第1のカセット150aに収納されている加工前のウェーハWの枚数をウェーハ枚数設定部95に作業者が設定入力する以外に、第1のカセット150aに収納されているウェーハWを検知するセンサを備え、センサによってウェーハWの検知によって第1のカセット150aに収納されているウェーハWの枚数が検出され、さらに、ウェーハ枚数設定部95に設定されてもよい。
【0027】
本実施形態において、加工条件設定部91は、制御手段9の記憶媒体の一領域に設定されており、例えば作業者が図示しないタッチパネル16に、少なくとも研削砥石440の砥粒(例えば、ダイヤモンド砥粒等)及びバインダー(例えば、レジン、メタル、又はビトリファイド等)の組み合わせ等によって決められた品種と研削送り手段2による研削手段4の研削送り速度とを加工条件の一部として入力すると、該加工条件が加工条件設定部91に設定(記憶)される。なお、加工条件設定部91に設定される加工条件の一部として、研削ホイール44の回転速度、ウェーハWを保持した保持手段30の回転速度、ウェーハWの種類、ウェーハWの仕上げ厚さ等がさらに含まれていてもよい。
【0028】
本実施形態において、消耗量データ93は、制御手段9の記憶媒体の一領域に記憶されているデータである。消耗量データ93は、例えば、過去の実験で得られたデータである。
以下に、消耗量データ93を得る場合の一例を説明する。
【0029】
研削装置1の加工条件設定部91に設定された加工条件において、研削砥石440の品種は品種1であり、研削送り手段2による研削手段4の研削送り速度は、研削送り速度V1であるとする。また、例えば、研削装置1における研削加工第一枚目のウェーハWの研削前の厚さは300μmであり、ウェーハWの仕上げ厚さは100μmであるとする。
【0030】
図2に示すように、ウェーハWを保持した保持手段30が、研削手段4の下まで移動し、研削手段4の研削ホイール44の回転中心がウェーハWの回転中心に対して所定距離だけ水平方向にずれ、研削ホイール44の回転軌跡がウェーハWの回転中心を通るように保持手段30が位置付けられる。
【0031】
その後、図1に示す制御手段9による制御の下で、研削送り手段2のモータ22を駆動することによって、図2に示す予め把握されている所定の原点高さ位置から研削手段4が所定の速度で下降していく。また、下降し始めた研削手段4の高さ位置は、制御手段9によって常に把握されている。研削加工中は、厚さ測定手段38でウェーハWの厚さがリアルタイムに逐次測定される。その測定結果が、図1に示す制御手段9に送られ、目標の仕上げ厚さに近付くようにモータ22による研削手段4の研削送り量が制御され、一枚目のウェーハWが仕上げ厚さ(100μm)まで研削される。
【0032】
研削砥石440の消耗量については、研削される前のウェーハWの厚さと研削された後のウェーハWの厚さとの差からウェーハWが研削された研削量を制御手段9が認識し、さらに、制御手段9が、研削砥石440がウェーハWの裏面Wbに接触した際の高さ位置Z0からの研削手段4の研削送り量(下降量)、即ち、研削前の研削手段4の高さ位置Z0と研削終了時の研削手段4の高さ位置Z1との差を認識して、[研削手段4の研削送り量]-[厚さ測定手段38で測定されたウェーハWが研削された研削量]=[研削砥石440の消耗量]として算出できる。
例えば、一枚目のウェーハWが仕上げ厚さまで研削された場合の、研削砥石440の最初の消耗量は、消耗量L1であるとする。本消耗量L1は、一枚目のウェーハWに施される研削加工が安定したものとはならない場合や、セットアップ誤差が生じる場合が多いこと等を理由として、消耗量データ93として基本的には採用されない。
【0033】
次に、図3に示す二枚目のウェーハWに対する研削加工が、上記に説明したように同様に実施されることで、ウェーハWが仕上げ厚さ100μmまで研削され、研削終了時の研削手段4の高さ位置Z2が認識され、さらに、図3に示す研削砥石440の消耗量L2が算出される。二枚目のウェーハWに対する研削加工は安定し、セットアップ誤差等が生じないため、該消耗量L2が、設定された加工条件、即ち、少なくとも研削砥石440の品種は品種1であり、研削送り手段2による研削手段4の研削送り速度は、研削送り速度V1である加工条件でウェーハWを一一枚研削した際の研削砥石440の消耗量(消耗量データ93)となる。なお、さらに複数枚のウェーハWを研削して、一枚研削するごとの研削砥石440の消耗量を算出して、該複数の消耗量の平均値を消耗量データ93として認定してもよい。
また、一枚目のウェーハWを仕上げ厚さまで研削した際の、研削手段4の高さ位置と、二枚目のウェーハWを仕上げ厚さまで研削した際の研削手段4の高さ位置との差をウェーハW一枚を研削した際の研削砥石440の消耗量(消耗量データ93)としてもよい。
【0034】
研削装置1は、上記のように得られた消耗量データ93の他にも、加工条件ごとに異なる消耗量データを複数制御手段9に備えている。
【0035】
図1に示すように、研削装置1は、研削砥石440の残量を認識する残量認識部92を備えている。残量認識部92は、例えば、制御手段9に組み込まれている。また、残量認識部92は、図1に示す砥石残量検出手段35に有線又は無線の通信経路を介して電気的に接続されている。
【0036】
非接触式の砥石残量検出手段35は、例えば、保持手段30を囲繞するカバー39上に配設されており、砥石残量検出手段35は、図示しないY軸方向送り手段によってY軸方向に往復移動可能な保持手段30及びカバー39と共に、Y軸方向に往復移動可能となっている。なお、砥石残量検出手段35の配設位置は、研削手段4の下方となる位置であれば、カバー39上に限定されるものではなく、移動可能となっていなくてもよい。
【0037】
砥石残量検出手段35は、例えば、反射型(拡散反射型又は限定反射型等)の光電センサであり、投光部350と受光部351とを1つのセンサアンプ内に内蔵している。
なお、保持手段30と砥石残量検出手段35との間には、保持手段30側から研削屑等が砥石残量検出手段35側に進入するのを防ぐ図示しない遮蔽板が設置されていてもよい。
【0038】
以下に、研削装置1によってウェーハWを研削する場合の、研削装置1の各構成要素の動作について説明する。
まず、例えば、作業者がタッチパネル16の入力画面上に表示される複数の加工条件から、これから加工するウェーハWに対する加工条件を選択して、制御手段9に入力する。選択した加工条件は、少なくとも研削砥石440の品種は品種1であり、研削送り手段2による研削手段4の研削送り速度は、研削送り速度V1である加工条件であるとする。該選択された加工条件は、加工条件設定部91に設定される。
【0039】
また、作業者がタッチパネル16の入力画面から、第1のカセット150aに収納されている研削加工前のウェーハWの枚数を制御手段9に入力する。なお、該ウェーハWの枚数設定は、研削装置1が第1のカセットステージ150に載置された第1のカセット150a内のウェーハWの枚数をセンサ等によって自動的に把握するものとしてもよい。該ウェーハWの枚数は、例えば、25枚であるとする。そして、ウェーハWの枚数25枚が、ウェーハ枚数設定部95に設定される。
【0040】
制御手段9に組み込まれている累積消耗量算出部96が、制御手段9の記憶媒体に記憶されている消耗量データ93を参照し、[ウェーハW一枚当たりの研削砥石440の消耗量]×[ウェーハ枚数設定部95に設定したウェーハWの枚数]=[図3に示す消耗量L2]×25=第1のカセット150aに収納されている25枚のウェーハWを全て研削した際の研削砥石440の累積消耗量L9を算出する。
【0041】
また、砥石残量検出手段35及び残量認識部92により、研削手段4に装着されている研削砥石440の残量が認識される。該残量認識は、例えば、研削装置1の加工開始前の暖機運転時等に行われる。
該残量認識においては、まず、図示しないY軸方向送り手段によって、例えば保持手段30と共に移動する砥石残量検出手段35が、図3に示す任意の高さ位置Z3に位置する研削手段4の研削砥石440の下面直下に位置づけられる。
そして、砥石残量検出手段35の投光部350が研削砥石440の下面に向かって測定光を照射する。そして、CCD等からなる受光部351が研削砥石440の下面で反射した測定光を受光することで、光学的三角測距の測定原理等によって砥石残量検出手段35から研削砥石440の下面までのZ軸方向における距離を測定できる。該距離は、例えば、距離Laとなる。砥石残量検出手段35から、制御手段9に対して距離Laについての情報が送られ、制御手段9に記憶される。
【0042】
次いで、図示しないY軸方向送り手段によって、砥石残量検出手段35が、研削手段4のホイール基台441の下面直下に位置づけられる。なお、研削手段4の高さ位置Z3は維持される。
そして、砥石残量検出手段35の投光部350がホイール基台441の下面に向かって測定光を照射する。そして、受光部351がホイール基台441の下面で反射した測定光を受光することで、砥石残量検出手段35からホイール基台441の下面までのZ軸方向における距離Lcを測定できる。砥石残量検出手段35から、制御手段9に対して距離Lcについての情報が送られ、制御手段9に記憶される。
【0043】
制御手段9に組み込まれている残量認識部92は、距離Lcから距離Laを引いた値を、研削砥石440の残量として認識する。例えば、[距離Lc]-[距離La]=研削砥石440の残量Ldとなる。
【0044】
研削砥石440の残量の認識は、上記の実施形態に限定されるものではない。
例えば、研削装置1は、砥石残量検出手段35に代えて、図6に示す接触式の砥石残量検出手段36を備えていてもよい。
砥石残量検出手段36は、例えば、研削砥石440の下面又はホイール基台441の下面が接触し昇降可能な被接触昇降部365と、被接触昇降部365をZ軸方向に昇降可能に収容するケーシング360と、ケーシング360の内部底面に配設され被接触昇降部365を昇降可能に支持するバネ等の弾性部材364と、研削送り手段2によって下降する研削砥石440の下面又はホイール基台441の下面が被接触昇降部365に接触して被接触昇降部365が下降を開始するときを検出する透過型の光センサと、を備えている。
例えば、砥石残量検出手段36は、図示しない無線又は有線の通信経路を介して図1に示す制御手段9に各種検知信号を送信することができる。
【0045】
下降する研削砥石440の下面又はホイール基台441の下面が接触することで被接触昇降部365が下降を開始するときを検出する透過型の光センサは、ケーシング360の側壁の内側面に配設され互いにY軸方向において対向する投光部362及び受光部363を備えている。被接触昇降部365が下降することによって、投光部362が投光した測定光が遮光されることで受光部363は受光量の減少を検出して、被接触昇降部365に研削砥石440の下面又はホイール基台441の下面が接触したことを検出する。なお、砥石残量検出手段36は、透過型の光センサに限定されるものではなく、静電容量型の近接センサであってもよいし、被接触昇降部365の上面に配設され研削砥石440の下面又はホイール基台441の下面が接触したこと直に検出する圧力センサ等であってもよい。
【0046】
図6に示す砥石残量検出手段36及び残量認識部92により、研削砥石440の残量を認識する場合を説明する。
図示しないY軸方向送り手段によって、例えば保持手段30と共に移動する砥石残量検出手段36が、研削手段4の研削砥石440の下面直下に位置づけられる。
そして、制御手段9による制御の下で研削送り手段2が、予め把握されている高さ位置に位置している研削手段4を所定の速度で下降させていく。また、下降し始めた研削手段4の高さ位置は、制御手段9によって常に把握されている。
【0047】
例えば、図6に示すように、下降する研削手段4の研削砥石440の下面が、被接触昇降部365の上面に接触して、被接触昇降部365が下降を開始することによって透過型の光センサの受光部363が測定光の減少を検出する。砥石残量検出手段36から検出信号が制御手段9に送信され、制御手段9による制御の下で、研削送り手段2による研削手段4の-Z方向への研削送りが停止する。さらに、制御手段9は、研削砥石440の下面が被接触昇降部365の上面に接触した時点における研削手段4の高さ位置を記憶する。該高さ位置は、例えば、図6に示す高さ位置Z4である。
【0048】
次いで、図示しないY軸方向送り手段によって、図7に示すように、砥石残量検出手段36が研削手段4のホイール基台441の下面直下に位置づけられる。
そして、制御手段9による制御の下で研削送り手段2が、予め把握されている高さ位置に位置している研削手段4を所定の速度で下降させていく。
【0049】
例えば、図7に示すように、下降する研削手段4のホイール基台441の下面が、被接触昇降部365の上面に接触して、光センサの受光部363が測定光の減少を検出する。砥石残量検出手段36から検出信号が制御手段9に送信され、制御手段9による制御の下で、研削手段4の-Z方向への研削送りが停止する。さらに、制御手段9は、ホイール基台441の下面が被接触昇降部365の上面に接触した時点における研削手段4の高さ位置Z5を認識する。
【0050】
図1に示す制御手段9に組み込まれている残量認識部92は、図7に示す高さ位置Z4から高さ位置Z5を引いた値を、研削砥石440の残量として認識する。例えば、[高さ位置Z4]-[高さ位置Z5]=研削砥石440の残量Ldとなる。
【0051】
研削装置1は、図1に示す判断通知部99を備えている。判断通知部99は、本実施形態においては、制御手段9に組み込まれている。
判断通知部99は、加工開始前において、残量認識部92によって認識された研削砥石440の残量Ldから累積消耗量算出部96によって先に説明したように算出された累積消耗量L9を差し引いた値L10を算出する。
【0052】
さらに、判断通知部99は、算出した値L10が砥石残量許容値(例えば、0μm)以下となるか、又は砥石残量許容値を超えるか否かを判断する。
例えば、値L10が0μm以下となったとする。この場合には、第1のカセット150a内の25枚全てのウェーハWの研削が完了する前に研削砥石440が無くなると判断し、タッチパネル16に該判断を表示したり、図示しないスピーカから該判断を発報したりして、該判断を作業者に通知する。この場合には、該判断を認識した作業者が、ウェーハWの研削加工を開始する前に、研削手段4に装着されている研削砥石440の残量が残量Ldである研削ホイール44を、新しい研削ホイール44と交換する。
なお、研削砥石440の砥石残量許容値を例えば数μmとしておき、加工開始前において、残量認識部92によって認識された研削砥石440の残量Ldから累積消耗量算出部96によって先に説明したように算出された累積消耗量L9を差し引いた値L10が、砥石残量許容値以下となった場合には、判断通知部99は、研削手段4に現時点で装着されている研削ホイール44が25枚のウェーハWを全て研削するのには不適との通知を作業者に通知するものとしてもよい。
【0053】
なお、例えば、値L10が砥石残量許容値(例えば、0μm)を超える場合には、図1に示す第1のカセット150a内の25枚全てのウェーハWの研削が完了する前に品種1の研削砥石440は無くならないと判断して、本実施形態のように例えばフルオートの研削装置1では、ウェーハWの研削加工を開始するために、第1のカセット150aからロボット155により一枚のウェーハWが搬出される。
なお、砥石残量許容値は、0を含め整数が設定される。
【0054】
例えば、研削ホイール44が新しいものに交換された後に、図1に示すウェーハWの研削が開始される場合には、保持手段30がローディングアーム154aの近傍まで移動する。また、ロボット155が第1のカセット150aから一枚のウェーハWを引き出し、ウェーハWを仮置き領域152に移動させる。
【0055】
位置合わせ手段153によりウェーハWが仮置き領域152上でセンタリングされた後、ローディングアーム154aが、センタリングされたウェーハWを保持手段30上に搬送する。そして、図示しない吸引源が作動して、保持手段30が保持面30a上でウェーハWを裏面Wbが上方に露出した状態で吸引保持する。
【0056】
次いで、ウェーハWを保持した図1に示す保持手段30が、研削手段4の下まで+Y方向へ移動する。研削手段4が研削送り手段2により-Z方向へ研削送り速度V1で送られ、回転軸40の回転に伴って回転する研削ホイール44の品種1の研削砥石440がウェーハWの裏面Wbに当接することで研削が行われる。研削中は、保持手段30が回転するのに伴って、保持面30a上に保持されたウェーハWも回転するので、研削ホイール44がウェーハWの裏面Wbの全面の研削加工を行う。また、研削水が研削砥石とウェーハWとの接触部位に対して供給され、接触部位が冷却されるとともに、接触部位に発生する研削屑が洗浄除去される。
【0057】
ウェーハWを所望の厚さ(例えば、厚さ100μm)になるまで研削した後、研削送り手段2により研削手段4を上昇させてウェーハWから離間させ、さらに保持手段30を-Y方向に移動させてアンローディングアーム154bの近傍に位置づける。次いで、アンローディングアーム154bによって裏面Wbを吸引保持されたウェーハWが、洗浄手段156に搬送される。洗浄手段156によってウェーハWの裏面Wbがスピンナー洗浄され、さらに乾燥された後に、ロボット155により第2のカセット151aに搬入される。
【0058】
第1のカセット150aに収納されている25枚のウェーハWに対して、上記のような研削加工が順に施されていき、第1のカセット150a内の全てのウェーハWに対する研削加工が完了する。
【0059】
上記のように、本発明に係る研削装置1は、研削砥石440を用いてウェーハWを研削するために、少なくとも研削砥石440の品種と研削送り手段2の送り速度とを含む加工条件を設定する加工条件設定部91と、設定された加工条件でウェーハWを一枚研削した際の研削砥石440の消耗量を表す消耗量データ93と、第1のカセット150aに収納されているウェーハWの枚数を設定するウェーハ枚数設定部95と、消耗量データ93を参照し、ウェーハW一枚当たりの研削砥石440の消耗量×ウェーハ枚数設定部95に設定したウェーハWの枚数、の式によって第1のカセット150aに収納されているウェーハWを全て研削した際の研削砥石440の累積消耗量を算出する累積消耗量算出部96と、研削砥石440の残量を認識する残量認識部92と、加工開始前において、残量認識部92によって認識された研削砥石440の残量から累積消耗量算出部96によって算出された累積消耗量を差し引いた値が砥石残量許容値以下になったら、第1のカセット150a内の全てのウェーハWの研削が完了する前に研削砥石440が無くなると判断し通知する判断通知部99と、を備えることで、第1のカセット150aに収納されている全てのウェーハWの研削加工が完了する前に研削砥石440を交換する必要があることを、研削加工を開始する前に作業者に通知するので、通知があった場合に、作業者が研削加工前に研削砥石440を第1のカセット150a内の全てのウェーハWを研削可能な新たな研削砥石440に交換し、その後、研削加工を実施するので、加工された複数枚のウェーハWの厚さ等を含む加工結果を均一にする事ができる。
【0060】
なお、本発明に係る研削装置1は上記実施形態に限定されるものではなく、また、添付図面に図示されている各構成等についても、これに限定されず、本発明の効果を発揮できる範囲内で適宜変更可能である。
【0061】
例えば、設定された加工条件でウェーハWを一枚研削した際の研削砥石440の消耗量の算出は、先に説明したように算出される例に限定されるものではなく、例えば、砥石残量検出手段36と残量認識部92とにより、ウェーハWを一枚研削する前の研削砥石440の砥石残量を測定し、さらに、ウェーハWを一枚研削した後の研削砥石440の砥石残量を測定し、研削前後の砥石残量の差を算出して、該消耗量を求めてもよい。
【0062】
例えば、本実施形態においては、過去にウェーハWの研削加工を行った際の加工条件と同一の加工条件でウェーハWの研削加工を行ったが、過去に行ったことの無い加工条件でウェーハWに研削加工を施す場合には、ウェーハW又はダミーウェーハを用いて、研削加工開始前に新たな加工条件を加工条件設定部91に設定して加工実験を行い、その結果得ることができた消耗量データを新たに制御手段9に記憶させる。
【符号の説明】
【0063】
W:ウェーハ
1:研削装置 10:ベース A:搬入出領域 B:加工領域 12:コラム
150:第1のカセットステージ 150a:第1のカセット
151:第2のカセットステージ 151a:第2のカセット
155:ロボット 152:仮置き領域 153:位置合わせ手段
154a:ローディングアーム 154b:アンローディングアーム 156:洗浄手段
30:保持手段 30a:保持面 39:カバー 39a:蛇腹カバー
2:研削送り手段 20:ボールネジ 21:ガイドレール 22:モータ 23:昇降板 24:ホルダ
4:研削手段 40:回転軸 41:ハウジング 42:モータ 43:マウンタ 44:研削ホイール 441:ホイール基台 440:研削砥石
38:厚さ測定手段 381:第1の厚さ測定器 382:第2の厚さ測定器
9:制御手段 91:加工条件設定部 93:消耗量データ 95:ウェーハ枚数設定部
96:累積消耗量算出部 92:残量認識部 99:判断通知部
35:砥石残量検出手段 350:投光部 351:受光部
36:砥石残量検出手段 365:被接触昇降部 360:ケーシング 364:弾性部材 362:投光部 363:受光部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7