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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】表示装置、表示方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 11/20 20060101AFI20240105BHJP
   G06F 3/04847 20220101ALI20240105BHJP
【FI】
G06T11/20 600
G06F3/04847
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2023566984
(86)(22)【出願日】2023-02-17
(86)【国際出願番号】 JP2023005762
【審査請求日】2023-10-31
(31)【優先権主張番号】P 2022027937
(32)【優先日】2022-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000231464
【氏名又は名称】株式会社アルバック
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(72)【発明者】
【氏名】茶谷 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】林 裕太
(72)【発明者】
【氏名】▲曾▼山 俊也
(72)【発明者】
【氏名】川久保 大輔
【審査官】岡本 俊威
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-333665(JP,A)
【文献】国際公開第2013/114510(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 11/00 -11/80
G06F 3/048- 3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の表示先の動作を制御し前記表示先に、N次元(Nは2又は3)のグラフであるN次元グラフを複数表示させる表示制御処理、を実行する表示制御部、
を備え、
予め定められた複数の種類の説明変数のそれぞれを表示候補説明変数と定義し、予め定められた複数の種類の目的変数のそれぞれを表示候補目的変数と定義して、前記N次元グラフのそれぞれは前記表示候補説明変数のうちのQ-1種類(Qは2以上の整数)の説明変数と前記表示候補目的変数のうちの1種類の目的変数との間の関係を示すグラフであり、
複数の前記N次元グラフには、説明変数が共通であり目的変数が互いに異なる第1グラフと第2グラフとが含まれ、
前記表示制御処理は、前記共通の説明変数を除く表示候補説明変数である補助説明変数の1又は複数を値の変更の対象として指定する補助説明変数情報と、前記補助説明変数の変更後の値である現在変数値を示す情報と、を含む固定値変更情報、の取得に関する所定の条件が満たされた場合に、前記表示先に表示させる前記第1グラフと前記第2グラフとを前記補助説明変数情報が示す補助説明変数の値を前記固定値変更情報が示す現在変数値に変更したことによる変化後のグラフに更新する処理、を含み、
前記第1グラフ又は前記第2グラフは、前記共通の説明変数の各値に対する目的変数の代表値及び散布度を示すグラフである、
表示装置。
【請求項2】
前記表示制御処理は、前記表示候補説明変数のうちのQ-1種類を示す指定情報の取得に関する所定の条件が満たされた場合に、前記表示先に表示させる前記第1グラフと前記第2グラフとを前記指定情報が示す表示候補説明変数を前記共通の説明変数とするグラフに更新する処理を含む、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記表示先に、前記第1グラフ又は前記第2グラフが示す目的変数の前記代表値とモデル構築のために用いた値とを表示させる、
請求項1又は請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1グラフ又は前記第2グラフが示す目的変数の前記代表値及び前記散布度は、各前記表示候補説明変数の値と各前記表示候補目的変数の値との組に基づいて予め得られた数理モデルであって、各前記表示候補説明変数の値ごとに前記代表値及び前記散布度を推定する数理モデル、を用いて得られた値である、
請求項1又は請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記数理モデルは、機械学習の方法によって得られた学習済みの数理モデルである、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記機械学習の方法は、アンサンブル学習である、
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記アンサンブル学習によって得られた数理モデルが推定する前記代表値は、学習済みの各弱学習器の推定の結果の分布における代表値であり、前記数理モデルが推定する前記散布度は、前記分布における散布度である、
請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記数理モデルは、ガウス過程回帰である、
請求項5に記載の表示装置。
【請求項9】
前記表示先が表示するグラフであって前記表示制御処理による更新後のグラフは、前記条件が満たされるたびに前記表示制御部が前記数理モデルを用いて推定することで得たグラフである、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項10】
前記グラフを示す情報を予め記憶する記憶部、
をさらに備え、
前記表示先が表示するグラフであって前記表示制御処理による更新後のグラフは、前記記憶部から読み出されたグラフである、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
前記表示制御部は、補助説明変数それぞれについて、取り得る値の範囲を示す情報と現在変数値を示す情報と、を前記表示先に表示させる、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
前記表示制御部は、前記補助説明変数の取り得る値の範囲を示すスライダーの画像と、前記スライダーの画像に重畳して表示されたハンドルの画像であって重畳先のスライダーの画像上の位置が前記第1グラフ又は前記第2グラフの生成に用いられる現在変数値を示すハンドルの画像とを、前記補助説明変数ごとに前記表示先に表示させる、
請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記共通の説明変数を除く表示候補説明変数である補助説明変数の変更後の値である現在変数値の入力を受け付ける現在変数値取得部、
をさらに備え、
前記表示制御部は、前記現在変数値取得部に値が入力された場合に、前記表示先の動作を制御して、前記ハンドルの画像の表示される前記位置を前記現在変数値取得部に入力された値を示す位置に更新させる、
請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記現在変数値の入力を受け付け、受け付けた前記現在変数値を前記現在変数値取得部に出力する入力部、
をさらに備え、
前記入力部は、ハンドルの位置が予め対応付けられた前記目的変数の値を示すスライダーであって、前記ハンドルの操作による前記現在変数値の入力を受け付けるスライダー、を備える、
請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
所定の表示先の動作を制御し前記表示先に、N次元(Nは2又は3)のグラフであるN次元グラフを複数表示させる表示制御処理、を実行する表示制御部、を備え、予め定められた複数の種類の説明変数のそれぞれを表示候補説明変数と定義し、予め定められた複数の種類の目的変数のそれぞれを表示候補目的変数と定義して、前記N次元グラフのそれぞれは前記表示候補説明変数のうちのQ-1種類(Qは2以上の整数)の説明変数と前記表示候補目的変数のうちの1種類の目的変数との間の関係を示すグラフであり、複数の前記N次元グラフには、説明変数が共通であり目的変数が互いに異なる第1グラフと第2グラフとが含まれ、前記表示制御処理は、前記共通の説明変数を除く表示候補説明変数である補助説明変数の1又は複数を値の変更の対象として指定する補助説明変数情報と、前記補助説明変数の変更後の値である現在変数値を示す情報と、を含む固定値変更情報、の取得に関する所定の条件が満たされた場合に、前記表示先に表示させる前記第1グラフと前記第2グラフとを前記補助説明変数情報が示す補助説明変数の値を前記固定値変更情報が示す現在変数値に変更したことによる変化後のグラフに更新する処理、を含み、前記第1グラフ又は前記第2グラフは前記共通の説明変数の各値に対する目的変数の代表値及び散布度を示すグラフである、表示装置、が実行する表示方法であって、
所定の表示先の動作を制御し前記表示先に、N次元(Nは2又は3)のグラフであるN次元グラフを複数表示させる表示制御ステップ、
を有し、
前記表示制御ステップは、前記共通の説明変数を除く表示候補説明変数である補助説明変数の1又は複数を値の変更の対象として指定する補助説明変数情報と、前記補助説明変数の変更後の値である現在変数値を示す情報と、を含む固定値変更情報、の取得に関する前記所定の条件が満たされた場合に、前記表示先に表示させる前記第1グラフと前記第2グラフとを前記補助説明変数情報が示す補助説明変数の値を前記固定値変更情報が示す現在変数値に変更したことによる変化後のグラフに更新する処理、を含む、
表示方法。
【請求項16】
請求項1に記載の表示装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、表示方法、及びプログラムに関する。
本願は、2022年2月25日に日本に出願された特願2022-027937号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
多次元データの表示は、表示された情報からユーザが得る情報に大きな影響を及ぼす。このため、多次元データを如何に表示するかが重要である。なお、多次元とは、2次元や3次元など複数の次元を意味する。これまで、多次元データを表示する方法として、散布図や平行座標プロットを用いた特徴量間の相関関係を示す方法が提案されてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2013/114510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、散布図や平行座標プロットを用いる多次元データの表示方法においては、直感的に多次元データを把握することが難しいという問題があった。すなわち、表示された情報から情報を得るにはユーザが労力を要する場合があった。また、実験パラメータを任意の値に変更して所望のグラフを表示させるには、その都度、プログラムの変更が必要であった。そして、プログラムを変更するにしても、プログラムに関する専門知識が無いと変更が難しいという問題もあった。このように、これまでの多次元のデータの表示の方法では、情報を得るのに要する労力が大きい場合があった。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、多次元のデータから情報を得るのに要する労力を軽減する技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、所定の表示先の動作を制御し前記表示先に、N次元(Nは2又は3)のグラフであるN次元グラフを複数表示させる表示制御処理、を実行する表示制御部、を備え、予め定められた複数の種類の説明変数のそれぞれを表示候補説明変数と定義し、予め定められた複数の種類の目的変数のそれぞれを表示候補目的変数と定義して、前記N次元グラフのそれぞれは前記表示候補説明変数のうちのQ-1種類の説明変数と前記表示候補目的変数のうちの1種類の目的変数との間の関係を示すグラフであり、複数の前記N次元グラフには、説明変数が共通であり目的変数が互いに異なる第1グラフと第2グラフとが含まれ、前記表示制御処理は、前記共通の説明変数を除く表示候補説明変数である補助説明変数の1又は複数を値の変更の対象として指定する補助説明変数情報と、前記補助説明変数の変更後の値である現在変数値を示す情報と、を含む固定値変更情報、の取得に関する所定の条件が満たされた場合に、前記表示先に表示させる前記第1グラフと前記第2グラフとを前記補助説明変数情報が示す補助説明変数の値を前記固定値変更情報が示す現在変数値に変更したことによる変化後のグラフに更新する処理、を含み、前記第1グラフ又は前記第2グラフは、前記共通の説明変数の各値に対する目的変数の代表値及び散布度を示すグラフである、表示装置である。
【0007】
本発明の一態様は、所定の表示先の動作を制御し前記表示先に、N次元(Nは2又は3)のグラフであるN次元グラフを複数表示させる表示制御処理、を実行する表示制御部、を備え、予め定められた複数の種類の説明変数のそれぞれを表示候補説明変数と定義し、予め定められた複数の種類の目的変数のそれぞれを表示候補目的変数と定義して、前記N次元グラフのそれぞれは前記表示候補説明変数のうちのQ-1種類の説明変数と前記表示候補目的変数のうちの1種類の目的変数との間の関係を示すグラフであり、複数の前記N次元グラフには、説明変数が共通であり目的変数が互いに異なる第1グラフと第2グラフとが含まれ、前記表示制御処理は、前記共通の説明変数を除く表示候補説明変数である補助説明変数の1又は複数を値の変更の対象として指定する補助説明変数情報と、前記補助説明変数の変更後の値である現在変数値を示す情報と、を含む固定値変更情報、の取得に関する所定の条件が満たされた場合に、前記表示先に表示させる前記第1グラフと前記第2グラフとを前記補助説明変数情報が示す補助説明変数の値を前記固定値変更情報が示す現在変数値に変更したことによる変化後のグラフに更新する処理、を含み、前記第1グラフ又は前記第2グラフは前記共通の説明変数の各値に対する目的変数の代表値及び散布度を示すグラフである、表示装置、が実行する表示方法であって、所定の表示先の動作を制御し前記表示先に、N次元(Nは2又は3)のグラフであるN次元グラフを複数表示させる表示制御ステップ、を有し、前記表示制御ステップは、前記共通の説明変数を除く表示候補説明変数である補助説明変数の1又は複数を値の変更の対象として指定する補助説明変数情報と、前記補助説明変数の変更後の値である現在変数値を示す情報と、を含む固定値変更情報、の取得に関する前記所定の条件が満たされた場合に、前記表示先に表示させる前記第1グラフと前記第2グラフとを前記補助説明変数情報が示す補助説明変数の値を前記固定値変更情報が示す現在変数値に変更したことによる変化後のグラフに更新する処理、を含む、表示方法である。
【0008】
本発明の一態様は、上記の表示装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、多次元のデータから情報を得るのに要する労力を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態の表示装置の概要を説明する説明図である。
図2】実施形態における表示部が表示する表示の一例を示す第1の図である。
図3】実施形態における表示部が表示する表示の一例を示す第2の図である。
図4】実施形態における表示装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5】実施形態における制御部の機能構成の一例を示す図である。
図6】実施形態の表示装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態)
図1は、実施形態の表示装置1の概要を説明する説明図である。表示装置1は、表示を行う表示部10を備える。表示装置1は、表示部10によって多次元のデータである多次元データを表示する。なお、多次元とは、2次元や3次元など複数の次元を意味する。また、表示装置1は、表示部10の動作を制御する表示制御部101を備える。したがって、表示装置1は、表示制御部101による表示部10の動作の制御により、多次元データを表示部10によって表示する。なお、必ずしも表示装置1が表示部10を備える必要はない。表示装置1とは異なる筐体に表示部10に実装されていてもよい。以下、説明の簡単のため、表示装置1が表示部10を備える場合を例として、表示装置1を説明する。
【0012】
図2は、実施形態における表示部10が表示する表示の一例を示す第1の図である。表示部10の動作は、表示制御部101によって制御される。このため、図2が示す表示G1は、表示制御部101が表示部10に表示させた表示の一例である。表示G1には、4つのグラフG101~G104が表示されている。4つのグラフG101~G104においては、いずれも、横軸が説明変数の値を表す軸であり、縦軸が目的変数の値を表す軸である。4つのグラフのG101~G104の横軸が表す説明変数の種類は、同一である。4つのグラフG101~G104は、いずれも、横軸の各値に対する目的変数の代表値及び散布度を示すグラフである。代表値は、例えば、平均である。散布度は、例えば、標準偏差である。
【0013】
表示G1には、さらに、7つのスライダーの画像G105~G111が表示されている。各スライダーの画像は、それぞれグラフG101~G104の横軸として表示されうる説明変数の候補を示す。スライダーの画像が示す各説明変数は、たとえグラフの横軸として表示されてなくても、グラフの縦軸として表示されている目的変数に対する説明変数である。したがって、グラフの横軸として表示されていない説明変数の値が変化すると、グラフも変化する。
【0014】
表示G1には、7つのハンドルの画像G112~G118がそれぞれスライダーの画像G105~G111に重畳して表示されている。ハンドルの画像は、重畳先のスライダーの画像上の位置によって、重畳先のスライダーの画像が示す説明変数の値を示す。
例えば、スライダーの画像の上部にハンドルの画像が位置している場合と下部にハンドルの画像が位置している場合とを比較する。この場合、上部にハンドルの画像が位置していることは、下部にハンドルの画像が位置している場合よりも、説明変数の値が大きいことを表す。
【0015】
なお、表示G1の7つのスライダーの画像のうち、5つの画像は、同じ表現で表示されている。2つの画像が異なる表現で表示されている。具体的には、スライダーの画像G105、画像G106、画像G108、画像G110、及び画像G111が同じ表現で表示されている。画像G107と画像G109は、画像G105、画像G106、画像G108、画像G110、及び画像G111とは異なる表現で表示されている。さらに、画像G107と画像G109も互いに異なる表現で表示されている。なお、表現が同じとは、例えば、同じ色で表現されることである。
【0016】
図2に示す例において、画像G109は、グラフG101~G104の横軸として表示されている説明変数を示すスライダーの画像である。図2に示す例において画像G107は、ユーザが値を変更する対象の説明変数を示すスライダーの画像である。7つのスライダーの画像のうち、残りの5つの画像は、グラフG101~G104を得るために用いられた固定値を示す。
【0017】
すなわち、7変数の関数F(x1、x2、x3、x4、x5、x6、x7)を用いる場合を説明する。ここで、図2が示すグラフは、x1~x7のうちの6つの値を固定して残りの1つの説明変数に対する関数Fの依存性を表示したグラフである。値が固定された6つの説明変数のうち、これからユーザが値を変更しようとして選択した説明変数が、画像G107のスライダーの画像が示す説明変数である。
【0018】
図3は、実施形態における表示部10が表示する表示の一例を示す第2の図である。表示部10の動作は、表示制御部101によって制御される。このため、図3に示す表示G2は、表示制御部101が表示部10に表示させた表示の一例である。
【0019】
表示G2には、4つのグラフG201~G204が表示されている。4つのグラフG201~G204においては、いずれも、横軸が説明変数の値を表す軸であり、縦軸が目的変数の値を表す軸である。4つのグラフのG201~G204の横軸が表す説明変数の種類は、同一である。4つのグラフG201~G204は、いずれも、横軸の各値に対する目的変数の代表値及び散布度を示すグラフである。
【0020】
表示G2には、さらに、7つのスライダーの画像G205~G211が表示されている。各スライダーの画像は、それぞれグラフG201~G204の横軸として表示されうる説明変数の候補を示す。
【0021】
表示G2には、7つのハンドルの画像G212~G218がそれぞれスライダーの画像G205~G211に重畳して表示されている。
【0022】
なお、表示G2の7つのスライダーの画像のうち、5つの画像は、同じ表現で表示されている。2つの画像が異なる表現で表示されている。具体的には、スライダーの画像G205、画像G206、画像G208、画像G210、及び画像G211が同じ表現で表示されている。画像G207と画像G209は、画像G205、画像G206、画像G208、画像G210、及び画像G211とは異なる表現で表示されている。さらに、画像G207と画像G209も互いに異なる表現で表示されている。
【0023】
図3に示す例において、画像G209は、グラフG201~G204の横軸として表示されている説明変数を示すスライダーの画像である。図3に示す例において画像G207は、ユーザが値を変更する対象の説明変数を示すスライダーの画像である。7つのスライダーの画像のうち、残りの5つの画像は、グラフG201~G204を得るために用いられた固定値を示す。
【0024】
図3に示す表示G2は、図2が示す画像においてスライダーの画像G107の説明変数の値が変更された結果、表示G1が更新された、更新後の表示である。
【0025】
このように、表示制御部101は、表示部10等の所定の表示先の動作を制御して、その所定の表示先に、説明変数と目的変数との間の関係を示すグラフを1又は複数表示させる。所定の表示先に表示させる各グラフの説明変数は、予め定められた複数の種類の説明変数に含まれる変数である。以下、予め定められた複数の種類の説明変数のそれぞれを表示候補説明変数と定義する。また、所定の表示先に表示させる各グラフの目的変数は、それぞれ、予め定められた複数の種類の目的変数に含まれる変数である。以下、予め定められた複数の種類の目的変数のそれぞれを表示候補目的変数と定義する。
【0026】
<いくつかの具体例>
図2及び図3に表示されたグラフは、所定の表示先を表示するグラフの具体例であるが、ここで改めて表示候補説明変数と表示候補目的変数の言葉を用いて、説明の簡単のためグラフが2個である場合を例に表示部10の表示の具体例を説明する。
【0027】
例えば、所定の表示先を表示するグラフが2次元のグラフである場合を考える。このような場合において、所定の表示先が表示する各グラフの説明変数は、表示候補説明変数の1つである説明変数X1である。そして、所定の表示先が表示する複数のグラフの1つにおける目的変数は、表示候補目的変数の1つである目的変数Y1であり、他のグラフの1つにおける目的変数は、表示候補目的変数の1つであって目的変数Y1と異なる目的変数Y2である。
【0028】
他の具体例を説明する。例えば、所定の表示先が表示するグラフが3次元のグラフである場合を考える。このような場合において、所定の表示先が表示する各グラフの説明変数は、表示候補説明変数の2つである説明変数X1と説明変数X2とである。説明変数X1と説明変数X2とは互いに異なる変数である。そして、所定の表示先が表示する複数のグラフの1つにおける目的変数は、表示候補目的変数の1つである目的変数Y1であり、他のグラフの1つにおける目的変数は、表示候補目的変数の1つであって目的変数Y1と異なる目的変数Y2である。
【0029】
このように表示制御部101は、表示制御処理を実行する。表示制御処理は、表示部10等の所定の表示先の動作を制御し、所定の表示先に、N次元(Nは2又は3)のグラフであるN次元グラフを複数表示させる処理である。N次元グラフのそれぞれは、表示候補説明変数のうちのQ-1種類(Qは2以上の整数)の説明変数と表示候補目的変数のうちの1種類の目的変数との間の関係を示すグラフである。そして、N次元グラフのそれぞれは、表示候補説明変数のうちのQ-1種類の説明変数と表示候補目的変数のうちの1種類の目的変数との間の関係を示すグラフである。
【0030】
さらに、表示されるN次元グラフには、説明変数が共通であり目的変数が互いに異なる第1グラフと第2グラフとが含まれる。以下、第1グラフと第2グラフとに共通の説明変数を対象説明変数という。第1グラフの説明変数と第2グラフの説明変数とは共通である。このため、対象説明変数は、第1グラフの説明変数であり、第2グラフの説明変数でもある。対象説明変数は、例えば、図2が示すスライダーの画像G109が示す説明変数である。
【0031】
対象説明変数の具体例は、例えば、上述の2次元グラフの例における説明変数X1である。この場合、第1グラフの目的変数の具体例は、例えば、目的変数Y1であり、第2グラフの目的変数の具体例は、例えば、目的変数Y2である。対象説明変数の具体例は、例えば、上述の3次元グラフの例における説明変数X1及びX2である。この場合、第1グラフの目的変数の具体例は、例えば、目的変数Y1であり、第2グラフの目的変数の具体例は、例えば、目的変数Y2である。
【0032】
ところで、所定の表示先に表示される画像は、指定情報の取得に関する所定の条件(以下「第1更新条件」という。)が満たされたタイミングで少なくとも更新される。指定情報は、表示候補説明変数のうちのQ-1種類を示す情報である。より具体的には、指定情報は、対象説明変数を指示する情報である。
【0033】
第1更新条件は、例えば、ユーザによって指定情報が自装置(すなわち表示装置1)に入力されたという条件である。第1更新条件は、例えば、外部装置を介して指定情報が自装置に入力されたという条件であってもよい。第1更新条件は、例えば、表示制御部101が指定情報を取得したという条件であってもよい。
【0034】
第1更新条件が満たされた場合の画像は、具体的には、第1グラフと第2グラフとを指定情報が示す表示候補説明変数を対象説明変数とするグラフに更新される。グラフの更新では、指定情報が示す対象説明変数以外の各表示候補説明変数については、第1更新条件が満たされる直前の各表示候補説明変数の値が用いられる。
【0035】
ところで、第1更新条件が満たされる直前における対象説明変数は、グラフの軸として表示されているので1つの値に定められていない場合がある。しかしながら、第1更新条件が満たされる直前における対象説明変数は、第1更新条件が満たされた後においては対象説明変数ではない。そのため、第1更新条件が満たされる直前における対象説明変数は、グラフの更新に際しては1つの値を有する必要がある。そこで、グラフの更新の際の第1更新条件が満たされる直前における対象説明変数の値としては、例えば、予め定められた所定の値が用いられる。グラフの更新の際の第1更新条件が満たされる直前における対象説明変数の値としては、ユーザが指定した値が用いられてもよい。
【0036】
また所定の表示先に表示される画像は、固定値変更情報の取得に関する所定の条件(以下「第2更新条件」という。)が満たされたタイミングにおいても更新されてよい。固定値変更情報は、補助説明変数情報と、補助説明変数情報が指定した各説明変数の値の変更後の値を示す情報と、を含む。
【0037】
補助説明変数は、対象説明変数を除く表示候補説明変数である。補助説明変数情報は、補助説明変数の1又は複数を値の変更の対象として指定する情報である。図2から図3への表示の変化は、第2更新条件が満たされたことによる変化である。図2から図3への表示の変化において、補助説明変数情報が示す補助説明変数は、画像G107が示す説明変数であった。以下、補助説明変数の値を現在変数値という。現在変数値は、表示候補説明変数の値であって第1グラフと第2グラフとの生成に用いられる。
【0038】
第2更新条件は、例えば、ユーザによって固定値変更情報が自装置(すなわち表示装置1)に入力されたという条件である。第2更新条件は、例えば、外部装置を介して固定値変更情報が自装置に入力されたという条件であってもよい。第2更新条件は、例えば、表示制御部101が固定値変更情報を取得したという条件であってもよい。
【0039】
第2更新条件が満たされた場合、表示制御部101は、固定値変更情報が示す現在変数値に応じたグラフに更新する。例えば、表示制御部101は、固定値変更情報が示す現在変数値と後述する分布推定モデルとを用いた推定を行う。そして表示制御部101は、所定の表示先が表示する各グラフを、分布推定モデルが推定したグラフに更新する。
【0040】
以下、第1更新条件が満たされた場合に、所定の表示先に表示させる第1グラフと第2グラフとを指定情報が示す表示候補説明変数を対象説明変数とするグラフに更新する処理を第1更新処理という。また、以下グラフの表示を更新する処理を表示グラフ更新処理という。したがって、表示グラフ更新処理は、第1更新処理を含む。表示グラフ更新処理は、表示制御部101が実行する。表示中の画像の更新とは、更新の直前の画像と同一又は異なる画像を表示することである。このため、表示グラフ更新処理は、表示制御処理に含まれる処理である。
【0041】
表示グラフ更新処理は、第2更新処理も含む。第2更新処理は、第2更新条件が満たされた場合に、所定の表示先に表示させる第1グラフと第2グラフとを固定値変更情報の含む補助説明変数情報が示す説明変数の値を固定値変更情報が示す現在変数値に変更したことによる変化後のグラフに更新する処理、である。すなわち、第2更新処理は、第2更新条件が満たされた場合に実行される処理であって、上述の、固定値変更情報が示す現在変数値に応じたグラフに更新する処理である。図2から図3への変化は、第2更新処理の結果である。
【0042】
なお、図2及び図3に具体例として示したように、第1グラフ又は第2グラフは、対象説明変数の各値に対する目的変数の代表値及び散布度を示すグラフである。
【0043】
また、第1グラフ又は前記第2グラフが示す目的変数の代表値の少なくとも一部は、予め与えられた値であってもよい。
【0044】
また、第1グラフ又は第2グラフが示す目的変数の代表値及び散布度は、例えば、分布推定モデルを用いて得られた値であってもよい。分布推定モデルは、各表示候補説明変数の値と各表示候補目的変数の値との組に基づいて予め得られた数理モデルであって、各表示候補説明変数の値ごとに代表値及び散布度を推定する数理モデルである。したがって、分布推定モデルは、例えば、ガウス過程回帰である。分布推定モデルは、例えば、各表示説明変数の値と各表示候補目的変数の値との組を教師データとする機械学習の方法により得られた学習済みの数理モデルであってもよい。機械学習の方法のより詳細な例は、変形例にて説明する。
【0045】
図4は、実施形態における表示装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。表示装置1は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ91とメモリ92とを備える制御部11を備え、プログラムを実行する。表示装置1は、プログラムの実行によって制御部11、通信部12、入力部13、記憶部14及び出力部15を備える装置として機能する。
【0046】
より具体的には、表示装置1は、プロセッサ91が記憶部14に記憶されているプログラムを読み出し、読み出したプログラムをメモリ92に記憶させる。プロセッサ91が、メモリ92に記憶させたプログラムを実行することによって、表示装置1は、制御部11、通信部12、入力部13、記憶部14及び出力部15を備える装置として機能する。
【0047】
制御部11は、表示装置1が備える各種機能部の動作を制御する。制御部11は、例えば、表示制御処理を実行する。
【0048】
通信部12は、表示装置1を外部装置に接続するための通信インタフェースを含んで構成される。通信部12は、有線又は無線を介して外部装置と通信する。外部装置は、例えば、指定情報の送信元の装置である。通信部12は、例えば、指定情報の送信元の装置との通信により指定情報を取得する。
【0049】
入力部13は、例えば、マウスやキーボード、タッチパネル等の入力装置を含んで構成される。入力部13は、これらの入力装置を表示装置1に接続するインタフェースとして構成されてもよい。入力部13は、表示装置1に対する各種情報の入力を受け付ける。入力部13には、例えば、指定情報が入力される。入力部13には、例えば、固定値変更情報が入力される。
【0050】
入力部13には、例えば、表示部10に表示させる各グラフにおける目的変数のそれぞれの種類を指定する情報(以下「目的変数指定情報」という。)が入力されてもよい。目的変数指定情報が入力された場合、各グラフが示す目的変数は、目的変数指定情報の指定する目的変数に変更される。したがって、表示部10に表示させる各グラフの目的変数の種類は、ユーザが変更可能である。なお、目的変数指定情報は、通信部12を介して入力されてもよい。
【0051】
記憶部14は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などのコンピュータ読み出し可能な記憶媒体装置を用いて構成される。記憶部14は、表示装置1に関する各種情報を記憶する。記憶部14は、例えば、通信部12又は入力部13を介して入力された情報を記憶する。
【0052】
記憶部14は、固定値変更情報が入力された場合、固定値変更情報を示す現在変数値に、記憶済みの現在変数値を更新する。記憶部14は、例えば、制御部11による処理の実行により生じた各種情報を記憶する。記憶部14は、予め分布推定モデルを用いた推定により得られたグラフを記憶する。第1更新条件又は第2更新条件が満たされた場合、表示先が表示するグラフであって表示グラフ更新処理による更新後のグラフは、記憶部14から読み出されたグラフである。より具体的には、表示グラフ更新処理による更新後のグラフは、分布推定モデルを用いた推定により得られたグラフであって記憶部14が記憶するグラフのうちの、指定情報と記憶している現在変数値とに対応したグラフである。対応したグラフとは、指定情報が示す説明変数を対象説明変数とするグラフであって、表示候補説明変数のうちの対象説明変数以外の説明変数の値が現在変数値であるグラフである。
【0053】
出力部15は、各種情報を出力する。出力部15は、所定の出力先の一例である。出力部15は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置を含んで構成される。出力部15は、これらの表示装置を表示装置1に接続するインタフェースとして構成されてもよい。出力部15は、例えば、入力部13に入力された情報を出力する。出力部15は、例えば、制御部11による処理の実行の結果を表示してもよい。
【0054】
なお、入力部13と出力部15とは、タッチパネルとして一体に構成されてもよい。タッチパネルとして構成される場合、指定情報や現在変数値の入力は、例えば、画面のタッチの操作で行われる。タッチの操作は、例えば、図2が示すスライダーを動かす操作であってもよく、スライダーの操作で現在変数値が変更される。また、タッチの操作は、例えば、図の説明変数を示すスライダーをタッチする操作であってもよい。タッチの操作によりタッチされたスライダーの説明変数が対象説明変数に設定される。
【0055】
図5は、実施形態における制御部11の機能構成の一例を示す図である。制御部11は、表示制御部101、入力情報取得部111、通信制御部112、入力制御部113、記憶制御部114及び出力制御部115を備える。
【0056】
入力情報取得部111は、通信部12又は入力部13に入力された各種情報を取得する。入力情報取得部111は、例えば、第1グラフ又は第2グラフの生成に用いられる現在変数値の入力を受け付ける。
【0057】
表示制御部101は、上述した各種処理を実行する。したがって、表示制御部101は、例えば、表示制御処理を実行する。
【0058】
また、表示制御部101は、補助説明変数のそれぞれについて、取り得る値の範囲を示す情報と現在変数値を示す情報と、を前記表示先に表示させてもよい。例えば、図2及び図3におけるスライダーの画像とハンドルの画像とが、所定の表示先に表示された、取り得る値の範囲を示す情報と現在変数値を示す情報との一例である。したがって、例えば、表示制御部101は、補助説明変数の取り得る値の範囲を示すスライダーの画像と、スライダーの画像に重畳して表示されたハンドルの画像であって重畳先のスライダーの画像上の位置が現在変数値を示すハンドルの画像とを、補助説明変数ごとに所定の表示先に表示させてもよい。
【0059】
また、表示制御部101は、例えば、入力情報取得部111に現在変数値が入力された場合に、所定の表示先の動作を制御して、ハンドルの画像の表示される前記位置を前記現在変数値取得部に入力された値を示す位置に更新させてもよい。この更新の一例が図2から図3への変化におけるハンドルの画像G114からハンドルの画像G214への変化である。
【0060】
通信制御部112は、通信部12の動作を制御する。入力制御部113は、入力部13の動作を制御する。記憶制御部114は、記憶部14の動作を制御する。出力制御部115は、出力部15の動作を制御する。
【0061】
図6は、実施形態の表示装置1が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。表示制御部101が少なくとも第1グラフと第2グラフとを、所定の表示先に表示させる(ステップS101)。次に、表示制御部101は、第2更新条件が満たされたか否かを判定する(ステップS102)。第2更新条件が満たされない場合(ステップS102:NO)、ステップS102の処理に戻る。一方、第2更新条件が満たされた場合(ステップS102:YES)、第2更新処理を実行する(ステップS103)。第2更新処理の実行により、所定の表示先に表示させる第1グラフと第2グラフとが、補助説明変数情報が示す説明変数の値を固定値変更情報が示す現在変数値に変更したことによる変化後のグラフに更新される。
【0062】
このように構成された実施形態における表示装置1は、対象説明変数の各値に対する目的変数の代表値及び散布度を示すグラフを表示する。代表値や散布度は、図2及び図3に示したように直感的な理解が容易である。そのため、表示装置1は、多次元のデータから情報を得るのに要する労力を軽減することができる。
【0063】
また、このように構成された実施形態における表示装置1は、表示グラフ更新処理を実行する。そのため、ユーザがプログラムを変更することなく、対象説明変数を変えた後の結果を得ることができる。そのため、表示装置1は、多次元のデータから情報を得るのに要する労力を軽減することができる。
【0064】
(変形例)
ここまで、第1更新条件又は第2更新条件が満たされた場合に所定の表示先を表示するグラフが、予め記憶部14に記憶済みのグラフのうちの指定情報又は現在変数値に応じたグラフに更新される場合を例に表示装置1を説明した。しかしながら、グラフは、必ずしも予め記憶部14に記憶済みである必要はない。第1更新条件又は第2更新条件が満たされるたびに、例えば、ステップS103の処理の一部として実行され、記憶部14に記憶された分布推定モデルを用いた推定を表示制御部101が実行して、グラフを得てもよい。さらに、このような場合、分布推定モデルは、予め記憶部14が記憶済みであってもよい。第1更新条件又は第2更新条件が満たされるたびに、例えば、ステップS103の処理の一部として実行されて、分布推定モデルが得られてもよい。
【0065】
機械学習の方法で得られる分布推定モデルは、例えば、複数の推定器を備えるニューラルネットワークで表現される数理モデルであって、各推定器の推定の結果の分布を出力するニューラルネットワークで表現される数理モデルであってもよい。したがって、機械学習の方法は、例えば、アンサンブル学習等の複数の弱学習器を用いた方法であってもよい。アンサンブル学習は、例えば、バギングであってもよい。
【0066】
アンサンブル学習によって得られた分布推定モデルの場合、図2及び図3が示すグラフ等の説明変数と目的変数との間の関係を示すグラフが示す代表値は、例えば、各推定器の推定の結果の分布における代表値である。また、アンサンブル学習によって得られた分布推定モデルの場合、図2及び図3が示すグラフ等の説明変数と目的変数との間の関係を示すグラフが示す散布度は、例えば、各推定器の推定の結果の分布における散布度である。アンサンブル学習によって得られた分布推定モデルの含む各推定器は、アンサンブル学習の実行時の各弱学習器である。したがって、学習済みの弱学習器が推定器である。
【0067】
なお、記憶部14に記憶されたグラフは、情報の内容の変更に関するユーザの指示に応じて変更が可能である。変更は、そのユーザの指示に応じて、分布推定モデル、を用いて得られた結果への変更である。
【0068】
なお、入力部13は、上述したように第1グラフ又は第2グラフの生成に用いられる現在変数値の入力を受け付け、受け付けた現在変数値を入力情報取得部111に出力してもよい。このような場合、入力部13のハードウェア構成は、ハンドルの位置が予め対応付けられた目的変数の値を示すスライダーであって、ハンドルの操作による現在変数値の入力を受け付けるスライダー、を備えるという条件を満たすハードウェア構成であってもよい。なお、この場合のハンドルとは、ユーザが掴むことの可能なハンドルである。
【0069】
なお、入力情報取得部111は、現在変数値取得部の一例である。なお、表示制御部101は、所定の表示先に、第1グラフ又は第2グラフが示す目的変数の代表値とモデル構築のために用いた値とを表示させる。なお、モデル構築のために用いた値は、例えば、それぞれ説明変数の値を一つに定めた際に、実験等の観測により実際に観測されるそれぞれの目的変数の値である。なお、図3に示すグラフG201~G204の“observed values”の各点は、このようなモデル構築のために用いた値を示す点の一例である。
【0070】
なお、表示装置1は、ネットワークを介して通信可能に接続された複数台の情報処理装置を用いて実装されてもよい。この場合、表示装置1のそれぞれが備える各機能部は、複数の情報処理装置に分散して実装されてもよい。
【0071】
なお、表示装置1の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0072】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0073】
1…表示装置、 11…制御部、 12…通信部、 13…入力部、 14…記憶部、 15…出力部、 101…表示制御部、 111…入力情報取得部、 112…通信制御部、 113…入力制御部、 114…記憶制御部、 115…出力制御部、 91…プロセッサ、 92…メモリ
【要約】
本発明の表示装置は、所定の表示先の動作を制御し前記表示先に、N次元グラフを複数表示させる表示制御処理、を実行する表示制御部を備える。予め定められた複数の種類の説明変数のそれぞれを表示候補説明変数と定義し、予め定められた複数の種類の目的変数のそれぞれを表示候補目的変数と定義して、前記N次元グラフのそれぞれは前記表示候補説明変数のうちのQ-1種類(Qは2以上の整数)の説明変数と前記表示候補目的変数のうちの1種類の目的変数との間の関係を示すグラフである。複数の前記N次元グラフには、説明変数が共通であり目的変数が互いに異なる第1グラフと第2グラフとが含まれる。前記表示制御処理は、補助説明変数の1又は複数を値の変更の対象として指定する補助説明変数情報と現在変数値を示す情報とを含む固定値変更情報の取得に関する所定の条件が満たされた場合に、前記表示先に表示させる前記第1グラフと前記第2グラフとを前記補助説明変数情報が示す補助説明変数の値を前記固定値変更情報が示す現在変数値に変更したことによる変化後のグラフに更新する処理を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6