(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】現像装置及びプロセスカートリッジ及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20240109BHJP
【FI】
G03G15/08 366
(21)【出願番号】P 2019147500
(22)【出願日】2019-08-09
【審査請求日】2022-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100127111
【氏名又は名称】工藤 修一
(72)【発明者】
【氏名】土屋 右騎
(72)【発明者】
【氏名】藤原 香弘
(72)【発明者】
【氏名】押川 雄樹
(72)【発明者】
【氏名】間瀬 隆介
(72)【発明者】
【氏名】川島 直大
(72)【発明者】
【氏名】橋川 ほたる
【審査官】飯野 修司
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-122456(JP,U)
【文献】特開平08-123165(JP,A)
【文献】特開2008-257075(JP,A)
【文献】特開2013-125212(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
その端部に軸方向への現像剤の移動を規制するフランジ部を有し、現像剤を搬送する回転可能な現像剤搬送部材と、
前記現像剤搬送部材の支軸を回転可能に支持する軸受部材と、
前記フランジ部の前記軸受部材側の面に設けられ、前記フランジ部と前記軸受部材との間に進入した現像剤を移動させる現像剤移動部材と、
前記支軸に設けられ前記現像剤に接触する放熱部と、を有
し、
前記放熱部は前記現像剤移動部材と前記支軸との間に挟まれるように配設されている現像装置。
【請求項2】
請求項1記載の現像装置において、
前記現像剤移動部材は前記フランジ部の前記軸受部材側の面に設けられた突条により形成されていることを特徴とする現像装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の現像装置において、
前記現像剤移動部材が複数個設けられていることを特徴とする現像装置。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか一つに記載の現像装置において、
前記現像剤移動部材は湾曲形状を呈することを特徴とする現像装置。
【請求項5】
現像剤を搬送する回転可能な現像剤搬送部材と、
前記現像剤搬送部材の支軸を回転可能に支持する軸受部材とを備え、
前記現像剤搬送部材はその端部に軸方向への現像剤の移動を規制するフランジ部を有し、前記フランジ部の前記軸受部材側の面には該フランジ部と前記軸受部材との間に進入した現像剤を移動させる現像剤移動部材を有する現像装置であって、
前記支軸は熱を逃がす放熱部を有し、前記現像剤移動部材は前記放熱部の補強部材を兼ねていることを特徴とする現像装置。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか一つに記載の現像装置と、前記現像装置から現像剤を供給される像担持体とを有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項7】
請求項1ないし5の何れか一つに記載の現像装置と、画像を形成する画像形成部とを有することを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置及びプロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤を用いて、像担持体上に形成された静電潜像を現像して可視化させる現像装置が知られている。このような現像装置では、現像剤を担持する現像ローラ、現像剤の供給及び回収を行う供給回収スクリュ、現像剤の攪拌を行う攪拌スクリュを備え、供給回収スクリュと攪拌スクリュとの間にパドル部材を設け、パドル部材によって供給回収スクリュと攪拌スクリュとの間での現像剤のやりとりを円滑に行う技術が提案されている。
【0003】
しかし上述の技術では、パドル部において現像剤が滞留してしまい、現像剤の円滑な流動が阻害されるという問題点があった。そこで、回収スクリュに、現像剤を搬送するスクリュ部と、軸方向に平行な羽根を備えたパドル部と、スクリュ部の現像剤搬送方向下流端とパドル部の現像剤搬送方向上流端とを繋ぐように形成された連結部とを設ける技術が提案されている(例えば「特許文献1」参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した回収スクリュ等のスクリュ部材には、フランジ部が設けられている。このフランジ部とスクリュを回転可能に支持する軸受部材の配設位置との間には隙間があり、この隙間に入り込んだ現像剤は流動性が失われるために不動の現像剤である不動剤となり易い。
本発明は上述の問題点を解決し、不動剤の発生を抑制して異常画像の発生を抑制することが可能な現像装置及びプロセスカートリッジ及び画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、その端部に軸方向への現像剤の移動を規制するフランジ部を有し、現像剤を搬送する回転可能な現像剤搬送部材と、前記現像剤搬送部材の支軸を回転可能に支持する軸受部材と、前記フランジ部の前記軸受部材側の面に設けられ、前記フランジ部と前記軸受部材との間に進入した現像剤を移動させる現像剤移動部材と、前記支軸に設けられ前記現像剤に接触する放熱部と、を有し、前記放熱部は前記現像剤移動部材と前記支軸との間に挟まれるように配設されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、不動剤の発生が抑制され白スジ等の異常画像の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る現像装置の概略構成図である。
【
図3】本発明の一実施形態に用いられる現像装置の要部概略図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に用いられるフランジ部及びパドル部材を説明する概略図である。
【
図5】本発明の第2の実施形態に用いられるフランジ部及びパドル部材を説明する概略図である。
【
図6】本発明の第3の実施形態に用いられるフランジ部及びパドル部材を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示している。同図においてモノクロの画像形成装置であるプリンタ1は、装置本体2の内部に像担持体である回転自在な感光体ドラム3を有している。感光体ドラム3の周囲には、感光体ドラム3の表面を一様に帯電させる帯電部材としての帯電ローラ4、帯電された感光体ドラム3の表面を露光して静電潜像を形成する露光装置5、形成された静電潜像にトナーを供給して現像を行う現像装置6が配設されている。さらに感光体ドラム3の周囲には、現像装置6に供給する現像剤としてのトナーを収容した図示しないトナーカートリッジ、感光体ドラム3の表面から転写残トナーを除去するクリーニング装置7、感光体ドラム3の表面を除電して初期化させる図示しない除電手段等が配設されている。
上述した感光体ドラム3、帯電ローラ4、露光装置5、現像装置6、図示しないトナーカートリッ
ジ、クリーニング装置7、図示しない除電手段は一体的に構成されており、装置本体2に対して着脱自在なプロセスカートリッジ8を構成している。
【0009】
現像装置6は、感光体ドラム3の表面に対して近接配置され感光体ドラム3の表面にトナーを供給する現像ローラ9を有しており、現像ローラ9の芯部には図示しないバイアス電源からマイナス電位のバイアス電圧が印加される。また、帯電ローラ4にも他の図示しないバイアス電源からマイナス電位のバイアス電圧が印加される。
感光体ドラム3の回転に伴い、クリーニング装置7によって感光体ドラム3の周囲から掻き取られた転写残トナーは、図示しない搬送手段により図示しない回収容器に搬送される。帯電ローラ4は、除電後に清掃された感光体ドラム3の表面を一様な高電位に帯電させ初期化させる。その後、画像データに基づいて露光装置5が感光体ドラム3の表面を選択的に露光し、一様な高電位に帯電している感光体ドラム3の表面に露光によって電位の減衰した低電位部と露光されていない高電位部とからなる静電潜像が形成される。そして、形成された低電位部に現像装置6からトナーが転移され、静電潜像がトナーによってトナー像へと顕像化される。
【0010】
装置本体2の下方には、被記録媒体であるシートSを多数枚収容した給紙トレイ10と、給紙トレイ10からシートSを給送する給紙ローラ11と、給送されるシートSを一枚ずつに分離する分離ローラ12とが配設されている。給紙ローラ11のシート搬送方向下流側には、シートSを搬送するレジストローラ対13が配設されている。
シート搬送経路を介して感光体ドラム3と対向する位置には、感光体ドラム3上に形成されたトナー像をシートSに転写させる転写ローラ14が配設されており、転写ローラ14のシート搬送方向下流側には加熱ローラ15及び加圧ローラ16を有する定着装置17が配設されている。
【0011】
定着装置17のシート搬送方向下流側には、定着されたシートSを搬送する搬送ローラ対18と、シートSを機外へ排出する排出ローラ対19と、排出されたシートSが積載される排出トレイ20とが配設されている。
上述の構成中、プロセスカートリッジ8、転写ローラ14、定着装置17によって画像を形成する画像形成部21が構成されている。
【0012】
上述した工程により、感光体ドラム3の表面にトナー像が形成されると共に、給紙ローラ11及び分離ローラ12が回転して給紙トレイ10から一枚のシートSが給送される。給送されたシートSはレジストローラ対13に送られ、レジストローラ対13が所定のタイミングによって回転することにより、感光体ドラム3と転写ローラ14との間に向けてシートSが給送される。
給送されたシートSは、転写ローラ14によって感光体ドラム3に押圧されると共に転写バイアスを作用され、これにより感光体ドラム3上に形成されたトナー像がシートS上に転写される。トナー像が転写されたシートSは定着装置17へと送られ、熱と圧力とによってトナー像を溶融定着される。トナー像が定着されたシートSは搬送ローラ対18によって搬送された後、排出ローラ対19によって排出トレイ20上に排出される。
【0013】
次に、
図1及び
図2に基づいて本発明の特徴部である現像装置6を説明する。現像装置6は、感光体ドラム3に対向配置された現像ローラ9、現像ローラ9の周面にその自由端を対向配置されたドクタブレード22、第一現像剤収容部23内に配設された現像剤を搬送する現像剤搬送部材としての回収スクリュ24(第一スクリュ、第一搬送部材)を有している。また現像装置6は、第二現像剤収容部25内に配設された現像剤を搬送する現像剤搬送部材としての供給スクリュ26(第二スクリュ、第二搬送部材)、現像剤中のトナー濃度を検知する図示しない濃度検知センサ等を有している。
さらに現像装置6は、現像剤収容部を回収スクリュ24が配設された第一現像剤収容部23と供給スクリュ26が配設された第二現像剤収容部25とに区画する区画壁35と、区画壁35の両端部に配設され第一現像剤収容部23と第二現像剤収容部25とを連通する第一連通口36と第二連通口37とを有している。
現像ローラ9は、内部に固設されたマグネット、マグネットの周囲を回転するスリーブ等を有している。各現像剤収容部23,25内には、キャリアとトナーとを含む二成分現像剤が収容されている。
【0014】
次に、現像装置6の動作について説明する。
現像ローラ9は
図1において時計回り方向に回転しており、マグネットの磁界により現像ローラ9上に担持された現像剤は回転に伴い現像ローラ9上を移動する。現像装置6内の現像剤は現像剤中のトナー濃度が所定の範囲内となるように調整され、詳しくは現像装置6内のトナー消費に応じて図示しないトナーカートリッジに収容されているトナーが図示しない補給経路を介して現像剤収容部23内に補給される。
【0015】
その後、現像剤収容部23内に補給されたトナーは、回収スクリュ24及び供給スクリュ26によって現像剤と攪拌混合されながら各連通口36,37を介して各現像剤収容部23,25内を循環する。そして現像剤中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着し、現像ローラ9上に形成された磁力によりキャリアと共に現像ローラ9上に担持される。
現像ローラ9上に担持された現像剤は、現像ローラ9の回転に伴い搬送されてドクタブレード22と対応する位置に達し、ドクタブレード22によって量が適正化された現像剤は感光体ドラム3との対向位置である現像領域まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界により感光体ドラム3上に形成された静電潜像にトナーが吸着され、その後、現像ローラ9上に残った現像剤は現像ローラ9の回転に伴い現像ローラ9上から離脱して現像剤収容部23内に戻される。
【0016】
図2は、現像装置6を
図1において上方から見た図であり、現像装置6の外壁を構成する現像ケース27の一部を省略した概略図である。現像ケース27の内部には、現像ローラ9、回収スクリュ24、供給スクリュ26がそれぞれ回転自在に配設されている。
回収スクリュ24は、その支軸24aの周囲にスクリュ部24bを一体で有しており、図示しないモータからの駆動力を受けて回転して
図2において現像剤を攪拌しつつ左方から右方へと搬送する。回収スクリュ24の右端部(回収スクリュ搬送方向下流側端部)近傍には、搬送されてきた現像剤を供給スクリュ26側に受け渡すパドル部24cが支軸24aと一体に設けられている。支軸24aの右方軸端には、駆動力を伝達する駆動ギヤ24dが配設されている。回収スクリュ24は、現像ローラ9の周面上から離脱した現像剤を回収すると共に、図示しないトナーカートリッジから
図2に符号28で示すトナー供給口に供給された新たなトナーを現像剤に攪拌させつつ搬送する。
【0017】
供給スクリュ26は、その支軸26aの周囲にスクリュ部26bを一体で有しており、図示しないモータからの駆動力を受けて回転して
図2において現像剤を攪拌しつつ右方から左方へと搬送する。供給スクリュ26の左端部近傍には、搬送されてきた現像剤を回収スクリュ24側に受け渡すパドル部26cが支軸26aと一体に設けられている。支軸26aの右方軸端には、駆動力を伝達する駆動ギヤ26dが配設されている。供給スクリュ26は、回収スクリュ24から送られた現像剤を攪拌させつつ搬送すると共に、現像ローラ9の周面上に帯電した現像剤を供給する。
【0018】
図3は本発明の特徴部を示す図であり、
図2におけるA部拡大図である。
図3では、現像ケース27の一部を破断している。
図3において、支軸24aの端部近傍は現像ケース27に固設された軸受部材29によって回転自在に支持されている。軸受部材29と支軸24aとの間には、軸受部材29内にトナーや塵埃等の異物が混入することを防止するためのシール部材30が配設されている。
【0019】
回収スクリュ24の端部近傍であって軸受部材29に支持された部位とパドル部24c形成部位との間の部位には、スクリュ部24bの回転によって
図3において左方から右方へ向けて搬送されてきた現像剤が軸受部材29側に搬送されることを防止するための、すなわち軸方向への現像剤の移動を規制するためのフランジ部24eが、支軸24aと一体で設けられている。フランジ部24eは、本実施形態では現像ケース27より突出して現像ケース27に干渉しない位置に配設されている。
しかし、このようなフランジ部24eを設けてもフランジ部24eと軸受部材29との間の空間には現像剤が入り込み、入り込んだ現像剤は流動性が失われるために不動剤となり易く、不動剤は軸受部材29やシール部材30との摺擦により加熱されて白スジ等の異常画像の原因となってしまう。このような問題点の発生を解消する本発明の第1の実施形態における構成を以下に説明する。
【0020】
フランジ部24eの外側面である
図3における右側端面、すなわちフランジ部24eの駆動ギヤ24d配設側端面である装置外側端面(軸受部材29と対向する面側)には、本発明の特徴部である現像剤移動部材としてのパドル部材31が配設されている。パドル部材31は、フランジ部24eの軸受部材29側の面に設けられた突条によって形成されており、本実施形態ではフランジ部24eと一体で設けられている。なお、パドル部材31をフランジ部24eに対して接着、溶着、ねじ止め等によって一体的に固着する構成としてもよい。
パドル部材31は、本実施形態においては
図4に示すように、支軸24aの軸心から放射状となるようにかつ互いに対向するよう、すなわち直線上に並ぶように2個設けられている。パドル部材31の先端角部には、切欠部31aが設けられている。軸受部材29はその中央部が引っ込んでおり、その部分に現像剤が溜まり易くなる。従ってなるべく軸受部材29の内部にパドル部材31による作用を届かせるようにするために、軸受部材29の外周部を避けるようにパドル部材31の外周部先端部である先端角部に切欠部31aが設けられている。この構成によりパドル部材31を軸受部材29の内部側に進入させることができる。ただし、シール部材30には接触しない程度に進入することが望ましい。
【0021】
上述の構成によれば、フランジ部24eの装置外側側面に配設されたパドル部材31が支軸24aの回転と共に回転するため、フランジ部24eと軸受部材29との間の空間に入り込んだ現像剤がパドル部材31によって掻き出されるので、不動剤の発生が防止されて白スジ等の異常画像の発生を防止できる。
上記構成では、パドル部材31を2個設ける構成としたが、パドル部材31は少なくとも1個設けられていればよく、3個以上設けられていてもよい。また、パドル部材31をフランジ部24eと一体構成としたが、パドル部材31はフランジ部24eと一体的に設けられていればよく、ねじ止め、接着、溶着等の周知の手段によってフランジ部24eに対してパドル部材31が固定される構成であれば、どのような構成を採用してもよい。
【0022】
図5は、本発明の第2の実施形態を示している。この第2の実施形態は、上述した第1の実施形態と比較すると、パドル部材31に代えてパドル部材32を用いる点においてのみ相違しており、他の構成は同一である。
パドル部材32は、支軸24aを中心とした渦状となるように湾曲形成された湾曲形状を呈しており、互いに対向するように2個設けられている。そしてパドル部材32は、支軸24aの回転方向においてその凹曲面が現像剤を移動させるように、すなわち
図5において支軸24aが矢印で示す方向に回転するように構成されている。パドル部材32の先端角部には軸受部材29の外周部との接触を防止するための切欠部32aが設けられている。
【0023】
この構成によれば、パドル部材32が湾曲形状であるためパドル部材31に比して現像剤の移動性を向上でき、フランジ部24eと軸受部材29との間の空間に入り込んだ現像剤の掻き出しをより良好に行うことができ、異常画像の発生をより一層防止できる。
本実施形態においてもパドル部材32は少なくとも1個設けられていればよく、3個以上設けられていてもよい。また、フランジ部24eに対してパドル部材32が固定される構成であれば、どのような構成を採用してもよい。
【0024】
図6は、本発明の第3の実施形態を示している。この第3の実施形態は、上述した第1の実施形態と比較すると、支軸24aに放熱部33を設ける点、パドル部材31に代えてパドル部材34を用いる点においてのみ相違しており、他の構成は同一である。
放熱部33は、放熱性の良好な銅やアルミニウム等の金属によって構成されており、本実施形態では樹脂からなる支軸24aにインサート成形されている。放熱部33を設けることにより、フランジ部24eと軸受部材29との間の空間に入り込んだ現像剤に放熱部33が接触することで現像剤に蓄積された熱を逃がすことができ、上述した異常画像の発生を抑制できる。
【0025】
パドル部材34は、支軸24aの軸心から放射状となるようにかつ互いに対向するように、すなわち2直線上に並ぶように4個設けられている。パドル部材34の先端角部には軸受部材29の外周部との接触を防止するための切欠部34aが設けられている。各パドル部材34は、放熱部33を介して支軸24aを支える態様で配設されており、それぞれ支軸24aに対して一体的に固定されている。
この構成によれば、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができると共に、放熱部33の効果により異常画像の発生をさらに抑制できる。また、放熱部33を設けることにより支軸24aの強度が低下するが、各パドル部材34が支軸24aを支える態様(放熱部33を、放熱部33が形成されている部分の支軸24aとパドル部材34とで挟むように形成されている)で配設されているので、支軸24aの補強を行うことができる。
本実施形態においては、支軸24aの補強を行う点からパドル部材34は少なくとも2個設けられていればよく、3個以上設けられていてもよい。また、フランジ部24eに対してパドル部材32が固定される構成であれば、どのような構成を採用してもよい。
【0026】
上述した各実施形態では、現像剤搬送部材である回収スクリュ24の
図2において右側端部にフランジ部24e及び現像剤移動部材であるパドル部材31,32,34を適用した例を示したが、フランジ部及び現像剤移動部材は回収スクリュ24の
図2において左側端部、現像剤搬送部材である供給スクリュ26の両端部にも適用可能である。
また、回収スクリュ24及び供給スクリュ26の他に現像剤搬送部材を有する構成の現像装置の場合には、他の現像剤搬送部材の両端部にもフランジ部及び現像剤移動部材を設ける構成としてもよい。
【0027】
上記実施形態及び各変形例では、画像形成装置としてモノクロプリンタである画像形成装置1を用いた例を示したが、画像形成装置としてはこれに限られず、複写機、ファクシミリ、複合機、これ等のフルカラー機等にも本発明は適用可能である。また各実施形態では、画像が形成される被記録媒体としてシートSを用いる構成を示したが、シートSとしては、厚紙、ハガキ、封筒、普通紙、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート、OHPフィルム、樹脂フィルム等も含まれ、シート状を呈し画像形成が可能であればどのようなものを用いてもよい。
【0028】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を例示したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0029】
1 画像形成装置(プリンタ)
6 現像装置
8 プロセスカートリッジ
24 現像剤搬送部材(回収スクリュ)
24a,26a 支軸
24e フランジ部
26 現像剤搬送部材(供給スクリュ)
29 軸受部材
31,32,34 現像剤移動部材(パドル部材)
33 放熱部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0030】