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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】液晶組成物及び液晶表示素子
(51)【国際特許分類】
   C09K 19/38 20060101AFI20240109BHJP
   C09K 19/54 20060101ALI20240109BHJP
   C09K 19/12 20060101ALI20240109BHJP
   C09K 19/30 20060101ALI20240109BHJP
   C09K 19/34 20060101ALI20240109BHJP
   C09K 19/14 20060101ALI20240109BHJP
   C09K 19/20 20060101ALI20240109BHJP
   C09K 19/16 20060101ALI20240109BHJP
   C09K 19/18 20060101ALI20240109BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
C09K19/38
C09K19/54 Z
C09K19/12
C09K19/30
C09K19/34
C09K19/14
C09K19/20
C09K19/16
C09K19/18
G02F1/13 500
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019231477
(22)【出願日】2019-12-23
(65)【公開番号】P2021098814
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177471
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 眞治
(74)【代理人】
【識別番号】100163290
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 明洋
(74)【代理人】
【識別番号】100149445
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】呉 偉
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 宗矩
【審査官】井上 恵理
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/013449(WO,A1)
【文献】特開2015-078282(JP,A)
【文献】特開2014-097938(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 19/00
G02F 1/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一成分として、一般式(X)
【化1】
(式中、Ri1は、炭素原子数1から8のアルキル基、炭素原子数1から8のアルコキシ基、炭素原子数2から8のアルケニル基又は炭素原子数2から8のアルケニルオキシ基を表し、Ri2は、炭素原子数1から8のアルキル基、炭素原子数2から8のアルケニル基を表し、Ai1は、1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は-O-に置き換えられてもよい。)を表し、ni1は0、1又は2を表す。)で表される化合物を1種又は2種以上含有し、
第二成分として、一般式(i-Np-1)
【化2】
(式中、
in2 、X in3 、X in4 、X in5 、X in6 及びX in7 はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数1~8のアルキル基を表し、X in2 、X in3 、X in4 、X in5 、X in6 又はX in7 がアルキル基を表す場合、該アルキル基中に存在する1個の-CH -又は2個以上の-CH -は、酸素原子が直接隣接しないように、-O-、-C≡C-、-COO-、-OCO-、-CO-又は-S-で置き換えられてもよく、また、該アルキル基中の水素原子はフッ素原子に置換されてもよく、
in1 、M in2 及びM in3 はそれぞれ独立して、1,4-フェニレン基、2-メチル-1,4-フェニレン基、3-メチル-1,4-フェニレン基、2-メトキシ-1,4-フェニレン基、3-メトキシ-1,4-フェニレン基、2-フルオロ-1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基又はナフタレン-2,6-ジイル基を表し、
in1 及びL in2 はそれぞれ独立して、単結合、-C -、-C -、-C -、-OCH -、-CH O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOOCH -、-CH OCOO-、-OCH CH O-、-CH=CRa-COO-、-CH=CRa-OCO-、-COO-CRa=CH-、-OCO-CRa=CH-、-COO-CRa=CH-COO-、-COO-CRa=CH-OCO-、-OCO-CRa=CH-COO-、-OCO-CRa=CH-OCO-、-CH OCO-、-COOCH -、-OCOCH -、-C OCO-、-C COO-、-COOC -、-OCOC -、-CH=CH-、-CF=CF-、-CF=CH-、-CH=CF-、-CF O-、-OCF -、-CF CH -、-CH CF -、-CF CF -又は-C≡C-(式中、Raはそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1~4のアルキル基を表す)を表し、
in2 は0、1又は2を表し、
in1 及びS in2 は単結合又は炭素原子数1~15のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1個の-CH -又は2個以上の-CH -は、酸素原子が直接隣接しないように、-O-、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-OCO-、-CO-、-OCOO-又は-S-で置き換えられてもよく、
in1 及びP in2 はそれぞれ独立して、式(R-1)
【化3】
(式中、R 11 は炭素原子数1から5のアルキル基、フッ素原子又は水素原子のいずれかを表す。)を表し、
in1 は0又は1を表し、
in2 及びL in2 が複数存在する場合は、それぞれ、同一であっても異なっていても良い。)
で表される重合性化合物を1種又は2種以上含有し、
第三成分として下記一般式(RM)
【化4】
(式中、R101、R102、R103、R104、R105、R106、R107及びR108は、それぞれ独立して、P13-S13-、フッ素原子に置換されてもよい炭素原子数1から18のアルキル基、フッ素原子に置換されてもよい炭素原子数1から18のアルコキシ基、フッ素原子又は水素原子のいずれかを表し、P11、P12及びP13は、それぞれ独立して、上記式(R-1)から式(R-9)で表される重合性基を表し、S11、S12及びS13は、それぞれ独立して、単結合又は炭素原子数1~15のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は、-O-、-OCO-又は-COO-で置換されても良く、P13及びS13が複数存在する場合は、それぞれ、同一であっても異なっていても良い。)
で表される重合性化合物を1種又は2種以上含有する液晶組成物。
【請求項2】
一般式(X)で表される化合物として、式(X-1.1)から式(X-1.7)
【化5】
で表される化合物群から選ばれる化合物を1種または2種以上含有する請求項に記載の液晶組成物。
【請求項3】
一般式(X)で表される化合物として、式(X-0.1)から式(X-0.7)
【化6】
で表される化合物群から選ばれる化合物を1種または2種以上含有する請求項1又は2に記載の液晶組成物。
【請求項4】
一般式(N-01)、(N-02)、(N-03)、(N-04)及び(N-05)
【化7】
(式中、R21及びR22は、それぞれ独立して、炭素原子数1から8のアルキル基を表し、該基中の1個又は2個以上の-CH-はそれぞれ独立して、酸素原子が隣り合わない限りにおいて-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていても良く、
は、それぞれ独立して、単結合、-CHCH-、-OCH-、-CHO-、-COO-、-OCO-、-OCF-、-CFO-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-を表し、
mは、それぞれ独立して、1又は2を表す。)
で表される化合物群から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有する請求項1からのいずれか一項に記載の液晶組成物。
【請求項5】
一般式(NU-01)から一般式(NU-06)
【化8】
(式中、RNU11、RNU12、RNU21、RNU22、RNU31、RNU32、RNU41、RNU42、RNU51、RNU52、RNU61及びRNU62は、それぞれ独立して、炭素原子数1から8のアルキル基、炭素原子数1から8のアルコキシ基、炭素原子数2から8のアルケニル基又は炭素原子数2から8のアルケニルオキシ基を表し、該基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH-はそれぞれ独立して-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていても良い。ただし一般式(X)で表される化合物を除く。)
で表される化合物群から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有する請求項1からのいずれか一項に記載の液晶組成物。
【請求項6】
二つの基板と、該二つの基板の間に設けられた請求項1からのいずれか一項に記載の液晶組成物を含む液晶層と、を備える液晶表示素子。
【請求項7】
アクティブマトリックス駆動用である請求項に記載の液晶表示素子。
【請求項8】
PSA型又はPSVA型である請求項6又は7に記載の液晶表示素子。
【請求項9】
前記二つの基板のうち少なくとも一方の基板が配向膜を有さない請求項6から8のいずれか一項に記載の液晶表示素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は重合性化合物を含有する液晶組成物及びこれを使用した液晶表示素子に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示素子は、時計、電卓をはじめとして、家庭用各種電気機器、工業用測定機器、自動車用パネル、携帯電話、スマートフォン、ノートPC、タブレットPC、テレビ等に用いられている。液晶表示方式としては、その代表的なものにTN(捩れネマチック)型、STN(超捩れネマチック)型、GH(ゲスト・ホスト)型、IPS(インプレーンスイッチング)型、FFS(フリンジフィールドスイッチング)型、OCB(光学補償複屈折)型、ECB(電圧制御複屈折)型、VA(垂直配向)型、CSH(カラースーパーホメオトロピック)型、FLC(強誘電性液晶)等を挙げることができる。また駆動方式としてもスタティック駆動、マルチプレックス駆動、単純マトリックス方式、TFT(薄膜トランジスタ)やTFD(薄膜ダイオード)等により駆動されるアクティブマトリックス(AM)方式を挙げることができる。これらの表示方式において、IPS型、FFS型、ECB型、VA型、CSH型等は、誘電率異方性(Δε)が負の値を示す液晶組成物(n型液晶組成物)を用いると有利な特性を示すことが知られている。
【0003】
n型液晶組成物を用いた表示方式には、VA型や更に重合性化合物を液晶相中で重合させ配向を制御したPSA(Polymer Sustained Alignment)型またはPSVA(Polymer Stabilized Vertival Alignment)型に代表される垂直配向方式と、IPS型やFFS型に代表される水平配向方式がある。垂直配向方式は、広い視野角、高い透過率、高いコントラスト、速い応答速度に特徴があり、主にTVやモニターなどの大型の表示素子に用いられている。一方、水平配向方式は、広い視野角、高い透過率、低い消費電力およびタッチパネルとの最適性の観点から、例えばスマートフォン、タブレットPCなどのモバイル機器で採用されており、更には液晶テレビへの採用も進んでいる。
【0004】
PSA型またはPSVA型の液晶表示装置は、液晶分子のプレチルト角を制御するためにセル内にポリマー構造物を形成するものであり、垂直配向方式の特徴の中でも特に高速応答や高コントラストが知られている。
【0005】
PSA型またはPSVA型の液晶表示素子の製造は、重合性化合物を含有する液晶組成物を基板間に注入し、電圧を印加して液晶分子を配向させた状態で紫外線を照射し、重合性化合物を重合させて液晶分子の配向を固定することにより行われる。PSA型またはPSVA型の液晶表示素子の表示不良である焼き付き(IS:Image Sticking)の原因としては、不純物によるもの及び液晶分子の配向の変化(プレチルト角の変化)が知られている。
【0006】
液晶分子のプレチルト角の変化に起因する焼き付きは、表示素子を構成した場合において同一のパターンを長時間表示し続けたときにポリマーの構造が変化し、その結果としてプレチルト角が変化してしまうものである。このためポリマー構造が変化しない剛直な構造を持つポリマーを形成する重合性化合物が必要となる。
【0007】
従来、ポリマーの剛直性を向上させることにより焼き付きを防止するために、特許文献1では、環構造としてビフェニル構造を有する重合性化合物を用いて表示素子を構成するもの、特許文献2では、環構造としてターフェニル構造を有する重合性化合物を用いて表示素子を構成するものが開示されている。
【0008】
上記特許文献1や上記特許文献2の実施例でも示されているように、以下のようなビフェニル骨格を備えた化合物(A)やターフェニル骨格を備えた化合物(B)を使用することによって、プレチルト角の変化に起因する焼き付きを改善する試みがなされてきた。
【0009】
【化1】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】国際公開第2010/084823号
【文献】特開2012-241125号公報
【文献】特表2013-503952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
近年、液晶素子の製造において、生産効率の向上を目的に重合速度が適度に速い液晶組成物が求められている。しかし、化合物(A)や化合物(B)を含む液晶組成物は、重合速度が十分でないため、改善が求められていた。また、従来の重合性化合物は、プレチルト角付与及び溶解性についても、更なる改善が求められていた。
【0012】
液晶組成物中の重合性化合物を重合させる工程において、前記重合性化合物の重合速度は非常に重要である。重合速度が速いと、短い紫外線照射時間で重合性化合物の残留量が少なくなるため、紫外線による液晶組成物の劣化等が生じにくい。また、少ないエネルギーにより製造できるといった高生産性のメリットもある。
【0013】
一方、重合性化合物の重合速度が遅いと、重合性化合物の残留量を少なくするために、長い紫外線照射時間が必要になる。このように、重合させる工程において強い紫外線を長時間照射する場合、製造装置の大型化、製造効率の低下を招くことになるとともに、紫外線による液晶組成物の劣化等が生じてしまう。しかし、紫外線の照射時間を短くすると、重合性化合物の残留量が多くなり、残存した重合性化合物によってムラと呼ばれる表示不良が発生する。
【0014】
以上のことから、重合性化合物の重合速度を改善した液晶組成物が望まれている。
【0015】
重合性化合物の重合速度を改善するためのアプローチとして、特許文献3の実施例で示されているように、式(C)のような化合物を用い、使用する液晶材料の吸収波長を長波長側に伸長し重合性化合物の重合速度を改善する方法が提示されているが、大きなプレチルト角形成や、プレチルト角安定性に代表される信頼性、表示不良に関しては充分なものではなかった。また、重合速度についてもさらなる改善が望まれていた。
【0016】
【化2】
【0017】
本発明が解決しようとする課題は、重合速度が十分に速く、また、より短い紫外線照射時間でプレチルト角を形成できる重合性化合物を含む液晶組成物及び液晶表示素子を提供することで、プレチルト角の変化による表示不良が無いか、あるいは極めて少なく、未反応の重合性化合物が残留することによるムラが無いか、あるいは極めて少なく、十分なプレチルト角を有するPSA型又はPSVA型液晶表示素子を製造するための重合性化合物を含む液晶組成物を提供すること、及び、これを用いた液晶表示素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明者は、種々の液晶化合物及び種々の化学物質を検討し、特定の液晶化合物を組み合わせることにより前記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0019】
即ち、本発明は、第一成分として、一般式(X)
【0020】
【化3】
【0021】
(式中、Ri1は、炭素原子数1から8のアルキル基、炭素原子数1から8のアルコキシ基、炭素原子数2から8のアルケニル基又は炭素原子数2から8のアルケニルオキシ基を表し、Ri2は、炭素原子数1から8のアルキル基、炭素原子数2から8のアルケニル基を表し、Ai1は、1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は-O-に置き換えられてもよい。)を表し、ni1は0、1又は2を表す。)で表される化合物を1種又は2種以上含有し、
第二成分として、一般式(I)
【0022】
【化4】
【0023】
(式中、Xi1、Xi2、Xi3、Xi4、Xi5、Xi6及びXi7はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は炭素原子数1~8のアルキル基又は式(i-Z)
【0024】
【化5】
【0025】
で表される基を表し、Xi1、Xi2、Xi3、Xi4、Xi5、Xi6又はXi7がアルキル基を表す場合、該アルキル基中に存在する1個の-CH-又は2個以上の-CH-は、酸素原子が直接隣接しないように、-O-、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-OCO-、-CO-又は-S-で置き換えられてもよく、また、アルキル基中の水素原子はフッ素原子に置換されてもよく、但し、Xi1、Xi2、Xi3、Xi4、Xi5、Xi6及びXi7の少なくとも1つは式(i-Z)で表される基を表し、
i1及びMi2はそれぞれ独立して、
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は-O-に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)及び
(c) ナフタレン-2,6-ジイル基、ナフタレン-1,4-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又はデカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基(ナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられても良い。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)及び基(c)はそれぞれ独立して、炭素原子数1~8のアルキル基、炭素原子数1~8のアルコキシ基、炭素原子数1~8のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1~8のハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は-Si3-Pi3で置き換えられてもよく、
i1及びLi2はそれぞれ独立して、単結合、-C-、-C-、-C-、-OCH-、-CHO-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOOCH-、-CHOCOO-、-OCHCHO-、-CH=CRa-COO-、-CH=CRa-OCO-、-COO-CRa=CH-、-OCO-CRa=CH-、-COO-CRa=CH-COO-、-COO-CRa=CH-OCO-、-OCO-CRa=CH-COO-、-OCO-CRa=CH-OCO-、-CHOCO-、-COOCH-、-OCOCH-、-COCO-、-CCOO-、-COOC-、-OCOC-、-CH=CH-、-CF=CF-、-CF=CH-、-CH=CF-、-CFO-、-OCF-、-CFCH-、-CHCF-、-CFCF-又は-C≡C-、(式中、Raはそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1~4のアルキル基を表す)を表し、
i1はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-Si2-Pi2又は炭素原子数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基中に存在する1個の-CH-又は2個以上の-CH-は、酸素原子が直接隣接しないように、-O-、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-OCO-、-CO-又は-S-で置き換えられてもよく、また、アルキル基中の水素原子はフッ素原子に置き換えられてもよく、
i1、Si2及びSi3はそれぞれ独立して、単結合又は炭素原子数1~15のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1個の-CH-又は2個以上の-CH-は、酸素原子が直接隣接しないように、-O-、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-OCO-、-CO-、-OCOO-又は-S-で置き換えられてもよく、
i1、Pi2及びPi3は、それぞれ独立して、式(R-1)から式(R-9)
【0026】
【化6】
【0027】
(式中、R11、R12、R13、R14及びR15は、それぞれ独立して、炭素原子数1から5のアルキル基、フッ素原子又は水素原子のいずれかを表し、mr5、mr7、nr5及びnr7は、それぞれ独立して、0、1、又は2を表す。)から選ばれる基を表し、
i1は0、1又は2を表し、mi2は0、1又は2を表し、
i1、Mi2、Li1、Li2、Zi1、Si2、Si3、Pi2、又はPi3が複数存在する場合は、それぞれ、同一であっても異なっていても良い。)
で表される重合性化合物を1種又は2種以上含有し、
第三成分として下記一般式(RM)
【0028】
【化7】
【0029】
(式中、R101、R102、R103、R104、R105、R106、R107及びR108は、それぞれ独立して、P13-S13-、フッ素原子に置換されてもよい炭素原子数1から18のアルキル基、フッ素原子に置換されてもよい炭素原子数1から18のアルコキシ基、フッ素原子又は水素原子のいずれかを表し、P11、P12及びP13は、それぞれ独立して、上記式(R-1)から式(R-9)で表される重合性基を表し、S11、S12及びS13は、それぞれ独立して、単結合又は炭素原子数1~15のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は、-O-、-OCO-又は-COO-で置換されても良く、P13及びS13が複数存在する場合は、それぞれ、同一であっても異なっていても良い。)
で表される重合性化合物を1種又は2種以上含有する液晶組成物を提供することを目的とする。更に当該組成物を使用した液晶表示素子を提供することを目的とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明の重合性化合物を含有する液晶組成物は、屈折率異方性(Δn)及びネマチック相-等方性液体相転移温度(Tni)を低下させることなく、重合性化合物の重合速度とプレチルト角の形成が十分に速く、未反応の重合性化合物の残留が少ない液晶組成物である。また、本発明の液晶組成物を用いた液晶表示素子は、プレチルト角が十分に得られ、重合性化合物の残留量が少なく、ムラ等の表示不良がない又は抑制された、優れた表示品位を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(式(X)で表される化合物)
【0032】
【化8】
【0033】
一般式(X)において、Ri1は、炭素原子数1から8のアルキル基、炭素原子数1から8のアルコキシ基、炭素原子数2から8のアルケニル基又は炭素原子数2から8のアルケニルオキシ基を表すが、炭素原子数1から5のアルキル基、炭素原子数1から5のアルコキシ基、炭素原子数2から5のアルケニル基又は炭素原子数2から5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数2から5のアルキル基又は炭素原子数2から5のアルケニル基が更に好ましい。Ri2は、炭素原子数1から8のアルキル基、炭素原子数2から8のアルケニル基が好ましく、炭素原子数1から5のアルキル基又は炭素原子数2から5のアルケニル基が好ましく、炭素原子数1から3のアルキル基又は炭素原子数2から5のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数1のアルキル基が特に好ましい。Ai1は、1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は-O-に置き換えられてもよい。)を表すが、無置換の1,4-シクロヘキシレン基であることが好ましい。ni1は0、1又は2を表すが、1又は2が好ましく、1が特に好ましい。
【0034】
本発明の一般式(X)で表される化合物は、式(X-0.1)から式(X-0.7)、式(X-1.1)から式(X-1.7)及び式(X-2.1)から式(X-2.7)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0035】
式(X-0.1)から式(X-0.7)で表される化合物群においては、式(X-0.3)、式(X-0.5)、式(X-0.7)が更に好ましく、式(X-0.7)が特に好ましい。
【0036】
式(X-1.1)から式(X-1.7)で表される化合物群においては、式(X-1.3)、式(X-1.6)、式(X-1.7)で表される化合物が更に好ましく、式(X-1.3)で表される化合物が特に好ましい。
【0037】
式(X-2.1)から式(X-2.7)で表される化合物群においては、式(X-2.3)、式(X-2.6)、式(X-2.7)で表される化合物が更に好ましく、式(X-2.3)で表される化合物が特に好ましい。
【0038】
【化9】
【0039】
【化10】
【0040】
【化11】
【0041】
本発明の組成物の総量に対しての式(X)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%である。好ましい含有量の上限値は、20%であり、15%であり、13%であり、10%であり、9%である。以下、特別な記載がない限り、%は質量%を意味する。
【0042】
式(X)で表される化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。式(X)で表される化合物の2種以上を組み合わせて用いることにより、本発明の効果が顕著に得られる。式(X)で表される化合物を2種以上用いる場合、式(X-0.1)~(X-0.7)で表される化合物と式(X-1.1)~(X-1.7)で表される化合物との組み合わせが好ましく、式(X-1.1)~(X-1.7)で表される化合物を2種組み合わせることも好ましい。
(式(I)で表される重合性化合物;第一の重合性化合物)
【0043】
【化12】
【0044】
一般式(I)で表される化合物は、Xi6がXi7に隣接する位置に結合する一般式(ia)で表される化合物(Xi6がナフタレンの2位に置換される場合)と、Xi6がXi5に隣接する位置に結合する一般式(ib)で表される化合物(Xi6がナフタレンの1位に置換される場合)とを包含する。
【0045】
【化13】
【0046】
上記一般式(I)、一般式(ia)及び一般式(ib)において、Xi1、Xi2、Xi3、Xi4、Xi5、Xi6及びXi7はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、フッ素原子に置換されてもよい炭素原子数1~8のアルキル基、フッ素原子に置換されてもよい炭素原子数1~8のアルコキシ基、又は式(i-Z)
【0047】
【化14】
【0048】
で表される基を表すことが好ましい。前記アルキル基及びアルコキシ基の好ましい炭素原子数は、1~6であり、より好ましくは1~4であり、さらに好ましくは1~3である。また、前記アルキル基及びアルコキシ基は、直鎖状又は分岐状であってもよいが、直鎖状が特に好ましい。Xi1、Xi2、Xi3、Xi4、Xi5、Xi6及びXi7は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、フッ素原子に置換されてもよい炭素原子数1から3のアルキル基又は式(i-Z)のいずれかを表すことがより好ましく、水素原子、フッ素原子に置換されてもよい炭素原子数1から3のアルキル基又は式(i-Z)を表すことが更に好ましい。
【0049】
前記フッ素原子に置換されてもよい炭素原子数1から8のアルキル基としては、直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基もしくはブチル基又はこれらの基の水素原子がフッ素原子に置換されたフッ化アルキル基などが挙げられ、その内、メチル基、エチル基、プロピル基、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、メチル基又はエチル基が更により好ましく、メチル基が特に好ましい。電子共役の観点、及び炭素原子数が増えるごとに置換基が嵩高くなり、重合速度及び重合度の低下を引き起こしやすくなるため、メチル基であることが特に好ましい。
【0050】
ここで、Xi1、Xi2、Xi3、Xi4、Xi5、Xi6及びXi7の少なくとも1つは式(i-Z)で表される基を表す。より好ましくは、Xi1、Xi2、Xi3及びXi7の少なくとも1つが式(i-Z)で表される基を表すことが好ましく、Xi1及びXi2の少なくとも1つが式(i-Z)で表される基を表すことがより好ましい。特に、Zi1が-Si2-Pi2を表す場合、Xi1及びXi2の少なくとも1つが式(i-Z)で表される基を表すことが好ましい。
【0051】
i1、Xi2、Xi3、Xi4、Xi5、Xi6及びXi7の2以上の基が式(i-Z)で表される基を表す場合、複数存在するmi2のうち、1つのみが0、1又は2を表し、他のmi2は0を表すことが好ましい。
【0052】
上記一般式(I)、一般式(ia)及び一般式(ib)において、Xi1、Xi2、Xi3、Xi4、Xi5、Xi6及びXi7のうち、水素原子以外の基を表すものの数が、1以上3以下であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
【0053】
上記一般式(I)、一般式(ia)及び一般式(ib)において、Xi1、Xi2、Xi3、Xi4、Xi5、Xi6及びXi7のうち、-Si2-Pi2を有する基の数は、0、1、2又は3であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。また、上記一般式(I)、一般式(ia)及び一般式(ib)において、-Si2-Pi2を有する基の数、及び、-Si3-Pi3を有する基の数の合計数は、0、1、2又は3であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
【0054】
上記一般式(I)、一般式(ia)及び一般式(ib)において、Mi1及びMi2はそれぞれ独立して、
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は-O-に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)及び
(c) ナフタレン-2,6-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又はデカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基(ナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられても良い。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)及び基(c)は、それぞれ独立して、炭素原子数1~8のアルキル基、炭素原子数1~8のアルコキシ基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基又はPi3-Si3-で置換されていても良いが、下記の構造を表すことが好ましく、
【0055】
【化15】
【0056】
(式中、Rim1及びRim2は、それぞれ独立して、炭素原子数1~8のアルキル基、炭素原子数1~8のアルコキシ基、フッ素原子又はPi3-Si3-を表す。)
1,4-フェニレン基、2-メチル-1,4-フェニレン基、3-メチル-1,4-フェニレン基、2-メトキシ-1,4-フェニレン基、3-メトキシ-1,4-フェニレン基、2-フルオロ-1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基又はナフタレン-2,6-ジイル基であることがより好ましく、1,4-フェニレン基、2-メチル-1,4-フェニレン基、3-メチル-1,4-フェニレン基、2-フルオロ-1,4-フェニレン基、又は3-フルオロ-1,4-フェニレン基であることが更に好ましく、1,4-フェニレン基、2-メチル-1,4-フェニレン基又は2-フルオロ-1,4-フェニレン基であることがより更に好ましく、1,4-フェニレン基であることが特に好ましい。
【0057】
上記一般式(I)、一般式(ia)及び一般式(ib)において、Li1及びLi2はそれぞれ独立して、単結合、-C-、-C-、-C-、-OCH-、-CHO-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOOCH-、-CHOCOO-、-OCHCHO-、-CH=CRa-COO-、-CH=CRa-OCO-、-COO-CRa=CH-、-OCO-CRa=CH-、-COO-CRa=CH-COO-、-COO-CRa=CH-OCO-、-OCO-CRa=CH-COO-、-OCO-CRa=CH-OCO-、-CHOCO-、-COOCH-、-OCOCH-、-COCO-、-CCOO-、-COOC-、-OCOC-、-CH=CH-、-CF=CF-、-CF=CH-、-CH=CF-、-CFO-、-OCF-、-CFCH-、-CHCF-、-CFCF-又は-C≡C-、(式中、Raはそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1~4のアルキル基を表す)を表すが、単結合、-CH=CH-、-CF=CF-、-C≡C-、-COO-、-OCO-、-CFO-、-OCF-、-CH=CHCOO-、-OCOCH=CH-、-OCHCHO-、-CHO-、-OCH-、-CCOO-、-OCOC-又は炭素原子数1~10のアルキレン基を表すことが好ましく、単結合、-COO-、-OCO-、-CH=CHCOO-、-OCOCH=CH-、-OCHCHO-、-CHO-、-OCH-、-CCOO-、-OCOC-又は炭素原子数1~6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表すことがより好ましく、単結合、-COO-、-OCO-、-OCHCHO-、-CHO-、-OCH-、-CCOO-、-OCOC-又は炭素原子数2のアルキレン基(エチレン基(-CHCH-))を表すことが更に好ましく、単結合が特に好ましい。
【0058】
上記一般式(I)、一般式(ia)及び一般式(ib)において、mi1及びmi2はそれぞれ独立して、0、1又は2を表すが、0又は1を表すことが特に好ましい。mi1+mi2は0、1又は2を表すことが好ましい。短い紫外線照射時間で十分なプレチルト角を有し、重合性化合物の残留量を少なくするためには、mi1+mi2が0又は1を表すことが好ましく、1を表すことがより好ましい。また、一般式(I)、一般式(ia)及び一般式(ib)で表される化合物以外の重合性化合物と混合して用いた場合、重合性化合物の残留量を少なくし、高い電圧保持率(VHR)を得るためには、mi1+mi2が0又は1を表すことが好ましい。
【0059】
上記一般式(I)、一般式(ia)及び一般式(ib)において、Pi1、Pi2及びPi3は、全て同一の重合性基(式(R-1)~(R-9))であっても、異なる重合性基でもよい。
【0060】
上記一般式(I)、一般式(ia)及び一般式(ib)において、Pi1、Pi2及びPi3は、それぞれ独立して、式(R-1)、式(R-2)、式(R-3)、式(R-4)、式(R-5)又は式(R-7)であることが好ましく、式(R-1)、式(R-2)、式(R-3)又は式(R-4)であることがより好ましく、式(R-1)であることが更に好ましく、アクリルオキシ基又はメタクリルオキシ基であることが特に好ましい。
【0061】
i1及びPi2の少なくとも一方は、式(R-1)であることが好ましく、アクリルオキシ基又はメタクリルオキシ基であることがより好ましく、メタクリルオキシ基であることがさらに好ましく、Pi1及びPi2の両方がメタクリルオキシ基であるか、或いは、Pi1、Pi2がそれぞれアクリルオキシ基とメタクリルオキシ基とであることが特に好ましい。
【0062】
11、R12、R13、R14及びR15は、それぞれ独立して、メチル基又は水素原子であることが好ましく、重合性化合物の重合速度を重視する場合は水素原子であることが好ましく、プレチルト角の変化による表示不良の低減を重視する場合はメチル基であることが好ましい。
【0063】
上記一般式(I)、一般式(ia)及び一般式(ib)において、Si1、Si2及びSi3は、それぞれ独立して、単結合又は炭素原子数1~10の直鎖状アルキレン基を表すことが好ましく、炭素原子数2~8の直鎖状アルキレン基又は単結合を表すことがより好ましい。該アルキル基の-CH-は、-CH=CH-、-O-、-COO-、又は-OCO-で置換されてもよく、-CH-の水素はフッ素に置換されてもよい。Si1、Si2及びSi3は、単結合又は炭素原子数1~5のアルキレン基であることが更に好ましく、単結合であることが特に好ましい。Si1、Si2及びSi3が単結合である場合、紫外線照射後の重合性化合物の残留量が十分に少なく、プレチルト角の変化による表示不良が発生しにくくなる。
【0064】
上記一般式(I)、一般式(ia)及び一般式(ib)においてZi1は、シアノ基、ニトロ基、-Si2-Pi2又は炭素原子数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基中の-CH-は-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-COO-、-OCO-又は-OCOO-で置換されてもよいが-O-は連続にはならないことが好ましく、-Si2-Pi2、炭素原子数1~8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、該アルキル基中の-CH-は、-CH=CH-、-O-、-OCO-で置換(ただし-O-は連続にはならない)されても良い基を表すことが好ましい。液晶表示素子の信頼性を向上させる観点から、Zi1は、-Si2-Pi2、炭素原子数2~6のアルキル基、アルコキシ基を表すことが特に好ましい。
【0065】
また、上記一般式(I)で表される化合物は、一般式(I-Np)で表される化合物であることが好ましい。
【0066】
【化16】
【0067】
(式中、Xi1、Xi2、Xi3、Xi4、Xi5、Xi6及びXi7はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は炭素原子数1~8のアルキル基又は式(i-Z)
【0068】
【化17】
【0069】
で表される基を表し、Xi1、Xi2、Xi3、Xi4、Xi5、Xi6又はXi7がアルキル基を表す場合、該アルキル基中に存在する1個の-CH-又は2個以上の-CH-は、酸素原子が直接隣接しないように、-O-、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-OCO-、-CO-又は-S-で置き換えられてもよく、また、アルキル基中の水素原子はフッ素原子に置換されてもよく、但し、Xi1、Xi2、Xi3、Xi4、Xi5、Xi6及びXi7の少なくとも1つは式(i-Z)で表される基を表し、
i1、Mi2及びMi3はそれぞれ独立して、
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は-O-に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)及び
(c) ナフタレン-2,6-ジイル基、ナフタレン-1,4-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又はデカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基(ナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられても良い。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)及び基(c)はそれぞれ独立して、炭素原子数1~8のアルキル基、炭素原子数1~8のアルコキシ基、炭素原子数1~8のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1~8のハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は-Si3-Pi3で置き換えられてもよく、
i1及びLi2はそれぞれ独立して、単結合、-C-、-C-、-C-、-OCH-、-CHO-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOOCH-、-CHOCOO-、-OCHCHO-、-CH=CRa-COO-、-CH=CRa-OCO-、-COO-CRa=CH-、-OCO-CRa=CH-、-COO-CRa=CH-COO-、-COO-CRa=CH-OCO-、-OCO-CRa=CH-COO-、-OCO-CRa=CH-OCO-、-CHOCO-、-COOCH-、-OCOCH-、-COCO-、-CCOO-、-COOC-、-OCOC-、-CH=CH-、-CF=CF-、-CF=CH-、-CH=CF-、-CFO-、-OCF-、-CFCH-、-CHCF-、-CFCF-又は-C≡C-、(式中、Raはそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1~4のアルキル基を表す)を表し、
i1はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-Si2-Pi2又は炭素原子数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基中に存在する1個の-CH-又は2個以上の-CH-は、酸素原子が直接隣接しないように、-O-、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-OCO-、-CO-又は-S-で置き換えられてもよく、また、アルキル基中の水素原子はフッ素原子に置き換えられてもよく、
i1は単結合を表し、
i2及びSi3はそれぞれ独立して、単結合又は炭素原子数1~15のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1個の-CH-又は2個以上の-CH-は、酸素原子が直接隣接しないように、-O-、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-OCO-、-CO-、-OCOO-又は-S-で置き換えられてもよく、
i1、Pi2及びPi3は、それぞれ独立して、式(R-1)から式(R-9)
【0070】
【化18】
【0071】
(式中、R11、R12、R13、R14及びR15は、それぞれ独立して、炭素原子数1から5のアルキル基、フッ素原子又は水素原子のいずれかを表し、mr5、mr7、nr5及びnr7は、それぞれ独立して、0、1、又は2を表す。)から選ばれる基を表し、
i1は0又は1を表し、mi2は0、1又は2を表し、
i1、Mi2、Li1、Li2、Zi1、Si2、Si3、Pi2、又はPi3が複数存在する場合は、それぞれ、同一であっても異なっていても良く、
一般式(I)に含まれるPi1、Pi2及びPi3数の合計数は2又は3である。)
上記一般式(I-Np)において、Xi1、Xi2、Xi3、Xi4、Xi5、Xi6及びXi7はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、フッ素原子に置換されてもよい炭素原子数1~8のアルキル基、フッ素原子に置換されてもよい炭素原子数1~8のアルコキシ基、又は式(i-Z)
【0072】
【化19】
【0073】
で表される基を表すことが好ましい。前記アルキル基及びアルコキシ基の好ましい炭素原子数は、1~6であり、より好ましくは1~4であり、さらに好ましくは1~3である。また、前記アルキル基及びアルコキシ基は、直鎖状又は分岐状であってもよいが、直鎖状が特に好ましい。Xi1、Xi2、Xi3、Xi4、Xi5、Xi6及びXi7は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、フッ素原子に置換されてもよい炭素原子数1から3のアルキル基又は式(i-Z)のいずれかを表すことがより好ましく、水素原子、フッ素原子に置換されてもよい炭素原子数1から3のアルキル基又は式(i-Z)を表すことが更に好ましい。
【0074】
前記フッ素原子に置換されてもよい炭素原子数1から8のアルキル基としては、直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基もしくはブチル基又はこれらの基の水素原子がフッ素原子に置換されたフッ化アルキル基などが挙げられ、その内、メチル基、エチル基、プロピル基、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、メチル基又はエチル基が更により好ましく、メチル基が特に好ましい。電子共役の観点、及び炭素原子数が増えるごとに置換基が嵩高くなり、重合速度及び重合度の低下を引き起こしやすくなるため、メチル基であることが特に好ましい。
【0075】
ここで、Xi1、Xi2、Xi3、Xi4、Xi5、Xi6及びXi7の少なくとも1つは式(i-Z)で表される基を表す。より好ましくは、Xi1、Xi2、Xi3及びXi7の少なくとも1つが式(i-Z)で表される基を表すことが好ましく、Xi1及びXi2の少なくとも1つが式(i-Z)で表される基を表すことがより好ましい。特に、Zi1が-Si2-Pi2を表す場合、Xi1及びXi2の少なくとも1つが式(i-Z)で表される基を表すことが好ましい。
i1、Xi2、Xi3、Xi4、Xi5、Xi6及びXi7の2以上の基が式(i-Z)で表される基を表す場合、複数存在するmi2のうち、1つのみが0、1又は2を表し、他のmi2は0を表すことが好ましい。
【0076】
上記一般式(I-Np)において、Xi1、Xi2、Xi3、Xi4、Xi5、Xi6及びXi7のうち、水素原子以外の基を表すものの数が、1以上3以下であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
【0077】
上記一般式(I-Np)において、Xi1、Xi2、Xi3、Xi4、Xi5、Xi6及びXi7のうち、-Si2-Pi2を有する基の数は、0、1、2又は3であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。また、上記一般式(I-Np)において、Pi1、Pi2及びPi3の数の合計数は、2又は3であることが好ましく、2であることが特に好ましい。Pi1、Pi2及びPi3の数の合計数が1以下の場合、プレチルト角の変化による表示不良が生じることから好ましくない。また、Pi1、Pi2及びPi3の数の合計数が4以上の場合、液晶組成物への溶解性が低下し十分な量の重合性化合物を添加できなくなることから好ましくない。
【0078】
上記一般式(I-Np)において、Mi1、Mi2及びMi3はそれぞれ独立して、
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は-O-に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)及び
(c) ナフタレン-2,6-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又はデカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基(ナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられても良い。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)及び基(c)においてそれぞれ独立して、炭素原子数1~8のアルキル基、炭素原子数1~8のアルコキシ基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基又はPi3-Si3-で置換されていても良い構造が好ましく、上記の基(b)及び基(c)からなる群より選ばれる基であって、それぞれ独立して炭素原子数1~6のアルキル基、炭素原子数1~6のアルコキシ基、ハロゲン又はPi3-Si3-で置換されていても良い構造がより好ましく、中でも下記の構造を表すことがさらに好ましく、
【0079】
【化20】
【0080】
(式中、Rim1及びRim2は、それぞれ独立して、炭素原子数1~8のアルキル基、炭素原子数1~8のアルコキシ基、フッ素原子又はPi3-Si3-を表す。)
1,4-フェニレン基、2-メチル-1,4-フェニレン基、3-メチル-1,4-フェニレン基、2-メトキシ-1,4-フェニレン基、3-メトキシ-1,4-フェニレン基、2-フルオロ-1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基又はナフタレン-2,6-ジイル基であることがより好ましく、1,4-フェニレン基、2-メチル-1,4-フェニレン基、3-メチル-1,4-フェニレン基、2-フルオロ-1,4-フェニレン基、又は3-フルオロ-1,4-フェニレン基であることが更に好ましく、1,4-フェニレン基、2-メチル-1,4-フェニレン基又は2-フルオロ-1,4-フェニレン基であることが特に好ましく、1,4-フェニレン基であることがとりわけ好ましい。特に、Mi3が上記の好ましい基、特に芳香族である場合、Mi3とナフタレン環とが共役構造を取るために重合性化合物の吸収波長を長波長領域へと広げることができ、重合速度が速くなるために重合性化合物の残留量を低減することができる。
【0081】
上記一般式(I-Np)において、Li1及びLi2はそれぞれ独立して、単結合、-C-、-C-、-C-、-OCH-、-CHO-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOOCH-、-CHOCOO-、-OCHCHO-、-CH=CRa-COO-、-CH=CRa-OCO-、-COO-CRa=CH-、-OCO-CRa=CH-、-COO-CRa=CH-COO-、-COO-CRa=CH-OCO-、-OCO-CRa=CH-COO-、-OCO-CRa=CH-OCO-、-CHOCO-、-COOCH-、-OCOCH-、-COCO-、-CCOO-、-COOC-、-OCOC-、-CH=CH-、-CF=CF-、-CF=CH-、-CH=CF-、-CFO-、-OCF-、-CFCH-、-CHCF-、-CFCF-又は-C≡C-、(式中、Raはそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1~4のアルキル基を表す)を表すが、単結合、-CH=CH-、-CF=CF-、-C≡C-、-COO-、-OCO-、-CFO-、-OCF-、-CH=CHCOO-、-OCOCH=CH-、-OCHCHO-、-CHO-、-OCH-、-CCOO-、-OCOC-又は炭素原子数1~10のアルキレン基を表すことが好ましく、単結合、-COO-、-OCO-、-CH=CHCOO-、-OCOCH=CH-、-OCHCHO-、-CHO-、-OCH-、-CCOO-、-OCOC-又は炭素原子数1~6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表すことがより好ましく、単結合、-COO-、-OCO-、-OCHCHO-、-CHO-、-OCH-、-CCOO-、-OCOC-又は炭素原子数2のアルキレン基(エチレン基(-CHCH-))を表すことが更に好ましく、単結合が特に好ましい。
【0082】
上記一般式(I-Np)において、qi1は0又は1を表し、0を表すことが好ましい。mi2はそれぞれ独立して0、1又は2を表すが、0又は1を表すことが好ましく、1を表すことが特に好ましい。qi1+mi2は0、1又は2を表すことが好ましい。短い紫外線照射時間で十分なプレチルト角を有し、重合性化合物の残留量を少なくするためには、qi1+mi2が0又は1を表すことが好ましく、1を表すことがより好ましい。また、一般式(I-Np)で表される化合物以外の重合性化合物と混合して用いた場合、重合性化合物の残留量を少なくし、高い電圧保持率(VHR)を得るためには、qi1+mi2が0又は1を表すことが好ましい。
【0083】
上記一般式(I-Np)において、Pi1、Pi2及びPi3は式(R-1)~(R-9)からなる群より選ばれる重合性基を表す。Pi1、Pi2及びPi3は、全て同一の重合性基であっても、異なる重合性基であってもよい。
【0084】
上記一般式(I-Np)において、Pi1、Pi2及びPi3は、それぞれ独立して、式(R-1)、式(R-2)、式(R-3)、式(R-4)、式(R-5)又は式(R-7)であることが好ましく、式(R-1)、式(R-2)、式(R-3)又は式(R-4)であることがより好ましく、式(R-1)であることが更に好ましく、アクリルオキシ基又はメタクリルオキシ基であることが特に好ましい。
【0085】
i1及びPi2の少なくとも一方が、式(R-1)であることが好ましく、アクリルオキシ基又はメタクリルオキシ基であることがより好ましく、Pi1及びPi2の両方がアクリルオキシ基又はメタクリルオキシ基であることがさらに好ましく、Pi1及びPi2の両方がメタクリルオキシ基であるか、あるいはPi1及びPi2の一方がアクリルオキシ基でありもう一方がメタクリルオキシ基であることが特に好ましい。
【0086】
上記式(R-1)~(R-9)において、R11、R12、R13、R14及びR15は、それぞれ独立して、メチル基又は水素原子であることが好ましく、重合性化合物の重合速度を重視する場合は水素原子であることが好ましく、プレチルト角の変化による表示不良の低減を重視する場合はメチル基であることが好ましい。
【0087】
上記一般式(I-Np)において、Si1は単結合を表すことから、Mi3とナフタレン環とが直接結合し、効果的に共役構造を取ることができるため、重合性化合物の吸収波長を長波長領域へと広げることができ、重合速度を速め重合性化合物の残留量を低減することができる。
【0088】
上記一般式(I-Np)において、Si2及びSi3は、それぞれ独立して、単結合又は炭素原子数1~10の直鎖状アルキレン基を表すことが好ましく、炭素原子数2~8の直鎖状アルキレン基又は単結合を表すことがより好ましい。該アルキル基の-CH-は、-CH=CH-、-O-、-COO-、又は-OCO-で置換されてもよく、-CH-の水素はフッ素に置換されてもよい。Si2及びSi3は、単結合又は炭素原子数1~5のアルキレン基であることが更に好ましく、単結合であることが特に好ましい。Si2及びSi3が単結合である場合、紫外線照射後の重合性化合物の残留量が十分に少なく、プレチルト角の変化による表示不良が発生しにくくなる。
【0089】
上記一般式(I-Np)においてZi1は、シアノ基、ニトロ基、-Si2-Pi2又は炭素原子数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基中の-CH-は-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-COO-、-OCO-又は-OCOO-で置換されてもよいが-O-は連続にはならないことが好ましく、-Si2-Pi2、炭素原子数1~8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、該アルキル基中の-CH-は、-CH=CH-、-O-、-OCO-で置換(ただし-O-は連続にはならない)されても良い基を表すことが好ましい。液晶表示素子の信頼性を向上させる観点から、Zi1は、-Si2-Pi2、炭素原子数2~6のアルキル基、アルコキシ基を表すことが好ましく、-Si2-Pi2を表すことが特に好ましい。
【0090】
また、上記一般式(I-Np)で表される化合物は、一般式(i-Np-1)又は一般式(i-Np-2)で表されることが好ましい。
【0091】
【化21】
【0092】
(式中、Min1、Min3、Lin1、Sin1、Sin2、Pin1、Pin2及びqin1は、一般式(I-Np)中のMi1、Mi3、Li1、Si1、Si2、Pi1、Pi2及びqi1とそれぞれ同じ意味を表し、
in1、Xin2、Xin3、Xin4、Xin5、Xin6及びXin7はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は炭素原子数1~8のアルキル基又は式(i-nZ)
【0093】
【化22】
【0094】
で表される基を表し、Xin1、Xin2、Xin3、Xin4、Xin5、Xin6又はXin7がアルキル基を表す場合、該アルキル基中に存在する1個の-CH-又は2個以上の-CH-は、酸素原子が直接隣接しないように、-O-、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-OCO-、-CO-又は-S-で置き換えられてもよく、また、アルキル基中の水素原子はフッ素原子に置換されてもよく、
in2及びMin4はそれぞれ独立して式(i-Z)中のMi2と同じ意味を表し、
in2及びLin4はそれぞれ独立して式(i-Z)中のLi2と同じ意味を表し、
in2及びmin4はそれぞれ独立して式(i-Z)中のmi2と同じ意味を表し、
in2はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-Sin4-Pin4又は炭素原子数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基中に存在する1個の-CH-又は2個以上の-CH-は、酸素原子が直接隣接しないように、-O-、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-OCO-、-CO-又は-S-で置き換えられてもよく、また、アルキル基中の水素原子はフッ素原子に置き換えられてもよく、Sin4及びPin4は式(i-nZ)中のSi2及びPi2とそれぞれ同じ意味を表し、
in1、Min2、Min4、Lin1、Lin2、Lin4、min4、Zin2、Sin4及びPin4が複数存在する場合は、それぞれ、同一であっても異なっていても良く、
ただし、一般式(i-Np-1)又は一般式(i-Np-2)に含まれるPin1、Pin2及びPin4数の合計数は2又は3である。)
上記一般式(i-Np-1)又は一般式(i-Np-2)において、Min1、Min3、Lin1、Sin1、Sin2、Pin1、Pin2及びqin1の好ましい構造は、それぞれ上記一般式(I-Np)中のMi1、Mi3、Li1、Si1、Si2、Pi1、Pi2及びqi1における好ましい構造と同様である。上記一般式(i-Np-1)又は一般式(i-Np-2)において、Xin1、Xin2、Xin3、Xin4、Xin5、Xin6及びXin7の好ましい構造は、それぞれ上記一般式(I-Np)中のXi1、Xi2、Xi3、Xi4、Xi5、Xi6及びXi7における好ましい構造と同様である。上記一般式(i-Np-1)又は一般式(i-Np-2)において、Min2、Lin2及びmin2の好ましい構造は、それぞれ上記式(i-Z)中のMi2、Li2及びmi2における好ましい構造と同様である。上記式(i-nZ)において、Min4、Lin4及びmin4の好ましい構造は、それぞれ上記式(i-Z)中のMi2、Li2及びmi2における好ましい構造と同様である。上記式(i-nZ)において、Zin2の好ましい構造は、それぞれ上記式(i-Z)中のZi2における好ましい構造と同様である。上記式(i-nZ)において、Sin4及びPin4の好ましい構造は、それぞれ上記式(i-Z)中のSi2及びPi2における好ましい構造と同様である。
【0095】
本発明の一般式(I)で表される化合物としては、一般式(ia-1)、一般式(ib-1)、一般式(ia-2)、一般式(ib-2)、一般式(ia-3)、一般式(ib-3)、一般式(ia-4)及び一般式(ib-4)で表される化合物が好ましい。
【0096】
【化23】
【0097】
(式中、Xia1、Xia2、Xia3、Xia4、Xia5、Xia6、Xia7、Xib1、Xib2、Xib3、Xib4、Xib5、Xib6及びXib7はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-Si4-Pi4又は炭素原子数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基中に存在する1個の-CH-又は2個以上の-CH-は、酸素原子が直接隣接しないように、-O-、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-OCO-、-CO-又は-S-で置き換えられてもよく、また、アルキル基中の水素原子はフッ素原子に置換されてもよく、
i1、Pi2、Si1及びSi2は、一般式(I)中のPi1、Pi2、Si1及びSi2とそれぞれ同じ意味を表し、Si4及びPi4は一般式(I)中のSi2及びPi2とそれぞれ同じ意味を表す。)
【0098】
【化24】
【0099】
(式中、Xia1、Xia2、Xia3、Xia4、Xia5、Xia6、Xia7、Xib1、Xib2、Xib3、Xib4、Xib5、Xib6及びXib7はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-Si4-Pi4又は炭素原子数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基中に存在する1個の-CH-又は2個以上の-CH-は、酸素原子が直接隣接しないように、-O-、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-OCO-、-CO-又は-S-で置き換えられてもよく、また、アルキル基中の水素原子はフッ素原子に置換されてもよく、
i1、Mi2、Li1、Li2、Pi1、Si1及びZi1は、一般式(I)中のMi1、Mi2、Li1、Li2、Pi1、Si1及びZi1とそれぞれ同じ意味を表し、Si4及びPi4は一般式(I)中のSi2及びPi2とそれぞれ同じ意味を表し、
ia1及びmib1は0、1又は2を表し、mia2及びmib2は0、1又は2を表が、但し、mia1+mia2≧1を表し、また、mib1+mib2≧1を表す。)
一般式(ia-1)、一般式(ib-1)、一般式(ia-2)、一般式(ib-2)、一般式(ia-3)、一般式(ib-3)、一般式(ia-4)又は一般式(ib-4)において、Xia1、Xia2、Xia3、Xia4、Xia5、Xia6、Xia7、Xib1、Xib2、Xib3、Xib4、Xib5、Xib6及びXib7はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、フッ素原子に置換されてもよい炭素原子数1~8のアルキル基、フッ素原子に置換されてもよい炭素原子数1~8のアルコキシ基又は-Si4-Pi4を表すことが好ましい。
【0100】
一般式(ia-3)、一般式(ib-3)、一般式(ia-4)又は一般式(ib-4)中のZi1が-Si2-Pi2以外の基を表す場合、Xia1、Xia2、Xia3、Xia4、Xia5、Xia6、Xia7、Xib1、Xib2、Xib3、Xib4、Xib5、Xib6及びXib7のいずれか一つ以上の基は-Si4-Pi4を表すことが好ましい。なお、Mi1、Mi2、Li1、Li2、Pi1、Si1、Zi1、Si4及びPi4の好ましい基は一般式(I)中のMi1、Mi2、Li1、Li2、Pi1、Si1、Zi1と同じである。
【0101】
上記一般式(I)で表される化合物は、十分なプレチルト角を有し、電圧保持率(VHR)を高くする観点からは、一般式(II)で表される化合物であることが好ましい。
【0102】
【化25】
【0103】
一般式(II)で表される化合物は、Xii6がXii7に隣接する位置に結合する一般式(iia)で表される化合物(Xii6がナフタレンの2位に置換される場合)と、Xii6がXii5に隣接する位置に結合する一般式(iib)で表される化合物(Xii6がナフタレンの1位に置換される場合)とを包含する。
【0104】
【化26】
【0105】
(式中、Mi1、Li1、Si1、Pi1及びmi1は、一般式(I)中のMi1、Li1、Si1、Pi1及びmi1とそれぞれ同じ意味を表し、
ii1、Xii2、Xii3、Xii4、Xii5、Xii6及びXii7はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は炭素原子数1~8のアルキル基又は式(ii-Z)
【0106】
【化27】
【0107】
で表される基を表し、Xii1、Xii2、Xii3、Xii4、Xii5、Xii6又はXii7がアルキル基を表す場合、該アルキル基中に存在する1個の-CH-又は2個以上の-CH-は、酸素原子が直接隣接しないように、-O-、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-OCO-、-CO-又は-S-で置き換えられてもよく、また、アルキル基中の水素原子はフッ素原子に置換されてもよく、但し、Xii1、Xii2、Xii3、Xii4、Xii5、Xii6及びXii7の少なくとも1つは式(ii-Z)で表される基を表し、
ii2、Lii2及びZii1は式(i-Z)中のMi2、Li2及びZi1とそれぞれ同じ意味を表し、
ii2は0、1又は2を表すが、但し、mi1+mii2≧1を表す。)
一般式(II)、一般式(iia)及び一般式(iib)中のXii1、Xii2、Xii3、Xii4、Xii5、Xii6、Xii7、Mi1、Mii2、Li1、Lii2、Zii1、Si1及びPi1の好ましい基は、一般式(I)中のXi1、Xi2、Xi3、Xi4、Xi5、Xi6、Xi7、Mi1、Mi2、Li1、Li2、Zi1、Si1及びPi1と同じである。
【0108】
環の数が増えると紫外線の極大吸収波長が長波長領域にシフトする傾向にあるため、短い紫外線照射時間で十分なプレチルト角を有し、重合性化合物の残留量が少なくなる点で好ましい。
【0109】
一般式(II)、一般式(iia)及び一般式(iib)において、mii1+mii2は1又は2を表すことが好ましい。
【0110】
本発明に係る一般式(I)で表される重合性化合物として、具体的には、一般式(i-1)から一般式(i-515)で表される化合物が好ましい。一般式(i-1)から一般式(i-515)で表される化合物の中でも、一般式(i-1)~一般式(i-120)、一般式(i-161)~一般式(i-193)、一般式(i-201)~一般式(i-290)及び一般式(i-331)~一般式(i-505)が好ましく、一般式(i-1)~一般式(i-12)、一般式(i-18)~一般式(i-20)、一般式(i-31)~一般式(i-42)、一般式(i-48)~一般式(i-50)、一般式(i-161)~一般式(i-173)、一般式(i-181)~一般式(i-193)、一般式(i-201)~一般式(i-220)、一般式(i-231)~一般式(i-250)、一般式(i-331)~一般式(i-505)がより好ましい。溶解性を重視する場合は一般式(i-1)~一般式(i-12)、一般式(i-18)~一般式(i-20)、一般式(i-31)~一般式(i-42)、一般式(i-48)~一般式(i-50)、一般式(i-201)~一般式(i-220)及び一般式(i-231)~一般式(i-250)が好ましく、重合性化合物の重合速度を重視する場合は、一般式(i-161)~一般式(i-173)、一般式(i-181)~一般式(i-193)及び一般式(i-331)~一般式(i-505)が好ましい。下記の各式中、Meはメチル基を表す。
【0111】
【化28】
【0112】
【化29】
【0113】
【化30】
【0114】
【化31】
【0115】
【化32】
【0116】
【化33】
【0117】
【化34】
【0118】
【化35】
【0119】
【化36】
【0120】
【化37】
【0121】
【化38】
【0122】
【化39】
【0123】
【化40】
【0124】
【化41】
【0125】
【化42】
【0126】
【化43】
【0127】
【化44】
【0128】
【化45】
【0129】
【化46】
【0130】
【化47】
【0131】
【化48】
【0132】
【化49】
【0133】
【化50】
【0134】
【化51】
【0135】
【化52】
【0136】
【化53】
【0137】
【化54】
【0138】
【化55】
【0139】
【化56】
【0140】
【化57】
【0141】
【化58】
【0142】
【化59】
【0143】
【化60】
【0144】
【化61】
【0145】
【化62】
【0146】
【化63】
【0147】
【化64】
【0148】
【化65】
【0149】
【化66】
【0150】
【化67】
【0151】
【化68】
【0152】
【化69】
【0153】
【化70】
【0154】
【化71】
【0155】
【化72】
【0156】
【化73】
【0157】
【化74】
【0158】
【化75】
【0159】
【化76】
【0160】
【化77】
【0161】
【化78】
【0162】
【化79】
【0163】
【化80】
【0164】
(式(I)で表される化合物の製造方法)
式(I)で表される化合物の製造方法は特に限定されるものではなく、公知慣用の手法を用いて製造することができるが、例えば以下のような製法が挙げられる。
【0165】
一般式(I)で表される化合物は、一般式(Im)
【0166】
【化81】
【0167】
(式中、Mi1、Li1、Si1及びmi1は、一般式(I)中のMi1、Li1、Si1及びmi1とそれぞれ同じ意味を表し、
im1、Xim2、Xim3、Xim4、Xim5、Xim6及びXim7はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は炭素原子数1~8のアルキル基又は式(i-Zm)
【0168】
【化82】
【0169】
で表される基を表し、Xim1、Xim2、Xim3、Xim4、Xim5、Xim6又はXim7がアルキル基を表す場合、該アルキル基中に存在する1個の-CH-又は2個以上の-CH-は、酸素原子が直接隣接しないように、-O-、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-OCO-、-CO-又は-S-で置き換えられてもよく、また、アルキル基中の水素原子はフッ素原子に置換されてもよく、但し、Xim1、Xim2、Xim3、Xim4、Xim5、Xim6及びXim7の少なくとも1つは式(i-Zm)で表される基を表し、
im1及びYim2はそれぞれ独立して水酸基、保護された水酸基又はマスクされた水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-Pim2又は炭素原子数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基中に存在する1個の-CH-又は2個以上の-CH-は、酸素原子が直接隣接しないように、-O-、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-OCO-、-CO-又は-S-で置き換えられてもよく、また、アルキル基中の水素原子はフッ素原子に置き換えられてもよく、但し、Yim1又はYim2の少なくとも1つは水酸基、保護された水酸基又はマスクされた水酸基を表し、
im2はSi1と同じ意味を表し、
im2は一般式(I)中のPi1と同じ意味を表し、
i2、Li2及びmi2は式(i-Z)中のMi2、Li2及びmi2とそれぞれ同じ意味を表す。)
で表される化合物から製造することができる。
【0170】
一般式(II)で表される化合物は、一般式(IIm)で表される化合物から製造することができる。
【0171】
【化83】
【0172】
一般式(IIm)で表される化合物は、Xiim6がXiim7に隣接する位置に結合する一般式(iiam)で表される化合物(Xiim6がナフタレンの2位に置換される場合)と、Xiim6がXiim5に隣接する位置に結合する一般式(iibm)で表される化合物(Xiim6がナフタレンの1位に置換される場合)とを包含する。
【0173】
【化84】
【0174】
(式中、Mi1、Li1、Si1及びmi1は、一般式(II)中のMi1、Li1、Si1及びmi1とそれぞれ同じ意味を表し、
iim1、Xiim2、Xiim3、Xiim4、Xiim5、Xiim6及びXiim7はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は炭素原子数1~8のアルキル基又は式(ii-Zm)
【0175】
【化85】
【0176】
で表される基を表し、Xiim1、Xiim2、Xiim3、Xiim4、Xiim5、Xiim6又はXiim7がアルキル基を表す場合、該アルキル基中に存在する1個の-CH-又は2個以上の-CH-は、酸素原子が直接隣接しないように、-O-、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-OCO-、-CO-又は-S-で置き換えられてもよく、また、アルキル基中の水素原子はフッ素原子に置換されてもよく、但し、Xiim1、Xiim2、Xiim3、Xiim4、Xiim5、Xiim6及びXiim7の少なくとも1つは式(ii-Zm)で表される基を表し、
iim1及びYiim2はそれぞれ独立して水酸基、保護された水酸基又はマスクされた水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-Piim2又は炭素原子数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基中に存在する1個の-CH-又は2個以上の-CH-は、酸素原子が直接隣接しないように、-O-、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-OCO-、-CO-又は-S-で置き換えられてもよく、また、アルキル基中の水素原子はフッ素原子に置き換えられてもよく、但し、Yiim1又はYiim2の少なくとも1つは水酸基、保護された水酸基又はマスクされた水酸基を表し、
iim2はSi1と同じ意味を表し、
iim2は一般式(II)中のPi1と同じ意味を表し、
ii2、Lii2及びmii2は式(ii-Z)中のMii2、Lii2及びmii2とそれぞれ同じ意味を表す。)
で表される化合物から製造することができる。
【0177】
一般式(Im)中のXim1、Xim2、Xim3、Xim4、Xim5、Xim6、Xim7、Mi1、Mi2、Li1、Li2、Si1、Sim2、Pim2、mi1及びmi2の好ましい基は、一般式(I)中のXi1、Xi2、Xi3、Xi4、Xi5、Xi6、Xi7、Mi1、Mi2、Li1、Li2、Si1、Si2、Pi2、mi1及びmi2の好ましい基と同じである。また、一般式(IIm)、一般式(iiam)、一般式(iibm)中のXiim1、Xiim2、Xiim3、Xiim4、Xiim5、Xiim6、Xiim7、Mi1、Mii2、Li1、Lii2、Si1、Siim2、Piim2、mi1及びmii2の好ましい基は、一般式(II)中のXii1、Xii2、Xii3、Xii4、Xii5、Xii6、Xii7、Mi1、Mii2、Li1、Lii2、Si1、Si2、Pi2、mi1及びmii2の好ましい基と同じである。
【0178】
一般式(I-Np)で表される化合物は、一般式(I-Npm)で表される化合物から製造することができる。
【0179】
【化86】
【0180】
(式中、Mi1、Mi3、Li1、Si1及びqi1は、一般式(I-Np)中のMi1、Mi3、Li1、Si1及びqi1とそれぞれ同じ意味を表し、
im1、Xim2、Xim3、Xim4、Xim5、Xim6及びXim7はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は炭素原子数1~8のアルキル基又は式(i-Zm)
【0181】
【化87】
【0182】
で表される基を表し、Xim1、Xim2、Xim3、Xim4、Xim5、Xim6又はXim7がアルキル基を表す場合、該アルキル基中に存在する1個の-CH-又は2個以上の-CH-は、酸素原子が直接隣接しないように、-O-、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-OCO-、-CO-又は-S-で置き換えられてもよく、また、アルキル基中の水素原子はフッ素原子に置換されてもよく、但し、Xim1、Xim2、Xim3、Xim4、Xim5、Xim6及びXim7の少なくとも1つは式(i-Zm)で表される基を表し、
im1及びYim2はそれぞれ独立して水酸基、保護された水酸基又はマスクされた水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-Pim2又は炭素原子数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基中に存在する1個の-CH-又は2個以上の-CH-は、酸素原子が直接隣接しないように、-O-、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-OCO-、-CO-又は-S-で置き換えられてもよく、また、アルキル基中の水素原子はフッ素原子に置き換えられてもよく、但し、Yim1又はYim2の少なくとも1つは水酸基、保護された水酸基又はマスクされた水酸基を表し、
im2は式(i-Z)中のSi2と同じ意味を表し、
im2は式(i-Z)中のPi2と同じ意味を表し、
i2、Li2及びmi2は式(i-Z)中のMi2、Li2及びmi2とそれぞれ同じ意味を表し、
i1、Mi2、Li1、Li2、Zi1、Sim2、Si3、Pim2、又はPi3が複数存在する場合は、それぞれ、同一であっても異なっていても良く、
一般式(I-Npm)に含まれるYim1、Yim2、Pim2及びPi3の数の合計数は2又は3である。)
で表される化合物から製造することができる。
【0183】
一般式(i-Np-1)又は一般式(i-Np-2)で表される化合物は、一般式(i-Np-1m)又は一般式(i-Np-2m)で表される化合物から製造することができる。
【0184】
【化88】
【0185】
(式中、Min1、Min3、Lin1、Sin1、Sin2及びqin1は、一般式(i―Np-1)又は一般式(i-Np-2)中のMin1、Min3、Lin1、Sin1、Sin2及びqin1とそれぞれ同じ意味を表し、
in1m、Xin2m、Xin3m、Xin4m、Xin5m、Xin6m及びXin7mはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は炭素原子数1~8のアルキル基又は式(i-nZm)
【0186】
【化89】
【0187】
で表される基を表し、Xin1m、Xin2m、Xin3m、Xin4m、Xin5m、Xin6m又はXin7mがアルキル基を表す場合、該アルキル基中に存在する1個の-CH-又は2個以上の-CH-は、酸素原子が直接隣接しないように、-O-、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-OCO-、-CO-又は-S-で置き換えられてもよく、また、アルキル基中の水素原子はフッ素原子に置換されてもよく、
in2、Lin2及びmin2は一般式(i-Np-1)又は一般式(i-Np-2)中のMin2、Lin2及び式min2とそれぞれ同じ意味を表し、
in4、Lin4及びmin4は式(i-nZ)中のMin4、Lin4及びmin4とそれぞれ同じ意味を表し、
iim1、Yiim2及びYiim4はそれぞれ独立して水酸基、保護された水酸基又はマスクされた水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-Pin4又は炭素原子数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基中に存在する1個の-CH-又は2個以上の-CH-は、酸素原子が直接隣接しないように、-O-、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、-OCO-、-CO-又は-S-で置き換えられてもよく、また、アルキル基中の水素原子はフッ素原子に置き換えられてもよく、但し、Yiim1又はYiim2の少なくとも1つは水酸基、保護された水酸基又はマスクされた水酸基を表し、Sin4及びPin4は式(i-nZ)中のSin4及びPin4とそれぞれ同じ意味を表し、
in1、Min2、Min4、Lin1、Lin2、Lin4、min4、Zin2、Sin4及びPin4が複数存在する場合は、それぞれ、同一であっても異なっていても良く、
ただし、一般式(i-Np-1m)又は一般式(i-Np-2m)に含まれるYiim1、Yiim2、Yiim4及びPin4の数の合計数は2又は3である。)
一般式(Im)、一般式(IIm)、一般式(iima)、一般式(iimb)、一般式(I-Npm)、一般式(i-Np-1m)又は一般式(i-Np-2m)中のYim1、Yim2、Yiim1、Yiim2又はYiim4はそれぞれ独立して、水酸基、保護された水酸基又はマスクされた水酸基を表す。保護された水酸基又はマスクされた水酸基とは、水酸基を不活性な官能基に変換させた公知のものであれば特に限定されないが、例えば、エーテル系、アセタール系、エステル系、シリルエーテル系等の官能基があげられる。より具体的には、エーテル系の官能基としてメチル基、ベンジル基、メトキシメチル等があげられる。また、アセタール系の官能基としてテトラヒドロピラニル基等があげられる。また、エステル系の官能基としてホルミル基、アセチル基等があげられる。また、シリルエーテル系の官能基としてトリメチルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基等があげられる。
【0188】
一般式(Im)、一般式(IIm)、一般式(iima)、一般式(iimb)、一般式(I-Npm)、一般式(i-Np-1m)又は一般式(i-Np-2m)で表される化合物は、例えば、一般式(Im)、一般式(IIm)、一般式(iima)、一般式(iimb)、一般式(i-Np-1m)又は一般式(i-Np-2m)で表される化合物においてYim1、Yim2、Yiim1、Yiim2又はYiim4で表される基が水酸基を表す化合物と、一般式(iiim)と
【0189】
【化90】
【0190】
(式中、Pi1は、一般式(i)、一般式(ii)又は一般式(I-Np)中のPi1と同じ意味を表す。)とから製造できる。
【0191】
具体的には、以下の方法で製造できる。
(製法1)一般式(ia-3-1)で表される化合物の製造
エタノール溶媒中、炭酸カリウムとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)存在下、4-ブロモ-1-ナフトールと末端にメトキシ基を持つホウ酸との鈴木カップリングによりフェニルナフタレン誘導体(S-1)を得て、次いで酢酸中、臭化水素酸によりメトキシ基をフェノール性水酸基に変換したジヒドロキシ化合物(S-2)を得る。更にジクロロメタン溶媒中、ジメチルアミノピリジン存在下、メタクリル酸を用いたジイソプロピルカルボジイミドによる縮合反応により、目的化合物(ia-3-1)を得ることができる。
【0192】
【化91】
【0193】
(上記式中、Mi1、Mi2、Li1、Li2、mi1及びmi2は一般式(I)中のMi1、Mi2、Li1、Li2、mi1及びmi2と同じ意味を表す。)
(製法2)一般式(ia-3-1)で表される化合物の製造
ジクロロメタン溶媒中、パラトルエンスルホン酸ピリジニウム存在下、4-ブロモ-1-ナフトールと3,4-ジヒドロ-2H-ピランを反応させて、ナフタレンの水酸基保護体(S-3)を得て次いでエタノール溶媒中、炭酸カリウムとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)存在下、末端に水酸基を持つホウ酸との鈴木カップリングによりフェニルナフタレン誘導体(S-4)を得て、さらにTHF中、塩酸水溶液を加えて反応させてジヒドロキシ化合物(S-2)を得る。そしてジクロロメタン溶媒中、ジメチルアミノピリジン存在下、メタクリル酸を用いたジイソプロピルカルボジイミドによる縮合反応により、目的化合物(ia-3-1)を得ることができる。
【0194】
【化92】
【0195】
(上記式中、Mi1、Mi2、Li1、Li2、mi1及びmi2は一般式(I)中のMi1、Mi2、Li1、Li2、mi1及びmi2と同じ意味を表す。)
(製法3)一般式(iia-3-2)で表される化合物の製造
ジクロロメタン溶媒中、ジメチルアミノピリジン存在下、メタクリル酸を用いたジイソプロピルカルボジイミドによる縮合反応により、(S-4)から(S-5)を得る。さらにTHF中、塩酸水溶液を加えて反応させてヒドロキシ化合物(S-6)を得る。そしてジクロロメタン溶媒中、ジイソプロピルエチルアミン存在下、アクリル酸クロリドを用いたエステル化反応により、目的化合物(ia-3-2)を得ることができる。
【0196】
【化93】
【0197】
(上記式中、Mi1、Mi2、Li1、Li2、mi1及びmi2は一般式(I)中のMi1、Mi2、Li1、Li2、mi1及びmi2と同じ意味を表す。)
本発明の液晶組成物における一般式(I)で表される重合性化合物の含有量は、下限値として、0.001質量%であることが好ましく、0.005質量%であることが好ましく、0.010質量%であることが好ましく、0.015質量%であることが好ましく、0.020質量%であることが好ましく、0.025質量%であることが好ましく、0.030質量%であることが好ましく、0.040質量%であることが好ましく、0.050質量%であることが好ましく、0.100質量%であることが好ましく、0.200質量%であることが好まし。上限値として、3質量%であることが好ましく、2質量%であることがより好ましく、1質量%であることがより好ましく、0.5質量%であることがより好ましく、0.4質量%であることがより好ましく、0.3質量%であることがより好ましく、0.2質量%であることがより好ましく、0.1質量%であることが更に好ましく、0.05質量%であることが特に好ましい。以下、質量%を%と記載することもある。
(式(RM)で表される重合性化合物;第二の重合性化合物)
【0198】
【化94】
【0199】
本発明の一般式(RM)において、R101、R102、R103、R104、R105、R106、R107及びR108は、それぞれ独立して、P13-S13-、フッ素原子に置換されてもよい炭素原子数1から18のアルキル基、フッ素原子に置換されてもよい炭素原子数1から18のアルコキシ基、フッ素原子又は水素原子のいずれかを表すが、アルキル基およびアルコキシ基である場合の好ましい炭素原子数は、1~16であり、より好ましくは1~10であり、さらに好ましくは1~8であり、よりさらに好ましくは1~6であり、さらにより好ましくは1~3である。また、前記アルキル基およびアルコキシ基は、直鎖状または分岐状であってもよいが、直鎖状が特に好ましい。
【0200】
上記一般式(RM)において、R101、R102、R103、R104、R105、R106、R107及びR108は、P13-S13-、フッ素原子に置換されてもよい炭素原子数1から3のアルコキシ基、フッ素原子又は水素原子のいずれかを表すことが好ましく、P13-S13-、炭素原子数1から3のアルコキシ基、フッ素原子又は水素原子のいずれかを表すことが更に好ましい。このアルコキシ基は、炭素原子数が1以上3以下であることが好ましく、1以上2以下であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
【0201】
また、P11、P12及びP13は、全て同一の重合性基(式(Re-1)~式(Re-9))であっても、異なる重合性基でもよい。
【0202】
上記一般式(RM)において、P11、P12及びP13は、それぞれ独立して、式(Re-1)、式(Re-2)、式(Re-3)、式(Re-4)、式(Re-5)または式(Re-7)であることが好ましく、式(Re-1)、式(Re-2)、式(Re-3)または式(Re-4)であることがより好ましく、式(Re-1)であることがより好ましく、アクリル基またはメタクリル基であることが更に好ましい。
【0203】
11及びP12の少なくとも一方が、式(Re-1)であることが好ましく、アクリル基又はメタクリル基であることがより好ましく、メタクリル基であることがさらに好ましく、P11及びP12がメタクリル基であることが特に好ましい。
【0204】
上記一般式(RM)において、S11、S12及びS13は、それぞれ独立して、単結合又は炭素原子数1~5のアルキレン基であることが好ましく、単結合であることが特に好ましい。S11、S12及びS13が単結合である場合、紫外線照射後の重合性化合物の残留量が十分に少なく、プレチルト角の変化による表示不良が発生しにくくなり、PSA型またはPSVA型の液晶表示素子の表示不良が発生しないか、または、極めて少なくなる。S11、S12及びS13が炭素原子数1から3である場合、NPS型の液晶表示素子に好適である。
【0205】
本発明の液晶組成物における一般式(RM)で表される重合性化合物の含有量の下限は、0.01質量%が好ましく、0.02質量%が好ましく、0.03質量%が好ましく、0.04質量%が好ましく、0.05質量%が好ましく、0.06質量%が好ましく、0.07質量%が好ましく、0.08質量%が好ましく、0.09質量%が好ましく、0.1質量%が好ましく、0.12質量%が好ましく、0.15質量%が好ましく、0.17質量%が好ましく、0.2質量%が好ましく、0.22質量%が好ましく、0.25質量%が好ましく、0.27質量%が好ましく、0.3質量%が好ましく、0.32質量%が好ましく、0.35質量%が好ましく、0.37質量%が好ましく、0.4質量%が好ましく、0.42質量%が好ましく、0.45質量%が好ましく、0.5質量%が好ましく、0.55質量%が好ましい。本発明の液晶組成物における一般式(RM)で表される重合性化合物の含有量の上限は、5質量%が好ましく、4.5質量%が好ましく、4質量%が好ましく、3.5質量%が好ましく、3質量%が好ましく、2.5質量%が好ましく、2質量%が好ましく、1.5質量%が好ましく、1質量%が好ましく、0.95質量%が好ましく、0.9質量%が好ましく、0.85質量%が好ましく、0.8質量%が好ましく、0.75質量%が好ましく、0.7質量%が好ましく、0.65質量%が好ましく、0.6質量%が好ましく、0.55質量%が好ましく、0.5質量%が好ましく、0.45質量%が好ましく、0.4質量%が好ましい。
【0206】
更に詳述すると、十分なプレチルト角又は重合性化合物の少ない残留量又は高い電圧保持率(VHR)を得るには、その含有量は0.2から0.6質量%が好ましいが、低温における析出の抑制を重視する場合にはその含有量は0.01から0.4質量%が好ましい。特別に速い応答速度を得る場合には、その含有量を2質量%まで増量することも好ましい。
【0207】
本発明の液晶組成物中の一般式(I)で表される化合物と一般式(RM)で表される化合物との合計の含有量は、下限値として、0.002質量%であることが好ましく、0.005質量%であることが好ましく、0.01質量%であることが好ましく、0.02質量%であることが好ましく、0.03質量%であることが好ましく、0.1質量%であることが好ましく、0.2質量%であることが好ましく、0.3質量%であることが好ましく、0.4質量%であることが好ましく、上限値として、6質量%であることが好ましく、3質量%であることが好ましく、2質量%であることがより好ましく、1質量%であることがより好ましく、0.5質量%であることがより好ましく、0.4質量%であることがより好ましく、0.3質量%であることが更に好ましい。 また、一般式(RM)で表される重合性化合物を複数含有する場合は、それぞれの含有量が0.01から0.4質量%であることが好ましい。従って、これら全ての課題を解決するためには、一般式(RM)で表される重合性化合物を0.1から0.6質量%の範囲で調整することが特に好ましい。
【0208】
本発明に係る一般式(RM)で表される重合性化合物として、具体的には、一般式(RM-1)から(RM-10)で表される化合物が好ましく、これらを用いたPSA型液晶表示素子は、重合性化合物の残留量が少なく、十分なプレチルト角を有し、プレチルトの変化等に起因した配向不良や表示不良といった不具合が無いか、あるいは極めて少ない。
【0209】
【化95】
【0210】
【化96】
【0211】
式中、RM1及びRM2は、それぞれ独立して、炭素原子数1から5のアルキル基、フッ素原子又は水素原子のいずれかを表すが、炭素原子数1のアルキル基又は水素原子を表すことがより好ましい。
【0212】
本発明の一般式(RM)で表される重合性化合物を含む液晶組成物は、PSA型またはPSVA型の液晶表示素子を作製する場合に好適である。NPS型の液晶表示素子を作製する場合にも好適である。また、配向膜を有さないことを特徴とするPI-less型液晶表示素子を作成する場合にも好適である。
【0213】
一般式(X)で表される化合物、一般式(I)で表される重合性化合物及び一般式(RM)で表される重合性化合物を含む液晶組成物は、適度に速い重合速度であるため、短い紫外線照射時間で目的のプレチルト角を付与することができる。更に、重合後の重合性化合物の残留量を少なくできる。これにより、PSA型またはPSVA型の液晶表示素子製造の生産効率を向上できる。また、プレチルト角の変化による表示不良(例えば、焼き付きなどの不具合)が生じないか、又は極めて少ないといった効果を奏する。なお、本明細書における表示不良は、プレチルト角が経時的に変化することによる表示不良、未反応の重合性化合物の残留量に起因する表示不良、電圧保持率の低下による表示不良を意味している。
(任意成分)
本発明の液晶組成物は、一般式(N-01)、(N-02)、(N-03)、(N-04)及び(N-05)で表される化合物群から選ばれる化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。これら化合物は誘電的に負の異方性を有する化合物に該当する。これらの化合物は、Δεの符号が負で、その絶対値が2より大きい値を示す。なお、化合物のΔεは、25℃において誘電的にほぼ中性の組成物に該化合物を添加した組成物の誘電率異方性の測定値から外挿した値である。
【0214】
【化97】
【0215】
式中、R21及びR22は、それぞれ独立して、炭素原子数1から8のアルキル基、炭素原子数1から8のアルコキシ基、炭素原子数2から8のアルケニル基、炭素原子数2から8のアルケニルオキシ基を表し、該基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH-はそれぞれ独立して、-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていても良く、Zは、それぞれ独立して、単結合、-CHCH-、-OCH-、-CHO-、-COO-、-OCO-、-OCF-、-CFO-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-を表し、mは、それぞれ独立して、1又は2を表す。
【0216】
21は、炭素原子数1から8のアルキル基であることが好ましく、炭素原子数1から5のアルキル基がより好ましく、炭素原子数1から4のアルキル基が更に好ましい。但し、Zが単結合以外を表す場合は、R21は、炭素原子数1~3のアルキル基が好ましい。
【0217】
22は、炭素原子数1~8のアルキル基又は炭素原子数1から8のアルコキシ基であることが好ましく、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数1から4のアルコキシ基がより好ましく、炭素原子数1~4のアルコキシ基が更に好ましい。
【0218】
21及びR22は、アルケニル基であることもでき、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基(各式中の黒点は環構造中の炭素原子を表す。)から選ばれることが好ましく、式(R1)又は式(R2)が好ましいが、R21及びR22がアルケニル基である化合物の含有量はできる限り少ない方が良く、含有しない方が好ましい場合が多い。
【0219】
【化98】
【0220】
は、それぞれ独立して、単結合、-CHCH-、-OCH-、-CHO-、-COO-、-OCO-、-OCF-、-CFO-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-を表すが、単結合、-CHCH-、-OCH-、-CHO-が好ましく、単結合又は-CHO-がより好ましい。
【0221】
mが1のとき、Zは単結合であることが好ましい。
【0222】
mが2のとき、Zは-CHCH-、-CHO-、であることが好ましい。
【0223】
一般式(N-01)、(N-02)、(N-03)、(N-04)及び(N-05)で表される化合物のフッ素原子は、同じハロゲン族である塩素原子で置換されていても良い。但し、塩素原子で置換された化合物の含有量はできる限り少ない方が良く、含有しない方が好ましい。
【0224】
一般式(N-01)、(N-02)、(N-03)、(N-04)及び(N-05)で表される化合物の環上に存在する水素原子は、更にフッ素原子又は塩素原子で置換されていても良い。但し、塩素原子で置換された化合物の含有量はできる限り少ない方が良く、含有しない方が好ましい。
【0225】
一般式(N-01)、(N-02)、(N-03)、(N-04)及び(N-05)で表される化合物は、Δεが負でその絶対値が3よりも大きな化合物であることが好ましい。具体的には、R22は、炭素原子数1から8のアルコキシ基又は炭素原子数2から8のアルケニルオキシ基を表すことが好ましい。
【0226】
一般式(N-01)で表される化合物として、一般式(N-01-1)、一般式(N-01-2)、一般式(N-01-3)及び一般式(N-01-4)
【0227】
【化99】
【0228】
(式中、R21は先述と同じ意味を表し、R23は、それぞれ独立して、炭素原子数1から4のアルコキシ基を表す。)で表される化合物群から選ばれる化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。
【0229】
本発明の液晶組成物は、一般式(X)で表される化合物、一般式(I)で表される重合性化合物、及び一般式(RM)で表される重合性化合物、並びに一般式(N-01-1)および一般式(N-01-4)で表される化合物を含有することが好ましい。
高いVHRを必要とする場合、すなわち、高信頼性を必要とする場合、さらに言い換えると、表示不良がない液晶表示素子を得ることを重視する場合は、一般式(N-01-3)で表される化合物を含まないことが好ましい。
【0230】
一般式(N-02)で表される化合物として、一般式(N-02-1)、一般式(N-02-2)、及び一般式(N-02-3)
【0231】
【化100】
【0232】
(式中、R21は先述と同じ意味を表し、R23は、それぞれ独立して、炭素原子数1から4のアルコキシ基を表す。)で表される化合物群から選ばれる化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。
【0233】
本発明の液晶組成物は、一般式(X)で表される化合物、一般式(I)で表される重合性化合物、一般式(RM)で表される重合性化合物、及び一般式(N-02-1)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0234】
本発明の液晶組成物は、一般式(X)で表される化合物、一般式(I)で表される重合性化合物、一般式(RM)で表される重合性化合物、及び一般式(N-02-3)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0235】
本発明の液晶組成物は、一般式(X)で表される化合物、一般式(I)で表される重合性化合物、一般式(RM)で表される重合性化合物、一般式(N-01-1)で表される化合物、一般式(N-01-4)で表される化合物及び一般式(N-02-1)で表される化合物を同時に含有することが特に好ましい。
【0236】
本発明の液晶組成物は、一般式(X)で表される化合物、一般式(I)で表される重合性化合物、一般式(RM)で表される重合性化合物、一般式(N-01-1)で表される化合物、一般式(N-01-4)で表される化合物及び一般式(N-02-3)で表される化合物を同時に含有することが特に好ましい。
【0237】
一般式(N-03)で表される化合物として、一般式(N-03-1)
【0238】
【化101】
【0239】
(式中、R21は先述と同じ意味を表し、R23は、炭素原子数1から4のアルコキシ基を表す。)で表される化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。
【0240】
本発明の液晶組成物は、一般式(X)で表される化合物、一般式(I)で表される重合性化合物、一般式(RM)で表される重合性化合物、及び一般式(N-03-1)で表される化合物を組み合わせることが好ましい。
【0241】
本発明の液晶組成物は、一般式(X)で表される化合物、一般式(I)で表される重合性化合物、一般式(RM)で表される重合性化合物、一般式(N-01-1)で表される化合物、一般式(N-01-4)で表される化合物及び一般式(N-03-1)で表される化合物を同時に含有することが特に好ましい。
【0242】
一般式(N-04)で表される化合物として、一般式(N-04-1)
【0243】
【化102】
【0244】
(式中、R21は先述と同じ意味を表し、R23は、炭素原子数1から4のアルコキシ基を表す。)で表される化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。
【0245】
本発明の液晶組成物は、一般式(X)で表される化合物、一般式(I)で表される重合性化合物、一般式(RM)で表される重合性化合物、一般式(N-01-1)で表される化合物、一般式(N-01-4)で表される化合物及び一般式(N-04-1)で表される化合物を同時に含有することが特に好ましい。
【0246】
一般式(N-05)で表される化合物は、式(N-05-1)から式(N-05-3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0247】
【化103】
【0248】
本発明の液晶組成物の総量に対して、一般式(N-01)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、0%であり、1%であり、5%であり、10%であり、20%であり、30%であり、40%であり、50%であり、55%であり、60%であり、65%であり、70%であり、75%であり、80%である。好ましい含有量の上限値は、95%であり、85%であり、75%であり、65%であり、55%であり、45%であり、35%であり、25%であり、20%であり、15%であり、10%である。
【0249】
本発明の液晶組成物の総量に対して、一般式(N-02)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、0%であり、1%であり、5%であり、10%であり、20%であり、30%であり、40%であり、50%であり、55%であり、60%であり、65%であり、70%であり、75%であり、80%である。好ましい含有量の上限値は、95%であり、85%であり、75%であり、65%であり、55%であり、45%であり、35%であり、25%であり、20%であり、15%であり、10%である。
【0250】
本発明の液晶組成物の総量に対して、一般式(N-03)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、0%であり、1%であり、5%であり、10%であり、20%であり、30%であり、40%であり、50%であり、55%であり、60%であり、65%であり、70%であり、75%であり、80%である。好ましい含有量の上限値は、95%であり、85%であり、75%であり、65%であり、55%であり、45%であり、35%であり、25%であり、20%であり、15%であり、10%である。
【0251】
本発明の液晶組成物の総量に対して、一般式(N-04)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、0%であり、1%であり、5%であり、10%であり、20%であり、30%であり、40%であり、50%であり、55%であり、60%であり、65%であり、70%であり、75%であり、80%である。好ましい含有量の上限値は、95%であり、85%であり、75%であり、65%であり、55%であり、45%であり、35%であり、25%であり、20%であり、15%であり、10%である。
【0252】
本発明の液晶組成物の総量に対して、式(N-05)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、0%であり、2%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
【0253】
本発明の液晶組成物は、更に、一般式(N-06)で表される化合物を1種又は2種以上含有しても良い。
【0254】
【化104】
【0255】
(式中、R21及びR22は先述と同じ意味を表す。)
一般式(N-06)で表される化合物は、種々の物性を調整したい場合に有効であるが、大きなΔn、高いTni、大きなΔεを得るために使用することができる。
【0256】
本発明の液晶組成物の総量に対して、式(N-06)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、0%であり、2%であり、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、5%である。
【0257】
本発明の液晶組成物は、一般式(NU-01)から一般式(NU-06)
【0258】
【化105】
【0259】
(式中、RNU11、RNU12、RNU21、RNU22、RNU31、RNU32、RNU41、RNU42、RNU51、RNU52、RNU61及びRNU62は、それぞれ独立して、炭素原子数1から8のアルキル基、炭素原子数1から8のアルコキシ基、炭素原子数2から8のアルケニル基又は炭素原子数2から8のアルケニルオキシ基を表し、該基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH-はそれぞれ独立して-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていても良い。ただし、一般式(X)で表される化合物を除く。)、で表される化合物群から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有する。
更に詳述すると、RNU11、RNU12、RNU21、RNU22、RNU31、RNU32、RNU41、RNU42、RNU51、RNU52、RNU61及びRNU62は、炭素原子数1から5のアルキル基又は炭素原子数1から5のアルコキシ基又は炭素原子数2から3のアルケニル基であることが好ましく、炭素原子数1から5のアルキル基又は炭素原子数2から3のアルケニル基が更に好ましい。応答速度を重視する場合には、少なくとも1個のRNU11、RNU21、RNU31、RNU41、RNU51及びRNU61は、炭素原子数2から3のアルケニル基であることが好ましく、このようなアルケニル基を有する化合物は、本発明の液晶組成物の総量に対して、10%以上が好ましく、20%以上が好ましく、25%以上が好ましく、30%以上が好ましく、40%以上が好ましく、45%以上が好ましく、50%以上が好ましい。高いVHRを重視する場合には、アルケニル基を有する化合物は40%以下が好ましく、35%以下が好ましく、30%以下が好ましい。
高速速度と高信頼性を両立するためには、アルケニル基を有する化合物として一般式(NU-01)のみを用いることが好ましく、このとき、RNU11は炭素原子数2から4のアルキル基、RNU12は炭素原子数2から3のアルケニル基であることが特に好ましい。
高速速度と高信頼性を両立するためには、アルケニル基を有する化合物として一般式(NU-01)及び一般式(NU-05)を用いることが好ましく、このとき、RNU11は炭素原子数2から4のアルキル基、RNU12は炭素原子数2から3のアルケニル基であることが特に好ましく、RNU51は炭素原子数2から3のアルケニル基、RNU52は炭素原子数2から3のアルキル基であることが好ましい。
高速速度と高信頼性を両立するためには、アルケニル基を有する化合物として一般式(NU-01)及び一般式(NU-05)及び一般式(NU-04)を用いることが好ましく、このとき、RNU11は炭素原子数2から4のアルキル基、RNU12は炭素原子数2から3のアルケニル基であることが特に好ましく、RNU51及びRNU41は炭素原子数2から3のアルケニル基、RNU52及びRNU42は炭素原子数2から3のアルキル基であることが好ましい。
【0260】
本発明の液晶組成物は、一般式(NU-01)及び一般式(NU-02)で表される化合物を含有することが好ましい。
本発明の液晶組成物は、一般式(NU-01)及び一般式(NU-03)で表される化合物を含有することが好ましい。
本発明の液晶組成物は、一般式(NU-04)及び一般式(NU-05)で表される化合物を含有することが好ましい。
本発明の液晶組成物は、一般式(NU-05)及び一般式(NU-06)で表される化合物を含有することが好ましい。
本発明の液晶組成物は、一般式(NU-01)及び一般式(NU-05)で表される化合物を含有することが好ましい。
本発明の液晶組成物は、一般式(NU-01)及び一般式(NU-06)で表される化合物を含有することが好ましい。
本発明の液晶組成物は、一般式(NU-01)、一般式(NU-05)及び一般式(NU-06)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0261】
一般式(NU-01)で表される化合物の含有量は、5~60質量%であることが好ましく、10~50質量%であることがより好ましく、25~45質量%であることが更に好ましい。
【0262】
一般式(NU-02)で表される化合物の含有量は、3~30質量%であることが好ましく、5~25質量%であることがより好ましく、5~20質量%であることが更に好ましい。
【0263】
一般式(NU-03)で表される化合物の含有量は、0~20質量%であることが好ましく、0~15質量%であることがより好ましく、0~10質量%であることが更に好ましい。
【0264】
一般式(NU-04)で表される化合物の含有量は、3~30質量%であることが好ましく、3~20質量%であることがより好ましく、3~10質量%であることが更に好ましい。
【0265】
一般式(NU-05)で表される化合物の含有量は、0~30質量%であることが好ましく、1~20質量%であることがより好ましく、3~20質量%であることが更に好ましい。
【0266】
一般式(NU-06)で表される化合物の含有量は、1~30質量%であることが好ましく、3~20質量%であることがより好ましく、3~10質量%であることが更に好ましい。
【0267】
本発明の液晶組成物は、さらに重合性化合物を1種又は2種以上含有しても良い。
【0268】
本発明の液晶組成物は、ターフェニル構造又はテトラフェニル構造を有し、誘電率異方性Δεが+2より大きい化合物、すなわち、誘電率異方性が正の化合物を1種類又は2種類以上含有することができる。なお、化合物のΔεは、25℃において誘電的にほぼ中性の組成物に該化合物を添加した組成物の誘電率異方性の測定値から外挿した値である。該化合物は、例えば、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、屈折率異方性などの所望の性能に応じて組み合わせて使用するが、特に、重合性化合物を含有された液晶組成物中の重合性化合物の反応性を加速させることができる。
【0269】
ターフェニル構造又はテトラフェニル構造を有し、誘電率異方性Δεが+2より大きい化合物は、本発明の液晶組成物の総量に対して、好ましい含有量の下限値は、0.1%であり、0.5%であり、1%であり、1.5%であり、2%であり、2.5%であり、3%であり、4%であり、5%であり、10%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の液晶組成物の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では20%であり、15%であり、10%であり、9%であり、8%であり、7%であり、6%であり、5%であり、4%であり、3%である。
【0270】
本発明の液晶組成物に用いることができるターフェニル構造又はテトラフェニル構造を有し、誘電率異方性が+2より大きい化合物として、例えば、式(M-8.51)から式(M-8.54)で表される化合物、式(M-7.1)から式(M-7.4)で表される化合物、式(M-7.11)から式(M-7.14)で表される化合物、式(M-7.21)から式(M-7.24)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0271】
【化106】
【0272】
【化107】
【0273】
【化108】
【0274】
【化109】
【0275】
本発明に係る液晶組成物は、液晶組成物のTniを高くするために、式(L-7.1)から式(L-7.4)、式(L-7.11)から式(L-7.13)、式(L-7.21)から式(L-7.23)、式(L-7.31)から式(L-7.34)、式(L-7.41)から式(L-7.44)、式(L-7.51)から式(L-7.53)の4環の誘電的にほぼゼロ(概ね、-2から+2の範囲)の化合物を含有しても良い。
【0276】
【化110】
【0277】
【化111】
【0278】
【化112】
【0279】
【化113】
【0280】
【化114】
【0281】
【化115】
【0282】
本発明の液晶組成物は、上述の化合物以外に、通常のネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤又は赤外線吸収剤、式(I)及び式(RM)以外の重合性化合物等を含有しても良い。
【0283】
酸化防止剤として、一般式(H-1)から一般式(H-4)で表されるヒンダードフェノールが挙げられる。
【0284】
【化116】
【0285】
一般式(H-1)から一般式(H-3)中、RH1は、それぞれ独立して、炭素原子数1から10のアルキル基、炭素原子数1から10のアルコキシ基、炭素原子数2から10のアルケニル基又は炭素原子数2から10のアルケニルオキシ基を表すが、基中に存在する1個の-CH-又は非隣接の2個以上の-CH-はそれぞれ独立的に-O-又は-S-に置換されても良く、また、基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立的にフッ素原子又は塩素原子に置換されても良い。更に具体的には、炭素原子数2から7のアルキル基、炭素原子数2から7のアルコキシ基、炭素原子数2から7のアルケニル基又は炭素原子数2から7のアルケニルオキシ基であることが好ましく、炭素原子数3から7のアルキル基又は炭素原子数2から7のアルケニル基であることが更に好ましい。
【0286】
一般式(H-4)中、MH4は炭素原子数1から15のアルキレン基(該アルキレン基中の1つ又は2つ以上の-CH-は、酸素原子が直接隣接しないように、-O-、-CO-、-COO-、-OCO-に置換されていても良い。)、-OCH-、-CHO-、-COO-、-OCO-、-CFO-、-OCF-、-CFCF-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH=CH-、-OCO-CH=CH-、-CH=CH-、-C≡C-、単結合、1,4-フェニレン基(1,4-フェニレン基中の任意の水素原子はフッ素原子により置換されていても良い。)又はトランス-1,4-シクロヘキシレン基を表すが、炭素原子数1から14のアルキレン基であることが好ましく、揮発性を考慮すると炭素原子数は大きい数値が好ましいが、粘度を考慮すると炭素原子数は大き過ぎない方が好ましいことから、炭素原子数2から12が更に好ましく、炭素原子数3から10が更に好ましく、炭素原子数4から10が更に好ましく、炭素原子数5から10が更に好ましく、炭素原子数6から10が更に好ましい。
【0287】
一般式(H-1)から一般式(H-4)中、1,4-フェニレン基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH=は-N=によって置換されていても良い。また、1,4-フェニレン基中の水素原子はそれぞれ独立的に、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良い。
【0288】
一般式(H-2)および一般式(H-4)の中の、1,4-シクロヘキシレン基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH-は-O-又は-S-によって置換されていても良い。また、1,4-シクロヘキシレン基中の水素原子はそれぞれ独立的に、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良い。
【0289】
更に具体的には、例えば、式(H-11)から式(H-15)が挙げられる。
【0290】
【化117】
【0291】
本発明の液晶組成物に酸化防止剤が含有する場合、10質量ppm以上が好ましく、20質量ppm以上が好ましく、50質量ppm以上が好ましい。酸化防止剤の含有する場合の上限は10000質量ppmであるが、1000質量ppmが好ましく、500質量ppmが好ましく、100質量ppmが好ましい。
【0292】
本発明の液晶組成物は、Tniが80℃から120℃であるが、90℃から120℃がより好ましく、100℃から110℃が特に好ましい。なお、本発明においては、80℃以上をTniが高いと表現している。
【0293】
本発明の液晶組成物は、25℃におけるΔnが0.08から0.14であるが、0.09から0.13がより好ましく、0.09から0.12が特に好ましい。更に詳述すると、薄いセルギャップに対応する場合は0.10から0.13であることが好ましく、厚いセルギャップに対応する場合は0.08から0.10であることが好ましい。なお、本発明においては、0.09以上をΔnが大きいと表現している。
【0294】
本発明の液晶組成物は、25℃における回転粘性(γ)が50から160mPa・sであるが、55から160mPa・sであることが好ましく、60から160mPa・sであることが好ましく、65から150mPa・sであることが好ましく、70から140mPa・sであることが好ましく、75から130mPa・sであることが好ましく、80から120mPa・sであることが好ましい。
【0295】
本発明の液晶組成物は、25℃におけるΔεが-2.0から-8.0であるが、-2.0から-6.0が好ましく、-2.0から-5.0がより好ましく、-2.5から-4.0がより好ましく、-2.5から-3.5が特に好ましい。
【0296】
本発明の液晶組成物は一般式(X)で表される化合物、一般式(I)で表される重合性化合物、一般式(RM)で表される重合性化合物に加えて、一般式(N-01)、一般式(N-02)、一般式(N-03)、一般式(N-04)、一般式(N-05)及び一般式(N-06)で表される化合物群から選ばれる化合物を1種類又は2種類以上含有し、更に一般式(NU-01)から(NU-06)で表される化合物群から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有することが好ましく、これらの含有量の合計の上限値は、100質量%、99質量%、98質量%、97質量%、96質量%、95質量%、94質量%、93質量%、92質量%、91質量%、90質量%、89質量%、88質量%、87質量%、86質量%、85質量%、84質量%であることが好ましく、これらの含有量の合計の下限値が、78質量%、80質量%、81質量%、83質量%、85質量%、86質量%、87質量%、88質量%、89質量%、90質量%、91質量%、92質量%、93質量%、94質量%、95質量%、96質量%、97質量%、98質量%、99質量%であることが好ましい。
【0297】
本発明の液晶組成物を用いた液晶表示素子は、特に、アクティブマトリックス駆動用液晶表示素子に有用であり、VA、FFS、IPS、PSA、PSVA、PS-IPS又はPS-FFS、NPS、PI-less等の液晶表示素子に適宜用いることができる。
【実施例
【0298】
実施例において化合物の記載について以下の略号を用いる。なお、nは自然数を表す。
(側鎖)
-n -C2n+1 炭素原子数nの直鎖状のアルキル基
n- C2n+1- 炭素原子数nの直鎖状のアルキル基
-On -OC2n+1 炭素原子数nの直鎖状のアルコキシル基
nO- C2n+1O- 炭素原子数nの直鎖状のアルコキシル基
-V -CH=CH
V- CH=CH-
-V1 -CH=CH-CH
1V- CH-CH=CH-
-2V -CH-CH-CH=CH
V2- CH=CH-CH-CH
-2V1 -CH-CH-CH=CH-CH
1V2- CH-CH=CH-CH-CH
(連結基)
-n- -C2n
-nO- -C2n-O-
-On- -O-C2n
-COO- -C(=O)-O-
-OCO- -O-C(=O)-
-CF2O- -CF-O-
-OCF2- -O-CF
(環構造)
【0299】
【化118】
【0300】
(第一の重合性化合物)
第一の重合性化合物として下記式で表される化合物を用いた。
【0301】
【化119】
【0302】
(第二の重合性化合物)
第二の重合性化合物として下記式で表される化合物を用いた。
【0303】
【化120】
【0304】
比較用の重合性化合物として下記式で表される化合物を用いた。
【0305】
【化121】
【0306】
実施例中、測定した特性は以下の通りである。
【0307】
ni :ネマチック相-等方性液体相転移温度(℃)
Δn :25℃における屈折率異方性
Δε :25℃における誘電率異方性
γ :25℃における回転粘度(mPa・s)
11:スプレイの弾性定数(pN)
33:ベンドの弾性定数(pN)
低温保存性:液晶組成物を約0.5gとりバイアル瓶に入れ、温度-25℃で保管した。結果、2週間経過時点で析出が確認されない場合は「A」、1週間経過時点で析出が確認された場合は「B」、3日経過時点で析出が確認された場合は「C」とした。
【0308】
UV後チルト角:垂直配向膜を具備するVAセルに液晶組成物を注入し液晶セルを作製した後、当該セルに15Vの電圧を印加した状態で313nmの波長のUV330mJ/cmを照射し、電圧無印加の状態で365nmの波長のUV21.6J/cmを照射した。その後SHINTECH社製OptiProにてチルト角(°)を測定した。
【0309】
ストレス後チルト変化:SHINTECH社製OptiProにて電圧印加(60Vp-p、30Hz、48hr)のストレスをかけた前後のチルト変化(°)を測定した。
【0310】
残留モノマー量:上記UV照射前後の液晶組成物のHPLCによるモノマーのピークのエリア%から算出した、UV前のモノマーに対する未反応の残留モノマー量(%)を測定した。
【0311】
ムラ観察結果:液晶組成物を垂直配向膜を具備するセルに真空注入した後、上記UV照射を実施し、目視確認を行った結果、ほとんどムラが無いと判断できる場合A、一部ムラがあるように判断できる場合B、明らかにムラがあると判断できる場合Cと評価した。
(実施例1~22及び比較例1~5)
実施例及び比較例のために以下の組成物を調製し上記測定項目を測定した。
【0312】
【表1】
【0313】
【表2】
【0314】
【表3】
【0315】
【表4】
【0316】
【表5】
【0317】
【表6】
【0318】
【表7】
【0319】
【表8】
【0320】
【表9】
【0321】
【表10】
【0322】
上記結果より、比較例に対して実施例ではチルト付与性が高く、ストレス後チルト変化量が同等に維持され、残留モノマー量が少なく、ムラも確認されないということが分かった。