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  • 特許-装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 3/22 20060101AFI20240109BHJP
   C02F 1/42 20230101ALI20240109BHJP
【FI】
F16K3/22 C
C02F1/42 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020046782
(22)【出願日】2020-03-17
(65)【公開番号】P2021146244
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】永元 良治
【審査官】片山 真紀
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-509761(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F1/00-78
B01J39/00-49/90
F16K3/00-26、39/00-51/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、上部に配置されるトッププレートと、該トッププレートの下部に配置されるトップディスクと、該トップディスクと接触してその下部に配置され、動力により回転するプロセスディスクと、該プロセスディスクの端部と内縁が接触するように配置されるエクスターナルリングと、を備え、前記プロセスディスクの回転により流体を任意の吐出先へ送液する、流体の流れを切り替え可能な切り替えバルブであって、
前記プロセスディスクの外縁及び前記エクスターナルリングの内縁は、上側から下側に向けて縮径するようにテーパー状に形成され、
前記プロセスディスクの上面及び前記トップディスクの下面には、流体を流入可能な少なくとも複数の隔室を備え、
前記複数の隔室は、それぞれ隔壁によって仕切られ、該隔壁は、前記トップディスクの下面と接触する密閉部材を備え、
前記トッププレートと前記トップディスクと前記エクスターナルリングとは、それらを固定する複数の固定手段を備え、複数の該固定手段は、平面視においてそれらの重心を通る対角線上の端部近傍に位置し、
前記トッププレートと前記トップディスクとの間にはエラストマー板がこれらの中心を含む領域に配置されている
切り替えバルブ
【請求項2】
前記プロセスディスクは、平面視において同心円状に形成された隔壁によって仕切れられた複数の隔室を備える
請求項に記載の切り替えバルブ
【請求項3】
平面視における前記エラストマー板の形状は略円状である
請求項に記載の切り替えバルブ
【請求項4】
前記エラストマー板の厚さが2mm以上10mm以下である
請求項1からのいずれかに記載の切り替えバルブ
【請求項5】
前記エラストマー板のショアA硬度は、40以上70以下の範囲である
請求項1からのいずれかに記載の切り替えバルブ
【請求項6】
前記固定手段は、それらの端部近傍で周状に形成されている
請求項1からのいずれかに記載の切り替えバルブ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に流体の流れを切り替え可能な装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非鉄精錬等を含む各種プラントには、水等の液体を流すための配管が設置されている。また、配管には、流体を分岐させ、移送割合や移送タイミングを切替調整することが可能な切替バルブが設けられる場合がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、ニッケル酸化鉱石等から抽出したスカンジウムを含有する酸性溶液を用いて、スカンジウムをイオン交換樹脂により吸着、溶離させて不純物と分離し、高純度なスカンジウム原料溶液を回収するスカンジウムの回収方法が記載されている。
【0004】
このスカンジウムの回収方法は、少なくとも、ニッケル、スカンジウム、アルミニウム、及びクロムを含有するニッケル酸化鉱石を高温高圧下で硫酸により浸出して浸出液を得る浸出工程と、浸出液に中和剤を添加して不純物を含む中和澱物と中和後液とを得る中和工程と、中和後液に硫化剤を添加してニッケル硫化物と硫化後液とを得る硫化工程と、硫化後液をキレート樹脂に接触させてスカンジウムを上記キレート樹脂に吸着させ、スカンジウム溶離液を得るイオン交換工程と、スカンジウム溶離液を抽出剤に接触させ、逆抽出液を得る溶媒抽出工程と、逆抽出液に中和剤又はシュウ酸を加え、沈殿物を得るスカンジウム沈殿工程と、この沈殿物を乾燥し、焙焼して、酸化スカンジウムを得る焙焼工程とを含む。
【0005】
このように、スカンジウムの回収方法では、硫化後液をキレート樹脂に接触させてスカンジウムをキレート樹脂に吸着させる。具体的には、まず、カラムを並列に複数階で配置し、吸着始液の全量を均等に分割した量の吸着始液をそれぞれのカラムに通液し、回収対象であるスカンジウムを複数階の処理でキレート樹脂に吸着させる。それぞれのカラムは、1バッチ終了毎に、1つだけ移動して複数のバッチにわたりカラムを順次工程の下流側に移動させ、通液するカラムを切換えていく。
【0006】
一方、吸着始液が送液されていない他のカラムに対しては洗浄液を送液して、同様に1バッチ終了毎に、1つだけ移動して複数のバッチにわたりカラムを順次移動させ、通液するカラムを切換えていく。
【0007】
このような種類の異なる流体の通液の切換を、連続向流多段式イオン交換装置(CCIX)により行われることがある。CCIXでは、イオン交換処理の通液操作を切り替えるために任意の吐出先へ送液することを可能な切り替えバルブを備えている。切り替えバルブを備えたCCIXに関する技術は、例えば、特許文献2に記載されている。
【0008】
切り替えバルブは、例えば図1に示す通り、上部に配置されるトッププレート11と、トッププレート11の下部に配置されるトップディスク12と、トッププレート11と接触してその下部に配置されるプロセスディスク13と、プロセスディスク13の端部と内縁が接触するように配置されるエクスターナルリング14と、で構成されており、切り替えバルブはこのプロセスディスク13が動力により回転する構造となっており、これにより、種類の異なる流体を自在に任意の吐出先へ送液することを可能としている。
【0009】
プロセスディスクは、種類の異なる流体を取り扱うために、隔壁によって仕切れられた複数の隔室を有している。そして、種類の異なる流体の漏れ込みを防ぐためにプロセスディスクの密閉性が重要となる。
【0010】
そこで、トッププレートと、トップディスクと、エクスターナルリングと、が平面視の端部近傍でボルト等を用いて固定することでプロセスディスクとトップディスクとを密着させてプロセスディスクの密閉性を確保して液漏れを防ぐ構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開2017-210675号公報
【文献】特表2004-509761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
さて、このような各種プラントなどで使用される切替バルブなどの装置は、使用によって僅かなひずみが生じてしまい、固定されている端部に比べて中心が浮いて、プロセスディスクの密閉性が失われ、これによりプロセスディスク内で液漏れが発生することが本発明者によって明らかにされた。
【0013】
特に、種類の異なる流体の流れを切り替え可能な切り替えバルブであると、ポンプからプロセスディスクの内部に流体が流入するため、その圧力によってプロセスディスク内に内圧がかかることでプロセスディスクの中心がより浮きやすくなり、これによりプロセスディスク内で液漏れがより顕著に発生する。
【0014】
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、プロセスディスク内での液漏れを効果的に防止できる装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、トッププレートとトップディスクとの間にはエラストマー板がこれらの中心を含む領域に配置されている装置であれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0016】
(1)本発明の第1は、少なくとも、上部に配置されるトッププレートと、該トッププレートの下部に配置されるトップディスクと、該トップディスクと接触してその下部に配置されるプロセスディスクと、該プロセスディスクの端部と内縁が接触するように配置されるエクスターナルリングと、を備える装置であって、前記プロセスディスクは、流体を流入可能な少なくとも1以上の隔室を備え、前記トッププレートと前記トップディスクと前記エクスターナルリングとは、それらを固定する複数の固定手段を備え、複数の該固定手段は、平面視においてそれらの重心を通る対角線上の端部近傍に位置し、前記トッププレートと前記トップディスクとの間にはエラストマー板が中心を含む領域に配置されている装置である。
【0017】
(2)本発明の第2は、第1の発明において、前記プロセスディスクは、流体を流入可能な複数の隔室を備える装置である。
【0018】
(3)本発明の第3は、第2の発明において、前記プロセスディスクは、平面視において同心円状に形成された隔壁によって仕切れられた複数の隔室を備える装置である。
【0019】
(4)本発明の第4は、第3の発明において、前記エラストマー板のショアA硬度は、40以上70以下の範囲である装置である。
【0020】
(5)本発明の第5は、第1から第4のいずれかの発明において、前記エラストマー板の厚さが2mm以上10mm以下である装置である。
【0021】
(6)本発明の第6は、第1から第5のいずれかの発明において、前記エラストマー板のショアA硬度は、40以上70以下の範囲である装置である。
【0022】
(7)本発明の第7は、第1から第6のいずれかの発明において、前記固定手段は、それらの端部近傍で周状に形成されている装置である。
【0023】
(8)本発明の第8は、第1から第7のいずれかの発明において、流体の流れを切り替え可能な切り替えバルブである装置である。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、プロセスディスク内での液漏れを効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】装置の構成を模式的に示す概略図(断面図)である。
図2図1における装置のA-A線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
【0027】
<装置>
図1に本実施の形態に係る装置の構成を示す。本実施の形態に係る装置1は、少なくとも、上部に配置されるトッププレート11と、トッププレート11の下部に配置されるトップディスク12と、トップディスク12と接触してその下部に配置されるプロセスディスク13と、プロセスディスクの端部と内縁が接触するように配置されるエクスターナルリング14と、を備える。なお、このプロセスディスク13とエクスターナルリング14は、トップディスク12とボトムディスク15との間に挟持される。
【0028】
そして、トッププレート11と、トップディスク12と、エクスターナルリング14と、はそれらを固定する複数の固定手段19を備えており、複数の固定手段19は、平面視においてそれらの重心を通る対角線上の端部近傍に位置している。このような複数の固定手段19により、トッププレート11と、トップディスク12と、エクスターナルリング14と、を端部から固定してプロセスディスク13の密閉性を高めることができる。
【0029】
プロセスディスク13は、流体を流入可能な少なくとも1以上の隔室を備えている。
【0030】
そして、本実施の形態に係る装置1は、トッププレート11とトップディスク12との間にはエラストマー板2がこれらの中心を含む領域に配置されていることを特徴としている。これにより、プロセスディスク13の密閉性が失われることを抑制してプロセスディスク13内で液漏れを効果的に防止することができる。
【0031】
以下では、本実施の形態に係る装置を構成する各部材について説明する。
【0032】
[エラストマー板]
エラストマー板2は、平面視においてトッププレート11とトップディスク12との間にこれらの中心を含む領域に配置されることで、トップディスク12の中央部分で下方向に圧力がかかり、プロセスディスク13内の液漏れを効果的に防止することができる。
【0033】
エラストマー板2とは、所定の厚さを有するゴムなどの弾性体である。エラストマー板2のショアA硬度は特に制限されるものではないが、40以上70以下であることが好ましい。エラストマー板2のショアA硬度(JIS K 6253)が40以上であることで、トップディスク12の中央部分で下方向により効果的に圧力をかけることができる。エラストマー板2のショアA硬度が70以下であることで、トップディスク12の歪みや傷の発生を抑制することができる。
【0034】
エラストマー板2の厚さは特に制限されるものではないが、2mm以上10mm以下であることが好ましい。エラストマー板2の厚さが2mm以上であることで、トップディスク12の中央部分で下方向により効果的に圧力をかけることができる。エラストマー板2の厚さが10mm以下であることで、トップディスクの歪みや傷の発生を抑制することができる。
【0035】
平面視におけるエラストマー板2の形状は特に制限されるものではないが、略円状であることが好ましい。トップディスク12の中央近傍で均一に圧力がかかり、プロセスディスク内の液漏れをより効果的に防止することができる。特に後述するようにプロセスディスクが同心円状に形成された隔壁によって仕切れられた複数の隔室を備える場合(例えば図2)には、エラストマー板2の形状が略円状であることで中心近傍に配置された同心円状の隔壁の密閉部材132aが適切に押されることで、極めて効果的にプロセスディスク13を密閉することが可能となる。
【0036】
また、エラストマー板2の形状が略円状である場合、エラストマー板2の直径(平面視)は、トップディスクの直径(平面視)に対して15%以上であることが好ましい。エラストマー板2の直径は、トップディスクの直径に対して15%以上であることで、トップディスク12の中央部分で下方向により効果的に圧力をかけることができる。なお、エラストマー板2の直径の上限は特に制限はされないが、トップディスクの直径に対して40%以下であることが好ましい。
【0037】
[プロセスディスク]
プロセスディスク13は、平面視において隔壁133a、133b、133cによって仕切れられた複数の隔室131a、131b、131cを備える。このプロセスディスク13は動力により回転する構造となっており、これにより、種類の異なる流体を自在に任意の吐出先へ送液することを可能としている。なお、本発明の装置において、プロセスディスクは、少なくとも1以上の隔室を備えていればよいが、複数の隔室を備えることで種類の異なる流体を取り扱うことが可能となる。
【0038】
図2図1における装置のA-A線断面図(平面図)であって、プロセスディスク13とエクスターナルリング14の平面図を示す。プロセスディスク13は、平面視において同心円状に形成された隔壁133a、133b、133cによって仕切れられた複数の隔室131a、131b、131cを有している。この複数の隔室131a、131b、131cには流体が流入される。
【0039】
そして、隔壁133a、133b、133cには、例えばOリングなどの密閉部材132a、132b、132cが備えられており、この密閉部材132a、132b、132cがトップディスク12の下面と接触することで隔室131a、131b、131cを密閉して、液漏れを防止する。
【0040】
このとき、例えば、プロセスディスク13の端部側に位置する隔壁133cでは、固定手段19と比較的近いため、トップディスク12によって隔壁133cの密閉部材132cが適切に押されることで隔室131aでの液漏れを防止することができる。一方、プロセスディスクの中心側の隔壁133aでは、相対的に固定手段19から遠く、長期間の使用によってプロセスディスクに僅かなひずみが生じることで中心付近でトップディスク12が浮いて、隔壁133aに存在する密閉部材132aが適切に押されなくなり、このプロセスディスクの中央付近の隔壁の間で液漏れが発生する場合がある。特に、ポリオレフィン樹脂のような高温時での耐久性の低い材質をプロセスディスク等の構成部材に用いたような場合には、このようなひずみが生じやすく液漏れの問題が顕著となる。
【0041】
そこで、トッププレート11とトップディスク12との間にはエラストマー板2がこれらの中心を含む領域に配置されていることで、トップディスク12の中央部分で下方向に圧力がかかり、中央付近に存在する隔壁133aの密閉部材132aが適切に押されることとなり、隔室131aを適切に密閉することが可能となる。これにより、プロセスディスク13内での液漏れを効果的に防止することができる。
【0042】
なお、平面視において同心円状に形成された隔壁133a、133b、133cによって仕切れられた複数の隔室131a、131b、131cを備えるプロセスディスク13を備える装置を本発明の具体的な実施形態の一例として説明したが、本発明において、平面視における隔壁の形状は特に制限されるものではない。しかしながら、同心円状に形成された隔壁を備えるプロセスディスク13であると、図2の隔壁133aのようにプロセスディスク中央付近に隔壁が存在するような構成となるため、プロセスディスク13に僅かなひずみが生じることにより液漏れの問題が顕著となる。本実施の形態に係る装置1のようにトッププレート11とトップディスク12との間にエラストマー板2がこれらの中心を含む領域に配置されていることによって、このように液漏れがより発生しやすい構成の装置であってもプロセスディスク13内の液漏れを効果的に防止することができる。
【0043】
Oリングなどの密閉部材132a、132b、132cの材質としては、天然ゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ハイパロン、ポリブタジエンゴム、エチレン-プロピレンゴム(EPM)、エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体(EPDM)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、水素添加アクリロニトリルブタジエンゴム(H-NBR)、シリコンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、スチレンブタジエンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、ミラブルウレタン、熱硬化性ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタン、又は熱可塑性ポリエステルなどを含むものやこれらのPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などの樹脂によりコーティングされたものを挙げることができる。その中でも、エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体(EPDM)を含むもの及びEPDMがPTFEによりコーティングされたものが好ましい。
【0044】
このプロセスディスク13の外縁は、トップディスク12側からボトムディスク15側に向けて縮径するようにテーパー状に形成されている。エクスターナルリング14との密着性を向上させて、液漏れを防ぐことができる。なお、プロセスディスク13の外縁には、ガスケットが備えられていてもよい。
【0045】
[エクスターナルリング]
エクスターナルリング14は、プロセスディスク13の端部と内縁が接触するように配置される。エクスターナルリング14の内縁は、トップディスク12側からボトムディスク15側に向けて縮径するようにテーパー状に形成されている。このように、エクスターナルリング14の内縁はテーパー状の形状とすることでプロセスディスク13との密閉性を向上させて、液漏れを防ぐことができる。
【0046】
[トッププレート及びボトムプレート]
トッププレート11及びボトムプレート16は主にSUSなどの金属部材から構成されている。そして、後述する固定手段によって他の部材とともに固定されることで装置1に剛性を付与することができる。
【0047】
[固定手段]
トッププレート11とトップディスク12とエクスターナルリング14はそれらを固定する複数の固定手段19を備え、複数の固定手段19は、平面視においてそれらの重心を通る対角線上の端部近傍に位置している。このように対角線上の端部近傍に位置するように複数の固定手段19を備えることにより、これらの部材を略水平に固定することができる。
【0048】
固定手段としては、図1に示すように、ボルト17をこれらの部材に挿通させ、ボルト17にナット18を装着してナット18を締め付ける固定手段を挙げることができる。
【0049】
また、複数の固定手段19は、重心を通る対角線上に位置するように形成されていればよいが、図2に示すように複数の固定手段19がそれらの端部近傍で周状に形成されていることが好ましい。これにより周状にプロセスディスク13とトップディスク12とを固定させてプロセスディスク13の密閉性をより高めることが可能となる。
【0050】
以上のように、本発明によれば、プロセスディスク内での液漏れを効果的に防止することができる。そのため、本発明の装置はその用途は特に制限はないが、種類の異なる流体の流れを切り替え可能な切り替えバルブに用いることが好ましい。
【0051】
また、キレート樹脂に金属イオンを吸着させ、金属イオンの溶離液を得るイオン交換工程では、吸着始液と洗浄液とを自在にキレート樹脂へと送液することが求められる。このようなイオン交換工程を含むようなプラントでは、本実施の形態に係る装置は、長期間使用することによって発生し得るプロセスディスク内で液漏れが発生する問題を効果的に解決することができるものである。
【符号の説明】
【0052】
1 装置
11 トッププレート
12 トップディスク
13 プロセスディスク
131a、131b、131c 隔室
132a、132b、132c 密閉部材
133a、133b、133c 隔壁
14 エクスターナルリング
15 ボトムディスク
16 ボトムプレート
17 ボルト
18 ナット
19 固定手段
2 エラストマー板
図1
図2