(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】連結ユニット
(51)【国際特許分類】
A63H 33/26 20060101AFI20240109BHJP
A63H 33/22 20060101ALI20240109BHJP
A63H 33/10 20060101ALI20240109BHJP
A63H 33/08 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
A63H33/26 A
A63H33/22 A
A63H33/10 D
A63H33/08 C
(21)【出願番号】P 2020521832
(86)(22)【出願日】2019-05-14
(86)【国際出願番号】 JP2019019086
(87)【国際公開番号】W WO2019230365
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2022-04-18
(31)【優先権主張番号】P 2018105174
(32)【優先日】2018-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000229117
【氏名又は名称】日本ゼオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100150360
【氏名又は名称】寺嶋 勇太
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(72)【発明者】
【氏名】山合 碧
(72)【発明者】
【氏名】志賀 直実
(72)【発明者】
【氏名】吉田 昌義
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0208378(US,A1)
【文献】特開平11-128547(JP,A)
【文献】特表2015-526208(JP,A)
【文献】米国特許第09312633(US,B1)
【文献】米国特許第09755356(US,B1)
【文献】米国特許第09956493(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00-37/00
H01R 11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略平板状の本体部と、
前記本体部の周縁部の少なくとも一辺に配置された磁石と、
前記磁石が配置された前記本体部の前記一辺に配置された少なくとも3つの電極端子と、を備え、
前記本体部の前記一辺における外側面は、厚み方向に湾曲する曲面又は断面が多角形状となる面を有し、
前記電極端子は、前記外側面の前記曲面又は前記断面が多角形状となる面に沿って配置され、
前記少なくとも3つの電極端子は、
前記一辺の中心に配置された1つの正極端子と、前記一辺の中心に垂直な垂線に対して線対称となるように前記一辺に配置されている2つの負極端子とを含むか、又は、
前記一辺の中心に配置された1つの負極端子と、前記一辺の中心に垂直な垂線に対して線対称となるように前記一辺に配置されている2つの正極端子とを含
み、
前記一辺に沿った方向において前記磁石と前記電極端子とは異なる位置に配置され、且つ、前記磁石の中心と前記電極端子の中心とを結ぶ線は前記一辺に沿った方向と平行である、連結ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の連結ユニットにおいて、
前記本体部の内側に配置された回路要素をさらに備え、
前記回路要素は、前記電極端子と電気的に接続している、連結ユニット。
【請求項3】
請求項2に記載の連結ユニットにおいて、
前記本体部の内部に配置された配線基板をさらに備え、
前記回路要素は、前記配線基板の配線を介して、前記電極端子と電気的に接続している、連結ユニット。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の連結ユニットにおいて、
前記回路要素は、環境発電による電力を前記電極端子から出力可能な環境発電要素を含む、連結ユニット。
【請求項5】
請求項2又は3に記載の連結ユニットにおいて、
前記回路要素は、前記電極端子から入力される電力を消費可能な負荷要素を含む、連結ユニット。
【請求項6】
請求項5に記載の連結ユニットにおいて、
前記負荷要素は、発光素子である、連結ユニット。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の連結ユニットにおいて、
前記本体部の前記周縁部に、前記電極端子と電気的に接続された負荷要素をさらに備える、連結ユニット。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の連結ユニットにおいて、
前記本体部は、平面視において略多角形状である、連結ユニット。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の連結ユニットにおいて、
前記本体部は、開口部を有する枠状の形状である、連結ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連結ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
平板状の連結ユニットを磁気的に連結させて、立体的に様々な形状に組み合わせる玩具が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、縁部に磁石が設けられた複数のプレート部材(連結ユニット)を磁気的に連結させて、立体的な組立体を形成する知育玩具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
磁気的に連結させて立体的に組立可能な連結ユニットにおいて、連結ユニット同士を電気的にも接続できると、様々な電気的な仕掛けを付与することができる。従って、単に磁気的に連結させて組み立てるよりも楽しめる玩具を提供することができる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、上述した課題を解決し、磁気的に連結すると共に電気的に接続することも可能な連結ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の連結ユニットは、略平板状の本体部と、前記本体部の周縁部の少なくとも一辺に配置された磁石と、前記磁石が配置された前記本体部の前記一辺に配置された少なくとも3つの電極端子と、を備え、前記本体部の前記一辺における外側面は、厚み方向に湾曲する曲面又は断面が多角形状となる面を有し、前記電極端子は、前記外側面の前記曲面又は前記断面が多角形状となる面に沿って配置され、前記少なくとも3つの電極端子は、1つ以上の正極端子と、1つ以上の負極端子とを含み、前記正極端子及び前記負極端子は、それぞれ、前記本体部の前記一辺の中心に垂直な垂線に対して線対称となるように、前記一辺に配置されている。このような構成とすることで、本発明の連結ユニットは、本体部の周縁部の一辺に配置された磁石によって他の連結ユニットと磁気的に連結することができ、その際、該一辺に配置された電極端子によって他の連結ユニットと電気的に接続することができる。従って、本発明の連結ユニットは、他の連結ユニットと磁気的に連結すると共に電気的に接続することも可能である。また、電極端子が本体部の外側面の曲面又は断面が多角形状となる面に沿って配置されているため、本発明の連結ユニットを他の連結ユニットと連結する際、連結角度θを高い自由度とすることができる。また、正極端子及び負極端子が、それぞれ、本体部の一辺の中心に垂直な垂線に対して線対称となるように配置されているため、本発明の連結ユニットは、裏返しても、他の連結ユニットと連結させることができる。
【0008】
ここで、本発明の連結ユニットにおいて、前記本体部の内側に配置された回路要素をさらに備え、前記回路要素は、前記電極端子と電気的に接続していることが好ましい。このような構成とすることで、回路要素により発電された電力を電極端子から出力すること、又は、電極端子から入力される電力を回路要素に消費させることができる。
【0009】
また、本発明の連結ユニットにおいて、前記本体部の内部に配置された配線基板をさらに備え、前記回路要素は、前記配線基板の配線を介して、前記電極端子と電気的に接続していることが好ましい。このような構成とすることで、回路要素と電極端子との間の接続を、省スペースで簡便に行うことができる。
【0010】
また、本発明の連結ユニットにおいて、前記回路要素は、環境発電による電力を前記電極端子から出力可能な環境発電要素を含むことが好ましい。このような構成とすることで、環境発電による電力を電極端子から出力することができる。
【0011】
また、本発明の連結ユニットにおいて、前記回路要素は、前記電極端子から入力される電力を消費可能な負荷要素を含むことが好ましい。このような構成とすることで、電極端子から入力される電力を負荷要素に消費させることができる。
【0012】
また、本発明の連結ユニットにおいて、前記負荷要素は、発光素子であることが好ましい。このような構成とすることで、連結ユニットを、電極端子から入力される電力で発光する照明として用いることができる。
【0013】
また、本発明の連結ユニットにおいて、前記本体部の前記周縁部に、前記電極端子と電気的に接続された負荷要素をさらに備えることが好ましい。このような構成とすることで、連結ユニットに簡便に負荷要素を搭載することができる。
【0014】
また、本発明の連結ユニットにおいて、前記本体部は、平面視において略多角形状であることが好ましい。
【0015】
また、本発明の連結ユニットにおいて、前記本体部は、開口部を有する枠状の形状であることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、磁気的に連結すると共に電気的に接続することも可能な連結ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係る連結ユニットの概略構成を示す図である。
【
図2A】
図1に示す連結ユニットのA-A断面の概略構成の一例を示す図である。
【
図2B】
図1に示す連結ユニットのA-A断面の概略構成の他の例を示す図である。
【
図3】
図1に示す連結ユニットを平面状に連結させたときの様子を示す図である。
【
図4】
図1に示す連結ユニットを立体的に連結させた様子の一例を示す図である。
【
図5】
図1に示す連結ユニットの内部に配置された配線基板の概略構成を示す図である。
【
図6】第1変形例に係る連結ユニットの概略構成を示す図である。
【
図7】第2変形例に係る連結ユニットの概略構成を示す図である。
【
図8】第3変形例に係る連結ユニットの概略構成を示す図である。
【
図9】第4変形例に係る連結ユニットの概略構成を示す図である。
【
図10A】第5変形例に係る連結ユニットの概略構成の一例を示す図である。
【
図10B】第5変形例に係る連結ユニットの概略構成の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。各図において共通の構成部には、同一の符号を付している。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る連結ユニット1の概略構成を示す図である。連結ユニット1は、他の連結ユニット1と磁気的に連結可能である。ユーザは、複数の連結ユニット1を磁気的に連結させて組み立てることにより、様々な立体形状の組立体を形成することができる。
【0020】
連結ユニット1は、
図1に示すように、本体部11と、磁石12と、正極端子13と、負極端子14と、回路要素15とを備える。正極端子13及び負極端子14は、総称して「電極端子」ともいう。
【0021】
本体部11は、略平板状の形状である。ここで、「略平板状」の形状とは、平板状の形状と、内側に開口部を有する枠状の形状との双方を意味するものとする。
図1は、本体部11が開口部を有さない平板状である場合の例を示している。
【0022】
本体部11は、平面視において、略多角形状である。ここで、「略多角形状」とは、通常の多角形と、多角形の角部を曲線状にした形状との双方を意味するものとする。
図1は、本体部11が、平面視において、四角形の角部を曲線状にした形状である場合の例を示している。ここで、平面視とは、
図1においてZ軸方向から見ることをいう。
【0023】
本体部11は、樹脂等の材料によって構成されてよい。
【0024】
図2Aに、
図1のA-A断面の概略構成の一例を示す。
図2Aに示すように、本体部11の外側面31は、厚み方向に湾曲する曲面を有する。ここで、厚み方向に湾曲するとは、本体部11の外側面31の中央付近が、X軸の正方向に向かって突出していることを意味する。
【0025】
磁石12は、
図1に示すように、本体部11の周縁部に配置される。
図1に示す例においては、磁石12は、本体部11の周縁部の4辺に配置されているが、磁石12の配置はこれに限られない。磁石12は、本体部11の周縁部の少なくとも一辺に配置されていればよい。
【0026】
磁石12は、他の連結ユニット1の磁石12と磁気的に連結することができ、連結ユニット1を他の連結ユニット1と磁気的に連結させる。
図3に、連結ユニット1-1の磁石12-1と、連結ユニット1-2の磁石12-2とが磁気的に連結している様子を示す。
図3に示すように、磁石12-1と磁石12-2とが磁気的に連結することにより、連結ユニット1-1と連結ユニット1-2とが磁気的に連結することができる。
【0027】
図4に、連結ユニット1-1と、連結ユニット1-2と、連結ユニット1-3とが連結して、立体的な組立体を形成している様子を示す。
図4に示すように、連結ユニット1-1の磁石12-1と、連結ユニット1-2の磁石12-2とは、連結ユニット1-1と連結ユニット1-2との間の連結角度θが鋭角の場合であっても、連結ユニット1-1と連結ユニット1-2とを磁気的に連結させることができる。
【0028】
図4においては、連結ユニット1-1と連結ユニット1-2との間の連結角度θが鋭角の場合を示しているが、磁石12-1と磁石12-2とは、連結角度θが直角又は鈍角であっても、連結ユニット1-1と連結ユニット1-2とを磁気的に連結させることができる。
【0029】
磁石12は、本体部11の周縁部に固定して配置されていてもよいし、回転可能に配置されていてもよい。回転可能に配置されている場合、磁石12は、例えば円柱形であり、円柱の軸が本体部11の周縁部の辺方向と平行になるように、本体部11の周縁部に配置されてよい。本体部11の周縁部に、円柱形の磁石12より僅かに大きい円柱形又は直方体状の空洞の収容部を設け、該収容部内に円柱形の磁石12を収容すれば、磁石12は、円柱の軸を中心とした回転をすることができる。
【0030】
正極端子13及び負極端子14は、
図1に示すように、磁石12が配置されている本体部11の周縁部の一辺において、磁石12と並べて配置される。
図1に示す例においては、磁石12が本体部11の4辺に配置されているため、正極端子13及び負極端子14も本体部11の4辺に配置されている。
【0031】
正極端子13は、磁石12が配置されている本体部11の周縁部の一辺において、少なくとも1つ配置される。
図1に示す例においては、2つの正極端子13が、磁石12が配置されている本体部11の周縁部の一辺に配置されている。
【0032】
負極端子14は、磁石12が配置されている本体部11の周縁部の一辺において、少なくとも1つ配置される。
図1に示す例においては、2つの負極端子14が、磁石12が配置されている本体部11の周縁部の一辺に配置されている。
【0033】
図2Aに示す
図1のA-A断面の概略構成を参照すると、正極端子13は、本体部11の外側面31の曲面に沿って配置されている。図示は省略するが、負極端子14も、正極端子13と同様に、本体部11の外側面31の曲面に沿って配置されている。
【0034】
正極端子13及び負極端子14は、例えばリボン状の導体が、本体部11の外側面31の曲面に沿って配置されたものであってよい。
【0035】
正極端子13は、表面が導体で構成されている。磁石12による磁気的な連結によって、連結ユニット1が他の連結ユニット1と磁気的に連結されると、正極端子13の表面が他の連結ユニット1の正極端子13の表面と接触する。このとき、正極端子13は、他の連結ユニット1の正極端子13と電気的に接続する。
【0036】
負極端子14は、表面が導体で構成されている。磁石12による磁気的な連結によって、連結ユニット1が他の連結ユニット1と磁気的に連結されると、負極端子14の表面が他の連結ユニット1の負極端子14の表面と接触する。このとき、負極端子14は、他の連結ユニット1の負極端子14と電気的に接続する。
【0037】
正極端子13は、
図2Aに示すように、本体部11の外側面31の曲面に沿って配置されている。このため、
図4に示すように、連結ユニット1-1と連結ユニット1-2との間の連結角度θが鋭角の場合であっても、連結ユニット1-1の正極端子13-1と、連結ユニット1-2の正極端子13-2とは電気的に接続することができる。
【0038】
図4においては、連結ユニット1-1と連結ユニット1-2との間の連結角度θが鋭角の場合を示しているが、正極端子13-1と正極端子13-2とは、連結角度θが直角又は鈍角であっても、電気的に接続することができる。すなわち、正極端子13-1と正極端子13-2とは、連結角度θに対し、高い自由度で電気的に接続することができる。
【0039】
負極端子14も、正極端子13と同様に、本体部11の外側面31の曲面に沿って配置されている。そのため、
図4に示す負極端子14-1及び負極端子14-2も、連結角度θに対し、高い自由度で電気的に接続することができる。
【0040】
本体部11の外側面31は、
図2Bに示すように、断面が多角形状となる面を有してもよい。この場合、正極端子13は、断面が多角形状となる外側面31の面に沿って配置されている。この場合、図示は省略するが、負極端子14も、正極端子13と同様に、断面が多角形状となる外側面31の面に沿って配置されている。本体部11の外側面31が、
図2Bに示すような形状であっても、
図4に示す正極端子13-1と正極端子13-2とは、連結角度θに対し、高い自由度で電気的に接続することができる。また、
図4に示す負極端子14-1及び負極端子14-2も、連結角度θに対し、高い自由度で電気的に接続することができる。
【0041】
正極端子13は、
図1に示すように、本体部11の周縁部の一辺の中心に垂直な垂線Lに対して線対称となるように配置されている。また、負極端子14も、
図1に示すように、本体部11の周縁部の一辺の中心に垂直な垂線Lに対して線対称となるように配置されている。
【0042】
このように、正極端子13が垂線Lに対して線対称に配置されていることで、連結ユニット1を裏返しても、連結ユニット1と他の連結ユニット1とが磁気的に連結されているときに、正極端子13と他の連結ユニット1の正極端子13とは電気的に接続することができる。同様に、負極端子14が垂線Lに対して線対称に配置されていることで、連結ユニット1を裏返しても、連結ユニット1と他の連結ユニット1とが磁気的に連結されているときに、負極端子14と他の連結ユニット1の負極端子14とは電気的に接続することができる。
【0043】
従って、正極端子13及び負極端子14が、それぞれ、垂線Lに対して線対称に配置されていることにより、連結ユニット1を他の連結ユニット1と磁気的に連結する際に、ユーザは、表裏を気にせずに連結させることができる。また、正極端子13及び負極端子14が、それぞれ、垂線Lに対して線対称に配置されていることにより、連結ユニット1を他の連結ユニット1と磁気的に連結する際に、連結ユニット1の特定の辺に対し、他の連結ユニット1の特定の辺を選択しなくても、正極端子13同士、及び負極端子14同士を接続させることができる。
【0044】
正極端子13と負極端子14とは、本体部11の周縁部の一辺において、合わせて少なくとも3つ配置される。これにより、正極端子13及び負極端子14を、それぞれ、垂線Lに対して線対称に配置することが可能となる。
【0045】
回路要素15は、本体部11の内側に配置されている。ここで、内側に配置されているとは、本体部11が平板状である場合は、回路要素15が本体部11の内部に配置されていることを意味し、本体部11が開口部を有する枠状の形状である場合は、回路要素15の少なくとも一部が本体部11の開口部に配置されていることを意味するものとする。
【0046】
回路要素15は、例えば平板状の形状であってよい。
図1に示す例では、平板状の回路要素15が、平板状の本体部11の内部に配置されている。
【0047】
回路要素15は、正極端子13及び負極端子14と電気的に接続している。回路要素15は、連結ユニット1が他の連結ユニット1と磁気的に連結されると、他の連結ユニットの回路要素15と電気的に接続することができる。
【0048】
回路要素15は、環境発電による電力を正極端子13及び負極端子14から出力可能な環境発電要素を含んでよい。または、回路要素15は、正極端子13及び負極端子14から入力される電力を消費可能な負荷要素を含んでよい。
【0049】
環境発電要素は、環境発電による電力を生成可能である。すなわち、環境発電要素は、外部環境に応じた電力を発電する。従って、環境発電要素によって発電される電力は、外部環境に依存して変化する。環境発電要素は、例えば、太陽光、室内光などの光エネルギーを利用して発電する太陽電池を有する。或いは、環境発電要素は、例えば、地熱等の熱エネルギーを利用して発電する熱電変換素子を有する。
【0050】
本実施形態の環境発電要素は、太陽電池で構成された太陽電池パネルを備える。太陽電池パネルは、太陽光、室内光などの入射光を光電変換して電力を出力する太陽電池を含む部材である。太陽電池パネルに含まれる太陽電池の種類としては、大別して、無機系材料を用いた無機系太陽電池と、有機系材料を用いた有機系太陽電池とが挙げられる。無機系太陽電池としては、シリコン(Si)を用いたSi系、化合物を用いた化合物系などが挙げられる。また、有機系太陽電池としては、有機顔料を用いた低分子蒸着系、導電性高分子を用いた高分子塗布系、変換型半導体を用いた塗布変換系などの薄膜系、チタニア、有機色素及び電解質から成る色素増感系などが挙げられる。また、太陽電池パネルに含まれる太陽電池には、有機無機ハイブリッド太陽電池、ペロブスカイト系化合物を用いた太陽電池も含めることができる。太陽電池パネルは薄型パネル状であってもよく、その場合には、薄型に成型し易い点で、プラスチックフィルム等に作製された色素増感太陽電池が好適である。なお、太陽電池パネルが薄型パネル状である場合、上記プラスチックフィルム等に作製されたものに限定されるものでなく、同様に薄型であれば方式を問わないことは言うまでもない。太陽電池パネルが薄型パネル状である場合、その厚みは、例えば製造技術面から10μm以上3mm以下が好適である。
【0051】
負荷要素は、電力を消費可能な任意の負荷である。負荷要素は、例えば、LED(Light Emitting Diode)などの発光素子、スピーカ、又は二次電池などであってよい。
【0052】
例えば、
図3に示す連結ユニット1-1が、回路要素15として太陽電池パネルを備え、連結ユニット1-2が、回路要素15としてLEDを備える場合、連結ユニット1-1の太陽電池パネルが発電した電力で、連結ユニット1-2のLEDを発光させることができる。
【0053】
このように、複数の連結ユニット1は、磁気的に連結させて組み立てると、ある連結ユニット1が発電した電力で、他の連結ユニット1の負荷要素を駆動することができる。これにより、ユーザは、複数の連結ユニット1を、電気的要素が加わった組み立て玩具として楽しむことができる。また、ユーザは、複数の連結ユニット1を組み立てて、照明などのインテリアとして楽しむこともできる。
【0054】
本体部11のうち、回路要素15が内部に配置されている部分は、透明であることが好ましい。また、回路要素15自身も透明であることが好ましい。ここで、「透明」とは、完全な透明のみを意味するのではなく、光の透過率が比較的高いことを意味するものとする。
【0055】
本体部11及び回路要素15が透明であることで、例えば、複数の連結ユニット1が、回路要素15としてLEDを含む連結ユニット1を含んで組み立てられた場合、LEDによる光を、複数の連結ユニット1で組み立てた立体の外部に透過することができる。また、例えば、複数の連結ユニット1が、回路要素15として太陽電池パネルを含む連結ユニット1を含み、太陽電池パネルの受光面が立体の内側を向くように組み立てられた場合、連結ユニット1を外部から透過して入射した光で、太陽電池パネルを発電させることができる。
【0056】
本体部11は、本体部11の内部に配線基板を備えていてよい。
図5に、本体部11の内部に配置される配線基板16の一例を示す。
【0057】
配線基板16は、平面視において、枠状の形状であってよい。配線基板16は、配線17A及び配線17Bを含む。配線基板16はフレキシブル基板あるいはリジット基板であってよく、軽量化の側面からフレキシブル基板であることが好ましい。
【0058】
配線17Aは、回路要素15の正極18Aと電気的に接続している。また、配線17Aは、接続点19Aにおいて正極端子13と接続している。
【0059】
配線17Bは、回路要素15の負極18Bと電気的に接続している。また、配線17Bは、接続点19Bにおいて負極端子14と接続している。
【0060】
なお、
図5においては、X軸の正方向側の1辺における正極端子13及び負極端子14のみを図示し、その他の辺の正極端子13及び負極端子14については図示を省略している。
【0061】
このように、本体部11の内部に配線基板16を備えることにより、回路要素15と、正極端子13及び負極端子14との間の接続を、省スペースで簡便に行うことができる。
【0062】
(第1変形例)
図6に、第1変形例に係る連結ユニット2の概略構成を示す。
図6に示すように、連結ユニット2の本体部11aは、平面視において、三角形の角部を曲線状にした形状である。
【0063】
図1の連結ユニット1の説明において、本体部11は、平面視において、略多角形状であると述べたが、
図6は、略三角形状である場合の例を具体的に示したものである。
【0064】
このように、本実施形態に係る本体部11は、様々な形状をとりうる。これにより、複数の連結ユニット1を組み合わせて立体形状の組立体を形成する際の自由度を高めることができる。
【0065】
(第2変形例)
図7に、第2変形例に係る連結ユニット3の概略構成を示す。
【0066】
連結ユニット3は、本体部11の周縁部の1辺に2つの磁石12を有する。このように、本体部11の周縁部の1辺に配置される磁石12の個数は、
図1に示した1つの場合に限らず、任意の個数であってよい。
【0067】
連結ユニット3は、本体部11の周縁部の1辺に、2つの正極端子13と、1つの負極端子14を有する。このように、本体部11の周縁部の1辺に配置される正極端子13及び負極端子14の個数は、
図1に示した例に限らず、正極端子13と負極端子14を合わせて3つ以上であれば任意の個数でありうる。
【0068】
(第3変形例)
図8に、第3変形例に係る連結ユニット4の概略構成を示す。連結ユニット4は、本体部11の周縁部に、負荷要素として機能する発光素子20を備えている。発光素子20は、正極端子13及び負極端子14と電気的に接続されている。
【0069】
このように、本体部11の周縁部に発光素子20を備えることにより、本体部11の周縁部に、負荷要素として機能する発光素子20と、正極端子13及び負極端子14とを接続するための配線基板16が配置された場合、配線基板16上に同時に発光素子20を搭載することができる。これにより、連結ユニット4は、小型かつ簡便に照明機能を搭載することができる。
【0070】
(第4変形例)
図9に、第4変形例に係る連結ユニット5が接続されている様子を示す。
【0071】
連結ユニット5は、本体部11の周縁部の少なくとも1辺が
図1に示した磁石12、正極端子13及び負極端子14を有していない。
【0072】
図9に示す例では、連結ユニット5-1は、X軸の正方向側の1辺において、磁石12、正極端子13及び負極端子14を有していない。連結ユニット5-2は、X軸の負方向側及びY軸の負方向側の2辺において、磁石12、正極端子13及び負極端子14を有していない。連結ユニット5-3は、Y軸の正方向側の1辺において、磁石12、正極端子13及び負極端子14を有していない。
【0073】
連結ユニット5-1のX軸の正方向側の1辺と、連結ユニット5-2のX軸の負方向側の1辺とは、接続要素21によって接続されている。接続要素21は、連結ユニット5-1と連結ユニット5-2とを、機械的及び電気的に接続する。接続要素21は、連結ユニット5-1と連結ユニット5-2とが、様々な連結角度θで連結できるよう、連結角度θに自由度を持たせて、連結ユニット5-1と連結ユニット5-2とを機械的に接続する。
【0074】
連結ユニット5-2のY軸の負方向側の1辺と、連結ユニット5-3のY軸の正方向側の1辺とは、接続要素21によって接続されている。接続要素21は、連結ユニット5-2と連結ユニット5-3とを、機械的及び電気的に接続する。接続要素21は、連結ユニット5-2と連結ユニット5-3とが、様々な連結角度θで連結できるよう、連結角度θに自由度を持たせて、連結ユニット5-2と連結ユニット5-3とを機械的に接続する。
【0075】
このように、予め複数の連結ユニット5を接続要素21で接続した構成としておくことにより、連結ユニット5及び
図1に示した連結ユニット1などを用いて立体形状の組立体を形成する際に、工程を低減することができる。
【0076】
(第5変形例)
図10Aに、第5変形例に係る連結ユニット6の概略構成の一例を示す。連結ユニット6は、
図10Aに示すように、車両を模した玩具である。連結ユニット6は、本体部41と、モータ50と、タイヤ60とを備える。
【0077】
本体部41は、平板状の形状である。本体部41は、平面視において、略四角形状である。本体部11は、樹脂等の材料によって構成されてよい。
【0078】
本体部41は、
図10Aに示すように接続面45を有する。接続面45は、
図1に示した連結ユニット1などを載置して、該連結ユニット1を、
図10Aに示す連結ユニット6に接続可能な面である。
【0079】
接続面45の概略構成の一例を
図11に示す。接続面45は、磁石42と、正極端子43と、負極端子44とを備える。
【0080】
磁石42は、
図1に示した連結ユニット1などを接続面45に載置した際に、磁石42と
図1に示した磁石12とが磁気的に連結可能となるように、
図1に示す磁石12に対応した配置で、接続面45に配置されている。
【0081】
正極端子43は、
図1に示した連結ユニット1などを接続面45に載置した際に、正極端子43と
図1に示した正極端子13とが電気的に接続可能となるように、
図1に示す正極端子13に対応した配置で、接続面45に配置されている。
【0082】
負極端子44は、
図1に示した連結ユニット1などを接続面45に載置した際に、負極端子44と
図1に示した負極端子14とが電気的に接続可能となるように、
図1に示す負極端子14に対応した配置で、接続面45に配置されている。
【0083】
モータ50は、
図10Aに示すように、本体部41に配置されている。モータ50は、
図11に示す正極端子43及び負極端子44と配線を介して電気的に接続している。
【0084】
例えば、
図1に示した連結ユニット1が、回路要素15として太陽電池パネルを備える場合、該連結ユニット1が接続面45に配置されると、連結ユニット1が発電した電力で、モータ50が駆動される。
【0085】
タイヤ60は、モータ50から駆動されて回転可能となるように、モータ50と車軸を介して機械的に接続されている。タイヤ60は、他の連結ユニット1が発電した電力でモータ50が駆動されると、それに応じて回転する。タイヤ60が回転すると、連結ユニット6全体が走行することができる。
【0086】
連結ユニット6は、正極端子43及び負極端子44と、モータ50との間の接続を切り替えるスイッチをさらに有してもよい。該スイッチを設けることにより、連結ユニット6は、他の連結ユニット1が発電した電力を供給されている状態で、モータ50が駆動されないようにすることができる。
【0087】
連結ユニット6は、
図1に示したような連結ユニット1を複数用いて形成した立体的な組立体を、接続面45に載置することができる。この組立体が、回路要素15として太陽電池パネルを備える連結ユニット1を含む場合、連結ユニット6は、該組立体を載置した状態で走行することができる。
【0088】
図10Bは、第5変形例の他の例に係る連結ユニット6aを示す図である。連結ユニット6aは、
図10Aに示した連結ユニット6と異なり、本体部41aが2つの接続面45を有する。連結ユニット6aは、このように2つの接続面45を有することにより、接続面45に載置される連結ユニット1の組立体の自由度を高めることができる。
【0089】
前述したところは本発明の一実施形態を示したにすぎず、特許請求の範囲において、種々の変更を加えてもよいことは言うまでもない。
【0090】
例えば、本体部11は、平面視において、略多角形状であるとしたが、周縁部に一辺を有すれば、その他の部分が円弧状であるなど、略多角形状ではない形状であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明によれば、磁気的に連結すると共に電気的に接続することも可能な連結ユニットを提供することができる。
【符号の説明】
【0092】
1、2、3、4、5、6、6a 連結ユニット
11、11a 本体部
12 磁石
13 正極端子(電極端子)
14 負極端子(電極端子)
15 回路要素
16 配線基板
17A、17B 配線
18A 正極
18B 負極
19A、19B 接続点
20 発光素子
21 接続要素
31 外側面
41、41a 本体部
42 磁石
43 正極端子
44 負極端子
45 接続面
50 モータ
60 タイヤ