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特許7414738光学的検出器のための校正デバイスおよび校正デバイスのために校正ポイントをセットするセッティングデバイス
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  • 特許-光学的検出器のための校正デバイスおよび校正デバイスのために校正ポイントをセットするセッティングデバイス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】光学的検出器のための校正デバイスおよび校正デバイスのために校正ポイントをセットするセッティングデバイス
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/27 20060101AFI20240109BHJP
   G01N 21/64 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
G01N21/27 F
G01N21/64 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020567506
(86)(22)【出願日】2019-05-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-14
(86)【国際出願番号】 EP2019063907
(87)【国際公開番号】W WO2019233837
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】18290060.5
(32)【優先日】2018-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D-64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コミーニ,ファブリス
(72)【発明者】
【氏名】バーグット,フレデリック ジー.
(72)【発明者】
【氏名】エツレ,ヴィクター
【審査官】小野寺 麻美子
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-507512(JP,A)
【文献】特開2013-062462(JP,A)
【文献】特許第6308994(JP,B2)
【文献】国際公開第2015/018398(WO,A1)
【文献】特開平08-115479(JP,A)
【文献】特開平07-162597(JP,A)
【文献】実公平05-030185(JP,Y2)
【文献】実開平05-027901(JP,U)
【文献】特開2009-214789(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00 - G01N 21/01
G01N 21/17 - G01N 21/74
H05B 39/00 - H05B 39/10
H05B 45/00 - H05B 45/59
H05B 47/00 - H05B 47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード(1)、および発光ダイオード(1)を駆動するための電子回路(3)を含み、ここで電子回路(3)が、発光ダイオード(1)へ0.5~25μAの範囲の一定の駆動電流を供給するように構成されている定電流発生器(3)であり、
電流発生器(3)は、第1のオペアンプ(31)およびシャント抵抗器(33)を含み、
シャント抵抗器(33)は、発光ダイオード(1)と直列に接続されており、および
第1のオペアンプ(31)は、発光ダイオード(1)に一定の駆動電流を供給するように提供され、およびセットされた入力電圧(V2)を、シャント抵抗器(31)に渡る電圧降下に基づいて得られる電圧と比較するために接続されている、
生物発光の検査のための校正デバイス。
【請求項2】
駆動電流が1~10μAの範囲にある、請求項1に記載の校正デバイス。
【請求項3】
発光ダイオード(1)を取り囲む散光器(5)をさらに含む、請求項1または2に記載の校正デバイス。
【請求項4】
発光ダイオード(1)を収容しているペン型の外装(7)が、軸方向に圧縮される際に、発光ダイオード(1)にエネルギを与えるように配置されているスイッチングデバイス(9)をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の校正デバイス。
【請求項5】
駆動電流をセットするためのセッティングユニット(11)をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の校正デバイス。
【請求項6】
セッティングユニット(11)が、発光ダイオード(1)の光出力を測定するための、光検出器(51)を使用するフィードバック制御に基づいて、一定の駆動電流をセットする制御をするための外部電流制御器(53)を接続するためのインターフェース(13)を含む、請求項5に記載の校正デバイス。
【請求項7】
電流発生器(3)が、複数の予め決められた一定の駆動電流の間をスイッチ可能なように構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の校正デバイス。
【請求項8】
電流発生器(3)が、第1のオペアンプ(31)の出力とシャント抵抗器(33)との間の第1のノードに、ローパスフィルタとして接続されている第2のオペアンプ(35)をさらに含む、請求項に記載の校正デバイス。
【請求項9】
電流発生器(3)が、シャント抵抗器(33)と発光ダイオード(1)との間のノードに、電圧フォロワとして接続されている第3のオペアンプ(37)をさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の校正デバイス。
【請求項10】
第2および第3のオペアンプ(35、37)の出力が、夫々の抵抗器(R5、R7、R9)を介して第1のオペアンプ(31)の反転入力に接続されている、請求項に記載の校正デバイス。
【請求項11】
装置であって、請求項1~10のいずれか一項に記載の校正デバイス、および該校正デバイスのための少なくとも1つの校正ポイントをセットするためのセッティングデバイスを含み、
該セッティングデバイスは、試験中の前記校正デバイスの光放射強度を表する信号を出力するように構成された光検出器(51)、試験中の前記校正デバイスの一定の駆動電流を制御するための制御器(53)、および試験中の前記校正デバイスのための少なくとも1つの校正ポイントをセットするための、校正ポイントセッティング手段(55)を含む、前記装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的検出器のための校正デバイス、およびかような校正デバイスの校正ポイントをセットするためのセッティングデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生物発光または蛍光の放射が、様々なサンプルの化学的および生物学的分析に有益なツールであることが分かってきた。例えば、アデノシン三リン酸(ATP)はすべての生きた細胞に普遍的に存在していることに起因して、生物学的な残留物のための良好な指示分子である。ルシフェラーゼ酵素が存在する場合、ATPが反応し、および光放射色素であるルシフェリンが光子の放射を提供する。これは、例えば食料および飲料生産工場における洗浄プロセスの品質のような、微生物学的な汚染に関してサンプルを試験するのに使用され得る。この方法により、冷却塔ならびにディーゼルおよびケロシン燃料などの表面の試験ができる。最適な条件においては、光の量はサンプル中に存在するATPの量と比例し、定量的な結果の提供ができる。用途の例は、表面のモニター、CIP水の試験、衛生のモニター、燃料の試験、金属加工液、殺生物剤の効果試験、塗料の試験、品質保証、e-コートの試験である。
【0003】
通常、清浄度は相対光単位(RLU)で測定される。RLU値は分析方法および特定の測定デバイスに依存して変化するが、1つの特定の測定デバイスによって得られるRLU値は、汚染の程度に比例し、および製品の清浄度を制御するために用いられ得る。
【0004】
しかしながら、実際問題としてRLU値を比較可能にするためには、測定デバイスの信頼できる校正を要する。
【0005】
上記に鑑み、上記の文脈における測定デバイスの校正に使用され得る、一定の照明レベルを提供する信頼できる校正光源の要求がある。これにより、校正に必要とされる光の量はかなり小さいことが考慮されなければならない。
【0006】
この問題に対処するために、2つの異なるアプローチが使用された。1つのアプローチは、LEDを用いた光源を数V(ボルト)の範囲の定電圧で駆動し、結果的に駆動電流は数mA(ミリアンペア)の範囲になり、および放射される光の量を低減するための光学ファイバまたはアパーチャを提供する。これらの種の校正デバイスは通常、統合されたフォトダイオードおよびLEDデバイス自体の光出力を安定化させるためのフィードバック制御システムを含む。
【0007】
しかしながら、LEDの出力は温度に強く影響され、それは比較的高い消費電力に起因して上昇するため、この技法により安定でかつ信頼できる校正を提供することは難しい。
【0008】
EP 0 984 270 A1は、校正デバイスに対応する例を開示している。
光の量を低減するために光学ファイバまたはアパーチャを使用する代案として、LEDをパルス化された電圧の手段により駆動することが提案された。しかしながら、これもデバイス中で温度を上げる。さらに、この種のパルス化された出力を提供する制御回路は比較的複雑で、デバイスを高価にする。
【0009】
上記に鑑み、光学的検出器のための、単純な構造を有し、および信頼できる校正ができるようにする校正デバイスを提供することが本発明の目的である。さらに、校正デバイスの校正ポイントをセットするためのセッティングデバイスを提供することが本発明の目的である。
【0010】
上記の目的は、請求項1に記載の校正デバイス、および請求項12に記載のセッティングデバイスを用いることにより達成される。従属クレームは、本発明の異なる有利な側面に関する。
【0011】
とりわけ本発明は、発光ダイオード、および発光ダイオードを駆動するための電子回路を含む、光学的検出器のための校正デバイスを提供し、ここで電子回路は、0.5~25μAの範囲の一定の駆動電流を発光ダイオードに供給するように構成された定電流発生器である。
【0012】
校正デバイスにおいて駆動電流は、好ましくは1~10μAの範囲、さらに好ましくは1.5~4.5μAの範囲、および最も好ましくは2~4μAの範囲である。
校正デバイスはさらに、光を確実に対応する検出器に向けるように、発光ダイオードを取り囲む散光器を含み得る。
【0013】
校正デバイスはさらに、発光ダイオードを収容しているペン型の外装が軸方向に圧縮される際に、発光ダイオードにエネルギを与えるように配置されているスイッチングデバイスを含み得る。
校正デバイスはさらに、1つまたは複数の駆動電流をセットするための、セッティングユニットを含み得る。
【0014】
校正デバイスはさらに、セッティングユニットが、発光ダイオードの光出力を測定するための光検出器またはセンサを使用するフィードバック制御に基づいて、一定の駆動電流をセットする制御をするための外部電流制御器を接続するためのインターフェースを含むように構成され得る。
【0015】
校正デバイスはさらに、電流発生器が、複数の予め決められた一定の駆動電流の間をスイッチ可能であるように構成され得る。
【0016】
校正デバイスはさらに、電流発生器が第1のオペアンプおよびシャント抵抗器を含み、ここでシャント抵抗器は発光ダイオードと直列に接続されており、およびここで第1のオペアンプは、セットされた入力電圧をシャント抵抗器に渡る電圧降下に基づいて得られた電圧と比較するために接続されるように構成され得る。
【0017】
校正デバイスはさらに、電流発生器が、第1のオペアンプの出力とシャント抵抗器との間の第1のノードにローパスフィルタとして接続された、第2のオペアンプをさらに含むように構成され得る。
【0018】
校正デバイスはさらに、電流発生器が、シャント抵抗器と発光ダイオードとの間のノードで電圧フォロワとして接続された、第3のオペアンプをさらに含むように構成され得る。
【0019】
校正デバイスはさらに、第2および第3のオペアンプの出力が、夫々の抵抗器を介して第1のオペアンプの反転入力に接続されるように構成され得る。
【0020】
さらに本発明は、上記で記載したとおりの校正デバイスの少なくとも1つの校正ポイントをセットするためのセッティングデバイスを提供する。セッティングデバイスは、試験する校正デバイスの光放射強度を表する信号を出力するように構成された光検出器、試験する校正デバイスの一定の駆動電流を制御するための制御器、試験する校正デバイスの少なくとも1つの校正ポイントをセットするための校正ポイントセッティング手段、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明は以下に添付の図面を参照して記載され、それらは以下を示す:
図1図1は本発明に従う校正デバイスの概略図であり;
図2図2は本発明の校正デバイスの定電流発生器の回路図であり;
図3図3は本発明のさらなる態様に従う校正デバイスの概略図であり;および
図4図4は校正デバイスのためのセッティングデバイスの主要な構成である。 下記において、本発明の好ましい態様は添付の図面を参照して詳細に記載される。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1で示される通り、本発明に従う校正デバイスは、ペンの形状を有する外装7と共に提供される。
ペン型の外装7は、発光ダイオード(LED)1、および発光ダイオード1を駆動するための電子回路3を収容する。加えてペン型の外装7は、発光ダイオード1を駆動するための電子回路に電力を与えるためのコンデンサ、二次電池またはバッテリのような、エネルギ供給源を収容し得る。
【0023】
さらに図1で示されるように、発光ダイオード1は、散光器5に取り囲まれたペン型の外装7内に提供され、これはペン型外装7の半透明な領域であって、発光ダイオード1から放射された光がペン型の外装7の外部に照射されるようにする。
【0024】
ペン型の外装7は、アンプルまたは試験管のような、サンプルを収集するデバイスの通常の形状に似た形状である。ペン型の外装7の寸法は、生物発光の検査のための光学的検出器システムの中に収容され得るような寸法である。
実際の使用において、参照の光源が、実際のサンプルによって放射された光を表すようにすることが重要である。
【0025】
校正デバイスのこの目的のために、夫々参照の光源は、実際のサンプルと同じ形態を有し、および実際のサンプルとして専用の領域だけから光を放射するように設計されている。
【0026】
発光ダイオード1の光強度は、その接合部(junction)を通して印加される電流に正比例する。
【0027】
本発明に従うと、制御された電流源は、発光ダイオード1を通る低い電流を生成する。
【0028】
安定化された電流源は、発光ダイオード1の順方向電圧が温度に依存し、および278Kから308Kの範囲内で13%の変化を招き得ることから、電圧降下型抵抗器よりも有利である。
【0029】
光放射が発光測定デバイス(フォトダイオード、フォトトランジスタ、、、)で信号を生み出すのに十分なほど大きくなければならない、発光フィードバックをもった光源駆動と比べて、電流で制御された発光ダイオード1は開ループモードで直接低輝度を生成する。
【0030】
それでも、主にキャリア寿命の変化に起因して、まだ温度は発光ダイオード1の輝度強度に影響を与える(136Kから375Kの範囲で約16%)。
【0031】
しかしながら、典型的には検出デバイスは278Kから308Kの範囲内でのみ稼働し、および主に295Kで校正されることを考慮すると、この効果は許容される。発光ダイオード1はとても低い電流で駆動されているので、ダイオードの自己発熱は無視され得る。
【0032】
本発明に従うと、発光ダイオードの駆動電流は、0.5~25μAの範囲にセットされる。
好ましくは、駆動電流は1~10μAの範囲であり、より好ましくは、1.5~4.5μAの範囲、および最も好ましくは、2~4μAの範囲である。
【0033】
この範囲において、発光ダイオード1から放射される光の量は、発光ダイオード1を通して流れる駆動電流に正比例する。
【0034】
提案された低い電流源により、発光ダイオード1は、その順方向電圧降下のいかなる変化にもかかわらず、一定の電流を供給されることができる。
【0035】
駆動電流は、駆動電圧からの指数関数的な依存性を有しており、それゆえ、電圧の小さな変動が、駆動電流の巨大な変化を引き起こし得ることを覚えておくべきである。この問題はしかしながら、本明細書に記載のとおりの定電流発生器3を使用することにより避け得る。
【0036】
図2において、対応する定電流発生器3の構成の例が示されている。
【0037】
二次電池、バッテリまたはコンデンサのような電源39は、抵抗器R2を介して第1のオペアンプ31の非反転入力に接続されている。付加的な抵抗器R3は、制御可能または可変な抵抗器、またはポテンシオメータであり得、およびそれは抵抗器R2と接地との間に接続されているが、抵抗器R2と共に、第1のオペアンプ31の非反転入力における電圧V2をセットするための電圧分圧器として作動するだろう。
【0038】
第1のオペアンプ31の出力は、シャント抵抗器33(R1)を介して発光ダイオード1の入力と接続されており、その出力は接地と接続されている。
【0039】
さらに、第1のコンデンサC1および抵抗器R6は、第1のオペアンプ31の出力を安定させるために、第1のオペアンプ31の出力に接続されたノードN3と、第1のオペアンプ31の反転入力との間に直列に接続される。
【0040】
次いで、図2の定電流発生器3はさらに第2のオペアンプ35を供され、それは第2のコンデンサC2およびさらなる抵抗器R7と共に、互いに並列に接続され、ローパスフィルタを形成する。
【0041】
第2のオペアンプ35の非反転入力は、抵抗器R4およびR8により形成される電圧分圧器を介して、第1のオペアンプ31の出力とシャント抵抗器33の入力との間に提供されるノードN1と接続される。
【0042】
第2のオペアンプ35の出力は、抵抗器R9を介して第1のオペアンプ31の反転入力と接続される。
【0043】
他方では、第2のオペアンプ35の反転入力は、抵抗器R5を介して第3のオペアンプ37の出力と接続される。
【0044】
第3のオペアンプ37は電圧フォロワとして構成されており、つまり、その出力は第3のオペアンプ37の反転入力にフィードバックされる。
【0045】
第3のオペアンプ37の非反転入力は、シャント抵抗器33の出力側および発光ダイオード1の入力側に提供される、さらなるノードN2に接続される。
【0046】
この構成で、第1のオペアンプ31の非反転入力における電圧V2は、駆動電流が印加されたシャント抵抗器33で起こる電圧降下によって得られる第2の電圧と比較される。
【0047】
抵抗器R1からR9、コンデンサC1およびC2の値、および電源39についての適切な設定により、発光ダイオード1を流れる非常に安定で、および0.5と25μAとの間の範囲の量を有する駆動電流を得ることが実行可能である。
【0048】
定電流発生器3によるLEDへの非常に低い強度の供給で、発光ダイオード1を、過度の熱を生成することなく駆動することが実行可能であり、そのため光出力は、安定で、およびATPの生物発光のための典型的な検出デバイスの数RLU(相対光単位)の望まれた範囲になる。
【0049】
図2で示されるように、定電流変換器3は、第1のオペアンプ31の非反転入力における電圧V2を制御することにより、発光ダイオード1を流れる駆動電流をセットするための、セッティング手段11と共に提供され得る。
【0050】
これは、電源39を制御するか、または電圧分圧器として働く抵抗器R2およびR3を制御するか、のどちらかによってなされ得る。例えば、調整可能な抵抗器R3の代わりに、第1のオペアンプ31の非反転入力と接地との間に並列に接続された複数のスイッチ可能な抵抗器を提供し、および予め決められた電圧をV2としてセットするために夫々のスイッチを制御することも実行可能である。
【0051】
対応するセッティング手段11は、好ましくは、手動操作かまたは電気信号かのどちらかによる、外部からのセッティング信号を受信するためのインターフェースとともに提供されるだろう。
【0052】
図3は本発明の校正デバイスのさらなる態様を示す。
【0053】
図3の校正デバイスは、ペン型の外装7の1つの端にバネで付勢されたスイッチが提供されている限りにおいて、これまでに記載された態様と異なっている。このスイッチは、検出デバイスの蓋を閉めることにより操作され、および第1のオペアンプ31に印加される電圧V2をスイッチする。つまり、図3の校正デバイスは、蓋が閉められた検出デバイスに載せられた時だけ光を放射するだろう。この構成は、校正デバイスに電力供給するバッテリのエネルギを節約するのに役に立ち、および長時間にわたる意図しない連続稼働に起因する校正デバイスのいかなる加熱をも避けるのに役立つだろう。さらに、環境からの迷光によって、校正が必ず影響を及ぼされないようにするだろう。
【0054】
最終的に図4は、上記の態様のいずれかに従う校正デバイスの、1つ以上の校正ポイントをセットするためのセッティングデバイスを示す。
【0055】
図4に示されるとおり、セッティングデバイスは、フォトマルチプライヤのような光検出器51を含む。光検出器51は、前に記載の通りの校正デバイスを受け入れる手段を備えた筐体57の中に提供される。光検出器51は、光検出器51が校正デバイスから放射された光を受け入れるであろう位置に配置される。
【0056】
光検出器51により出力されるこの信号は、さらなるプロセシングのために校正ポイントセッティング手段55へ送達される。校正ポイントセッティング手段55は、コンピュータとして実行されてもよい。
【0057】
加えて、本発明のセッティングデバイスは、制御器53を備えており、それは試験される校正デバイスと接続されている。
【0058】
好ましい態様においては、加えて制御器53が校正ポイントセッティング手段55とも接続されている。このように、フィードバック制御が実行される。つまり、制御器53は校正デバイスの発光ダイオード1に印加される駆動電流をセットするだろう。光検出器51は、測定された光の量を校正ポイントセッティング手段55に報告し、それは次に制御器53に、発光ダイオード1の駆動電流を増加させるかまたは減少させるかのどちらかを勧め、校正デバイスが予め決められた光の量を出力するようにするだろう。
【0059】
校正デバイスの駆動電流のセットは、好ましくは、第1のオペアンプ31の非反転入力における電圧V2を調整することによってなされる。
【0060】
発光ダイオード1の駆動電流をセットする代替手段として、発光ダイオード1を通る駆動電流を印加しつつ、夫々の校正デバイスと光検出器51によって検出された光との間の関係を表示する表を単に用意することも、実行可能であろう。
【0061】
この表は、試験される校正デバイスが挿入されている検出デバイスによる使用の間に得られた値を、再校正するのに使用され得る。
【0062】
本発明は好ましい態様を参照して記載されたが、本発明はこれらの態様に限定されない。例えば、クレームされた範囲の信頼でき、および一定の小駆動電流が得られ得る限りにおいて、定電流発生器3の代替の構成も実行可能であろう。
図1
図2
図3
図4