(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】画像形成装置の本体構造体及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
G03G21/16 119
G03G21/16 161
G03G21/16 195
(21)【出願番号】P 2019148058
(22)【出願日】2019-08-09
【審査請求日】2022-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【氏名又は名称】黒田 壽
(72)【発明者】
【氏名】村野 順一
(72)【発明者】
【氏名】石光 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】石川 泰佑
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-109211(JP,A)
【文献】特開2010-085431(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0063743(US,A1)
【文献】特開平09-304985(JP,A)
【文献】特開2002-123049(JP,A)
【文献】特開2019-101077(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタ部と読み取り部の間に用紙処理装置を配置した画像形成装置の本体構造体において、
前記プリンタ部の筐体と別体で、前記プリンタ部の筐体の上に前記用紙処理装置の筐体を設けるとともに、
前記用紙処理装置の筐体と別体で、前記用紙処理装置の筐体の上に前記読み取り部の筐体を設け、
前記プリンタ部の筐体と前記用紙処理装置の筐体の間の接合部と、前記用紙処理装置の筐体と前記読み取り部の筐体の間の接合部とで、鉛直上方から見た平面における位置が一致しており、
前記用紙処理装置の筐体における前側板部は、左右別体で、左右に間隔が開いて配置され、前記左右別体の前側板部それぞれが、前記プリンタ部の筐体との間の前記接合部を有し、かつ、前記間隔から前記プリンタ部の書き込みユニットの
光路調整用の人による調整
操作部
を、前記間隔を覆うカバーを除いた状態で前記間隔から目視可能であることを特徴とする画像形成装置の本体構造体。
【請求項2】
前記プリンタ部の筐体における前記用紙処理装置の筐体との接合部は、前記用紙処理装置を除いた状態では、前記読み取り部の筐体との接合も可能であることを特徴とする請求項1の画像形成装置の本体構造体。
【請求項3】
前記接合部と床面への設置部とで、鉛直上方から見た平面における位置が一致していることを特徴とする請求項1又は2の画像形成装置の本体構造体。
【請求項4】
前記用紙処理装置はフィニッシャーであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一の画像形成装置の本体構造体。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一の画像形成装置の本体構造体を備えた画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置の本体構造体及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ部と読み取り部の間に用紙処理装置を配置した画像形成装置の本体構造体が知られている。
例えば特許文献1には、用紙処理装置としての穿孔ユニット、反転ユニット、後処理ユニットなどを、プリンタ部と読み取り部の間に配置することが記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
用紙処理装置を配置しなかったり、互いに高さが異なる用紙処理装置を配置したりする画像形成装置間で、プリンタ部を共通の仕様にしながら画像形成装置の全体高さを配置する用紙処理装置の高さに応じた高さにするという観点では改善の余地が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を解決するために、本発明の画像形成装置の本体構造体は、プリンタ部と読み取り部の間に用紙処理装置を配置した画像形成装置の本体構造体において、前記プリンタ部の筐体と別体で、前記プリンタ部の筐体の上に前記用紙処理装置の筐体を設けとともに、前記用紙処理装置の筐体と別体で、前記用紙処理装置の筐体の上に前記読み取り部の筐体を設け、前記プリンタ部の筐体と前記用紙処理装置の筐体の間の接合部と、前記用紙処理装置の筐体と前記読み取り部の筐体の間の接合部とで、鉛直上方から見た平面における位置が一致しており、前記用紙処理装置の筐体における前側板部は、左右別体で、左右に間隔が開いて配置され、前記左右別体の前側板部それぞれが、前記プリンタ部の筐体との間の前記接合部を有し、かつ、前記間隔から前記プリンタ部の書き込みユニットの光路調整用の人による調整操作部を、前記間隔を覆うカバーを除いた状態で前記間隔から目視可能であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、プリンタ部を共通の仕様にしながら画像形成装置の全体高さを配置する用紙処理装置の高さに応じた高さにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図4】(a)前プリンタ側板の上面部を示す斜視図、(b)は前プリンタ側板の上面部を示す斜視図。
【
図5】フィニッシャー機能のない従来機種の構造体の構成を示す斜視図。
【
図6】(a)はスキャナ置き台の底面部示す斜視図、(b)は前フィニッシャー右側板451の上面部を示す斜視図。
【
図7】スキャナユニットを接し外装カバーを除いた状態の斜視図。
【
図8】前フィニッシャー左側板と前フィニッシャー右側板との間の箇所近傍の拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明を画像形成装置である複写機の本体構造体に適用した実施形態について説明する。
【0008】
図1は電子写真方式を用いた複写機の概略構成図である。この複写機1は、プリンタ部100と、このプリンタ部上に載置された読み取り部としてのスキャナユニット200と、スキャナユニット200の上に載置された自動原稿搬送装置(ADF)300とを備えている。自動原稿搬送装置300を用いるなどしてスキャナユニット200で原稿を読み取って得られた画像信号を用い、プリンタ部100で転写紙(用紙)に画像を形成する。プリンタ部100は像担持体としての感光体、帯電装置、現像装置、及び、クリーニングユニットを一体化した作像ユニット110を、YMC及び黒の各色毎に備えている。書き込みユニット120からの感光体上への露光により形成した潜像を現像装置で顕像化して感光体上にトナー像を形成する。このトナー像を中間転写ユニット130の中間転写ベルト131に一時的に各色重ね合わせて転写する。
【0009】
片面通紙時は実線Aで示すように、用紙収容部としての給紙トレイ140からレジストローラ150を経由して搬送した転写紙に2次転写ローラ160にて転写し、定着ユニット170にて定着したのち、排紙ユニット180と排紙トレイ181の間に設けた用紙処理装置としてのフィニッシャーユニット182で転写紙に対してソートやステープル等の後処理を行い、排紙トレイ181に排出する。この複写機は、プリンタ部100とスキャナユニット200との間の空間に排紙する、いわゆる胴内排紙タイプのであり、このフィニッシャーユニット182の複写機1における配置も、プリンタ部100とスキャナユニット200との間になる。
【0010】
両面通紙時は、片面通紙時と同様、2次転写ローラ160にて転写紙に転写し、定着ユニット170にて定着した後、破線Bで示すように排紙ユニット180にて分岐しフィニッシャーユニット182上部にて排紙・反転し、両面ユニット190を通過させた後、再度レジストローラ150から2次転写ローラ160に送り込み、裏面に転写し、定着ユニット170にて定着した後、フィニッシャーユニット182にてソート、ステープル等を行い排紙トレイ181に排紙する。図示の複写機は現像装置に供給するトナーを収容した各色毎のトナーボトル111や各色共通の廃トナーボトル112も備えている。
【0011】
ここで、発売済あるいは開発済の従来機種に対し、用紙処理装置としてのフィニッシャーなどを、プリンタ部と読み取り部との間に搭載して機能をアップさせた新機種を開発するとき、従来機と同様に像担持体や定着装置、転写装置、レジストローラなどに加え、フィニッシャーを保持する筐体を新しく製作するのが一般的である。特定の機種用に開発済のフィニッシャーなどのユニットを追加可能にした他の機種を開発するときも同様である。前記の像担持体や定着装置、転写装置、レジストローラ、給紙装置を高精度で保持する必要があるので、フィニッシャーを含めて1枚の側板で前記各装置を保持する技術が知られている。例えば特許文献1に記載の装置である。
【0012】
しかし、従来機種で使用した構造体を使用せずに新規に作り直す場合、構造体は像担持体や定着装置などを高精度に保持する必要があるが、新規に作り直すことで再度高精度の構造体を作り直さなければならない。そのため、高精度の部品を製作するのに必要な日程やコストがかかっているという問題があった。互いに異なる高さの用紙処理装置を採用する互いに異なる機種でプリンタ部を共通の仕様とする場合、1枚の側板で各装置を保持する本体構造体とすると、最も高い用紙処理装置を想定した本体構造体にする必要がある。このため、比較的高さの低い用紙処理装置を用いる機種では、プリンタ部とスキャナ部との間が不必要に広く、画像形成装置全体としても不必要に高さが高いものになってしまう。
【0013】
そこで、本実施形態は、高精度を必要とする筐体を、新規に作り直すことなく従来機種の筐体を利用しながら、画像形成装置の全体高さを配置する用紙処理装置の高さに応じた高さにできるようにするものである。このため、プリンタ部の筐体と別体で、プリンタ部の筐体の上に用紙処理装置としてのフィニッシャーユニット182の筐体を設けた。
【0014】
図2は、複写機1の本体構造体400の斜視図である。
図3は前プリンタ側板410とその上に設けられた前フィニッシャー左側板450及び前フィニッシャー右側板451を示す斜視図である。プリンタ部の筐体であるプリンタ構造体400aの上にフィニッシャーユニット182の筐体であるフィニッシャー構造体400bが設置されている。このフィニッシャー構造体400bの上に更に
図1に示すスキャナユニット200が設置される(
図7参照)。その更に上に自動原稿搬送装置300が設置される(
図1参照)。プリンタ構造体400aは、前側板である前プリンタ側板410と後側板である後プリンタ側板420とを次のステー部材で連結してなる。左上ステー部材430、左下ステー部材432、定着ステー部材433、ベース部材434などである。
【0015】
カラー機のように色ずれ防止のため平面度(各部の高さ精度)を高精度に確保するには、3点設置が有利であり、本実施形態でも前プリンタ側板410の左側端の左足部410aは床面から浮かせている。後プリンタ側板420の左右両端の足部(右足部420b)の底部、合計2点と、前プリンタ側板410の右側端の右足部410bの底部の1点との合わせて3点で設置する。
【0016】
フィニッシャー構造体400bは、前プリンタ側板410の左上に設置された前フィニッシャー左側板450と、前プリンタ側板410の右上に設置された前フィニッシャー右側板451と、後プリンタ側板420の上に設置された後フィニッシャー側板452と、前フィニッシャー右側板451及び後フィニッシャー側板452の上方に設置されたスキャナ置き台460などで構成される。このうち、スキャナ置き台460は前フィニッシャー右側板451と後プリンタ側板420とを連結するステー部材として機能する。
【0017】
前フィニッシャー右側板451と後プリンタ側板420との間には、フィニッシャーユニット182に加え排紙ユニット180も設けられる(
図1参照)。フィニッシャーユニット182や排紙ユニット180は内部にローラなどの回転体の両端を支持する側板対を備え、この側板対が前フィニッシャー右側板451及び後プリンタ側板420に接続されている。これらのユニットは回転体の平行度を保ために剛性を有し、これらが前フィニッシャー右側板451と後プリンタ側板420との間をつなぐステー部材としても機能する。前フィニッシャー右側板451は
図7に示すように排紙トレイ181を構成する部材などにより後プリンタ側板420と連結される。
【0018】
以上のように、プリンタ構造体400aの上にフィニッシャー構造体400bを設置する構成であるため、このプリンタ構造体400aが発売済あるいは開発済の従来機である場合、フィニッシャー搭載などの機能をアップさせた新機種を開発するとき、像担持体や定着装置、転写装置、レジストローラなど高精度で保持するための前後側板を新規に制作するのではなく、従来機種の構造体にフィニッシャー保持専用の前後側板を従来機種の前後側板の上方に設置することで、前記の像担持体や定着装置、転写装置、レジストローラを高精度の保持をしつつ、フィニッシャーの保持が可能となる本体構造体を構成できる。これにより、開発期間の短縮が可能であり、新規側板の製作コストを抑えることができる。
【0019】
また、設置するフィニッシャー構造体は、必要な高さに設定すれば、これをプリンタ構造体400aに設置し、更に、その上にスキャナユニット200を設置した場合の複写機全体の高さも必要な高さにできる。用紙処理装置としてのこのフィニッシャーユニット182とは異なる高さのユニットをプリンタ部と読み取り部との間に配置する場合にも、同様の構成を採用すれば、そのユニットの高さに応じた保持専用の前後側板を設置して必要な高さにすることができる。
【0020】
そして、本実施形態の複写機では、スキャナ置き台460はスキャナが設置する面の水平度を高精度に保つ必要があるため、フィニッシャー機能を追加しない従来機種と同等の素スキャナ設置面の水平度を維持できるようにしている。そのための構成は、概略次のとおりである。追加するフィニッシャー側板(前後)と結合するプリンタ側板(前後)の部分として、従来機種のプリンタ側板におけるスキャナ置き台との接合部を使用する。この従来機種のプリンタ側板における接合部と接合できるように、追加するフィニッシャー側板の対応する接合部は、従来機種のスキャナ置き台におけるプリンタ側板との接合部と同様の構成を採用する。これにより、フィニッシャー側板(前後)をプリンタ側板に対して高精度に保つ。何れの接合部も新規に設計できる場合にはこれに限られない。
【0021】
そして、追加するフィニッシャー側板におけるスキャナ置き台との接合部は、従来機種のプリンタ側板におけるスキャナ置き台との接合部を使用する。これによれば、従来機種のスキャナ置き台の接合部の形状をそのまま利用できる。無論接合部以外の例えば高さの調整のため側壁部分の高さは変更することも可能である。スキャナ置き台も新規に設計する場合には、追加するフィニッシャー側板におけるスキャナ置き台との接合部とスキャナ置き台におけるフィニッシャーとの接合部との両方を新規に設計してもよい。なお、従来機種の構造をそのまま利用するのは、フィニッシャー機能のない従来機種にフィニッシャーを追加した際に特に有効である。
【0022】
各接合部は、プリンタ側板とスキャナ置き台とは間にフィニッシャー側板が入るが最小限の積み上げ寸法で高精度を保持できるように、凸部形状にすることが好ましい。
図4(a)は前フィニッシャー右側板451の底面を示す斜視図である。
図4(b)は前フィニッシャー右側板451が接合される前プリンタ側板410の箇所を示す斜視図である。前フィニッシャー右側板451と前プリンタ側板410の設置はこの凸部同士を接することで接合されている。具体的には、凸部600、601、602が凸部700、701、702と接する。このように凸部同士の接触とする理由は、次のとおりである。樹脂成形の場合、接合部が対向する面の全面にわたって領域に設定すると、接合部全面にわたって高精度が要求されることとなり側板の成型性が困難となる。これに対し、一部凸部を設けその部分だけ高精度を規定すれば、成形性を簡易にすることができるからである。樹脂成型ではない場合にも、加工コストを軽減できる。
【0023】
図5はフィニッシャー機能のない従来機種の構造体の構成を示す斜視図である。従来機種はプリンタ側板の上にスキャナ置き台が設けられ、スキャナ置き台の位置精度も高精度が必要なことから、プリンタ側板とスキャナ置き台に上記同様のお互いに高精度と設定された一部凸部同士を接合していた。
図6(a)は従来機種のスキャナ置き台460の底面部示す斜視図である。凸部800、801、811(810は従来は凸部ではない。)が、
図4(b)に示す前プリンタ側板410の凸部700、701、702と接触して接合されていた。これの前プリンタ側板410の凸部700、701、702を追加した前フィニッシャー右側板451との接合に用いたので、前フィニッシャー右側板451を、前プリンタ側板410に対して高精度に保たれる。
【0024】
なお、
図5の例では、スキャナ置き台が高さh1で示す分だけ、
図2の装置におけるスキャナ置き台よりも側壁部分で高くなっている。
図2は、この高さは変更したスキャナ置き台を用いる例である。
【0025】
図6(b)は追加した前フィニッシャー右側板451の上面部を示す斜視図である。この上面部にスキャナ置き台460との接合のための凸部610、611を形成している。このうち、端部側の凸部611は、
図6(a)に示すスキャナ置き台460の凸部811に接して接合される。なお、
図6(a)の凸部800、801は追加した前フィニッシャー右側板451から浮いて遊ぶ状態になる。スキャナ置き台を新規に設計する場合には、この遊ぶ凸部800、801は削除してもよいし、前フィニッシャー右側板451を追加しない機種と部品を共通にするため、前プリンタ側板410の凸部700、701との接合のために残してもよい。
【0026】
なお、
図6(b)に示すように、追加する前フィニッシャー右側板451の上部に二つ目の凸部610を設ける場合には、これに対応させスキャナ置き台にも凸部810を追加する。前プリンタ側板410も、このように凸部810を追加したスキャナ置き台を直接設置する機種とで兼用する場合には、前プリンタ側板410にも、
図4(b)に仮想線(二点差線)で示すように、対応する凸部710を追加する。
【0027】
以上、前プリンタ側板410、前フィニッシャー右側板及びスキャナ置き台460の3者の間の接合部について説明したが、同様の接合部構造を、前プリンタ側板410と後フィニッシャー側板452や前フィニッシャー左側板450との間の接合部構造に採用する。特に、三点設置の各三点の基準となる位置、例えば、前右側における凸部702、602、611、811は鉛直方向で一直線に揃えることが好ましい。後側板左右それぞれの設置点でも同様である。これによれば、荷重のバランス関係も含めて、用紙処理装置を追加する場合、追加しない場合とで同等の高さ精度、水平度を維持しやすくなる。このような接合部構造を採用することにより、プリンタ側板とスキャナ置き台とは間にフィニッシャー側板が入るが最小限の積み上げ寸法で高精度を保持できるのである。
【0028】
加えてスキャナ置き台460におけるスキャナユニット200の設置位置も、この一直線上に揃えることが好ましい。つまり、プリンタ部の筐体と用紙処理装置の筐体の間の接合部と、用紙処理装置の筐体と読み取り部の筐体の間の接合部とで、鉛直上方から見た平面における位置が一致していることが好ましい。更に、前プリンタ側板410や後プリンタ側板420の足部における三点設置の中心(設置部)の位置も、上記直線上に揃えることが好ましい。各装置の接合部と設置位置とを鉛直方向ですべて揃えることがもっとも好ましい。
【0029】
図7はスキャナユニット200を接し外装カバーを除いた状態の斜視図である。前フィニッシャー左側板450と前フィニッシャー右側板451とを互いに別体にし(左右に分割)し、しかも、両者間に間隔をおいている。この状態でフィニッシャー本体を左右で保持しているので、左右に長い側板にする必要がない。よって、左右別体とすることで大型の金型を製作する必要がなく、また成型機も小型にできるのでコストアップを防ぐことが可能となる。
【0030】
図8は前フィニッシャー左側板450と前フィニッシャー右側板451との間の箇所近傍の拡大図である。前側板部である両側板の間の領域Xがあいているので、フィニッシャー下部にある書き込みユニット120等のメンテ性の向上が見込める。具体的には、書き込みユニット120には、
図1に示すように二色分毎の光走査ユニットがあり、合計4箇所の調整つまみ120aが設けられている。これらつまみ120aは光路調整用のつまみであり、つまみを回すことで書き込みの光路調整を行うことができる。フィニッシャー前側板を左右別体化したことで、中央部があくのでフィニッシャー下部にある書き込みユニットにサービスマンがアクセスしやすくなり、メンテ性を向上させることができる。なお、この領域Xは通常はカバーで塞がれる。
【0031】
図9は特許文献2に記載の用紙後処理装置の概略構成図である。この用紙後処理装置を本実施形態のフィニッシャーユニット182として用いることができる。無論、これに限らず種々の用紙処理装置をフィニッシャーユニット182に代えて、プリンタ部と読み取り部との間に配置することができ、その用紙処理装置と筐体としてフィニッシャーユニット182で用いたのと同様の筐体を用いることができる。
<スティプル排紙モード>
用紙は、入口ローラ対2、スティプル排紙ローラ対3の順で搬送され用紙がスティプルトレイ15に落下した後、軸4aを中心に支持部材10aが図中反時計回り方向に回転してスティプルトレイ15上の用紙の上面に叩きコロ10を接触させる。そして、叩きコロ10と後端戻しコロ11とを図中反時計回りに回転させて用紙を後端基準フェンス12側に送り込み、用紙の後端を後端基準フェンス12に突き当てることによって用紙の縦揃えを行う。また、スティプルトレイ15の上方で用紙幅方向両側には1対のジョガーフェンス13が設けられており、用紙の幅よりも大きな間隔を開けて待機する待機位置から用紙幅方向で互いが近づくようにジョガーフェンス13を移動させて、スティプルトレイ15上にスタックされた用紙の横揃えを行う。
【0032】
連続印刷の最終紙まで同様の動作を繰返し、最終紙がスティプルトレイ15上にスタックされたらスティプラ14によりスティプルトレイ15上の用紙束に対して綴じ処理を行う。このように綴じ処理を行った後、軸4aを中心に排紙開閉ガイド板4を図中反時計回り方向に回転させて上排紙ローラ5aを下排紙ローラ5bに当接させて上排紙ローラ5aと下排紙ローラ5bとからなる排紙ローラ対5により用紙束を挾持して、排紙ローラ対5を回転させて用紙束を排紙トレイ6に排紙する。排紙トレイ6は排紙トレイ可動部7を回転可能に支持しており、排紙トレイ可動部7は積載枚数により用紙の後端側が上下動する。排紙ローラ対5により用紙束が排紙トレイ6に排紙される際には、排紙トレイ可動部7がいったん下がり、用紙束が排紙ローラ対5を抜けるときに排紙の邪魔にならない位置に退避していた後端押え部材90により用紙束の後端が押えられ、用紙束の後端が後端押え部材90に押えられた状態で排紙トレイ可動部7が上がってくる。
【0033】
<ストレート排紙モード>
用紙は、入口ローラ対2、スティプル排紙ローラ対3の順で搬送され、軸4aを中心に排紙開閉ガイド板4を図中反時計回り方向に回転させて上排紙ローラ5aを下排紙ローラ5bに当接させて上排紙ローラ5aと下排紙ローラ5bとからなる排紙ローラ対5により挾持搬送されて排紙トレイ6に排紙される。また、排紙トレイ6に用紙が排紙される際に、数枚ごとに排紙トレイ可動部7がいったん下がり、用紙の後端が排紙ローラ対5を抜けるときには排紙の邪魔にならない位置に退避していた後端押え部材90により押えられ、用紙の後端が後端押え部材90により押えられた状態で排紙トレイ可動部7が上がってくる。後端押え部材90は1枚ごとに動作する。後端押え部材90は排紙トレイ6上に排紙された用紙の紙面高さを検知している。なお、用紙の仕分けを行う場合、スティプル排紙ローラ対3は上下方向(スティプル排紙ローラ対3による用紙の搬送方向に対して直交した方向)に所定の量だけ移動可能である。
【0034】
以上、本実施形態は一例であり、種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 :複写機
2 :入口ローラ対
3 :スティプル排紙ローラ対
4 :排紙開閉ガイド板
4a :軸
5 :排紙ローラ対
5a :上排紙ローラ
5b :下排紙ローラ
6 :排紙トレイ
7 :排紙トレイ可動部
10 :コロ
10a :支持部材
11 :後端戻しコロ
12 :後端基準フェンス
13 :ジョガーフェンス
14 :スティプラ
15 :スティプルトレイ
90 :後端押え部材
100 :プリンタ部
110 :作像ユニット
111 :トナーボトル
112 :廃トナーボトル
120 :書き込みユニット
130 :中間転写ユニット
131 :中間転写ベルト
140 :給紙トレイ
150 :レジストローラ
160 :2次転写ローラ
170 :定着ユニット
180 :排紙ユニット
181 :排紙トレイ
182 :フィニッシャーユニット
190 :両面ユニット
200 :スキャナユニット
300 :自動原稿搬送装置
400 :本体構造体
400a :プリンタ構造体
400b :フィニッシャー構造体
410 :前プリンタ側板
410a :左足部
410b :右足部
420 :後プリンタ側板
420b :右足部
430 :左上ステー部材
432 :左下ステー部材
433 :定着ステー部材
434 :ベース部材
450 :前フィニッシャー左側板
451 :前フィニッシャー右側板
452 :後フィニッシャー側板
460 :スキャナ置き台
600 :凸部
601 :凸部
602 :凸部
610 :凸部
611 :凸部
700 :凸部
701 :凸部
702 :凸部
710 :凸部
800 :凸部
801 :凸部
810 :凸部
811 :凸部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0036】
【文献】特開2010-85431号公報
【文献】特開2012-20863号公報