(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】太陽電池モジュール、太陽電池用電極基板および太陽電池モジュールの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01G 9/20 20060101AFI20240110BHJP
H10K 39/12 20230101ALI20240110BHJP
【FI】
H01G9/20 203B
H01G9/20 119
H01G9/20 205
H01G9/20 311
H10K39/12
(21)【出願番号】P 2019162340
(22)【出願日】2019-09-05
【審査請求日】2022-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000229117
【氏名又は名称】日本ゼオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100150360
【氏名又は名称】寺嶋 勇太
(74)【代理人】
【識別番号】100163511
【氏名又は名称】辻 啓太
(72)【発明者】
【氏名】中平 忠克
【審査官】井原 純
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-049426(JP,A)
【文献】特開2008-226554(JP,A)
【文献】特開2004-119082(JP,A)
【文献】国際公開第2018/025821(WO,A1)
【文献】特開2005-093252(JP,A)
【文献】特開2001-357897(JP,A)
【文献】特開2007-258121(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 9/20
H10K 39/10-39/18
H10K 71/00-71/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板と対向する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に、平面視で第1方向に長尺状に形成され、前記第1基板側の第1電極および前記第2基板側の第2電極を介して電力を出力する複数の光電変換セルと、
隣り合う前記光電変換セルの間に位置し、当該隣り合う光電変換セルのうちの一方の光電変換セルの第1電極と、当該隣り合う光電変換セルのうちの他方の光電変換セルの第2電極とを電気的に接続する導電性樹脂部材と、を備え、
前記第1基板には、前記光電変換セルの前記第1方向と直交する第2方向の一端側に延在し、隣り合う前記光電変換セルそれぞれの前記第1電極を電気的に絶縁するための第1絶縁溝が形成され、
前記第2基板には、前記光電変換セルの前記第2方向の他端側に延在し、隣り合う前記光電変換セルそれぞれの前記第2電極を電気的に絶縁するための第2絶縁溝が形成され、
前記光電変換セルの前記第1方向の中央近傍と比べて前記光電変換セルの前記第1方向の両端近傍では、前記第1絶縁溝と前記第2絶縁溝との間の間隔が小さい、太陽電池モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の太陽電池モジュールにおいて、
前記光電変換セルは、前記第1方向に長尺の矩形の角部を面取りした形状である、太陽電池モジュール。
【請求項3】
請求項2に記載の太陽電池モジュールにおいて、
前記光電変換セルは、前記矩形の角部をC面取りした形状である、太陽電池モジュール。
【請求項4】
請求項2に記載の太陽電池モジュールにおいて、
前記光電変換セルは、前記矩形の角部をR面取りした形状である、太陽電池モジュール。
【請求項5】
請求項2に記載の太陽電池モジュールにおいて、
前記光電変換セルは、前記矩形の角部を逆R面取りした形状である、太陽電池モジュール。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の太陽電池モジュールにおいて、
前記第1絶縁溝は、前記光電変換セルの前記第2方向の一端に沿って形成され、
前記第2絶縁溝は、前記光電変換セルの前記第2方向の他端に沿って形成されている、太陽電池モジュール。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の太陽電池モジュールにおいて、
隣り合う前記光電変換セルの間であって、前記光電変換セルの第1方向の両端近傍の領域に、前記導電性樹脂部材の始点と終点とが位置する、太陽電池モジュール。
【請求項8】
第1方向に長尺に延在する複数の光電変換セルが形成される太陽電池用電極基板であって、
基材と、
前記基材上に形成され、前記光電変換セルの電極を構成する導電層と、を備え、
前記太陽電池用電極基板は、他の前記太陽電池用電極基板と張り合わされ、
前記太陽電池用電極基板と前記他の太陽電池用電極基板とが張り合わされた状態で、一の光電変換セルの第1電極を構成する、前記太陽電池用電極基板が備える導電層と、前記一の光電変換セルと隣接する光電変換セルの第2電極を構成する、前記他の太陽電池用電極基板が備える導電層とが導電性樹脂部材により電気的に接続され、
前記太陽電池用電極基板には、前記光電変換セルの前記第1方向と直交する第2方向の一端側に、隣り合う前記光電変換セルそれぞれの電極を構成する導電層を電気的に絶縁する絶縁溝が形成され、
前記光電変換セルの前記第1方向の中央近傍と比べて前記光電変換セルの前記第1方向の両端近傍では、前記絶縁溝は、前記光電変換セルの前記第2方向の他端側に近い位置に形成されている、太陽電池用電極基板。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか一項に記載の太陽電池モジュールの製造方法であって、
前記第1絶縁溝が形成された前記第1基板および前記第2絶縁溝が形成された前記第2基板を作製する工程と、
前記第1基板および前記第2基板のいずれか一方に、隣り合う前記光電変換セルの間に未硬化の前記導電性樹脂部材を塗布する塗布工程と、
前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせる工程と、を含む、太陽電池モジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュール、太陽電池用電極基板および太陽電池モジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な太陽電池モジュールは、複数のセルを2つの基板で挟んだ構造を有する。各セルは、電子および正孔の移動に寄与する機能層と、正極または負極として機能する2つの電極とを含み得る(例えば、特許文献1参照)。このような太陽電池モジュールの製造方法には、隣り合うセルのうちの一方のセルの正極と、隣り合うセルのうちの他方のセルの負極とを接続する導電性樹脂部材を2つの基板の一方に塗布する工程と、当該2つの基板を貼り合わせる工程とが含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した太陽電池モジュールの製造方法においては、2つの基板を貼り合わせる際に、基板に塗布した導電性樹脂部材が、2つの基板により押圧されることで、意図しない箇所にはみ出す場合がある。特に、導電性樹脂部材の塗布の始点および終点では、導電性樹脂部材が溜まりやすく、2つの基板を貼り合わせる際に、導電性樹脂部材の広がりにより、意図しない箇所への導電性樹脂部材のはみ出しが生じやすい。意図しない箇所にはみ出した導電性樹脂部材は、セル間の短絡といった故障を生じさせるおそれがある。特に基板における発電面積の割合を増やす目的で隣り合うセル同士の間隔を狭めた構造とする際に、導電性樹脂部材のはみ出しによるセル間の短絡が生じやすく、一層問題となる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上述した課題を解決し、品質が向上された、太陽電池モジュール、太陽電池用電極基板および太陽電池モジュールの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の太陽電池モジュールは、第1基板と、前記第1基板と対向する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に、平面視で第1方向に長尺状に形成され、前記第1基板側の第1電極および前記第2基板側の第2電極を介して電力を出力する複数の光電変換セルと、隣り合う前記光電変換セルの間に位置し、当該隣り合う光電変換セルのうちの一方の光電変換セルの第1電極と、当該隣り合う光電変換セルのうちの他方の光電変換セルの第2電極とを電気的に接続する導電性樹脂部材と、を備え、前記第1基板には、前記光電変換セルの前記第1方向と直交する第2方向の一端側に延在し、隣り合う前記光電変換セルそれぞれの前記第1電極を電気的に絶縁するための第1絶縁溝が形成され、前記第2基板には、前記光電変換セルの前記第2方向の他端側に延在し、隣り合う前記光電変換セルそれぞれの前記第2電極を電気的に絶縁するための第2絶縁溝が形成され、前記光電変換セルの前記第1方向の中央近傍と比べて前記光電変換セルの前記第1方向の両端近傍では、前記第1絶縁溝と前記第2絶縁溝との間の間隔が小さい。
このような構成により、光電変換セルの第1方向の両端近傍では、隣り合う光電変換セルの間の間隔が大きくなるので、この部分では、導電性樹脂部材が意図しない箇所にはみ出すことを防ぐことができる。そのため、導電性樹脂部材のはみ出しによるセル間の短絡といった、太陽電池モジュールの故障を防ぐことができる。したがって、品質が向上された、太陽電池モジュールが提供され得る。
【0007】
ここで、本発明の太陽電池モジュールにおいて、前記光電変換セルは、前記第1方向に長尺の矩形の角部を面取りした形状であることが好ましい。
このような構成により、光電変換セルの形状が第1の方向に長尺の矩形の角部を面取りした形状の部分では、隣り合う光電変換セルの間の間隔が大きくなる。そのため、導電性樹脂部材のはみ出しを防ぎ、品質が向上された、太陽電池モジュールが提供され得る。
【0008】
また、本発明の太陽電池モジュールにおいて、前記光電変換セルは、前記矩形の角部をC面取りした形状であることが好ましい。
このような構成により、光電変換セルの形状が第1の方向に長尺の矩形の角部をC面取りした形状の部分では、隣り合う光電変換セルの間の間隔が大きくなる。そのため、導電性樹脂部材のはみ出しを防ぎ、品質が向上された、太陽電池モジュールが提供され得る。
【0009】
また、本発明の太陽電池モジュールにおいて、前記光電変換セルは、前記矩形の角部をR面取りした形状であることが好ましい。
このような構成により、光電変換セルの形状が第1の方向に長尺の矩形の角部をR面取りした形状の部分では、隣り合う光電変換セルの間の間隔が大きくなる。そのため、導電性樹脂部材のはみ出しを防ぎ、品質が向上された、太陽電池モジュールが提供され得る。
【0010】
また、本発明の太陽電池モジュールにおいて、前記光電変換セルは、前記矩形の角部を逆R面取りした形状であることが好ましい。
このような構成により、光電変換セルの形状が第1の方向に長尺の矩形の角部を逆R面取りした形状の部分では、隣り合う光電変換セルの間の間隔が大きくなる。そのため、導電性樹脂部材のはみ出しを防ぎ、品質が向上された、太陽電池モジュールが提供され得る。
【0011】
また、本発明の太陽電池モジュールにおいて、前記第1絶縁溝は、前記光電変換セルの前記第2方向の一端に沿って形成され、前記第2絶縁溝は、前記光電変換セルの前記第2方向の他端に沿って形成されていることが好ましい。
このような構成により、品質が向上されるとともに、発電効率の低下が低減された、太陽電池モジュールが提供され得る。
【0012】
また、本発明の太陽電池モジュールにおいて、隣り合う前記光電変換セルの間であって、前記光電変換セルの第1方向の両端近傍の領域に、前記導電性樹脂部材の始点と終点とが位置することが好ましい。
このような構成により、導電性樹脂部材の塗布の始点と終点とにおいて導電性樹脂部材の塗布量が多くなっても、導電性樹脂部材のはみ出しを防ぐことができる。したがって、品質が向上された、太陽電池モジュールが提供され得る。
【0013】
この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の太陽電池用電極基板は、第1方向に長尺に延在する複数の光電変換セルが形成される太陽電池用電極基板であって、基材と、前記基材上に形成され、前記光電変換セルの電極を構成する導電層と、を備え、前記太陽電池用電極基板には、前記光電変換セルの前記第1方向と直交する第2方向の一端側に、隣り合う前記光電変換セルそれぞれの電極を構成する導電層を電気的に絶縁する絶縁溝が形成され、前記光電変換セルの前記第1方向の中央近傍と比べて前記光電変換セルの前記第1方向の両端近傍では、前記絶縁溝は、前記光電変換セルの前記第2方向の他端側に近い位置に形成されている。
このような構成により、光電変換セルの第1方向の両端近傍では、隣り合う光電変換セルの間の間隔が大きくなるので、この部分では、導電性樹脂部材が意図しない箇所にはみ出すことを防ぐことができる。そのため、導電性樹脂部材のはみ出しによるセル間の短絡といった、太陽電池モジュールの故障を防ぐことができる。したがって、このような太陽電池用電極基板を用いることで、品質が向上された、太陽電池モジュールが提供され得る。
【0014】
この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、上述したいずれかの太陽電池モジュールの製造方法であって、前記第1絶縁溝が形成された前記第1基板および前記第2絶縁溝が形成された前記第2基板を作製する工程と、前記第1基板および前記第2基板のいずれか一方に、隣り合う前記光電変換セルの間に未硬化の前記導電性樹脂部材を塗布する塗布工程と、前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせる工程と、を含む。
このような構成により、導電性樹脂部材が第1基板と第2基板とにより押圧された際に、導電性樹脂部材が意図しない箇所にはみ出すことを防ぐことができる。そのため、導電性樹脂部材のはみ出しによるセル間の短絡といった、太陽電池モジュールの故障を防ぐことができる。したがって、品質が向上された、太陽電池モジュールが提供され得る。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、品質が向上された、太陽電池モジュール、太陽電池用電極基板および太陽電池モジュールの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールの外観図である。
【
図2】
図1に示すL1-L1線に沿った太陽電池モジュールの断面図である。
【
図3】従来の太陽電池用電極基板の構成例を示す上面図である。
【
図4】
図1に示す第1基板の構成例を示す上面図である。
【
図5】本実施形態に係る太陽電池モジュールの構成例を示す上面図である。
【
図6】
図1に示す第1基板の別の構成例を示す上面図である。
【
図7】
図1に示す第1基板のさらに別の構成例を示す上面図である。
【
図8】
図1に示す第1基板のさらに別の構成例を示す上面図である。
【
図9】
図1に示す第1基板のさらに別の構成例を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して例示説明する。各図中、同一符号は、同一または同等の構成要素を示している。
【0018】
図1は、本発明の太陽電池モジュール100の外観図である。また、
図2は、
図1に示すL1-L1線に沿った太陽電池モジュール100の断面図である。以下では、
図1に示す太陽電池モジュール100のセル10の長手方向は、X軸の正方向と負方向とを合わせた方向として示す。また、
図1に示す太陽電池モジュール100のセル10の幅方向は、Y軸の正方向と負方向とを合わせた方向として示す。また、
図1に示す太陽電池モジュール100の厚み方向は、Z軸の正方向と負方向とを合わせた方向として示す。
【0019】
図1に示す太陽電池モジュール100は、色素増感型太陽電池モジュールである。ただし、本発明の太陽電池モジュール100は、色素増感型太陽電池モジュールに限定されない。例えば、太陽電池モジュール100は、有機薄膜太陽電池またはペロブスカイト太陽電池などの太陽電池モジュールであってよい。
【0020】
図1に示すように、太陽電池モジュール100は、12個のセル10と、光電極基板である第1基板20(太陽電池用電極基板)と、対向電極基板である第2基板30(太陽電池用電極基板)と、集電電極60,61,62とを備える。また、
図2に示すように、太陽電池モジュール100は、絶縁性樹脂部材40と、導電性樹脂部材50と、バリア包装材70,71とをさらに備える。太陽電池モジュール100は、集電電極60,61,62それぞれに接続される取り出し電極を備えてよい。
【0021】
図1に示す太陽電池モジュール100が備えるセル10の数は12個である。ただし、太陽電池モジュール100が備えるセル10の数は、11個以下であってよいし、13個以上であってよい。セル10は、
図2に示すように、Y方向に隣り合うセル10-1,10-2を含む。
【0022】
セル10は、太陽光および室内光などの入射光を光電変換して電力を出力する。セル10は、「光電変換セル」ともいう。
【0023】
図1に示すように、太陽電池モジュール100のX軸の負方向側および正方向側それぞれにおいて、6個のセル10が、Y軸に沿って並ぶ。Y軸に沿って並ぶ6個のセル10は、直列接続される。太陽電池モジュール100のX軸の負方向側において直列接続された6個のセル10のうちのY軸の負方向側に位置するセル10は、集電電極62に電気的に接続される。太陽電池モジュール100のX軸の正方向側において直列接続された6個のセル10のうちのY軸の負方向側に位置するセル10は、集電電極62に電気的に接続される。このような構成により、12個のセル10は、直列接続される。
【0024】
太陽電池モジュール100のX軸の負方向側において直列接続された6個のセル10のうちのY軸の正方向側に位置するセル10は、集電電極60に電気的に接続される。太陽電池モジュール100のX軸の正方向側において直列接続された6個のセル10のうちのY軸の正方向側に位置するセル10は、集電電極61に電気的に接続される。このような構成により、12個のセル10が光電変換した電力は、集電電極60,61を介して太陽電池モジュール100の外部に出力される。
【0025】
複数のセル10は、
図2に示すように、第1基板20と、第1基板20と対向する第2基板30との間に介在する。
図1に示すように、セル10は、平面視で(Z軸方向から見て)、X軸方向(第1方向)に長尺状に形成されている。すなわち、光電変換セルとしてのセル10は、第1基板20と第2基板30との間に、平面視でX軸の方向に長尺状に形成されている。複数のセル10は、詳細は後述するが、絶縁性樹脂部材40で区画されて、直列接続される。絶縁性樹脂部材40により区画された複数のセル10を直列接続した構造は、いわゆる「Z型の集積構造」である。換言すると、本実施形態に係る太陽電池モジュール100は、Z型の集積構造を有する。ただし、本発明の太陽電池モジュール100の集積構造は、Z型の集積構造に限定されない。例えば、本発明の太陽電池モジュール100の集積構造は、W型モジュールおよびモノリシック型モジュールなどの直列接続構造または並列接続構造などであってもよい。
【0026】
セル10は、
図2に示すように、多孔質半導体微粒子層11と、触媒層12と、電解質層13とを備える。
【0027】
多孔質半導体微粒子層11は、第1基板20の光電極用導電層22上の一部に設けられ、増感色素を担持(吸着)させた層である。多孔質半導体微粒子層11と、第1基板20の光電極用導電層22とは、第1基板20側の第1電極としての光電極1を構成し得る。隣り合うセル10それぞれの光電極1は、隣り合うセル10の間に位置する絶縁性樹脂部材40により電気的に絶縁される。例えば、
図2に示す隣り合うセル10-1,10-2において、セル10-1の光電極1と、セル10-2の光電極1とは、第1絶縁性樹脂部材40-1により電気的に絶縁される。
【0028】
増感色素を担持(吸着)させた多孔質半導体微粒子層11としては、特に限定されることなく、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズなどの酸化物半導体の粒子を含む多孔質半導体微粒子層に対して有機色素および/または金属錯体色素などの増感色素を吸着させてなる多孔質半導体微粒子層を用いることができる。有機色素としては、シアニン色素、メロシアニン色素、オキソノール色素、キサンテン色素、スクワリリウム色素、ポリメチン色素、クマリン色素、リボフラビン色素、ペリレン色素などが挙げられる。金属錯体色素としては、鉄、銅、ルテニウムなどの金属のフタロシアニン錯体および/またはポルフィリン錯体などが挙げられる。例えば、N3、N719、N749、D102、D131、D150、N205、HRS-1および-2などが代表的な増感色素として挙げられる。増感色素を溶解させる有機溶媒は、溶媒に存在している水分および気体を除去するために、予め脱気および蒸留精製しておくことが好ましい。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノールなどアルコール類、アセトニトリルなどニトリル類、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、アミド類、エステル類、炭酸エステル類、ケトン類、炭化水素、芳香族、ニトロメタンなどの溶媒が好ましい。
【0029】
多孔質半導体微粒子層11を第1基板20の光電極用導電層22上に形成する方法としては、スクリーン印刷および/またはコーティングなどの既知の形成方法を用いることができる。また、多孔質半導体微粒子層11に増感色素を吸着させる方法としては、増感色素を含む溶液中への多孔質半導体微粒子層の浸漬などの既知の方法を用いることができる。
【0030】
触媒層12は、多孔質半導体微粒子層11に対向する。触媒層12は、第2基板30の対向電極用導電層32上の一部に設けられる。触媒層12と、第2基板30の対向電極用導電層32とは、第2基板30側の第2電極としての対向電極2を構成し得る。隣り合うセル10それぞれの対向電極2は、隣り合うセル10の間に位置する絶縁性樹脂部材40により電気的に絶縁される。例えば、
図2に示すセル10-1,10-2において、セル10-1の対向電極2と、セル10-2の対向電極2とは、第2絶縁性樹脂部材40-2により電気的に絶縁される。
【0031】
触媒層12としては、特に限定されることなく、導電性高分子、炭素ナノ構造体、貴金属粒子、および、炭素ナノ構造体と貴金属粒子との混合物などの、触媒として機能し得る成分を含む任意の触媒層を用いることができる。
【0032】
導電性高分子としては、例えば、ポリ(チオフェン-2,5-ジイル)、ポリ(3-ブチルチオフェン-2,5-ジイル)、ポリ(3-ヘキシルチオフェン-2,5-ジイル)、ポリ(2,3-ジヒドロチエノ-[3,4-b]-1,4-ジオキシン)(PEDOT)などのポリチオフェン;ポリアセチレンおよびその誘導体;ポリアニリンおよびその誘導体;ポリピロールおよびその誘導体;ポリ(p-キシレンテトラヒドロチオフェニウムクロライド)、ポリ[(2-メトキシ-5-(2’-エチルヘキシロキシ))-1,4-フェニレンビニレン]、ポリ[(2-メトキシ-5-(3’,7’-ジメチルオクチロキシ)-1,4-フェニレンビニレン)]、ポリ[2-2’,5’-ビス(2’’-エチルヘキシロキシ)フェニル]-1,4-フェニレンビニレン]などのポリフェニレンビニレン類;などを挙げることができる。
【0033】
炭素ナノ構造体としては、例えば、天然黒鉛、活性炭、人造黒鉛、グラフェン、カーボンナノチューブ、カーボンナノバッドなどを挙げることができる。貴金属粒子としては、触媒作用のあるものであれば特に限定されず、金属白金、金属パラジウムおよび金属ルテニウムなどの公知の貴金属粒子を適宜選択して用いることができる。
【0034】
触媒層12の形成方法は、特に限定されず、公知の方法を適宜選択して用いることができる。例えば、導電性高分子、炭素ナノ構造体、貴金属粒子、または、炭素ナノ構造体と貴金属粒子との両方を適当な溶媒に溶解または分散させて得られる混合液を、対向電極用導電層32上に塗布または噴霧し、混合液の溶媒を乾燥させることにより、触媒層12を形成することができる。炭素ナノ構造体および/または貴金属粒子を用いる場合、混合液にバインダーをさらに含有させてもよい。バインダーとしては、炭素ナノ構造体の分散性および/または基材との密着性の点から、水酸基、カルボキシル基、スルホニル基、リン酸基などの官能基、および、これらの官能基のナトリウム塩をもつ高分子を用いるのが好ましい。
【0035】
触媒層12は、カーボンナノチューブの平均直径(Av)と直径の標準偏差(σ)とが0.60>3σ/Av>0.20(以下、式(A)ということがある)を満たすカーボンナノチューブ(以下、「特定のカーボンナノチューブ」ということがある)を含有するものであってよい。「特定のカーボンナノチューブ」とは、それを構成する所定のカーボンナノチューブの集合の総称であり、「直径」とは当該所定のカーボンナノチューブの外径を意味する。
【0036】
特定のカーボンナノチューブの平均直径(Av)および直径の標準偏差(σ)はそれぞれ、標本平均値および標本標準偏差である。標本平均値および標本標準偏差は、透過型電子顕微鏡での観察下、無作為に選択された100本のカーボンナノチューブの直径を測定した際の平均値および標準偏差として求められる。式(A)における3σは得られた標準偏差(σ)に3を乗じたものである。
【0037】
特定のカーボンナノチューブを用いることにより、優れた触媒活性を有する対向電極2を得ることができる。対向電極2の特性を向上させる観点から、0.60>3σ/Av>0.25が好ましく、0.60>3σ/Av>0.50がより好ましい。
【0038】
3σ/Avは、特定のカーボンナノチューブの直径分布を表し、この値が大きい程、直径分布が広いことを意味する。直径分布は、正規分布であることが好ましい。その場合の直径分布は、透過型電子顕微鏡を用いて観察することができる。特定のカーボンナノチューブの直径分布は、無作為に選択された100本のカーボンナノチューブの直径を測定し、その結果を用いて、横軸に直径、縦軸に頻度を取り、得られたデータをプロットし、ガウシアンで近似することで得られる。異なる製法で得られたカーボンナノチューブなどを複数種類組み合わせることでも3σ/Avの値を大きくすることはできるが、その場合、正規分布の直径分布を得ることは難しい。特定のカーボンナノチューブは、その直径分布に影響しない量の他のカーボンナノチューブを配合してなるものであってもよい。
【0039】
特定のカーボンナノチューブは、公知の方法、例えば、スーパーグロース法により得ることができる(例えば、国際公開第2006/011655号参照)。スーパーグロース法とは、表面にカーボンナノチューブ製造用触媒を有する基材上に、原料化合物およびキャリアガスを供給して、化学的気相成長法(CVD法)によりカーボンナノチューブを合成する際に、系内に微量な酸化剤を存在させることで、カーボンナノチューブ製造用触媒の触媒活性を飛躍的に向上させる方法である。
【0040】
特定のカーボンナノチューブを構成材料とする触媒層12を含む対向電極2は、例えば、特定のカーボンナノチューブを含有する分散液を後述する第2基材31上に塗布し、得られた薄膜を乾燥させて触媒層12を形成することで作製することができる。
【0041】
電解質層13は、セル10の機能層となり得る。電解質層13は、光電極1の多孔質半導体微粒子層11と、対向電極2の触媒層12と、絶縁性樹脂部材40とに囲まれる空間に位置する。
【0042】
電解質層13は、特に限定されることなく、色素増感型太陽電池において使用し得る任意の電解液、ゲル状電解質または固定電解質を用いて形成することができる。
【0043】
セル10は、太陽光および室内光などの入射光を光電変換し、第1基板20側の光電極1(第1電極)および第2基板30側の対向電極2(第2電極)を介して電力を出力する。
【0044】
第1基板20は、
図1に示すように、XY平面に沿って広がる矩形状の基板である。第1基板20は、光電極基板である。
図2に示すように、第1基板20は、Z軸の負方向側に位置する下基板である。第1基板20は、第1基材21と、光電極用導電層22とを有する。第1基板20には、第1絶縁溝24が形成される。
【0045】
第1基材21上には、セル10の多孔質半導体微粒子層11と光電極用導電層22とで構成される光電極1が形成される。
【0046】
第1基材21としては、特に限定されることなく、公知の光透過性の基材から適宜選択して用いることができる。例えば、第1基材21としては、透明樹脂および/またはガラスなどの可視領域で透明性を有する既知の透明基材が挙げられる。
【0047】
光電極用導電層22は、
図2に示すように、XY平面に沿って広がる。光電極用導電層22は、
図2に示すように、セル10(セル10の多孔質半導体微粒子層11)に電気的に接続される。異なるセル10に接続される光電極用導電層22は、互いに電気的に絶縁される。例えば、
図2に示すように、セル10-1に接続される光電極用導電層22と、セル10-2に接続される光電極用導電層22との間に第1絶縁溝24が形成されることにより、セル10-1に接続される光電極用導電層22と、セル10-2に接続される光電極用導電層22とは、電気的に絶縁される。
【0048】
光電極用導電層22は、特に限定されることなく、Au、Ag、Cuなどにより構成される金属メッシュからなる導電層、および/または、Agナノ粒子などの金属ナノ粒子および/または微小なAgワイヤなどを塗布して形成された導電層、インジウム-スズ酸化物(ITO)および/またはインジウム-亜鉛酸化物(IZO)、フッ素ドープスズ(FTO)などの複合金属酸化物からなる導電層、カーボンナノチューブおよび/またはグラフェンなどを含んでなるカーボン系導電層、PEDOT/PSS(poly(3,4-ethylenedioxythiophene) polystyrene sulfonate)などの導電性高分子よりなる導電層が形成されてなる。これらの材料は、他の材料との相性などにより適宜選択することができる。また、これらの導電層は、複数種が基板上に積層されていてもよく、あるいは、これらの導電層の形成に用いられ得る上述したような各種導電性材料が混合されて1つの導電層を形成してもよい。光電極用導電層22を第1基材21上に形成する方法としては、スパッタリングとエッチングとを組み合わせた方法、および/または、スクリーン印刷など、既知の形成方法を用いることができる。
【0049】
第1絶縁溝24は、
図2に示すように、隣り合うセル10の間に形成される。第1絶縁溝24は、セル10の長尺方向(X軸方向)と直交するY軸方向(第2方向)の一端側(
図2では、Y軸の正方向側)に延在する。第1絶縁溝24は、隣り合うセル10のそれぞれの光電極1を絶縁するために形成される。具体的には、第1絶縁溝24は、隣り合うセル10それぞれに接続される光電極用導電層22を電気的に絶縁する。例えば、第1絶縁溝24は、
図2に示すように、隣り合うセル10-1,10-2それぞれに接続される光電極用導電層22を電気的に絶縁する。第1絶縁溝24に対応する位置に第1絶縁性樹脂部材40-1が形成されることで、隣り合うセル10それぞれの光電極1が絶縁される。第1絶縁溝24の深さは、光電極用導電層22を電気的に絶縁できる程度であってよい。第1絶縁溝24のY軸方向の幅aは、光電極用導電層22を電気的に絶縁できる程度であればよいが、特に隣り合うセル10同士のY軸方向の間隔bに対し2/5以下(a/b≦2/5)であることが望ましい。第1絶縁溝24の幅が隣り合うセル10同士の間隔bに対し2/5以下であることで、導電性樹脂部材50が配置される領域が十分確保されるため内部抵抗が上昇しにくく、モジュールの特性低下に影響を与えにくい。第1絶縁溝24は、レーザ、切削および/またはエッチングなどにより形成されてよい。
【0050】
第2基板30は、
図1に示すように、XY平面に沿って広がる矩形状の基板である。第2基板30は、対向電極基板である。
図2に示すように、第2基板30は、Z軸の正方向側に位置する上基板である。第2基板30は、第2基材31と、対向電極用導電層32とを有する。第2基板30には、第2絶縁溝34が形成される。
【0051】
第2基材31上には、セル10の触媒層12と対向電極用導電層32とにより構成される対向電極2が形成される。
【0052】
第2基材31としては、第1基材21と同様の基材、あるいは、チタン、SUSおよびアルミなどの箔および/または板のような透明性を有さない基材で、その他の太陽電池部材による腐食などがない基材を用いることができる。
【0053】
対向電極用導電層32は、
図2に示すように、XY平面に沿って広がる。対向電極用導電層32は、
図2に示すように、セル10(セル10の触媒層12)に電気的に接続される。異なるセル10に接続される対向電極用導電層32は、互いに電気的に絶縁される。例えば、
図2に示すように、セル10-1に接続される対向電極用導電層32と、セル10-2の接続される対向電極用導電層32との間に第2絶縁溝34が形成されることにより、セル10-1に接続される対向電極用導電層32と、セル10-2に接続される対向電極用導電層32とは、電気的に絶縁される。
【0054】
対向電極用導電層32としては、光電極用導電層22と同様の導電層を用いることができる。
【0055】
第2絶縁溝34は、
図2に示すように、隣り合うセル10の間に形成される。第2絶縁溝34は、セル10の長尺方向(X軸方向)と直交するY軸方向の他端側(
図2では、Y軸の負方向側)に延在する。第2絶縁溝34は、隣り合うセル10のそれぞれの対向電極2を絶縁するために形成される。具体的には、第2絶縁溝34は、隣り合うセル10それぞれに接続される対向電極用導電層32を電気的に絶縁する。例えば、第2絶縁溝34は、
図2に示すように、隣り合うセル10-1,10-2それぞれに接続される対向電極用導電層32を電気的に絶縁する。第2絶縁溝34に対応する位置に第2絶縁性樹脂部材40-2が形成されることで、隣り合うセル10それぞれの対向電極2が絶縁される。第2絶縁溝34の深さは、対向電極用導電層32を電気的に絶縁できる程度であってよい。第2絶縁溝34のY軸方向の幅cは、対向電極用導電層32を電気的に絶縁できる程度であればよいが、特に隣り合うセル10同士のY軸方向の間隔bに対し2/5以下(c/b≦2/5)であることが望ましい。第2絶縁溝34の幅cが隣り合うセル10同士の間隔bに対し2/5以下であることで、導電性樹脂部材50が配置される領域が十分確保されるため内部抵抗が上昇しにくく、モジュールの特性低下に影響を与えにくい。第2絶縁溝34は、レーザ、切削および/またはエッチングなどにより形成されてよい。
【0056】
絶縁性樹脂部材40は、
図2に示すように、隣り合うセル10の間に位置し、第1基板20と第2基板30との間に設けられる。絶縁性樹脂部材40は、セル10(多孔質半導体微粒子層11、触媒層12および電解質層13)および導電性樹脂部材50の周りを取り囲む。絶縁性樹脂部材40は、第1絶縁性樹脂部材40-1と、第2絶縁性樹脂部材40-2とを含む。
【0057】
第1絶縁性樹脂部材40-1は、隣り合うセル10それぞれの光電極1を電気的に絶縁する。より詳細には、第1絶縁性樹脂部材40-1は、各セル10の幅方向(Y軸方向)の一端側(Y軸の正方向側)に位置する第1基板20の第1絶縁溝24に対応する位置に、第1基板20から第2基板30に亘って設けられる。第1絶縁性樹脂部材40-1が設けられることで、隣り合うセル10の光電極1が電気的に絶縁される。
【0058】
第2絶縁性樹脂部材40-2は、隣り合うセル10それぞれの対向電極2を電気的に絶縁する。より詳細には、第2絶縁性樹脂部材40-2は、各セル10の幅方向(Y軸方向)の他端側(Y軸の負方向側)に位置する第2基板30の第2絶縁溝34に対応する位置に、第1基板20から第2基板30に亘って設けられる。第2絶縁性樹脂部材40-2が設けられることで、隣り合うセル10の対向電極2が電気的に絶縁される。
【0059】
絶縁性樹脂部材40は、第1基板20と第2基板30とを接着し、セル10を封止する。絶縁性樹脂部材40は、第1基板20と第2基板30とを接着し、セル10を封止することができるものであれば特に限定されない。絶縁性樹脂部材40は、基板間の接着性、電解質に対する耐性(耐薬品性)、高温高湿耐久性(耐湿熱性)に優れていることが好ましい。そのような絶縁性樹脂部材40を形成し得る隔壁材料としては、非導電性の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、活性放射線(光、電子線)硬化性樹脂が挙げられ、より具体的には、(メタ)アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、オレフィン系樹脂およびポリアミド系樹脂などが挙げられる。本明細書において(メタ)アクリルとは、「アクリル」または「メタアクリル」を意味する。中でも、取扱い性の観点から、光硬化性アクリル樹脂が好ましい。製造容易性の観点から、上述したような各種樹脂がシート状に成形されてなるフィルムを用いて、絶縁性樹脂部材40を構成することも可能である。
【0060】
絶縁性樹脂部材40は、太陽電池モジュール100の製造工程において、第1基板20または第2基板30の何れかに、例えば、ディスペンサなどの塗布装置を用いて塗布される。例えば、絶縁性樹脂部材40が第1基板20に塗布される場合、第1絶縁性樹脂部材40-1は、第1基板20の第1絶縁溝24に塗布される。第2絶縁性樹脂部材40-2は、第1基板20において、第2基板30の第2絶縁溝34に対応する位置に塗布される。
【0061】
太陽電池モジュール100の製造工程において第1基板20に塗布された絶縁性樹脂部材40は、第1基板20と第2基板30とを貼り合わせると、第1基板20と第2基板30とによって押圧される。絶縁性樹脂部材40は、第1基板20と第2基板30とによって押圧されると、第1基板20と第2基板30との間に広がり得る。例えば、絶縁性樹脂部材40は、第1基板20と第2基板30との間に広がり、第1基板20の第1絶縁溝24および第2基板30の第2絶縁溝34に入り込み得る。
【0062】
導電性樹脂部材50は、隣り合うセル10の間に位置する。導電性樹脂部材50は、隣り合うセル10のうちの一方のセル10の光電極1と、隣り合うセル10のうちの他方のセル10の対向電極2とを電気的に接続する。例えば、
図2に示すように、導電性樹脂部材50は、隣り合うセル10-1とセル10-2との間に位置し、セル10-1の光電極1と、セル10-2の対向電極2とを電気的に接続する。
【0063】
導電性樹脂部材50は、
図2に示すように、隣り合うセル10-1とセル10-2との間において、第1絶縁溝24に設けられる第1絶縁性樹脂部材40-1と、第2絶縁溝34に設けられる第2絶縁性樹脂部材40-2との間に位置してよい。
【0064】
導電性樹脂部材50は、限定ではないが、線状である。例えば、導電性樹脂部材50は、セル10の長尺方向(X軸方向)に沿って、線状に延在する。導電性樹脂部材50が線状となることにより、例えば、導電性樹脂部材50とセル10-1の光電極1との間の接触面積が増加し、かつ、導電性樹脂部材50とセル10-2の対向電極2との接触面積が増加し得る。このような構成により、セル10-1の光電極1と、セル10-2の対向電極2との間の電気的接続の信頼性を高めることができる。
【0065】
導電性樹脂部材50の組成物としては、特に限定されることなく、樹脂と導電性粒子とを含有する組成物を使用することが好ましい。導電性樹脂部材50の樹脂としては、特に限定されることなく、(メタ)アクリル系樹脂;ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、環状エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂;シリコーン樹脂;などが挙げられる。当該樹脂には、ラジカル開始剤、カチオン硬化剤、アニオン硬化剤などの任意の硬化剤を用いることができ、重合形式も、付加重合、開環重合など、特に限定されない。また、隔壁材料としての樹脂と導電性樹脂部材50の組成物の樹脂は同一でも異なっていてもよい。
【0066】
導電性樹脂部材50の導電性粒子としては、特に限定されることなく、例えば、Ag、Au、Cu、Al、In、Sn、Bi、Pb、Niなどの金属、および、これを含む合金からなる粒子およびこれらの酸化物、導電性炭素粒子、並びに、樹脂粒子などの有機化合物粒子および/または無機化合物粒子の表面を、Ag、Au、Cu、Niなどの金属および/またはこれらの金属の酸化物などの導電性物質、例えばAu/Ni合金で被覆した粒子などを用いることができる。導電性粒子の平均粒子径は、0.5μm以上30μm以下であることが好ましい。また、導電性粒子の含有割合は、0.1体積%以上90体積%以下であることが好ましい。
【0067】
導電性樹脂部材50は、太陽電池モジュール100の製造工程において、第1基板20または第2基板30の何れかに、例えば、ディスペンサなどの塗布装置を用いて塗布される。例えば、導電性樹脂部材50が塗布される場合、導電性樹脂部材50の塗布の始点および終点における導電性樹脂部材50の量が多くなる場合がある。
【0068】
太陽電池モジュール100の製造工程において、例えば、第1基板20に塗布された導電性樹脂部材50は、第1基板20と第2基板30とを貼り合わせると、第1基板20と第2基板30とによって押圧される。導電性樹脂部材50は、第1基板20と第2基板30とによって押圧されると、第1基板20と第2基板30との間に広がり得る。ここで、上述したように、太陽電池モジュール100の製造工程における多様な条件(塗布貼合環境・設備、材料状態など)に起因して、導電性樹脂部材50の塗布の始点および終点で、導電性樹脂部材50の塗布量が多くなることがある。導電性樹脂部材50の塗布量が多い部分では、導電性樹脂部材50の広がりにより、絶縁溝(第1絶縁溝24、第2絶縁溝34)を超えて、隣り合うセル10の光電極1同士また対向電極2同士が短絡してしまうことがある。
【0069】
図1に示す集電電極60は、太陽電池モジュール100のX軸の負方向側において直列接続された6個のセル10のうちの、Y軸の正方向側に位置するセル10の光電極1または対向電極2に、電気的に接続される。集電電極60には、太陽電池モジュール100から外部へ電力を出力するための配線が接続されてよい。
【0070】
図1に示す集電電極61は、太陽電池モジュール100のX軸の正方向側において直列接続された6個のセル10のうちの、Y軸の正方向側に位置するセル10の光電極1または対向電極2に、電気的に接続される。集電電極61には、太陽電池モジュール100から外部へ電力を出力するための配線が接続されてよい。
【0071】
図1に示す集電電極62は、太陽電池モジュール100のX軸の負方向側において直列接続された6個のセル10のうちの、Y軸の負方向側に位置するセル10の光電極1または対向電極2に、電気的に接続される。さらに、集電電極62は、太陽電池モジュール100のX軸の正方向側において直列接続された6個のセル10のうちの、Y軸の負方向側に位置するセル10の光電極1または対向電極2に、電気的に接続される。
【0072】
集電電極60~62は、
図2に示す第1基板20または第2基板30に、銀ペーストを用いた、スクリーン印刷法によって形成されてよい。銀ペーストは、例えば、銀粒子および樹脂の混合物である。このような方法によれば、集電電極60~62は、金属箔を用いて形成される場合よりも、薄く形成され得る。集電電極60~62を薄く形成することで、太陽電池モジュール100をより小型化することができる。
【0073】
図2に示すバリア包装材70,71は、太陽電池モジュール100を外部環境から保護する。バリア包装材70は、第1基板20を内包する。バリア包装材71は、第2基板30を内包する。
【0074】
バリア包装材70,71は、太陽電池モジュール100が曝され得る高温高湿度かつ紫外線暴露の環境条件下で、太陽電池モジュール100に対して耐久性を付与する。従って、バリア包装材70,71は、ガスおよび/または水蒸気に対するバリア性のある包装体であることが好ましい。さらに、対向電極2側のバリア包装材71は、少なくとも一部が有色であってもよい。外部から取り出し電極が透けて見えることを防止できるからである。また、バリア包装材71に様々な色彩を付与することで、太陽電池モジュール100の意匠性を向上することもできる。さらに、色に応じて光学特性が異なることを利用して、光電変換特性を向上することもできる。
【0075】
図3は、特許文献1に開示されるような、従来の太陽電池用電極基板である第1基板20Aの構成例を示す上面図である。第1基板20Aは、下基板である。
【0076】
図3に示す第1基板20Aにおいては、本実施形態に係る第1基板20と同様に、X軸方向に長尺状のセル10Aが形成される。セル10Aは矩形である。セル10Aの幅方向の一端側(Y軸の正方向側)に、セル10Aに沿って第1絶縁溝24Aが形成される。したがって、第1絶縁溝24Aは、X軸方向に直線的に延在する。第1絶縁溝24Aは、セル10A-1およびセル10A-1と隣り合うセル10A-2それぞれの幅方向の一端側に形成される。
【0077】
隣り合うセル10Aの光電極1と対向電極2とを電気的に接続するために、
図3に示すように、セル10A-1とセル10A-2との間に導電性樹脂部材50が塗布される。上述したように、導電性樹脂部材50の塗布の始点および終点において、導電性樹脂部材50の塗布量が多くなることがある。通常、導電性樹脂部材50の塗布は、隣り合うセル10A-1,10A-2の間において、セル10AのX軸方向の一端から他端に向かう方向に行われる。したがって、隣り合うセル10Aの間であって、セル10AのX軸方向の一端および他端の近傍の領域では、導電性樹脂部材50の塗布量が多くなることが多い。
【0078】
導電性樹脂部材50の塗布量が多い部分では、上基板と下基板との貼り合わせの際に、導電性樹脂部材50が上基板および下基板により押圧されて広がってしまう。
図3に示す第1基板20Aでは、セル10Aは矩形形状を有し、第1絶縁溝24Aはセル10Aに沿ってX軸方向に直線的に延在する。したがって、
図3に示す第1基板20Aでは、セル10AのX軸方向の中央近傍と、セル10AのX軸方向の両端近傍とで、隣り合うセル10Aの間隔が同じである。そのため、導電性樹脂部材50の塗布量が多くなる、導電性樹脂部材50の塗布の始点および終点(セル10AのX軸方向の両端近傍)において、
図3に示すように、導電性樹脂部材50が隣り合うセル10Aに跨るように広がり、隣り合うセル10Aの短絡が発生してしまうことがある。
【0079】
図4は、本発明の太陽電池用電極基板である第1基板20の構成例を示す上面図である。
【0080】
本実施形態においては、セル10は、
図4に示すように、X軸方向に長尺の矩形の角部を面取りした形状である。例えば、セル10Aは、
図4に示すように、X軸方向に長尺の矩形の角部をR面取りした形状である。したがって、本実施形態においては、セル10のX軸方向の中央近傍と比べてセル10のX軸方向の両端近傍では、セル10の幅が狭くなっている。
【0081】
第1絶縁溝24は、セル10の幅方向の一端側(Y軸の正方向側)に形成される。具体的には、第1絶縁溝24は、
図4に示すように、セル10の幅方向の一端に沿って形成される。上述したように、セル10は、X軸方向に長尺の矩形の角部をR面取りした形状である。したがって、第1絶縁溝24は、
図4に示すように、セル10のX軸方向の中央近傍と比べてセル10のX軸方向両端近傍では、セル10の幅方向の他端側に向かって湾曲している。すなわち、本実施形態においては、第1絶縁溝24は、セル10のX軸方向の中央近傍と比べてセル10のX軸方向の両端近傍では、セル10の幅方向の他端側に近い位置に形成されている。
【0082】
上述したように、第1基板20は、第1基材21と、第1基材21上に形成され、セル10の電極(光電極1)を構成する導電層である光電極用導電層22とを備える。第1基板20には、セル10の幅方向の一端側に、隣り合うセル10それぞれの電極(光電極1)を構成する導電層(光電極用導電層22)を電気的に絶縁する第1絶縁溝24が形成される。第1絶縁溝24は、セル10のX軸方向の中央近傍と比べてセル10のX軸方向の両端近傍では、セル10の幅方向の他端側に近い位置に形成されている。
【0083】
第2基板30は、第1基板20と同様の構成を有する。ただし、第2基板30においては、第2絶縁溝34が、セル10の幅方向の他端側に形成され、セル10のX軸方向の中央近傍と比べてセル10のX軸方向の両端近傍では、セル10の幅方向の一端側に近い位置に形成されている。
【0084】
図5は、第1基板20と第2基板30とを重ね合わせた状態を示す図である。
図5においては、第1基板20に形成された第1絶縁溝24、セル10および導電性樹脂部材50を点線で示している。
【0085】
上述したように、第1絶縁溝24は、セル10のY軸方向の一端(Y軸の正方向側)に沿って形成されている。また、第1絶縁溝24は、セル10のX軸方向の中央近傍と比べてセル10のX軸方向の両端近傍では、セル10のY軸方向の他端側(Y軸の負方向側)に近い位置に形成されている。一方、第2絶縁溝34は、セル10のY軸方向の他端(Y軸の負方向側)に沿って形成されている。また、第2絶縁溝34は、セル10のX軸方向の中央近傍と比べてセル10のX軸方向の両端近傍では、セル10のY軸方向の一端側(Y軸の正方向側)に近い位置に形成されている。
【0086】
したがって、
図5に示すように、本実施形態に係る太陽電池モジュール100においては、セル10のX軸方向の中央近傍と比べてセル10のX軸方向の両端近傍では、第1絶縁溝24と第2絶縁溝34との間の間隔が小さい。そのため、本実施形態に係る太陽電池モジュール100においては、セル10のX軸方向の両端近傍では、セル10のX軸方向の中央近傍と比べて、隣り合うセル10の間の間隔が大きくなる。したがって、隣り合うセル10の間であって、セル10のX軸方向の両端近傍の領域に、導電性樹脂部材50の始点と終点と(導電性樹脂部材50の塗布の始点と終点と)が位置するようにすることで、導電性樹脂部材50の塗布の始点と終点とにおいて塗布量が多くなっても、導電性樹脂部材50のはみ出しを防ぐことができる。
【0087】
セル10の幅方向の一端と第1絶縁溝24とは離間していてもよい。ただし、セル10の幅方向の一端と第1絶縁溝24とを離間させると、単位面積あたりのセル10の面積が減少し、発電効率が低下する。そのため、第1絶縁溝24をセル10の幅方向の一端に沿って形成することで、導電性樹脂部材50の意図しない箇所へのはみ出しを防ぎつつ、太陽電池モジュール100の発電効率の低下を低減することができる。したがって、品質が向上されるとともに、発電効率の低下が低減された、太陽電池モジュール100が提供され得る。
【0088】
セル10の形状および絶縁溝(第1絶縁溝24および第2絶縁溝34)の配置は、上述した例に限られるものではない。セル10の形状および絶縁溝の配置の他の例を
図6から
図9を参照して説明する。
図6から
図9においては、下基板である第1基板20を例として、セル10の形状および第1絶縁溝24の配置について説明するが、セル10の形状に対応して第2基板30に第2絶縁溝34が形成される。
【0089】
図6に示すように、セル10は、X軸方向に長尺の矩形の4つの角部をC面取りした形状であってよい。また、第1絶縁溝24は、セル10の幅方向の一端(Y軸の正方向側)に沿って形成されてよい。このような構成により、C面取りした形状の部分では、隣り合うセル10の間の間隔が大きくなる。そのため、導電性樹脂部材50のはみ出しを防ぐことができる。
【0090】
図7に示すように、セル10は、X軸方向に長尺の矩形の、Y軸の正方向側の2つの角部を逆R面取りした形状であってもよい。また、第1絶縁溝24は、セル10の幅方向の一端(Y軸の正方向側)に沿って形成されてよい。このような構成により、逆R面取りした形状の部分では、隣り合うセル10の間の間隔が大きくなる。そのため、導電性樹脂部材50のはみ出しを防ぐことができる。
図7においては、セル10は、X軸方向に長尺の矩形の、Y軸の正方向側の2つの角部を逆R面取りした形状を示しているが、例えば、これに限られるものではない。セル10は、X軸方向に長尺の矩形の4つの角部を逆R面取りした形状であってよい。
【0091】
図8に示すように、セル10は、セル10のX軸方向の両端が凸状に突出した形状であってよい。第1絶縁溝24は、セル10の幅方向の一端(Y軸の正方向側)に沿って形成されてよい。このような構成により、凸状に突出した形状の部分では、隣り合うセル10の間の間隔が大きくなる。そのため、導電性樹脂部材50のはみ出しを防ぐことができる。
【0092】
図9に示すように、セル10は、X軸方向に長尺な菱形形状であってもよい。第1絶縁溝24は、セル10の幅方向の一端(Y軸の正方向側)に沿って形成されてよい。このような構成により、菱形形状のX軸方向の両端近傍では、隣り合うセル10の間の間隔が大きくなる。そのため、導電性樹脂部材50のはみ出しを防ぐことができる。
【0093】
図6から
図9に示すセル10の形状および第1絶縁溝24の配置においても、セル10のX軸方向の中央近傍と比べてセル10のX軸方向の両端近傍では、セル10の幅が狭くなっている。また、第1絶縁溝24は、セル10のX軸方向の中央近傍と比べてセル10のX軸方向の両端近傍では、セル10の幅方向の他端側に近い位置に形成されている。したがって、
図6から
図9に示すセル10の形状および第1絶縁溝24の配置においても、セル10のX軸方向の両端近傍では、セル10のX軸方向の中央近傍と比べて、隣り合うセル10の間の間隔が大きくなる。また、セル10の形状に合わせて第2基板30に第2絶縁溝34を形成することで、セル10のX軸方向の中央近傍と比べてセル10のX軸方向の両端近傍では、第1絶縁溝24と第2絶縁溝34との間の間隔が小さくなる。そのため、導電性樹脂部材50のはみ出しによるセル間の短絡といった、太陽電池モジュール100の故障を防ぐことができる。したがって、品質が向上された、太陽電池モジュール100が提供され得る。
【0094】
次に、本実施形態に係る太陽電池モジュール100の製造方法について説明する。本実施形態に係る太陽電池モジュール100は、特に限定されることなく、例えば、以下の手順によって製造され得る。
【0095】
まず、第1絶縁溝24が形成された第1基板20および第2絶縁溝34が形成された第2基板30を作成する(基板作製工程)。
【0096】
次に、第1基板20および第2基板30のいずれか一方に、隣り合うセル10の間に未硬化の導電性樹脂部材50を塗布する(塗布工程)。塗布工程では、未硬化の導電性樹脂部材50は、隣り合うセル10の間であって、セル10のX軸方向の一端近傍を始点とし、セル10のX軸方向の他端近傍を終点として塗布されてよい。また、塗布工程では、第1絶縁溝24および第2絶縁溝34に対応する位置に未硬化の絶縁性樹脂部材40を塗布してよい。
【0097】
次に、第1基板20と第2基板30とを貼り合わせる(貼り合わせ工程)。貼り合わせ工程では、未硬化の絶縁性樹脂部材40および未硬化の導電性樹脂部材50を硬化させることにより、第1基板20と第2基板30とを強固に固着させて、一対の電極基板を得る。
【0098】
このように本実施形態に係る太陽電池モジュール100においては、セル10のX軸方向の中央近傍と比べてセル10のX軸方向の両端近傍では、第1絶縁溝24と第2絶縁溝34との間の間隔が小さい。
【0099】
セル10のX軸方向の両端近傍において、第1絶縁溝24と第2絶縁溝34との間の間隔を小さくすることで、セル10のX軸方向の両端近傍では、隣り合うセル10の間の間隔が大きくなる。そのため、この部分では、導電性樹脂部材50のはみ出しによるセル間の短絡といった、太陽電池モジュール100の故障を防ぐことができる。したがって、品質が向上された、太陽電池モジュール100が提供され得る。
【0100】
前述したところは本発明の一実施形態にすぎず、特許請求の範囲において、種々の変更を加えてよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0101】
1 光電極(第1電極)
2 対向電極(第2電極)
10,10-1,10-2,10A-1,10A-2 セル(光電変換セル)
11 多孔質半導体微粒子層
12 触媒層
13 電解質層
20 第1基板(太陽電池用電極基板)
21 第1基材(基材)
22 光電極用導電層(導電層)
24 第1絶縁溝(絶縁溝)
30 第2基板(太陽電池用電極基板)
31 第2基材(基材)
32 対向電極用導電層(導電層)
34 第2絶縁溝(絶縁溝)
40 絶縁性樹脂部材
40-1 第1絶縁性樹脂部材
40-2 第2絶縁性樹脂部材
50 導電性樹脂部材
60,61,62 集電電極
70,71 バリア包装材
100 太陽電池モジュール