IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エスケーハイニックス株式会社の特許一覧

特許7417405ランプ信号生成器及びこれを含むイメージセンサ
<>
  • 特許-ランプ信号生成器及びこれを含むイメージセンサ 図1
  • 特許-ランプ信号生成器及びこれを含むイメージセンサ 図2
  • 特許-ランプ信号生成器及びこれを含むイメージセンサ 図3
  • 特許-ランプ信号生成器及びこれを含むイメージセンサ 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】ランプ信号生成器及びこれを含むイメージセンサ
(51)【国際特許分類】
   H04N 25/78 20230101AFI20240111BHJP
   H03K 4/02 20060101ALI20240111BHJP
   H03M 1/10 20060101ALI20240111BHJP
   H03M 1/56 20060101ALI20240111BHJP
   H03M 1/74 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
H04N25/78
H03K4/02 A
H03M1/10 A
H03M1/56
H03M1/74
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019208577
(22)【出願日】2019-11-19
(65)【公開番号】P2020109942
(43)【公開日】2020-07-16
【審査請求日】2022-11-15
(31)【優先権主張番号】10-2018-0171453
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】310024033
【氏名又は名称】エスケーハイニックス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SK hynix Inc.
【住所又は居所原語表記】2091, Gyeongchung-daero,Bubal-eub,Icheon-si,Gyeonggi-do,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム ジンソン
(72)【発明者】
【氏名】シン ミンソク
【審査官】鈴木 明
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-059991(JP,A)
【文献】特開2009-038772(JP,A)
【文献】特開2017-046259(JP,A)
【文献】特開2011-259407(JP,A)
【文献】特開2011-109612(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 25/00-25/79
H03K 4/02
H03M 1/10
H03M 1/56
H03M 1/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準電圧を生成する基準電圧生成部と、
前記基準電圧の利得を制御する利得制御部と、
前記利得制御部の出力に対応してランプ信号を生成するランプ信号制御部と、
前記利得制御部の出力端に電流ミラー構造で連結され、制御信号に対応して前記ランプ信号のオフセットを制御するオフセット制御部とを含む、ランプ信号生成器。
【請求項2】
前記ランプ信号制御部は、
前記制御信号に対応して前記利得制御部の出力電圧レベルを制御することで前記ランプ信号を生成するランプセルと、
前記ランプセルと接地電圧端との間に連結された抵抗とを含む、請求項1に記載のランプ信号生成器。
【請求項3】
前記ランプセルは、
前記制御信号に応じて連結されるトランジスタの数を調節することで前記ランプ信号を生成する、請求項2に記載のランプ信号生成器。
【請求項4】
前記ランプセルは、
電源電圧の印加端に並列連結され、前記利得制御部の出力に応じて選択的にターンオンされる複数のトランジスタと、
前記複数のトランジスタと前記ランプ信号の出力端との間に連結され、前記制御信号に応じて選択的にスイッチングされる複数のスイッチング素子とを含む、請求項2に記載のランプ信号生成器。
【請求項5】
前記複数のトランジスタは、PMOSトランジスタを含む、請求項4に記載のランプ信号生成器。
【請求項6】
前記複数のトランジスタは、同一のチャンネルサイズを有する、請求項4に記載のランプ信号生成器。
【請求項7】
前記オフセット制御部は、
前記ランプ信号の直流レベルを制御する、請求項1に記載のランプ信号生成器。
【請求項8】
前記オフセット制御部は、
電源電圧の印加端と前記ランプ信号の出力端との間に並列連結され、前記制御信号に対応して選択的にターンオンされる複数のオフセットセルを含む、請求項1に記載のランプ信号生成器。
【請求項9】
前記複数のオフセットセルは、順次にターンオンされる、請求項8に記載のランプ信号生成器。
【請求項10】
前記複数のオフセットセルのそれぞれは、
前記電源電圧の印加端に連結され、ゲート端子が前記利得制御部の出力に連結されているトランジスタと、
前記トランジスタと前記ランプ信号の出力端との間に連結され、前記制御信号に応じてスイッチング動作が制御されるスイッチング素子とを含む、請求項8に記載のランプ信号生成器。
【請求項11】
前記複数のオフセットセルにそれぞれ含まれているトランジスタは、同一のチャンネルサイズを有する、請求項10に記載のランプ信号生成器。
【請求項12】
前記複数のオフセットセルにそれぞれ含まれているトランジスタは、
前記ランプ信号制御部に含まれているトランジスタよりチャンネルサイズが小さく設けられる、請求項10に記載のランプ信号生成器。
【請求項13】
前記複数のオフセットセルにそれぞれ含まれているトランジスタは、
前記ランプ信号制御部に含まれているトランジスタより半分のチャンネルサイズを有する、請求項10に記載のランプ信号生成器。
【請求項14】
入射光に相応する複数のピクセル信号を出力するピクセルアレイと、
ランプ信号を生成するランプ信号生成器と、
前記ランプ信号に対応して前記複数のピクセル信号をデジタル信号に変換するアナログ-デジタル変換回路とを含んでなり、
前記ランプ信号生成器は、
基準電圧を生成する基準電圧生成部と、
前記基準電圧の利得を制御する利得制御部と、
前記利得制御部の出力に対応して前記ランプ信号を生成するランプ信号制御部と、
前記利得制御部の出力端に電流ミラー構造で連結され、制御信号に対応して前記ランプ信号のオフセットを制御するオフセット制御部とを含むイメージセンサ。
【請求項15】
前記ランプ信号制御部は、
前記制御信号に対応して前記利得制御部の出力電圧レベルを制御することで前記ランプ信号を生成するランプセルと、
前記ランプセルと接地電圧端との間に連結された抵抗とを含む、請求項14に記載のイメージセンサ。
【請求項16】
前記オフセット制御部は、
電源電圧の印加端と前記ランプ信号の出力端との間に並列連結され、前記制御信号に対応して選択的にターンオンされる複数のオフセットセルを含む、請求項14に記載のイメージセンサ。
【請求項17】
前記複数のオフセットセルのそれぞれは、
前記電源電圧の印加端に連結され、ゲート端子が前記利得制御部の出力に連結されているトランジスタと、
前記トランジスタと前記ランプ信号の出力端との間に連結され、前記制御信号に応じてスイッチング動作が制御されるスイッチング素子とを含む、請求項16に記載のイメージセンサ。
【請求項18】
前記複数のオフセットセルにそれぞれ含まれているトランジスタは、同一のチャンネルサイズを有する、請求項17に記載のイメージセンサ。
【請求項19】
前記複数のオフセットセルにそれぞれ含まれているトランジスタは、
前記ランプ信号制御部に含まれているトランジスタよりチャンネルサイズが小さく設けられる、請求項17に記載のイメージセンサ。
【請求項20】
前記アナログ-デジタル変換回路から出力される平均コード値を用いて前記制御信号を生成する制御部をさらに含む、請求項14に記載のイメージセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本発明は、ランプ信号生成器及びこれを含むイメージセンサに関し、ランプ信号生成器においてノイズを減少できるようにする技術である。
【背景技術】
【0002】
一般に、シーモス(CMOS)工程で具現されるCMOSイメージセンサ(CIS;CMOS Image Sensor)は、その他の競争製品に比べ低電力消耗、低廉な価格及び小型サイズの長所によって速やかに市場を広げている。特に、CMOSイメージセンサは、競争製品に比べ相対的に不足していた画質の改善を介し、高解像度及び高速のフレームレート(Frame Rate)を求めるビデオの領域まで次第にその応用範囲を拡張している。
【0003】
このようなCMOSイメージセンサは、固体撮像素子と異なり、ピクセルアレイから出力されるアナログ形態の信号(ピクセル信号)をデジタル形態の信号に変換する動作が必要である。CMOSイメージセンサは、アナログ信号からデジタル信号への変換のために、内部に高解像度のアナログ-デジタル変換装置(ADC:Analog to Digital Converter)を用いる。
【0004】
アナログ-デジタル変換装置は、ピクセルアレイの出力信号であるアナログ出力電圧に対して相互連関の二重サンプリングを行い、その結果電圧を格納する。また、ランプ信号生成器で生成されたランプ信号に応答し、相互連関の二重サンプリング動作で格納された電圧を所定の基準電圧(ランプ信号)と比較することで、デジタルコード生成のための比較信号を提供する。
【0005】
ところが、ランプ信号生成器で発生するノイズが、アナログ-デジタル変換装置へ伝達される場合、相互連関の二重サンプリング動作の特性が変化し、これによってイメージセンサの画質が劣化され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は、ランプ信号生成器でオフセットを微細に調節することで、ノイズを減少できるようにするランプ生成器及びこれを含むイメージセンサを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態によるランプ信号生成器は、基準電圧を生成する基準電圧生成部と、基準電圧の利得を制御する利得制御部と、利得制御部の出力に対応してランプ信号を生成するランプ信号制御部と、利得制御部の出力端に電流ミラー構造で連結され、制御信号に対応してランプ信号のオフセットを制御するオフセット制御部とを含む。
【0008】
本発明の他の実施形態によるイメージセンサは、入射光に相応する複数のピクセル信号を出力するピクセルアレイと、ランプ信号を生成するランプ信号生成器と、ランプ信号に対応して複数のピクセル信号をデジタル信号に変換するアナログ-デジタル変換回路とを含んでなり、ランプ信号生成器は、基準電圧を生成する基準電圧生成部と、基準電圧の利得を制御する利得制御部と、利得制御部の出力に対応してランプ信号を生成するランプ信号制御部と、利得制御部の出力端に連結され、制御信号に対応してランプ信号のオフセットを制御するオフセット制御部とを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態は、低い利得区間においてノイズを減少させることができるようにするという効果を提供する。
【0010】
併せて、本発明の実施形態は例示のためのものであって、当業者であれば、特許請求の範囲の技術的思想と範囲を介して多様な修正、変更、代替及び付加が可能なはずであり、このような修正、変更等は以下の特許請求の範囲に属するものとみなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態によるランプ信号生成器を含むイメージセンサに関する構成を示す図である。
図2図1のランプ信号生成器に関する詳細な構成を示す図である。
図3図2のランプ信号生成器に関する詳細な回路を示す図である。
図4図3のランプ信号生成器においてオフセット変化を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図を参照しつつ、本発明の実施形態に対して詳しく説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態によるイメージセンサに関する構成を示す図である。
【0014】
本発明の実施形態によるイメージセンサ10は、ピクセルアレイ100、光学ブラックピクセル(OBP;Optical Back Pixel)110、ロウデコーディング回路200、ランプ信号生成器300、アナログ-デジタル変換回路(ADC;Analog to Digital Converter)400、出力バッファー500及び制御部600を含む。
【0015】
ピクセルアレイ100は、入射される光信号を電気的信号に変換し、ピクセル信号OUTをアナログ-デジタル変換回路400に出力する。ここで、ピクセルアレイ100は、ロウデコーディング回路200から印加されるリセット信号RX、伝送信号TX及び選択信号SXのような駆動信号によって駆動されてよい。
【0016】
そして、光学ブラックピクセル110は、ピクセルアレイ100の一側外縁に隣接して配置されてよい。光学ブラックピクセル110は、暗黒(dark)状態でピクセルアレイ100のオフセット値(Offset Value)を補償できる。
【0017】
例えば、光学ブラックピクセル110は、遮光幕によって入射光が遮断されたピクセルを用いてブラックレベルを維持する。このような光学ブラックピクセル110は、ブラックレベルを補正するために選択的に駆動され、ピクセル出力を調節するブラックピクセルを含む。
【0018】
光学ブラックピクセル110は、ピクセルアレイ100に備えられたアクティブピクセルと同一の構造を有する。そして、光学ブラックピクセル110は、メタル層によって入射光が遮断された構造を有する複数の単位ピクセルR、G、Bを用いて、当該アクティブピクセルのオフセット値を決定する方式でノイズを低減できる。
【0019】
すなわち、光学ブラックピクセル110は、周辺の温度変化に応じて映像信号のレベルが変動されることを防止する。このような光学ブラックピクセル110は、遮光された単位ピクセル(R、G、Bの画素)を備えて入射光に係わりなく一定の基準信号を出力する。
【0020】
そして、ロウデコーディング回路200は、制御部600から印加される制御信号CONに応じてピクセルアレイ100内のピクセルをロウライン別にそれぞれ選択し、その動作を制御する。
【0021】
また、ランプ信号生成器300は、制御部600から印加される制御信号 CONに応じてランプ信号RAMPを生成し、アナログ-デジタル変換回路400に出力する。本発明の実施形態において、ランプ信号生成器300は、ランプ信号RAMPの生成時にランプ信号RAMPのオフセット値を微細に調節することでノイズを減少できるようにする。
【0022】
アナログ-デジタル変換回路400は、ピクセルアレイ100から出力されるアナログピクセル信号OUTをデジタル信号に変換する。このようなアナログ-デジタル変換回路400は、ピクセルアレイ100から出力されるピクセル信号OUTと、ランプ信号生成器300から印加されるランプ信号RAMPとの値を比較する。そして、アナログ-デジタル変換回路400は、ピクセル信号OUTとランプ信号RAMPの比較値に対応し、制御部600から印加されるクロックCLKをカウンティングしてカラム単位のカウンティング信号CNTを出力する。
【0023】
また、出力バッファー500は、アナログ-デジタル変換回路400から印加されるカウンティング信号CNTをラッチする。そして、出力バッファー500は、カウンティング情報をラッチし、出力制御信号OCONに対応して順次にピクセルデータを出力する。
【0024】
そして、制御部600は、ロウデコーディング回路200、ランプ信号生成器300、アナログ-デジタル変換回路400及び出力バッファー500の動作を制御する。ここで、制御部600は、タイミングジェネレーター(Timing generator)を含んでよい。すなわち、制御部600は、イメージのセンシングからセンシングされたイメージデータを出力するための諸手続きを時間情報に応じて制御できる。
【0025】
図2は、図1のランプ信号生成器300に関する詳細な構成を示す図である。
【0026】
ランプ信号生成器300は、基準電圧生成部310、利得制御部320、ランプ信号制御部330及びオフセット制御部340を含む。
【0027】
ここで、基準電圧生成部310は、基準電圧VREFを生成する。このような基準電圧生成部310は、電流源IREF、トランジスタM1~M3を含む。
【0028】
電流源IREFは、基準電流を供給する。トランジスタM1、M2は、電源電圧VDDの印加端に並列連結されゲート端子が共通に連結される。トランジスタM1、M2は、カレントミラー構造で連結され、電流源IREFから供給される基準電流の印加を受けて利得制御部320に基準電圧VREFを供給する。そして、トランジスタM3は、トランジスタM2と接地電圧端との間に連結され、ゲート端子とドレーン端子を介して基準電圧VREFが印加される。
【0029】
利得制御部320は、基準電圧生成部310から提供された基準電圧VREFの利得を制御する。このような利得制御部320は、トランジスタM5と利得調節回路321を含む。
【0030】
トランジスタM5は、電源電圧VDDの印加端と利得調節回路321との間に連結され、ゲートとドレーンの端子が共通に連結される。トランジスタM5は、利得調節回路321で調節された利得に対応し、ランプ信号制御部330にランプバイアス電圧を供給する。
【0031】
そして、利得調節回路321は、トランジスタM5と接地電圧端との間に連結され、基準電圧VREFの利得を調節する。このような利得調節回路321は、トランジスタM3とカレントミラー構造で連結される。例えば、利得調節回路321は、トランジスタの大きさを流動的にして利得を調節する方式で具現することができる。利得調節回路321は、利得に応じて変わるランプバイアス電圧を生成し、ランプ信号制御部330に供給する。
【0032】
そして、ランプ信号制御部330は、利得制御部320の出力に対応してランプ信号RAMPを生成する。このようなランプ信号制御部330は、ランプセル331と抵抗Rを含む。
【0033】
ここで、ランプセル331は、電源電圧VDDの印加端と抵抗Rとの間に連結される。ランプセル331は、制御信号CONに対応して利得制御部320から印加されるランプバイアス電圧のレベルを制御し、ランプ信号RAMPを生成する。ここで、制御信号CONは、制御部600から生成されてよい。
【0034】
例えば、ランプセル331は、制御信号CONに応じて連結されるトランジスタの数を調節することでランプ信号RAMPを生成することができる。そして、ランプセル331は、利得制御部320とカレントミラー方式で連動されてよい。そして、抵抗Rは、ランプ信号RAMPの出力端と接地電圧端との間に連結される。抵抗Rは、ランプセル331で発生したランプ信号RAMPを出力する。
【0035】
そして、オフセット制御部340は、利得制御部320の出力に対応してランプ信号RAMPのオフセットを制御する。ここで、オフセット制御部340は、電源電圧VDDの印加端とランプ信号RAMPの出力端との間に連結され、利得制御部320の出力に応じてオフセット値を制御する。
【0036】
図2に示されたランプ信号生成器300の各回路から発生するランプノイズは、抵抗Rを介してランプ信号RAMPに含まれ、アナログ-デジタル変換回路400側へ伝達される。基準電圧生成部310から発生した基準電流によるノイズは、利得制御部320を通過しながらカレント伝達の割合によって増幅され、出力に伝達される。同一の方式で、それぞれの回路から発生するノイズは、いずれもランプ信号RAMPに含まれてアナログ-デジタル変換回路400側に伝達される。
【0037】
特に、アナログ-デジタル変換回路400は、利得が低い区間で量子化(Quantization)ノイズによってダークコードヒストグラム(Dark Code Histogram)の歪曲が表われノイズが劣化し得る。よって、本発明の実施形態は、オフセット制御部340でランプ信号RAMPのオフセットを微細に調節することでノイズの劣化を減少させることができるようにする。
【0038】
図3は、図2のランプ信号生成器300に関する詳細な回路を示す図である。
【0039】
基準電圧生成部310と利得制御部320の詳細な回路に対しては、上記図2で既に説明したので、図3では、ランプ信号制御部330とオフセット制御部340の詳細な回路に対して説明する。
【0040】
先ず、ランプ信号制御部330のランプセル331は、複数のトランジスタM10~M12と複数のスイッチング素子SW10~SW12を含む。複数のトランジスタM10~M12は、電源電圧VDDの印加端に並列連結されてよい。ここで、複数のトランジスタM10~M12は、PMOSトランジスタからなってよい。そして、複数のトランジスタM10~M12は、同一のサイズ(例えば、チャンネルサイズ)に設けられてよい。
【0041】
本発明の実施形態では、ランプセル331に3つのトランジスタM10~M12と3つのスイッチング素子SW10~SW12が備えられることを一例として説明したが、ランプセル331に含まれるトランジスタとスイッチング素子の数は、十分に変更が可能である。
【0042】
トランジスタM10は、電源電圧VDDの印加端とスイッチング素子SW10との間に連結され、ゲート端子がトランジスタM5のゲート端子と共通に連結される。そして、トランジスタM11は、電源電圧VDDの印加端とスイッチング素子SW11との間に連結され、ゲート端子を介して利得制御部320の出力が印加される。また、トランジスタM12は、電源電圧VDDの印加端とスイッチング素子SW12との間に連結され、ゲート端子を介して利得制御部320の出力が印加される。
【0043】
また、スイッチング素子SW10は、トランジスタM10とランプ信号出力端ROUTとの間に連結され、制御信号CONに応じてスイッチング動作が制御される。そして、スイッチング素子SW11は、トランジスタM11とランプ信号出力端ROUTとの間に連結され、制御信号CONに応じてスイッチング動作が制御される。また、スイッチング素子SW12は、トランジスタM12とランプ信号出力端ROUTとの間に連結され、制御信号CONに応じてスイッチング動作が制御される。
【0044】
一方、オフセット制御部340は、電源電圧VDDの印加端に並列連結された複数のオフセットセル341~345を含む。複数のオフセットセル341~345は、ランプセル331とそれぞれのセル構造が同一に具現されてよい。
【0045】
ここで、オフセット制御部340は、利得制御部320の出力端に連結される。オフセット制御部340は、制御信号CONに対応して複数のオフセットセル341~345が選択的にターンオンされる数を調整することで、ランプ信号RAMPのオフセットを微細に制御できる。ここで、制御信号CONは、制御部600から生成されてよい。例えば、オフセット制御部340は、ランプ信号RAMPの直流(DC;Direct Current)レベルを制御することができる。ここで、制御信号CONは、制御部600から生成されてよい。
【0046】
本発明の実施形態では、ランプ信号RAMPのオフセットを調整するため、オフセットセル341からオフセットセル345まで順次にターンオンされることを一例として説明する。また、オフセットセル341からオフセットセル345までターンオンされる数が漸次増加することを一例として説明する。しかし、これは一例に過ぎず、複数のオフセットセル341~345がターンオンされる方向及び数は限定されない。
【0047】
このようなオフセットセル341は、トランジスタM20とスイッチング素子SW20を含む。ここで、トランジスタM20は、電源電圧VDDの印加端とスイッチング素子SW20との間に連結され、ゲート端子を介して利得制御部320の出力が印加される。トランジスタM20は、PMOSトランジスタからなってよい。そして、スイッチング素子SW20は、トランジスタM20とランプ信号出力端ROUTとの間に連結され、制御信号CONに応じてスイッチング動作が制御される。
【0048】
そして、オフセットセル342は、トランジスタM21とスイッチング素子SW21を含む。ここで、トランジスタM21は、電源電圧VDDの印加端とスイッチング素子SW21との間に連結され、ゲート端子を介して利得制御部320の出力が印加される。トランジスタM21は、PMOSトランジスタからなってよい。そして、スイッチング素子SW21は、トランジスタM21とランプ信号出力端ROUTとの間に連結され、制御信号CONに応じてスイッチング動作が制御される。
【0049】
そして、オフセットセル343は、トランジスタM22とスイッチング素子SW22を含む。ここで、トランジスタM22は、電源電圧VDDの印加端とスイッチング素子SW22との間に連結され、ゲート端子を介して利得制御部320の出力が印加される。トランジスタM22は、PMOSトランジスタからなってよい。そして、スイッチング素子SW22は、トランジスタM22とランプ信号出力端ROUTとの間に連結され、制御信号CONに応じてスイッチング動作が制御される。
【0050】
そして、オフセットセル344は、トランジスタM23とスイッチング素子SW23を含む。ここで、トランジスタM23は、電源電圧VDDの印加端とスイッチング素子SW23との間に連結され、ゲート端子を介して利得制御部320の出力が印加される。トランジスタM23は、PMOSトランジスタからなってよい。そして、スイッチング素子SW23は、トランジスタM23とランプ信号出力端ROUTとの間に連結され、制御信号CONに応じてスイッチング動作が制御される。
【0051】
そして、オフセットセル345は、トランジスタM24とスイッチング素子SW24を含む。ここで、トランジスタM24は、電源電圧VDDの印加端とスイッチング素子SW24との間に連結され、ゲート端子を介して利得制御部320の出力が印加される。トランジスタM24は、PMOSトランジスタからなってよい。そして、スイッチング素子SW24は、トランジスタM24とランプ信号出力端ROUTとの間に連結され、制御信号CONに応じてスイッチング動作が制御される。
【0052】
複数のオフセットセル341~345に含まれている複数のトランジスタM20~M24は、互いに同一のサイズ(例えば、チャンネルサイズ)に設けられてよい。そして、ランプ信号RAMPのオフセットを微細に調整するため、複数のトランジスタM20~M24のサイズは、ランプセル331に含まれているトランジスタM10~M12のサイズより小さく設けられてよい。
【0053】
例えば、複数のトランジスタM20~M24のチャンネルサイズ(チャンネル幅とチャンネル長さ)は、ランプセル331に含まれているトランジスタM10~M12より小さく設けられてよい。実施形態によって、複数のトランジスタM20~M24のチャンネルサイズ(チャンネル幅とチャンネル長さ)は、ランプセル331に含まれているトランジスタM10~M12の半分値に設けられてよい。
【0054】
図4は、図3のランプ信号生成器300においてオフセット変化を説明するための図である。
【0055】
図4において、(A)は、リセット区間(T1)でのランプ信号RAMPの波形を示す。本発明の実施形態によるオフセット制御部340は、リセット区間(T1)で制御信号CONに応じてオフセットセル341~345がターンオンされる数を制御する。これにより、(A)でのように、リセット区間(T1)のオフセット値(Offset_reset)を微細に調整することで、リセット出力のコード分布をターゲットコードにマッチングできるように制御する。すなわち、リセット区間(T1)の(A)を検討してみれば、オフセット値(Offset_reset)を微細に調整し、リセット出力値を第二の値に設定することで、ターゲットコードにマッチングできるようにする。
【0056】
そして、図4において、(B)は、信号区間(T2)でのランプ信号RAMPの波形を示す。本発明の実施形態によるオフセット制御部340は、信号区間(T2)で制御信号CONに応じてオフセットセル341~345がターンオンされる数を制御する。これにより、(B)でのように、信号区間(T2)のオフセット値(Offset_signal)を微細に調整することで、信号出力のコード分布をターゲットコードにマッチングできるように制御する。すなわち、信号区間(T2)の(B)を検討してみれば、オフセット値(Offset_signal)を微細に調整し、信号出力値を第三の値に設定することで、ターゲットコードにマッチングできるようにする。
【0057】
すなわち、本発明の実施形態は、利得が低い区間でオフセット制御部340に応じてランプ信号RAMPの電流値を補償することで、電流値がターゲットコードに近接にできるようにする。
【0058】
本発明の実施形態は、リセット区間(T1)と信号区間(T2)において、オフセット値を互いに異なるように調整することができる。すなわち、リセット区間(T1)では、(A)のように、オフセット値(Offset_reset)を第二の値に調整し、信号区間(T2)では、(B)のように、オフセット値(Offset_signal)を第三の値に調整することができる。
【0059】
リセット区間(T1)と信号区間(T2)において、光学ブラックピクセル110の出力値をフレーム毎に平均化してオフセット値を調整することができる。そして、平均された光学ブラックピクセル110の値をアナログ-デジタル変換回路400でモニタリングし、オフセット値を次のフレームに適用することができる。
【0060】
実施形態によって、リセット区間(T1)と信号区間(T2)の光学ブラックピクセル110の値をそれぞれモニタリングできない場合を仮定する。このような場合、アナログ-デジタル変換回路400で最終的に出力される平均のコード値をモニタリングすることで、リセット区間(T1)、信号区間(T2)の何れか一つのオフセットだけ制御することもできる。
【0061】
本発明の属する技術分野の当業者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せずとも他の具体的な形態に実施され得るため、以上で記述した実施形態は全ての面において例示的なものであり、限定的ではないものとして理解しなければならない。本発明の範囲は、詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって表され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその等価の概念から導出される全ての変更又は変形された形態が、本発明の範囲に含まれるものとして解釈されなければならない。
図1
図2
図3
図4