(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】電極組立体およびこれを含む二次電池
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20240111BHJP
H01M 10/052 20100101ALI20240111BHJP
H01M 10/0587 20100101ALN20240111BHJP
H01M 10/0566 20100101ALN20240111BHJP
【FI】
H01M10/04 W
H01M10/052
H01M10/0587
H01M10/0566
(21)【出願番号】P 2022538995
(86)(22)【出願日】2021-02-03
(86)【国際出願番号】 KR2021001416
(87)【国際公開番号】W WO2021162330
(87)【国際公開日】2021-08-19
【審査請求日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】10-2020-0018292
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン・キ・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】イン・ヨン・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】大八木 信之
(72)【発明者】
【氏名】スン・ス・パク
【審査官】冨士 美香
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-085205(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04
H01M 10/052
H01M 10/0587
H01M 10/0566
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
負極集電板に負極コーティング層が形成された負極板;
正極集電板に正極コーティング層が形成された正極板;および
前記正極板と前記負極板の間に介在されたセパレータを含み、前記負極板、前記セパレータおよび前記正極板の積層体を巻き取って形成された電極組立体において、
前記正極板は長さ方向に沿って延びた一辺;
前記一辺の反対辺であって長さ方向に沿って延びた他辺;
前記一辺と前記他辺の間を連結し、巻き取られた前記電極組立体の巻き取り中心部に位置して前記一辺と鋭角または鈍角を有するように傾斜した先端辺;および
前記一辺と前記他辺の間を連結し、前記先端辺の反対辺であって巻き取られた前記電極組立体の最外郭に位置する終端辺を含
み、
前記負極板は長方形プレートであって、
長さ方向に沿って延び、前記正極板の一辺と平行な一辺および他辺;
前記負極板の一辺と前記負極板の他辺の間を連結し、巻き取られた前記電極組立体の巻き取り中心部に位置する先端辺;および
前記負極板の一辺と前記負極板の他辺の間を連結し、前記負極板の先端辺の反対辺であって巻き取られた前記電極組立体の最外郭に位置する終端辺を含む、電極組立体。
【請求項2】
前記先端辺は先端領域内に位置し、前記先端領域内で前記正極板は直角三角形の形状であり、前記先端辺が前記直角三角形の斜辺である、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項3】
前記先端領域は前記電極組立体を円筒形に巻き取るとき、1/4ターン~1ターンのうちいずれか一つの分だけ巻き取られる、請求項2に記載の電極組立体。
【請求項4】
前記終端辺が前記先端辺と平行であって前記正極板は平行四辺形のプレートである、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項5】
前記負極板の先端辺は前記正極板の先端辺に比べて長さ方向に沿って巻き取り中心部側にさらに長く延びた、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項6】
前記正極板の前記先端辺は
前記一辺から鋭角を有するように傾斜した第1先端辺;および
前記他辺から鋭角を有するように傾斜し、前記第1先端辺の終端と連結された第2先端辺を含み、
前記第1先端辺と前記第2先端辺が連結される部分に折り曲げ部を有する、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項7】
前記正極板の前記先端辺は
前記一辺から鈍角を有するように傾斜した第1先端辺;および
前記他辺から鈍角を有するように傾斜し、前記第1先端辺の終端と連結された第2先端辺を含み、
前記第1先端辺と前記第2先端辺が連結される部分に折り曲げ部を有する、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項8】
前記折り曲げ部は前記先端辺の中心に位置する、請求項
6または請求項
7に記載の電極組立体。
【請求項9】
前記正極板の前記終端辺は前記先端辺と対応する形状である、請求項
6または請求項
7に記載の電極組立体。
【請求項10】
請求項1~請求項
7のいずれか一項に記載された電極組立体;
内部空間を具備し、前記内部空間に前記電極組立体が電解液を収容したケース;および
前記ケースの上部に結合されて前記ケースを密封するキャッププレートを含む、二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の多様な実施例は電極組立体およびこれを含む二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池は電気エネルギーを化学エネルギーの形態に変えて貯蔵できる優秀なエネルギー密度を提供する電力貯蔵システムである。再充電が不可能な一次電池に比べて二次電池は再充電が可能であるため、スマートフォン、セルラーホン、ノートパソコン、タブレットPCなどのIT機器に多く使われている。最近では環境汚染防止のために電気自動車に対する関心が高くなっており、これに伴い、電気自動車に高容量の二次電池が採択されている。このような二次電池は高密度、高出力、安定性などの特性が要求されている。
【0003】
このような発明の背景となる技術に開示された前述した情報は本発明の背景に対する理解度を向上させるためのものに過ぎず、したがって従来技術を構成しない情報を含んでもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は正極板の傾斜した先端辺によって二次電池の充放電時に発生する変形に加えられる応力を分散させ得るため、変形によるショートを防止できる電極組立体およびこれを含む二次電池を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例に係る電極組立体およびこれを含む二次電池は、負極集電板に負極コーティング層が形成された負極板と、正極集電板に正極コーティング層が形成された正極板および、前記正極板と前記負極板の間に介在されたセパレータを含み、前記負極板、前記セパレータおよび前記正極板の積層体を巻き取って形成された電極組立体に関し、前記正極板は長さ方向に沿って延びた一辺と、前記一辺の反対辺であって長さ方向に沿って延びた他辺と、前記一辺と前記他辺の間を連結し、巻き取られた前記電極組立体の巻き取り中心部に位置して前記一辺と鋭角または鈍角を有するように傾斜した先端辺および、前記一辺と前記他辺の間を連結し、前記先端辺の反対辺であって巻き取られた前記電極組立体の最外郭に位置する終端辺を含むことができる。
【0006】
前記先端辺は先端領域内に位置し、前記先端領域内で前記正極板は直角三角形の形状であり、前記先端辺が前記直角三角形の斜辺であり得る。
【0007】
前記先端領域は前記電極組立体を円筒形に巻き取るとき、1/4ターン~1ターンのうちいずれか一つの分だけ巻き取られ得る。
【0008】
前記終端辺が前記先端辺と平行であって前記正極板は平行四辺形のプレートであり得る。
【0009】
前記負極板は長方形のプレートであって、長さ方向に沿って延び、前記正極板の一辺と平行な一辺および他辺と、前記負極板の一辺と前記負極板の他辺の間を連結し、巻き取られた前記電極組立体の巻き取り中心部に位置する先端辺および、前記負極板の一辺と前記負極板の他辺の間を連結し、前記負極板の先端辺の反対辺であって巻き取られた前記電極組立体の最外郭に位置する終端辺を含むことができる。
【0010】
前記負極板の先端辺は前記正極板の先端辺に比べて長さ方向に沿って巻き取り中心部側にさらに長く延長され得る。
【0011】
前記正極板の前記先端辺は前記一辺から鋭角を有するように傾斜した第1先端辺および、前記他辺から鋭角を有するように傾斜し、前記第1先端辺の終端と連結された第2先端辺を含み、前記第1先端辺と前記第2先端辺が連結される部分に折り曲げ部を有することができる。
【0012】
前記正極板の前記先端辺は前記一辺から鈍角を有するように傾斜した第1先端辺および、前記他辺から鈍角を有するように傾斜し、前記第1先端辺の終端と連結された第2先端辺を含み、前記第1先端辺と前記第2先端辺が連結される部分に折り曲げ部を有することができる。
【0013】
前記折り曲げ部は前記先端辺の中心に位置することができる。
【0014】
前記正極板の前記終端辺は前記先端辺と対応する形状であり得る。
【0015】
また、本発明の実施例に係る電極組立体およびこれを含む二次電池は、電極組立体と、内部空間を具備し、前記内部空間に前記電極組立体が電解液を収容したケースおよび、前記ケースの上部に結合されて前記ケースを密封するキャッププレートを含むことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一実施例に係る電極組立体およびこれを含む二次電池は、正極板の先端辺が傾斜するように形成され、二次電池の充放電時に巻き取り中心部で発生する変形に加えられる応力を分散させ得るため、変形部位で正極板がセパレータを貫通を防止できるため、負極板とのショートを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1a、
図1bおよび
図1cは、本発明の一実施例に係る二次電池を図示した斜視図、分解斜視図および縦断面図である。
【
図2】
図2aおよび
図2bは、
図1a~
図1cに図示された二次電池の電極組立体が巻き取られる前の一例を図示した分解斜視図および部分拡大平面図である。
【
図3】
図3aおよび
図3bは、電極組立体の巻き取り中心部の変形発生例と、
図3aでセパレータと正極板を拡大図示した拡大斜視図である。
【
図4】
図4aおよび
図4bは、正極板の先端領域が1ターン巻き取られた例と、正極板の先端領域が1/4ターン巻き取られた例を図示した斜視図である。
【
図5】
図1a~
図1cに図示された二次電池の電極組立体が巻き取られる前の他の例を図示した分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明することにする。
【0019】
本発明の実施例は当該技術分野で通常の知識を有する者に本発明をさらに完全に説明するために提供されるものであり、下記の実施例は多様な他の形態に変形され得、本発明の範囲は下記の実施例に限定されるものではない。かえって、これら実施例は本開示をさらに忠実かつ完全とし、当業者に本発明の思想を完全に伝達するために提供されるものである。
【0020】
また、以下の図面で各層の厚さや大きさは説明の便宜および明確性のために誇張されたものであり、図面上で同一符号は同一の要素を指称する。本明細書で使われた通り、用語「および/または」は該当列挙された項目のうちいずれか一つおよび一つ以上のすべての組み合わせを含む。また、本明細書で「連結される」という意味は、A部材とB部材が直接連結される場合だけでなく、A部材とB部材の間にC部材が介在されてA部材とB部材が間接連結される場合も意味する。
【0021】
本明細書で使われた用語は特定の実施例を説明するために使われ、本発明を制限するためのものではない。本明細書で使われた通り、単数の形態は文脈上異なる場合を明確に指摘するものでなければ、複数の形態を含むことができる。また、本明細書で使われる場合、「含む(comprise)」および/または「含む(comprising)」は言及した形状、数字、段階、動作、部材、要素および/またはこれらグループの存在を特定するものであり、一つ以上の他の形状、数字、動作、部材、要素および/またはグループの存在または付加を排除するものではない。
【0022】
本明細書で第1、第2等の用語が多様な部材、部品、領域、層および/または部分を説明するために使われるが、これら部材、部品、領域、層および/または部分はこれらの用語によって限定されてはならないことは自明である。これらの用語は一つの部材、部品、領域、層または部分を他の領域、層または部分と区別するためにのみ使われる。したがって、以下で詳述する第1部材、部品、領域、層または部分は、本発明の教示から逸脱することなく第2部材、部品、領域、層または部分を指称することができる。
【0023】
「下部(beneath)」、「下(below)」、「低い(lower)」、「上部(above)」、「上(upper)」のような空間に関連した用語が、図面に図示された一要素または特徴と他の要素または特徴の容易な理解のために利用される。このような空間に関連した用語は、本発明の多様な工程状態または使用状態によって本発明の容易な理解のためのものであり、本発明を限定するためのものではない。例えば、図面の要素または特徴がひっくり返されると、「下部」または「下」で説明された要素は「上部」または「の上に」となる。したがって、「下」とは、「上部」または「下」を包括する概念である。
【0024】
図1a、
図1bおよび
図1cに図示された通り、本発明に係る二次電池100はケース110と、ケース110内部に収納された電極組立体120およびケース110の上端開口を密封するキャップ組立体130を含む。
【0025】
前記ケース110は円形の底部111と、底部111から上部方向に一定の長さ延びた側部112を含む。ここで、二次電池100は電極組立体120がジェリーロールの形態で巻き取られて形成された円筒形二次電池であり得る。二次電池100の製造工程のうちケース110の上部は開放されている。したがって、二次電池の組立工程中に電極組立体120が電解液と共にケース110に挿入され得る。前記ケース110はスチール、スチール合金、アルミニウム、アルミニウム合金またはこの等価物で形成され得るが、ここでその材質が限定されるものではない。併せて、ケース110には電極組立体120が外部に離脱しないようにキャップ組立体130を中心として、その下部に内部に陥没したビーディング部(beading part)113が形成され、その上部に内部に折り曲げられたクリンピング部(crimping part)114が形成され得る。
【0026】
前記電極組立体120は電解液と共にケース110の内部に収容される。ここで、前記電解液は前記電極組立体120を構成する正極板と負極板の間でリチウムイオンが移動され得るように注入される塩を含有した有機液体であって、LiPF6、LiBF4、LiClO4等のリチウム塩と高純度有機溶媒類の混合物である非水質系有機電解液を含んでなり得るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0027】
前記電極組立体120は負極活物質がコーティングされた負極板121と、正極活物質がコーティングされた正極板122および、負極板121と正極板122の間に介在されて負極板121と正極板122間のショートを防止し、リチウムイオンの移動のみ可能にするセパレータ125を含んでなる。前記負極板121、正極板122およびセパレータ125は略円柱の形態に巻き取られる。また、負極板121には下部に一定の長さ突出して延びた負極タブ126が、正極板122には上部に一定の長さ突出した正極タブ127が付着できるが、その反対も可能である。
【0028】
追加的に
図2aおよび
図2bを参照すると、
図1a~
図1cに図示された二次電池の電極組立体が巻き取られる以前を図示した分解斜視図と部分拡大平面図が図示されている。ここで、
図2bは電極組立体120が巻き取られる以前の負極板121と正極板122が積層された平面図で、巻き取り先端の一定の領域を拡大図示した平面図である。もちろん、負極板121と正極板122の間にはセパレータ125が介在され、正極板122と負極板121の関係がより明確であるようにセパレータ125は点線で表示した。以下では
図2aおよび
図2bを参照して、本発明の二次電池と、電極組立体の構成を具体的に説明しようとする。
【0029】
まず、電極組立体120の前記負極板121は銅(Cu)またはニッケル(Ni)からなる板状の金属箔である負極集電板123aの両面に遷移金属酸化物からなる活物質である負極コーティング層123bがコーティングされている。前記負極板121は長さ方向xに沿って延びた四角プレートの形状を有することができる。ここで、長さ方向xは電極組立体120が巻き取られる前に負極板121、正極板122およびセパレータ125が延びた方向を意味する。前記負極板121は長さ方向xに沿って延びた一辺121aと、一辺の反対辺である他辺121bを含むことができる。また、負極板121は一辺121aと他辺121bの間を連結する先端辺121cと、終端辺121dをさらに含むことができる。前記負極板121の先端辺121cと終端辺121dは一辺121aと他辺121bから垂直となり得る。すなわち、負極板121は長方形のプレートであり得る。ここで、先端辺121cは巻き取られた電極組立体120で巻き取り中心部に位置することができ、終端辺121dは巻き取られた電極組立体120で最外郭に位置することができる。
【0030】
また、負極集電板123aの第1面と第1面の反対面である第2面のうちいずれか一つに負極タブ126が付着され得る。また、負極タブ126は負極集電板123aの長さ方向xの一辺121aから一定の長さ突出して延長され得る。前記負極タブ126は負極集電板123aの長さ方向xの一辺121aから略垂直に突出および延長され得る。ここで、負極タブ126は負極集電板123aで負極コーティング層123bがコーティングされていない無地部に付着され得る。好ましくは、負極タブ126は負極集電板123aの終端辺121dと隣接した領域に付着されてもよい。もちろん、負極集電板123aは終端辺121dと隣接した領域に負極コーティング層123bがコーティングされていない無地部が備えられ得る。ただし、本発明で負極タブ126が付着される位置は多様に変更可能でき、これを限定するものではない。
【0031】
追加的に負極集電板123aに付着された負極タブ126を覆うように絶縁テープ126aがさらに備えられ得る。前記絶縁テープ126aは負極タブ126で、負極集電板123aに付着された部分を覆うように負極集電板123aに付着され得る。この時、負極タブ126は電極組立体120の下部に一定の長さ突出して延びた部分は絶縁テープ126aの外部に露出され得る。また、絶縁テープ126aは長さ方向xに負極タブ126と隣接した負極集電板123aの一部の領域も覆うように付着され得る。前記負極タブ126は銅またはニッケル材質からなってもよいが、本発明でこれを限定するものではない。
【0032】
前記正極板122はアルミニウム(Al)からなる板状の金属箔である正極集電板124aの両面に、遷移金属酸化物からなる活物質である正極コーティング層124bがコーティングされている。前記正極板122は長さ方向xに沿って延びた四角プレートの形状を有することができる。前記正極板122は長さ方向xに沿って延びた一辺122aと、一辺の反対辺である他辺122bを含むことができる。また、正極板122は一辺122aと他辺122bの間を連結する先端辺122cと、終端辺122dをさらに含むことができる。前記正極板122の一辺122aと他辺122bは負極板121の一辺121aおよび他辺121bと平行であり得る。また、
図2bに図示された通り、正極板122の先端辺122cは負極板121の先端辺121cに比べて電極組立体120の巻き取り中心部で長さ方向xにさらに短くてもよい。すなわち、負極板121の先端辺121cが正極板122の先端辺122cに比べて巻き取り中心部側にさらに長く延長され得る。
【0033】
前記正極板122の先端辺122cは一辺122aと鋭角または鈍角を有するように傾斜した傾斜面であり得る。
図2aでは、先端辺122cは一辺122aから鋭角に傾斜したものとして図示したが、鈍角に傾斜するように形成されてもよい。前記正極板122の先端辺122cは先端領域a内に位置することができる。前記先端領域aは電極組立体120の巻き取り中心部から一定の領域であり得る。ここで、先端領域aで正極板122は直角三角形の形状を有することができ、先端辺122cが斜辺であり得る。ここで、先端領域aに位置する先端辺122cが傾斜した傾斜面からなるため、二次電池100の充放電時に発生する応力を分散させることができる。
【0034】
一例として、
図3aおよび
図3bでは二次電池100が充放電の反復により、電極組立体120の巻き取り中心部でストレス増加による変形(deform)が発生した例と、変形が発生した電極組立体120の巻き取り中心部のセパレータ125と正極板122を拡大図示した拡大斜視図が図示されている。ここで、電極組立体120は巻き取り中心部に巻き取り軸と略平行となるように圧縮応力によって折り曲げられたZ-変形が発生し得る。このような電極組立体120は先端辺122cが一辺122aに垂直な場合、変形された部分に応力が集中して正極板122がセパレータ125を貫通して負極板121とショートが発生し得る。すなわち、二次電池100の正極板122は先端領域aに位置する先端辺122cが傾斜した傾斜面からなるため二次電池100の充放電時に発生する応力を分散させることができるため、変形によるショートを防止することができる。
【0035】
前記先端領域aは負極板121、セパレータ125、正極板122およびセパレータ125が積層された状態で円柱の形態に巻き取られる時、巻き取り中心部に位置することができる。前記先端領域aは電極組立体120を円筒状に巻き取るときに1/4ターン(turn)~1ターンのうち選択されたいずれか一つの分だけ巻き取られ得る。ここで、先端領域aが1/4ターンより小さい場合、充放電時に発生する応力を分散させることが困難であり得、1ターンより大きい場合、電極組立体120の容量の低下を発生させ得る。一例として、
図4aでは先端領域aが1ターン巻き取られた正極板122を図示したし、
図4bでは先端領域aが1/4ターン巻き取られた正極板122を図示した。すなわち、
図4aおよび
図4bに図示された通り、正極板122は先端領域aに傾斜した先端辺122cを具備するため、二次電池100の充放電によって巻き取り中心部に変形が発生しても、応力を分散させることができ、負極板121とのショートを防止することができる。
【0036】
また、正極板122の終端辺122dは先端辺122cと平行であり得る。すなわち、正極板122は平行四辺形のプレートであり得る。ここで、終端辺122dは正極板122の製造時、ロールタイプの正極板で先端辺122cを傾斜面にカッティングする場合、それと対応する形状に自然に形成され得る。ただし、終端辺122dは追加的なカッティング加工によって、その形状を多様に変更可能であり得る。一例として、終端辺122dは一辺122aに垂直であってもよい。
【0037】
ここで、先端辺122cは巻き取られた電極組立体120で巻き取り中心部に位置し得、終端辺122dは巻き取られた電極組立体120で最外郭に位置し得る。
【0038】
また、正極集電板124aの第1面と第1面の反対面である第2面のうちいずれか一つに正極タブ127が付着され得る。また、正極タブ127は正極集電板124aの長さ方向xの他辺122bから一定の長さ突出して延長され得る。前記正極タブ127は正極集電板124aの長さ方向xの他辺122bから略垂直に突出および延長され得る。ここで、正極タブ127は負極タブ126が突出した一辺121aと反対側に突出することができる。前記正極タブ127は正極集電板124aで正極コーティング層124bがコーティングされていない無地部に付着され得る。好ましくは、正極タブ127は正極集電板124aの長さ方向xの先端辺122cから一定距離離隔した一定の領域に付着され得る。もちろん、正極集電板124aは先端辺122cから一定距離離隔した一定の領域に正極コーティング層124bがコーティングされていない無地部が備えられ得る。ただし、本発明で正極タブ127が付着される位置は多様に変更可能であり得、これを限定するものではない。
【0039】
追加的に、正極集電板124aに付着された正極タブ127を覆うように絶縁テープ127aがさらに備えられ得る。前記絶縁テープ127aは正極タブ127で、正極集電板124aに付着された部分を覆うように正極集電板124aに付着され得る。この時、正極タブ127は電極組立体120の上部に一定の長さ突出して延びた部分は絶縁テープ127aの外部に露出され得る。また、絶縁テープ127aは長さ方向xに正極タブ127と隣接した正極集電板124aの一部の領域も覆うように付着され得る。前記正極タブ127はアルミニウム材質からなり得るが、本発明でこれを限定するものではない。
【0040】
また、前記負極タブ126および正極タブ127は巻き取られた負極板121と正極板122の同一面に位置してもよく、負極板121と正極板122の互いに反対面に位置してもよい。ここで、同一面は巻き取られた電極組立体120で同一に巻き取り中心部に向かう面であるか、同一に最外郭に向かう面であり得る。
【0041】
また、電極組立体120の負極タブ126はケース110の底部111に溶接され得る。したがって、ケース110は負極として動作することができる。もちろん、その反対に正極タブ127がケース110の底部111に溶接され得、このような場合、ケース110は正極として動作することができる。
【0042】
併せて、ケース110に結合され、中央に第1ホール128aおよびその外側に第2ホール128bが形成された第1絶縁板128が電極組立体120と底部111の間に介在され得る。このような第1絶縁板128は、電極組立体120がケース110のうち底部111に電気的に接触しないようにする役割をする。特に、第1絶縁板128は電極組立体120のうち正極板122が底部111に電気的に接触しないようにする役割をする。ここで、第1ホール128aは二次電池の異常によって多量のガスが発生した場合、ガスが上部に迅速に移動するようにする役割をし、第2ホール128bは負極タブ126が貫通して底部111に溶接されるようにする役割をする。追加的に、電極組立体120は略中心に中空の円形パイプ形態のセンターピン(図示されず)がさらに備えられて、二次電池の異常時に生成された多量のガスがセンターピンの内部通路を通じて容易に排出され得る。
【0043】
また、ケース110に結合され、中央に第1ホール129aおよびその外側に多数の第2ホール129bが形成された第2絶縁板129が電極組立体120とキャップ組立体130の間に介在され得る。このような第2絶縁板129は電極組立体120がキャップ組立体130に電気的に接触しないようにする役割をする。特に、第2絶縁板129は電極組立体120のうち負極板121がキャップ組立体130に電気的に接触しないようにする役割をする。ここで、第1ホール129aは二次電池の異常によって多量のガスが発生した場合、ガスがキャップ組立体130に迅速に移動するようにする役割をし、第2ホール129bは正極タブ127が貫通してキャップ組立体130に溶接されるようにする役割をする。また、残りの第2ホール129bは電解液注入工程で、電解液が前記電極組立体120に迅速に流れて行くようにする役割をする。前記電解液は充放電時に電池内部の正極板および負極板で電気化学的反応によって生成されるリチウムイオンの移動媒体の役割を遂行する。
【0044】
前記キャップ組立体130は多数の貫通ホール131dが形成されたキャップアップ(cap-up)131、キャップアップ131の下部に設置された安全プレート133、安全プレート133の下部に設置された連結リング135、連結リング135に結合されて第1、2貫通ホール136a、136bが形成されたキャップダウン(cap-down)136、キャップダウン136の下部に固定されて正極タブ127と電気的に接続されたサブプレート137、そして、キャップアップ131および安全プレート133、連結リング135およびキャップダウン136をケース110の側部111から絶縁させる絶縁ガスケット138を含む。
【0045】
ここで、絶縁ガスケット138は実質的にケース110の側部111に形成されたビーディング部113とクリンピング部114の間に圧着された形態をする。また、前記キャップアップ131に形成された貫通ホール131dと、前記キャップダウン136に形成された貫通ホール136bは、ケース110の内部で異常内圧の発生時に内部のガスを外部に排出する役割をする。もちろん、このような内圧によって、まず安全プレート133が上部方向に反転しながらサブプレート137と電気的に分離され、その後安全プレート133が破裂しながら内部のガスが外部に放出される。
【0046】
図5を参照すると、
図1a~
図1cに図示された二次電池の電極組立体が巻き取られる前の他の例を図示した分解斜視図が図示されている。
図5に図示された通り、電極組立体220は負極活物質123bが負極集電板123aにコーティングされた負極板121、正極活物質224bが負極集電板223aにコーティングされた正極板222および負極板121と正極板222の間に介在されて負極板121と正極板222間のショートを防止し、リチウムイオンの移動のみ可能とするセパレータ125を含んでなる。
【0047】
前記電極組立体220の負極板121およびセパレータ125は、
図2a~
図2bに図示された電極組立体120と同一である。したがって、以下では電極組立体220で電極組立体120と異なる正極板222を中心に説明しようとする。
【0048】
前記正極板222はアルミニウム(Al)からなる板状の金属箔である正極集電板224aの両面に、遷移金属酸化物からなる活物質である正極コーティング層224bがコーティングされている。前記正極板222は長さ方向xに沿って延びたプレート状を有することができる。前記正極板222は長さ方向xに沿って延びた一辺222aと、一辺の反対辺である他辺222bを含むことができる。また、正極板222は一辺222aと他辺222bの間を連結する先端辺222cと、終端辺222dをさらに含むことができる。前記正極板222の一辺222aと他辺222bは負極板121の一辺121aおよび他辺121bと平行であり得る。また、正極板222の先端辺222cは負極板121の先端辺121cに比べて電極組立体220の巻き取り中心部で長さ方向xにさらに短くてもよい。すなわち、負極板121の先端辺121cが正極板222の先端辺222cに比べて巻き取り中心部方向にさらに長く延長され得る。
【0049】
前記正極板222の先端辺222cは一辺222aと鋭角または鈍角を有するように傾斜した第1先端辺222caと他辺222bと鋭角または鈍角を有するように傾斜した第2先端辺222cbを含むことができる。ここで、第1先端辺222caは一辺222aの終端と連結され得、第2先端辺222cbは他辺222bの終端と連結され得る。
【0050】
ここで、第1先端辺222caが一辺222aと鋭角を有するのであれば、第2先端辺222cbが他辺222bと鋭角を有することができる。もちろん、第1先端辺222caが一辺222aと鈍角を有するのであれば、第2先端辺222cbが他辺222bと鈍角を有することができる。一例として、第1先端辺222caと一辺222a間の角と、第2先端辺222cbが他辺222b間の角は同一であってもよい。
【0051】
また、第1先端辺222caは終端が第2先端辺222cbの終端と連結される。すなわち、先端辺222cは第1先端辺222caと第2先端辺222cbが連結される部分に折り曲げ部222ccを有することができる。好ましくは、第1先端辺222caと第2先端辺222cbの長さは同じであり得、折り曲げ部222ccは先端辺222cの中心に位置することができる。しかし、第1先端辺222caと第2先端辺222cbの長さを本発明で限定するものではない。
【0052】
前記正極板222の先端辺222cは先端領域a内に位置することができる。ここで、先端領域aで正極板222は2個の直角三角形の形状を有することができ、第1先端辺222caと第2先端辺222cbがそれぞれ2個の直角三角形の斜辺であり得る。ここで、先端領域aに位置する一辺222aおよび他辺222bに対して傾斜した二つの第1先端辺222caと第2先端辺222cbにより、二次電池100の充放電時に発生する応力を分散させることができる。
【0053】
このような電極組立体220は先端辺222cが一辺222aおよび他辺222bに垂直な場合、変形された部分に応力が集中して正極板222がセパレータ125を貫通して負極板121とショートが発生し得る。すなわち、二次電池100の正極板222は先端領域aに位置する第1先端辺222caと第2先端辺222cbが傾斜した傾斜面からなるため、二次電池100の充放電時に発生する変形部位に加えられる応力を分散させて変形によるショートを防止することができる。
【0054】
前記先端領域aは負極板121、セパレータ125、正極板222およびセパレータ125が積層された状態で円柱の形態に巻き取られる時、巻き取り中心部に位置することができる。前記先端領域aは電極組立体220を円筒状に巻き取るときに1/4ターン(turn)~1ターンのうち選択されたいずれか一つの分だけ巻き取られ得る。ここで、先端領域aが1/4ターンより小さい場合、充放電時に発生する応力を分散させることが困難であり得、1ターンより大きい場合、電極組立体220の容量の低下を発生させ得る。
【0055】
また、正極板222の終端辺222dは先端辺222cは互いに対応する形状で形成され得る。
図5に図示された通り、先端領域aは第1先端辺222caが一辺222aと鋭角を有し第2先端辺222cbが他辺222bと鋭角を有する場合、終端辺222dは第1終端辺222daが一辺222aと鈍角を有し第2終端辺222dbが他辺222bと鈍角を有する。もちろん、その反対に先端辺222cが
図5の終端辺222dの形状であってもよく、終端辺222dが
図5の先端辺222cの形状であってもよい。
【0056】
また、第1終端辺222daは一辺222aと連結され得、第2終端辺222dbは他辺222bと連結され得る。また、第1終端辺222daと第2終端辺222dbが連結される部分に折り曲げ部222dcを有することができる。好ましくは、第1終端辺222daと第2終端辺222dbの長さは同じであり得、折り曲げ部222dcは終端辺222dの中心に位置することができる。しかし、第1終端辺222daと第2終端辺222dbの長さを本発明で限定するものではない。
【0057】
ここで、終端辺222dは正極板222の製造時、ロールタイプの正極板で先端辺222cを第1先端辺222ca、第2先端辺222cbおよび折り曲げ部222ccを有するようにカッティングする場合、それと対応する形状に自然に形成され得る。ただし、終端辺222dは追加的なカッティング加工によって、多様に変更可能であり得る。
【0058】
ここで、先端辺222cは巻き取られた電極組立体220で巻き取り中心部に位置することができ、終端辺222dは巻き取られた電極組立体220で最外郭に位置することができる。
【0059】
また、正極集電板224aの第1面と第1面の反対面である第2面のうちいずれか一つに正極タブ127が付着され得る。また、正極タブ127は正極集電板224aの長さ方向xの他辺222bから一定の長さ突出して延長され得る。前記正極タブ127は正極集電板224aの長さ方向xの他辺222bから略垂直に突出および延長され得る。ここで、正極タブ127は負極タブ126が突出した一辺121aと反対側に突出することができる。前記正極タブ127は正極集電板224aで正極コーティング層224bがコーティングされていない無地部に付着され得る。好ましくは、正極タブ127は正極集電板224aの長さ方向xの先端辺222cから一定距離離隔した一定の領域に付着され得る。もちろん、正極集電板224aは先端辺222cから一定距離離隔した一定の領域に正極コーティング層224bがコーティングされていない無地部が備えられ得る。ただし、本発明で正極タブ127が付着される位置は多様に変更可能であり得、これを限定するものではない。
【0060】
追加的に正極集電板224aに付着された正極タブ127を覆うように絶縁テープ127aがさらに備えられ得る。前記絶縁テープ127aは正極タブ127で、正極集電板224aに付着された部分を覆うように正極集電板224aに付着され得る。この時、正極タブ127は電極組立体220の上部に一定の長さ突出して延びた部分は絶縁テープ127aの外部に露出され得る。また、絶縁テープ127aは長さ方向xに正極タブ127と隣接した正極集電板224aの一部の領域も覆うように付着され得る。前記正極タブ127はアルミニウム材質からなり得るが、本発明でこれを限定するものではない。
【0061】
また、前記負極タブ126および正極タブ127は巻き取られた負極板121と正極板222の同一面に位置してもよく、負極板121と正極板222の互いに反対面に位置してもよい。ここで、同一面は巻き取られた電極組立体220で同一に巻き取り中心部に向かう面であるか、同一に最外郭に向かう面であり得る。
【0062】
また、電極組立体220の負極タブ126はケース110の底部111に溶接され得る。したがって、ケース110は負極として動作することができる。もちろん、その反対に正極タブ127がケース110の底部111に溶接され得、このような場合、ケース110は正極として動作することができる。
【0063】
以上で説明したことは本発明による電極組立体およびこれを含む二次電池を実施するための一つの実施例に過ぎないものであって、本発明は前記実施例に限定されず、以下の特許請求の範囲で請求するように、本発明の要旨を逸脱することなく当該発明が属する分野で通常の知識を有する者であれば誰でも多様な変更実施が可能な範囲まで本発明の技術的精神があると言える。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は電極組立体およびこれを含む二次電池分野、二次電池を搭載する自動車などの産業分野に適用することができる。
【符号の説明】
【0065】
100 二次電池
110 ケース
113 ビーディング部
114 クリンピング部
120 電極組立体
121 負極板
122 正極板
123a 負極集電板
123b 負極コーティング層、負極活物質
124a 正極集電板
124b 正極コーティング層
125 セパレータ
126 負極タブ
126a 絶縁テープ
127 正極タブ
127a 絶縁テープ
128 第1絶縁板
128a 第1ホール
128b 第2ホール
129 第2絶縁板
129a 第1ホール
129b 第2ホール
130 キャップ組立体
131 キャップアップ
131d 貫通ホール
133 安全プレート
135 連結リング
136 キャップダウン
136a 第1貫通ホール
136b 第2貫通ホール
137 サブプレート
138 絶縁ガスケット
220 電極組立体
222 正極板
224a 正極集電板
224b 正極コーティング層、正極活物質