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特許7419862潤滑剤供給装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】潤滑剤供給装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20240116BHJP
   G03G 15/16 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
G03G21/00
G03G15/16
G03G21/00 318
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020023486
(22)【出願日】2020-02-14
(65)【公開番号】P2021128281
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【弁理士】
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】野寺 健太郎
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-220879(JP,A)
【文献】特開2019-078830(JP,A)
【文献】特開2014-085595(JP,A)
【文献】特開2010-145877(JP,A)
【文献】特開2000-147973(JP,A)
【文献】特開2017-032703(JP,A)
【文献】特開2016-080845(JP,A)
【文献】特開2010-091852(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/00
13/02
13/08
13/095
13/14-13/16
15/00
15/02
15/08
15/095
15/14-15/16
21/00
21/04
21/10-21/12
21/16-21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形潤滑剤と、
前記固形潤滑剤に当接するとともに、大径のローラ部の軸方向両端部にそれぞれ小径の軸部が突出するように形成されて、前記固形潤滑剤から供給された潤滑剤を像担持体に供給する潤滑剤供給ローラと、
前記潤滑剤供給ローラの前記軸部を回転可能に保持する保持フレームと、
を備え、
前記保持フレームと前記ローラ部との前記軸方向における間において前記軸部にパドル状部材を設け、
前記パドル状部材は、可撓性シート部材の一部が貼着部として前記軸部の周方向の全部又は一部に巻付けられた状態で貼着されて、前記貼着部以外の部分が張出部として前記軸部から離れる方向に折り曲げられたものであることを特徴とする潤滑剤供給装置。
【請求項2】
前記張出部を前記軸部に対して径方向に直角に真直ぐ折り曲げた状態の長さをHとして、前記ローラ部の外径をR1として、前記軸部の外径をR2としたときに、
0≦H-(R1-R2)/2≦1mm
なる関係が成立することを特徴とする請求項1に記載の潤滑剤供給装置。
【請求項3】
前記可撓性シート部材は、ポリウレタンからなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の潤滑剤供給装置。
【請求項4】
固形潤滑剤と、
前記固形潤滑剤に当接するとともに、大径のローラ部の軸方向の両端部にそれぞれ小径の軸部が突出するように形成されて、前記固形潤滑剤から供給された潤滑剤を像担持体に供給する潤滑剤供給ローラと、
前記潤滑剤供給ローラの前記軸部を回転可能に保持する保持フレームと、
前記固形潤滑剤に対して前記潤滑剤供給ローラの回転方向上流側で前記潤滑剤供給ローラに当接して、前記ローラ部に付着している付着物を除去するスクレーパと、
前記スクレーパによって除去された前記付着物を軸方向一端側から軸方向他端側に向けて搬送する搬送部材と、
を備え、
前記保持フレームと前記ローラ部との前記軸方向における間において前記軸部にパドル状部材を設けたことを特徴とする潤滑剤供給装置。
【請求項5】
前記パドル状部材は、軸方向両端部のうち前記軸方向一端側の前記軸部にのみ設置されたことを特徴とする請求項4に記載の潤滑剤供給装置。
【請求項6】
前記潤滑剤供給ローラは、前記像担持体から除去して担持した前記付着物を前記軸方向他端側から前記軸方向一端側に搬送することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の潤滑剤供給装置。
【請求項7】
前記潤滑剤供給ローラは、前記像担持体に当接するクリーニングブレードに対して前記像担持体の回転方向上流側で前記像担持体に当接することを特徴とする請求項1~請求項6のいずれかに記載の潤滑剤供給装置。
【請求項8】
画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるプロセスカートリッジであって、
請求項1~請求項7のいずれかに記載の潤滑剤供給装置を備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項9】
請求項1~請求項7のいずれかに記載の潤滑剤供給装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、感光体ドラム、中間転写ベルトなどの像担持体に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置と、それを備えたプロセスカートリッジ及び画像形成装置と、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、感光体ドラムや中間転写ベルト等の像担持体に当接するクリーニングブレードの磨耗・欠損や像担持体の劣化を低減するとともに、経時におけるクリーニング不良や像担持体の表面へのフィルミングの発生を抑止することを目的として、像担持体の表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置を設置する技術が広く知られている(例えば、特許文献1等参照。)。
【0003】
詳しくは、潤滑剤供給装置は、感光体ドラム(像担持体)に摺接する潤滑剤供給ローラ、潤滑剤供給ローラに摺接する固形潤滑剤、固形潤滑剤を潤滑剤供給ローラに向けて付勢する付勢部材、等で構成される。
そして、所定方向に回転する潤滑剤供給ローラによって固形潤滑剤から潤滑剤が徐々に削り取られて、潤滑剤供給ローラによって削り取られた潤滑剤が感光体ドラムの表面に塗布(供給)される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の潤滑剤供給装置は、像担持体(感光体ドラム)に付着していたトナーなどの付着物が潤滑剤供給ローラによって除去されて、潤滑剤供給ローラに回収されて離脱した付着物が、異物として潤滑剤供給ローラの端部(潤滑剤供給ローラのローラ部と、潤滑剤供給ローラの軸部を回転可能に保持する保持フレームと、の間である。)に溜まってしまう不具合が生じていた。そして、そのような場合に、溜まった異物が装置から溢れてしまい、異常画像の原因になってしまうことがあった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、潤滑剤供給ローラの端部にトナーなどの異物が溜まりにくい、潤滑剤供給装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明における潤滑剤供給装置は、固形潤滑剤と、前記固形潤滑剤に当接するとともに、大径のローラ部の軸方向両端部にそれぞれ小径の軸部が突出するように形成されて、前記固形潤滑剤から供給された潤滑剤を像担持体に供給する潤滑剤供給ローラと、前記潤滑剤供給ローラの前記軸部を回転可能に保持する保持フレームと、を備え、前記保持フレームと前記ローラ部との前記軸方向における間において前記軸部にパドル状部材を設け、前記パドル状部材は、可撓性シート部材の一部が貼着部として前記軸部の周方向の全部又は一部に巻付けられた状態で貼着されて、前記貼着部以外の部分が張出部として前記軸部から離れる方向に折り曲げられたものである
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、潤滑剤供給ローラの端部にトナーなどの異物が溜まりにくい、潤滑剤供給装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
図2】作像部を示す構成図である。
図3】潤滑剤供給装置の内部を軸方向にみた概略断面図である。
図4】潤滑剤供給装置の要部を示す拡大図である。
図5】潤滑剤供給ローラを示す斜視図である。
図6】(A)組付け前のパドル状部材を示す斜視図と、(B)組付け後のパドル状部材を示す斜視図と、である。
図7】潤滑剤供給ローラと固形潤滑剤とが保持フレームに組み付けられる動作を示す斜視図である。
図8】パドル状部材と潤滑剤供給ローラとの寸法関係を示す模式図である。
図9】変形例としての、潤滑剤供給装置の要部を示す拡大図である。
図10】潤滑剤供給ローラのローラ部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0010】
まず、図1にて、画像形成装置1における全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部、3は原稿Dを原稿読込部4に搬送する原稿搬送部、4は原稿Dの画像情報を読み込む原稿読込部、7は転写紙等のシートPが収容される給紙部、9はシートPの搬送タイミングを調整するレジストローラ(タイミングローラ)、を示す。
また、10Y、10M、10C、10BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成されるプロセスカートリッジ、17は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト、18は中間転写ベルト17上のトナー像をシートP上に転写するための2次転写ローラ、19は中間転写ベルト17を清掃する中間転写ベルトクリーニング部、を示す。
また、20は各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKの感光体ドラム11上に形成されたトナー像を中間転写ベルト17上に重ねて転写する1次転写ローラ、21は中間転写ベルト17を走行させる駆動ローラ、30はシートP上の未定着画像を定着する定着装置、50Y、50M、50C、50BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナーが収容されたトナー容器、を示す。
【0011】
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。
なお、各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKの感光体ドラム11上でおこなわれる作像プロセスについては、図2をも参照することができる。
まず、原稿Dは、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス5上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス5上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部2に送信される。そして、書込み部2からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光L(図2参照)が、それぞれ、対応する感光体ドラム11上に向けて発せられる。
【0012】
一方、4つのプロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKの感光体ドラム11は、それぞれ、図1の反時計方向に回転している。そして、まず、感光体ドラム11の表面は、帯電装置12(帯電ローラ)との対向部で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム11上には、帯電電位が形成される。その後、帯電された感光体ドラム11の表面は、それぞれのレーザ光Lの照射位置に達する。
書込み部2において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
【0013】
イエロー成分に対応したレーザ光は、紙面左側から1番目のプロセスカートリッジ10Yの感光体ドラム11の表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラーにより、感光体ドラム11の回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電装置12にて帯電された後の感光体ドラム11上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
同様に、マゼンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から2番目のプロセスカートリッジ10Mの感光体ドラム11の表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。シアン成分のレーザ光は、紙面左から3番目のプロセスカートリッジ10Cの感光体ドラム11の表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙面左から4番目のプロセスカートリッジ10BKの感光体ドラム11の表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
【0014】
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム11の表面は、それぞれ、現像装置13との対向位置に達する。そして、各現像装置13から感光体ドラム11上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム11上の潜像が現像される(現像工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11の表面は、それぞれ、中間転写ベルト17との対向部に達する。ここで、それぞれの対向部には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように1次転写ローラ20が設置されている。そして、1次転写ローラ20の位置で、中間転写ベルト17上に、各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKの感光体ドラム11上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程である。)。
【0015】
そして、1次転写工程後の感光体ドラム11の表面は、それぞれ、クリーニングブレード14(クリーニング部)との対向位置に達する。そして、クリーニングブレード14で、感光体ドラム11上に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程である。)。
その後、感光体ドラム11の表面は、除電部を通過して、感光体ドラム11における一連の作像プロセスが終了する。
【0016】
他方、各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKの感光体ドラム11上の各色のトナー像が重ねて転写(担持)された中間転写ベルト17は、駆動ローラ21(中間転写ベルト17を張架・支持する複数のローラ部材のうちの1つである。)の時計方向の回転によって、図中の時計方向に走行して、2次転写ローラ18との対向位置に達する。そして、2次転写ローラ18との対向位置で、シートP上に中間転写ベルト17上に担持されたカラーのトナー像が転写される(2次転写工程である。)。
その後、中間転写ベルト17の表面は、中間転写ベルトクリーニング部19の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上に付着した未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部19に回収されて、中間転写ベルト17における一連の転写プロセスが終了する。
【0017】
ここで、中間転写ベルト17と2次転写ローラ18との間(2次転写ニップである。)に搬送されるシートPは、給紙部7からレジストローラ9等を経由して搬送されるものである。
詳しくは、シートPを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送されたシートPが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ9に導かれる。レジストローラ9に達したシートPは、タイミングを合わせて、2次転写ニップに向けて搬送される。
【0018】
そして、フルカラー画像が転写されたシートPは、搬送ベルトによって定着装置30に導かれる。定着装置30では、定着ベルトと加圧ローラとのニップにて、カラー画像がシートP上に定着される。
そして、定着工程後のシートPは、排紙ローラによって、装置本体1外に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0019】
次に、図2等を用いて、プロセスカートリッジ10(作像部)について詳述する。
図2に示すように、プロセスカートリッジ10は、像担持体としての感光体ドラム11、感光体ドラム11を帯電する帯電装置12(帯電ローラ)、感光体ドラム11の表面に形成された潜像を現像する現像装置13、感光体ドラム11上の未転写トナーを除去するクリーニングブレード14(クリーニング部)、感光体ドラム11の表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置16(潤滑剤供給部)、等で構成されている。プロセスカートリッジ10は、装置本体1に対して着脱可能(交換可能)に構成されている。
なお、各色のプロセスカートリッジは、ほぼ同一構造であるために、図2にてプロセスカートリッジや感光体ドラムや現像装置は符号のアルファベット(Y、C、M、BK)を除して図示する。
【0020】
ここで、像担持体としての感光体ドラム11は、負帯電性の有機感光体であって、ドラム状導電性支持体上に感光層等が設けられている。
感光体ドラム11は、基層としての導電性支持体上に、絶縁層である下引き層、感光層としての電荷発生層及び電荷輸送層、保護層(表面層)が順次積層されている。
感光体ドラム11は、不図示の駆動モータによって所定方向(図2の反時計方向である。)に回転駆動される。なお、本実施の形態では、後述する現像装置13や帯電装置12(帯電ローラ)や潤滑剤供給ローラ16aや搬送スクリュ15も、それぞれ、駆動モータからギア列を介した駆動力の伝達によってそれぞれ図2に示す矢印方向に回転駆動される。
【0021】
帯電装置12は、導電性芯金(軸部)の外周に中抵抗の弾性層を被覆してなる帯電ローラ(ローラ部材)であって、クリーニングブレード14に対して感光体ドラム11の回転方向下流側において感光体ドラム11に当接するように配設されている。
そして、帯電装置12には、装置本体1に設置された電源部から所定の電圧(帯電バイアス)が印加されて、これにより対向する感光体ドラム11の表面を一様に帯電する。
なお、本実施の形態では、帯電装置12を感光体ドラム11に接触させているが、帯電装置12を感光体ドラム11に対して接触させずに微小ギャップをあけて対向させることもできる。
【0022】
現像装置13は、現像ローラ13a(現像剤担持体)、2つの現像搬送スクリュ13b1、13b2、ドクターブレード13c(現像剤規制部材)、等で構成されている。また、現像装置13内には、トナーTとキャリアCとからなる現像剤G(2成分現像剤)が収容されている。そして、現像装置13は、感光体ドラム11上に形成される静電潜像を現像する(トナー像を形成する。)。
【0023】
なお、図1を参照して、トナー容器50Y、50M、50C、50BKは、その内部に現像装置13内に供給するためのトナーTが収容されている。具体的に、現像装置13に設置された磁気センサによって検知されるトナー濃度(現像剤G中のトナーTの割合である。)の情報に基づいて、トナー補給装置を介して、4つのトナー容器50Y、50M、50C、50BKのうち対応するトナー容器から現像装置13内に向けてトナーTを適宜に補給する。
【0024】
図2に示すように、クリーニングブレード14(クリーニング部)は、潤滑剤供給ローラ16a(潤滑剤供給装置16)に対して感光体ドラム11の回転方向下流側に配設されている。クリーニングブレード14は、ウレタンゴム等のゴム材料からなり、感光体ドラム11の表面に所定角度かつ所定圧力で当接している。これにより、感光体ドラム11上に付着する未転写トナー等の付着物(異物)が機械的に掻き取られて潤滑剤供給装置16の内部に回収されることになる。そして、回収されたトナーは、廃トナーとして廃トナー回収容器(不図示)に向けて搬送スクリュ15(搬送部材)によって搬送される。
また、本実施の形態におけるクリーニングブレード14は、潤滑剤供給ローラ16aによって感光体ドラム11上に供給された潤滑剤を薄層化する薄層化ブレードとしても機能する。
【0025】
潤滑剤供給装置16は、潤滑剤供給ローラ16a(ブラシ状ローラ)、固形潤滑剤16b、保持板16e、付勢部材としての圧縮スプリング16c、スクレーパ16d(図4参照)、パドル状部材16f(図4参照)、保持フレーム16g(筐体)、等で構成される。
【0026】
詳しくは、図2図4を参照して、潤滑剤供給ローラ16aは、金属材料からなる軸部16a2(芯金)上に、直毛状又はループ状のブラシ毛が巻装されたローラ部16a1が形成されたものである。ブラシ毛としては、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、アクリル、ビニロン、塩化ビニル等の樹脂繊維を用いることができ、必要に応じてカーボン等の導電付与剤が混入された導電繊維を用いることができる。また、ブラシ毛は、長さ(毛足)が0.2~20mm、ブラシ密度が2~10万F/inch2のものを用いることができる。
潤滑剤供給ローラ16aは、そのローラ部16a1(ブラシ毛)が、感光体ドラム11と固形潤滑剤16bとにそれぞれ接触した状態で所定の回転方向(図2の反時計方向である。)に回転駆動される。これにより、固形潤滑剤16bから潤滑剤供給ローラ16aを介して感光体ドラム11上に潤滑剤が供給される。すなわち、潤滑剤供給ローラ16aは、固形潤滑剤16bと感光体ドラム11とに摺接するように配置されていて、潤滑剤供給ローラ16aが回転することによって固形潤滑剤16bから潤滑剤を掻き取り、その潤滑剤を感光体ドラム11上に塗布する。
【0027】
なお、本実施の形態において、潤滑剤供給ローラ16aは、感光体ドラム11(像担持体)に当接するクリーニングブレード14に対して感光体ドラム11の回転方向上流側で感光体ドラム11に当接している。そのため、潤滑剤供給ローラ16aは、感光体ドラム11上に付着する未転写トナー等の付着物(異物)を機械的に掻き取るクリーニングローラとしても機能している。潤滑剤供給ローラ16aによって回収されたトナーなどの付着物は、スクレーパ16d(図4参照)によって掻き落とされて、潤滑剤供給装置16の内部に回収されることになる。そして、回収された付着物は、廃トナーなどの異物として廃トナー回収容器(不図示)に向けて搬送スクリュ15(搬送部材)によって搬送される。
このように、潤滑剤供給装置16は、クリーニングブレード14とともに、クリーニング装置としても機能することになる。換言すると、クリーニング装置に潤滑剤供給装置16が内設されていることになる。
【0028】
ここで、スクレーパ16d(掻き取り部材)は、可撓性を有する薄い金属板であって、図4に示すように、固形潤滑剤16bに対して潤滑剤供給ローラ16aの回転方向上流側で潤滑剤供給ローラ16aに当接している。そして、スクレーパ16dは、潤滑剤供給ローラ16aのローラ部16a1(ブラシ毛)に付着している付着物を除去する。
また、搬送部材としての搬送スクリュ15は、軸部にスクリュ部が螺旋状に巻装されたものであって、スクレーパ16dによって除去されたトナーなどの付着物(異物)を軸方向一端側(図3の左方である。)から軸方向他端側(図3の右方である。)に向けて搬送する。搬送スクリュ15によって搬送された付着物(異物)は、幅方向他端側の排出口40から排出されて、別の搬送スクリュによって廃トナー回収容器(不図示)に向けて搬送される。
なお、本実施の形態において、潤滑剤供給ローラ16aの端部にはパドル状部材16fが設置されているが、これについては図4等を用いて後で詳しく説明する。
【0029】
固形潤滑剤16bは、潤滑剤供給ローラ16aに当接(摺接)するものであって、柱状に形成されている。固形潤滑剤16bは、保持板16eに保持され、保持板16eとともに潤滑剤供給ローラ16aに付勢される方向に移動可能に構成されている。
この固形潤滑剤16bは、脂肪酸金属亜鉛に無機潤滑剤を含有させて形成したものである。また、脂肪酸金属亜鉛としては、少なくともステアリン酸亜鉛を含んだものが好ましい。また、無機潤滑剤としては、タルク、マイカ、窒化ホウ素のうち少なくとも1つであることが好ましい。
ステアリン酸亜鉛は、代表的なラメラ結晶紛体である。ラメラ結晶は両親媒性分子が自己組織化した層状構造を有していて、せん断力が加わると層間にそって結晶が割れて滑りやすい。したがって、感光体ドラム11の表面を低摩擦係化することができる。すなわち、せん断力を受けて均一に感光体ドラム11の表面を覆っていくラメラ結晶によって、少量の潤滑剤によって効果的に感光体ドラム11の表面を覆うことができる。そして、感光体ドラム11の表面を比較的均等に覆い帯電工程における電気的ストレスから良好に保護できることになる。
また、タルク、マイカ、窒化ホウ素のような板状構造を有する無機潤滑剤を使用することで、クリーニングブレード14でのトナーや潤滑剤のすり抜けが生じにくくなり、帯電装置12を汚れにくくすることができる。
【0030】
付勢部材としての圧縮スプリング16cは、固形潤滑剤16bとともに保持板16eを潤滑剤供給ローラ16aに向けて付勢するものである。圧縮スプリング16cは、幅方向(図2図4の紙面垂直方向であって、図3の左右方向である。)の両端部にそれぞれ設置されている。
なお、保持フレーム16gは、潤滑剤供給装置16の筐体(ケース)として機能するものである。
【0031】
以下、本実施の形態におけるプロセスカートリッジ10(画像形成装置1)において特徴的な、潤滑剤供給装置16の構成・動作について詳述する。
先に図2を用いて説明したように、潤滑剤供給装置16には、像担持体としての感光体ドラム11に潤滑剤を供給する潤滑剤供給ローラ16aが設けられている。
この潤滑剤供給ローラ16aは、図3に示すように、大径のローラ部16a1の軸方向両端部にそれぞれ小径の軸部16a2が突出するように形成されている。すなわち、図8に示すように、ブラシ毛が巻装されてなるローラ部16a1の外径R1は、両端の軸部16a2の外径R2に比べて大きくなっている(R1>R2)。
【0032】
そして、潤滑剤供給ローラ16aの軸部16a2は、潤滑剤供給装置16の保持フレーム16gに回転可能に保持されている。保持フレーム16gは、樹脂材料で形成されていて、潤滑剤供給装置16の筐体(ケース)として機能するものであって、その他の部品(固形潤滑剤16b、圧縮スプリング16c、保持板16e、搬送スクリュ15などである。)も保持している。
具体的に、潤滑剤供給ローラ16aは、図7(A)から図7(B)に示すように組み付けられる。すなわち、潤滑剤供給ローラ16aの軸部16a2は、軸受(不図示)を介して保持フレーム16gの穴部16g1(図7(A)参照)に挿入されて回転可能に保持される。
【0033】
ここで、図3図5等を参照して、本実施の形態における潤滑剤供給装置16は、保持フレーム16gと潤滑剤供給ローラ16aのローラ部16a1との間X1、X2において軸部16a2にパドル状部材16fを設けている。
詳しくは、潤滑剤供給装置16(保持フレーム16g)には、潤滑剤供給ローラ16aを感光体ドラム11に当接させるための開口が設けられている。また、潤滑剤供給装置16(保持フレーム16g)には、潤滑剤供給ローラ16aと搬送スクリュ15とが対向する空間が設けられている。そして、潤滑剤供給装置16内において、保持フレーム16gと潤滑剤供給ローラ16aのローラ部16a1との間には隙間X1、X2(図8の隙間Xも参照。)が形成されている。そして、パドル状部材16fは、その隙間X1、X2に対応する位置であって、潤滑剤供給ローラ16aの軸部16a2上に、ローラ部16a1の端面に隣接して、軸部16a2から離れる方向に突出するように設置されている。パドル状部材16fは、潤滑剤供給ローラ16aとともに、図4の反時計方向に回転することになる。また、本実施の形態において、パドル状部材16fは、幅方向両端部にそれぞれ設置されている。
【0034】
さらに具体的に、図5図6図8を参照して、パドル状部材16fは、可撓性シート部材の一部が貼着部16f1として軸部16a2の周方向の全部又は一部に巻付けられた状態で両面テープ160を介して貼着されて、貼着部16f1以外の部分が張出部16f2として軸部16a2から離れる方向に折り曲げられたものである。
したがって、潤滑剤供給ローラ16aの軸部16a2に組付けられる前のパドル状部材16f(単品の部品としてのものである。)は、図6(A)に示すように、矩形のシート状の一部(貼着部16f1となる部分である。)に両面テープ160の一方の面が貼着されたものとなっていて、両面テープ160が貼着されていな部分が張出部16f2となっている。そして、そのようなパドル状部材16fは、図5図6(B)、図8に示すように、貼着部16f1が両面テープ160を介して潤滑剤供給ローラ16aの軸部16a2に図8(B)の破線矢印方向に巻き付けられながら貼着されて、貼着部16f1との境界部を曲げ部Mとして張出部16f2が図8(B)の白矢印方向に折り曲げられることになる。そして、この張出部16f2が、保持フレーム16gとローラ部16a1との隙間X1、X2に滞留するトナーなどの異物を撹拌・搬送するパドル状部材16fの主部として機能することになる。
なお、本実施の形態では、潤滑剤供給ローラ16aの軸部16a2の周方向のほぼ全部に貼着部16f1が巻付けられるようにパドル状部材13fを構成したが、軸部16a2の周方向の一部(例えば、2/3周分)に貼着部16f1が巻付けられるようにパドル状部材13fを構成しても良い。
【0035】
このように、本実施の形態における潤滑剤供給ローラ16aは、保持フレーム16gとローラ部16a1との隙間X1、X2に相当する軸部16a2の位置にパドル状部材16を設けているため、潤滑剤供給ローラ16aによって回収されて潤滑剤供給ローラ16aから離脱した付着物(感光体ドラム11から回収した付着物であって、スクレーパ16dによって掻き取られたものであり、潤滑剤も含む。)が、異物として潤滑剤供給ローラ16aの端部(隙間X1、X2)に溜まってしまう不具合が生じにくくなる。そのため、隙間X1、X2に溜まった異物が潤滑剤供給装置16から溢れてしまい、異常画像の原因になってしまうような不具合も生じにくくなる。
【0036】
さらに上述した効果について補足的に説明する。
感光体ドラム11に潤滑剤を供給した後の潤滑剤供給ローラ16a(ローラ部16a1)には、残留した潤滑剤や感光体ドラム11から回収した付着物が担持されているものの、それらのほとんどはスクレーパ16dによって掻き落とされ、その後に搬送スクリュ15によって搬送される。すなわち、潤滑剤供給ローラ16a上に担持された異物は、図3の白矢印方向に移動した後に、破線矢印方向に移動する。しかし、ローラ部16a1と保持フレーム16g(内壁)との隙間X1、X2に移動してしまった異物は、搬送スクリュ15の位置まで移動させる手段がないため、その隙間X1、X2に溜まってしまう。
そして、そのように隙間X1、X2に溜まった異物は、やがて飽和状態(溜まりきった状態)になって、その一部が搬送スクリュ15の側に押し出されるか、保持フレーム16gの内壁のように機能するようになるかして、隙間X1、X2にそれ以上溜まりにくくなることがある。しかし、高温環境において、小さな画像面積率の画像が1枚ずつ印刷されるような場合などには、トナーの流動性が著しく低下してしまい、隙間X1、X2で滞留した飽和状態の異物が、搬送スクリュ15の側に押し出されにくくなったり、保持フレーム16gの内壁のように機能しにくくなったりして、その異物が潤滑剤供給装置16の開口(感光体ドラム11に対向する側の開口である。)から溢れ出てしまう。そして、そのように溢れ出た異物によって異常画像が形成されてしまう。具体例として、溢れ出た異物が感光体ドラム11に付着してクリーニングブレード14をすり抜けてしまうと、画像に副走査方向にわたってスジ(縦スジ)が形成されてしまう。
これに対して、本実施の形態では、隙間X1、X2に溜まった異物がパドル状部材16fによって撹拌・搬送されて、搬送スクリュ15の側に送り出されることになる(図4の白矢印方向の移動である。)。したがって、上述したような不具合が軽減されることになる。
なお、本実施の形態では、潤滑剤供給ローラ16aに担持された異物を除去するスクレーパ16dを設置したが、このようなスクレーパ16dが設置されていない場合であっても、潤滑剤供給ローラ16aの端部に異物が溜まることがあるため、パドル状部材16fを設置することが有用になる。
【0037】
ここで、本実施の形態において、パドル状部材16fとなる可撓性シート部材は、薄いポリウレタン(ウレタンシート)からなるものである。
パドル状部材16fをポリウレタン(ウレタンシート)で形成することで、パドル状部材16fが感光体ドラム11や搬送スクリュ15に接触してしまっても、感光体ドラム11や搬送スクリュ15を傷つけることなく、パドル状部材16f自体も傷つきにくく感光体ドラム11や搬送スクリュ15に巻き込まれにくくなる。
特に、本実施の形態において、パドル状部材16fは、上述したように、軸部16a2に貼着部16f1が巻き付けられており、その貼着部16f1に繋がった張出部16f2を折り曲げてパドル状に形成したものであるため、軸部16a2から外れにくく、トナーなどの異物を撹拌・搬送するパドルとしての性能も高めることができる。
【0038】
また、本実施の形態では、図8に示すように、張出部16f2を軸部16a2に対して径方向に直角に真直ぐ折り曲げた状態の長さをHとして、ローラ部16a1の外径をR1として、軸部16a2の外径をR2としたときに、
0≦H-(R1-R2)/2≦1mm
なる関係が成立するように構成している。
すなわち、張出部16f2を軸部16a2に対して径方向に直角に真直ぐ折り曲げた状態で、張出部16f2の先端が、ローラ部16a1の外周面の位置に一致するか、外周面から1mm以下で突出するか、するように構成している。
上述したH-(R1-R2)が、ゼロ(下限値)を下回ってしまうと、パドル状部材16fの異物を撹拌・搬送する性能が発揮されにくくなり、1mm(上限値)を超えてしまうと、感光体ドラム11や搬送スクリュ15を傷つけたり感光体ドラム11や搬送スクリュ15に巻き込まれたりする可能性が生じてしまう。そのため、上述した関係が成立するように構成している。
【0039】
<変形例>
図9に示すように、変形例としての潤滑剤供給装置16では、パドル状部材16fが、軸方向両端部のうち軸方向一端側(図9の左側である。)の軸部16a2にのみ設置されている。すなわち、図3に示したものとは異なり、幅方向他端側の軸部16a2にはパドル状部材16fが設置されていない。
また、変形例において、潤滑剤供給ローラ16aは、感光体ドラム11(像担持体)から除去して担持したトナーなどの付着物を軸方向他端側(図9の右方である。)から軸方向一端側(図9の左方である。)に搬送するように構成されている(黒矢印方向の搬送である。)。
詳しくは、潤滑剤供給ローラ16aのローラ部16a1は、軸部16a2(ローラ部16a1を貫通して幅方向両側に延在するように形成された1本の軸部である。)の外周面に、図10(A)に示すように、ブラシ毛16a10が所定の幅Xで植毛された基布を、螺旋状に巻装して形成したものである。このように構成することで、潤滑剤供給ローラ16aによって固形潤滑剤16bから幅方向の大きな偏りなく潤滑剤が削り取られるとともに、潤滑剤供給ローラ16aによって感光体ドラム11上に幅方向の大きな偏りなく潤滑剤を供給することができる。さらに、潤滑剤供給ローラ16aによって感光体ドラム11から回収したトナーなどの付着物も、潤滑剤供給ローラ16aに幅方向の大きな偏りなく担持することができる。
また、変形例では、図10(B)に示すように、ローラ部16a1において軸部16a2上に巻装されるブラシ毛16a10が、幅方向一端側(図9図10(B)の左方である。)に傾斜するように植毛している。そのため、潤滑剤供給ローラ16a(ローラ部16a1)に担持された潤滑剤やトナーなどの付着物は、幅方向一端側に徐々に移動することになり、上述した幅方向の大きな偏りをなくす効果がさらに発揮されやすくなる。
このように構成した潤滑剤供給装置16では、幅方向一端側の隙間X1が、潤滑剤供給ローラ16aによる搬送方向下流側になっていて、幅方向他端側の隙間X2に比べて、異物が溜まりやすくなる。また、幅方向一端側の隙間X1は、搬送スクリュ15による搬送経路の上流側に対応する位置であって、幅方向他端側の隙間X2に比べて、搬送スクリュ15による搬送力が及びにくい部分である。したがって、幅方向一端側の隙間X1にのみパドル状部材16fを設置することで、潤滑剤供給ローラ16aの端部にトナーなどの異物が溜まってしまう不具合を効率的に軽減することができる。
【0040】
以上説明したように、本実施の形態における潤滑剤供給装置16は、大径のローラ部16a1の軸方向両端部にそれぞれ小径の軸部16a2が突出するように形成されて、感光体ドラム11(像担持体)に潤滑剤を供給する潤滑剤供給ローラ16aが設けられている。また、潤滑剤供給ローラ16aの軸部16a2を回転可能に保持する保持フレーム16gが設けられている。さらに、保持フレーム16gとローラ部16a1との間において軸部16a2にパドル状部材16fが設けられている。
これにより、潤滑剤供給ローラ16aの端部にトナーなどの異物を溜まりにくくすることができる。
【0041】
なお、本実施の形態では、感光体ドラム11や帯電装置12や現像装置13やクリーニング装置(クリーニングブレード14)や潤滑剤供給装置16を一体化してプロセスカートリッジ10を構成して、作像部のコンパクト化とメンテナンス作業性の向上とを図っている。
これに対して、これらの構成部材を、プロセスカートリッジの構成部材とせずに、それぞれ単体で画像形成装置本体1に交換可能に設置されるように構成することもできる。特に、潤滑剤供給装置16が単体で画像形成装置本体1に交換可能に設置されるように構成することもできる。このような場合にも、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
なお、本願において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電装置と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像装置と、像担持体上をクリーニングするクリーニング装置と、のうち少なくとも1つと、像担持体とが、一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるユニットと定義する。
【0042】
また、本実施の形態では、潤滑剤供給ローラ16aとして芯金の外周に直毛状又はループ状のブラシ毛が巻装されたものを用いたが、潤滑剤供給ローラ16aとして芯金上に発泡ポリウレタン(ウレタンフォーム)などからなる発泡弾性層が形成されたものを用いることもできる。
また、本実施の形態では、潤滑剤供給ローラ16aに対して固形潤滑剤16bを付勢する付勢部材として圧縮スプリング16cを用いたが、付勢部材の構成はこれに限定されることなく、例えば、特許文献1等に開示された一対のレバー(回動部材)を付勢部材として用いることもできる。
また、本実施の形態では、像担持体としての感光体ドラム11の表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置16に対して本発明を適用したが、像担持体としての中間転写ベルト17の表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置に対して本発明を適用することもできる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態のものとほぼ同様の効果を得ることができる。
【0043】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0044】
1 画像形成装置(画像形成装置本体)、
10 プロセスカートリッジ、
11 感光体ドラム(像担持体)、
14 クリーニングブレード、
15 搬送スクリュ(搬送部材)、
16 潤滑剤供給装置、
16a 潤滑剤供給ローラ、
16a ローラ部、 16a2 軸部、
16b 固形潤滑剤、
16c 圧縮スプリング(付勢部材)、
16d スクレーパ、
16f パドル状部材、
16f1 貼着部、 16f2 張出部、
16g 保持フレーム(保持部材)、
160 両面テープ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0045】
【文献】特開2010-145877号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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図10