(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】移動体及び移動体の飛行方法
(51)【国際特許分類】
B64U 30/294 20230101AFI20240116BHJP
B64C 27/08 20230101ALI20240116BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20240116BHJP
B64U 10/13 20230101ALI20240116BHJP
B64U 60/60 20230101ALI20240116BHJP
【FI】
B64U30/294
B64C27/08
B64C39/02
B64U10/13
B64U60/60
(21)【出願番号】P 2023571729
(86)(22)【出願日】2023-05-26
(86)【国際出願番号】 JP2023019796
【審査請求日】2023-11-17
(31)【優先権主張番号】P 2022088054
(32)【優先日】2022-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177426
【氏名又は名称】粟野 晴夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141601
【氏名又は名称】貴志 浩充
(74)【代理人】
【識別番号】100202326
【氏名又は名称】橋本 大佑
(72)【発明者】
【氏名】池田 尚志
(72)【発明者】
【氏名】古川 知行
(72)【発明者】
【氏名】豊村 恭一
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-131779(JP,A)
【文献】特開2019-135142(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0118969(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0194463(US,A1)
【文献】国際公開第2010/015866(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 27/08
B64C 39/02
B64U 10/13
B64U 30/294
B64U 60/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1多面体として形成されている本体部と、
前記第1多面体の各頂点に位置して前記本体部に取り付けられ、回転翼及び前記回転翼を駆動する駆動部を含む回転翼モジュールと、
を備え、
前記回転翼は、前記本体部の外側に位置し、前記本体部の内側に位置する基準点と前記第1多面体の頂点とを結ぶ直線を回転軸とする、
移動体。
【請求項2】
請求項1に記載の移動体であって、
前記基準点は、前記本体部の重心である、
移動体。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の移動体であって、
前記基準点は、前記第1多面体の幾何中心である、
移動体。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の移動体であって、
前記第1多面体は、正六面体である、
移動体。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の移動体であって、
前記本体部に取り付けられ、前記本体部及び前記回転翼モジュールを外側から囲むように前記移動体の外形を形成するケージをさらに備え、
前記ケージは、第2多面体として形成されている、
移動体。
【請求項6】
請求項5に記載の移動体であって、
前記ケージは、前記本体部に対して固定されている、
移動体。
【請求項7】
請求項5に記載の移動体であって、
前記第2多面体は、格子ドームである、
移動体。
【請求項8】
請求項7に記載の移動体であって、
前記格子ドームは、フラードームである、
移動体。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の移動体であって、
前記移動体は、飛行用のドローンである、
移動体。
【請求項10】
請求項1又は2に記載の移動体の飛行方法であって、
前記第1多面体の一の面が鉛直方向の上側の面に位置した状態で、前記一の面の頂点に配置されている前記回転翼モジュールのみを動作させて移動及び姿勢維持を行う、
移動体の飛行方法。
【請求項11】
請求項10に記載の移動体の飛行方法であって、
前記移動体の姿勢が変化して前記一の面が前記上側の面に位置しなくなった状態で、前記第1多面体の各頂点に位置する前記回転翼モジュールを動作させて、前記一の面又は前記一の面とは異なる他の面が前記上側の面に位置するように前記移動体の姿勢を変化させる、
移動体の飛行方法。
【請求項12】
請求項1又は2に記載の移動体の飛行方法であって、
前記第1多面体の一の頂点に位置する前記回転翼モジュールが鉛直上方向に位置し、反対側の他の頂点に位置する前記回転翼モジュールが鉛直下方向に位置した状態で、2つの前記回転翼の回転方向が互いに反対となるように2つの前記回転翼モジュールのみを動作させて移動及び姿勢維持を行う、
移動体の飛行方法。
【請求項13】
請求項12に記載の移動体の飛行方法であって、
前記移動体の姿勢が変化して互いに対向する前記一の頂点及び前記他の頂点の位置がずれた状態で、前記第1多面体の各頂点に位置する前記回転翼モジュールを動作させて、互いに対向する2つの頂点について同一の組又は異なる組が鉛直上下方向にそれぞれ位置するように姿勢を変化させる、
移動体の飛行方法。
【請求項14】
請求項5に記載の移動体の飛行方法であって、
前記ケージが前記第2多面体の形状に従い回転する一方で、前記本体部が水平に姿勢を維持する、
移動体の飛行方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動体及び移動体の飛行方法に関する。本出願は、2022年5月30日に日本国に特許出願された特願2022-088054号の優先権を主張するものであり、当該出願の開示全体を、ここに参照のために取り込む。
【背景技術】
【0002】
従来、ドローンなどを含む移動体に関する技術が広く普及している。例えば、特許文献1には、回転球体フレーム付き無人航空機の振動防止と衝撃緩衝とを両立する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
移動体の活用分野が広がる中で、将来的には移動体に対する自動運転化を行うことも望まれている。このとき、移動体が風などの外的要因に依存せずに安定して移動できることは、一つの重要な要件である。
【0005】
本開示は、風などの外的要因に依存せずに安定して移動できる移動体及び移動体の飛行方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、
(1)
第1多面体として形成されている本体部と、
前記第1多面体の各頂点に位置して前記本体部に取り付けられ、回転翼及び前記回転翼を駆動する駆動部を含む回転翼モジュールと、
を備え、
前記回転翼は、前記本体部の外側に位置し、前記本体部の内側に位置する基準点と前記第1多面体の頂点とを結ぶ直線を回転軸とする、
移動体、
である。
【0007】
(2)
上記(1)に記載の移動体では、
前記基準点は、前記本体部の重心であってもよい。
【0008】
(3)
上記(1)又は(2)に記載の移動体では、
前記基準点は、前記第1多面体の幾何中心であってもよい。
【0009】
(4)
上記(1)乃至(3)のいずれか1つに記載の移動体では、
前記第1多面体は、正六面体であってもよい。
【0010】
(5)
上記(1)乃至(4)のいずれか1つに記載の移動体は、
前記本体部に取り付けられ、前記本体部及び前記回転翼モジュールを外側から囲むように前記移動体の外形を形成するケージをさらに備え、
前記ケージは、第2多面体として形成されていてもよい。
【0011】
(6)
上記(5)に記載の移動体では、
前記ケージは、前記本体部に対して固定されていてもよい。
【0012】
(7)
上記(5)又は(6)に記載の移動体では、
前記第2多面体は、格子ドームであってもよい。
【0013】
(8)
上記(7)に記載の移動体では、
前記格子ドームは、フラードームであってもよい。
【0014】
(9)
上記(1)乃至(8)のいずれか1つに記載の移動体では、
前記移動体は、飛行用のドローンであってもよい。
【0015】
本開示は、
(10)
上記(1)乃至(9)のいずれか1つに記載の移動体の飛行方法であって、
前記第1多面体の一の面が鉛直方向の上側の面に位置した状態で、前記一の面の頂点に配置されている前記回転翼モジュールのみを動作させて移動及び姿勢維持を行う、
移動体の飛行方法、
である。
【0016】
(11)
上記(10)に記載の移動体の飛行方法では、
前記移動体の姿勢が変化して前記一の面が前記上側の面に位置しなくなった状態で、前記第1多面体の各頂点に位置する前記回転翼モジュールを動作させて、前記一の面又は前記一の面とは異なる他の面が前記上側の面に位置するように前記移動体の姿勢を変化させてもよい。
【0017】
本開示は、
(12)
上記(1)乃至(11)のいずれか1つに記載の移動体の飛行方法であって、
前記第1多面体の一の頂点に位置する前記回転翼モジュールが鉛直上方向に位置し、反対側の他の頂点に位置する前記回転翼モジュールが鉛直下方向に位置した状態で、2つの前記回転翼の回転方向が互いに反対となるように2つの前記回転翼モジュールのみを動作させて移動及び姿勢維持を行う、
移動体の飛行方法、
である。
【0018】
(13)
上記(12)に記載の移動体の飛行方法では、
前記移動体の姿勢が変化して互いに対向する前記一の頂点及び前記他の頂点の位置がずれた状態で、前記第1多面体の各頂点に位置する前記回転翼モジュールを動作させて、互いに対向する2つの頂点について同一の組又は異なる組が鉛直上下方向にそれぞれ位置するように姿勢を変化させてもよい。
【0019】
本開示は、
(14)
上記(5)乃至(8)のいずれか1つに記載の移動体の飛行方法であって、
前記ケージが前記第2多面体の形状に従い回転する一方で、前記本体部が水平に姿勢を維持する、
移動体の飛行方法、
である。
【発明の効果】
【0020】
本開示によれば、風などの外的要因に依存せずに安定して移動できる移動体及び移動体の飛行方法を提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本開示の一実施形態に係る移動体の構成を示す模式図である。
【
図2】
図1の移動体の構成の一部を示す模式図である。
【
図3】
図2における正六面体の側面側を示した側面図である。
【
図4】
図1の移動体の構成の他の一部を示す模式図である。
【
図5】
図4のV-V矢線に沿う断面を示す模式図である。
【
図6】
図1の移動体の構成を示す機能ブロック図である。
【
図7】本開示の変形例に係る移動体の構成の一部を示す模式図である。
【
図8A】第1変形例に係るケージの構成の一部を示す模式図である。
【
図8B】第2変形例に係るケージの構成の一部を示す模式図である。
【
図8C】第3変形例に係るケージの構成の一部を示す模式図である。
【
図8D】第4変形例に係るケージの構成の一部を示す模式図である。
【
図8E】第5変形例に係るケージの構成の一部を示す模式図である。
【
図8F】第6変形例に係るケージの構成の一部を示す模式図である。
【
図8G】第7変形例に係るケージの構成の一部を示す模式図である。
【
図8H】第8変形例に係るケージの構成の一部を示す模式図である。
【
図8I】第9変形例に係るケージの構成の一部を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、添付図面を参照しながら本開示の一実施形態について主に説明する。
【0023】
図1は、本開示の一実施形態に係る移動体1の構成を示す模式図である。
図1を参照しながら、一実施形態に係る移動体1の構成について主に説明する。
【0024】
本開示の一実施形態に係る移動体1は、任意の飛行体などを含む。移動体1は、例えば、飛行用のドローン及びマルチコプタなどの飛行体を含む。移動体1は、屋外及び屋内の少なくとも一方を移動する。
【0025】
移動体1は、移動ルート、移動姿勢、及び移動速度などを含む移動に関する動作を制御するために無線通信を利用する。移動体1は、人間が搭乗して当該人間による操作を受けるのではなく、無線通信を介して任意の制御装置と協働することによって無人のままでも移動可能である。移動体1は、人間が搭乗した状態であっても当該人間による操作を受けることなく、無線通信を介して任意の制御装置と協働することによって移動可能である。本開示において、「制御装置」は、例えば人間が移動体1の移動に関する動作を制御するために操作するコントローラ及び無線通信を介したネットワーク上で移動体1と通信可能に接続されているサーバなどを含む。
【0026】
移動体1は、このような制御装置に依存せずに、自動運転化に伴い自律的に移動することも可能である。例えば、移動体1は、超音波センサなどで移動先に存在する障害物などの物体を識別したり、移動体1から当該物体までの距離を計測したりして自律的に移動してもよい。例えば、移動体1は、加速度センサ及びジャイロスコープなどを備えた計測ユニットと組み合わせて、目的とする対象物又は対象位置の周囲を自律的に旋回してもよい。
【0027】
以上のようなセンサ装置に加えて、移動体1は、撮像装置などを含む任意のセンサ装置をさらに有してもよく、当該センサ装置を利用して任意のデータ及び情報などを取得してもよい。例えば、移動体1は、狭隘空間を飛行しながら、当該狭隘空間を構成する床、壁、及び天井などに含まれる検査対象部を当該撮像装置により撮像し、撮像した画像を、無線通信を介して点検用途として任意の外部装置にデータとして出力してもよい。
【0028】
移動体1は、主な構成要素として、本体部10と、回転翼モジュール20と、ケージ30と、を有する。
【0029】
回転翼モジュール20は、回転翼21及び回転翼21を駆動する駆動部22を含む。回転翼モジュール20は、任意の取付構造に基づいて本体部10に取り付けられている。移動体1は、回転翼モジュール20が動作することで移動可能である。
【0030】
ケージ30は、任意の取付構造に基づいて本体部10に取り付けられている。ケージ30は、本体部10及び回転翼モジュール20を外側から囲むように移動体1の外形を形成する。ケージ30は、本体部10に対して固定されている。本体部10は、移動体1の回転に伴ってケージ30が回転したときに、ケージ30の回転に追従して回転する。逆に、本体部10は、ケージ30が一定の姿勢を保っていればケージ30の当該姿勢に応じた姿勢で維持される。本体部10の姿勢は、ケージ30の姿勢と一対一で対応する。
【0031】
図2は、
図1の移動体1の構成の一部を示す模式図である。
図2では、移動体1におけるケージ30の図示を省略し、本体部10及び回転翼モジュール20のみを示している。
【0032】
本体部10は、第1多面体として形成されている。第1多面体は、正六面体である。本体部10は、その外形が正六面体となるように形成されている。より具体的には、本体部10は、
図2において正六面体の上面を構成する4つのフレームF11、F12、F13、及びF14を有する。本体部10は、
図2において正六面体の4つの側面に位置する4つのフレームF21、F22、F23、及びF24を有する。本体部10は、
図2において正六面体の下面を構成する4つのフレームF31、F32、F33、及びF34を有する。本体部10は、これら12個のフレームによって形作られる正六面体の外形を有する。
【0033】
本体部10は、
図2において正六面体の上面側に位置する4つの頂点を有する。より具体的には、本体部10は、第1頂点P1、第2頂点P2、第3頂点P3、及び第4頂点P4を有する。第1頂点P1は、フレームF11、F14、及びF21の交差部に位置する。第2頂点P2は、フレームF12、F11、及びF22の交差部に位置する。第3頂点P3は、フレームF13、F12、及びF23の交差部に位置する。第4頂点P4は、フレームF14、F13、及びF24の交差部に位置する。
【0034】
本体部10は、
図2において正六面体の下面側に位置する4つの頂点を有する。より具体的には、本体部10は、第5頂点P5、第6頂点P6、第7頂点P7、及び第8頂点P8を有する。第5頂点P5は、フレームF31、F34、及びF21の交差部に位置する。第6頂点P6は、フレームF32、F31、及びF22の交差部に位置する。第7頂点P7は、フレームF33、F32、及びF23の交差部に位置する。第8頂点P8は、フレームF34、F33、及びF24の交差部に位置する。
【0035】
本体部10は、
図2において正六面体の上面側に位置する4つの頂点の各々から本体部10の内部に延出するフレームを有する。より具体的には、本体部10は、第1頂点P1から本体部10の内部に延出するフレームF41を有する。本体部10は、第2頂点P2から本体部10の内部に延出するフレームF42を有する。本体部10は、第3頂点P3から本体部10の内部に延出するフレームF43を有する。本体部10は、第4頂点P4から本体部10の内部に延出するフレームF44を有する。
【0036】
本体部10は、
図2において正六面体の下面側に位置する4つの頂点の各々から本体部10の内部に延出するフレームを有する。より具体的には、本体部10は、第5頂点P5から本体部10の内部に延出するフレームF51を有する。本体部10は、第6頂点P6から本体部10の内部に延出するフレームF52を有する。本体部10は、第7頂点P7から本体部10の内部に延出するフレームF53を有する。本体部10は、第8頂点P8から本体部10の内部に延出するフレームF54を有する。
【0037】
本体部10は、12個のフレームF11、F12、F13、F14、F21、F22、F23、F24、F31、F32、F33、及びF34により形作られた正六面体の内部に位置する収容ボックス11を有する。収容ボックス11は、8つのフレームF41、F42、F43、F44、F51、F52、F53、及びF54の各々において、当該正六面体の対応する頂点と反対側に位置する端部に接続されている。
【0038】
収容ボックス11は、球体又は多面体であってよく、例えば、正六面体として形成されている。本体部10は、外形を構成する第1多面体としての正六面体の中央部に、正六面体としての収容ボックス11を配置して構成されている。収容ボックス11には、移動体1が各種の動作を実行するために必要となる、後述する任意の機能モジュールが内蔵されている。
【0039】
図3は、
図2における正六面体の側面側を示した側面図である。
図3は、
図2における正六面体の複数の側面のうち、フレームF14、F24、F34、及びF21によって構成される側面を正面から見たときの側面図である。
図3は、当該側面側から移動体1を見たときの様子を示しているが、移動体1がデカルト座標系のX軸、Y軸、及びZ軸を含む3軸方向に対して対称的に構成されていることから、他の5つの面の各々から移動体1を見たときの様子も
図3と同一となる。
【0040】
図2及び
図3に示すとおり、回転翼21及び回転翼21を駆動する駆動部22を含む回転翼モジュール20は、第1多面体の各頂点に位置して本体部10に取り付けられている。より具体的には、回転翼モジュール20は、第1頂点P1、第2頂点P2、第3頂点P3、第4頂点P4、第5頂点P5、第6頂点P6、第7頂点P7、及び第8頂点P8の各々において対応する回転軸まわりに回転可能に配置されている。回転翼モジュール20は、対応する回転軸を中心に時計回り及び反時計回りの両方の向きに回転可能である。
【0041】
このとき、回転翼モジュール20に含まれる回転翼21及び駆動部22は、本体部10の外側に位置する。回転翼21及び駆動部22は、12個のフレームF11、F12、F13、F14、F21、F22、F23、F24、F31、F32、F33、及びF34により形作られた正六面体の外部で回転するように配置されている。
【0042】
8つの回転翼モジュール20は、本体部10において互いに対称となるように配置されている。8つの回転翼モジュール20の各々の形状及び大きさは互いに同一である。回転翼モジュール20に含まれる回転翼21の形状及び大きさは、8つの回転翼モジュール20において互いに同一である。回転翼モジュール20に含まれる駆動部22の形状及び大きさは、8つの回転翼モジュール20において互いに同一である。
【0043】
回転翼21及び駆動部22は、本体部10の内側に位置する基準点P0と第1多面体の頂点とを結ぶ直線を回転軸とする。例えば、
図3を参照すると、第1頂点P1に位置する回転翼21及び駆動部22は、基準点P0と第1頂点P1とを結ぶ直線を回転軸とする。第4頂点P4に位置する回転翼21及び駆動部22は、基準点P0と第4頂点P4とを結ぶ直線を回転軸とする。第8頂点P8に位置する回転翼21及び駆動部22は、基準点P0と第8頂点P8とを結ぶ直線を回転軸とする。第5頂点P5に位置する回転翼21及び駆動部22は、基準点P0と第5頂点P5とを結ぶ直線を回転軸とする。他の第2頂点P2、第3頂点P3、第6頂点P6、及び第7頂点P7に位置する回転翼21及び駆動部22についても、同様の説明が当てはまる。
【0044】
本開示において、「基準点P0」は、例えば本体部10の重心である。「重心」とは、対象となる物理的対象の全ての点の重み付き算術平均を表す質量中心を意味する。対象となる物理的対象が均一な密度を有し3軸方向に対称的に形成されているとき、質量中心はその図形の幾何中心に一致する。「幾何中心」とは、その図形に属する全ての点にわたって得られる算術平均の位置を意味する。
【0045】
例えば、移動体1は、3軸方向に対して対称的に構成されている。このとき、収容ボックス11を含む本体部10の密度が所定の箇所に偏っておらず任意の箇所で均一であるとき、基準点P0は、本体部10の幾何中心に一致する。基準点P0は、本体部10を形成している第1多面体の幾何中心でもある。
【0046】
移動体1において、収容ボックス11の幾何中心と第1多面体の幾何中心とは基準点P0において互いに一致する。12個のフレームF11、F12、F13、F14、F21、F22、F23、F24、F31、F32、F33、及びF34により形作られた正六面体としての第1多面体と収容ボックス11とを連結する8つの斜めのフレームF41、F42、F43、F44、F51、F52、F53、及びF54の各々は、対応する回転翼21及び駆動部22の回転軸上に配置されている。
【0047】
例えば、
図3を参照すると、フレームF41は、第1頂点P1に位置する回転翼21及び駆動部22の回転軸上に配置されている。フレームF44は、第4頂点P4に位置する回転翼21及び駆動部22の回転軸上に配置されている。フレームF54は、第8頂点P8に位置する回転翼21及び駆動部22の回転軸上に配置されている。フレームF51は、第5頂点P5に位置する回転翼21及び駆動部22の回転軸上に配置されている。他のフレームF42、F43、F52、及びF53についても、同様の説明が当てはまる。
【0048】
各頂点に位置する回転翼21は、回転軸に対して直交する平面内で回転する。当該平面は、基準点P0を向く。例えば、
図3を参照すると、第1頂点P1に位置する回転翼21は、回転軸に対して、すなわちフレームF41に対して直交する平面内で回転する。第4頂点P4に位置する回転翼21は、回転軸に対して、すなわちフレームF44に対して直交する平面内で回転する。第8頂点P8に位置する回転翼21は、回転軸に対して、すなわちフレームF54に対して直交する平面内で回転する。第5頂点P5に位置する回転翼21は、回転軸に対して、すなわちフレームF51に対して直交する平面内で回転する。他の第2頂点P2、第3頂点P3、第6頂点P6、及び第7頂点P7に位置する回転翼21についても、同様の説明が当てはまる。
【0049】
図4は、
図1の移動体1の構成の他の一部を示す模式図である。
図4では、移動体1における本体部10及び回転翼モジュール20の図示を省略し、ケージ30のみを示している。
図5は、
図4のV-V矢線に沿う断面を示す模式図である。
【0050】
ケージ30は、第2多面体として形成されている。第2多面体は、格子ドームである。より具体的には、格子ドームは、フラードーム(ジオデシックドーム)である。フラードームとして形成されているケージ30の断面は、例えば、正十二角形、乃至正二十面体又は半正多面体の切頂二十面体の外周により囲まれている。ケージ30は、最小構成単位となる三角形を形成するフレームの組が複数接続されることで構成されている。当該フレームの組により挟まれる三角形の面積部分は、実際には空洞である。当該面積部分には、何の構成部も形成されていない。
図4では、簡便な図示を目的としてケージ30の裏側のフレームの図示を省略しているが、実際には正面の各三角形の面積部分を通じて裏側のフレームが視認可能である。
【0051】
第1多面体としての本体部10と第2多面体としてのケージ30とは、任意の取付構造に基づいて互いに接続されている。例えば、ケージ30と本体部10とは、少なくとも1つのアームにより互いに接続されている。少なくとも1つのアームの一端は、例えばフレームF11、F12、F13、F14、F21、F22、F23、F24、F31、F32、F33、及びF34の12個のフレームの少なくとも1つにそれぞれ接続されている。12個のアームの一端が、12個のフレームにそれぞれ接続されている場合、ケージ30と本体部10との間の接続強度が向上する。少なくとも1つのアームの他端は、ケージ30を構成する第2多面体の任意のフレームに接続されている。
【0052】
本体部10とケージ30とは、互いに固定された状態でアームを介して連結されている。このとき、アームは、ケージ30及び本体部10の少なくとも一方に対して着脱可能となるようにケージ30及び本体部10に連結されていてもよい。アームは、例えば螺合、嵌合、及び係合などによりケージ30及び本体部10の少なくとも一方に対し着脱可能となるように構成されてもよい。
【0053】
一方で、アームは、ケージ30及び本体部10の少なくとも一方に対して着脱不可能となるようにケージ30及び本体部10に連結されていてもよい。アームは、例えば一体成形及び接着などによりケージ30及び本体部10の少なくとも一方に対し着脱不可能となるように構成されてもよい。
【0054】
図1にも示すとおり、移動体1において、第1多面体の幾何中心と第2多面体の幾何中心とは基準点P0において互いに一致する。収容ボックス11の重心と幾何中心とは、基準点P0において互いに一致する。収容ボックス11を含む本体部10全体の重心と幾何中心とは、基準点P0において互いに一致する。8つの回転翼モジュール20全体の重心と幾何中心とは、基準点P0において互いに一致する。ケージ30の重心と幾何中心とは、基準点P0において互いに一致する。これにより、本体部10、8つの回転翼モジュール20、及びケージ30により構成される移動体1全体の重心と幾何中心とは、基準点P0において互いに一致する。
【0055】
移動体1は、本体部10、8つの回転翼モジュール20、及びケージ30の各々の構成について、3軸方向に対し対称的に構成されている。移動体1は、本体部10、8つの回転翼モジュール20、及びケージ30を含む全体構成について、3軸方向に対し対称的に構成されている。移動体1は、
図1の状態から、本体部10の4つの側面のうち任意の1つの側面側に90°回転したとしても、
図1と同一の状態に戻る。
【0056】
移動体1は、正六面体として形成されている本体部10の6つの外面のうちの一の外面が鉛直上方向に向いたときに、他の外面が鉛直上方向に向いたときと互いに同一の状態を得る。移動体1は、本体部10の6つの外面のうちの一の外面が鉛直上方向に向いたときに、上面側に位置する4つの回転翼モジュール20の組み合わせが、他の外面が鉛直上方向に向いたときと互いに同一の形状、大きさ、配置、及び向きとなるように対称的に構成されている。
【0057】
第1多面体を構成する各フレーム及び第2多面体を構成する格子ドームの各フレームは、衝撃吸収性を高めつつ、過変形を抑制し格子ドームが回転翼モジュール20に接触することを抑制する観点から、素材の曲げ弾性率が5.0GPa以上であることが好ましく、8.0GPa以上であることがより好ましく、そして、250.0GPa以下であることが好ましく、60.0GPa以下であることがより好ましく、20.0GPa以下の範囲であることがさらに好ましい。同様の観点から、該素材の曲げ強度が、50.0MPa以上であることが好ましく、100.0MPa以上であることがより好ましく、250.0MPa以上であることがさらに好ましく、そして、30.0GPa以下であることが好ましい。当該曲げ弾性率及び曲げ強度は、ISO178に規定される曲げ強度に基づく。
【0058】
当該曲げ弾性率及び曲げ強度の少なくとも一方を得るために、上記の素材として、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、メタクリル酸メチル樹脂、ナイロン樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンスルファイド樹脂などの熱可塑性樹脂の1又は2以上や、これらの熱可塑性樹脂と、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、シリコーン系エラストマー、アクリレート系エラストマー、ウレタン系エラストマーなどの熱可塑性エラストマーなどの添加剤と、を含む熱可塑性樹脂組成物や、これらの熱可塑性樹脂と、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの硬化性樹脂と、を含む硬化性樹脂組成物や、それらを繊維材料で強化した繊維強化材料、といった樹脂材料が用いられてもよい。当該繊維材料としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などの1又は2以上を用いることができる。これら樹脂材料を素材として特定の形状に成形して各フレームに用いることができる。
【0059】
上記の素材として、上記の樹脂材料に限定されず、例えば、純チタン、チタン合金、鋼、アルミニウム合金、マグネシウム合金や、マレージング鋼、ステンレス鋼及び軟鉄などの鋼といった金属材料が用いられてもよい。これら金属材料を素材として特定の形状に成形して各フレームに用いることができるが、軽量かつ高強度を各フレームに対しさらに持たせるために各フレームが中空構造、ハニカム構造などを有してもよい。
【0060】
第2多面体による衝撃吸収性を高める観点から、格子ドームを構成する各フレームは、上記の樹脂材料を素材として用いることが好ましい。同様の観点から、第1多面体を構成する各フレームは、上記の樹脂材料を素材として用いることもできるが、過変形を抑制する観点から、格子ドームを構成する各フレームの素材よりも高い曲げ弾性率又は高い曲げ強度を有してもよく、その場合には、上記の金属材料を用いることもできる。
【0061】
図6は、
図1の移動体1の構成を示す機能ブロック図である。移動体1は、回転翼21及び駆動部22を含む回転翼モジュール20に加えて、第1制御部2aと、第2制御部2bと、通信部3と、取得部4と、記憶部5と、を有する。移動体1では、回転翼モジュール20が本体部10の外側に配置されている一方で、第1制御部2a、第2制御部2b、通信部3、取得部4、及び記憶部5は、収容ボックス11の内部に収容されている。
【0062】
回転翼21は、所定の方向に回転することで移動体1に推進力を与える翼を含む。回転翼21は、例えばプロペラ及びロータなどを含む。回転翼21は、上述の対応する回転軸まわりに所定の回転数で回転する。本開示において、「所定の回転数」は、例えば回転翼モジュール20の性能として出力可能な最高値からゼロまでの範囲内に含まれる任意の値をとり得る。8つの回転翼21は、互いに同一の回転方向及び回転数で回転することも可能であるし、回転方向及び回転数の少なくとも一方が互いに異なるように回転することも可能である。
【0063】
駆動部22は、回転翼21を駆動する機構を含む。駆動部22は、例えばモータなどを含む。駆動部22は、第1制御部2aから出力される制御信号に基づいて、駆動部22に取り付けられている回転翼21を回転させる。駆動部22は、上述の対応する回転軸まわりに所定の回転数で回転翼21を回転させる。8つの駆動部22は、互いに同一の回転方向及び回転数で8つの回転翼21をそれぞれ回転させることも可能であるし、回転方向及び回転数の少なくとも一方が互いに異なるように8つの回転翼21をそれぞれ回転させることも可能である。
【0064】
第1制御部2aは、1つ以上のプロセッサを含む。本開示において、「プロセッサ」は、例えば汎用のプロセッサ及び特定の処理に特化した専用のプロセッサなどを含む。第1制御部2aは、例えば飛行用のドローンにおけるESC(Electric Speed Controller)などのモータ出力制御モジュールとして機能する。第1制御部2aは、第2制御部2b及び駆動部22と通信可能に接続されている。第1制御部2aは、第2制御部2bから出力される第1制御情報に基づいて駆動部22に制御信号を出力し、駆動部22の動作を制御する。第1制御部2aは、8つの回転翼モジュール20の各々に対して1つずつ配置されている。
【0065】
通信部3は、移動体1と制御装置との間での通信を可能にする通信モジュールを含む。通信部3は、アンテナを含む。通信部3は、アンテナを用いた無線通信において、制御装置から信号波を受信する。本開示において、「信号波」は、例えば電波、可視光、赤外線、及び紫外線などを含む。通信部3は、移動体1の移動ルート、移動姿勢、及び移動速度などを含む移動に関する動作を移動体1が制御するための第2制御情報を無線通信により制御装置から受信する。その他にも、通信部3は、移動体1の動作に用いられる任意の情報も受信可能に構成される。
【0066】
取得部4は、任意の衛星測位システムに対応する1つ以上の受信機を含む。例えば、取得部4は、GPS(Global Positioning System)受信機を含む。取得部4は、移動体1の位置の測定値を位置情報として取得する。位置情報は、住所、緯度、経度、及び高度などを含む。取得部4は、移動体1の位置情報を常時取得してもよいし、定期的又は非定期的に取得してもよい。
【0067】
その他にも、取得部4は、カメラなどの撮像装置をセンサ装置として1つ以上含んでもよい。取得部4は、このような撮像装置を利用して任意の画像データなどを取得してもよい。取得部4は、任意の他のセンサ装置をさらに有してもよい。取得部4は、当該センサ装置を利用して任意のデータ及び情報などを取得してもよい。例えば、取得部4は、空気流の情報を取得可能な任意のセンサをさらに含んでもよい。当該センサは、例えば風速センサ及び風向きセンサなどを含む。取得部4は、当該センサに基づいて空気流の情報を取得してもよい。
【0068】
記憶部5は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリなどであるが、これらに限定されない。記憶部5は、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部5は、移動体1の動作に用いられる任意の情報を記憶する。記憶部5は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信部3により受信又は送信される各種情報などを記憶する。記憶部5に記憶された情報は、通信部3を介して無線通信により受信される情報で更新可能である。
【0069】
以上のような一実施形態に係る移動体1によれば、風及び障害物への衝突などの外的要因に依存せずに安定して移動できる。移動体1では、回転翼21は、本体部10の内側に位置する基準点P0と第1多面体の頂点とを結ぶ直線を回転軸とする。これにより、移動体1は、第1多面体として形成されている本体部10の姿勢が変化したとしても、第1多面体の一の面が鉛直上方向に向いたときに、他の面が鉛直上方向に向いたときと互いに類似する状態を得ることが可能である。移動体1は、第1多面体の一の面が鉛直上方向に向いたときに、上面側に位置する一の面の頂点の数と同一数の回転翼モジュール20の組み合わせが、他の面が鉛直上方向に向いたときと互いに類似する配置及び向きとなるように構成可能である。
【0070】
例えば、風及び障害物への衝突などの外的要因によって移動体1が回転してその姿勢を変化させ、移動体1の上面が第1多面体の一の面から他の面へと変化したときを考える。このような場合であっても、移動体1は、第1多面体の一の面と他の面との間で、互いに類似する数、配置、及び向きを有する回転翼モジュール20の組み合わせにより同様の推進力で移動を継続可能である。したがって、移動体1は、回転などによりその姿勢を大きく変化させたとしても、例えば従来のドローンなどと異なり、飛行中の落下を抑制可能である。移動体1は、その姿勢が乱れたとしても安定して飛行を継続可能であり、耐突風性に優れる。
【0071】
移動体1は、第1多面体の回転対称性に応じた回転角度で回転したとしても同様の状態を得ることができる。例えば、移動体1は、第1多面体が回転対称性についてn回対称となるとき、第1多面体の一の面が上面となっている状態から360/n°の角度で回転すると他の面を上面とすることができる。移動体1は、360/n°の角度で互いに交差する複数の軸の方向に対して対称的に構成可能である。
【0072】
移動体1は、基準点P0が本体部10の重心であることで、安定した移動に関する上述した効果をより顕著に奏する。より具体的には、移動体1は、第1多面体の一の面が上面となったときに当該一の面の複数の頂点に配置されている複数の回転翼21の各々が重心を向くように構成可能である。これにより、移動体1は、例えば当該一の面を上面としたときの飛行において、本体部10の重心に合わせて対応する複数の回転翼モジュール20を動作させることが可能となり、その姿勢をより安定に維持できる。
【0073】
移動体1は、基準点P0が本体部10の重心であり、かつ本体部10を形成する第1多面体の幾何中心でもあることで、その対称性を向上させることができる。より具体的には、移動体1は、各回転翼モジュール20が互いに同一の形状及び大きさを有するのであれば、第1多面体として形成されている本体部10の姿勢が変化したとしても、第1多面体の一の面が鉛直上方向に向いたときに、他の面が鉛直上方向に向いたときと互いにより類似する状態を得ることが可能である。移動体1は、第1多面体の一の面が鉛直上方向に向いたときに、上面側に位置する一の面の頂点の数と同一数の回転翼モジュール20の組み合わせが、他の面が鉛直上方向に向いたときと互いにより類似する配置及び向きとなるように構成可能である。
【0074】
例えば、風及び障害物への衝突などの外的要因によって移動体1が回転してその姿勢を変化させ、移動体1の上面が第1多面体の一の面から他の面へと変化したときを考える。このような場合であっても、移動体1は、第1多面体の一の面と他の面との間で、互いにより類似する数、配置、及び向きを有する回転翼モジュール20の組み合わせにより同様の推進力で移動を継続可能である。したがって、移動体1は、回転などによりその姿勢を大きく変化させたとしても、例えば従来のドローンなどと異なり、飛行中の落下をさらに抑制可能である。移動体1は、その姿勢が乱れたとしてもより安定して飛行を継続可能であり、耐突風性にさらに優れる。
【0075】
移動体1は、本体部10の重心と第1多面体の幾何中心とが互いに異なっているときであって、基準点P0が第1多面体の幾何中心である場合であっても、幾何中心からの重心のずれに合わせて各回転翼モジュール20の回転数などを調整することで、上記と同様に安定して移動可能である。
【0076】
移動体1は、第1多面体が正六面体であることで、その対称性をさらに向上させることができる。より具体的には、移動体1は、各回転翼モジュール20が互いに同一の形状及び大きさを有し、基準点P0が第1多面体の幾何中心に一致するのであれば、第1多面体として形成されている本体部10の姿勢が変化したとしても、第1多面体の一の面が鉛直上方向に向いたときに、他の面が鉛直上方向に向いたときと互いに同一の状態を得ることが可能である。移動体1は、第1多面体の一の面が鉛直上方向に向いたときに、4つの回転翼モジュール20の組み合わせが、他の面が鉛直上方向に向いたときと互いに同一の配置及び向きとなるように構成可能である。
【0077】
例えば、風及び障害物への衝突などの外的要因によって移動体1が回転してその姿勢を変化させ、移動体1の上面が第1多面体の一の面から他の面へと変化したときを考える。このような場合であっても、移動体1は、第1多面体の一の面と他の面との間で、互いに同一の数、配置、及び向きを有する回転翼モジュール20の組み合わせにより同一の推進力で移動を継続可能である。したがって、移動体1は、回転などによりその姿勢を大きく変化させたとしても、例えば従来のドローンなどと異なり、飛行中の落下をさらに抑制可能である。移動体1は、その姿勢が乱れたとしてもより安定して飛行を継続可能であり、耐突風性にさらに優れる。
【0078】
このとき、移動体1は、第1多面体が回転対称性について4回対称となるので、第1多面体の一の面が上面となっている状態から90°の角度で回転すると他の面を上面とすることができる。移動体1は、90°の角度で互いに交差するX軸、Y軸、及びZ軸の3軸の方向に対して対称的に構成可能である。移動体1は、このような3軸全ての方向に対して極めて俊敏かつ精密に飛行可能である。移動体1は、前後左右上下の向きとは無関係に安定して移動可能である。
【0079】
移動体1は、第1多面体の一の面が鉛直方向の上側の面に位置した状態で、当該一の面の頂点に配置されている回転翼モジュール20のみを動作させて移動及び姿勢維持を行う。例えば、移動体1は、正六面体の一の面が上面に位置した状態で、当該一の面の4つの頂点にそれぞれ配置されている4つの回転翼モジュール20のみを動作させることで移動及びホバリングを行うことも可能である。移動体1は、下面側に配置されている残りの4つの回転翼モジュール20を動作させなくても移動可能である。これにより、移動体1は、このような安定した姿勢を維持するときにも8つの全ての回転翼モジュール20を動作させるような場合と比較して、移動に伴い消費されるエネルギーを低減可能である。移動体1は、移動にあたり省エネルギー化を実現可能である。
【0080】
このように、移動体1は、移動及び姿勢維持を行うために上面の各頂点に位置する回転翼モジュール20を動作させる。一方で、移動体1は、その姿勢が変化して一の面が上面に位置しなくなった状態で、第1多面体の各頂点に位置する回転翼モジュール20を動作させて、一の面又は一の面とは異なる他の面が上面に位置するように姿勢を変化させる。例えば、移動体1は、正六面体の8つの頂点にそれぞれ配置されている8つの回転翼モジュール20を動作させることで姿勢を変化させることも可能である。したがって、移動体1は、移動及び姿勢維持を行うための安定姿勢からその姿勢が変化したとしても、同様の安定姿勢に容易に復帰することができ、風及び障害物への衝突などの外的要因に依存せずに安定して移動できる。
【0081】
移動体1は、ホバリングを行っている場合であって、回転翼21の回転により生じる反作用で静止せずに所望しない回転を引き起こすとき、様々な方法で当該回転を抑制可能である。当該方法は、タンデム式、同軸反転式、及び交差反転式などの回転翼21を用いる方法、並びに回転翼21で発生する気流を固定翼又は可変翼で調整する方法などを含む。
【0082】
移動体1は、その外形を形成するケージ30が第2多面体として形成されていることで、仮に障害物に接触したとしても第2多面体の形状に従って積極的に回転し移動を継続可能である。より具体的には、移動体1が障害物に衝突するときに障害物に最初に接触する構成部はケージ30である。したがって、移動体1は、ケージ30を形成している第2多面体の形状に合わせて障害物に対し回転することで、障害物に衝突したとしても移動を継続可能である。このとき、ケージ30が本体部10に対して固定されていることから、本体部10は、ケージ30の回転と連動して同様に回転する。
【0083】
移動体1は、第2多面体が格子ドームであることで、ケージ30の対称性を向上させて障害物と接触したときの第2多面体の形状に従った積極的な回転をより容易に実現可能である。したがって、移動体1は、障害物に衝突したとしても移動をより容易に継続可能である。これにより、移動体1は、例えば狭隘空間での点検用途で利用される場合であっても、検査対象部を撮像するために当該検査対象部に近接し接触しても問題なく移動を継続できる。例えば、移動体1は、飛行により当該検査対象部に近接して接触したとしても、ケージ30により積極的に回転可能であるので、墜落する可能性を低減できる。
【0084】
移動体1は、ケージ30の対称性を向上させて移動時の空気抵抗を低減可能である。これにより、移動体1は、風及び障害物への衝突などの外的要因に依存せずに安定して移動できる。加えて、移動体1は、障害物と接触したときなどに生じる外部からの衝撃を低減可能である。さらに、移動体1は、対称的な構造でケージ30を軽量化することも可能である。したがって、移動体1は、その重量に応じて移動に伴い消費されるエネルギーを低減可能である。移動体1は、移動にあたり省エネルギー化を実現可能である。
【0085】
移動体1は、第2多面体を構成する格子ドームがフラードームであることで、ケージ30の対称性に起因する以上の全ての効果をより顕著に奏する。
【0086】
移動体1は、ケージ30が本体部10に対して固定されていることで、ケージ30に対する本体部10の姿勢のふらつきを抑制可能である。仮に、本体部10を水平に維持するためにケージ30と本体部10とがジンバル構造で互いに取り付けられているとき、ケージ30の回転に対して本体部10は水平を維持しようとする。しかしながら、そのために本体部10の姿勢は大きくふらつくことになる。移動体1は、このようなジンバル構造とは異なる取付構造を有することで、このような本体部10の姿勢のふらつきを十分に抑制可能である。
【0087】
本開示は、その精神又はその本質的な特徴から離れることなく、上述した実施形態以外の他の所定の形態で実現できることは当業者にとって明白である。したがって、先の記述は例示的であり、これに限定されない。開示の範囲は、先の記述によってではなく、付加した請求項によって定義される。あらゆる変更のうちその均等の範囲内にあるいくつかの変更は、その中に包含されるとする。
【0088】
例えば、上述した各構成部の形状、大きさ、配置、向き、及び個数などは、上記の説明及び図面における図示の内容に限定されない。各構成部の形状、大きさ、配置、向き、及び個数などは、その機能を実現できるのであれば、任意に構成されてもよい。
【0089】
上記実施形態では、回転翼モジュール20に含まれる回転翼21の形状及び大きさは、8つの回転翼モジュール20において互いに同一であると説明したが、これに限定されない。回転翼21の形状及び大きさの少なくとも一方は、8つの回転翼モジュール20において互いに異なっていてもよい。回転翼モジュール20に含まれる駆動部22の形状及び大きさは、8つの回転翼モジュール20において互いに同一であると説明したが、これに限定されない。駆動部22の形状及び大きさの少なくとも一方は、8つの回転翼モジュール20において互いに異なっていてもよい。
【0090】
上記実施形態では、基準点P0は、本体部10の重心であり、かつ第1多面体の幾何中心でもあると説明したが、これに限定されない。基準点P0は、本体部10の重心及び第1多面体の幾何中心のいずれとも一致しない、本体部10の内側に位置する任意の他の点であってもよい。
【0091】
上記実施形態では、本体部10の重心と第1多面体の幾何中心とが互いに一致すると説明したが、これに限定されない。本体部10の重心と第1多面体の幾何中心とは、互いに異なっていてもよい。基準点P0は、本体部10の重心及び第1多面体の幾何中心のいずれかであってもよいし、いずれとも一致しない、本体部10の内側に位置する任意の他の点であってもよい。
【0092】
上記実施形態では、移動体1において、収容ボックス11の幾何中心と第1多面体の幾何中心とは基準点P0において互いに一致すると説明したが、これに限定されない。収容ボックス11の幾何中心と第1多面体の幾何中心とは互いに異なっていてもよい。基準点P0は、収容ボックス11の幾何中心及び第1多面体の幾何中心のいずれかであってもよいし、いずれとも一致しない、本体部10の内側に位置する任意の他の点であってもよい。
【0093】
上記実施形態では、移動体1において、第1多面体の幾何中心と第2多面体の幾何中心とは基準点P0において互いに一致すると説明したが、これに限定されない。第1多面体の幾何中心と第2多面体の幾何中心とは互いに異なっていてもよい。基準点P0は、第1多面体の幾何中心及び第2多面体の幾何中心のいずれかであってもよいし、いずれとも一致しない、本体部10の内側に位置する任意の他の点であってもよい。
【0094】
上記実施形態では、収容ボックス11の重心と幾何中心とは、基準点P0において互いに一致すると説明したが、これに限定されない。収容ボックス11の重心と幾何中心とは互いに異なっていてもよい。基準点P0は、収容ボックス11の重心及び幾何中心のいずれかであってもよいし、いずれとも一致しない、本体部10の内側に位置する任意の他の点であってもよい。
【0095】
上記実施形態では、収容ボックス11を含む本体部10全体の重心と幾何中心とは、基準点P0において互いに一致すると説明したが、これに限定されない。本体部10全体の重心と幾何中心とは互いに異なっていてもよい。基準点P0は、本体部10全体の重心及び幾何中心のいずれかであってもよいし、いずれとも一致しない、本体部10の内側に位置する任意の他の点であってもよい。
【0096】
上記実施形態では、8つの回転翼モジュール20全体の重心と幾何中心とは、基準点P0において互いに一致すると説明したが、これに限定されない。8つの回転翼モジュール20全体の重心と幾何中心とは互いに異なっていてもよい。基準点P0は、8つの回転翼モジュール20全体の重心及び幾何中心のいずれかであってもよいし、いずれとも一致しない、本体部10の内側に位置する任意の他の点であってもよい。
【0097】
上記実施形態では、ケージ30の重心と幾何中心とは、基準点P0において互いに一致すると説明したが、これに限定されない。ケージ30の重心と幾何中心とは互いに異なっていてもよい。基準点P0は、ケージ30の重心及び幾何中心のいずれかであってもよいし、いずれとも一致しない、本体部10の内側に位置する任意の他の点であってもよい。
【0098】
上記実施形態では、本体部10、8つの回転翼モジュール20、及びケージ30により構成される移動体1全体の重心と幾何中心とは、基準点P0において互いに一致すると説明したが、これに限定されない。移動体1全体の重心と幾何中心とは互いに異なっていてもよい。基準点P0は、移動体1全体の重心及び幾何中心のいずれかであってもよいし、いずれとも一致しない、本体部10の内側に位置する任意の他の点であってもよい。
【0099】
上記実施形態では、第1多面体は、正六面体であると説明したが、これに限定されない。第1多面体は、4つ以上の平面に囲まれた任意の立体であってもよい。第1多面体が正六面体であるときに、移動体1がデカルト座標系のX軸、Y軸、及びZ軸を含む3軸方向に対して対称的に構成されていると説明したが、これに限定されない。移動体1は、第1多面体が回転対称性についてn回対称となるとき、360/n°の角度で互いに交差する複数の軸の方向に対して対称的に構成されていてもよい。
【0100】
図7は、本開示の変形例に係る移動体1の構成の一部を示す模式図である。
図7では
図2と同様に、移動体1におけるケージ30の図示を省略し、本体部10及び回転翼モジュール20のみを示している。
【0101】
第1多面体は、4つの平面に囲まれた四面体としての立体であってもよい。例えば、第1多面体は、正四面体であってもよい。第1多面体として形成されている本体部10は、その外形が正四面体となるように形成されていてもよい。
【0102】
本体部10は、6個のフレームにより形作られた正四面体の内部に位置する収容ボックス11を有してもよい。収容ボックス11は、4つのフレームの各々において、当該正四面体の対応する頂点と反対側に位置する端部に接続されていてもよい。収容ボックス11は、球体又は多面体であってよく、例えば、正四面体として形成されていてもよい。本体部10は、外形を構成する第1多面体としての正四面体の内部に、正四面体としての収容ボックス11を配置して構成されていてもよい。
【0103】
回転翼21及び駆動部22を含む回転翼モジュール20は、本体部10の内側に位置する基準点P0と第1多面体の頂点とを結ぶ直線を回転軸としてもよい。
図7において、基準点P0は、例えば第1多面体の1つの面における幾何中心であってもよい。
【0104】
以上のように、第1多面体が四面体として構成されることで、移動体1の軽量化が容易となる。したがって、移動体1は、その重量に応じて移動に伴い消費されるエネルギーを低減可能である。移動体1は、移動にあたり省エネルギー化を実現可能である。
【0105】
上記実施形態では、移動体1は、本体部10及び回転翼モジュール20を外側から囲むように移動体1の外形を形成するケージ30を有すると説明したが、これに限定されない。移動体1は、ケージ30を有さなくてもよい。
【0106】
上記実施形態では、ケージ30を形成している第2多面体は、格子ドームであると説明したが、これに限定されない。第2多面体は、4つ以上の平面に囲まれた任意の立体であってもよい。
【0107】
図8Aは、第1変形例に係るケージ30の構成の一部を示す模式図である。
図8Bは、第2変形例に係るケージ30の構成の一部を示す模式図である。
図8Cは、第3変形例に係るケージ30の構成の一部を示す模式図である。
図8Dは、第4変形例に係るケージ30の構成の一部を示す模式図である。
図8Eは、第5変形例に係るケージ30の構成の一部を示す模式図である。
図8Fは、第6変形例に係るケージ30の構成の一部を示す模式図である。
図8Gは、第7変形例に係るケージ30の構成の一部を示す模式図である。
図8Hは、第8変形例に係るケージ30の構成の一部を示す模式図である。
図8Iは、第9変形例に係るケージ30の構成の一部を示す模式図である。
【0108】
上記実施形態では、格子ドームは、フラードームであると説明したが、これに限定されない。格子ドームは、
図8A乃至
図8Iのいずれかに示すような形状を有するドームであってもよいし、それ以外の任意の他の形状を有するドームであってもよい。
【0109】
上記実施形態では、ケージ30は、本体部10に対して固定されていると説明したが、これに限定されない。ケージ30は、本体部10に対して回動可能となるようにジンバル構造などの任意の回動構造により取り付けられていてもよい。これにより、移動体1は、ケージ30が回転したとしても本体部10を水平に維持可能である。例えば、移動体1は、ケージ30が障害物に接触して第2多面体の形状に従い積極的に回転する場合であっても、本体部10がケージ30の回転に連動することなく水平に姿勢を維持することも可能にする。このような場合であっても、アームによるケージ30と本体部10との連結に関する上記実施形態での説明は、同様に当てはまる。
【0110】
上記実施形態では、第1制御部2aは、収容ボックス11の内部に収容されていると説明したが、これに限定されない。第1制御部2aは、収容ボックス11の外部に配置されていてもよい。例えば、第1制御部2aは、8つの回転翼モジュール20の各々に含めて、回転翼21及び駆動部22と一体になるよう配置されていてもよい。
【0111】
上記実施形態では、移動体1は、正六面体の一の面が上面に位置するときに、当該一の面の4つの頂点にそれぞれ配置されている4つの回転翼モジュール20のみを動作させることで移動可能であると説明したが、これに限定されない。移動体1は、例えば
図2において、正六面体における最長の対角線上に位置する一対の回転翼モジュール20のみを動作させることで移動可能であってもよい。
【0112】
例えば、移動体1は、
図2における第3頂点P3と第5頂点P5とを結ぶ対角線が鉛直方向に平行となるような姿勢で移動してもよい。このとき、移動体1は、第3頂点P3に位置する回転翼モジュール20が鉛直上方向に位置し、第5頂点P5に位置する回転翼モジュール20が鉛直下方向に位置した状態で、回転翼21の回転方向が互いに反対となるように2つの回転翼モジュール20のみを動作させて移動及びホバリングを行ってもよい。このように、移動体1は、第1多面体の一の頂点に位置する回転翼モジュール20が鉛直上方向に位置し、反対側の他の頂点に位置する回転翼モジュール20が鉛直下方向に位置した状態で、2つの回転翼21の回転方向が互いに反対となるように2つの回転翼モジュール20のみを動作させて移動及び姿勢維持を行ってもよい。
【0113】
これにより、移動体1は、このような安定した姿勢を維持するときに4つの回転翼モジュール20を動作させるような場合と比較して、移動に伴い消費されるエネルギーをさらに低減可能である。移動体1は、移動にあたり省エネルギー化を実現可能である。
【0114】
以上のように、移動体1は、移動及び姿勢維持を行うために互いに対向する2つの頂点に位置する回転翼モジュール20のみを動作させてもよい。一方で、移動体1は、その姿勢が変化して互いに対向する一の頂点及び他の頂点の位置がずれた状態で、第1多面体の各頂点に位置する回転翼モジュール20を動作させて、互いに対向する2つの頂点について同一の組又は異なる組が鉛直上下方向にそれぞれ位置するように姿勢を変化させてもよい。例えば、移動体1は、正六面体の8つの頂点にそれぞれ配置されている8つの回転翼モジュール20を動作させることで姿勢を変化させることも可能である。これにより、移動体1は、移動及び姿勢維持を行うための安定姿勢からその姿勢が変化したとしても、同様の安定姿勢に容易に復帰することができ、風及び障害物への衝突などの外的要因に依存せずに安定して移動できる。
【0115】
上記実施形態では、移動体1は、任意の飛行体などを含むと説明したが、これに限定されない。移動体1は、任意の車両、乗り物、及び潜水艇などを含んでもよい。移動体1は、例えば、水中移動用のドローンなどの潜水艇を含んでもよい。移動体1は、例えば、水上及び陸上の少なくとも一方で移動可能なホバークラフトなどの乗り物を含んでもよい。
【0116】
上記実施形態では、取得部4は、カメラなどの撮像装置をセンサ装置として含むと説明した。このようなカメラは、例えばケージ30が本体部10に対して固定され、ケージ30の回転に連動して本体部10も回転するような場合には、ジンバル構造により水平を維持するように本体部10に取り付けられていてもよい。このようなカメラは、例えばケージ30が本体部10に対してジンバル構造により取り付けられ、ケージ30の回転に対して本体部10が水平を維持するような場合には、本体部10に固定されていてもよい。
【符号の説明】
【0117】
1 移動体
2a 第1制御部
2b 第2制御部
3 通信部
4 取得部
5 記憶部
10 本体部
11 収容ボックス
20 回転翼モジュール
21 回転翼
22 駆動部
30 ケージ
F11 フレーム
F12 フレーム
F13 フレーム
F14 フレーム
F21 フレーム
F22 フレーム
F23 フレーム
F24 フレーム
F31 フレーム
F32 フレーム
F33 フレーム
F34 フレーム
F41 フレーム
F42 フレーム
F43 フレーム
F44 フレーム
F51 フレーム
F52 フレーム
F53 フレーム
F54 フレーム
P0 基準点
P1 第1頂点
P2 第2頂点
P3 第3頂点
P4 第4頂点
P5 第5頂点
P6 第6頂点
P7 第7頂点
P8 第8頂点
【要約】
本開示に係る移動体1は、第1多面体として形成されている本体部10と、第1多面体の各頂点に位置して本体部10に取り付けられ、回転翼21及び回転翼21を駆動する駆動部22を含む回転翼モジュール20と、を備え、回転翼21は、本体部10の外側に位置し、本体部10の内側に位置する基準点P0と第1多面体の頂点とを結ぶ直線を回転軸とする。