IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 古河電気工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-光学装置および光モジュール 図1
  • 特許-光学装置および光モジュール 図2
  • 特許-光学装置および光モジュール 図3
  • 特許-光学装置および光モジュール 図4
  • 特許-光学装置および光モジュール 図5
  • 特許-光学装置および光モジュール 図6
  • 特許-光学装置および光モジュール 図7
  • 特許-光学装置および光モジュール 図8
  • 特許-光学装置および光モジュール 図9
  • 特許-光学装置および光モジュール 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】光学装置および光モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/0232 20210101AFI20240116BHJP
【FI】
H01S5/0232
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020018080
(22)【出願日】2020-02-05
(65)【公開番号】P2021125562
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2022-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古川 拓也
(72)【発明者】
【氏名】伊澤 敦
【審査官】高椋 健司
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-225914(JP,A)
【文献】特開平06-005988(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0002666(US,A1)
【文献】特開2003-258273(JP,A)
【文献】特表2007-525843(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00- 5/50
G02B 6/26- 6/27
G02B 6/30- 6/34
G02B 6/42- 6/43
H01L 31/12-31/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一導体を有した光モジュールと、
第一方向を向いた第一面と、当該第一面に設けられた第二導体とを有した基板と、
前記第一導体と前記第二導体とを電気的に接続するリード端子と、
を備え、
前記リード端子は、
前記第一導体と固定される第一固定部と、
前記第二導体に前記第一方向と交差した方向に延びた状態で固定される第二固定部と、
前記第一固定部と前記第二固定部との間で延びる中間部と、
を有し、
前記中間部は、
前記第一固定部と前記第二固定部との間に位置され前記第一固定部と前記第二固定部とを通る仮想直線と交差した視認方向に見た場合に前記第二固定部に近付くにつれて時計回りおよび反時計回りのうち一方である第一湾曲方向に曲がる第一屈曲部と、
前記第一屈曲部と前記第二固定部との間に位置され前記視認方向に見た場合に前記第二固定部に近付くにつれて時計回り方向および反時計回り方向のうち他方である第二湾曲方向に曲がる第二屈曲部と、
前記第二屈曲部と前記第二固定部との間に位置され前記視認方向に見た場合に前記第二固定部に近付くにつれて前記第一湾曲方向に曲がる第三屈曲部と、
を有し
前記光モジュールと前記基板との間に隙間が設けられ、
前記リード端子は、前記隙間内に位置した部位と、当該隙間外で前記第一面に対して前記第一方向に離れて位置し前記第一方向に凸となる逆U字状または逆V字状に屈曲した部位と、を有した、光学装置。
【請求項2】
前記基板は、
第一方向を向いた第一面と
記第一方向の反対方向を向いた第二面と、
前記第一面に設けられた前記第二導体としての複数の第三導体と、
前記第二面に設けられた前記第二導体としての複数の第四導体と、
を有し、
前記リード端子として、
それぞれ前記第三導体と電気的に接続された複数の第一リード端子と、
それぞれ前記第四導体と電気的に接続された複数の第二リード端子と、
を備えた、請求項1に記載の光学装置。
【請求項3】
前記光モジュールは、
それぞれ前記第一リード端子と電気的に接続された前記第一導体としての複数の第五導体と、
それぞれ前記第二リード端子と電気的に接続された前記第一導体としての複数の第六導体と、
を有し、
前記第一方向にずれた前記第五導体と前記第六導体とを含む、請求項2に記載の光学装置。
【請求項4】
第一導体を有した光モジュールと、
第一方向を向いた第一面と、当該第一面に設けられた第二導体と、を有した基板と、
前記第一導体と前記第二導体とを電気的に接続するリード端子と、
を備え、
前記リード端子は、
前記第一導体と固定される第一固定部と、
前記第二導体に前記第一方向と交差した方向に延びた状態で固定される第二固定部と、
前記第一固定部と前記第二固定部との間で延びる中間部と、
を有し、
前記中間部は、前記第一固定部および前記第二固定部から前記第一方向に離れた屈曲部を有し
前記光モジュールと前記基板との間に隙間が設けられ、
前記リード端子は、前記隙間内に位置した部位と、当該隙間外で前記第一面に対して前記第一方向に離れて位置し前記第一方向に凸となる逆U字状または逆V字状に屈曲した部位と、を有した、光学装置。
【請求項5】
ボディと、
前記ボディに固定されるとともに、第一方向を向いた第一面と当該第一面に設けられた第二導体とを有した基板の当該第二導体に対して電気的に接続されるリード端子と、
を備えた光モジュールであって
前記リード端子は、
前記ボディと固定される第一固定部と、
前記第二導体に前記第一方向と交差した方向に延びた状態で固定される第二固定部と、
前記第一固定部と前記第二固定部との間で延びる中間部と、
を有し、
前記中間部は、
前記第一固定部と前記第二固定部との間に位置され前記第一固定部と前記第二固定部とを通る仮想直線と交差した視認方向に見た場合に前記第二固定部に近付くにつれて時計回りおよび反時計回りのうち一方である第一湾曲方向に曲がる第一屈曲部と、
前記第一屈曲部と前記第二固定部との間に位置され前記視認方向に見た場合に前記第二固定部に近付くにつれて時計回り方向および反時計回り方向のうち他方である第二湾曲方向に曲がる第二屈曲部と、
前記第二屈曲部と前記第二固定部との間に位置され前記視認方向に見た場合に前記第二固定部に近付くにつれて前記第一湾曲方向に曲がる第三屈曲部と、
を有し
前記光モジュールと前記基板との間に隙間が設けられ、
前記リード端子は、前記隙間内に位置した部位と、当該隙間外で前記第一面に対して前記第一方向に離れて位置し前記第一方向に凸となる逆U字状または逆V字状に屈曲した部位と、を有した、光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学装置および光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、応力を緩和することが可能なリード端子を有した光学装置が、知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-149474号公報
【非特許文献】
【0004】
【文献】山本篤司、岡庭武男、屋冨祖良貴、西田昌義、「光デジタルコヒーレント通信用小型ITLAの開発」、古河電工時報、第134号、(平成27年1月)、第2-6頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種の光学装置では、リード端子に作用する応力をより小さくすることができれば、有益である。
【0006】
そこで、本発明の課題の一つは、例えば、リード端子に作用する応力をより小さくすることが可能な光学装置および光モジュールを得ること、である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の光学装置は、例えば、第一導体を有した光モジュールと、第二導体を有した基板と、前記第一導体と前記第二導体とを電気的に接続するリード端子と、を備え、前記リード端子は、前記第一導体と固定される第一固定部と、前記第二導体と固定される第二固定部と、前記第一固定部と前記第二固定部との間で延びる中間部と、を有し、前記中間部は、前記第一固定部と前記第二固定部との間に位置され前記第一固定部と前記第二固定部とを通る仮想直線と交差した視認方向に見た場合に前記第二固定部に近付くにつれて時計回りおよび反時計回りのうち一方である第一湾曲方向に曲がる第一屈曲部と、前記第一屈曲部と前記第二固定部との間に位置され前記視認方向に見た場合に前記第二固定部に近付くにつれて時計回り方向および反時計回り方向のうち他方である第二湾曲方向に曲がる第二屈曲部と、前記第二屈曲部と前記第二固定部との間に位置され前記視認方向に見た場合に前記第二固定部に近付くにつれて前記第一湾曲方向に曲がる第三屈曲部と、を有する。
【0008】
また、前記光学装置では、例えば、前記基板は、第一方向を向いた第一面と、前記第一方向の反対方向を向いた第二面と、前記第一面に設けられた前記第二導体としての複数の第三導体と、前記第二面に設けられた前記第二導体としての複数の第四導体と、を有し、前記リード端子として、それぞれ前記第三導体と電気的に接続された複数の第一リード端子と、それぞれ前記第四導体と電気的に接続された複数の第二リード端子と、を備える。
【0009】
また、前記光学装置では、例えば、前記光モジュールは、それぞれ前記第一リード端子と電気的に接続された前記第一導体としての複数の第五導体と、それぞれ前記第二リード端子と電気的に接続された前記第一導体としての複数の第六導体と、を有し、前記第一方向にずれた前記第五導体と前記第六導体とを含む。
【0010】
また、本発明の光学装置は、例えば、第一導体を有した光モジュールと、第一方向を向いた第一面と、当該第一面に設けられた第二導体と、を有した基板と、前記第一導体と前記第二導体とを電気的に接続するリード端子と、を備え、前記リード端子は、前記第一導体と固定される第一固定部と、前記第二導体と固定される第二固定部と、前記第一固定部と前記第二固定部との間で延びる中間部と、を有し、前記中間部は、前記第一固定部および前記第二固定部から前記第一方向に離れた屈曲部を有する。
【0011】
また、前記光学装置では、例えば、前記中間部は、前記第二固定部に近付くにつれて前記第一方向に向かうように曲がる第四屈曲部と、前記第一固定部に近付くにつれて前記第一方向に向かうように曲がる第五屈曲部と、を有する。
【0012】
また、前記光学装置では、例えば、前記光モジュールと前記基板との間には隙間が設けられ、前記リード端子は、部分的に前記隙間内に位置する。
【0013】
また、本発明の光モジュールは、例えば、ボディと、前記ボディに固定され、基板に設けられた第二導体と電気的に接続されるリード端子と、を備え、前記リード端子は、前記ボディと固定される第一固定部と、前記第二導体と固定される第二固定部と、前記第一固定部と前記第二固定部との間で延びる中間部と、を有し、前記中間部は、前記第一固定部と前記第二固定部との間に位置され前記第一固定部と前記第二固定部とを通る仮想直線と交差した視認方向に見た場合に前記第二固定部に近付くにつれて時計回りおよび反時計回りのうち一方である第一湾曲方向に曲がる第一屈曲部と、前記第一屈曲部と前記第二固定部との間に位置され前記視認方向に見た場合に前記第二固定部に近付くにつれて時計回り方向および反時計回り方向のうち他方である第二湾曲方向に曲がる第二屈曲部と、前記第二屈曲部と前記第二固定部との間に位置され前記視認方向に見た場合に前記第二固定部に近付くにつれて前記第一湾曲方向に曲がる第三屈曲部と、を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、例えば、リード端子をより長くすることができるため、リード端子に作用する応力をより小さくすることが可能な光学装置および光モジュールを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、第1実施形態の光学装置の例示的かつ模式的な側面図である。
図2図2は、図1の一部の拡大図である。
図3図3は、第1実施形態の光学装置の光学モジュールおよび基板の導体とリード端子とを示す図1中のD3方向に見た例示的かつ模式的な側面図である。
図4図4は、第2実施形態の光学装置の例示的かつ模式的な側面図である。
図5図5は、図4の一部の拡大図である。
図6図6は、第2実施形態の光学装置の光学モジュールおよび基板の導体とリード端子とを示す図4中のD5方向に見た例示的かつ模式的な側面図である。
図7図7は、第2実施形態の変形例の光学装置の光学モジュールおよび基板の導体とリード端子とを示す図6と同等位置での例示的かつ模式的な側面図である。
図8図8は、第3実施形態の光学装置の例示的かつ模式的な側面図である。
図9図9は、第4実施形態の光学装置の例示的かつ模式的な平面図である。
図10図10は、第5実施形態の光学装置の例示的かつ模式的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の例示的な実施形態および変形例が開示される。以下に示される実施形態および変形例の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。本発明は、以下の実施形態および変形例に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
【0017】
以下に示される実施形態および変形例は、同様の構成を備えている。よって、各実施形態および変形例の構成によれば、当該同様の構成に基づく同様の作用および効果が得られる。また、以下では、それら同様の構成には同様の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される場合がある。
【0018】
本明細書において、序数は、部品や部位等を区別するために便宜上付与されており、優先順位や順番を示すものではない。
【0019】
また、各図において、X方向を矢印Xで表し、Y方向を矢印Yで表し、Z方向を矢印Zで表す。X方向、Y方向、およびZ方向は、互いに交差するとともに互いに直交している。なお、Z方向は、厚さ方向あるいは基板の面の法線方向とも称されうる。
【0020】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態の光学装置1Aの側面図である。光学装置1Aは、ベース10と、光モジュール20と、回路基板30と、リード端子40Aと、を備えている。
【0021】
ベース10は、光モジュール20や回路基板30の支持部材として機能する。また、ベース10は、熱伝導性の高い金属材料で作られており、各部、特に光モジュール20で生じた熱を放熱する放熱部材として機能する。ベース10は、Z方向と交差しかつ直交して広がる板状の形状を有している。
【0022】
光モジュール20は、ボディ21を有している。光モジュール20は、例えば、ボディ21内に波長可変半導体レーザ素子(不図示)が内蔵された、波長可変半導体レーザモジュールである。ただし、光モジュール20は、これには限定されず、例えば、受光素子や、変調器、半導体光増幅器等のような光学素子を有してもよい。ボディ21は、ケースやハウジングとも称されうる。
【0023】
一例として、リード端子40Aは、光モジュール20と一体化されていてもよい。この場合、光モジュール20は、ボディ21と、リード端子40Aと、を有する。また、別の例として、リード端子40Aは、光学装置1Aを組み立てる際に、光モジュール20と回路基板30との間に取り付けられてもよい。
【0024】
光モジュール20は光ファイバ(不図示)から所望の波長とパワーのレーザ光を出力する。光モジュール20は、例えば非特許文献1に開示されるような、波長可変半導体レーザ素子が複数の半導体レーザと光合流器と半導体光増幅器とが集積された構成を有している。また、光モジュール20は、波長可変半導体レーザ素子の波長を制御するための、公知の波長ロック機構を有したものである。さらに、光モジュール20は、波長可変半導体レーザ素子の温度調節をするための温度調節素子及び温度モニタ素子を有している。
【0025】
回路基板30には、電子部品や電気部品のような部品31が実装されている。回路基板30の導体と、部品31とによって、光モジュール20の制御回路が構成されている。制御回路は、光モジュール20から出力された各種モニタ信号に基づいて、光モジュール20に駆動電流を供給し、光モジュール20の動作を制御する。制御回路は、例えば、デジタル演算装置、メモリ、電流制御回路、温度モニタ回路、光パワーモニタ回路、波長モニタ回路等を有している。回路基板30は、基板の一例である。
【0026】
回路基板30は、絶縁体(不図示)と導体とを有している。回路基板30は、導体として、回路基板30内の導体(不図示)と、回路基板30の外側に露出した導体32と、を有している。回路基板30は、例えば、リジッド基板であり、多層基板である。ただし、これには限定されず、回路基板30は、片面基板や両面基板であってもよいし、フレキシブル基板であってもよい。
【0027】
回路基板30は、Z方向と交差しかつ直交して広がっている。また、回路基板30は、Z方向の端部となる面30aと、Z方向の反対方向の端部となる面30bと、を有している。面30aは、Z方向を向き、Z方向と交差しかつ直交している。面30bは、Z方向の反対方向を向き、Z方向と交差しかつ直交している。面30bは、面30aと略平行である。面30aは、第一面の一例であり、面30bは、第二面の一例である。また、Z方向は、第一方向の一例である。
【0028】
また、回路基板30は、エッジ30cを有している。図1には、X方向の端部においてY方向に沿うエッジ30cが図示されている。エッジ30cは、端部や、側面とも称されうる。
【0029】
部品31は、面30aおよび面30bの双方に実装されている。面30bに実装された部品31のスペースを確保するため、回路基板30とベース10との間には、隙間G1が設けられている。なお、隙間G1には、例えば、熱伝導性を有したグリスや熱伝導シートのような、介在物が介在してもよい。
【0030】
リード端子40Aは、光モジュール20の導体22と、回路基板30の導体32とを電気的に接続している。リード端子40Aは、光モジュール20と回路基板30との間で授受される信号や電力を流す導体である。リード端子40Aは、例えば、屈曲された細長い板状あるいは柱状の形状を有し、例えば、銅系材料や、アルミ二ウム系材料のような、導電性を有した金属材料で作られる。リード端子40Aは、例えば、プレスや、折曲、切断のような一般的な機械加工によって作られうる。
【0031】
回路基板30は、リード端子40Aを介して、光モジュール20に、例えば、波長可変半導体レーザ素子や温度調節素子の駆動電流を入力する。また、光モジュール20は、リード端子40Aを介して、回路基板30に、例えば、波長ロック機構における光パワーモニタ信号や波長モニタ信号を出力する。
【0032】
光学装置1Aは、複数のリード端子40Aを備えている。複数のリード端子40Aは、回路基板30のY方向に沿うエッジ30cに沿って、所定の間隔、例えば等間隔で、Y方向に並んでいる。また、リード端子40Aは、XZ平面に沿って曲がっている。
【0033】
また、図1に示されるように、光学装置1Aは、リード端子40Aとして、形状および長さが異なる二種類のリード端子410S,410Lを有している。短いリード端子410Sが光モジュール20のボディ21に接続される位置は、長いリード端子410Lがボディ21に接続される位置からZ方向に離れている。
【0034】
また、光モジュール20の側面20aと回路基板30のエッジ30cとの間には隙間G2が設けられており、リード端子40A(410S,410L)は、少なくとも部分的に当該隙間G2内に位置されている。
【0035】
図2は、図1の一部の拡大図であって、光モジュール20の一部、リード端子410S、および回路基板30の一部が示されている。
【0036】
リード端子410Sは、光モジュール20の導体22と、回路基板30の導体32とを、電気的に接続している。導体22は、第一導体の一例であり、導体32は、第二導体の一例である。
【0037】
リード端子410Sは、導体22と固定され、電気的に接続される固定部411と、導体32と固定され、電気的に接続される固定部412と、を有している。固定部411および導体22と、固定部412および導体32とは、それぞれ、例えば、はんだ付けや、ろう付け、溶接等によって固定される。固定部411は、第一固定部の一例であり、固定部412は、第二固定部の一例である。
【0038】
また、リード端子410Sは、固定部411と固定部412との間で延びる中間部413を有している。中間部413は、屈曲部413a1~413a5と、隣接する屈曲部の間で延びる延部413b1~413b4と、を有している。
【0039】
以下、図2を参照して、中間部413の形状について説明する。図2は、固定部411と固定部412とを通る仮想直線VLと交差したY方向に見た図である。Y方向は、回路基板30の面30aに沿う方向であり、視認方向の一例である。なお、以下の説明において、固定部411,412および延部413b1~413b4の延び方向は、固定部412へ近付く方向を示す。
【0040】
屈曲部413a1は、固定部411に隣接するとともに、当該固定部411と延部413b1との間に位置している。リード端子410Sは、屈曲部413a1において、固定部412に近付くにつれて時計回り方向に曲がっている。また、屈曲部413a1において、リード端子410Sは、略直角に曲がっている。
【0041】
延部413b1は、屈曲部413a1と屈曲部413a2との間に位置され、屈曲部413a1から屈曲部413a2へX方向の反対方向に延びている。
【0042】
屈曲部413a2は、延部413b1と延部413b2との間に位置している。リード端子410Sは、屈曲部413a2において、固定部412に近付くにつれて反時計回り方向に曲がっている。また、屈曲部413a2において、リード端子410Sは、略直角に曲がっている。
【0043】
延部413b2は、屈曲部413a2と屈曲部413a3との間に位置され、屈曲部413a2から屈曲部413a3へZ方向に延びている。
【0044】
屈曲部413a3は、延部413b2と延部413b3との間に位置している。リード端子410Sは、屈曲部413a3において、固定部412に近付くにつれて時計回り方向に曲がっている。また、屈曲部413a3において、リード端子410Sは、鈍角に曲がっている。
【0045】
延部413b3は、屈曲部413a3と屈曲部413a4との間に位置され、屈曲部413a3から屈曲部413a4へZ方向とX方向の反対方向との間の方向に延びている。
【0046】
屈曲部413a4は、延部413b3と延部413b4との間に位置している。リード端子410Sは、屈曲部413a4において、固定部412に近付くにつれて時計回り方向に曲がっている。また、屈曲部413a4において、リード端子410Sは、鋭角に曲がっている。
【0047】
延部413b4は、屈曲部413a4と屈曲部413a5との間に位置され、屈曲部413a4から屈曲部413a5へZ方向の反対方向とX方向の反対方向との間の方向に延びている。
【0048】
屈曲部413a5は、延部413b4と固定部412との間に位置している。リード端子410Sは、屈曲部413a5において、固定部412に近付くにつれて反時計回り方向に曲がっている。また、屈曲部413a5において、リード端子410Sは、鈍角に曲がっている。
【0049】
このように、本実施形態の光学装置1Aでは、Y方向(視認方向)に見た場合、リード端子410Sの中間部413は、固定部412に近付くにつれて、屈曲部413a2において反時計回り方向に曲がり、当該屈曲部413a2と固定部412との間の屈曲部413a3,413a4において時計回り方向に曲がり、当該屈曲部413a3,413a4と固定部412との間の屈曲部413a5において反時計回り方向に曲がっている。なお、屈曲部413a3、延部413b3、および屈曲部413a4は、時計回り方向への屈曲部と見なせる。この場合、屈曲部413a2は、第一屈曲部の一例であり、屈曲部413a3,413a4は、第二屈曲部の一例であり、屈曲部413a5は、第三屈曲部の一例である。また、反時計回り方向は、第一湾曲方向の一例であり、時計回り方向は、第二湾曲方向の一例である。なお、視認方向は、仮想直線と直交する方向のうちの一方向である。視認方向をY方向の反対方向とした場合、時計回り方向が、第一湾曲方向となり、反時計回り方向が、第二湾曲方向となる。
【0050】
このような構成によれば、中間部413をハット形状やジグザグ状に構成することができるため、中間部413の長さをより長くすることができ、ひいては、中間部413(リード端子410S)に作用する応力をより小さくすることができる。
【0051】
また、別の見方をすれば、Y方向(視認方向)に見た場合、リード端子410Sの中間部413は、固定部412に近付くにつれて、屈曲部413a1において時計回り方向に曲がり、当該屈曲部413a1と固定部412との間の屈曲部413a2において反時計回り方向に曲がり、当該屈曲部413a2と固定部412との間の屈曲部413a3,413a4において時計回り方向に曲がっている。この場合は、屈曲部413a1が、第一屈曲部の一例であり、屈曲部413a2が、第二屈曲部の一例であり、屈曲部413a3,413a4が、第三屈曲部の一例である。さらに、この場合は、時計回り方向が、第一湾曲方向の一例となり、反時計回り方向が、第二湾曲方向の一例である。ただし、この場合においても、視認方向をY方向の反対方向とすると、反時計回り方向が、第一湾曲方向となり、時計回り方向が、第二湾曲方向となる。
【0052】
また、本実施形態では、中間部413は、固定部411(第一固定部)および固定部412(第二固定部)からZ方向(第一方向)に離れた屈曲部413a4を有している。なお、Z方向に離れた、とは、Z方向に僅かにずれている状態も含む。
【0053】
このような構成によっても、中間部413をハット形状やジグザグ形状に構成することができるため、中間部413の長さをより長くすることができ、ひいては、中間部413(リード端子410S)に作用する応力をより小さくすることができる。
【0054】
また、本実施形態では、屈曲部413a2は、固定部412(第二固定部)に近付くにつれてZ方向(第一方向)に向かうように曲がり、屈曲部413a4は、固定部411(第一固定部)に近付くにつれてZ方向に向かうように曲がっている。屈曲部413a2は、第四屈曲部の一例である。屈曲部413a4は、第五屈曲部の一例である。
【0055】
このような構成によっても、中間部413をハット形状やジグザグ形状に構成することができるため、中間部413の長さをより長くすることができ、ひいては、中間部413(リード端子410S)に作用する応力をより小さくすることができる。
【0056】
なお、リード端子410Lは、リード端子410Sと同様に、固定部411と固定部412との間で延びる中間部413を有し、中間部413は、屈曲部413a1~413a5と同様の屈曲部と、延部413b1~413b4と同様の延部と、を有している。ただし、延部413b2の長さが、リード端子410Sよりも長い。このようなリード端子410Lにあっても、リード端子410Sと同様の効果が得られる。
【0057】
また、本実施形態では、光学装置1Aは、リード端子40Aとして、形状および固定部411のZ方向の位置が相異なる2段のリード端子410S,410Lを備えているが、これには限定されず、リード端子40Aは、1段であってもよいし、3段以上であってもよい。また、リード端子40Aの固定部411は、回路基板30の面30aに対して面30bとは反対側に位置してもよい。
【0058】
また、本実施形態では、図1に示されるように、光モジュール20と回路基板30のエッジ30cとの間には隙間G2が設けられ、リード端子40A(410S,410L)は、部分的に当該隙間G2内に位置されている。
【0059】
このような構成によれば、リード端子40Aが部分的に隙間G2内に位置されることにより、隙間G2内に位置されない場合に比べて、リード端子40Aの長さをより長くすることができ、ひいては、リード端子40Aに作用する応力をより小さくすることができる。
【0060】
図3は、図1中のD3方向に見た光学装置1Aの側面図である。図3に示されるように、光モジュール20では、導体22および当該導体22と固定される複数の固定部411の位置が、Y方向に向かうにつれてZ方向に往復的に変化している。すなわち、導体22および固定部411が、千鳥状に配置されている。このような構成によれば、例えば、導体22のY方向の幅が広い場合にあっても、リード端子40A間のY方向のピッチをより狭くできるという効果が得られる。
【0061】
[第2実施形態]
図4は、本実施形態の光学装置1Bの一部の側面図であり、図5は、図4の一部の拡大図である。図4図2とを比較すれば明らかとなるように、本実施形態のリード端子40Bの屈曲形状は、第1実施形態のリード端子40Aの屈曲形状と相違している。また、光学装置1Bは、回路基板30の面30aの導体321(32)と固定された複数のリード端子410B1と、面30bの導体322(32)と固定された複数のリード端子40B2と、を有している。本実施形態では、一例として、これらリード端子40Bは同じ形状であり、回路基板30の例えばZ方向(厚さ方向)の中心を通る仮想平面VPに対して面対称に配置されている。導体321は、第三導体の一例であり、導体322は、第四導体の一例である。また、リード端子40B1は、第一リード端子の一例であり、リード端子40B2は、第二リード端子の一例である。
【0062】
図5に示されるように、リード端子410B1(40B)は、リード端子40Aと同様、固定部411と固定部412との間で延びる中間部413を有し、中間部413は、屈曲部413a1~413a5と同様の屈曲部と、延部413b1~413b4と同様の延部と、を有している。ただし、屈曲部413a3~413a5の曲げ角度、および延部413b3,413b4の延び方向や長さが、リード端子40Aとリード端子40Bとの間で相違している。
【0063】
しかしながら、このようなリード端子40Bによっても、中間部413をハット形状やジグザグ形状に構成することができるため、中間部413の長さをより長くすることができ、ひいては、中間部413(リード端子40B)に作用する応力をより小さくすることができる。
【0064】
また、本実施形態では、光学装置1Bは、面30a(第一面)の導体321(第三導体)と電気的に接続された複数のリード端子410B1(第一リード端子)と、面30b(第二面)の導体322(第四導体)と電気的に接続された複数のリード端子410B2(第二リード端子)と、を備えている。
【0065】
このような構成によれば、例えば、複数のリード端子40Bが回路基板30の片方の面30a上のみに設けられた場合に比べて、複数のリード端子40Bが配置される範囲のY方向(面30aに沿う方向)での長さをより短くすることができ、ひいては、光学装置1Bを、Y方向に、よりコンパクトに構成することができるという利点が得られる。
【0066】
図6は、図4中のD5方向に見た光学装置1Bの側面図である。図6に示されるように、光モジュール20では、導体22が、Z方向に二段に分かれて配置されている。すなわち、本実施形態では、光モジュール20は、導体22(第一導体)として、リード端子410B1(第一リード端子)と電気的に接続された導体22B1と、リード端子410B2(第二リード端子)と電気的に接続された導体22B2と、を有しており、導体22B1と導体22B2とは、Z方向(第一方向)にずれている。導体22B1は、第五導体の一例であり、導体22B2は、第六導体の一例である。
【0067】
このような構成によれば、例えば、複数の導体22がY方向に一直線状に並んだ場合に比べて、複数の導体22が配置される範囲のY方向(面30aに沿う方向)での長さをより短くすることができ、ひいては、光学装置1Bを、Y方向に、よりコンパクトに構成することができるという利点が得られる。
【0068】
なお、リード端子410B2は、リード端子410B1と同一の構成(仕様)のリード端子を裏返して取り付けたものであり、リード端子410B1と同様の効果が得られるのは言うまでもない。
【0069】
[第1変形例]
図7は、第2実施形態の第1変形例の光学装置1B1の光モジュール20および回路基板30の導体22とリード端子40B1とを示す図6と同等位置での側面図である。
【0070】
図7に示されるように、本変形例では、導体321(第三導体)と導体322(第四導体)とがZ方向に並ばずY方向にずれ、リード端子410B1(第一リード端子)とリード端子410B2(第二リード端子)とがZ方向に並ばずY方向にずれ、かつ導体22B1(第五導体)と導体22B2(第六導体)とがZ方向に並ばずY方向にずれている。このような構成によっても、第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0071】
[第3実施形態]
図8は、本実施形態の光学装置1Cの側面図である。本実施形態のリード端子40Cは、上記第1実施形態のリード端子40Aと同様の構成を有している。すなわち、本実施形態でも、リード端子40Cは、リード端子40Aと同様に、固定部411と固定部412との間で延びる中間部413を有し、当該中間部413は、屈曲部413a1~413a5と同様の屈曲部と、延部413b1~413b4と同様の延部と、を有している。
【0072】
ただし、図8図2とを比較すれば明らかとなるように、本実施形態の回路基板30の向きは、第1実施形態の回路基板30の向きと相違している。また、本実施形態では、リード端子40Cの固定部411と電気的に接続される導体32Cは、回路基板30の厚さ方向に貫通した貫通導体である。
【0073】
回路基板30は、X方向と交差しかつ直交して広がっている。また、導体32Cは、例えば、スルーホールである。この場合、回路基板30に設けられた貫通孔30d内にリード端子40Cの固定部412が挿入され、当該挿入状態で貫通孔30dが流動性を有した導体32Cで埋められ、その後当該導体32Cが固化され、これにより、固定部412、導体32C、および貫通孔30d内に露出した回路基板30の導体(不図示)が、電気的かつ機械的に接続される。本実施形態のリード端子40Cは、回路基板30に対しては、差し込みピンである。
【0074】
このような構成においても、中間部413の構造は第1実施形態と同様であるため、本実施形態によっても上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0075】
[第4実施形態]
図9は、本実施形態の光学装置1Dの平面図である。本実施形態のリード端子40Dは、上記第2実施形態のリード端子40Bと同様の構成を有している。すなわち、本実施形態でも、リード端子40Dは、リード端子40Bと同様に、固定部411と固定部412との間で延びる中間部413を有している。
【0076】
ただし、図9は、光学装置1DをZ方向の反対方向に見た図である。すなわち、第2実施形態では、視認方向がY方向であったのに対し、本実施形態ではZ方向の反対方向である。すなわち、第2実施形態では、リード端子40Bは、Y方向と交差した仮想平面に略沿って曲がっているのに対し、本実施形態では、リード端子40Dは、Z方向と交差した仮想平面に略沿って曲がっている。
【0077】
このような構成においても、中間部413の構造は、第2実施形態と同様であるため、本実施形態によっても上記第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0078】
[第5実施形態]
図10は、本実施形態の光学装置1Eの側面図である。図10図2とを比較すれば明らかとなるように、本実施形態のリード端子40Eは、第1実施形態のリード端子40Aの、屈曲部413a1と屈曲部413a4との間の、延部413b1、屈曲部413a2、延部413b2、屈曲部413a3、および延部413b3に替えて、延部413b5を有している。
【0079】
屈曲部413a1は、固定部411に隣接するとともに、当該固定部411と延部413b5との間に位置している。リード端子40Eは、屈曲部413a1において、固定部412に近付くにつれて時計回り方向に曲がっている。また、屈曲部413a1において、リード端子40Eは、鈍角に曲がっている。
【0080】
延部413b5は、屈曲部413a1と屈曲部413a4との間に位置され、屈曲部413a1から屈曲部413a4へZ方向とX方向の反対方向との間の方向に延びている。
【0081】
屈曲部413a4は、延部413b5と延部413b4との間に位置している。リード端子40Eは、屈曲部413a4において、固定部412に近付くにつれて時計回り方向に曲がっている。また、屈曲部413a4において、リード端子40Eは、鋭角に曲がっている。
【0082】
ただし、本実施形態でも、中間部413は、固定部411(第一固定部)および固定部412(第二固定部)からZ方向(第一方向)に離れた屈曲部413a4を有している。
【0083】
したがって、本実施形態によっても、中間部413をハット形状やジグザグ形状に構成することができるため、中間部413の長さをより長くすることができ、ひいては、中間部413(リード端子40E)に作用する応力をより小さくすることができる。
【0084】
以上、本発明の実施形態および変形例が例示されたが、上記実施形態および変形例は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、型式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【0085】
例えば、基板の向きや、基板と光モジュールとの相対位置、固定部の位置および形状、リード端子と固定部との接合方式等は、種々に変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0086】
1A,1B,1B1,1C,1D,1E…光学装置
10…ベース
20…光モジュール
20a…側面
21…ボディ
22…導体(第一導体)
22B1…導体(第五導体)
22B2…導体(第六導体)
30…回路基板(基板)
30a…面(第一面)
30b…面(第二面)
30c…エッジ
30d…貫通孔
31…部品
32,32C…導体(第二導体)
321…導体(第三導体)
322…導体(第四導体)
40A,40B,40B1,40B2、40C,40D,40E…リード端子
410B1…リード端子(第一リード端子)
410B2…リード端子(第二リード端子)
410L…リード端子
410S…リード端子
411…固定部(第一固定部)
412…固定部(第二固定部)
413…中間部
413a1…屈曲部
413a2…屈曲部(第一屈曲部、第四屈曲部)
413a3…屈曲部(第二屈曲部)
413a4…屈曲部(第二屈曲部、第五屈曲部)
413a5…屈曲部(第三屈曲部)
413b1~413b5…延部
D3…方向
D5…方向
G1…隙間
G2…隙間
X…方向
Y…方向
Z…方向(第一方向)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10