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特許7420744浸透性材料に浸透させる浸透装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】浸透性材料に浸透させる浸透装置および方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20240116BHJP
   H01L 21/312 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
H01L21/31 A
H01L21/312 A
【請求項の数】 52
(21)【出願番号】P 2020565396
(86)(22)【出願日】2019-05-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-24
(86)【国際出願番号】 IB2019000729
(87)【国際公開番号】W WO2019229537
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2022-05-16
(31)【優先権主張番号】15/996,286
(32)【優先日】2018-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】クシシュトフ・カミル・カヘル
(72)【発明者】
【氏名】エリーナ・ファルム
【審査官】長谷川 直也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06451512(US,B1)
【文献】米国特許第09916980(US,B1)
【文献】特開2017-092475(JP,A)
【文献】特表2016-522979(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0263172(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0166456(US,A1)
【文献】特開2000-031136(JP,A)
【文献】特開2017-112145(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
H01L 21/312
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浸透装置であって、
上に浸透性材料を備える少なくとも一つの基材を保持するように構成および配置される反応チャンバーと、
シリコン化合物を含む第一の前駆体の蒸気を供給するように構成および配置される第一の前駆体源と、
酸素前駆体を含む反応物質を前記反応チャンバーへ提供するように構成及び配置される反応物質供給源容器及び反応物質供給ラインと、
前記反応チャンバーに前記第一の前駆体源からの前記第一の前駆体の前記蒸気及び前記反応物質供給源容器からの前記酸素前駆体を含む前記反応物質を供給し、前記反応チャンバーから前記第一の前駆体の前記蒸気及び前記酸素前駆体を含む前記反応物質を除去するように構成および配置される、前駆体分配システムおよび除去システムと、
シーケンスコントローラであって、前記前駆体分配システムおよび除去システムに動作可能に接続し、かつ前記シーケンスコントローラ上で実行される場合、
前記前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて、前記反応チャンバー内の前記基材上の前記浸透性材料に前記第一の前駆体の前記蒸気及び酸素前駆体を含む前記反応物質を供給し、これにより、前記反応チャンバー内の前記基材上の前記浸透性材料に、前記第一の前駆体の前記蒸気と前記浸透性材料との反応によってシリコン原子及び酸素原子を浸透させることにより、前記浸透性材料の浸透を実行させるための、プログラムを備えるメモリを備える、シーケンスコントローラと、を備える、装置。
【請求項2】
前記第一の前駆体源は、置換されたシランの蒸気を供給するように構成および配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第一の前駆体源は、アミノシランの蒸気を供給するように構成および配置される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第一の前駆体源は、3-アミノプロピル成分及びシリコン成分の両方を含むシリコン前駆体の蒸気を供給するように構成および配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第一の前駆体源は、アルコキシド配位子およびアルコキシド配位子以外の別の配位子を含むシリコン前駆体の蒸気を供給するように構成および配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第一の前駆体源は、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)の蒸気を供給するように構成および配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第一の前駆体源は、シリコン原子に結合するアミノ置換アルキル基を含むシリコン前駆体の蒸気を供給するように構成および配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第一の前駆体源は、3-アミノプロピルトリメトキシシラン(APTMS)の蒸気を供給するように構成および配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記第一の前駆体源は、ハロゲン化物を含むシリコン化合物の蒸気を供給するように構成および配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記第一の前駆体源は、ハロゲン化シリコン、ハロゲン化シラン、またはハロゲン化物を含むシランの蒸気を供給するように構成および配置される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記シリコン化合物は塩化物を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記第一の前駆体源は、ヘキサクロロジシラン(HCDS)、ジクロロシラン(DCS)、または四塩化ケイ素(SiCl)のうちの少なくとも一つの蒸気を供給するように構成および配置される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記装置は、シリコン化合物を含む第二の前駆体の蒸気を供給するように構成および配置される第二の前駆体源を備え、前記前駆体分配システムおよび除去システムは、前記第二の前駆体源からの前記第二の前駆体の前記蒸気を前記反応チャンバーに供給するように構成および配置され、前記メモリ内の前記プログラムは、前記シーケンスコントローラ上で実行される場合、前記前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて、前記第二の前駆体の前記蒸気を前記反応チャンバーに供給し、これにより、前記反応チャンバー内の前記基材上の前記浸透性材料に、前記第二の前駆体の前記蒸気からシリコン原子を浸透させることにより、前記浸透性材料の浸透を実行するようにプログラムされる、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記第二の前駆体源は、前記第一の前駆体とは異なるシリコン化合物の蒸気を供給するように構成および配置される、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記メモリ内の前記プログラムは、前記シーケンスコントローラ上で実行される場合、前記前駆体分配システムおよび前記除去システムを作動させて、前記第一の前駆体と同時に前記第二の前駆体を供給することにより、前記浸透性材料の浸透を実行するようにプログラムされる、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記メモリ内の前記プログラムは、前記シーケンスコントローラ上で実行される場合、前記前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて、前記第一の前駆体の後に前記第二の前駆体を供給することにより、前記浸透性材料の浸透を実行するようにプログラムされる、請求項13に記載の装置。
【請求項17】
前記第一の前駆体は3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)を含み、前記第二の前駆体はヘキサクロロジシラン(HCSD)を含む、請求項13に記載の装置。
【請求項18】
前記反応物質供給源容器は、水(HO)または過酸化水素(H)のうちの少なくとも一つを蒸発させるように構成および配置される反応物質蒸発器をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記反応物質供給源容器は、オゾン(O)および分子状酸素(O)のうちの少なくとも一つを含むガス状酸素前駆体を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記装置は、前記酸素前駆体からプラズマを生成するように構成および配置されるプラズマ発生器をさらに備え、それにより原子状酸素、酸素ラジカル、および酸素の励起種のうちの一つまたは複数を前記反応チャンバーに供給する、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記装置は、シリコン化合物を含む第二の前駆体の蒸気を蒸発させるように構成および配置される第二の前駆体源を備え、前記前駆体分配システムおよび除去システムは、前記第二の前駆体源からの前記第二の前駆体の前記蒸気を前記反応チャンバーに供給するように構成および配置され、前記メモリ内の前記プログラムは、前記シーケンスコントローラ上で実行される場合、前記前駆体分配システムおよび前記除去システムを作動させて、前記第二の前駆体の前記蒸気を供給することにより、前記浸透性材料の浸透を実行するようにプログラムされる、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記メモリ内の前記プログラムは、前記シーケンスコントローラ上で実行される場合、前記前駆体分配システムおよび前記除去システムを作動させて、前記第一の前駆体、続いて前記反応物質、続いて前記第二の前駆体、続いて前記反応物質を供給することにより、前記浸透性材料の浸透を実行するようにプログラムされる、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記メモリ内の前記プログラムは、前記シーケンスコントローラ上で実行される場合、前記前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて、前記第一の前駆体、続いて前記反応物質、続いて前記第二の前駆体、続いて前記反応物質を複数回供給することを繰り返すことにより、前記浸透性材料の浸透を実行するようにプログラムされる、請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記メモリ内の前記プログラムは、前記シーケンスコントローラ上で実行される場合、前記前駆体分配システムおよび前記除去システムを作動させて、前記第一の前駆体、続いて前記反応物質、続いて前記第二の前駆体、および続いて前記反応物質を供給する各工程間において前記反応チャンバーから前記前駆体および/または前記反応物質を除去することにより、前記浸透性材料の浸透を実行するようにプログラムされる、請求項21に記載の装置。
【請求項25】
浸透性材料に浸透させる方法であって、
上に配置される前記浸透性材料を備える基材を反応チャンバー内に供給することと、
シリコン化合物を含む第一の前駆体を、前記反応チャンバー内の前記浸透性材料に第一の期間(T)供給することであって、これにより前記反応チャンバー内の前記基材上に配置される前記浸透性材料にシリコン原子を浸透させる、供給することと、
前記反応チャンバーを第二の期間(T)パージすることと、
酸素を含む第一の反応物質を前記反応チャンバー内の前記浸透性材料に第三の期間(T)供給し、それによって前記反応チャンバー内の前記基材上に配置された前記浸透性材料に酸素原子を浸透させることと、
前記反応チャンバーを第四の期間(T)パージすることと、を含む、方法。
【請求項26】
前記浸透性材料は、フォトレジスト、極端紫外線(EUV)レジスト、化学増幅レジスト(CAR)、電子線レジスト、液浸フォトレジスト、多孔質材料またはハードマスク材料のうちの少なくとも一つを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第一の前駆体は、アミノシラン、エトキシシラン、メトキシシラン、またはハロゲン化シリコンのうちの少なくとも一つを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記第一の前駆体は、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)、またはヘキサクロロジシラン(HCSD)のうちの少なくとも一つを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記第一の期間(T)は、25ミリ秒~10時間である、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記第二の期間(T)は、25ミリ秒~10時間である、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
前記第一の前駆体を供給する工程と、続いて前記反応チャンバーをパージする工程とを、所望の原子%のシリコン原子が前記浸透性材料中に浸透されるまで1回または複数回繰り返すことをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項32】
浸透された浸透性材料は、0.1%を超える原子%のシリコン原子を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項33】
前記浸透したシリコン原子は、前記浸透性材料内に均一に分布する、請求項25に記載の方法。
【請求項34】
前記方法は、
シリコン化合物を含む第二の前駆体を、前記反応チャンバー内で前記浸透性材料に第五の期間(T)供給することをさらに含み、これにより、前記反応チャンバー内の前記基材上に配置される前記浸透性材料にシリコン原子を浸透させる、請求項25に記載の方法。
【請求項35】
前記第一の前駆体は前記第二の前駆体とは異なる、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記第一の前駆体および前記第二の前駆体を、前記反応チャンバー内の前記浸透性材料に同時に供給することをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記浸透性材料に前記第二の前駆体を供給した後に、前記反応チャンバーを第六の期間(T)パージすることをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
前記第一の前駆体を供給する工程、続いて前記反応チャンバーをパージする工程、続いて前記第二の前駆体を供給する工程、および続いて前記反応チャンバーをパージする工程を、1回または複数回繰り返すことをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記浸透された浸透性材料は、0.1%を超える原子%のシリコン原子を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項40】
前記第五の期間(T)は、25ミリ秒~10時間である、請求項34に記載の方法。
【請求項41】
前記第六の期間(T)は、25ミリ秒~10時間である、請求項37に記載の方法。
【請求項42】
前記第一の反応物質は、水(HO)、オゾン(O)、分子状酸素(O)、または過酸化水素(H)のうちの少なくとも一つの蒸気を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項43】
前記第一の反応物質は、酸素原子、酸素イオン、酸素ラジカル、および酸素の励起種を含む酸素系プラズマを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項44】
前記方法は、一つまたは複数の逐次浸透合成(SIS)サイクルを実行することをさらに含み、単位SISサイクルは、
シリコン化合物を含む前記第一の前駆体を前記浸透性材料に供給することと、
酸素を含む前記第一の反応物質を前記浸透性材料に供給することと、を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項45】
単位SISサイクルは、シリコン化合物を含む第二の前駆体を前記浸透性材料に供給することをさらに含み、前記第二の前駆体は前記第一の前駆体とは異なる、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
単位SISサイクルは、前記SISサイクルの各工程の間に前記反応チャンバーをパージすることをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記第三の期間(T)は、25ミリ秒~10時間である、請求項25に記載の方法。
【請求項48】
半導体デバイス構造であって、
基材と、
前記基材の表面上に配置された浸透されたポリマーレジスト形体であって、前記浸透されたポリマーレジスト形体は、
有機成分と、
前記有機成分内に浸透した複数のシリコン(Si)原子を含む無機成分と、を含む、ポリマーレジスト形体と、を備え、
前記複数のシリコン原子は、元素シリコン(Si)として、及び酸化シリコン(Si)として、前記有機成分内に配置される、半導体デバイス構造。
【請求項49】
前記有機成分内に浸透した前記複数のシリコン原子の濃度は、0.1原子%を超える、請求項48に記載の構造。
【請求項50】
前記有機成分内に浸透した前記複数のシリコン原子は、前記有機成分全体に均一に分布している、請求項48に記載の構造。
【請求項51】
前記無機成分は、前記有機成分中に浸透した複数の酸素原子をさらに含む、請求項48に記載の構造。
【請求項52】
前記浸透されたポリマーレジストは、フォトレジスト、極端紫外線(EUV)レジスト、液浸フォトレジスト、化学増幅レジスト(CAR)、または電子線レジストのうちの少なくとも一つを含む、請求項48に記載の構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概ね、浸透装置、特に浸透性材料にシリコン原子を浸透させるように構成される浸透装置に関する。本開示はまた、概ね、浸透性材料に浸透させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス構造がますます小さな形状に向かうにつれて、異なるパターニング技術が生まれた。これらの技術は、自己整合多重パターニング、スペーサ規定四重パターニング、深紫外線リソグラフィ(DUV)、極端紫外線リソグラフィ、およびスペーサ規定二重パターニングと組み合わせたDUV/EUVを含む。更に、誘導自己組織化(DSA)は、将来のリソグラフィ用途の選択肢と考えられている。
【0003】
上記のパターニング技術は、基材の高解像度パターニングを可能にするために、基材上に配置される少なくとも一つのポリマーレジストを利用することができる。高解像度および低ラインエッジラフネスの両方の要求を満たすために、ポリマーレジストは一般的に薄い層であることができる。しかしながら、このような薄いポリマーレジストはいくつかの欠点を有することがある。特に、高解像度ポリマーレジストは、低い耐エッチング性、すなわち速いエッチング速度を有することができる。ポリマーレジストのこの低い耐エッチング性のために、パターン形成されたレジストを下にある層へ転写することはより困難になる。ポリマーレジストはさらにより低い耐エッチング性およびエッチング選択性を有する可能性があるので、高度な高解像度ポリマーレジストを更に縮小するのが必要な場合に、低い耐エッチング性はより大きな問題となる。
【0004】
いくつかの用途では、ポリマーレジストのパターンをハードマスクに転写することが有利である場合がある。ハードマスクは、ポリマーまたは他の有機「ソフト」レジスト材料の代わりに、またはそれらに加えてエッチングマスクとして半導体プロセスにおいて用いられる材料である。ハードマスク材料は一般的に、ポリマーレジストよりも耐エッチング性が高く、エッチング選択性が高い。しかし、ハードマスクでも、エッチング速度を最適化する必要がある場合がある。
【0005】
したがって、高度な特性、例えば改善された耐エッチング性を備えるポリマーレジストおよびハードマスクが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の概要は、概念の選択を簡略化した形で紹介するように提供する。これらの概念について、以下の本開示の例示的な実施形態の「発明を実施するための形態」において、更に詳細に説明される。この発明の概要は、特許請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図することも、特許請求される主題の範囲を限定するために使用することも意図していない。
【0007】
いくつかの実施形態では、浸透装置が開示される。浸透装置は、上に浸透性材料を備える少なくとも一つの基材を保持するように構成および配置される反応チャンバーと、シリコン化合物を含む第一の前駆体の蒸気を供給するように構成および配置される第一の前駆体源と、反応チャンバーに第一の前駆体源から第一の前駆体の蒸気を供給し、第一の前駆体の蒸気を反応チャンバーから除去するように構成および配置される前駆体分配システムおよび除去システムと、前駆体分配システムおよび除去システムに動作可能に接続され、かつシーケンスコントローラ上で実行される場合、前駆体分配および除去システムを作動させて反応チャンバー内の基材上の浸透性材料に第一の前駆体の蒸気を供給し、これにより、反応チャンバー内の基材上の浸透性材料に、第一の前駆体の蒸気と浸透性材料との反応によってシリコン原子を浸透させることにより、浸透性材料の浸透を実行させるためのプログラムを備えるメモリを備えるシーケンスコントローラと、を備える。
【0008】
いくつかの実施形態では、浸透性材料に浸透させる方法が提供される。方法は、上に配置される浸透性材料を備える基材を反応チャンバー内に供給することと、シリコン化合物を含む第一の前駆体を、反応チャンバー内の浸透性材料に第一の期間(T)供給することであって、これにより反応チャンバー内の基材上の浸透性材料にシリコン原子を浸透させる、供給することと、第二の期間(T)反応チャンバーをパージすることと、を含む。
【0009】
本発明と先行技術を超えて達成された利点とを要約する目的で、本発明の特定の目的及び利点が本明細書において上記に説明されている。当然のことながら、必ずしもこうした目的又は利点のすべてが本発明の任意の特定の実施形態によって達成されなくてもよいことが理解されるべきである。それ故に、例えば本明細書に教示又は示唆する通り、一つの利点又は一群の利点を達成又は最適化する様態で、本明細書で教示又は示唆されうる通りの他の目的又は利点を必ずしも達成することなく、本発明が具体化又は実行されてもよいことを当業者は認識するであろう。
【0010】
これらの実施形態の全ては、本明細書に開示する本発明の範囲内であることが意図されている。当業者には、これらの及び他の実施形態は、添付の図面を参照して、以下のある特定の実施形態の詳細な説明から容易に明らかとなり、本発明は、開示されるいかなる特定の実施形態にも限定されない。
【0011】
本明細書は、本発明の実施形態とみなされるものを具体的に指摘し、明確に特許請求する特許請求の範囲で結論付ける一方で、本開示の実施形態の利点は、添付の図面と併せて読むと、本開示の実施形態のある特定の実施例の説明から、より容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本開示の実施形態による非限定的な例示的な浸透装置である。
図2図2は、本開示の実施形態による第一の前駆体を用いて浸透性材料に浸透させるための方法を示す、非限定的な例示的プロセスフローである。
図3図3は、本開示の実施形態による第一の前駆体および第二の前駆体を用いて浸透性材料に浸透させるための方法を示す、別の非限定的な例示的プロセスフローである。
図4図4は、本開示の実施形態による逐次浸透合成(SIS)のための方法を示す、非限定的な例示的プロセスフローである。
図5図5は、本開示の実施形態による逐次浸透合成(SIS)のための別の方法を示す、別の非限定的な例示的フローである。
図6図6は、本開示の実施形態による、浸透された材料から得られたX線光電子スペクトル(XPS)を表す。
図7図7は、本開示の実施形態による、浸透された材料から得られた二次イオン質量スペクトル(SIMS)である。
図8図8は、本開示の実施形態による、浸透された材料を備える半導体デバイス構造の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ある特定の実施形態および実施例を以下に開示するが、それらは、本発明が具体的に開示する本発明の実施形態および/または用途、ならびにその明白な変更および均等物を超えて拡大することは、当業者により理解されるであろう。それ故に、開示される本発明の範囲は、以下に説明される特定の開示された実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。
【0014】
本明細書に示される図は、任意の特定の材料、構造またはデバイスの実際の図であることを意味せず、本開示の実施形態について記載するために使用される、単に理想化された表現にすぎない。
【0015】
本明細書で使用する用語「基材」は、使用することができる、または上にデバイス、回路、もしくは膜を形成することができる、任意の下地材料または複数の材料を指すことができる。
【0016】
本明細書で使用する用語「浸透性材料」は、追加の種、例えば原子、分子、またはイオンを中に導入することができる任意の材料を指してもよい。
【0017】
本明細書で使用する用語「半導体デバイス構造」という用語は、半導体基材の上またはその中に形成される半導体デバイスの能動部品または受動部品の少なくとも一部分である、またはそれらを含むまたは画定する、処理された半導体構造または部分的に処理された半導体構造の任意の部分を指す場合がある。例えば、半導体デバイス構造としては、集積回路の能動部品および受動部品、例えばトランジスタ、メモリ素子、トランスデューサ、キャパシタ、抵抗器、導電線、導電性ビア、導電性コンタクトパッドなどが挙げられてもよい。
【0018】
本開示の実施形態を通じて多くの例示的な材料が与えられており、例示的な材料のそれぞれに与えられる化学式は限定的であると解釈されるべきではなく、与えられる非限定的な例示的な材料はある例示的な化学量論によって限定されるべきではないことに留意されたい。
【0019】
本開示は、半導体デバイス製造プロセスにおいてエッチングマスクとして使用される材料、例えば、ポリマーレジストおよびハードマスク材料の耐エッチング性を高めるために利用されることができる浸透装置および浸透方法を含む。
【0020】
浸透プロセス、例えば逐次浸透合成(SIS)は、無機保護成分で有機材料を改質することによって様々な有機材料の耐エッチング性を高めることを示している。例えば、SISプロセスは、有機レジスト材料に浸透してレジスト層内に保護成分を形成する気相前駆体へのポリマーレジストの交互暴露を利用する。SISプロセスおよびその使用法は、米国特許出願公開第2012/0241411号に記載され、参照により本明細書に組み込まれる。したがって、浸透プロセスを高解像度ポリマーレジストおよびハードマスクパターニングと組み合わせることは、従来のアプローチ、例えば米国特許出願公開第2014/0273514号に記載されているものではこれまで見られなかった利点をもたらすことができる。
【0021】
従来の浸透プロセスは、一般的に、金属酸化物、例えば、酸化アルミニウム(Al)の高解像度ポリマーレジストへの浸透を伴う。例えば、90℃の基材温度で、トリメチルアルミニウム(TMA)と水(HO)との交互のパルスにより、基材上に配置される高解像度ポリマーレジスト内に酸化アルミニウムを浸透させることができる。しかし、いくつかの半導体デバイス用途では、金属酸化物を浸透材料として利用することは望ましくない場合がある。例えば、酸化アルミニウムを浸透材料として使用することは、プラズマエッチング装置に望ましくないメモリ効果が生じる場合があり、さらに、残留する酸化アルミニウムは除去が困難な場合がある。したがって、代替材料/種を、高解像度ポリマーレジストおよびハードマスク材料中に浸透させることができる浸透装置およびプロセスが望ましい。
【0022】
したがって、本開示のいくつかの実施形態では、浸透装置が開示されることができる。いくつかの実施形態では、浸透装置は、上に浸透性材料を備える少なくとも一つの基材を保持するように構成および配置される反応チャンバーと、シリコン化合物を含む第一の前駆体の蒸気を供給するように構成および配置される第一の前駆体源と、反応チャンバーに第一の前駆体源から第一の前駆体の蒸気を供給し、第一の前駆体の蒸気を反応チャンバーから除去するように構成および配置される前駆体分配システムおよび除去システムと、前駆体分配システムおよび除去システムに動作可能に接続し、かつシーケンスコントローラ上で実行される場合、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて反応チャンバー内の基材上の浸透性材料に第一の前駆体の蒸気を供給し、これにより、反応チャンバー内の基材上の浸透性材料に第一の前駆体の蒸気と浸透性材料との反応によってシリコン原子を浸透させることにより、浸透性材料の浸透を実行させるためのプログラムを備えるメモリを備えるシーケンスコントローラと、を備える。
【0023】
本開示の浸透装置の非限定的な例を、本開示の実施形態による例示的な浸透装置100の概略図を含む図1に例示する。図1に例示する浸透装置100は例示的な浸透装置の簡略化された概略図であり、あらゆる要素、即ち、例えば本開示の浸透装置の製造に利用することができるあらゆるバルブ、ガスライン、発熱体、および反応器構成要素等を含むわけではないことに留意されたい。図1に例示する浸透装置は、本開示の実施形態を理解するように、当業者に充分な開示を提供するために、浸透装置の重要な特徴を提供する。
【0024】
例示的な浸透装置100は、上に浸透性材料106を備える少なくとも一つの基材104を保持するように構成および配置される反応チャンバー102を備えることができる。
【0025】
浸透性材料に浸透させるために使用されることができる反応チャンバーを、本明細書に記載の浸透プロセスに使用することができる。このような反応チャンバーは、原子層堆積(ALD)プロセス用に構成された反応チャンバー、ならびに化学気相堆積(CVD)プロセス用に構成された反応チャンバーを含むことができる。いくつかの実施形態によれば、シャワーヘッド反応チャンバーを使用することができる。いくつかの実施形態によれば、クロスフロー、バッチ、ミニバッチ、または空間的ALD反応チャンバーを使用することができる。
【0026】
本開示のいくつかの実施形態では、バッチ式反応チャンバーを使用することができる。いくつかの実施形態では、縦型バッチ式反応チャンバーを使用することができる。他の実施形態では、バッチ式反応チャンバーは、10枚以下のウェーハ、8枚以下のウェーハ、6枚以下のウェーハ、4枚以下のウェーハ、または2枚以下のウェーハを収容するように構成されたミニバッチ式反応器を備える。
【0027】
本明細書に記載の浸透プロセスを、クラスタツールに連結する反応器または反応チャンバー内で必要に応じて行うことができる。クラスタツールでは、各反応チャンバーが一つのタイプのプロセス専用であるため、各モジュール内の反応チャンバーの温度を一定に保つことができ、各運転の前に基材をプロセス温度まで加熱する反応器と比較してスループットが向上する。更に、クラスタツールでは、反応チャンバーを基材間で所望のプロセス圧力レベルに排気する時間を短縮することが可能である。本開示のいくつかの実施形態では、浸透プロセスとエッチングプロセスの両方は、複数の反応チャンバーを備えるクラスタツール内で実施されてもよく、各個々の反応チャンバーは基材を個々の前駆体ガス/プラズマ化学物質に曝すために使用されてもよく、基材は複数の前駆体ガスおよび/またはプラズマ化学物質に曝すための異なる反応チャンバー間で搬送されてもよく、基材の搬送は基材の酸化/汚染を回避するために制御された周辺環境下で実施される。本開示のいくつかの実施形態では、浸透プロセスおよびエッチングプロセスは、複数の反応チャンバーを備えるクラスタツール内で実施されてもよく、各個々の反応チャンバーは基材を異なる温度に加熱するように構成されてもよい。
【0028】
浸透プロセスを単独で実行するように構成および配置され、ロードロックを装備することができる反応チャンバーを備える、独立型浸透装置を利用することができる。その場合、各運転と運転との間に反応チャンバーを冷却する必要はない。
【0029】
反応チャンバー102内に配置されているのは、上に配置される、すなわち基材104の上面に配置される浸透性材料106を備える少なくとも一つの基材104である。本開示のいくつかの実施形態では、基材104は(図1に示されるように)平面基材またはパターン形成された基材を備えることができる。基材104は、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ゲルマニウムスズ(GeSn)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、シリコンゲルマニウムスズ(SiGeSn)、炭化シリコン(SiC)、またはIII-V族半導体材料、例えば、ガリウムヒ素(GaAs)、ガリウムリン(GaP)、もしくは窒化ガリウム(GaN)を含む一つまたは複数の材料を含むことができるが、これらに限定されない。本開示のいくつかの実施形態では、基材104は、表面半導体層がバルク支持部上に配置され、介在する埋め込み酸化物(BOX)がその間に配置される加工基材を含む。
【0030】
パターン形成された基材は、基材の表面内または表面上に形成された半導体デバイス構造を含むことができる基材を備えることができ、例えば、パターン形成された基材は、部分的に製造された半導体デバイス構造、例えばトランジスタおよび/またはメモリ素子を含むことができる。いくつかの実施形態では、基材は、単結晶表面および/または、多結晶表面および/または非結晶表面などの非単結晶表面を含み得る一つ以上の二次表面を含み得る。単結晶表面は、例えば、シリコン(Si)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ゲルマニウムスズ(GeSn)、またはゲルマニウム(Ge)のうちの一つ以上を含み得る。多結晶または非結晶表面は、誘電体材料、例えば酸化物、酸窒化物または窒化物、例えば酸化ケイ素および窒化ケイ素などを含むことができる。
【0031】
本開示のいくつかの実施形態では、基材104は、その上に配置される、すなわち基材104の上面に配置される浸透性材料106を有する。浸透性材料106は、浸透性材料106に導入された場合に浸透性材料106のエッチング耐性を高めることができる追加の種を導入することができる任意の材料を含むことができる。本開示のいくつかの実施形態では、浸透性材料106は、ポリマーレジスト、例えばフォトレジスト、極端紫外線(EUV)レジスト、液浸フォトレジスト、化学増幅レジスト(CAR)、または電子線レジスト(例えば、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA))等のうちの少なくとも一つを含むことができる。本開示のいくつかの実施形態では、浸透性材料106は、多孔質材料、例えばスピンオングラス(SOG)およびスピンオンカーボン(SOC)を含む多孔質材料、例えば微多孔質および/またはナノ多孔質材料を含むことができる。本開示のいくつかの実施形態では、浸透性材料106は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、および酸窒化ケイ素を含むがこれらに限定されない、一つまたは複数のハードマスク材料を含むことができる。
【0032】
浸透性材料106は、後続のエッチングプロセス中に下にある基材に転写されることができる一つまたは複数の浸透性形体を含む、パターン形成された浸透性材料を含むことができる。浸透性形体は、露光および関連する現像プロセスに応じて形成されることができる任意の形状を含むことができ、ライン形体、ブロック形体、開気孔形体、および円形形体を含むことができるが、これらに限定されない。
【0033】
基材104は、反応チャンバー102内に配置され、上に少なくとも一つの基材を保持するように構成されるサセプタ108によって定位置に保持されることができる。本開示のいくつかの実施形態では、本明細書に開示される浸透プロセスは、基材104および関連する浸透性材料106を好適なプロセス温度に加熱するプロセスを利用することができる。したがって、サセプタ108は、上に配置される浸透性材料106を備える基材104を、約0℃を超える、または約100℃を超える、または約200℃を超える、または約300℃を超える、または約400℃を超える、またはさらに約450℃を超える温度に加熱するように構成されることができる一つまたは複数の発熱体110を備えてもよい。
【0034】
本開示のいくつかの実施形態では、例示的な浸透装置100は、いくらかの前駆体の蒸気を供給し、関連する蒸気を反応チャンバー102に分注するように構成および配置される一つまたは複数の前駆体源114Aおよび114Bをさらに含むことができるガス送達システム112を備えることができる。ガス送達システム112はまた、本明細書に記載の例示的な浸透プロセスのパージサイクルで利用することができるパージガスを貯蔵および分注するように構成された供給源容器116を含むことができる。ガス送達システム112はまた、本明細書に記載の例示的な浸透プロセスで利用されるように反応物質を収容して反応チャンバー102に分配するように構成される反応物質供給源容器118を備えることができる。非限定的な例として、浸透装置100は、シリコン化合物を含む第一の前駆体の蒸気を供給するように構成および配置される第一の前駆体源114Aを備えることができる。いくつかの実施形態では、第一の前駆体源114Aは、シリコン化合物を含む第一の前駆体を蒸発させるように構成および配置される第一の前駆体蒸発器を備えることができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、第一の前駆体源114Aは、好適な動作条件下で第一の前駆体を貯蔵および収容するように構成された供給源容器を備えることができる。例えば、第一の前駆体は固体前駆体、液体前駆体、または気相前駆体を含むことができ、供給源容器は好適な動作条件下で固体、液体、または気相前駆体を貯蔵および収容するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、第一の前駆体はシリコン化合物を液体形態で含むことができ、第一の前駆体源は、第一の前駆体を好適な動作温度に加熱し、それにより第一の前駆体の一部を制御可能に蒸発させることができる、一つまたは複数の制御可能な発熱体を備えることができる第一の前駆体蒸発器を備えることができ、蒸発した蒸気は、続いて、浸透性材料を浸透させるための好適な手段によって反応チャンバー102に分配される。いくつかの実施形態では、第一の前駆体源114Aと関連付けられた一つまたは複数の発熱体は、第一の前駆体の蒸気圧を制御するように構成されてもよい。更に、流量コントローラ120A、例えば質量流量コントローラ(MFC)は、第一の前駆体源114Aと更に関連付けられてもよく、第一の前駆体源114A、例えば、第一の前駆体蒸発器から生成された蒸気の質量流量を制御するように構成されてもよい。流量コントローラ120Aに加えて、バルブ122A、例えば遮断弁を第一の前駆体源114Aと関連付けることができ、第一の前駆体源114Aを反応チャンバー102から切リ離すために利用することができる。即ち、バルブ122Aが閉位置にある場合には、第一の前駆体源114Aによって生成された蒸気が反応チャンバー102内に流入するのを防ぐことができる。
【0036】
別の実施形態では、第一の前駆体源114Aは、キャリアガス(例えば、窒素)を第一の前駆体上を通過させる、または第一の前駆体を通ってバブリングさせることができるようなキャリアガス投入装置(図示せず)を更に備えることができ、その結果、第一の前駆体をキャリアガス中に取り込むことができ、その後、キャリアガス/第一の前駆体蒸気を適切な手段によって反応チャンバー102に供給することができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、第一の前駆体源114Aは、シリコン化合物を含む第一の前駆体の蒸気を供給するように構成および配置されてもよい。例えば、第一の前駆体源114Aは、第一の前駆体の一部を蒸発させるように構成および配置される第一の前駆体蒸発器を備えることができ、それによりシリコン化合物を含む第一の前駆体の蒸気を生成する。いくつかの実施形態では、第一の前駆体源114Aは、置換シランの蒸気を供給するように構成および配置されることができる。いくつかの実施形態では、第一の前駆体源114Aは、アミノシランの蒸気を供給するように構成および配置されることができる。いくつかの実施形態では、第一の前駆体源は、3-アミノプロピルおよびシリコン含有化合物の蒸気、即ち3-アミノプロピル成分とシリコン成分の両方を含むシリコン前駆体を提供するように構成および配置されてもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、第一の前駆体源114Aは、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)の蒸気を供給するように構成および配置されてもよい。例えば、第一の前駆体源114Aは、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)を蒸発させるように構成および配置されることができる第一の前駆体蒸発器を備えることができる。例えば、APTESを好適な供給源容器に貯蔵して収容することができ、APTESの一部を気化させ、それにより浸透性材料を浸透させるのに好適な気化された第一の前駆体を生成するために、関連する発熱体を利用してAPTESを0℃より高い、または90℃より高い、または更には230℃より高い温度に加熱することができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、第一の前駆体源114Aは、3-アミノプロピルトリメトキシシラン(APTMS)の蒸気を供給するように構成および配置されてもよい。例えば、第一の前駆体源114Aは、3-アミノプロピルトリメトキシシラン(APTMS)を蒸発させるように構成および配置されることができる第一の前駆体蒸発器を備えることができる。例えば、APTMSを好適な供給源容器に貯蔵して収容することができ、APTMSの一部を気化させ、それにより浸透性材料を浸透させるのに好適な気化された第一の前駆体を生成するために、関連する発熱体を利用してAPTMSを0℃より高い、または90℃より高い、または更には230℃より高い温度に加熱することができる。
【0040】
本開示のいくつかの実施形態では、第一の前駆体源114Aは、アルコキシド配位子とアルコキシド配位子以外の別の配位子とを含むシリコン前駆体の蒸気を供給するように構成および配置されてもよい。例えば、第一の前駆体源114Aは、アルコキシド配位子およびアルコキシド配位子以外の別の配位子を含むシリコン前駆体を蒸発させるように構成および配置されることができる第一の前駆体蒸発器を備えることができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、第一の前駆体源114Aは、シリコン原子に結合するアミノ置換アルキル基を含むシリコン前駆体の蒸気を供給するように構成および配置されてもよい。本開示の非限定的な例示的な実施形態として、第一の前駆体源114、例えば、第一の前駆体蒸発器は、一般式(I)~(III)を有するシリコン前駆体の蒸気を供給するように構成および配置されることができる;
A-R-Si-L-L-L (I)
A-R-Si-(OR)(OR)(OR) (II)
N-R-Si-(OR)(OR)(OR) (III)
式中、Aは、例えばNH、NHR、NR、またはORなどの炭素鎖の置換基であり、Rは、例えばC1~C5アルキル基などの炭素鎖骨格であり、Lは、NR(アルキルアミン)、アルコキシド(OR)、ハロゲン、または水素である。
【0042】
本開示のいくつかの実施形態では、第一の前駆体源114Aは、ハロゲン化物、例えば、ハロゲン化シリコン、ハロゲン化シラン、またはハロゲン化物を含むシラン、を含むシリコン化合物の蒸気を供給するように構成および配置されることができる。いくつかの実施形態では、シリコン化合物は、塩化物、例えば、ヘキサクロロジシラン(HCDS)、ジクロロシラン(DCS)、または四塩化ケイ素(SiCl)のうちの少なくとも一つを含む。本開示の非限定的な例示的な実施形態として、第一の前駆体源114Aは、一般式(IV)~(VI)を有するシリコン前駆体の蒸気を供給するように構成および配置されることができる;
Si2n+2(式中、nは1~4である) (IV)
Si2n+2-w(式中、nは1~4、wは0~4である) (V)
Si2n+2-w-y(式中、nは1~4、wは0~4-y、yは0~4-wである) (VI)
式中、Xはハロゲン、例えば、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、またはヨウ素(I)であり、LはNR(アルキルアミン)、アルコキシド(OR)、ハロゲン、または水素であり、Hは水素である。
【0043】
本開示のいくつかの実施形態では、第一のシリコン前駆体は、好適な原料容器に貯蔵された場合、すでに蒸気状態であってもよく、前駆体源は、関連する原料容器内の気相のシリコン前駆体の温度を上昇および下降させることにより、気相のシリコン前駆体の蒸気圧を制御するために利用されてもよい。したがって、当然のことながら、本開示の前駆体源は、気相反応物質、ならびに固体、液体、または混相反応物質を収容および分注するために利用されることができる。
【0044】
本開示のいくつかの実施形態では、例示的な浸透装置100(図1)は、反応チャンバー102に第一の前駆体源114Aからの第一の前駆体の蒸気を供給し、反応チャンバー102から第一の前駆体の蒸気を除去するように構成および配置される前駆体分配除去システムを備えることができる。
【0045】
より詳細には、前駆体分配システムは、ガス送達システム112、および一つまたは複数のガスライン、例えば第一の前駆体源114Aと流体連通するガスライン124、第二の前駆体源114Bと流体連通するガスライン126、供給源容器116と流体連通するガスライン128、および反応物質供給源容器118と流体連通するガスライン130を備えることができる。非限定的な例として、ガスライン124は第一の前駆体源114Aに流体連通しており、第一の前駆体の蒸気を反応チャンバー102に供給するように構成されていてもよい。
【0046】
前駆体分配システムは更に、第一の前駆体の蒸気を反応性チャンバー102内および浸透性材料106が上に配置された基材104上に分配するように構成されるガス分配器132を備えることができ、ガス分配器132は、ガスライン126、128、および130と流体連通することに加えて、ガスライン124と流体連通する。
【0047】
非限定的な例示的実施形態として、図1にブロック形状で例示するように、ガス分配器132はシャワーヘッドを備えることができる。シャワーヘッドはブロック形状で例示されているが、シャワーヘッドは比較的複雑な構造であることができることに留意されたい。いくつかの実施形態では、シャワーヘッドは、ガス混合物を反応チャンバー102に分配する前に複数の供給源からの蒸気を混合するように構成されてもよい。別の実施形態では、シャワーヘッドは、シャワーヘッドに導入された複数の蒸気間の分離を維持するように構成されてもよく、複数の蒸気は反応チャンバー102内に配置された基材104の近傍でのみ互いに接触する。更に、シャワーヘッドは、反応チャンバー102内への垂直方向または水平方向のガスの流れを供給するように構成されてもよい。例示的なガス分配器は、米国特許第8,152,922号に記載されており、その内容は、本開示と矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。
【0048】
図1に例示するように、前駆体分配システムは、ガス送達システム112、少なくともガスライン124、126、128、および130、ならびにガス分配器132を備えることができるが、前駆体分配システムは図1に例示しない別の構成要素、例えば別のガスライン、バルブ、アクチュエータ、シール、および発熱体を備えることができることに留意されたい。
【0049】
前駆体分配システムに加えて、例示的な浸透装置100はまた、反応チャンバー102からガスを除去するように構成および配置される除去システムを備えることができる。いくつかの実施形態では、除去システムは、反応チャンバー102の壁内に配置される排気口134と、排気口134と流体連通する排気ライン136と、排気ライン136と流体連通し反応チャンバー102内からガスを排気するように構成される真空ポンプ138とを備えることができる。一つまたは複数のガスが真空ポンプ138を利用して反応チャンバー102から排出されると、それらは別の排気ライン140に沿って運ばれて例示的な浸透装置100を出ることができ、そこで更なる削減プロセスを受けることができる。
【0050】
反応チャンバー102内からの前駆体ガス、すなわち反応性蒸気の除去を更に助けるために、除去システムは、ガスライン128を介してガス分配器132に流体連通する供給源容器116を更に備えることができる。例えば、供給源容器116は、パージガス、例えばアルゴン(Ar)、窒素(N)、またはヘリウム(He)を収容および貯蔵するように構成されてもよい。供給源容器116に関連付けられた流量コントローラ120Cおよびバルブ122Cは、ガスライン128を通ってガス分配器132へ、そして反応チャンバー102内へと供給されるパージガスの流量、特に質量流量を制御することができる。パージガスは、反応チャンバー102内から気相前駆体ガス、不活性ガス、および副生成物の除去を助け、特に、浸透性材料106の露出面から前駆体ガスおよび未反応副生成物を取り除くことができる。パージガス(および任意の関連する前駆体および副生成物)は、真空ポンプ138を利用して排気口134を経由して反応チャンバー102から出ることができる。
【0051】
本開示のいくつかの実施形態では、例示的な浸透装置100は、前駆体分配システムおよび除去システムに動作可能に接続され、シーケンスコントローラ上で実行される場合に浸透性材料の浸透を実行するためのプログラムを備えたメモリを備えるシーケンスコントローラを更に備えることができる。
【0052】
より詳細には、例示的な浸透装置100は、制御ライン144A、144B、および144Cも含むことができるシーケンスコントローラ142を備えることができ、制御ラインは浸透システム100の様々なシステムおよび/または構成要素をシーケンスコントローラ142に結合させることができる。例えば、制御ライン144Aは、シーケンスコントローラ142をガス送達システム112と結合させることができ、それによってガスライン124、126、128、および130、ならびにガス分配器132を含む前駆体分配システムを制御することができる。制御ライン144Bは、シーケンスコントローラ142を反応チャンバー102と結合させ、それによって、プロセス圧力およびサセプタ温度を含むがこれらに限定されない反応チャンバーの動作を制御することができる。制御ライン144Cは、ガス除去システムの動作および制御がシーケンスコントローラ142によって提供されることができるように、シーケンスコントローラ142を真空ポンプ138と結合させることができる。
【0053】
図1に例示するように、シーケンスコントローラ142は3本の制御ライン144A、144B、および144Cを備えるが、当然のことながら多数の制御ライン、即ち電気的および/または光学的に接続した制御ラインを利用して、浸透装置100を備える所望のシステムおよび構成要素をシーケンスコントローラ142と連結し、それによって浸透装置100全体を制御することができることに留意されたい。
【0054】
本開示のいくつかの実施形態では、シーケンスコントローラ142は、例示的な浸透装置100に含まれるバルブ、ヒーター、流量コントローラ、マニホールド、ポンプ、および他の機器を選択的に操作するための電子回路を備えることができる。このような回路および構成要素は、前駆体ガスおよびパージガスをそれぞれの前駆体源114A、114B、反応物質供給源容器118、およびパージガス供給源容器116から導入するように動作する。シーケンスコントローラ142はまた、前駆体パルスシーケンスのタイミング、基材および反応チャンバーの温度、ならびに反応チャンバーの圧力、ならびに浸透装置100を適切に動作させるために必要な他の様々な動作を制御することができる。いくつかの実施形態では、シーケンスコントローラ142はまた、反応チャンバー102内に入り、そこから出て行く前駆体およびパージガスの流量を制御するための制御ソフトウェアおよび電気的または空気圧で制御されるバルブを備えることができる。本開示のいくつかの実施形態では、シーケンスコントローラ142は、シーケンスコントローラ上で実行される場合、浸透性材料の浸透を実行するためのプログラムを備えたメモリ144を備えることができる。例えば、シーケンスコントローラ142は、モジュール、例えば特定の浸透プロセスを行うソフトウェアまたはハードウェアコンポーネント、例えばFPGAもしくはASICを備えることができる。モジュールは、シーケンスコントローラ142のアドレス指定可能な記憶媒体上に常駐するように構成されることができ、一つまたは複数の浸透プロセスを実行するように構成されることができる。
【0055】
本開示のいくつかの実施形態では、シーケンスコントローラ142のメモリ144は、シーケンスコントローラ142上で実行される場合、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて、第一の前駆体の蒸気を反応チャンバー102内の基材104上の浸透性材料106に供給し、それにより反応チャンバー102内の基材104上の浸透性材料106に第一の前駆体の蒸気と浸透性材料106との反応によってシリコン原子を浸透させること、によって浸透性材料106の浸透を実行するようにプログラムを備えることができる。
【0056】
本開示のいくつかの実施形態では、例示的な浸透装置100は、第二の前駆体源114B、例えば第二の前駆体蒸発器を備えることができる。より詳細には、第二の前駆体源114Bは、シリコン化合物を含む第二の前駆体の蒸気を供給するように構成および配置されてもよい。例えば、第二の前駆体源114Bは、シリコン化合物を含む第二の前駆体を蒸発させるように構成および配置されることができる第二の前駆体蒸発器を備えることができる。いくつかの実施形態では、第二の前駆体源114Bは、第一の前駆体源114Aと同一または実質的に同一であってもよく、したがって、第二の前駆体源114Bに関する詳細は、簡潔のために省略される。
【0057】
いくつかの実施形態では、前駆体分配システムおよび除去システムは、反応チャンバー102に第二の前駆体源114Bから第二の前駆体の蒸気を供給するように構成および配置されてもよい。例えば、ガスライン126は、流量コントローラ120Bおよびバルブ122Bを介して第二の前駆体源114Bに流体連通することができ、第二の前駆体の蒸気を第二の前駆体源114Bからガス分配器132に、続いて反応チャンバー102内に供給することができる。いくつかの実施形態では、メモリ144内のプログラムは、シーケンスコントローラ142上で実行される場合、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて、第二の前駆体の蒸気を反応チャンバー102に供給し、それにより基材104上の浸透性材料106に第二の前駆体の蒸気からのシリコン原子を浸透させることができること、によって浸透性材料106の浸透を実行するようにプログラムされることができる。
【0058】
本開示のいくつかの実施形態では、第二の前駆体源114Bは、第一の前駆体源114Aに関連して本明細書に前記したように、シリコン前駆体、すなわち、シリコン含有化合物のいずれかの蒸気を供給するように構成および配置されることができる。いくつかの実施形態では、第二の前駆体源114Bは、第一の前駆体源114Aとは異なるシリコン化合物の蒸気を供給するように構成および配置されることができ、すなわち、第二の前駆体源114Bは、第一の前駆体源114Aによって供給される第一のシリコン前駆体の蒸気とは異なる場合がある第二のシリコン前駆体の蒸気を供給するように構成および配置されることができる。非限定的な例として、第一の前駆体源114Aは、APTESを蒸発させ、APTESの蒸気を反応チャンバー102に供給するように構成および配置されてもよく、第二の前駆体源114Bは、HCDSを蒸発させ、HCDSの蒸気を反応チャンバー102に供給するように構成および配置されてもよい。
【0059】
本開示のいくつかの実施形態では、メモリ144内のプログラムは、シーケンスコントローラ142上で実行される場合、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて第一の前駆体と同時に第二の前駆体を供給する、すなわち、第一の前駆体源114Aおよび第二の前駆体源114Bの両方は、第二の前駆体の蒸気および第一の前駆体の蒸気を同時に反応チャンバー102に供給することができ、基材104上に配置される浸透性材料106は、第二の前駆体、すなわち第二のシリコン化合物の蒸気、および第一の前駆体、すなわち第一のシリコン化合物の蒸気の両方によって同時に浸透されることができること、によって浸透性材料106の浸透を実行するようにプログラムされることができる。
【0060】
本開示のいくつかの実施形態では、メモリ144内のプログラムは、シーケンスコントローラ142上で実行される場合、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて、第一の前駆体の後に第二の前駆体を供給する、即ち、第一の前駆体源114Aは、第一の前駆体の蒸気を反応チャンバー102内に供給し、浸透性材料106に第一の前駆体を浸透させることができ、続いて、第二の前駆体源114Bは、第二の前駆体の蒸気を反応チャンバー102に供給し、浸透性材料106に第二の前駆体を浸透させることができること、によって浸透性材料106の浸透を実行するようにプログラムされることができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、シーケンスコントローラ142は、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて第二の前駆体の後に第一の前駆体を供給するためにメモリ144上でプログラムを実行してもよい。即ち、第二の前駆体源114Bは、第二の前駆体の蒸気を反応チャンバー102に供給して浸透性材料106に第二の前駆体の蒸気を浸透させることができ、続いて、第一の前駆体源114Aは第一の前駆体の蒸気を反応チャンバー102に供給して浸透性材料106に第一の前駆体の蒸気を浸透させることができる。
【0062】
本開示のいくつかの実施形態では、メモリ144に搭載されたプログラムは、シーケンスコントローラ142上で実行される場合、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて第一の前駆体を反応チャンバー102に供給し、続いて過剰の第一の前駆体およびあらゆる副生成物を反応チャンバーから除去するためにパージサイクルを行い、そしてその後第二の前駆体を反応チャンバーに供給し、続いて過剰の第二の前駆体およびあらゆる副生成物を反応チャンバーから除去するために第二のパージサイクルを行うこと、によって浸透性材料106の浸透を実行するようにプログラムされることができる。
【0063】
より詳細には、シーケンスコントローラ142のメモリ144内に搭載されたプログラムは、最初に第一の前駆体源114Aを作動させ、反応チャンバー102に第一の前駆体の蒸気を供給して浸透性材料106に第一の前駆体の蒸気を浸透させることができる。その後、第一の前駆体源114Aの作動を停止させ、第一の前駆体源114Aと反応チャンバー102との間の反応チャンバー102への流体連通を、例えば第一の前駆体源114Aに関連付けられたバルブ122Aによって解除されることができる。第一の前駆体源114Aの作動を停止させ、そして反応チャンバー102から分離すると、シーケンスコントローラ142のメモリ144に搭載されたプログラムは、真空ポンプ138と係合させし、または係合させ続けて、第一の前駆体の過剰な蒸気およびあらゆる副生成物を反応チャンバー102から排出させることができる。更なる実施形態では、真空ポンプ138を利用して第一の前駆体の過剰な蒸気およびあらゆる副生成物を反応チャンバー102から排出することに加えて、シーケンスコントローラ142のメモリ144に搭載されたプログラムはパージガスの供給源を含む供給源容器116を、例えば、供給源容器116に関連付けられたバルブ122Cを開くことによって作動させることができる。パージガスは、ガス分配器132を介してガスライン128を通って反応チャンバー102内に流れ込み反応チャンバー102をパージし、特に基材104上に配置された浸透性材料106をパージすることができる。シーケンスコントローラ142のメモリ144に搭載されたプログラムは、その後、反応チャンバー102を通るパージガスの流れを停止させ、続いて第二の前駆体源114Bを作動させ、それによって第二の前駆体の蒸気を反応チャンバー102に供給し、特に浸透性材料106を第二の蒸気源114Bによって供給される第二の前駆体蒸気で浸透させることができる。シーケンスコントローラ142のメモリ144に搭載されたプログラムは、続いて第二の前駆体の蒸気の反応チャンバー102への流れを停止させ、続いて供給源容器116を作動させて反応チャンバーを再びパージする、例えば第二の前駆体の過剰な蒸気を除去することができる。
【0064】
本開示のいくつかの実施形態では、メモリ144に搭載されたプログラムは、シーケンスコントローラ142上で実行される場合、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて第二の前駆体の蒸気を反応チャンバーに供給し、続いて第二の前駆体の過剰な蒸気およびあらゆる副生成物を反応チャンバーから除去するためにパージサイクルを行い、その後第一の前駆体の蒸気を反応チャンバーに供給し、続いて第一の前駆体の過剰な蒸気およびあらゆる副生成物を反応チャンバーから除去するためにパージサイクルを行うこと、によって浸透性材料106の浸透を実行するようにプログラムされることができる。
【0065】
本開示の別の実施形態では、例示的な浸透装置100は、順次浸透合成(SIS)装置を備えてもよい。例えば、逐次浸透合成(SIS)装置は、浸透性材料を二つ以上の気相前駆体に交互に自己制御的に曝すように構成および配置されることができる。したがって、第一の前駆体源114Aおよび第二の前駆体源114Bに加えて、例示的な浸透装置100は、反応物質供給源容器118および反応物質供給ライン、即ち、酸素前駆体を含む反応物質を反応チャンバー102に供給するように構成および配置されるガスライン130を更に備えることができる。
【0066】
本開示のいくつかの実施形態では、反応物質供給源容器118は、固相の、液相の、または気相の反応物質を含むことができる。いくつかの実施形態では、反応物質供給源容器118は反応物質蒸発器を備えることができ、即ち、一つまたは複数の発熱体が反応物質供給源容器と関連付けられ、反応物質の蒸発を可能にし、それによって酸素前駆体を含む気化反応物質を反応チャンバー102に供給することができる。いくつかの実施形態では、酸素前駆体を含む蒸気反応物質の反応チャンバーへの流量の制御は、共に反応物質供給源容器118に関連付けられたバルブ122Dおよび流量コントローラ120Dを使用することによって達成されることができる。反応物質供給源容器118が反応物質蒸発器を更に備える本開示のいくつかの実施形態では、反応物質蒸発器は、酸素前駆体を含む反応物質として水(HO)または過酸化水素(H)のうちの少なくとも一つを蒸発させるように構成および配置されることができる。
【0067】
本開示のいくつかの実施形態では、反応物質供給源容器118は、反応物質供給ライン130およびガス分配器132を介して気体の酸素前駆体を反応チャンバー102に貯蔵および分配することができる。いくつかの実施形態では、気体の酸素前駆体は、オゾン(O)または分子状酸素(O)のうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0068】
本開示のいくつかの実施形態では、例示的な浸透装置100は、気体の酸素前駆体からプラズマを発生させ、それによって原子状酸素、酸素イオン、酸素ラジカル、および酸素の励起種のうちの一つまたは複数を反応チャンバー102に供給するように構成および配置されるプラズマ発生装置146を必要に応じてさらに備えることができ、それによって、プラズマ発生装置146によって生成される酸素系プラズマは、基材104の上に配置される浸透性材料106と反応することができる。
【0069】
本開示のいくつかの実施形態では、例示的な浸透装置100は、酸素前駆体を含む反応物質を反応チャンバー102に供給するように構成および配置される反応物質供給源容器118および反応物質供給ライン130を更に備える逐次浸透合成装置とすることができ、シーケンスコントローラ142のメモリ144内のプログラムは、シーケンスコントローラ142上で実行される場合、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて反応チャンバー102からガスを除去すること、および前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて酸素前駆体を含む反応物質を反応チャンバー102に供給すること、それによって、反応チャンバー102内の基材104上の浸透性材料106は、第一の前駆体および酸素前駆体を含む反応物質と浸透性材料106との反応によってシリコン原子および酸素原子を浸透させることにより、浸透性材料106の浸透を実行するようにプログラムされることができる。いくつかの実施形態では、第一の前駆体を供給し、続いて反応物質を供給するプログラムシーケンスを、一回または複数回繰り返すことができる。いくつかの実施形態では、プログラムシーケンスの各工程の後に、真空ポンプ138を利用して反応チャンバー102を排気し、必要に応じて供給源容器116からパージガスを流すことによって反応チャンバーから過剰な前駆体および副生成物を除去するパージサイクルを行うことができる。
【0070】
本開示のいくつかの実施形態では、メモリ144に搭載されたプログラムは、シーケンスコントローラ142上で実行される場合、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて、酸素前駆体を反応物質供給源容器118から反応チャンバーに、続いて第一の前駆体の蒸気を第一の前駆体源114Aから反応チャンバー102に供給し、それにより浸透性材料にシルコンおよび酸素原子の両方を浸透させること、により浸透性材料106の逐次浸透合成を実行するようにプログラムされることができる。いくつかの実施形態では、酸素前駆体を供給し、続いて第一の前駆体の蒸気を供給するプログラムシーケンスを、一回または複数回繰り返すことができる。いくつかの実施形態では、プログラムシーケンスの各工程の後に、真空ポンプ138を利用して反応チャンバー102を排気し、必要に応じて供給源容器116からパージガスを流すことによって反応チャンバーから過剰な前駆体および副生成物を除去するパージサイクルを行うことができる。
【0071】
本開示のいくつかの実施形態では、装置は逐次浸透合成装置を備え、第二の前駆体の蒸気を反応チャンバー102に供給するように構成および配置される第二の前駆体源114Bを更に備える。例えば、第二の前駆体源114Bは、シリコン化合物を含む第二の前駆体を蒸発させるように構成および配置される第二の前駆体蒸発器を備えることができる。いくつかの実施形態では、前駆体分配システムおよび除去システムは、第二の前駆体源114Bから第二の前駆体の蒸気を反応チャンバー102に供給するように構成および配置されてもよく、メモリ144内のプログラムは、シーケンスコントローラ142上で実行される場合、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて第二の前駆体を供給することによって浸透性材料の浸透を実行するようにプログラムされる。
【0072】
本開示のいくつかの実施形態では、メモリ144内のプログラムは、シーケンスコントローラ142上で実行される場合、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて、第一の前駆体、続いて反応物質、続いて第二の前駆体、そして続いて反応物質を供給すること、によって浸透性材料106の浸透を実行するようにプログラムされる。
【0073】
本開示のいくつかの実施形態では、メモリ144内のプログラムは、シーケンスコントローラ142上で実行される場合、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて、第一の前駆体、続いて反応物質、続いて第二の前駆体、そして続いて反応物質を供給することを複数回繰り返すこと、によって浸透性材料106の浸透を実行するようにプログラムされることができる。
【0074】
本開示のいくつかの実施形態では、メモリ144内のプログラムは、シーケンスコントローラ142上で実行される場合、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて、第一の前駆体、続いて反応物質、続いて第二の前駆体、そして続いて反応物質を供給する各工程の間に、前駆体および/または反応物質を反応チャンバーから除去すること、によって浸透性材料106の浸透を実行するようにプログラムされることができる。
【0075】
本開示のいくつかの実施形態では、メモリ144内のプログラムは、シーケンスコントローラ142上で実行される場合、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて、第一の前駆体を供給し、続いて第二の前駆体を供給し、そして続いて反応物質を供給すること、によって浸透性材料106の浸透を実行するようにプログラムされることができる。いくつかの実施形態では、第一の前駆体を供給し、続いて第二の前駆体を供給し、そして続いて反応物質を供給するプログラムシーケンスを、一回または複数回繰り返すことができる。いくつかの実施形態では、プログラムシーケンスの各工程の後に、真空ポンプ138を利用して反応チャンバー102を排気し、必要に応じて供給源容器116からパージガスを流すことによって反応チャンバーから過剰な前駆体および副生成物を除去するパージサイクルを行うことができる。
【0076】
本開示のいくつかの実施形態では、メモリ144内のプログラムは、シーケンスコントローラ142上で実行される場合、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて、第二の前駆体を供給し、続いて第一の前駆体を供給し、そして続いて反応物質を供給すること、によって浸透性材料106の浸透を実行するようにプログラムされることができる。いくつかの実施形態では、第二の前駆体を供給し、続いて第一の前駆体を供給し、そして続いて反応物質を供給するプログラムシーケンスを、一回または複数回繰り返すことができる。いくつかの実施形態では、プログラムシーケンスの各工程の後に、真空ポンプ138を利用して反応チャンバー102を排気し、必要に応じて供給源容器116からパージガスを流すことによって反応チャンバーから過剰な前駆体および副生成物を除去するパージサイクルを行うことができる。
【0077】
本開示のいくつかの実施形態では、メモリ144内のプログラムは、シーケンスコントローラ142上で実行される場合、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて、第一の前駆体を供給し、続いて反応物質を供給し、そして続いて第二の前駆体を供給すること、によって浸透性材料106の浸透を実行するようにプログラムされることができる。いくつかの実施形態では、第一の前駆体を供給し、続いて反応物質を供給し、そして続いて第二の前駆体を供給するプログラムシーケンスを、一回または複数回繰り返すことができる。いくつかの実施形態では、プログラムシーケンスの各工程の後に、真空ポンプ138を利用して反応チャンバー102を排気し、必要に応じて供給源容器116からパージガスを流すことによって反応チャンバーから過剰な前駆体および副生成物を除去するパージサイクルを行うことができる。
【0078】
本開示のいくつかの実施形態では、メモリ144内のプログラムは、シーケンスコントローラ142上で実行される場合、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて、反応物質を供給し、続いて第一の前駆体を供給し、続いて第二の前駆体を供給し、そして続いて反応物質を供給すること、によって浸透性材料106の浸透を実行するようにプログラムされることができる。いくつかの実施形態では、反応物質を供給し、続いて第一の前駆体を供給し、続いて第二の前駆体を供給し、そして続いて反応物質を供給するプログラムシーケンスを、一回または複数回繰り返すことができる。いくつかの実施形態では、プログラムシーケンスの各工程の後に、真空ポンプ138を利用して反応チャンバー102を排気し、必要に応じて供給源容器116からパージガスを流すことによって反応チャンバーから過剰な前駆体および副生成物を除去するパージサイクルを行うことができる。
【0079】
本開示のいくつかの実施形態では、メモリ144内のプログラムは、シーケンスコントローラ142上で実行される場合、前駆体分配システムおよび除去システムを作動させて、反応物質を供給し、続いて第一の前駆体を供給し、続いて反応物質を供給し、そして続いて第二の前駆体を供給すること、によって浸透性材料106の浸透を実行するようにプログラムされることができる。いくつかの実施形態では、反応物質を供給し、続いて第一の前駆体を供給し、続いて反応物質を供給し、そして続いて第二の前駆体を供給するプログラムシーケンスを、一回または複数回繰り返すことができる。いくつかの実施形態では、プログラムシーケンスの各工程の後に、真空ポンプ138を利用して反応チャンバー102を排気し、必要に応じて供給源容器116からパージガスを流すことによって反応チャンバーから過剰な前駆体および副生成物を除去するパージサイクルを行うことができる。
【0080】
本開示の実施形態はまた、浸透性材料を浸透させるための方法、および浸透性材料にシリコン原子を浸透させるための特定の方法を含むことができる。
【0081】
したがって、本開示の実施形態は、浸透性材料を浸透させる方法を提供することができ、方法は、上に配置される浸透性材料を備える基材を反応チャンバー内に供給することと、シリコン化合物を含む第一の前駆体を、反応チャンバー内の浸透性材料に第一の期間(T)供給することであって、これにより反応チャンバー内の基材上に配置される浸透性材料にシリコン原子を浸透させる、供給することと、第二の期間(T)反応チャンバーをパージすることと、を含む。
【0082】
例示的な浸透プロセス200が図2に例示されており、浸透プロセス200は、上に配置される浸透性材料を備える基材を反応チャンバー内に供給することを含むプロセスブロック210によって進行することができる。基材は、以前に開示されたように、内部に一つまたは複数の材料を備えることができ、平面またはパターン形成された基材を備えることができる。いくつかの実施形態では、浸透性材料は、フォトレジスト、極紫外線(EUV)レジスト、液浸レジスト、化学増幅レジスト(CAR)、電子ビームレジスト、多孔質材料、またはハードマスク材料、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、または酸窒化ケイ素のうちの少なくとも一つを含む。
【0083】
例示的な浸透プロセス200は、シリコン化合物を含む第一の前駆体を、反応チャンバー内の浸透性材料に第一の期間(T)供給することを含むプロセスブロック220によって継続することができ、これにより、反応チャンバー内の基材上に配置される浸透性材料にシリコン原子を浸透させる。第一の前駆体は、気相シリコン化合物を含むことができ、および本明細書に以前に記載のシリコン化合物のいずれかを含むことができる。いくつかの実施形態では、第一の前駆体は、アミノシラン、エトキシシラン、メトキシシラン、またはハロゲン化シリコンのうちの少なくとも一つを含む。いくつかの実施形態では、第一の前駆体は、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)またはヘキサクロロジシラン(HCSD)のうちの少なくとも一つを含む。いくつかの実施形態では、第一の期間(T)、すなわち、第一の前駆体が浸透性材料に供給され、接触する期間は、約25ミリ秒~約10時間であってもよい。
【0084】
例示的な浸透プロセス200は、反応チャンバーを一定期間(T)パージすることを含むプロセスブロック230によって継続することができる。例えば、反応チャンバーは、真空ポンプを利用して反応チャンバーから過剰な第一の前駆体(および任意の反応副生成物)を排出することによってパージされることができる。さらに、パージプロセスはまた、過剰な前駆体ガスの排出を支援するために、パージガスを反応チャンバー内に供給することを含むことができる。いくつかの実施形態では、反応チャンバーは、約25ミリ秒から約10時間の期間(T)パージされることができる。
【0085】
例示的な浸透プロセス200は、決定ゲート240で継続することができ、決定ゲート240は、浸透性材料中に浸透したシリコンの原子パーセント(原子%)に依存することができる。不十分なシリコン原子が浸透性材料中に浸透する場合、例示的なプロセス200はプロセスブロック220に戻ることができ、浸透性材料は、第一のシリコン前駆体を浸透性材料に供給し、続いてプロセスブロック230を行うことにより、第一のシリコン前駆体に再び曝されることができ、反応チャンバーから過剰な前駆体および副生成物が除去される。したがって、開示のいくつかの実施形態は、第一の前駆体を供給する工程と、続いて反応チャンバーをパージする工程とを、所望の原子%のシリコン原子が浸透性材料中に浸透されるまで1回または複数回繰り返すことを含むことができる。所望の原子%のシリコン原子が浸透性材料中に浸透すると、例示的なプロセスは、プロセスブロック250を介して終了することができる。例えば、例示的な浸透プロセスは、シリコン原子の原子%が0.1%を超える、または5%を超える、または15%を超える、または50%を超える、または75%を超える、またはさらに約100%である浸透性材料を作製することができる。いくつかの実施形態では、浸透プロセスは、15%を超える原子%のシリコン原子が浸透した浸透性材料を作製することができる。いくつかの実施形態では、浸透したシリコン原子は、浸透性材料内に均一に分布することができる。いくつかの実施形態では、浸透したシリコン原子は、浸透性材料内に不均一に分布していてもよい。
【0086】
別の例示的な浸透プロセス300は、図3を参照して説明することができ、例示的な浸透プロセス300は、上に配置される浸透性材料を備える基材を反応チャンバー内に供給することを含むプロセスブロック310によって進行することができる。プロセスブロック310は、図2のプロセスブロック210と同等である。したがって、本明細書ではより詳細には説明されない。
【0087】
例示的な浸透プロセス300は、シリコン化合物を含む第一の前駆体を、反応チャンバー内の浸透性材料に第一の期間(T)供給することを含むプロセスブロック320によって継続することができ、これにより、反応チャンバー内の基材上に配置される浸透性材料にシリコン原子を浸透させる。プロセスブロック320は、図2のプロセスブロック220と同等である。したがって、本明細書ではより詳細には説明されない。
【0088】
例示的な浸透プロセス300は、シリコン化合物を含む第二の前駆体を、反応チャンバー内の浸透性材料に第三の期間(T)供給することを含むプロセスブロック330によって継続することができ、これにより、反応チャンバー内の基材上に配置される浸透性材料にシリコン原子を浸透させる。例えば、第二の前駆体を供給し、および第二の前駆体を浸透性材料と接触させるための第三の期間(T)は、約25ミリ秒~約10時間であることができる。
【0089】
本開示のいくつかの実施形態では、シリコン化合物を含む第二の前駆体は、本明細書で前記のシリコン化合物のいずれかを含むことができる。特定の実施形態では、第二の前駆体は、アミノシラン、エトキシシラン、メトキシシラン、またはハロゲン化シリコンのうちの少なくとも一つを含むことができる。いくつかの実施形態では、第二の前駆体は、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)またはヘキサクロロジシラン(HCSD)のうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0090】
本開示のいくつかの実施形態では、第一の前駆体は、第二の前駆体とは異なる可能性があり、すなわち、第一の前駆体は第一のシリコン気相反応物質を含むことができ、第二の前駆体はまた、第一のシリコン気相反応物質とは異なる第二のシリコン気相反応物を含むことができる。
【0091】
図3には二つの別個のプロセスブロックとして例示されているが、第一の前駆体を供給することを含むプロセスブロック320および第二の前駆体を供給することを含むプロセスブロック330は、同時に進行する可能性があり、すなわち、第一の前駆体および第二の前駆体は、反応チャンバー内の浸透性材料に同時に供給されることができ、それにより浸透性材料にシリコン原子を浸透させる。
【0092】
別の実施形態では、第一の前駆体と第二の前駆体は浸透性材料に別々に供給されることができる、すなわち、第一の前駆体と第二の前駆体が浸透性材料に同時に接触しないように供給されることができる。このような実施形態では、第一の前駆体と第二の前駆体は浸透性材料に別々に供給され、例示的な浸透プロセスは、第一の前駆体を供給することと第二の前駆体を供給することとの間の反応チャンバーパージをさらに含むことができ、過剰な第一の前駆体(および任意の反応副生成物)は、第二の前駆体を浸透性材料に供給する前に反応チャンバーから除去されることができる。過剰な第二の前駆体および任意の反応副生成物を除去するために、第二の前駆体を供給した後、別の反応チャンバーパージを実施することができる。第一の前駆体と第二の前駆体が浸透性材料に別々に供給されるこのような実施形態では、前駆体の供給の順序は、第二の前駆体が最初に浸透性材料に供給され、続いて第一の前駆体が供給され、必要に応じて反応チャンバーが供給工程間でパージされてもよい、ことに留意されたい。
【0093】
例示的な浸透プロセス300は、第二の前駆体を浸透性材料に供給した後、第四の期間(T)反応チャンバーをパージすることを含むプロセスブロック340によって進行することができる。例えば、反応チャンバーから過剰な前駆体を除去するために利用される第四の期間(T)は、約25ミリ秒~約10時間であることができる。
【0094】
例示的な浸透プロセス300は、決定ゲート350で継続することができ、決定ゲート350は、浸透性材料中に浸透したシリコンの原子パーセント(原子%)に依存することができる。不十分なシリコン原子が浸透性材料中に浸透する場合、例示的なプロセス300はプロセスブロック320に戻ることができ、浸透性材料は、第一のシリコン前駆体(プロセスブロック320)および第二の前駆体(プロセスブロック330)(任意の介在反応チャンバーパージを伴う)に再び曝され、続いてプロセスブロック340を行い、反応チャンバーから過剰な前駆体および反応副生成物を取り除く。したがって、本明細書に開示の方法は、第一の前駆体を供給する工程、続いて反応チャンバーをパージする工程、続いて第二の前駆体を供給する工程、続いて反応チャンバーをパージする工程を、すなわち、所望の原子%のシリコンが浸透性材料中に浸透するまで、1回または複数回繰り返すことを含むことができる。
【0095】
所望の原子%のシリコン原子が浸透性材料中に浸透すると、例示的なプロセス300はプロセスブロック360を介して終了することができる。
【0096】
特にいかなる理論に拘束されることはないが、第一のシリコン前駆体および第二の異なるシリコン前駆体を浸透性材料に供給することを含む本開示の方法は、より大きな原子%のシリコン原子の浸透をもたらす可能性があると考えられる。例えば、例示的な浸透プロセス300は、シリコン原子の原子%が0.1%を超える、または5%を超える、または15%を超える、または50%を超える、または75%を超える、またはさらに約100%である浸透性材料を作製することができる。いくつかの実施形態では、浸透プロセスは、15%を超える原子%のシリコン原子が浸透した浸透性材料を作製することができる。いくつかの実施形態では、浸透したシリコン原子は、浸透性材料内に均一に分布することができる。いくつかの実施形態では、浸透したシリコン原子は、浸透性材料内に不均一に分布していてもよい。
【0097】
本開示の別の実施形態では、開示された方法は、交互に、浸透性材料をさらに二つの前駆体に曝すことを含むことができる逐次浸透合成(SIS)法を含むことができ、原子および/または材料を、浸透性材料、例えばポリマーレジストまたはハードマスク材料中へ浸透させることができる。
【0098】
したがって、本開示の別の実施形態は、例示的なSISプロセス400を例示する図4を参照して説明することができる。より詳細には、例示的なSISプロセスは、上に配置される浸透性材料を備える基材を反応チャンバー内に供給することを含むプロセスブロック410によって開始することができる。プロセスブロック410は、図2のプロセス210と同等である。したがって、本明細書ではより詳細に説明されない。
【0099】
例示的なSISプロセス400は、一つまたは複数のSISサイクル405を実行することによって進行することができ、SISサイクルは、シリコン化合物を含む第一の前駆体を、反応チャンバー内の浸透性材料に第一の期間(T)供給することを含むプロセスブロック420によって進行することができ、これにより、反応チャンバー内の基材上に配置される浸透性材料にシリコン原子を浸透させる。プロセスブロック420は、図2のプロセスブロック220と同等である。したがって、本明細書ではより詳細に説明されない。
【0100】
例示的なSISプロセス400のSISサイクル405は、酸素前駆体を含む反応物質を、反応チャンバー内で浸透性材料に第五の期間(T)供給することを含むプロセスブロック430によって進行することができ、これにより、反応チャンバー内の基材上に配置される浸透性材料に酸素原子を浸透させる。
【0101】
より詳細には、いくつかの実施形態では、酸素前駆体を含む反応物は、少なくとも一つの蒸気もしくは水の蒸気(HO)、または過酸化水素(H)の蒸気を含むことができる。いくつかの実施形態では、酸素前駆体はオゾン(O)、または分子状酸素(O)を含むことができる。本開示のいくつかの実施形態では、酸素前駆体を含む反応物質は、酸素原子、酸素イオン、酸素ラジカル、および酸素含有ガス、例えばオゾン(O)または分子状酸素(O)のうちの少なくとも一つのプラズマ励起によって生成される酸素の励起種を含む酸素系プラズマを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、方法は、酸素前駆体を含む反応物質を、浸透性材料に約25ミリ秒~約10時間の間の第五の期間(T)供給することを含むことができる。
【0102】
本開示のいくつかの実施形態では、第一の前駆体を供給するプロセスブロック420および反応物質を供給するプロセスブロック430は、反応チャンバーから過剰な前駆体および反応副生成物を除去するために、反応チャンバーパージによって分離されることができる。さらに、反応物質を供給するプロセスブロック430の後に、別の反応チャンバーパージを行って、過剰な反応物質および反応副生成物を除去することができる。図4に例示されるプロセスのシーケンスは、酸素前駆体を含む反応物質が、最初に浸透性材料に供給され、続いて、第一の前駆体を浸透性材料に供給することができるように変更されることができることも留意されたい。
【0103】
例示的なSISプロセス400のSISサイクル405は、決定ゲート440で継続することができ、決定ゲート440は、浸透性材料中に浸透したシリコンの原子パーセント(原子%)および浸透性材料中に浸透した酸素の原子パーセント(原子%)に依存することができる。不十分なシリコン原子および酸素原子が浸透性材料中に浸透する場合、例示的なSISプロセス400のSISサイクル405は、プロセスブロック420に戻ることによって繰り返されことができ、浸透性材料は、第一のシリコン前駆体(プロセスブロック420)および酸素前駆体を含む反応物質(プロセスブロック430)に再び曝されることができ、各個々のプロセスブロックの後に必要に応じて反応チャンバーがパージされる。
【0104】
したがって、いくつかの実施形態では、例示的なSISプロセス400のユニットSISサイクル405は、シリコン化合物を含む第一の前駆体を供給することと、反応チャンバーをパージすることと、酸素前駆体を含む反応物質を供給することと、反応チャンバーをパージすることと、を含むことができる。別の実施形態では、例示的なSISプロセス400のユニットSISサイクル405は、酸素前駆体を含む反応物質を供給することと、反応チャンバーをパージすることと、シリコン化合物を含む第一の前駆体を供給すること、および反応チャンバーをパージすること、を含むことができる。
【0105】
所望の原子%のシリコン原子および酸素原子が浸透性材料中に浸透すると、例示的なSISプロセス400は、プロセスブロック450を介して終了することができる。
【0106】
本開示の別の実施形態は、例示的なSISプロセス500を例示する図5を参照して説明することができる別の逐次浸透合成(SIS)法を含むことができる。より詳細には、例示的なSISプロセス500は、上に配置される浸透性材料を備える基材を反応チャンバー内に供給することを含むプロセスブロック510によって開始することができる。プロセスブロック510は、図2のプロセス210と同等である。したがって、本明細書ではより詳細に説明されない。
【0107】
例示的なSISプロセス500は、シリコン化合物を含む第一の前駆体を、反応チャンバー内の浸透性材料に第一の期間(T)供給することを含むプロセスブロック520によって開始することができる、SISサイクル505を進行することができ、これにより、反応チャンバー内の基材上に配置される浸透性材料にシリコン原子を浸透させる。プロセスブロック520は、図2のプロセスブロック220と同等である。したがって、本明細書ではより詳細に説明されない。
【0108】
例示的なSISプロセス500のSISサイクル505は、シリコン化合物を含む第二の前駆体を浸透性材料に供給することを含むプロセスブロック530によって継続することができ、第二の前駆体は第一の前駆体とは異なる。プロセスブロック530は、図3のプロセスブロック330と同等である。したがって、本明細書ではより詳細に説明されない。
【0109】
例示的なSISプロセス500のSISサイクル505は、酸素前駆体を含む反応物質を浸透性材料に供給することを含むプロセスブロック540によって継続することができる。プロセスブロック540は、図4のプロセスブロック430と同等である。したがって、本明細書ではより詳細に説明されない。
【0110】
例示的なSISプロセス500のSISサイクル505は、決定ゲート550で継続することができ、決定ゲート550は、浸透性材料中に浸透したシリコンの原子パーセント(原子%)および浸透性材料中に浸透した酸素の原子パーセント(原子%)に依存することができる。不十分なシリコン原子および酸素原子が浸透性材料中に浸透する場合、SISサイクル505は、プロセスブロック520に戻ることによって繰り返されことができ、浸透性材料は、第一のシリコン前駆体に再び曝され(プロセスブロック520)、第二のシリコン前駆体に再び曝され(プロセスブロック530)、および酸素前駆体を含む反応物質に再び曝される(プロセスブロック540)ことができる。所望の原子%のシリコン原子および酸素原子が浸透性材料中に浸透すると、例示的なSISプロセス500は、プロセスブロック560を介して終了することができる。
【0111】
したがって、本明細書に開示される方法は、一つまたは複数の逐次浸透合成(SIS)サイクル505を実行することを含むことができ、単位SISサイクルは、シリコン化合物を含む第一の前駆体を浸透性材料に提供することと、第一の前駆体とは異なるシリコン化合物を含む第二の前駆体を供給することと、酸素前駆体を含む反応物質を浸透性材料に供給することと、を含むことができる。
【0112】
いくつかの実施形態では、SISサイクルの各工程の後に、連続するプロセス工程の間に過剰な前駆体/反応種を除去するための反応チャンバーパージを行う場合がある。非限定的な例として、例示的な単位SISサイクルは、第一の前駆体を供給することと、反応チャンバーをパージすることと、第二の前駆体を供給することと、反応チャンバーをパージすることと、酸素前駆体を含む反応物質を供給することと、反応チャンバーをパージすることと、を含むことができ、SISサイクルは1回または複数回繰り返されることができる。
【0113】
本開示のいくつかの実施形態では、例示的なSISプロセス500の単位SISサイクルを含む一連のプロセスは、別の順序で実行されることができる。いくつかの実施形態では、単位SISサイクルは、第二の前駆体を供給することと、反応チャンバーをパージすることと、第一の前駆体を供給することと、反応チャンバーをパージすることと、酸素前駆体を含む反応物質を供給することと、反応チャンバーをパージすることと、を含むことができ、SISサイクルは1回または複数回繰り返されることができる。いくつかの実施形態では、単位SISサイクルは、第一の前駆体を供給することと、反応チャンバーをパージすることと、反応物質を供給することと、反応チャンバーをパージすることと、第二の前駆体を供給することと、反応チャンバーをパージすることと、を含むことができる。いくつかの実施形態では、単位SISサイクルは、第一の前駆体を供給することと、反応チャンバーをパージすることと、反応物質を供給することと、反応チャンバーをパージすることと、第二の前駆体を供給することと、反応チャンバーをパージすることと、反応物質を供給することと、反応チャンバーをパージすることと、を含むことができる。いくつかの実施形態では、単位SISサイクルは、反応物質を供給することと、反応チャンバーをパージすることと、第一の前駆体を供給することと、反応チャンバーをパージすることと、第二の前駆体を供給することと、反応チャンバーをパージすることと、反応物質を供給することと、反応チャンバーをパージすることと、を含むことができる。いくつかの実施形態では、単位SISサイクルは、反応物質を供給することと、反応チャンバーをパージすることと、第一の前駆体を供給することと、反応チャンバーをパージすることと、反応物質を供給することと、反応チャンバーをパージすることと、第二の前駆体を供給することと、反応チャンバーをパージすることと、を含むことができる。
【0114】
本明細書に開示される浸透装置および浸透方法の能力を説明する非限定的な例として、図6は、本明細書に開示の浸透装置および浸透プロセスを利用して、シリコン原子を浸透させた極紫外線(EUV)化学増幅レジストから得られるX線光電子スペクトル(XPS)を例示する。より詳細には、EUV化学増幅レジストは、ヘキサクロロジシラン(HCDS)を含むシリコン前駆体を使用して浸透された。XPSスペクトル600の検査は、生データライン602および処理されたデータライン604を示し、処理されたデータライン604はいくつかの重要な特徴を示す。例えば、604Aと表示されるデータのショルダーと604Bと表示されるピークは両方とも、浸透させたEUVレジスト中に酸化シリコンが存在することを示し、606と表示されるピークは浸透させたEUVレジスト中に元素シリコンが存在することを示す。したがって、本開示の実施形態は、シリコン原子を浸透性材料中に浸透させることができるだけでなく、いくつかの実施形態では、浸透性材料に酸化シリコンを浸透させることができる。図6に例示される実施例では、EUVレジストは、約6原子%の濃度までシリコン原子で浸透される。
【0115】
本明細書に開示の浸透装置および浸透方法の能力を説明する別の非限定的な例として、図7は、本明細書に記載の浸透装置および浸透プロセスを利用して、シリコン原子を浸透させたEUV化学増幅レジスト膜から得られる二次イオン質量スペクトル(SIMS)700を例示する。より詳細には、EUV化学増幅レジスト膜は、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)を含むシリコン前駆体を使用して浸透された。浸透させたEUVレジスト膜から得られたSIMSスペクトル700の検査は、膜中の炭素(C)成分を示すデータライン702を示し、これは有機EUVレジストに対応し、データライン704は膜中のシリコン(Si)成分を示し、これは、EUVレジストに浸透した複数のシリコン原子に対応する。EUVレジスト膜のシリコン成分を表すデータライン704は、シリコン原子がEUVレジスト膜全体に均一に分布していることを示す。この特定の例では、EUVにシリコン原子を約3原子%の濃度まで浸透させる。
【0116】
本明細書に開示の浸透装置および浸透方法は、浸透させた材料、例えばポリマーレジストおよびハードマスク材料のエッチングプロセスに対する耐性を向上させるために使用されることができる。浸透させた材料は、例えば、パターン形成され浸透させた形体を下にある基材に転写するためのエッチングマスクとして使用することによって、半導体デバイス構造の製造に利用されることができる。
【0117】
本開示の実施形態の非限定的な例として、図8は、基材802および浸透させたポリマーレジスト形体804を備える半導体デバイス構造800を例示する。より詳細には、基材802は、図1の基材104に関して前記の材料のいずれかを含むことができ、平面構造(図8に例示のような)または非平面構造をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、基材802は、製造された、または少なくとも部分的に製造された半導体デバイス構造、例えばトランジスタおよび/またはメモリ素子を備えることができる。
【0118】
本開示のいくつかの実施形態では、浸透させたポリマーレジスト形体804は、基材802の表面上に配置されることができる。例えば、ポリマーレジスト形体は、標準的なフォトリソグラフィー法によって製造されることができ、標準的なフォトリソグラフィー法を利用して製造される可能性のある任意の形状または形体、例えばライン形体、ブロック形体、オープンポア形体、および円形形体を含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、浸透させたポリマーレジスト804は、有機成分、および有機成分内に浸透した複数のシリコン(Si)原子を含む無機成分を含むことができる。いくつかの実施形態では、有機成分内の複数のシリコン原子の濃度は、0.1原子%を超える、または5原子%を超える、または15原子%を超える、または50原子%を超える、または75原子%を超える、またはさらに約100原子%であることができる。いくつかの実施形態では、有機成分を含む複数のシリコン原子の濃度は、約15原子%より大きくてもよい。
【0119】
いくつかの実施形態では、有機成分内に浸透した複数のシリコン原子は、有機成分全体に均一に分布していてもよい。いくつかの実施形態では、有機成分内に浸透した複数のシリコン原子は、有機成分全体に不均一に分布していてもよい。
【0120】
本開示のいくつかの実施形態では、有機成分は、有機成分中に浸透した複数の酸素原子をさらに含む。例えば、有機成分内の複数の酸素原子の濃度は、0.1原子%を超える、または5原子%を超える、または15原子%を超える、またはさらに50原子%を超えることができる。
【0121】
本開示のいくつかの実施形態では、浸透したポリマーレジストの有機成分は、複数のシリコン原子および複数の酸素原子をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、浸透したポリマーレジストの有機成分は、浸透した酸化シリコン(Si)をさらに含むことができ、酸化シリコンは特定の化学量論に限定されない。例えば、複数のシリコン原子は、浸透したポリマーレジスト804の有機成分内に、元素シリコン(Si)としておよび酸化シリコン(Si)として配置されることができる。
【0122】
上に記載した本開示の例示的実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその法的等価物により定義される、本発明の実施形態の単なる例であるため、これらの実施形態によって本発明の範囲は限定されない。いかなる同等の実施形態も、本発明の範囲内にあることを意図している。実際に、記載した要素の代替の有用な組み合わせなど、本明細書に示し記載したものに加えて、本開示の様々な改変が、説明から当業者に明らかとなってもよい。このような改変及び実施形態もまた、添付の特許請求の範囲に入ると意図される。
【符号の説明】
【0123】
100 浸透装置
102 反応チャンバー
104 基材
106 浸透性材料
108 サセプタ
110 発熱体
112 ガス送達システム
114、114A、114B 前駆体源
116 供給源容器
118 反応物質供給源容器
120A、120B、120C、120D 流量コントローラ
122A、122B、122C、122D バルブ
124、126、128、130 ガスライン
132 ガス分配器
134 排気口
136、140 排気ライン
138 真空ポンプ
142 シーケンスコントローラ
144A、144B、144C 制御ライン
144 メモリ
200、300 浸透プロセス
400、500 SISプロセス
405、505 SISサイクル
600 XPSスペクトル
602 生データライン
604 処理されたデータライン
604A ショルダー
604B ピーク
606 ピーク
700 SIMSスペクトル
702 データライン
800 半導体デバイス構造
802 基材
804 ポリマーレジスト形体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8