(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-15
(45)【発行日】2024-01-23
(54)【発明の名称】プロセスチャンバ及び半導体プロセス装置
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20240116BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
H05H1/46 A
H01L21/302 101C
(21)【出願番号】P 2023530166
(86)(22)【出願日】2021-11-17
(86)【国際出願番号】 CN2021131205
(87)【国際公開番号】W WO2022105794
(87)【国際公開日】2022-05-27
【審査請求日】2023-05-18
(31)【優先権主張番号】202011299759.6
(32)【優先日】2020-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510182294
【氏名又は名称】北京北方華創微電子装備有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING NAURA MICROELECTRONICS EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】NO.8 Wenchang Avenue Beijing Economic-Technological Development Area, Beijing 100176, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルー イェンチォン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ ガン
(72)【発明者】
【氏名】マオ シンフェイ
【審査官】藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-103632(JP,A)
【文献】特開2017-135365(JP,A)
【文献】特開2016-136551(JP,A)
【文献】中国実用新案第207398070(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第109994356(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第101351076(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/00-1/54
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体プロセス装置に適用されるプロセスチャンバであって、
内部に反応チャンバが形成されたチャンバ本体と、
前記反応チャンバ内に位置するベースと、
前記ベースに接続され、ウェハを載置するためのチャックアセンブリとを含み、
前記ベースはベース本体及び複数のカンチレバーを含み、複数の前記カンチレバーは前記ベース本体の周方向に沿って間隔を空けて均等に設けられ、各前記カンチレバーはそれぞれ前記チャンバ本体の内壁及び前記ベース本体の外壁に接続され、
前記チャンバ本体、前記ベース本体及び前記カンチレバーは一体成形構造であり、導電性及び熱伝導性を有する材質で製造されることを特徴とするプロセスチャンバ。
【請求項2】
前記ベース本体内に収容室を有し、前記収容室は上向きの開口を有し、複数の前記カンチレバーのいずれの内部にも前記収容室に連通する取り付け通路が設けられ、前記チャンバ本体に貫通孔が開けられ、前記貫通孔は前記取り付け通路を前記チャンバ本体の外部に連通し、
前記チャックアセンブリは前記ベース本体に密封接続され、前記収容室の前記開口を密封することに用いられることを特徴とする請求項1に記載のプロセスチャンバ。
【請求項3】
前記取り付け通路は前記カンチレバーに上向きの開口を有し、前記開口は前記収容室に連通し、
前記チャックアセンブリは複数の前記カンチレバーにさらに密封接続され、前記取り付け通路の前記開口を密封することに用いられることを特徴とする請求項2に記載のプロセスチャンバ。
【請求項4】
前記チャックアセンブリはインタフェースディスクを含み、前記インタフェースディスクはディスク本体及びそれに接続された複数のカバープレートを含み、前記ディスク本体は前記ベース本体に密封接続され、前記収容室の前記開口を密封することに用いられ、
前記カバープレートの数が前記カンチレバーの数と同じであり、複数の前記カバープレートは間隔を空けて前記ディスク本体の周囲に均等に分布し、各前記カバープレートは、各前記カンチレバーに1対1で対応して密封接続され、前記取り付け通路の前記開口を密封することに用いられることを特徴とする請求項3に記載のプロセスチャンバ。
【請求項5】
各前記カバープレートとそれに対応する前記カンチレバーとの間に位置決め構造が設けられ、前記カバープレートの前記カンチレバーにおける位置を限定することに用いられることを特徴とする請求項
4に記載のプロセスチャンバ。
【請求項6】
各前記位置決め構造は、いずれも、互いに係合する少なくとも1対の位置決め凹部及び位置決め凸部を含み、前記位置決め凹部は、前記カバープレートと前記カンチレバーとの互いに対向する2つの表面のうちの一方に設けられ、前記位置決め凸部は前記カバープレートと前記カンチレバーとの対向する2つの面のうちの他方に設けられることを特徴とする請求項5に記載のプロセスチャンバ。
【請求項7】
前記ベース本体は側壁及び底蓋を含み、前記底蓋は前記側壁の底部に取り外し可能に設けられ、前記底蓋の上面及び前記側壁の内面は前記収容室を画定し、
前記チャンバ本体において前記底蓋に対応する位置に点検口が設けられ、前記点検口は前記反応チャンバに連通することを特徴とする請求項2に記載のプロセスチャンバ。
【請求項8】
前記底蓋の外壁の直径が前記側壁から離れる垂直方向に沿って徐々に小さくなることを特徴とする請求項7に記載のプロセスチャンバ。
【請求項9】
前記側壁と前記底蓋の外面には2つの接続フランジが対応して設けられ、2つの前記接続フランジは垂直方向において互いに積層され、複数の締結具によって固定接続されることを特徴とする請求項7に記載のプロセスチャンバ。
【請求項10】
半導体プロセス装置であって、
プロセスチャンバと、RFアセンブリと、吸気アセンブリと、排気アセンブリとを含み、前記プロセスチャンバは請求項1~9のいずれか1項に記載のプロセスチャンバを採用し、前記RFアセンブリと前記吸気アセンブリはいずれも前記チャンバ本体の頂部に設けられ、前記排気アセンブリは前記チャンバ本体の底部に設けられることを特徴とする半導体プロセス装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、半導体加工の技術分野に関し、具体的には、プロセスチャンバ及び半導体プロセス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、プラズマプロセス装置は現在の半導体、太陽電池及びフラットパネルディスプレイ等の製造プロセスに広く用いられる。現在の製造プロセスにおいて、プラズマプロセス装置を使用する放電タイプには容量結合プラズマ(CCP)タイプ、誘導結合プラズマ(ICP)タイプ及び電子サイクロトロン共鳴プラズマ(ECR)などのタイプがある。現在、これらの放電タイプは物理気相成長(Physical Vapour Deposition、PVD)、プラズマエッチング及び化学気相成長(Chemical Vapor Deposition、CVD)、プラズマ浸漬イオン注入(Plasma Immersion Ion Implantation、PIII)等の半導体プロセス装置に広く適用される。ウェハ中心からエッジまでのエッチング結果が良好な一致性を有することを保証するために、プロセス環境には半導体プロセス装置のプロセスチャンバRF回路が良好な均一性を有することが求められ、またプロセスチャンバ温度が良好な均一性を有することが求められる。
【0003】
しかしながら、従来技術において、ベースはカンチレバーを介してプロセスチャンバ内に取り付けられ、加工公差及び組立公差等の要因のため、カンチレバーとプロセスチャンバのチャンバ壁との間に微小な隙間を有し、両者間の導電性能及び熱伝導性能の不良を引き起こし、それによりウェハの歩留まりが低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、従来方式の欠点に対し、ベースとプロセスチャンバとの間の導電性能及び熱伝導性能が悪いため、ウェハの歩留まりが低いという従来技術に存在している技術的課題を解決するために、プロセスチャンバ及び半導体プロセス装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様によれば、本願の実施例は、内部に反応チャンバが形成されたチャンバ本体と、前記反応チャンバ内に位置するベースと、前記ベースに接続され、ウェハを載置するためのチャックアセンブリとを含み、
前記ベースはベース本体及び複数のカンチレバーを含み、複数の前記カンチレバーは前記ベース本体の周方向に沿って間隔を空けて均等に設けられ、各前記カンチレバーはそれぞれ前記チャンバ本体の内壁及び前記ベース本体の外壁に接続され、
前記チャンバ本体、前記ベース本体及び前記カンチレバーは一体成形構造であり、導電性及び熱伝導性を有する材質で製造される半導体プロセス装置に適用されるプロセスチャンバを提供する。
【0006】
本願の一実施例では、前記ベース本体内に収容室を有し、前記収容室は上向きの開口を有し、複数の前記カンチレバーのいずれの内部にも前記収容室に連通する取り付け通路が設けられ、前記チャンバ本体に貫通孔が開けられ、前記貫通孔は前記取り付け通路を前記チャンバ本体の外部に連通し、
前記チャックアセンブリは前記ベース本体に密封接続され、前記収容室の前記開口を密封することに用いられる。
【0007】
本願の実施例では、前記取り付け通路は前記カンチレバーに上向きの開口を有し、前記開口は前記収容室に連通し、
前記チャックアセンブリは複数の前記カンチレバーにさらに密封接続され、前記取り付け通路の前記開口を密封することに用いられる。
【0008】
本願の一実施例では、前記チャックアセンブリはインタフェースディスクを含み、前記インタフェースディスクはディスク本体及びそれに接続された複数のカバープレートを含み、前記ディスク本体は前記ベース本体に密封接続され、前記収容室の前記開口を密封することに用いられ、
前記カバープレートの数が前記カンチレバーの数と同じであり、複数の前記カバープレートは間隔を空けて前記ディスク本体の周囲に均等に分布し、各前記カバープレートは、各前記カンチレバーに1対1で対応して密封接続され、前記取り付け通路の前記開口を密封することに用いられる。
【0009】
本願の一実施例では、各前記カバープレートとそれに対応する前記カンチレバーとの間に位置決め構造が設けられ、前記カバープレートの前記カンチレバーにおける位置を限定することに用いられる。
【0010】
本願の実施例では、各前記位置決め構造は、いずれも、互いに係合する少なくとも1対の位置決め凹部及び位置決め凸部を含み、前記位置決め凹部は、前記カバープレートと前記カンチレバーとの互いに対向する2つの表面のうちの一方に設けられ、前記位置決め凸部は前記カバープレートと前記カンチレバーとの対向する2つの面のうちの他方に設けられる。
【0011】
本願の一実施例では、前記ベース本体は側壁及び底蓋を含み、前記底蓋は前記側壁の底部に取り外し可能に設けられ、前記底蓋の上面及び前記側壁の内面は前記収容室を画定し、
前記チャンバ本体において前記底蓋に対応する位置に点検口が設けられ、前記点検口は前記反応チャンバに連通する。
【0012】
本願の一実施例では、前記底蓋の外壁の直径が前記側壁から離れる垂直方向に沿って徐々に小さくなる。
【0013】
本願の一実施例では、前記側壁と前記底蓋の外面には2つの接続フランジが対応して設けられ、2つの前記接続フランジは垂直方向において互いに積層され、複数の締結具によって固定接続される。
【0014】
第2態様によれば、本願の実施例は、プロセスチャンバと、RFアセンブリと、吸気アセンブリと、排気アセンブリとを含み、前記プロセスチャンバは第1態様に係るプロセスチャンバを採用し、前記RFアセンブリと前記吸気アセンブリはいずれも前記チャンバ本体の頂部に設けられ、前記排気アセンブリは前記チャンバ本体の底部に設けられる半導体プロセス装置を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本願の実施例に係る技術的解決手段の有益な技術的効果は以下のとおりである。
【0016】
本願の実施例に係るプロセスチャンバでは、そのチャンバ本体、ベース本体及びカンチレバーは同様の導電性と熱伝導性を有する材質で製造された、一体成形構造を採用し、それにより、カンチレバーとチャンバ本体との間に隙間が存在せず、カンチレバーとチャンバ本体との間の導電性に優れ、それによりプロセスチャンバのRF回路の均一性が大幅に向上し、また、チャンバ本体からカンチレバーへの熱伝導性能が向上し、それによりプロセスチャンバ全体の温度の均一性が大幅に向上し、さらにウェハの歩留まりが大幅に向上する。さらに、チャンバ本体、ベース本体及びカンチレバーは一体成形構造を採用するため、本願の実施例の構造安定性を向上させることができるだけでなく、使用及びメンテナンスのコストを大幅に低減することができる。
【0017】
本願の実施例に係る半導体プロセス装置は、本願の実施例に係る上記プロセスチャンバを採用することにより、プロセスチャンバのRF回路の均一性、全体温度の均一性が大幅に向上させることができ、それによりウェハの歩留まりが大幅に向上し、また、本願実施例の構造安定性を向上させることができるだけでなく、使用及びメンテナンスのコストを大幅に低減することができる。
【0018】
本願の付加的な態様及び利点は以下の説明において部分的に与えられ、これらは以下の説明から明らかになり、又は本願の実践によって了解される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本願の上記及び/又は付加的な態様及び利点は以下の図面を参照して実施例に対する説明から明らかになり、理解しやすくなり、図において、
【
図1】本願の実施例に係るチャックアセンブリを省略したプロセスチャンバの立体構造の概略図である。
【
図2】本願の実施例に係るチャックアセンブリの立体構造概略図である。
【
図3】本願の実施例に係るプロセスチャンバの断面概略図である。
【
図4】本願の実施例に係るプロセスチャンバの平面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下は本願を詳細に説明し、本願の実施例の例は図面に示され、ここで、同一又は類似の符号は終始、同一又は類似の部材又は同一又は類似の機能を有する部材を示す。また、本発明の特徴を示すことに従来技術の詳細な説明を必要としない場合には、その説明を省略する。以下は図面を参照して説明した実施例は例示的なものであり、本願を単に説明することに用いられ、本願を限定するものと解釈することはできない。
【0021】
当業者であれば理解されるように、ここで使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、特に定義しない限り、当業者の一般的な理解と同じ意味を有する。また、理解されるように、汎用辞書に定義されているような用語は、従来技術の文脈と同じ意味を持ち、ここのように特に定義されていない限り、理想的な意味や本格的な意味で解釈されることはない。
【0022】
以下は、具体的な実施例で本願の技術的解決手段及び本願の技術的解決手段が上記技術的課題をどのように解決するかについて詳細に説明する。
【0023】
本願の実施例は、半導体プロセス装置に適用されるプロセスチャンバを提供し、該プロセスチャンバの構造概略図は
図1及び
図3に示され、該プロセスチャンバは、内部に反応チャンバ11が形成されたチャンバ本体1と、反応チャンバ11内に位置するベース2と、ベース2に接続され、ウェハ(図示せず)を載置するためのチャックアセンブリ3とを含み、ベース2はベース本体21及び複数のカンチレバー22を含み、複数のカンチレバー22はベース本体21の周方向に沿って間隔を空けて均等に設けられ、各カンチレバー22はそれぞれ反応チャンバ11の内壁及びベース本体21の外壁に接続され、チャンバ本体1、ベース本体21及びカンチレバー22は一体成形構造であり、導電性及び熱伝導性を有する材質で製造される。
【0024】
図1及び
図3に示すように、チャンバ本体1は、具体的に金属材質で製造された立方体構造を採用してもよく、チャンバ本体1の中央部には、ベース2及びチャックアセンブリ3を収容するための中空の反応チャンバ11が形成される。実際の適用において、チャンバ本体1の頂部に蓋(図示せず)が設けられてもよく、底部の抽気口12は半導体プロセス装置の排気アセンブリ(図示せず)に接続されてもよく、排気アセンブリは反応チャンバ11の内部から抽気し、反応チャンバ11を真空状態にして、それによりウェハに反応環境を供給することができる。
【0025】
ベース2とチャンバ本体1は一体成形構造を採用し、そして、ベース2とチャンバ本体1の材質は同じであり、いずれも導電性及び熱伝導性を有する材質で製造され、例えば金属材質を採用する。具体的には、ベース本体21は具体的に円柱状構造であり、ベース本体21の外周に3つのカンチレバー22が設けられ、3つのカンチレバー22はベース本体21の周方向に沿って間隔を空けて均等に分布し、3つのカンチレバー22のいずれもベース本体21及びチャンバ本体1と一体成形して製造され、各カンチレバー22の両端がそれぞれチャンバ本体1の内壁及びベース本体21の外壁に接続される。チャックアセンブリ3の全体構造は円盤状構造を採用してもよく、チャックアセンブリ3はベース本体21の頂部に設けられ、ウェハを載置して吸着することに用いられる。
【0026】
本願の実施例に係るプロセスチャンバでは、そのチャンバ本体、ベース本体及びカンチレバーは同様の導電性と熱伝導性を有する材質で製造された一体成形構造を採用し、このようにしてカンチレバーとチャンバ本体との間に隙間が存在せず、カンチレバーとチャンバ本体との間の導電性に優れ、それによりプロセスチャンバのRF回路の均一性が大幅に向上し、またチャンバ本体からカンチレバーへの熱伝導性能が向上し、それによりプロセスチャンバ全体の温度の均一性が大幅に向上し、さらにウェハの歩留まりが大幅に向上する。さらに、チャンバ本体、ベース本体及びカンチレバーは一体成形構造であるため、本願の実施例の構造安定性を向上させることができるだけでなく、使用及びメンテナンスのコストを大幅に低減することができる。
【0027】
なお、本願の実施例はカンチレバー22及びチャンバ本体1の具体的な実施形態を限定するものではなく、例えばカンチレバー22は2つ又は3つ以上としてもよく、チャンバ本体1は円筒状構造を採用することもできる。したがって、本願の実施例はこれに限定されるものではなく、当業者は実際の状況に応じて設定を自ら調整することができる。
【0028】
本願の一実施例では、
図1に示すように、ベース本体21内に収容室211を有し、該収容室211は上向きの開口を有し、複数のカンチレバー22内には、いずれも収容室211に連通する取り付け通路221が設けられ、チャンバ本体1に貫通孔13が開けられ、該貫通孔13は取り付け通路221をチャンバ本体1の外部に連通し、チャックアセンブリ3はベース本体21に密封接続され、収容室211の上記開口を密封することに用いられる。
【0029】
図1に示すように、ベース本体21は、具体的には、ベース本体21内に収容室211が形成されるように、円筒状構造とされる。各カンチレバー22は、例えば矩形の棒状構造を採用し、カンチレバー22は、取り付け通路221を形成するように、中空構造とされる、チャンバ本体1には、各カンチレバー22内の取り付け通路221に対応する貫通孔13が設けられる。貫通孔13は具体的に矩形構造を採用してもよく、貫通孔13の断面寸法がカンチレバー22内の取り付け通路221の寸法と同じである。取り付け通路221はチャンバ本体1の内外を接続するケーブル、ガスパイプや水パイプ等の部品(図示せず)を設けることに用いられるだけでなく、サイズが適切な部品を取り付けることもでき、それにより、チャンバ本体1の外部空間及びチャンバ本体1の空間占有を大幅に節約する。
【0030】
本願の実施例では、
図1乃至
図4に示すように、取り付け通路221はカンチレバー22に上向きの開口222を有し、該開口222は収容室211に連通し、チャックアセンブリ3はまた、取り付け通路221の上記開口222を密封するために、複数のカンチレバー22に密封接続されてもよい。
【0031】
本願の一実施例では、チャックアセンブリ3はインタフェースディスク32を含み、該インタフェースディスク32は収容室211の上記開口に密封して設けられる。
【0032】
チャックアセンブリ3のインタフェースディスク32は具体的に金属材質で製造された円盤状構造を採用してもよく、インタフェースディスク32は、収容室211の開放口を密封するように、ベース本体21の頂部にカバーされてもよい。インタフェースディスク32とベース本体21との間は取り外し可能に接続され、それにより本願の実施例の着脱メンテナンスの効率が向上する。また、ベース本体21及びカンチレバー22はいずれも中空構造を採用するため、本願の実施例の製造コストを大幅に節約することができる。
【0033】
なお、本願の実施例はカンチレバー22の具体的な形状を限定せず、例えばカンチレバー22は丸棒状構造を採用してもよい。したがって、本願の実施例はこれに限定されるものではなく、当業者は実際の状況に応じて設定を自ら調整することができる。
【0034】
本願の一実施例では、
図1乃至
図4に示すように、インタフェースディスク32はディスク本体321及びそれに接続された複数のカバープレート322を含み、ディスク本体321は、ベース本体21に密封接続され、収容室211の上記開口を密封することに用いられ、カバープレート322の数がカンチレバー22の数と同じであり、複数のカバープレート322は間隔を空けてディスク本体321の周囲に均等に分布し、各カバープレート322は、各カンチレバー22に1対1で対応して密封接続され、取り付け通路221の上記開口222を密封することに用いられる。
【0035】
本願の一実施例では、ディスク本体321及び複数のカバープレート322は一体成形構造である。
【0036】
インタフェースディスク32がベース本体21に取り付けられると、3つのカバープレート322は3つのカンチレバー22に対応してカバーされ得ることにより、3つのカンチレバー22の取り付け通路221の上記開口222を1対1で対応して密封し、カンチレバー22の取り付け通路221内に取り付けられた部品を保護し、それによりプロセスチャンバがプロセスを実行する際に部品を腐食することが回避され、さらに故障率が大幅に低下し、耐用年数が向上する。実際に適用する際には、インタフェースディスク32を分解すれば開口222を介してベース本体21内及びカンチレバー22内に取り付けられた部品をメンテナンスすることができ、それにより本願の実施例の着脱メンテナンスの効率が大幅に向上する。
【0037】
なお、本願の実施例はカバープレート322の具体的な数を限定せず、カバープレート322の数がカンチレバー22の数に対応して設定すればよい。したがって、本願の実施例はこれに限定されるものではなく、当業者は実際の状況に応じて設定を自ら調整することができる。
【0038】
本願の一実施例では、
図1乃至
図4に示すように、チャックアセンブリ3は静電チャック31を含み、静電チャック31はディスク本体321に設けられ、ウェハを載置することに用いられる。
【0039】
図1乃至
図4に示すように、静電チャック31は具体的にセラミック材質で製造された円盤状構造を採用してもよく、静電チャック31の上面はウェハを載置することに用いられてもよく、静電チャック31の底面はディスク本体321に密接して設けられる。ディスク本体321はベース本体21の頂部にカバーされてもよく、ディスク本体321は、静電チャック31を取り付け、静電チャック31の電極及びバックガスにインタフェースを供給することに用いられる。ディスク本体321の直径が静電チャック31の直径よりも大きくてもよく、静電チャック31とベース本体21を接続することを容易にし、接続方式は取り外し可能に接続することであってもよく、それにより本願の実施例の着脱メンテナンスの効率が向上する。なお、本願の実施例はチャックアセンブリ3の具体的なタイプを限定せず、当業者は実際の状況に応じて設定を自ら調整することができる。
【0040】
本願の実施例では、
図1乃至
図3に示すように、各カバープレート322とそれに対応するカンチレバー22との間には、カバープレート322のカンチレバー22における位置を限定するための位置決め構造4が設けられる。該位置決め構造は様々な構造を有してもよく、例えば、各位置決め構造4は、いずれも、互いに係合する少なくとも1対の位置決め凹部及び位置決め凸部を含み、該位置決め凹部は、カバープレート322とカンチレバー22との互いに対向する2つの表面のうちの一方に設けられ、該位置決め凸部は、カバープレート322とカンチレバー22との互いに対向する2つの表面のうちの他方に設けられる。具体的には、
図1に示すように、上記位置決め凸部は例えばカンチレバー22の上面に設けられた位置決め柱41であり、上記位置決め凹部は例えばカバープレート322の底面に設けられた位置決め孔(図示せず)であり、該位置決め孔は位置決め柱41と係合し、カバープレート322のカンチレバー22における位置を限定する。
【0041】
図1乃至
図3に示すように、位置決め凹部と位置決め凸部は具体的に2対であってもよく、それぞれ2つのカンチレバー22及び2つのカバープレート322の間に位置し、位置決め構造4は、インタフェースディスク32を正確な位置に位置決めして取り付けることに用いられる。しかしながら、本願の実施例はこれに限定されるものではなく、例えば位置決め構造4はさらにバンプと凹溝との係合形態を採用してもよく、当業者は実際の状況に応じて設定を自ら調整することができる。
【0042】
本願の一実施例では、3つのカバープレート322の外周面は、直径が反応チャンバ11の内径よりも小さい弧面構造を採用してもよく、両者の差を例えば2mm(ミリメートル)程度とすることにより、インタフェースディスク32を取り付ける際に反応チャンバ11の内壁との間に機械的干渉が発生することを回避し、それにより本願に実施される着脱メンテナンスの効率が大幅に向上し、そして、本願の実施例の故障率を効果的に低減することができる。
【0043】
また、インタフェースディスク32とベース本体21との間の取り付け及び密封を容易にするために、カンチレバー22の上面の反応チャンバ11の側壁に近いところは閉鎖構造であり、すなわち開口222の収容室211から離れる側辺と反応チャンバ11の側壁との間に予め設定された距離を有し、該予め設定された距離は具体的に30mmであってもよく、カンチレバー22の肉厚は20mm程度に設定されてもよい。位置決め柱41は、インタフェースディスク32の位置を位置決めするために、反応チャンバ11の側壁に近接して設けられてもよい。しかしながら、本願の実施例は以上のものに限定されるものではなく、当業者は実際の状況に応じて設定を自ら調整することができる。
【0044】
本願の一実施例では、
図1乃至
図4に示すように、ベース本体21は側壁35及び底蓋34を含み、底蓋34は側壁35の底部に取り外し可能に設けられ、底蓋34の上面及び側壁35の内面は収容室211を画定し、チャンバ本体1において底蓋34に対応する位置に点検口14が設けられ、該点検口14は反応チャンバ11に連通し、底蓋34をメンテナンスすることに用いられる。
【0045】
図1乃至
図4に示すように、底蓋34は具体的に金属材質で製造された殻状構造を採用し、底蓋34の上面は側壁35の底面に接続され、底蓋34の上面と側壁35の内面は収容室211を画定する。底蓋34は収容室211を閉鎖することに用いられ、収容室211内には、複数種の部品、例えば昇降アセンブリ(図示せず)を取り付けてもよく、該昇降アセンブリはインタフェースディスク32及び静電チャック31を貫通することができ、ウェハを駆動してチャックアセンブリ3に対して昇降させることに用いられ、底蓋34を取り外すことにより収容室211内の部品をメンテナンスしやすくなる。底蓋34と側壁35は具体的にフランジやボルトを介して係合接続することができ、具体的には、側壁35と底蓋34の外面に対応して2つの接続フランジ(351、341)が設けられ、2つの接続フランジ(351、341)は垂直方向に互いに積層され、複数の締結具(図示せず)を介して固定接続される。しかしながら、本願の実施例はこれに限定されるものではなく、例えば底蓋34と側壁35との間はさらに螺着や係着等を採用して接続されてもよい。底蓋34と側壁35は取り外し可能な構造を採用してもよく、これにより、昇降ユニットをメンテナンスしやすくし、着脱メンテナンスの効率が大幅に向上する。
【0046】
なお、本願の実施例の全ては、必ず底蓋34を含むものではなく、例えば底蓋34は側壁35との間に一体成形構造を採用してもよく、側壁35には各部品をメンテナンスするためのメンテナンスドア構造が開けられる。したがって、本願の実施例はこれに限定されるものではなく、当業者は実際の状況に応じて高さの設定を自ら調整することができる。チャンバ本体1の側面に矩形の点検口14が開けられ、該点検口14の長さが底蓋34の直径よりも大きく、点検口14の高さが底蓋34の厚さよりも大きく、これにより、底蓋34の着脱メンテナンスを容易にし、本願の実施例の着脱メンテナンスの効率が大幅に向上する。
【0047】
なお、本願の実施例は点検口14の具体的な位置及び形状を限定せず、点検口14の所在位置は底蓋34の位置に対応して設定すればよい。したがって、本願の実施例はこれに限定されるものではなく、当業者は実際の状況に応じて設定を自ら調整することができる。
【0048】
本願の一実施例では、
図3に示すように、底蓋34の外壁の直径が側壁35から離れる垂直方向に沿って徐々に小さくなる。具体的には、底蓋34は、具体的には、上部が大きく下部が小さい円錐台構造であってもよく、すなわち底蓋34の外径が上面から底面の方向に徐々に小さくなる。上記設計を採用し、底蓋34は円錐台設計を採用するため、チャンバ本体1内のガスが下方の抽気口12に流れることに寄与し、それにより反応チャンバ11内の気流の安定性が
向上し、さらにウェハの歩留まりが向上する。
【0049】
本願の一実施例では、
図1に示すように、ベース2及びチャンバ本体1はいずれもアルミニウム合金材質で製造される。具体的には、チャンバ本体1、ベース本体21及びカンチレバー22は、いずれもアルミニウム合金材質で製造されてもよく、一体成形構造を採用することにより三者間の導電性に優れ、複数のカンチレバー22間にほとんど差がないため、RF回路の等価電流は、周方向に均等に分布することにより3つのカンチレバー22からチャンバ本体1に流れて接地でき、それによりRF回路の均一性が向上する。具体的には、カンチレバー22の数が3つであってもよく、3つのカンチレバー22はベース本体21の外周に均等に配置され、2つの隣接するカンチレバー22がなす角は120度であり、チャンバ本体1、ベース本体21及びカンチレバー22の間の熱伝導が優れているため、チャンバ本体1は均等に分布する3つのカンチレバー22を介してベース本体21に熱を伝導し、これにより、チャンバ本体1とベース本体21との温度差を低減させるだけでなく、ベース本体21箇所の温度の均一性を向上させることができる。また、チャンバ本体1の横断面における複数のカンチレバー22の上部の幅は100~200mmであってもよいが、本願の実施例はこれに限定されるものではなく、具体的には、カンチレバー22の幅がカンチレバー22の数及び反応チャンバ11内の気流状態への影響に基づき設定することができる。したがって、本願の実施例はカンチレバー22の具体的な仕様を限定するものではなく、当業者は実際の状況に応じて設定を自ら調整することができる。
【0050】
同様の発明思想に基づき、本願の実施例は、プロセスチャンバと、RFアセンブリと、吸気アセンブリと、排気アセンブリとを含み、ここで、プロセスチャンバは上記各実施例に係るようなプロセスチャンバを採用し、RFアセンブリ及び吸気アセンブリはいずれもチャンバ本体の頂部に設けられ、排気アセンブリはチャンバ本体の底部に設けられる半導体プロセス装置を提供する。
【0051】
本願の実施例を適用すると、少なくとも以下の有益な効果を実現することができる。
【0052】
本願の実施例に係る半導体プロセス装置は、本願の実施例に係る上記プロセスチャンバを採用することにより、プロセスチャンバのRF回路の均一性、全体温度の均一性が大幅に向上させることができ、それによりウェハの歩留まりが大幅に向上し、また、本願実施例の構造安定性を向上させることができるだけでなく、使用及びメンテナンスのコストを大幅に低減することができる。
【0053】
なお、以上の実施形態は、本発明の原理を説明するために採用された例示的な実施形態にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。当業者であれば、本発明の精神及び本質を逸脱することなく、種々の変形及び改良を行うことができ、これらの変形及び改良も本発明の保護範囲とみなすべきである。
【0054】
本願の説明において、理解されるように、用語「中心」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」等で指示した方位又は位置関係は図に示す方位又は位置関係に基づくものであり、単に本願を簡潔に説明するためのものであり、係る装置又は素子が必ずしも特定の方位を持ったり、特定の方位で構成及び操作されたりすることを指示又は暗示しないため、本発明を限定するものではないと理解すべきである。
【0055】
用語「第1」、「第2」は単に説明の目的に用いられ、相対的な重要性を指示又は暗示し又は指示された技術的特徴の数を暗示すると理解できない。これにより、「第1」、「第2」が限定された特徴は1つ又は複数の該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本発明の説明において、特に説明しない限り、「複数「の意味は2つ又は2つ以上である。
【0056】
本願の説明において、なお、特に明確な限定及び限定がない限り、用語「取り付け」、「連結」、「接続」は広義に理解すべきであり、例えば、固定接続、取り外し可能な接続、又は一体的接続であってもよく、機械的接続、電気的接続であってもよく、直接連結、中間媒体を介する間接的連結、2つの素子の内部の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本願での具体的な意味を理解することができる。
【0057】
本明細書の説明において、具体的な特徴、構造、材料又は特徴は適切な方式でいずれかの1つ又は複数の実施例又は例示に組み合わせられ得る。
【0058】
以上は本願の一部の実施形態に過ぎず、指摘すべきことは、本技術分野の当業者にとって、本願の原理から逸脱することなく、さらにいくつかの改良及び修飾を行うことができ、これらの改良及び修飾も本願の保護範囲と見なされるべきである。