(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-16
(45)【発行日】2024-01-24
(54)【発明の名称】基板処理装置、および基板処理方法
(51)【国際特許分類】
C25D 17/06 20060101AFI20240117BHJP
H01L 21/68 20060101ALI20240117BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20240117BHJP
C25D 17/00 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
C25D17/06 D
H01L21/68 F
H01L21/68 A
C25D17/00 K
C25D17/06 B
(21)【出願番号】P 2020000384
(22)【出願日】2020-01-06
【審査請求日】2022-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100146710
【氏名又は名称】鐘ヶ江 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【氏名又は名称】渡邊 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100172041
【氏名又は名称】小畑 統照
(72)【発明者】
【氏名】横山 俊夫
(72)【発明者】
【氏名】平尾 智則
(72)【発明者】
【氏名】對馬 拓也
(72)【発明者】
【氏名】大橋 弘尭
【審査官】祢屋 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-284052(JP,A)
【文献】特開2019-110200(JP,A)
【文献】特開2009-027202(JP,A)
【文献】特開2019-106479(JP,A)
【文献】特開2015-035595(JP,A)
【文献】特開2018-168432(JP,A)
【文献】特開2001-092530(JP,A)
【文献】特開2012-107311(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25D 17/06
H01L 21/68
H01L 21/677
C25D 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持するための基板ホルダと、
基板を前記基板ホルダに取り付けるための基板脱着機構と、
基板の外形に基づいて当該基板の配置を検出するための第1センサと、
基板の板面に予め形成されている特徴点を検出するための第2センサと、
基板の配置を調整するように構成された配置調整機構と、
制御部と、を有し、
前記制御部は、前記第1センサによる検出に基づいて前記基板の配置を調整するように前記配置調整機構を制御し、
前記制御部は、前記第1センサによる検出に基づいて配置を調整された基板の板面に予め形成されている特徴点を検出するように前記第2センサを制御し、
前記制御部は、前記第2センサにより検出された特徴点の位置が許容範囲にあるか否かを確認し、
前記制御部は、前記第2センサにより検出された特徴点の位置が前記許容範囲内にある場合に、前記第2センサによる検出に基づいて前記基板の配置を調整するように前記配置調整機構を制御し、
前記制御部は、前記第2センサによる検出に基づいて前記基板の配置を調整した後に、基板を前記基板ホルダに取り付けるように前記基板脱着機構を制御することを特徴とする、
基板処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第2センサにより検出された特徴点の位置が前記許容範囲外である場合、前記基板を前記ホルダとは異なる所定の場所へ搬送させる、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1センサによる検出から求められる基板の寸法が所定の基準範囲
外である場合、前記基板を前記基板ホルダとは異なる所定の場所へ搬送させる、請求項1または2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記基板を収容するためのカセットと、
前記カセットに収容された基板を前記配置調整機構へ搬送するための基板搬送装置と、
を有し、
前記所定の場所は、前記カセットである、
請求項2または3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記配置調整機構は、前記第1センサによる検出に基づいて前記基板の配置を調整するための第1配置調整機構と、前記第2センサによる検出に基づいて前記基板の配置を調整するための第2配置調整機構と、を含む請求項1から4の何れか1項に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記第2配置調整機構は、前記第1配置調整機構と前記基板脱着機構との間で前記基板を保持して搬送する基板搬送機である、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記第1センサは、前記第1配置調整機構と前記第2配置調整機構との基板の受け渡し位置において基板を検出するように配置され、
前記第2センサは、前記第2配置調整機構と前記基板脱着機構との基板の受け渡し位置において基板を検出するように配置される、
請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記配置調整機構は、前記基板を保持して搬送する基板搬送機を有する、請求項1から5の何れか1項に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記第2センサは、前記基板脱着機構に設けられ、
前記制御部は、前記基板搬送機で保持された基板の前記特徴点を検出するように前記第2センサを制御する、
請求項6または
8に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記第1配置調整機構は、載置された基板を水平移動および/または回転移動できるように構成されたステージを有する、請求項5から
7の何れか1項に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記配置調整機構は、基板が載置される基板仮置台を有し、
前記ステージと前記基板仮置台とは基板の互いに異なる領域を支持するように構成されており、前記ステージは、前記基板仮置台に載置された基板を受け取るように構成される、
請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記第1センサは、レーザセンサである、請求項1から
11の何れか1項に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記第2センサは、画像センサである、請求項1から
12の何れか1項に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記第2センサにより検出された特徴点の位置が前記許容範囲外である場合、異常を報知する、請求項1から11の何れか1項に記載の基板処理装置。
【請求項15】
基板を保持するための基板ホルダと、基板を前記基板ホルダに取り付けるための基板脱
着機構と、基板の配置を調整するように構成された配置調整機構と、を備える基板処理装置における基板処理方法であって、
基板の外形に基づいて当該基板の配置を検出する第1検出ステップと、
前記第1検出ステップによる検出に基づいて基板の配置を調整するように前記配置調整機構を制御する第1配置調整ステップと、
前記第1配置調整ステップで配置を調整された基板の板面に予め形成されている特徴点を検出する第2検出ステップと、
前記第2検出ステップで検出された特徴点の位置が許容範囲にあるか否かを確認し、検出された特徴点の位置が前記許容範囲内にある場合に、前記第2検出ステップによる検出に基づいて前記基板の配置を調整するように前記配置調整機構を制御する第2配置調整ステップと、
前記第2配置調整ステップ後に、基板を前記基板ホルダに取り付けるように前記基板脱着機構を制御する基板取付ステップと、
を含む基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置、および基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板処理装置の一例として、基板に対してめっき処理を行うめっき装置が知られている。一般に、こうしためっき装置では、予め孔部またはマスクなどのパターンが形成された基板がめっき装置に投入される。そして、めっき装置では、基板が搬送装置による搬送を通じて基板ホルダに装着され、基板ホルダに装着した状態で基板にめっき処理が施される。このとき、基板を搬送する搬送装置が基板を常に同じ位置、角度で保持して基板を搬送できるとは限らない。従って、基板を基板ホルダに装着するときに、基板が所定の正しい位置からずれてしまうことがある。そして、こうした基板ホルダに対する基板の位置ずれがあると、基板を傷つける又は基板に正しく処理を施すことができない可能性がある。
【0003】
このような問題に対応すべく、基板が所定の位置に搬送されたときに、画像センサによって基板の2つの隅部の位置を検出して基板の位置を判定する基板処理装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。この基板処理装置は、照明装置によって画像センサとは反対側から基板を照射することにより、基板の隅部を精度よく検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の方法では、画像センサによって基板の2つの隅部の位置を検出して、基板の位置、角度を補正している。しかし、基板の反りが大きい場合などは、基板の位置、角度を十分な精度で補正できない場合があった。また、基板の材質によっては光が基板を透過してしまい、基板の2つの隅部の位置を検出できない場合があった。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、基板を基板ホルダに対して精度よく位置決めして保持させることができる基板処理装置および方法を提案することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、基板処理装置が提案され、前記基板処理装置は、基板を保持するための基板ホルダと、基板を前記基板ホルダに取り付けるための基板脱着機構と、基板の外形に基づいて当該基板の配置を検出するための第1センサと、基板の板面に予め形成されている特徴点を検出するための第2センサと、基板の配置を調整するように構成された配置調整機構と、制御部と、を有し、前記制御部は、前記第1センサによる検出に基づいて前記基板の配置を調整するように前記配置調整機構を制御し、前記制御部は、前記第1センサによる検出に基づいて配置を調整された基板の板面に予め形成されている特徴点を検出するように前記第2センサを制御し、前記制御部は、前記第2センサにより検出された特徴点の位置が許容範囲にあるか否かを確認し、前記制御部は、前記第2センサにより検出された特徴点の位置が前記許容範囲内にある場合に、前記第2センサによる検出に基づいて前記基板の配置を調整するように前記配置調整機構を制御し、前記制御部は、前記第2センサによる検出に基づいて前記基板の配置を調整した後に、基板を前記基
板ホルダに取り付けるように前記基板脱着機構を制御することを特徴とする。
【0008】
本発明の別の一実施形態によれば、基板を保持するための基板ホルダと、基板を前記基板ホルダに取り付けるための基板脱着機構と、基板の配置を調整するように構成された配置調整機構と、を備える基板処理装置における基板処理方法が提案され、前記基板処理方法は、基板の外形に基づいて当該基板の配置を検出する第1検出ステップと、前記第1検出ステップによる検出に基づいて基板の配置を調整するように前記配置調整機構を制御する第1配置調整ステップと、前記第1配置調整ステップで配置を調整された基板の板面に予め形成されている特徴点を検出する第2検出ステップと、前記第2検出ステップで検出された特徴点の位置が許容範囲にあるか否かを確認し、検出された特徴点の位置が前記許容範囲内にある場合に、前記第2検出ステップによる検出に基づいて前記基板の配置を調整するように前記配置調整機構を制御する第2配置調整ステップと、前記第2配置調整ステップ後に、基板を前記基板ホルダに取り付けるように前記基板脱着機構を制御する基板取付ステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置の全体配置図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る基板配置調整機構を説明する概略平面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る基板配置調整機構を説明する概略側面図である。
【
図4】
図4は、基板搬送装置によって基板が基板仮置台上に置かれている状態の
図2に対応する図である。
【
図5】
図5は、基板搬送装置によって基板が基板仮置台上に置かれている状態の
図3に対応する図である。
【
図6】
図6は、基板仮置台からハンドリングステージへの基板の受け渡しを説明するための
図4に対応する図である。
【
図7】
図7は、ハンドリングステージによる配置調整場所への基板の移動を説明するための
図4に対応する図である。
【
図8】
図8は、ハンドリングステージによる基板の配置調整を説明するための
図3に対応する図である。
【
図9】
図9は、基板脱着機構における基Sの配置調整を説明するための図である。
【
図12】
図12は、第2センサの撮影位置を説明するための図である。
【
図13】
図13は、第2センサの撮影位置を説明するための図である。
【
図14】
図14は、基板処理装置における各コントローラによって実行される基板の配置調整の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、第2実施形態における基板の配置調整を説明するための概略図である。
【
図16】
図16は、第2実施形態における第1センサ及び第2センサの撮影位置を説明する説明図である。
【
図17】
図17は、第2実施形態における基板の配置調整の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図18】
図18は、第3実施形態における基板の配置調整を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。ただし、用いられる図面は模式図である。したがって、図示された部品の大きさ、位置および形状などは、実際の装置における大きさ、位置および形状などとは異なり得る。また、以下の説明および以下の説明で用いる図面では、同一に構成され得る部分について、同一の符号を用いると
ともに、重複する説明を省略する。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置100の全体配置図である。この例では、基板処理装置100は、電解めっき装置である。ここでは、電解めっき装置を例に挙げて説明するが、本発明は、任意のめっき装置、研磨装置、研削装置、成膜装置、エッチング装置等の他の基板処理装置にも適用可能である。
【0012】
基板処理装置100は、基板ホルダ11(
図1では不図示)に基板(被処理物)をロードし、又は基板ホルダ11から基板をアンロードするロード/アンロード部110と、基板Sを処理する処理部120と、洗浄部50aとに大きく分けられる。処理部120は、さらに、基板の前処理及び後処理を行う前処理・後処理部120Aと、基板にめっき処理を行うめっき処理部120Bとを含む。なお、基板Sは、角形基板、円形基板を含む。また、角形基板は、矩形等の多角形のガラス基板、液晶基板、プリント基板、その他の多角形の被処理物を含む。円形基板は、半導体ウェハ、ガラス基板、その他の円形の被処理物を含む。
【0013】
ロード/アンロード部110は、基板配置調整機構26と、基板搬送装置27と、基板脱着機構29とを有する。一例として、本実施形態では、ロード/アンロード部110は、処理前の基板Sを取り扱うロード用の基板配置調整機構26Aと、処理後の基板Sを取り扱うアンロード用の基板配置調整機構26Bとの、2つの基板配置調整機構26を有している。本実施形態では、ロード用の基板配置調整機構26Aと、アンロード用の基板配置調整機構26Bとは、構成は同一であり、互いに180°向きが異なって配置されている。なお、基板配置調整機構26は、ロード用、アンロード用の基板配置調整機構26A,26Bが設けられるものに限定されず、それぞれロード用、アンロード用と区別されずに使用されてもよい。また、本実施形態では、ロード/アンロード部110は、2つの基板脱着機構29を有している。2つの基板脱着機構29は、同一の機構であり、空いている方(基板Sを取り扱っていない方)が使用される。なお、基板配置調整機構26と基板脱着機構29とのそれぞれは、基板処理装置100におけるスペースに応じて、1つ、又は3つ以上が設けられてもよい。
【0014】
基板配置調整機構26(ロード用の基板配置調整機構26A)は、ロボット24を通じて複数(一例として
図1では3つ)のカセットテーブル25から基板Sが搬送される。カセットテーブル25は、基板Sが収容されるカセット25aを備える。カセットは例えばフープである。基板配置調整機構26は、載置された基板Sの位置および向きを調整(アライメント)するように構成される。基板脱着装置290は、基板脱着機構29に配置され、基板Sを基板ホルダ11に着脱するように構成される。基板脱着機構29は、制御装置29aを備えている。この制御装置29aは、基板処理装置100のコントローラ175と通信し、基板脱着機構29の動作を制御する。基板配置調整機構26と基板脱着機構29との間には、これらのユニット間で基板を搬送する搬送ロボット(基板搬送機)270を備える基板搬送装置27が配置されている。基板搬送装置27は、コントローラ27aを備えている。このコントローラ27aは、基板処理装置100のコントローラ175と通信し、基板搬送装置27の動作を制御する。
【0015】
洗浄部50aは、めっき処理後の基板を洗浄して乾燥させる洗浄装置50を有する。基板搬送装置27は、めっき処理後の基板を洗浄装置50に搬送し、洗浄された基板を洗浄装置50から取り出すように構成される。そして、洗浄後の基板は、基板搬送装置27によって基板配置調整機構26(アンロード用の基板配置調整機構26B)に渡され、ロボット24を通じてカセット25aへ戻される。
【0016】
前処理・後処理部120Aは、プリウェット槽32と、プリソーク槽33と、プリリンス槽34と、ブロー槽35と、リンス槽36と、を有する。プリウェット槽32では、基板が純水に浸漬される。プリソーク槽33では、基板の表面に形成したシード層等の導電層の表面の酸化膜がエッチング除去される。プリリンス槽34では、プリソーク後の基板が基板ホルダと共に洗浄液(純水等)で洗浄される。ブロー槽35では、洗浄後の基板の液切りが行われる。リンス槽36では、めっき後の基板が基板ホルダと共に洗浄液で洗浄される。なお、この基板処理装置100の前処理・後処理部120Aの構成は一例であり、基板処理装置100の前処理・後処理部120Aの構成は限定されず、他の構成を採用することが可能である。
【0017】
めっき処理部120Bは、オーバーフロー槽38を備えた複数のめっき槽39を有する。各めっき槽39は、内部に一つの基板を収納し、内部に保持しためっき液中に基板を浸漬させて基板表面に銅めっき等のめっきを行う。ここで、めっき液の種類は、特に限られることはなく、用途に応じて様々なめっき液が用いられる。
【0018】
基板処理装置100は、これらの各機器の側方に位置して、これらの各機器の間で基板ホルダを基板とともに搬送する、例えばリニアモータ方式を採用した基板ホルダ搬送装置37を有する。この基板ホルダ搬送装置37は、基板脱着機構29、プリウェット槽32、プリソーク槽33、プリリンス槽34、ブロー槽35、リンス槽36、及びめっき槽39との間で基板ホルダ11を搬送するように構成される。
【0019】
以上のように構成される基板処理装置100を含むめっき処理システムは、上述した各部を制御するように構成されたコントローラ175を有する。コントローラ175は、各種の設定データ及び各種のプログラムを格納したメモリ175Bと、メモリ175Bのプログラムを実行するCPU175Aと、CPU175Aがプログラムを実行することで実現される制御部175Cとを有する。メモリ175Bを構成する記録媒体は、ROM、RAM、ハードディスク、CD-ROM、DVD-ROM、フレキシブルディスクなどの任意の記録媒体の1又は複数を含むことができる。メモリ175Aが格納するプログラムは、例えば、基板配置調整機構26の制御を行うプログラム、基板搬送装置27の搬送制御を行うプログラム、基板脱着機構29における基板の基板ホルダ11への着脱制御を行うプログラム、基板ホルダ搬送装置37の搬送制御を行うプログラム、各めっき槽39におけるめっき処理の制御を行うプログラムを含む。また、コントローラ175は、基板処理装置100及びその他の関連装置を統括制御する図示しない上位コントローラと通信可能に構成され、上位コントローラが有するデータベースとの間でデータのやり取りをすることができる。
【0020】
基板配置調整機構26について詳細に説明する。上記したように、本実施形態では、ロード用の基板配置調整機構26Aと、アンロード用の基板配置調整機構26Bとは、互いに180°向きが異なって配置されているが構成は同一であるため、まとめて基板配置調整機構26として説明する。
図2および
図3は、第1実施形態に係る基板配置調整機構26を説明する概略図であり、
図2は平面図、
図3は
図2中F3-F3方向(y方向に沿って)見た側面図である。なお、
図2および
図3では、基板Sを一点鎖線で示している。また、以下では、
図2の上下方向を「x方向」、
図2及び
図3の左右方向を「y方向」、
図3の上下方向(鉛直方向)を「z方向」として説明を行う。本実施形態では、
図2及び
図3に示すように、第1センサ61(61A~61E)が、基板配置調整機構26に設けられる場合を例に挙げて説明する。
【0021】
図2に示すように、基板配置調整機構26は、基板仮置台261と、ハンドリングステージ265(ステージ、第1配置調整機構)とを備えている。基板Sは、ロボット24によってカセット25aから取り出され、基板仮置台261上に搬送される。基板仮置台2
61は、上面に基板Sをz方向(鉛直方向)に移動できるように構成されている。なお、本実施形態では、基板仮置台261およびハンドリングステージ265における基板Sの載置面は水平に、つまりx方向およびy方向に沿って画定されるものとしているが、こうした例に限定されない。基板仮置台261は、
図2に示す例では上面に載置された基板Sを支持する互いに離間した3つの支持部262、263、264を有する。基板仮置台261は、コントローラ261aを備えている(
図3参照)。コントローラ261aは、基板処理装置のコントローラ175(
図1参照)と通信し、基板仮置台261の動作を制御する。
【0022】
ハンドリングステージ265は、基板仮置台261に載置された基板Sを受け取り、基板Sの位置および向きを調整できるように構成されている。ハンドリングステージ265は、上面に載置された基板Sを支持する互いに離間した2つの支持部266、267を有する。ここで、本実施形態では、基板仮置台261の支持部262~264と、ハンドリングステージ265の支持部266、267とは、基板Sの互いに異なる領域を支持するように構成されている。換言すれば、基板仮置台261は基板Sの第1領域を支持し、ハンドリングステージ265は基板Sの第1領域とは異なる第2領域を支持するように構成されている。また、ハンドリングステージ265は、基板Sの所定の隅部と上下方向(z方向)に重ならないように構成されている。ハンドリングステージ265は、基板Sをx方向、y方向に移動させることができると共に、基板Sをz方向まわりのθ方向に回転させることができるように構成されている。ハンドリングステージ265は、コントローラ265aを備えている(
図3参照)。コントローラ265aは、基板処理装置のコントローラ175(
図1参照)と通信し、ハンドリングステージ265の動作を制御する。
【0023】
図4および
図5は、基板搬送装置27によって基板Sが基板仮置台261上に置かれている状態の
図2および
図3に対応する図をそれぞれ示している。
図4および
図5に示すように、ロボット24によって基板Sが基板仮置台261上に置かれると、続いてハンドリングステージ265が基板仮置台261の真下に移動する。なお、ハンドリングステージ265は、基板Sが基板仮置台261上に載置される前に、または載置されるのと同時に、基板仮置台261の真下に移動してもよい。
【0024】
続いて、
図6に示すように、基板仮置台261が下方(z方向)に移動して、基板Sをハンドリングステージ265上に載置させる。上記したように、基板仮置台261とハンドリングステージ265とは互いに基板Sの異なる領域を支持するように構成されている。このため、基板仮置台261が下方に移動することで、基板仮置台261の支持部262~264とハンドリングステージ265の支持部266、267とが互いに干渉することなく、基板Sの受け渡しを行うことができる。
【0025】
次に、
図7に示すように、ハンドリングステージ265は、y方向に移動して、基板仮置台261の真下から、基板の配置を調整するための所定場所である配置調整場所(ロボット受け渡し位置)へと移動する。
図7に示すように、配置調整場所には、第1センサが配置されている。なお、
図2から
図8に示す例では、第1センサ61(61A~61E)は、ハンドリングステージ265の位置にかかわらず、配置調整場所に固定されるものとしている。ただし、こうした例に限定されず、第1センサ61は、ハンドリングステージ265と一体に移動してもよい。
【0026】
そして、
図8に示すように、ハンドリングステージ265は、配置調整場所において、基板Sのx方向およびy方向の位置、ならびに回転角θ(向き)を調整する。ここで、基板Sの回転角θは、x-y平面内において、基板Sのx軸(又はy軸)に沿う辺が、x軸(又はy軸)に対して傾いた角度として定義する。また、所望に応じて、ハンドリングステージ265は、基板Sの向きを90度、または180度変更させてもよい。ハンドリン
グステージ265によって基板Sの配置が調整されると、その後、基板Sは、基板搬送装置27によって基板脱着装置290へ搬送される。
【0027】
再び
図2および
図3を参照する。本実施形態では、第1センサ61(61A~61E)が、基板配置調整機構26に設けられている。第1センサ61(61A~61E)は、ハンドリングステージ265によって基板Sが所定の搬送位置(ロボット搬送位置)に搬送されたとき、基板Sの外形を検出可能な位置に配置されている。本実施形態では、第1センサ61として、複数(一例として5つ)のレーザセンサ61A~61Eが採用されている。一例として、レーザセンサ61A~61Eのそれぞれは、ライン上に複数のレーザ投光素子が並べられた投光体62aと、ライン上に複数の受光素子が並べられた受光体62bと、を有する。レーザセンサ61A~61Eは、受光体62bに受光される受光量を所定の2値化レベルと比較することにより各受光素子における入光/遮光を判定し、基板Sの縁部(エッジ)を計測することができる。こうしたレーザセンサ61A~61Eとして、例えばキーエンス社のIGシリーズ(一例として、IG-028)を使用することができる。特にこうしたレーザセンサを使用することにより、基板Sの透光性にかかわらず、基板Sの外形を精度よく計測することができる。なお、第1センサ61は、基板Sの位置を調整するために基板Sの外形を計測できるものであればよく、1つ~4つ、または6つ以上のセンサが使用されてもよい。また、第1センサとしては、レーザセンサ61に限定されず、メカニカルスイッチもしくは圧力センサなど基板Sとの機械的接触を伴うセンサ、画像センサ、または超音波センサなど、種々のセンサを採用することができる。
【0028】
本実施形態では、基板Sは、略矩形の角形基板であり、4つの辺L1、L2、L3、L4と、4つの隅部P1、P2、P3、P4と、を有している(
図10参照)。また、基板Sの中心Pa0は、2つの対角線の交点として定義することができる。そして、本実施形態では、
図2に示すように、第1センサ61として、基板Sにおける第1の対向する縁部(L1,L3)の位置を計測するためのレーザセンサ61A,61Bと、基板Sにおける第2の対向する縁部(L2,L4)の位置を計測するためのレーザセンサ61C,61Dと、レーザセンサ61A~61Dの何れかと共に回転角θを計測するためのレーザセンサ61Eと、の計5つのレーザセンサが使用されている。5つのレーザセンサ61A~61Eは、基板処理装置100における図示しないフレームに固定されており、予め各々の位置が較正されている。第1センサ61では、レーザセンサ61A,61Bによる第1の対向する縁部の位置の検出に基づいて、第1方向(y方向)の寸法と第1方向(y方向)の中心位置(ya0)とが計測される。また、レーザセンサ61C,61Dによる第2の対向する縁部の位置の検出に基づいて、第2方向(x方向)の寸法と第2方向(x方向)の中心位置(xa0)とが計測される。さらに、レーザセンサ61A~61Dの何れか(例えばレーザセンサ61A)とレーザセンサ61Eとの検出に基づいて基板Sの回転角θa0が計測される。そして、こうした基板Sの計測位置に基づいて、基板Sが所定の目標設置位置(第1の目標設置位置)に配置されるように、ハンドリングステージ265は、基板Sのx方向およびy方向の位置、ならびに回転角θ(向き)を調整する。本実施形態では、ハンドリングステージ265によって基板Sが配置調整場所に配置された際に、基板Sが位置すべき正しい位置を「目標設置位置(第1の目標設置位置)」とする。なお、限定するものではないが、ハンドリングステージ265によって例えば90度または180度など基板Sの向きが予め定められた角度変更される場合には、目標設置位置は、向き変更後の基板Sが位置すべき正しい位置とするとよい。本実施形態では、第1の目標設置位置に対応する参照値として、基板Sの中心の目標中心位置(xat、yat)と、基板Sの目標回転角θatとが使用される。
【0029】
ロード用の基板配置調整機構26Aでは、ハンドリングステージ265(第1配置調整機構)で基板Sの配置が調整されると、基板Sは、搬送ロボット270によって基板脱着機構29へ搬送される。なお、アンロード用の基板配置調整機構26Aでは、ハンドリン
グステージ265で基板Sの配置が調整されると、基板Sは、ロボット24によってカセット25aへ戻される。これにより、配置を調整した状態で基板Wをカセット25a内に戻すことができる。
【0030】
図9は、基板脱着機構29における基板Sの配置調整を説明するための図である。なお、
図9では、基板脱着機構29の一例を示しているが、基板脱着機構はこうした例に限定さるものではない。例えば、基板脱着機構として、特願2018-190116号に記載されている基板着脱装置を使用することもできる。
図9に示す例では、基板脱着機構29は、旋回装置1200を有する基板脱着装置290を備えている。旋回装置1200上には、基板ホルダ11の第2保持部材400が取り付けられている。この状態で、第2保持部材400に基板Sが取り付けられる。基板Sは、搬送ロボット270によって、第2保持部材400上に搬送される。なお、基板ホルダ11は、図示しない第1保持部材を更に有し、第1保持部材と第2保持部材400との間で基板Sを挟持して保持する部材である。
【0031】
搬送ロボット270は、ロボット本体271と、ロボット本体271に取り付けられたロボットハンド272と、コントローラ270aとを備えている。コントローラ270aによってロボットハンド272の動作が制御される。ロボットハンド272は、接触又は非接触で基板Sを保持することが可能である。ロボットハンド272は、例えば、ベルヌーイチャックにより非接触で基板Sを保持する。ロボットハンド272は、ロボットハンドに対してXY面内の基板の位置を規制するチャックも有していることが望ましい。搬送ロボット270は、多軸ロボットであり、ロボットハンド272に保持した基板Sの位置を、x、y、z方向、及び、回転方向(θ方向)に移動可能である。x、y、z軸は、
図9に示す方向に定義される。x軸およびy軸は、設置面800に平行であり、z軸は、設置面800に直交する。なお、ロボットハンドは、2つ以上設けられる場合もある。
【0032】
本実施形態では、搬送ロボット270は第2配置調整機構に当たり、基板Sは、基板脱着装置290に基板Sを設置する前に、基板脱着機構29において搬送ロボット270によって配置が更に調整される。本実施形態では、搬送ロボット270によって基板Sが基板脱着装置290に設置された際に、基板Sが位置すべき正しい位置を「目標設置位置(第2の目標設置位置)」とする。
【0033】
基板脱着機構29には、第2センサ71が設けられている。第2センサ71は、基板Sの板面に予め形成されている特徴点(例えば、所定のアライメントマーク、または凹部もしくはマスクなどのパターン)を検出可能なセンサであり、例えば画像センサである。また、
図9に示す例では、第2の照明装置72(72a、72b)が、基板Sの第2センサ71(71a、71b)と同じ側に設けられている。
図9に示す例では、第2センサ71および第2の照明装置72が共に基板Sの上方に設けられている。第2の照明装置72は、例えばLEDからなるトップライトである。なお、限定するものではないが、第2の照明装置72は、第2の照明装置72による照射光が、第2センサ71に直接的に反射して侵入しないように、基板Sの板面に対して傾斜して配置されるとよい。第2センサ71による基板Sの板面の撮影時に、第2の照明装置72によって基板Sを照射することにより、基板Sの板面に予め形成されている特徴点を明確にすることができる。ただし、基板処理装置100は、こうした照明装置72を備えなくてもよい。
【0034】
続いて、第2センサ71による基板Sの撮像位置、および基板脱着機構29における基板Sの目標設置位置(第2の目標設置位置)について詳細に説明する。
図10は、基板Sの平面図の一例を模式的に示す図である。
図11は、基板Sの回転角を説明するための図である。上記したように、本実施形態では、基板Sは、略矩形の角形基板であり、4つの辺L1、L2、L3、L4と、4つの隅部P1、P2、P3、P4と、を有している。ま
た、
図10、
図11に示すように、本実施形態では、基板Sには、予めアライメントマーク73が形成されている。アライメントマーク73は、第2センサ71によって検出するための特徴点として、基板Sが基板処理装置100に投入される前に予め形成されるものである。このアライメントマーク73は、基板処理装置100に投入される前に、基板Sに形成される凹部またはマスクなどのパターンと共に形成されることが好ましい。なお、アライメントマーク73は、第2センサ71によって位置が検出できるものであればよく、任意の形状および寸法とすることができる。そして、基板処理装置100のコントローラの何れかには、基板Sにおける特徴点が形成されているべき場所が予め記憶される。具体的には、本実施形態では、第2の目標設置位置に対応する参照値として、アライメントマーク73の中点の目標位置(xbt、ybt)と目標傾斜角θbtとが予め記憶されている。限定するものではないが、アライメントマーク73は、基板Sの隅部P1~P4の少なくとも2つの近傍に設けられることが好ましい。特に、アライメントマーク73は、基板Sの対角線上の2つの隅部の近傍に設けられるとよい。一例として本実施形態では、アライメントマーク73は、2つの隅部P1、P3近傍に設けられている。また、限定するものでないが、本実施形態では位置ずれがない場合2つのアライメントマーク73は基板Sの中心に対して対称な位置に設けられており、2つのアライメントマーク73の中点Pb0は、基板Sの中心Pa0に一致する。なお、本実施形態では、基板Sに、特徴点として2つのアライメントマーク73が形成されるものとしたが、1つ、または3つ以上のアライメントマーク73が形成されてもよい。また、アライメントマーク73に代えて、または加えて、基板Sの板面に予め形成された凹部またはマスクなどのパターンが、基板Sの板面に予め形成された特徴点として利用されてもよい。
【0035】
図12,
図13は、第2センサ71a,71bによる撮像位置を説明するための図である。第2センサ71a、71bのそれぞれは、搬送ロボット270によって基板Sが基板脱着装置290における想定される位置(第2の目標設置位置)に搬送されたとき、アライメントマーク73を撮影できるように、基板処理装置100における図示しないフレームに固定されている。本実施形態では、第2センサ71a、71bは、
図12及び
図13に示すように、その撮像部(例えば、レンズ)の中心C2が、平面視において、基板Sが基板脱着機構29における想定される位置(第2保持部材400の真上、第2の目標設置位置)に配置されているときの基板Sのアライメントマーク73の中心に当たる位置に配置されるように設けられる。なお、
図12及び
図13では、アライメントマーク73が想定される位置(撮像部の中心C2)にある例を破線で示しており、アライメントマーク73の位置が撮像部の中心C2からずれている例を実線で示している。
【0036】
こうした第2センサ71では、2つの第2センサ71a,71bのそれぞれで計測されたアライメントマーク73の位置に基づいて、中点位置(xb0、yb0)と、2つを結ぶ線の傾斜角度θb0と、が算出される。なお、コントローラは、アライメントマーク73の位置を検出するために第2センサ71による撮像エリア全体を画像処理するものとしてしてもよいし、アライメントマーク73の想定位置(撮像部の中心C2)付近の領域(
図12中、領域71a1)を画像処理するものとしてもよい。また、本実施形態では、第2の目標設置位置に対応する参照値として、目標中点位置(xbt、ybt)と、目標傾斜角度θbtとが使用される。そして、第2センサ71によるアライメントマーク73の中点位置(xb0、yb0)と傾斜角度θb0とが、第2の目標設置位置における参照値に近づくように、搬送ロボット270は、基板Sを水平方向(x方向およびy方向)および回転方向に移動させて、基板Sの位置を調整する。
【0037】
次に、上記した基板処理装置100における基板Sの配置調整をフローチャートに沿って説明する。
図14は、基板処理装置100における各種コントローラの少なくとも1つ(単に「コントローラ」という)によって実行される基板Sの配置調整の処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、ロボット24によって基板Sが基板配置調整機構
26(ロード用の基板配置調整機構26A)に置かれたときに開始される。
【0038】
まず、基板仮置台261からハンドリングステージ265へと基板Sが受け渡され、ハンドリングステージ265によって基板Sがロボット受け渡し位置に搬送される(ステップS12)。このステップS12の処理については、
図2-
図7等を参照して上記で説明した。なお、ハンドリングステージ265において基板Sを90度または180度など回転させる場合には、コントローラは基板Sを回転させる。ただし、基板Sの回転は、以下に説明する第1センサ61による計測後としてもよい。また、コントローラは、第1センサ61による計測に基づいて基板Sを回転させるか否かを判定してもよい。
【0039】
続いて、第1センサ61により基板Sの外形を計測する(ステップS16)。これにより、基板Sの寸法、位置、及び回転角が算出される。そして、コントローラは、基板Sの外形(寸法)が基準範囲内であるか否かを判定する(ステップS18)。基準範囲としては、例えば所望の基板寸法に対して数パーセントの誤差とするなど、予め定めた範囲とすればよい。ステップS18では、例えば、基板Sの反りが大きい場合に基板Sの外形が基準範囲外であると判定される。そして、基板Sの外形が基準範囲内ではない(基準範囲外である)ときには(ステップS18:No)、コントローラは、所定の異常判定時処理を実行して(ステップS38)、配置調整処理を終了する。異常判定時処理としては、例えば、コントローラは基板Sにその後の処理を施すことなく、(基板処理装置100を制御して)基板Sをカセット25aに戻す。あるいは、通常時の搬送場所とは異なる所定の場所へ基板Sを搬送してもよい。また、異常判定処理としては、基板処理装置100において警報を発報する、又は基板処理装置100から外部に異常信号を送信するなど、異常を報知することを含んでもよい。これにより、基板処理装置100の管理者等が、基板Sの異常が判定されたことを認識することができる。
【0040】
次に、第1センサ61による計測から算出された基板Sの中心位置の座標(xa0、ya0)及び回転角θa0と、第1の目標設置位置に対応する参照値(目標中心位置(xat、yat)及び回転角θat=0)との誤差が所定の範囲内か否かを判別する(ステップS20)。ここで、所定の範囲としては、ハンドリングステージ265による配置調整の精度などに基づく予め定めた範囲を用いることができる。そして、算出された中心位置の座標(xa0、ya0)及び回転角θa0と、目標中心位置及び回転角との誤差が所定の範囲外であれば(ステップS20:No)、当該誤差量に基づいて、ハンドリングステージ265をx方向、y方向、及び/又はx-y平面内の回転方向θに移動させて、基板Sの配置が、目標設置位置(第1の目標設置位置)に近づくように、基板Sの配置を調整する(ステップS22)。その後、第1センサ61による計測から算出される基板Sの中心位置の座標及び回転角と、目標中心位置及び回転角との誤差が所定の範囲内になるまで、ステップS16、S20、S22の処理を繰り返し実行する。そして、第1センサ61から算出される基板Sの中心位置の座標及び回転角と、目標中心位置及び回転角との誤差が所定の範囲内であるときには(ステップS20:Yes)、以下に説明するステップS24の処理へと処理を進める。このように、第1センサ61によって基板Sの外形を検出し、検出結果に基づいて基板Sの配置を調整することで、基板Sの配置を精度よく調整することができる。
【0041】
なお、本実施形態では、ハンドリングステージ265による基板Sの配置調整は精度よく行うことができ、通常、一度の配置調整(ステップS22)によって、基板Sは目標設置位置(第1の目標設置位置)に対して所定範囲内に設置される。このため、基板処理装置100は、ステップS22の処理においてハンドリングステージ265で基板Sの配置を調整したら、その後は、ステップS16の処理に戻ることなく、ステップS24以降の処理へと処理を進めるものとしてもよい。また、基板処理装置100は、
図14に示す処理において、同一の基板Sに対してステップS20で複数回(例えば2回、3回など)に
わたって誤差が所定範囲外であると判定された場合には、ハンドリングステージ265または第1センサ61に異常が生じていると判定してもよい。
【0042】
第1センサ61による計測に基づいて基板Sの配置が第1の目標設置位置に対して所定範囲内に調整されると、コントローラは、搬送ロボット270により基板Sを基板脱着装置290へ搬送させる(ステップS24)。搬送ロボット270は、基板Sを基板脱着装置290における想定位置(第2の目標設置位置)に搬送するように予め調整されている。ステップS24では、基板Sは搬送ロボット270のハンドによって保持されたままである。本実施形態では、搬送ロボット270による基板Sの搬送は精度よく行うことができ、ハンドリングステージ265による配置調整が維持されて基板Sは基板脱着装置290へと搬送される。
【0043】
続いて、基板脱着装置290において、第2センサ71で基板Sの特徴点(本実施形態ではアライメントマーク73)を撮像する(ステップS26)。この画像から、特徴点の中点位置の座標(xb0、yb0)、及び特徴点を結ぶ線の傾斜角度θb0が算出される。
【0044】
次に、コントローラは、算出された中点座標(xb0、yb0)及び傾斜角度θbと、第2の目標設置位置に対応する参照値(目標中点位置(xbt、ybt)と目標傾斜角度θbt)との誤差が所定の許容範囲内か否かを判定する(ステップS28)。なお、
図14のステップS28は、「特徴点位置が許容範囲内であるか否か」の判定としているが、図示の便宜上、および発明概念上、包括的に記載したものである。本実施形態では、ステップS28の判定は、特徴点としての2つのアライメントマーク73の位置関係に基づいて行われる。ここで、許容範囲としては、基板Sの異常を判定するための範囲として、ハンドリングステージ265及び搬送ロボット270の配置調整の精度、および基板Sを基板ホルダに保持する際に許容される基板の位置ずれ範囲などに基づく予め定めた範囲を用いることができる。基板Sは、第1センサ61による外形の計測に基づいてハンドリングステージ265によって配置が調整されており、通常、第2センサ71による計測から算出される特徴点の位置は、第2の目標設置位置に対応する参照値に対して許容範囲内となる。そして、第2センサ71による計測から算出された特徴点の位置が許容範囲内であるときには(ステップS28:Yes)、コントローラは、続いて算出された特徴点の位置が所定範囲内であるか否かを判定する(ステップS30)。本実施形態では、ステップS30の処理は、ステップS28の処理と同様に、算出された中点座標(xb0、yb0)及び傾斜角度θbと、第2の目標設置位置に対応する参照値(目標中点一(xbt、ybt)と目標傾斜角度θbt)との誤差が所定範囲内か否かを判定する。ここで、所定範囲としては、基板Sを配置調整するか否かを判定するための範囲として、めっきの均一性に対して許容される基板の位置ずれの範囲、および搬送ロボット270あるいは基板脱着機構29による基板Sの基板ホルダ11に対する受け渡しの精度などに基づく予め定めた範囲を用いることができる。また、ステップS30における所定範囲は、ステップS28における許容範囲よりも小さい範囲である。算出された特徴点の位置が所定範囲内でない(所定範囲外である)ときには(ステップS30:No)、算出された特徴点の位置と第2の目標設置位置との誤差に基づいて、搬送ロボット270のハンドをx方向、y方向、及び/又はx-y平面内の回転方向θに移動させて、基板Sが第2の目標設置位置に近づくように基板Sの配置を調整する(ステップS32)。その後、第2センサ71による計測から算出される特徴点の中点位置および傾斜角度と第2の目標設置位置に対応する参照値との誤差が所定範囲内になるまで、ステップS26、S30、S32の処理を繰り返し実行する。
【0045】
第2センサ71による計測から算出される特徴点の位置が所定範囲内であるときには(ステップS30:Yes)、コントローラは、搬送ロボット270により基板Sを基板脱
着機構29へ設置させる(ステップS34)。そして、コントローラは、基板Sが基板ホルダ11に取り付けられるように基板脱着機構29を制御して(ステップS36)、本処理を終了する。あるいは、搬送ロボット270が基板Sを直接、基板ホルダ11の第2保持部材400に受け渡しても良い。このように、本実施形態では、第2センサ71によって基板Sの特徴点が計測され、当該計測結果に基づいて基板Sの配置が調整されて基板Sが基板ホルダ11に取り付けられる。これにより、たとえ基板Sに反りがあったり、基板Sが透明な基板であり、カメラを用いた外形基準での基板位置合わせができない場合であっても、基板Sを適切な位置で基板ホルダ11に保持させることができ、その後の処理をより好適に実行することができる。
【0046】
一方、ステップS28において、第2センサ71による計測から算出された座標(xb0、yb0)及び傾斜角度θbと、第2の目標設置位置に対応する参照値との誤差が許容範囲外であれば(ステップS28:No)、コントローラは、基板Sにおける特徴点の位置が異常であると判定し、所定の異常判定時処理へと処理を進める(ステップS38)。繰り返しとなるが、ステップS28の判定では、前もって第1センサ61による計測からの算出値に基づいて基板Sの配置が調整されている。このため、コントローラは、第2センサ71によって計測される特徴点の位置が、特徴点が形成されているべき場所(第2の目標設置位置における参照値)から大きくずれているときには、基板Sのパターンが大きくずれている、または基板Sの外形が欠けているなど、基板Sに異常が生じていると判定する。こうした判定により、精度よく基板Sの異常を判定することができる。基板Sに異常が生じていると判定されるときの異常判定時処理としては、例えば、コントローラは基板Sにその後の処理を施すことなく、(基板処理装置100を制御して)基板Sをカセット25aに戻す。あるいは、通常時の搬送場所とは異なる所定の場所へ基板Sを搬送してもよい。また、異常判定処理としては、基板処理装置100において警報を発報する、又は基板処理装置100から外部に異常信号を送信するなど、異常を報知することを含んでもよい。これにより、基板処理装置100の管理者等が、基板Sの異常が判定されたことを認識することができる。基板Sのパターンが大きくずれているということは、多くの場合、製品として不良であると考えることができる。本実施形態によれば、めっきを行うことなく、不良な基板を製造ラインから除外することができる。また、基板Sのパターンがずれている場合に、特徴点を基準とした基板の位置合わせを行うと、基板自体が大きな変位で位置調整されることになる。その場合、基板Sが基板ホルダ11に乗り上げる、あるいは、基板ホルダ11の接点が正しい位置で接触しない可能性があり、基板Sを基板ホルダ11に適切に保持させることができなくなる。本実施形態によれば、基板Sのパターンのズレによる問題を回避して、特徴点を基準とした基板の位置合わせを行い、基板Sを基板ホルダ11に保持させることができる。
【0047】
(第2実施形態)
図15は、第2実施形態における基板Sの配置調整を説明するための概略図である。第2実施形態の基板処理装置では、第1センサおよび第2センサ71が基板脱着機構29に設けられている。具体的には、第2実施形態では、第1センサ161として、複数(一例として2つ)の画像センサ161a,161bが基板脱着機構29の図示しないフレームに固定されて設けられている。また、第2実施形態では、第1の照明装置162(162a、162b)が、基板Sの第1センサ161(161a,161b)と反対側に設けられている。
図15に示す例では、第1センサ161が基板Sの上方に設けられ、第1の照明装置162が基板Sの下方に設けられている。第1の照明装置62は、第1センサ61と反対側から基板Sの隅部を照射するように配置されている。第1の照明装置162は、例えばLEDからなるバックライトである。第1センサ161による基板Sの隅部の撮影時に、第1の照明装置162によって基板Sを反対側から照射すると、基板Sの背景が白くなり、基板Sの輪郭を明確にすることができる。
【0048】
第1の照明装置62は、第1センサ61に対応する位置である撮影位置と、撮影位置から外側に移動した退避位置との間を移動可能に構成されている。ロボットハンド272による基板Sの第2保持部材400への搬送経路を妨害しないためである。第1の照明装置62を移動させる機構については、モータ、ソレノイド、又は空気圧アクチュエータ等、種々の動力源を使用した機構を採用することができる。
【0049】
図16は、第2実施形態における第1センサ161及び第2センサ71の撮影位置を説明する説明図である。ここで、第2センサ71の撮影位置については、第1実施形態と同一のため説明を省略する。
図16に示すように、第1センサ161の撮像部(例えば、レンズ)の中心C1が、平面視において、想定される位置(目標設置位置、または目標設置位置から90°または180°など回転した位置)に置かれた基板Sの隅部P1、P3からx、y方向に所定の距離Δx、Δyだけ内側に変位した位置に配置されるように、第1センサ161は設けられている。つまり、第1センサ161a,161bの中心C1は、基板Sの隅部(頂点)の位置よりも基板Sの内側にある位置に対応する。この構成によれば、第1センサ161によって、基板Sの隅部P1、P3近傍のより広い範囲を撮影することができ、隅部の位置の検出精度を高めることができる。例えば、各隅部において隣接する二辺(隣接二辺(L1-L4、L2-L3))のより長い範囲を撮影することができ、隣接二辺の公転としての隅部P1、P3の位置の算出精度、隣接二辺のうち少なくとも一辺の傾きから算出される基板Sの回転角θの算出精度を向上させることができる。なお、第1センサ161a,161bの中心C1を基板Sの内側に変位させる距離は、各センサで異なってもよい。また、一部のセンサについてのみ、撮像部の中心C1を内側に変位させてもよい。他の実施形態では、一部または全部の第1センサ161の撮像部の中心C1は、平面視において、基板の隅部の位置に一致してもよいし、基板の隅部の位置よりも基板の外側にあってもよい。なお、
図16に示す例では、第1センサ161の撮影位置は、アライメントマーク73が設けられている隅部付近としているが、こうした例には限定されない。また、第2実施形態では、第1センサ161と第2センサ71との撮影位置が異なるものとしたが、少なくとも一部が重複してもよい。
【0050】
第2実施形態では、コントローラは、第1センサ161によって撮像される隅部周辺の画像情報から画像処理によって辺の位置および傾きθaを検出する。なお、コントローラは、辺の位置および傾きθaを検出するために第1センサ161による撮像エリア全体を画像処理するものとしてしてもよいし、辺の想定位置付近の領域(
図16中、領域161a1)を画像処理するものとしてもよい。また、一例として、コントローラは、隣接二辺の交点を基板Sの隅部の位置として算出する。隅部の位置を隣接二辺の交点として算出することにより、隅部にRがある場合や頂点の位置が鮮明でない場合にも隅部の位置を正確に算出することができる。そして、コントローラは、算出された隅部の位置に基づいて、基板Sの中心位置(xa0、ya0)を算出する。
【0051】
次に、第2実施形態における基板Sの配置調整をフローチャートに沿って説明する。
図17は、第2実施形態における基板Sの配置調整の処理の一例を示すフローチャートである。
図17では、
図14に示す第1実施形態における処理と同様の処理については同一の符号を付している。以下では、第1実施形態における処理と重複する説明は省略する。
【0052】
図17に示す処理は、ロボットハンド272によって基板Sが基板脱着機構29へ搬送されたときに開始される。まず、コントローラは、搬送ロボット270により基板Sを基板脱着機構29の所定位置へ搬送する(ステップS12A)。搬送ロボット270は、基板Sを基板脱着装置290における想定位置(第1の目標設置位置)に搬送するように予め調整されている。ステップS12Aでは、基板Sは搬送ロボット270のハンドによって保持されたままである。続いて、コントローラは、第1センサ161で基板Sの外形を計測する(ステップS16)。また、コントローラは、ステップS16の処理に先立って
第1の照明装置(バックライト)162を退避位置から撮影位置へ移動させ、第1の照明装置162で基板Sの隅部を照射するとよい。続いて、コントローラは、第1実施形態と同様に、基板Sの外形が基準範囲内であるか否かを確認し(ステップS18)、基板Sの外形が基準範囲外であると判断した場合には異常判定時処理を実行する(ステップS38)。また、コントローラは、基板Sの外形が基準範囲内であると判断した場合には、第1センサ161を用いた算出座標(xa0、ya0)及び回転角θaに基づいて、基板Sの位置が目標設置位置(第1の目標設置位置)に対して所定範囲内となるように搬送ロボット270により基板Sの位置を調整する(ステップS20,S22A)。ここで、第1の目標設置位置としては、基板脱着機構29における基板Sの目標設置位置、つまり第2の目標設置位置と同一とすることができる。ただし、こうした例に限定されず、第1の目標設置位置は、第2の目標設置位置と異なる位置としてもよい。このように、第1センサ161によって基板Sの外形を検出し、検出結果に基づいて基板Sの配置を調整することで、基板Sの配置を精度よく調整することができる。
【0053】
そして、第1センサ161による検出に基づいて基板Sの配置を調整すると、コントローラは、第1実施形態と同様に、第2センサ71による検出に基づいて基板Sの配置を調整する(ステップS26~S32)。これにより、基板Sに形成されているパターンにより適した部位で基板ホルダ11により基板Sを保持させることができ(ステップS36)、その後の処理をより好適に実行することができる。なお、コントローラは、第1センサ161による検出に基づいて基板Sの配置を調整した後、または第2センサ71による検出に基づいて基板Sの配置を調整した後に、第1の照明装置162を撮影位置から退避位置へと移動させるとよい。
【0054】
(第3実施形態)
図18は、第3実施形態における基板Sの配置調整を説明する概略図である。第3実施形態の基板処理装置では、第1センサ61および第2センサ71が基板配置調整機構26に設けられている。なお、
図18では、第2の照明装置72を示していないが、基板配置調整機構26に第2センサ71のための第2の照明装置72が設けられてもよい。第3実施形態においては、コントローラは、第1実施形態と同様に、第1センサ61による基板Sの外形の計測に基づいてハンドリングステージ265により基板Sの配置を調整する。そして、コントローラは、第2センサ71による特徴点の検出に基づいてハンドリングステージ265により基板Sの配置を調整する。こうした第3実施形態においても、その後に搬送ロボット270によって基板脱着装置290に基板Sが配置されることにより、第1および第2実施形態と同様に、基板Sに形成されているパターンにより適した部位で基板ホルダ11により基板Sを保持させることができる。なお、第3実施形態においては、第2センサ71は、ロード用の基板配置調整機構26Aにのみ設けられ、アンロード用の基板配置調整機構26Bには設けられないものとしてもよい。
【0055】
(変形例)
上記した第1ないし第3実施形態では、基板処理装置の一例として、めっき液中に基板Sを浸漬させるめっき装置について説明した。しかしながら、基板処理装置としては、こうしためっき装置に限定されるものではなく、例えば、基板に対してめっき液などの処理液をかけ流すことによって基板の表面処理を行う装置が使用されてもよい。こうした装置としては、水洗処理部、デスミア処理部、無電解めっき処理部などの直線状に配置された複数の処理部を含んでもよい。また、基板処理装置は、めっき装置に限定されるものではなく、任意のめっき装置、研磨装置、研削装置、成膜装置、エッチング装置等の他の装置であってもよい。
【0056】
なお、第1ないし第3実施形態では、最終的に第2センサ71によって測定された特徴点の位置に基づいて位置合わせがなされている。ただし、第2センサ71による特徴点の
検出は基板Sのパターンのズレの検出のみに用い、基板Sの基板ホルダに対する位置合わせは、第1センサによる外形の検出のみによって行っても良い。この場合でも、めっきを行うことなく、不良な基板を製造ラインから除外することができる。
【0057】
以上説明した本実施形態は、以下の形態としても記載することができる。[形態1]形態1によれば、基板処理装置が提案され、前記基板処理装置は、基板を保持するための基板ホルダと、基板を前記基板ホルダに取り付けるための基板脱着機構と、基板の外形に基づいて当該基板の配置を検出するための第1センサと、基板の板面に予め形成されている特徴点を検出するための第2センサと、基板の配置を調整するように構成された配置調整機構と、制御部と、を有し、前記制御部は、前記第1センサによる検出に基づいて前記基板の配置を調整するように前記配置調整機構を制御し、前記制御部は、前記第1センサによる検出に基づいて配置を調整された基板の板面に予め形成されている特徴点を検出するように前記第2センサを制御し、前記制御部は、前記第2センサにより検出された特徴点の位置が許容範囲にあるか否かを確認し、前記制御部は、前記第2センサにより検出された特徴点の位置が前記許容範囲内にある場合に、前記第2センサによる検出に基づいて前記基板の配置を調整するように前記配置調整機構を制御し、前記制御部は、前記第2センサによる検出に基づいて前記基板の配置を調整した後に、基板を前記基板ホルダに取り付けるように前記基板脱着機構を制御することを特徴とする。
形態1によれば、基板を基板ホルダに対して精度よく位置決めして保持させることができる。
【0058】
[形態2]形態2によれば、形態1において、前記制御部は、前記第2センサにより検出された特徴点の位置が前記許容範囲外である場合、前記基板を前記ホルダとは異なる所定の場所へ搬送させる。形態2によれば、特徴点の位置が許容範囲外である基板を仕分けすることができる。
【0059】
[形態3]形態3によれば、形態1または2において、前記制御部は、前記第1センサによる検出から求められる基板の寸法が所定の基準範囲外である場合、前記基板を前記基板ホルダとは異なる所定の場所へ搬送させる。形態3によれば、寸法が所定の基準範囲外である基板を仕分けすることができる。
【0060】
[形態4]形態4によれば、形態2または3において、前記基板を収容するためのカセットと、前記カセットに収容された基板を前記配置調整機構へ搬送するための基板搬送装置と、を有し、前記所定の場所は、前記カセットである。形態4によれば、基板をカセットに仕分けすることができる。
【0061】
[形態5]形態5によれば、形態1から4において、前記配置調整機構は、前記第1センサによる検出に基づいて前記基板の配置を調整するための第1配置調整機構と、前記第2センサによる検出に基づいて前記基板の配置を調整するための第2配置調整機構と、を含む。
【0062】
[形態6]形態6によれば、形態5において、前記第2配置調整機構は、前記第1配置調整機構と前記基板脱着機構との間で前記基板を保持して搬送する基板搬送機である。
【0063】
[形態7]形態7によれば、形態1から5において、前記配置調整機構は、前記基板を保持して搬送する基板搬送機を有する。
【0064】
[形態8]形態8によれば、形態6または7において、前記第2センサは、前記基板脱着機構に設けられ、前記制御部は、前記基板搬送機で保持された基板の前記特徴点を検出す
るように前記第2センサを制御する。形態8によれば、基板を基板脱着機構により基板ホルダに取り付ける直前に基板の配置を調整することができる。
【0065】
[形態9]形態9によれば、形態1から8において、前記配置調整機構は、載置された基板を水平移動および/または回転移動できるように構成されたステージを有する。形態9によれば、ステージを使用して基板の配置を調整することができる。
【0066】
[形態10]形態10によれば、前記第1センサは、レーザセンサである。レーザセンサとしては、特にレーザ投光素子および受光素子がライン上に複数並べられたセンサを使用することができる。
【0067】
[形態11]前記第2センサは、画像センサである、請求項1から10の何れか1項に記載の基板処理装置。画像センサとしては、例えば白黒カメラ、カラーカメラを採用することができる。
【0068】
[形態12]形態12によれば、形態1から11において、前記制御部は、前記第2センサにより検出された特徴点の位置が前記許容範囲外である場合、異常を報知する。形態12によれば、特徴点の位置が許容範囲外であると判定されたことを報知することができる。
【0069】
[形態13]形態13によれば、基板を保持するための基板ホルダと、基板を前記基板ホルダに取り付けるための基板脱着機構と、基板の配置を調整するように構成された配置調整機構と、を備える基板処理装置における基板処理方法が提案され、前記基板処理方法は、基板の外形に基づいて当該基板の配置を検出する第1検出ステップと、前記第1検出ステップによる検出に基づいて基板の配置を調整するように前記配置調整機構を制御する第1配置調整ステップと、前記第1配置調整ステップで配置を調整された基板の板面に予め形成されている特徴点を検出する第2検出ステップと、前記第2検出ステップで検出された特徴点の位置が許容範囲にあるか否かを確認し、検出された特徴点の位置が前記許容範囲内にある場合に、前記第2検出ステップによる検出に基づいて前記基板の配置を調整するように前記配置調整機構を制御する第2配置調整ステップと、前記第2配置調整ステップ後に、基板を前記基板ホルダに取り付けるように前記基板脱着機構を制御する基板取付ステップと、を含む。
形態13によれば、基板を基板ホルダに対して精度よく位置決めして保持させることができる。
【0070】
以上、いくつかの本発明の実施形態について説明してきたが、上記した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
【符号の説明】
【0071】
11…基板ホルダ
25…カセットテーブル
25a…カセット
26…基板配置調整機構
261…基板仮置台
265…ハンドリングステージ(第1配置調整機構)
27…基板搬送装置
270…搬送ロボット(第2配置調整機構)
270a…コントローラ
28…走行機構
29…基板脱着機構
290…基板脱着装置
32…プリウェット槽
33…プリソーク槽
34…プリリンス槽
35…ブロー槽
36…リンス槽
37…基板ホルダ搬送装置
38…オーバーフロー槽
39…めっき槽
50…洗浄装置
50a…洗浄部
61、61A~61E…第1センサ
62a…投光体
62b…受光体
71、71a、71b…第2センサ
72、72a、72b…第2の照明装置 100…基板処理装置
110…アンロード部
120…処理部
120A…前処理・後処理部
120B…処理部
161、161a、161b…第1センサ
162、162a、162b…第1の照明装置
175…コントローラ
175A…CPU
175B…メモリ
175C…制御部
271…ロボット本体
272、273…ロボットハンド