(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-17
(45)【発行日】2024-01-25
(54)【発明の名称】選択装置、選択方法および選択プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0282 20230101AFI20240118BHJP
A61F 13/84 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
G06Q30/0282
A61F13/84
(21)【出願番号】P 2019115799
(22)【出願日】2019-06-21
【審査請求日】2022-06-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 裕哉
【審査官】原 忠
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0088623(US,A1)
【文献】特開2003-325578(JP,A)
【文献】特表2005-509934(JP,A)
【文献】特許第6174286(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
A61F 13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の身体的な特徴を示す利用者情報を取得するとともに、当該利用者の嗜好を示す嗜好情報若しくは当該利用者の運動量を示す運動量情報を取得する取得部と、
前記利用者情報と、前記嗜好情報若しくは前記運動量情報
とに基づい
た形状および吸収機能を有する、
単一の生理用製品に係る吸収性物品を、前記利用者に対
する提案
対象として選択す
る選択部と
を有することを特徴とする選択装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記利用者の吸収性物品に関する嗜好を示す嗜好情報を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の選択装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記嗜好情報として、前記吸収性物品の外観に関する前記利用者の嗜好、前記吸収性物品の機能に関する前記利用者の嗜好、若しくは、前記吸収性物品の機能と対応する行動に関する前記利用者の嗜好のうち少なくともいずれか1つを取得する
ことを特徴とする請求項2に記載の選択装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記利用者情報として、前記利用者の体型を示す情報を取得する
ことを特徴とする請求項1~3のうちいずれか1つに記載の選択装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記利用者情報として、前記利用者の年齢を示す情報を取得する
ことを特徴とする請求項1~4のうちいずれか1つに記載の選択装置。
【請求項6】
前記取得部は、前記利用者が前記吸収性物品を着用する時間を示す時間情報をさらに取得し、
前記選択部は、前記利用者情報と、前記嗜好情報、前記運動量情報若しくは前記時間情報
とに基づい
た形状および吸収機能を有する、
単一の生理用製品に係る吸収性物品を、前記利用者に対
する提案
対象として選択す
る
ことを特徴とする請求項1~5のうちいずれか1つに記載の選択装置。
【請求項7】
前記利用者情報に基づいて、前記利用者の臀部回りの寸法を推定する推定部
を有し、
前記選択部は、前記推定部により推定された臀部回りの寸法と、前記嗜好情報若しくは前記運動量情報
とに基づい
た形状および吸収機能を有する、
単一の生理用製品に係る吸収性物品を、前記利用者に対
する提案
対象として選択す
る
ことを特徴とする請求項1~6のうちいずれか1つに記載の選択装置。
【請求項8】
前記取得部は、前記利用者情報として、前記利用者の臀部回りの寸法を示す情報を取得し、
前記選択部は、前記利用者の臀部回りの寸法と、前記嗜好情報若しくは前記運動量情報
とに基づい
た形状および吸収機能を有する、
単一の生理用製品に係る吸収性物品を、前記利用者に対
する提案
対象として選択す
る
ことを特徴とする請求項1~6のうちいずれか1つに記載の選択装置。
【請求項9】
前記選択部は、前記臀部回りの寸法に基づいて、前記利用者に推奨される下着を推定し、推定した下着に基づい
た形状および吸収機能を有する、
単一の生理用製品に係る吸収性物品を、前記利用者に対
する提案
対象として選択す
る
ことを特徴とする請求項7または8に記載の選択装置。
【請求項10】
前記選択部は、前記下着が有する機能に応じた
形状および吸収
機能を有する、単一の生理用製品に係る吸収性物品を選択する
ことを特徴とする請求項9に記載の選択装置。
【請求項11】
前記選択部は、前記利用者情報に基づいて、推奨される吸収性物品の大きさを推定し、推定した大きさの
、単一の生理用製品に係る吸収性物品を選択する
ことを特徴とする請求項1~10のうちいずれか1つに記載の選択装置。
【請求項12】
前記選択部は、前記運動量情報に基づいて、推奨される吸収性物品の機能を推定し、推定した機能を有する
、単一の生理用製品に係る吸収性物品を選択する
ことを特徴とする請求項1~11のうちいずれか1つに記載の選択装置。
【請求項13】
前記取得部は、前記利用者が使用する吸収性物品と、当該吸収性物品の利用結果を示す利用情報をさらに取得し、
前記選択部は、前記利用者情報と、前記利用情報と、前記嗜好情報若しくは前記運動量情報
とに基づい
た形状および吸収機能を有する、
単一の生理用製品に係る吸収性物品を、前記利用者に対
する提案
対象として選択す
る
ことを特徴とする請求項1~12のうちいずれか1つに記載の選択装置。
【請求項14】
前記選択部は、前記吸収性物品が適切に機能を発揮しなかった旨を前記利用情報が示す場合は、前記利
用情報
が示す吸収性物品以外の吸収性物品の中から、前記利用者情報と、前記嗜好情報若しくは前記運動量情報
とに基づい
た形状および吸収機能を有する、
単一の生理用製品に係る吸収性物品を、前記利用
者に対す
る提案対象として
選択す
る
ことを特徴とする請求項13に記載の選択装置。
【請求項15】
前記選択部が選択した
、単一の生理用製品に係る吸収性物品と、前記利用情報が示す吸収性物品とが所定の条件を満たし、かつ、前記吸収性物品が適切に機能を発揮しなかった旨を前記利用情報が示す場合は、前記吸収性物品の利用態様に関する情報を前記利用者に提供する第1提供部
を有することを特徴とする請求項13または14に記載の選択装置。
【請求項16】
前記運動量情報に基づいて推定された前記吸収性物品の交換が推奨されるタイミングを示す情報を前記利用者に提供する第2提供部
を有することを特徴とする請求項1~15のうちいずれか1つに記載の選択装置。
【請求項17】
前記選択部により選択された
、単一の生理用製品に係る吸収性物品に関する情報を前記利用者、若しくは、当該利用者と所定の関係性を有する他の利用者に対して提供する第3提供部
を有することを特徴とする請求項1~16のうちいずれか1つに記載の選択装置。
【請求項18】
選択装置が実行する選択方法であって、
利用者の身体的な特徴を示す利用者情報を取得するとともに、当該利用者の嗜好を示す嗜好情報若しくは当該利用者の運動量を示す運動量情報を取得する取得工程と、
前記利用者情報と、前記嗜好情報若しくは前記運動量情報
とに基づい
た形状および吸収機能を有する、
単一の生理用製品に係る吸収性物品を、前記利用者に対
する提案
対象として選択す
る選択工程と
を含むことを特徴とする選択方法。
【請求項19】
利用者の身体的な特徴を示す利用者情報を取得するとともに、当該利用者の嗜好を示す嗜好情報若しくは当該利用者の運動量を示す運動量情報を取得する取得手順と、
前記利用者情報と、前記嗜好情報若しくは前記運動量情報
とに基づい
た形状および吸収機能を有する、
単一の生理用製品に係る吸収性物品を、前記利用者に対
する提案
対象として選択す
る選択手順と
をコンピュータに実行させるための選択プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選択装置、選択方法および選択プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、吸収性物品に関する情報を提供することで、利用者の生活の質(QOL:Quality Of Life)を向上させる技術が知られている。このような技術の一例として、利用者の月経の履歴に基づいて、利用者の身体的なアドバイスを配信する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術では、利用者の生活の質を向上させる余地がある。
【0005】
例えば、利用者が若年層の女性である場合、生理用品等といった吸収性物品の扱いに不慣れであるとも考えらえる。このような場合、利用者が自身に最適な吸収性物品を選択することができず、使用時の不快感や漏れを生じさせる恐れがある。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者に合った吸収性物品を選択することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る選択装置は、利用者の身体的な特徴を示す利用者情報を取得するとともに、当該利用者の嗜好を示す嗜好情報若しくは当該利用者の運動量を示す運動量情報を取得する取得部と、前記利用者情報と、前記嗜好情報若しくは前記運動量情報に基づいて、前記利用者に対して提案する吸収性物品を選択する選択部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、利用者に合った吸収性物品を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る提供システムの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る端末装置が有する機能構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る利用者データベースに登録される情報の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る下着データベースに登録される情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る吸収性物品データベースに登録される情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る情報提供装置が実行する選択処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施形態に係る情報提供装置が利用者の親に対して提供する提案情報の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0011】
利用者の身体的な特徴を示す利用者情報を取得するとともに、利用者の嗜好を示す嗜好情報若しくは利用者の運動量を示す運動量情報を取得する取得部と、利用者情報と、嗜好情報若しくは運動量情報に基づいて、利用者に対して提案する吸収性物品を選択する選択部とを有することを特徴とする選択装置。
【0012】
このような選択装置は、例えば、利用者の身体的な特徴に基づいて、利用者の身体に合った吸収性物品を選択するので、吸収性物品のずれやよれ等を防ぐ結果、吸収性物品が利用者の身体に合っていないことに起因する漏れ等を防ぐことができる。また、選択装置は、吸収性物品に関する嗜好として、利用者が好む色彩やイラストの傾向といった外観に関する利用者の嗜好、利用者の重要視する課題(経血の漏れを防ぎたい、簡単に扱える製品が良い、価格が安いものが良い、装着感が良い、製品の素材にこだわりたい等)等といった吸収性物品の機能に関する利用者の嗜好、若しくは、利用者の予定や希望する活動(旅行に行きたい、運動をしたい等)等といった吸収性物品の機能と対応する行動に関する利用者の嗜好に基づいて、吸収性物品を選択する。このため、例えば、選択装置は、生理に慣れていない若年層の利用者に対し、正しいサイズの吸収性物品の利用を促す結果、利用者の生活の質を改善することができる。
【0013】
また、選択装置は、利用者の運動量に基づいて、吸収性物品を選択するので、例えば、運動量が比較的多い若年層に対し、適切な形状や吸収機能を有する吸収性物品を提案することができる。この結果、選択装置は、利用者の生活の質を改善することができる。
【0014】
また、選択装置は、利用者の吸収性物品に関する嗜好を示す嗜好情報を取得する。このため、選択装置は、例えば、利用者が好むデザインの傾向や大きさ、肌触り等といった吸収性物品に関する嗜好に基づいて、吸収性物品の選択を行うことができるので、若年層の利用者に対して吸収性物品の利用を促すことができる結果、利用者の生活の質を改善することができる。
【0015】
また、選択装置は、利用者情報として、利用者の体型を示す情報を取得する。この結果、選択装置は、利用者の体型に対応する形状や機能を有する吸収性物品を選択することができるので、例えば、利用者の体型とサイズが合わないことによる吸収性物品のずれやよれを防ぐ結果、吸収性物品からの漏れを防ぎ、利用者の生活の質を改善することができる。
【0016】
また、選択装置は、利用者情報として、利用者の年齢を示す情報を取得する。この結果、選択装置は、利用者の年齢に対応する吸収性物品を選択することができるので、例えば、利用者の年齢に応じた形状や外観、機能を有する吸収性物品を選択することができる結果、吸収性物品の利用を促し、利用者の生活の質を改善することができる。
【0017】
また、選択装置は、利用者が吸収性物品を着用する時間を示す時間情報をさらに取得し、記利用者情報と、嗜好情報、運動量情報若しくは時間情報に基づいて、利用者に対して提案する吸収性物品を選択する。この結果、選択装置は、例えば、交換が難しい時間帯(例えば、授業が多い日中や部活動の時間帯、夜間等)においては、吸収量が多い吸収性物品を選択し、交換が容易な時間帯においては、吸収量が少ないが違和感の少ない吸収性物品を選択することができる。この結果、選択装置は、吸収性物品の利用を促し、利用者の生活の質を改善することができる。
【0018】
また、選択装置は、利用者情報に基づいて、利用者の臀部回りの寸法を推定する推定部を有し、推定部により推定された臀部回りの寸法と、嗜好情報若しくは運動量情報に基づいて、利用者に対して提案する吸収性物品を選択する。なお、選択装置は、利用者情報として、利用者の臀部回りの寸法を示す情報を取得し、利用者の臀部回りの寸法と、嗜好情報若しくは運動量情報に基づいて、利用者に対して提案する吸収性物品を選択してもよい。このような処理の結果、選択装置は、利用者の臀部回りの寸法に応じて吸収性物品を選択することができるので、利用者の体型に合った吸収性物品を選択することができる。
【0019】
また、選択装置は、臀部回りの寸法に基づいて、利用者に推奨される下着を推定し、推定した下着に基づいて、利用者に対して提案する吸収性物品を選択する。このような処理の結果、例えば、選択装置は、利用者の体型に合った下着からはみ出ないサイズの吸収性物品を選択することができるので、利用者の生活の質を改善することができる。
【0020】
ここで、下着の中には、生理期間の生活を改善するため、所謂サニタリーショーツと呼ばれる下着が存在する。このようなサニタリーショーツには、経血を吸収するためのナプキン等といった吸収性物品を体にフィットさせる機能、経血を吸収する機能、他の衣類や寝具等に経血が付着するのを防ぐための防水機能等といった各種の機能を有する場合がある。そこで、選択装置は、下着が有する機能に応じた吸収性物品を選択してもよい。このような吸収性物品を選択することで、選択装置は、生理期間の生活をより改善し、利用者の生活の質を改善することができる。
【0021】
また、選択装置は、利用者情報に基づいて、推奨される吸収性物品の大きさを推定し、推定した大きさの吸収性物品を選択する。このため、選択装置は、利用者に合ったサイズの吸収性物品を選択することができる。
【0022】
また、選択装置は、運動量情報に基づいて、推奨される吸収性物品の機能を推定し、推定した機能を有する吸収性物品を選択する。このため、選択装置は、例えば、運動量が多い利用者に対しては、羽根つき等といったずれやよれを軽減する機能をもった吸収性物品を選択することができる。
【0023】
また、選択装置は、利用者が使用する吸収性物品と、吸収性物品の利用結果を示す利用情報をさらに取得し、利用者情報と、利用情報と、嗜好情報若しくは運動量情報に基づいて、利用者に対して提案する吸収性物品を選択する。例えば、選択装置は、吸収性物品が適切に機能を発揮しなかった旨を利用情報が示す場合は、利用者情報と、嗜好情報若しくは運動量情報に基づいて、利用情報が示す吸収性物品以外の吸収性物品の中から、利用者に対して提案する吸収性物品を選択する。この結果、選択装置は、利用者が利用した吸収性物品においてよれ、ずれ、若しくは漏れ等が生じたか否かに応じて、吸収性物品を選択することができるので、より利用者に合った吸収性物品を選択することができる。
【0024】
また、選択装置は、選択した吸収性物品と、利用情報が示す吸収性物品とが所定の条件を満たし、かつ、吸収性物品が適切に機能を発揮しなかった旨を利用情報が示す場合は、吸収性物品の利用態様に関する情報を利用者に提供する第1提供部を有する。このため、例えば、選択装置は、利用者の体型等から選択された吸収性物品と利用情報が示す吸収性物品とが一致するにも関わらず、漏れ等が生じていた場合には、吸収性物品の装着位置や利用態様等のアドバイスを提供することで、適切な利用態様による吸収性物品の利用を促し、ひいては、利用者の生活の質を改善することができる。
【0025】
また、選択装置は、運動量情報に基づいて推定された吸収性物品の交換が推奨されるタイミングを示す情報を利用者に提供する第2提供部を有する。このため、例えば、選択装置は、運動量が多い利用者に対しては、前もって吸収性物品を交換しておく等、利用者にとって適切な吸収性物品の交換タイミングを提案することができるので、利用者の生活の質を改善することができる。
【0026】
また、選択装置は、選択された吸収性物品に関する情報を利用者、若しくは、利用者と所定の関係性を有する他の利用者に対して提供する。このため、例えば、選択装置は、利用者若しくは利用者の親等に、利用者にとって適切な吸収性物品の情報を提供することができるので、利用者と利用者の親との間のコミュニケーションを促すとともに、利用者の生活の質を改善することができる。
【0027】
以下に、選択装置、選択方法および選択プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)の一例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により選択装置、選択方法および選択プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0028】
[実施形態]
〔1.提供システムの一例について〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る提供システムの一例について説明する。
図1は、実施形態に係る提供システムの一例を示す図である。
図1に示すように、提供システムは、選択装置の一例である情報提供装置10と利用者Uが利用する端末装置100とを有する。なお、提供システムは、任意の数の情報提供装置10や端末装置100を有していてもよい。また、情報提供装置10は、任意の数の端末装置100との間で、後述する処理を実行してよい。
【0029】
情報提供装置10は、選択処理を行う情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、情報提供装置10は、LTE(Long Term Evolution)や、LETの一種であるLET-Advancedを含む4G(Generation)、将来標準化が行われるであろう5G等といった各種の移動通信システム、Wifi(登録商標)若しくは無線LAN(Local Area Network)等といった各種の無線通信網若しくは各種の有線通信網といったネットワークN(例えば、
図2参照)を介して、端末装置100との間で通信を行う。
【0030】
端末装置100は、利用者Uが利用する端末装置であり、PC(Personal Computer)、サーバ装置、スマートテレビジョン、スマートフォン若しくはタブレット等といったスマートデバイス等により実現され、ネットワークNを介して、情報提供装置10との間で通信を行うことができる携帯端末装置である。また、端末装置100は、液晶ディスプレイ等の画面であって、タッチパネルの機能を有する画面を有し、利用者から指やスタイラス等によりタップ操作、スライド操作、スクロール操作等、情報提供装置10から配信されるコンテンツに対する各種の操作を受付け可能な機能を有していてもよい。
【0031】
〔1-1.吸収性物品について〕
ここで、利用者Uが女性である場合、情報提供装置10は、選択処理の一例として、利用者にとって適切であると推定される女性向けの吸収性物品を選択する処理を実行する。ここで、女性向けの吸収性物品とは、女性の生理に関連する各種の生理用品であり、具体的な例を挙げると、おりもの用のパンティーライナー、経血用のナプキンやタンポン等であるが、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、吸収性物品は、尿漏れ用パッド等の吸収性物品であってもよく、各種の下着に装着されるタイプのものや、下着型、シート型のものであってもよい。また、吸収性物品は、おむつ等の吸収性物品であってもよい。以下の例では吸収性物品の一例として、経血を吸収するためのナプキンを選択する処理について例示するが、選択対象となるものは、吸収性物品を含む消費財であってもよい。
【0032】
このような吸収性物品は、着用者の成長や体調、使用される状況によって異なる。例えば、女性の経血量は、月経の時期や運動量、夜間の利用であるか昼の利用であるか等に応じて異なる。このため、利用者の生理の態様(経血量が多いか否かや運動量が多いか否か)等に応じて、適切なサイズや吸収量等の機能を有する吸収性物品を用いるのが望ましい。
【0033】
また、吸収性物品のサイズが利用者の体型に合っていない場合や、利用者の運動量が多い場合には、吸収性物品のよれやずれが生じたり、吸収性物品が利用者の体に密着しなくなる結果、経血やおりもの等の分泌物が漏れてしまう恐れがある。このため、利用者は、自身の体型や、運動量等に応じて吸収性物品を使い分けるのが望ましい。
【0034】
しかしながら、利用者の中には、適切な吸収性物品を選択していない利用者も存在する。例えば、利用者が中学生、高校生、若しくは大学生等といった若年層である場合、初潮を迎えていなかったり、生理が生じるようになってからあまり期間が経過しておらず、生理用品の扱いに慣れていない結果、分泌物の漏れが生じる可能性が高い。より具体的な例を挙げると、利用者が吸収性物品の装着感に慣れていない場合、誤った位置に吸収性物品を装着したり、不用意に大きい吸収性物品を装着する結果、吸収性物品と利用者の体との間に隙間ができたり、ずれやよれが生じる結果、漏れが生じる可能性が高い。
【0035】
また、若年層の利用者の中には、母親が利用する吸収性物品をそのまま利用する場合もあるが、このような吸収性物品は、利用者のサイズに適合していない場合が多い。また、若年層の利用者の運動量は、授業や部活等により、運動量が親よりも多い傾向がある。このため、生理用品のよれやずれが生じやすく、漏れが生じる可能性が高い。
【0036】
このように、分泌物の漏れが生じた場合、下着や衣類、シーツ等の寝具に分泌物が付着するため、洗濯や手洗い等といった処理が利用者のストレスになる傾向がある。また、吸収性物品によれがずれが生じた場合の不快感や、漏れを気にする結果、普段通りの行動を行えなくなることが、利用者のストレスになる傾向がある。また、夜用の吸収性物品を昼に用いた場合、吸収性物品が利用者の下着からはみ出てしまうため、人の目が気になる点も利用者のストレスになる傾向がある。
【0037】
このような吸収性物品の利用に関するストレスを軽減し、利用者の生活の質を向上させるには、適切な態様で吸収性物品を利用するのが望ましい。例えば、利用者に合った吸収性物品を選択し、正しい態様で利用することで、よれやずれを防ぎ、漏れの可能性を軽減する結果、利用者のストレスを軽減し、利用者の生活の質を向上させることができると考えられる。
【0038】
また、若年層の利用者等、吸収性物品の利用経験が少ない利用者に対しては、正しい吸収性物品の感覚に慣れてもらうことで、漏れの可能性を軽減し、利用者の生活の質を向上させればよいと考えられる。このため、若年層の利用者の生活の質を向上させるには、正しい吸収性物品や正しい利用態様を提案するだけではなく、このような吸収性物品の利用を動機付けすることが効果的であると考えられる。
【0039】
〔1-2.選択処理の概要について〕
そこで、情報提供装置10は、以下の選択処理を実行する。まず、情報提供装置10は、利用者の身体的な特徴を示す利用者情報を取得するとともに、利用者の嗜好を示す嗜好情報若しくは利用者の運動量を示す運動量情報を取得する。そして、情報提供装置10は、利用者情報と、嗜好情報若しくは運動量情報に基づいて、利用者に対して提案する吸収性物品を選択する。例えば、情報提供装置10は、利用者の吸収性物品に関する嗜好を示す嗜好情報や、利用者の体型を示す利用者情報を取得する。そして、情報提供装置10は、利用者の体型にあった吸収性物品の中から、利用者の嗜好にあった吸収性物品を選択し、選択した吸収性物品の利用を提案する。
【0040】
ここで、吸収性物品に関する嗜好とは、吸収性物品の装着感や肌触り、羽根つきであるか否か、夜用であるか否かといった機能的な属性に対する嗜好のみならず、吸収性物品に付された柄や色彩等といった外観に関する属性であってもよい。また、吸収性物品に関する嗜好とは、利用者の重要視する課題(経血の漏れを防ぎたい、簡単に扱える製品が良い、価格が安いものが良い、装着感が良い、製品の素材にこだわりたい等)に対応する吸収性物品の各種機能や、利用者の予定や希望する活動(旅行に行きたい、運動をしたい等)等といった吸収性物品の機能と対応する行動に関する利用者の嗜好をも含む概念である。例えば、情報提供装置10は、利用者から、吸収性物品に関する嗜好を示す嗜好情報と、利用者の体型を示す体型情報とを受付ける。このような場合、情報提供装置10は、利用者の体型に合った吸収性物品の中から、機能的あるいは外観が利用者の嗜好を満たす吸収性物品を選択する。
【0041】
また、例えば、情報提供装置10は、利用者が長期の外出を所望している旨を嗜好情報が示している場合、すなわち、吸収性物品の機能と対応する行動を示す場合は、利用者の体型に合った吸収性物品の中から、利用者が所望する行動に適した吸収性物品、すなわち、長期の外出に適した吸収性物品(交換頻度が少なくてもよい、装着感が良い等)を選択したり、パッケージが可愛らしい吸収性物品を選択したりする。このような処理の結果、情報提供装置10は、若年層の利用者に対し、利用者にあった吸収性物品の利用を動機付けることができる結果、利用者の生活の質を向上させることができる。吸収性物品に関する各種の嗜好は、例えば、利用者が入力した嗜好情報が示すものであってもよく、利用者の購買履歴や行動履歴等に基づいて推定されたものであってもよい。
【0042】
また、このような利用者の嗜好は、恒久的な嗜好であってもよく、一時的な物であってもよい。例えば、吸収性物品の外観に関する嗜好は、恒久的或いはある程度長期に亘って継続する嗜好であってよく、利用者の重要視する課題や利用者の予定、希望する活動やこれらに対応する機能の嗜好は、予定や行動の都度、指定されるものであってもよい。情報提供装置10が利用する嗜好情報は、これら各種の嗜好を示すものであるものとする。
【0043】
特に若年層の利用者等、吸収性物品の利用経験が少ない利用者にとっては、種々ある吸収性物品それぞれの違いを把握することが難しく、どのような観点で吸収性物品を選べばよいか判断ができない場合がある。そこで、情報提供装置10が、利用者の嗜好として、利用者の予定や希望する活動、外観に関する属性などから、吸収性物品に求められる特性(例えば、長期の外出に適した吸収性物品として、交換頻度が少なくてもよい、装着感が良いといった特性を有する吸収性物品等)を選択することで、利用者に合った吸収性物品を提案することができる結果、利用者の生活の質を向上させることができる。また、このような吸収性物品の外観や機能、吸収性物品と関連性を有しうる各種の行動といった利用者の嗜好は、吸収性物品の利用に伴い、利用者独自の傾向が表れることとなる。情報提供装置10は、このような嗜好に基づいて吸収性物品の選択を行うことで、利用者が継続して利用したいと感じる吸収性物品のみならず、利用者が行いたい行動等に対応する吸収性物品の提案を行うことができ、利用者の生活の質を向上させることができる。
【0044】
また、利用者の運動量を示す運動量情報とは、日常的に利用者がどれくらい動くかを示す情報である。例えば、情報提供装置10は、利用者から、平均的な一日の歩行量、走行量等を運動量情報として受付ける。なお、情報提供装置10は、テニスやサッカー等といった利用者が行うスポーツや、各スポーツを行う時間的な長さ、若しくは利用者が所属する部活動の内容等を受付けてもよい。このような場合、情報提供装置10は、利用者の体型に合った吸収性物品の中から、運動量情報が示す運動量に対応する機能の吸収性物品を選択する。例えば、情報提供装置10は、利用者が行うスポーツの種別や長さ等から、利用者の運動量を示す運動量スコアを算出し、利用者の体型に合った吸収性物品のうち、運動量スコアに応じた機能の吸収性物品を選択すればよい。例えば、情報提供装置10は、運動量スコアが所定の閾値を超える場合は、シール付の吸収性物品や羽根つきの吸収性物品等、よれやずれに対応する機能が強化された吸収性物品を選択すればよい。このような処理の結果、情報提供装置10は、利用者の動きによるずれやよれを防ぎ、漏れの可能性を軽減する結果、利用者の生活の質を改善することができる。
【0045】
また、情報提供装置10は、利用者の体型に応じた吸収性物品のうち、利用者の運動量に応じた吸収性物品であって、利用者の嗜好に応じた吸収性物品を選択してもよい。このような処理の結果、情報提供装置10は、漏れを防ぐとともに、漏れが生じにくい吸収性物品の利用を促すことができるので、利用者の生活の質をさらに改善することができる。
【0046】
〔1-3.選択処理の一例について〕
以下、
図1を用いて、選択処理の一例について説明する。例えば、端末装置100は、利用者の生理に関する情報を管理および提供する生理管理サービスを提供する(ステップS1)。例えば、端末装置100は、生理管理サービスを提供するためのアプリケーションが予めインストールされており、利用者の生理に関する情報を管理および提供する。例えば、
図1に示す例では、端末装置100は、利用者に対し、生理の有無を示すカレンダーの情報や、予測される次の生理期間、腹痛等といった生理期間中に生じる身体的な不調の履歴等を示す情報を提供する。なお、端末装置100は、情報提供装置10もしくは図示を省略した所定の外部サーバと連携することで、このような生理管理サービスを提供してもよい。なお、生理管理サービスは、任意の内容のサービスを利用者に提供することができるものとし、詳細な説明を省略する。
【0047】
ここで、端末装置100は、利用者が利用する吸収性物品の物品情報を取得する(ステップS2)。そして、利用者Uは、吸収性物品D1を利用することとなる(ステップS3)。なお、端末装置100は、利用者Uが吸収性物品D1を利用する前に吸収性物品の物品情報を取得してもよく、利用者Uが吸収性物品D1を利用した後で吸収性物品の物品情報を取得してもよい。
【0048】
例えば、端末装置100は、各種のカメラを有しており、利用者Uの操作に応じて、吸収性物品D1の外観を撮影する。ここで、吸収性物品D1の外観とは、例えば、複数の吸収性物品を梱包したパッケージの外観であってもよく、このようなパッケージ内に梱包されている個々の吸収性物品の外観であってもよい。また、端末装置100は、生理管理サービスを提供するためのアプリケーションの機能を介して、吸収性物品D1の外観を撮影してもよく、他のアプリケーションの機能を介して、吸収性物品D1の外観を撮影してもよい。
【0049】
ここで、吸収性物品D1には、吸収性物品D1の製品名やロット番号等といった吸収性物品D1を特定するための情報、すなわち、物品情報を示す2次元バーコードQR1が付与されている。この結果、端末装置100は、吸収性物品D1を撮影することで、利用者Uが利用する吸収性物品D1を特定することができる。
【0050】
続いて、端末装置100は、利用者から、体型情報、運動量情報、嗜好情報および利用態様情報の入力を受付ける(ステップS4)。例えば、端末装置100は、所定のアプリケーション等を介して、利用者から、各種の情報を受付ける。
【0051】
ここで、体型情報とは、利用者の体型を示す情報であり、例えば、利用者の身長および体重である。なお、利用者の体型は、利用者の年齢によっても変化すると考えられる。このため、端末装置100は、利用者から利用者の年齢を示す情報を体型情報として取得してもよい。また、後述する説明で明らかとなるように、利用者の体にあった吸収性物品を選択するには、利用者の臀部回りの寸法(すなわち、ヒップサイズ)に応じたサイズの吸収性物品を選択するのが望ましい。そこで、端末装置100は、利用者からヒップサイズの寸法を示す情報を体型情報として取得してもよい。
【0052】
また、利用態様情報とは、利用者Uが吸収性物品D1を利用した際の利用態様を示す情報である。例えば、端末装置100は、利用者Uが吸収性物品D1を利用した際に、漏れが生じたか否か、ずれやよれが生じたか否か、付け心地がどうであったか等、吸収性物品D1の利用に際する各種の情報を受付ける。
【0053】
そして、情報提供装置10は、端末装置100を介して、物品情報と共に、体型情報、運動量情報、嗜好情報、および利用態様情報といった各種の利用者情報を取得する(ステップS5)。そして、情報提供装置10は、体型情報から、利用者Uのヒップサイズを推定する(ステップS6)。例えば、情報提供装置10は、体型情報が示す体重と身長とから、利用者Uのヒップサイズを推定してもよく、利用者Uが登録したヒップサイズを利用者Uのヒップサイズとしてもよい。また、情報提供装置10は、体型情報として入力された利用者Uの年齢と、利用者Uの身長および体重とから、利用者Uのヒップサイズを推定してもよい。
【0054】
ここで、情報提供装置10は、ヒップサイズから利用者の体型に合った吸収性物品を直接的に選択してもよい。一方で、吸収性物品の利用態様を考慮した場合、ショーツ等の下着との関係性が重要となる場合がある。例えば、女性向けの下着の中には、生理用品を利用者の身体に密着させるための機能を有するものが存在する。このような下着のサイズと吸収性物品のサイズとが対応しない場合、漏れが生じてしまう恐れがある。また、下着のサイズが適切ではない場合、生理用品と利用者の身体との間に隙間などが生じ、漏れが生じる可能性が高くなる。
【0055】
そこで、情報提供装置10は、ヒップサイズから、利用者Uに対して推奨される下着を推定する(ステップS7)。例えば、情報提供装置10は、予め各種の下着の寸法や機能に関するデータベースを保持し、利用者Uのヒップサイズから、利用者に合った下着を選択する。
【0056】
そして、情報提供装置10は、嗜好若しくは運動量と、ヒップサイズと、推定した下着とに応じた吸収性物品を選択する(ステップS8)。例えば、情報提供装置10は、ヒップサイズや対応する下着のサイズから、利用者Uの体型に合ったサイズの吸収性物品を選択し、選択した吸収性物品のうち、利用者の嗜好に応じた外観や機能を有する吸収性物品や、利用者の運動量に応じた機能を有する吸収性物品を選択する。例えば、情報提供装置10は、利用者の運動量スコアと対応する吸収量の吸収性物品や、ずれやよれを防止するための機能を有する吸収性物品を選択してもよい。
【0057】
ここで、情報提供装置10は、選択した吸収性物品に関する情報を利用者Uに提供してもよい。しかしながら、選択された吸収性物品と同一の吸収性物品を利用者が利用している場合、利用者の印象を損なう恐れがある。一方で、利用者が選択された吸収性物品を既に利用しているにも関わらず、漏れが生じている場合には、吸収性物品の装着位置や装着の仕方に誤りがあるとも考えられる。
【0058】
そこで、情報提供装置10は、利用中の吸収性物品と利用態様と、選択した吸収性物品とに基づいて、各種の提案情報を生成する(ステップS9)。例えば、情報提供装置10は、物品情報に基づいて、利用者Uが利用する吸収性物品D1を特定するとともに、利用態様情報から、吸収性物品のずれ、よれ、漏れの有無等を特定する。そして、情報提供装置10は、吸収性物品のずれ、よれ、漏れが生じている場合は、吸収性物品D1が適切に機能を発揮しなかったと判定する。
【0059】
続いて、情報提供装置10は、吸収性物品が適切に機能を発揮しなかった旨を利用態様情報が示す場合は、体型情報、運動量情報、嗜好情報等に基づいて選択された吸収性物品と、物品情報が示す吸収性物品D1とが一致するか否かを判定し、一致しない場合は、選択された吸収性物品を提案対象とする。すなわち、情報提供装置10は、吸収性物品D1以外の吸収性物品の中から、利用者に対して提案する吸収性物品を選択する。そして、情報提供装置10は、選択した吸収性物品の利用を提案する提案情報を生成する。
【0060】
一方、情報提供装置10は、吸収性物品D1が適切に機能を発揮した旨を利用態様情報が示す場合は、吸収性物品D1の利用継続を進める旨の提案情報を生成してもよく、さらに、利用者情報に基づいて選択された吸収性物品の利用を提案する提案情報を生成してもよい。例えば、情報提供装置10は、吸収性物品D1が適切であるが、運動量を考慮すると、利用者情報に基づいて選択された吸収性物品がより適切である旨の提案情報を生成してもよい。
【0061】
また、情報提供装置10は、利用者情報に基づいて選択された吸収性物品と、物品情報が示す吸収性物品D1とが一致しない場合は、選択された吸収性物品の利用を提案する提案情報を生成してもよい。すなわち、情報提供装置10は、吸収性物品D1以外の吸収性物品の中から、利用者に対して提案する吸収性物品を選択する。そして、情報提供装置10は、選択した吸収性物品の利用を提案する提案情報を生成してもよい。
【0062】
ここで、情報提供装置10は、選択された吸収性物品と、吸収性物品D1とが一致し、かつ、吸収性物品が適切に機能を発揮しなかった旨が示される場合は、吸収性物品の利用態様に関する情報を生成する。例えば、情報提供装置10は、吸収性物品の正しい装着位置を示す提案情報を生成してもよい。より具体的な例を挙げると、情報提供装置10は、利用態様情報に基づいて、利用者Uが吸収性物品D1を装着している位置を推定し、推定した位置を正しい位置へと誘導するようなメッセージを含む提案情報を生成してもよい。
【0063】
また、情報提供装置10は、利用者に対して推奨される下着に関する情報を含む提案情報を生成してもよい。例えば、情報提供装置10は、ステップS7で、利用者のヒップサイズから推奨される下着に関する情報を、利用者の体型や嗜好若しくは運動量に合った吸収性物品の情報と共に提案することで、漏れが生じる可能性をより軽減してもよい。
【0064】
そして、情報提供装置10は、端末装置100を介して、生成した提案情報を利用者Uに提供する(ステップS10)。例えば、情報提供装置10は、
図1に示す例では、「ショーツのサイズが合っていないと、漏れの原因になります。」といったメッセージと共に、利用者Uのヒップサイズから推奨される下着のサイズ「120」を示す提案情報C10を生成する。また、例えば、情報提供装置10は、「運動量にあった吸収性物品を使いましょう。」といったメッセージと共に、利用者Uの体型情報や運動量情報から選択された吸収性物品を示す提案情報C10を生成する。また、情報提供装置10は、「正しい位置に装着していますか?」といったメッセージと共に、「ショーツの中央に位置するように装着してください」といったメッセージを含む提案情報C10を生成する。そして、情報提供装置10は、生成した提案情報C10を利用者Uに提供する。
【0065】
このような処理の結果、情報提供装置10は、利用者に対し、利用者の体型や運動量、利用者の嗜好に応じて選択された吸収性物品の提案や、正しい吸収性物品の利用を促す情報を提供することができるので、吸収性物品からの漏れを防止する結果、利用者の生活の質を向上させることができる。
【0066】
〔2.機能構成の一例について〕
以下、上述した選択処理を実現するための機能構成の一例について説明する。なお、以下の説明では、情報提供装置10が有する機能構成の概要について説明し、その後、情報提供装置10が有する機能構成が発揮する処理の一例について説明する。
【0067】
〔2-1.端末装置100が有する機能構成の概要について〕
図2は、実施形態に係る端末装置が有する機能構成の一例を示す図である。
図2に示すように、情報提供装置10は、通信部20、記憶部30、および制御部40を有する。
【0068】
通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、端末装置100との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部20は、通信用の回路等によって実現される。
【0069】
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現され、出力処理を実行させるための各種データが登録される。例えば、
図2に示す例では、記憶部30には、利用者データベース31、下着データベース32、および吸収性物品データベース33(以下、「各データベース31~33」と総称する場合がある。)が登録されている。
【0070】
以下、
図3~
図5を用いて、各データベース31~33に登録される情報の一例について説明する。
【0071】
利用者データベース31には、各利用者に関する情報が登録される。例えば、
図3は、実施形態に係る利用者データベースに登録される情報の一例を示す図である。
図3に示すように、利用者データベース31には、利用者ID(Identifier)、管理情報、利用履歴、体型情報、運動情報、嗜好情報、利用態様情報、および行動情報といった項目を有する情報が登録される。なお、
図3に示す情報以外にも、利用者データベース31には、利用者に関する各種の情報が登録されていてよい。
【0072】
ここで、「利用者ID」とは、利用者を識別するための識別子である。また、「管理情報」とは、生理管理サービスに関する各種の情報であって、例えば、生理の履歴や予測される次の生理時期、カレンダー等に登録された各種の情報である。また、「利用履歴」とは、利用者から受付けた物品情報が示す吸収性物品の履歴、すなわち、対応付けられた利用者IDが示す利用者が過去に利用した吸収性物品の履歴を示す情報である。また、「体型情報」とは、利用者の体型を示す情報であり、例えば、身長や体重といった情報である。また、「運動情報」とは、利用者の運動量を示す情報であり、利用者が行うスポーツの内容や時間を示す情報である。また、「嗜好情報」とは、利用者の嗜好に関する情報である。また、「利用態様情報」とは、利用者が利用中の吸収性物品の利用態様を示す情報であり、ずれ、よれ、漏れの有無等を示す情報である。また、「行動情報」とは、例えば、利用者の平均的な一日のスケジュール(例えば、起床時間、通勤・通学時間、運動する時間、就寝時間等)を示す情報である。
【0073】
例えば、
図3に示す例では、利用者ID「UID#1」、管理情報「管理情報#1」、利用履歴「製品#1」、体型情報「体型情報#1」、運動情報「テニス:3h」、嗜好情報「嗜好情報#1」、利用態様情報「モレあり」、および行動情報「行動情報#1」といった情報が登録されている。このような情報は、利用者ID「UID#1」が示す利用者(以下、「利用者#1」と記載する。)の生理管理サービスに関する各種の情報が管理情報「管理情報#1」である旨を示す。また、このような情報は、利用者#1が利用する吸収性物品が「製品#1」であり、「体型情報#1」が示す身長や体重である旨を示す。また、このような情報は、利用者#1が平均的に「テニス」を「3時間」行っており、「嗜好情報#1」が示す各種の嗜好(例えば、吸収性物品の外観や、重要視する課題等)を有しており、一日の平均的なスケジュールが「行動情報#1」が示すスケジュールである旨を示す。また、このような情報は、利用者#1が利用する吸収性物品から漏れが生じている旨を示す。
【0074】
なお、
図3に示す例では、「管理情報#1」、「製品#1」、「体型情報#1」、「嗜好情報#1」、「行動情報#1」といった概念的な値を記載した。しかしながら、実際には、利用者データベース31には、生理管理サービスで用いられる各種のデータ、吸収性物品を特定するための数値や文字列、身長、体重、ヒップサイズおよび年齢を示す数値、嗜好を示す数値や文字列、一日のスケジュールを示す数値や文字列等が登録されることとなる。
【0075】
下着データベース32には、下着に関する情報が登録される。例えば、
図4は、実施形態に係る下着データベースに登録される情報の一例を示す図である。
図4に示すように、下着データベース32には、下着ID、表記サイズ、胴回り、ヒップ、股下、製造元等といった情報が登録される。なお、なお、下着データベース32には、
図4に示す情報以外にも、下着が有する機能、素材、柄、色彩等といった下着に関する任意の情報が登録されていてよい。
【0076】
「下着ID」とは、下着を識別するための識別子である。また、「表示サイズ」とは、下着に付与されたサイズであり、例えば、対応するヒップサイズを示す情報である。また、「胴回り」とは、下着の胴回り部分の実寸サイズであり、「ヒップ」とは、下着のヒップ部分の実寸サイズであり、「股下」とは、下着の股下部分の実寸サイズである。また、「製造元」とは、下着の製造元を示す情報である。
【0077】
例えば、
図4に示す例では、下着ID「下着#1」、表記サイズ「120」、胴回り「119」、ヒップ「120」、股下「10」、製造元「製造元#1」といった情報が登録されている。このような情報は、下着ID「下着#1」が示す下着の表記サイズが「120」であり、実寸の胴回りが「119」センチメートルであり、実寸のヒップサイズが「120」センチメートルであり、実寸の股下が「10」センチであり、製造元が「製造元#1」が示す製造元である旨を示す。
【0078】
なお、
図4に示す例では、「下着#1」、「製造元#1」といった概念的な値を記載した。しかしながら、実際には、下着データベース32には、下着を識別する文字列や数値、製造元を示す文字列や数値等が登録されることとなる。
【0079】
吸収性物品データベース33には、吸収性物品に関する情報が登録される。例えば、
図5は、実施形態に係る吸収性物品データベースに登録される情報の一例を示す図である。
図5に示すように、吸収性物品データベース33には、製品ID、製品名、吸収量、および機能等といった情報が登録される。なお、なお、吸収性物品データベース33には、
図5に示す情報以外にも、価格や各店舗の在庫、柄や色等の外観を示す情報が登録されていてよい。
【0080】
「製品ID」とは、吸収性物品を識別するための識別子である。「製品名」とは、製品の製品名を示す情報である。また、「サイズ」とは、吸収性物品の各部の寸法を示す情報であえる。また、「吸収量」とは、吸収性物品が吸収可能な分泌物の量を示す情報である。また、「機能」とは、夜用であるか、昼用であるか、羽根つきであるか、シール機能を有するか否かといった吸収性物品に関する各種の機能を示す情報である。
【0081】
例えば、
図5に示す例では、吸収性物品データベース33には、製品ID「製品#1」、製品名「製品名#1」、サイズ「サイズ#1」、吸収量「吸収量#1」、および機能「機能#1」といった情報が対応付けて登録されている。このような情報は、製品ID「製品#1」が示す吸収性物品の製品名が「製品名#1」であり、「サイズ#1」が示す寸法を有し、吸収量が「吸収量#1」であり、「機能#1」が示す各種の機能を有する旨を示す。
【0082】
なお、
図5に示す例では、「製品名#1」、「サイズ#1」、「吸収量#1」、および「機能#1」といった概念的な値を記載した。しかしながら、実際には、吸収性物品データベース33には、製品名を示す文字列、サイズを示す数値、吸収量を示す数値、各種機能を示す数値や文字列等が登録されることとなる。
【0083】
図2に戻り、説明を続ける。制御部40は、例えば、各種の処理を実行するための演算処理装置であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、所定の記憶装置(例えば、記憶部30)に記憶されている各種プログラム(出力プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部80は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0084】
図2に示す例では、制御部40は、取得部41、推定部42、選択部43、生成部44、および提供部45を有し、以下に説明する選択処理を実行する。
【0085】
〔2-2.選択処理について〕
以下、
図6を用いて、選択処理の流れの一例について説明する。
図6は、実施形態に係る情報提供装置が実行する選択処理の流れの一例を示すフローチャートである。例えば、取得部41は、所定の処理タイミングか否かを判定し(ステップS101)、所定の処理タイミングではない場合は(ステップS101:No)、所定の処理タイミングまで待機する。そして、取得部41は、所定の処理タイミングである場合は(ステップS101:Yes)、端末装置100から、各種の利用者情報を取得する(ステップS102)。
【0086】
例えば、取得部41は、身長や体重といった利用者の身体的な特徴を示す体型情報を利用者情報として取得する。また、取得部41は、利用者の年齢を体型情報の一部として取得してもよく、利用者の臀部回りのサイズを示す体型情報を取得してもよい。また、取得部41は、利用者の吸収性物品に関する嗜好を示す嗜好情報若しくは利用者の運動量を示す運動量情報を利用者情報として取得する。例えば、取得部41は、嗜好情報として、吸収性物品の外観に関する利用者の嗜好、吸収性物品の機能に関する利用者の嗜好(すなわち、利用者が課題とする問題)、若しくは、吸収性物品の機能と対応する行動(例えば、旅行等)に関する利用者の嗜好のうち少なくともいずれか1つを取得する。また、取得部41は、利用者が使用する吸収性物品を示す物品情報と、利用結果を示す利用態様情報とをさらに取得してもよい。そして、取得部41は、取得した各種の情報を利用者データベース31に登録する。
【0087】
ここで、取得部41は、上述した各情報に加えて、利用者が吸収性物品を着用する時間を示す時間情報をさらに取得してもよい。
【0088】
続いて、推定部42は、利用者の体型情報から、利用者のヒップサイズを推定する(ステップS103)。そして、推定部42は、推定したヒップサイズから推奨される下着のサイズを推定する(ステップS104)。例えば、推定部42は、利用者データベース31を参照し、体型情報を読み出す。そして、推定部42は、体型情報に利用者のヒップサイズが含まれている場合は、体型情報が示すヒップサイズを利用者のヒップサイズとする。一方、推定部42は、体型情報にヒップサイズが含まれていない場合は、体型情報が示す身長、体重、年齢等から利用者のヒップサイズを推定する。そして、推定部42は、下着データベース32を参照し、利用者のヒップサイズと対応する下着を特定する。
【0089】
選択部43は、ヒップサイズと運動量と、推奨される下着のサイズとから、推奨される吸収性物品を選択する(ステップS105)。例えば、選択部43は、吸収性物品データベース33を参照し、利用者のヒップサイズと推奨される下着のサイズとから、推奨されるサイズの吸収性物品を選択する。なお、選択部43は、利用者の嗜好を満たすような吸収性物品を選択してもよく、利用者の運動量情報が示す運動量に基づいて、吸収量やずれを防止する機能等を有する吸収性物品を選択してもよい。すなわち、選択部43は、体型情報と、嗜好情報若しくは運動量情報に基づいて、利用者に対して提案する吸収性物品を選択する。
【0090】
より具体的な例を挙げると、選択部43は、利用者のヒップサイズに基づいて、推奨される吸収性物品の大きさを推定し、推定した大きさの吸収性物品の中から、提案対象となる吸収性物品を選択してもよい。また、選択部43は、下着の寸法から、下着からはみ出ない吸収性物品の大きさを推定し、推定した大きさに収まる大きさの吸収性物品を選択してもよい。また、選択部43は、運動量情報が示す運動量が所定の閾値を超える場合、吸収量が多い吸収性物品や、よれやずれを防ぐ機能を有する吸収性物品を選択してもよい。すなわち、選択部43は、運動量情報に基づいて、推奨される吸収性物品の機能を推定し、推定した機能を有する吸収性物品を選択してもよい。
【0091】
また、選択部43は、嗜好情報、吸収性物品の外観に関する嗜好を示す場合、嗜好情報が示す嗜好に対応する色彩や柄、素材や機能を有する吸収性物品を選択してもよい。また、例えば、選択部43は、嗜好情報が、吸収性物品の機能に関する利用者の嗜好(すなわち、利用者が課題とする問題)を示す場合、かかる嗜好に対応する機能を有する吸収性物品(すなわち、利用者の課題を解決する機能を有する吸収性物品)を選択してもよい。また、選択部43は、嗜好情報が、吸収性物品の機能と対応する行動(例えば、旅行や利用者が行いたいアクティブディ等)を示す場合、かかる行動を行う際に適切であると推定される機能を有する吸収性物品を選択すればよい。すなわち、選択部43は、運動量情報が示す運動量のように、実際に行われた運動量のみならず、利用者が行いたいと考えている運動や行動に基づいて、吸収性物品の選択を行ってもよい。
【0092】
なお、選択部43は、下着が有する機能に応じた吸収性物品を選択してもよい。例えば、選択部43は、推定部42により利用者に合った下着として推定された下着の機能を特定する。そして、選択部43は、下着の機能を阻害しないサイズの吸収性物品を選択してもよく、下着の機能と合わない機能を有する吸収性物品を選択対象から除外してもよい。例えば、選択部43は、漏れに対応するため、下着に撥水加工が施してある場合、シール等といった接着機能を有する吸収性物品ではなく、羽等といった固定機能を有する吸収性物品を選択するようにしてもよい。
【0093】
また、選択部43は、利用態様情報に基づいて、吸収性物品を選択してもよい。例えば、選択部43は、吸収性物品が適切に機能を発揮しなかった旨を利用態様情報が示す場合は、利用者情報と、嗜好情報若しくは運動量情報に基づいて、物品情報が示す吸収性物品以外の吸収性物品の中から、利用者に対して提案する吸収性物品を選択してもよい。
【0094】
また、選択部43は、利用者が吸収性物品を利用する時間情報に基づいて、利用者に対して提案する吸収性物品を選択してもよい。例えば、選択部43は、利用者が吸収性物品を昼間に利用する旨を示す場合は、昼用の吸収性物品を選択し、利用者が吸収性物品を夜間に利用する旨を示す場合は、夜用の吸収性物品を選択してもよい。また、選択部43は、利用者が吸収性物品を夜間に利用する旨を示す場合、利用者に合った下着のサイズ等によらず、利用者の体型に応じた吸収性物品のうち、夜用の吸収性物品を選択してもよい。
【0095】
生成部44は、利用態様に応じて、選択した吸収性物品を推奨するコンテンツを生成する(ステップS106)。例えば、生成部44は、選択部43により選択された吸収性物品を推奨する提案情報を生成する。また、生成部44は、選択された吸収性物品の正しい利用態様を示す提案情報を生成してもよい。また、生成部44は、利用者に対して推奨される下着と吸収性物品とのセットを示す提案情報を生成してもよい。
【0096】
また、生成部44は、選択された吸収性物品と、物品情報が示す吸収性物品と一致する場合は、現在の吸収性物品の利用を継続するように提案する提案情報を生成してもよい。また、生成部44は、選択された吸収性物品と、物品情報が示す吸収性物品と一致しない場合は、選択された吸収性物品に切替えるよう提案する提案情報を生成してもよい。また、生成部44は、選択された吸収性物品と、物品情報が示す吸収性物品と一致するが、漏れが生じている旨を利用態様情報が示す場合、正しい装着位置等を示す提案情報を生成してもよい。
【0097】
また、生成部44は、行動情報や運動量情報に基づいて、吸収性物品の交換が推奨されるタイミングを示す情報を生成してもよい。例えば、生成部44は、運動量情報が示す運動量が所定の閾値を超える場合は、運動前に吸収性物品を交換するよう勧める提案情報を生成してもよい。また、生成部44は、行動情報から利用者が運動を行うタイミング等を特定し、特定したタイミングを考慮して、適切であると推定される生理用品の交換タイミングを推定し、推定した交換タイミングを示す提案情報を生成してもよい。
【0098】
提供部45は、生成したコンテンツを提供する(ステップS107)。例えば、提供部45は、生成部44により生成された提案情報を端末装置100へと送信することで、利用者に対し、提案情報を提供する。
【0099】
〔3.処理のバリエーションについて〕
以下、上述した処理のバリエーションについて説明する。なお、以下に説明する出力処理は、それぞれ個別に実施されてもよく、任意の組み合わせで実施されてもよい。
【0100】
〔3-1.情報の提供先について〕
上述した説明では、情報提供装置10は、吸収性物品を利用する利用者に対して、利用者に合った吸収性物品に関する情報を提供していた。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。
【0101】
例えば、利用者が若年層である場合、吸収性物品に関する情報に対して積極的ではないとも考えられる。そこで、情報提供装置10は、吸収性物品を利用する利用者の親に対して、提案情報の提供を行ってもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者Uの利用者情報に基づいて選択された吸収性物品に関する提案情報を、利用者Uの母親に対して提供してもよい。
【0102】
例えば、
図7は、実施形態に係る情報提供装置が利用者の親に対して提供する提案情報の一例を示す図である。例えば、情報提供装置10は、利用者Uの体型情報に基づいて選択した吸収性物品である「製品#2」をお勧めするメッセージや、利用者Uが親用の吸収性物品を利用した場合に生じるトラブルの一例、利用者Uが体型に合わない吸収性物品を利用した場合のトラブルの発生率の増加率等を示すコンテンツC11を含む提案情報C10を生成する。
【0103】
また、情報提供装置10は、利用者Uの体型情報に基づいて選択した下着である「下着#3」をお勧めするメッセージや、利用者Uが体型に合わない下着を利用した場合に生じるトラブルの一例、利用者Uが体型に合わない下着を利用した場合のトラブルの発生率の増加率等を示すコンテンツC12を含む提案情報C10を生成する。
【0104】
また、情報提供装置10は、漏れを防ぐのに効果的な吸収性物品の交換タイミングを説明するメッセージと共に、適切な交換タイミングで吸収性物品を交換した場合のトラブルの発生率と、適切ではない交換タイミングで吸収性物品を交換しなかった場合のトラブルの発生率等を示すグラフを示すコンテンツC13を含む提案情報C10を生成する。
【0105】
また、情報提供装置10は、漏れを防ぐのに効果的な吸収性物品の装着位置や装着方法を示すコンテンツC14を含む提案情報C10を生成する。そして、情報提供装置10は、提案情報C10を、利用者Uに提供してもよく、利用者Uの親に提供してもよい。このような提案情報C10を利用者Uの親に提供した場合、利用者Uよりも生理に慣れていると推定される親から、適切なアドバイスを利用者Uに提供することができるので、例えば、反抗期等における親子間のコミュニケーションの改善を期待することができる。
【0106】
〔3-2.吸収性物品の選択ついて〕
上述した説明では、情報提供装置10は、各種の利用者情報に基づいて、吸収性物品の選択を行った。ここで、情報提供装置10は、上述した各種の組み合わせ以外にも、任意の組み合わせにより、利用者にとって適切な吸収性物品の選択を行ってもよい。例えば、適切な吸収性物品として、ずれ、よれ、漏れが生じにくい吸収性物品を提供してもよいし、簡便性の高い、扱いやすい吸収性物品や、価格の安い吸収性物品を提供してもよい。また、吸収性物品としては所謂羽根つきナプキンだけでなく、ライナーやタンポン、ショーツ型、月経カップ等の経血を受ける製品であればその形状や素材、使用方法は特に限定されない。これらの形状や素材によって吸収性物品としての特性が異なり、例えばショーツ型は履くだけで良いという簡便性はあるものの1枚のサイズが大きいため持ち運びする際にかさばる、ナプキンやライナーなどはコンパクトに収納できる反面、ショーツに正しく取り付ける必要がある。このような特性を把握したうえで、利用者自身の希望や予定、生活習慣や環境に対して適切な吸収性物品を選択することは難しいため、情報提供装置10によって、適切な吸収性物品に関する情報を提供することは利用者にとってとても有益である。
【0107】
また、情報提供装置10は、利用者に対して提供される生理管理サービスの情報に基づいて、利用者にとって適切な吸収性物品の選択を行ってもよい。例えば、情報提供装置10は、生理管理サービスにおいて漏れの有無の登録が行われている場合は、このような情報から、利用者Uが利用中の吸収性物品が適切な吸収性物品であるかを推定してもよい。
【0108】
また、情報提供装置10は、生理管理サービスを介して、利用者の生理期間を推定し、推定した生理期間に応じた機能の吸収性物品を選択してもよい。例えば、情報提供装置10は、生理管理サービスから前回の生理期間を取得し、取得した生理期間から次の生理期間を推定する。若しくは、情報提供装置10は、生理管理サービスから今回の生理期間がいつから始まったかを特定する。また、情報提供装置10は、利用者Uの平均的な生理期間の推定を行う。
【0109】
ここで、生理期間の初版から中盤にかけては、経血の量が多くなり、中盤から終盤にかけては、経血の量が少なくなる傾向がある。そこで、情報提供装置10は、例えば、提案情報の提供時が、生理期間の前、生理期間の初版若しくは終盤である場合は、吸収量が少ないが薄型で付け心地が比較的よい吸収性物品を提案対象として選択し、生理期間の中盤に差し掛かっている場合は、吸収量がより多い吸収性物品を提案対象として選択してもよい。
【0110】
また、情報提供装置10は、ナプキン等といった経血用の吸収性物品だけではなく、例えば、おりもの用のパンティーライナーの提案を行ってもよい。例えば、情報提供装置10は、生理管理サービスを介して得られた各種の情報から、利用者がおりものを分泌する期間を推定し、推定した期間が近づいてきた場合は、利用者の体型等に対応するサイズのパンティーライナーを提案対象として選択してもよい。
【0111】
〔3-3.在庫管理機能ついて〕
また、情報提供装置10は、利用者が所有する吸収性物品の在庫数を推定し、推定した在庫数に応じた情報を提案してもよい。例えば、情報提供装置10は、物品情報から利用者が購入した吸収性物品の内容数を特定し、物品情報が登録された日時や、生理管理サービスから得られた情報に基づいて、利用者が所有する吸収性物品の在庫数を推定する。そして、情報提供装置10は、推定される在庫数が所定の閾値を下回ったタイミングで、利用者の体型に応じたサイズの吸収性物品を提案したり、吸収性物品の購入を提案する提案情報を提供したりしてもよい。
【0112】
また、より適切に在庫数を管理する場合、例えば、情報提供装置10の提供した物品を、情報提供装置10または他の購買サービス(ECサイト等)を介して購入できるようにすると良い。これにより、情報提供装置10は、利用者が購入した吸収性物品の数量と、購入日時、生理の周期などに関する情報に基づいて、利用者の在庫数を管理することで購入の提案をすることが可能となる。
【0113】
〔3-4.その他〕
なお、上記した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部は、手動的に行われてもよい。また、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部は、公知の方法で自動的に行われてもよい。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られるものではない。
【0114】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されなくともよい。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られない。また、各構成要素は、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成してもよい。また、上記してきた各処理は、矛盾しない範囲で適宜組み合わせて実行されてもよい。
【0115】
〔4.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る情報提供装置10は、例えば
図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図8は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、キャッシュ1040、メモリ1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続される。
【0116】
演算装置1030は、キャッシュ1040やメモリ1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。キャッシュ1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するキャッシュである。また、メモリ1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現されるメモリである。
【0117】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現されてよい。一方、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0118】
例えば、入力装置1020は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置により実現されてもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体により実現されてもよい。
【0119】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する機能を有する。
【0120】
ここで、演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行うこととなる。例えば、演算装置1030は、入力装置1020やメモリ1050からプログラムをキャッシュ1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。例えば、コンピュータ1000が情報提供装置10として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、キャッシュ1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部140の機能を実現することとなる。
【0121】
なお、本実施形態の提供方法として、端末装置100に専用のアプリケーションを搭載し、情報提供装置10に搭載されたプログラムと、端末装置100に搭載されたアプリケーションとが連携することで、本実施形態を利用者に提供してもよい。例えば、端末装置100のアプリケーションは、利用者が利用する吸収性物品の物品情報を取得する処理や、利用者情報を入力するための入力画面の表示処理、入力を受付ける受付処理、物品情報や利用者情報を情報提供装置10へと送信する送信処理等を端末装置100に実行させる。一方、情報提供装置10のプログラムは、端末装置100から物品情報や利用者情報を取得する取得処理と、利用者情報から利用者にとって適切な吸収性物品を選択する選択処理とを情報提供装置10に実行させる。
【0122】
また、端末装置100は、汎用的なブラウザを搭載し、端末装置100の汎用的なブラウザを介して情報提供装置10と接続されることで、本実施形態を利用者に提供するようにしてもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者情報の入力を受付けるためのウェブコンテンツや、物品情報を取得するためのウェブコンテンツを端末装置100に配信し、ウェブコンテンツを介して利用者情報や物品情報を取得することで、上述した処理を実現してもよい。
【0123】
〔5.効果〕
上述したように、情報提供装置10は、利用者の身体的な特徴を示す情報と、利用者の嗜好若しくは運動量に基づいて、利用者にとって適切な吸収性物品を選択する。例えば、情報提供装置10は、利用者の身体的な特徴に基づいて、サイズが利用者に合致する吸収性物品を選択する。また、情報提供装置10は、利用者の嗜好に基づいて、利用者に対して利用しようという動機づけを与えうる吸収性物品を選択する。また、情報提供装置10は、利用者の運動量に応じて、よれ、ずれ、漏れを防ぐような機能を有する吸収性物品を選択する。
【0124】
このような処理の結果、情報提供装置10は、利用者に対し、利用者の体型や運動量に合った吸収性物品の利用を提案するので、分泌物の漏れが生じる可能性を低減し、利用者の生活の質を改善することができる。また、情報提供装置10は、吸収性物品に慣れていない若年層の利用者に対し、利用者にとって適切な吸収性物品の利用を動機付けることができるので、分泌物の漏れが生じる可能性を低減し、利用者の生活の質を改善することができる。
【0125】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明した。しかしながら、これらは例示であり、本願の実施形態は、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、所謂当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で実施することが可能である。また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。
【符号の説明】
【0126】
10 情報提供装置
20 通信部
30 記憶部
31 利用者データベース
32 下着データベース
33 吸収性物品データベース
40 制御部
41 取得部
42 推定部
43 選択部
44 生成部
45 提供部
100端末装置