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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】面状光源
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20240119BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20240119BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240119BHJP
【FI】
F21S2/00 424
F21S2/00 418
F21V23/00 160
F21Y115:10
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021123012
(22)【出願日】2021-07-28
(65)【公開番号】P2023018764
(43)【公開日】2023-02-09
【審査請求日】2022-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】三浦 幸広
(72)【発明者】
【氏名】勝又 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】山下 良平
(72)【発明者】
【氏名】松尾 隆司
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2020-0139615(KR,A)
【文献】特開2020-027778(JP,A)
【文献】特表2019-511092(JP,A)
【文献】特開2007-305456(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0019017(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 8/00
F21V 23/00-99/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部材と、
前記支持部材上に配置され、光源配置部を有する導光部材と、
前記支持部材上に配置されるとともに、前記導光部材の前記光源配置部に配置される光源と、
を備え、
前記支持部材は、
前記光源側に位置する第1面と、前記第1面の反対側に位置する第2面とを有する絶縁基材と、
前記絶縁基材の前記第1面上に配置され、前記光源と電気的に接続される第1導電層と、
前記絶縁基材の前記第1面上及び前記第1導電層上に配置され、前記絶縁基材の前記第1面及び前記第1導電層と接する接着層と、
前記接着層上に配置される光反射性シートと、
を有し、
前記接着層は、前記光反射性シートと接しており、光散乱粒子を含む面状光源。
【請求項2】
支持部材と、
前記支持部材上に配置され、光源配置部を有する導光部材と、
前記支持部材上に配置されるとともに、前記導光部材の前記光源配置部に配置される光源と、
を備え、
前記支持部材は、
前記光源側に位置する第1面と、前記第1面の反対側に位置する第2面とを有する絶縁基材と、
前記絶縁基材の前記第1面上に配置され、前記光源と電気的に接続され、樹脂と導電性粒子とを含む第1導電層と、
前記絶縁基材の前記第1面上及び前記第1導電層上に配置され、前記絶縁基材の前記第1面及び前記第1導電層と接する接着層と、
前記接着層上に配置される光反射性シートと、
前記絶縁基材の前記第2面に配置され、前記第1導電層と電気的に接続される第2導電層と、
を有する面状光源。
【請求項3】
支持部材と、
前記支持部材上に配置され、光源配置部を有する導光部材と、
前記支持部材上に配置されるとともに、前記導光部材の前記光源配置部に配置される光源と、
を備え、
前記支持部材は、
前記光源側に位置する第1面と、前記第1面の反対側に位置する第2面とを有する絶縁基材と、
前記絶縁基材の前記第1面上に配置され、前記光源と電気的に接続される第1導電層と、
前記絶縁基材の前記第1面上及び前記第1導電層上に配置され、前記絶縁基材の前記第1面及び前記第1導電層と接する接着層と、
前記接着層上に配置される光反射性シートと、
前記絶縁基材の前記第2面に配置され、前記第1導電層と電気的に接続され、樹脂を含まない金属層である第2導電層と、
前記第2面に配置され、前記第2導電層に接続し樹脂と導電性粒子とを含む第1接続部と、
前記第2導電層及び前記第1接続部を直接覆い、樹脂を含む保護層と、
を有する面状光源。
【請求項4】
前記接着層は、前記光反射性シートと接しており、光散乱粒子を含む請求項2または3に記載の面状光源。
【請求項5】
平面視において、前記第1導電層は前記光源配置部に重なる請求項1~4のいずれか1つに記載の面状光源。
【請求項6】
前記支持部材は、前記絶縁基材の前記第2面に配置され、前記第1導電層と電気的に接続される第2導電層をさらに有する請求項1に記載の面状光源。
【請求項7】
前記第1導電層は、樹脂と導電性粒子とを含む請求項3に記載の面状光源。
【請求項8】
前記第1導電層は、端に向かうほど厚さが薄くなる端部を有し、前記端部が前記絶縁基材と接する請求項1~7のいずれか1つに記載の面状光源。
【請求項9】
前記第1導電層は、樹脂を含まない金属層である請求項1または3に記載の面状光源。
【請求項10】
前記支持部材は、
前記絶縁基材の前記第2面に配置され、前記第1導電層と電気的に接続され、樹脂を含まない金属層である第2導電層と、
前記第2面に配置され、前記第2導電層に接続し樹脂と導電性粒子とを含む第1接続部と、
前記第2導電層及び前記第1接続部を直接覆い、樹脂を含む保護層と、
をさらに有する請求項1を引用する9に記載の面状光源。
【請求項11】
前記支持部材は、前記絶縁基材を少なくとも貫通する第1孔部と、前記第1孔部に配置され前記第1導電層と前記第2導電層とを電気的に接続する第2接続部と、をさらに有する請求項3、7、または10に記載の面状光源。
【請求項12】
前記第1孔部は、さらに前記第2導電層を貫通し、
前記第2接続部は、前記第2導電層における前記絶縁基材の前記第2面に接する上面の反対側の下面に配置され、
前記第2接続部と前記第2導電層との接触面積は、前記第2接続部と前記第1導電層との接触面積よりも大きい請求項11に記載の面状光源。
【請求項13】
前記第2接続部は、樹脂と導電性粒子とを含む請求項11または12に記載の面状光源。
【請求項14】
前記支持部材は、前記光反射性シート、前記接着層、及び前記絶縁基材を貫通し前記光源の下方に位置する第2孔部をさらに有し、
前記第1接続部は、さらに前記第2孔部内に配置される請求項3、7、3を引用する9、10、または、10を引用する11に記載の面状光源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に係る実施形態は、面状光源に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード等の発光素子と、導光板とを組み合わせた発光モジュールは、例えば液晶ディスプレイのバックライト等の面状光源に広く利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-13714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明に係る実施形態は、薄型化が可能な面状光源を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、面状光源は、支持部材と、前記支持部材上に配置され、光源配置部を有する導光部材と、前記支持部材上に配置されるとともに、前記導光部材の前記光源配置部に配置される光源と、を備える。前記支持部材は、前記光源側に位置する第1面と、前記第1面の反対側に位置する第2面とを有する絶縁基材と、前記絶縁基材の前記第1面上に配置され、前記光源と電気的に接続される第1導電層と、前記絶縁基材の前記第1面上及び前記第1導電層上に配置され、前記絶縁基材の前記第1面及び前記第1導電層と接する接着層と、前記接着層上に配置される光反射性シートと、を有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施の形態の面状光源によれば、薄型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態の面状光源の上面図である。
図2】第1実施形態の面状光源における光源配置部及びその周辺領域の下面図である。
図3図1のIII-III線における断面図である。
図4図3における光源配置部及びその周辺領域の断面図である。
図5A】各実施形態の光源の下面図である。
図5B図5AのVB-VB線における断面図である。
図5C】各実施形態の光源の変形例を示す断面図である。
図5D】各実施形態の光源の変形例を示す断面図である。
図6】第2実施形態の面状光源の断面図である。
図7】第3実施形態の面状光源の断面図である。
図8A】第3実施形態の面状光源における第2接続部を示す断面図である。
図8B】第3実施形態の面状光源における第2接続部の変形例を示す断面図である。
図9】第4実施形態の面状光源の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照し、実施形態について説明する。各図面は、実施形態を模式的に示したものであるため、各部材のスケール、間隔若しくは位置関係などが誇張、又は部材の一部の図示を省略する場合がある。また、断面図として、切断面のみを示す端面図を示す場合がある。
【0009】
以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。また、特定の方向又は位置を示す用語(例えば、「上」、「下」及びそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向又は位置を分かり易さのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向又は位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。本明細書において「平行」とは、2つの直線、辺、面等が延長しても交わらない場合だけでなく、2つの直線、辺、面等がなす角度が10°以内の範囲で交わる場合も含む。本明細書において「上」と表現する位置関係は、接している場合と、接していないが上方に位置している場合も含む。
【0010】
[第1実施形態]
第1実施形態の面状光源1について、図1から図5Dを参照して説明する。
面状光源1は、導光部材10と、光源20Aと、支持部材50と、第1透光性部材30と、第2光調整部材40とを備える。
【0011】
以下、面状光源1を構成する各要素について詳説する。
【0012】
<導光部材>
図3に示すように、導光部材10は、第1上面11と、第1上面11の反対側にある第1下面12とを有する。本明細書において、導光部材10の第1上面11に対して平行であり、且つ互いに直交する2方向を第1方向X及び第2方向Yとする。また、第1下面12から第1上面11に向かう方向であって、第1方向X及び第2方向Yに直交する方向を第3方向Zとする。
【0013】
図1に示すように、導光部材10は複数の導光部10aを有する。それぞれの導光部10aは、後述する溝14によって、第1方向X及び第2方向Yにおいて互いに離れている。1つの導光部10aは、例えばローカルディミングの駆動単位とすることができる。なお、導光部材10は、複数の導光部10aに分離されていなくてもよい。
【0014】
導光部材10は、光源20Aが発する光に対する透光性を有する部材である。光源20Aのピーク波長に対する導光部材10の透過率は、例えば、50%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。
【0015】
導光部材10の材料としては、例えば、アクリル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート若しくはポリエステル等の熱可塑性樹脂、エポキシ若しくはシリコーン等の熱硬化性樹脂、又は、ガラスを用いることができる。
【0016】
導光部材10の厚さは、例えば、150μm以上800μm以下が好ましい。本明細書において、各部材の厚さとは、第3方向Zにおける各部材の上面と下面との間の距離の最大値を表す。導光部材10は、第3方向Zにおいて単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。導光部材10が積層体で構成される場合、各層の間に透光性の接着層を配置してもよい。積層体の各層は、異なる種類の主材を用いてもよい。接着層の材料としては、例えば、アクリル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート若しくはポリエステル等の熱可塑性樹脂、又は、エポキシ若しくはシリコーン等の熱硬化性樹脂を用いることができる。
【0017】
導光部材10は、光源配置部13を有する。光源配置部13は、第1上面11から第1下面12まで貫通する貫通孔である。または、光源配置部13は、第1下面12側に開口を有する凹部であってもよい。導光部材10は、複数の光源配置部13を有する。例えば、複数の導光部10aのそれぞれに1つの光源配置部13が配置されている。図1に示すように、光源配置部13は、平面視において例えば円形とすることができる。また、光源配置部13は、平面視において、例えば、楕円、又は、三角形、四角形、六角形若しくは八角形等の多角形とすることができる。本明細書において、平面視とは、第3方向Zから見ることを意味する。
【0018】
導光部材10には、それぞれの導光部10aを互いに分離する溝14が形成されている。溝14が形成されていることにより、例えば、光源20Aの発熱による面状光源の反りなどを抑制することができる。図1に示すように、平面視において、溝14は第1方向X及び第2方向Yに延びている。図3に示すように、溝14は、第1上面11側に開口する第1溝部14aと、第1下面12側に開口する第2溝部14bとを有する。第1溝部14aと第2溝部14bは、第3方向Zにおいてつながっている。第1溝部14aの幅は、第2溝部14bの幅よりも広い。第1溝部14aの幅及び第2溝部14bの幅は、溝14が延びる方向に直交する方向の幅である。
【0019】
図3に示すように、第1溝部14a内に区画部材15を配置することができる。区画部材15は、光源20Aが発する光に対する反射性を有する。区画部材15は、例えば、光散乱粒子を含む樹脂部材である。区画部材15の光散乱粒子として、例えば、チタニア、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ジルコニア、イットリア、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、五酸化ニオブ、チタン酸バリウム、五酸化タンタル、硫酸バリウム、又は、ガラス等の粒子を用いることができる。区画部材15の樹脂材料としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂若しくはポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、又は、エポキシ樹脂若しくはシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。また、区画部材15は、アルミニウム、銀などの金属部材であってもよい。例えば、区画部材15は、第1溝部14aの内面に沿うように膜状に配置されている。また、区画部材15は、第1溝部14a内に充填してもよい。
【0020】
区画部材15は、隣接する導光部10a間の導光を抑制する。例えば、発光状態の導光部10aから非発光状態の導光部10aへの導光が、区画部材15により抑制される。これにより、それぞれの導光部10aを駆動単位としたローカルディミングを行う場合、それぞれの導光部10aごとに輝度を制御し易くできる。
【0021】
図3において、溝14は、導光部材10の第1上面11から第1下面12まで貫通している。また、溝14は、第1上面11側に開口を有し、底が第1下面12に達しない有底の溝であってもよい。また、溝14は、第1下面12側に開口を有し、底が第1上面11に達しない有底の溝であってもよい。また、溝14は、導光部材10の内部に配置された中空溝であってもよい。
【0022】
導光部材10は、第1下面12を支持部材50の上面に対向させて、支持部材50上に配置される。
【0023】
<光源>
光源20Aは、導光部材10の光源配置部13に配置される。複数の光源配置部13に光源20Aが配置される。光源20Aは、複数の光源配置部13のすべてに配置されることが好ましいが、光源20Aは、一部の光源配置部13に配置されなくてもよい。光源20Aは、光源配置部13において支持部材50上に配置される。
【0024】
光源20Aは、発光素子21を含む。発光素子21は、半導体積層体を含む。半導体積層体は、例えば、サファイア又は窒化ガリウム等の基板と、基板上に配置されるn型半導体層と、p型半導体層と、これらに挟まれた発光層とを含む。また、発光素子21は、n型半導体層と電気的に接続されたn側電極と、p型半導体層と電気的に接続されたp側電極とを含む。さらに、光源20Aは、下面側に配置された正負の一対の電極25を含む。一対の電極25のうちの一方はp側電極と電気的に接続され、他方はn側電極と電気的に接続されている。
【0025】
半導体積層体は、基板が除去されたものを用いてもよい。また、発光層の構造としては、ダブルヘテロ構造、単一量子井戸構造(SQW)のように単一の活性層を持つ構造でもよいし、多重量子井戸構造(MQW)のようにひとまとまりの活性層群を持つ構造でもよい。発光層は、可視光又は紫外光を発光可能である。発光層は、可視光として、青色から赤色までを発光可能である。このような発光層を含む半導体積層体としては、例えばInAlGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)を含むことができる。半導体積層体は、上述した発光が可能な発光層を少なくとも1つ含むことができる。例えば、半導体積層体は、n型半導体層とp型半導体層との間に1つ以上の発光層を含む構造であってもよいし、n型半導体層と発光層とp型半導体層とを順に含む構造が複数回繰り返された構造であってもよい。半導体積層体が複数の発光層を含む場合、発光ピーク波長が異なる発光層を含んでいてもよいし、発光ピーク波長が同じ発光層を含んでいてもよい。なお、発光ピーク波長が同じとは、例えば、数nm程度のばらつきがあってもよい。このような発光層の組み合わせとしては適宜選択することができ、例えば半導体積層体が2つの発光層を含む場合、青色光と青色光、緑色光と緑色光、赤色光と赤色光、紫外光と紫外光、青色光と緑色光、青色光と赤色光、又は緑色光と赤色光などの組み合わせで発光層を選択することができる。また、発光層は、発光ピーク波長が異なる複数の活性層を含んでいてもよいし、発光ピーク波長が同じ複数の活性層を含んでいてもよい。
【0026】
図4図5Bに示すように、光源20Aは、さらに第2透光性部材22を含むことができる。第2透光性部材22は、発光素子21の上面及び側面を覆っている。第2透光性部材22は、発光素子21を保護するとともに、第2透光性部材22に添加される粒子に応じて、波長変換や光拡散等の機能を備える。
【0027】
例えば、第2透光性部材22は、透光性樹脂を含み、蛍光体を更に含んでいてもよい。透光性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂又はエポキシ樹脂等を用いることができる。また、蛍光体としては、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Y(Al,Ga)12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu(Al,Ga)12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb(Al,Ga)12:Ce)、CCA系蛍光体(例えば、Ca10(POCl:Eu)、SAE系蛍光体(例えば、SrAl1425:Eu)、クロロシリケート系蛍光体(例えば、CaMgSi16Cl:Eu)、βサイアロン系蛍光体(例えば、(Si,Al)(O,N):Eu)、αサイアロン系蛍光体(例えば、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu)、SLA系蛍光体(例えば、SrLiAl:Eu)、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN:Eu)若しくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、KSiF:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、KSi0.99Al0.015.99:Mn)若しくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn)等のフッ化物系蛍光体、ペロブスカイト構造を有する蛍光体(例えば、CsPb(F,Cl,Br,I))、又は、量子ドット蛍光体(例えば、CdSe、InP、AgInS又はAgInSe)等を用いることができる。第2透光性部材22に添加する蛍光体としては、1種類の蛍光体を用いてもよく、複数種類の蛍光体を用いてもよい。
【0028】
KSAF系蛍光体としては、下記式(I)で表される組成を有していてよい。
[SiAlMn] (I)
【0029】
式(I)中、Mはアルカリ金属を示し、少なくともKを含んでよい。Mnは4価のMnイオンであってよい。p、q、r及びsは、0.9≦p+q+r≦1.1、0<q≦0.1、0<r≦0.2、5.9≦s≦6.1を満たしていてよい。好ましくは、0.95≦p+q+r≦1.05又は0.97≦p+q+r≦1.03、0<q≦0.03、0.002≦q≦0.02又は0.003≦q≦0.015、0.005≦r≦0.15、0.01≦r≦0.12又は0.015≦r≦0.1、5.92≦s≦6.05又は5.95≦s≦6.025であってよい。例えば、K[Si0.946Al0.005Mn0.0495.995]、K[Si0.942Al0.008Mn0.0505.992]、K[Si0.939Al0.014Mn0.0475.986]で表される組成が挙げられる。このようなKSAF系蛍光体によれば、輝度が高く、発光ピーク波長の半値幅の狭い赤色発光を得ることができる。
【0030】
また、上述した蛍光体を含有する波長変換シートを、面状光源1上に配置してもよい。波長変換シートは、光源20Aからの青色光の一部を吸収して、黄色光、緑色光及び/又は赤色光を発し、白色光を出射する面状光源1とすることができる。例えば、青色の発光が可能な光源20Aと、黄色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートと、を組み合わせて白色光を得ることができる。また他には、青色の発光が可能な光源20Aと、赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有する波長変換シートとを組み合わせてもよい。また、青色の発光が可能な光源20Aと、複数の波長変換シートとを組み合わせてもよい。複数の波長変換シートとしては、例えば、赤色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートと、緑色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートと、を選択することができる。また、青色の発光が可能な発光素子21と、赤色の発光が可能な蛍光体を含有する第2透光性部材22とを有する光源20Aと、緑色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートとを組み合わせてもよい。
【0031】
波長変換シートに用いられる黄色の蛍光体としては、例えば、上述したイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体を用いるのが好ましい。また、波長変換シートに用いられる緑色の蛍光体としては、発光ピーク波長の半値幅の狭い、例えば、上述したペロブスカイト構造を有する蛍光体又は量子ドット蛍光体を用いるのが好ましい。また、波長変換シートに用いられる赤色の蛍光体としては、緑色の蛍光体同様に発光ピーク波長の半値幅の狭い、例えば、上述したKSF系蛍光体、KSAF系蛍光体又は量子ドット蛍光体を用いるのが好ましい。
【0032】
光源20Aは、さらに被覆部材24を含むことができる。被覆部材24は、発光素子21の下面に配置される。被覆部材24は、光源20Aの電極25の下面が被覆部材24から露出するように配置される。被覆部材24は、発光素子21の側面を覆う第2透光性部材22の下面にも配置される。
【0033】
被覆部材24は、光源20Aが発する光に対する反射性を有する。被覆部材24は、例えば、光散乱粒子を含む樹脂部材である。被覆部材24の光散乱粒子として例えば、チタニア、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ジルコニア、イットリア、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、五酸化ニオブ、チタン酸バリウム、五酸化タンタル、硫酸バリウム、又は、ガラス等の粒子を用いることができる。被覆部材24の樹脂材料としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂若しくはポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、又は、エポキシ樹脂若しくはシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。
【0034】
さらに、光源20Aは、第1光調整部材23を含んでいてもよい。第1光調整部材23は、光源20Aの上面に配置される。第1光調整部材23は、発光素子21の上面を覆っている。第1光調整部材23は、第2透光性部材22の上面に配置され、第2透光性部材22の上面から出射する光の量や出射方向を制御する。第1光調整部材23は、発光素子21が発する光に対する反射性及び透光性を有する。第2透光性部材22の上面から出射した光の一部は第1光調整部材23により反射し、他の一部は第1光調整部材23を透過する。発光素子21が発する光に対する第1光調整部材23の透過率は、例えば、1%以上50%以下が好ましく、3%以上30%以下であることがより好ましい。これにより、光源20Aの直上での輝度を低下させ、面状光源1の輝度むらを軽減する。
【0035】
第1光調整部材23は、透光性樹脂と、透光性樹脂中に含まれる光散乱粒子によって構成することができる。透光性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂若しくはポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、又は、エポキシ樹脂若しくはシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。光散乱粒子としては、例えば、チタニア、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ジルコニア、イットリア、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、五酸化ニオブ、チタン酸バリウム、五酸化タンタル、硫酸バリウム、又は、ガラス等の粒子等を用いることができる。また、第1光調整部材23は、例えば、Al若しくはAgなどの金属部材、又は誘電体多層膜であってもよい。
【0036】
光源は被覆部材24を含まなくてもよい。例えば、図5Cに示す光源20Bは、その下面を発光素子21の下面及び第2透光性部材22の下面が構成する。
【0037】
また、図5Dに示すように、光源20Cは発光素子21の単体であってもよい。第1光調整部材23は、発光素子21の上面に配置される。また、図5Dにおいて、光源20Cは発光素子21の下面に被覆部材24が配置されていないが、発光素子21の下面に被覆部材24が配置されていてもよい。
【0038】
<第1透光性部材>
第1透光性部材30は、導光部材10の光源配置部13における光源20Aの側面と導光部材10との間、及び光源20Aの上に配置されている。第1透光性部材30は、光源20Aの上面及び側面を覆っている。第1透光性部材30は、導光部材10及び光源20Aと接することが好ましい。このようにすることで、光源20Aからの光を導光部材10に導光させやすくなる。
【0039】
第1透光性部材30は、光源20Aが発する光に対する透光性を有する。光源20Aのピーク波長に対する第1透光性部材30の透過率は、例えば、50%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。第1透光性部材30の材料として、例えば樹脂を用いることができる。例えば、第1透光性部材30の材料として導光部材10の材料と同じ樹脂、又は導光部材10の材料との屈折率差が小さい樹脂を用いることができる。
【0040】
第1透光性部材30は、第3方向Zにおいて、単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。また、第1透光性部材30は蛍光体や光散乱粒子を含んでいてもよい。第1透光性部材30が積層体である場合には、各層が蛍光体及び/又は光散乱粒子を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。例えば、第1透光性部材30が、蛍光体を含む層と、蛍光体を含まない層とで構成されていてもよい。
【0041】
第1透光性部材30は、光源20Aの第1光調整部材23上に位置する第1透光部31と、光源20Aの側面と導光部材10との間に位置する第2透光部32とを有する。
【0042】
<第2光調整部材>
第2光調整部材40は、第1透光性部材30の上に配置される。図1に示すように、第2光調整部材40は、平面視において光源20A及び第1透光性部材30が配置された光源配置部13と重なる位置に配置される。
【0043】
第2光調整部材40は、光源20Aが発する光に対する反射性及び透光性を有する。光源20Aのピーク波長に対する第2光調整部材40の透過率は、例えば、1%以上50%以下が好ましく、3%以上30%以下であることがより好ましい。
【0044】
第2光調整部材40は、透光性樹脂と、透光性樹脂中に含まれる光散乱粒子によって構成することができる。透光性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂若しくはポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、又は、エポキシ樹脂若しくはシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。光散乱粒子としては、例えば、チタニア、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ジルコニア、イットリア、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、五酸化ニオブ、チタン酸バリウム、五酸化タンタル、硫酸バリウム、又は、ガラス等の粒子等を用いることができる。また、第2光調整部材40は、例えば、アルミニウム若しくは銀などの金属部材、又は誘電体多層膜であってもよい。
【0045】
第2光調整部材40の上面40aは、導光部材10の第1上面11とともに面状光源1の発光面(光出射面)として機能する。第2光調整部材40は、光源20Aが配置された光源配置部13の上方へ向かう光の一部を反射させ、他の一部を透過させる。これにより、面状光源1の発光面において、光源20Aの直上及び周辺の領域の輝度と、他の領域の輝度との差を小さくすることができる。これにより、面状光源1の発光面における輝度むらを軽減することができる。
【0046】
第2光調整部材40と、光源20Aの第1光調整部材23との間に、第1透光性部材30の第1透光部31が配置されている。第1透光性部材30は、第1光調整部材23及び第2光調整部材40よりも光源20Aが発する光に対する透過率が高い。光源20Aが発する光に対する第1透光性部材30の透過率は、100%以下の範囲において、第1光調整部材23の透過率及び第2光調整部材40の透過率の2倍以上100倍以下とすることができる。第2光調整部材40と第1光調整部材23との間の第1透光部31には、光源20Aの側面から出射された光や光反射性シート53で反射された光などが回り込んで導光される。これにより、光源20Aの直上領域が明るくなりすぎず、且つ暗くなりすぎず、結果として、面状光源1の発光面における輝度むらを軽減することができる。
【0047】
光源20Aから直接真上方向に出射された光の一部は第1光調整部材23により透過が抑制されていることから、光源20Aの直上領域が暗くなりすぎるのを抑えるために、光源20Aが発する光に対して、第2光調整部材40の透過率は第1光調整部材23の透過率よりも高いことが好ましい。
【0048】
<支持部材>
支持部材50は、絶縁基材60と、第1導電層81と、第1接着層51と、光反射性シート53とを有する。
【0049】
絶縁基材60は、光源20A側に位置する第1面61と、第1面61の反対側に位置する第2面62とを有する。絶縁基材60は、可撓性が高い部材が好ましく、剛性が高い部材でもよい。絶縁基材60の材料として、例えば、ポリエステル、ポリイミドなどの樹脂や、ガラスエポキシを用いることができる。ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレートや、ポリエチレンナフタレートが挙げられる。
【0050】
第1導電層81は、絶縁基材60の第1面61上に配置され、光源20Aと電気的に接続される。第1導電層81は、樹脂を含まない金属層である。例えば、第1導電層81は、銅層である。第1導電層81は、銅層の他にも、アルミニウム層、ニッケル層、銀層、又は、金層などが挙げられる。
【0051】
第1接着層51は、絶縁基材60の第1面61と、光反射性シート53との間に配置され、絶縁基材60と光反射性シート53とを接着している。第1接着層51は、絶縁基材60の第1面61上及び第1導電層81上に配置され、絶縁基材60の第1面61及び第1導電層81と接している。第1接着層51は第1導電層81を覆う保護層を兼ね、第1接着層51と絶縁基材60の第1面61との間、及び第1接着層51と第1導電層81との間に別の層が配置されていない。第1接着層51は、絶縁基材60の第1面61及び第1導電層81と接している。これにより、支持部材50を薄型化でき、結果として面状光源1を薄型化できる。第1導電層81は、第1接着層51内に食い込んでいる。これにより、支持部材50及び面状光源1をさらに薄型化できる。また、第1接着層51は、光反射性シート53と接している。これによっても、支持部材50及び面状光源1を薄型化できる。
【0052】
第1接着層51は、樹脂層である。第1接着層51の樹脂として、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂又は環状ポリオレフィン樹脂を用いることができる。また、第1接着層51は、樹脂中に光散乱粒子を含むことができる。光散乱粒子として、例えば、チタニア、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ジルコニア、イットリア、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、五酸化ニオブ、チタン酸バリウム、五酸化タンタル、硫酸バリウム、又は、ガラス等の粒子を用いることができる。
【0053】
光反射性シート53は、導光部材10の第1下面12の下方、光源20Aの下方、第1透光性部材30の下方、及び溝14の下方に配置されている。光反射性シート53は、光源20Aが発する光に対する反射性を有する。光反射性シート53として、例えば、多数の気泡を含む樹脂シートや、光散乱粒子を含む樹脂シートを用いることができる。光反射性シート53の樹脂として、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂又はエポキシ樹脂を用いることができる。光散乱粒子として、例えば、チタニア、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ジルコニア、イットリア、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、五酸化ニオブ、チタン酸バリウム、五酸化タンタル、硫酸バリウム、又は、ガラス等の粒子を用いることができる。
【0054】
光反射性シート53と、導光部材10の第1上面11との間の領域において、光源20Aからの光は、光反射性シート53と第1上面11とで反射が繰り返されつつ、溝14に向かって導光部材10内を導光される。第1上面11に向かった光の一部は、第1上面11から導光部材10の外部に取り出される。第1下面12に向かった光の一部は、光反射性シート53によって第1上面11側に反射されるので、第1上面11から取り出される光の輝度を向上させることができる。
【0055】
また、光反射性シート53の下方に配置される第1接着層51が前述したように光散乱粒子を含む場合には、第1上面11から取り出される光の輝度をさらに向上させることができる。
【0056】
支持部材50は、第2接着層52をさらに含むことができる。第2接着層52は、光反射性シート53と、導光部材10の第1下面12との間に配置され、光反射性シート53と導光部材10とを接着している。また、光源20Aは、導光部材10の光源配置部13内において第2接着層52上に配置される。第2接着層52は、光源20Aが発する光に対する透光性を有する。第2接着層52の材料として、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂又は環状ポリオレフィン樹脂などを用いることができる。
【0057】
支持部材50は、第1接続部70をさらに含むことができる。第1接続部70は、第1部分71と第2部分72とを有する。第1部分71は、第2接着層52、光反射性シート53、第1接着層51、及び絶縁基材60を第3方向Zにおいて貫通する第2孔部h2内に配置され、光源20Aの下方に位置する。第2部分72は、絶縁基材60の第2面62に配置され、第1部分71と接続されている。
【0058】
第1部分71と第2部分72は、例えば同じ材料で一体に形成することが好ましい。第1部分71と第2部分72は、別の部材でもよい。第1接続部70は、例えば、樹脂と、樹脂中に含まれる導電性粒子とを含む。第1接続部70の樹脂として、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、又はフェノール樹脂などを用いることができる。導電性粒子として、例えば、銅、銀、ニッケル、金などの金属粒子を用いることができる。また、導電性粒子として、炭素材料からなる粒子を用いてもよい。
【0059】
光源20Aの正負の一対の電極25に対応して、一対の第1接続部70が互いに離れて配置されている。一方の第1接続部70の第1部分71は、光源20Aの下方において正側の電極25と接続されている。他方の第1接続部70の第1部分71は、光源20Aの下方において負側の電極25と接続されている。
【0060】
第2部分72の一部72aは、絶縁基材60を貫通して、第1導電層81と接続している。したがって、光源20Aの電極25は、第1接続部70を介して、第1導電層81と電気的に接続されている。
【0061】
第1導電層81は、樹脂を含まない金属層であり、樹脂を含む導電層よりも低抵抗である。このため、第1導電層81は、樹脂を含む導電層よりも薄くできる。また、第1導電層81は、樹脂を含む導電層よりも発熱量を小さくでき、第1導電層81が接する第1接着層51の劣化を抑制できる。第1実施形態によれば、第1導電層81及び第1接続部70の両方共を樹脂を含む構成とした場合に比べて、支持部材50及び面状光源1を薄型化できる。
【0062】
支持部材50は、保護層54をさらに含むことができる。保護層54は、絶縁基材60の第2面62に配置され、第1接続部70を直接覆って保護している。保護層54の材料として、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリオレフィン樹脂、又はエポキシ樹脂を用いることができる。
【0063】
図2に示すように、平面視において、第1導電層81の少なくとも一部は、光源配置部13に重なる。また、平面視において、第1接続部70の少なくとも一部は、光源配置部13に重なる。これにより、第1導電層81や第1接続部70によって、光源配置部13の下方に抜ける光を抑制することができ、第1上面11から取り出される光の輝度を向上させることができる。
【0064】
[第2実施形態]
図6は、第2実施形態の面状光源2における、光源配置部13を含む部分の断面図である。
【0065】
第2実施形態の面状光源2における第1導電層81は、樹脂と、樹脂中に含まれる導電性粒子とを含む。第1導電層81の樹脂として、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、又はフェノール樹脂などを用いることができる。導電性粒子として、例えば、銅、銀、ニッケル、又は金などの金属粒子を用いることができる。また、導電性粒子として、炭素材料からなる粒子を用いてもよい。第1導電層81は樹脂を含むため、第1導電層81と第1接着層51との密着性を高くできる。
【0066】
また、第1導電層81は、延伸方向の端に向かうほど厚さが薄くなる端部81aを有する。第1導電層81の延伸方向は、第1方向Xと第2方向Yを含む。端部81aの下面は、絶縁基材60の第1面61と接する。第1接着層51は、端部81aの上面を覆っている。端部81aの上面は、曲面、または絶縁基材60の第1面61に対して傾斜した傾斜面となっており、第1接着層51との密着性を高くできる。端部81aは、第1導電層81の端から、例えば、50μm以下の部分である。
【0067】
[第3実施形態]
図7は、第3実施形態の面状光源3における、光源配置部13を含む部分の断面図である。
【0068】
第3実施形態の面状光源3における支持部材50は、絶縁基材60の第2面62に配置された第2導電層82をさらに有する。第2導電層82は、絶縁基材60の第2面62上において第1接続部70の第2部分72と接続されている。例えば、第2導電層82の一部は、第2部分72に覆われる。第2導電層82は樹脂を含まない金属層であり、第2導電層82の材料として第1導電層81の材料と同じものを用いることができる。
【0069】
絶縁基材60の第1面61に配置された第1導電層81は、絶縁基材60の第2面62に配置された導電部材(第2導電層82と、第1接続部70の第2部分72)と電気的に接続されている。第2面62に配置された導電部材のうち、第1接続部70の第2部分72は樹脂を含むため保護層54との密着性を高くでき、第2導電層82は樹脂を含まないため低抵抗にできる。したがって、第2面62に配置された導電部材を、保護層54との密着性を高くしつつ、低抵抗化できる。
【0070】
図8Aは、第2導電層82と第1導電層81との接続部の一例を示す断面図である。
第3実施形態の支持部材50は、少なくとも絶縁基材60を貫通する第1孔部h1と、第1孔部h1に配置され第1導電層81と第2導電層82とを電気的に接続する第2接続部90とをさらに有する。なお、本実施形態においては、第1孔部h1は、図7の断面から離れた位置にある。第2接続部90は、樹脂と、樹脂中に含まれる導電性粒子とを含む。第2接続部90の樹脂として、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、又はフェノール樹脂などを用いることができる。導電性粒子として、例えば、銅、銀、ニッケル、又は金などの金属粒子を用いることができる。また、導電性粒子として、炭素材料からなる粒子を用いてもよい。
【0071】
図8Aに示す例においては、第1孔部h1は、さらに第2導電層82も貫通している。第2接続部90は、第1部分91と、第2部分92とを有する。第1部分91は、第1孔部h1内に配置されている。第2部分92は、第2導電層82における絶縁基材60の第2面62に接する第2上面82aの反対側の第2下面82bに配置されている。第2接続部90の第2部分92は、第1孔部h1の周辺において第2導電層82の第2下面82bに接している。
【0072】
絶縁基材60の第2面62に第2導電層82が配置され、絶縁基材60の第1面61に第1導電層81が配置されていない状態で、例えば、ドリル、パンチング、又はレーザーなどにより、絶縁基材60及び第2導電層82を貫通する第1孔部h1を形成することができる。第1孔部h1を形成した後、第1孔部h1内に導電性ペーストを供給し、さらに第1孔部h1の周辺における第2導電層82の第2下面82bにも導電性ペーストを供給する。導電性ペーストを硬化させることで、第2接続部90が形成される。第2接続部90を形成した後、第1孔部h1から露出する第2接続部90の表面90aに接するように、絶縁基材60の第1面61上に第1導電層81を形成する。
【0073】
第2接続部90は、第1孔部h1における第2導電層82を貫通する部分の内周面だけでなく、第2導電層82の第2下面82bにも接する。すなわち、第2接続部90と第2導電層82との接触面積を、第2接続部90と第1導電層81との接触面積よりも大きくでき、第2接続部90と第2導電層82との接触抵抗を低減できる。
【0074】
図8Bは、第2導電層82と第1導電層81との接続部の他の例を示す断面図である。
絶縁基材60の第2面62に第2導電層82が配置され、絶縁基材60の第1面61に第1導電層81が配置されていない状態で、第1面61側からレーザーを照射して第1孔部h1を形成する。第1孔部h1は、絶縁基材60を貫通し、第2導電層82は貫通しない。この後、第1孔部h1内に導電性ペーストを供給し、導電性ペーストを硬化させる。これにより、第1導電層81と第2導電層82とを接続する第2接続部93が形成される。
【0075】
[第4実施形態]
図9は、第4実施形態の面状光源4における、光源配置部13を含む部分の断面図である。
【0076】
第4実施形態の面状光源4においても、第3実施形態の面状光源3と同様に、絶縁基材60の第2面62に配置された第2導電層82を有する。第1導電層81と第2導電層82とは、図8Aに示す第2接続部90、または図8Bに示す第2接続部93によって、電気的に接続される。
【0077】
また、第4実施形態における第1導電層81は、第2実施形態と同様に、樹脂と、樹脂中に含まれる導電性粒子とを含む。さらに、第1導電層81は、延伸方向の端に向かうほど厚さが薄くなる端部81aを有する。端部81aの下面は、絶縁基材60の第1面61と接する。第1接着層51は、端部81aの上面を覆っている。端部81aの上面は、曲面、または絶縁基材60の第1面61に対して傾斜した傾斜面となっており、第1接着層51との密着性を高くできる。
【0078】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、
これらの具体例に限定されるものではない。本発明の上述した実施形態を基にして、当業
者が適宜設計変更して実施し得る全ての形態も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の
範囲に属する。その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及
び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属
するものである。
【符号の説明】
【0079】
1~4…面状光源、10…導光部材、10a…導光部、11…第1上面、12…第1下面、13…光源配置部、14…溝、20A~20C…光源、21…発光素子、22…第2透光性部材、23…第1光調整部材、24…被覆部材、25…電極、30…第1透光性部材、40…第2光調整部材、50…支持部材、51…第1接着層、52…第2接着層、53…光反射性シート、54…保護層、60…絶縁基材、61…第1面、62…第2面、70…第1接続部、81…第1導電層、82…第2導電層、82a…第2上面、82b…第2下面、90、93…第2接続部、h1…第1孔部、h2…第2孔部
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8A
図8B
図9