(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】カートン
(51)【国際特許分類】
B65D 5/54 20060101AFI20240119BHJP
【FI】
B65D5/54 301E
(21)【出願番号】P 2019179024
(22)【出願日】2019-09-30
【審査請求日】2022-08-02
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】711002926
【氏名又は名称】雪印メグミルク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】下浦 博之
(72)【発明者】
【氏名】金野 直樹
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-254026(JP,A)
【文献】特開2002-104398(JP,A)
【文献】特開2009-78867(JP,A)
【文献】特開2008-56249(JP,A)
【文献】特開2014-069812(JP,A)
【文献】特開2016-193752(JP,A)
【文献】特開2014-133597(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の胴部と、
前記胴部の軸方向の一端部を塞ぐ底面部と、
開封用の引裂線と、
前記引裂線によっ
て開封可能に設けられ、前記胴部の軸方向の他端部に開口を形成する開封面部とを備え、
前記開封面部は、端部に設けられたタブを備え、前記タブ
が開封方向に引っ張られることで当該開封方向に開封して前記開口を形成し、
前記引裂線は、前記タブから前記開封方向に対して次第に離間する傾斜方向に複数の同形状の切目が列をなす切目列を備え、
前記切目は、
当該切目よりも前記タブ側に位置する切目を延長した延長線との交点を通
る第1線部と、
前記第1線部から前記傾斜方向に延設された第2線部とを備え
、
前記第1線部は、前記延長線との交点から前記第2線部に向かうにしたがって次第に前記開封方向の上流側に向かうように形成されていることを特徴とするカートン。
【請求項2】
前記第1線部は、
前記開封方向にみて前記タブ側の切目と重なる位置に設けられ、前記傾斜方向に延設された導入線部と、
前記導入線部から前記開封方向の上流側に折り返され、前記第2線部に接続された折返線部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のカートン。
【請求項3】
前記切目は、前記開封方向にみて前記タブとは反対側の切目と重なる位置に設けられ、前記第2線部から前記開封方向の下流側に折り返された第3線部を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカートン。
【請求項4】
食品用であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカートン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カートンに形成された引裂線によって、カートンを所定の開封方向に開封するように構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のカートンには、開封用のタブから開封方向に対する傾斜方向に複数の切り込み(切目)が列をなす切目列を備えた引裂線が形成されている。カートンを開封する際は、タブを開封方向に引っ張ることで、開口部(開封面部)が引裂線に沿って切断される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記したような従来のカートンでは、切目の延長線よりも開封方向の下流側に次の切目が設けられているため、傾斜方向の切目列が設けられた領域の開封方向の長さが短いと、引裂線によって形成される開封面部の幅が狭くなり、カートンの開口が小さくなってしまう。これに対し、開封方向に対する切目列の傾斜を大きくすると、開封方向の力が傾斜方向に伝わり難くなって次の切目に繋がらず、開封面部を引裂線に沿って切断できなくなるという問題が生じる。
【0006】
本発明の目的は、傾斜方向の切目列が設けられた領域の開封方向の長さが短い場合でも開口を大きくすることができ、開封面部を引裂線に沿って切断することができるカートンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のカートンは、筒状の胴部と、前記胴部の軸方向の一端部を塞ぐ底面部と、開封用の引裂線と、前記引裂線によって開封方向に開封可能に設けられ、前記胴部の軸方向の他端部に開口を形成する開封面部とを備え、前記開封面部は、端部に設けられたタブを備え、前記引裂線は、前記タブから前記開封方向に対して次第に離間する傾斜方向に複数の切目が列をなす切目列を備え、前記切目は、当該切目よりも前記タブ側に位置する切目を延長した延長線との交点を通り、当該交点よりも前記開封方向の上流側に延設された第1線部と、前記第1線部から前記傾斜方向に延設された第2線部とを備えていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、傾斜方向の切目は、当該切目よりもタブ側に位置する切目の延長線との交点よりも、開封方向の上流側に延設された第1線部を備えている。このため、切目から次の切目に移る度に、引裂線を第1線部で開封方向の上流側に戻すことができるので、傾斜方向の切目列が設けられた領域の開封方向の長さが短い場合でも、開封面部の幅を広くとることができ、カートンの開口を大きくすることができる。
また、第1線部が当該切目よりもタブ側に位置する切目の延長線と交わるので、切目から次の切目に繋げることができ、開封面部を引裂線に沿って切断することができる。
【0009】
本発明のカートンにおいて、前記第1線部は、前記開封方向にみて前記タブ側の切目と重なる位置に設けられ、前記傾斜方向に延設された導入線部と、前記導入線部から前記開封方向の上流側に折り返され、前記第2線部に接続された折返線部とを備えていることが好ましい。
【0010】
本発明によれば、開封方向にみてタブ側の切目と重なる位置に導入線部が設けられているため、引裂線が切目の端部から開封方向に破断しても、次の切目の導入線部に繋げることができる。また。導入線部が傾斜方向に延設され、当該導入線部から折返線部が開封方向の上流側に折り返されているため、タブ側の切目から導入線部を介してスムーズに折返線部に繋げることができ、開封面部を引裂線に沿ってより確実に切断することができる。
【0011】
本発明のカートンにおいて、前記切目は、前記開封方向にみて前記タブとは反対側の切目と重なる位置に設けられ、前記第2線部から前記開封方向の下流側に折り返された第3線部を備えていることが好ましい。
【0012】
本発明によれば、開封方向にみてタブとは反対側の切目と重なる位置に第3線部が設けられ、当該第3線部が第2線部から開封方向の下流側に折り返されているため、第3線部からタブとは反対側の次の切目にスムーズに繋げることができる。このため、開封面部を引裂線に沿ってより確実に切断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係るカートンの斜視図。
【
図5】本発明の変形例に係るカートンの展開図の部分拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態について説明する。
なお、以下の記載において方向を表す場合、カートン1を
図1に示すように置いた状態を基準とする。また、幅方向とは、カートン1の各側面部における胴部2の軸方向に直交する方向をいう。
【0015】
[全体構成]
図1は、本実施形態に係るカートン1を示す斜視図である。
図2は、カートン1の展開図(カートン形成用パネル(カートンブランクとも称する)1Aの平面図)である。
図1において、カートン1は、いわゆるトップオープン型の箱体であり、内部にチーズ、バター等の食品が収容される。カートン1は、
図2に示すように、板紙素材で形成されたカートン形成用パネル1Aから組み立てられる。
【0016】
図1および
図2において、カートン1は、胴部2、底面部3、天面部4、開封面部5、および引裂線6を備えている。
【0017】
胴部2は、平面視略長方形の筒状とされている。胴部2は、内側第1側面部21(
図2参照)、外側第1側面部22、第2側面部23、内側第3側面部24、および外側第3側面部25を備えている。
【0018】
内側第1側面部21および外側第1側面部22は、胴部2の一方の長辺側の側面部分であり、互いに重なって配置される。
内側第1側面部21は、開封面部5の後述するタブ51が差し込まれる差込部21A(
図2参照)を備えている。差込部21Aは、天面部4に向かって上に凸となる曲線状に切断された第1切断線21Bと、第1切断線21Bの頂点から天面部4に向かう直線状に切断された第2切断線21Cとを備えている。
外側第1側面部22は、内側第1側面部21の外側に配置され、引裂線6よりも底面部3側の領域が内側第1側面部21に貼付される。外側第1側面部22は、フラップ22A(
図2参照)および切欠部22Bを備えている。
フラップ22Aは、外側第1側面部22の幅方向の両端部に設けられ、当該幅方向に延設されている。
切欠部22Bは、外側第1側面部22におけるタブ51の幅方向の両側に設けられ、外側第1側面部22の底面部3側の端縁が切り欠かれている。
【0019】
第2側面部23は、胴部2の他方の長辺側の側面部分であり、内側第1側面部21と対向する。第2側面部23は、幅方向の両端部に当該幅方向に延設されたフラップ23A(
図2参照)を備えている。
【0020】
内側第3側面部24および外側第3側面部25は、胴部2の短辺側の側面部分であり、内側第1側面部21と第2側面部23との対向方向に直交する方向の両側で互いに重なって配置される。
内側第3側面部24は、底面部3とは反対側の位置に設けられたフラップ24A(
図2参照)を備えている。
外側第3側面部25は、内側第3側面部24の外側に配置され、内側第3側面部24に貼付される。
【0021】
底面部3は、胴部2の軸方向の一端部を塞いでいる。底面部3は、横折れ線31を介して内側第1側面部21に、横折れ線32を介して第2側面部23に、横折れ線33を介して内側第3側面部24にそれぞれ連接されている。
横折れ線31は、複数の切目が列をなすいわゆるミシン目とされている。
【0022】
天面部4は、胴部2の軸方向の他端部を塞いでいる。天面部4は、横折れ線41を介して外側第1側面部22に連接され、横折れ線42を介して第2側面部23に連接され、引裂線6を介して外側第3側面部25に連接されている。
横折れ線41は、複数の切目が列をなすいわゆるミシン目とされている。
【0023】
開封面部5は、外側第1側面部22から天面部4にわたって設けられている。開封面部5は、底面部3から天面部4に向かう第1開封方向D1、および外側第1側面部22から第2側面部23に向かう第2開封方向D2に引裂線6によって開封可能に設けられ、胴部2の軸方向の他端部に食品取出用の開口を形成する。開封面部5は、タブ51、拡開部52、および開口形成部53を備えている。
タブ51は、開封面部5における外側第1側面部22の先端部に設けられている。
拡開部52は、外側第1側面部22の一部で構成され、タブ51に連接している。拡開部52は、タブ51から第1開封方向D1に向かって次第に拡開するように、つまり第1開封方向D1に向かって幅方向の寸法が次第に大きくなるように形成されている。
開口形成部53は、天面部4で構成され、横折れ線41を介して拡開部52に連接されるとともに、横折れ線42を介して第2側面部23に連接されている。
【0024】
引裂線6は、カートン1の開封用の切断線であり、
図3にも示すように、外側第1側面部22から天面部4にわたって設けられている。引裂線6は、第1切目列6Aおよび第2切目列6Bを備えている。
【0025】
第1切目列6Aは、外側第1側面部22に設けられ、タブ51から外側第1側面部22の幅方向の両端部まで延びている。第1切目列6Aは、タブ51から第1開封方向D1に対して次第に離間する第1傾斜方向D3に第1切目61および第2切目62が順に列をなしている。また、第1切目列6Aは、第2切目62に続いて、タブ51から第1開封方向D1に対して次第に離間する第2傾斜方向D4に複数の第3切目63および第4切目64が順に列をなしている。なお、第2傾斜方向D4は、第1開封方向D1に対して第1傾斜方向D3よりも大きく傾斜している。また、第1開封方向D1に対する第1傾斜方向D3、第2傾斜方向D4の傾斜角度は、70度以上80度以下(横折れ線31に対する傾斜角度は、10度以上20度以下)の範囲が好ましい。
【0026】
第2切目列6Bは、外側第3側面部25と天面部4との境界線上に設けられ、第2開封方向D2に向かって第5切目65、第6切目66、および複数の第7切目67が順に列をなしている。
【0027】
図3において、第1切目61は、導入部61A、第1傾斜部61B、および第2傾斜部61Cを備えている。
導入部61Aは、タブ51の幅方向の側縁51Aを延長した延長線ETよりもタブ51側の位置から、天面部4側に向かって第1傾斜方向D3に向けて折り返されるように延設されている。
第1傾斜部61Bは、導入部61Aから第1傾斜方向D3に延設された直線となっている。延長線ET(第1開封方向D1)に対する第1傾斜部61Bの傾斜角度は、70度以上80度以下の範囲が好ましい。
第2傾斜部61Cは、第1傾斜部61Bから第1開封方向D1の下流側に折り返されている。
【0028】
第2切目62は、幅方向部62A、第1傾斜部62B、および第2傾斜部62Cを備えている。
幅方向部62Aは、第1開封方向D1にみて第1切目61と重なる位置に設けられ、第1切目61を延長した延長線E1との交点を通り、外側第1側面部22の幅方向に延設されている。
第1傾斜部62Bは、幅方向部62Aから第1傾斜方向D3に延設された直線となっている。
第2傾斜部62Cは、第1傾斜部62Bから第1開封方向D1の下流側に折り返されている。
【0029】
第3切目63は、第1線部63A、第2線部63B、および第3線部63Cを備えている。
【0030】
第1線部63Aは、第2切目62を延長した延長線E2またはタブ51側の第3切目63を延長した延長線E3との交点を通り、当該交点よりも第1開封方向D1の上流側に延設されている。第1線部63Aは、導入線部631および折返線部632を備えている。
導入線部631は、第1開封方向D1にみて第2切目62またはタブ51側の第3切目63と重なる位置に設けられ、第1傾斜方向D3に延設された直線となっている。
折返線部632は、導入線部631から第1開封方向D1の上流側に折り返され、第2線部63Bに接続された直線となっている。
【0031】
第2線部63Bは、第1線部63Aから第1傾斜方向D3に延設された直線となっている。
【0032】
第3線部63Cは、第1開封方向D1にみてタブ51とは反対側の第3切目63と重なる位置に設けられ、第2線部63Bから第1開封方向D1の下流側に折り返されている。
【0033】
第4切目64は、幅方向部64Aおよび傾斜部64Bを備えている。
幅方向部64Aは、第1開封方向D1にみて第3切目63と重なる位置に設けられ、第3切目63を延長した延長線E4との交点を通り、外側第1側面部22の幅方向に延設されている。
傾斜部64Bは、幅方向部64Aから第5切目65に向かって延設されている。
【0034】
第5切目65は、傾斜部65Aおよび直線部65Bを備えている。
傾斜部65Aは、外側第1側面部22における横折れ線41側の角部に設けられ、第4切目64に向かって傾斜した直線となっている。
直線部65Bは、傾斜部65Aから外側第3側面部25と天面部4との境界線上に延設された直線となっている。
【0035】
第6切目66は、第5切目65の直線部65Bの延長線上に設けられ、外側第3側面部25と天面部4との境界線上に延設された直線となっている。
【0036】
第7切目67は、傾斜部67Aおよび直線部67Bを備えている。
傾斜部67Aは、第7切目67における外側第1側面部22側の位置に設けられ、天面部4の内側に向かって傾斜した直線となっている。
直線部67Bは、傾斜部67Aから外側第3側面部25と天面部4との境界線上に延設された直線となっている。
【0037】
[カートンの開封および再封]
図1において、カートン1を開封する際は、タブ51を把持して引き上げつつ、当該タブ51を第1開封方向D1に引っ張る。これにより、開封面部5の拡開部52がタブ51によって第1開封方向D1に引っ張られ、拡開部52が第1切目列6Aに沿って切断される。ここで、
図3に示すように、第3切目63の折返線部632が、第2切目62の延長線E2またはタブ51側の第3切目63の延長線E3との交点よりも第1開封方向D1の上流側に折り返されて延設されているため、第3切目63から次の第3切目63に移る度に、引裂線6が第1開封方向D1の上流側に戻されることになる。このため、外側第1側面部22の第1開封方向D1の長さが短い場合でも、開封面部5の拡開部52の幅を広くすることができる。
【0038】
図1において、拡開部52が第1切目列6Aに沿って切断された後は、タブ51を第2開封方向D2に引っ張る。これにより、開封面部5の開口形成部53が第2切目列6Bに沿って切断され、食品取出用の開口が形成される。
【0039】
カートン1を再封する際は、開封面部5を開封前の位置に戻し、タブ51を差込部21A(
図2参照)に差し込む。これにおり、タブ51が差込部21Aに係止され、開封面部5を閉じた状態を維持することができる。
【0040】
以上のような実施形態によれば、第3切目63は、第2切目62の延長線E2、または当該第3切目63よりもタブ51側に位置する第3切目63の延長線E3との交点よりも、第1開封方向D1の上流側に延設された第1線部63Aを備えている。このため、第3切目63から次の第3切目63に移る度に、引裂線6を第1線部63Aで第1開封方向D1の上流側に戻すことができるので、第1切目列6Aが設けられた領域の第1開封方向D1の長さが短い場合でも、開封面部5の幅を広くとることができ、カートン1の開口を大きくすることができる。
また、第1線部63Aが第2切目62の延長線E2、または当該第3切目63よりもタブ51側に位置する第3切目63の延長線E3と交わるので、第2切目62または第3切目63切目から次の第3切目63に繋げることができ、開封面部5を引裂線6に沿って切断することができる。
【0041】
また、第1開封方向D1にみて第2切目62、またはタブ51側の第3切目63と重なる位置に導入線部631が設けられているため、引裂線6が第2切目62または第3切目63の端部から第1開封方向D1に破断しても、次の第3切目63の導入線部631に繋げることができる。また。導入線部631が第2傾斜方向D4に延設され、当該導入線部631から折返線部632が第1開封方向D1の上流側に折り返されているため、第2切目62、またはタブ51側の第3切目63から導入線部631を介してスムーズに折返線部632に繋げることができ、開封面部5を引裂線6に沿ってより確実に切断することができる。
【0042】
また、第1開封方向D1にみて第2切目62、またはタブ51とは反対側の第3切目63と重なる位置に第3線部63Cが設けられ、当該第3線部63Cが第2線部63Bから第1開封方向D1の下流側に折り返されているため、第3線部63Cからタブ51とは反対側の次の第3切目63にスムーズに繋げることができる。このため、開封面部5を引裂線6に沿ってより確実に切断することができる。
【0043】
[変形例]
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
例えば、カートン1は、食品用として好適であるが、これに限定されるものではない。
【0044】
胴部2は、平面視略長方形の筒状のものに限られず、例えば、平面視略三角形、正方形や菱形等の長方形以外の四角形、五角以上の多角形の筒状のものや、平面視略真円形、楕円形、長円形等の筒状のものでもよい。
【0045】
内側第1側面部21は、幅方向の一方側または両側に延設されたフラップを備えていてもよい。この場合、外側第1側面部22は、フラップ22Aを備えていなくてもよい。
差込部21Aの第1切断線21Bは、天面部4に向かって上に凸となる三角形、矩形、多角形等の折曲線状に切断されてもよい。
差込部21Aの第2切断線21Cは、第1切断線21B上の頂点以外の位置から延設されてもよいし、第1切断線21B上の頂点またはそれ以外の1点から複数延設されてもよいし、第1切断線21B上の異なる複数の位置から複数延設されてもよい。
【0046】
内側第3側面部24または外側第3側面部25は、幅方向の一方側または両側に延設されたフラップを備えていてもよい。この場合、内側第1側面部21および外側第1側面部22は、幅方向の一方側または両側のフラップを備えていなくてもよい。
【0047】
横折れ線31、41は、ミシン目で構成される場合に限定されず、例えば、横折れ線31、41を部分的に変質させた変質部で構成してもよいし、横折れ線31、41を薄肉にした薄肉部で構成してもよい。この場合、変質部や薄肉部は、破断線のように断続的に連なって並ぶように設けられてもよいし、連続する1本の線状に設けられてもよい。
【0048】
開封面部5および引裂線6は、外側第1側面部22から天面部4にわたって設けられていなくてもよく、
図4に示すように、天面部4のみに設けられていてもよい。この場合、第2切目列6Bは、第5切目65に代えて第7切目67を備えていてもよいし、第6切目66を備えていなくてもよい。また、差込部21Aは、なくてもよい。
タブ51の先端縁は、実施形態のものに限定されず、例えば、U字状、V字状、円弧状、多角形状等の曲線形状とされてもよい。
開口形成部53の形状は、実施形態のものに限定されず、例えば、平面視略三角形であってもよいし、正方形、平行四辺形等の四角形であってもよいし、円弧で形成されて(円形の一部が直線で切断された形状であって)もよい。
【0049】
第1切目列6Aは、第1切目61および第2切目62を備えていなくてもよい。この場合、タブ51の側縁51Aの延長線上から第2傾斜方向D4に第3切目63を並設すればよい。
第1切目列6Aは、第2切目62を備えていなくてもよい。この場合、第1切目61の次に第3切目63を並設すればよい。
第1切目列6Aは、第4切目64に代えて第3切目63を設けてもよい。
【0050】
第2切目列6Bは、外側第3側面部25と天面部4との境界線よりも天面部4側、つまり天面部4における内側領域に設けられてもよいし、外側第3側面部25と天面部4と境界線または天面部4の内側領域における円弧、波形等の曲線上に第5切目65、第6切目66、および第7切目67が並設されてもよい。
【0051】
第1切目61は、第1傾斜部61Bが第2傾斜方向D4に延設されてもよいし、第2傾斜部61Cを備えていなくてもよい。
導入部61Aは、延長線ETよりもタブ51側の位置から延設されていなくてもよく、例えば、延長線ET上の位置から延設されていてもよい。
第2切目62は、第1傾斜部62Bが第2傾斜方向D4に延設されてもよいし、第2傾斜部62Cを備えていなくてもよい。
第3切目63は、第2線部63Bが第2傾斜方向D4に延設されてもよいし、第3線部63Cを備えていなくてもよい。
第3切目63は、
図5に示すように、導入線部631および第3線部63Cを備えていなくてもよいし、導入線部631と第3線部63Cとのいずれか一方を備えていなくてもよい。
導入線部631は、曲線形状とされてもよいし、第2傾斜方向D4に延設されてもよい。
折返線部632は、曲線形状とされてもよい。
第4切目64は、第3切目63と同様の形状とされてもよく、この場合、第3線部63Cを備えていなくてもよい。
第6切目66は、第5切目65の直線部65Bを延長して第5切目65と一体に形成されてもよいし、なくてもよい。
【0052】
第2開封方向D2は、横折れ線41、42に直交する方向でなくてもよく、横折れ線41、42に直交する方向に交差する方向であってもよい。
第1傾斜方向D3は、第2傾斜方向D4と同じ方向とされてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1…カートン、2…胴部、3…底面部、5…開封面部、6…引裂線、6A…第1切目列(切目列)、51…タブ、63…第3切目(切目)、63A…第1線部、63B…第2線部、63C…第3線部、631…導入線部、632…折返線部、D1…第1開封方向(開封方向)、D2…第2開封方向(開封方向)、D3…第1傾斜方向(傾斜方向)、D4…第2傾斜方向(傾斜方向)。