(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-18
(45)【発行日】2024-01-26
(54)【発明の名称】二次電池
(51)【国際特許分類】
H01M 50/536 20210101AFI20240119BHJP
H01M 50/566 20210101ALI20240119BHJP
H01M 50/534 20210101ALI20240119BHJP
H01M 50/176 20210101ALI20240119BHJP
H01M 50/103 20210101ALI20240119BHJP
H01M 50/15 20210101ALI20240119BHJP
H01M 50/553 20210101ALI20240119BHJP
H01M 50/55 20210101ALI20240119BHJP
H01M 50/169 20210101ALI20240119BHJP
【FI】
H01M50/536
H01M50/566
H01M50/534
H01M50/176
H01M50/103
H01M50/15
H01M50/553
H01M50/55 101
H01M50/169
(21)【出願番号】P 2022182728
(22)【出願日】2022-11-15
【審査請求日】2022-11-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0157780
(32)【優先日】2021-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】柳 熙▲チュル▼
(72)【発明者】
【氏名】▲チョ▼ 香美
(72)【発明者】
【氏名】姜 勳
(72)【発明者】
【氏名】金 鎭男
(72)【発明者】
【氏名】李 鍾勳
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ ▲ミン▼▲ヒョン▼
(72)【発明者】
【氏名】趙 宥省
(72)【発明者】
【氏名】金 ▲ヨン▼泰
【審査官】儀同 孝信
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-206013(JP,A)
【文献】特開2005-285406(JP,A)
【文献】特開2013-65552(JP,A)
【文献】特開2009-127075(JP,A)
【文献】特開2020-140887(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0251504(US,A1)
【文献】国際公開第2018/216533(WO,A1)
【文献】特開2016-143656(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50
H01M 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極組立体;
前記電極組立体に結合される集電板;
前記電極組立体が収容されるケース;
前記ケースに結合されて前記電極組立体および集電板を密封するキャッププレート;および
前記集電板に連結されて前記キャッププレートを貫通して露出された端子プレートを含み、
前記電極組立体と集電板の間または前記集電板と端子プレートの間のうち少なくとも一つにはデュアルビームおよびウォブリング溶接が遂行された、二次電池。
【請求項2】
前記溶接に使われたデュアルビームは、中心に形成された第1領域と前記第1領域の周りに形成された第2領域を含む、請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記デュアルビームの第1領域は円の形状で構成され、前記第2領域はリングの形状で構成された、請求項2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記ウォブリング溶接は前記第2領域に沿って遂行された、請求項2に記載の二次電池。
【請求項5】
前記ウォブリング溶接は繰り返される円弧を形成しながら前記デュアルビームの縁に沿って形成される、請求項1に記載の二次電池。
【請求項6】
前記ウォブリング溶接は繰り返される鋸歯の形状を有するウェーブビーズを含む、請求項1に記載の二次電池。
【請求項7】
前記鋸歯の形状で鋸歯の外郭(A)と内郭(B)の直径の差は5[μm]以上で形成された、請求項6に記載の二次電池。
【請求項8】
前記ケースとキャッププレートの間の結合にデュアルビームおよびウォブリング溶接がさらに遂行された、請求項1に記載の二次電池。
【請求項9】
前記電極組立体と集電板または前記集電板と端子プレートのうち少なくとも一つは、異種金属で構成されて溶接が遂行された、請求項1に記載の二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は溶接品質を高め得る二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池は電気エネルギーを化学エネルギーの形態に変えて貯蔵できる、優秀なエネルギー密度を提供する電力貯蔵システムである。再充電が不可能な一次電池に比べて二次電池は再充電が可能であるため、スマートフォン、セルラーフォン、ノートパソコン、タブレットPCなどのIT機器に多く使われている。最近では環境汚染防止のために電気自動車に対する関心が高まっており、これに伴い、電気自動車に高容量の二次電池が採択されている。このような二次電池は高密度、高出力、安定性などの特性が要求されている。
【0003】
このような発明の背景となる技術に開示された前述した情報は本発明の背景に対する理解度を向上させるためのものに過ぎず、したがって従来技術を構成しない情報を含んでもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は溶接品質を高め得る二次電池を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る二次電池は、電極組立体;前記電極組立体に結合される集電板;前記電極組立体が収容されるケース;前記ケースに結合されて前記電極組立体および集電板を密封するキャッププレート;および前記集電板に連結されて前記キャッププレートを貫通して露出された端子プレートを含み、前記電極組立体と集電板の間または前記集電板と端子プレートの間のうち少なくとも一つにはデュアルビームおよびウォブリング溶接が遂行され得る。
【0006】
ここで、前記溶接に使われたデュアルビームは、中心に形成された第1領域と前記第1領域の周りに形成された第2領域を含むことができる。
【0007】
そして前記デュアルビームの第1領域は円の形状で構成され、前記第2領域はリングの形状で構成され得る。
【0008】
また、前記ウォブリング溶接は前記第2領域に沿って遂行され得る。
【0009】
また、前記ウォブリング溶接は繰り返される円弧を形成しながら前記デュアルビームの縁に沿って形成され得る。
【0010】
また、前記ウォブリング溶接は繰り返される鋸歯の形状を有するウェーブビーズを含むことができる。
【0011】
また、前記鋸歯の形状で鋸歯の外郭(A)と内郭(B)の直径の差は5[μm]以上に形成され得る。
【0012】
また、前記ケースとキャッププレートの間の結合にデュアルビームおよびウォブリング溶接がさらに遂行され得る。
【0013】
また、前記電極組立体と集電板または前記集電板と端子プレートのうち少なくとも一つは異種金属で構成されて溶接が遂行され得る。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る二次電池はデュアルビームおよびウォブリング工法を共に適用して、各構成の溶接時に結合力を高めながらも、異物が発生することを減らして溶接品質を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施例に係る二次電池を図示した斜視図である。
【
図2】本発明の実施例に係る二次電池を図示した断面図である。
【
図3a】本発明の実施例に係る二次電池に使われるレーザービームを図示したものである。
【
図3b】本発明の実施例に係る二次電池に使われるレーザービームを図示したものである。
【
図4】本発明の実施例に係る二次電池に使われる溶接領域を図示した写真である。
【
図5a】本発明の実施例に係る二次電池に使われる溶接領域を拡大図示した写真である。
【
図5b】本発明の実施例に係る二次電池に使われる溶接領域を拡大図示した写真である。
【
図6】素材によるレーザービームの吸収率を図示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明することにする。
【0017】
本発明の実施例は当該技術分野で通常の知識を有する者に本発明をさらに完全に説明するために提供されるものであり、下記の実施例は多様な他の形態に変形され得、本発明の範囲は下記の実施例に限定されるものではない。かえって、これらの実施例は本開示をさらに忠実かつ完全とし、当業者に本発明の思想を完全に伝達するために提供されるものである。
【0018】
また、以下の図面で各層の厚さや大きさは説明の便宜および明確性のために誇張されたものであり、図面上で同一符号は同一の要素を指し示す。本明細書で使われた通り、用語「および/または」は該当列挙された項目のうちいずれか一つおよび一つ以上のすべての組み合わせを含むことができる。また、本明細書で「連結され得る」という意味はA部材とB部材が直接連結される場合だけでなく、A部材とB部材の間にC部材が介在されてA部材とB部材が間接連結される場合も意味する。
【0019】
本明細書で使われた用語は特定の実施例を説明するために使われ、本発明を制限するためのものではない。本明細書で使われた通り、単数の形態は文脈上異なる場合を明確に指摘するものではない限り、複数の形態を含むことができる。また、本明細書で使われる場合、「含むことができる(comprise、include)」および/または「含む(comprising、including)」は言及した形状、数字、段階、動作、部材、要素および/またはこれらのグループの存在を特定するものであり、一つ以上の他の形状、数字、動作、部材、要素および/またはグループの存在または付加を排除するものではない。
【0020】
本明細書で第1、第2等の用語が多様な部材、部品、領域、層および/または部分を説明するために使われるが、これらの部材、部品、領域、層および/または部分はこれらの用語によって限定されてはならないことは自明である。これらの用語は一つの部材、部品、領域、層または部分を他の領域、層または部分と区別するためにのみ使われる。したがって、以下で詳細に説明する第1部材、部品、領域、層または部分は本発明の教えから逸脱することなく第2部材、部品、領域、層または部分を指し示すことができる。
【0021】
「下部(beneath)」、「下(below)」、「低い(lower)」、「上部(above)」、「上(upper)」のような空間に関連した用語が、図面に図示された一要素または特徴と他の要素または特徴の容易な理解のために利用され得る。このような空間に関連した用語は、本発明の多様な工程状態または使用状態によって本発明の容易な理解のためのものであり、本発明を限定するためのものではない。例えば、図面の要素または特徴がひっくり返されると、「下部」または「下」として説明された要素または特徴は「上部」または「の上に」となる。したがって、「下部」は「上部」または「下」を包括する概念である。
【0022】
図1は、本発明の実施例に係る例示的な二次電池を図示した斜視図である。
【0023】
図1に図示された例において、二次電池100は電極組立体110、第1端子120、第2端子130、ケース140およびキャップ組立体150を含むことができる。
【0024】
一部の例において、第1、2端子120、130はキャップ組立体150を貫通して上部に露出され得る。一部の例において、第1端子120は負極端子を含むかこれで指称され得、第2端子130は正極端子を含むかこれで指称され得る。
【0025】
一部の例において、第1端子120とキャップ組立体150の間に上部絶縁部材162が介在され得、第2端子130とキャップ組立体150の間に連結部材180が介在され得る。したがって、第1端子120とキャップ組立体150は相互間で電気的に絶縁(すなわち、分離)され得る。また、連結部材180が導電材質で構成された場合、第2端子130とキャップ組立体150は相互間で電気的に接続(すなわち、連結)され得、これに伴い、ケース140は、例えば、正(または負)に帯電され得る。
【0026】
一部の例において、ケース140は金属板を利用した深絞り工程や、金属板を利用した折り曲げおよび溶接工程によって形成され得、また、電極組立体110を収容しキャップ組立体150が装着され得る空間を有する略六面体の形態であり得る。一部の例において、ケース140は長辺と短辺を有する矩形の底部141と、底部141の各長辺からキャップ組立体150に向かって折り曲げられ延長された長辺部142、143と、底部141の各短辺からキャップ組立体150に向かって延びた短辺部144、145を含むことができる。一部の例において、ケース140はケース、ハウジングまたは外装材を含むかこれで指称され得る。
【0027】
一部の例において、キャップ組立体150はキャッププレート151、プラグ152および安全ベント153を含むことができる。これは以下で再び説明する。
【0028】
図2は、本発明の実施例に係る二次電池を図示した断面図である。
【0029】
図2に図示されたように、二次電池100は巻き取り軸が水平方向(すなわち、キャップ組立体150の長さ方向と略平行な方向)である電極組立体110を含むことができる。一部の例において、電極組立体は巻き取りタイプだけでなくスタックタイプを含んでもよい。
【0030】
電極組立体110は薄い板状あるいは膜状で形成された第1電極板111、セパレータ113、第2電極板112の積層体が巻き取りまたは重なって形成され得る。一部の例において、第1電極板111は負極の役割をすることができ、第2電極板112は正極の役割をすることができる。もちろん、その反対も可能である。一部の例において、第1電極板111は銅、銅合金、ニッケルまたはニッケル合金のような金属ホイルで形成された第1電極集電体に黒鉛または炭素などの第1電極活物質が塗布されて形成され、第1電極活物質が塗布されていない領域である第1電極未塗工部111aを含むことができる。一部の例において、第2電極板112はアルミニウムまたはアルミニウム合金のような金属ホイルで形成された第2電極集電体に遷移金属酸化物などの第2電極活物質が塗布されて形成され、第2電極活物質が塗布されていない領域である第2電極未塗工部112aを含むことができる。一部の例において、セパレータ113は第1電極板111と第2電極板112の間に位置してショートを防止し、リチウムイオンの移動を可能とする役割をし、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレンとポリプロピレンの複合フィルムを含むことができる。また、セパレータ113は多孔性高分子フィルム上に無機物層がコーティングされた機能性フィルムを含んでもよい。また、セパレータ113は液体またはゲル状態の電解液を必要としない硫化物系、酸化物系または燐酸塩化合物系のような無機物系固体電解質で代替されてもよい。前記のような電極組立体110の両側端部には第1電極板111と第2電極板112それぞれに電気的に連結される第1端子120および第2端子130が位置され得る。一部の例において、電極組立体110は電解液と共にケース140に収容され得る。一部の例において、電解液はEC(ethylene carbonate)、DMC(dimethyl carbonate)、DEC(diethyl carbonate)、EMC(ethyl-methyl carbonate)のような有機溶媒にLiPF6のようなリチウム塩を含むことができる。また、電解液は液体またはゲル状であり得る。一部の例において、無機物系固体電解質が使われる場合、電解液は省略されてもよい。
【0031】
第1端子120は金属で形成され、第1電極板111と電気的に連結され得る。一部の例において、第1端子120は第1集電板121、第1端子柱122および第1端子プレート123を含むことができる。
【0032】
一部の例において、第1集電板121は電極組立体110の一側端部に突出した第1電極未塗工部111aと接触し得る。実質的に、第1集電板121は第1電極未塗工部111aに溶接され得る。一部の例において、第1集電板121は概略「┐」の形態で形成され得る。一部の例において、第1集電板121には第1端子柱122が一体に形成され得、または第1端子柱122が別途に備えられて第1集電板121にリベッティングおよび/または溶接され得る。一部の例において、第1集電板121は銅または銅合金で製造され得る。また、第1集電板121が第1電極未塗工部111aに溶接される方式は、後述される通り、デュアルビームとウォブル構造を有するレーザー溶接が利用され得る。
【0033】
一部の例において、第1端子柱122は後述されるキャッププレート151を貫通して上部に一定の長さ突出して延び、キャッププレート151の下部で第1集電板121と電気的に連結され得る。また、一部の例において、第1端子柱122はキャッププレート151の長さ方向に沿って延びて第1端子柱122が抜けないようにするフランジ122aを含むことができる。第1端子柱122は第1集電板121と一体に形成されるか、第1集電板121に差し込まれた後にリベッティングおよび/または溶接され得る。一部の例において、第1端子柱122はキャッププレート151と電気的に絶縁され得る。一部の例において、第1端子柱122は銅、銅合金、アルミニウムまたはアルミニウム合金で製造され得る。第1端子プレート123はホール123aを含むことができ、このようなホール123aに第1端子柱122が結合されてリベッティングおよび/または溶接され得る。一部の例において、上部に露出された第1端子柱122と第1端子プレート123の間の界面が互いに溶接され得る。また、第1端子柱122が第1端子プレート123に溶接される方式も、後述される通り、デュアルビームとウォブル構造を有するレーザー溶接が利用され得る。
【0034】
また、一部の例において、第1端子プレート123にアルミニウムまたはアルミニウム合金で形成されたバスバー(図示されず)が溶接されて多数の二次電池が直列または並列で連結され得る。
【0035】
第2端子130も金属で形成され、第2電極板112と電気的に連結され得る。一部の例において、第2端子130は第2集電板131、第2端子柱132および第2端子プレート133を含むことができる。第2集電板131は電極組立体110の一側端部に突出した第2電極未塗工部112aと接触し得る。また、第2集電板131が第2電極未塗工部112aに溶接される方式は、後述される通り、デュアルビームとウォブル構造を有するレーザー溶接が利用され得る。
【0036】
一部の例において、第2集電板131には第2端子柱132が一体に形成されるか、第2端子柱132が別途に備えられて第2集電板131に差し込まれて結合される。このような第2集電板131は、例えば、限定するものではないが、アルミニウムまたはアルミニウム合金で製造され得る。
【0037】
第2端子柱132は後述されるキャッププレート151を貫通して上部に一定の長さ突出して延び、また、キャッププレート151の下部で第2集電板131と電気的に連結され得る。第2端子柱132はキャッププレート151の上部に一定の長さ突出して延びるとともに、キャッププレート151の下部に第2端子柱132が抜けないようにするフランジ132aを含むことができる。第2端子柱132でフランジ132aの下部に位置する領域は、第2集電板131に差し込まれた後にリベッティングおよび/または溶接され得る。一部の例において、第2端子柱132はアルミニウムまたはアルミニウム合金で製造され得る。
【0038】
第2端子プレート133はホール133aを含むことができ、このようなホール133aに第2端子柱132が結合され得る。また、第2端子柱132と第2端子プレート133は互いにリベッティングおよび/または溶接され得る。また、第2端子柱132が第2端子プレート133に溶接される方式も、後述される通り、デュアルビームとウォブル構造を有するレーザー溶接が利用され得る。
【0039】
併せて、第2端子プレート133にアルミニウムまたはアルミニウム合金のバスバー(図示されず)が溶接されることによって、多数の二次電池が直列または並列で連結され得る。一部の例において、第2端子プレート133はキャッププレート151と電気的に連結され得、したがって、以下で説明されるキャッププレート151およびケース140は第2端子130と同一の極性(例えば、正の極性)を有することができる。
【0040】
キャップ組立体150はケース140に結合され得る。一部の例において、キャップ組立体150はキャッププレート151を含むかこれで指称され得る。キャッププレート151はケース140の空間を密封し、ケース140と同一の材質で形成され得る。一部の例において、キャッププレート151はレーザー溶接方式でケース140に結合され得る。一部の例において、キャッププレート151は上述した通り、第2端子130と同一の極性を有することができるので、キャッププレート151およびケース140は同一の極性を有することができる。一部の例において、キャッププレート151は第1端子柱122と第2端子柱132がそれぞれ貫通する貫通ホールを含むことができる。一部の例において、キャッププレート151は電解液が注液される注液ホール151cと安全ベントが設置されるベントホール151dをさらに含むことができる。一部の例において、プラグ152が注液ホール151cを塞いでケース140の内側に収容された電解液が漏液されないようにすることができる。一部の例において、プラグ152は注液ホール151cに結合された後にキャッププレート151にレーザー溶接され得る。一部の例において、安全ベント153がベントホール151dを塞ぎ、ケース140の内部圧力が設定圧力より高くなると内部の高圧ガスを外部に放出することができる。一部の例において、安全ベント153がベントホール151dに結合された後にキャッププレート151にレーザー溶接され得る。
【0041】
一部の例において、第1端子柱122とキャッププレート151の貫通ホールの間に絶縁性シールガスケット161が介在され得る。すなわち、シールガスケット161がキャッププレート151の貫通ホール内側に形成され、第1端子柱122はシールガスケット161の貫通ホールを通じて上部に突出し得る。
【0042】
一部の例において、第1集電板121とキャッププレート151の間に下部絶縁部材162が介在され得る。また、一部の例において、第1端子プレート123とキャッププレート151の間に上部絶縁部材162が介在され得る。したがって、第1端子120はキャッププレート151と電気的に絶縁(分離)され得る。
【0043】
一部の例において、第2端子柱132とキャッププレート151の貫通ホールの間に絶縁性シールガスケット171が介在され得る。すなわち、シールガスケット171がキャッププレート151の貫通ホール内側に形成され、第2端子柱132はシールガスケット171の貫通ホール171aを通じて上部に突出し得る。また、一部の例において、第2端子プレート133とキャッププレート151の間に連結部材180が介在され得る。したがって、第2端子130はキャッププレート151に電気的に連結され得る。
【0044】
以下では、本発明の実施例に係る二次電池に使われる溶接方法をより具体的に説明することにする。
【0045】
図3aおよび
図3bは、本発明の実施例に係る二次電池に使われるレーザービームを図示したものである。
【0046】
まず、
図3aのデュアルビームが二次電池の溶接構造、例えば、前述した第1集電板121と第1電極未塗工部111aの間、第1端子柱122と第1端子プレート123の間、第2集電板131と第2電極未塗工部112aの間、第2端子柱132と第2端子プレート133の間の溶接に一次的に適用され得る。ただし、このような溶接構造は本構成間の溶接以外にも、本発明の実施例に係る二次電池の製造に必要な他の構成の結合に使われる溶接でも使われ得る。例えば、二次電池の構成のうち、ケース140とキャッププレート151の間の溶接にも同様に本溶接構造が適用され得る。
【0047】
一方、
図3aのデュアルビーム構造は、中央の円形である第1領域と、第1領域を環状に囲む第2領域で構成され得る。図示されたように、第1領域ではレーザービームが集中されて相対的に高いエネルギー密度を有するようになり、第2領域ではレーザービームが環状に沿って形成されて第1領域に比べて低いエネルギー密度を有するようになる。このようなデュアルビームは前述した被溶接対象である構成の境界面または重なった状態での溶接面に沿って移動することになり、これに伴い、構成の溶接がなされ得る。
【0048】
一方、
図3bに図示されたように、デュアルビームを通じての溶接の後、二次的に第2領域に沿ってウォブリング(wobble)工法を利用した溶接が遂行され得る。このようなウォブリング工法は略円弧を描きながら溶接が遂行されるものであり、第2領域に沿って追加的な溶接が遂行され得る。
【0049】
特に、ウォブリング工法はレーザーのスポットを高速回転させながら溶接を遂行する方法であり、微細なキーホールによって発生するスパッタを小さくできる長所を有する。より細部的には、ウォブリング工法はレーザーのスポットの大きさ、円形速度によるウォブルの直径、第2領域に沿って移動する線形溶接速度などの条件を変化させながら望む溶接効果を出すことができる。また、ウォブリング工法でレーザースポットを小さくするほど高い出力密度(Power Density)が得られるためウォブリング工法は多様な金属の溶接に使用可能であり、キーホールを安定的に生成できるためスパッタが生成されることを減らすことができ、HAZ(Heat Affected Zone)を減らすことができる。
【0050】
このように、第1溶接としてデュアルビーム、第2溶接としてウォブルが適用される場合、被溶接対象である構成に対して溶接信頼度を高め、特にスパッタのような金属異物が生成されることが減少し得る。したがって、本溶接を利用して製造された二次電池の信頼性および寿命を向上させることができる。
【0051】
以下では、本発明の実施例に係る二次電池での溶接領域をより具体的に説明することにする。
【0052】
図4は、本発明の実施例に係る二次電池に使われる溶接領域を図示した写真である。
図5aおよび
図5bは、本発明の実施例に係る二次電池に使われる溶接領域を拡大図示した写真である。
【0053】
図4に図示された通り、デュアルビームおよびウォブリング工法が適用された溶接領域に対して一部の領域が拡大されて
図5aおよび
図5bとして図示される。
【0054】
このうち
図5bを参照すると、ウォブリング工法によって生成された鋸歯の形状が拡大図示されている。ここで、ウォブリング工法の場合、レーザービームの焦点が回転するため、回転半径に沿って鋸歯の形状を有するウェーブビーズが形成され得る。そして鋸歯の形状で鋸歯の外郭(A)と内郭(B)の直径の差は5[μm]以上であり得る。直径の差が5[μm]以上の場合、ウォブリング工法によって形成された溶接部位で結合力が高くなる長所を有する。
【0055】
以下では、本発明の実施例に係る二次電池に使われ得る素材をより具体的に説明することにする。
【0056】
図6は、素材によるレーザービームの吸収率を図示したグラフである。
【0057】
図6を参照すると、各金属素材およびレーザービームの波長帯の吸収率の関係を確認することができ、吸収率を考慮して被溶接体の素材および使うレーザービームの波長を決定することができるようになる。例えば、銅(Cu)の場合、短波長では吸収率が高いが、波長が長くなるほど次第に吸収率が減少する傾向を見せ、赤外線(IR)領域帯では吸収率が約5%水準に低下する。
【0058】
また、アルミニウム(Al)の場合、短波長帯では変化が殆どないが可視光領域帯で次第に吸収率が増加し、赤色の可視光線で最大吸収率を見せてから再び減少する傾向を有する。また、赤外線(IR)領域帯では吸収率が約5%水準に低下していることが分かる。
【0059】
さらに他の例として、鉄(Fe)の場合、赤外線から可視光線に波長が増加するにつれて次第に吸収率が減少することが分かり、約1[μm]の波長帯で35%の吸収率を見せている。
【0060】
したがって、本発明の実施例に係る二次電池の場合、異種金属間の溶接を適用することができ、各構成の素材に応じて適切な波長帯のレーザービームを選択することが可能である。例えば、正極および負極に多く使われる銅(Cu)とアルミニウム(Al)の異種金属を溶接する場合、吸収率が類似する赤色可視光線およびその周辺波長帯のレーザービームを使って溶接を遂行することが可能である。
【0061】
また、本発明の実施例に係る二次電池は最適な吸収率の波長帯とともに、前述したデュアルビームおよびウォブリング工法を共に適用することにより、各構成の溶接時に結合力を高めながらも、異物が発生することを減らして溶接品質を高めることができる。
【0062】
以上で説明したものは本発明に係る二次電池を実施するための一つの実施例に過ぎず、本発明の実施例は前記の実施例に限定されず、以下の特許請求の範囲で請求する通り、本発明の要旨を逸脱することなく当該発明が属する分野で通常の知識を有する者であれば誰でも多様な変更実施が可能な範囲まで本発明の技術的精神があると言える。
【符号の説明】
【0063】
100 二次電池
110 電極組立体
120 第1端子
121 第1集電板
122 第1端子柱
123 第1端子プレート
130 第2端子
131 第2集電板
132 第2端子柱
133 第2端子プレート
140 ケース
150 キャップ組立体
151 キャッププレート
180 連結部材