(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】基材処理装置および方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20240122BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20240122BHJP
C23C 16/44 20060101ALI20240122BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
H01L21/68 N
C23C16/44 B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019162596
(22)【出願日】2019-09-06
【審査請求日】2022-08-23
(32)【優先日】2018-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】テオドルス・オーステルラーケン
【審査官】正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-533378(JP,A)
【文献】特開2001-156005(JP,A)
【文献】特開2013-021336(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0017503(US,A1)
【文献】特開2007-243201(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0137794(US,A1)
【文献】特開2004-119957(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
H01L 21/683
C23C 16/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材処理装置であって、
基材または基材キャリアを支持表面の上に支持するための支持表面が提供された基材支持体と、
前記支持表面を加熱するように構築および配置された支持ヒーターと
、
前記支持表面上に基材または基材キャリアが無い時に
、前記基材支持体を覆い、かつ遮蔽するように構築および配置された熱遮蔽体
と、を備え
、
前記熱遮蔽体が、前記基材支持体を保存するように構築および配置されたチャンバを少なくとも部分的に形成する、基材処理装置。
【請求項2】
前記熱遮蔽体で閉じられて、前記チャンバの中に前記基材支持体を保存するように構築および配置された前記チャンバを形成することができる陥凹部を前記装置が備える、請求項
1に記載の装置。
【請求項3】
前記チャンバが実質的に気密である、請求項
1に記載の装置。
【請求項4】
前記
熱遮蔽体が、前記基材支持体を断熱する断熱材を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
基材処理装置であって、
基材または基材キャリアを支持表面の上に支持するための支持表面が提供された基材支持体と、
前記支持表面を加熱するように構築および配置された支持ヒーターと、
前記支持表面上に基材または基材キャリアが無い時に、前記基材支持体を覆い、かつ遮蔽するように構築および配置された熱遮蔽体と、を備え、
前記
熱遮蔽体が、上部遮蔽体および円筒状の側部遮蔽体を備え、前記支持表面上に基材または基材キャリアが無い時に、前記基材支持体を覆い、かつ遮蔽するように概して円筒状のチャンバを画定するために、
前記上部遮蔽体および前記円筒状の側部遮蔽体が相互接続されている、
基材処理装置。
【請求項6】
基材または基材キャリアが前記支持表面上に無い時に、前記基材支持体を遮蔽するための前記覆いを移動するために、前記熱遮蔽体および前記基材支持体のうちの少なくとも一つを相互に対して動かすように構築および配置されたアクチュエータを前記装置が備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記装置が、前記基材支持体を垂直方向に移動するように構築および配置されたエレベーターを備える、請求項
6に記載の装置。
【請求項8】
前記装置が、前記熱遮蔽体および前記基材支持体のうちの少なくとも一つを水平方向に移動するように構築および配置された移動器を備える、請求項
6に記載の装置。
【請求項9】
前記基材支持体が、上部プレート、円筒状の側部プレート、および底部プレートを備え、これらのプレートが相互接続されて概して円筒状の容器を画定し、
前記上部プレートの外部表面が前記基材支持体の支持表面を画定し、かつ
前記容器が、前記上部プレートと前記底部プレートの間に延在する本体を画定し、この本体が前記支持ヒーターの少なくとも一部を収容する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記円筒状の容器の前記本体が断熱材をさらに収容し、かつ前記ヒーターの発熱部分が前記上部プレートに隣接して配置され、また前記断熱材が前記支持ヒーターの前記発熱部分の下方に配置される、請求項
9に記載の装置。
【請求項11】
前記発熱部分が断熱材の上に置かれる、請求項
10に記載の装置。
【請求項12】
反応空間を画定する反応チャンバと、前記
基材支持体が開口部を介して前記反応チャンバ内に少なくとも部分的に受容可能である開口部とをさらに備え、これによって、その上に支持された基材または基材キャリアが反応空間内に受容可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前
記基材処理装置が垂直熱炉であり、
前記反応チャンバが、ベルジャー型の反応管によって少なくとも部分的に形成され、かつ
前記基材支持体が、その下部端における前記開口部を介して前記反応管内に少なくとも部分的に受容可能であり、これによって、受容された状態にある前記
基材支持体が前記反応管の前記開口部を実質的に封鎖する、請求項
12に記載の装置。
【請求項14】
前記基材支持体の前記支持表面に接続され、かつ少なくとも一つの基材を保持するように構成された、基材キャリアをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
請求項1に記載の基材処理装置を提供することと、
前記基材キャリアの少なくとも一つの基材を交換し、一方で前記支持ヒーターで前記基材支持体の前記支持表面を加熱している間に前記熱遮蔽体で前記基材支持体を覆うことと、
前記支持表面上の前記基材キャリアを支持するために、前記基材支持体および前記熱遮蔽体を相互に対して移動することと、
前記基材キャリア内の前記基材を反応器の中へと移動することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は基材処理装置および方法の分野に関する。より具体的には、本開示は、基材または基材キャリアを支持表面の上で支持するための支持表面が提供された基材支持体と、支持表面を加熱するように構築および配置された支持ヒーターとを備える基材処理装置に関し、またこうした装置を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
垂直バッチ炉内の複数の基材(例えば、半導体ウエハ)の同時処理は、基材担体(例えば、ウエハボート)に積み重ねられたすべてのウエハを、それぞれの表面領域にわたって実質的に同じプロセス条件にどのようにさらすかという問題を提示する。一つのこうしたプロセス条件は、温度均一性である。バッチのウエハにわたって均一な処理結果をうるために、そのウエハの各々は、好ましくは、処理チャンバの側壁に近接し、プロセスチャンバの上部壁に近接して配置された加熱手段によって、共通の温度に実質的に均一に加熱されうる。
【0003】
特に基材ボート内の上部のウエハに関しては、ウエハ同士の間の温度の均一性は、概して著しい問題はないが、一方でウエハの中の温度均一性(炉の構造における非対称性に起因する)は任意のボート回転機構によって強まる場合がある。しかしながら、垂直バッチ炉では、ウエハボート内の下部のウエハの温度均一性は、制御が困難であることを示す場合がある。これは、それらが炉の比較的低温の下方のドアゾーンに近接して位置するという事実に起因しうる。これらの場所の影響を軽減するために、下からウエハボートを支持する台座には、下方のウエハを加熱するための支持ヒーターが提供されてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
支持ヒーターは、必要でない時も基材支持体および周囲を加熱する場合がある。後者は、基材支持体内の基材が冷却されるために、およびウェハハンドラーで交換されるために反応器の外へと移動されうる時に生じる場合がある。この加熱は、基材支持体の不均一な加熱、基材支持体内の基材のより遅い冷却、および/または基材の取り扱い中の気流の乱れにつながる場合がある。
【0005】
従って、改良された基材処理装置を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この「発明の概要」は、選択された複数の概念を簡略化した形態で紹介するために提供されている。これらの概念について、以下の本開示の例示的な実施形態の「発明を実施するための形態」において、さらに詳細に説明する。本発明の概要は、請求項に記載の主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図しておらず、請求項に記載の主題の範囲を限定するために使用されることを意図していない。
【0007】
一実施形態によると、改良された基材処理装置が提供されている。基材処理装置は、基材または基材キャリアを支持表面の上で支持するための支持表面が提供された基材支持体と、支持表面を加熱するように構築および配置された支持ヒーターとを備える。装置は、基材または基材キャリアが支持表面上に無い時に、基材支持体を覆いかつ遮蔽するように構築および配置された熱遮蔽体を備える。
【0008】
さらなる実施形態によると、
基材支持体の支持表面を支持ヒーターで加熱する間に熱遮蔽体で基材支持体を覆う間に、基材キャリアの少なくとも一つの基材を交換することと、
基材支持体および熱遮蔽体を、支持表面上の基材キャリアを支持するために相互に対して移動することと、
基材キャリア内の基材を反応器の中へと移動することと、を含む、方法が提供されている。
【0009】
先行技術を超えて達成される本発明および利点を要約する目的で、本発明のある特定の目的および利点が本明細書において上記に説明されている。当然のことながら、必ずしもこうした目的または利点のすべてが本発明の任意の特定の実施形態によって達成されなくてもよいことが理解されるべきである。それ故に、例えば本明細書に教授または示唆する通り、一つの利点または一群の利点を達成または最適化する方法で、本明細書で教授または示唆されうる通りの他の目的または利点を必ずしも達成することなく、本発明が具体化または実行されてもよいことを当業者は認識するであろう。
【0010】
これらの実施形態のすべては、本明細書に開示する本発明の範囲内であることが意図されている。当業者には、これらのおよび他の実施形態は、添付の図面を参照して、以下のある特定の実施形態の発明を実施するための形態から容易に明らかとなり、本発明は、開示されるいかなる特定の実施形態にも限定されない。
【0011】
本明細書は、本発明の実施形態と見なされるものを具体的に指摘し、明確に主張する特許請求の範囲で結論付ける一方で、本開示の実施形態の利点は、添付の図面と併せて読むと、本開示の実施形態のある特定の実施例の記述から、より容易に確定されうる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、回転可能な台座とヒーターの組み合わせを含む垂直バッチ炉の概略断面側面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す垂直バッチ炉の台座セクションの拡大断面側面図である。
【
図3】
図3a~
図3dは、実施形態による例示的な垂直熱炉を概略的に図示する。
【
図4】
図4は、さらなる実施形態による別の例示的な垂直熱炉を概略的に図示する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ある特定の実施形態および実施例を以下に開示するものの、本発明が、具体的に開示される本発明の実施形態および/または使用、ならびにその明白な修正および均等物を超えて拡大することは、当業者によって理解されるであろう。それ故に、開示される本発明の範囲は、以下に説明される特定の開示される実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。本明細書に提示される図は、いずれかの特定の材料、構造、または装置の実際の図であることを意味せず、本開示の実施形態を説明するために使用される、単に理想化された表現にすぎない。
【0014】
本明細書で使用される「基材」または「ウエハ」という用語は、使用されうる、または装置、回路、もしくは膜が上に形成されうる任意の下地材料(複数可)を指しうる。「半導体装置構造」という用語は、処理された、または部分的に処理された半導体構造の任意の部分であって、半導体基材の上またはその中に形成される半導体装置の能動部品または受動部品の少なくとも一部分を含む、またはそれらを画定する、半導体構造の任意の部分を指しうる。例えば、半導体装置構造としては、集積回路の能動部品および受動部品、例えばトランジスタ、メモリ素子、トランスデューサ、コンデンサ、抵抗器、導電線、導電性ビア、導電性コンタクトパッドなどが挙げられうる。
【0015】
図1および
図2は、垂直熱処理炉または反応器1を断面側面図で概略的に図示する。炉1は単一管タイプのものであってもよく、また概してベルジャー型の反応管10を含んでもよい。反応管10は、基材(例えばウエハ)が処理されうる反応空間14を画定する反応チャンバ12を区切ってもよい。
【0016】
反応管10は、電力供給源(図示せず)によって給電される電気抵抗式加熱コイル18などの、反応空間14内に受容されたウエハを加熱するための管ヒーターによって取り囲まれても、または囲まれてもよい。管ヒーター18は、反応管10を囲むまたは取り囲む断熱性スリーブ16に固定されてもよい。反応管10は、概して管状の、例えば円形または多角形の断面形状を有してもよく、また中心軸Lに沿って延在してもよい。製造材料に関しては、反応管10は、石英、炭化ケイ素、シリコン、または別の好適な耐熱材料で作製されてもよい。反応管10はその下部の開口端で、中央炉開口部22を画定するフランジ20上に支持されてもよく、この中央炉開口部を介してウエハボート24が反応チャンバ12に入る、および/または出ることができる。
【0017】
複数のスロット26(例えば10~300個、好ましくは25~250個)を含んでもよく、これらが同数の半導体ウエハ28(そのうちの1枚のみを
図1および
図2に示す)を保持するためのものである、ウエハボート24(基材キャリア)は、基材支持体32(例えば、支持組立品30の台座)の支持表面34の上に支持されてもよい。基材支持体32は、軸受(例えば、ローラー軸受、流体軸受、または磁気軸受)によって、ドアプレートまたはシールキャップ42上に取り付けられてもよい。それぞれ処理の開始時および終了時に、基材支持体32およびウエハボート24を反応チャンバ12の中へと上げ、また反応チャンバ12から下ろすことができるように、エレベーターまたはリフト(図示せず)を使用してもよい。反応チャンバ12を気密の方法で確実に密封することができるように、炉1の下部に、特に反応管10とフランジ20の間、およびフランジ20とドアプレート42の間に、幾つかのエラストマー製のOリング46を採用してもよい。
【0018】
基材支持体32は、断熱材38で少なくとも部分的に充填されてもよく、これはドアプレート42およびフランジ20の両方のための熱遮蔽体として機能することができ、炉1の下部部分を介して熱損失を低減することができる。断熱材38は、容器36の壁に対して移動可能(回転可能)な底部プレート39上に置かれる。基材支持体32は、支持ヒーター50をさらに収容してもよい。
【0019】
ウエハボート24内のウエハ28(下部)をその全表面にわたって加熱することができるようにするために、支持表面34の下には、支持表面34の面積にほぼ等しい面積を覆うように支持ヒーター50が広げられてもよい。描写された実施形態において、ヒーターは断熱材38および底部プレート39に固定的に接続される。支持ヒーター50に(電気的に)接続するための上向きに延在する接続部分52は、断熱材38の中に包埋され、一方で水平に延在する部分はその上に置かれる。
【0020】
モーター駆動は、反応チャンバ12の中央軸Lを中心に基材支持体32を回転させるように提供されてもよい。ウエハボート24は基材支持体32に強固に接続されているため、それとともに回転することになる。ドアプレート42と、炉1の固定構造の残りの部分(例えば、反応管10および断熱スリーブ16)とは、基材支持体32の容器36の回転中、静止したままである。底部プレート39、断熱材38、および支持ヒーター50も、容器36の回転中、静止したままであることが好ましい。これは、ドアプレート42などの基材支持体32の回転軸Lに対して回転不能に取り付けられた炉1の静止部に、断熱材38および支持ヒーター50を有する底部プレート39を固定的にまたは強固に接続することによって特に行われてもよい。
【0021】
基材支持体32は、上部プレート、円筒状側部プレート、および底部プレートを備えてもよく、これらのプレートは概して円筒状の容器36を画定するように相互接続されてもよい。上部プレートの外部表面は、基材支持体30の支持表面34を画定しうる。容器36は、上部プレートと底部プレートの間に延在する本体を画定してもよく、この本体は支持ヒーター50の少なくとも一部を収容する。
【0022】
円筒状容器36の本体は、断熱材38をさらに収容してもよい。支持ヒーター50は、上部プレートに隣接して配置されてもよく、また断熱材38は、断熱材38上に置かれてもよい支持ヒーター50の下方に配置されてもよい。
【0023】
別の方法として、支持ヒーター50は回転可能に取り付けられてもよい。こうした場合、支持ヒーター50の回転運動は、例えば基材支持体32が支持ヒーター50に対して回転することを確実にする適切なギア比/速度比を有するギア機構または流体継ぎ手によって、基材支持体32の回転運動に機械的に連動してもよい。回転可能に取り付けられた支持ヒーター50にはまた、基材支持体32が駆動される角速度とは異なる角速度で支持ヒーターを回転させるように構成された専用のモーター駆動装置が提供されてもよい。
【0024】
支持ヒーター50は、必要でない時も基材支持体および周囲を加熱する場合がある。後者は、基材支持体32内の基材が冷却されるために、およびウェハハンドラー(図示せず)で交換されるためにエレベーター(図示せず)で反応器の外へと移動されうる時に生じる場合がある。この加熱は、支持ヒーター50が、基材の装填中に既に、基材キャリア(例えば、ウエハボート24)の下部、および下部にある基材28を加熱する場合があるため、基材28の不均一な加熱につながる場合がある。また、基材キャリア(例えば、ウエハボート24)内の基材28の冷却は、支持ヒーター50が高温になっているため、はるかにより遅い場合がある。基材取り扱い中の気流はまた、高温である支持ヒーター50によって乱される場合がある。例えば、高温の基材支持体によって上向きの流れが作り出される場合があり、一方で基材上の粒子汚染を回避するために下向きの流れが好ましい場合がある。支持ヒーター50のスイッチを一時的にオフにすることは、加熱時間の増加につながる場合があるため、実行可能な解決策ではない場合がある。
【0025】
図3a~
図3dは一実施形態による例示的な垂直熱炉を概略的に図示し、この実施形態においては、基材または基材キャリアが支持表面上に無い時に、基材支持体を覆い、かつ遮蔽するように、構築および配置された熱遮蔽体が、基材支持体32の上に移動されうる。
図3a~
図3dの考察を不明瞭にしないために、
図1および
図2と同一の参照番号が類似の構成要素に使用される。しかしながら、
図3a~
図3dに描写された様々な構成要素の物理的特性および様々な構成要素の間の関係は、
図1および
図2のものとは異なる場合があることが理解される。
図3a~
図3dに示す垂直熱炉のその他の構成要素は、上述の従来の炉1の対応する構成要素と概して同一でありうる。ここで、
図3a~
図3dの例示的な垂直熱炉を参照しながら、本実施形態は一般論として解明されうる。基材28または基材キャリア24が支持表面上に無い時に、基材キャリアと基材支持体32の周囲との加熱は、熱遮蔽体で避けられる場合がある。
【0026】
図3aでは、基材支持体32上で支持された基材キャリア24内の基材は、反応チャンバ12内で処理されうる。反応チャンバ12は、ドアプレート42で閉じられてもよく、また基材は管ヒーター(図示せず)および支持ヒーター50で加熱されてもよい。基材28が反応チャンバ12内で処理された後、基材支持体32内の基材は、反応チャンバ12の外へと移動されて冷却されてもよい(
図3bを参照)。従って装置は、熱遮蔽体および基材支持体32のうちの少なくとも一つを相互に対して移動させるように構築および配置されたアクチュエータを備えてもよい。例えば、装置は、基材支持体32を垂直方向に移動させるように構築および配置されたエレベーター59を備えてもよい。エレベーター59は、モーター67によって駆動されるスピンドル65に沿って移動可能であってもよい移動部分63を有してもよい。
【0027】
図3cに示す通り、基材キャリア24は、エレベーターで反応チャンバ12の外へと完全に移動されてもよい。その後、反応チャンバ12は反応チャンバドア35で閉じられてもよい。反応チャンバドア35を閉じると、周囲を加熱しない間、反応チャンバ12を正しい温度に保つことがより簡単になりうる(冷却位置にある基材キャリア、例えばウエハボート24を含む)。
【0028】
基材キャリア24は、
図3dに示す通り、基材支持体32から分離されてもよい。基材支持体32は、熱遮蔽体57で覆われてもよい。装置は、基材支持体32を覆い、かつ遮蔽するために、熱遮蔽体57および基材支持体32のうちの少なくとも一つを水平方向に移動させるよう構築および配置された移動器を備えてもよい。熱遮蔽体57は、基材または基材キャリア24が支持表面34上に無い時に、基材支持体32を覆い、かつ遮蔽してもよい。基材28または基材キャリア24が支持表面34上に無い時に、熱遮蔽体57によって、基材キャリア24と基材支持体32の周囲との加熱が避けられる場合がある。
【0029】
熱遮蔽体57は、基材支持体32をチャンバの中に保存するように構築および配置されたチャンバを少なくとも部分的に形成する。チャンバは、チャンバ内に熱を保つために実質的に気密であってもよい。熱遮蔽体は、基材キャリア24および基材支持体32の周囲から基材支持体32を断熱する断熱材を含んでもよい。
【0030】
炉のドアプレート42は、チャンバの一部を形成してもよい。熱遮蔽体は上部遮蔽体および円筒状の側部遮蔽体を備えてもよく、支持表面上に基材または基材キャリア24が無い時に、基材支持体32を覆い、かつ遮蔽するように概して円筒状のチャンバを画定するために、これらの遮蔽体は相互接続される。概して円筒状のチャンバの開口部は、炉のドアプレート42で閉じられてもよい。
【0031】
図4はさらなる実施形態による例示的な垂直熱炉を概略的に図示し、この実施形態においては、基材または基材キャリアが支持表面上に無い時に、基材支持体を覆い、かつ遮蔽するように構築および配置された熱遮蔽体が、基材支持体32の上に移動されうる。考察を不明瞭にしないために、
図1~
図3と同一の参照番号が類似の構成要素に使用される。しかしながら、
図4に描写された様々な構成要素の物理的特性、および様々な構成要素の間の関係は、
図1~
図3のものとは異なる場合があることが理解される。
【0032】
図4は、基材支持体32をその中に保存するように構築および配置されたチャンバを形成するために熱遮蔽体57で閉じられてもよい陥凹部69を備える装置を開示する。陥凹部69および熱遮蔽体57は、基材キャリア24および基材支持体32の周囲から基材支持体32を断熱してもよい。
【0033】
図1の装置1では、基材支持アセンブリ30は、(仮想)回転軸Lに対して回転可能に取り付けられてもよい基材支持体32を含んでもよい。基材支持体32は、回転軸Lを中心とする概して円筒状の容器36を含んでもよい。容器36は、上部壁、円筒ジャケット形状の側壁、および底部壁を含んでもよく、これらの壁は相互接続されて容器36を形成する。上部壁および底部壁は、実質的に平坦であることが好ましい。容器36の上部壁は、外側の上向きの基材支持体表面34を提供する場合がある。回転軸Lはこの基材支持体表面34を通して延在してもよく、かつこれに対して垂直であることが好ましい。
【0034】
上部壁と底部壁の間に延在する容器の本体は、2本の本体部品を画定してもよい。上部壁に隣接する第一の本体部品は、支持ヒーター50の発熱部分を受容するための内部空間を画定してもよい。底部壁に隣接する第二の本体は、断熱材38で充填されてもよい、回転軸Lの周りの内部環状空間を画定してもよい。断熱材は、容器36との静止した回転不能の関係にあってもよい。
【0035】
容器36は、第一の本体部分から第二の本体部分およびその中に提供された断熱材を通って延在する中空シャフトをさらに画定し、そしてこの中空シャフトは支持ヒーター50用の接続部分52を自由に収容してもよい。底部壁は、円筒ジャケット形状の、外向きに延在する突出部、もしくは回転軸Lを中心とする駆動シャフトを含んでもよく、またはそれに接続されてもよく、そしてこの駆動シャフトは本体部品の外径より著しく小さい外径を有する。駆動シャフトは、円筒状容器36の本体の内部へのアクセスを提供する通路を画定してもよい。駆動シャフトを有する基材支持体に関するより詳細な情報は、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第9,018,567号から導出されてもよい。
【0036】
基材支持体組立品30は、支持ヒーター50をさらに含んでもよい。支持ヒーター50は発熱部分を備えてもよい。接続部分52は、第一の下部端および第二の上部端を有する細長い形状または真っ直ぐな形状を有してもよい。これは中空シャフトを通して上向きに自由に延在してもよい。接続部分52の第二の上部端はシャフトを通り抜けたところで、支持ヒーター50の発熱部分に接続されてもよい。発熱部分は、実質的に平面状であってもよく、また支持表面34の下にあり、これに隣接し、かつこれに平行な平面内に延在してもよく、また支持表面34の面積と実質的に等しい面積を覆ってもよいことが好ましい。好ましい実施形態において、支持ヒーター50の発熱部分は、(平面状)加熱スパイラルなどの電気抵抗式ヒーターを含んでもよく、その中心点は電力のために接続部分52の第二の端に接続されてもよい。
【0037】
支持組立品30はまた、描写された垂直炉1において炉のドアプレート42を含みうる基部も含んでもよい。基材支持体32は、軸受44によってこの基部42上に回転可能に取り付けられてもよい。軸受44は、好ましくはその下部端(すなわち、基材支持体表面34に対して遠位の端)で基材支持体32に接続してもよく、これによって軸受44は基材支持体32の実質的に下方に配置され、かつ支持表面34上に支持されている基材28がさらされる処理雰囲気から遮蔽される。描写された実施形態において、軸受44は、容器36の底部壁から延在する駆動シャフト突出部と係合する。接続部分52の第一の下部端は、基部42に固定的/回転不能に取り付けられてもよい。一実施形態において、支持ヒーター50は、基部42に接続するその接続部分52から離れて、このヒーターがその位置または構成を維持することを確実にするための外部の物理的支持体が無いという意味で、自己支持されてもよい。支持ヒーター50は、回転可能に取り付けられた基材支持体32に特に機械的に接触しない。
【0038】
モーター駆動は、基部42に対してその中心軸Lを中心に、それ故に支持ヒーター50の搬送部分52を中心に基材支持体32を回転させるように提供されてもよい。その結果、支持表面34の上に配置された、かつ一つ以上のウエハ28を保持する基材キャリア24を、加熱手段18に対して、および支持ヒーター50に対して回転して、加熱手段18および支持ヒーター50の発熱部分の加熱プロファイルにおける不均一をウエハ上に有する場合がある影響を平均化しうる。
【0039】
下部ウエハの温度均一性をさらに最適化するために、支持ヒーター50は、2つ以上のゾーンを備えてもよく、各ゾーンの発熱部分は、基材支持体表面34の一部のみにわたって延在する。例えば、第一のゾーンは、支持表面34の中央領域にわたって延在してもよく、また第二のゾーンは支持表面34の外側領域にわたって延在してもよい。別の実施形態において、第一のゾーンは、支持表面34の第一の接線方向に延在する領域にわたって延在してもよく、また第二のゾーンは、支持表面34の第二の接線方向に延在する領域にわたって延在してもよい。各ゾーンは、接続部分52内に2本のリード線を備える。
【0040】
本発明の例示的な実施形態が添付図面を部分的に参照して上記に説明されているものの、本発明はこれらの実施形態に限定されないことが理解されるべきである。本開示の実施形態に対する変形は、請求項に係る発明を実施する当業者によって、図面、本開示、および添付の特許請求の範囲の検討から、理解、達成されることができる。
【0041】
本明細書全体を通して、「一実施形態(one embodiment)」または「一実施形態(an embodiment)」とは、実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも一つの実施形態に含まれることを意味する。それ故に、本明細書全体の様々な個所での「一実施形態において(in one embodiment)」または「一実施形態において(in an embodiment)」という句の使用は、必ずしもすべてが同一の実施形態を指すわけではない。さらに、一つ以上の実施形態の特定の特徴、構造、または特性は、明示的に説明されていない新しい実施形態を形成するために任意の好適な様態で組み合わせられうることに留意されたい。