(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-19
(45)【発行日】2024-01-29
(54)【発明の名称】コイル構造体及びその製造方法、リードフレーム、インダクタ
(51)【国際特許分類】
H01F 17/00 20060101AFI20240122BHJP
H01F 17/06 20060101ALI20240122BHJP
H01F 27/28 20060101ALI20240122BHJP
H01F 41/04 20060101ALI20240122BHJP
【FI】
H01F17/00 D
H01F17/06 F
H01F27/28 152
H01F41/04 C
(21)【出願番号】P 2020082671
(22)【出願日】2020-05-08
【審査請求日】2022-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000190688
【氏名又は名称】新光電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】林 真太郎
【審査官】秋山 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-065007(JP,A)
【文献】特開2019-117829(JP,A)
【文献】特開2010-028017(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0343471(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 17/00
H01F 17/06
H01F 27/28
H01F 41/04
H01F 30/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の金属板が積層されたコイル構造体であって、
各々の前記金属板は、渦巻き状の導線部と、前記導線部の両端に前記導線部よりも厚く形成された端部厚板部と、前記端部厚板部と同一厚さに形成され、前記導線部が形成する渦巻きの内側に前記導線部と離間して配置された内側厚板部と、を備え、
各々の前記金属板が積層されて、隣接する前記金属板の前記端部厚板部の片方同士が接合されて、各々の前記金属板の前記導線部が直列に接続された螺旋状のコイルを形成すると共に、隣接する前記金属板の前記内側厚板部同士が接合されて磁心を形成するコイル構造体。
【請求項2】
各々の前記金属板は、前記端部厚板部と同一厚さに形成され、前記導線部が形成する渦巻きの外側に配置された支持部を備え、
前記支持部は、前記導線部と電気的に独立しており、
隣接する前記金属板の一方が有する前記支持部は、隣接する前記金属板の他方が有する前記端部厚板部又は前記支持部と接合されている請求項1に記載のコイル構造体。
【請求項3】
直列に接続された前記導線部の一端側の前記端部厚板部及び一端側の前記端部厚板部と積層される他の前記金属板の前記支持部と、
直列に接続された前記導線部の他端側の前記端部厚板部及び他端側の前記端部厚板部と積層される他の前記金属板の前記支持部は、外部接続端子となる請求項2に記載のコイル構造体。
【請求項4】
個片化されるとインダクタとなる複数の製品領域と、
各々の前記製品領域を周辺側から支持する枠部と、を有し、
前記導線部、前記端部厚板部、及び前記内側厚板部は、各々の前記製品領域に形成されている請求項1乃至3の何れか一項に記載のコイル構造体。
【請求項5】
前記内側厚板部は、前記導線部と同一厚さに形成された接続部を介して前記枠部に支持されている請求項4に記載のコイル構造体。
【請求項6】
前記枠部は各辺の長さが等しい額縁状に形成され、
各々の前記金属板の前記導線部、前記端部厚板部、及び前記内側厚板部は、同一パターンに形成され、各々の前記金属板が90度ずつ回転しながら積層されている請求項4又は5に記載のコイル構造体。
【請求項7】
前記枠部は、前記導線部と同一厚さの第1部分と、前記端部厚板部及び前記内側厚板部と同一厚さの第2部分と、を備えている請求項5又は6に記載のコイル構造体。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載のコイル構造体と、
直列に接続された前記導線部の一端側の前記端部厚板部の一部、及び直列に接続された前記導線部の他端側の前記端部厚板部の一部が露出するように前記コイル構造体を被覆する封止樹脂と、を有するインダクタ。
【請求項9】
渦巻き状の導線部と、前記導線部の両端に前記導線部よりも厚く形成された端部厚板部と、前記端部厚板部と同一厚さに形成され、前記導線部が形成する渦巻きの内側に前記導線部と離間して配置された磁心となる内側厚板部と、
前記導線部、前記端部厚板部、及び前記内側厚板部と直接または間接に接続された枠部と、を備え
、
前記内側厚板部は、前記導線部と同一厚さの磁心接続部を介して、前記枠部と接続されているリードフレーム。
【請求項10】
複数の金属板が積層されたコイル構造体の製造方法であって、
板状の金属をパターニングして、渦巻き状の導線部と、前記導線部の両端に前記導線部よりも厚く形成された端部厚板部と、前記端部厚板部と同一厚さに形成され、前記導線部が形成する渦巻きの内側に前記導線部と離間して配置された内側厚板部と、を備えた複数の前記金属板を形成する工程と、
各々の前記金属板を積層する工程と、を有し、
前記積層する工程では、隣接する前記金属板の前記端部厚板部の片方同士が接合されて、各々の前記金属板の前記導線部が直列に接続された螺旋状のコイルを形成すると共に、隣接する前記金属板の前記内側厚板部同士が接合されて磁心を形成するように、各々の前記金属板を積層するコイル構造体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル構造体及びその製造方法、リードフレーム、インダクタに関する。
【背景技術】
【0002】
電気回路において、電流の安定化や電圧の変換等の目的でインダクタが用いられる場合がある。近年、ゲーム機やスマートフォン等の電子機器の小型化が加速化しており、これに伴って、このような電子機器に搭載されるインダクタに対しても小型化の要求がなされており、表面実装型のインダクタが提案されている。
【0003】
このような電子機器に搭載されるインダクタとしては、例えば、薄い金属板から形成された巻き線を有するコイル構造体を樹脂で封止した構造が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、薄い金属板から形成された巻き線を有するコイル構造体において、大きな誘導起電力を得ることは困難であった。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、大きな誘導起電力を得ることが可能なコイル構造体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本コイル構造体は、複数の金属板が積層されたコイル構造体であって、各々の前記金属板は、渦巻き状の導線部と、前記導線部の両端に前記導線部よりも厚く形成された端部厚板部と、前記端部厚板部と同一厚さに形成され、前記導線部が形成する渦巻きの内側に前記導線部と離間して配置された内側厚板部と、を備え、各々の前記金属板が積層されて、隣接する前記金属板の前記端部厚板部の片方同士が接合されて、各々の前記金属板の前記導線部が直列に接続された螺旋状のコイルを形成すると共に、隣接する前記金属板の前記内側厚板部同士が接合されて磁心を形成する。
【発明の効果】
【0008】
開示の技術によれば、大きな誘導起電力を得ることが可能なコイル構造体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係るコイル構造体を例示する平面図である。
【
図2】
図1(a)の1つの製品領域の斜視図である。
【
図3】積層前の各金属板の製品領域の近傍を例示する平面図(その1)である。
【
図4】積層前の各金属板の製品領域の近傍を例示する平面図(その2)である。
【
図5】積層前の各金属板の製品領域の近傍を例示する平面図(その3)である。
【
図6】第1金属板10のA-A線~K-K線に沿う断面図である。
【
図7】コイル構造体1の
図3(a)のA-A線、B-B線に沿う断面図である。
【
図8】コイル構造体1の
図3(a)のC-C線、D-D線に沿う断面図である。
【
図9】コイル構造体1の
図3(a)のE-E線、F-F線に沿う断面図である。
【
図10】コイル構造体1の
図3(a)のG-G線、H-H線に沿う断面図である。
【
図11】コイル構造体1の
図3(a)のI-I線、J-J線に沿う断面図である。
【
図12】コイル構造体1の
図3(a)のK-K線に沿う断面図である。
【
図13】第1実施形態に係るコイル構造体の製造工程を例示する図(その1)である。
【
図14】第1実施形態に係るコイル構造体の製造工程を例示する図(その2)である。
【
図15】第1実施形態に係るインダクタの製造工程を例示する図である。
【
図16】第1実施形態に係るインダクタを例示する斜視図である。
【
図17】第1実施形態に係るインダクタの実装方法を説明する断面図である。
【
図18】第1実施形態の変形例1に係るコイル構造体を例示する平面図である。
【
図19】積層前の各金属板の製品領域の近傍を例示する平面図(その1)である。
【
図20】積層前の各金属板の製品領域の近傍を例示する平面図(その2)である。
【
図21】第1金属板70のA-A線~I-I線に沿う断面図である。
【
図22】コイル構造体3の
図19(a)のA-A線、B-B線に沿う断面図である。
【
図23】コイル構造体3の
図19(a)のC-C線、D-D線に沿う断面図である。
【
図24】コイル構造体3の
図19(a)のE-E線、F-F線に沿う断面図である。
【
図25】コイル構造体3の
図19(a)のG-G線、H-H線に沿う断面図である。
【
図26】コイル構造体3の
図19(a)のI-I線に沿う断面図である。
【
図27】第1実施形態の変形例1に係るインダクタを例示する斜視図である。
【
図28】第1実施形態の変形例1に係るインダクタの実装方法を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0011】
〈第1実施形態〉
図1は、第1実施形態に係るコイル構造体を例示する平面図であり、
図1(a)は全体図、
図1(b)は
図1(a)の1つの製品領域Mの近傍の拡大図である。
図2は、
図1(a)の1つの製品領域の斜視図であり、
図2(a)は磁心部が有る状態、
図2(b)は便宜上磁心部を除去した状態を図示している。又、コイル構造体1は、第1金属板~第6金属板が順次積層された6層構造であるが、
図2(a)及び
図2(b)では、便宜上、第1金属板から第3金属板までの3層を図示している。
【0012】
図1(a)、
図1(b)、及び
図2を参照すると、コイル構造体1は、2以上の金属板が積層され、上下に隣接する金属板同士が互いに接合された構造である。複数の金属板は最低2枚あればよく、この場合2層構造となるが、本実施形態では、第1金属板10、第2金属板20、第3金属板30、第4金属板40、第5金属板50、及び第6金属板60が順次積層された6層構造のコイル構造体1について例示する。
【0013】
コイル構造体1は、平面視において、縦横に配列された複数の製品領域Mを有している。各々の製品領域Mは、コイル構造体1の全体が樹脂封止された後に個片化されてインダクタとなる領域である。各々の製品領域Mの周囲には、各々の製品領域Mを周辺側から支持する額縁状の枠部Nが形成され、隣接する枠部N同士は一体形成されて互いに連結している。各々の製品領域Mの略中央部には、磁心Cが配置されている。磁心Cの平面形状は、例えば、正方形状や長方形状等の矩形状となる。なお、
図1(a)では、一例として、製品領域Mが18個(3行6列)配列されているが、これには限定されない。
【0014】
図3~
図5は、積層前の各金属板の製品領域の近傍を例示する平面図である。具体的には、
図3(a)は、第1金属板10の平面図である。
図3(b)は、第2金属板20の平面図である。
図4(a)は、第3金属板30の平面図である。
図4(b)は、第4金属板40の平面図である。
図5(a)は、第5金属板50の平面図である。
図5(b)は、第6金属板60の平面図である。
【0015】
なお、第1金属板10、第2金属板20、第3金属板30、第4金属板40、第5金属板50、及び第6金属板60は、各々が
図1(a)と同様の平面形状であり、
図3(a)~
図5(b)は、各金属板の
図1(b)に対応する部分(1つの製品領域の近傍)を例示したものである。又、
図3(a)~
図5(b)において、灰色の部分は薄板部、梨地模様の部分は薄板部よりも厚く形成されて薄板部よりも下側に突起する厚板部を示している。薄板部と厚板部は、一体に形成されている。
【0016】
図3~
図5において、製品領域Mのうち、第1金属板10の製品領域をM1、第2金属板20の製品領域をM2、第3金属板30の製品領域をM3、第4金属板40の製品領域をM4、第5金属板50の製品領域をM5、第6金属板60の製品領域をM6とする。又、
図3~
図5において、枠部Nのうち、第1金属板10の枠部をN1、第2金属板20の枠部をN2、第3金属板30の枠部をN3、第4金属板40の枠部をN4、第5金属板50の枠部をN5、第6金属板60の枠部をN6とする。
【0017】
図6は、第1金属板10の
図3(a)のA-A線~K-K線に沿う断面図である。具体的には、
図6(a)は、第1金属板10の
図3(a)のA-A線に沿う断面図である。
図6(b)は、第1金属板10の
図3(a)のB-B線に沿う断面図である。
図6(c)は、第1金属板10の
図3(a)のC-C線に沿う断面図である。
図6(d)は、第1金属板10の
図3(a)のD-D線に沿う断面図である。
図6(e)は、第1金属板10の
図3(a)のE-E線に沿う断面図である。
図6(f)は、第1金属板10の
図3(a)のF-F線に沿う断面図である。
図6(g)は、第1金属板10の
図3(a)のG-G線に沿う断面図である。
図6(h)は、第1金属板10の
図3(a)のH-H線に沿う断面図である。
図6(i)は、第1金属板10の
図3(a)のI-I線に沿う断面図である。
図6(j)は、第1金属板10の
図3(a)のJ-J線に沿う断面図である。
図6(k)は、第1金属板10の
図3(a)のK-K線に沿う断面図である。
【0018】
図3(a)及び
図6に示すように、第1金属板10の製品領域M1は、導線部11と、端子部12と、連結部13と、磁心部14と、支持部15
1~15
6とを有している。
【0019】
導線部11は、製品領域M1の内側に略矩形の渦巻き状(略3/4巻き)に形成され、製品領域M1の内側から製品領域M1の外側に延伸する複数の接続部16(ここでは、一例として6個)により枠部N1に接続されている。接続部16の個数や接続位置は、導線部11が枠部N1に安定的に支持可能であれば任意に決定してよいが、略矩形状の導線部11の角部近傍に配置することが好ましい。
【0020】
導線部11の一端である始点111には端子部12が形成され、他端である終点112には連結部13が形成されている。端子部12及び連結部13の平面形状は、例えば、正方形状や長方形状である。導線部11、接続部16、及び枠部N1は所定の厚さに形成された薄板部であり、端子部12及び連結部13は、導線部11等よりも厚く形成された同一厚さの厚板部である。端子部12と連結部13とを合わせて、端部厚板部と称する場合がある。
【0021】
端子部12は製品領域M1の内側に配置されており、導線部11の始点111との接続部の反対側が製品領域M1の外側に延伸して枠部N1に接続されている。端子部12から延伸する部分は、接続部16と同様の薄板部である。連結部13は製品領域M1の内側に配置されており、導線部11の終点112との接続部の反対側が製品領域M1の外側に延伸して枠部N1に接続されている。連結部13から延伸する部分は、接続部16と同様の薄板部である。連結部13が接続される枠部N1の辺は、端子部12が接続される枠部N1の辺に隣接し、その辺に対して略垂直な辺である。
【0022】
磁心部14は、導線部11が形成する渦巻きの内側に導線部11と離間して配置されている。磁心部14は、製品領域M1の内側から製品領域M1の外側に延伸する磁心接続部17により、枠部N1の端子部12及び支持部151が接続される辺と同じ辺に接続されている。つまり、磁心部14は、第1金属板10の導線部11が配置されていない領域に設けられた磁心接続部17を介して枠部N1に支持されている。磁心部14は、端子部12と連結部13と同一厚さに形成された厚板部であり、製品領域M1の略中央部に略正方形状に形成されている。磁心接続部17は、導線部11等と同一厚さに形成された薄板部である。磁心部14は、導線部11とは電気的に独立している。磁心部14を内側厚板部と称する場合がある。
【0023】
支持部151~156は、製品領域M1の内側であり、かつ導線部11が形成する渦巻きの外側に配置されている。支持部151~156は、一方側が製品領域M1の外側に延伸して枠部N1に接続されている。支持部151~156は、端子部12と連結部13と同一厚さに形成された厚板部である。支持部151~156から延伸する部分は、接続部16と同様の薄板部である。支持部151~156の他方側は、導線部11とは接続されていない。つまり、支持部151~156と導線部11とは電気的に独立しており、支持部151~156と導線部11とは導通していない。支持部151~156は、他の金属板の厚板部を支持する部分となる。
【0024】
支持部151は、端子部12が接続される枠部N1の辺と同一の辺に接続され、所定間隔をあけて端子部12と隣接している。支持部152は、連結部13が接続される枠部N1の辺と同一の辺に接続され、所定間隔をあけて連結部13と隣接している。支持部153及び154は、端子部12が接続される枠部N1の辺と対向する辺に接続され、所定間隔をあけて互いに隣接している。支持部155及び156は、連結部13が接続される枠部N1の辺と対向する辺に接続され、所定間隔をあけて互いに隣接している。
【0025】
導線部11、接続部16、磁心接続部17、及び枠部N1の上面(第2金属板20側の面)と、端子部12、連結部13、磁心部14、及び支持部151から156の上面(第2金属板20側の面)と、は、略同一平面上にある。一方、導線部11、接続部16、磁心接続部17、及び枠部N1の下面は、端子部12、連結部13、磁心部14、及び支持部151から156の下面に対して第2金属板20側に窪んだ位置にある。ここでは、コイル構造体1からインダクタが作製されて基板に実装される際に、基板と対向する側の面を下面、その反対側の面を上面としている(以下同様)。
【0026】
なお、枠部N1は、導線部11等と同一厚さの第1部分と、端子部12等と同一厚さの第2部分とを備えてもよい。例えば、第2部分として、枠部N1を補強すると共に金属板の傾きを防止するため、枠部N1の4つの角部に補強部18を設けてもよい。この場合、補強部18の下面は、端子部12等の下面と略同一平面上にある。補強部18は、例えば、L字型に形成できる。枠部N1を補強すると共に金属板の傾きを防止するため、補強部18に代えて、或いは補強部18に加えて、枠部N1の角部以外の部分に第2部分(厚板部)を設けてもよい。
【0027】
端子部12、連結部13、磁心部14、及び支持部151から156の厚さは、例えば、50μm~500μm程度であり、導線部11、接続部16、磁心接続部17、及び枠部N1の厚さは、例えば、端子部12等の半分程度である。なお、枠部N1に補強部18を設けた場合は、補強部18の厚さは端子部12等と同一となる。
【0028】
図3(b)に示すように、第2金属板20の製品領域M2は、導線部21と、連結部23
1と、連結部23
2と、磁心部24と、支持部25
1~25
6とを有している。
【0029】
導線部21は、製品領域M2の内側に略矩形の渦巻き状(略3/4巻き)に形成され、製品領域M2の内側から製品領域M2の外側に延伸する複数の接続部26(ここでは、一例として6個)により枠部N2に接続されている。接続部26の個数や接続位置は、導線部21が枠部N2に安定的に支持可能であれば任意に決定してよいが、略矩形状の導線部21の角部近傍に配置することが好ましい。
【0030】
導線部21の一端である始点211には連結部231が形成され、他端である終点212には連結部232が形成されている。連結部231及び232の平面形状は、例えば、正方形状や長方形状である。導線部21、接続部26、及び枠部N2は所定の厚さに形成された薄板部であり、連結部231及び232は、導線部21等よりも厚く形成された同一厚さの厚板部である。連結部231と連結部232とを合わせて、端部厚板部と称する場合がある。
【0031】
連結部231は製品領域M2の内側に配置されており、導線部21の始点111との接続部の反対側が製品領域M2の外側に延伸して枠部N2に接続されている。連結部231から延伸する部分は、接続部26と同様の薄板部である。連結部232は製品領域M2の内側に配置されており、導線部21の終点212との接続部の反対側が製品領域M2の外側に延伸して枠部N2に接続されている。連結部232から延伸する部分は、接続部26と同様の薄板部である。連結部231が接続される枠部N2の辺は、連結部232が接続される枠部N2の辺に隣接し、その辺に対して略垂直な辺である。
【0032】
磁心部24は、導線部21が形成する渦巻きの内側に導線部21と離間して配置されている。磁心部24は、製品領域M2の内側から製品領域M2の外側に延伸する磁心接続部27により枠部N2の連結部231及び支持部251が接続される辺と同じ辺に接続されている。つまり、磁心部24は、第2金属板20の導線部21が配置されていない領域に設けられた磁心接続部27を介して枠部N2に支持されている。磁心部24は、連結部231及び232と同一厚さに形成された厚板部であり、製品領域M2の略中央部に略正方形状に形成されている。磁心接続部27は、導線部21等と同一厚さに形成された薄板部である。磁心部24は、導線部21とは電気的に独立している。磁心部24を内側厚板部と称する場合がある。
【0033】
支持部251~256は、製品領域M2の内側であり、かつ導線部21が形成する渦巻きの外側に配置されている。支持部251~256は、一方側が製品領域M2の外側に延伸して枠部N2に接続されている。支持部251~256は、連結部231等と同一厚さに形成された厚板部である。支持部251~256から延伸する部分は、接続部26と同様の薄板部である。支持部251~256の他方側は、導線部21とは接続されていない。つまり、支持部251~256と導線部21とは電気的に独立しており、支持部251~256と導線部21とは導通していない。支持部251~256は、他の金属板の厚板部を支持する部分となる。
【0034】
支持部251は、連結部231が接続される枠部N2の辺と同一の辺に接続され、所定間隔をあけて連結部231と隣接している。支持部252は、連結部232が接続される枠部N2の辺と同一の辺に接続され、所定間隔をあけて連結部232と隣接している。支持部253及び254は、連結部231が接続される枠部N2の辺と対向する辺に接続され、所定間隔をあけて互いに隣接している。支持部255及び256は、連結部232が接続される枠部N2の辺と対向する辺に接続され、所定間隔をあけて互いに隣接している。
【0035】
導線部21、接続部26、磁心接続部27、及び枠部N2の上面(第3金属板30側の面)と、連結部231、連結部232、磁心部24、及び支持部251から256の上面(第3金属板30側の面)と、は、略同一平面上にある。一方、導線部21、接続部26、磁心接続部27、及び枠部N2の下面は、連結部231、連結部232、磁心部24、及び支持部251から256の下面に対して第3金属板30側に窪んだ位置にある。
【0036】
なお、枠部N2は、導線部21等と同一厚さの第1部分と、連結部231及び232等と同一厚さの第2部分とを備えてもよい。例えば、第2部分として、隣接する金属板との接合を強固にすると共に金属板の傾きを防止するため、枠部N2の4つの角部に補強部28を設けてもよい。この場合、補強部28の下面は、連結部231及び232等の下面と略同一平面上にある。補強部28は、例えば、L字型に形成できる。隣接する金属板との接合を強固にすると共に金属板の傾きを防止するため、補強部28に代えて、或いは補強部28に加えて、枠部N2の角部以外の部分に第2部分(厚板部)を設けてもよい。
【0037】
連結部231、連結部232、磁心部24、及び支持部251から256の厚さは、例えば、第1金属板10の端子部12等と同じであり、導線部21、接続部26、磁心接続部27、及び枠部N2の厚さは、例えば、第1金属板10の導線部11等と同じである。なお、枠部N2に補強部28を設けた場合は、補強部28の厚さは連結部231等と同一となる。
【0038】
図4(a)に示すように、第3金属板30の製品領域M3は、導線部31と、連結部33
1と、連結部33
2と、磁心部34と、支持部35
1~35
6とを有している。
【0039】
導線部31は、製品領域M3の内側に略矩形の渦巻き状(略3/4巻き)に形成され、製品領域M3の内側から製品領域M3の外側に延伸する複数の接続部36(ここでは、一例として6個)により枠部N3に接続されている。接続部36の個数や接続位置は、導線部31が枠部N3に安定的に支持可能であれば任意に決定してよいが、略矩形状の導線部31の角部近傍に配置することが好ましい。
【0040】
導線部31の一端である始点311には連結部331が形成され、他端である終点312には連結部332が形成されている。連結部331及び332の平面形状は、例えば、正方形状や長方形状である。導線部31、接続部36、及び枠部N3は所定の厚さに形成された薄板部であり、連結部331及び332は、導線部31等よりも厚く形成された同一厚さの厚板部である。連結部331と連結部332とを合わせて、端部厚板部と称する場合がある。
【0041】
連結部331は製品領域M3の内側に配置されており、導線部31の始点311との接続部の反対側が製品領域M3の外側に延伸して枠部N3に接続されている。連結部331から延伸する部分は、接続部36と同様の薄板部である。連結部332は製品領域M3の内側に配置されており、導線部31の終点312との接続部の反対側が製品領域M3の外側に延伸して枠部N3に接続されている。連結部332から延伸する部分は、接続部36と同様の薄板部である。連結部331が接続される枠部N3の辺は、連結部332が接続される枠部N3の辺に隣接し、その辺に対して略垂直な辺である。
【0042】
磁心部34は、導線部31が形成する渦巻きの内側に導線部31と離間して配置されている。磁心部34は、製品領域M3の内側から製品領域M3の外側に延伸する磁心接続部37により枠部N3の連結部331及び支持部351が接続される辺と同じ辺に接続されている。つまり、磁心部34は、第3金属板30の導線部31が配置されていない領域に設けられた磁心接続部37を介して枠部N3に支持されている。磁心部34は、連結部331及び332と同一厚さに形成された厚板部であり、製品領域M3の略中央部に略正方形状に形成されている。磁心接続部37は、導線部31等と同一厚さに形成された薄板部である。磁心部34は、導線部31とは電気的に独立している。磁心部34を内側厚板部と称する場合がある。
【0043】
支持部351~356は、製品領域M3の内側であり、かつ導線部31が形成する渦巻きの外側に配置されている。支持部351~356は、一方側が製品領域M3の外側に延伸して枠部N3に接続されている。支持部351~356は、連結部331等と同一厚さに形成された厚板部である。支持部351~356から延伸する部分は、接続部36と同様の薄板部である。支持部351~356の他方側は、導線部31とは接続されていない。つまり、支持部351~356と導線部31とは電気的に独立しており、支持部351~356と導線部31とは導通していない。支持部351~356は、他の金属板の厚板部を支持する部分となる。
【0044】
支持部351は、連結部331が接続される枠部N3の辺と同一の辺に接続され、所定間隔をあけて連結部331と隣接している。支持部352は、連結部332が接続される枠部N3の辺と同一の辺に接続され、所定間隔をあけて連結部332と隣接している。支持部353及び354は、連結部331が接続される枠部N3の辺と対向する辺に接続され、所定間隔をあけて互いに隣接している。支持部355及び356は、連結部332が接続される枠部N3の辺と対向する辺に接続され、所定間隔をあけて互いに隣接している。
【0045】
導線部31、接続部36、磁心接続部37、及び枠部N3の上面(第4金属板40側の面)と、連結部331、連結部332、磁心部34、及び支持部351から356の上面(第4金属板40側の面)と、は、略同一平面上にある。一方、導線部31、接続部36、磁心接続部37、及び枠部N3の下面は、連結部331、連結部332、磁心部34、及び支持部351から356の下面に対して第4金属板40側に窪んだ位置にある。
【0046】
なお、枠部N3は、導線部31等と同一厚さの第1部分と、連結部331及び332等と同一厚さの第2部分とを備えてもよい。例えば、第2部分として、隣接する金属板との接合を強固にすると共に金属板の傾きを防止するため、枠部N3の4つの角部に補強部38を設けてもよい。この場合、補強部38の下面は、連結部331及び332等の下面と略同一平面上にある。補強部38は、例えば、L字型に形成できる。隣接する金属板との接合を強固にすると共に金属板の傾きを防止するため、補強部38に代えて、或いは補強部38に加えて、枠部N3の角部以外の部分に第2部分(厚板部)を設けてもよい。
【0047】
連結部331、連結部332、磁心部34、及び支持部351から356の厚さは、例えば、第1金属板10の端子部12等と同じであり、導線部31、接続部36、磁心接続部37、及び枠部N3の厚さは、例えば、第1金属板10の導線部11等と同じである。なお、枠部N3に補強部38を設けた場合は、補強部38の厚さは連結部331等と同一となる。
【0048】
図4(b)に示すように、第4金属板40の製品領域M4は、導線部41と、連結部43
1と、連結部43
2と、磁心部44と、支持部45
1~45
6とを有している。
【0049】
導線部41は、製品領域M4の内側に略矩形の渦巻き状(略3/4巻き)に形成され、製品領域M4の内側から製品領域M4の外側に延伸する複数の接続部46(ここでは、一例として6個)により枠部N4に接続されている。接続部46の個数や接続位置は、導線部41が枠部N4に安定的に支持可能であれば任意に決定してよいが、略矩形状の導線部41の角部近傍に配置することが好ましい。
【0050】
導線部41の一端である始点411には連結部431が形成され、他端である終点412には連結部432が形成されている。連結部431及び432の平面形状は、例えば、正方形状や長方形状である。導線部41、接続部46、及び枠部N4は所定の厚さに形成された薄板部であり、連結部431及び432は、導線部41等よりも厚く形成された同一厚さの厚板部である。連結部431と連結部432とを合わせて、端部厚板部と称する場合がある。
【0051】
連結部431は製品領域M4の内側に配置されており、導線部41の始点411との接続部の反対側が製品領域M4の外側に延伸して枠部N4に接続されている。連結部431から延伸する部分は、接続部46と同様の薄板部である。連結部432は製品領域M4の内側に配置されており、導線部41の終点412との接続部の反対側が製品領域M4の外側に延伸して枠部N4に接続されている。連結部432から延伸する部分は、接続部46と同様の薄板部である。連結部431が接続される枠部N4の辺は、連結部432が接続される枠部N4の辺に隣接し、その辺に対して略垂直な辺である。
【0052】
磁心部44は、導線部41が形成する渦巻きの内側に導線部41と離間して配置されている。磁心部44は、製品領域M4の内側から製品領域M4の外側に延伸する磁心接続部47により枠部N4の連結部431及び支持部451が接続される辺と同じ辺に接続されている。つまり、磁心部44は、第4金属板40の導線部41が配置されていない領域に設けられた磁心接続部47を介して枠部N4に支持されている。磁心部44は、連結部431及び432と同一厚さに形成された厚板部であり、製品領域M4の略中央部に略正方形状に形成されている。磁心接続部47は、導線部41等と同一厚さに形成された薄板部である。磁心部44は、導線部41とは電気的に独立している。磁心部44を内側厚板部と称する場合がある。
【0053】
支持部451~456は、製品領域M4の内側であり、かつ導線部41が形成する渦巻きの外側に配置されている。支持部451~456は、一方側が製品領域M4の外側に延伸して枠部N4に接続されている。支持部451~456は、連結部431等と同一厚さに形成された厚板部である。支持部451~456から延伸する部分は、接続部46と同様の薄板部である。支持部451~456の他方側は、導線部41とは接続されていない。つまり、支持部451~456と導線部41とは電気的に独立しており、支持部451~456と導線部41とは導通していない。支持部451~456は、他の金属板の厚板部を支持する部分となる。
【0054】
支持部451は、連結部431が接続される枠部N4の辺と同一の辺に接続され、所定間隔をあけて連結部431と隣接している。支持部452は、連結部432が接続される枠部N4の辺と同一の辺に接続され、所定間隔をあけて連結部432と隣接している。支持部453及び454は、連結部431が接続される枠部N4の辺と対向する辺に接続され、所定間隔をあけて互いに隣接している。支持部455及び456は、連結部432が接続される枠部N4の辺と対向する辺に接続され、所定間隔をあけて互いに隣接している。
【0055】
導線部41、接続部46、磁心接続部47、及び枠部N4の上面(第5金属板50側の面)と、連結部431、連結部432、磁心部44、及び支持部451から456の上面(第5金属板50側の面)と、は、略同一平面上にある。一方、導線部41、接続部46、磁心接続部47、及び枠部N4の下面は、連結部431、連結部432、磁心部44、及び支持部451から456の下面に対して第5金属板50側に窪んだ位置にある。
【0056】
なお、枠部N4は、導線部41等と同一厚さの第1部分と、連結部431及び432等と同一厚さの第2部分とを備えてもよい。例えば、第2部分として、隣接する金属板との接合を強固にすると共に金属板の傾きを防止するため、枠部N4の4つの角部に補強部48を設けてもよい。この場合、補強部48の下面は、連結部431及び432等の下面と略同一平面上にある。補強部48は、例えば、L字型に形成できる。隣接する金属板との接合を強固にすると共に金属板の傾きを防止するため、補強部48に代えて、或いは補強部48に加えて、枠部N4の角部以外の部分に第2部分(厚板部)を設けてもよい。
【0057】
連結部431、連結部432、磁心部44、及び支持部451から456の厚さは、例えば、第1金属板10の端子部12等と同じであり、導線部41、接続部46、磁心接続部47、及び枠部N4の厚さは、例えば、第1金属板10の導線部11等と同じである。なお、枠部N4に補強部48を設けた場合は、補強部48の厚さは連結部431等と同一となる。
【0058】
図5(a)に示すように、第5金属板50の製品領域M5は、導線部51と、連結部53
1と、連結部53
2と、磁心部54と、支持部55
1~55
6とを有している。
【0059】
導線部51は、製品領域M5の内側に略矩形の渦巻き状(略3/4巻き)に形成され、製品領域M5の内側から製品領域M5の外側に延伸する複数の接続部56(ここでは、一例として6個)により枠部N5に接続されている。接続部56の個数や接続位置は、導線部51が枠部N5に安定的に支持可能であれば任意に決定してよいが、略矩形状の導線部51の角部近傍に配置することが好ましい。
【0060】
導線部51の一端である始点511には連結部531が形成され、他端である終点512には連結部532が形成されている。連結部531及び532の平面形状は、例えば、正方形状や長方形状である。導線部51、接続部56、及び枠部N5は所定の厚さに形成された薄板部であり、連結部531及び532は、導線部51等よりも厚く形成された同一厚さの厚板部である。連結部531と連結部532とを合わせて、端部厚板部と称する場合がある。
【0061】
連結部531は製品領域M5の内側に配置されており、導線部51の始点511との接続部の反対側が製品領域M5の外側に延伸して枠部N5に接続されている。連結部531から延伸する部分は、接続部56と同様の薄板部である。連結部532は製品領域M5の内側に配置されており、導線部51の終点512との接続部の反対側が製品領域M5の外側に延伸して枠部N5に接続されている。連結部532から延伸する部分は、接続部56と同様の薄板部である。連結部531が接続される枠部N5の辺は、連結部532が接続される枠部N5の辺に隣接し、その辺に対して略垂直な辺である。
【0062】
磁心部54は、導線部51が形成する渦巻きの内側に導線部51と離間して配置されている。磁心部54は、製品領域M5の内側から製品領域M5の外側に延伸する磁心接続部57により枠部N5の連結部531及び支持部551が接続される辺と同じ辺に接続されている。つまり、磁心部54は、第5金属板50の導線部51が配置されていない領域に設けられた磁心接続部57を介して枠部N5に支持されている。磁心部54は、連結部531及び532と同一厚さに形成された厚板部であり、製品領域M5の略中央部に略正方形状に形成されている。磁心接続部57は、導線部51等と同一厚さに形成された薄板部である。磁心部54は、導線部51とは電気的に独立している。磁心部54を内側厚板部と称する場合がある。
【0063】
支持部551~556は、製品領域M5の内側であり、かつ導線部51が形成する渦巻きの外側に配置されている。支持部551~556は、一方側が製品領域M5の外側に延伸して枠部N5に接続されている。支持部551~556は、連結部531等と同一厚さに形成された厚板部である。支持部551~556から延伸する部分は、接続部56と同様の薄板部である。支持部551~556の他方側は、導線部51とは接続されていない。つまり、支持部551~556と導線部51とは電気的に独立しており、支持部551~556と導線部51とは導通していない。支持部551~556は、他の金属板の厚板部を支持する部分となる。
【0064】
支持部551は、連結部531が接続される枠部N5の辺と同一の辺に接続され、所定間隔をあけて連結部531と隣接している。支持部552は、連結部532が接続される枠部N5の辺と同一の辺に接続され、所定間隔をあけて連結部532と隣接している。支持部553及び554は、連結部531が接続される枠部N5の辺と対向する辺に接続され、所定間隔をあけて互いに隣接している。支持部555及び556は、連結部532が接続される枠部N5の辺と対向する辺に接続され、所定間隔をあけて互いに隣接している。
【0065】
導線部51、接続部56、磁心接続部57、及び枠部N5の上面(第6金属板60側の面)と、連結部531、連結部532、磁心部54、及び支持部551から556の上面(第6金属板60側の面)と、は、略同一平面上にある。一方、導線部51、接続部56、磁心接続部57、及び枠部N5の下面は、連結部531、連結部532、磁心部54、及び支持部551から556の下面に対して第6金属板60側に窪んだ位置にある。
【0066】
なお、枠部N5は、導線部51等と同一厚さの第1部分と、連結部531及び532等と同一厚さの第2部分とを備えてもよい。例えば、第2部分として、隣接する金属板との接合を強固にすると共に金属板の傾きを防止するため、枠部N5の4つの角部に補強部58を設けてもよい。この場合、補強部58の下面は、連結部531及び532等の下面と略同一平面上にある。補強部58は、例えば、L字型に形成できる。隣接する金属板との接合を強固にすると共に金属板の傾きを防止するため、補強部58に代えて、或いは補強部58に加えて、枠部N5の角部以外の部分に第2部分(厚板部)を設けてもよい。
【0067】
連結部531、連結部532、磁心部54、及び支持部551から556の厚さは、例えば、第1金属板10の端子部12等と同じであり、導線部51、接続部56、磁心接続部57、及び枠部N5の厚さは、例えば、第1金属板10の導線部11等と同じである。なお、枠部N5に補強部58を設けた場合は、補強部58の厚さは連結部531等と同一となる。
【0068】
図5(b)に示すように、第6金属板60の製品領域M6は、導線部61と、端子部62と、連結部63と、磁心部64と、支持部65
1~65
6とを有している。
【0069】
導線部61は、製品領域M6の内側に略矩形の渦巻き状(略3/4巻き)に形成され、製品領域M6の内側から製品領域M6の外側に延伸する複数の接続部66(ここでは、一例として6個)により枠部N6に接続されている。接続部66の個数や接続位置は、導線部61が枠部N6に安定的に支持可能であれば任意に決定してよいが、略矩形状の導線部61の角部近傍に配置することが好ましい。
【0070】
導線部61の一端である始点611には連結部63が形成され、他端である終点612には端子部62が形成されている。端子部62及び連結部63の平面形状は、例えば、正方形状や長方形状である。導線部61、接続部66、及び枠部N6は所定の厚さに形成された薄板部であり、端子部62及び連結部63は、導線部61等よりも厚く形成された同一厚さの厚板部である。端子部62と連結部63とを合わせて、端部厚板部と称する場合がある。
【0071】
連結部63は製品領域M6の内側に配置されており、導線部61の始点611との接続部の反対側が製品領域M6の外側に延伸して枠部N6に接続されている。連結部63から延伸する部分は、接続部66と同様の薄板部である。端子部62は製品領域M6の内側に配置されており、導線部61の終点612との接続部の反対側が製品領域M6の外側に延伸して枠部N6に接続されている。端子部62から延伸する部分は、接続部66と同様の薄板部である。端子部62が接続される枠部N6の辺は、連結部63が接続される枠部N6の辺に隣接し、その辺に対して略垂直な辺である。
【0072】
磁心部64は、導線部61が形成する渦巻きの内側に導線部61と離間して配置されている。磁心部64は、製品領域M6の内側から製品領域M6の外側に延伸する磁心接続部67により枠部N6の連結部63及び支持部656が接続される辺と同じ辺に接続されている。つまり、磁心部64は、第6金属板60の導線部61が配置されていない領域に設けられた磁心接続部67を介して枠部N6に支持されている。磁心部64は、端子部62と連結部63と同一厚さに形成された厚板部であり、製品領域M6の略中央部に略正方形状に形成されている。磁心接続部67は、導線部61等と同一厚さに形成された薄板部である。磁心部64は、導線部61とは電気的に独立している。磁心部64を内側厚板部と称する場合がある。
【0073】
支持部651~656は、製品領域M6の内側であり、かつ導線部61が形成する渦巻きの外側に配置されている。支持部651~656は、一方側が製品領域M6の外側に延伸して枠部N6に接続されている。支持部651~656は、端子部62と連結部63と同一厚さに形成された厚板部である。支持部651~656から延伸する部分は、接続部66と同様の薄板部である。支持部651~656の他方側は、導線部61とは接続されていない。つまり、支持部651~656と導線部61とは電気的に独立しており、支持部651~656と導線部61とは導通していない。支持部651~656は、他の金属板の厚板部を支持する部分となる。
【0074】
支持部651は、端子部62が接続される枠部N6の辺と同一の辺に接続され、所定間隔をあけて端子部62と隣接している。支持部656は、連結部63が接続される枠部N6の辺と同一の辺に接続され、所定間隔をあけて連結部63と隣接している。支持部654及び655は、端子部62が接続される枠部N6の辺と対向する辺に接続され、所定間隔をあけて互いに隣接している。支持部652及び653は、連結部63が接続される枠部N6の辺と対向する辺に接続され、所定間隔をあけて互いに隣接している。
【0075】
導線部61、接続部66、磁心接続部67、及び枠部N6の上面(第5金属板50とは反対側の面)と、端子部62、連結部63、磁心部64、及び支持部651から656の上面(第5金属板50とは反対側の面)と、は、略同一平面上にある。一方、導線部61、接続部66、磁心接続部67、及び枠部N6の下面は、端子部62、連結部63、磁心部64、及び支持部651から656の下面に対して第5金属板50とは反対側に窪んだ位置にある。
【0076】
なお、枠部N6は、導線部61等と同一厚さの第1部分と、端子部62等と同一厚さの第2部分とを備えてもよい。例えば、第2部分として、隣接する金属板との接合を強固にすると共に金属板の傾きを防止するため、枠部N6の4つの角部に補強部68を設けてもよい。この場合、補強部68の下面は、端子部62等の下面と略同一平面上にある。補強部68は、例えば、L字型に形成できる。隣接する金属板との接合を強固にすると共に金属板の傾きを防止するため、補強部68に代えて、或いは補強部68に加えて、枠部N6の角部以外の部分に第2部分(厚板部)を設けてもよい。
【0077】
端子部62、連結部63、磁心部64、及び支持部651から656の厚さは、例えば、第1金属板10の端子部12等と同じであり、導線部61、接続部66、磁心接続部67、及び枠部N6の厚さは、例えば、第1金属板10の導線部11等と同じである。なお、枠部N6に補強部68を設けた場合は、補強部68の厚さは連結部63等と同一となる。
【0078】
図7(a)は、コイル構造体1の
図3(a)のA-A線に沿う断面図である。
図7(b)は、コイル構造体1の
図3(a)のB-B線に沿う断面図である。
図8(a)は、コイル構造体1の
図3(a)のC-C線に沿う断面図である。
図8(b)は、コイル構造体1の
図3(a)のD-D線に沿う断面図である。
図9(a)は、コイル構造体1の
図3(a)のE-E線に沿う断面図である。
図9(b)は、コイル構造体1の
図3(a)のF-F線に沿う断面図である。
図10(a)は、コイル構造体1の
図3(a)のG-G線に沿う断面図である。
図10(b)は、コイル構造体1の
図3(a)のH-H線に沿う断面図である。
図11(a)は、コイル構造体1の
図3(a)のI-I線に沿う断面図である。
図11(b)は、コイル構造体1の
図3(a)のJ-J線に沿う断面図である。
図12は、コイル構造体1の
図3(a)のK-K線に沿う断面図である。なお、
図7~
図12では、便宜上、一部の符号の表示を省略している。
【0079】
図1~
図6に加えて
図7~
図12を参照すると、コイル構造体1において、隣接する金属板同士は互いに接合されている。隣接する金属板同士は、例えば、拡散接合により接合できる。拡散接合は、はんだ等の電気伝導率や熱伝導率の異なる材料を介在させずに上下の金属板を接合できるため、接合部で生じる電圧ロスを低減できる点で好適である。
【0080】
具体的には、第1金属板10上に第2金属板20が積層され、両者の厚板部同士が互いに接合されている。すなわち、端子部12上に支持部255が接合され、連結部13上に連結部231が積層され、支持部151上に支持部256が積層され、支持部152上に支持部251が積層され、支持部153上に連結部232が積層され、支持部154上に支持部252が積層され、支持部155上に支持部253が積層され、支持部156上に支持部254が積層されている。又、磁心部14上には、磁心部24が接合されている。又、各補強部18上には、各補強部28が接合されている。
【0081】
これにより、導線部11の終点112と接続されている連結部13と導線部21の始点211と接続されている連結部231が導通し、導線部11と導線部21とが直列に接続される。又、導線部11及び導線部21は端子部12や連結部231等よりも薄型に形成されているため、導線部11の上面と導線部21の下面とが接することはない。又、第2金属板20の各厚板部の下側には、必ず第1金属板10の厚板部の何れかが配置されるため、上下の金属板同士を容易に接合できる。
【0082】
同様に、第2金属板20上に第3金属板30が積層され、両者の厚板部同士が互いに接合されている。すなわち、連結部231上に支持部355が接合され、連結部232上に連結部331が積層され、支持部251上に支持部356が積層され、支持部252上に支持部351が積層され、支持部253上に支持部352が積層され、支持部254上に連結部332が積層され、支持部255上に支持部353が積層され、支持部256上に支持部354が積層されている。又、磁心部24上には、磁心部34が接合されている。又、各補強部28上には、各補強部38が接合されている。
【0083】
これにより、導線部21の終点212と接続されている連結部232と導線部31の始点311と接続されている連結部331が導通し、導線部21と導線部31とが直列に接続される。又、導線部21及び導線部31は連結部231や連結部331等よりも薄型に形成されているため、導線部21の上面と導線部31の下面とが接することはない。又、第3金属板30の各厚板部の下側には、必ず第2金属板20の厚板部の何れかが配置されるため、上下の金属板同士を容易に接合できる。
【0084】
同様に、第3金属板30上に第4金属板40が積層され、両者の厚板部同士が互いに接合されている。すなわち、連結部331上に支持部455が接合され、連結部332上に連結部431が積層され、支持部351上に支持部456が積層され、支持部352上に支持部451が積層され、支持部353上に支持部452が積層され、支持部354上に連結部432が積層され、支持部355上に支持部453が積層され、支持部356上に支持部454が積層されている。又、磁心部34上には、磁心部44が接合されている。又、各補強部38上には、各補強部48が接合されている。
【0085】
これにより、導線部31の終点312と接続されている連結部332と導線部41の始点411と接続されている連結部431が導通し、導線部31と導線部41とが直列に接続される。又、導線部31及び導線部41は連結部331や連結部431等よりも薄型に形成されているため、導線部31の上面と導線部41の下面とが接することはない。又、第4金属板40の各厚板部の下側には、必ず第3金属板30の厚板部の何れかが配置されるため、上下の金属板同士を容易に接合できる。
【0086】
同様に、第4金属板40上に第5金属板50が積層され、両者の厚板部同士が互いに接合されている。すなわち、連結部431上に支持部556が接合され、連結部432上に連結部531が積層され、支持部451上に支持部555が積層され、支持部452上に支持部551が積層され、支持部453上に支持部552が積層され、支持部454上に連結部532が積層され、支持部455上に支持部553が積層され、支持部456上に支持部554が積層されている。又、磁心部44上には、磁心部54が接合されている。又、各補強部48上には、各補強部58が接合されている。
【0087】
これにより、導線部41の終点412と接続されている連結部432と導線部51の始点511と接続されている連結部531が導通し、導線部41と導線部51とが直列に接続される。又、導線部41及び導線部51は連結部431や連結部531等よりも薄型に形成されているため、導線部41の上面と導線部51の下面とが接することはない。又、第5金属板50の各厚板部の下側には、必ず第4金属板40の厚板部の何れかが配置されるため、上下の金属板同士を容易に接合できる。
【0088】
同様に、第5金属板50上に第6金属板60が積層され、両者の厚板部同士が互いに接合されている。すなわち、連結部531上に支持部655が接合され、連結部532上に連結部63が積層され、支持部551上に支持部654が積層され、支持部552上に支持部656が積層され、支持部553上に支持部651が積層され、支持部554上に端子部62が積層され、支持部555上に支持部652が積層され、支持部556上に支持部653が積層されている。又、磁心部54上には、磁心部64が接合されている。又、各補強部58上には、各補強部68が接合されている。
【0089】
これにより、導線部51の終点512と接続されている連結部532と導線部61の始点611と接続されている連結部63が導通し、導線部51と導線部61とが直列に接続される。又、導線部51及び導線部61は端子部62や連結部63等よりも薄型に形成されているため、導線部51の上面と導線部61の下面とが接することはない。又、第6金属板60の各厚板部の下側には、必ず第5金属板50の厚板部の何れかが配置されるため、上下の金属板同士を容易に接合できる。
【0090】
以上の構造により、コイル構造体1では、導線部11の終点112と導線部21の始点211、導線部21の終点212と導線部31の始点311、導線部31の終点312と導線部41の始点411、導線部41の終点412と導線部51の始点511、導線部51の終点512と導線部61の始点611が順次接続される。これにより、導線部11の始点111から導線部61の終点612に至る1本の螺旋状のコイルが形成される。又、コイル構造体1では、磁心部14、24、34、44、54、及び64が順次積層されて、1本の螺旋状のコイルの内側に磁心Cが形成される。
【0091】
図13及
図14は、第1実施形態に係るコイル構造体の製造工程を例示する図である。なお、
図13及び
図14は、
図3(a)のB-B線に対応する断面図であり、1つの製品領域のみを図示している。
【0092】
まず、
図13(a)に示す工程では、厚さが一定であって
図3(a)の平面形状の板状の金属100を準備する。板状の金属100は、最終的に第1金属板10となる部材であり、例えば、銅、銅合金、42アロイ等のFe-Ni合金等から形成されている。板状の金属100の厚さは、例えば、50μm~500μm程度とすることができる。板状の金属100には、複数の製品領域が画定されている。そして、板状の金属100の上面の全体にレジスト層310を形成し、板状の金属100の下面の全体にレジスト層320を形成する。レジスト層310及び320は、例えば、感光性のドライフィルムレジストをラミネートすることで形成できる。
【0093】
次に、
図13(b)に示す工程では、レジスト層310を露光及び現像して、板状の金属100の上面を選択的に露出する開口部310xを形成する。又、レジスト層320を露光及び現像して、板状の金属100の下面を選択的に露出する開口部320xを形成する。
【0094】
次に、
図13(c)に示す工程では、開口部310x内に露出する板状の金属100を上面側からハーフエッチングすると共に、開口部320x内に露出する板状の金属100を下面側からハーフエッチングする。これにより、板状の金属100がパターニングされ、導線部11、端子部12等を有する第1金属板10が形成される。
【0095】
なお、板状の金属100において、平面視でレジスト層310及び320が重複する領域は、エッチングされないため元の厚さのままであり、この部分が厚板部となる。又、平面視でレジスト層310及び320が何れも形成されていない領域は、両面からハーフエッチングされて貫通する。又、平面視でレジスト層310のみが形成されている領域は、下面側のみからハーフエッチングされ、厚さが当初の半分程度の薄板部となる。板状の金属100が銅である場合、ハーフエッチングには、例えば、塩化第二鉄溶液を用いることができる。
【0096】
次に、
図14(a)に示す工程では、
図13(a)~
図13(c)と同様の方法で、第2金属板20、第3金属板30、第4金属板40、第5金属板50、及び第6金属板60を作製する。各金属板の平面形状は、
図3(b)~
図5(b)に示した通りとなり、各金属板の断面形状は、
図6~
図12に示した通りとなる。
【0097】
次に、
図14(b)に示す工程では、各々の金属板を積層し、隣接する金属板の厚板部同士を接合する。具体的には、
図14(b)に示す順番で各金属板を積層して積層体とし、真空雰囲気で積層体を上下方向に加圧すると共に加熱し、拡散接合を行う。これにより、隣接する金属板の厚板部同士が直接接合され、コイル構造体1が完成する。拡散接合の際に、最下層を除く各厚板部の下側には、必ず下層の厚板部の何れかが配置されるため、各厚板部の接合を一括して行うことができる。なお、拡散接合によって隣接する金属板同士を良好に接合できるように、各金属板の材料を同一にすることが好ましい。
【0098】
以上の工程でコイル構造体1が完成するが、引き続き
図15の工程を実行することで、インダクタ2を作製することができる。
【0099】
図15(a)に示す工程では、
図14(b)に示すコイル構造体1に封止樹脂150を形成する。封止樹脂150を構成する絶縁性樹脂としては、例えば、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂等の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を用いることができる。なお、封止樹脂150の形成は、コイル構造体1の直列に接続された導線部の一端側の端部厚板部の一部、及び直列に接続された導線部の他端側の端部厚板部の一部が露出するように行う。
【0100】
すなわち、コイル構造体1の直列に接続された導線部の一端である端子部12の下面が露出するように封止樹脂150を形成する。又、コイル構造体1の直列に接続された導線部の他端である端子部62の下側に積層された支持部154の下面が露出するように封止樹脂150を形成する。
【0101】
封止樹脂150を形成後、封止樹脂150の下面を研磨又はブラスト処理し、端子部12や支持部154等の下面の樹脂バリを除去することが好ましい。封止樹脂150の形成には、例えば、トランスファーモールド法やコンプレッションモールド法等の低圧成型法を用いることができる。
【0102】
次に、
図15(b)に示す工程では、
図15(a)に示す構造体を切断線Lの位置でダイシングブレード等を用いて切断して個片化し、インダクタ2を作製する。
図15(a)に示す構造体をプレスやエッチングにより個片化してもよい。なお、切断線Lは、
図1(b)の製品領域Mを示す破線に対応する位置である。切断により、封止樹脂150の一方の側面から端子部12、支持部25
5、支持部35
3、支持部45
2、支持部55
1、及び支持部65
4等の側面が露出する。又、封止樹脂150の他方の側面から支持部15
4、支持部25
2、支持部35
1、支持部45
6、支持部55
4、及び端子部62等の側面が露出する。各々の製品領域Mから、
図16(a)及び
図16(b)に示す表面実装型のインダクタ2が作製される。インダクタ2の平面形状は、例えば、正方形状や長方形状等の矩形状となる。
【0103】
封止樹脂150から露出する端子部12の側面及び下面、支持部255の側面、支持部353の側面、支持部452の側面、支持部551の側面、及び支持部654の側面は、外部接続端子1Aとなる。又、封止樹脂150から露出する支持部154の側面及び下面、支持部252の側面、支持部351の側面、支持部456の側面、支持部554の側面、及び端子部62の側面は、外部接続端子1Bとなる。
【0104】
なお、
図16(b)は
図16(a)を下面側から視た図である。言い換えれば、
図16(b)は
図16(a)を紙面前後方向に180度回転させて上下反転させた図である。インダクタ2の平面形状は、例えば、3mm×3mm程度の略矩形状とすることができる。インダクタ2の厚さは、例えば、1.0mm程度とすることができる。
【0105】
図17は、第1実施形態に係るインダクタの実装方法を説明する断面図であり、
図17(a)は
図16のH断面を示し、
図17(b)は
図16のI断面を上下反転させて示している。
図17(a)及び
図17(b)において、インダクタ2は、基板200に実装されている。具体的には、基板200の一方の面にはパッド210が形成されており、パッド210の上面の一部がソルダーレジスト層220の開口部220x内に露出している。開口部220x内に露出するパッド210の上面は、はんだ230によりインダクタ2の外部接続端子1A及び1Bと電気的に接続されている。
【0106】
このように、コイル構造体1では、各々の金属板が積層されて、隣接する金属板の磁心部(内側厚板部)同士が接合されて磁心Cを形成している。1本の螺旋状のコイルの内側に磁心Cを配置することで、磁束を増やすことが可能となり、誘導起電力を大きくできる。すなわち、コイル構造体1を外部接続端子1A及び1Bを露出するように封止樹脂150で封止することで、小型で大きな誘導起電力を得られるインダクタ2を実現できる。
【0107】
又、コイル構造体1では、各々の金属板の導線部が配置されていない領域に磁心接続部を設け、導線部の内側に配置された磁心部を支持している。このような構造とすることで、1枚の金属板に導線部と磁心部の両方を設けることが可能となるため、各々の金属板を積層することで、1本の螺旋状のコイルの内側に、各々の金属板の磁心部が積層された磁心Cを容易に配置することができる。
【0108】
又、コイル構造体1では、各々の金属板は、渦巻き状の導線部と、導線部の両端に導線部よりも厚く形成された端部厚板部と、端部厚板部と同一厚さに形成され、導線部が形成する渦巻きの内側に導線部と離間して配置された内側厚板部とを備えている。そして、各々の金属板が積層されて、隣接する金属板の端部厚板部の片方同士が接合されて、各々の金属板の前記導線部が直列に接続された1本の螺旋状のコイルを形成している。このような構造では、金属板の積層数を増やすことでコイルの巻き数を増やすことが容易である。その結果、コイル構造体1を用いたインダクタ2の誘導起電力を更に大きくできる。
【0109】
又、コイル構造体1では、一の金属板の各厚板部の下側には、下層に位置する他の金属板の厚板部の何れかが配置されている。つまり、隣接する金属板の一方が有する支持部は、隣接する金属板の他方が有する端部厚板部又は支持部と接合されている。そのため、上下の金属板同士を容易に接合できる。
【0110】
例えば、仮に、一の金属板の各厚板部の下側に、下層に位置する他の金属板の厚板部が配置されない箇所があったとすると、上下から熱と圧力をかけて各々の金属板を接合する場合に下から支持されずに空中状態となる厚板部が生じるため、その部分での接合が困難となる。これに対して、コイル構造体1では、上記のように一の金属板の各厚板部の下側には、下層に位置する他の金属板の厚板部の何れかが配置される。そのため、拡散接合等により各々の金属板を容易に接合できる。
【0111】
又、コイル構造体1では、直列に接続された導線部の一端側の端部厚板部、及び一端側の端部厚板部と積層される他の金属板の支持部は、一方の外部接続端子となる。又、直列に接続された導線部の他端側の端部厚板部、及び他端側の端部厚板部と積層される他の金属板の支持部は、他方の外部接続端子となる。具体的には、最下層となる金属板の端子部の上側に積層された5つの支持部が外部接続端子1Aとなり、最上層となる金属板の端子部の下側に積層された5つの支持部が外部接続端子1Bとなる。
【0112】
すなわち、端子部12の上側には、下から順に支持部255、353、452、551、及び654が積層され、外部接続端子1Aを構成している。又、端子部62の下側には、上から順に支持部554、456、351、252、及び154が積層され外部接続端子1Bを構成している。外部接続端子1Aを構成する各厚板部は互いに導通しているため、外部との接続は外部接続端子1Aの任意の層で行うことができる。同様に、外部接続端子1Bを構成する各厚板部は互いに導通しているため、外部との接続は外部接続端子1Bの任意の層で行うことができる。
【0113】
以上の説明では、便宜上、導線部11側を始点、導線部61側を終点としたが、コイル構造体1は無極性であり、電流は外部接続端子1Aから外部接続端子1Bに流してもよいし、外部接続端子1Bから外部接続端子1Aに流してもよい。
【0114】
なお、コイル構造体1を製品として出荷してもよいし、インダクタ2を製品として出荷してもよい。又、積層前の第1金属板10、第2金属板20、第3金属板30、第4金属板40、第5金属板50、及び第6金属板60の何れか1つ以上をリードフレームとして出荷してもよい。すなわち、渦巻き状の導線部と、導線部の両端に導線部よりも厚く形成された端部厚板部と、端部厚板部と同一厚さに形成され、導線部が形成する渦巻きの内側に導線部と離間して配置された磁心となる内側厚板部とを備えたリードフレームを出荷してもよい。
【0115】
〈第1実施形態の変形例1〉
第1実施形態の変形例1では、各々の金属板の導線部、端部厚板部、及び磁心部となる内側厚板部が同一パターンに形成された例を示す。なお、第1実施形態の変形例1において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
【0116】
図18は、第1実施形態の変形例1に係るコイル構造体を例示する平面図であり、
図18(a)は全体図、
図18(b)は
図18(a)の1つの製品領域Mの近傍の拡大図である。
【0117】
図18に示すコイル構造体3は、3枚の金属板が積層され、上下に隣接する金属板同士が互いに接合された構造である。本実施形態では、第1金属板70、第2金属板80、第3金属板90が順次積層された3層構造のコイル構造体3について例示するが、示すコイル構造体3は2層構造であってもよい。
【0118】
コイル構造体3は、平面視において、縦横に配列された複数の製品領域Mを有している。各々の製品領域Mは、コイル構造体3の全体が樹脂封止された後に個片化されてインダクタとなる領域である。各々の製品領域Mの周囲には、各々の製品領域Mを周辺側から支持する額縁状の枠部Nが形成され、隣接する枠部N同士は一体形成されて互いに連結している。本実施形態では、枠部Nは各辺の長さが等しい。なお、
図18(a)では、一例として、製品領域Mが18個(3行6列)配列されているが、これには限定されない。
【0119】
図19及び
図20は、積層前の各金属板の製品領域の近傍を例示する平面図である。具体的には、
図19(a)は、第1金属板70の平面図である。
図19(b)は、第2金属板80の平面図である。
図20は、第3金属板90の平面図である。
【0120】
なお、第1金属板70、第2金属板80、及び第3金属板90は、各々が
図18(a)と同様の平面形状であり、
図19(a)~
図20は、各金属板の
図18(b)に対応する部分(1つの製品領域の近傍)を例示したものである。又、
図19(a)~
図20において、灰色の部分は薄板部、梨地模様の部分は薄板部よりも厚く形成されて薄板部よりも下側に突起する厚板部を示している。薄板部と厚板部は、一体に形成されている。
【0121】
図19及び
図20において、製品領域Mのうち、第1金属板70の製品領域をM7、第2金属板80の製品領域をM8、第3金属板90の製品領域をM9とする。又、
図19及び
図20において、枠部Nのうち、第1金属板70の枠部をN7、第2金属板80の枠部をN8、第3金属板90の枠部をN9とする。
【0122】
図21は、第1金属板70の
図19(a)のA-A線~I-I線に沿う断面図である。具体的には、
図21(a)は、第1金属板70の
図19(a)のA-A線に沿う断面図である。
図21(b)は、第1金属板70の
図19(a)のB-B線に沿う断面図である。
図21(c)は、第1金属板70の
図19(a)のC-C線に沿う断面図である。
図21(d)は、第1金属板70の
図19(a)のD-D線に沿う断面図である。
図21(e)は、第1金属板70の
図19(a)のE-E線に沿う断面図である。
図21(f)は、第1金属板70の
図19(a)のF-F線に沿う断面図である。
図21(g)は、第1金属板70の
図19(a)のG-G線に沿う断面図である。
図21(h)は、第1金属板70の
図19(a)のH-H線に沿う断面図である。
図21(i)は、第1金属板70の
図19(a)のI-I線に沿う断面図である。
【0123】
図19(a)及び
図21に示すように、第1金属板70の製品領域M7は、導線部71と、端子部72と、連結部73と、磁心部74と、支持部75
1及び75
2とを有している。
【0124】
導線部71は、製品領域M7の内側に略矩形の渦巻き状(略3/4巻き)に形成され、製品領域M7の内側から製品領域M7の外側に延伸する複数の接続部76により枠部N7に接続されている。接続部76の個数や接続位置は、導線部71が枠部N7に安定的に支持可能であれば任意に決定してよいが、略矩形状の導線部71の角部近傍に配置することが好ましい。
【0125】
導線部71の一端である始点711には端子部72が形成され、他端である終点712には連結部73が形成されている。端子部72及び連結部73の平面形状は、例えば、正方形状や長方形状である。導線部71、接続部76、及び枠部N7は所定の厚さに形成された薄板部であり、端子部72及び連結部73は、導線部71等よりも厚く形成された同一厚さの厚板部である。端子部72と連結部73とを合わせて、端部厚板部と称する場合がある。
【0126】
端子部72は製品領域M7の内側に配置されており、導線部71の始点711との接続部の反対側が製品領域M7の外側に延伸して枠部N7に接続されている。端子部72から延伸する部分は、接続部76と同様の薄板部である。連結部73は製品領域M7の内側に配置されており、導線部71の終点712との接続部の反対側が製品領域M7の外側に延伸して枠部N7に接続されている。連結部73から延伸する部分は、接続部76と同様の薄板部である。連結部73が接続される枠部N7の辺は、端子部72が接続される枠部N7の辺に隣接し、その辺に対して略垂直な辺である。
【0127】
磁心部74は、導線部71が形成する渦巻きの内側に導線部71と離間して配置されている。磁心部74は、製品領域M7の内側から製品領域M7の外側に延伸する磁心接続部77により、枠部N7の連結部73が接続される辺と同じ辺に接続されている。つまり、磁心部74は、第1金属板70の導線部71が配置されていない領域に設けられた磁心接続部77を介して枠部N7に支持されている。磁心部74は、端子部72と連結部73と同一厚さに形成された厚板部であり、製品領域M7の略中央部に略正方形状に形成されている。磁心接続部77は、導線部71等と同一厚さに形成された薄板部である。磁心部74は、導線部71とは電気的に独立している。磁心部74を内側厚板部と称する場合がある。
【0128】
支持部751及び752は製品領域M7の内側に配置されており、一方側が製品領域M7の外側に延伸して枠部N7に接続されている。支持部751及び752から延伸する部分は、接続部76と同様の薄板部である。支持部751及び752の他方側は、導線部71とは接続されていない。つまり、支持部751及び752と導線部71とは、電気的に導通していない。支持部751及び752は、他の金属板の厚板部を支持する部分となる。
【0129】
支持部751は、端子部72が接続される枠部N7の辺と対向する辺に接続されている。支持部752は、連結部73が接続される枠部N7の辺と対向する辺に接続されている。
【0130】
導線部71、接続部76、磁心接続部77、及び枠部N7の上面(第2金属板80側の面)と、端子部72、連結部73、磁心部74、及び支持部751及び752の上面(第2金属板80側の面)と、は、略同一平面上にある。一方、導線部71、接続部76、磁心接続部77、及び枠部N7の下面は、端子部72、連結部73、磁心部74、及び支持部751及び752の下面に対して第2金属板80側に窪んだ位置にある。
【0131】
なお、枠部N7は、導線部71等と同一厚さの第1部分と、端子部72等と同一厚さの第2部分とを備えてもよい。例えば、第2部分として、枠部N7を補強すると共に金属板の傾きを防止するため、枠部N7の4つの角部に補強部78を設けてもよい。この場合、補強部78の下面は、端子部72等の下面と略同一平面上にある。補強部78は、例えば、L字型に形成できる。枠部N7を補強すると共に金属板の傾きを防止するため、補強部78に代えて、或いは補強部78に加えて、枠部N7の角部以外の部分に第2部分(厚板部)を設けてもよい。
【0132】
端子部72、連結部73、磁心部74、及び支持部751及び752の厚さは、例えば、50μm~500μm程度であり、導線部71、接続部76、磁心接続部77、及び枠部N7の厚さは、例えば、端子部72等の半分程度である。なお、枠部N7に補強部78を設けた場合は、補強部78の厚さは端子部72等と同一となる。
【0133】
図19(b)に示すように、第2金属板80の製品領域M8は、導線部81と、連結部83
1と、連結部83
2と、磁心部84と、支持部85
1及び85
2とを有している。導線部81の一端である始点811には連結部83
1が形成され、他端である終点812には連結部83
2が形成されている。
【0134】
第2金属板80の導線部81、連結部83
1、連結部83
2、磁心部84、並びに支持部85
1及び85
2は、第1金属板70の導線部71、端子部72、連結部73、磁心部74、並びに支持部75
1及び75
2と同一パターンに形成されている。
図19(a)に示す第1金属板70を時計回りに90度回転させると、平面視において
図19(b)に示す第2金属板80と重複する。第2金属板80の導線部81、連結部83
1、連結部83
2、磁心部84、並びに支持部85
1及び85
2の厚さも、第1金属板70の導線部71、端子部72、連結部73、磁心部74、並びに支持部75
1及び75
2の厚さと同一である。
【0135】
図20に示すように、第3金属板90の製品領域M9は、導線部91と、端子部92と、連結部93と、磁心部94と、支持部95
1及び95
2とを有している。導線部91の一端である始点911には連結部93が形成され、他端である終点912には端子部92が形成されている。
【0136】
第3金属板90の導線部91、端子部92、連結部93、磁心部94、並びに支持部95
1及び95
2は、第1金属板70の導線部71、端子部72、連結部73、磁心部74、並びに支持部75
1及び75
2と同一パターンに形成されている。
図19(a)に示す第1金属板70を時計回りに180度回転させると、平面視において
図20に示す第3金属板90と重複する。第3金属板90の導線部91、端子部92、連結部93、磁心部94、並びに支持部95
1及び95
2の厚さも、第1金属板70の導線部71、端子部72、連結部73、磁心部74、並びに支持部75
1及び75
2の厚さと同一である。
【0137】
このように、第1金属板70、第2金属板80、及び第3金属板90は同一パターンに形成されているため、各々の金属板が90度ずつ回転しながら積層されてコイル構造体3が形成される。
【0138】
図22(a)は、コイル構造体3の
図19(a)のA-A線に沿う断面図である。
図22(b)は、コイル構造体3の
図19(a)のB-B線に沿う断面図である。
図23(a)は、コイル構造体3の
図19(a)のC-C線に沿う断面図である。
図23(b)は、コイル構造体3の
図19(a)のD-D線に沿う断面図である。
図24(a)は、コイル構造体3の
図19(a)のE-E線に沿う断面図である。
図24(b)は、コイル構造体3の
図19(a)のF-F線に沿う断面図である。
図25(a)は、コイル構造体3の
図19(a)のG-G線に沿う断面図である。
図25(b)は、コイル構造体3の
図19(a)のH-H線に沿う断面図である。
図26は、コイル構造体3の
図19(a)のI-I線に沿う断面図である。なお、
図22~
図26では、便宜上、一部の符号の表示を省略している。
【0139】
図18~
図21に加えて
図22~
図26を参照すると、コイル構造体3において、隣接する金属板同士は互いに接合されている。隣接する金属板同士は、例えば、拡散接合により接合できる。
【0140】
具体的には、第1金属板70上に第2金属板80が積層され、両者の厚板部同士が互いに接合されている。すなわち、端子部72上に支持部851が接合され、連結部73上に連結部831が積層され、支持部751上に連結部832が積層され、支持部752上に支持部852が積層されている。又、磁心部74上には、磁心部84が接合されている。又、各補強部78上には、各補強部88が接合されている。
【0141】
これにより、導線部71の終点712と接続されている連結部73と導線部81の始点811と接続されている連結部831が導通し、導線部71と導線部81とが直列に接続される。又、導線部71及び導線部81は端子部72や連結部831等よりも薄型に形成されているため、導線部71の上面と導線部81の下面とが接することはない。又、第2金属板80の各厚板部の下側には、必ず第1金属板70の厚板部の何れかが配置されるため、上下の金属板同士を容易に接合できる。
【0142】
同様に、第2金属板80上に第3金属板90が積層され、両者の厚板部同士が互いに接合されている。すなわち、連結部831上に支持部951が接合され、連結部832上に連結部93が積層され、支持部851上に支持部952が積層され、支持部852上に端子部92が積層されている。又、磁心部84上には、磁心部94が接合されている。又、各補強部88上には、各補強部98が接合されている。
【0143】
これにより、導線部81の終点812と接続されている連結部832と導線部91の始点911と接続されている連結部93が導通し、導線部81と導線部91とが直列に接続される。又、導線部81及び導線部91は連結部831や連結部93等よりも薄型に形成されているため、導線部81の上面と導線部91の下面とが接することはない。又、第3金属板90の各厚板部の下側には、必ず第2金属板80の厚板部の何れかが配置されるため、上下の金属板同士を容易に接合できる。
【0144】
以上の構造により、コイル構造体3では、導線部71の終点712と導線部81の始点811、導線部81の終点812と導線部91の始点911が順次接続される。これにより、導線部71の始点711から導線部91の終点912に至る1本の螺旋状のコイルが形成される。又、コイル構造体3では、磁心部74、84、及び94が順次積層されて、1本の螺旋状のコイルの内側に磁心Cが形成される。
【0145】
又、第1実施形態と同様に、外部接続端子となる部分が露出するように、コイル構造体3を封止樹脂150で被覆することで、
図27に示す表面実装型のインダクタ4が作製される。インダクタ4の平面形状は、例えば、正方形状や長方形状等の矩形状となる。
【0146】
封止樹脂150から露出する端子部72の側面及び下面、支持部851の側面、及び支持部952の側面は、外部接続端子1Aとなる。又、封止樹脂150から露出する支持部752の側面及び下面、支持部852の側面、及び端子部92の側面は、外部接続端子1Bとなる。
【0147】
なお、
図27(b)は
図27(a)を下面側から視た図である。言い換えれば、
図27(b)は
図27(a)を紙面前後方向に180度回転させて上下反転させた図である。インダクタ4の平面形状は、例えば、3mm×3mm程度の略矩形状とすることができる。インダクタ4の厚さは、例えば、1.0mm程度とすることができる。
【0148】
図28は、第1実施形態に係るインダクタの実装方法を説明する断面図であり、
図28(a)は
図27のJ断面を示し、
図28(b)は
図27のK断面を上下反転させて示している。
図28(a)及び
図28(b)において、インダクタ4は、基板200に実装されている。具体的には、基板200の一方の面にはパッド210が形成されており、パッド210の上面の一部がソルダーレジスト層220の開口部220x内に露出している。開口部220x内に露出するパッド210の上面は、はんだ230によりインダクタ4の外部接続端子1A及び1Bと電気的に接続されている。
【0149】
このように、コイル構造体3では、各々の金属板の導線部、端部厚板部、及び磁心部となる内側厚板部が同一パターンに形成され、各々の金属板が90度ずつ回転しながら積層されている。このような構造により、2層又は3層のコイル構造体を容易に形成できる。その他の効果については、第1実施形態と同様である。
【0150】
以上、好ましい実施形態等について詳説したが、上述した実施形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0151】
例えば、各々の金属板の導線部や枠部の平面形状は略矩形状には限定されず、円形状や楕円形状、その他のより複雑な形状であってもよい。
【符号の説明】
【0152】
1、3 コイル構造体
1A、1B 外部接続端子
2、4 インダクタ
10、70 第1金属板
11、21、31、41、51、61、71、81、91 導線部
12、62、72、92 端子部
13、231、232、331、332、431、432、531、532、63 連結部
14、24、34、44、54、64、74、84、94 磁心部
151から156、251から256、351から356、451から456、451から456、651から656、751、752、851、852、951、952 支持部
16、26、36、46、56、66、76、86、96 接続部
17、27、37、47、57、67、77、87、97 磁心接続部
18、28、38、48、58、68、78、88、98 補強部
20、80 第2金属板
30、90 第3金属板
40 第4金属板
50 第5金属板
60 第6金属板
150 封止樹脂
111、211、311、411、511、611、711、811、911 始点
112、212、312、412、512、612、712、812、912 終点