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特許7423947トナー容器、トナー補給装置、及び、画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】トナー容器、トナー補給装置、及び、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20240123BHJP
【FI】
G03G15/08 343
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019168053
(22)【出願日】2019-09-17
(65)【公開番号】P2020154279
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】P 2019045487
(32)【優先日】2019-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【弁理士】
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】生熊 貴広
(72)【発明者】
【氏名】山崎 晃一
(72)【発明者】
【氏名】吉沢 秀男
(72)【発明者】
【氏名】大平 達也
【審査官】飯野 修司
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-069156(JP,A)
【文献】特開2013-061496(JP,A)
【文献】特開2014-081663(JP,A)
【文献】特開2014-048541(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向を回転軸方向として回転して、内部に収容したトナーを開口部に向けて搬送する略筒状の容器本体と、
前記開口部が形成された前記容器本体の頭部が内挿されるとともに、前記開口部から排出されたトナーを容器外に排出するためのトナー排出口を具備して、画像形成装置本体に非回転で保持されるキャップ部と、
を備え、
前記キャップ部は、前記トナー排出口の近傍に位置する弾性変形可能な第1弾性変形部を具備したシート状部材が設置され、
前記トナー排出口は、前記キャップ部の底部に設けられるとともに、鉛直方向に延びるトナー落下経路を介して鉛直方向下方に向けてトナーを排出するように形成され、
前記シート状部材は、前記トナー落下経路の上方で前記回転軸方向に延在する固定軸に保持され、
前記第1弾性変形部は、前記トナー落下経路の上方で前記トナー落下経路に対向するように設けられたことを特徴とするトナー容器。
【請求項2】
前記第1弾性変形部は、前記長手方向に複数の歯部が櫛歯状に並設されたことを特徴とする請求項1に記載のトナー容器。
【請求項3】
前記シート状部材は、前記容器本体の内部における前記開口部の近傍に位置する弾性変形可能な第2弾性変形部を具備したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトナー容器。
【請求項4】
長手方向を回転軸方向として回転して、内部に収容したトナーを開口部に向けて搬送する略筒状の容器本体と、
前記開口部が形成された前記容器本体の頭部が内挿されるとともに、前記開口部から排出されたトナーを容器外に排出するためのトナー排出口を具備したキャップ部と、
を備え、
前記キャップ部は、前記トナー排出口の近傍に位置する弾性変形可能な第1弾性変形部と、前記容器本体の内部における前記開口部の近傍に位置する弾性変形可能な第2弾性変形部と、を具備したシート状部材が設置され、
前記シート状部材は、前記回転軸方向に延在する固定軸に保持され、
前記第1弾性変形部は、前記トナー排出口に対向するように、前記長手方向に複数の歯部が櫛歯状に並設され、
前記第2弾性変形部は、前記容器本体の内壁の上部に当接するように、前記長手方向に複数の歯部が櫛歯状に並設されたことを特徴とするトナー容器。
【請求項5】
前記第1弾性変形部は、前記複数の歯部が前記長手方向に隙間をあけて並設され、
前記第2弾性変形部は、前記複数の歯部が前記長手方向に隙間をあけずに並設されたことを特徴とする請求項4に記載のトナー容器。
【請求項6】
前記第1弾性変形部は、前記容器本体の回転にともない、前記容器本体、又は、前記容器本体に設置された撹拌部材、にその回転周期でぶつかって弾性変形を繰り返し、
前記第2弾性変形部は、前記容器本体の回転にともない、前記容器本体の内壁の上部に摺接することを特徴とする請求項3~請求項5のいずれかに記載のトナー容器。
【請求項7】
請求項1~請求項6のいずれかに記載のトナー容器が着脱可能に設置されて、
前記トナー容器から排出されたトナーを現像装置に向けて補給することを特徴とするトナー補給装置。
【請求項8】
請求項1~請求項6のいずれかに記載のトナー容器を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、内部にトナーが収容されたトナー容器と、それを備えたトナー補給装置と、それを備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置と、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、画像形成装置本体に着脱可能に設置される略筒状のトナー容器(トナーボトル)が多く用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1において、トナー容器(現像剤収納容器)は、主として、略筒状の容器本体と、キャップ部と、で構成されている。容器本体は、頭部に開口部が形成されて、内周面に螺旋状の突起が形成されている。キャップ部は、その底部にトナー排出口(補給口)が形成されて、容器本体の頭部が内挿される。
そして、画像形成装置にセットされたトナー容器は、容器本体が回転駆動されることで、容器本体内のトナーが開口部に向けて搬送される。そして、容器本体の開口部から排出されたトナーが、非回転のキャップ部のトナー排出口を介して容器外に排出される。そして、トナー容器から排出されたトナーは、トナー補給装置によって、現像装置に補給される。
【0003】
一方、特許文献1には、容器本体の開口部からトナーをスムーズに排出させるために、開口部に略板状の撹拌部材を設置する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のトナー容器は、トナー排出口や開口部の近傍で凝集したトナーによってトナー排出口が塞がれてしまう不具合が生じてしまう可能性があった。そして、そのようにトナー排出口が塞がれてしまうと、トナー容器からトナーを良好に排出することができずに、現像装置へのトナー補給不良などが生じてしまうことになる。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、トナー排出口が凝集トナーで塞がれてしまう不具合が軽減される、トナー容器、トナー補給装置、及び、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明におけるトナー容器は、長手方向を回転軸方向として回転して、内部に収容したトナーを開口部に向けて搬送する略筒状の容器本体と、前記開口部が形成された前記容器本体の頭部が内挿されるとともに、前記開口部から排出されたトナーを容器外に排出するためのトナー排出口を具備して、画像形成装置本体に非回転で保持されるキャップ部と、を備え、前記キャップ部は、前記トナー排出口の近傍に位置する弾性変形可能な第1弾性変形部具備したシート状部材が設置され、前記トナー排出口は、前記キャップ部の底部に設けられるとともに、鉛直方向に延びるトナー落下経路を介して鉛直方向下方に向けてトナーを排出するように形成され、前記シート状部材は、前記トナー落下経路の上方で前記回転軸方向に延在する固定軸に保持され、前記第1弾性変形部は、前記トナー落下経路の上方で前記トナー落下経路に対向するように設けられたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、トナー排出口が凝集トナーで塞がれてしまう不具合が軽減される、トナー容器、トナー補給装置、及び、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
図2】作像部を示す断面図である。
図3】トナー補給装置にトナー容器が設置された状態を示す模式図である。
図4】トナー容器収容部にトナー容器が設置された状態を示す概略斜視図である。
図5】トナー容器を斜め上方から示す斜視図である。
図6】トナー容器を斜め下方から示す斜視図である。
図7】トナー容器を示す分解図である。
図8】トナー容器の容器本体を示す斜視図である。
図9】トナー容器の一部を回転軸方向に示す断面図である。
図10】トナー容器の一部を断面で示す斜視図である。
図11】キャップ部のトナー排出口の近傍を示す断面図である。
図12】容器本体の開口部の近傍を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0010】
まず、画像形成装置100における全体の構成・動作について説明する。
図1に示すように、画像形成装置本体100の上方にあるトナー容器収容部70(図3参照)には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナー容器32Y、32M、32C、32Kが着脱可能(交換可能)に設置されている。
トナー容器収容部70の下方には中間転写ユニット15が配設されている。その中間転写ユニット15の中間転写ベルト8に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6Y、6M、6C、6Kが並設されている。
トナー容器32Y、32M、32C、32Kの下方には、それぞれ、トナー補給装置60Y、60M、60C、60Kが配設されている。そして、トナー容器32Y、32M、32C、32Kに収容されたトナーは、それぞれ、トナー補給装置60Y、60M、60C、60Kによって、作像部6Y、6M、6C、6Kの現像装置内に供給(補給)される。
【0011】
図2を参照して、イエローに対応した作像部6Yは、感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Yの周囲に配設された帯電装置4Y、現像装置5Y、クリーニング装置2Y、除電装置、等で構成されている。そして、感光体ドラム1Y上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程、除電工程)がおこなわれて、感光体ドラム1Yの表面にイエロー画像が形成されることになる。
【0012】
なお、他の3つの作像部6M、6C、6Kも、使用されるトナーの色が異なる以外は、イエローに対応した作像部6Yとほぼ同様の構成となっていて、それぞれのトナー色に対応した画像が形成される。以下、他の3つの作像部6M、6C、6Kの説明を適宜に省略して、イエローに対応した作像部6Yのみの説明をおこなうことにする。
【0013】
図2を参照して、感光体ドラム1Yは、駆動モータによって図2の時計方向に回転駆動される。そして、帯電装置4Yの位置で、感光体ドラム1Yの表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、露光装置7(図1参照)から発せられるレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
【0014】
その後、感光体ドラム1Yの表面は、現像装置5Yとの対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、イエローのトナー像が形成される(現像工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、中間転写ベルト8及び第1転写ローラ9Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム1Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
【0015】
その後、感光体ドラム1Yの表面は、クリーニング装置2Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード2aによって機械的に回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体ドラム1Yの表面は、除電装置との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上の残留電位が除去される(除電工程である。)。
こうして、感光体ドラム1Y上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
【0016】
なお、上述した作像プロセスは、他の作像部6M、6C、6Kでも、イエロー作像部6Yと同様におこなわれる。すなわち、作像部の下方に配設された露光装置7から、画像情報に基いたレーザ光Lが、各作像部6M、6C、6Kの感光体ドラム上に向けて照射される。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
【0017】
ここで、図1を参照して、中間転写ユニット15は、中間転写ベルト8、4つの1次転写ローラ9Y、9M、9C、9K、2次転写バックアップローラ12、複数のテンションローラ、中間転写クリーニング装置、等で構成される。中間転写ベルト8は、複数のローラ部材によって張架・支持されるとともに、1つのローラ部材12の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動される。
【0018】
4つの1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kは、それぞれ、中間転写ベルト8を感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kに、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。
そして、中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、4つの1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。
【0019】
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト8は、2次転写ローラ19との対向位置に達する。この位置では、2次転写対向ローラ12が、2次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト8上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された用紙等のシートP上に転写される。このとき、中間転写ベルト8には、シートPに転写されなかった未転写トナーが残存する。
その後、中間転写ベルト8は、中間転写クリーニング装置の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト8上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
【0020】
ここで、2次転写ニップの位置に搬送されるシートPは、装置本体100の下方に配設された給紙装置26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送されるものである。
詳しくは、給紙装置26には、用紙等のシートPが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図1の反時計方向に回転駆動されると、一番上のシートPがレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。
【0021】
レジストローラ対28に搬送されたシートPは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対28が回転駆動されて、シートPが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、シートP上に、所望のカラー画像が転写される。
【0022】
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写されたシートPは、定着装置20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ベルト及び加圧ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像がシートP上に定着される。
その後、シートPは、排紙ローラ対29のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対29によって装置外に排出されたシートPは、出力画像として、スタック部30上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0023】
次に、図2にて、作像部における現像装置の構成・動作について、さらに詳しく説明する。
現像装置5Yは、感光体ドラム1Yに対向する現像ローラ51Y、現像ローラ51Yに対向するドクターブレード52Y、現像剤収容部53Y、54Y内に配設された2つの搬送スクリュ55Y、現像剤中のトナー濃度を検知する濃度検知センサ56Y、等で構成される。現像ローラ51Yは、内部に固設されたマグネットや、マグネットの周囲を回転するスリーブ等で構成される。現像剤収容部53Y、54Y内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤Gが収容されている。現像剤収容部54Yは、その上方に形成された開口を介してトナー落下搬送経路64Yに連通している。
【0024】
このように構成された現像装置5Yは、次のように動作する。
現像ローラ51Yのスリーブは、図2の矢印方向に回転する。そして、マグネットにより形成された磁界によって現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、スリーブの回転にともない現像ローラ51Y上を移動する。
【0025】
ここで、現像装置5Y内の現像剤Gは、現像剤中のトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように調整される。詳しくは、現像装置5Y内のトナー消費に応じて、トナー容器32Yに収容されているトナーが、トナー補給装置60Y(図3参照)を介して現像剤収容部54Y内に補給される。なお、トナー補給装置の構成・動作については、後で詳しく説明する。
【0026】
その後、現像剤収容部54Y内に補給されたトナーは、2つの搬送スクリュ55Yによって、現像剤Gとともに混合・撹拌されながら、2つの現像剤収容部53Y、54Yを循環する(図2の紙面垂直方向の移動である。)。そして、現像剤G中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ51Y上に形成された磁力によりキャリアとともに現像ローラ51Y上に担持される。
【0027】
現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、図2中の矢印方向に搬送されて、ドクターブレード52Yの位置に達する。そして、現像ローラ51Y上の現像剤Gは、この位置で現像剤量が適量化された後に、感光体ドラム1Yとの対向位置(現像領域である。)まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界によって、感光体ドラム1Y上に形成された潜像にトナーが吸着される。その後、現像ローラ51Y上に残った現像剤Gはスリーブの回転にともない現像剤収容部53Yの上方に達して、この位置で現像ローラ51Yから離脱される。
【0028】
次に、図3及び図4を用いて、トナー補給装置60Y、60M、60C、60Kについて詳述する。
図3を参照して、装置本体100のトナー容器収容部70に設置された各トナー容器32Y、32M、32C、32K内のトナーは、各色の現像装置内のトナー消費に応じて、トナー色ごとに設けられたトナー補給装置60Y、60M、60C、60Kによって適宜に各現像装置内に補給される。
なお、4つのトナー補給装置60Y、60M、60C、60Kやトナー容器32Y、32M、32C、32Kは、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる以外はほぼ同一構造であるので、イエローに対応したトナー補給装置60Yやトナー容器32Yのみの説明をおこない、他の3つの色に対応したトナー補給装置60M、60C、60Kやトナー容器32M、32C、32Kの説明を適宜に省略する。
【0029】
図4に示すように、トナー容器32Y、32M、32C、32Kが装置本体100のトナー容器収容部70に装着(矢印Q方向の移動である。)されると、その装着動作に連動して、トナー容器32Y、32M、32C、32Kのシャッタ部材34dが移動してトナー排出口Wが開放されるとともに、トナー補給装置60Y、60M、60C、60Kのトナー補給口73w(図3参照)とトナー排出口Wとが連通する。これにより、トナー容器32Y、32M、32C、32K内に収容されたトナーが、トナー排出口Wから排出されて、トナー補給装置60Y、60M、60C、60Kのトナー補給口73wからトナータンク部61Y内に貯溜されることになる。
ここで、図3を参照して、トナー容器32Yは、略円筒状のトナーボトルであって、主として、トナー容器収容部70に非回転で保持されるキャップ部34Yと、ギア33cが一体的に形成された容器本体33Y(ボトル本体)と、で構成される。容器本体33Yは、キャップ部34Yに対して相対的に回転可能に保持されていて、駆動部91(駆動モータ、駆動ギア81等で構成されている。)によって図3の矢印方向に回転駆動される。そして、容器本体33Y自体が回転することで、容器本体33Yの内周面に螺旋状に形成された突起33bによって、トナー容器32Y(容器本体33Y)の内部に収容されたトナーが長手方向に搬送されて(図3の左方から右方への搬送である。)、キャップ部34Yのトナー排出口Wからトナーが排出される。すなわち、駆動部91によってトナー容器32Yの容器本体33Yが適宜に回転駆動されることで、トナータンク部61Yにトナーが適宜に供給される。なお、トナー容器32Y、32M、32C、32Kは、それぞれ、寿命に達したとき(収容するトナーがほとんどすべて消費されて空になったときである。)に新品のものに交換される。
【0030】
図3を参照して、トナー補給装置60Y、60M、60C、60Kは、トナー容器収容部70、トナータンク部61Y、トナー搬送スクリュ62Y、撹拌部材65Y、トナーエンドセンサ66Y、駆動部91、等で構成されている。
トナータンク部61Yは、トナー容器32Yのトナー排出口Wの下方に配設されていて、トナー容器32Yのトナー排出口Wから排出されたトナーが貯留される。トナータンク部61Yの底部は、トナー搬送スクリュ62Yの上流部に接続されている。
また、トナータンク部61Yの壁面(底部から所定高さの位置である。)には、トナータンク部61Yに貯留されたトナーが所定量以下になったことを検知するトナーエンドセンサ66Yが設置されている。トナーエンドセンサ66Yとしては、圧電センサ等を用いることができる。そして、トナーエンドセンサ66Yによってトナータンク部61Yに貯留されたトナーが所定量以下になったことが制御部90にて検知(トナーエンド検知)されると、制御部90の制御により駆動部91(駆動ギア81)によってトナー容器32Yの容器本体33Yを所定時間回転駆動してトナータンク部61Yへのトナー補給をおこなう。さらに、このような制御を繰り返してもトナーエンドセンサ66Yによるトナーエンド検知が解除されない場合には、トナー容器32Y内にトナーがないものとして、装置本体100の表示パネルにトナー容器32Yの交換を促す旨の表示をおこなう。
【0031】
また、トナータンク部61Yの中央(トナーエンドセンサ66Yの近傍である。)には、トナータンク部61Yに貯留されたトナーの凝集を防ぐ撹拌部材65Yが設置されている。撹拌部材65Yは、軸部に可撓性部材が設置されたものであって、図3の時計方向に回転することによりトナータンク部61Y内のトナーを撹拌する。さらに、撹拌部材65Yの可撓性部材の先端が、回転周期でトナーエンドセンサ66Yの検知面に摺接することで、トナーエンドセンサ66Yの検知面にトナーが固着して検知精度が低下する不具合を抑止している。
【0032】
トナー搬送スクリュ62Yは、トナータンク部61Yに貯留されたトナーを斜め上方に搬送するものである。詳しくは、トナー搬送スクリュ62Yは、トナータンク部61Yの底部(最下点)から現像装置5Yの上方に向けてトナーを直線的に搬送する。そして、トナー搬送スクリュ62Yによって搬送されたトナーは、トナー落下搬送経路64Y(図2参照)を自重落下して現像装置5Y(現像剤収容部54Y)内に補給される。
【0033】
また、図4を参照して、トナー容器収容部70は、主として、トナー容器32Yのキャップ部34Yを保持するためのキャップ受部73と、トナー容器32Yの容器本体33Yを保持するためのボトル受部72(容器本体受部)と、トナー容器32Yの装着動作時における挿入口となる挿入口部71と、で構成されている。
【0034】
ここで、図1を参照して、装置本体100の手前側(図1の紙面垂直方向手前側である。)に設置された本体カバーを開放すると、トナー容器収容部70(挿入口部71)が露呈される。そして、各トナー容器32Y、32M、32C、32Kの長手方向を水平方向とした状態で、装置本体100の手前側から各トナー容器32Y、32M、32C、32Kの着脱操作(トナー容器の長手方向を着脱方向とする着脱操作である。)がおこなわれる。
ここで、ボトル受部72は、その長手方向の長さが、容器本体33Yの長手方向の長さとほぼ同等になるように形成されている。また、キャップ受部73はボトル受部72における長手方向(装着方向)の一端側に設けられ、挿入口部71はボトル受部72における長手方向(装着方向)の他端側に設けられている。そのため、トナー容器32Yの装着動作にともない、キャップ部34Yは、挿入口部71を通過した後に、しばらくボトル受部72上を滑動して、その後にキャップ受部73にセットされることになる。
【0035】
次に、図5図12にて、トナー容器32Y、32M、32C、32Kについて詳述する。
図5図6に示すように、トナー容器32Yは、主として、略筒状の容器本体33Y(ボトル本体)と、その頭部が内挿されるキャップ部34Y(ボトルキャップ)と、で構成される。さらに、図7図8を参照して、トナー容器32Yは、容器本体33Yとキャップ部34Yとの他に、撹拌部材33f、シャッタ部材34d、シャッタシール36、RFID35、カバー37、等に分解される。
【0036】
図7図8に示すように、略筒状の容器本体33Yの頭部には、容器本体33Yとともに一体的に回転するギア33cと、開口部Aと、が長手方向(図9図10の紙面垂直方向である。)の一端側に設けられている。開口部Aは、容器本体33Yの頭部(装着動作において先方となる位置である。)に設けられていて、容器本体33Y内に収容されたトナーをキャップ部34Y内のスペース(空洞であって、図9参照)に向けて排出するためのものである。
なお、容器本体33Y内からキャップ部34Y内の空洞へのトナー搬送(容器本体33Yの回転駆動)は、キャップ部34Y内におけるトナーが所定の喫水線を下回らない程度に適宜におこなわれる。
【0037】
ギア33cは、装置本体100のトナー容器収容部70に設けられた駆動ギア81と噛合して、容器本体33Yを長手方向を回転軸方向として図9の一点鎖線で示す回転中心を中心に回転駆動させるためのものである。
詳しくは、ギア33cは、開口部Aの周りを1周するように形成されていて、容器本体33Yの回転中心に対して放射状に複数の歯が形成されている。そして、ギア33cは、その一部が、キャップ部34Yに形成された切欠部から露呈して、斜め下方の噛合位置で装置本体100の駆動ギア81と噛合する。そして、駆動ギア81からギア33cに駆動力が伝達されて、容器本体33Yが図3の矢印方向に回転することになる。なお、本実施の形態において、駆動ギア81及びギア33cは平歯車である。
【0038】
図5及び図6を参照して、容器本体33Yの長手方向他端側(装着方向の後方の端部である。)には、トナー容器32Yの着脱作業をおこなう際にユーザーが把持するための把持部33dが設けられている。ユーザーは把持部33dを把持しながら、画像形成装置本体100に対してトナー容器32Yの装着をおこなうことになる(図5の矢印方向へのトナー容器32Yの移動である。)。
【0039】
また、容器本体33Yの内周面には、螺旋状の突起33bが設けられている(外周面側から見ると螺旋状の溝となっている。)。この螺旋状の突起33bは、容器本体33Yを長手方向を回転軸方向として回転して、容器本体33Yの内部に収容されたトナーを開口部Aに向けて搬送して開口部Aから排出するためのものである。
このように構成された容器本体33Yは、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの樹脂材料で形成されていて、その周面上に配設されるギア33cや把持部33dとともにブロー成形にて一体的に製造することができる。
【0040】
なお、図7及び図8を参照して、本実施の形態におけるトナー容器32Yは、容器本体33Yとともに回転する撹拌部材33fがボトル口部33a(開口部A)に嵌合されている。
撹拌部材33fには、キャップ部34Y内の空洞から容器本体33Y内に向けて延設された一対の略棒状の羽根部33f1が周方向の離れた位置に設けられている。容器本体33Yの開口部Aとともに撹拌部材33(羽根部33f1)が回転することで、開口部Aからのトナー排出性が向上する。
【0041】
また、図7及び図8を参照して、容器本体33Yのボトル口部33aは、キャップ部34Yに嵌合可能な爪部が周方向に形成されている。そして、容器本体33Yは、キャップ部34Yに対して相対的に回転可能に嵌合されることになる。したがって、ギア33cは、キャップ部34Yに対して相対的に回転することになる。
また、容器本体33Yの頭部(ギア33cが形成された位置近傍である。)の内径は、トナーが収容された収容部(螺旋状の突起33bが形成された位置である。)の内径よりも小さくなるように形成されている。そして、容器本体33Yの頭部には、その内周面が内部に向かってせり出すように形成された汲み上げ部(図7図8の破線で囲んだ部分である。)が設けられている。そして、容器本体33Yの回転にともない螺旋状の突起33bによって開口部Aに向けて搬送されたトナーは、汲み上げ部(図7図8の破線で囲んだ部分である。)によって頭部の小径部に汲み上げられる。その後、頭部の小径部に汲み上げられたトナーは、撹拌部材33fに撹拌されながら、開口部Aからキャップ部34Yの空洞に向けて排出される。
【0042】
図7を参照して、トナー容器32Yのキャップ部34Yには、シャッタ部材34d、シャッタシール36、RFID35、カバー37、等が設置される。
キャップ部34Yは、容器本体33Yの開口部Aが内挿される。キャップ部34Yの底部には、容器本体33Yの開口部Aから排出されたトナーを容器外であって鉛直方向下方に排出(自重落下)させるためのトナー排出口Wが形成されている。そして、キャップ部34Yの底部には、トナー排出口Wの開閉をおこなうためのシャッタ部材34d(図6参照)が、スライド移動可能に保持されている。具体的に、シャッタ部材34dは、キャップ部34Yの側から容器本体33Yの側への長手方向の相対的な移動(図6の矢印方向の逆方向への移動である。)によりトナー排出口Wを開放して、容器本体33Yの側からキャップ部34Yの側への長手方向の相対的な移動(図6の矢印方向への移動である。)によりトナー排出口Wを閉鎖する。シャッタ部材34dの開閉動作(トナー排出口Wの開閉動作である。)は、トナー容器収容部70(装置本体100)へのトナー容器32Yの長手方向の着脱動作に連動しておこなわれる。
【0043】
このように構成されたキャップ部34Yは、開口部Aを介して容器本体33Yに連通していて、開口部Aから排出されたトナーをトナー排出口Wから排出する(図3中の破線矢印方向の移動である。)。
ここで、本実施の形態では、キャップ部34Yの内部に、長手方向に延在するように略円柱状の空洞(スペース)が形成されている。さらに、キャップ部34Yの内部には、略円柱状の空洞の下方の周面からトナー排出口Wに向けて一定の流路面積(流路断面積)にて柱状に形成されたトナー落下経路が設けられている。これによって、容器本体33Yの開口部Aからキャップ部34Yの空洞に排出されたトナーは、柱状のトナー落下経路を自重落下してトナー排出口Wから容器外(トナータンク部61Y)にスムーズに排出されることになる。
【0044】
なお、図7を参照して、キャップ部34Yの内部の対向面(容器本体33Yの開口部Aの周囲のボトル口部33aに対向する面である。)には、環状のキャップシールが貼着されている。キャップシールは、開口部Aの周囲で容器本体33Y及びキャップ部34Yの互いの対向面の隙間を封止するためのもので、発泡ポリウレタン等の弾性材料(発泡樹脂材料)で形成されている。
また、キャップ部34Yの端面には、RFID35がカバー37に覆われるように設置されている。RFID35には、トナー容器の製造番号、リサイクル回数等の情報や、トナーの容量、ロット番号、色等の情報が格納されていて、それらの情報が画像形成装置本体100との間でやり取りされることになる。
【0045】
以下、本実施の形態におけるトナー容器32Y、32M、32C、32Kの、特徴的な構成・動作について説明する。
図9図10に示すように、トナー容器32Yのキャップ部34Yには、シート状部材34fが設置されている。
このシート状部材34fは、厚さが0.01~0.15mm程度のマイラーなどの可撓性材料で形成されている。そして、シート状部材34fには、トナー排出口Wの近傍に位置する弾性変形可能な第1弾性変形部34f1と、容器本体33Yの内部における開口部Aの近傍に位置する弾性変形可能な第2弾性変形部34f2と、が設けられている。
【0046】
詳しくは、シート状部材34fは、回転軸方向(長手方向)に延在する固定軸34gに保持されている。固定軸34gは、その根元部がキャップ部34Yの対向面(容器本体33Yの開口Aに対向する対向面である。)に強固に保持されて、その先端部が容器本体33Yの内部に入り込むように配置されている。そして、その固定軸34gのフライス面と板材との間にシート状部材34fが挟まれた状態で、ネジ止めなどにより固定されている。
なお、シート状部材34fの保持方法は、本実施の形態のものに限定されることなく、種々の形態のものを用いることができる。
【0047】
また、第1弾性変形部34f1は、トナー排出口W(落下経路)に対向するように、長手方向に複数の歯部が櫛歯状に並設されている。特に、第1弾性変形部34f1における複数の歯部は、長手方向に隙間をあけて並設されている。すなわち、第1弾性変形部34f1の歯部は、下方に向いていて、隣接する歯と歯との間に隙間(凹状の切欠き)が設けられている。
これに対して、第2弾性変形部34f2は、容器本体33Yの内壁(内周面)の上部に当接するように、長手方向に複数の歯部が櫛歯状に並設されている。特に、第2弾性変形部34f2における複数の歯部は、長手方向に隙間をあけずに並設されている。すなわち、第2弾性変形部34f2の歯部は、上方を向いていて、隣接する歯と歯とが接するように切込みが設けられている。
【0048】
このシート状部材34fは、画像形成装置100(トナー補給装置60Y)におけるトナー補給時において容器本体33Yが回転駆動されても、キャップ部34Yとともに非回転な状態で装置に保持されることになる。
【0049】
そして、図11を参照して、第1弾性変形部34f1は、容器本体33Yの矢印方向の回転にともない、容器本体33Yの開口部A(ボトル口部33a)に設置された撹拌部材33f、にその回転周期でぶつかって弾性変形を繰り返すことになる。
具体的に、第1弾性変形部34f1は、撹拌部材33fの羽根部33f1に干渉可能に配置されるとともに、トナー排出口Wの真上の位置に配置されている。そして、撹拌部材33fの羽根部33f1が図11の破線で示す位置に回転して第1弾性変形部34f1に干渉して、第1弾性変形部34f1を左方に湾曲変形させる。その後、回転が進んで羽根部33f1の第1弾性変形部34f1への干渉が解除されると、第1弾性変形部34f1の弾性により、第1弾性変形部34f1が弾かれるように右方に勢いよく移動して、やがてもとの実線で示す位置に戻される。このような第1弾性変形部34f1の両矢印で示すような搖動が繰り返されることで、トナー排出口Wの近傍(上方)のトナーが常に撹拌されてほぐされることになるため、その位置でトナーが凝集してしまう不具合が生じにくくなる。
【0050】
特に、本実施の形態では、第1弾性変形部34f1における複数の歯部が、長手方向に隙間をあけて並設されているため、隙間をあけずに並設される場合に比べて、キャップ部34Y内の空洞の底部におけるトナーの流動が促進されることになる。
なお、本実施の形態では、第1弾性変形部34f1を撹拌部材33fにぶつけて弾性変形を繰り返すように構成したが、第1弾性変形部34f1を容器本体33Y(例えば、ボトル口部33aに設けた突起などである。)に直接ぶつけて弾性変形を繰り返すように構成することもできる。
【0051】
一方、図12を参照して、第2弾性変形部34f2は、容器本体33Yの矢印方向の回転にともない、容器本体33Yの内壁の上部(開口部Aの近傍の内周面の上部である。)に摺接することになる。
具体的に、第2弾性変形部34f2は、開口部Aの近傍の内周面の上部(図12にて破線で囲んだ部分である。)に摺接するように充分な長さで形成されている。そして、容器本体33Yが回転することにより、容器本体33Yの内壁上部(回転により常に入れ替わることになる。)に、第2弾性変形部34f2の先端部が摺接することになる。このとき、第2弾性変形部34f2の弾性により、図12に示すような変形状態が維持されて(又は、振動して)、内壁上部に付着したトナーが掻き落とされることになる。開口部Aの近傍は、トナーが下部から上部まで堆積・滞留しやすい部分であり、特に上部がトナーがこびり付きやすい部分となっている。また、そのようにトナーがこびり付いたままだと、トナーエンド時にトナー容器32Y内に残トナーが多くなってしまうことになる。さらに、そのようにこびり付いた後に凝集してしまったトナーが、内壁から離脱してトナー排出口Wに入り込むと、トナー排出口Wを塞いでしまうことになる。本実施の形態では、第2弾性変形部34f2によって内壁上部に付着したトナーを常に掻き落としているため、これらのような不具合が生じにくくなる。
特に、本実施の形態では、第2弾性変形部34f2における複数の歯部が、長手方向に隙間をあけずに並設されているため、隙間をあけて並設される場合に比べて、内壁に設けられた突起33bに周辺に付着したトナーもきれいに掻き落とすことができる。
【0052】
このように、本実施の形態では、第1、第2弾性変形部34f1、34f2が設けられたシート状部材34fによって、トナー排出口Wの近傍のトナーをほぐすとともに、容器本体33Yにおける開口部Aの近傍の内壁上部に付着したトナーを掻き落としているため、凝集トナーによってトナー排出口Wが塞がれてしまう不具合を軽減することができる。したがって、トナー容器32Yからトナーを良好に排出することができて、現像装置5Yへのトナー補給不良などが生じにくくなる。
【0053】
以上説明したように、本実施の形態におけるトナー容器32Yは、回転して内部に収容したトナーを開口部Aに向けて搬送する略筒状の容器本体33Yと、容器本体33Yの頭部が内挿されて開口部Aから排出されたトナーを容器外に排出するためのトナー排出口Wを具備したキャップ部34Yと、が設けられている。そして、キャップ部34Yには、トナー排出口Wの近傍に位置する弾性変形可能な第1弾性変形部34f1と、容器本体33Yの内部における開口部Aの近傍に位置する弾性変形可能な第2弾性変形部34f2と、を具備したシート状部材34fが設置されている。
これにより、トナー排出口Wが凝集トナーで塞がれてしまう不具合を軽減することができる。
【0054】
なお、本実施の形態では、トナー容器32Y、32M、32C、32K内にトナーのみを収容したが、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤を現像装置に適宜に供給する画像形成装置に対してはトナー容器32Y、32M、32C、32K内に2成分現像剤を収容することもできる。
その場合であっても、上述した本実施の形態のものとほぼ同様の効果を得ることができる。
【0055】
また、本実施の形態において、作像部6Y、6M、6C、6Kの一部又は全部をプロセスカートリッジとすることもできる。その場合であっても、上述した本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
なお、本願において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電装置と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像装置と、像担持体上をクリーニングするクリーニング装置と、のうち少なくとも1つと、像担持体と、が一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるユニットと定義する。
【0056】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0057】
5Y 現像装置、
32Y、32M、32C、32K トナー容器、
33Y 容器本体、
33b 突起(螺旋状の突起)、
33f 撹拌部材、
33f1 羽根部、
34Y キャップ部、
34f シート状部材、
34f1 第1弾性変形部、
34f2 第2弾性変形部、
34g 固定軸、
60Y、60M、60C、60K トナー補給装置、
100 画像形成装置(画像形成装置本体)、
A 開口部、 W トナー排出口。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0058】
【文献】特開2014-48541公報
図1
図2
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図5
図6
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図8
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