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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】薬物送達デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/168 20060101AFI20240123BHJP
   A61M 5/315 20060101ALI20240123BHJP
   A61M 5/20 20060101ALN20240123BHJP
   A61M 5/24 20060101ALN20240123BHJP
【FI】
A61M5/168 514Z
A61M5/315 550N
A61M5/20
A61M5/24
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020534558
(86)(22)【出願日】2018-12-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-25
(86)【国際出願番号】 EP2018085396
(87)【国際公開番号】W WO2019121617
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-12-13
(31)【優先権主張番号】17306895.8
(32)【優先日】2017-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504456798
【氏名又は名称】サノフイ
【氏名又は名称原語表記】SANOFI
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・ヘルマー
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・リーバイン
【審査官】星名 真幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/050781(WO,A1)
【文献】特表2016-523126(JP,A)
【文献】特表2015-532136(JP,A)
【文献】国際公開第2012/046199(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/168
A61M 5/315
A61M 5/20
A61M 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達デバイスであって:
本体および該本体内に配置された可動の構成要素と;
選択された投与量に応じて本体内の可動の構成要素の位置を設定する、投与量選択および注射機構と;
本体内の可動の構成要素の位置を示す信号を出力するように構成された非接触センサと;
非接触センサから出力された信号を受信し、該信号に基づいて、可動の構成要素が、選択されていない投与量に対応する本体内の初期位置にあるか、または選択された投与量位置にあるかを判定するように構成されたプロセッサであって、可動の構成要素のその位置が選択された投与量位置から初期位置に戻るように変化したと判定したとき、プロセッサは、薬物送達デバイスの休止時間に関して使用者に通知するインジケーションを出力させるように構成される、プロセッサと;
を含み、
ここで、非接触センサは静電容量式センサであり、本体と、可動の構成要素と、投与量選択および注射機構とは、少なくとも、静電容量式センサの誘電体層の一部を形成し;
プロセッサは、投与量が選択されておらず、可動の構成要素が本体内の初期位置にあるとき、静電容量式センサの静電容量を測定し、測定された静電容量を基準値として記憶し、投与量が選択されるときの静電容量変化を検出し、注射に起因する更なる静電容量変化を検出し、測定された静電容量が基準値と相関しているとき、注射の終了を決定するように更に構成される、前記薬物送達デバイス。
【請求項2】
表示ユニットを更に含み、ここで、インジケーションを出力させることは、1つまたはそれ以上のグラフィック要素を表示ユニット上に表示させることを含み、グラフィック要素は休止時間の進行を伝える、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項3】
送信ユニットを更に含み、ここで、インジケーションを出力させることは、1つまたはそれ以上の信号を送信ユニットによって送信させることを含み、信号は休止時間の進行を伝える、請求項1または2に記載の薬物送達デバイス。
【請求項4】
送信ユニットは、データを1つまたはそれ以上の外部デバイスに送信するための無線ユニットである、請求項3に記載の薬物送達デバイス。
【請求項5】
本体と、可動の構成要素と、投与量選択および注射機構の部材とは、可動の構成要素が、選択されていない投与量に対応する本体内の初期位置にあるか、または選択された投与量位置にあるかを検出するのに十分な静電容量式センサの誘電率を得るように選択された1つまたはそれ以上の材料から作られ、1つまたはそれ以上の選択された材料は、プラスチックおよび金属を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項6】
投与量選択および注射機構の少なくとも1つの可動の部材は金属から作られ、該金属は、静電容量式センサの誘電特性に影響を及ぼす場合があり、投与量選択機構の少なくとも1つの金属部材は、薬物送達デバイスの注射機構の駆動ばねである、請求項5に記載の薬物送達デバイス。
【請求項7】
静電容量式センサは、少なくとも2つの導電性部材の対向するセットを含み、第1の部材は、本体の外側の少なくとも一部の上に配置される層である、請求項1~6のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項8】
少なくとも2つの導電性部材のうちの第2の部材は、本体の外側の少なくとも一部の上に、第1の部材に対向して配置される層である、請求項7に記載の薬物送達デバイス。
【請求項9】
少なくとも2つの導電性部材のうちの第2の部材は、本体内に、第1の部材に対向して配置され、本体と、可動の構成要素と、投与量選択および注射機構とは、少なくとも部分的に、第1の部材と第2の部材との間に配置される、請求項7または8に記載の薬物送達デバイス。
【請求項10】
投与量選択および注射機構は、選択された投与量のためのディスプレイを含み、該ディスプレイは、投与量選択のための回転可能な構成要素に連結され、該回転可能な構成要素は、本体に対し可動の構成要素を変位させるための変位機構に連結される、請求項1~9のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項11】
プロセッサは、薬物送達デバイスの休止時間の終了を使用者に通知するインジケーションを出力させるように更に構成される、請求項1~10のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項12】
プロセッサは、薬物送達デバイスの休止時間の開始および/または終了時にインジケータ信号を出力させるように構成される、請求項1~11のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項13】
薬物送達デバイスは動力式の自動注射器であり、動力式の自動注射器の投薬機構は、予圧されたばねによって動力を供給される、請求項1~12のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項14】
プロセッサは、注射に関する情報、特に注射の日時を記録するように更に構成される、請求項1~13のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項15】
薬剤を含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、薬剤注射後に、休止時間、たとえば経過した休止時間を使用者に通知するように構成される薬物送達デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤の注射による定期的な治療を必要とする様々な疾病が存在する。そのような注射は、医療従事者または患者自身によって適用される注射デバイスを使用することによって実行することができる。
【0003】
注射デバイス(すなわち、医薬品容器から薬剤を送達することが可能なデバイス)は、典型的には、2つの種類、すなわち手動デバイスおよび自動注射器に分けられる。
【0004】
手動デバイスでは、使用者は、針に流体を通すために、機械的エネルギーを提供しなければならない。これは、典型的には、何らかの形態のボタン/プランジャによって行われ、注射中、使用者はこれを連続して押下しなければならない。この手法には使用者にとって多数の欠点がある。使用者がボタン/プランジャを押下するのを止めた場合、注射も止まる。これは、デバイスが適切に使用されなかった場合(すなわち、プランジャがその終了位置まで完全に押下されなかった場合)、使用者が送達する用量が不足する可能性があることを意味する。特に患者が高齢である場合、または器用さに問題がある場合、注射力が使用者にとって大きすぎることがある。
【0005】
ボタン/プランジャの伸長が長くなりすぎることもある。したがって、完全に伸長したボタンに到達することが使用者にとって不便になる可能性がある。注射力とボタンの伸長とが組み合わさると、手の揺れ/震えが生じる可能性があり、挿入された針が動くときに不快さが増大する。
【0006】
自動注射デバイスは、注射治療の自己投与を患者にとってより容易にすることを目的とする。自己投与式の注射によって届けられる現在の治療には、糖尿病(インスリンおよびより新しいGLP-1クラスの薬物の両方)、偏頭痛、アレルギー、ホルモン治療、抗凝血剤などのための薬物が含まれる。自動注射デバイスを使用して、特定の救命薬物を単回の用量で送達することができる。たとえば、自動注射デバイスは、アナフィラキシーのリスクがある人に処方されることが多い。自動注射デバイスはまた、軍隊において、化学兵器から人員を保護するために使用されることが多い。代替的に、自動注射器は、たとえば多発性硬化症、関節リウマチ、貧血を患っている人に対して、処方された治療スケジュールに従って薬剤を投与するために使用される。
【0007】
自動注射器は、標準的なシリンジからの非経口薬物送達に伴う動作に、完全または部分的に取って代わるデバイスである。これらの動作には、保護シリンジキャップの取外し、患者の皮膚への針の挿入、薬剤の注射、針の取外し、針の遮蔽、およびデバイスの再利用の防止を含むことができる。これにより、手動デバイスの欠点の多くが克服される。必要とされる使用者の力/ボタンの伸長、手の震え、不完全な用量を送達する可能性が低減される。多数の手段によって、たとえばトリガボタンまたは針がその注射の深さに到達する動作によって、トリガを実行することができる。デバイスの中には、流体を送達するためのエネルギーがばねによって提供されるものもある。
【0008】
自動注射器は、使い捨てまたは単回使用のデバイスとすることができ、1用量の薬剤を送達するためにしか使用することができず、使用後は廃棄しなければならない。他のタイプの自動注射器は、再利用可能とすることもできる。通常、そのような自動注射器は、使用者が標準的なシリンジを装填および除去することができるように配置される。再利用可能な自動注射器を使用して、複数の非経口薬物送達を実行することができ、シリンジは、使用されて自動注射器から除去された後に廃棄される。シリンジは、追加の機能性を提供するために、追加の部材で包装することができる。
【0009】
典型的なシナリオでは、自動注射器を使用する薬剤用量の注射によって、たとえば毎日、毎週、隔週、または毎月、患者自身が疾病を治療することができる。
【0010】
薬物の適正な投与およびその終了は、薬物の安全性および効果(ファーマコビジランス)にとって重要である。注射デバイスおよび適用時間の監視によって、使用者による投与の失敗を最小限にすることができる。
【0011】
典型的な患者による失敗には、次のものが挙げられる:
1.使用者は、次の注射に対する適正な満期日を忘れることがある。これは特に、医薬品の間隔が1日より長い場合、たとえば週2回、1日おき、隔週、またはたとえば1週目は2回、2週目は1日おき、3週目以降2日、2日、3日の間隔などの治療特有の間隔の場合に当てはまる。
2.使用者は、自動注射器のキャップを取り外してから注射を実行するまでの間に時間をあけすぎて、その結果、針の詰まりおよび/またはデバイスの機能停止が生じることがある。
3.使用者が、注射の終了後に保持時間(「休止時間」としても知られる)を実施しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本明細書は、患者が注射を正確に実行するのを支援することができる、薬物送達デバイス、たとえば1ショット自動注射器について記載する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1の態様は、薬物送達デバイスを提供し、薬物送達デバイスは、本体および本体内に配置された可動の構成要素と、選択された投与量に応じて本体内の可動の構成要素の位置を設定する、投与量選択および注射機構と、本体内の可動の構成要素の位置を示す信号を出力するように構成された非接触センサと、非接触センサから出力された信号を受信し、信号に基づいて、可動の構成要素が、選択されていない投与量に対応する本体内の初期位置にあるか、または選択された投与量位置にあるかを判定するように構成されたプロセッサであって、可動の構成要素のその位置が選択された投与量位置から初期位置に戻るように変化したと判定したとき、プロセッサは、薬物送達デバイスの休止時間に関して使用者に通知するインジケーションを出力させるように構成される、プロセッサとを含む。
【0014】
これによって、薬物送達デバイスが、注射の終了後の休止時間に関して使用者に通知し、使用者による薬物送達デバイスの使用を改善するのに役立つことが可能になる。非接触センサを用いることにより、薬物送達デバイスの機械的構成要素の摩擦を増大させることなく、薬物送達デバイスを監視することが可能になる。薬物送達デバイス内の可動の構成要素ならびに投与量選択および注射機構は、薬物送達デバイスの設計に既に存在しており、したがって、本明細書に開示されるデバイスを実施するために、この薬物送達デバイスがどのように動作するかに対する大きな変更は必要とされない。このため、薬物送達デバイスの製造の複雑度の増大は僅かである。
【0015】
薬物送達デバイスは、表示ユニットを更に含むことができる。インジケーションを出力させることは、1つまたはそれ以上のグラフィック要素を表示ユニット上に表示させることを含むことができ、グラフィック要素は休止時間の進行を伝える。このため、使用者は、注射の進行および注射の終了後にデバイスをどれだけ長く保持するべきかを容易に理解することができる。
【0016】
薬物送達デバイスは、送信ユニットを更に含むことができる。インジケーションを出力させることは、1つまたはそれ以上の信号を送信ユニットによって送信させることを含むことができ、信号は休止時間の進行を伝える。送信信号は、使用者に、表示支援情報、たとえばヒントなどの薬物送達デバイスの正しい利用について通知するために、たとえば、コンピュータまたはスマートフォンなどの使用者の外部電子デバイスによって受信することができる。
【0017】
送信ユニットは、データを1つまたはそれ以上の外部デバイスに送信するための無線ユニットとすることができる。送信データは、特に、薬物送達デバイスの休止時間データおよび識別子を含む。たとえば、休止時間データは、使用者のコンピュータまたはスマートフォンにワイヤレスで、たとえばブルートゥース(登録商標)接続を介して送信することができる。使用者は、たとえば、薬物送達デバイスの使用を支援および監視するためのプログラムを自身のコンピュータまたはスマートフォンにインストールすることができ、プログラムは、薬物送達デバイスの送信ユニットから受信したデータを処理することができる。
【0018】
非接触センサは静電容量式センサとすることができる。静電容量式センサは、特にセンサ部材として薬物送達デバイスの構成要素のうちのいくつかを用いているとき、比較的低い技術的コストで実施することができる。たとえば、本体と、可動の構成要素と、投与量選択および注射機構とが、少なくとも、静電容量式センサの誘電体層の一部を形成することができる。このとき、本体内の可動の部材の位置が、本体内の空気量の変化に起因して、測定静電容量に影響を及ぼす場合があり、すなわち、可動の部材が本体から外に離れて動かされるとき、本体内の空気量は、可動の部材が本体内に動かされる場合よりも大きい。変化する空気量は、測定可能な静電容量の変化を引き起こす場合がある。
【0019】
可動の構成要素によって静電容量センサの検出可能な静電容量変化を得るために、本体と、可動の構成要素と、投与量選択および注射機構の部材とは、可動の構成要素が、選択されていない投与量に対応する本体内の初期位置にあるか、または選択された投与量位置にあるかを検出するのに十分な静電容量式センサの誘電率を得るように選択された1つまたはそれ以上の材料から作られ、1つまたはそれ以上の選択された材料は、プラスチックおよび特に金属を含むことができる。換言すれば、本体と、可動の構成要素と、投与量選択および注射機構の部材とに用いられる材料は、それらの誘電率が検出可能な静電容量を生成するように、および可動の構成要素の動きが誘電率を検出可能な範囲内で変えることができるように選択することができる。
【0020】
特に、投与量選択および注射機構の少なくとも1つの可動の部材は金属から作られ、少なくとも1つの金属部材は、静電容量式センサの誘電特性に影響を及ぼす場合がある。たとえば、投与量選択機構の少なくとも1つの金属部材は、薬物送達デバイスの注射機構の駆動ばねとすることができる。
【0021】
静電容量式センサは、少なくとも2つの導電性部材の対向するセットを含むことができ、第1の部材は、本体の外側上の少なくとも一部に配置される層である。少なくとも2つの導電性部材のうちの1つまたはそれ以上は、薬物送達デバイスのラベルと一体化するかまたはラベルの下に配置することができる。たとえば、第1の部材は、本体の一部の上に配置された金属層とすることができる。少なくとも2つの導電性部材の第2の部材は、本体の外側の少なくとも一部の上に、第1の部材に対向して配置されている層とすることができる。たとえば、第2の部材は、第1の部材と同様の、本体の第1の部材が層にされた側と反対側に堆積された金属層とすることができ、それによって、本体と、可動の構成要素と、投与量選択および注射機構のほとんどの部材とは、2つの金属層間に配置され、測定可能な静電容量を得ることができる。
【0022】
少なくとも2つの導電性部材のうちの第2の部材は、本体内に、第1の部材と反対側に配置することもでき、本体と、可動の構成要素と、投与量選択および注射機構とは、少なくとも部分的に第1の部材と第2の部材との間に配置される。たとえば、第2の部材は、金属内側部材、たとえばばねなどの、投与量選択および注射機構の一部とすることができる。
【0023】
プロセッサは、投与量が選択されておらず、可動の構成要素が本体内の初期位置にあるとき、静電容量式センサの静電容量を測定し、測定された静電容量を基準値として記憶し、投与量が選択されるときの静電容量変化を検出し、注射に起因する更なる静電容量変化を検出し、測定された静電容量が基準値と相関しているとき、注射の終了を決定するように構成することができる。
【0024】
投与量選択および注射機構は、選択された投与量のためのディスプレイを含むことができ、ディスプレイは、投与量選択のための回転可能な構成要素に連結することができ、回転可能な構成要素は、本体に対し可動の構成要素を変位させるための変位機構に連結することができる。回転可能な構成要素を回転させることによって、使用者は、注射されるある投与量を選択することができる。この回転および投与量選択は、変位機構によって、本体に対する可動の構成要素のある変位量に移転される。特に、より高い投与量が選択されると、変位機構は可動の構成要素をより本体の外に動かすことができ、それによって、本体内の空気量が増大し、それに応じて測定可能な静電容量が変化する。
【0025】
プロセッサは、薬物送達デバイスの休止時間の終了を使用者に通知するインジケーションを出力させるように更に構成することができる。インジケーションは、使用者に可視および/もしくは可聴のシグナリング、またはスマートフォンなどの外部デバイスに送信される信号とすることができ、その外部デバイス自体が使用者に休止時間の終了をシグナリングすることができる。
【0026】
プロセッサは、薬物送達デバイスの休止時間の開始および/または終了時にインジケータ信号を出力させるように構成することができる。インジケータ信号は、たとえば、LEDの起動などの可視および/または可聴信号、または特徴音の出力とすることができる。
【0027】
薬物送達デバイスは動力式の自動注射器とすることができ、動力式の自動注射器の投薬機構は、予圧されたばねによって動力を供給される。
【0028】
プロセッサは、注射に関する情報、特に注射の日時を記録するように更に構成することができる。
【0029】
本開示の第2の態様は、本明細書に開示される、薬剤を含む薬物送達デバイスに関する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】投与量選択を有するペンの形態の注射デバイスの図。
図2】注射デバイスのステータスの静電容量検知のための注射デバイスおよびセンサ構成要素の概略図。
図3】注射デバイスの電子構成要素のブロック図。
図4a】注射デバイスのステータスの静電容量検知のための補助デバイスの注射デバイスおよびセンサ構成要素の概略図。
図4b】注射デバイスの注射処置中の本体内の可動の構成要素の位置に依拠した測定静電容量を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下において、自動注射器を参照して実施形態が説明される。しかしながら、本開示はそのような用途に限定されず、他の薬剤を排出する注射デバイス、またはシリンジ、充填済みシリンジ、無針注射器および吸入器などの他のタイプの薬物送達デバイスを用いても等しく展開することができる。
【0032】
ここで、図1を参照して、実施形態による注射デバイス10が説明される。いくつかの実施形態では、注射デバイス10は使い捨て自動注射器10である。自動注射器10は、近位端Pおよび遠位端Dを有する。近位端Pは、注射中、患者の注射部位に向けて方向付けられる一方で、遠位端Dは、注射部位から離れるように方向付けられる。
【0033】
自動注射器10は、本体9と、キャップ12(本明細書において、外側ニードルキャップまたはONC12とも呼ばれる)と、更なるキャップ12’(本明細書において、内側ニードルキャップまたはINC12’とも呼ばれる)とを含む。本体9は、外側ハウジング11を含む。外側ハウジング11は、細長いチューブである。外側ハウジング11は、液体薬剤16を含有するカートリッジまたはシリンジ18を支持するカートリッジホルダまたはシリンジホルダ(図示せず)を含む。以後、説明は、カートリッジホルダ(図示せず)によって支持されるカートリッジ18について言及する。
【0034】
外側ハウジング11は、注射中に薬剤16の選択された投与量を投薬させるための投与量選択および注射または投薬機構(図示せず)も収容する。投薬される投与量は、自動注射器10の遠位端Dにおける回転ノブ20によって選択することができる。選択は、外側ハウジング11内の窓20’’を通じて回転ノブ20と連結された機械的目盛20’上に示される。
【0035】
中空針17は、カートリッジ18の内部容積と連通し、注射中の液体薬剤16のための導管としての役割を果たす。針17およびカートリッジ18は、互いに対し、および本体9に対し固定位置にある。ストッパ、プランジャ、ピストンまたは栓14は、投薬機構の作動下で針17を通じてカートリッジ18内に含まれる薬剤を排出するためにカートリッジ18内で移動可能である。
【0036】
投薬機構は、カートリッジ18のピストン14に機械的に連結される。投薬機構は、カートリッジ18に沿って軸方向に近位方向にピストンを動かし、針17を通じて薬剤16を投薬するように構成される。投薬機構は、使用者によって提供された作動入力に応答してピストン14に力を印加するように協働する構成要素を含む。ここで、ピストン14に対する力の印加をトリガする作動入力は、自動注射器10の遠位端に位置する用量投薬ボタン13によって受けられる。投薬機構は、投薬ボタン13に機械的に連結される。
【0037】
本体9は、外側ハウジング11の近位端におけるキャップ支持体19も含む。キャップ支持体は、外側ハウジング11と同心円状であり、より小さな直径を有することができる。キャップ支持体19は、ハウジング11の近位端から延びる。ONC12は、本体9の近位端を閉じ、針17をカバーするように、キャップ支持体19上で受けられる。ONC12は、円筒形壁21と端壁22とを含む。ONC12が本体9上に位置する状態で、円筒形壁21の内面は、キャップ支持体19の外面と密接関係で当接し、それによってONC12がこの外面上の取り付け位置で保持される。
第1の技術審査の終了
【0038】
薬剤16を注射するために、ONC12およびINC12’は、使用者によってデバイス10から除去される。次いで、使用者によって、所望の投与量が機械的目盛20’上に表示されるまで回転ノブ20を回すことにより、注射される薬剤16の投与量が選択される。次に、自動注射器10の近位端が患者の注射部位に接して配置される。患者は、使用者または別の人物である場合がある。次に、使用者は投薬ボタン13を作動させる。これによって、投薬機構に、ピストン14を押し進めさせて、カートリッジ18から針17を通じて薬剤を患者の注射部位内に排出させる。
【0039】
カートリッジ18は透明であり、カートリッジ18内に含まれる薬剤16が見えるように、ハウジング11内にカートリッジ18と同じ場所に窓15が設けられる。自己注射器の使用者は、調査により、注射中に薬剤16の全体量がカートリッジ18から排出されたか否かを判定することが可能である。
【0040】
ハウジング11にラベルが設けられる。ラベルは、注射デバイス10に含まれる薬剤に関する情報100を含み、これには薬剤を識別する情報が含まれる。薬剤を識別する情報100は、テキストの形態をとることができる。薬剤を識別する情報100は、色の形態をとることもできる。薬剤を識別する情報100は、バーコード、QRコードなどに符号化することもできる。薬剤を識別する情報100は、白黒パターン、カラーパターン、またはシェーディングの形態をとることもできる。
【0041】
自動注射器10の近位端Pはペンキャップ9’を用いて保護することができ、ペンキャップは、自動注射器10の使用後に近位端Pを覆うように本体9に装着することができる。
【0042】
図2は、注射デバイスのステータスの静電容量検知のための注射デバイスおよびセンサ構成要素の簡略化された概略図を示す。
【0043】
注射デバイスから、本体9および本体内の可動の構成要素23が示される。可動の構成要素23は、投与量選択および注射もしくは投薬機構の1つもしくはそれ以上の部材を含むことができるか、または投与量選択および注射もしくは投薬機構全体を含むことができる。可動の構成要素23は、少なくとも金属部材も含むことができるのに対し、全ての他の部材および本体9は、プラスチック、たとえばABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)またはPOM(ポリオキシメチレン)から作られる。金属部材は、たとえば、ばねまたはスリーブとすることができる。可動の構成要素23の端部において、投与量選択のための回転ノブ20および投薬ボタン13が配置される。
【0044】
ノブ20を回転することによって、使用者は、投薬される用量を選択することができる。ノブ20の回転の結果として、本体9内の構成要素23の、その長手方向軸に沿った動きが生じる。このため、本体9に対する構成要素23の位置が変化する。たとえば、ノブ20の時計回りの回転の結果、構成要素23を本体9の外側に、図2では、図2の中央に示すように右方向に動かすことができ、ここで、構成要素23は本体9の外側に広げられる。対照的に、ノブ20の反時計回りの回転により、ノブ20が本体9の縁部に当接し、本体9内の構成要素23の更なる動きの範囲を定めるまで、構成要素23を本体9内に動かすことができる。
【0045】
本体9の外側は、互いに対向して配置された2つの金属層21、21’を含む。双方の層21、21’が、本体9の外側の一部のみを覆うことができ、各々が、注射デバイスの電子回路と接続するための電気コネクタ22、22’を含むことができる。層21、21’は、本体9の長手方向軸に沿ってある範囲にわたって延びることができ、この範囲は、図2において、上部の両方向矢印および破線の垂直線によって示されるように、本体9内の可動の構成要素23の変位のほぼ全体を含む。
【0046】
選択された投与量に応じて回転ノブ23を回転させることによる、本体9に対する可動の構成要素23の変位により、本体9内のより小さな空気量24が、より大きな空気量24’に変化する。対照的に、回転ノブ20の回転を通じてそれぞれの投与量を選択することにより、本体9内で可動の構成要素23がより深くに動かされるとき、空気量24’は空気量24まで低減される。
【0047】
空気量24、24’の変化および本体9内の可動の構成要素23の変位は、金属層21、21’間に形成される誘導体層の誘電率に影響を及ぼす。ここでもまた、この結果、金属層21、21’およびそれらの間の誘電体層によって形成され、空気量24、24’、本体9および可動の構成要素23によって形成されるコンデンサの静電容量が変化する。図2の下部の図は、可動の構成要素23の変位にわたる静電容量の変化を表す。位置(1)において、可動の構成要素23は完全に本体9内に動かされ、空気量24は可能な限り小さいため、静電容量は高い。このため、誘電率は位置(2)よりも高い。位置(2)では、可動の構成要素23は完全に本体9の外に動かされ、空気量24’は可能な限り大きい。したがって、静電容量は、可動の構成要素23の位置(1)から可動の構成要素23の位置(2)まで減少する。静電容量のこの変化は測定可能であり、以下で説明されるように、使用者に休止時間を通知するために用いることができる。
【0048】
図3は、金属層21、21’およびそれらの間の構成要素によって形成されるコンデンサの静電容量を測定するために装備された図1の注射デバイス10などの注射デバイスの電子構成要素のブロック図を示す。電子構成要素はプロセッサ25を含むことができ、このプロセッサは、たとえば、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などとすることができる。プロセッサ25は、プログラムメモリ260に記憶されたプログラムコード(たとえば、ソフトウェアまたはファームウェア)を実行すると共に、たとえば中間結果を記憶するために、メインメモリ261を使用する。メインメモリ261はまた、実行された排出/注射のログブックを記憶するために使用することができる。プログラムメモリ260は、たとえば読取り専用メモリ(ROM)とすることができ、メインメモリは、たとえばランダムアクセスメモリ(RAM)とすることができる。
【0049】
注射デバイスは、場合により、少なくとも1つの入力トランスデューサ、たとえばボタン(図3に示されていない)を含むことができる。この入力トランスデューサにより、使用者が注射デバイスの電子回路をオン/オフすること、動作をトリガすること(たとえば、別のデバイスとの接続もしくはペアリングを確立させるために、および/または注射デバイスから別のデバイスへの情報の伝達をトリガするために)、または何かを確認することが可能になる。いくつかの他の実施形態では、注射デバイスは、ONCが注射デバイスに付けられたか否かを検出するセンサ(図示せず)を介して自動的にオン/オフすることができる。
【0050】
プロセッサ25は、液晶ディスプレイ(LCD)または電子インクディスプレイとして具現化することができる表示ユニット29を制御する。表示ユニット29は、注射デバイスの使用者に対し、たとえば注射デバイスの現在の設定、または付与予定の次の注射についての情報を表示するために使用される。表示ユニット29はまた、たとえば使用者の入力を受けるために、タッチスクリーンディスプレイとして具現化することもできる。
【0051】
プロセッサ25は、静電容量式センサ200(金属層21、21’およびそれらの間の構成要素によって形成され、接続部22、22’を介してプロセッサ25に接続される)も制御する。静電容量式センサ200から受信される測定値は、注射デバイス10の本体9内の可動の構成要素23の位置を示す。静電容量式センサ200は、センサと検知される構成要素のうちの任意のものとの間の接触なしに、取り付けられた注射デバイス10内の構成要素の絶対位置および動きを検知することができるため、まとめて非接触センサと呼ぶことができる。プロセッサ25は、静電容量式センサ200から、接続部22、22’を介してこれらの信号(電圧測定値)を受信し、注射デバイス10の動作状態を推測し、注射デバイス10の動作のタイミングに関する情報を、メインメモリ261に記録させ、かつ/または無線ユニット27を介して外部デバイスに送信させる。センサの動作は、図4に関してより詳細に説明される。
【0052】
プロセッサ25は、無線によって別のデバイスとの間で情報を送信および/または受信するように構成されている無線ユニット27を制御する。このような伝送は、たとえば、無線伝送または光伝送に基づくことができる。いくつかの実施形態では、無線ユニット28はブルートゥース(登録商標)トランシーバである。代替的に、無線ユニット28は、たとえばケーブルまたはファイバ接続を介した有線連結によって別のデバイスとの間で情報を送信および/または受信するように構成された有線ユニットによって置き換えられるか、または補完することができる。データが送信されるとき、転送されるデータ(値)の単位は、明示的または暗黙的に定義することができる。たとえば、インスリン用量の場合、常に国際(IU)単位を使用することができ、またはそうでない場合、使用される単位を明示的に、たとえばコード化された形で転送することができる。送信データは、注射に関連付けられたタイムスタンプも含むことができる。
【0053】
プロセッサ25は、外側ニードルキャップ12が存在するか否かを検出する、すなわち外側ニードルキャップ12が注射デバイス10に連結されているか否かを検出するように動作可能であるONCセンサ(図示せず)から入力を受信することができる。電池281が、プロセッサ25および他の構成要素に電源280から電力を供給する。ONC12の除去はONCセンサによって検出され、ウェイクアップまたはスイッチオントリガとして用いることができる。このため、注射デバイスは、ONC12が除去されるとき、自動的にオンになり、監視プロセスを開始することができる。同様に、ONC12が交換されるとき、注射デバイスを自動的に電源オフにし、これにより電池の電力を節減することができる。
【0054】
このため、図3の電子回路は、注射デバイス10の状態および/または使用に関する情報を決定することが可能である。この情報は、デバイスの使用者による使用のためにディスプレイ29上に表示することができる。情報は、注射デバイス10自体によって処理することができるか、または少なくとも部分的に別のデバイス(たとえば、血糖監視システムまたはコンピューティングデバイス)に提供することができる。
【0055】
プロセッサ25は、ONCセンサから信号を受信し、ONC12が注射デバイス10に取り付けられていないときに検出するように構成することができる。使用者が、ONC12が取り付けられていない状態で注射デバイスを収納する場合、針17が詰まる可能性がある。したがって、注射デバイス10は、注射動作に続いて所定の長さの時間にわたってONC12が取り付けられていないことをプロセッサ25が検出する場合、インジケータ信号を生成するように構成することができる。インジケータ信号は、無線ユニット27を介して外部使用者デバイスに送信することができ、それによって、使用者が注射デバイス10から離れた場合であっても、ONC12を交換する必要性について使用者にアラートすることができる。代替的にまたは更に、インジケータ信号は、注射デバイス10が表示ユニット29上に単語および/もしくはグラフィックを表示することまたは音を生成することを含むことができる。
【0056】
注射デバイス10は、金属層21、21’およびそれらの間の構成要素によって形成される静電容量式センサを含む。ここで図4を参照して、静電容量式センサの動作を更に詳細に説明する。
【0057】
図4aは、注射デバイスが注射前構成および注射後構成(起動前および起動後とも呼ばれる)にあるときの注射デバイス10を通じた断面を図式的に示す。注射デバイス10は、注射デバイス1の組み立て中に予圧された駆動ばね400を含む。駆動ばね400は、注射が実行されるまで、この予圧された状態に維持される。使用者が、用量投薬ボタン13を押すことによって注射動作をトリガするとき、投薬機構が解放され、駆動ばねがカートリッジ18から薬剤を投薬するために復元する。
【0058】
静電容量式センサ200の様々な構成要素が図4aの下側の画像に概略的に示される。静電容量式センサ200は、少なくとも1つの導電性プレートの対向するセット(図2では金属層21、21’)を含む。プレートは、コンデンサを形成するように回路内で接続される。注射デバイス10は、プレート間の空間を占有し、コンデンサの誘電体層として機能する。静電容量式センサ200は、プロセッサ25に信号を送信し、この信号により、プロセッサ25は有効静電容量を決定することができる。たとえば、プロセッサ25は、静電容量式センサ200の1つのプレートへの電荷の印加を制御し、次に静電容量式センサ200が放電するのにかかる時間を測定することができる。
【0059】
図4aの上側の画像は、注射が実行される前の駆動ばね400の概算位置を示す。駆動ばね400は、ばねのコイルが密集または接触した状態で圧縮される。図4aにおける下側の画像は、注射プロセス中に内部に蓄積されたエネルギーが解放された後の駆動ばね400の概算位置を示す。駆動ばねのコイルは更に間隔を空けられている。いくつかの実施形態では、駆動ばねは金属である。
【0060】
図4bは、注射プロセス前、注射プロセス中および注射プロセス後の静電容量と電荷との間の例示的な関係を示すグラフである。注射デバイス1が用いられる前、コンデンサプレート間の領域内に、より大量の駆動ばねが存在し、投与量が選択されていないことにより、結果として可動の構成要素23が完全に注射デバイス10の本体9内に位置するため、静電容量式センサ200によって測定される静電容量は比較的高い。次に、使用者は、回転ノブ20を回転させ、可動の構成要素23を、注射デバイス10の本体9の外に動かすように変位させることによって、注射される投与量を選択し、この結果、投与量が設定されるまで(図4bにおける時点「用量設定」)、静電容量式センサ200によって測定される静電容量が減少する。駆動ばね400は、可動の構成要素23の一部であり、本体の外に動かされる。薬剤排出プロセスの開始点および終了点が注射時間矢印によって示される。注射および薬剤排出は、使用者が投薬ボタン13を押すときに開始される。これにより、駆動ばね400を伸ばし(uncoil)ながら可動の構成要素23が再び本体9内に動かされる。このため、可動の構成要素23の材料は、可動の構成要素23がその開始位置に達するまで、すなわち投与量が選択されていない状態になるまで、静電容量センサ200のコンデンサプレート間の領域内に配置される。したがって、静電容量式センサ200によって測定される静電容量は、排出中増大する。注射デバイス10が用いられた後、静電容量式センサ200によって測定される静電容量は、再びその開始値に達する。
【0061】
プロセッサ25は、測定された静電容量が2回目にその開始値に達する場合、注射が完了したと判定するように構成することができる(図4bにおいて「注射完了」として指定される)。プロセッサ25は、注射中、連続して、静電容量測定値を注射デバイス10の使用の開始時および投与量が選択される前に測定された静電容量と比較するように構成される。この測定された静電容量は、初期静電容量としてメインメモリ261に記憶される。測定された静電容量を記憶した後、プロセッサ25は、注射中の静電容量測定の準備ができたことを示すフラグを設定することができる。次に、プロセッサ25は、静電容量式センサ200から連続して測定値を受信および処理する。プロセッサ25が、たとえば測定静電容量の突然の増加を検出することによって、使用者が投薬ボタン13を押したことを検出すると、各受信静電容量測定値を記憶された初期静電容量と比較することができる。プロセッサ25が、静電容量の受信測定値が記憶された初期静電容量と相関することを検出すると、所定の保持時間に設定された内部タイマを開始する。プロセッサ25は、同時に、注射の終了および休止時間の開始を使用者に通知するためのインジケーションを出力させることができる。インジケーションは、注射の終了および休止時間の開始に関する情報を表示するように表示ユニット29を構成するための信号とすることができる。また、何らかの音響機器により音を生成することもできる。タイマが休止時間に達すると、プロセッサ25は休止時間の終了を使用者に通知するための更なるインジケーションを出力させることができる。インジケーションは、休止時間の終了に関する情報を表示するように表示ユニット29を構成するための信号とすることができる。また、ここでも、何らかの音響機器により音を生成することもできる。
【0062】
静電容量式センサ200は、外部電磁インパルスから静電容量式センサ200を保護するために遮蔽することができる。
【0063】
プロセッサ25は、使用者の注射履歴を記録するように構成することができる。プロセッサ25は、注射イベントに関連付けられたタイムスタンプを作成するための内部クロックを有することができる。クロックは相対クロックまたは絶対クロックとすることができる。注射デバイス10は、無線ユニット27を通じて外部デバイスと通信するように構成することができ、外部デバイスは絶対時間を提供することができる。
【0064】
上記で説明したように、使用者が注射を実行するとき、これは静電容量式センサ200によって検出することができる。次に、プロセッサ25によって、注射に関連付けられたタイムスタンプを生成することができる。プロセッサ25はまた、たとえば以前に読み出された情報を用いて、注射される薬剤のタイプを記録し、タイムスタンプと関連付けることができる。使用者の保有する外部デバイス(図示せず)を登録し、注射デバイス10と関連付けることができる。外部デバイスは、無線ユニット27を介したモバイルコンピュータまたはスマートフォンとすることができる。モバイルコンピュータまたはスマートフォンは、使用者の医療記録および注射履歴を管理するためにコンピュータプログラムを実行することができる。注射デバイス10は、記録された注射情報を外部デバイスに通信するように構成することができる。
【0065】
プロセッサ25は、使用者が注射を実行するべき頻度に関する情報を用いて予めプログラミングすることができる。このプログラミングは、注射デバイス10の使用者に関連付けられた注射間の最大時間または医療計画の形態をとることができる。たとえば、プロセッサ25には、注射間の最大時間が24時間であるべきことを指定する情報を予めプログラミングすることができる。いくつかの他の実施形態では、医療計画は、使用者が注射デバイス10を用いて注射動作を実行する特定の時刻を指定するなど、より詳細にすることができる。代替的に、プロセッサ25は、使用者が注射履歴に基づいて注射を次に実行するべき時点を計算するように構成することができる。たとえば、使用者が次の注射を実行するべき時点は、以前に注射された薬剤量および以前の注射の頻度に依拠することができる。プロセッサは、以前の注射履歴を用いて、使用者のための医療計画を計算することができる。
【0066】
プロセッサ25は、使用者が後続の注射を実行する時点であると判定したときき、無線ユニット27を介して、関連付けられた外部デバイスにリマインダ信号が送信されるようにする。次に、外部デバイスは、使用者の次の注射が予定されていることを使用者に通知し思い出させることができる。これは、使用者が注射デバイス10を携行したくない場合があり、しかしいずれの場合にもスマートフォンまたは同様のデバイスを携帯している場合があるため、有利である。このため、使用者に、携行している別個のデバイスを介して後続の注射の必要性を思い出させることができる。更に、注射デバイス10は、冷蔵庫または冷凍庫内などの特定の条件下に保持される必要があり、それによって使用者が注射デバイスを携行することが不可能である場合がある。したがって、使用者が、注射が実行される必要がある時点を忘れることが容易に起こる。
【0067】
糖尿病の使用者のためのインスリンに関する上記の例は例示的なものである。本開示は、健康を損なった場合がある任意の使用者にも適用可能である。たとえば、心臓血管の医薬品を要する患者、またはCOX-2阻害剤などの鎮痛剤を要する患者である。
【0068】
「薬物」または「薬剤」という用語は、本明細書では同義的に用いられ、1つもしくはそれ以上の活性医薬成分またはそれらの薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物と、場合により薬学的に許容可能な担体と、を含む医薬製剤を記述する。活性医薬成分(「API」)とは、最広義には、ヒトまたは動物に対して生物学的効果を有する化学構造体のことである。薬理学では、薬剤または医薬は、疾患の治療、治癒、予防、または診断に使用されるか、さもなければ身体的または精神的なウェルビーイングを向上させるために使用される。薬物または薬剤は、限定された継続期間で、または慢性障害では定期的に使用可能である。
【0069】
以下に記載されるように、薬物または薬剤は、1つもしくはそれ以上の疾患の治療のために各種タイプの製剤中に少なくとも1つのAPIまたはその組合せを含みうる。APIの例としては、500Da以下の分子量を有する低分子、ポリペプチド、ペプチド、およびタンパク質(たとえば、ホルモン、成長因子、抗体、抗体フラグメント、および酵素)、炭水化物および多糖、ならびに核酸、二本鎖または一本鎖DNA(ネイキッドおよびcDNAを含む)、RNA、アンチセンス核酸たとえばアンチセンスDNAおよびRNA、低分子干渉RNA(siRNA)、リボザイム、遺伝子、およびオリゴヌクレオチドが挙げられうる。核酸は、ベクター、プラスミド、またはリポソームなどの分子送達システムに取り込み可能である。1つまたはそれ以上の薬物の混合物も企図される。
【0070】
薬物または薬剤は、薬物送達デバイスでの使用に適合化された一次パッケージまたは「薬物容器」に包含可能である。薬物容器は、たとえば、1つもしくはそれ以上の薬物の収納(たとえば、短期または長期の収納)に好適なチャンバを提供するように構成されたカートリッジ、シリンジ、リザーバ、または他の硬性もしくは可撓性のベッセルでありうる。たとえば、いくつかの場合には、チャンバは、少なくとも1日間(たとえば、1日間~少なくとも30日間)にわたり薬物を収納するように設計可能である。いくつかの場合には、チャンバは、約1カ月~約2年間にわたり薬物を収納するように設計可能である。収納は、室温(たとえば、約20℃)または冷蔵温度(たとえば、約-4℃~約4℃)で行うことが可能である。いくつかの場合には、薬物容器は、投与される医薬製剤の2つ以上の成分(たとえば、APIと希釈剤、または2つの異なる薬物)を各チャンバに1つずつ個別に収納するように構成されたデュアルチャンバカートリッジでありうるか、またはそれを含みうる。かかる場合には、デュアルチャンバカートリッジの2つのチャンバは、人体もしくは動物体への投薬前および/または投薬中に2つ以上の成分間の混合が可能になるように構成可能である。たとえば、2つのチャンバは、互いに流体連通するように(たとえば、2つのチャンバ間の導管を介して)かつ所望により投薬前にユーザによる2つの成分の混合が可能になるように構成可能である。代替的または追加的に、2つのチャンバは、人体または動物体への成分の投薬時に混合が可能になるように構成可能である。
【0071】
本明細書に記載の薬物送達デバイスに含まれる薬物または薬剤は、多くの異なるタイプの医学的障害の治療および/または予防のために使用可能である。障害の例としては、たとえば、糖尿病または糖尿病に伴う合併症たとえば糖尿病性網膜症、血栓塞栓障害たとえば深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症が挙げられる。障害の更なる例は、急性冠症候群(ACS)、アンギナ、心筋梗塞、癌、黄斑変性、炎症、枯草熱、アテローム硬化症および/または関節リウマチである。APIおよび薬物の例は、ローテリステ2014年(Rote Liste 2014)(たとえば、限定されるものではないがメイングループ12(抗糖尿病薬剤)または86(オンコロジー薬剤))やメルク・インデックス第15版(Merck Index,15th edition)などのハンドブックに記載されているものである。
【0072】
1型もしくは2型糖尿病または1型もしくは2型糖尿病に伴う合併症の治療および/または予防のためのAPIの例としては、インスリン、たとえば、ヒトインスリン、もしくはヒトインスリンアナログもしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP-1)、GLP-1アナログもしくはGLP-1レセプターアゴニスト、はそのアナログもしくは誘導体、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP4)阻害剤、またはそれらの薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物、またはそれらのいずれかの混合物が挙げられる。本明細書で用いられる場合、「アナログ」および「誘導体」という用語は、天然に存在するペプチドに存在する少なくとも1つのアミノ酸残基の欠失および/または交換によりおよび/または少なくとも1つのアミノ酸残基の付加により天然に存在するペプチドの構造たとえばヒトインスリンの構造から形式的に誘導可能な分子構造を有するポリペプチドを指す。付加および/または交換アミノ酸残基は、コード可能アミノ酸残基または他の天然に存在する残基または純合成アミノ酸残基のどれかでありうる。インスリンアナログは、「インスリンレセプターリガンド」とも呼ばれる。特に、「誘導体」という用語は、天然に存在するペプチドの構造から形式的に誘導可能な分子構造、たとえば、1つまたはそれ以上の有機置換基(たとえば脂肪酸)がアミノ酸の1つまたはそれ以上に結合したヒトインスリンの分子構造を有するポリペプチドを指す。場合により、天然に存在するペプチドに存在する1つまたはそれ以上のアミノ酸が、欠失し、および/または非コード可能アミノ酸を含めて他のアミノ酸によって置き換えられ、または天然に存在するペプチドに非コード可能なものを含めてアミノ酸が付加される。
【0073】
インスリンアナログの例は、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン(インスリングラルギン);Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン(インスリングルリジン);Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン(インスリンリスプロ);Asp(B28)ヒトインスリン(インスリンアスパルト);位置B28のプロリンがAsp、Lys、Leu、ValまたはAlaに置き換えられたうえに位置B29のLysがProに置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28~B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリンおよびDes(B30)ヒトインスリンである。
【0074】
インスリン誘導体の例は、たとえば、B29-N-ミリストイル-des(B30)ヒトインスリン、Lys(B29)(N-テトラデカノイル)-des(B30)ヒトインスリン(インスリンデテミル、レベミル(Levemir)(登録商標));B29-N-パルミトイル-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-ミリストイルヒトインスリン;B29-N-パルミトイルヒトインスリン;B28-N-ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28-N-パルミトイル-LysB28ProB29ヒトインスリン;B30-N-ミリストイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30-N-パルミトイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29-N-(N-パルミトイル-ガンマ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン、B29-N-オメガ-カルボキシペンタデカノイル-ガンマ-L-グルタミル-des(B30)ヒトインスリン(インスリンデグルデク、トレシーバ(Tresiba)(登録商標));B29-N-(N-リトコリル-ガンマ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)-des(B30)ヒトインスリンおよびB29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0075】
GLP-1、GLP-1アナログおよびGLP-1レセプターアゴニストの例は、たとえば、リキシセナチド(リキスミア(Lyxumia)(登録商標))、エキセナチド(エキセンジン-4、バイエッタ(Byetta)(登録商標)、ビデュリオン(Bydureon)(登録商標)、ヒラモンスターの唾液腺により産生される39アミノ酸ペプチド)、リラグルチド(ビクトーザ(Victoza)(登録商標))、セマグルチド、タスポグルチド、アルビグルチド(シンクリア(Syncria)(登録商標))、デュラグルチド(トルリシティ(Trulicity)(登録商標))、rエキセンジン-4、CJC-1134-PC、PB-1023、TTP-054、ラングレナチド/HM-11260C、CM-3、GLP-1エリゲン、ORMD-0901、NN-9924、NN-9926、NN-9927、ノデキセン、ビアドール-GLP-1、CVX-096、ZYOG-1、ZYD-1、GSK-2374697、DA-3091、MAR-701、MAR709、ZP-2929、ZP-3022、TT-401、BHM-034、MOD-6030、CAM-2036、DA-15864、ARI-2651、ARI-2255、エキセナチド-XTENおよびグルカゴン-Xtenである。
【0076】
オリゴヌクレオチドの例は、たとえば、家族性高コレステロール血症の治療のためのコレステロール低下アンチセンス治療剤ミポメルセンナトリウム(キナムロ(Kynamro)(登録商標))である。
【0077】
DPP4阻害剤の例は、ビダグリプチン、シタグリプチン、デナグリプチン、サキサグリプチン、ベルベリンである。
【0078】
ホルモンの例としては、脳下垂体ホルモンもしくは視床下部ホルモンまたはレギュラトリー活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニスト、たとえば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(Somatropine)(ソマトロピン(Somatropin))、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、リュープロレリン、ブセレリン、ナファレリン、およびゴセレリンが挙げられる。
【0079】
多糖の例としては、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリンもしくは超低分子量ヘパリンもしくはそれらの誘導体、もしくは硫酸化多糖たとえばポリ硫酸化形の上述した多糖、および/またはそれらの薬学的に許容可能な塩が挙げられる。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例は、エノキサパリンナトリウムである。ヒアルロン酸誘導体の例は、ハイランG-F20(シンビスク(Synvisc)(登録商標))、ヒアルロン酸ナトリウムである。
【0080】
本明細書で用いられる「抗体」という用語は、イムノグロブリン分子またはその抗原結合部分を指す。イムノグロブリン分子の抗原結合部分の例としては、抗原への結合能を保持するF(ab)およびF(ab’)2フラグメントが挙げられる。抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、組換え抗体、キメラ抗体、脱免疫化もしくはヒト化抗体、完全ヒト抗体、非ヒト(たとえばネズミ)抗体、または一本鎖抗体でありうる。いくつかの実施形態では、抗体は、エフェクター機能を有するとともに補体を固定可能である。いくつかの実施形態では、抗体は、Fcレセプターへの結合能が低減されているか、または結合能がない。たとえば、抗体は、Fcレセプターへの結合を支援しない、たとえば、Fcレセプター結合領域の突然変異もしくは欠失を有するアイソタイプもしくはサブタイプ、抗体フラグメントまたは突然変異体でありうる。抗体という用語は、4価二重特異的タンデムイムノグロブリン(TBTI)および/またはクロスオーバー結合領域配向を有する二重可変領域抗体様結合タンパク質(CODV)に基づく抗原結合分子も含む。
【0081】
「フラグメント」または「抗体フラグメント」という用語は、完全長抗体ポリペプチドを含まないが依然として抗原に結合可能な完全長抗体ポリペプチドの少なくとも一部分を含む抗体ポリペプチド分子由来のポリペプチド(たとえば、抗体重鎖および/または軽鎖ポリペプチド)を指す。抗体フラグメントは、完全長抗体ポリペプチドの切断部分を含みうるが、この用語は、かかる切断フラグメントに限定されるものではない。本開示に有用な抗体フラグメントとしては、たとえば、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、scFv(一本鎖Fv)フラグメント、線状抗体、単一特異的または多重特異的な抗体フラグメント、たとえば、二重特異的、三重特異的、四重特異的および多重特異的抗体(たとえば、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ)、1価または多価抗体フラグメント、たとえば、2価、3価、4価および多価の抗体、ミニボディ、キレート化組換え抗体、トリボディまたはビボディ、イントラボディ、ナノボディ、小モジュール免疫医薬(SMIP)、結合ドメインイムノグロブリン融合タンパク質、ラクダ化抗体、およびVHH含有抗体が挙げられる。抗原結合抗体フラグメントの追加の例は当技術分野で公知である。
【0082】
「相補性決定領域」または「CDR」という用語は、特異的抗原認識を媒介する役割を主に担う、重鎖および軽鎖の両方のポリペプチドの可変領域内の短いポリペプチド配列を指す。「フレームワーク領域」という用語は、CDR配列でないかつ抗原結合が可能になるようにCDR配列の適正配置を維持する役割を主に担う、重鎖および軽鎖の両方のポリペプチドの可変領域内のアミノ酸配列を指す。フレームワーク領域自体は、典型的には抗原結合に直接関与しないが、当技術分野で公知のように、ある特定の抗体のフレームワーク領域内のある特定の残基は、抗原結合に直接関与しうるか、またはCDR内の1つもしくはそれ以上のアミノ酸と抗原との相互作用能に影響を及ぼしうる。
【0083】
抗体の例は、抗PCSK-9 mAb(たとえば、アリロクマブ)、抗IL-6 mAb(たとえば、サリルマブ)、および抗IL-4 mAb(たとえば、デュピルマブ)である。
【0084】
本明細書に記載のいずれのAPIの薬学的に許容可能な塩も、薬物送達デバイスで薬物または薬剤に使用することが企図される。薬学的に許容可能な塩は、たとえば、酸付加塩および塩基性塩である。
【0085】
本開示の完全な範囲および趣旨から逸脱することなく、本明細書に記載するAPI、定式化、装置、方法、システム、および実施形態の様々な構成要素に修正(追加および/または削除)を加えることができ、本開示は、そのような修正およびそのあらゆる均等物を包含することが、当業者には理解されよう。
図1
図2
図3
図4a
図4b