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特許7425795安定なポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-23
(45)【発行日】2024-01-31
(54)【発明の名称】安定なポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08G 2/28 20060101AFI20240124BHJP
   C08L 59/00 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
C08G2/28
C08L59/00
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021524111
(86)(22)【出願日】2019-07-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 EP2019068579
(87)【国際公開番号】W WO2020011873
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2022-07-05
(31)【優先権主張番号】18183318.7
(32)【優先日】2018-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(73)【特許権者】
【識別番号】520437401
【氏名又は名称】コーロン プラスチックス インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Kolon Plastics Inc.
【住所又は居所原語表記】10th floor, Kolon Tower Annex, 1-22 Gwacheon-Si, Gyeonggi-Do, Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【弁理士】
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(72)【発明者】
【氏名】ハイツ,トマス
(72)【発明者】
【氏名】デメター,ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】メラー,アンナ カリナ
(72)【発明者】
【氏名】イン ギ,チョ
【審査官】前田 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-035576(JP,A)
【文献】特開2006-104283(JP,A)
【文献】特開2009-041020(JP,A)
【文献】特開昭63-196615(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105504662(CN,A)
【文献】国際公開第96/034054(WO,A1)
【文献】国際公開第2005/044917(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/215266(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 2/28
C08L 59/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)の製造プロセス中において酸触媒を失活させる方法であって、前記の酸触媒を失活させる方法が、下記の工程:
a)前記ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)と前記酸触媒とを含む第1混合物(M1)を提供する工程、
b)前記ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)と前記酸触媒およびトリイソプロパノールアミンの複合体とを含む第2混合物(M2)を得るために、トリイソプロパノールアミンを前記第1混合物(M1)に添加して前記酸触媒を失活させる工程
を含む、方法。
【請求項2】
前記ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)が、60~99.99mol%の-CHO-の繰り返し単位と0.01~40mol%の下記式(I):
【化1】
(式中、R~Rは、それぞれ、互いに独立して、水素原子、C~C-アルキル基、またはアルコキシで置換された1~4個の炭素原子を有するアルキル基であり、そして、Rは、化学結合、-CH-、-OCH-、C~C-アルキル若しくはC~C-アルコキシで置換されたメチレン基または対応するオキシメチレン基であり、nは、0~3である)
で表される繰り返し単位とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程a)が、下記の工程a1):
a1)前記ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)と前記酸触媒とを含む第1混合物(M1)を提供するために、環状ホルマールの群から選択される少なくとも1種の主モノマーと、
下記式(II):
【化2】
(式中、R~Rおよびnは、前記請求項2で定義されたものである)
で表される構造式の群から選択される少なくとも1種の第1コモノマーと、
場合により、前記酸触媒の存在下における少なくとも1種の第2コモノマーと
を重合させる工程を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記酸触媒が、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素と水との配位複合体、および三フッ化ホウ素とジアルキルエーテルとの配位複合体からなる群から選択される少なくとも1種の酸触媒である、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記の工程a)の酸触媒が、前記第1混合物(M1)の合計質量に基づいて、10~150ppmの量で存在する、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記の工程a1)における酸触媒が、主モノマーおよび前記コモノマーの合計質量に基づいて、10~150ppmの量で存在する、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記の工程b)におけるトリイソプロパノールアミンが、トリイソプロパノールアミンと酸触媒との比が25:1~1:1であることを考慮して、モル過剰で添加される、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
ステップb)において、前記トリイソプロパノールアミンが、少なくとも1種の溶媒に溶解されたトリイソプロパノールアミンが含まれる溶液の形態によって添加される、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記溶液が、溶媒として酢酸エチルを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ポリオキシメチレンコポリマーの製造中において酸触媒を失活させるためのトリイソプロパノールアミンの使用であって、前記酸触媒がトリイソプロパノールアミンと複合体を形成する、使用。
【請求項11】
ポリマー成形組成物(PM)の製造方法であって、
その製造方法が、下記の工程:
a1)ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)と酸触媒とを含む第1混合物(M1)を提供するために、環状ホルマールの群から選択される少なくとも1種の主モノマーと、
下記式(II):
【化3】
(式中、 ~R は、それぞれ、互いに独立して、水素原子、C ~C -アルキル基、またはアルコキシで置換された1~4個の炭素原子を有するアルキル基であり、そして、R は、化学結合、-CH -、-OCH -、C ~C -アルキル若しくはC ~C -アルコキシで置換されたメチレン基または対応するオキシメチレン基であり、nは、0~3である)で表される構造式の群から選択される少なくとも1種の第1コモノマーと、
場合により、前記酸触媒の存在下における少なくとも1種の第2コモノマーと
を重合させる工程;
b)前記ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)と前記酸触媒およびトリイソプロパノールアミンの複合体とを含む第2混合物(M2)を得るために、トリイソプロパノールアミンを前記第1混合物(M1)に添加して前記酸触媒を失活させる工程;
c)場合により、少なくとも1種の添加剤を前記第2混合物(M2)に添加する工程
を含む、製造方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法によって得られたポリマー成形組成物(PM)。
【請求項13】
ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)と、酸触媒およびトリイソプロパノールアミンの50~700ppmの不活性化された複合体(なお、前記ppmは、ポリマー成形組成物(PM)の合計質量に基づく)とを含む、ポリマー成形組成物(PM)。
【請求項14】
成形部品を製造するための、請求項12または13に記載の前記ポリマー成形組成物(PM)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリイソプロパノールアミン(トリス(2-ヒドロキシプロピル)アミン)をポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)および酸触媒を含む混合物に添加することによってポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)を製造するプロセス中において、酸触媒を失活させる方法に関する。
【0002】
さらに、本発明は、ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)の製造中において酸触媒を失活させるためのトリイソプロパノールアミンの使用に関する。
【0003】
さらに、本発明は、ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)を含むポリマー成形組成物(PM)の製造方法、その製造方法によって得られるポリマー成形組成物(PM)、および成形部品を製造するためのポリマー成形組成物(PM)の使用に関する。
【背景技術】
【0004】
ポリオキシメチレンコポリマーは古くから知られている。ポリマーはいくつかの優れた性質を有しているので、さまざまな産業用途に適している。ポリオキシメチレンコポリマーはエンジニアリング熱可塑性プラスチックであり、輸送、電気、電子、消費財産業の種々の用途で使用されている。ポリオキシメチレンコポリマーは、アセタール樹脂、ポリアセタール、ポリホルムアルデヒドとしても知られている。ポリオキシメチレンコポリマーを製造するために、ホルムアルデヒドは、一般に、その環状オリゴマー(好ましくは、1,3,5-トリオキサン)に変換される。ポリオキシメチレンコポリマーは、酸触媒の存在下における、ホルムアルデヒドの環状オリゴマー(好ましくは、1,3,5-トリオキサン)とコモノマーとの重合によって得ることができる。重合は、塊状重合として(例えば溶融混練機において)実施することができる。重合反応後、酸触媒をいまだに含む未処理のポリオキシメチレンコポリマーが得られる。酸触媒がポリオキシメチレンコポリマー中に残っている場合には、その触媒は、ポリオキシメチレンコポリマーのホルムアルデヒドへの解重合反応(これは、使用可能性が非常に限られた不安定なポリオキシメチレンコポリマーをもたらす)に対して触媒作用を及ぼす可能性がある。
【0005】
したがって、重合後において、酸触媒は、通常、失活され、そして、未処理のポリオキシメチレンコポリマーは、通常、完成品のポリオキシメチレンコポリマーを得るために残留モノマーの除去および不安定な末端基の除去によってさらに安定化される。
【0006】
未処理のポリオキシメチレンコポリマーに含まれる酸触媒を失活させるために、一般に、不活性化剤が未処理のポリオキシメチレンコポリマーに添加される。不活性化剤としては、概して、塩基性化合物が一般に使用される。不活性化剤として使用される塩基性化合物は、概して、酸塩基生成物(すなわち、ポリオキシメチレンコポリマーのポリマーマトリックス中に残っている酸触媒と塩基性化合物との複合体)を形成する。
【0007】
DE3703790には、ポリオキシメチレンコポリマーの製造方法が開示されており、この製造方法では、酸触媒が、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、またはトリ-n-ブチルアミンによって失活されている。
【0008】
EP1688461には、また、ポリオキシメチレンコポリマーの製造方法が開示されており、この製造方法では、酸触媒がアミン(すなわち、トリエチルアミン)の添加によって失活されている。
【0009】
EP0244245には、ポリオキシメチレンコポリマーの製造方法が開示されており、この製造方法では、ヒンダード複素環式アミンが酸触媒の失活に使用されている。
【0010】
DE19633708には、ポリオキシメチレンコポリマーの製造方法が開示されており、この製造方法では、酸触媒が、アンモニア、トリメチルアミン、ジメチルアミン、またはトリエチルアミンによって失活されている。
【0011】
US7893140には、ポリオキシメチレンコポリマーの製造方法が開示されており、この製造方法では、酸触媒が、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、またはトリブタノールアミンによって失活されている。
【0012】
WO93/22359には、カチオン性活性触媒を使用して主モノマーとしてのトリオキサンとコモノマーとしての環状エーテルまたは環状ホルマールとを共重合することによってポリオキシメチレンコポリマーを製造する方法が開示されており、この製造方法では、共重合の完了後にアルカリ金属フッ化物をコポリマーと接触させて、それによって重合触媒を失活させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】DE3703790
【文献】EP1688461
【文献】EP0244245
【文献】DE19633708
【文献】US7893140
【文献】WO93/22359
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、最先端技術で使用されるポリオキシメチレンコポリマーおよび不活性化剤の製造方法では、(場合によっては不十分な安定性を示す)完成品のポリオキシメチレンコポリマーがもたらされる。さらに、場合によっては、最新技術で説明されている製造方法によって得られるポリオキシメチレンコポリマーはホルムアルデヒドを非常に多く放出するので、完成品のポリオキシメチレンコポリマーは、食品または飲料水の用途には使用することができない。さらに場合によっては、最新技術として説明されている方法によって得られるポリオキシメチレンコポリマーは不活性化剤が移動することを示しており、したがって、このポリオキシメチレンコポリマーは、食品と接触させる用途または飲料水の用途にも使用することができない。
【0015】
したがって、本発明の基礎となる目的は、ポリオキシメチレンコポリマーの製造プロセス中に酸触媒を失活させる方法を提供することである。この方法によって、従来技術の上記の欠点を有していないかまたはその欠点が大幅に低減されたポリオキシメチレンコポリマーがもたらされる。特に、この方法によって、熱および加水分解安定性が改善され、ホルムアルデヒド放出が低いものであり、色値が良好であり、ならびに、良好な機械的特性を示し、これらと同時に、食品と接触させる用途または飲料水の用途に適切であるポリオキシメチレンコポリマーをもたらすはずである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この目的は、ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)の製造プロセス中において酸触媒を失活させる方法によって解決され、酸触媒を失活させる方法は、下記の工程:
a)ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)と酸触媒とを含む第1混合物(M1)を提供する工程、
b)ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)と酸触媒およびトリイソプロパノールアミンの複合体とを含む第2混合物(M2)を得るために、トリイソプロパノールアミンを第1混合物(M1)に添加して酸触媒を失活させる工程
を含む。
【0017】
本発明の別の目的は、請求項9に記載の方法によって得られるポリマー成形組成物(PM)である。
【発明の効果】
【0018】
驚くべきことに、ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)の製造方法において、トリイソプロパノールアミンを使用して酸触媒を失活させると、ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)の特性が改善されることが見出された。ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)は、熱安定性および加水分解安定性が向上し、ホルムアルデヒドの放出が少なく、色値が良好であり、ならびに機械的特性も良好である。
【0019】
さらに、驚くべきことに、完成品のポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)に残っている酸触媒およびトリイソプロパノールアミンの複合体は安定であり、すなわち、完成品のポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)は、熱に対して安定しており、加水分解に対して安定しており、完成品のポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)は、ホルムアルデヒドの放出が少なく、不活性化剤の移動が少ないことを示しており、すなわち、食品または飲料水への接触が要求される用途に特に適している。
【発明を実施するための形態】
【0020】
第1混合物(M1)
工程a)において、ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)と酸触媒とを含む第1混合物(M1)が提供される。
【0021】
ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)それ自体は知られている。それは、好ましくは、(モノマーとしての)トリオキサンと1種以上のコモノマーとの重合によって調製される。
【0022】
一般に、第1混合物(M1)に含まれるポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)は、60~99.99mol%の-CHO-の繰り返し単位と0.01~40mol%の下記式(I):
【化1】
(式中、R~Rは、それぞれ、互いに独立して、水素原子、C~C-アルキル基、またはアルコキシで置換された1~4個の炭素原子を有するアルキル基であり、Rは、化学結合、-CH-、-OCH-、C~C-アルキル、またはC~C-アルコキシで置換されたメチレン基、または対応するオキシメチレン基であり、nは、0~3であり、-CHO-の繰り返し単位のmol%および式(I)で表される繰り返し単位のmol%は、ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)に含まれる繰り返し単位のmol合計数に基づいている)
で表される繰り返し単位とを含む。
【0023】
好ましくは、ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)は、60~99.99mol%、より好ましくは80~99.95mol%、さらにより好ましくは90~99.9mol%、特に好ましい94~99.5mol%の-CHO-繰り返し単位を含む。好ましくは、ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)は、0.01~40mol%、より好ましくは0.05~20mol%、さらにより好ましくは0.1~10mol%、特に好ましい0.5~6mol%の式(I)で表される繰り返し単位を含み、それぞれの場合におけるmol%は、ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)に含まれる繰り返し単位のmol合計数に基づいている。
【0024】
したがって、本発明の別の目的は、ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)が、60~99.99mol%の-CHO-繰り返し単位と0.01~40mol%の式(I):
【化2】
(式中、R~Rは、それぞれ、互いに独立して、水素原子、C~C-アルキル基、またはアルコキシで置換された1~4個の炭素原子を有するアルキル基であり、Rは、化学結合、-CH-、-OCH-、C~C-アルキル-、またはC~C-アルコキシで置換されたメチレン基、または対応するオキシメチレン基であり、nは、0~3である)で表される繰り返し単位とを含む方法である。
【0025】
-CHO-の繰り返し単位は、一般に、環状ホルマール(ホルムアルデヒドの環状オリゴマー)[1,3,5-トリオキサンが特に好ましい]の群から選択される少なくとも1種の主モノマーの重合によってポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)に導入される。
【0026】
式(I)で表される繰り返し単位は、有利には、下記式(II):
【化3】
(式中、R~Rおよびnは、上記の式(I)において定義したものである)
で表される構造式の群から選択される少なくとも1種の第1コモノマーの開環重合によって、ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)に導入することができる。
【0027】
好ましくは、少なくとも1種の第1コモノマーは、エチレンオキシド、1,2-プロピレンオキシド、1,2-ブチレンオキシド、1,3-ブチレンオキシド、1,3-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、および1,3-ジオキセパンからなる群から選択され、1,3-ジオキソランが特に好ましい。
【0028】
場合により、ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)は、少なくとも1種の第2コモノマーに由来する繰り返し単位を含むことができる。第2コモノマーは、好ましくは、式(III)で表される環状エーテルまたは式(IV)で表されるアセタール:
【化4】
(式中、Zは、化学結合、-O-、-ORO-(Rは、C~C-アルキレンまたはC~C-シクロアルキレン)、線状オリゴホルマール、およびポリホルマールからなる群から選択される)。第2コモノマーは、好ましくは、エチレンジグリサイド;ジグリシジルエーテル;グリシジルとホルムアルデヒド、ジオキサンまたはトリオキサンとから得られたジエーテル(mol比が2:1である);および、2molのグリシジル化合物と1molの2~8個の炭素原子を有する脂肪族ジオールとから得られたジエーテル(例えば、エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、シクロブタン-1,3-ジオール、1,2-プロパンジオール、1、3-プロパンジオール、シクロヘキサン-1,4-ジオールのジグリシジルエーテル)からなる群から選択される。
【0029】
少なくとも1種の第2モノマーが使用される場合、少なくとも第2モノマーは、好ましくは、それに由来する繰り返し単位が0.001~5%、好ましくは0.01~2%の量でポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)に含まれるような量で使用される(それぞれの場合におけるmol%は、ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)に含まれる繰り返し単位のmol合計数に基づいている)。
【0030】
cPOMの分子量は、少なくとも1種の連鎖移動剤(CTA)を使用することにより、得られる生成物において必要とされる溶融粘度となるように設定される。CTAとして、線状オリゴホルマール(例えば、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、ジブトキシメタン)を使用できる。ジメトキシメタン(CHOCHOCH)が好ましいCTAである。
【0031】
第1混合物(M1)に含まれるポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)の融点は、好ましくは150~200℃の範囲であり、融点はより好ましくは160~180℃の範囲である。cPOMの融点は、DIN EN ISO11357-3(2013年-04)に準拠した20K/分の加熱および冷却速度と約8.5mgのサンプル質量とで決定される。
【0032】
第1混合物(M1)に含まれるポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)の分子量(重量平均Mw;後述のように決定される)は、広範囲内で調整することができる。分子量Mwは、好ましくは10,000~24,000g/mol±10%の範囲であり、一方、数平均分子量Mn(後述のように決定される)は、好ましくは8,000~8,5000g/molの範囲である。好ましくは、第1混合物(M1)に含まれるポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)は、80,000~220,000g/mol±10%の範囲の分子量(Mw)を有しており、一方、その分子量(Mn)は、好ましくは9,000~38,000g/molの範囲である。第1混合物(M1)に含まれるポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)のMw/Mn比(多分散性指数)は、好ましくは1.4~14の範囲であり、そのMw/Mnは、より好ましくは2.1~14の範囲である。
【0033】
ポリマーおよびcPOMの分子量は、SEC装置におけるサイズ排除クロマトグラフィー(サイズ排除クロマトグラフィー)を介して決定された。このSEC装置は、分離カラムの次の組み合わせで構成されていた:長さ5cmおよび直径8mmの予備カラム、長さ30cmおよび直径7.5mmの第2のリニアカラム。両方のカラムの分離材料は、Polymer LaboratoriesのPL-HFIPゲルであった。使用した検出器は、Agilent1100の示差屈折計で構成されていた。ヘキサフルオロイソプロパノールと0.05%のトリフルオロ酢酸カリウムとの混合物を溶離液として使用した。流速は1ml/分であり、カラム温度は35℃であった。溶離液1リットル当たり1.5gの試料の濃度で60マイクロリットルの溶液を注入した。この試料溶液は、Millipor Millex FG(孔幅0.2マイクロメートル)によって事前にろ過されていた。校正には、PSS(Mainz、DE)からの分子量Mが800~2,220,000g/molである狭い分布のPMMA標準を使用した。多分散度指数は、重量平均分子量を数平均分子量で割ったものとして定義される。
【0034】
第1混合物(M1)に含まれるポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)の分子量分布は、単峰性または実質的に単峰性であってもよい。また、それは多峯性分子量分布を有していてもよい。cPOMが二峰性の分子量分布を有する可能性があってもよい。
【0035】
工程a)において、ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)と酸触媒とを含む第1混合物(M1)が提供される。本発明における用語「酸触媒」は、1種のみの酸触媒、または2種以上の酸触媒の混合物を意味すると理解される。好ましくは、第1混合物(M1)は、1種の酸触媒を含む。さらに、本発明における用語「酸触媒」は、酸触媒自体、ならびに酸触媒の触媒活性が変化した物質を含むと理解される。
【0036】
酸触媒は、好ましくは、例えば、ホウ素、スズ、チタン、リン、アンチモン、またはヒ素のうちの少なくとも1種(2種、より好ましくは1種)のハロゲン化物であってもよい。それによって、ハロゲン化物が塩化物またはフッ化物であるか、またはハロゲン化物が両方を含むことが好ましい。それらの例としては、三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五フッ化リン、五塩化リン、五フッ化アンチモン、および五フッ化ヒ素が挙げられ、特にそれらの複合化合物が挙げられる。
【0037】
酸触媒は、好ましくは、少なくとも1種のハロゲン化ホウ素(特に三フッ化ホウ素、例えば三フッ化ホウ素水和物)、または、ハロゲン化ホウ素と少なくとも1種の酸素または硫黄原子あるいはその両方を含む少なくとも1種(より好ましくは1種)の有機化合物との少なくとも1種(より好ましくは1種)の配位化合物であってもよい。それにより、有機化合物は、少なくとも1種(特に1種)の酸素原子のみを含むことがより好ましい。ハロゲン化ホウ素の配位化合物を形成するための前記有機化合物は、例えば、アルコール、エーテル、または硫化物であってもよい。
【0038】
好ましくは、酸触媒は、エーテル(特にアルキルエーテル)と配位したハロゲン化ホウ素からなる群から選択され、例えば、C1~C4アルキルエーテルが最も好ましくてもよい。三フッ化ホウ素とエーテル(特にジアルキルエーテル(例えばC1~C4ジアルキルエーテル))との配位化合物、特にとりわけ、三フッ化ホウ素ジブチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、または三フッ化ホウ素ジメチルエーテラート、またはそれらの混合物が最も好ましくてもよい。三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートを最も好ましく使用してもよい。
【0039】
したがって、本発明の別の目的は、酸触媒が、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素と水との配位複合体、三フッ化ホウ素とジアルキルエーテルとの配位複合体、および前記酸触媒の触媒活性が変化した物質からなる群から選択される少なくとも1種の酸触媒である方法である。
【0040】
特に好ましい実施形態では、第1の混合物(M1)は、酸触媒としての三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートを含む。
【0041】
第1混合物(M1)中の酸触媒の量は特に限定されない。通常、第1混合物(M1)中の酸触媒の量は、10~150ppm、好ましくは20~140ppm、より好ましくは30~130ppm、特に好ましくは40~100ppmであり、いずれの場合も、主モノマーおよびコモノマーの合計量に基づいており、好ましくは第1混合物の合計量に基づいている。量が少ない場合には反応の開始が遅くなることがあり、量が多い場合には通常反応が速くなることはない。
【0042】
好ましい実施形態では、工程a)における第1混合物(M1)の提供は、工程a1)、すなわち、環状ホルマール(好ましくは1,3,5トリオキサン)の群から選択される少なくとも1種の主モノマーと式(II)で表される構造式の群から選択される少なくとも1種の第1コモノマーと、場合により、酸触媒の存在下での少なくとも1種の第2コモノマーとの重合を含む。
【0043】
したがって、本発明の別の目的は、工程a)が下記の工程を含む方法である:
a1)ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)と酸触媒とを含む第1混合物(M1)を提供するために、環状ホルマールの群から選択される少なくとも1種の主モノマーと、下記式(II):
【化5】
(式中、R~Rおよびnは、上記の請求項2で定義されたものである)で表される構造式の群から選択される少なくとも1種の第1コモノマーと、場合により、酸触媒の存在下における少なくとも1種の第2コモノマーとの重合。
【0044】
一般に、工程a1)の重合は、様々な方法を使用して実施することができる。そのような方法は、当業者に知られているか、または、当業者の一般的な知識を適用することによって当業者が利用できる。第1混合物(M1)は、カチオン重合によって製造されることが好ましい。カチオン重合中、cPOMは、バルク(すなわち、溶媒が無いかまたは実質的に無い)で形成することができる。
【0045】
重合は、当業者に一般に知られているか、または当業者の一般的な知識を適用することによって当業者が利用可能な温度、圧力、および装置で実施することができる。例えば、それは、押出機または2以上の押出機(例えば、セルフクリーニングタイプ、二軸スクリュータイプ)のカスケードで実施することができる。本明細書に開示されるプロセスを、混練機または2以上の混練機(例えば、セルフクリーニングタイプ)のカスケードで実行することも可能であり得る。一般に、特に少なくとも1種のモノマーおよび存在する場合には少なくとも1種のコモノマーを液体状態で維持することによって、エネルギーの浪費を回避するために可能な限り低い温度においてそして重合を維持し良好な混合を確実にするのに十分高い温度において、重合を実施することが有利であってもよい。したがって、50~150℃の温度で重合を実施することが好ましい場合があり、それにより、60~120℃の温度がより好ましい場合がある。それにより、温度は、バルク内の温度を意味する。
【0046】
一実施形態では、第1混合物(M1)は、2~30質量%の量の未反応の残留モノマーをさらに含むことができる。未反応の残留モノマーは、通常、上記の主モノマー、コモノマー、およびホルムアルデヒドから選択される。
【0047】
好ましい実施形態では、第1混合物(M1)は、70~98質量%のポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)、2~30質量%の未反応の残留モノマー、および10~150ppmの酸触媒を含む(上記質量%は、第1混合物の合計質量に基づく)。
【0048】
工程b)によって、酸触媒を失活させるために、そしてポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)と酸触媒およびトリイソプロパノールアミンの複合体とを含む第2混合物(M2)を得るために、トリイソプロパノールアミンを第1混合物(M1)に添加する。
【0049】
トリイソプロパノールアミン(トリス(2-ヒドロキシプロピル)アミン;TIPOA)のCAS番号は122-20-3である。モル質量は191.27g/molであり、融点は45℃であり、沸点は301℃である。トリイソプロパノールアミンは、水溶性である。
【0050】
工程b)において、トリイソプロパノールアミンは、それだけで、またはトリイソプロパノールアミンと有機溶媒とを含む溶液の形で添加することができる。好ましくは、工程b)のトリイソプロパノールアミンは、トリイソプロパノールアミンと有機溶媒とを含む溶液の形で第1の混合物に添加される。適切な有機溶媒は、例えば、シクロヘキサン、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、またはベンゼンであり、ベンゼンおよび酢酸エチルが好ましい。酢酸エチルが最も好ましい。
【0051】
トリイソプロパノールアミンが溶液の形で添加される場合には、トリイソプロパノールアミンの濃度は、通常、1~50質量%の範囲であり、好ましくは5~60質量%の範囲であり、より好ましくは、2~30質量%の範囲であり、特に3~10質量%の範囲で好ましい(上記質量%は、トリイソプロパノールアミンと有機溶媒とを含む溶液の合計質量に基づく)。
【0052】
さらに、工程b)において、別の実施形態において、トリイソプロパノールアミンは、アンモニア、トリエチルアミン、トリ-n-ブチルアミン、およびトリエタノールアミンからなる群から選択される少なくとも1種の他の不活性化剤との混合物に添加してもよい。しかしながら、好ましい実施形態では、工程b)において、トリイソプロパノールアミンが、添加される唯一の不活性化剤である。
【0053】
工程b)において、好ましくは、トリイソプロパノールアミンは、第1混合物(M1)に含まれる酸触媒(トリイソプロパノールアミン:酸触媒=25:1~1:1、より好ましくは10:1~1.1:1、特に好ましくは5:1~1.2:1である)を考慮して、モル過剰で添加される。
【0054】
工程b)において、ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)および酸触媒とトリイソプロパノールアミンとの複合体を含む第2混合物(M2)が得られる。
【0055】
ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)、およびさらに場合により含まれる成分(例えば、未反応の残留モノマー)等については、前述の説明および好適態様が同様に適用される。
【0056】
本発明の別の目的は、ポリオキシメチレンコポリマーの製造中における酸触媒の失活のためのトリイソプロパノールアミンの使用である。
【0057】
好ましくは、トリイソプロパノールアミンは、ポリオキシメチレンコポリマーの製造における重合工程の後に使用される。
【0058】
本発明の別の目的は、下記の工程を含むポリマー成形組成物(PM)の製造方法である:
a1)環状ホルマールの群から選択される少なくとも1種の主モノマーと、下記式(II):
【化6】
(式中、R~Rおよびnは、上記の請求項2で定義されたものである)
で表される構造式の群から選択される少なくとも1種の第1コモノマーと、場合により、ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)と酸触媒とを含む第1混合物(M1)を提供するための酸触媒の存在下における少なくとも1種の第2コモノマーとを重合させる工程;
b)ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)と酸触媒およびトリイソプロパノールアミンの複合体とを含む第2混合物(M2)を得るために、トリイソプロパノールアミンを第1混合物(M1)に添加して酸触媒を失活させる工程;
c)場合により、少なくとも1種の添加剤を第2混合物(M2)に添加する工程。
【0059】
ポリマー成形組成物(PM)の製造方法の工程a1)およびb)について、ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)の製造工程中における酸触媒の失活方法を考慮した前述の説明および好適態様も同様に適用される。
【0060】
工程c)において、場合により、少なくとも1種の添加剤が第2混合物(M2)に添加される。しかしながら、好ましい実施形態では、第2混合物(M2)は、上記のように、2~30質量%の未反応残留モノマーと触媒およびトリイソプロパノールアミンとの50~700ppmの複合体を含む。さらに、ポリオキシメチレンコポリマーは、不安定な末端基を含んでもよい。したがって、好ましい実施形態では、第2混合物(M2)は、残留モノマーを除去するために、そして不安定な末端基を解重合するために熱処理される。残留モノマーおよび不安定な末端基の除去は、通常、混練および脱気装置を使用して溶融物中で行われる。この仕上げ工程は、一般に当業者に知られている。
【0061】
このようにして得られた完成したポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)に、場合により、少なくとも1種の添加剤を添加してもよい。
【0062】
少なくとも1種の添加剤を任意の既知の装置に追加できる。添加剤は、好ましくは、混合装置に添加される。
【0063】
適切な抗酸化剤は、例えば、トリエチレングリコールビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート(例えば、BASF SEのIrganox 245)等の立体障害型のヒンダードフェノールである。酸化防止剤を使用する場合には、ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)が、0.001~10質量%、好ましくは0.002~5質量%、より好ましくは0.005~3質量%の抗酸化剤を含むような量で添加される(上記質量%は、ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)の合計質量に基づく)。
【0064】
適切なホルムアルデヒドスカベンジャーは、例えば、アミン、アミノトリアジン化合物、ベンゾグアナミン、アミノ酸、ヒドラジド、尿素または尿素誘導体、アラントイン、グアナミン、ヒダントイン、(修飾)メラミン、またはメラミンとホルムアルデヒドとポリアミドとの縮合物、またはこれらの混合物である。ホルムアルデヒドスカベンジャーを使用する場合には、ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)が、0.001~10質量%、好ましくは0.002~5質量%、より好ましくは0.005~3質量%のホルムアルデヒドスカベンジャーを含むような量で添加される(上記質量%は、ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)の合計質量に基づく)。
【0065】
適切なポリアミドは、例えば、カプロラクタム、ヘキサメチレンジアミン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、およびアジピン酸に基づくコポリアミドであり、これは、モル質量を調節するための成分として、単官能性重合化合物(例えば、プロピオン酸またはトリアセトンジアミン)をさらに含むことができる。例としては、BASF SEのUltramid(登録商標)1CおよびUltramid(登録商標)C31が挙げられる。ポリアミドを使用する場合には、ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)が、0.001~2質量%、好ましくは0.005~1.99質量%、より好ましくは0.01~0.08質量%のポリアミドを含むような量で添加される(上記質量%は、ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)の合計質量に基づく)。
【0066】
適切なUV吸収剤は、例えば、ヒンダードアミン光安定剤(例えば、下記ポリマー構造:
【化7】
(nは5~50の範囲の整数である)のヒンダードアミン)である。
【0067】
ヒンダードアミンを使用する場合には、ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)が、0.001~10質量%、好ましくは0.002~5質量%、より好ましくは0.005~2質量%のヒンダードアミンを含むような量で添加される(上記質量%は、ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)の合計質量に基づく)。
【0068】
適切な離型剤は、例えば、10~40個の炭素原子、好ましくは16~22個の炭素原子を有する飽和または不飽和脂肪族カルボン酸と、2~40個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子を有するポリオールまたは脂肪族飽和アルコールまたはアミンとのエステルまたはアミドである。エステルまたはアミドを使用する場合には、ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)が、0.01~5質量%、好ましくは0.09~2質量%、特に0.1~0.7質量%の離型剤を含むような量で添加される(上記質量%は、ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)の合計質量に基づく)。したがって、好ましいエステルまたはアミドは、グリセリルジステアレート、グリセリルトリステアレート、エチレンジアミンジステアレート、グリセリルモノパルミテート、グリセリルトリラウレート、グリセリルモノベヘネート、ペンタエリスリチルテトラステアレートである。
【0069】
適切な酸スカベンジャーは、例えば、アルカリ性またはアルカリ土類性の炭酸塩、水酸化物、(ヒドロキシ)ステアリン酸塩またはケイ酸塩である。酸スカベンジャーを使用する場合には、ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)が0.001~2質量%、好ましくは0.002~1質量%、特に0.003~0.7質量%の酸スカベンジャーを含むような量で添加される(上記質量%は、ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)の合計質量に基づく)。
【0070】
適切な核剤は、例えば、メラミンシアヌレート、メラミンとホルムアルデヒドとの縮合物、シリカ酸、分岐ポリオキシメチレン、およびタルカムである。核剤を使用する場合には、それは、ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)が0.005~5質量%、好ましくは0.01~2質量%、特に0.02~0.7質量%の核剤を含むような量で添加される(上記質量%は、ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)の合計質量に基づく)。
【0071】
存在する場合には、添加剤は、通常の方法で(例えば、個別にまたは一緒に)、その物質だけで、溶液もしくは懸濁液として、またはマスターバッチとして添加される。
【0072】
本発明の別の目的は、ポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)と、触媒およびトリイソプロパノールアミンの50~700ppmの不活性化された複合体とを含むポリマー成形組成物(PM)である(上記ppmは、ポリマー成形組成物(PM)の合計質量に基づく)。
【0073】
ポリマー成形組成物(PM)の製造方法によって得られるポリマー成形組成物(PM)は、好ましくは、下記を含む:
60~99.9質量%のポリオキシメチレンコポリマー(cPOM)、
50~700ppmの酸触媒とトリイソプロパノールアミンとの複合体、および
場合により、0~39.99質量%の添加剤(その添加剤は、酸化防止剤、ホルムアルデヒドスカベンジャー、UV吸収剤、離型剤、酸スカベンジャーおよび核剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤である)。
【0074】
本発明の別の目的は、成形部品を製造するためのポリマー成形組成物(PM)の使用である。
【0075】
本発明は、以下の実施例に限定されることなく、より詳細に説明される。
【実施例
【0076】
a.分析方法
での質量減少(窒素雰囲気下における質量減少の決定):
熱安定性を試験するために、N下における220℃での質量減少が決定される。これは、窒素下において220℃で2時間加熱した場合における約1.2gのペレットの計量サンプルの質量減少率である。冷却後、サンプルの質量を再度測定して質量減少を計算する。
【0077】
MVR(DIN EN ISO1133-1:2012-03):
溶融体積流量(MVR)は、温度(190℃)および負荷(2.16kg)の事前設定条件下において、プラストメーターのシリンダーから特定の長さおよび直径のダイを通して溶融材料を押し出すことによって決定される。
【0078】
抽出可能なホルムアルデヒド(FA)の含有量:
顆粒cPOM中の抽出可能なFAの含有量は次のように決定される。50gの顆粒cPOMと70mlの水で三角フラスコを満たして、還流下で50分間または100分間撹拌する。急速冷却後に、FA含有量はMetrohm Titroprozessor682で決定される。したがって、pH値は、n/10の水酸化ナトリウム溶液(5ml)およびその後必要に応じてn/10の硫酸を使用して、pH9.4に調整される。続いて、5mlの亜硫酸ナトリウム溶液(1kgの脱イオン水に溶解した136gのNaSO)を添加する。NaSOとFAとの反応後に、n/10の硫酸を使用して、溶液をpH9.4に逆滴定する。
【0079】
FA含有量の計算は次のように行われる:
質量FA[mg]=HSOの消費量×2×HSOの濃度×ホルムアルデヒドの質量
FA含有量[%]=FAの質量[mg]/正味質量[g,顆粒cPOM]×(1000000/1000)
×は乗算演算子を意味する。
【0080】
反応は、下記に示す反応スキームに従うと仮定する。
【化8】
【0081】
ホルムアルデヒドの放出(VDA 275、1994年版、1994年7月1日):
試験片(試験サンプル)の製造は下記のように行った。射出成形機では、顆粒cPOMが射出成形プレート(40×100×2.5mm)に成形される;射出成形機は、下記のパラメータで使用される:質量温度:200℃、ツール壁温度:90℃。試験サンプルは、検査前にPEバッグに保管される。
【0082】
決定するために、試験片は、一定温度(60℃)において、定められた時間で、密封された(密閉された)1Lのポリエチレンボトル内の蒸留水に固定される。その後、1Lのポリエチレンボトルを冷却し、蒸留水中のホルムアルデヒド含有量を次のように決定する。いわゆるアセチルアセトン法を用いた測光分析が利用される。したがって、ホルムアルデヒドは、アセチルアセトンおよび酢酸アンモニウムを使用して、ジアセチルジヒドロルチジンに変換される。ジアセチルジヒドロルチジンの濃度は、光度測定手段で決定される(ジアセチルジヒドロルチジンの吸収の最大値は、412nmである)。
【0083】
ホルムアルデヒド含有量は、試験片の乾燥質量(mg/kg=ppm)を基準にして示される。
【0084】
引張試験(DIN EN ISO527-2,2012年6月):
引張棒は、200℃の溶融温度および90℃の金型温度で射出成形機において射出成形された。引張試験は、DIN EN ISO527-2に従って行われた。引張弾性率、引張降伏強度、引張破断強度、引張降伏伸度、引張破断伸度、および引張公称破断伸度の平均値は、10本の引張棒から得られた。タイプ1Aの試験片のみをすべての引張試験測定に使用した。
【0085】
耐加水分解性(100℃):
100℃の水中において試験棒を高温保管した後の引張試験がISO527に従って決定された。平均値は、各時間において、3本の引張棒から得られた。
【0086】
熱老化引張試験(140℃):
140℃の空気中において試験棒を高温保管した後の引張試験がISO527に従って決定された。平均値は、各時間において、3本の引張棒から得られた。
【0087】
シャルピー試験(DIN EN ISO179-1,2010年11月):
シャルピー棒(80×10×4mm)は、射出成形機において、溶融温度200℃、金型温度90℃で射出成形された。シャルピー試験は、DIN EN ISO179-1に従って行われた。シャルピー衝撃強度の値は、10本のシャルピー棒から得られた。
【0088】
ペレットの色(DIN EN ISO11664-4,2012年6月):
色差ΔEは、ISO116644-4に従ったCIELAB式を使用して、ポリオキシメチレン標準(L=90.4;a=-1.24およびb=0.54)に対して決定された。決定は、CIE標準光源D65を使用して、10°限界視角の観測フィールドを使用して行われた。
【0089】
総炭素排出量(VDA277に関するTCE、1995年版、1995年1月1日):
総炭素排出量は、VDA277に関連して決定された。射出成形シート(60×60×1mm)を粉砕し、秤量した量(1g)をガラス容器(10ml)において、空気中で、圧力1013.25mbar下で、120℃で5時間保管した。続いて、容器からの規定量のガスがヘッドスペースGCによって分析された。総炭素排出量は、サンプル1グラム当たりの炭素μgとして決定される。
【0090】
トリエタノールアミンの特定移行(DIN-EN-1186-3,2002年7月):
試験片(試験サンプル)の製造は次のように行われる。射出成形機では、顆粒cPOMが射出成形プレート(60×60×2mm)に成形され、射出成形機は、次のパラメータ(質量温度:200℃,工具壁温度:90℃)で使用される。試験サンプルは、検査前にPEバッグに保管される。
【0091】
トリエタノールアミン(TEOA)の特定移行は、欧州規格EN1186-3によるFraunhoferIVV(Fraunhofer-Institut fuer Verfahrenstechnik und Verpackung)、85354 Freisingによって、下記の条件で決定される:
食品類似物:50%エタノール
接触時間および接触温度:2時間/還流(3回の繰り返し接触)
接触面/体積:0.56dm/50ml。
【0092】
移行したトリエタノールアミンの量は、FraunhoferIVV法(1.4069)を使用して、類似物との3回目の接触で定量化した。移行溶液を1/10に希釈し、酢酸アンモニウムとエタノールとの混合物を流動剤として使用するLC-MSで分析した。検出には、ポジティブシングルリアクションモニタリングモードで分子量を選択し、特徴的な娘イオンを検出した。定量化は外部校正によって実行された。この方法でのトリエタノールアミンの検出限界は0.13mg/kgである。
【0093】
トリイソプロパノールアミンの特定移行(DIN-EN-1186-3、2002年7月):
試験片(試験サンプル)の製造:射出成形機では、顆粒POMが射出成形プレート(60×60×2mm)に成形される。射出成形機は、下記のパラメータで使用される:質量温度:200℃、ツールの壁の温度:90℃。試験サンプルは、検査前にPEバッグに保管される。
【0094】
トリエタノールアミン(TEOA)の特定移行は、欧州規格EN1186-3によるFraunhoferIVV(Fraunhofer-Institut fuer Verfahrenstechnik und Verpackung)、85354 Freisingによって、下記の条件で決定される:
食品類似物:50%エタノール
接触時間および接触温度:2時間/還流(3回の繰り返し接触)
接触面/体積:0.56dm/50ml。
【0095】
移行したトリイソプロパノールアミン(TIPOA)の量は、FraunhoferIVV法(1.378)を使用して、類似物との3回目の接触で定量化した。移行溶液を1/10に希釈し、ギ酸とメタノールとの混合物を流動剤として使用するLC-MSで分析した。定量化は外部校正によって実行された。この方法でのトリイソプロパノールアミンの検出限界は0.005mg/kgである。
【0096】
抽出可能な全有機炭素(TOC)/飲料水中におけるFA含有量
KTW-ガイドライン(バージョン7 2016年3月)=指令98/34/EECに従って、番号2013/470/Dの下で欧州委員会に通知された、飲料水と接触させる有機材料の衛生的評価のためのガイドラインによるものである。KTWガイドラインには、飲料水と接触させるプラスチックおよびシリコーンのテストプロトコルと安全要件が含まれている。抽出および分析は、Hygiene-Institut des Ruhrgebiets(ドイツ)によって行われた。
【0097】
試験片(試験サンプル)の製造は次のように行われる。射出成形機では、顆粒cPOMが射出成形プレート(100mm×70mm×2.5mm)に成形され、射出成形機は、次のパラメータ(質量温度:200℃,工具壁温度:90℃)で使用される。試験サンプルは、検査前にPEバッグに保管される。
【0098】
移行試験は、KTWガイドラインの付録3に従って、85℃(温水)で行われた。表面/体積比は5dm-1であった。
【0099】
移行する水サンプルは、300mm以上のDN(変換係数=1d/dm)を有するパイプ用の継手についてのパラメータを使用して分析された。
【0100】
抽出可能な全有機炭素(TOC)の量は、DIN EN1484に従って分析された。
【0101】
飲料水中での抽出可能なホルムアルデヒド(FA)の量は次のように決定された。20mlの移行溶液をフラスコに充填し、2mlのパラロサニリン溶液を添加した(パラロサニリン溶液の調製:160mgのパラオサニリンを24.0mlの濃塩酸に溶解し、蒸留水を100mlまで満たした)。さらに、2mlの新たに調製した亜硫酸ナトリウム溶液を添加した(亜硫酸ナトリウム溶液の調製:50mgの亜硫酸ナトリウムを50mlの蒸留水に溶解した)。フラスコに蒸留水を25mlまで満たし、密封し、フラスコを手動で振とうした。フラスコを23℃で90分間保管した。この時間において、ホルムアルデヒドは、亜硫酸ナトリウムおよびパラロサニリンで赤紫色の複合体に変換される。この有色複合体の濃度を光度測定手段で測定した(有色複合体の最大吸収は波長578nmである)。
【0102】
ポリマー中の失活剤の残留含有量
試験片(試験サンプル)の製造は下記のように行った。射出成形機では、顆粒cPOMが射出成形プレート(60mm×60mm×2mm)に成形される;射出成形機は、次のパラメータ(質量温度:200℃,工具壁温度:90℃)で使用される。試験サンプルは、検査前にPEバッグに保管される。
【0103】
試験片を粉砕し、約300mgのポリマーを5mlの1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノールに溶解した。続いて、フラスコを水と1molのHCl(比率100/1)との混合物で合計量10mlにして、混合物を撹拌してポリマーを沈殿させた。その後、測定用の内部標準として約30mgのメチルアミン-HClを添加した。混合物をろ過(細孔幅0.45μm)し、溶液を電気泳動で分析して、内部標準に対するTIPOAまたはTEOAの濃度を決定した。電気泳動は、カソードでの電解質として5mmolの4-アミノピリジン(HSO中、pH3.4)、+25kV電圧、16μAアンペア数、温度20℃で実行された。
【0104】
b.材料
次の成分が使用された。
【0105】
(1)未処理のcPOM
未処理のcPOMは、ポリオキシメチレンコポリマー製造の混練反応器から得られる。未処理のcPOMの製造には、使用されたモノマーの合計量に基づいて、96.5質量%のトリオキサンおよび3.5質量%のジオキソランが使用される。未処理のcPOMには、cPOMに加えて、85ppmのBF・OEt、3質量%の未変換トリオキサン、および5質量%の熱的に不安定な末端基が含まれている(未処理のcPOMの合計質量に基づく)。
【0106】
(2)失活のために使用されるアミン:
トリエタノールアミン:テクニカルグレード、GCによるアッセイmin.99%、BASF SE製
トリイソプロパノールアミン:テクニカルグレード、GCによるアッセイmin.99%、BASF SE製
【0107】
(3)添加剤:
Irganox 245 FF/エチレンビス(オキシエチレン)ビス-(3-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-m-トリル)-プロピオネート)(36443-68-2):Irganox245 FF(BASF SE製)
合成ケイ酸マグネシウム(1343-88-0)
タルク(14807-96-6):含水ケイ酸マグネシウム
EBS/N,N’-エチレンジ(ステアラミド)(110-30-5)
PA dicapped:PA6,66-コポリマー(BASF SE製)(分子量3000、カプロラクタム、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸、およびプロピオン酸から調製される)
アモルファス6I/6T-ポリアミド(25750-23-6)(1,3-ベンゼンジカルボン酸、1,4-ベンゼンジカルボン酸、および1,6-ヘキサンジアミンから調製されるコポリアミド)
○Tg=125~130℃
○VZ=81~85ml/g(HSO中)
○COOH末端基:88~135mmol/kg
○NH末端基:40~42mmol/kg
Ca(OH)/水酸化カルシウム(1305-62-0)
グリセリルジステアレート(68308-54-3)
【0108】
c.材料の調製
(1)異なる失活剤を使用したcPOM樹脂の製造(パイロットスケール試験):
特定のアミン(トリイソプロパノールアミンまたはトリエタノールアミン)を水20gで希釈して、未処理のcPOMについての均一な分布を促進した(完成品のcPOMのアミンの量を表1に示す)。この不活性化溶液を10kgの未処理のcPOMに添加した。得られた混合物を30分間保持した。その後、さらに安定化するために62gの添加剤混合物を添加した(最終製品の添加剤の濃度は、0.35%のIrganox 245 FF、0.05%の合成ケイ酸マグネシウム(1343-88-0)、0.15%のグリセリルジステアレート、0.04%のPA dicapped、および0.05%のタルクであった)。その後、混合物を二軸スクリュー押出機(TEX-30、L/D=40、Φ=27mm)で25kg/hおよび250rpmで押し出した。溶融物の温度は出口で200℃であった。得られた顆粒を120℃で6時間乾燥させて、完成品のcPOMを得た。
【0109】
下記のアミンおよびその濃度を有するcPOMを試験した。
【0110】
【表1】
【0111】
d.結果
【0112】
【表2】
【0113】
表2の結果は、触媒の失活にトリイソプロパノールアミン(TIPOA)を使用すると、最先端技術で使用される失活剤としてのトリエタノールアミン(TEOA)と比較して、FA含有量が低く、FA放出が少ないことを示している。さらに、TIPOAの使用は、cPOMの色と物理的特性に悪影響を及ぼさない。
【0114】
【表3】
【0115】
【表4】
【0116】
表3および4の結果は、TIPOAが、TEOAと比較して、改善された加水分解および熱老化性能を有するcPOMとなることを証明している。
【0117】
(2)異なる失活剤を用いたcPOM樹脂の製造(工業規模の試験):
未処理のcPOMは、混練機ベースのプロセスにおいて85ppmのBF・OEtを使用して製造された。
【0118】
使用したジオキソランとトリオキサンの比率は3.5:96.5であり、メチラールを調整して、1750kg/hの生産量で中粘度のcPOMを製造した。
【0119】
試験で使用されたアミンは、酢酸エチル中の6質量%溶液として投与され、粉砕されたcPOMに噴霧された。
【0120】
残留モノマーおよび不安定な末端基の除去は、二軸スクリュー押出機で230℃/135rpmで行った。
【0121】
添加剤(完成品のPMの濃度):0.35%のIrganox 245FF、0.05%の合成ケイ酸マグネシウム(1343-88-0)、0.05%のタルク、0.04%のアモルファス6I/6Tポリアミド(25750-23-6)、0.15%のEBS、0.02%のCa(OH)
【0122】
下記のアミンおよびその濃度を試験した。
【0123】
【表5】
【0124】
e.結果
【0125】
【表6】
【0126】
【表7】
【0127】
【表8】