(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-23
(45)【発行日】2024-01-31
(54)【発明の名称】複合フォーク装置、それを含む集積回路製造システム、及びそれを用いた搬送方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240124BHJP
B25J 15/00 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B25J15/00 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022107695
(22)【出願日】2022-07-04
【審査請求日】2022-07-05
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500262038
【氏名又は名称】台湾積體電路製造股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Taiwan Semiconductor Manufacturing Company,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.8, Li-Hsin Rd.6, Hsinchu Science Park, Hsinchu, TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100164448
【氏名又は名称】山口 雄輔
(72)【発明者】
【氏名】▲ウー▼ 政隆
(72)【発明者】
【氏名】▲フアン▼ 志宏
(72)【発明者】
【氏名】朱 延安
(72)【発明者】
【氏名】白 峻榮
【審査官】内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-168531(JP,A)
【文献】特開2015-171919(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
B25J 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1プロングと、
前記第1プロングから間隔が空けられた第2プロングと
、
リアフレームであって、前記第1プロング及び前記第2プロングの各々の後端が前記リアフレームの下方部位に搭載される、前記リアフレームと、
2つの連結具であって、前記2つの連結具の各々は、前記リアフレームの上方部位と前記第1プロング及び前記第2プロングの各々とを相互接続する、前記2つの連結具と、
を含み、
前記第1プロング及び前記第2プロングの各々が、上方表面と、前記上方表面に対して窪んでいる下方表面とを含み、
前記第1プロング及び前記第2プロングの前記上方表面が、第1タイプのコンテナを協同して保持するよう構成され、
前記第1プロング及び前記第2プロングの前記下方表面が、前記第1タイプのコンテナとは異なる構成を有する第2タイプのコンテナを協同して保持するよう構成された、
複合フォーク装置。
【請求項2】
前記第1プロング及び前記第2プロングの各々の前記上方表面が、前記下方表面の前方に位置する前方支持領域と、前記下方表面の後方に位置する後方支持領域とを含むことで、前記第1タイプのコンテナの4つの部位が前記第1プロング及び前記第2プロングの前記上方表面の前記前方支持領域と前記後方支持領域によりそれぞれ保持されることを可能とする、
請求項1に記載の複合フォーク装置。
【請求項3】
前記第1プロング及び前記第2プロングの各々の前記上方表面が、前記前方支持領域の外側に位置する前方搭載領域と、前記後方支持領域の外側に位置する後方搭載領域とを含み、
前記第1プロング及び前記第2プロングの各々の前記下方表面が、内側支持領域と、前記内側支持領域の外側に位置する外側搭載領域とを含み、前記第1プロング及び前記第2プロングの前記内側支持領域が、前記第2タイプのコンテナの上部フランジを協同して保持するよう位置している、
請求項2に記載の複合フォーク装置。
【請求項4】
前記第1タイプのコンテナの前記4つの部位が前記第1プロング及び前記第2プロングの前記上方表面の前記前方支持領域と前記後方支持領域上にそれぞれ移動することを可能とするよう前記第1タイプのコンテナの2つの側を案内するため、前記第1プロング及び前記第2プロングの前記上方表面にそれぞれ形成された2つの上方案内部と、
前記第2タイプのコンテナの前記上部フランジの2つの側を前記第1プロング及び前記第2プロングの前記内側支持領域上にそれぞれ移動するよう案内するため、前記第1プロング及び前記第2プロングの前記外側搭載領域にそれぞれ形成された2つの下方案内部と
を更に含む、
請求項3に記載の複合フォーク装置。
【請求項5】
各前記上方案内部が、前記第1プロング及び前記第2プロングの各々の前記前方搭載領域と前記後方搭載領域にそれぞれ設けられた2つの上方案内ブロックを含み、各前記上方案内ブロックが上方案内面を有し、前記上方案内部のうちの一方の前記上方案内ブロックの前記上方案内面が、前記上方案内部のうちの他方の前記上方案内ブロックの前記上方案内面と向かい合うよう設けられ、
各前記下方案内部が、互いに間隔が空けられて前記第1プロング及び前記第2プロングの各々の前記外側搭載領域に設けられた2つの下方案内ブロックを含み、各前記下方案内ブロックが下方案内面を有し、前記下方案内部のうちの一方の前記下方案内ブロックの前記下方案内面が、前記下方案内部のうちの他方の前記下方案内ブロックの前記下方案内面と向かい合うよう設けられた、
請求項4に記載の複合フォーク装置。
【請求項6】
各前記上方案内ブロックが、前記上方案内面から前記第1プロング及び前記第2プロングのうちの対応する1つの前記上方表面へと下向きに延伸する上方平坦面を更に有することで、前記上方平坦面が前記第1プロング及び前記第2プロングのうちの前記対応する1つの前記上方表面に垂直に配置され、
各前記下方案内ブロックが、前記下方案内面から前記第1プロング及び前記第2プロングのうちの対応する1つの前記下方表面へと下向きに延伸する下方平坦面を更に有することで、前記下方平坦面が前記第1プロング及び前記第2プロングのうちの前記対応する1つの前記下方表面に垂直に配置される、
請求項5に記載の複合フォーク装置。
【請求項7】
2つのセンサを更に含み、
前記2つのセンサのうちの一方が前記上方案内部のうちの一方の前記上方案内ブロックの前方に設けられ、
前記2つのセンサのうちの他方が前記上方案内部のうちの他方の前記上方案内ブロックの後方に設けられる、
請求項5に記載の複合フォーク装置。
【請求項8】
前記第1プロング及び前記第2プロングの前記下方表面にそれぞれ搭載されて、前記上部フランジが前記第1プロング及び前記第2プロングの前記下方表面により保持されているときに前記上部フランジを位置決めするよう構成された、2つの位置決め部を更に含む、
請求項5に記載の複合フォーク装置。
【請求項9】
第1タイプのコンテナ、又は前記第1タイプのコンテナとは異なる構成を有する第2タイプのコンテナをロードすることを可能とするよう構成された、複合ロードポートステージと、
処理ツールと、
前記複合ロードポートステージと前記処理ツールとの間に位置する、ロボットと、
前記ロボットにより駆動されるよう結合され、前記ロボットが前記第1タイプのコンテナ又は前記第2タイプのコンテナを前記複合ロードポートステージから前記処理ツールのエントリーロードポートへと選択的に搬送することを可能とするため、前記第1タイプのコンテナ又は前記第2タイプのコンテナを選択的に保持するよう構成された、複合フォーク装置と、
を含み、
前記複合フォーク装置が、第1プロングと、前記第1プロングから間隔が空けられた第2プロングと
、リアフレームであって、前記第1プロング及び前記第2プロングの各々の後端が前記リアフレームの下方部位に搭載される、前記リアフレームと、2つの連結具であって、前記2つの連結具の各々は、前記リアフレームの上方部位と前記第1プロング及び前記第2プロングの各々とを相互接続する、前記2つの連結具と、を含み、前記第1プロング及び前記第2プロングの各々が、上方表面と、前記上方表面に対して窪んでいる下方表面とを含み、前記第1プロング及び前記第2プロングの前記上方表面が前記第1タイプのコンテナを協同して保持するよう構成され、前記第1プロング及び前記第2プロングの前記下方表面が前記第2タイプのコンテナを協同して保持するよう構成された、
集積回路製造システム。
【請求項10】
コンテナを複合ロードポートステージに配置することと、
第1プロングと
、第2プロングと
、リアフレームであって、前記第1プロング及び前記第2プロングの各々の後端が前記リアフレームの下方部位に搭載される、前記リアフレームと、2つの連結具であって、前記2つの連結具の各々は、前記リアフレームの上方部位と前記第1プロング及び前記第2プロングの各々とを相互接続する、前記2つの連結具と、を含む複合フォーク装置を用いて前記コンテナを保持することであって、前記第1プロング及び前記第2プロングの各々が、上方表面と、前記上方表面に対して窪んでいる下方表面とを有することで、前記コンテナが前記第1プロング及び前記第2プロングの前記上方表面又は前記下方表面により保持されることと、
前記コンテナの底部が処理ツールのエントリーロードポート上に配置されるよう、前記複合フォーク装置を用いて前記コンテナを前記処理ツールへと搬送することと、
前記複合フォーク装置を前記コンテナから取り外すことと
を含む、
搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合フォーク装置、複合フォーク装置を含む集積回路製造システム、及び複合フォーク装置を用いた搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路(IC)産業は10年以上にわたり驚異的な進歩を経験しており、まだ活発に開発が行われている。技術の劇的な進歩に伴い、ICの製造は、作業安全性、生産性、及び効率を向上させる機械駆動であることが多い。しかし、IC製造工程の複雑さが増し、様々な材料及び装置が頻繁に関係してくるにつれ、工程効率が低下し、製造コストが急増する可能性がある。このため、当該産業は多様なタスクを更に巧みに処理する機械の開発に多くの注意を払っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
IC製造工程で用いられる異なるタイプのコンテナを保持又は搬送するために、対応するインターフェイスを有するキャリア装置が使用されるが、これは製造工程を複雑化するのみならず維持費といった追加的なコストも発生し、IC製造工程の効率が悪影響を受ける可能性がある。IC製造工程の効率を向上させるため、異なるタイプのコンテナを保持又は搬送するときにそのインターフェイスを変更する必要のない複合フォーク装置が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達するため、本発明は、第1プロングと、該第1プロングから間隔が空けられた第2プロングとを含む、複合フォーク装置を提供する。第1及び第2プロングの各々は、上方表面と、該上方表面に対して窪んでいる下方表面とを含む。第1及び第2プロングの上方表面は、第1タイプのコンテナを協同して保持するよう構成される。第1及び第2プロングの下方表面は、第1タイプのコンテナとは異なる構成を有する第2タイプのコンテナを協同して保持するよう構成される。
【0005】
上記目的を達するため、本発明は、第1タイプのコンテナ又は該第1タイプのコンテナとは異なる構成を有する第2タイプのコンテナのロードを可能とするよう構成された複合ロードポートステージと、処理ツールと、複合ロードポートステージと処理ツールとの間に位置するロボットと、複合フォーク装置とを含むIC製造システムも提供する。複合フォーク装置はロボットにより駆動されるよう結合され、ロボットが第1又は第2タイプのコンテナを複合ロードポートステージから処理ツールのエントリーロードポートへと選択的に搬送することを可能とするため、第1タイプのコンテナ又は第2タイプのコンテナを選択的に保持するよう構成される。複合フォーク装置は、第1プロングと、第1プロングから間隔が空けられた第2プロングとを含む。第1及び第2プロングの各々は、上方表面と、該上方表面に対して窪んでいる下方表面とを含む。第1及び第2プロングの上方表面は、第1タイプのコンテナを協同して保持するよう構成される。第1及び第2プロングの下方表面は、第2タイプのコンテナを協同して保持するよう構成される。
【0006】
上記目的を達するため、本発明は、次のステップを含む搬送方法も提供する。コンテナが複合ロードポートステージに配置される。コンテナが第1プロングと第2プロングとを含む複合フォーク装置を用いて保持され、第1及び第2プロングの各々は、上方表面と、該上方表面に対して窪んでいる下方表面とを有することで、コンテナは第1及び第2プロングの上方表面又は下方表面により保持される。コンテナの底部が処理ツールのエントリーロードポート上に配置されるよう、コンテナが複合フォーク装置を用いて処理ツールへと搬送される。複合フォーク装置がコンテナから取り外される。
【発明の効果】
【0007】
複合フォーク装置の第1及び第2プロングの各々に上方表面と下方表面を形成することにより、複合フォーク装置が複数の異なるコンテナを運搬して配送することができる。これは、異なるコンテナに対応する様々なキャリア装置を用いる必要がなくIC製造工程間の搬送工程の効率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の態様は、添付図面と共に以下の詳細な説明を読むことで最もよく理解される。本業界の標準的な慣行に従い、様々な機能は一定の縮尺で描かれていないことに注意されたい。実際、添付図面に示される様々な機能のサイズは、説明を明確にするために任意に拡大又は縮小されている可能性があることに注意されたい。
【0009】
【
図1A】
図1Aは、いくつかの実施形態によるコンテナを表す例示的な斜視図である。
【
図1B】
図1Bは、いくつかの実施形態による
図1Aに示されたコンテナのスタックを含むコンテナの例示的な斜視図である。
【
図2】
図2は、いくつかの実施形態によるもう1つのコンテナを表す例示的な斜視図である。
【
図3A】
図3Aは、いくつかの実施形態による更にもう1つのコンテナを表す例示的な斜視図である。
【
図3B】
図3Bは、いくつかの実施形態によるベッセルの例示的な斜視図である。
【
図4】
図4は、いくつかの実施形態による複合フォーク装置を表す例示的な斜視図である。
【
図5】
図5は、いくつかの実施形態による複合フォーク装置の断片的な正面斜視図である。
【
図6】
図6は、いくつかの実施形態による複合フォーク装置の上面図である。
【
図7】
図7は、いくつかの実施形態による複合フォーク装置により保持された
図1Bに示したコンテナを表す例示的な斜視図である。
【
図8A】
図8Aは、いくつかの実施形態による複合フォーク装置により保持された
図2に示したコンテナを表す例示的な斜視図である。
【
図8B】
図8Bは、いくつかの実施形態による複合フォーク装置により保持された
図3Aに示したコンテナを表す例示的な斜視図である。
【
図9】
図9は、いくつかの実施形態による複合フォーク装置の第1プロングにより保持された上部フランジを表す断片的な正面斜視図である。
【
図10】
図10は、いくつかの実施形態による複合フォーク装置の第2プロングを表す例示的な側面斜視図である。
【
図12】
図12は、いくつかの実施形態による複合フォーク装置により保持されている上部フランジを表す例示的な上面図である。
【
図13】
図13は、いくつかの実施形態による複合フォーク装置の上案内ブロックのうちの1つの例示的な斜視図である。
【
図14】
図14は、いくつかの実施形態による複合フォーク装置の下方案内ブロックのうちの1つの例示的な斜視図である。
【
図15】
図15は、いくつかの実施形態による
図1Bに示したコンテナを搬送するために用いられているシステムにおける複合フォーク装置を表す斜視図である。
【
図16】
図16は、いくつかの実施形態による
図15に示したシステムのための搬送方法を表すフロー図である。
【
図17】
図17は、いくつかの実施形態による
図2に示したコンテナを搬送するために用いられているシステムにおける複合フォーク装置を表す斜視図である。
【
図18】
図18は、いくつかの実施形態による
図17に示したシステムのための搬送方法を表すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の実施形態は、提供される主題の異なる特徴を実装するための多くの異なる実施形態又は実施例を提供する。本発明を単純化するため、部品及び配置の特定の実施例を以下に説明する。当然ながら、これらは例示であり、限定することを意図していない。例えば、以下の説明における、第2の特徴の上方又は第2の特徴上の第1の特徴の構成は、第1及び第2の特徴が直接的に接触して形成される実施形態を含んでよく、また第1及び第2の特徴が直接的に接触しないように、第1と第2の特徴の間に追加的な特徴が形成された実施形態であってもよい。加えて、本発明は様々な例において符号を繰り返す可能性がある。この繰り返しは単純化及び明確化の目的のためであり、それ自体は言及される様々な実施形態及び/又は構成と間の関係性を規定するものではない。
【0011】
更に、「左」、「右」、「横」、「後」、「背後」、「後方」、「前」、「下」、「下方」、「低い」、「上」、「上方」等といった空間的相対語は、図に表される1つの要素又は特徴の別の要素又は特徴に対する関係性を説明するための記述を容易にするために用いられ得る。空間的相対語は、図示された方向に加え、使用中又は操作中の装置の異なる方向を包含することを意図している。装置は他に方向付けられてもよく(90度又は他の方向に回転)、ここで使用される空間的相対記述語は同様にそのように解釈されてよい。
【0012】
半導体製造工程において、チップ又はダイといった少なくとも1つの半導体デバイスを運搬するコンテナは、手動により、又は、より一般的には効率と安全性を確保するために様々な自動化キャリア装置又は自動材料処理システム(AMHS)により、様々な処理ポートへ又は様々な処理ポートから搬送される。自動材料処理システムは、少なくとも1つの軌道誘導搬送台車(RGV)、天井シャトル式搬送装置(OHS)、天井走行式搬送装置(OHT)、自動誘導搬送台車(AGV)、無軌道人力台車(PGV)、又は軌道及び台車、又は他の適切な装置を含むシステムであってよいが、これに限定されない。キャリア装置は、搬送のためにプログラムされた移動式ロボット又はロボットアームであってよいが、これに限定されない。
【0013】
図1Aは、いくつかの実施形態によるコンテナ61を表す例示的な斜視図である。コンテナ61は、DRAM又は他の適切な製品といった少なくとも1つの仕上げられた半導体製品を運搬するために主に用いられるが、これに限定されず、典型的にトレイと呼ばれる。
図1Bは、いくつかの実施形態によるコンテナ(
図1Aに示したコンテナ61のスタックであり、やはり符号61により示す)を表す。
図1A又は
図1Bのコンテナ61を保持又は搬送するため、ロボット(未図示)の2つの支持アームがコンテナ61を持ち上げて保持するために用いられてよく、これによりロボットがコンテナ61を所定の位置へと搬送することを可能とする。
【0014】
図2は、いくつかの実施形態によるもう1つのコンテナ62を表す例示的な斜視図である。コンテナ62は、
図1A又は
図1Bに示したコンテナ61を運搬するために主に用いられるが、これに限定されず、典型的にトレイカセットタイプコンテナと呼ばれる。コンテナ62は、
図1A又は
図1Bに示したコンテナ61が収容されることを可能とするよう構成されたコンテナ本体621と、コンテナ本体621の上面に搭載された上部フランジ601とを含んでよい。上部フランジ601は、コンテナ62が、例示であってこれに限定されないがAMHSの天井走行式搬送装置(OHT)へと把持されて搬送されることを可能とするよう構成される。コンテナ62を保持又は搬送するため、把持ハンド(未図示)を伴い構成されたロボットがコンテナ62の上部フランジ601を掴む又は把持するために用いられてよく、これによりロボットがコンテナ62を所定の位置へと搬送することを可能とする。
【0015】
図3Aは、いくつかの実施形態による更にもう1つのコンテナ63を表す例示的な斜視図である。
図3Bは、いくつかの実施形態によるベッセル64の例示的な斜視図である。コンテナ63は、例示であってこれに限定されないが、典型的にボートと呼ばれるベッセル64を運搬するために主に用いられる点において
図2に示したコンテナ62とは異なる。ベッセル64は、更なる処理を待つ複数の半導体デバイス(未図示)を保持するよう構成される。コンテナ63は、コンテナ本体631と、コンテナ本体631の上面に形成されてコンテナ62の上部フランジ601に類似した構成を持つが、コンテナ62の上部フランジ601とは異なる厚さを有する上部フランジ601とを含んでよい。コンテナ本体631は、コンテナ本体631へのベッセル64の挿入及びコンテナ本体631からのベッセル64の取り外しを案内するため、そして、コンテナ本体631内のベッセル64が互いに接触することを防止するため、2つの対向する内壁上に複数のガイドスロット632を有してよい。コンテナ63は、典型的にマガジンタイプコンテナと呼ばれる。コンテナ63を保持又は搬送するため、2つのガイドレール(未図示)を伴い構成されたロボットが、コンテナ63の上部フランジ601の2つの対向する側がガイドレール上を滑動してガイドレール間に保持されることを可能とし、これによりロボットがコンテナ63を所定の位置へと搬送することを可能とする。
【0016】
このため、(コンテナ61、62、63といった)異なるタイプのコンテナを保持又は搬送するため、対応するインターフェイスを有するキャリア装置が用いられるが、これは半導体製造工程を複雑化するのみならず、維持費といった追加的なコストが発生し、半導体製造工程の効率が悪影響を受ける可能性がある。
【0017】
集積回路(IC)製造工程の効率を向上させるため、本発明は、異なるタイプの上述したコンテナを保持又は搬送するときにインターフェイスを変更する必要のない複合フォーク装置を提供する。
【0018】
図4は、いくつかの実施形態による複合フォーク装置10の例示的な斜視図を表す。
図5は、いくつかの実施形態による複合フォーク装置10の断片的な正面斜視図である。
図6は、いくつかの実施形態による複合フォーク装置10の上面図である。
【0019】
複合フォーク装置10は、第1プロング11と、第1プロング11から間隔が空けられた第2プロング12とを含む。複合フォーク装置10は、6軸ロボット、移動ロボット等といったロボット50(
図15と17に図示)に適用されてよいが、これに限定されない。複合フォーク装置10を適用するための他の適切な機械又はロボットは、本発明の意図する範囲内にある。第1及び第2プロング11、12の各々は、複合フォーク装置10が接続された機械又はロボットから離れる方向へ延伸してよい。いくつかの実施形態において、第1及び第2プロング11、12は、互いに固定距離で間隔が空けられており、互いに平行に延伸してよい。特定の実施形態において、第1及び第2プロング11、12は、約90mm~約140mmの範囲の距離で互いに間隔が空けられてよい。いくつかの実施形態において、第1及び第2プロング11、12は、アルミニウム等といった金属製であってよい。特定の実施形態において、金属は第1及び第2プロング11、12の耐久性を高めるために陽極酸化処理されてよい。第1及び第2プロング11、12のための他の適切な材料は、本発明の意図する範囲内にある。第1及び第2プロング11、12の各々は、上方表面13と、上方表面13に対して窪んでいる下方表面14とを有する。
【0020】
図7は、いくつかの実施形態による複合フォーク装置10により保持されている
図1Bに示したコンテナ61を表す例示的な斜視図である。
図8Aは、いくつかの実施形態による複合フォーク装置10により保持されているコンテナ62を表す例示的な斜視図である。
図8Bは、いくつかの実施形態による複合フォーク装置10により保持されているコンテナ63を表す例示的な斜視図である。第1及び第2プロング11、12の上方表面13は、第1タイプのコンテナ(例えば、
図1A、1B、7に示したコンテナ61、又は上部フランジのない他の適切なコンテナ)を協同して保持するよう構成される。第1及び第2プロング11、12の下方表面14は、第2タイプのコンテナ(例えば、
図2と8Aに示したコンテナ62、
図3Aと8Bに示したコンテナ63、又は上部フランジ601のある他の適切なコンテナ)を協同して保持するよう構成される。第2タイプのコンテナ62、63は、第1タイプのコンテナ61とは異なる構成を有する。いくつかの実施形態において、第1及び第2プロング11、12は、第1及び第2プロング11、12の間の中心線(CL、
図5に図示)に対して互いに対称である。
【0021】
図9は、いくつかの実施形態による第1プロング11により保持されている上部フランジ601を表す断片的な上面斜視図である。
図10は、いくつかの実施形態による第2プロング12を表す例示的な側面斜視図である。いくつかの実施形態において、第1及び第2プロング11、12の各々の上方表面13と下方表面14との間の高低差(H)は、約1mm~約5cmの範囲であってよく、第2タイプのコンテナ62、63の上部フランジ601は下方表面14にて上方表面13よりも下に保持される(
図8A、8B、9に図示)。特定の実施形態において、高低差(H)は上部フランジ601の厚さよりも大きい。いくつかの実施形態において、第1及び第2プロング11、12の各々の長さ(L)は、第1タイプのコンテナ61の長さと実質的に同一であってよい。代替的な実施形態において、該長さ(L)は、第1タイプのコンテナ61を第1及び第2プロング11、12の上方表面13により保持可能である限り、第1タイプのコンテナ61の長さよりも短くても長くてもよい。いくつかの実施形態において、コンテナを保持及び搬送するための複合フォーク装置10の安定性に影響する、例えば
図15と17に示したロボット50に働く角運動量を考慮し、第1及び第2プロング11、12の各々の長さ(L)は第1タイプのコンテナ61の長さの約110%よりも大きくない。下方表面14と、上方表面13と下方表面14との間を接続する側壁15とが、窪み領域16を形成する。いくつかの実施形態において、窪み領域16の長さ(L1)は上部フランジ601の長さよりも長い(
図9と10を参照)。いくつかの実施形態において、窪み領域16の長さ(L1)は、第1及び第2プロング11、12の各々の長さ(L)の約40%~約60%であり、第2タイプのコンテナ62、63の上部フランジ601は窪み領域16内に保持されることができる。いくつかの実施形態において、下方表面14は複合フォーク装置10の重量を削減するために凹陥されてよい。
【0022】
図11は、いくつかの実施形態による複合フォーク装置10により保持されている第1タイプのコンテナ61を表す例示的な上面図である。
図5、6、10、11に示すように、いくつかの実施形態において、第1及び第2プロング11、12の各々の上方表面13は、前方支持領域131と、前方支持領域131の後方に位置する後方支持領域132とを含む。いくつかの実施形態において、第1タイプのコンテナ61の4つの部位が第1及び第2プロング11、12の上方表面13の前方及び後方支持領域131、132によりそれぞれ保持されるよう、前方支持領域131は下方表面14(即ち窪み領域16)の前方に位置し、後方支持領域132は下方表面14(即ち窪み領域16)の後方に位置する。第1タイプのコンテナ61の4つの部位は、第1タイプのコンテナ61の4つの縁部であってよいが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、第1及び第2プロング11、12の各々の上方表面13は、前方支持領域131の外側に位置する前方搭載領域133と、後方支持領域132の外側に位置する後方搭載領域134とを有する。特定の実施形態において、第1プロング11及び/又は第2プロング12を機械的に強化するため、補強片29(
図9と10に図示)が第1及び第2プロング11、12の上方表面13の前方搭載領域133と後方搭載領域134のうちの少なくとも1つを部分的に覆うよう搭載されてよい。
【0023】
いくつかの実施形態において、
図5と10に示すように、第1タイプのコンテナ61の4つの部位が第1及び第2プロング11、12の上方表面13の前方及び後方支持領域131、132上にそれぞれ移動することを可能にするため、2つの上方案内部21が第1タイプのコンテナ61の2つの側を案内するため第1及び第2プロング11、12の上方表面13上にそれぞれ形成される。いくつかの実施形態において、
図5に示すように、第1及び第2プロング11、12上にそれぞれ設けられた上方案内部21は、中心線(CL)に対して互いに対称であってよい。いくつかの実施形態において、各上方案内部21は、第1及び第2プロング11、12の各々の前方及び後方搭載領域133、134上にそれぞれ設けられた、少なくとも2つの上方案内ブロック211を含む。代替的な実施形態において、各上方案内部21は2つより多い上方案内ブロック211を含んでよい。
【0024】
いくつかの実施形態において、
図5と11に示すように、本発明の複合フォーク装置10は、少なくとも2つのセンサ23を更に含んでよい。センサ23は、複合フォーク装置10上の第1タイプのコンテナ61の配置を検査及び確認するために用いられる。複合フォーク装置10に設けられたセンサ23にて、第1タイプのコンテナ61が複合フォーク装置10により保持されているときに傾斜したり誤配置されることを防止可能である。いくつかの実施形態において、センサ23のうちの1つは上方案内部21のうちの1つの上方案内ブロック211の前方に設けられ、他方のセンサ23は他方の上方案内部21の上方案内ブロック211の後方に設けられる。いくつかの実施形態において、センサ23が第1タイプのコンテナ61と接触することを防止するため、センサ23は第1及び第2プロング11、12に形成された凹部130(
図10と11を参照)に配置されてよいが、これに限定されない。代替的な実施形態において、2つのセンサ23は第1プロング11及び第2プロング12の各々に設けられ、上方案内部21の各々の上方案内ブロック211の前方と後方に位置する。各センサ23は、独立して圧力センサ、近接センサ、赤外線センサ、光センサ、超音波センサ、ファイバセンサ等、又はこれらの組合せであってよい。他の適切なセンサは本発明の意図する範囲内にある。
【0025】
いくつかの実施形態において、センサ23は光センサ又は赤外線センサであり、物体(即ちコンテナ)が所定の位置/距離内にあるかを感知するため光波を放出する。センサ23はプラスチック材料を含んでよい。いくつかの実施形態において、センサ23は、コンテナ61が各センサ23に対し約1mmの距離内にあるとき、複合フォーク装置10を動作させるための反応をトリガーするよう設定される。
【0026】
図12は、いくつかの実施形態による複合フォーク装置10により保持されている上部フランジ601を表す例示的な上面図である。
【0027】
図5と12に示すように、いくつかの実施形態において、第1及び第2プロング11、12の各々の下方表面14は、内側支持領域141と、内側支持領域141の外側に位置する外側搭載領域142とを有する。第1及び第2プロング11、12の内側支持領域141は、第2タイプのコンテナ62、63の上部フランジ601を協同して保持するために位置している。いくつかの実施形態において、2つの下方案内部22は、第2タイプのコンテナ62、63(
図8Aと8Bも参照)の上部フランジ601の2つの側を第1及び第2プロング11、12の内側支持領域141上にそれぞれ移動させるため、第1及び第2プロング11、12の外側搭載領域142にそれぞれ形成される。いくつかの実施形態において、
図5に示すように、第1及び第2プロング11、12にそれぞれ設けられたに下方案内部22は、中心線(CL)に対して互いに対称であってよい。いくつかの実施形態において、各下方案内部22は、互いに間隔が空けられて第1及び第2プロング11、12の各々の外側搭載領域142に設けられた少なくとも2つの下方案内ブロック221を含む。代替的な実施形態において、各下方案内部22は2つより多い下方案内ブロック221を含んでよい。いくつかの実施形態において、下方案内ブロック221と第1及び第2プロング11、12の各々とが一体に形成される。代替的な実施形態において、下方案内ブロック221は、第1及び第2プロング11、12の各々の下方表面14の凹部(未図示)内に部分的にそれぞれに挿入されてよい。いくつかの実施形態において、
図9と10に示すように、各下方案内ブロック221は第1及び第2プロング11、12の各々の窪み領域16の長さ(L1)の中点からずらされて設けられる、又は、上部フランジ601の対応する側の中点と係合することを防止するよう設けられる。
【0028】
図13は、いくつかの実施形態による上方案内ブロック211のうちの1つの例示的な斜視図を表す。
図14は、いくつかの実施形態による下方案内ブロック221のうちの1つの例示的な斜視図を表す。
【0029】
図5、6、13に示すように、いくつかの実施形態において、2つの上方案内ブロック211の各々は、第1上面212と、底面215と、上方案内面213とを有する。上方案内部21のうちの1つの上方案内ブロック211の上方案内面213は、他方の上方案内部21の上方案内ブロック211の上方案内面213と向かい合うよう設けられる。上方案内面213は、第1上面212から傾斜して下方に延伸してよい。いくつかの実施形態において、各上方案内ブロック211の底面215の少なくとも約3分の2が、第1及び第2プロング11、12の各々の上方表面13に接触している。いくつかの実施形態において、第1上面212と上方案内面213との間の夾角(θ1)は、約90°~約135°の範囲であってよい。いくつかの実施形態において、上方案内面213と第1及び第2プロング11、12のうちの対応する1つの上方表面13との間の夾角(θ2)は、約45°未満でなく且つ約90°未満である。夾角(θ2)(及び任意的に夾角(θ1))を上記範囲にて配置することにより、第1タイプのコンテナ61は上方案内ブロック211によりスムーズに案内されることができる。夾角(θ2)が約45°未満であるとき、第1タイプのコンテナ61は前方及び後方支持領域131、132上に移動するよう上方案内ブロック211により案内されることができない。夾角(θ2)が約90°未満でないとき、第1タイプのコンテナ61は上方案内ブロック211により案内されることができず、前方及び後方支持領域131、132上に直接落下する可能性があり、これは第1タイプのコンテナ61内部の収容された製品(例えば半導体デバイス)を破損させる可能性がある。いくつかの実施形態において、各上方案内ブロック211は、上方案内面213から第1及び第2プロング11、12のうちの対応する1つの上方表面13へと下向きに延伸する上方平坦面214を更に有し、上方平坦面214は第1及び第2プロング11、12のうちの対応する1つの上方表面13に実質的に垂直に配置される。上方平坦面214は、第1タイプのコンテナ61が保持されたとき、第1タイプのコンテナ61が傾かずに第1及び第2プロング11、12の上方表面13の前方支持領域131と後方支持領域132上に平らに据えられるよう構成される。いくつかの実施形態において、各上方案内ブロック211は、対応する上方表面13に垂直な方向におけるブロック高さ(H
Gu)と、平坦面寸法(D
fu)とを有する(即ち、対応する上方表面13に垂直な方向における上方平坦面214の寸法)。平坦面寸法(D
fu)は、約1mm未満でなく且つブロック高さ(H
Gu)の約半分よりも大きくない。いくつかの実施形態において、上方案内ブロック211はアルミニウム等といった金属製であってよい。該金属は、耐久性を高めるため陽極酸化処理されてよい。上方案内ブロック211のための他の適切な金属は、本発明の意図する範囲内にある。
【0030】
図5と14に示すように、各下方案内ブロック221は、第2上面222と下方案内面223とを有する。下方案内部22のうちの1つの下方案内ブロック221の下方案内面223は、他方の下方案内部22の下方案内ブロック221の下方案内面223と向かい合うよう設けられる。下方案内面223は、第2上面222から傾斜して下方に延伸してよい。いくつかの実施形態において、第2上面222と下方案内面223との間の夾角(θ3)は約90°~約135°の範囲であってよく、
図13に示した各上方案内ブロック211の夾角(θ1)と同一であるか異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、下方案内面223と第1及び第2プロング11、12のうちの対応する1つの下方表面14との間の夾角(θ4)は、約45°未満でなく且つ約90°未満であってよく、
図13に示した各上方案内ブロック211の夾角(θ2)と同一であるか異なっていてもよい。夾角(θ4)(及び任意的に夾角(θ3))を上記範囲にて配置することにより、第2タイプのコンテナ62、63は下方案内ブロック221によりスムーズに案内されることができる。夾角(θ4)が約45°未満であるとき、第2タイプのコンテナ62、63は第1及び第2プロング11、12の内側支持領域141上に移動するよう下方案内ブロック221により案内されることができない。夾角(θ4)が約90°未満でないとき、第2タイプのコンテナ62、63は下方案内ブロック221により案内されることができず、内側支持領域141上に直接落下する可能性があり、これは第2タイプのコンテナ62、63内部の収容された製品(例えば半導体デバイス)を破損させる可能性がある。いくつかの実施形態において、各下方案内ブロック221は、下方案内面223から第1及び第2プロング11、12のうちの対応する1つの下方表面14へと下向きに延伸する下方平坦面224を更に有し、下方平坦面224は第1及び第2プロング11、12のうちの対応する1つの下方表面14に実質的に垂直に配置される。下方平坦面224は、第2タイプのコンテナ62、63が保持されたとき、第2タイプのコンテナ62、63の上部フランジ601が傾かずに下方表面14の内側支持領域141上に平らに据えられるよう構成される。いくつかの実施形態において、各下方案内ブロック221は、対応する下方表面14に垂直な方向におけるブロック高さ(H
Gl)と、平坦面寸法(D
fl)とを有する(即ち、対応する下方表面14に垂直な方向における下方平坦面224の寸法)。ブロック高さ(H
Gl)は第1及び第2プロング11、12の各々の上方表面13と下方表面14との間の高低差(H)よりも大きくなく、このため下方案内ブロック221は第1タイプのコンテナ61と接触することが防止される(
図7と10も参照)。平坦面寸法(D
fl)は、約1mm未満でなく且つブロック高さ(H
Gl)の約半分よりも大きくない。いくつかの実施形態において、下方案内ブロック221はアルミニウム等といった金属製であってよい。該金属は、耐久性を高めるため陽極酸化処理されてよい。下方案内ブロック221のための他の適切な金属は本発明の意図する範囲内にある。
【0031】
いくつかの実施形態において、センサ(未図示)は上部フランジ601が下方表面14の内側支持領域141上に平らに据えられているか否かを検出するために提供されてよい。各センサは、独立して圧力センサ、近接センサ、赤外線センサ、光センサ、超音波センサ、ファイバセンサ等、又はこれらの組合せであってよい。他の適切なセンサは本発明の意図する範囲内にある。
【0032】
図13と14に示すように、いくつかの実施形態において、上方及び下方案内ブロック211、221の厚さ(T
G)は、約5mm~約15mmの範囲であってよく、各上方案内ブロック211の厚さ(T
G)は各下方案内ブロック221の厚さ(T
G)と同一であるか異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、各上方案内ブロック211の幅(W
Gu)は、約15mm~約30mmの範囲であってよい。いくつかの実施形態において、各下方案内ブロック221の幅(W
Gl)は各上方案内ブロック211の幅(W
Gu)よりも大きくない。いくつかの実施形態において、各下方案内ブロック221の幅(W
Gl)は各上方案内ブロック211の幅(W
Gu)の約30%~約70%であってよい。
【0033】
図5、10、12に示すように、いくつかの実施形態において、2つの位置決め部24が第1及び第2プロング11、12の下方表面14上にそれぞれ搭載される。2つの位置決め部24は、第1及び第2プロング11、12の下方表面14により保持されたとき、上部フランジ601を位置決めするよう構成される。いくつかの実施形態において、各位置決め部24は2つの主位置決めピン241を含み、主位置決めピン241のうちの一方は下方案内部22の各々の下方案内ブロック221の前方に位置し、主位置決めピン241のうちの他方は下方案内部22の各々の下方案内ブロック221の後方に位置することで、上部フランジ601の2つの側が第1及び第2プロング11、12の内側支持領域141上にそれぞれ移動されたとき、上部フランジ601の2つの側の各々が位置決め部24の各々の2つの主位置決めピン241の間にそれぞれ位置決めされる。位置決め部24の主位置決めピン241は上部フランジ601の4つの縁部の外側にそれぞれ位置しており、これにより上部フランジ601を位置決めする。いくつかの実施形態において、上部フランジ601の4つの縁部は傾斜縁部である。上部フランジ601が第1及び第2プロング11、12の間に保持されたとき、主位置決めピン241はそれぞれ傾斜縁部に当接して係合されてよい。主位置決めピン241は円筒形状であってよいが、これに限定されない。主位置決めピン241はアルミニウム等といった金属製であってよい。該金属は、主位置決めピン241の耐久性を高めるため陽極酸化処理されてよい。主位置決めピン241のための他の適切な金属は、本発明の意図する範囲内にある。
【0034】
いくつかの実施形態において、各位置決め部24は、2つの主位置決めピン241の間で且つ下方案内部22の各々の下方案内ブロック221の間に位置する補助位置決めピン242を更に含んでよく、補助位置決めピン242は、上部フランジ601の2つの側が第1及び第2プロング11、12の内側支持領域141上にそれぞれ移動されるとき、上部フランジ601の2つの側の各々と係合するよう構成される。補助位置決めピン242は円筒形状であってよいが、これに限定されない。補助位置決めピン242はアルミニウム等といった金属製であってよい。該金属は、補助位置決めピン242の耐久性を高めるため陽極酸化処理されてよい。補助位置決めピン242のための他の適切な材料及び/又は構成は、本発明の意図する範囲内にある。いくつかの実施形態において、補助位置決めピン242は主位置決めピン241よりも小さいサイズを有する。いくつかの実施形態において、各主位置決めピン241及び予備位置決めピン242は、下方表面14に対して、上部フランジ601の厚さよりも大きくない高さを有することで、各主位置決めピン241及び予備位置決めピン242は
図7に示すような第1タイプのコンテナ61と接触することが防止される。
【0035】
いくつかの実施形態において、
図5に示すように、上方表面13と下方表面14は上部フランジ601の重心(G2、
図12を参照)がZ方向における軸に沿って第1タイプのコンテナ61の重心(G1、
図11を参照)と一致するよう協同する構成がなされる。Z方向は、第1及び第2プロング11、12の各々の上方及び下方表面13、14の両方に対し垂直に延伸する。
【0036】
いくつかの実施形態において、
図4と5に示すように、複合フォーク装置10はリアフレーム25を更に含んでよい。第1及び第2プロング11、12の各々の後端はリアフレーム25に搭載される。いくつかの実施形態において、第1及び第2プロング11、12の各々の後端は、ネジ(未図示)を介してリアフレーム25の下方部位に搭載されてよい。他の適切なツール及び/又は方法が第1及び第2プロング11、12をリアフレーム25に搭載するために用いられてよい。特定の実施形態において、リアフレーム25は複合フォーク装置10の重量を軽量化するために穿孔及び/又は凹陥されてよい。いくつかの実施形態において、2つの連結具26が複合フォーク装置10に更に含まれてよい。2つの連結具26は複合フォーク装置10の構造を安定化させるよう構成される。2つの連結具26の各々は、リアフレーム25と第1及び第2プロング11、12の各々と共に三角構造を形成するため、リアフレーム25の上方部位と第1及び第2プロング11、12の各々を相互接続する。連結具26の第1及び第2プロング11、12とリアフレーム25への締結は、例えばネジ(未図示)を用いて実行されてよい。他の適切なツール及び/又は方法が締結のために用いられてよい。いくつかの実施形態において、複合フォーク装置10はリアフレーム25の背面側に搭載されたマウント27を更に含んでよい。マウント27は、ロボット50(
図15と17に図示)が複合フォーク装置10に結合されることを可能とするよう構成される。マウント27はその上に設けられたフランジ271を含んでよく、フランジ271はロボット50に取り付けられるよう構成される。いくつかの実施形態において、マウント27はその重量を軽量化するために穿孔及び/又は凹陥されてよい。
【0037】
図4、5、7に示すように、いくつかの実施形態において、複合フォーク装置10は、第1タイプのコンテナ61が第1及び第2プロング11、12に正確に安定して保持されることを確実にするよう構成された予備保持部28を更に含んでよい。予備保持部28は、流体作動シリンダ281と、2つの作動プレート282と、流体作動シリンダ281と各作動プレート282との間に設けられた複数の作動ロッド283と、作動プレート282にそれぞれ接続された2つのサイドフレーム284とを含んでよい。いくつかの実施形態において、流体作動シリンダ281は、例えばネジ(未図示)を介してリアフレーム25の上方部位に締結されてよいが、これに限定されない。他の適切な方法及び/又はツールが流体作動シリンダ281を締結するために用いられてよい。いくつかの実施形態において、各サイドフレーム284は、第1及び第2プロング11、12の各々の窪み領域16の後方に位置している(
図10も参照)。特定の実施形態において、各サイドフレーム284は、上方案内部21の各々の上方に位置している。流体作動シリンダ281は、複動空気圧シリンダ、ダブルストローク空気圧シリンダ等であってよい。流体作動シリンダ281としての役割を果たす他の適切な装置は本発明の想定される範囲内にある。いくつかの実施形態において、センサ23が予備保持部28に信号を送信することが可能となるよう第1タイプのコンテナ61が良好に保持されたとき、流体作動シリンダ281と各作動プレート282との間の距離を減少させるよう流体作動シリンダ281がトリガーされる。このようにして、サイドフレーム284の間に第1タイプのコンテナ61の後部を保持するため、サイドフレーム284は互いに向かって移動する。いくつかの実施形態において、各サイドフレーム284は複合フォーク装置10の重量を軽量化するために穿孔及び/又は凹陥されてよい。
【0038】
代替的な実施形態において、複合フォーク装置10に追加的な特徴が加えられてよい。更なる代替的な実施形態において、複合フォーク装置10におけるいくつかの特徴は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、改変、置き換え、又は取り除かれてよい。
【0039】
図15は、いくつかの実施形態による集積回路処理のためのシステムの斜視図である。該システムは、複合ロードポートステージ30と、処理ツール41と、ロボット50と、複合フォーク装置10とを含む。複合ロードポートステージ30は、第1タイプのコンテナ61又は第2タイプのコンテナ62、63をロードすることを可能とするよう構成される。ロボット50は、複合ロードポートステージ30と処理ツール41との間に位置する。複合フォーク装置10はロボット50により駆動されるよう結合され、ロボット50が第1タイプのコンテナ61又は第2タイプのコンテナ62、63を複合ロードポートステージ30から処理ツール41のエントリーロードポート411へと選択的に搬送することを可能とするため、第1タイプのコンテナ61又は第2タイプのコンテナ62、63を選択的に保持するよう構成される。いくつかの実施形態において、複合ロードポートステージ30は、少なくとも1つの外側ロードポート位置311、312、313、314、315、316と、少なくとも1つの内側ロードポート位置301、302、303、304、305、306とを含んでよく、複合ロードポートステージ30は自動材料処理システム(AMHS)から第2タイプのコンテナ62、63を受け取る、又は第2タイプのコンテナ62、63がAMHSに戻されることを可能とするよう構成される。AMHSの例は既に上記で述べていることから、簡潔にするためにその詳細は省略する。
【0040】
いくつかの実施形態において、処理ツール41は加熱ツールであり、AMHSから受け取った第2タイプのコンテナは第1タイプのコンテナ61が収容されたトレイカセットタイプコンテナ62である(
図2を参照)。
図16は、いくつかの実施形態による搬送方法を表すフロー図である。
図1A又は1Bに示すような第1タイプのコンテナ61内の半導体デバイスが処理ツール41により処理されるために搬送されるとき、
図16に示す搬送方法100が用いられてよい。
【0041】
図15と16を参照し、搬送方法100はステップ101~ステップ108を含んでよい。ステップ101において、AMHSからアンロードされた第2タイプのコンテナ(例えば
図2に示したトレイカセットタイプコンテナ62であるが、これに限定されない)が外側ロードポート位置311、312、313、314、315、316のうちの選択された1つにロードされる。ステップ102において、外側ロードポート位置311、312、313、314、315、316のうちの選択された1つにある第2タイプのコンテナ62から取り外された第1タイプのコンテナ61(例えば
図1A又は1Bに示したコンテナであるが、これに限定されない)が、作動装置(未図示)を用いて内側ロードポート位置301、302、303、304、305、306のうちの対応する1つへと移動される。ステップ103において、第1タイプのコンテナ61が複合フォーク装置10により良好に保持されるまで、ロボット50が複合フォーク装置10を用いて第1タイプのコンテナ61を保持するために作動される。ステップ104において、第1タイプのコンテナ61の底部が処理ツール41のエントリーロードポート411上に配置されるまで、ロボット50が第1タイプのコンテナ61を処理ツール41へと搬送するため作動される。ステップ105において、複合フォーク装置10が第1タイプのコンテナ61から取り外される。ステップ106において、第1タイプのコンテナ61内の半導体デバイスが所定時間処理された後、複合フォーク装置10を用いて第1タイプのコンテナ61を内側ロードポート位置301、302、303、304、305、306のうちの対応する1つへと戻すためにロボット50が更に作動される。ステップ107において、作動装置を用いて第1タイプのコンテナ61が外側ロードポート位置311、312、313、314、315、316のうちの選択された1つにある第2タイプのコンテナ62へと更に戻される。ステップ108において、第2タイプのコンテナ62がAMHSに戻ってロードされる。
【0042】
代替的な実施形態において、搬送方法100のいくつかのステップは、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、改変、置き換え、又は取り除かれてよい。更なる代替的な実施形態において、搬送方法100に追加的なステップが加えられてよい。
【0043】
いくつかの実施形態において、ロボット50の作動はコンピュータデバイス(未図示)を用いて制御されてよい。具体的には、第1タイプのコンテナ61が内側ロードポート位置301、302、303、304、305、306のうちの対応する1つへと移動されたことをセンサ(未図示)が検出したとき、第1タイプのコンテナ61が複合フォーク装置10により保持されることを可能とするようロボット50が作動される。第1タイプのコンテナ61が良好に保持されたことをセンサ23(
図5を参照)が検出したとき、第1タイプのコンテナ61を処理ツール41へと搬送するためロボット50が作動される。所定時間の後、複合フォーク装置10を用いて第1タイプのコンテナ61を内側ロードポート位置301、302、303、304、305、306のうちの対応する1つへと戻すため、ロボット50が更に作動される。コンピュータデバイスはプログラマブルロジックコントローラ(PLC)又は他の適切なデバイスであってよい。
【0044】
いくつかの実施形態において、内側ロードポート位置301、302、303、304、305、306と外側ロードポート位置311、312、313、314、315、316は全てロボット50の作業空間内にある。他の実施形態において、外側ロードポート位置311、312、313、314、315、316はロボット50の作業空間内でなくてよい。代替的な実施形態において、第1タイプのコンテナ61は第2タイプのコンテナ62から手動で取り外されてよく、第2タイプのコンテナ62に手動で戻されてよい。ロボット50は多関節ロボットであってよい。いくつかの実施形態において、加熱ツール41は、第1タイプのコンテナ61内に収容された半導体デバイスが処理されるよう、第1タイプのコンテナ61を約100℃~300℃の範囲、又は約120℃~約180℃までの範囲であってよい温度まで加熱してよい。いくつかの実施形態において、エントリーロードポート411は移動式ローンチプラットフォームであってよい。
【0045】
図17は、いくつかの実施形態による集積回路処理のためのシステムの斜視図である。
図17に示したシステムは、
図17において処理ツール42が非加熱ツールであることを除き、
図15に示したシステムに類似しており、第2タイプのコンテナ62(
図2を参照)を搬送するために用いられる。いくつかの実施形態において、
図17に示したシステムは、
図3Aに示した第2タイプのコンテナ63を搬送するために用いられてもよい。いくつかの実施形態において、処理ツール42は例えば検査ツールであってよいがこれに限定されず、他の適切な処理ツールであってよい。いくつかの実施形態において、処理ツール42のエントリーロードポート421は移動式ローンチプラットフォームであってよい。
【0046】
図18は、いくつかの実施形態による搬送方法を表すフロー図である。第2タイプのコンテナ62、63(
図2と3Aも参照)内の半導体デバイスが処理ツール42により処理されるために搬送されるとき、
図18に示す搬送方法200が用いられてよい。
【0047】
図17と18を参照し、搬送方法200はステップ201~208を含んでよい。ステップ201において、AMHSからアンロードされた第2タイプのコンテナ(例えば、
図2に示したトレイカセットタイプコンテナ62、
図3Aに示したマガジンタイプコンテナ63、又は上部フランジを有する他のコンテナであるが、これらに限定されない)が、外側ロードポート位置311、312、313、314、315、316のうちの選択された1つにロードされる。ステップ202において、外側ロードポート位置311、312、313、314、315、316のうちの選択された1つにある第2タイプのコンテナ62、63が、作動装置(未図示)を用いて内側ロードポート位置301、302、303、304、305、306のうちの対応する1つへと移動される。ステップ203において、第2タイプのコンテナ62、63が複合フォーク装置10により良好に保持されるまで、ロボット50が複合フォーク装置10を用いて第2タイプのコンテナ62、63を保持するために作動される。ステップ204において、第2タイプのコンテナ62、63の底部が処理ツール42のエントリーロードポート421上に配置されるまで、ロボット50が第2タイプのコンテナ62、63を処理ツール42へと搬送するため作動される。
図17に示したコンテナがコンテナ62であるとはいえ、
図3Aに示したコンテナ63、又は上部フランジを有する他のコンテナが方法200において用いられてよいことに注意されたい。ステップ205において、複合フォーク装置10が第2タイプのコンテナ62、63から取り外される。ステップ206において、第2タイプのコンテナ62、63内の半導体デバイスが処理ツール42を用いて処理及び/又は検査された後、複合フォーク装置10を用いて第2タイプのコンテナ62、63を内側ロードポート位置301、302、303、304、305、306のうちの対応する1つへと戻すためにロボット50が更に作動される。ステップ207において、作動装置を用いて第2タイプのコンテナ62、63が外側ロードポート位置311、312、313、314、315、316のうちの選択された1つへと更に戻される。ステップ208において、第2タイプのコンテナ62、63がAMHSに戻ってロードされる。
【0048】
代替的な実施形態において、搬送方法200のいくつかのステップは、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、改変、置き換え、又は取り除かれてよい。更なる代替的な実施形態において、搬送方法200に追加的なステップが加えられてよい。
【0049】
本発明の複合フォーク装置10は、InFO(Integrated Fan-out)、CoWoS(Chip-on-Wafer-on-Substrate)、SOIC(System-on-Integrated-Chips)、将来的なバンピング/パッケージング製品、又は他の適切な製品であるがこれらに限定されない様々な製品を製造するための工程において用いられてよい。
【0050】
本発明の実施形態は次の有利な特徴を有する。複合フォーク装置の第1及び第2プロングの各々に上方表面と下方表面とを形成することにより、複合フォーク装置は複数の異なるコンテナを運搬及び配送することができ、これは異なるコンテナに対応した様々なキャリア装置を使用する必要がなく半導体製造工程間の搬送工程の効率を向上させる。加えて、複合フォーク装置に上方及び下方案内部、センサ、及び位置決め部を加えることにより、第1及び第2プロングに保持されたコンテナの位置決めが平らで安定していることを確保することが可能となることで、コンテナ内に収容された製品又は半導体デバイスを破損させる可能性のあるコンテナの傾きを避けることができる。更に、複合フォーク装置に予備保持部を加えることにより、搬送工程の安定性を更に向上させることができる。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態によると、複合フォーク装置は、第1プロングと、第1プロングから間隔が空けられた第2プロングとを含む。第1及び第2プロングの各々は、上方表面と、上方表面に対して窪んでいる下方表面とを含む。第1及び第2プロングの上方表面は第1タイプのコンテナを協同して保持するよう構成される。第1及び第2プロングの下方表面は、第1タイプのコンテナとは異なる構成を有する第2タイプのコンテナを協同して保持するよう構成される。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態によると、第1及び第2プロングの各々の上方表面と下方表面との高低差は1mm~5cmの範囲内にある。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態によると、第1及び第2プロングの各々の上方表面は、下方表面の前方に位置する前方支持領域と、下方表面の後方に位置する後方支持領域とを含み、第1タイプのコンテナの4つの部位が第1及び第2プロングの前記上方表面の前方及び後方支持領域によりそれぞれ保持されることを可能とする。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態によると、第1及び第2プロングの各々の上方表面は、前方支持領域の外側に位置する前方搭載領域と、後方支持領域の外側に位置する後方搭載領域とを含む。第1及び第2プロングの各々の下方表面は、内側支持領域と、内側支持領域の外側に位置する外側搭載領域とを含む。第1及び第2プロングの内側支持領域は、第2タイプのコンテナの上部フランジを協同して保持するよう位置している。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態によると、複合フォーク装置は、2つの上方案内部と2つの下方案内部とを含む。2つの上方案内部は、第1タイプのコンテナの4つの部位が第1及び第2プロングの上方表面の前方及び後方支持領域上にそれぞれ移動することを可能とするよう第1タイプのコンテナの2つの側を案内するため、第1及び第2プロングの上方表面にそれぞれ形成される。2つの下方案内部は、第2タイプのコンテナの上部フランジの2つの側を第1及び第2プロングの内側支持領域上にそれぞれ移動するよう案内するため、第1及び第2プロングの外側搭載領域にそれぞれ形成される。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態によると、第1及び第2プロングは互いに対称である。第1及び第2プロングにそれぞれ設けられた上方案内部は互いに対称である。第1及び第2プロングにそれぞれ設けられた下方案内部は互いに対称である。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態によると、各上方案内部は、第1及び第2プロングの各々の前方及び後方搭載領域にそれぞれ設けられた2つの上方案内ブロックを含む。各上方案内ブロックは上方案内面を含む。上方案内部のうちの一方の上方案内ブロックの上方案内面は、上方案内部のうちの他方の上方案内ブロックの上方案内面と向かい合うよう設けられる。各下方案内部は、互いに間隔が空けられて第1及び第2プロングの各々の外側搭載領域に設けられた、2つの下方案内ブロックを含む。各下方案内ブロックは下方案内面を有する。下方案内部のうちの一方の下方案内ブロックの下方案内面は、下方案内部のうちの他方の下方案内ブロックの下方案内面と向かい合うよう設けられる。
【0058】
本発明のいくつかの実施形態によると、上方案内面と第1及び第2プロングのうちの対応する1つの上方表面との間の夾角は、45°未満ではなく且つ90°未満である。下方案内面と第1及び第2プロングのうちの対応する1つの下方表面との間の夾角は、45°未満ではなく且つ90°未満である。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態によると、各上方案内ブロックは、上方案内面から第1及び第2プロングのうちの対応する1つの上方表面へと下向きに延伸する上方平坦面を更に有することで、上方平坦面は第1及び第2プロングのうちの対応する1つの上方表面に垂直に配置される。各下方案内ブロックは、下方案内面から第1及び第2プロングのうちの対応する1つの下方表面へと下向きに延伸する下方平坦面を更に有することで、下方平坦面は第1及び第2プロングのうちの対応する1つの下方表面に垂直に配置される。
【0060】
本発明のいくつかの実施形態によると、複合フォーク装置は2つのセンサを更に含む。2つのセンサのうちの一方は上方案内部のうちの一方の上方案内ブロックの前方に設けられ、2つのセンサのうちの他方は上方案内部のうちの他方の上方案内ブロックの後方に設けられる。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態によると、複合フォーク装置は、第1及び第2プロングの下方表面にそれぞれ搭載されて、第1及び第2プロングの下方表面により保持されているときに上部フランジを位置決めするよう構成された、2つの位置決め部を更に含む。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態によると、各位置決め部は2つの主位置決めピンを含む。2つの主位置決めピンのうちの一方は下方案内部の各々の下方案内ブロックの前方に位置しており、2つの主位置決めピンのうちの他方は下方案内部の各々の下方案内ブロックの後方に位置していることで、上部フランジの2つの側が第1及び第2プロングの内側支持領域上にそれぞれ移動されたとき、位置決め部の主位置決めピンはそれぞれ上部フランジの4つの縁部の外側に位置し、これにより上部フランジを位置決めする。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態によると、各位置決め部は予備位置決めピンを更に含み、予備位置決めピンは下方案内部の各々の下方案内ブロックの間に位置しており、上部フランジの2つの側が第1及び第2プロングの内側支持領域上にそれぞれ移動されたとき、上部フランジの2つの側の各々と係合するよう構成される。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態によると、IC製造システムは、複合ロードポートステージと、処理ツールと、ロボットと、複合フォーク装置とを含む。複合ロードポートステージは、第1タイプのコンテナ、又は第1タイプのコンテナとは異なる構成を有する第2タイプのコンテナをロードすることを可能とするよう構成される。ロボットは、複合ロードポートステージと処理ツールとの間に位置する。複合フォーク装置は、ロボットにより駆動されるよう結合され、ロボットが第1タイプのコンテナ又は第2タイプのコンテナを複合ロードポートステージから処理ツールのエントリーロードポートへと選択的に搬送することを可能とするため、第1タイプのコンテナ又は第2タイプのコンテナを選択的に保持するよう構成される。複合フォーク装置は、第1プロングと、第1プロングから間隔が空けられた第2プロングとを含む。第1及び第2プロングの各々は、上方表面と、上方表面に対して窪んでいる下方表面とを含む。第1及び第2プロングの上方表面は、第1タイプのコンテナを協同して保持するよう構成される。第1及び第2プロングの下方表面は、第2タイプのコンテナを協同して保持するよう構成される。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態によると、複合フォーク装置はリアフレームを更に含む。第1及び第2プロングの各々の後端は、リアフレームの下方部位に搭載される。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態によると、複合フォーク装置は2つの連結具を更に含み、各連結具は、リアフレームの上方部位と第1及び第2プロングの各々とを相互接続する。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態によると、複合フォーク装置は、リアフレームの背面側に搭載されたマウントを更に含み、ロボットがマウントを介して複合フォーク装置と結合することを可能とするよう構成される。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態によると、搬送方法は、コンテナを複合ロードポートステージに配置することと、第1プロングと第2プロングとを含む複合フォーク装置を用いてコンテナを保持することであって、第1及び第2プロングの各々が上方表面と該上方表面に対して窪んでいる下方表面とを有することで、コンテナが第1及び第2プロングの上方表面又は下方表面により保持されることと、コンテナの底部が処理ツールのエントリーロードポート上に配置されるよう、複合フォーク装置を用いてコンテナを処理ツールへと搬送することと、複合フォーク装置をコンテナから取り外すこととを含む。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態によると、コンテナの2つの側が第1及び第2プロングの上方表面により保持される。
【0070】
本発明のいくつかの実施形態によると、コンテナの上部フランジの2つの側が第1及び第2プロングの下方表面により保持される。
【0071】
上記は、当業者が本発明の態様をより好ましく理解できるように、いくつかの実施形態の特徴を概説している。当業者は、ここで紹介した実施形態と同一の目的を実行するため、及び/又は同一の利点を達成するため、他の処理及び構造を設計又は改変するための基礎として、本開示を容易に用いることができることを理解すべきである。当業者はまた、そのような均等な構造は本発明の精神及び範囲から逸脱せず、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく様々な改変、置き換え、及び変更を行うことができることを理解すべきである。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本明細書で説明した複合フォーク装置、IC製造システム、及び搬送方法は、幅広いIC製造工程に適用可能である。
【符号の説明】
【0073】
10:複合フォーク装置
11:第1プロング
12:第2プロング
13:上方表面
14:下方表面
15:側壁
16:窪み領域
21:上方案内部
22:下方案内部
23:センサ
24:位置決め部
25:リアフレーム
26:連結具
27:マウント
28:予備保持部
29:補強片
30:複合ロードポートステージ
41、42:処理ツール
50:ロボット
61、62、63:コンテナ
64:ベッセル
100、200:搬送方法
101~108、201~208:ステップ
130:凹部
131:前方支持領域
132:後方支持領域
133:前方搭載領域
134:後方搭載領域
141:内側支持領域
142:外側搭載領域
211:上方案内ブロック
212:第1上面
213:上方案内面
214:上方平坦面
215:底面
221:下方案内ブロック
222:第2上面
223:下方案内面
224:下方平坦面
241:主位置決めピン
242:予備位置決めピン
271:フランジ
281:流体作動シリンダ
282:作動プレート
283:作動ロッド
284:サイドフレーム
301~306:内側ロードポート位置
311~316:外側ロードポート位置
411、421:エントリーロードポート
601:上部フランジ
621、631:コンテナ本体
632:ガイドスロット
AMHS:自動材料処理システム
Dfl、Dfu:平坦面寸法
G1:コンテナ61の重心
G2:上部フランジ601の重心
H:高低差
HGI、HGu:ブロック高さ
L、L1:長さ
TG:厚さ
WGl、WGu:幅
θ1~θ4:夾角