IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リコーの特許一覧

<>
  • 特許-後処理装置、及び、画像形成システム 図1
  • 特許-後処理装置、及び、画像形成システム 図2
  • 特許-後処理装置、及び、画像形成システム 図3
  • 特許-後処理装置、及び、画像形成システム 図4
  • 特許-後処理装置、及び、画像形成システム 図5
  • 特許-後処理装置、及び、画像形成システム 図6
  • 特許-後処理装置、及び、画像形成システム 図7
  • 特許-後処理装置、及び、画像形成システム 図8
  • 特許-後処理装置、及び、画像形成システム 図9
  • 特許-後処理装置、及び、画像形成システム 図10
  • 特許-後処理装置、及び、画像形成システム 図11
  • 特許-後処理装置、及び、画像形成システム 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-24
(45)【発行日】2024-02-01
(54)【発明の名称】後処理装置、及び、画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 37/04 20060101AFI20240125BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
B65H37/04 D
B65H37/04 Z
B41J29/00 H
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020086481
(22)【出願日】2020-05-18
(65)【公開番号】P2021181343
(43)【公開日】2021-11-25
【審査請求日】2023-02-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【弁理士】
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】田上 真治
(72)【発明者】
【氏名】山口 勝次
【審査官】杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-008094(JP,A)
【文献】特開2016-216227(JP,A)
【文献】特開2020-040738(JP,A)
【文献】特開2017-013244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 37/04
B41J 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のシートがシート束として載置される載置部と、
第1移動手段によって第1基準位置から所望の綴じ位置に移動されて、前記載置部に載置されたシート束に対して綴じ処理をおこなう第1綴じ装置と、
第2移動手段によって第2基準位置から所望の綴じ位置に移動されて、前記載置部に載置されたシート束に対して綴じ処理をおこなう第2綴じ装置と、
を備え、
前記第1綴じ装置と前記第2綴じ装置とのうち一方の綴じ装置による綴じ処理の対象となるシート束が前記載置部に載置される前であって、前記一方の綴じ装置の前記第1基準位置及び前記第2基準位置のうち対応する基準位置からの移動が開始された後に、前記一方の綴じ装置による綴じ処理に替わって他方の綴じ装置による綴じ処理をおこなう制御モードが実行される場合に、前記一方の綴じ装置を前記基準位置まで戻すことなく、前記一方の綴じ装置と前記他方の綴じ装置とが接触しない状態で、前記制御モードが実行されることを特徴とする後処理装置。
【請求項2】
前記一方の綴じ装置による綴じ処理の対象となるシート束が前記載置部に載置される前であって、前記一方の綴じ装置の前記基準位置からの移動が開始された後に、前記制御モードが実行される場合に、そのまま前記制御モードを実行しても前記一方の綴じ装置と前記他方の綴じ装置とが接触しないときには、その接触しない位置からの前記一方の綴じ装置の移動はおこなわないことを特徴とする請求項1に記載の後処理装置。
【請求項3】
前記一方の綴じ装置による綴じ処理の対象となるシート束が前記載置部に載置される前であって、前記一方の綴じ装置の前記基準位置からの移動が開始された後に、前記制御モードが実行される場合に、そのまま前記制御モードを実行すると前記一方の綴じ装置と前記他方の綴じ装置とが接触してしまうときには、前記第1移動手段と前記第2移動手段とのうち対応する移動手段によって前記一方の綴じ装置を前記他方の綴じ装置に接触しない退避位置まで移動させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の後処理装置。
【請求項4】
前記一方の綴じ装置による綴じ処理の対象となるシート束が前記載置部に載置される前であって、前記一方の綴じ装置の前記基準位置からの移動が開始された後に、前記制御モードが実行される場合に、そのまま前記制御モードを実行すると前記一方の綴じ装置と前記他方の綴じ装置とが接触してしまうときであって、前記他方の綴じ装置による綴じ処理の対象となるシート束が前記載置部に表裏逆転して載置された状態で所望の綴じ位置に前記他方の綴じ装置による綴じ処理をおこなえば前記一方の綴じ装置と前記他方の綴じ装置とが接触しないときには、その接触しない位置からの前記一方の綴じ装置の移動はおこなわずに、前記他方の綴じ装置による綴じ処理の対象となるシート束を前記載置部に表裏逆転して載置して前記制御モードを実行することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の後処理装置。
【請求項5】
前記一方の綴じ装置による綴じ処理の対象となるシート束が前記載置部に載置される前であって、前記一方の綴じ装置の前記基準位置からの移動が開始された後に、前記制御モードが実行される場合に、そのまま前記制御モードを実行すると前記一方の綴じ装置と前記他方の綴じ装置とが接触してしまうときであって、前記他方の綴じ装置による綴じ処理の対象となるシート束が前記載置部に表裏逆転して載置された状態で所望の綴じ位置に前記他方の綴じ装置による綴じ処理をおこなっても前記一方の綴じ装置と前記他方の綴じ装置とが接触してしまうときには、前記第1移動手段と前記第2移動手段とのうち対応する移動手段によって前記一方の綴じ装置を前記他方の綴じ装置に接触しない退避位置まで移動させることを特徴とする請求項4に記載の後処理装置。
【請求項6】
前記他方の綴じ装置は、針を用いない綴じ処理をおこなうように構成されたことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の後処理装置。
【請求項7】
前記他方の綴じ装置は、針を用いた綴じ処理をおこなうように構成され、
前記他方の綴じ装置による綴じ処理の対象となるシート束を前記載置部に表裏逆転して載置して前記制御モードが実行可能であるときに、その実行の可否を選択可能に構成したことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の後処理装置。
【請求項8】
前記第1綴じ装置は、針を用いた綴じ処理をおこなうように構成され、
前記第2綴じ装置は、針を用いない綴じ処理をおこなうように構成されたことを特徴とする請求項1~請求項7のいずれかに記載の後処理装置。
【請求項9】
前記制御モードは、先行のプリント動作中におこなわれる新たなプリント指令に基づいて当該先行のプリント動作を中断して別のプリント動作をおこなう割込プリントモード、又は、先行のプリント動作中に予め記憶されていたプリント指令に基づいて当該先行のプリント動作が終了した後に次のプリント動作をおこなう予約プリントモードであることを特徴とする請求項1~請求項8のいずれかに記載の後処理装置。
【請求項10】
シートに画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置によって画像が形成されたシートに対して後処理を施す請求項1~請求項9のいずれかに記載の後処理装置と、を備えたことを特徴とする画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シート束に対して後処理として綴じ処理をおこなう後処理装置と、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機やプリント機などの画像形成装置と後処理装置とからなる画像形成システムと、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機やプリンタ等の画像形成装置に設置された後処理装置において、金属針を用いてシート束に綴じ処理を施す綴じ装置と、金属針を用いることなくシート束に綴じ処理を施す綴じ装置と、が設置されたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
そして、ユーザーの選択によって、金属針を用いて綴じ処理をおこなったり、金属針を用いることなく綴じ処理をおこなったりすることになる。そのとき、2つの綴じ装置のうち、一方の綴じ装置による綴じ処理をおこなう場合には、その綴じ処理を妨げないように、他方の綴じ装置を基準位置に待機させたまま、一方の綴じ装置を基準位置から所望の綴じ位置に移動させて綴じ処理をおこなっていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の技術は、2つの綴じ装置のうち一方の綴じ装置による綴じ処理をおこなうために一方の綴じ装置を移動開始させた後に、その綴じ処理を中断して他方の綴じ処理による綴じ処理をおこなうような指令があったときに、2つの綴じ装置が接触して破損しないように、一方の綴じ装置を完全に基準位置に戻してから他方に綴じ装置の移動を開始していた。そのため、綴じ処理が完了するまでに時間がかかってしまって、装置の生産性が低下していた。
【0004】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、生産性が高い、後処理装置、及び、画像形成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明における後処理装置は、複数のシートがシート束として載置される載置部と、第1移動手段によって第1基準位置から所望の綴じ位置に移動されて、前記載置部に載置されたシート束に対して綴じ処理をおこなう第1綴じ装置と、第2移動手段によって第2基準位置から所望の綴じ位置に移動されて、前記載置部に載置されたシート束に対して綴じ処理をおこなう第2綴じ装置と、を備え、前記第1綴じ装置と前記第2綴じ装置とのうち一方の綴じ装置による綴じ処理の対象となるシート束が前記載置部に載置される前であって、前記一方の綴じ装置の前記第1基準位置及び前記第2基準位置のうち対応する基準位置からの移動が開始された後に、前記一方の綴じ装置による綴じ処理に替わって他方の綴じ装置による綴じ処理をおこなう制御モードが実行される場合に、前記一方の綴じ装置を前記基準位置まで戻すことなく、前記一方の綴じ装置と前記他方の綴じ装置とが接触しない状態で、前記制御モードが実行されるものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、生産性が高い、後処理装置、及び、画像形成システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】この発明の実施の形態における画像形成システムを示す全体構成図である。
図2】後処理装置を示す構成図である。
図3】綴じ処理部を示す構成図である。
図4】綴じ処理部の要部を幅方向に示す上面図である。
図5】第2綴じ装置の凹凸部を示す拡大図である。
図6】綴じ装置の駆動機構を幅方向に示す概略図である。
図7】綴じ処理部における幅方向の寸法関係を示す図である。
図8】制御モード時の2つの綴じ装置の動作例を示す図である。
図9】制御モード時の2つの綴じ装置の別の動作例を示す図である。
図10】制御モード時の2つの綴じ装置のさらに別の動作例を示す図である。
図11】制御モード時の2つの綴じ装置の制御例を示すフローチャートである。
図12図11に続く制御例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0009】
まず、図1にて、画像形成システム200の全体の構成・動作について説明する。
本実施の形態において、画像形成装置1は、後処理装置50が着脱可能に設置されていて、後処理装置50とともに1つの画像形成システム200を構成している。
図1において、1は複写機として機能する画像形成装置、2は原稿Dの画像情報を光学的に読み込む原稿読込部、3は原稿読込部2で読み込んだ画像情報に基づいた露光光Lを感光体ドラム5上に照射する露光部、を示す。
また、4は感光体ドラム5上にトナー像(画像)を形成する作像部、7は感光体ドラム5上に形成されたトナー像をシートPに転写する転写部(画像形成部)、10はセットされた原稿Dを原稿読込部2に搬送する原稿搬送部、を示す。
また、12~14は用紙等のシートPが収納された給送部、17は転写部7に向けてシートPを搬送するレジストローラ対(タイミングローラ対)、を示す。
また、20はシートP上の未定着画像を定着する定着装置、21は定着装置20に設置された定着ローラ、22は定着装置20に設置された加圧ローラ、を示す。
また、30はオモテ面に画像が形成された後のシートPを反転して画像形成部に向けて搬送する両面搬送部、49はプリント動作(画像形成動作)や後処理動作に関わる情報が表示されたり操作をおこなったりするための操作表示パネル、を示す。
また、50は画像形成装置1から排出されて搬入されたシートPに後処理を施す後処理装置、61は後処理装置50の内部に設置された載置部(内部トレイ)、71~73は後処理後のシートP(又は、シート束)が排出されて積載されるトレイ(排出トレイ)、90は後処理装置50の内部に設置された綴じ処理部、91、92は綴じ処理部における綴じ装置、を示す。
【0010】
図1を参照して、画像形成装置1(画像形成システム200)における、通常の画像形成時(プリント時)の動作について説明する。
まず、原稿Dは、原稿搬送部10の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部2上を通過する。このとき、原稿読込部2では、上方を通過する原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
そして、原稿読込部2で読み取られた光学的な画像情報は、電気信号に変換された後に、露光部3(書込部)に送信される。そして、露光部3からは、その電気信号の画像情報に基づいたレーザ光等の露光光Lが、作像部4の感光体ドラム5上に向けて発せられる。
【0011】
一方、作像部4において、感光体ドラム5は図中の時計方向に回転しており、所定の作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程)を経て、感光体ドラム5上に画像情報に対応した画像(トナー像)が形成される。
その後、感光体ドラム5上に形成された画像は、画像形成部としての転写部7で、レジストローラ対17により搬送されたシートP上に転写される。
【0012】
一方、転写部7(画像形成部)に搬送されるシートPは、次のように動作する。
まず、画像形成装置1の複数の給送部12~14のうち、1つの給送部が自動又は手動で選択される(例えば、最上段の給送部12が選択されたものとする。)。
そして、給送部12に収納されたシートPの最上方の1枚が、搬送経路K1の位置に向けて搬送される。
【0013】
その後、シートPは、複数の搬送ローラが配設された搬送経路K1を通過して、レジストローラ対17の位置に達する。そして、レジストローラ対17の位置に達したシートPは、感光体ドラム5上に形成された画像と位置合わせをするためにタイミングを合わせて、転写部7(画像形成部)に向けて搬送される。
【0014】
そして、転写工程後のシートPは、転写部7の位置を通過した後に、搬送経路を経て定着装置20に達する。定着装置20に達したシートPは、定着ローラ21と加圧ローラ22との間に送入されて、定着ローラ21から受ける熱と双方の部材21、22から受ける圧力とによって画像が定着される。画像が定着されたシートPは、定着ローラ21と加圧ローラ22との間(ニップ部である。)から送出された後に、画像形成装置1から排出される。
【0015】
なお、シートPの両面(オモテ面とウラ面とである。)へのプリントをおこなう「両面プリントモード」が選択されている場合には、オモテ面への定着工程が終了したシートPは、上述した「片面プリントモード」が選択されているときのようにそのまま排出されることなく、両面搬送経路K2に導かれて、両面搬送部30で搬送方向が反転された後に、再び転写部7(画像形成部)の位置に向けて搬送される。そして、転写部7の位置で先に説明したものと同様の画像形成プロセスによってシートPのウラ面への画像形成がおこなわれ、その後に定着装置20での定着工程を経て、搬送経路を通過して、画像形成装置1から排出される。
【0016】
ここで、本実施の形態では、画像形成装置1に後処理装置50が接続されていて、画像形成装置1から排出されたシートPが後処理装置50に搬送されて、搬送されたシートPに対して後処理が施されることになる。
図1を参照して、本実施の形態における後処理装置50は、画像形成装置1から搬送されたシートPを3つの搬送経路K3~K5のうちいずれかの搬送経路に搬送して、異なる後処理を施せるように構成されている。第1の搬送経路K3は、画像形成装置1から搬送されたシートPに、後処理を施すことなくそのまま第1排出トレイ71に排出するための搬送経路である。第2の搬送経路K4は、画像形成装置1から搬送されたシートPを載置部61(内部トレイ)に積載して、綴じ処理部90(第1綴時処理部)における2つの綴じ装置91、92のうちいずれかによってシート後端への綴じ処理をおこない、処理後のシートP(シート束PT)を排出ローラ55によって排出口50bから外部トレイ72(第2排出トレイ)に向けて排出するための搬送経路である。第3の搬送経路K5は、画像形成装置1から搬送されたシートPを一旦第2の搬送経路K4に搬送してスイッチバックした後に、綴じ処理部83(第2綴じ処理部)によるシート中央部への綴じ処理や、シート折りブレード84等による折り処理をおこない、第3排出トレイ73に載置するための搬送経路である(図2参照)。
なお、上述した3つの搬送経路K3~K5の切替は、分岐爪81の切替動作(回動)によっておこなわれる。
【0017】
さらに詳しくは、図2を参照して、後処理装置50の搬入口50aの近傍には、第1搬送ローラ51やシート検知センサ(不図示)が設置されていて、シート検知センサによって検知されたシートPが第1、第2搬送ローラ51、52によって装置50内に搬送される。そして、予めユーザーによって選択された後処理のモードに基づいて、シートPが所望の搬送経路K3~K5に導かれるように分岐爪81が回動する。
後処理を施さないモードが選択されている場合、第1の搬送経路K3に搬送されたシートPは、第3搬送ローラ53によって排出されて、第1排出トレイ71上に載置される。
【0018】
「ソートモード(仕分け処理モード)」が選択されている場合、第2の搬送経路K4に搬送されたシートPは、幅方向(図2の紙面垂直方向である。)に移動可能に構成された第4搬送ローラ54によってシートPごとに所定量だけ幅方向にシフト移動されながら搬送されて、排出ローラ55(第5搬送ローラ)によって搬送されて外部トレイ72(第2排出トレイ)上に順次積載される。
【0019】
図2を参照して、外部トレイ72の上方にはフィラー82が上端の支軸を中心にして回動可能に設けられていて、外部トレイ72は不図示の移動機構によって上下動可能に構成されている。そして、外部トレイ72上に順次積載されるシートPの搬送方向中央部がフィラー82に接触した状態が、フィラー82の支軸近傍に設置されたセンサによって検知されることで、外部トレイ72上に積載されたシートPの高さが認識される。そして、外部トレイ72上に積載されるシートPの枚数の増減に合わせて、外部トレイ72の上下位置が調整されることになる。また、外部トレイ72の上下位置が下限位置に達した場合には、外部トレイ72上に積載されたシートPの枚数が上限(満杯)に達したものとして、後処理装置50から画像形成装置1に停止信号を送信して、画像形成動作を停止させる。
【0020】
「綴じ処理モード(ステイプルモード)」が選択されている場合、第2の搬送経路K4に搬送されたシートPは、第4搬送ローラ54によってシフト移動をおこなうことなく搬送されて、載置部61(内部トレイ)上に順次積載される。そして、載置部61の載置面上にシートP(シート束PT)が載置されると、そのたびに、その上方に配置された叩きローラ64と補助搬送ローラ99(図3参照)とが待機位置から最上方のシートPに当接する位置に移動して、叩きローラ64と補助搬送ローラ99とがそれぞれ図2の反時計方向に回転駆動されることで、そのシートPがフェンス部66(エンドフェンス)に向けて搬送(移動)される。これにより、複数枚のシートP(シート束PT)の後端(搬送方向後端)がフェンス部66に突き当たって、複数枚のシートPの搬送方向の位置が揃えられることになる。
【0021】
このとき、図2図4を参照して、載置部61の幅方向両端部に設置されたジョガーフェンス68(サイドフェンス)が、載置部61上にシートPが載置されるたびに(又は、所望の枚数のシートPが積載された後に)、シートP(シート束PT)を挟み込むように幅方向に移動して、シートP(シート束PT)の幅方向の位置が揃えられることになる。そして、搬送方向と幅方向とがそれぞれ揃えられたシートP(シート束)の後端に対して、綴じ処理部90によって綴じ処理が施されることになる。
その後、綴じ処理が施されたシートP(シート束PT)は、放出爪67の排出方向の移動によって載置面の傾斜に沿って斜め上方に移動して、排出ローラ55による搬送によって、外部トレイ72上に排出される。
なお、本実施の形態における綴じ処理部90には、2つの綴じ装置91、92が設置されていて、いずれかの綴じ装置を1つ選択してシート束PT(シート束)に対して綴じ処理動作をおこなうことになるが、これについては後で詳しく説明する。
【0022】
「折り処理モード」が選択されている場合、シートPは、まず第2の搬送経路K4に搬送されて、その後端部が第4搬送ローラ54に挟持された状態で、第4搬送ローラ54を逆回転させることでスイッチバックさせて、第3の搬送経路K5に搬送される。そして、第3の搬送経路K5に搬送されたシートPは、第6~第8搬送ローラ56~58によって、シートPの中央部が第2綴じ処理部83に対向する位置(不図示の搬送ガイド板が載置部として機能する位置である。)まで搬送される。そして、その位置に所望の枚数のシートP(シート束PT)が積載された後に、第2綴じ処理部83によってシート束の中央部に綴じ処理が施される。その後、綴じ処理が施された複数枚のシートP(シート束PT)は、第7、第8搬送ローラ57、58によって、シートP(シート束PT)の中央部がシート折りブレード84に対向する位置まで搬送される。このとき、シートP(シート束PT)は、その先端部がストッパ部85(不図示の移動機構によって搬送方向に移動可能に構成されている。)に突き当たった状態になっている。
そして、シートP(シート束PT)は、図2の左方に移動するシート折りブレード84によって中央部が折り込まれた状態で、その折込部がシート折り板86によって圧接されて、折り処理が施されることになる。その後、折り処理後のシートP(シート束PT)は、第9搬送ローラ59によって搬送されて、第3排出トレイ73上に載置されることになる。
【0023】
以下、本実施の形態における後処理装置50の、特徴的な構成・動作について詳述する。
先に図1図2等を用いて説明したように、本実施の形態における後処理装置50(綴じ処理部90)には、その内部に、複数のシートPがシート束PTとして載置される載置部61が設けられている。
詳しくは、載置部61は、その載置面が一端側(図2図3の右方である。)から他端側(図2図3の左方である。)に向けて上方に傾斜するように形成されている。そして、排出口50bから離れた載置部61の傾斜面下方には、2つの綴じ装置91、92が設けられている。
【0024】
第1綴じ装置91は、第1移動手段113~115(図6参照)によって第1基準位置(第1ホームポジション)から所望の綴じ位置に移動されて、載置部61に載置されたシート束PTに対して綴じ処理をおこなうためのものである。特に、本実施の形態において、第1綴じ装置91は、針(金属針)を用いた綴じ処理をおこなうように構成されている。
詳しくは、第1綴じ装置91は、第1移動手段113~115によって、載置部61に積載されたシート束PTに対して幅方向一端側に位置する第1基準位置(図4において実線で示した位置である。)から幅方向他端側(図4の右方である。)に向けて移動して、そのシート束PTにおける綴じ位置M1、M2に対して綴じ処理動作(針ありの綴じ処理動作)をおこなうものである。
【0025】
さらに具体的に、図4(A)では、第1綴じ装置91によって、2つの綴じ位置M1、M2に対して綴じ処理をおこなう場合を例示している。このような2つの綴じ位置M1、M2に対して、まず、第1基準位置(図4のシート束PTの左端よりも左方に位置する基準位置である。)から、左方(幅方向一端側)に位置する第2綴じ位置M2(図4(A)において破線で示した位置である。)に、第1綴じ装置91を移動して、第2綴じ位置M2への綴じ処理をおこなう。その後、右方(幅方向他端側)に位置する第1綴じ位置M1(図4(A)において破線で示した位置である。)に、第1綴じ装置91を移動して、第1綴じ位置M1への綴じ処理をおこなう。その後、第1綴じ装置91を逆方向に移動して第1基準位置に戻す。
なお、本実施の形態では、2つの綴じ処理部M1、M2に対して第1綴じ装置91による綴じ処理をおこなったが、綴じ位置の数や位置や綴じ順はこれに限定されることはなく、種々の形態で綴じ処理をおこなうことができる。
また、金属針を用いた綴じ処理動作をおこなう第1綴じ装置91としては、公知のものを用いることができる。
【0026】
図6を参照して、第1移動手段は、案内部材(第1ガイドシャフト115)に沿って第1綴じ装置91を移動させるものである。
具体的に、第1移動手段は、第1駆動モータ113、タイミングベルト114、第1ガイドシャフト115等で構成されている。第1綴じ装置91には、軸受116が固定して設置されている。そして、第1綴じ装置91は、この軸受116を介して、第1ガイドシャフト115にスライド移動可能に保持されている。すなわち、第1ガイドシャフト115は、第1基準位置から幅方向他端側に向けて延設されていて、第1綴じ装置91を幅方向に移動可能に保持している。
また、第1綴じ装置91の軸受116は、タイミングベルト114における所定位置に固定されていて、タイミングベルト114の走行にともない第1綴じ装置91とともに移動することになる。タイミングベルト114は、幅方向両端部にそれぞれ設置されたプーリによって張架・支持されている。この2つのプーリのうち一方のプーリは、第1駆動モータ113(正逆方向に回転可能なモータである。)のモータ軸に設置されている。
このような構成により、制御手段(制御部)による制御によって第1駆動モータ113が駆動されることで、タイミングベルト114が図6の時計方向又は反時計方向に走行して、第1綴じ装置91が、姿勢が保持された状態で、黒両矢印方向に移動することになる。
なお、上述した第1綴じ装置91の綴じ処理動作において、第1綴じ装置91が第1基準位置に位置している状態は、図4(A)に示す位置検知センサ101(フォトセンサである。)によって検知されて、その検知結果に基づいて第1綴じ装置91の移動制御がおこなわれることになる。
【0027】
これに対して、第2綴じ装置92は、第2移動手段123~125(図6参照)によって第2基準位置(第2ホームポジション)から所望の綴じ位置に移動されて、載置部61に載置されたシート束PTに対して綴じ処理をおこなうためのものである。特に、本実施の形態において、第2綴じ装置92は、針(金属針)を用いない綴じ処理をおこなうように構成されている。
詳しくは、第2綴じ装置92は、第2移動手段123~125によって、載置部61に積載されたシート束PTに対して幅方向他端側に位置する第2基準位置(図4において実線で示した位置である。)から幅方向一端側(図4の左方である。)に向けて移動して、そのシート束PTにおける綴じ位置N1、N2に対して綴じ処理動作(針ないの綴じ処理動作)をおこなうものである。
具体的に、図5を参照して、第2綴じ装置92は、歯型状の凹凸部92a1、92b1をシート束PTに押し当ててシート束PTに厚さ方向の凹凸を形成してシートP同士を噛み合わせて綴じ処理動作をおこなうものである。第2綴じ装置92には、第1部材92aと第2部材92bとが略上下方向に配設されている。第1部材92aには、歯型状の凹凸部92a1が上面に形成されている。第2部材92bには、第1部材92aの歯型状の凹凸部92a1に噛合する歯型状の凹凸部92b1が下面に形成されていて、第1部材92aとの間にシート束PTを挟むように第1部材92aに対して相対的に移動可能に構成されている。そして、第1部材92aと第2部材92bとでシート束PTを挟んだ状態で綴じ処理動作をおこなうことになる。
【0028】
さらに具体的に、図4(B)では、第2綴じ装置92によって、2つの綴じ位置N1、N2に対して綴じ処理をおこなう場合を例示している。このような2つの綴じ位置N1、N2に対して、まず、第2基準位置(図4のシート束PTの右端よりも右方に位置する基準位置である。)から、左方(幅方向他端側)に位置する第1綴じ位置N2(図4(B)において破線で示した位置である。)に、第2綴じ装置92を移動して、第1綴じ位置N1への綴じ処理をおこなう。その後、左方(幅方向一端側)に位置する第2綴じ位置N2(図4(B)において破線で示した位置である。)に、第2綴じ装置92を移動して、第2綴じ位置N2への綴じ処理をおこなう。その後、第2綴じ装置92を逆方向に移動して第2基準位置に戻す。
なお、本実施の形態では、2つの綴じ処理部N1、N2に対して第2綴じ装置92による綴じ処理をおこなったが、綴じ位置の数や位置や綴じ順はこれに限定されることはなく、種々の形態で綴じ処理をおこなうことができる。
【0029】
図6を参照して、第2移動手段は、案内部材(第2ガイドシャフト125)に沿って第2綴じ装置92を移動させるものである。
具体的に、第2移動手段は、第2駆動モータ123、タイミングベルト124、第2ガイドシャフト125等で構成されている。第2綴じ装置92には、軸受126が固定して設置されている。そして、第2綴じ装置92は、この軸受126を介して、第2ガイドシャフト125にスライド移動可能に保持されている。すなわち、第2ガイドシャフト125は、第2基準位置から幅方向一端側に向けて延設されていて、第2綴じ装置92を幅方向に移動可能に保持している。
また、第2綴じ装置92の軸受126は、タイミングベルト124における所定位置に固定されていて、タイミングベルト124の走行にともない第2綴じ装置92とともに移動することになる。タイミングベルト124は、幅方向両端部にそれぞれ設置されたプーリによって張架・支持されている。この2つのプーリのうち一方のプーリは、第2駆動モータ123(正逆方向に回転可能なモータである。)のモータ軸に設置されている。
このような構成により、制御手段(制御部)による制御によって第2駆動モータ123が駆動されることで、タイミングベルト124が図6の時計方向又は反時計方向に走行して、第2綴じ装置92が、姿勢が保持された状態で、黒両矢印方向に移動することになる。
なお、上述した第2綴じ装置92の綴じ処理動作において、第2綴じ装置92が第2基準位置に位置している状態は、図4(B)に示す位置検知センサ102(フォトセンサである。)によって検知されて、その検知結果に基づいて第2綴じ装置92の移動制御がおこなわれることになる。
【0030】
そして、このように構成された後処理装置50において、ユーザーによって2つの綴じ装置91、92のうちいずれかが選択されて、それに応じた綴じ処理動作がおこなわれることになる。
具体的に、ユーザーは、画像形成装置1の外装部に設置された操作表示パネル49(図1参照)を操作して、「綴じ処理(針あり)」と「綴じ処理(針なし)」とのうちいずれかを選択することになる。そして、「綴じ処理(針あり)」が選択された場合には、第1綴じ装置91による綴じ処理動作がおこなわれ、「綴じ処理(針なし)」が選択された場合には、第2綴じ装置92による綴じ処理動作がおこなわれることになる。そして、選択された綴じ装置によって綴じ処理動作がおこなわれているときに、選択されていない綴じ装置は、その基準位置に退避した状態になる。
このように複数の綴じ装置91、92を設けることで、綴じ処理に対するユーザーの選択肢の幅を広げることができる。
【0031】
ここで、本実施の形態における後処理装置50では、第1綴じ装置91と第2綴じ装置92とのうち一方の綴じ装置(例えば、第1綴じ装置91である。)による綴じ処理の対象となるシート束PTが載置部61に載置される前であって、一方の綴じ装置の第1基準位置及び第2基準位置のうち対応する基準位置からの移動が開始された後に、一方の綴じ装置による綴じ処理に替わって他方の綴じ装置(例えば、第2綴じ装置92である。)による綴じ処理をおこなう「制御モード」が実行される場合に、一方の綴じ装置を基準位置まで戻すことなく、一方の綴じ装置と他方の綴じ装置とが接触しない状態で、「制御モード」が実行される。
【0032】
このような制御モードとしては、「割込プリントモード」や「予約プリントモード」などがある。
「割込プリントモード」は、先行のプリント動作中におこなわれる新たなプリント指令に基づいて、その先行のプリント動作を中断して別のプリント動作をおこなうモードである。ユーザーが操作表示パネル49を操作して、所望のプリント動作に関わる条件を入力するとともに、「割込プリントモード」を選択すると、先行するプリント動作の途中であっても、先行するプリント動作が中断されて、「割込プリントモード」に関わる後行のプリント動作が割り込んで開始されることになる。
「予約プリントモード」は、先行のプリント動作中に予め記憶されていたプリント指令に基づいて、その先行のプリント動作が終了した後に次のプリント動作をおこなうモードである。ユーザーが操作表示パネル49を操作して、所望のプリント動作に関わる条件を実行日時とともに入力するとともに、「予約プリントモード」を選択すると、先行するプリント動作が終了した後に、「予約プリントモード」に関わる後行のプリント動作が開始されることになる。
【0033】
このように、本実施の形態では、「割込プリントモード」や「予約プリントモード」が実行されることによって、第1綴じ装置91(又は、第2綴じ装置92)による綴じ処理を中断して、第2綴じ装置92(又は、第1綴じ装置91)による綴じ処理をするときに、第1綴じ装置91(又は、第2綴じ装置92)を第1基準位置(又は、第2基準位置)まで戻さずに、2つの綴じ装置91、92を接触させずに、第2綴じ装置92(又は、第1綴じ装置91)による綴じ処理をおこなっている。そのため、そのような綴じ処理の切り替えがおこなわれるときの、2つの綴じ装置91、92の距離J(図7(B)参照)を求める必要がある。
図7(A)は、第1綴じ装置91(又は、第2綴じ装置92)によって、4つの綴じ位置M1~M4に対して綴じ処理をおこなう場合を例示している。
図7(A)を参照して、第1基準位置に位置した第1綴じ装置91と、載置部61の中央位置X(シートPの幅方向中央位置であって、2つのジョガーフェンス68の間の位置である。)と、の距離Eと、第2基準位置に位置した第2綴じ装置92と中央位置Xとの距離Fと、が同等に設定されている(E=F)。第1綴じ位置M1とシートP(シート束PT)の右端面との距離がAに設定され、第2綴じ位置M2とシートP(シート束PT)の左端面との距離もAに設定されている。また、第3綴じ位置M3と第4綴じ位置M4との距離はBに設定され、互いに中央位置Xから等距離に設定されている。第1綴じ装置91における綴じ部(針)の綴じ幅はCに設定され、その綴じ部右端から装置右端までの距離はDに設定されている。第2綴じ装置92における綴じ部(凹凸部)の綴じ幅はHに設定され、その綴じ部左端から装置左端までの距離はGに設定されている。
【0034】
このような設定において、図7(B)に示すように、綴じ処理の切り替えがおこなわれるときに、第1綴じ装置91が第2綴じ位置M2に位置して、第2綴じ装置92が第1綴じ位置M1に位置するものとする。このとき、2つの綴じ装置91、92の距離Jは、
J=(シートPの幅サイズ÷2-A-C-D)
+(シートPの幅サイズ÷2-A-G-H)
となる。このように、制御部で、制御モードによる綴じ処理の切り替えがおこなわれるときの2つの第1綴じ装置91、92の綴じ位置を把握することで、2つの綴じ装置91、92の距離Jを求めることができる。そして、その距離Jに基づいて、綴じ処理の切り替え時に2つの綴じ装置91、92が接触するか否かを把握することができる。
なお、距離Jがゼロ又はマイナスの値になるときに、綴じ処理の切り替え時に2つの綴じ装置91、92が接触するものと判別することができるが、関連する構成部品の部品精度や組付精度などによるバラツキを考慮して、余裕度を加味して上述の判別をおこなうことが好ましい。
【0035】
さらに詳しくは、図8を参照して、本実施の形態において、一方の綴じ装置(例えば、第1綴じ装置91)による綴じ処理の対象となるシート束PT1が載置部61に載置される前であって、一方の綴じ装置の基準位置からの移動が開始された後に、「制御モード」が実行される場合に、そのまま「制御モード」を実行しても一方の綴じ装置と他方の綴じ装置(例えば、第2綴じ装置92)とが接触しないときには、その接触しない位置からの一方の綴じ装置の移動はおこなわないように、移動手段を制御する。
このような制御の具体例として、図8(A)を参照して、先行するプリントモードとして、第1綴じ装置91を用いたものが設定されていたものとする。その先行のプリントモードの実行中において、給送部12~14(図1参照)からのシートPの給送が開始されておらず、第1綴じ装置91が第1基準位置(符号91´を付した破線で示した位置である。)から移動開始されて図8(A)の位置(図7(A)の第2綴じ位置M2に対応する位置である。)に達したときに、第2綴じ装置92によって図8(A)にて符号92´´を付した綴じ位置で綴じ処理をおこなう「割込プリントモード(制御モード)」のプリント指令がされたものとする。このとき、綴じ処理の切り替えがおこなわれるときの2つの第1綴じ装置91、92の距離Jが求められ、2つの綴じ装置91、92が接触しないことが把握される。
したがって、図8(B)に示すように、第1綴じ装置91は図8(A)の位置から移動することなく、移動停止した状態のまま、第2綴じ装置92を第2基準位置から綴じ位置に移動して、割込プリントモードに関わるシート束PT2が載置部61に載置された後に、第2綴じ装置92による綴じ処理をおこなうことになる。
そして、第2綴じ装置92による綴じ処理が完了して、第2綴じ装置92を第2基準位置に戻した後に、中断していた先行のプリントモード(シート束PT1に対する綴じ処理)を再開することになる。
【0036】
このように、綴じ処理の切り替えがおこなわれるときに、先行の綴じ処理に関わる第1綴じ装置91を第1基準位置に戻さずに、後行の綴じ処理がおこなわれることになる。さらに、中断した先行の綴じ処理を再開するときにも、綴じ位置に位置する第1綴じ装置91によってそのまま綴じ処理をおこなうことになる。したがって、2つの綴じ装置91、92が接触して破損するような不具合が生じることなく、後行の綴じ処理が完了するまでにかかる時間が短縮されるとともに、2つの綴じ処理が完了するまでにかかる時間も短縮されて、装置の全体の生産性が高められる。
なお、この具体例では、割込プリントモードに関わる綴じ処理において1箇所の綴じ位置が指定されている場合としたが、割込プリントモードに関わる綴じ処理において2箇所以上の綴じ位置が指定されている場合には、それらのすべての綴じ位置に綴じ装置が移動しても、先行の綴じ処理に関わる綴じ装置に接触しないことが確認されることになる。このことは、後で図9図10を用いて説明する具体例においても同様である。
また、この具体例では、給送部12~14からのシートPの給送が開始されていない場合に、割込プリントモードを実行したが、給送部12~14からのシートPの給送が開始されていても、それらのシートPがパージ部に一時的に貯留されるなどして、先行の綴じ処理に関わるシート束PTが載置部61に載置されていなければ、同じように割込プリントモードを実行することができる。このことは、後で図9図10を用いて説明する具体例においても同様である。
【0037】
また、図9を参照して、本実施の形態において、一方の綴じ装置(例えば、第1綴じ装置91)による綴じ処理の対象となるシート束PT1が載置部61に載置される前であって、一方の綴じ装置の基準位置からの移動が開始された後に、「制御モード」が実行される場合に、そのまま「制御モード」を実行すると一方の綴じ装置と他方の綴じ装置(例えば、第2綴じ装置92)とが接触してしまうときには、第1移動手段113~115と第2移動手段123~125とのうち対応する移動手段によって一方の綴じ装置を他方の綴じ装置に接触しない退避位置(基準位置まで達しない位置である。)まで移動させる。
このような制御の具体例として、図9(A)を参照して、先行するプリントモードとして、第1綴じ装置91を用いたものが設定されていたものとする。その先行のプリントモードの実行中において、給送部12~14(図1参照)からのシートPの給送が開始されておらず、第1綴じ装置91が第1基準位置(符号91´を付した破線で示した位置である。)から移動開始されて図9(A)の位置(図7(A)の第4綴じ位置M4に対応する位置である。)に達したときに、第2綴じ装置92によって図9(A)にて符号92´´を付した綴じ位置で綴じ処理をおこなう「割込プリントモード(制御モード)」のプリント指令がされたものとする。このとき、綴じ処理の切り替えがおこなわれるときの2つの第1綴じ装置91、92の距離Jが求められ、2つの綴じ装置91、92が接触することが把握される。
したがって、図9(B)に示すように、第1綴じ装置91は符号91´´の位置から退避位置(実線で示す位置である。)に移動して、その退避位置で移動停止した状態のまま、第2綴じ装置92を第2基準位置から綴じ位置に移動して、割込プリントモードに関わるシート束PT2が載置部61に載置された後に、第2綴じ装置92による綴じ処理をおこなうことになる。
そして、第2綴じ装置92による綴じ処理が完了して、第2綴じ装置92を第2基準位置に戻した後に、第1綴じ装置91を退避位置から図9(A)の位置に移動させて、中断していた先行のプリントモード(シート束PT1に対する綴じ処理)を再開することになる。
【0038】
このように、綴じ処理の切り替えがおこなわれるときに、先行の綴じ処理に関わる第1綴じ装置91を第1基準位置に戻さずに、その手前の退避位置に移動させて、後行の綴じ処理がおこなわれることになる。さらに、中断した先行の綴じ処理を再開するときにも、第1綴じ装置91を退避位置から綴じ位置に移動させて綴じ処理をおこなうことになる。したがって、2つの綴じ装置91、92が接触して破損するような不具合が生じることなく、後行の綴じ処理が完了するまでにかかる時間が短縮されるとともに、2つの綴じ処理が完了するまでにかかる時間も短縮されて、装置の全体の生産性が高められる。
【0039】
さらに、図10を参照して、本実施の形態において、一方の綴じ装置(例えば、第1綴じ装置91)による綴じ処理の対象となるシート束PT1が載置部61に載置される前であって、一方の綴じ装置の基準位置からの移動が開始された後に、「制御モード」が実行される場合に、そのまま「制御モード」を実行すると一方の綴じ装置と他方の綴じ装置(例えば、第2綴じ装置92)とが接触してしまうときであって、他方の綴じ装置による綴じ処理の対象となるシート束PT2が載置部61に表裏逆転して載置された状態で所望の綴じ位置に他方の綴じ装置による綴じ処理をおこなえば一方の綴じ装置と他方の綴じ装置とが接触しないときには、その接触しない位置からの一方の綴じ装置の移動はおこなわずに、他方の綴じ装置による綴じ処理の対象となるシート束PT2を載置部61に表裏逆転して載置して「制御モード」を実行している。
このような制御の具体例として、図10(A)を参照して、先行するプリントモードとして、第1綴じ装置91を用いたものが設定されていたものとする。その先行のプリントモードの実行中において、給送部12~14(図1参照)からのシートPの給送が開始されておらず、第1綴じ装置91が第1基準位置(符号91´を付した破線で示した位置である。)から移動開始されて図10(A)の位置(図7(A)の第2綴じ位置M2に対応する位置である。)に達したときに、第2綴じ装置92によって図10(A)にて符号92´´を付した綴じ位置で綴じ処理をおこなう「割込プリントモード(制御モード)」のプリント指令がされたものとする。このとき、綴じ処理の切り替えがおこなわれるときの2つの第1綴じ装置91、92の距離Jが求められ、2つの綴じ装置91、92が接触することが把握される。
このとき、第2綴じ装置91による綴じ処理の対象となるシート束PT2が表裏逆転した状態(裏返された状態)となって綴じ位置が図10(A)にて符号92´´を付した位置から符号92´´´を付した位置に変位したときの、2つの第1綴じ装置91、92の距離Jが求められ、2つの綴じ装置91、92が接触しないことが把握される。
したがって、図10(B)に示すように、第1綴じ装置91は図10(A)の位置から移動することなく、移動停止した状態のまま、第2綴じ装置92を第2基準位置から綴じ位置に移動して、割込プリントモードに関わるシート束PT2が表裏逆転した状態で載置部61に載置された後に、第2綴じ装置92による綴じ処理をおこなうことになる。
そして、第2綴じ装置92による綴じ処理が完了して、第2綴じ装置92を第2基準位置に戻した後に、中断していた先行のプリントモード(シート束PT1に対する綴じ処理)を再開することになる。
【0040】
このように、綴じ処理の切り替えがおこなわれるときに、先行の綴じ処理に関わる第1綴じ装置91を第1基準位置に戻さずに、後行の綴じ処理がおこなわれることになる。さらに、中断した先行の綴じ処理を再開するときにも、綴じ位置に位置する第1綴じ装置91によってそのまま綴じ処理をおこなうことになる。したがって、2つの綴じ装置91、92が接触して破損するような不具合が生じることなく、後行の綴じ処理が完了するまでにかかる時間が短縮されるとともに、2つの綴じ処理が完了するまでにかかる時間も短縮されて、装置の全体の生産性が高められる。
【0041】
ここで、図10を用いて説明したような制御を実行しようとしたときに、制御モード(割込プリントモード)に関わるシート束PT2を表裏逆転しても、2つの綴じ装置91、92が接触してしまうような場合には、シート束PT2の表裏逆転はおこなわずに、図9を用いて説明した制御をおこなうことになる。
すなわち、一方の綴じ装置(例えば、第1綴じ装置91)による綴じ処理の対象となるシート束PT1が載置部61に載置される前であって、一方の綴じ装置の基準位置からの移動が開始された後に、「制御モード」が実行される場合に、そのまま「制御モード」を実行すると一方の綴じ装置と他方の綴じ装置(例えば、第2綴じ装置92)とが接触してしまうときであって、他方の綴じ装置による綴じ処理の対象となるシート束PT2が載置部61に表裏逆転して載置された状態で所望の綴じ位置に他方の綴じ装置による綴じ処理をおこなっても一方の綴じ装置と他方の綴じ装置とが接触してしまうときには、第1移動手段113~115と第2移動手段123~125とのうち対応する移動手段によって一方の綴じ装置を他方の綴じ装置に接触しない退避位置(基準位置まで達しない位置である。)まで移動させる。
これにより、装置の全体の生産性が高められる。
【0042】
ここで、図10を用いて説明したような制御を実行しようとしたときに、制御モード(割込プリントモード)に関わる後行の綴じ処理にて用いられる「他方の綴じ装置」は、図10にて具体例としたように、針を用いない綴じ処理をおこなうように構成された第2綴じ装置92であることが好ましい。
これは、第2綴じ装置92による綴じ処理であれば、綴じ処理の対象となるシート束PTが表裏逆転されても、綴じ処理後の見映えがほとんど変わらないためである。
【0043】
これに対して、図10を用いて説明したような制御を実行しようとしたときに、制御モード(割込プリントモード)に関わる後行の綴じ処理にて用いられる「他方の綴じ装置」を、針を用いた綴じ処理をおこなうように構成された第1綴じ装置91とする場合には、綴じ処理の対象となるシート束PTが表裏逆転されてしまうと、明らかに針を打ち込んだ方向が逆転していることがわかり、綴じ処理後の見映えが変化してしまう。
そのため、第1綴じ装置91(他方の綴じ装置)による綴じ処理の対象となるシート束PT2を載置部61に表裏逆転して載置して「制御モード」が実行可能であるときに、その実行の可否を選択可能に構成することが好ましい。
具体的に、そのような場合に、操作表示パネル49に、制御モードとしての割込プリントモード(又は、予約プリントモード)をおこなうことによって綴じ処理後のシート束PT2の見映えが悪くなる旨を表示するとともに、そのまま見映えの悪い綴じ処理をおこなうか否かをユーザーが選択するための表示をする。
このような制御をおこなうことで、ユーザーの選択肢を広げることができる。
【0044】
ここで、図10を用いて説明したような制御において、シート束PT2の表裏逆転をおこなうときには、画像形成装置1でのプリント順(ページ順)が、表裏逆転をおこなわない通常時のものと逆になる。
詳しくは、通常時には、画像形成装置1でのプリントが最後のページのものから順におこなわれて、載置部61において最後のページのものからプリント面(画像面)を上方にして順に積載されることになる。
これに対して、表裏逆転時には、画像形成装置1でのプリントが最初のページのものから順におこなわれて、両面搬送部30(図1参照)で表裏が反転されて、載置部61において最初のページのものからプリント面(画像面)を下方にして順に積載されることになる。
【0045】
最後に、図11図12のフローチャートを用いて、2つの綴じ処理の切替えに関わる制御の一例について説明する。
まず、図11に示すように、操作表示パネル49の操作によって割込プリントモードが指令されると(ステップS1)、先行ジョブ(先行のプリントモードの綴じ処理)に関わる一方の綴じ装置が基準位置から移動を開始するとともに給送部12~14からのシートPの通紙(給送)が開始されていないかが判別される(ステップS2)。
その結果、綴じ装置の移動開始後であってシートPの通紙前であるものと判別された場合には、綴じ処理の切替えがおこなわれたときに2つの綴じ装置91、92が接触する可能性があるかが判別される(ステップS3)。その結果、2つの綴じ装置91、92が接触する可能性があるものと判別された場合には、後行の綴じ処理(割込プリントモード)に関わるシート束PT2を表裏逆転しても2つの綴じ装置91、92が接触する可能性があるかが判別される(ステップS4)。その結果、シート束PT2を表裏逆転しても2つの綴じ装置91、92が接触する可能性があるものと判別された場合には、先行の綴じ処理に関わる一方の綴じ装置を退避位置(基準位置の手前の位置である。)に移動して、後行の綴じ処理(割込プリントモード)に関わる他方の綴じ装置による綴じ処理を実行する(ステップS5、S6)。
そして、後行の綴じ処理(割込プリントモード)に関わる綴じ処理が終了した後に、他方の綴じ装置を基準位置に戻して、一方の綴じ装置を退避位置から所望の綴じ位置に移動して、中断していた先行の綴じ処理を実行する(ステップS7)。そして、先行の綴じ処理に関わる綴じ処理が終了した後に、一方の綴じ装置を基準位置に戻して、本フローを終了する。
【0046】
これに対して、ステップS3にて、2つの綴じ装置91、92が接触する可能性がないものと判別された場合には、先行の綴じ処理に関わる一方の綴じ装置を移動することなく、後行の綴じ処理(割込プリントモード)に関わる他方の綴じ装置による綴じ処理を実行する(ステップS8)。
そして、後行の綴じ処理(割込プリントモード)に関わる綴じ処理が終了した後に、他方の綴じ装置を基準位置に戻して、一方の綴じ装置によって中断していた先行の綴じ処理を実行する(ステップS9)。そして、先行の綴じ処理に関わる綴じ処理が終了した後に、一方の綴じ装置を基準位置に戻して、本フローを終了する。
これに対して、ステップS4にて、シート束PT2を表裏逆転すれば2つの綴じ装置91、92が接触する可能性がないものと判別された場合には、先行の綴じ処理に関わる一方の綴じ装置を移動することなく、シート束PTの表裏逆転をおこなって後行の綴じ処理(割込プリントモード)に関わる他方の綴じ装置による綴じ処理を実行する(ステップS10)。
そして、後行の綴じ処理(割込プリントモード)に関わる綴じ処理が終了した後に、他方の綴じ装置を基準位置に戻して、一方の綴じ装置によって中断していた先行の綴じ処理を実行する(ステップS9)。そして、先行の綴じ処理に関わる綴じ処理が終了した後に、一方の綴じ装置を基準位置に戻して、本フローを終了する。
【0047】
これに対して、ステップ2にて、綴じ装置の移動開始後であってシートPの通紙前であるものと判別されなかった場合には、綴じ処理の切替えがおこなわれたときに2つの綴じ装置91、92が接触する可能性があるかが判別される(ステップS12)。
また、操作表示パネル49の操作によって予約プリントモードが指令された場合にも(ステップS11)、綴じ処理の切替えがおこなわれたときに2つの綴じ装置91、92が接触する可能性があるかが判別される(ステップS12)。
その結果、ステップS12で、2つの綴じ装置91、92が接触する可能性があるものと判別された場合には、後行の綴じ処理(割込プリントモード)に関わるシート束PT2を表裏逆転しても2つの綴じ装置91、92が接触する可能性があるかが判別される(ステップS13)。その結果、シート束PT2を表裏逆転しても2つの綴じ装置91、92が接触する可能性があるものと判別された場合には、先行の綴じ処理に関わる一方の綴じ装置による綴じ処理を実行する(ステップS15)。
そして、先行の綴じ処理に関わる綴じ処理が終了した後に、一方の綴じ装置を基準位置に戻して、後行の綴じ処理(割込プリントモード又は予約プリントモード)に関わる他方の綴じ装置による綴じ処理を実行する(ステップS16)。そして、後行の綴じ処理に関わる綴じ処理が終了した後に、他方の綴じ装置を基準位置に戻して、本フローを終了する。
これに対して、ステップS12にて、2つの綴じ装置91、92が接触する可能性がないものと判別された場合には、先行の綴じ処理に関わる一方の綴じ装置による綴じ処理を実行する(ステップS15)。
そして、先行の綴じ処理に関わる綴じ処理が終了した後に、一方の綴じ装置を基準位置に戻して、後行の綴じ処理(割込プリントモード又は予約プリントモード)に関わる他方の綴じ装置による綴じ処理を実行する(ステップS16)。そして、後行の綴じ処理に関わる綴じ処理が終了した後に、他方の綴じ装置を基準位置に戻して、本フローを終了する。
これに対して、ステップS13にて、シート束PT2を表裏逆転すれば2つの綴じ装置91、92が接触する可能性がないものと判別された場合には、先行の綴じ処理に関わる一方の綴じ装置を移動することなく、シート束PTの表裏逆転をおこなって後行の綴じ処理(割込プリントモード又は予約プリントモード)に関わる他方の綴じ装置による綴じ処理を実行する(ステップS14)。そして、その綴じ処理に関わる綴じ処理が終了した後に、他方の綴じ装置を基準位置に戻して、本フローを終了する。
【0048】
以上説明したように、本実施の形態における後処理装置50は、複数のシートPがシート束PTとして載置される載置部61と、第1移動手段113~115によって第1基準位置から所望の綴じ位置に移動されて載置部61に載置されたシート束PTに対して綴じ処理をおこなう第1綴じ装置91と、第2移動手段123~125によって第2基準位置から所望の綴じ位置に移動されて載置部61に載置されたシート束PTに対して綴じ処理をおこなう第2綴じ装置92と、が設置されている。そして、第1綴じ装置91と第2綴じ装置92とのうち一方の綴じ装置による綴じ処理の対象となるシート束PTが載置部61に載置される前であって、一方の綴じ装置の第1基準位置及び第2基準位置のうち対応する基準位置からの移動が開始された後に、一方の綴じ装置による綴じ処理に替わって他方の綴じ装置による綴じ処理をおこなう制御モードが実行される場合に、その一方の綴じ装置を基準位置まで戻すことなく、一方の綴じ装置と他方の綴じ装置とが接触しない状態で、制御モードが実行される。
これにより、後処理装置50の生産性を高めることができる。
【0049】
なお、本実施の形態では、第1綴じ処理部90に対して本発明を適用したが、第2綴じ処理部83に対しても当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、モノクロの画像形成装置1に接続される後処理装置50に対して本発明を適用したが、カラーの画像形成装置に接続される後処理装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、電子写真方式の画像形成装置1に接続される後処理装置50に対して本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されることなく、その他の方式の画像形成装置(例えば、インクジェット方式の画像形成装置や、孔版印刷機などである。)に接続される後処理装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
さらには、画像形成装置1に接続された後処理装置50ではなく、単独の装置としての後処理装置(たとえば、搬入口50aに給紙カセットがセットされていて、後処理装置自体に処理モード等を入力する操作表示パネルが設置されているものである。)に対しても、本発明を適用することができる。
そして、それらの場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
【0050】
また、本実施の形態において、画像形成装置1と後処理装置50との間に、別の後処理装置(例えば、シートPに対してZ折り処理をおこなう装置である。)を設置することもできる。
また、本実施の形態では、綴じ処理と仕分け処理と折り処理とをおこなうことができる後処理装置50に対して本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されることなく、穿孔処理(パンチ処理)をもおこなう後処理装置や、上述した複数の処理のうち綴じ処理のみをおこなう後処理装置に対しても、当然に本発明を適用することができる。
【0051】
また、本実施の形態では、幅方向(綴じ装置91、92が移動する方向である。)を搬送方向に直交する方向とした綴じ処理部90に対して本発明を適用したが、幅方向(綴じ装置91、92が移動する方向である。)を搬送方向とした綴じ装置に対しても、当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、第1綴じ装置91を針(金属針)を用いた綴じ処理動作をおこなうものとして、第2綴じ装置91を針(金属針)を用いないで綴じ処理動作をおこなうものとしたが、2つの綴じ装置91、92を上述した組み合わせ以外のものとすることもできる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態のものとほぼ同様の効果を得ることができる。
【0052】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【0053】
なお、本願明細書等において「シート」とは、用紙はもちろんのこと、綴じ処理の対象となるすべてのシート状部材を含むものと定義する。
【符号の説明】
【0054】
1 画像形成装置(画像形成装置本体)、
50 後処理装置、
61 載置部、
66 フェンス部(整合手段)、
68 ジョガーフェンス(整合手段)、
90 綴じ処理部、
91 第1綴じ装置(第1綴じ手段)、
92 第2綴じ装置(第2綴じ手段)、
101、102 位置検知センサ(位置検知手段)、
110 第1駆動モータ(第1移動手段)、
120 第2駆動モータ(第2移動手段)、
200 画像形成システム、
M1~M3、N1~N3 綴じ位置、
P シート、 PT シート束。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0055】
【文献】特開2018-199576号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12