IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ディスコの特許一覧 ▶ 電気化学工業株式会社の特許一覧

特許7426373裏面研削用粘着シート及び半導体ウエハの製造方法
<>
  • 特許-裏面研削用粘着シート及び半導体ウエハの製造方法 図1
  • 特許-裏面研削用粘着シート及び半導体ウエハの製造方法 図2
  • 特許-裏面研削用粘着シート及び半導体ウエハの製造方法 図3
  • 特許-裏面研削用粘着シート及び半導体ウエハの製造方法 図4
  • 特許-裏面研削用粘着シート及び半導体ウエハの製造方法 図5
  • 特許-裏面研削用粘着シート及び半導体ウエハの製造方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-24
(45)【発行日】2024-02-01
(54)【発明の名称】裏面研削用粘着シート及び半導体ウエハの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20240125BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20240125BHJP
   B24B 7/00 20060101ALI20240125BHJP
   B24B 41/06 20120101ALI20240125BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20240125BHJP
   C09J 201/00 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
H01L21/304 622J
H01L21/304 631
H01L21/68 N
B24B7/00 Z
B24B41/06 L
C09J7/38
C09J201/00
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021502185
(86)(22)【出願日】2020-02-21
(86)【国際出願番号】 JP2020007032
(87)【国際公開番号】W WO2020175364
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2022-11-29
(31)【優先権主張番号】P 2019032961
(32)【優先日】2019-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(73)【特許権者】
【識別番号】000003296
【氏名又は名称】デンカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】プリーヴァッサー カール ハインツ
(72)【発明者】
【氏名】津久井 友也
(72)【発明者】
【氏名】金井 朋之
(72)【発明者】
【氏名】齊籐 岳史
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/181240(WO,A1)
【文献】特開2003-64329(JP,A)
【文献】特開2013-243223(JP,A)
【文献】特開2017-50536(JP,A)
【文献】特開2018-195805(JP,A)
【文献】特表2018-526826(JP,A)
【文献】国際公開第2012/165551(WO,A1)
【文献】特開2019-65168(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
H01L 21/683
B24B 7/00
B24B 41/06
C09J 7/38
C09J 201/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
凸部を有する半導体ウエハの裏面研削用粘着シートであって、
非粘着性のクッション層と、前記クッション層上に設けられた粘着剤層を備え
前記粘着剤層は、前記半導体ウエハの直径よりも小径の開口部を有し、前記半導体ウエハの凸部が前記開口部内に配置されるように前記半導体ウエハの外周部が前記粘着剤層に貼着され、
前記半導体ウエハが前記粘着剤層に貼着された状態で前記凸部が前記クッション層によって保護されるように構成され、
以下の条件(1)~(2)の少なくとも一方を充足する、粘着シート。
(1)前記クッション層は、JIS Z 1702に準じたダンベルを用いて打ち抜き、標線間距離40mm、引張速度300mm/minで25%伸張した時の引張応力が2~30N/10mmとなるように構成される。
(2)前記クッション層は、メルトフローレート(JIS K 7210、125℃/10.0kg荷重)が0.2~30g/10minであり、融点が60~110℃である熱可塑性樹脂で構成される。
【請求項2】
前記凸部は、前記クッション層に埋入されることによって保護される、請求項1に記載の粘着シート。
【請求項3】
前記半導体ウエハは、減圧下で前記粘着剤層に貼着される、請求項1又は請求項2に記載の粘着シート。
【請求項4】
前記クッション層の厚さが50~300μmであり、前記粘着剤層の厚さが1~100μmである、請求項1~請求項3の何れか1つに記載の粘着シート。
【請求項5】
前記クッション層側に硬化性樹脂と支持フィルムを積層して使用される、請求項1~請求項4の何れか1つに記載の粘着シート。
【請求項6】
前記硬化性樹脂の硬化前の粘度が100~3000mPa・s、前記硬化性樹脂の硬化後のショアD硬度が5~72である、請求項5に記載の粘着シート。
【請求項7】
前記凸部の高さをTd(μm)とすると、前記硬化性樹脂の厚さは、(Td+20)~(Td+200)μmである、請求項5又は請求項6に記載の粘着シート。
【請求項8】
前記粘着シートは、前記硬化性樹脂を含む硬化性樹脂層と、前記支持フィルムを備え、
前記硬化性樹脂層は、前記粘着剤層とは反対側の面において、前記クッション層と前記支持フィルムの間に設けられる、請求項5~請求項7の何れか1つに記載の粘着シート。
【請求項9】
前記粘着シートは、前記硬化性樹脂層を取り囲むように設けられた硬化樹脂層を備える、請求項8に記載の粘着シート。
【請求項10】
請求項1~請求項9の何れか1つに記載の粘着シートを用いた半導体ウエハの製造方法であって、
フレーム貼付工程と、ウエハ貼付工程と、切断工程と、樹脂硬化工程と、研削工程と、剥離工程を備え、
前記フレーム貼付工程では、リングフレームに前記粘着シートを貼り付け、
前記ウエハ貼付工程では、前記半導体ウエハの凸部が設けられた面に前記粘着シートを減圧下で半導体ウエハの外周部に貼り付け、
前記切断工程では、前記粘着シートを前記半導体ウエハの外周に沿って切断し、
前記樹脂硬化工程では、前記クッション層を硬化性樹脂に当接させた状態で前記硬化性樹脂を硬化させ、
前記研削工程では、前記半導体ウエハの裏面を研削し、
前記剥離工程では、前記半導体ウエハから前記粘着シートを剥離し、
以下の条件(A)~(B)の少なくとも一方を充足する、半導体ウエハの製造方法。
(A)前記条件(1)を充足する。
(B)前記条件(2)を充足し、且つ前記クッション層を60~150℃に加温する加温工程を備える。
【請求項11】
前記クッション層は、JIS Z 1702に準じたダンベルを用いて打ち抜き、標線間距離40mm、引張速度300mm/minで25%伸張した時の引張応力が2~30N/10mmとなるように構成される、請求項10に記載の半導体ウエハの製造方法。
【請求項12】
前記硬化性樹脂の硬化前の粘度が100~3000mPa・s、前記硬化性樹脂の硬化後のショアD硬度が5~72である、請求項10又は請求項11に記載の半導体ウエハの製造方法。
【請求項13】
前記ウエハ貼付工程と前記樹脂硬化工程の間にプレス工程を備え、
前記プレス工程では、支持フィルム上に供給した前記硬化性樹脂に前記粘着シートを対面させた状態で前記粘着シートを移動させることによって前記硬化性樹脂を押し広げる、請求項10~請求項12の何れか1つに記載の半導体ウエハの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、裏面研削用粘着シート及びこれを用いた半導体ウエハの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハを加工する際、破損から保護するため、粘着シートが貼着される。例えば、半導体ウエハを加工する際の裏面研削(バックグラインド)工程、粘着シートを貼着して、パターン面を保護している。粘着シートには、突起電極(バンプ)のような凹凸を有するパターン面に対する粘着性、パターン面保護の信頼性の観点から、パターン面の凹凸に対する追従性(段差追従性)が求められる。
【0003】
粘着シートに追従性を持たせるために、粘着剤厚の厚化や基材フィルムと粘着剤の間にクッション性のある柔軟な樹脂層を設けたものが市場では一般的であるが、パターン面の凹凸が大きい場合は追従性不足や糊残りのリスクが高まる。
【0004】
特許文献1では、基材シートの片面に、貼付する半導体ウエハの外径よりも小径の非粘着部と、該非粘着部を囲繞する粘着部とを有するように粘着シートを構成し、粘着部の23℃における粘着力を500mN以上にすることによって、糊残りを防ぎつつ、保護機能の低下を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-211438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の構成では、半導体ウエハに設けられた突起電極の先端のみが基材シートに当接した状態で半導体ウエハの裏面研削が行われるので、裏面研削の際に突起電極に過大な負荷が加わって突起電極が破損する虞がある。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、半導体ウエハに設けられた凸部を適切に保護しつつ、裏面研削を適切に行うことが可能な裏面研削用粘着シートを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、凸部を有する半導体ウエハの裏面研削用粘着シートであって、非粘着性のクッション層と、前記クッション層上に設けられた粘着剤層を備え前記粘着剤層は、前記半導体ウエハの直径よりも小径の開口部を有し、前記半導体ウエハの凸部が前記開口部内に配置されるように前記半導体ウエハの外周部が前記粘着剤層に貼着され、前記半導体ウエハが前記粘着剤層に貼着された状態で前記凸部が前記クッション層によって保護されるように構成され、以下の条件(1)~(2)の少なくとも一方を充足する、粘着シートが提供される。
(1)前記クッション層は、JISZ1702に準じたダンベルを用いて打ち抜き、標線間距離40mm、引張速度300mm/minで25%伸張した時の引張応力が2~30N/10mmとなるように構成される。
(2)前記クッション層は、メルトフローレート(JISK7210、125℃/10.0kg荷重)が0.2~30g/10minであり、融点が60~110℃である熱可塑性樹脂で構成される。
【0009】
本発明らが鋭意検討を行ったところ、粘着シートのクッション層の引張応力を上記範囲にするか又は粘着シートのクッション層を構成する熱可塑性樹脂のMFR及び粘度を上記範囲にした上で、半導体ウエハの凸部が粘着剤層の開口部内に配置されるように半導体ウエハの外周部を粘着剤層に貼着させ、且つ半導体ウエハの凸部をクッション層で保護させた状態で、裏面研削を行うことによって、半導体ウエハに設けられた凸部を適切に保護しつつ、裏面研削を適切に行うことができることを見出し、本発明の完成に到った。
【0010】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記凸部は、前記クッション層に埋入されることによって保護される、前記記載の粘着シートである。
好ましくは、前記半導体ウエハは、減圧下で前記粘着剤層に貼着される、前記記載の粘着シートである。
好ましくは、前記クッション層の厚さが50~300μmであり、前記粘着剤層の厚さが1~100μmである、前記記載の粘着シートである。
好ましくは、前記クッション層側に硬化性樹脂と支持フィルムを積層して使用される、前記記載の粘着シートである。
好ましくは、前記硬化性樹脂の硬化前の粘度が100~3000mPa・s、前記硬化性樹脂の硬化後のショアD硬度が5~72である、前記記載の粘着シートである。
好ましくは、前記凸部の高さをTd(μm)とすると、前記硬化性樹脂の厚さは、(Td+20)~(Td+200)μmである、前記記載の粘着シートである。
好ましくは、前記粘着シートは、前記硬化性樹脂を含む硬化性樹脂層と、前記支持フィルムを備え、前記硬化性樹脂層は、前記粘着剤層とは反対側の面において、前記クッション層と前記支持フィルムの間に設けられる、前記記載の粘着シートである。
好ましくは、前記粘着シートは、前記硬化性樹脂層を取り囲むように設けられた硬化樹脂層を備える、前記記載の粘着シートである。
好ましくは、前記記載の粘着シートを用いた半導体ウエハの製造方法であって、フレーム貼付工程と、ウエハ貼付工程と、切断工程と、樹脂硬化工程と、研削工程と、剥離工程を備え、前記フレーム貼付工程では、リングフレームに前記粘着シートを貼り付け、前記ウエハ貼付工程では、前記半導体ウエハの凸部が設けられた面に前記粘着シートを減圧下で半導体ウエハの外周部に貼り付け、前記切断工程では、前記粘着シートを前記半導体ウエハの外周に沿って切断し、前記樹脂硬化工程では、前記クッション層を硬化性樹脂に当接させた状態で前記硬化性樹脂を硬化させ、前記研削工程では、前記半導体ウエハの裏面を研削し、前記剥離工程では、前記半導体ウエハから前記粘着シートを剥離し、以下の条件(A)~(B)の少なくとも一方を充足する、半導体ウエハの製造方法である。(A)前記条件(1)を充足するである。(B)前記条件(2)を充足し、且つ前記クッション層を60~150℃に加温する加温工程を備えるである。
好ましくは、前記クッション層は、JISZ1702に準じたダンベルを用いて打ち抜き、標線間距離40mm、引張速度300mm/minで25%伸張した時の引張応力が2~30N/10mmとなるように構成される、前記記載の半導体ウエハの製造方法である。
好ましくは、前記硬化性樹脂の硬化前の粘度が100~3000mPa・s、前記硬化性樹脂の硬化後のショアD硬度が5~72である、前記記載の半導体ウエハの製造方法である。
好ましくは、前記ウエハ貼付工程と前記樹脂硬化工程の間にプレス工程を備え、前記プレス工程では、支持フィルム上に供給した前記硬化性樹脂に前記粘着シートを対面させた状態で前記粘着シートを移動させることによって前記硬化性樹脂を押し広げる、前記記載の半導体ウエハの製造方法である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1A図1Dは、本発明の第1及び第3実施形態の粘着シート10を用いた半導体ウエハの製造方法を示す断面図である。
図2図2A図2Eは、本発明の第1及び第3実施形態の粘着シート10を用いた半導体ウエハの製造方法を示す断面図である。
図3】本発明の第2及び第4実施形態の粘着シート10を示す断面図である。
図4図4A図4Cは、本発明の第2及び第4実施形態の粘着シート10の製造方法を示す断面図である。
図5図5A図5Dは、本発明の第2及び第4実施形態の粘着シート10を用いた半導体ウエハの製造方法を示す断面図である。
図6図6A図6Dは、本発明の第2及び第4実施形態の粘着シート10を用いた半導体ウエハの製造方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
【0013】
1.第1実施形態
1-1.粘着シート
図1A図2Eを用いて、本発明の第1実施形態の粘着シート10について説明する。本実施形態の粘着シート10は、凸部を有する半導体ウエハの裏面研削用粘着シートであり、加温なしで利用することが想定されている「加温なし」タイプである。本実施形態の粘着シート10は、非粘着性のクッション層1とこの上に設けられた粘着剤層2を備え、凸部5を有する半導体ウエハ4の裏面4bを研削する際に用いられる。この粘着シート10は、クッション層1側に硬化性樹脂8と支持フィルム7を積層して使用されることが好ましい。以下、各構成について説明する。
【0014】
<クッション層1>
クッション層1は、半導体ウエハ4の凸部5を保護するための層であり、引張応力が2~30N/10mmとなるように構成されることが好ましい。引張応力が2N/10mm以上の場合に粘着シート10のハンドリング性が良好になる。引張応力が30N/10mm以下の場合に半導体ウエハ4の凸部5がクッション層1に埋入されやすくなり、凸部5を適切に保護することが可能になる。クッション層1の引張応力は、3~15N/10mmが好ましい。引張応力は、JIS Z 1702に準じたダンベルを用いてクッション層1を打ち抜き、標線間距離40mm、引張速度300mm/minで25%伸張した時の引張応力を意味する。
【0015】
クッション層1の厚さは、50~300μmが好ましく、50~100μmがさらに好ましい。
【0016】
クッション層1は、熱可塑性樹脂で構成されることが好ましい。この熱可塑性樹脂の組成は、特に限定されないが、エチレン-メタクリル酸-アクリル酸エステルの3元共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体等の単体及び/又は複合体のカルボキシル基をナトリウムイオン、リチウムイオン、マグネシウムイオン等の金属イオンで架橋したアイオノマ樹脂、ポリプロピレン樹脂にスチレン-ブタジエン共重合ゴム、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合ゴム、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合ゴム、エチレン-プロピレンゴム等をブレンドした軟質ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン、低密度ポリエチレン、エチレン-プロピレンブロック共重合体、エチレン-プロピレンランダム共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-1オクテン共重合体、エチレン-スチレン共重合体、エチレン-スチレン-ジエン共重合体、ポリブテンなどが使用可能である。中でもエチレン-スチレン共重合体が好ましい。
【0017】
上記熱可塑性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、10,000~1,000,000が好ましく、30,000~500,000がさらに好ましい。なお、重量平均分子量(Mw)とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定されるポリスチレン換算の値であり、下記記載の測定条件における測定値である。
装置名:SYSTEM-21 Shodex(昭和電工社製)
カラム:PL gel MIXED-Bを3本直列
温度:40℃
検出:示差屈折率
溶媒:テトラヒドロフラン
濃度:2質量%
検量線:標準ポリスチレン(PS)(PL社製)を用いて作製した。
【0018】
<粘着剤層2>
粘着剤層2は、粘着シート10を半導体ウエハ4に貼着させるための層であり、粘着剤によって形成される。粘着剤層2は、半導体ウエハ4の直径よりも小径の開口部2aを有する。つまり、粘着剤層2は、環状に形成される。開口部2aは、粘着剤が設けられていない部位であり、半導体ウエハ4の直径よりも小径である。開口部2aの直径/半導体ウエハ4の直径は、0.950~0.995が好ましく、0.960~0.990がさらに好ましい。
【0019】
半導体ウエハ4の凸部5が開口部2a内に配置されるように半導体ウエハ4の外周部4aが粘着剤層2に貼着される。このため、凸部5は粘着剤には接触しないので、凸部5への糊残りが防止される。
【0020】
粘着剤層2の幅は、10~100mmが好ましく、30~70mmがさらに好ましい。粘着剤層2の厚さは、1~100μmが好ましく、5~50μmがさらに好ましい。
【0021】
粘着剤は、アクリル系粘着剤が好ましく、その組成は特に限定されないが、例えばブチル(メタ)アクリレート、2-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、アクリロイルモルフォリン、イソボルニルアクリレート等の(メタ)アクリル単量体や官能基含有単量体として、ヒドロキシル基を有する2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及び2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマール酸、アクリルアミドN-グリコール酸、及びケイ皮酸等、エポキシ基を有するアリルグリシジルエーテル、及び(メタ)アクリル酸グリシジルエーテル等が挙げられる。粘着剤には硬化剤を配合することが好ましい。硬化剤としては多官能イソシアネート硬化剤や多官能エポキシ硬化剤等が挙げられる。硬化剤が官能基と反応すると、官能基を基点とした架橋構造を取ることで粘着剤の凝集力が上がり、糊残りを抑制できる。さらに、1,2-ポリブタジエン末端ウレタン(メタ)アクリレート、前記水素添加物、1,4-ポリブタジエン末端ウレタン(メタ)アクリレート、ポリイソプレン末端(メタ)アクリレート、ポリエステル系ウレタン(メタ)アクリート、ポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ビスA型エポキシ(メタ)アクリレートなどのオリゴマー/ポリマーを末端又は側鎖に1個以上(メタ)アクロイル化した(メタ)アクリレートを使用してもよい。
【0022】
粘着剤層2は、例えば一般的なコンマ塗工、グラビア塗工、ロール塗工、スクリーン塗工などの塗工方式によって、粘着剤をクッション層1上に塗工することによって又は剥離フィルム上に塗布し、クッション層1に転写することによって形成することができる。
【0023】
<半導体ウエハ4>
半導体ウエハ4は、凸部5を有する。凸部5は、半導体ウエハ4の面外方向に突出する任意の構造体である。凸部5の例としては、突起電極や、凹凸を有する回路の凸部などが挙げられる。
【0024】
半導体ウエハ4としては、シリコンウエハのみならず、ゲルマニウムウエハ、ガリウム-ヒ素ウエハ、ガリウム-リンウエハ、ガリウム-ヒ素-アルミニウムウエハ等が挙げられる。半導体ウエハ4の直径は、好ましくは、1~16インチであり、4~12インチが好ましい。半導体ウエハ4の厚さは、特に制限はないが、500~800μmが好ましく、520~775μmがより好ましい。
【0025】
凸部5の高さは、10~500μmが好ましく、100~300μmがさらに好ましい。凸部5は、ハンダによって形成されることが好ましい。
【0026】
半導体ウエハ4は、凸部5が設けられていない外周部4aを有することが好ましい。外周部4aの幅は、1.0~3.0mmが好ましく、1.5~2.5mmがさらに好ましい。
【0027】
凸部5を有する半導体ウエハ4を用いた最終製品としては、ロジック用、メモリ用、センサー用、電源用等の電子部品が挙げられる。
【0028】
<硬化性樹脂8>
硬化性樹脂8は、エネルギー線(例:紫外線)や熱などの刺激によって硬化する樹脂である。硬化性樹脂8は、クッション層1と支持フィルム7の間に配置される。
【0029】
硬化性樹脂8は、硬化前の粘度が100~3000mPa・sであり、200~1000mPa・sであることが好ましい。粘度が100mPa・s以上である場合に硬化性樹脂8が面接触ではなく点接触となり、プレス工程で気泡が混入することが抑制され、研削性が優れる。粘度が3000mPa・s以下である場合、硬化性樹脂8が隣接する凸部5の間を流れる際に気泡を巻き込みにくいので研削性が優れる。粘度は、E型粘度計を用いて、23℃及び50rpmの条件で測定する。
【0030】
硬化性樹脂8は、硬化後のショアD硬度が5~72であることが好ましく、5~70であることがさらに好ましく、10~60であることがさらに好ましい。ショアD硬度が5以上である場合、凸部5の保持性が高いために研削性が優れる。ショアD硬度が72以下である場合、粘着シート10を半導体ウエハ4から剥離する際に粘着シート10を湾曲させやすい。ショアD硬度は、JIS K 6253に準拠した条件で測定する。
【0031】
硬化性樹脂8は、光硬化性樹脂が好ましく、紫外線硬化性樹脂がさらに好ましい。
【0032】
硬化性樹脂8は、アクリル系樹脂をベースとするものが好ましく、その組成は、特に限定されないが、例えばブチル(メタ)アクリレート、2-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、アクリロイルモルフォリン、イソボルニルアクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマール酸、アクリルアミドN-グリコール酸、ケイ皮酸、アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸グリシジルエーテル、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、アクリロイルモルフォリン、イソボルニルアクリレート等が挙げられる。さらに2官能(メタ)アクリレートモノマーとして、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、2-エチル-2-ブチル-プロパンジオール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリストールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキシテトラエトキシフェニル)プロパン等が挙げられ、3官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、トメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロイキシエチル]イソシアヌレート等が挙げられ、4官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとしては、ジメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。さらに、1,2-ポリブタジエン末端ウレタン(メタ)アクリレート、前記水素添加物、1,4-ポリブタジエン末端ウレタン(メタ)アクリレート、ポリイソプレン末端(メタ)アクリレート、ポリエステル系ウレタン(メタ)アクリート、ポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ビスA型エポキシ(メタ)アクリレートなどのオリゴマー/ポリマーを末端又は側鎖に1個以上(メタ)アクロイル化した(メタ)アクリレートが挙げられる。中でも1,2-水添ポリブタジエン末端ウレタン(メタ)アクリレート、イソボルニルアクリレート、ジエチルアクリルアミドを含む硬化性樹脂がクッション層1と支持フィルム7との接着性を向上させることができるため好ましい。
【0033】
硬化性樹脂8の硬化収縮率は、7%以下であることが好ましい。
【0034】
凸部5の高さをTd(μm)とすると、硬化性樹脂8の厚さは、(Td+20)~(Td+200)μmが好ましく、(Td+50)~(Td+150)μmがさらに好ましい。
【0035】
<支持フィルム7>
支持フィルム7は、硬化性樹脂8を支持可能な任意のフィルムであり、エチレンビニルアセテート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン等のポリオレフィン類の他、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリイミド等で形成可能である。
【0036】
支持フィルム7の厚さは、10~300μmが好ましく、30~250μmがさらに好ましい。
【0037】
1-2.半導体ウエハの製造方法
図1A図2Eを用いて、粘着シート10を用いた半導体ウエハの製造方法について説明する。この製造方法は、フレーム貼付工程と、ウエハ貼付工程と、切断工程と、プレス工程と、樹脂硬化工程と、研削工程と、剥離工程を備える。これらの工程を実施する順序は、この順に限定されず、順序を適宜入れ替えることも可能である。以下、各工程について説明する。
【0038】
<フレーム貼付工程>
図1A図1Bに示すように、フレーム貼付工程では、リングフレーム3に粘着シート10を貼り付ける。リングフレーム3は、粘着剤層2の開口部2aよりも直径が大きい開口部3aを有しており、リングフレーム3は、粘着剤層2に貼り付けることができる。これによって、粘着シート10がリングフレーム3に安定して保持されて、粘着シート10の取り扱いが容易になる。
【0039】
<ウエハ貼付工程>
図1B図1Cに示すように、ウエハ貼付工程では、半導体ウエハ4の凸部5が設けられた面に粘着シート10を減圧下で半導体ウエハ4の外周部4aに貼り付ける。半導体ウエハ4が粘着剤層2に貼着される貼付面の幅は、1.0~3.0mmが好ましく、1.5~2.5mmがさらに好ましい。
【0040】
この工程は、減圧チャンバ16内において半導体ウエハ4を粘着シート10に貼り付けることによって行うことができる。減圧チャンバ16内の圧力は、大気圧よりも低ければよく、50kPa以下が好ましく、10kPa以下がさらに好ましく、1kPa以下がさらに好ましい。減圧チャンバ16内の圧力の下限は、特に規定されないが、例えば10Paである。
【0041】
このように減圧下で半導体ウエハ4を粘着シート10に貼り付けることによって、半導体ウエハ4と粘着シート10で囲まれた密閉空間2b内が減圧された状態になる。
【0042】
その状態で半導体ウエハ4が貼り付けられた粘着シート10を減圧チャンバ16から取り出して大気圧にさらすと、図1Dに示すように、クッション層1が大気圧によって押されて密閉空間2b内に入り込む。このため、凸部5がクッション層1に埋入された状態になり、凸部5がクッション層1によって保護される。凸部5の埋入された部位の高さ/凸部5全体の高さの比は、0.2~1が好ましく、0.5~1がさらに好ましく、0.8~1がさらに好ましい。
【0043】
<切断工程>
図1D図2Aに示すように、切断工程では、粘着シート10を半導体ウエハ4の外周に沿って切断する。これによって、半導体ウエハ4が貼り付けられた粘着シート10がリングフレーム3から分離される。
【0044】
<プレス工程>
図2A図2Bに示すように、プレス工程では、支持フィルム7上に供給した硬化性樹脂8に粘着シート10を対面させた状態で粘着シート10を移動させることによって硬化性樹脂8を押し広げる。
【0045】
一例では、減圧孔6aを有する減圧ユニット6に半導体ウエハ4を吸着させ、その状態で粘着シート10を硬化性樹脂8に対して押し付ける。その状態で、粘着シート10を支持フィルム7の表面に沿って移動させることによって硬化性樹脂8が押し広げられる。
【0046】
<樹脂硬化工程>
図2B図2Cに示すように、樹脂硬化工程では、クッション層1を硬化性樹脂8に当接させた状態で硬化性樹脂8を硬化させる。
【0047】
一例では、支持フィルム7を通じて紫外線などのエネルギー線9を硬化性樹脂8に照射することによって、硬化性樹脂8を硬化させることができる。これによって、粘着シート10が支持フィルム7上で安定して保持される。
【0048】
<研削工程>
図2C図2Dに示すように、研削工程では、半導体ウエハ4の裏面4bを研削する。
【0049】
半導体ウエハ4の裏面4bとは、凸部5が設けられた面とは反対側の面である。ウエハ裏面の研削加工の方式には特に制限はなく、公知の研削方式が採用される。研削は、ウエハと砥石(ダイヤモンド等)に水をかけて冷却しながら行うことが好ましい。薄型化されたウエハの厚さは、300μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。
【0050】
裏面研削の際には、凸部5に対して半導体ウエハ4の面内方向の荷重が加わるので凸部5が破損しやすい。しかし、本実施形態では、凸部5の少なくとも一部がクッション層1及び硬化した硬化性樹脂8に埋入されているので、凸部5がクッション層1及び硬化した硬化性樹脂8によって安定して支持されるために凸部5が破損しにくい。なお、硬化性樹脂8は省略可能であり、その場合、凸部5は、クッション層1によって支持される。
【0051】
<剥離工程>
図2D図2Eに示すように、剥離工程では、半導体ウエハ4から粘着シート10を剥離する。粘着シート10の剥離は、粘着シート10が半導体ウエハ4から離れる方向に粘着シート10を湾曲させることによって行うことができる。
【0052】
これによって、半導体ウエハ4の裏面研削工程が完了する。凸部5が粘着剤に接触しているような形態の粘着シートを用いて裏面研削を行った場合、凸部5に粘着剤が付着する場合があるが、本実施形態では、凸部5は粘着剤層2に接触しないので、凸部5に粘着剤が付着することが抑制される。
【0053】
2.第2実施形態
2-1.粘着シート
第1実施形態では、粘着シート10は、クッション層1と粘着剤層2によって構成されていたが、図3に示すように、第2実施形態では、粘着シート10は、硬化性樹脂層12と、支持フィルム7をさらに備える。
【0054】
硬化性樹脂層12は、未硬化であり、第1実施形態と同様の硬化性樹脂によって構成される。支持フィルム7は、第1実施形態の支持フィルム7と同様である。硬化性樹脂層12の周囲には、環状の硬化樹脂層22が設けられる。硬化樹脂層22は、硬化性樹脂を硬化させることによって形成可能である。凸部5の高さをTd(μm)とすると、硬化性樹脂層12及び硬化樹脂層22の厚さは、(Td+20)~(Td+200)μmが好ましく、(Td+50)~(Td+150)μmがさらに好ましい。
【0055】
ここで、図4A図4Cを用いて、本実施形態の粘着シート10の製造方法について説明する。
まず、図4Aに示すように、支持フィルム7上に硬化性樹脂層12、クッション層1、粘着剤層2、剥離ライナー13をこの順に積層して積層体を形成する。剥離ライナー13は、粘着剤層2を保護するためのものであり、粘着シート10の使用時に剥離される。マスク14は、マスク14で被覆された領域においてエネルギー線9を遮蔽するためのものである。
【0056】
次に、剥離ライナー13上にマスク14を配置し、マスク14を介して硬化性樹脂層12に対してエネルギー線9を照射する。マスク14は、マスク14で被覆された領域においてエネルギー線9を遮蔽するためのものである。これによって、図4Bに示すように、マスク14で覆われていない領域において硬化性樹脂層12が硬化して硬化樹脂層22となる。硬化樹脂層22によって、支持フィルム7とクッション層1が結合される。また、支持フィルム7と、硬化樹脂層22とクッション層1で囲まれた空間内に硬化性樹脂層12が設けられる。なお、マスク14を支持フィルム7側に配置して、支持フィルム7側からエネルギー線9の照射を行ってもよい。
【0057】
次に、図4Cに示すように、積層体を粘着剤層2の周縁に沿って切断することによって、本実施形態の粘着シート10が得られる。
【0058】
2-2.半導体ウエハの製造方法
図5A図6Dを用いて、本実施形態の粘着シート10を用いた半導体ウエハの製造方法について説明する。この製造方法は、フレーム貼付工程と、ウエハ貼付工程と、樹脂硬化工程と、切断工程と、研削工程と、剥離工程を備える。これらの工程を実施する順序は、この順に限定されず、順序を適宜入れ替えることも可能である。以下、各工程について説明する。以下の説明では、第1実施形態との共通部分については、説明を繰り返さない。
【0059】
<フレーム貼付工程>
図5A図5Bに示すように、フレーム貼付工程では、第1実施形態と同様に、リングフレーム3に粘着シート10を貼り付ける。
【0060】
<ウエハ貼付工程>
図5B図5Cに示すように、ウエハ貼付工程では、第1実施形態と同様に、半導体ウエハ4の凸部5が設けられた面に粘着シート10を減圧下で(減圧チャンバ16で)半導体ウエハ4の外周部4aに貼り付ける。減圧下で半導体ウエハ4を粘着シート10に貼り付けることによって、半導体ウエハ4と粘着シート10で囲まれた密閉空間2b内が減圧された状態になる。
【0061】
その状態で半導体ウエハ4が貼り付けられた粘着シート10を減圧チャンバ16から取り出して大気圧にさらすと、図5Dに示すように、クッション層1が大気圧によって押されて密閉空間2b内に入り込む。このため、凸部5がクッション層1に埋入された状態になり、凸部5がクッション層1によって保護される。
【0062】
<樹脂硬化工程>
図6A図6Bに示すように、樹脂硬化工程では、クッション層1を硬化性樹脂層12に当接させた状態で硬化性樹脂層12を硬化させる。
【0063】
一例では、押圧ユニット26を用いて半導体ウエハ4を硬化性樹脂層12に押し付けた状態で、支持フィルム7を通じて紫外線などのエネルギー線9を硬化性樹脂層12に照射することによって、硬化性樹脂層12を硬化させることができる。これによって、硬化性樹脂層12が硬化樹脂層22となり、クッション層1が安定して保持される。なお、第1実施形態の減圧ユニット6を押圧ユニット26として利用することができる。
【0064】
<切断工程>
図6B図6Cに示すように、切断工程では、粘着シート10を半導体ウエハ4の外周に沿って切断する。これによって、半導体ウエハ4が貼り付けられた粘着シート10がリングフレーム3から分離される。
【0065】
<研削工程>
図6Cに示すように、研削工程では、第1実施形態と同様に、半導体ウエハ4の裏面4bを研削する。
【0066】
<剥離工程>
図6C図6Dに示すように、剥離工程では、第1実施形態と同様に、半導体ウエハ4から粘着シート10を剥離する。
【0067】
3.第3実施形態
3-1.粘着シート
本実施形態の粘着シート10は、基本構成は第1実施形態と同じであるが、本実施形態の粘着シート10は、加温して利用することが想定されている「加温あり」タイプである。本実施形態の粘着シート10は、クッション層1を構成する熱可塑性樹脂が第1実施形態とは異なっている。
【0068】
本実施形態のクッション層1を構成する熱可塑性樹脂は、メルトフローレート(MFR)が0.2~30g/10minである。MFRが0.2g/10min以上である場合、凸部5への追従性に優れて、研削性が良好になる。MFRが30g/10min以下である場合、凸部5への追従性が高くなりすぎず、剥離性に優れる。MFRは、0.3~20g/10minが好ましい。MFRは、JIS K7210、125℃/10.0kg荷重の条件で測定される。
【0069】
熱可塑性樹脂の融点は、60~110℃である。融点が60℃以上の場合、凸部5への追従性が高くなりすぎず、剥離性に優れる。融点が100℃以下の場合、凸部5への追従性に優れて、研削性が良好になる。融点は、70~90℃が好ましい。融点は、JIS K7121に準拠した条件で測定される。
【0070】
クッション層1の厚さは、50~300μmが好ましく、70~250μmがさらに好ましい。
【0071】
上記熱可塑性樹脂の組成は、特に限定されないが、エチレン- メタクリル酸- アクリル酸エステルの3 元共重合体、エチレン- メタクリル酸共重合体、エチレン- アクリル酸共重合体等の単体及び/ 又は複合体のカルボキシル基をナトリウムイオン、リチウムイオン、マグネシウムイオン等の金属イオンで架橋したアイオノマ樹脂、ポリプロピレン樹脂にスチレン- ブタジエン共重合ゴム、スチレン- ブタジエン- スチレンブロック共重合ゴム、スチレン- イソプレン- スチレンブロック共重合ゴム、エチレン- プロピレンゴム等をブレンドした軟質ポリプロピレン樹脂、低密度ポリエチレン、エチレン- プロピレンブロック共重合体、エチレン- プロピレンランダム共重合体、エチレン- 酢酸ビニル共重合体、エチレン- メタクリル酸共重合体、エチレン- 1 オクテン共重合体、ポリブテンなどが使用可能である。中でもアイオノマ樹脂が好ましい。
【0072】
上記熱可塑性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、10,000~1,000,000が好ましく、50,000~500,000がさらに好ましい。
【0073】
上記熱可塑性樹脂の軟化温度(JIS K7206)は、45~85℃が好ましく、55~75℃がさらに好ましい。
【0074】
上記熱可塑性樹脂の融点(JIS K7121)は、60~110℃が好ましく、80~100℃がさらに好ましい。
【0075】
上記熱可塑性樹脂のメルトフローレート(MFR)(JIS K7210、125℃/10.0kg荷重)は、0.2~30g/10min好ましく、0.3~10g/10minがさらに好ましい。
【0076】
3-2.半導体ウエハの製造方法
本実施形態の粘着シート10を用いた半導体ウエハの製造方法について説明する。この製造方法は、フレーム貼付工程と、ウエハ貼付工程と、加温工程と、切断工程と、樹脂硬化工程と、研削工程と、剥離工程を備える。これらの工程を実施する順序は、この順に限定されず、順序を適宜入れ替えることも可能である。以下、各工程について説明する。以下の説明では、第1実施形態との共通部分については、説明を繰り返さない。また、フレーム貼付工程と、切断工程と、樹脂硬化工程と、研削工程と、剥離工程の説明は、第1実施形態と同様であるので、ここでは、繰り返さない。
【0077】
<ウエハ貼付工程・加温工程>
図1B図1Cに示すように、ウエハ貼付工程では、第1実施形態と同様に、半導体ウエハ4の凸部5が設けられた面に粘着シート10を減圧下で半導体ウエハ4の外周部4aに貼り付ける。
【0078】
その状態で半導体ウエハ4が貼り付けられた粘着シート10を減圧チャンバ16から取り出して大気圧にさらすと、クッション層1が大気圧によって押されて密閉空間2b内に入り込もうとする。クッション層1は加温されていない状態では剛性が高く、クッション層1は密閉空間2bにほとんど入り込まない。一方、加温工程において、クッション層1を60~150℃に加温すると、クッション層1が軟化されて、図1Dに示すように、クッション層1が密閉空間2b内に入り込む。このため、凸部5がクッション層1に埋入された状態になり、凸部5がクッション層1によって保護される。凸部5の埋入された部位の高さ/凸部5全体の高さの比は、0.2~1が好ましく、0.5~1がさらに好ましく、0.8~1がさらに好ましい。クッション層1の加温温度は、80~120℃が好ましい。クッション層1の加温時間は、3~120秒が好ましく、5~60秒がさらに好ましい。
【0079】
クッション層1の加温は、半導体ウエハ4を粘着シート10に貼り付ける前に行ってもよく、貼り付けた後に行ってもよい。また、この加温は、減圧チャンバ16内で行ってもよく、減圧チャンバ16外で行ってもよい。
【0080】
4.第4実施形態
4-1.粘着シート
本実施形態の粘着シート10は、基本構成は第2実施形態と同じであるが、本実施形態の粘着シート10は、加温して利用することが想定されている「加温あり」タイプである。本実施形態の粘着シート10は、クッション層1を構成する熱可塑性樹脂が第2実施形態とは異なっており、第3実施形態で説明したものと同様の熱可塑性樹脂である。
【0081】
4-2.半導体ウエハの製造方法
本実施形態の粘着シート10を用いた半導体ウエハの製造方法について説明する。この製造方法は、フレーム貼付工程と、ウエハ貼付工程と、加温工程と、樹脂硬化工程と、切断工程と、研削工程と、剥離工程を備える。これらの工程を実施する順序は、この順に限定されず、順序を適宜入れ替えることも可能である。以下、各工程について説明する。以下の説明では、第2実施形態との共通部分については、説明を繰り返さない。また、フレーム貼付工程と、樹脂硬化工程と、切断工程と、研削工程と、剥離工程の説明は、第1実施形態と同様であるので、ここでは、繰り返さない。
【0082】
<ウエハ貼付工程・加温工程>
図5B図5Cに示すように、ウエハ貼付工程では、第1実施形態と同様に、半導体ウエハ4の凸部5が設けられた面に粘着シート10を減圧下で(減圧チャンバ16で)半導体ウエハ4の外周部4aに貼り付ける。減圧下で半導体ウエハ4を粘着シート10に貼り付けることによって、半導体ウエハ4と粘着シート10で囲まれた密閉空間2b内が減圧された状態になる。
【0083】
その状態でクッション層1を60~150℃に加温し、半導体ウエハ4が貼り付けられた粘着シート10を減圧チャンバ16から取り出して大気圧にさらすと、図5Dに示すように、クッション層1が大気圧によって押されて密閉空間2b内に入り込む。このため、凸部5がクッション層1に埋入された状態になり、凸部5がクッション層1によって保護される。
【実施例
【0084】
1.粘着シート(加温なしタイプ)の実施例
第1実施形態と同様の構成の粘着シート10を用い、熱可塑性樹脂の引張応力と、UV硬化樹脂の粘度及びショア硬度を以下のように変化させて、半導体ウエハ4の裏面研削を行い、その際のバンプ追従性、気泡混入、剥離性、研削性(TTV)、ハンドリング性、及び総合判定の評価を行った。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】
1-1.粘着シート10の製造
クッション層1上に、開口部2aを有する環状の粘着剤層2を形成することによって実施例・比較例の粘着シート10を製造した。クッション層1を構成する熱可塑性樹脂は、JIS Z 1702に準じたダンベルを用いてクッション層1を打ち抜き、標線間距離40mm、引張速度300mm/minで25%伸張した時の引張応力が表1~表2の値になるように適宜変更した。
【0088】
熱可塑性樹脂の組成は、エチレン-スチレン共重合体であり、エチレン単量体単位とスチレン単量体単位の各構成単位の含有割合を変化させることによって引張応力を変化させた。
粘着剤層2を構成する粘着剤の組成は、1,2-水添ポリブタジエン末端ウレタン(メタ)アクリレートとした。
【0089】
クッション層1の厚さは、50μmとした。粘着剤層2の厚さは、10μm、粘着剤層2の幅は、37mmとした。
【0090】
1-2.半導体ウエハの裏面研削
上記作製した粘着シート10を用いて、以下の方法によって半導体ウエハ4の裏面研削を行った。
【0091】
まず、リングフレーム3に粘着シート10を貼り付けた。
次に、半導体ウエハ4の凸部5が設けられた面に粘着シート10を減圧チャンバ16内で半導体ウエハ4の外周部4aに貼り付けた。半導体ウエハ4としては、直径8インチ、厚さ725μmであり、高さ230μmのバンプ(突起電極)が、外周の3.0mm以外の領域に形成されているものを用いた。半導体ウエハ4が粘着剤層2に貼着されている貼付面の幅は、2.0mmとした。減圧チャンバ16内の圧力は、100Paであった。
【0092】
次に、半導体ウエハ4が貼り付けられた粘着シート10を減圧チャンバ16から取り出した。
【0093】
次に、粘着シート10を半導体ウエハ4の外周に沿って切断して、リングフレーム3を粘着シート10から分離した。
【0094】
次に、支持フィルム7上に供給した硬化性樹脂8に粘着シート10を対面させた状態で、支持フィルム7の面内方向に粘着シート10を移動させることによって硬化性樹脂8を押し広げた。硬化性樹脂8は、表1に示す粘度及びショアD硬度を有するものを用いた。硬化性樹脂8の硬化前の粘度は、E型粘度計を用いて、23℃及び50rpmの条件で測定した。硬化性樹脂8の硬化後のショアD硬度は、JIS K 6253という条件で測定した。
【0095】
硬化性樹脂8の組成は、1,2-水添ポリブタジエン末端ウレタン(メタ)アクリレート、イソボルニルアクリレート、ジエチルアクリルアミドで構成され、各構成成分を変化させることによって粘度及びショアD硬度を変化させた。
【0096】
次に、クッション層1を硬化性樹脂8に当接させた状態で硬化性樹脂8を硬化させた。硬化性樹脂8は、支持フィルム7側から硬化性樹脂に対して365nmの波長の積算光量が2000mJ/cmでとなるように紫外線を照射して、硬化性樹脂を硬化させた。
【0097】
次に、半導体ウエハ4の厚さが200μmになるまで、半導体ウエハ4の裏面研削を行った。裏面研削は、研磨機(株式会社ディスコ製バックグラインダーDFG-841)を用いて行った。
【0098】
<剥離工程>
次に、半導体ウエハ4から粘着シート10を剥離した。
【0099】
1-3.評価
以下の方法で、バンプ追従性、気泡混入、剥離性、研削性(TTV)、ハンドリング性、及び総合判定の評価を行った。評価結果は、表1~表2に示す。
【0100】
<バンプ追従性>
バンプ追従性は、追従率(追従率=(クッション層1がバンプ間に追従した距離/バンプの高さ))から、以下の基準で評価した。
◎:追従率 80%以上
○:追従率 71~79%
×:追従率 70%以下
【0101】
<気泡混入>
気泡混入は、φ1mm以上の気泡の個数から、以下の基準で評価した。
◎:気泡の個数 10個以下
○:気泡の個数 11~30個
×:気泡の個数 31個以上
【0102】
<剥離性>
剥離性は、JIS Z 0237に準拠して測定したシリコンウエハの鏡面に対する粘着力から、以下の基準で評価した。
◎:粘着力 1.0N/20mm以下
○:粘着力 1.1~2.0N/20mm
×:粘着力 2.1N/20mm以上
【0103】
<研削性(TTV)>
研削性(TTV:最大厚み-最小厚み)は、ウエハ面の厚み精度を、SemDex(厚み精度測定装置、ISIS社製)を用いて測定し、以下の基準で評価した。
◎:TTV 5μm以下
○:TTV 6~15μm
×:TTV 16μm以上
【0104】
<ハンドリング性>
ハンドリング性は、粘着シート10を半導体ウエハ4に貼着した時の貼付面の幅を測定し、設定幅からの差から以下の基準で評価した。
◎:設定幅-貼付面の幅 -0.5mm以上+0.5mm以下
○:設定幅-貼付面の幅 -1.0mm以上-0.5mm未満、+0.5mm超+1.0mm以下
×:設定幅-貼付面の幅 -1.0mm未満、+1.0mm超
【0105】
<総合判定>
総合判定は、以下の基準で判定した。
◎:全ての項目で◎
○:いずれかの項目で○、かつ×を含まない
×:いずれかの項目で×
【0106】
1-4.考察
全ての実施例は、全ての評価項目において優れた結果であった。一方、全ての比較例は、少なくとも1つの評価項目で満足のいく結果が得られなかった。
【0107】
2.粘着シート(加温ありタイプ)の実施例
第3実施形態と同様の構成の粘着シート10を用い、熱可塑性樹脂のMFR及び融点と、UV硬化樹脂の粘度及びショア硬度を以下のように変化させて、半導体ウエハ4の裏面研削を行い、その際のバンプ追従性、気泡混入、剥離性、研削性(TTV)、及び総合判定の評価を行った。
【0108】
【表3】
【0109】
【表4】
【0110】
2-1.粘着シート10の製造
クッション層1上に、開口部2aを有する環状の粘着剤層2を形成することによって実施例・比較例の粘着シート10を製造した。クッション層1を構成する熱可塑性樹脂は、MFR及び融点が表3~表4の値になるように適宜変更した。
【0111】
熱可塑性樹脂の組成は、エチレン- メタクリル酸共重合体の金属イオン架橋であり、共重合組成及び重量平均分子量を変化させることによってMFR及び融点を変化させた。
粘着剤層2を構成する粘着剤の組成は、1,2-水添ポリブタジエン末端ウレタン(メタ)アクリレートとした。
【0112】
クッション層1の厚さは、150μmとした。粘着剤層2の厚さは、10μm、粘着剤層2の幅は、37mmとした。
【0113】
2-2.半導体ウエハの裏面研削
上記作製した粘着シート10を用いて、以下の方法によって半導体ウエハ4の裏面研削を行った。
【0114】
まず、リングフレーム3に粘着シート10を貼り付けた。
次に、半導体ウエハ4の凸部5が設けられた面に粘着シート10を減圧チャンバ16内で半導体ウエハ4の外周部4aに貼り付けた。半導体ウエハ4としては、直径8インチ、厚さ725μmであり、高さ230μmのバンプ(突起電極)が、外周の3.0mm以外の領域に形成されているものを用いた。半導体ウエハ4が粘着剤層2に貼着されている貼付面の幅は、2.0mmとした。減圧チャンバ16内の圧力は、100Paであった。減圧チャンバ16内ではクッション層1を100℃に加温した。
【0115】
次に、半導体ウエハ4が貼り付けられた粘着シート10を減圧チャンバ16から取り出した。
【0116】
次に、粘着シート10を半導体ウエハ4の外周に沿って切断して、リングフレーム3を粘着シート10から分離した。
【0117】
次に、支持フィルム7上に供給した硬化性樹脂8に粘着シート10を対面させた状態で、支持フィルム7の面内方向に粘着シート10を移動させることによって硬化性樹脂8を押し広げた。硬化性樹脂8は、表3に示す粘度及びショアD硬度を有するものを用いた。硬化性樹脂8の硬化前の粘度は、E型粘度計を用いて、23℃及び50rpmの条件で測定した。硬化性樹脂8の硬化後のショアD硬度は、JIS K 6253に準拠したという条件で測定した。
【0118】
硬化性樹脂8の組成は、1,2-水添ポリブタジエン末端ウレタン(メタ)アクリレート、イソボルニルアクリレート、ジエチルアクリルアミドで構成され、各構成成分を変化させることによって粘度及びショアD硬度を変化させた。
【0119】
次に、クッション層1を硬化性樹脂8に当接させた状態で硬化性樹脂8を硬化させた。硬化性樹脂8は、支持フィルム7側から硬化性樹脂に対して365nmの波長の積算光量が2000mJ/cmでとなるように紫外線を照射して、硬化性樹脂を硬化させた。
【0120】
次に、半導体ウエハ4の厚さが200μmになるまで、半導体ウエハ4の裏面研削を行った。裏面研削は、研磨機(株式会社ディスコ製バックグラインダーDFG-841)を用いて行った。
【0121】
<剥離工程>
次に、半導体ウエハ4から粘着シート10を剥離した。
【0122】
2-3.評価
以下の方法で、バンプ追従性、気泡混入、剥離性、研削性(TTV)、及び総合判定の評価を行った。評価基準は、「1-3.評価」で説明した通りである。評価結果は、表3~表4に示す。
【0123】
2-4.考察
全ての実施例は、全ての評価項目において優れた結果であった。一方、全ての比較例は、少なくとも1つの評価項目で満足のいく結果が得られなかった。
【符号の説明】
【0124】
1:クッション層、2:粘着剤層、2a:開口部、2b:密閉空間、3:リングフレーム、3a:開口部、4:半導体ウエハ、4a:外周部、4b:裏面、5:凸部、6:減圧ユニット、6a:減圧孔、7:支持フィルム、8:硬化性樹脂、9:エネルギー線、10:粘着シート、12:硬化性樹脂層、13:剥離ライナー、14:マスク、16:減圧チャンバ、22:硬化樹脂層、26:押圧ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6