(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】自己発電型漏水検知器
(51)【国際特許分類】
G08B 21/20 20060101AFI20240126BHJP
H01M 6/32 20060101ALI20240126BHJP
H01M 50/202 20210101ALI20240126BHJP
H01M 50/253 20210101ALI20240126BHJP
【FI】
G08B21/20
H01M6/32 A
H01M50/202 401D
H01M50/253
(21)【出願番号】P 2019222700
(22)【出願日】2019-12-10
【審査請求日】2022-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関家 一馬
【審査官】山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-167551(JP,A)
【文献】特開2013-167550(JP,A)
【文献】特開2015-197392(JP,A)
【文献】特開2018-159646(JP,A)
【文献】特開2003-004244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M3/00-3/40
G08B19/00-21/24
H01M6/24-6/52
50/20-50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己発電型漏水検知器であって、
正極と負極とを有する水電池と、
漏水した水に接して該水電池が発電した電力を利用して報知信号を発信する発信器と、
互いに絶縁された一対の導電線を有する漏水検知帯と、
該一対の導電線が漏水によって生じる短絡を検知するセンサと、を備え
、
該発信器は、該漏水検知帯の短絡を検出した際に漏水の報知信号を発信する自己発電型漏水検知器。
【請求項2】
該水電池と該発信器はケースに固定され、漏水を検出する設置箇所に該ケースが載置される請求項1に記載の自己発電型漏水検知器。
【請求項3】
該ケースが該設置箇所に載置されると、該正極と該負極の下端が、検出すべき該漏水の水位以下に位置付けられる請求項2に記載の自己発電型漏水検知器。
【請求項4】
発信する情報が該発信器別に設定される請求項1、請求項2または請求項3に記載の自己発電型漏水検知器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自己発電型漏水検知器に関する。
【背景技術】
【0002】
水などの液体を用いる装置や作業場など、漏水を検知するため、各種の漏水検知器が製造されている(例えば、特許文献1参照)。例えば、従来用いられる帯状の漏水検知器は、2本の導電帯に電力を供給しておき、漏水による回路の短絡を検知して漏水と判定し、漏水を報知する信号を発信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来の濾水検知器は、導電帯には常に電力を供給する必要があり、報知信号を発生させるためにも電力を必要とする構成である。そのため、設置場所が電源によって限定されたり、電池を電源とした場合、電池の劣化によっていざというときに漏水が検出出来ないという恐れがあった。このように、従来の漏水検知器は、漏水を検出不能となるおそれがあった。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、濾水を検出不能となることを抑制することができる自己発電型漏水検知器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の自己発電型漏水検知器は、正極と負極とを有する水電池と、漏水した水に接して該水電池が発電した電力を利用して報知信号を発信する発信器と、互いに絶縁された一対の導電線を有する漏水検知帯と、該一対の導電線が漏水によって生じる短絡を検知するセンサと、を備え、該発信器は、該漏水検知帯の短絡を検出した際に漏水の報知信号を発信することを特徴とする。
【0007】
前記自己発電型漏水検知器において、該水電池と該発信器はケースに固定され、漏水を検出する設置箇所に該ケースが載置されても良い。
【0008】
前記自己発電型漏水検知器において、該ケースが該設置箇所に載置されると、該正極と該負極の下端が、検出すべき該漏水の水位以下に位置付けられても良い。
【0009】
前記自己発電型漏水検知器において、発信する情報が該発信器別に設定されても良い。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、濾水を検出不能となることを抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る自己発電型漏水検知器の構成例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示された自己発電型漏水検知器の平面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示された自己発電型漏水検知器の構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、
図1に示された自己発電型漏水検知器の側面図である。
【
図5】
図5は、
図1に示された自己発電型漏水検知器の発信器が発信する報知信号の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態2に係る自己発電型漏水検知器の構成例を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、
図6に示された自己発電型漏水検知器の構成を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、
図6に示された自己発電型漏水検知器の側面図である。
【
図9】
図9は、実施形態3に係る自己発電型漏水検知器の構成例を示す平面図である。
【
図10】
図10は、
図9に示された自己発電型漏水検知器の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0015】
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係る自己発電型漏水検知器を図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態1に係る自己発電型漏水検知器の構成例を示す斜視図である。
図2は、
図1に示された自己発電型漏水検知器の平面図である。
図3は、
図1に示された自己発電型漏水検知器の構成を示すブロック図である。
図4は、
図1に示された自己発電型漏水検知器の側面図である。
図5は、
図1に示された自己発電型漏水検知器の発信器が発信する報知信号の一例を示す図である。
【0016】
実施形態1に係る
図1に示す自己発電型漏水検知器1(以下、単に、漏水検知器と記す)は、建造物の所定の設置箇所100に設置されて、設置箇所100に水が存在しているか否かを検知することで、設置箇所100の漏水を検知するものである。なお、設置箇所100は、各種の建造物内の水が貯留することが望ましくない、漏水を検知すべき箇所である。漏水検知器1は、例えば、設置箇所100の床面101上に設置される。
【0017】
漏水検知器1は、
図1及び
図2に示すように、ケース10と、水電池20と、発信器30とを備える。ケース10は、漏水検知器1の外殻を構成し、実施形態1では、円盤状に形成されているが、本発明では、円盤状に限定されない。ケース10は、円形の底面11が設置箇所100の床面101上に載置される。
【0018】
水電池20は、
図1、
図2、
図3及び
図4に示すように、正極21と、負極22とを有し、ケース10の外表面上に互いに間隔をあけて配置されている。正極21と、負極22は、それぞれ、ケース10の外表面に固定されている。水電池20は、正極21と負極22とが設置箇所100に漏水した水110(
図4に示す)に接触すると、水110内にイオンを溶け出して、溶けだしたイオンが正極21と負極22との間で移動することで、正極21と負極22との間に起電力を生じるもの、即ち発電するものである。水電池20は、正極21と負極22との間に起電力を生じることで、発電し、設置箇所100の漏水した水110を検出する。水電池20は、正極21と負極22のそれぞれが発信器30に接続して、発電した電力を発信器30に出力する。
【0019】
また、ケース10が設置箇所100の床面101上に載置されると、正極21と負極22とのそれぞれの下端は、ケース10の底面11からの高さが設置箇所100の検出すべき漏水した水110の水位以下となる高さに位置付けられている。実施形態1では、正極21と負極22とのそれぞれの下端は、
図4に示すように、ケース10の底面11と同じ高さに位置付けられているが、本発明では、正極21と負極22それぞれの下端の高さは、
図4に示す例に限定されない。
【0020】
発信器30は、漏水した水110に接して、水電池20が発電した電力を利用して
図5に示す発信する情報である報知信号200を発信するものである。実施形態1では、発信器30は、ケース10内に収容され、ケース10に固定されている。実施形態1では、発信器30は、水電池20から電力が供給されると、水電池20から供給される電力を電源として利用して、
図5に示す報知信号200を繰り返し発信する。実施形態1では、報知信号200は、発信器30即ち漏水検知器1毎に設定され、発信器30即ち漏水検知器1同士で異なる信号である。実施形態1では、報知信号200は、漏水検知器1同士を識別するための信号であるが、本発明では、これに限定されない。
【0021】
発信器30は、水電池20が発電し、水電池から電力が供給されると、報知信号200を発信する送信機と、送信機を制御する制御部とを備える。発信器30は、制御部により報知信号が設定され、水電池20から電力が供給されると水電池20からの電力を電源として利用し、設定された報知信号200を繰り返し発信する。制御部は、発信器30の動作を制御するものであり、実施形態1では、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサー、又は並列プログラム化したプロセッサー等の専用の処理回路(ハードウェア)で構成される。
【0022】
なお、実施形態1では、発信器30が発信した報知信号200は、例えば、
図2、
図3及び
図4に示す端末装置60により受信される。端末装置60は、オペレータが持ち運び可能な携帯端末である。実施の形態1において、端末装置60は、
図2及び
図3に示すように、筐体61と、表示装置62と、入力装置と、無線通信装置と、CPU(central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを備えるタブレット又は携帯型コンピュータであるが、オペレータが持ち運び可能な電子機器であれば、タブレット又は携帯型コンピュータに限定されない。
【0023】
筐体61は、少なくとも端末装置60の無線通信装置と、演算処理装置と、記憶装置と、入出力インターフェース装置とを収容する。端末装置60の演算処理装置は、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施して、端末装置60を制御するための制御信号を、入出力インターフェース装置を介して端末装置60の各ユニットに出力する。
【0024】
表示装置62は、液晶表示装置等により構成される。表示装置62は、文字、静止画像、動画像、記号、及び図形を表示する。
【0025】
入力装置は、ユーザからの操作入力を受け付ける。実施形態3において、入力装置は、表示装置62に重ねられ、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、超音波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、又は荷重検出方式を検出方式として採用したタッチスクリーンにより構成されたタッチスクリーンである。無線通信装置は、漏水検知器1-3の発信器30が発信した報知信号200を受信可能に接続する。
【0026】
端末装置60は、報知信号200を受信すると、報知信号200が示す漏水検知器1を識別するための情報を表示装置62に表示する。
【0027】
また、実施形態1では、漏水検知器1が建造物の複数の設置箇所100の床面101上に設置され、端末装置60が、複数の漏水検知器1の発信器30が発信した報知信号200を受信しても良い。この場合、端末装置60は、建造物の図面を表示装置62に表示するとともに、報知信号を受信した漏水検知器1の建造物の図面上の設置箇所100を更に表示する。なお、端末装置60と、複数の漏水検知器1とで、
図2、
図3及び
図4に示すように、建造物の漏水を検知する漏水検知システム63を構成する。なお、
図2、
図3及び
図4には、漏水検知器1を一つのみ示し、他の漏水検知器1を省略している。
【0028】
前述した構成の漏水検知器1は、設置箇所100の床面101上に設置されて、漏水した水110に正極21と負極22とが接すると、水電池20から電力を発信器30に供給することで、漏水した水110を検知する。また、漏水検知器1は、漏水した水110を検知して、水電池20から電力を発信器30へ供給し、発信器30から報知信号200を発信することで、漏水した水110を検知したことを端末装置60に発信する。
【0029】
以上説明した実施形態1に係る漏水検知器1は、漏水した水110に接すると正極21と負極22との間に起電力を生じて発電する水電池20が発電した電力を電源として利用して発信器30が報知信号200を発信するため、商用電源やバッテリ等の直流電源から電力が供給されることなく、建造物の設置箇所100の漏水した水を検出可能となる。その結果、漏水検知器1は、商用電源やバッテリ等の直流電源から電力が供給されることなく、建造物の設置箇所100の漏水した水を検出可能であるために、濾水した水110を検出不能となることを抑制することができるという効果を奏する。
【0030】
また、漏水検知器1は、商用電源やバッテリ等の直流電源から電力が供給されることなく、建造物の設置箇所100の漏水した水を検出可能であるために、電力供給による設置箇所100の制限を受けることがなく、設置箇所100の自由度が非常に高く、電池の劣化や電池切れの恐れが無くなるという効果がある。
【0031】
漏水検知器1は、報知信号200を予め発信器30即ち漏水検知器1毎に設定する事も出来るので、端末装置60で報知信号200を受信することで、漏水した水が検知された設置箇所100の位置などの情報を取得することができる。また、漏水検知器1は、漏水検知器1自体も簡易に設置できることから、多くの漏水検知器1を建造物に配置しても、建造物のどこで漏水が発生しているかを把握することも可能となる。
【0032】
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2に係る自己発電型漏水検知器を図面に基づいて説明する。
図6は、実施形態2に係る自己発電型漏水検知器の構成例を示す斜視図である。
図7は、
図6に示された自己発電型漏水検知器の構成を示すブロック図である。
図8は、
図6に示された自己発電型漏水検知器の側面図である。なお、
図6、
図7及び
図8は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0033】
実施形態2に係る自己発電型漏水検知器1-2(以下、単に、漏水検知器1と記す)は、
図6、
図7及び
図8に示すように、LEDであるLEDユニット40を備え、ケース10が透明又は半透明な材料で構成されていること以外、実施形態1と同じである。
【0034】
LEDユニット40は、ケース10内に収容されて、ケース10に固定されている。LEDユニット40は、発光素子である発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)を少なくとも一つ備えている。LEDユニット40は、水電池20の正極21と負極22とのそれぞれに接続し、水電池20が発電した電力が供給されると、供給された電力を電源として利用して、LEDを点灯する。
【0035】
前述した構成の実施形態2に係る漏水検知器1-2は、設置箇所100の床面101上に設置されて、漏水した水110に正極21と負極22とが接すると、水電池20から電力を発信器30に供給し、発信器30から報知信号200を発信することで、実施形態1と同様に、漏水した水110を検知したことを端末装置60に発信する。また、実施形態2に係る漏水検知器1-2は、漏水した水110に正極21と負極22とが接すると、水電池20から電力をLEDユニット40に供給し、LEDを点灯する。
【0036】
実施形態2に係る漏水検知器1-2は、漏水した水110に接すると正極21と負極22との間に起電力を生じて発電する水電池20が発電した電力を利用して発信器30が報知信号200を発信するため、実施形態1と同様に、商用電源やバッテリ等の直流電源から電力が供給されることなく漏水した水110を検出可能となり、濾水した水110を検出不能となることを抑制することができるという効果を奏する。
【0037】
また、実施形態2に係る漏水検知器1-2は、漏水した水110に接すると正極21と負極22との間に起電力を生じて発電する水電池20が発電した電力を利用してLEDが点灯するLEDユニット40を備えているので、各漏水検知器1のLEDユニット40を目視することで、暗所でも建造物のどこで漏水が発生しているかを容易に発見できるという効果も奏する。
【0038】
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3に係る自己発電型漏水検知器を図面に基づいて説明する。
図9は、実施形態3に係る自己発電型漏水検知器の構成例を示す平面図である。
図10は、
図9に示された自己発電型漏水検知器の構成を示すブロック図である。
図11は、
図9に示された自己発電型漏水検知器の側面図である。なお、
図9、
図10及び
図11は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0039】
実施形態3に係る自己発電型漏水検知器1-3(以下、単に、漏水検知器1-3と記す)は、
図9、
図10及び
図11に示すように、一対の導電線51を有する漏水検知帯50と、センサである電流検知器52とを備え、水電池20が発電した電力を電流検知器52及び一対の導電線51に供給し、電流検知器52が一対の導電線51の短絡を検知すると、発信器30が報知信号200を発信すること以外、実施形態1と同じである。
【0040】
漏水検知帯50の一対の導電線51は、互いに絶縁されている。実施形態3では、一対の導電線51は、ケース10の外表面に設けられ、互いにケース10の厚み方向に間隔をあけて配置される。一対の導電線51は、それぞれ、水電池20が発電した電力が供給される。一対の導電線51は、電流検知器52に接続している。漏水検知帯50は、一対の導電線51それぞれが設置箇所100に漏水した水110に接触すると、水電池20が発電した電力が供給された一対の導電線51同士が短絡する。
【0041】
電流検知器52は、一対の導電線51同士が漏水した水110によって生じる一対の導電線51同士の短絡を検知するものである。電流検知器52は、水電池20が発電した電力を電源として利用して動作する。電流検知器52は、一対の導電線51同士の短絡を検知すると、一対の導電線51間が短絡したことを示す信号を発信器30に繰り返し発信する。電流検知器52は、実施形態3では、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサー、又は並列プログラム化したプロセッサー等の専用の処理回路(ハードウェア)で構成される。
【0042】
実施形態3において、発信器30は、電流検知器52から一対の導電線51間が短絡したことを示す信号を受信すると、水電池20から供給される電力を電源として利用して、報知信号200を繰り返し発信する。このため、実施形態3において、発信器30は、電流検知器52から一対の導電線51同士が短絡したことを示す信号を受信しないと、水電池20から電力が供給されても報知信号200を発信しない。
【0043】
前述した構成の実施形態3に係る漏水検知器1-3は、正極21と負極22とが設置箇所100に漏水した水110に接触する水電池20が発電し、発電した電力を発信器30、電流検知器52及び一対の導電線51に供給する。漏水検知器1-3は、一対の導電線51それぞれが設置箇所100に漏水した水110に接触すると、一対の導電線51同士が短絡し、電流検知器52が一対の導電線51の同士の短絡を検知して前述した信号を発信器30に繰り返し発信して、発信器30が報知信号200を繰り返し発信する。
【0044】
実施形態3に係る漏水検知器1-3は、漏水した水110に接して水電池20が発生する電力を利用して発信器30が報知信号200を発信するため、実施形態1と同様に、商用電源やバッテリ等の直流電源から電力が供給されることなく漏水した水110を検出可能となり、濾水した水110を検出不能となることを抑制することができるという効果を奏する。
【0045】
実施形態1に係る漏水検知器1は、一度正極21と負極22とが水に濡れた水電池20が水滴をぬぐっても電圧が残留し、発信器30が報知信号200を発信続けてしまう恐れがある。しかしながら、実施形態3に係る漏水検知器1-3は、水電池20と別途、一対の導電線51を有する漏水検知帯50と、漏水検知帯50の一対の導電線51同士の短絡を検出する電流検知器52を備えている。実施形態3に係る漏水検知器1-3は、発信器30が、電流検知器52から一対の導電線51間が短絡したことを示す信号を受信しないと、水電池20から電力が供給されても報知信号200を発信しない。
【0046】
その結果、実施形態3に係る漏水検知器1-3は、水電池20をあくまで漏水した水110を利用して発電する電源として用い、漏水検知帯50が漏水を検知した場合だけ報知信号200を発信させるので、水電池20の残留電圧で報知信号200が発信し続けてしまうことを抑制することもできる。
【0047】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0048】
1,1-2,1-3 自己発電型漏水検知器
10 ケース
20 水電池
21 正極
22 負極
30 発信器
40 LEDユニット(LED)
50 漏水検知帯
51 導電線
52 電流検知器(センサ)
100 設置箇所
110 水
200 報知信号(発信する情報)