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特許7427108プラズマチャンバ内で使用するための低抵抗閉じ込めライナ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-25
(45)【発行日】2024-02-02
(54)【発明の名称】プラズマチャンバ内で使用するための低抵抗閉じ込めライナ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20240126BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20240126BHJP
   C23C 16/50 20060101ALI20240126BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/31 F
C23C16/50
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022555791
(86)(22)【出願日】2021-03-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-26
(86)【国際出願番号】 US2021021986
(87)【国際公開番号】W WO2021188362
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】16/824,504
(32)【優先日】2020-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ペリー, ジョセフ
【審査官】山口 祐一郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-533274(JP,A)
【文献】特開2013-84602(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0075295(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/31
C23C 16/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理チャンバ内で使用するためのライナであって、前記ライナは、
中央開口部を有する天板であって、第1の内径の第1ステップと前記第1の内径よりも大きい第2の内径の第2ステップとを有する起伏のある内面を有する天板と、前記天板の外周部から下方に延在する管状体であって、内部を通過させて基板を移送するための開口部を有する管状体と、を有する上部ライナと、
前記管状体の底面に当接する下部ライナであって、前記下部ライナは前記管状体から半径方向内向きに延在し、前記下部ライナの周囲に配置された複数の半径方向スロットを含む下部ライナと、
を備え、前記上部ライナと前記下部ライナとがC字形断面を形成する、ライナ。
【請求項2】
前記上部ライナ及び前記下部ライナは、ポリシリコンで作られるか、又はポリシリコン材料で被覆される、請求項1に記載のライナ。
【請求項3】
前記下部ライナの前記複数の半径方向スロットによって画定される全開口面積は、前記下部ライナの全上面積の約30パーセントから約50パーセントである、請求項1に記載のライナ。
【請求項4】
前記複数の半径方向スロットは、規則的な間隔で配置される、請求項1に記載のライナ。
【請求項5】
前記上部ライナの内径は、前記下部ライナの内径よりも大きい、請求項1に記載のライナ。
【請求項6】
前記管状体は、前記管状体の内面から外面まで延在する窓を含む、請求項1に記載のライナ。
【請求項7】
前記管状体は、前記下部ライナの上部外側ノッチ内へ延在する、請求項1から6のいずれか一項に記載のライナ。
【請求項8】
前記管状体の前記底面は、Oリング溝を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のライナ。
【請求項9】
前記ライナは、約2.0インチから約3.0インチの高さを有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のライナ。
【請求項10】
前記複数の半径方向スロットは、約4.5インチから約5.5インチの長さを有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のライナ。
【請求項11】
処理チャンバ内で使用するための処理キットであって、
請求項1から6のいずれか一項に記載のライナと、
外側壁、内側壁、前記外側壁から前記内側壁まで延在する下部壁、及び中央開口部を含む環状体を有する下部トレイとを備え、前記ライナは、前記下部トレイ上に載置される、処理キット。
【請求項12】
前記下部トレイは、基板支持体を収容するために前記内側壁から半径方向内向きに延在するレッジを含む、請求項11に記載の処理キット。
【請求項13】
前記下部トレイは、アルミニウムで作られている、請求項11に記載の処理キット。
【請求項14】
前記天板の起伏のある内面は、第1の内径を有する第1ステップと、前記第1の内径よりも大きい第2の内径を有する第2ステップとを含む、請求項11に記載の処理キット。
【請求項15】
前記第1ステップは、Oリング溝を含む、請求項14に記載の処理キット。
【請求項16】
内部空間をその中に画定するチャンバ本体と、
前記内部空間内に配置され、前記チャンバ本体のリッドに連結されたシャワーヘッドと、
前記シャワーヘッドに対向して前記内部空間内に配置された基板支持体と、
前記内部空間内に配置され、前記基板支持体の周りに配置された、請求項1から6のいずれか一項に記載のライナと、
を備える、処理チャンバ。
【請求項17】
前記基板支持体は、電源に連結されたエッジリングを含む、請求項16に記載の処理チャンバ。
【請求項18】
前記起伏のある内面上に配置されたシリコン製の上部電極を更に備える、請求項16に記載の処理チャンバ。
【請求項19】
前記天板上に配置され、前記ライナを加熱するように構成されたヒータリングを更に備える、請求項16に記載の処理チャンバ。
【請求項20】
前記ヒータリングと前記シャワーヘッドとの間に配置されたセラミックリングを更に備える、請求項19に記載の処理チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の実施形態は、概して、基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 超小型電子集積回路の製造における半導体ウエハのプラズマ処理は、例えば、誘電体エッチング、金属エッチング、化学気相堆積、及び他の処理において使用される。半導体基板処理において、ますます小さなフィーチャサイズ及び線幅に向かう傾向は、半導体基板上に材料をより精密にマスクし、エッチングし、堆積させる能力を重視してきた。
【0003】
[0003] 典型的には、エッチングは、支持部材によって支持される基板上の低圧処理領域に供給される作動ガスに高周波(RF)電力を印加することによって達成される。結果として生じる電場は、作動ガスをプラズマに励起する反応ゾーンを処理領域内に作り出す。支持部材は、その上に支持された基板に向かってプラズマ内のイオンを引き付けるようにバイアスされる。イオンは基板に隣接するプラズマの境界層に向かって移動し、境界層を離れると加速する。加速されたイオンは、基板の表面から材料を除去又はエッチングするのに必要なエネルギーを生成する。加速されたイオンは、処理チャンバ内の他の構成要素をエッチングしうるため、プラズマが基板の上の処理領域に閉じ込められることが重要である。
【0004】
[0004] 非閉じ込めプラズマは、チャンバ壁上にエッチング副生成物の堆積を引き起こし、チャンバ壁をエッチングする可能性もある。チャンバ壁へのエッチング副生成物の堆積は、処理をドリフトさせる可能性がある。チャンバ壁からのエッチングされた材料は、再堆積によって基板を汚染する可能性があり、及び/又はチャンバに対して粒子を生成する可能性がある。さらに、非閉じ込めプラズマは、下流域でエッチング副生成物の堆積を引き起こす可能性もある。蓄積されたエッチング副生成物は、剥がれ落ち、粒子となることがある。下流域におけるエッチング副生成物の堆積によって引き起こされる粒子の問題を低減するためには、追加の下流洗浄が必要となり、プロセス処理能力を低下させ、処理コストを増大させる可能性がある。
【0005】
[0005] したがって、本発明者らは、本明細書において改善された閉じ込めライナを提供した。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 処理チャンバで使用するためのライナの実施形態が、本明細書で提供される。いくつかの実施態様では、処理チャンバ内で使用するためのライナは、
中央開口部を有する天板であって、第1の内径の第1ステップと第1の内径よりも大きい第2の内径の第2ステップとを有する起伏のある内面を有する天板と、天板の外周部から下方に延在する管状体であって、基板を通過させて移送するための開口部を有する管状体と、を有する上部ライナと、
管状体の底面に当接する下部ライナであって、下部ライナは管状体から半径方向内向きに延在し、下部ライナの周囲に配置された複数の半径方向スロットを含む下部ライナと、
を含み、上部ライナと下部ライナとがC字形断面を形成する。
【0007】
[0007] いくつかの実施形態では、処理チャンバ内で使用するための処理キットは、
中央開口部を有する天板と、天板の外周部から下方に延在する管状体と、管状体から半径方向内向きに延在してライナのC字形断面形状を形成する下部ライナとを有するライナであって、下部ライナは内部を通る複数の半径方向スロットを含み、管状体は内部を通る基板の移送を容易にするための開口部を有する、ライナと、
外側壁と、内側壁と、外側壁から内側壁まで延在する下部壁とを有する下部トレイであって、ライナが下部トレイ上に載置される、下部トレイと、
を含む。
【0008】
[0008] いくつかの実施形態では、処理チャンバは、
内部空間を画定するチャンバ本体と、
内部空間内に配置され、チャンバ本体のリッドに連結されているシャワーヘッドと、
シャワーヘッドに対向して内部空間内に配置された基板支持体と、
中央開口部を有する天板、天板の外周部から下方に延在する管状体、及び基板支持体を取り囲み管状体から半径方向内向きに延在する下部ライナを有するライナであって、天板は起伏のある内面を含み、下部ライナは内部を通る複数の半径方向スロットを含み、管状体は内部を通る基板の移送を容易にするための開口部を有する、ライナと、
を含む。
【0009】
[0009] 本開示の他の実施形態及び更なる実施形態について、以下で説明する。
【0010】
[0010] 上記で簡潔に要約され、以下でより詳細に議論される本開示の実施形態は、添付の図面に示される本開示の例示的な実施形態を参照することによって理解されうる。しかしながら、本開示は他の等しく有効な実施形態を許容しうることから、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを例示しており、従って、範囲を限定していると見なされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示のいくつかの実施形態による、ライナを有する処理チャンバの概略側面図である。
図2】本開示のいくつかの実施形態による、ライナの一部分の等角上面図である。
図3】本開示のいくつかの実施形態による、ライナの一部分の部分断面図である。
図4】本開示のいくつかの実施形態による、ライナの一部分の上面図である。
図5】本開示のいくつかの実施形態による、ライナの一部分の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0016] 理解を容易にするために、可能な場合には、図に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。図は縮尺どおりには描かれておらず、分かりやすくするために簡略化されていることがある。一実施形態の要素及び特徴は、更なる記載がなくとも、他の実施形態に有益に組み込まれうる。
【0013】
[0017] 処理チャンバで使用するためのライナの実施形態が、本明細書で提供される。本明細書で提供されるライナ又は閉じ込めライナの実施形態は、プラズマを内部に有利に閉じ込める一方で、その中を通る際の流動コンダクタンスを高める。いくつかの実施形態では、ライナは、プラズマがライナに接触しているときに、RF電源の接地経路を提供するために、導電性の材料から作られてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ライナは0.01Ωcm以下の電気抵抗率を有する材料から作られる。いくつかの実施形態では、ライナは処理される基板の汚染を低減又は防止する材料から作られてもよい。いくつかの実施態様では、ライナはシリコン材料、例えば、炭化ケイ素(SiC)又はポリシリコンから作られる。いくつかの実施形態では、ライナはポリシリコン材料で被覆される。ライナのためのシリコン材料の使用は、有利には、処理される基板の汚染を低減する。
【0014】
[0018] 図1は、本開示のいくつかの実施形態による、ライナを有する処理チャンバの一部分の概略側面図である。いくつかの実施形態では、処理チャンバはエッチング処理チャンバである。しかしながら、異なる処理のために構成された他のタイプの処理チャンバもまた、本明細書に記載のライナの実施形態で使用すること、あるいは、使用するように変更することが可能である。
【0015】
[0019] 処理チャンバ100は、基板処理中に内部空間120内の大気圧未満の圧力を維持するように適切に適合された真空チャンバである。処理チャンバ100は、側壁及び底壁を有するチャンバ本体106を含む。チャンバ本体106は、リッド104によって覆われ、チャンバ本体106及びリッド104は共に、内部空間120を画定する。チャンバ本体106及びリッド104は、アルミニウムなどの金属から作られてもよい。チャンバ本体106は、接地115への連結を介して接地されてもよい。
【0016】
[0020] 基板支持体124は、内部空間120内に配置され、例えば、半導体ウエハなどの基板122、又は静電的に保持されうる他のそのような基板を支持し、保持する。基板支持体124は一般的に、ペデスタル128と、ペデスタル128を支持するための中空の支持シャフト112とを備えることができる。ペデスタル128は、静電チャック150を含んでもよい。静電チャック150は、内部に配置された1つ又は複数の電極154を有する誘電体プレートを備える。中空の支持シャフト112は、例えば、背面ガス、処理ガス、流体、冷却剤、電力等をペデスタル128に供給するための導管を提供する。
【0017】
[0021] 基板支持体124はチャッキング電源140に連結され、RF源(例えば、RFバイアス電源117又はRFプラズマ電源170)は静電チャック150に連結される。いくつかの実施形態では、背面ガス供給部142がチャンバ本体106の外側に配置され、熱伝達ガスを静電チャック150に供給する。いくつかの実施形態では、RFバイアス電源117は、1つ又は複数のRF整合ネットワーク116を介して静電チャック150に連結される。いくつかの実施形態では、基板支持体124は、代替的に、AC又はDCバイアス電力を含んでもよい。
【0018】
[0022] 処理チャンバ100はまた、その中に配置された基板122を処理するために、1つ又は複数の処理ガスを処理チャンバ100に供給することができる処理ガス供給源118に連結され、流体連通している。いくつかの実施形態では、シャワーヘッド132は、基板支持体124の反対側の内部空間120内に配置される。いくつかの実施形態では、シャワーヘッド132は、リッド104に連結される。シャワーヘッド132及び基板支持体124は、それらの間に処理空間144を部分的に画定する。シャワーヘッド132は、処理ガス供給源118からの1つ又は複数の処理ガスを処理空間144内に分配するための複数の開口部を含む。シャワーヘッド132は、シャワーヘッド132の温度を制御するため、温度制御ユニット138に連結されてもよい。いくつかの実施形態では、処理空間144をさらに画定するため、上部電極136が基板支持体124に対向して内部空間120内に配置される。上部電極136は、1つ又は複数のプロセスガスを点火するため、1つ又は複数の電源(例えば、RFプラズマ電源170)に連結される。いくつかの実施形態では、上部電極136はシリコンを含む。
【0019】
[0023] ライナ102は、基板支持体124及びシャワーヘッド132の少なくとも1つの周りの内部空間120内に配置され、その中にプラズマを閉じ込める。いくつかの実施形態では、ライナ102は、アルミニウム又はケイ素含有材料などの適切なプロセス材料から作られる。例えば、ライナ102は、炭化ケイ素(SiC)、ポリシリコン、あるいは炭化ケイ素(SiC)又はポリシリコンで被覆された材料で作られ、基板122上の汚染を有利に減少させることができる。ライナ102は、上部ライナ160及び下部ライナ162を含む。上側ライナ160は、上述の材料のいずれかで作ることができる。いくつかの実施形態では、下側ライナ162は、上側ライナ160と同じ材料で作られる。例えば、上部ライナ160及び下部ライナ162は、いずれもポリシリコンで作られてもよい。いくつかの実施形態では、上側ライナ160は、下側ライナ162とは異なる材料で作られる。例えば、いくつかの実施態様では、上部ライナ160はアルミニウムで作られ、下部ライナ162はポリシリコン又はポリシリコンで被覆された材料で作られる。いくつかの実施態様では、上部ライナ160は炭化ケイ素(SiC)で作られ、下部ライナ162はポリシリコン又はポリシリコンで被覆された材料で作られる。いくつかの実施態様では、上部ライナ160は、下部ライナ162上に載置される。いくつかの実施態様では、上部ライナ160と下部ライナ162は、一体成形される。下部ライナ162は、上部ライナ160から半径方向内側に延びて、ライナ102のC字形断面形状を画定する。いくつかの実施態様では、上部ライナ160の内径は、下部ライナ162の内径よりも大きい。
【0020】
[0024] 下部ライナ162は、下部ライナ162の周囲に配置された複数の半径方向スロット164を含み、処理ガスの流路をポンプポート148(後述)に提供する。いくつかの実施形態では、ライナ102は、シャワーヘッド132及びペデスタル128と共に、少なくとも部分的に処理空間144を画定する。いくつかの実施形態では、シャワーヘッド132の外径は、ライナ102の外径よりも小さく、ライナ102の内径よりも大きい。ライナ102は、基板122を処理チャンバ100に出し入れするための、チャンバ本体106内のスリット103に対応する開口部105を含む。
【0021】
[0025] いくつかの実施形態では、ライナ102は、ライナ102を所定の温度に加熱するために、ヒータリング180に連結される。いくつかの実施形態では、ライナ102は、1つ又は複数のファスナ158を介してヒータリング180に連結される。ヒータ電源156は、ヒータリング180内の1つ又は複数のヒータ素子に連結されて、ヒータリング180及びライナ102を加熱する。いくつかの実施形態では、セラミックリング168が、ヒータリング180とシャワーヘッド132との間に配置され、シャワーヘッド132からヒータリング180を熱的に切り離す。
【0022】
[0026] 処理チャンバ100は、処理チャンバ100を排気するために使用される、スロットルバルブ及び真空ポンプを含む真空システム114に連結され、流体連通している。処理チャンバ100内部の圧力は、スロットルバルブ及び/又は真空ポンプを調整することによって制御することができる。真空システム114は、ポンプポート148に連結されてもよい。
【0023】
[0027] いくつかの実施形態では、ライナ102は、下側トレイ110上に載置される。下部トレイ110は、1つ又は複数の処理ガスと、複数の半径方向スロット164からの処理副生成物との流れをポンプポート148に向けるように構成される。いくつかの実施形態では、下部トレイ110は、外側壁126と、内側壁130と、外側壁126から内側壁130まで延在する下部壁134とを含む。外側壁126、内側壁130、及び下部壁134は、それらの間に排気空間184を画定する。いくつかの実施形態では、外側壁126及び内側壁130は環状である。下部壁134は、排気空間184を真空システム114に流体連結するため、1つ又は複数の開口部182(図1に示したもの)を含む。下部トレイ110は、ポンプポート148上に載置されるか、又は他の方法で連結されうる。いくつかの実施形態では、下部トレイ110は、チャンバ構成要素、例えば、基板支持体124のペデスタル128を収容するため、内側壁130から半径方向内向きに延在するレッジ152を含む。いくつかの実施形態では、下部トレイ110は、接地経路を提供するために、アルミニウム等の導電性材料で作られる。
【0024】
[0028] 動作中、例えば、1つ又は複数の処理を実行するため、処理空間144内にプラズマが生成されてもよい。プラズマは、処理ガスを点火してプラズマを生成するための内部空間120の近傍又は内部の1つ又は複数の電極(例えば、上部電極136)を介して、プラズマ電源(例えば、RFプラズマ電源170)からの電力を、処理ガスに連結することによって生成されてもよい。バイアス電源(例えば、RFバイアス電源117)から静電チャック150内の1つ又は複数の電極154にバイアス電力を供給して、プラズマから基板122に向かってイオンを引き付けることもできる。
【0025】
[0029] プラズマシースは、基板122のエッジで屈曲可能で、プラズマシースに対して垂直にイオンを加速させる。イオンは、プラズマシース内の屈曲によって、基板エッジで集束又は偏向させることができる。いくつかの実施形態では、基板支持体124は、静電チャック150の周りに配置されたエッジリング146を含む。いくつかの実施形態では、エッジリング146及び静電チャック150は、基板受容面を画定する。エッジリング146は、プラズマシースの屈曲を制御及び/又は低減するため、RFバイアス電源117又は第2のRFバイアス電源(図示せず)などの電源に連結されうる。
【0026】
[0030] 図2は、本開示のいくつかの実施形態による、上部ライナ160としての使用に適したライナの一部分の等角上面図である。上部ライナ160は、中央開口部208を有する天板204を含む。上部ライナ160は、天板204の周縁部分から下方に延び、L字形の断面形状を画定する管状体206を含む。いくつかの実施形態では、天板204の上面202は、ライナ102をヒータリング180に連結しやすくするために、複数の開口部216を含む。いくつかの実施形態では、複数の開口部216は、ファスナ158を保持する。
【0027】
[0031] いくつかの実施形態では、天板204は、起伏のある内面210を有する。いくつかの実施形態では、起伏のある内面210は、第1の内径を有する第1ステップ212を含む。第1ステップ212は、第1のチャンバ構成要素、例えば、上部電極136又はシャワーヘッド132を収容するように構成される。いくつかの実施形態では、起伏のある内面210は、第1の内径よりも大きい第2の内径を有する第2ステップ214をさらに含む。第2ステップ214は、第2のチャンバ構成要素を収容するように構成される。例えば、セラミックリング168は、第2ステップ214上に載置されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のチャンバ構成要素及び第2のチャンバ構成要素は、同じ構成要素、例えば、シャワーヘッド132の上部電極136であってもよい。
【0028】
[0032] 図3は、本開示のいくつかの実施形態による上部ライナ160の一部の部分断面図である。いくつかの実施形態では、管状体206の底面304は、Oリング溝306を含む。Oリング溝306は、上部ライナ160と下部ライナ162との間に密閉を提供するため、Oリング308を収容することができる。いくつかの実施形態では、管状体206は、その中に下部ライナ162を収容するために、ノッチが付けられた下部内側エッジ326を含む。いくつかの実施形態では、管状体206は、管状体206の内面から外面まで延在する窓320を含んでもよい。窓320は、窓320を密閉するため、プラグ332で充填されてもよい。プラグ332は、処理チャンバ100内を見て処理データを収集することを可能にする材料で作られる。いくつかの実施形態では、プラグ332は酸化アルミニウム(Al)で作られる。
【0029】
[0033] いくつかの実施形態では、第1ステップ212は、Oリング340を収容して、上側ライナ160と第1ステップ212上に載置されるチャンバ構成要素との間に密閉を提供するためのOリング溝328を含む。いくつかの実施形態では、起伏のある内面210は、天板204の底面342から第1ステップ212まで延在する第1の側壁314を含む。いくつかの実施形態では、第1の側壁314は、上方及び半径方向外向きに延在する。いくつかの実施形態では、起伏のある内面210は、第1ステップ212から第2ステップ214まで延在する第2の側壁316を含む。いくつかの実施形態では、第2の側壁316は、上方及び半径方向外向きに延在する。いくつかの実施形態では、起伏のある内面210は、第2ステップ214から上天板204の上面202まで延在する第3の側壁318を含む。いくつかの実施形態では、第3の側壁318は、上方及び半径方向外向きに延在する。いくつかの実施形態では、天板204の内径は、約9.0インチ~約10.0インチである。いくつかの実施形態では、ライナ102は、約2.0インチ~約3.0インチの高さを有する。
【0030】
[0034] 図4は、本開示のいくつかの実施形態によるライナ102の一部の上面図である。下部ライナ162の複数の半径方向スロット164は、流れを処理領域144からポンプポート148へ向けるように構成される。複数の半径方向スロット164は、プラズマが処理空間144から逃げるのを低減又は防止するように、適切な大きさにされる。いくつかの実施形態では、複数の半径方向スロット164は、規則的な間隔で配置される。いくつかの実施形態では、複数の半径方向スロット164は、約200個~約300個のスロットを含む。いくつかの実施形態では、複数の半径方向スロット164の各々の幅は、約0.02インチ~約0.2インチである。いくつかの実施形態では、複数の半径方向スロット164の各々の幅は、約0.02インチ~約0.08インチである。いくつかの実施形態では、複数の半径方向スロット164によって画定される全開口面積は、下部ライナ162の全上面積の約30%~約50%である。いくつかの実施形態では、下部ライナ162は、ペデスタル128を支持するために上部内側ノッチ402を含む。いくつかの実施形態では、下部ライナ162は、上部ライナ160を支持するために上部外側ノッチ404を含む。
【0031】
[0035] 図5は、本開示のいくつかの実施形態によるライナ102の一部分の部分断面図である。いくつかの実施形態では、上部ライナ160は、上部外側ノッチ404の上面に載置される。いくつかの実施形態では、Oリング308は、下部ライナ162と上部ライナ160との間に密閉を形成するために、上部外側ノッチ404の上面に載置される。いくつかの実施形態では、下部ライナ162は、下部トレイ110の外側壁126を収容するために、下部外側ノッチ502を含む。いくつかの実施形態では、下部ライナ162は、下部トレイ110の内側壁130を収容するために、下部内側ノッチ506を含む。いくつかの実施形態では、下側ライナ162の外径は、下部トレイ110の外径にほぼ等しい。いくつかの実施形態では、複数の半径方向スロットは、約4.5インチ~約5.5インチの長さ504を有する。いくつかの実施形態では、下側ライナ162は、約0.25インチ~約0.75インチの高さ516を有する。
【0032】
[0036] 上記は、本開示の実施形態を対象とするが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他の及び更なる実施形態が考案されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5