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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】定温水供給装置
(51)【国際特許分類】
   B23Q 11/14 20060101AFI20240129BHJP
   F24H 15/212 20220101ALI20240129BHJP
   B23Q 11/10 20060101ALI20240129BHJP
   B23Q 17/00 20060101ALI20240129BHJP
   B23Q 11/12 20060101ALI20240129BHJP
   B24B 55/03 20060101ALI20240129BHJP
   B24B 55/02 20060101ALI20240129BHJP
   B24B 55/00 20060101ALI20240129BHJP
   H01L 21/301 20060101ALI20240129BHJP
【FI】
B23Q11/14
F24H15/212
B23Q11/10 A
B23Q17/00 A
B23Q11/12 C
B24B55/03
B24B55/02 Z
B24B55/00
H01L21/78 F
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019153591
(22)【出願日】2019-08-26
(65)【公開番号】P2021030374
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100075384
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 昂
(74)【代理人】
【識別番号】100172281
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100206553
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 崇廣
(74)【代理人】
【識別番号】100189773
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 英哲
(74)【代理人】
【識別番号】100184055
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 貴之
(72)【発明者】
【氏名】吉田 幹
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 淳
【審査官】中川 康文
(56)【参考文献】
【文献】特開昭55-112748(JP,A)
【文献】特開2002-039658(JP,A)
【文献】特開2001-062670(JP,A)
【文献】特開2015-020239(JP,A)
【文献】特開平05-169308(JP,A)
【文献】特開2004-142020(JP,A)
【文献】特開2017-156017(JP,A)
【文献】特開2017-024108(JP,A)
【文献】特開2013-193175(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0136821(US,A1)
【文献】米国特許第05197537(US,A)
【文献】国際公開第2019/087882(WO,A1)
【文献】特開2019-136846(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 11/00-13/00
B23Q 17/00-23/00
B24B 53/00-57/04
H01L 21/304
H01L 21/78
F24H 15/212
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工工具と、該加工工具が装着されたスピンドルと、該スピンドルを回転させるモータと、を有する加工ユニットを備える加工装置に接続され、
水の温度を設定温度に調節できる温度調節ユニットを有し、該温度調節ユニットで温度が調節された水を該加工装置に供給する定温水供給装置であって、
環境の温度を測定する環境温度測定ユニットと、
該加工装置に供給され該加工装置で利用された後の該水の温度を利用後温度として測定する利用後温度測定ユニットと、
該温度調節ユニットに該設定温度を指示する設定温度指示ユニットと、を備え、
該設定温度指示ユニットは、
該設定温度が登録される設定温度登録部と、
該設定温度登録部に登録された該設定温度を修正する設定温度修正部と、を有し、
該設定温度修正部は、該利用後温度測定ユニットにより測定された該水の該利用後温度と、該環境温度測定ユニットにより測定された該環境の温度と、に基づいて該設定温度登録部に登録された該設定温度を修正し、
該設定温度修正部が実施する該設定温度の修正では、利用時の作用箇所における該水の温度と、該水の該利用後温度と、の関係が用いられて該利用後温度測定ユニットにより測定された該水の該利用後温度から利用時の該作用箇所における該水の温度が基準温度として推定され、
該設定温度修正部は、該設定温度と、該利用後温度と、の間の該基準温度が該環境の温度に近づくように該設定温度登録部に登録された該設定温度を修正することを特徴とする定温水供給装置。
【請求項2】
該加工装置に供給された該水は、該温度調節ユニットと、該加工ユニットと、を循環し、該スピンドルを冷却する冷却水として機能することを特徴とする請求項1に記載の定温水供給装置。
【請求項3】
該加工装置に供給された該水は、該加工工具に供給され加工水として該加工装置で利用され、
該利用後温度測定ユニットは、該水の排水経路に設置され、該排水経路を通じて排水される該水の温度を該利用後温度として測定することを特徴とする請求項1に記載の定温水供給装置。
【請求項4】
該環境の温度は、20℃以上25℃以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の定温水供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水の温度を特定の温度に調整して加工装置等に供給する定温水供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェーハ等の被加工物を加工する加工装置として、切削装置、研削装置、研磨装置等の各種の加工装置が知られている。これらの加工装置において少ないばらつきで被加工物を繰り返し加工するには、加工ユニットの温度や被加工物の温度を高い精度で制御することが重要である。例えば、2以上の被加工物をそれぞれ加工する際の加工ユニット等の温度が一定でなければ一定の加工結果が得られない場合があり、一つの被加工物を加工する間に加工ユニット等の温度が変化すると所定の加工結果が得られない場合がある。
【0003】
例えば、加工ユニットは、回転しながら被加工物に接触して被加工物を加工する加工工具と、加工工具を回転させる際の回転軸となるスピンドルと、スピンドルを回転させるモータ等の回転駆動源と、を備える。加工ユニットを稼働させるとスピンドルの回転に伴い熱が生じてスピンドルが熱膨張するため、加工結果が変化する場合がある。そこで、加工ユニットの温度を一定に保ちスピンドルの熱膨張を抑制するために、加工ユニットには所定の温度に調節された循環する冷却水が供給される。
【0004】
また、これらの加工装置では、被加工物に生じた加工屑や摩擦熱を速やかに排除する等の目的で純水等の加工水が被加工物や加工ユニットの加工工具に噴出され続ける。被加工物や加工工具に加工水が次々に接触するため、被加工物や加工工具の温度が加工水の温度の影響を受ける。被加工物や加工工具に望まれない熱膨張や熱収縮が生じると所定の加工結果が得られなくなるため、加工水の温度が所定の温度に調節される。
【0005】
加工装置では、冷却水や加工水等の温度が調整された水を供給するために、定温水供給装置が使用される(特許文献1乃至3参照)。定温水供給装置を使用すると、所定の温度に調整された水を所定の作用箇所に供給でき、目的に応じて利用できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2007-127343号公報
【文献】特開2017-215063号公報
【文献】特開2017-156017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
被加工物を安定的に高い精度で加工するには、被加工物を加工する間に加工ユニット及び被加工物の温度の変化が生じないことが好ましい。しかしながら、加工装置の内部の加工ユニット及び被加工物の温度は、加工装置が設置される環境の温度にも影響を受ける場合がある。そこで、加工ユニット及び被加工物の温度の変化を引き起こす要因の一つを取り除くために、加工ユニット及び被加工物の温度を決める冷却水及び加工水等の水の温度と、加工装置が設置された環境の温度と、を一致させることが考えられる。
【0008】
ここで、加工装置は、例えば、半導体デバイス工場の内部等の制御された環境下で使用される。しかし、環境の制御の必要性は加工装置の用途等により異なる上、環境の制御の内容は該環境の管理者により異なる。さらに、同一の半導体デバイス工場等に設置される加工装置でも、空調設備の性能や配置次第で環境が相違する場合もある。その上、半導体デバイス工場等の稼働状況等により環境が日々変化する場合すらある。すなわち、加工装置が設置される環境は個々に異なる上、一定にならない場合がある。
【0009】
また、加工ユニット等に供給される水は、作用箇所に到達するまでの間に温度が変化する上、作用する際にも温度が変化する。例えば、冷却水は冷却対象から熱を吸収することで温度が上昇する。加工水は、加工ユニットが設置された環境中に噴出されると気化熱等により温度が低下する。そして、加工水及び冷却水のこのような温度変化の程度は、常に一定となるとは限らない。
【0010】
このように、加工装置の設置環境は個々に異なる上、加工水及び冷却水等の水の温度変化も一定ではない。したがって、定温水供給装置から供給される水の温度を制御して加工ユニット及び被加工物の温度変化を低減するのは容易ではない。
【0011】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、加工装置に接続され、被加工物及び加工ユニットの温度変化が小さくなるように設定温度を修正して水を加工装置に供給できる定温水供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様によると、加工工具と、該加工工具が装着されたスピンドルと、該スピンドルを回転させるモータと、を有する加工ユニットを備える加工装置に接続され、水の温度を設定温度に調節できる温度調節ユニットを有し、該温度調節ユニットで温度が調節された水を該加工装置に供給する定温水供給装置であって、環境の温度を測定する環境温度測定ユニットと、該加工装置に供給され該加工装置で利用された後の該水の温度を利用後温度として測定する利用後温度測定ユニットと、該温度調節ユニットに該設定温度を指示する設定温度指示ユニットと、を備え、該設定温度指示ユニットは、該設定温度が登録される設定温度登録部と、該設定温度登録部に登録された該設定温度を修正する設定温度修正部と、を有し、該設定温度修正部は、該利用後温度測定ユニットにより測定された該水の該利用後温度と、該環境温度測定ユニットにより測定された該環境の温度と、に基づいて該設定温度登録部に登録された該設定温度を修正し、該設定温度修正部が実施する該設定温度の修正では、作用箇所における利用時の該水の温度と、該水の該利用後温度と、の関係が用いられて該利用後温度測定ユニットにより測定された該水の該利用後温度から利用時の該作用箇所における該水の温度が基準温度として推定され、該設定温度修正部は、該設定温度と、該利用後温度と、の間の該基準温度が該環境の温度に近づくように該設定温度登録部に登録された該設定温度を修正することを特徴とする定温水供給装置が提供される。
【0014】
また、好ましくは、該加工装置に供給された該水は、該温度調節ユニットと、該加工ユニットと、を循環し、該スピンドルを冷却する冷却水として機能する。または、該加工装置に供給された該水は、該加工工具に供給され加工水として該加工装置で利用され、該利用後温度測定ユニットは、該水の排水経路に設置され、該排水経路を通じて排水される該水の温度を該利用後温度として測定する。
【0015】
そして、好ましくは、該環境の温度は、20℃以上25℃以下である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様に係る定温水供給装置では、加工装置で利用された後の水の温度が利用後温度として測定される。測定された水の利用後温度は、加工装置に供給された水の利用時の温度が反映された情報となる。さらに、該定温水供給装置では、加工装置が設置された環境の温度が測定される。
【0017】
すなわち、本発明の一態様に係る定温水供給装置では、利用時の水の温度を評価できる上、温度制御の目標となる環境の温度を測定できる。そのため、被加工物の加工が実施される際の加工ユニット及び被加工物に生じる温度変化を小さくするとの目的を達成するために、利用時の水の温度が環境の温度に近づくように水の設定温度を修正できる。
【0018】
したがって、本発明の一態様によると、加工装置に接続され、被加工物及び加工ユニットの温度変化が小さくなるように設定温度を修正して水を加工装置に供給できる定温水供給装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】定温水供給装置の構成の一例を模式的に示すブロック図である。
図2】定温水供給装置の構成の他の一例を模式的に示すブロック図である。
図3】定温水供給装置の構成のさらに他の一例を模式的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付図面を参照して、本発明の一態様に係る実施形態について説明する。本実施形態に係る定温水供給装置は、例えば、半導体デバイスチップの製造工場に設置された加工装置に接続されて使用される。ただし、定温水供給装置及び加工装置は、半導体デバイスチップの製造工場以外の場所に設置されてもよい。
【0021】
定温水供給装置に接続される加工装置は、例えば、半導体ウェーハ等の被加工物を加工する切削装置、研削装置、研磨装置等である。加工装置は、加工工具と、該加工工具が装着されたスピンドルと、該スピンドルを回転させるモータと、を有する加工ユニットと、加工される被加工物を支持するチャックテーブルと、を備える。
【0022】
図1には、定温水供給装置2aの構成を模式的に示すブロック図とともに、加工装置1の一例として切削装置の内部の構成を模式的に示す側面図が含まれている。以下、加工装置1が切削装置である場合を例に説明するが、本実施形態に係る定温水供給装置2aに接続される加工装置1はこれに限定されない。加工装置1が切削装置である場合、加工装置1において被加工物5が加工されて個々のデバイスチップに分割される。
【0023】
加工装置1は、被加工物5の加工が実施される加工室1bを筐体1aの内部に備える。加工室1bの内部には、被加工物5を支持するチャックテーブル3が設けられている。チャックテーブル3の上面は保持面3aであり、チャックテーブル3は保持面3aに載せられた被加工物5を吸引保持できる吸引機構を備える。チャックテーブル3の上方には、被加工物5の加工を実施する加工ユニット(切削ユニット)7が配設されている。
【0024】
加工ユニット7は、被加工物5を加工する加工工具13として、円環状の砥石部を含む切削ブレードを備える。砥石部は、ダイヤモンド等の砥粒と、砥粒を分散固定する金属又は樹脂でなるボンドと、を備える。円環状の加工工具13(切削ブレード)の中心には、装着穴が設けられており、該装着穴にはチャックテーブル3の保持面3aに平行な方向に沿ったスピンドル9の先端部が突き通されている。スピンドル9は、加工工具13を回転させる際の回転軸となる。
【0025】
加工ユニット7は、さらに、スピンドル9の基端部が回転可能に収容されるスピンドルハウジング11を備え、スピンドルハウジング11の内部にスピンドル9を回転させる回転駆動源となるモータ等を備える。加工装置1で被加工物5を切削する際には、該モータを作動させてスピンドル9を回転させ、回転する加工工具13(切削ブレード)の砥石部を被加工物5に切り込ませる。
【0026】
ここで、加工装置が被加工物を研削する研削装置である場合についても説明しておく。該加工装置は、円環状に並ぶ砥石を備える加工工具(研削ホイール)が装着された加工ユニット(研削ユニット)と、チャックテーブルと、を備える。加工ユニットは、加工工具を回転させる際の回転軸となるスピンドルと、チャックテーブルの保持面に垂直な方向に沿ったスピンドルを回転させるモータと、を備える。該加工工具を回転させながら下降させ被加工物の被研削面に接触させると、該被加工物が研削される。
【0027】
加工ユニット7を稼働させ、被加工物5を加工すると、被加工物5から加工屑が生じる。また、加工工具13と被加工物5との接触に伴って摩擦熱が生じる。そこで、加工屑及び摩擦熱を除去するために、被加工物5が加工される間、加工室1bの内部では加工工具13と被加工物5とに加工水14が供給される。加工水14は、後述の定温水供給装置2aに接続された送水路10の噴出口12から加工工具13に噴出される。例えば加工水14は純水であり、界面活性剤等の添加物が含まれていてもよい。
【0028】
そして、加工室1bの内部で利用された加工水14は、チャックテーブル3の下方に備えられた排水経路15を経て加工装置1の外部に排出される。排水経路15は、加工室1bの内部に拡散した加工水14を集める凹状の水受け15aと、水受け15aの底部から加工装置1の外部に通じる排水管15bと、を備える。
【0029】
加工工具13及び被加工物5に加工水14が供給されると、加工工具13及び被加工物5の温度が変化して加工水14の温度に近づく。加工工具13と、被加工物5と、の温度が変化すると、それぞれ、熱膨張または熱収縮が生じる。また、それぞれの物性が変化する。そのため、加工工具13及び被加工物5の温度が変化すると、加工工具13を使用して実施される被加工物5の加工結果が変化してしまう。そこで、加工工具13等の温度が所定の温度となるように、加工水14の温度が制御される。
【0030】
加工装置1には、加工工具13及び被加工物5に供給される加工水14の供給源として、温度が制御された加工水14を供給できる定温水供給装置2aが接続される。図1には、定温水供給装置2aの構成の一例を模式的に示すブロック図が含まれている。定温水供給装置2aは、水源6から供給された水の温度を設定温度に調節し、温度が調節された水を加工装置1に供給する機能を有する。定温水供給装置2aは、パイプ状の送水路10に温度が調節された水を送る図示しないポンプを備える。
【0031】
定温水供給装置2aは、パイプ状の給水路8を介して水源6に接続された温度調節ユニット4aを内部に備える。また、温度調節ユニット4aは、送水路10を介して加工装置1に接続されている。温度調節ユニット4aは、給水路8を介して供給された水を設定温度に調節する。すなわち、供給された水の温度が設定温度より低ければ該水を加熱し、供給された水の温度が設定温度よりも高ければ該水を冷却する。
【0032】
温度調節ユニット4aは、加熱機構及び冷却機構の一方または両方を備える。該冷却機構は、例えば、外部から空気を取り入れて該水が通る配管に送風し該空気で該水の熱を吸収する空冷式の冷却器か、該水が通る配管に冷却水を接触させて該冷却水で該水の熱を吸収する水冷式の冷却器である。また、該加熱機構は、例えば、空気を加熱して該水が通る配管に送風し、加熱された空気により該水を加熱する。または、該加熱機構は、該水を加熱する電熱線である。ただし、温度調節ユニット4aはこれに限定されない。
【0033】
なお、温度調節ユニット4aは、定温水供給装置2aから送水路10に出される水の温度を測定する温度測定ユニットを備えてもよい。該温度測定ユニットを使用すると水の温度が設定温度であるか否かを監視でき、該水の温度が設定温度と一致しない場合に加熱機構又は冷却機構を作動させて該水の温度を設定温度に近づけるとのフィードバック制御が可能となる。
【0034】
また、加工装置1では、被加工物5を加工工具13で加工する際、スピンドル9の回転に伴い熱が生じ、スピンドル9が熱膨張して加工結果が変化する場合がある。そこで、加工ユニット7には循環する冷却水が供給され、加工ユニット7の温度上昇が抑制される。図2には、加工ユニット7に冷却水を循環させる定温水供給装置2bの構成の一例を模式的に示すブロック図が含まれている。
【0035】
定温水供給装置2bは、パイプ状の循環水送水管10a及びパイプ状の循環水受水管10bを介して加工装置1に接続されている。定温水供給装置2bは、循環水送水管10aを通して加工ユニット7に冷却水を供給する。そして、加工ユニット7に供給された冷却水は、スピンドルハウジング11の内部でスピンドル9を回転させるモータの周りに供給され、モータで生じた熱を吸収する。その後、加工ユニット7で利用された冷却水は、循環水受水管10bを通して定温水供給装置2bに戻される。
【0036】
定温水供給装置2bは、戻された冷却水の温度を設定温度に調節し、温度が調節された冷却水を再び加工装置1に供給する機能を有する。定温水供給装置2bは、循環水送水管10aと、加工ユニット7と、循環水受水管10bと、に循環水を循環させる図示しないポンプを備える。
【0037】
定温水供給装置2bは、定温水供給装置2aの温度調節ユニット4aと同様に構成される温度調節ユニット4bを備える。すなわち、温度調節ユニット4bは、加熱機構及び冷却機構の一方または両方を備える。ただし、利用後の冷却水は利用前の冷却水の温度よりも上昇するため、温度調節ユニット4bは冷却機構のみを有していてもよい。
【0038】
被加工物5を安定的に高い精度で加工するには、被加工物5を加工する間に加工ユニット7及び被加工物5の温度の変化が生じないことが好ましい。ただし、加工装置1の内部の加工ユニット7及び被加工物5等の温度は、加工装置1が設置される環境17の影響を受ける。これは、加工装置1の加工室1bが環境17から完全に遮断されているとは限らない上、加工装置1の筐体1aを通して環境17の熱が加工室1bに伝わるためであり、また、被加工物5の搬出入のために加工室1bが定期的に開放されることにも起因する。
【0039】
そこで、加工ユニット7及び被加工物5の温度の変化を極力生じさせないために、むしろ加工ユニット7及び被加工物5の温度を加工装置1が設置された環境17の温度に合わせることが考えられる。そして、これを実現するために、加工装置1に供給される冷却水及び加工水等の水の温度を環境17の温度と一致させることが考えられる。
【0040】
ただし、加工装置1が設置される環境17の温度は個々に異なる。環境17の制御の必要性は加工装置1の用途等により異なる上、環境17の管理者により環境17の制御の程度も一定とはならない。さらに、同一の半導体デバイス工場等に設置される加工装置1でも、空調設備の性能や配置次第で環境17が相違する場合もある。その上、半導体デバイス工場等の稼働状況等により環境17が日々変化する場合すらある。すなわち、加工装置1が設置される環境は個々に異なる上、一定とはならない場合がある。
【0041】
また、加工ユニット7等に供給される水は、作用箇所に到達するまでの間に温度が変化する上、作用する際にも温度が変化する。例えば、冷却水は冷却対象から熱を吸収することで温度が上昇する。加工水は、加工ユニット7が設置された環境中に噴出されると気化熱等により温度が低下する。そして、加工水及び冷却水のこのような温度変化もまた、常に一定となるとは限らない。
【0042】
このように、加工装置1が設置される環境17は個々に異なる上、日々変化が生じる場合がある。また、加工水及び冷却水等の水の温度変化も一定ではない。したがって、定温水供給装置2a,2bから供給される水の温度を制御して加工ユニット7及び被加工物5の温度変化を低減するのは容易ではない。
【0043】
そこで、本実施形態に係る定温水供給装置では、加工装置1で利用された水の温度と、環境17の温度と、を測定し、測定結果に基づいて設定温度を修正する。水の利用後温度は、加工装置1に供給された水の利用時における温度が反映された情報となる。例えば、水の利用後温度から水の温度変化の過程と、該水が作用する際の該水の温度と、を推定し、該水が作用する際の該水の温度が環境17の温度に近づくように設定温度を修正する。
【0044】
すなわち、本実施形態に係る定温水供給装置では、利用時の水の温度を評価するとともに、温度制御の目標となる環境17の温度を測定する。そのため、冷却水及び加工水等の水の温度の変化と、加工装置1が設置された環境17の温度と、を考慮して定温水供給装置から供給される該水の温度を制御できる。そして、加工ユニット7及び被加工物5に生じる温度変化を小さくするとの目的を達成するために、利用時の水の温度が環境17の温度に近づくように水の設定温度を修正する。
【0045】
まず、本実施形態に係る定温水供給装置において設定温度を修正する過程及び該過程に関与する構成について、図1に示す定温水供給装置2aを例に説明する。定温水供給装置2aは、加工装置1に温度調節ユニット4aにより温度が調節された加工水を供給する機能を有する。
【0046】
定温水供給装置2aは、加工装置1に供給する水の温度を調節する温度調節ユニット4aに設定温度を指示する設定温度指示ユニット16を有する。設定温度指示ユニット16は、温度調節ユニット4aに定期的に設定温度を指示して温度調節ユニット4aを制御する。設定温度指示ユニット16では、下記に説明する通り、水の利用後温度と、環境17の温度と、に基づいて設定温度を修正する。
【0047】
設定温度指示ユニット16は、例えば、データを処理できるプロセッサであり、コンピュータプログラムで表される機能を実行するように構成された回路を有する処理装置である。設定温度指示ユニット16は、プロセッサとしてマイクロプロセッサ、CPU(Central Processing Unit)等を備え、該プログラムがフラッシュメモリ等の記憶装置に格納されている。そして、該プログラム等のソフトウェアと該処理装置(ハードウェア資源)とが協働した具体的手段として機能する。
【0048】
設定温度指示ユニット16は、設定温度を温度調節ユニット4aに指示する設定温度指示部18と、設定温度が登録される設定温度登録部20と、設定温度登録部20に登録された設定温度を修正する設定温度修正部22と、を有する。設定温度指示部18は、所定のタイミングで設定温度登録部20に登録された設定温度を読み出し、該設定温度を温度調節ユニット4aに指示する。
【0049】
例えば、定温水供給装置2aの稼働が開始される際、設定温度登録部20には、加工装置1に供給される加工水として適した温度が予め初期値として登録されている。そして、設定温度登録部20に登録された設定温度は、定温水供給装置2aが稼働する間、設定温度修正部により修正され上書きされ続ける。
【0050】
例えば、定温水供給装置2aは、指示の入力に使用される複数のボタンまたはタッチパネル等の入力ユニットを外面に備えてもよい。そして、例えば、定温水供給装置2a及び加工装置1の使用者又は管理者等は、加工装置1で実施される加工の内容や被加工物の種別等に基づいて該初期値を決定し、該入力ユニットにより設定温度登録部20に該初期値を入力する。ただし、設定温度の初期値は、他の方法で決定されてもよい。
【0051】
設定温度修正部22は、加工装置1に供給され該加工装置1で利用された水の利用後温度と、環境17の温度と、に基づいて設定温度登録部20に登録された該設定温度を修正する。ここで、本実施形態に係る定温水供給装置2aは、環境17の温度を測定する環境温度測定ユニット26と、加工装置1に供給され加工装置1で利用された後の該水の温度を利用後温度として測定する利用後温度測定ユニット24aと、をさらに備える。
【0052】
環境17の温度を測定する環境温度測定ユニット26は、加工装置1及び定温水供給装置2aの外側に備えられており、環境17の温度を測定する。加工装置1の加工室1bに配設された加工ユニット7及び被加工物5の温度に影響する環境17の温度を評価するために、加工装置1にできるだけ近い位置に配設される。
【0053】
利用後温度測定ユニット24aは、定温水供給装置2aから加工装置1に供給され加工装置1で利用された後の該水が到達する位置に設けられる。該水が加工ユニット7の加工工具13に供給される加工水である場合、利用後の該加工水は排水経路15の水受け15aで集められ、排水管15bを通して加工装置1の外部に排水される。そのため、利用後温度測定ユニット24aは、排水経路15の排水管15bに配設される。すなわち、利用後温度測定ユニット24aは、排水経路15を通る加工水の温度を測定する。
【0054】
環境温度測定ユニット26及び利用後温度測定ユニット24aは、設定温度修正部22に接続されている。そして、設定温度修正部22は、環境温度測定ユニット26から環境17の温度を受信するとともに、利用後温度測定ユニット24aから水の利用後温度を受信する。
【0055】
ここで、設定温度修正部22による設定温度の高い精度の修正に実現するために、環境温度測定ユニット26及び利用後温度測定ユニット24aには、例えば、0.1℃以下の分解能を有する精密温度計が使用されることが好ましい。次に、利用後温度測定ユニット24aが実施する設定温度の修正手順について説明する。
【0056】
定温水供給装置2aから出た水は、加工装置1で利用されて加工装置1から排出されるまで様々な要因により温度が変化する上、温度が変化する過程も一定とはならない。しかしながら、該水の温度を変化させる要因と、それぞれの要因が作用するタイミングと、それぞれの要因の作用量と、は大きく変化するものではない。すなわち、加工装置1で利用される過程における該水の温度変化の傾向にはある程度の確からしさが存在する。例えば、測定された水の利用後温度に基づいて、利用時における水の温度変化を推定できる。
【0057】
例えば、被加工物5を加工装置1で加工する前に、加工室1bの内部の加工工具13の近傍の水の噴出経路に温度測定ユニットを配設する。そして、被加工物5の加工時を再現するように加工装置1を稼働させて、該温度測定ユニットで水の温度を測定する。また、利用後温度測定ユニット24aを使用して利用後の水の温度を測定する。この場合、該水の設定温度と、利用時の該水の温度と、該水の利用後温度と、との関係が得られる。
【0058】
上述のように利用時の該水の温度は一定とはならないが、利用時の該水の温度と、該水の利用後温度と、の該関係を用いると、測定された該水の利用後温度から利用時の該水の温度を推定できる。ただし、該水の利用後温度から利用時の該水の温度を推定する手順はこれに限定されず、他の方法により該水の利用後温度から利用時の該水の温度が推定されてもよい。
【0059】
以下、推定される利用時の該水の温度を基準温度と呼ぶこととする。この基準温度は、水の設定温度と、水の利用後温度と、の間の値となりやすい。そして、利用時の水の温度として推定される該基準温度が環境17の温度と一致していると、加工ユニット7等の温度が環境17の影響を受けにくくなる。すなわち、被加工物5の加工を実施している間、加工ユニット7等の温度が変化しにくくなる。
【0060】
そこで、本実施形態に係る定温水供給装置2aでは、設定温度修正部22は、該設定温度と、該利用後温度と、の間の該基準温度が該環境17の温度に近づくように設定温度登録部20に登録された該設定温度を修正する。例えば、水の利用後温度から導出された該基準温度が環境17の温度よりも高い場合、該設定温度を低くする。また、該基準温度が環境17の温度よりも低い場合、該設定温度を高くする。このときの修正量は、例えば、該基準温度と、環境17の温度と、の差を超えない量とされる。
【0061】
このような手順で設定温度を繰り返し修正していくと、利用時の水の温度が環境17の温度に近づく。そのため、環境17の温度の影響による加工ユニット7等の温度の変化が抑制され、加工ユニット7による被加工物5の加工の安定性が飛躍的に向上する。
【0062】
なお、半導体デバイス工場等で使用される加工装置1の正常動作温度の仕様は20℃以上25℃以下とされることが一般的であるため、加工装置1が設置される環境17の温度は20℃以上25℃以下とされる。そこで、定温水供給装置2aの設定温度修正部22は、設定温度を修正する際に考慮する環境17の温度について、20℃以上25℃以下の温度に対応できればよい。
【0063】
換言すると、本実施形態に係る定温水供給装置2aでは、20℃以上25℃以下の範囲の温度で設定される環境17の温度に基準温度が近づくように設定温度が修正される。そして、環境17の温度を測定する環境温度測定ユニット26は、20℃以上25℃以下の範囲において温度を厳密に測定できる分解能及び精度を備えるとの性能を有することが望まれる。
【0064】
図2に示される本実施形態に係る定温水供給装置2bは、図1に示される定温水供給装置2aと同様に構成される設定温度指示ユニット16を備え、設定温度を繰り返し修正しながら温度が調節された水を送水できる。そして、水を循環利用する定温水供給装置2bにおいても水の利用後温度と、環境17の温度と、に基づいて設定温度を修正することで該水を冷却水として利用する加工ユニット7の温度の変化を抑制できる。
【0065】
定温水供給装置2bでは、循環水送水管10aを介して加工ユニット7に冷却水が供給され、加工ユニット7で利用された利用後の冷却水は循環水受水管10bを介して定温水供給装置2bに戻される。そこで、定温水供給装置2bでは、利用後温度測定ユニット24bが循環水受水管10bに設けられる。設定温度修正部22は、環境温度測定ユニット26で測定された環境17の温度と、利用後温度測定ユニット24bで測定された水(冷却水)の利用後温度と、に基づいて、設定温度を修正する。
【0066】
定温水供給装置2bにおいて設定温度登録部20に登録された設定温度が修正される手順は、図1に示される定温水供給装置2aにおいて設定温度が修正される手順と同様である。加工ユニット7のスピンドル9を冷却する水は、その機能に従って利用後に温度が上昇する。
【0067】
この場合、利用時の水の温度である基準温度を明確に定義するのは容易ではない。しかしながら、加工工具13等に供給される加工水と比較して、該水の温度を変化させる他の要因は少ない。そのため、該設定温度と該利用後温度との平均値を基準温度とし、該基準温度が環境17の温度に近づくように設定温度を修正すると、加工ユニット7の温度の変化が小さくなる。
【0068】
このように、定温水供給装置2bにおいても設定温度が水の利用後温度と、環境17の温度と、に基づいて修正される。そのため、環境17の温度の影響による加工ユニット7等の温度の変化が抑制され、加工ユニット7による被加工物5の加工の安定性が飛躍的に向上する。
【0069】
なお、本実施形態に係る定温水供給装置は、例えば、加工装置1で使用される冷却水及び加工水の両方を個別に供給してもよく、それぞれの設定温度が同時に修正されてもよい。図3には、図1の定温水供給装置2aと同様に加工工具13及び被加工物5に温度が調整された加工水を供給し、図2の定温水供給装置2bと同様に加工ユニット7に温度が調整された冷却水を供給する定温水供給装置2cのブロック図が模式的に示されている。
【0070】
定温水供給装置2cについて説明する。定温水供給装置2cは、2つの温度調節ユニット4a,4bと、設定温度指示ユニット16と、を備える。温度調節ユニット4aの構成及び機能は図1に示す定温水供給装置2aの温度調節ユニット4aと同様であり、温度調節ユニット4bの構成及び機能は図2に示す定温水供給装置2bの温度調節ユニット4bと同様である。
【0071】
設定温度指示ユニット16は、2つの温度調節ユニット4a,4bにそれぞれ設定温度を指示する機能を有する。ここで、2つの温度調節ユニット4a,4bには、互いに異なる2つの設定温度が指示されてもよい。これは、それぞれの温度調節ユニット4a,4bで温度が調整されたそれぞれの水は使用目的及び使用態様が異なり、定温水供給装置2cから出されたそれぞれの水の利用時までの温度の変化の様子も異なるためである。
【0072】
そこで、利用時のそれぞれの水の温度を環境17の温度に合わせるためには、それぞれの温度調節ユニット4a,4bに設定される設定温度は個別に決定され、修正されるのが好ましい。ただし、本実施形態に係る定温水供給装置2cはこれに限定されず、互いに共通した設定温度で温度調節ユニット4a,4bが制御されてもよい。
【0073】
設定温度指示ユニット16は、設定温度指示部18と、設定温度登録部20と、設定温度修正部22と、を備える。また、定温水供給装置2cは、2つの利用後温度測定ユニット24a,24bを備える。それぞれの機能及び構成は、図1に示す定温水供給装置2a及び図2に示す定温水供給装置2bが有する同名の要素の機能及び構成と同様である。なお、設定温度修正部22に接続されて使用される環境温度測定ユニット26は、一つでよい。
【0074】
定温水供給装置2cの設定温度指示ユニット16に含まれる設定温度登録部20には、温度調節ユニット4aの第1の設定温度と、温度調節ユニット4bの第2の設定温度と、が登録される。そして、設定温度修正部22は、設定温度登録部20に登録された該第1の設定温度と、該第2の設定温度と、を修正する機能を有する。
【0075】
ここで、設定温度修正部22が第1の設定温度を修正することにより加工工具13等に供給される加工水の温度が変化し、その結果、加工ユニット7のスピンドル9の温度が影響を受けることが考えられる。スピンドル9の温度が変化する場合、設定温度修正部22が第2の設定温度を修正することとなるが、その結果、加工ユニット7に供給される冷却水の温度が変化して加工室1bの内部の雰囲気に影響を与え、加工水の温度が変化することが考えられる。
【0076】
この場合、第1の設定温度の修正と、第2の設定温度の修正と、が互いに影響を受ける形で繰り返されることとなるため、加工装置1に供給される加工水及び冷却水の温度が安定するまでに長い時間を要するおそれがある。そこで、設定温度修正部22は、第1の設定温度及び第2の設定温度のいずれか一方を修正する際、その修正の影響により他方の修正が必要となることを考慮して実施する修正の内容を決定してもよい。これにより、それぞれの設定温度の修正を早期に収束させ、被加工物5の安定的な加工を実現できる。
【0077】
以上に説明する通り、本実施形態に係る定温水供給装置2a,2b,2cによると、加工ユニット7及び被加工物5に生じる温度変化を小さくするとの目的を達成するために、利用の過程にある水の温度が環境17の温度に近づくように水の設定温度を修正できる。そのため、加工装置1における被加工物5の安定的な加工を実現できる。
【0078】
なお、本発明は、上記の実施形態の記載に限定されず、種々変更して実施可能である。例えば、上記実施形態では、加工水及び冷却水を同時に加工装置1に供給できる定温水供給装置2cについて説明したが、加工装置1には定温水供給装置2aにより加工水が供給され、定温水供給装置2bにより冷却水が供給されてもよい。すなわち、2つの定温水供給装置2a,2bが同時に加工装置1に接続されて使用されてもよい。
【0079】
この場合、定温水供給装置2cについて説明した際に言及した通り、2つの定温水供給装置2a,2bの間で、設定温度の修正の繰り返しが生じて加工水及び冷却水の温度が安定しないおそれがある。そこで、2つの定温水供給装置2a,2bを同時に使用する際、それぞれの設定温度指示ユニット16が電気的に接続し、設定温度に実施する修正に関する情報を互いに共有させてもよい。この場合、定温水供給装置2cと同様に設定温度の修正の繰り返しを早期に収束できる。
【0080】
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
【符号の説明】
【0081】
1 加工装置
1a 筐体
1b 加工室
3 チャックテーブル
3a 保持面
5 被加工物
7 加工ユニット
9 スピンドル
11 スピンドルハウジング(モータ)
13 加工工具
15 排水経路
15a 水受け
15b 排水管
17 環境
2a,2b,2c 定温水供給装置
4a,4b 温度調節ユニット
6 水源
8 給水路
10 送水路
10a 循環水送水管
10b 循環水受水管
12 噴出口
14 加工水
16 設定温度指示ユニット
18 設定温度指示部
20 設定温度登録部
22 設定温度修正部
24a,24b 利用後温度測定ユニット
26 環境温度測定ユニット
図1
図2
図3