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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-26
(45)【発行日】2024-02-05
(54)【発明の名称】データ収集システム及びデータ収集方法
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20240129BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20240129BHJP
【FI】
H04Q9/00 311J
H04M1/00 U
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020078594
(22)【出願日】2020-04-27
(65)【公開番号】P2021175114
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100097320
【弁理士】
【氏名又は名称】宮川 貞二
(74)【代理人】
【識別番号】100131820
【弁理士】
【氏名又は名称】金井 俊幸
(74)【代理人】
【識別番号】100155192
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 美代子
(74)【代理人】
【識別番号】100215049
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100100398
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 茂夫
(74)【代理人】
【識別番号】100108257
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 伊知良
(72)【発明者】
【氏名】坂巻 裕太
(72)【発明者】
【氏名】梁 倩
(72)【発明者】
【氏名】山田 泰雅
(72)【発明者】
【氏名】関口 孝志
(72)【発明者】
【氏名】杉山 和彦
【審査官】前田 健人
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-146169(JP,A)
【文献】特開2015-084130(JP,A)
【文献】特開2019-193333(JP,A)
【文献】特開2017-158139(JP,A)
【文献】特開2018-073368(JP,A)
【文献】特開2005-109721(JP,A)
【文献】松尾 真也 SHINYA MATSUO,災害時における建物包囲型アドホック通信ノード配置手法の提案 Deploying Method for Surrounding Building with Ad Hoc Network Node in Disaster Area,マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2012)シンポジウム論文集 情報処理学会シンポジウムシリーズ Vol.2012 No.1 [CD-ROM] IPSJ Symposium Series,日本,一般社団法人情報処理学会,2012年06月27日,第2012巻,p1139
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理対象領域内に配置された1又は2以上のセンシング対象機器に設置されたセンサであって、前記センシング対象機器の状態量を検出するセンサを複数と;
複数の前記センサの設置情報が個別に記憶されていると共に、前記設置情報が記憶された前記センサが検出した状態量を無線通信を介して受信するデータ収集機器と;を備え、
前記データ収集機器は、前記設置情報が記憶された複数の前記センサのそれぞれに対して、前記無線通信が受信可能な範囲内に近づいて前記センサからの電波を閾値以上の強度で受信可能になったときに、前記センサが検出した状態量を自動で受信するように構成されており、
前記データ収集機器は、前記センサが検出した状態量を受信中に前記データ収集機器の操作者に対して前記センサと通信中であることを伝達し、状態量を未収集の前記センサが近辺にある場合に前記データ収集機器の操作者に対してその旨を伝達する伝達部を有
前記センサが近辺にある場合は、前記センサから発信された電波を前記閾値より下回る強度で捕捉できる位置に前記データ収集機器が存在する場合である、
データ収集システム。
【請求項2】
前記データ収集機器は、前記無線通信における前記センサからの電波を前記閾値以上の強度で受信可能な位置である受信可能位置の情報を記憶する位置情報記憶部を有し、前記データ収集機器が前記受信可能位置にあるときに前記センサが検出した状態量を自動で受信するように構成された、
請求項1に記載のデータ収集システム。
【請求項3】
前記伝達部は、前記受信可能位置にあるにもかかわらず前記センサとの無線通信がないときに、前記データ収集機器の操作者に対して前記センサとの無線通信がないことを伝達する、
請求項2に記載のデータ収集システム。
【請求項4】
前記データ収集機器は、前記設置情報が記憶されている前記センサのうちの複数の中からデータを収集する前記センサを選択するデータ取得特定部を有する、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のデータ収集システム。
【請求項5】
管理対象領域内に配置された1又は2以上のセンシング対象機器に設置されたセンサであって前記センシング対象機器の状態量を検出するセンサの複数を、前記センサで検出された前記状態量のデータを収集するデータ収集機器に対して個別に関連付ける認証工程と;
前記データ収集機器が、前記データ収集機器に関連付けられた前記センサで検出された状態量を無線通信を介して受信可能な範囲内に近づいて前記センサからの電波を閾値以上の強度で受信可能になったときに、前記センサが検出した状態量を自動で受信する受信工程と;
前記データ収集機器が、前記センサが検出した状態量を受信中に前記データ収集機器の操作者に対して前記センサと通信中であることを伝達し、状態量を未収集の前記センサが近辺にある場合に前記データ収集機器の操作者に対してその旨を伝達する工程と;を備え、
前記センサが近辺にある場合は、前記センサから発信された電波を前記閾値より下回る強度で捕捉できる位置に前記データ収集機器が存在する場合である、
データ収集方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデータ収集システム及びデータ収集方法に関し、特にデータを簡便に収集することができるデータ収集システム及びデータ収集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、流体を移送するポンプ設備では、一般に、ポンプに備えるセンサによって、振動、温度、流量等の状態量を検出している。このようなポンプ設備を備えるシステムとして、ポンプに設けられたセンサによって検出された状態量に関する情報を、制御装置を介して、スマートフォン、タブレット端末、パソコン等の端末装置に送信し、この端末装置の表示部に表示するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-180349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
システムが有するセンサが多数存在する場合、センサが検出した状態量を端末装置に送信する前に制御装置に送信するために、中央監視設備を構築するなど比較的大がかりな計装工事を行う場合が多く、システム構築が煩雑になってしまっていた。
【0005】
本発明は上述の課題に鑑み、センサが検出した状態量のデータを簡便に収集することができるデータ収集システム及びデータ収集方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係るデータ収集システムは、例えば図1に示すように、管理対象領域内に配置された1又は2以上のセンシング対象機器19に設置されたセンサ10であって、センシング対象機器19の状態量を検出するセンサ10を複数と;複数のセンサ10の設置情報が個別に記憶されていると共に、設置情報が記憶されたセンサ10が検出した状態量を無線通信を介して受信するデータ収集機器20と;を備え、データ収集機器20は、設置情報が記憶された複数のセンサ10のそれぞれに対して、無線通信が受信可能な範囲内に近づいたときに、センサ10が検出した状態量を自動で受信するように構成されている。
【0007】
このように構成すると、データ収集機器が、センサが検出した状態量を受信可能な範囲内に近づいたときに状態量を自動で受信するので、各センサからの状態量を受信可能な範囲を巡回するだけでデータを収集することができる。
【0008】
また、本発明の第2の態様に係るデータ収集システムは、例えば図2に示すように、上記本発明の第1の態様に係るデータ収集システム1において、データ収集機器20は、無線通信におけるセンサ10からの電波を閾値以上の強度で受信可能な位置である受信可能位置の情報を記憶する位置情報記憶部28を有し、データ収集機器20が受信可能位置にあるときにセンサ10が検出した状態量を自動で受信するように構成されている。
【0009】
このように構成すると、センサの不具合等によりセンサとデータ収集機器との無線通信が検出しにくい場合であっても、状態量を収集すべきセンサの存在を認識することができる。
【0010】
また、本発明の第3の態様に係るデータ収集システムは、例えば図2に示すように、上記本発明の第2の態様に係るデータ収集システム1において、データ収集機器20は、受信可能位置にあるにもかかわらずセンサ10との無線通信がないときに、データ収集機器20の操作者に対してセンサ10との無線通信がないことを伝達する伝達部22、26、27を有する。
【0011】
このように構成すると、収集する予定のセンサの状態量の収集忘れを回避することができる。
【0012】
また、本発明の第4の態様に係るデータ収集システムは、例えば図2及び図6(A)に示すように、上記本発明の第1の態様乃至第3の態様のいずれか1つの態様に係るデータ収集システム1において、データ収集機器20は、設置情報が記憶されているセンサ10のうちの複数の中からデータを収集するセンサ10を選択するデータ取得特定部29を有する。
【0013】
このように構成すると、複数のセンサの中からデータを収集するセンサを選択できるので、通信量を削減できて効率的なデータ収集を実現することができる。
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の第5の態様に係るデータ収集方法は、例えば図1並びに図4及び図5を参照して示すと、管理対象領域内に配置された1又は2以上のセンシング対象機器19に設置されたセンサ10であってセンシング対象機器19の状態量を検出するセンサ10の複数を、センサ10で検出された状態量のデータを収集するデータ収集機器20に対して個別に関連付ける認証工程(S7)と;データ収集機器20が、データ収集機器20に関連付けられたセンサ10で検出された状態量を無線通信を介して受信可能な範囲内に近づいたときに、センサ10が検出した状態量を自動で受信する受信工程(S15~S17)と;を備える。
【0015】
このように構成すると、データ収集機器が、センサが検出した状態量を受信可能な範囲内に近づいたときに状態量を自動で受信するので、各センサからの状態量を受信可能な範囲を巡回するだけでデータを収集することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、データ収集機器が、センサが検出した状態量を受信可能な範囲内に近づいたときに状態量を自動で受信するので、各センサからの状態量を受信可能な範囲を巡回するだけでデータを収集することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態に係る検出システムの概略構成図である。
図2】本発明の実施の形態に係る検出システムを構成する1つのセンサ及び携帯装置の概略構成図である。
図3】表示部に表示される情報の例を示す図である。
図4】本発明の実施の形態に係る検出システムにおける新規に設置されたセンサの認証登録を行う手順を説明するフローチャートである。
図5】認証登録されたセンサが検出した状態量を収集する手順を説明するフローチャートである。
図6】表示部に表示される点検状態の例を示す図である。
図7】(A)は本発明の実施の形態の変形例に係る検出システムを構成する1つのセンサ及び携帯装置の概略構成図であり、(B)は本発明の実施の形態の別の変形例に係る検出システムを構成する1つのセンサ及び携帯装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0019】
まず図1を参照して、本発明の実施の形態に係る検出システム1を説明する。図1は、検出システム1の概略構成図である。検出システム1は、複数のセンサ10と、携帯装置20とを含んで構成されている。
【0020】
センサ10は、センシング対象機器19(以下、単に「対象機器19」という。)に取り付けられている。対象機器19として、典型的にはポンプ装置を挙げることができるが、ポンプ装置以外の、ファンやブロワ等を含む回転機器や、熱源装置等の機器であってもよい。対象機器19は、管理対象領域内に設置されている。管理対象領域は、例えば、工場、オフィスビルの機械室等の、情報(状態量)を取得すべきセンサ10が設置された対象機器19が配置された場所である。図1では、対象機器19Aが、モータに取り付けられたセンサ10Aと、架台に取り付けられたセンサ10Bと、軸受に取り付けられたセンサ10Cとを有し、対象機器19Bが、軸受に取り付けられたセンサ10Dと、ポンプハウジングに取り付けられたセンサ10Eとを有する例を示している。各センサ10A、10B、10C、10D、10Eは、それぞれ、取り付けられた部位に関する状態量を検出する独立したものであるが、共通の性質を説明するときは「センサ10」と総称する。同様に、各対象機器19A、19Bは、それぞれ、独立した機能を発揮するものであるが、共通の性質を説明するときは「対象機器19」と総称する。
【0021】
図1に示す例では、対象機器19Aが3つのセンサ10A、10B、10Cを有し、対象機器19Bが2つのセンサ10D、10Eを有しているが、対象機器19A及び/又は対象機器19Bに取り付けられた各センサ10の数は必要に応じて増減してもよく、対象機器19の数も必要に応じて増減してもよい。検出システム1が複数のセンサ10を備える態様としては、典型的には、1台に複数のセンサ10が設置された対象機器19を複数台備える場合が挙げられるが、1台に1つのセンサ10が設置された対象機器19を複数台備えることとしてもよく、1台に複数のセンサ10が設置された対象機器19を1台備えることとしてもよく、1台に複数のセンサ10が設置された対象機器19と1台に1つのセンサ10が設置された対象機器19とを合わせて複数台備えることとしてもよい。
【0022】
ここで図2を併せて参照して、センサ10及び携帯装置20の構成を説明する。図2は、検出システム1を構成する1つのセンサ10及び携帯装置20の概略構成図である。センサ10は、典型的には対象機器19に供給される電力(通常は商用電源からの電力)の一部を受電して作動するように構成されており、商用電源が停電したときの補助としてバッテリが併設されていてもよく、商用電源を用いずにバッテリのみで作動するように構成されていてもよい。センサ10は、通信部11と、状態量検出部12と、設置情報記憶部13とを有している。通信部11は、アンテナ等の、携帯装置20と無線通信を行うのに必要な部品を有している部位である。通信部11は、状態量検出部12及び設置情報記憶部13とデータのやりとりをすることができるように構成されており、携帯装置20に向けて送信するデータを状態量検出部12及び設置情報記憶部13から受け取り、及び携帯装置20から受信したデータを設置情報記憶部13に受け渡すことができるように構成されている。
【0023】
状態量検出部12は、センサ10が取り付けられた対象機器19の部分の状態量を検出するものである。センサ10の状態量検出部12が検出する状態量として、振動、温度、圧力、電流等を挙げることができ、典型的には1つのセンサ10が1種類の状態量を検出するように構成されているが、1つのセンサ10が複数種類の状態量を検出するように構成されていてもよい。本実施の形態では、センサ10Aが電流を検出し、センサ10B、10C、10Dがそれぞれ振動を検出し、センサ10Eが圧力を検出するように構成されている。
【0024】
設置情報記憶部13は、各センサ10を識別するために必要な情報を記憶している他、当該センサ10で検出した状態量の活用に資する情報を記憶することができる部位である。具体的には、設置情報記憶部13は、当該センサ10を識別する固有アドレスが記憶されている。固有アドレスは、センサ10ごとに割り振られたアドレスであり、当該センサ10以外の他のセンサ10と区別できる、唯一のアドレスである。設置情報記憶部13は、本実施の形態では、製品固有アドレスも記憶されている。製品固有アドレスは、そのセンサ10の種別を特定するアドレスであり、種類が同じ(典型的には同製品)であれば同じアドレスが割り振られるものである。つまり、製品固有アドレスは、複数のセンサ10に同じものが付与される場合があり得る。また、設置情報記憶部13は、センサ10の設置に関する情報(以下「設置情報」という)を事後的に記憶することができるように構成されている。センサ10の設置情報として、設置場所(管理対象領域内のどこに設置されているか)、設置箇所(対象機器19のどこに設置されているか)、設置機種(対象機器19の種別)等が挙げられる。
【0025】
携帯装置20は、各センサ10の認証登録を行うことができる装置(デバイス)であり、また、認証登録が行われたセンサ10で検出された状態量を収集する装置(デバイス)でもある。つまり、携帯装置20は、本実施の形態では、設定機器とデータ収集機器とを兼ねている。携帯装置20は、典型的にはタブレット型携帯端末を用いることができるが、スマートフォンやラップトップ(ノートパソコン)を用いてもよい。携帯装置20は、図1に示すように外部サーバ(クラウド含む)等の外部機器99への通信機能を有していてもよい。携帯装置20は、本実施の形態では、通信部21と、表示部22と、設置情報記憶部23と、電波強度測定部24と、認証済センサ記憶部25と、スピーカ26と、振動発生部27と、位置情報記憶部28と、データ取得特定部29とを有しており、これらは直接又は間接的に相互にデータのやりとりをすることができるように構成されている。
【0026】
通信部21は、アンテナ等の、センサ10と無線通信を行うのに必要な部品を有していると共に、外部機器99と無線通信又は有線通信を行うのに必要な部品を有している部位である。通信部21は、センサ10及び/又は外部機器99から受信したデータを携帯装置20内の必要な部位(例えば表示部21や電波強度測定部24等)に受け渡し、及びセンサ10及び/又は外部機器99に向けて送信するデータを携帯装置20内の必要な部位から受け取ることができるように構成されている。
【0027】
表示部22は、センサ10に関する情報を表示する部位であり、典型的にはディスプレイを含んで構成されている。センサ10に関する情報の例として、センサ10の固有アドレス、センサ10が発する電波強度、センサ10の認証の有無、センサ10が認証操作中か否か、等が挙げられる。また、表示部22は、登録すべきセンサ10の設置情報の項目を表示することができるように構成されていてもよい。表示部22に表示される設置情報の項目は、認証操作を簡素化する観点からあらかじめ登録された候補からプルダウンメニュー等で選択できるようになっていることが好ましいが、設定者が直接入力することとしてもよい。
【0028】
図3に、表示部22に表示される情報の例を示す。図3(A)は、複数のセンサ10について、個別に、電波強度、固有アドレス、認証の有無、を表示した一覧表示画面の例である。図3(B)は、センサ10が認証操作中であることを表示した認証画面の例である。図3(C)は、登録すべきセンサ10の設置情報の項目をあらかじめ登録された候補からプルダウンメニューで表示した設置情報の設定画面の例である。図3(D)は、一部のセンサ10(センサA)に設置情報が追加された一覧表示画面の例である。
【0029】
設置情報記憶部23は、認証登録したセンサ10の設置情報を個別に記憶する部位である。設置情報記憶部23は、認証される予定のセンサ10の数を考慮して記憶可能な容量(ストレージ)を決定するとよい。電波強度測定部24は、センサ10が発した電波の強度を測定する部位である。電波強度測定部24は、電波の強度を具体的な数値で検出するように構成されていてもよく、あらかじめ区画された範囲(例えば10dBmごと)においてどの範囲に属するかを検出するように構成されていてもよい。認証済センサ記憶部25は、認証が完了したセンサ10の固有アドレスを記憶するように構成されている。また、認証済センサ記憶部25は、認証が完了したセンサ10の製品固有アドレスを記憶するように構成されていてもよい。認証済センサ記憶部25は、設置情報記憶部23と協働して、認証済センサ記憶部25に記憶された固有アドレスと、設置情報記憶部23に記憶された設置情報とを関連付けるように構成されている。
【0030】
スピーカ26は、携帯装置20の操作者等に対して伝達する情報を音として出力するためのものである。スピーカ26は、音声やメロディやブザー音を発することができるように構成されている。振動発生部27は、携帯装置20の操作者等に対して伝達する情報を振動として出力するためのものであり、典型的にはバイブレータを含んでいる。
【0031】
位置情報記憶部28は、認証登録したセンサ10について、そのセンサ10から発信された電波を閾値以上の強度で受信することができる位置を記憶する部位である。位置情報記憶部28は、典型的にはGPS受信機を含んでおり、GPSを利用して所望の位置を特定して記憶することができるように構成されている。データ取得特定部29は、認証登録したセンサ10が検出した状態量を収集する際に、状態量を収集するセンサ10を選択するための部位である。収集する状態量は、センサ10の設置位置(センサ10が検出する状態量の種類)によって収集が必要な時期や周期が異なる場合があることから、状態量を収集するセンサ10を選択することができるようにしている。状態量を収集するセンサ10を選択することで、通信量を削減することができて効率的な状態量の収集を行うことが可能になる。
【0032】
各センサ10と携帯装置20とは、相互に無線通信ができるように構成されている。無線通信の手段は、典型的には国際規格(IEEE802.15.4、IEEE802.15.1、IEEE802.15.11a、11b、11g、11n、11ac、11ad、ISO/IEC14513-3-10、IEEE802.15.4g)方式(Bluetooth(登録商標)、BluetoothLowEnergy、Wi-Fi、ZigBee(登録商標)、Sub-GHz、EnOcean(登録商標)等)の通信手段が用いられる。
【0033】
次に図4及び図5を参照して、検出システム1の作用を説明する。図4は、検出システム1における新規に設置されて未認証のセンサ10の認証登録を行う手順を説明するフローチャートである。図5は、認証登録されたセンサ10が検出した状態量を収集する手順を説明するフローチャートである。以下の検出システム1の作用の説明において、検出システム1の構成に言及しているときは適宜図1図3を参照することとする。まず、図4を参照して、センサ10の認証登録を行う手順(認証工程)を説明する。
【0034】
前述のように、対象機器19には、様々な状態量を検出するために、複数のセンサ10が設けられる。検出システム1を構築する際、設置情報を持たない状態のセンサ10を対象機器19に取り付けて、対象機器19を管理対象領域内に設置した後にセンサ10に設置情報を関連付けることとすると、管理が容易となり好都合である。携帯装置20とセンサ10とが無線通信を行う場合、両者が離れていても、電波が届く範囲であれば、センサ10が検出した状態量を携帯装置20で見たり、携帯装置20でセンサ10を設定することが可能である。しかし、センサ10が対象機器19に設置済であるがセンサ10の設置情報が未設定の場合、ある対象機器19(例えば対象機器19A)の特定の状態量(例えば電流)を検出しようとしても所望の状態量を検出するセンサ10を特定することができず、意図しない状態量を取得してしまう可能性がある。また、意図しないセンサ10へ誤った設定をしてしまう可能性もある。さらに、電波が届く範囲が広く、センサ10が発する電波を受信できるどのような携帯装置20によってもセンサ10の設定が可能であるとすると、部外者によって意図しない設定変更が行われてしまう可能性がある。このような不都合を回避するために、検出システム1では、以下に説明するような手順でセンサ10の設定を行うこととしている。
【0035】
管理対象領域内に配置されている対象機器19に取り付けられているセンサ10は、認証登録がされているか(設置情報が登録されているか)否かにかかわらず、固有アドレス及び製品固有アドレスを含む電文(一定の形式に従って記述された、コンピュータ間で送受信されるひとまとまりのデータ)を定期的に発信している。なお、センサ10以外にも、何らかの情報を含む電文を発信している機器が存在している可能性がある。携帯装置20は、操作者に保持されて操作者と共に移動し、何らかのものが発信している電波を捕捉できる範囲に入ると、電文を受信する(S1)。携帯装置20は、電文を受信したら、その受信した電文を解析し、その電文の発信元がセンサ10か否かを判断する(S2)。受信した電文の発信元がセンサ10であるか否かは、解析した電文に含まれる製品固有アドレスがセンサ10を示すアドレスであるか否かを把握することで分かる。受信した電文の発信元がセンサ10ではない場合は、再び電文を受信する工程(S1)に戻る。他方、受信した電文の発信元がセンサ10である場合、そのセンサ10が現時点で保有している情報を、一覧表として、携帯装置20の表示部22に表示する(S3)。ここで表示部22に表示される一覧表は、例えば図3(A)に示すようなものである。図3(A)に示す例では、センサ10の固有アドレスのほか、電波強度測定部24で測定した電波の強度等が示されている。携帯装置20は、認証済でないセンサ10からは、状態量や設置情報等を受信することができないようになっている。
【0036】
携帯装置20は、一覧表に表示されたセンサ10について、受信して解析した電文に含まれる固有アドレスが、認証済センサ記憶部25に記憶されている固有アドレスに含まれるか否かを照合することで、当該センサ10が認証済であるか否かを判断する(S4)。受信して解析した電文に含まれる固有アドレスが、認証済センサ記憶部25に記憶されている固有アドレスに含まれていない場合、携帯装置20は、当該センサ10が認証されていないものと判断して、表示部22に認証を促す表示をする(S5)。認証を促す表示は、例えば図3(B)に示すような「センサと認証を行います。センサに装置を近づけて下さい。」というメッセージの場合がある。検出システム1では、外部からの不正登録(部外者による意図しない認証登録)を防ぐために、電波強度測定部24が測定した電波が閾値以上となる場合に認証登録を行うことが許容されるようになっている。ここでの閾値は、典型的には管理対象領域の外では捕捉できない電波の強度が設定され、外部からの不正登録の防止を一層強化する観点からはセンサ10の至近距離(典型的には携帯装置20をセンサ10にかざしたときの距離)で捕捉できる電波の強度に設定されることが好ましい。このように閾値が設定されることで、管理対象領域内に入ることができない部外者による不正登録を防いでいる。
【0037】
携帯装置20は、表示部22に認証を促す表示をする工程(S5)の後、電波強度測定部24が測定した電波の強度が閾値以上か否かを判断する(S6)。閾値以上でない場合は引き続き認証を促す表示をする工程(S5)を継続する。他方、閾値以上である場合、携帯装置20は、当該センサ10の固有アドレスを認証済センサ記憶部25に保存(記憶)する(S7)。固有アドレスを認証済センサ記憶部25に保存することにより、そのセンサ10の認証登録が完了し、そのセンサ10は認証済のセンサ10となる。センサ10は、認証済として携帯装置20に登録されることで、検出した状態量を含む電文を発信した際に、認証登録した際の携帯装置20で受信されるようになる。なお、何らかの要因で突発的に高い電波強度を受信した際に誤って認証するのを回避するために、「あらかじめ決められた時間において受信した電波の強度が閾値以上の場合」及び/又は「閾値以上の強度の電波をあらかじめ決められた回数受信した場合」に、固有アドレスを認証済センサ記憶部25に保存して認証登録することとしてもよい。また、本実施の形態では、認証登録するセンサ10の固有アドレスを認証済センサ記憶部25に保存する工程(S7)において、後にセンサ10が検出した状態量を収集する際の利便性を向上させる観点から、そのときの携帯装置20の位置の情報をも位置情報記憶部28に記憶することとしている。
【0038】
携帯装置20は、この時点では、認証登録したセンサ10の固有アドレスや位置情報を有しているが、当該センサ10の設置情報を有していない。そのため、表示部22にそのセンサ10の設置情報を表示することができず、後にセンサ10から状態量のデータを収集したときにどのような状態量なのか直感的に把握することができない。そこで、本実施の形態では、認証登録するセンサ10の固有アドレスを認証済センサ記憶部25に保存する工程(S7)の後に、設置情報を設定することとしている(S8)。設置情報を設定する工程(S8)では、本実施の形態では、あらかじめ設置情報記憶部23に登録されている、登録すべきセンサ10の設置情報の項目が、図3(C)に示すようにプルダウンメニューで表示部22に表示されるので、プルダウンメニューから選択して決定するだけで、簡便に設置情報を設定することができる。設置情報を設定すると、図3(D)に示すように、図3(A)に示す一覧表に対して設置情報が追加された一覧表が表示部22に表示できるようになる。本実施の形態では、携帯装置20に設定された設置情報が、無線通信によってセンサ10に送信されてセンサ10の設置情報記憶部13にも記憶される。設置情報が設定されたら(S8)、センサ10の認証登録が終了する。この状態で、携帯装置20は、認証登録されたセンサ10が検出した状態量を電文として受信することが可能になっている。なお、センサ10が認証済であるか否かを判断する工程(S4)において認証済である場合も、センサ10の認証登録が終了し、この状態で、携帯装置20は、認証登録されたセンサ10が検出した状態量を電文として受信することが可能になっている。
【0039】
次に図5を参照して、認証登録されたセンサ10が検出した状態量を収集する手順を説明する。上述の図4に示すフローによって認証登録された各センサ10は、携帯装置20に記憶されており、一覧表示が可能になっている。一覧表示に掲載されているセンサ10に対しては、それらが検出した状態量のデータを、携帯装置20が収集可能になっている。一覧表示に掲載されているセンサ10は、検出した状態量の収集が必要な時期が異なる場合があるため、点検を実施する度に、データ取得特定部29によって、状態量を取得するセンサ10を選択することが可能である。本実施の形態では、携帯装置20に表示されるメニューから、点検の実施の項目を選ぶと、図6(A)に示すように、認証登録されて一覧表示された各センサ10について、点検リストに追加することを選択できる、タッチパネル上のボタンが表示されるようになっている。携帯装置20の操作者(典型的には点検の実行者)は、一覧表示されているセンサ10の中から、状態量を取得したいセンサ10を選択した点検リストを作成する(S11)。
【0040】
点検リストを作成したら、操作者は、点検ルートの巡回を開始する(S12)。点検ルートは、点検リストに加えたセンサ10の設置情報を参考にして、当該センサ10が設置されている位置の近くを順に通過するルートを決定すればよい。点検ルートの巡回開始後、携帯装置20は、点検対象のセンサ10の近辺に到達したか否かを判断する(S13)。認証登録されているセンサ10については、位置情報記憶部28に位置情報が記憶されているので、その記憶されている位置の近傍に携帯装置20が到達すると、位置情報記憶部28がその旨を検出することができるようになっている。この、点検対象のセンサ10の近辺に到達したか否かの判断は、検出システム1の中では携帯装置20単独で行われるので、センサ10の作動状態の影響を受けない。点検対象のセンサ10の近辺に到達したと判断する基準として、典型的にはセンサ10から発信された電波を閾値以上の強度で受信することができる位置に到達した場合を採用することができる。しかしながら、これよりも広範囲にセンサ10の存在を知らせたい場合は、センサ10から発信された電波の強度は閾値より下回るが、所定の強度(状況に応じて任意の値を設定することができる)の電波を捕捉できる位置に到達したときに、点検対象のセンサ10の近辺に到達したと判断することとしてもよい。ただし、本実施の形態では、センサ10から状態量を含む電文を受信することができるのは、センサ10から発信された電波の強度が閾値以上となる位置に到達したときとなっている。
【0041】
点検対象のセンサ10の近辺に到達したか否かを判断する工程(S13)において、到達していない場合は再び同工程(S13)に戻る。他方、点検対象のセンサ10の近辺に到達した場合は、操作者にその旨を通知する(S14)。操作者への通知は、典型的には表示部22にその旨を表示することによって行われるが、この表示に代えて、又はこの表示と共に、スピーカ26からの音の出力及び/又は振動発生部27における振動の発生を行うこととしてもよい。携帯装置20が点検対象のセンサ10の近辺に到達したことが通知されることによって、操作者がそのセンサ10からの状態量を収集し忘れることを抑制することができる。表示部22への通知の例として、図6(B)における「センサD」の項目に示すメッセージを掲載することが挙げられる。操作者への通知(S14)をしたら、携帯装置20は、対象のセンサ10から状態量を含む電文の受信を開始したか否かを判断する(S15)。携帯装置20は、前述のように、センサ10から発信された電波を閾値以上の強度で受信することができる位置に到達したときに、センサ10からの状態量を含む電文を受信できる状態となる。センサ10から状態量を含む電文を受信できる状態となったときに受信を開始してもよいが、受信を開始する前に、携帯装置20とセンサ10との間で暗号鍵交換手続を試み、暗号鍵交換手続が成功した後に、センサ10からの状態量を含む電文の受信を開始することとして、セキュリティーを向上させてもよい。なお、暗号鍵交換手続が成功した後に、センサ10の設置情報記憶部13に記憶されている設置情報と携帯装置20の設置情報記憶部23に記憶されている設置情報とを照合し、両者が一致していることで両者の関連付けが行われていることを確認してもよく、照合の結果が一致しない場合に、携帯装置20に記憶されている設置情報が上書きされた(変更された)ものと推定し、センサ10に設定された設置情報が正しいものであるとして、携帯装置20に記憶されていた設置情報を更新することとしてもよい。
【0042】
対象のセンサ10から状態量を含む電文の受信を開始したか否かを判断する工程(S15)において、センサ10からの電文の受信を開始したら、携帯装置20は、表示部22に、センサ10と通信中である旨を表示する(S16)。ここでの表示部22への表示の例として、図6(C)における「センサA」の項目に示すメッセージを掲載することが挙げられる。表示部22にセンサ10と通信中である旨を表示することにより、携帯装置20を保持した操作者が、センサ10から発信された電波を閾値以上の強度で受信することができる位置から遠ざかってしまうことを抑制することができる。なお、携帯装置20がセンサ10から状態量に関するデータを取得している間、表示部22に表示することに代えて、又は表示部22に表示することと共に、スピーカ26からメロディを出し及び/又は振動発生部27において振動を発生させることとしてもよい。携帯装置20は、センサ10からの状態量を含む電文の受信が完了することで、そのセンサ10で検出された状態量に関するデータを取得する(S17)。
【0043】
少し戻って、対象のセンサ10から状態量を含む電文の受信を開始したか否かを判断する工程(S15)において、センサ10からの電文の受信を開始しない場合、携帯装置20は、表示部22を介して、操作者に、通信ができない旨を伝達する(S18)。携帯装置20とセンサ10とが通信できない原因として、センサ10に電力が供給されていない場合が挙げられる。センサ10に電力が供給されていない場合として、停電が生じた場合や、バッテリを備えている場合であってもバッテリ切れが生じた場合が考えられる。通信ができない旨を、各センサ10との無線通信を試みるごとに操作者に伝達することで、対処が必要なセンサ10を早急に把握することができる。通信ができない旨を伝達する工程(S18)における、表示部22への表示の例として、図6(C)における「センサD」の項目に示すメッセージを掲載することが挙げられる。なお、通信ができない旨を表示部22に表示することに代えて、又は表示部22に表示すると共に、スピーカ26から音声やブザー音を発信し及び/又は振動発生部27において振動を発生させて、操作者に伝達することとしてもよい。スピーカ26及び/又は振動発生部27を用いて通信ができない旨を操作者に伝達することで、ながら点検となってしまうことを回避することができる。このように、表示部22に加え、スピーカ26及び振動発生部27は、それぞれ伝達部を構成する。
【0044】
通信ができない旨を伝達したら(S18)、あるいはセンサ10で検出された状態量に関するデータを取得したら(S17)、携帯装置20は、点検リストに掲載されている、点検対象のセンサのうちで未点検のセンサ10があるか否かを判断する(S19)。未点検のセンサ10がある場合は、点検対象のセンサ10の近辺に到達したか否かを判断する工程(S13)に戻り、以降、上述のフローを繰り返す。他方、未点検のセンサ10がない場合は、点検を終了する。点検が終了した際に、例えば図6(D)に示すように、点検結果を表示部22に表示することとするとよい。
【0045】
以上で説明したように、本実施の形態に係る検出システム1によれば、未認証のセンサ10が発信する固有アドレスを含む電文を、閾値以上の強度で受信できる位置に携帯装置20が近づいたときに、そのセンサ10を認証登録することができるので、外部からの不正登録を回避しつつ簡便に認証登録を行うことができる。また、あらかじめ作成した点検リストに掲載されているセンサ10から発信された電波の強度が閾値以上となる位置に携帯装置20が到達したときに、センサ10が検出した状態量を含む電文を携帯装置20が自動で受信するので、点検ルートを巡回するだけで簡便にデータの収集を行うことができる。
【0046】
次に図7(A)を参照して、本発明の実施の形態の変形例に係る検出システム101を説明する。図7(A)は、変形例に係る検出システム101を構成する1つのセンサ110及び携帯装置120の概略構成図である。検出システム101では、センサ110が、設置情報記憶部13(図2参照)に代えて認証済固有アドレス記憶部15を有しており、さらに、センサ10(図2参照)には設けられていなかった電波強度測定部16を有している。認証済固有アドレス記憶部15は、設置情報記憶部13(図2参照)の機能に加えて、認証済の携帯装置120の固有アドレスを記憶することができる部位である。そして、電波強度測定部16がセンサ110に設けられているため、携帯装置120には電波強度測定部24(図2参照)が設けられていない。また、携帯装置120には、認証済センサ記憶部25(図2参照)も設けられていない。上記以外のセンサ110及び携帯装置120の構成は、それぞれ、センサ10(図2参照)及び携帯装置20(図2参照)と同様である。このように構成された検出システム101では、センサ110は、携帯装置120から認証動作中の通知を受けて、認証動作モードへ遷移する。そして、センサ110の電波強度測定部16が携帯装置120との間の無線通信の電波強度を測定し、閾値以上であれば携帯装置120の固有アドレスを記憶する。センサ110は、記憶済である携帯装置120以外の携帯装置からの通信に対して、未承認であれば未承認であることを通知する。
【0047】
次に図7(B)を参照して、本発明の実施の形態の別の変形例に係る検出システム201を説明する。図7(B)は、変形例に係る検出システム201を構成する1つのセンサ210及び携帯装置20の概略構成図である。検出システム201では、センサ210が、センサ10(図2参照)の構成に加え、電波強度可変部18を有している。電波強度可変部18は、センサ210から発信する固有アドレスを含む電文の電波の強さ及び/又は周波数を変えることにより、電波の到達距離を変えることができるものである。上記以外のセンサ210の構成はセンサ10(図2参照)と同様であり、検出システム201が備える携帯装置20は検出システム1(図2参照)が備えるものと同じである。このように構成された検出システム201では、センサ210の認証登録前はセンサ210から発信する電波の強度を最小(近距離のみ通信可能)にし、認証登録が行われて設置情報の記憶が完了した後に発信する電波の強度を高くするようになっている。このように電波強度を変えることで、認証登録が行われるまでは比較的弱い電波を発信することによって認証可能な携帯装置210を近距離に存在するものに限定し、認証登録が行われた後は強い電波を発信することによってセンサ210が検出した状態量を携帯装置20によって比較的遠距離で受信することを可能にしている。
【0048】
以上の説明では、設置情報記憶部13が固有アドレスのほか、製品固有アドレスや設置情報を記憶していることとしたが、少なくとも固有アドレスが記憶されていれば足り、固有アドレス以外の情報は必要に応じて任意に記憶するように構成することができる。
【0049】
以上の説明では、携帯装置20が設定機器とデータ収集機器とを兼ねていることとしたが、どちらか一方の機能で足りる場合は他方の機能を備えていなくてもよい。
【0050】
以上の説明では、携帯装置20がスピーカ26及び振動発生部27を有することとしたが、音声の出力や振動による通知が不要の場合は、スピーカ26及び/又は振動発生部27を設けなくてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1、101、201 センサ認証登録システム
10、110、210 センサ
16 電波強度測定部
19 センシング対象機器
20、120 携帯装置
22 表示部
24 電波強度測定部
26 スピーカ
27 振動発生部
28 位置情報記憶部
29 データ取得特定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7