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特許7428007情報処理装置、印刷システム、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、印刷システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240130BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240130BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
G06F3/12 334
G06F3/12 310
B41J29/38 301
H04N1/00 127B
H04N1/00 002Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020030519
(22)【出願日】2020-02-26
(65)【公開番号】P2021135666
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2022-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100085660
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 均
(72)【発明者】
【氏名】中村 葵
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-267102(JP,A)
【文献】特開2005-084611(JP,A)
【文献】特開2017-091143(JP,A)
【文献】特開2011-159095(JP,A)
【文献】特開2007-241609(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09- 3/12
B41J 29/00-29/70
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷アプリケーションソフトウエアにより作成された印刷データ及び印刷設定情報に基づいて、印刷ジョブを生成して、当該印刷ジョブを画像形成装置に送信するプリンタドライバと、
前記画像形成装置との間の印刷に係わる不良箇所の有無を診断するとともに、診断結果に不良箇所がある場合に当該不良箇所に係わる情報を表示してユーザに不良箇所の修正を依頼するプリンタ診断修正部と、
前記プリンタ診断修正部による診断結果を診断状況データとして蓄積する診断状況フォルダと、を備える情報処理装置であって、
前記プリンタドライバは、前記プリンタ診断修正部による診断結果を参照する状態確認部を備え、
前記プリンタ診断修正部は、前記診断状況フォルダに診断結果を書き込むとともに、前記診断状況フォルダから診断結果を読み出す診断状況確認部を備え、
前記プリンタドライバは、前記印刷アプリケーションソフトウエアから印刷実行指示を受信した場合に、前記印刷ジョブを生成しておき前記印刷実行指示に応じた前記印刷ジョブの前記画像形成装置への送信に先立って前記状態確認部を介して前記診断状況確認部に不良箇所の有無の確認を指示し、
前記プリンタ診断修正部は、前記ユーザによる前記不良箇所の修正完了の後に、前記診断状況確認部による確認結果に他の不良箇所がある場合に、前記印刷ジョブに係わる不良内容に対応した修正動作を実行し、修正された印刷ジョブを前記画像形成装置に送信することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記プリンタ診断修正部は、予め指定された時間間隔に基づいて、各プリンタアイコンを定期的に診断し、前記各プリンタアイコンに不良箇所がある場合に当該不良内容を保存する定期実行部を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プリンタ診断修正部は、前記定期実行部による診断結果を前記診断状況フォルダに書き込むことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プリンタ診断修正部は、前記診断状況確認部による確認結果に不良箇所がない場合に、前記印刷ジョブを修正せずに前記画像形成装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理装置と、
前記情報処理装置により供給された印刷データを記録媒体に印刷する画像形成装置と、を備えることを特徴とする印刷システム。
【請求項6】
印刷アプリケーションソフトウエアにより作成された印刷データ及び印刷設定情報に基づいて、印刷ジョブを生成して、当該印刷ジョブを画像形成装置に送信するプリンタドライバと、
前記画像形成装置との間の印刷に係わる不良箇所の有無を診断するとともに、診断結果に不良箇所がある場合に当該不良箇所に係わる情報を表示してユーザに不良箇所の修正を依頼するプリンタ診断修正部と、
前記プリンタ診断修正部による診断結果を診断状況データとして蓄積する診断状況フォルダと、を備える情報処理装置による情報処理方法であって、
前記プリンタドライバは、前記プリンタ診断修正部による診断結果を参照する状態確認ステップを実行し、
前記プリンタ診断修正部は、前記診断状況フォルダに診断結果を書き込むとともに、前記診断状況フォルダから診断結果を読み出す診断状況確認ステップを実行し、
前記プリンタドライバは、前記印刷アプリケーションソフトウエアから印刷実行指示を受信した場合に、前記印刷ジョブを生成しておき前記印刷実行指示に応じた前記印刷ジョブの前記画像形成装置への送信に先立って前記状態確認ステップを介して前記診断状況確認ステップに不良箇所の有無の確認を指示し、
前記プリンタ診断修正部は、前記ユーザによる前記不良箇所の修正完了の後に、前記診断状況確認ステップによる確認結果に他の不良箇所がある場合に、前記印刷ジョブに係わる不良内容に対応した修正動作を実行し、修正された印刷ジョブを前記画像形成装置に送信することを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
請求項6に記載された情報処理方法における各ステップをプロセッサに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、印刷システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報処理装置にあっては、実行されている印刷アプリケーションソフトウエアが印刷ジョブを生成し、印刷ジョブをプリンタに送信して、プリンタに印刷させていた。
このような情報処理装置にあっては、印刷エラーが発生した場合、印刷診断ツールを実行して、印刷エラーの原因である不良箇所を特定し、さらに不良箇所を修正する技術が搭載されている。
【0003】
このような従来の情報処理装置の一例として、特許文献1が知られている。
特許文献1には、プリンタとホストコンピュータからなる印刷システムにおいて、印刷エラーを検出した場合に、次ページ以降の印刷が続行可能であるときには、印刷を中断せずに次ページ以降の印刷を自動的に続行するという技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1にあっては、印刷エラーが発生した場合には、ユーザが印刷エラーの原因を調査し、ホストコンピュータ上のドライバ側の設定や、プリンタ本体側の確認等を手動で行って、印刷エラーの原因となる不良箇所を特定し、不良箇所を修正した後に、印刷アプリケーションソフトウエアを再度操作する必要があった。
このため、印刷アプリケーションソフトウエアに対する操作の合間に手動により不良箇所を修正することもあり、操作が煩雑になり、再度印刷が開始されるまでの所要時間が長くかかるといった問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的としては、情報処理装置に係わる印刷エラーの検出を迅速化して、効率的な印刷を実行することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、上記課題を解決するために、印刷アプリケーションソフトウエアにより作成された印刷データ及び印刷設定情報に基づいて、印刷ジョブを生成して、当該印刷ジョブを画像形成装置に送信するプリンタドライバと、前記画像形成装置との間の印刷に係わる不良箇所の有無を診断するとともに、診断結果に不良箇所がある場合に当該不良箇所に係わる情報を表示してユーザに不良箇所の修正を依頼するプリンタ診断修正部と、前記プリンタ診断修正部による診断結果を診断状況データとして蓄積する診断状況フォルダと、を備える情報処理装置であって、前記プリンタドライバは、前記プリンタ診断修正部による診断結果を参照する状態確認部を備え、前記プリンタ診断修正部は、前記診断状況フォルダに診断結果を書き込むとともに、前記診断状況フォルダから診断結果を読み出す診断状況確認部を備え、前記プリンタドライバは、前記印刷アプリケーションソフトウエアから印刷実行指示を受信した場合に、前記印刷ジョブを生成しておき前記印刷実行指示に応じた前記印刷ジョブの前記画像形成装置への送信に先立って前記状態確認部を介して前記診断状況確認部に不良箇所の有無の確認を指示し、前記プリンタ診断修正部は、前記ユーザによる前記不良箇所の修正完了の後に、前記診断状況確認部による確認結果に他の不良箇所がある場合に、前記印刷ジョブに係わる不良内容に対応した修正動作を実行し、修正された印刷ジョブを前記画像形成装置に送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、情報処理装置に係わる印刷エラーの検出を迅速化して、効率的な印刷を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係わる印刷システムの全体構成を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係わる情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係わる情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
図4】本発明の一実施形態に係わる情報処理装置の診断部による定期診断を実行するときのシーケンス図である。
図5】本発明の一実施形態に係わる情報処理装置の診断部による診断結果が良好であるときのシーケンス図である。
図6】本発明の一実施形態に係わる情報処理装置の診断部による診断結果が不良であるときのシーケンス図である。
図7】本発明の一実施形態に係わる情報処理装置の診断部により実行される診断処理を示すフローチャートである。
図8】本発明の一実施形態に係わる情報処理装置の診断部により実行される具体的な診断内容の一例を表で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
本発明は、情報処理装置に係わる印刷エラーの検出を迅速化して、効率的な印刷を実行するために、以下の構成を有する。
すなわち、本発明の情報処理装置は、印刷アプリケーションソフトウエアにより作成された印刷データ及び印刷設定情報に基づいて、印刷ジョブを生成して、当該印刷ジョブを画像形成装置に送信するプリンタドライバと、画像形成装置との間の印刷に係わる不良箇所の有無を診断するとともに、診断結果に不良箇所がある場合に当該不良箇所に係わる情報を表示してユーザに不良箇所の修正を依頼するプリンタ診断修正部と、プリンタ診断修正部による診断結果を診断状況データとして蓄積する診断状況フォルダと、を備える情報処理装置であって、プリンタドライバは、プリンタ診断修正部による診断結果を参照する状態確認部を備え、プリンタ診断修正部は、診断状況フォルダに診断結果を書き込むとともに、診断状況フォルダから診断結果を読み出す診断状況確認部を備え、プリンタドライバは、印刷アプリケーションソフトウエアから印刷実行指示を受信した場合に、印刷ジョブを生成するとともに、状態確認部を介して診断状況確認部に不良箇所の有無の確認を指示し、プリンタ診断修正部は、ユーザによる不良箇所の修正完了の後に、診断状況確認部による確認結果に他の不良箇所がある場合に、印刷ジョブに係わる不良内容に対応した修正動作を実行し、修正された印刷ジョブを画像形成装置に送信することを特徴とする。
以上の構成を備えることにより、情報処理装置に係わる印刷エラーの検出を迅速化して、効率的な印刷を実行することができる。
上記記載の本発明の特徴について、以下の図面を用いて詳細に解説する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0010】
<印刷システム>
図1は、本発明の一実施形態に係わる印刷システムの全体構成を示すブロック図である。
本実施形態では、印刷システム1は、情報処理装置5、通信経路7、プリンタ9を備えている。
情報処理装置5は、例えば、パーソナルコンピュータであり、電子ファイルを生成して、電子ファイルをプリンタ9に送出する。
プリンタ9は、画像形成装置の一例であり、通信経路7を介して情報処理装置5と接続され、情報処理装置5から受信した電子ファイルを印刷する。
通信経路7は、PCのTCP/IPポートやWSDポートを介して接続するLANケーブルや無線LAN、情報処理装置5のUSBポートを介して接続するUSBケーブルであればよい。
【0011】
<ハードウェア構成>
図2は、本発明の一実施形態に係わる情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。ここでは、情報処理装置5のハードウェア構成について説明する。
図2に示されているように、情報処理装置5は、コンピュータによって構築されており、図5に示されているように、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
これらのうち、CPU501は、情報処理装置5全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。
HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。
【0012】
外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのUSBインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。
ネットワークI/F509は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのTCP/IPインターフェースであり、LANケーブルや無線LANを介して外部機器であるプリンタ9に接続することが可能になる。
バスライン510は、図2に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。
DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記憶媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記憶メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0013】
<情報処理装置の機能構成>
図3は、本発明の一実施形態に係わる情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
情報処理装置5は、印刷アプリケーションソフトウエア51、プリンタドライバ53、診断状況フォルダ55、プリンタ診断修正部57、通信部59を備えている。
印刷アプリケーションソフトウエア51は、プリンタドライバ53に対して印刷を実行するアプリケーションソフトウエアであり、例えばWord(登録商標)やExcel(登録商標)などがある。
プリンタドライバ53は、情報処理装置5(コンピュータ)からプリンタ9に接続して操作するために必要なソフトウエアであり、描画部53a、状態確認部53bを備えている。
プリンタドライバ53は、印刷アプリケーションソフトウエア51により作成された印刷データ及び印刷設定情報に基づいて、印刷ジョブを生成して、当該印刷ジョブをプリンタ9に送信する。
プリンタドライバ53は、印刷アプリケーションソフトウエア51から印刷実行指示を受信した場合に、印刷ジョブを生成するとともに、状態確認部53bを介して診断状況確認部57bに不良箇所の有無の確認を指示する。
プリンタドライバ53は、印刷実行指示を受信した場合に、印刷ジョブを生成するとともに、状態確認部53bを介して診断状況確認部57bに不良箇所の有無の確認を指示する。この際、プリンタ診断修正部57は、診断状況確認部57bによる確認結果に不良箇所がない場合に、印刷ジョブを修正せずにプリンタ9に送信する。
描画部53aは、印刷アプリケーションソフトウエア51から受け取った印刷データを、プリンタ9が解釈できるデータに変換するとともに、印刷データを一時記憶しておく機能も有する。また、描画部53aは、印刷データを信号線53Aを介して通信部59に送信する。
状態確認部53bは、プリンタ診断修正部57の診断状況確認部57bに診断の結果を参照する。
診断状況フォルダ55は、プリンタ診断修正部57により診断した診断結果を診断状況データとして蓄積する。
【0014】
プリンタ診断修正部57は、診断部57a、診断状況確認部57b、定期実行部57cを備えている。
プリンタ診断修正部57は、プリンタ9との間の印刷に係わる不良箇所の有無を診断するとともに、診断結果に不良箇所がある場合に当該不良箇所に係わる情報を表示してユーザ61に不良箇所の修正を依頼する。
プリンタ診断修正部57は、ユーザによる不良箇所の修正完了の後に、診断状況確認部57bによる確認結果に他の不良箇所がある場合に、印刷ジョブに係わる不良内容に対応した修正動作を実行し、修正された印刷ジョブをプリンタ9に送信する。
プリンタ診断修正部57は、定期実行部57cによる診断結果を診断状況フォルダ55に書き込む。
【0015】
診断部57aは、問題が発生しているプリンタアイコンで印刷を実行しようとしたときに、定期実行部57cにより保存した診断状況フォルダ55の問題内容を確認して、ユーザが図8に記載した人為的な修正を行う。人為的な修正が不要なもの(プログラムからOSに指示することで解決が可能なものなど)についても、このタイミングで修正を行い、診断状況確認部57bに修正完了である旨の情報を通知する。また、診断部57aには、プリンタ9の情報取得のための信号線57Aが通信部59との間に接続されている。
診断状況確認部57bは、診断状況フォルダ55の診断状況データを確認して、修正が必要であれば診断部57aに対して修正を実行することを指示する。
診断状況確認部57bは、診断状況フォルダ55に診断結果を書き込むとともに、診断状況フォルダ55から診断結果を読み出す。
定期実行部57cは、予め指定した時間間隔に基づいて各プリンタアイコンを定期的に診断を実行し、各プリンタアイコンに問題が発生しているとわかった時点で診断を終了して、起きた問題の内容を診断状況フォルダ55に保存する。その後の修正や診断は行わない。
通信部59は、プリンタ9とのデータのやり取りを行う。
【0016】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウエアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0017】
<定期診断>
図4は、本発明の一実施形態に係わる情報処理装置の診断部による定期診断を実行するときのシーケンス図である。
ステップS1では、定期実行部57cは、予め指定した時間間隔に基づいて、診断部57aに対して診断を実行する旨の指示を実行する。
ステップS3では、診断部57aは、情報処理装置5のディスプレイ506に表示されている全てのプリンタアイコンに対して印刷に係わる診断を実行する(診断内容については図8参照)。
ステップS5では、診断部57aは、プリンタ9の情報の取得が必要な場合は、通信部59の信号線57Aを介してプリンタ9の情報を取得する旨の情報を伝える。
ステップS7では、通信部59は、プリンタ9の情報を取得する旨の情報を信号線7を介してプリンタ9に伝達する。
ステップS9では、プリンタ9は、信号線7を介して通信部59にプリンタ9の情報を送信する。
ステップS11では、診断部57aは、通信部59から信号線57Aを介してプリンタ9の情報を受信する。
【0018】
ステップS13では、診断部57aは、プリンタ9の情報に基づいて診断を実行して、診断状況確認部57bに対して診断結果を伝達する。なお、この時のプリンタ9からの情報は、指定されたIPアドレス上にプリンタ9が接続されているか、また、接続されている場合には、プリンタの認証機能が有効か無効等の情報である。
ステップS15では、診断状況確認部57bは、プリンタアイコン毎の診断結果に基づいて診断状況フォルダ55に記憶されている診断状況データを更新する。
ステップS17では、診断状況確認部57bは、診断状況データを更新した旨の情報を診断部57aに伝達する。
ステップS19では、診断部57aは、定期実行部57cに対して診断が終了した旨の情報を伝達して終了する。その後、次の指定された時間になるとステップS1から繰り返す。
【0019】
<診断結果=良好>
図5は、本発明の一実施形態に係わる情報処理装置の診断部による診断結果が良好であるときのシーケンス図である。
ステップS21では、ユーザ61は、プリンタアイコンを指定して印刷アプリケーションソフトウエア51の一例であるWord(登録商標)やExcel(登録商標)に印刷を実行する旨の指示を操作する。
ステップS23では、印刷アプリケーションソフトウエア51は、描画部53aに印刷を実行する旨の指示を発行する。この時、プリンタアイコンの情報も渡すとともに、印刷データを描画部53aに一旦記憶しておく。
ステップS25では、描画部53aは、状態確認部53bに対して印刷が可能か否かの状態を確認する旨の指示を発行する。この時、プリンタアイコンの情報も渡す。
ステップS27では、状態確認部53bは、診断状況確認部57bに対して指定されたプリンタアイコンによる印刷が可能か否かの状態を参照する旨の情報を発行する。
【0020】
ステップS29では、診断状況確認部57bは、診断状況フォルダ55に記憶されている指定されたプリンタアイコンの診断状況データを読み出して診断状況を確認する。
ステップS31では、診断状況確認部57bは、状態確認部53bに対して診断状況が良好である旨を伝達する。
ステップS33では、状態確認部53bは、描画部53aに対して印刷可能である旨の情報を伝達する。
ステップS35では、描画部53aは、記憶してある印刷データを処理して、プリンタ9に印刷データを送信するために信号線53Aを介して通信部59に送信する。
ステップS37では、通信部59は、描画部53aから送信された印刷データをプリンタ9に送信する。
【0021】
<診断結果=不良>
図6は、本発明の一実施形態に係わる情報処理装置の診断部による診断結果が不良であるときのシーケンス図である。
ステップS41では、ユーザ61は、印刷アプリケーションソフトウエア51の一例であるWord(登録商標)やExcel(登録商標)に印刷を実行する旨の指示を操作する。
ステップS43では、印刷アプリケーションソフトウエア51は、描画部53aに印刷を実行する旨の指示を発行する。この時、プリンタアイコンの情報も渡すとともに、印刷データを描画部53aに一旦記憶しておく。
ステップS45では、描画部53aは、状態確認部53bに対して印刷が可能か否かの状態を確認する旨の指示を発行する。この時、プリンタアイコンの情報も渡す。
ステップS47では、状態確認部53bは、診断状況確認部57bに対して指定されたプリンタアイコンによる印刷が可能か否かの状態を参照する旨の情報を発行する。
ステップS49では、診断状況確認部57bは、診断状況フォルダ55に記憶されている指定されたプリンタアイコンの診断状況データを読み出して診断状況を確認する。
ステップS51では、診断状況確認部57bは、診断状況データを確認した結果、印刷が不可能であると確認すると、診断部57aに対して不良個所を修正する旨の情報を指示する。
【0022】
ステップS53では、診断部57aは、不良個所の修正動作を実行する際にユーザ61からの情報入力が必要な場合、ステップS55により、ユーザ61に対して修正箇所の情報入力案内を伝達する。
ステップS57では、診断部57aは、ユーザ61から必要な情報を受信すると、その情報に基づいて修正を実行して修正を完了する。
ステップS59では、診断部57aは、修正完了の旨の情報を診断状況確認部57bに伝達する。
ステップS61では、診断状況確認部57bは、診断状況フォルダ55内の診断状況データを印刷可能に更新する。
ステップS63では、診断状況確認部57bは、状態確認部53bに対して診断状況が良好になった旨を伝達する。
ステップS65では、状態確認部53bは、描画部53aに対して印刷可能になった旨の情報を伝達する。
ステップS67では、描画部53aは、記憶してある印刷データを処理して、プリンタ9に印刷データを送信するために信号線53Aを介して通信部59に送信する。
ステップS69では、通信部59は、描画部53aから送信された印刷データをプリンタ9に送信する。
【0023】
<診断処理>
図7は、本発明の一実施形態に係わる情報処理装置の診断部により実行される診断処理を示すフローチャートである。
ステップS71では、診断部57aは、図8の問題番号(問題No.)を計数するのに用いる変数nを0(n=0)として初期化する。
ステップS73では、診断部57aは、変数nをインクリメント+1(n=+1)する。
ステップS75では、診断部57aは、問題番号(問題No.)に応じて順に診断していく。各問題の例については図8を参照する。
まず、ステップS75では、診断部57aは、問題が発生しているか否かを診断する。各問題の診断内容としては、図8に示す発生確認方法を参照する。
【0024】
診断部57aは、問題が発生していなければ(ステップS75でNoのルート)、ステップS81において、問題が残っているか確認する。
一方、問題が発生している場合は(ステップS75でYesのルート)、ステップS77に進み、診断部57aは、プリンタ診断修正部57またはユーザが修正を実施する。この際、発生確認方法と同じ内容を診断することで、修正が成功しているか否かをステップS79で確認する。各問題の修正内容は、図8に示す修正内容を参照する。
最後に、ステップS81では、診断部57aは、問題が残っているか、つまり未診断の問題が1つ以上あるか否かを確認する。ここで、問題が残っている場合(ステップS81でYesのルート)、次の問題が発生しているか否かを診断するためにステップS73に進む。一方、問題が残っていない場合は(ステップS81でNoのルート)、診断処理を終了する。
なお、図4乃至6に示す診断結果が不良(NG)とは、問題が1つ以上発生していることを表す。一方、診断結果が良好(OK)とは、問題が全く発生していないことを表す。
【0025】
<診断対象の問題、発生確認方法、修正内容の例>
図8は、本発明の一実施形態に係わる情報処理装置の診断部により実行される具体的な診断内容の一例を示す図表である。
図8には、プリンタ9により印刷ができないときに、発生する問題、発生確認方法、修正内容の例を示したものである。各問題について、発生確認方法と修正内容は一意に決まっている。
(1)診断対象の問題として、ポートが指定されているにも拘らず、プリンタ9に送信できない場合、プリンタアイコンのポートが、TCP/IPポート、USBポート、WSDポートのいずれでもないかを確認するという発生確認方法がある。この際、適切なポートを指定するという修正内容がある。
(2)診断対象の問題として、通信経路7に問題がある場合、プリンタアイコンの指定されているIPアドレス上に接続されているプリンタ9と通信ができていないかという発生確認方法がある。この際、LANケーブルのつなぎ直し、ルータを確認するなどの修正内容がある。
(3)診断対象の問題として、プリンタアイコンがオフラインに設定されている場合、プリンタアイコンの状態がオフラインであるかという発生確認方法がある。この際、オフラインを解除するという修正内容がある。
【0026】
<本実施形態の態様例の作用、効果のまとめ>
<第1態様>
本態様の情報処理装置5は、印刷アプリケーションソフトウエア51により作成された印刷データ及び印刷設定情報に基づいて、印刷ジョブを生成して、当該印刷ジョブをプリンタ9に送信するプリンタドライバ53と、プリンタ9との間の印刷に係わる不良箇所の有無を診断するとともに、診断結果に不良箇所がある場合に当該不良箇所に係わる情報を表示してユーザ61に不良箇所の修正を依頼するプリンタ診断修正部57と、プリンタ診断修正部57による診断結果を診断状況データとして蓄積する診断状況フォルダ55と、を備える情報処理装置5であって、プリンタドライバ53は、プリンタ診断修正部57による診断結果を参照する状態確認部53bを備え、プリンタ診断修正部57は、診断状況フォルダ55に診断結果を書き込むとともに、診断状況フォルダ55から診断結果を読み出す診断状況確認部57bを備え、プリンタドライバ53は、印刷アプリケーションソフトウエア51から印刷実行指示を受信した場合に、印刷ジョブを生成するとともに、状態確認部53bを介して診断状況確認部57bに不良箇所の有無の確認を指示し、プリンタ診断修正部57は、ユーザ61による不良箇所の修正完了の後に、診断状況確認部57bによる確認結果に他の不良箇所がある場合に、印刷ジョブに係わる不良内容に対応した修正動作を実行し、修正された印刷ジョブをプリンタ9に送信することを特徴とする。
本態様によれば、印刷エラーが発生した場合でも、印刷エラーの原因となる不良箇所が修正された後に、印刷アプリケーションソフトウエア51による印刷を実行するので、情報処理装置5に係わる印刷エラーの検出を迅速化して、効率的な印刷を実行することができる。
【0027】
<第2態様>
本態様のプリンタ診断修正部57は、予め指定された時間間隔に基づいて、各プリンタアイコンを定期的に診断し、各プリンタアイコンに不良箇所がある場合に当該不良内容を保存する定期実行部57cを備えることを特徴とする。
本態様によれば、予め指定された時間間隔に基づいて、定期的に診断を実行して不良内容を保存する定期実行部57cを備えるので、ユーザ61に不良個所の修正を依頼する項目以外は常に正常に機能することができる。
【0028】
<第3態様>
本態様のプリンタ診断修正部57は、定期実行部57cによる診断結果を診断状況フォルダ55に書き込むことを特徴とする。
本態様によれば、定期的に診断を実行した不良内容をデータとして診断状況フォルダ55に書き込むので、常に最新の印刷ジョブをプリンタ9に送信することができる。
【0029】
<第4態様>
本態様のプリンタドライバ53は、印刷実行指示を受信した場合に、印刷ジョブを生成するとともに、状態確認部53bを介して診断状況確認部57bに不良箇所の有無の確認を指示し、プリンタ診断修正部57は、診断状況確認部57bによる確認結果に不良箇所がない場合に、印刷ジョブを修正せずにプリンタ9に送信することを特徴とする。
本態様によれば、プリンタ診断修正部57は、診断状況確認部57bによる確認結果に不良個所がない場合に、印刷ジョブを修正せずにプリンタ9に送信するので、必ず正常な印刷ジョブをプリンタ9が受信して印刷を実行することができる。
【0030】
<第5態様>
本態様の1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理装置5と、情報処理装置5により供給された印刷データを記録媒体に印刷するプリンタ9と、を備えることを特徴とする。
本態様によれば、診断結果に不良箇所がある場合に当該不良箇所を表示してユーザに不良個所の修正を依頼するとともに、予め指定された時間間隔に基づいて、定期的に診断を実行して不良内容を保存するので、情報処理装置5に係わる印刷エラーの検出を迅速化して、効率的な印刷を実行することができる。
【0031】
<第6態様>
本態様の情報処理方法は、刷アプリケーションソフトウエア51により作成された印刷データ及び印刷設定情報に基づいて、印刷ジョブを生成して、当該印刷ジョブをプリンタ9に送信するプリンタドライバ53と、プリンタ9との間の印刷に係わる不良箇所の有無を診断するとともに、診断結果に不良箇所がある場合に当該不良箇所に係わる情報を表示してユーザ61に不良箇所の修正を依頼するプリンタ診断修正部57と、プリンタ診断修正部57による診断結果を診断状況データとして蓄積する診断状況フォルダ55と、を備える情報処理装置5を備える情報処理装置による情報処理方法であって、プリンタドライバ53は、プリンタ診断修正部57による診断結果を参照する状態確認ステップを実行し、プリンタ診断修正部57は、診断状況フォルダ55に診断結果を書き込むとともに、診断状況フォルダ55から診断結果を読み出す診断状況確認ステップを実行し、プリンタドライバは、印刷アプリケーションソフトウエア51から印刷実行指示を受信した場合に、印刷ジョブを生成するとともに、状態確認ステップを介して診断状況確認ステップに不良箇所の有無の確認を指示し、プリンタ診断修正部57は、ユーザによる不良箇所の修正完了の後に、診断状況確認ステップによる確認結果に他の不良箇所がある場合に、印刷ジョブに係わる不良内容に対応した修正動作を実行し、修正された印刷ジョブをプリンタ9に送信することを特徴とする。
本態様によれば、印刷エラーが発生した場合でも、印刷エラーの原因となる不良箇所が修正された後に、印刷アプリケーションソフトウエア51による印刷を実行するので、情報処理装置5に係わる印刷エラーの検出を迅速化して、効率的な印刷を実行することができる。
【0032】
<第7態様>
本態様のプログラムは、第6態様に記載された情報処理方法における各ステップをプロセッサに実行させることを特徴とする。
本態様によれば、印刷エラーが発生した場合でも、印刷エラーの原因となる不良箇所が修正された後に、印刷アプリケーションソフトウエア51による印刷を実行するので、情報処理装置5に係わる印刷エラーの検出を迅速化して、効率的な印刷を実行することができる。
【符号の説明】
【0033】
1…印刷システム、5…情報処理装置、7…通信経路、9…プリンタ、51…印刷アプリケーションソフトウエア、53…プリンタドライバ、53a…描画部、53b…状態確認部、55…診断状況フォルダ、57…プリンタ診断修正部、57a…診断部、57b…診断状況確認部、57c…定期実行部、59…通信部、501…CPU、502…ROM、503…RAM、504…HD、505…HDDコントローラ、506…ディスプレイ、508…外部機器接続I/F、509…ネットワークI/F、510…バスライン、511…キーボード、512…ポインティングデバイス、513…DVD-RW、514…RWドライブ、515…記録メディア
【先行技術文献】
【特許文献】
【0034】
【文献】特開2003-170643公報
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