(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-29
(45)【発行日】2024-02-06
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
C23C 16/44 20060101AFI20240130BHJP
C23C 16/34 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
C23C16/44 B
C23C16/34
(21)【出願番号】P 2022078094
(22)【出願日】2022-05-11
(62)【分割の表示】P 2020157401の分割
【原出願日】2020-09-18
【審査請求日】2022-09-13
(31)【優先権主張番号】10-2020-0045298
(32)【優先日】2020-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0045299
(32)【優先日】2020-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0045300
(32)【優先日】2020-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0045301
(32)【優先日】2020-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0045303
(32)【優先日】2020-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】316008145
【氏名又は名称】ウォニク アイピーエス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】WONIK IPS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】75,Jinwisandan-ro,Jinwi-myeon,Pyeongtaek-si,Gyeonggi-do,17709,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】イ スンソブ
(72)【発明者】
【氏名】ソン ジョンリン
(72)【発明者】
【氏名】キム ジュホ
(72)【発明者】
【氏名】パク キョン
(72)【発明者】
【氏名】キム ジュソブ
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-267255(JP,A)
【文献】特開平01-106423(JP,A)
【文献】特開2009-059872(JP,A)
【文献】特開平07-045546(JP,A)
【文献】特開2002-353153(JP,A)
【文献】特開2004-063485(JP,A)
【文献】特開2009-117798(JP,A)
【文献】国際公開第2004/075272(WO,A1)
【文献】実開平07-027148(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/44
C23C 16/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に複数の基板が流入して基板処理が行われる反応空間を形成したインナーチューブと、
前記インナーチューブを支持し、前記反応空間に工程ガスを供給し、また前記反応空間から工程ガスを排気するマニホールドアセンブリと、
前記マニホールドアセンブリの下部を密閉するキャップフランジと、
前記キャップフランジの側面の分散された位置に構成された複数のクランプモジュールと、
前記マニホールドアセンブリを介して前記反応空間に対するポンピングを行うインナーポンプ部と、
を含み、
前記インナーポンプ部のポンピングにより前記反応空間が常圧未満に減圧された状態で、前記キャップフランジと前記マニホールドアセンブリの下部とをクランプ
し、
前記クランプモジュールは、前記キャップフランジの昇降により、前記キャップフランジの上面が、前記マニホールドアセンブリの底面とOリングを挟んで第1の間隔で近接した後に、前記インナーポンプ部のポンピングにより、前記反応空間が常圧未満に減圧されて、前記キャップフランジの上面が、前記マニホールドアセンブリの底面と前記Oリングを挟んで前記第1の間隔よりも小さい第2の間隔で隣接する場合、前記キャップフランジと前記マニホールドアセンブリの下部とをクランプすることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記キャップフランジの下部に離隔を維持し、固定されるベースプレートをさらに備え、
前記複数のクランプモジュールは、
前記ベースプレートに分散して設けられ、前記キャップフランジの側面に対向するクランプチャネルが形成されたクランプをそれぞれ備え、
前記クランプを駆動することによって、前記第2の間隔で隣接した前記キャップフランジと前記マニホールドアセンブリの下部とを前記クランプチャネル内にクランプすることを特徴とする請求項
1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
それぞれの前記クランプモジュールは、
前記キャップフランジの側面に対向する前記クランプチャネルが形成された前記クランプと、
前記クランプを垂直支持するクランプブラケットと、
前記ベースプレートに固定され、ロッドを介して前記クランプブラケットに連結され、前記クランプブラケット及び前記クランプを前進又は後進させるアクチュエータと、を含み、
前記アクチュエータの駆動によって、前記クランプは、クランプするためのロック位置とクランプ解除のための解除位置との間を移動することを特徴とする請求項
2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記ベースプレートの下部に、弾性部の弾性力により前記ベースプレートと離隔が維持される昇下降プレートをさらに備え、
前記弾性部は、
前記ベースプレートと前記昇下降プレートとの間に介在され、前記キャップフランジの上面と前記マニホールドアセンブリの底面が前記第1の間隔で近接するための前記弾性力を提供することを特徴とする請求項
2に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記弾性部は、
前記昇下降プレートと前記ベースプレートとの間の複数の位置に介在されたスプリングを含むことを特徴とする請求項
4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記インナーチューブの一部が受容され、前記インナーチューブとの間に前記反応空間と独立した保護空間を形成するアウターチューブをさらに含み、
前記マニホールドアセンブリは、上部の前記アウターチューブと下部の前記インナーチューブとを離隔して支持することを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記マニホールドアセンブリは、
前記保護空間と連通して前記保護空間に不活性ガスを供給するアウターガス供給口と不活性ガスを排気するアウターガス排気口とが形成されたことを特徴とする請求項
6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記マニホールドアセンブリは、
前記保護空間と連通し、前記保護空間の圧力を常圧より低い低圧に形成するために、外部の真空ポンプと連結されるアウターポンプ口が形成されたことを特徴とする請求項
7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記マニホールドアセンブリは、
前記反応空間と連通して前記反応空間に工程ガスを供給するインナーガス供給口と、前記工程ガスを排気するインナーガス排気口とが形成されることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記マニホールドアセンブリは、
前記反応空間と連通し、前記反応空間の圧力を常圧より低い低圧に形成するために、外部の真空ポンプと連結されるインナーポンプ口が形成されたことを特徴とする請求項
9に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記マニホールドアセンブリは、
前記反応空間の温度を測定する熱電対が設けられる熱電対保護管が締結される熱電対締結口が形成されることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記インナーチューブの前記反応空間に垂直設けられ、下部が前記マニホールドアセンブリを介して引き出され、前記反応空間内のそれぞれ異なる位置で温度を検知する検出部を備える熱電対が複数個挿入される熱電対保護管を含み、
前記反応空間は、
第2のドーム状天井により形成された天井領域と前記天井領域の下部の反応領域とに分けられ、
前記熱電対保護管は、
前記天井領域に延び、曲げられた上部の延長管を備え、
少なくとも一つの熱電対の前記検出部が前記延長管内に位置することを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記熱電対保護管は、
上部の前記延長管と、前記延長管の下部の垂直管と、前記垂直管から折れて形成され、前記マニホールドアセンブリの側壁を貫通して外部に引き出される下部管と、を含み、
前記延長管、前記垂直管及び前記下部管は、一体に形成されることを特徴とする請求項
12に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置に関し、より詳しくは、高圧及び低圧により基板処理が行われる基板処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基板処理装置は、ウエハーのような基板に対する半導体工程を処理するものとして理解できる。基板処理装置の一例として、基板の熱処理のためにボートを利用するリアクタが利用できる。
【0003】
リアクタは、一定の枚数単位(例えば、180枚)で基板がロードしたボートが熱処理のために、ロード領域で昇降されるか、熱処理された基板をアンロードするためにロード領域に下降するように構成される。
【0004】
リアクタは、昇降されたボートを収容し、外部と遮断された反応空間を形成するチューブを備えるように構成される。大概のチューブは、熱処理工程を効率的に進めるために熱伝達特性が良好な石英材質で形成される。
【0005】
前記チューブは、材質の特性に応じて内部の温度及び圧力が外部の温度及び圧力との差が大きく発生する場合、損傷されることがあり、このようなチューブの損傷は、基板処理装置の信頼度を低下させ、全体歩留まりもまた低下させる問題があった。
従って、基板処理装置は、製品の信頼度を確保することができ、歩留まりを改善できる技術を採用するように設計される必要がある。
【0006】
また、前記基板処理装置は、原料ガス、反応ガス及びキャリアガスなどを供給し、適切な温度と圧力を加え、所望の肉厚の薄膜を基板に形成するために利用される。
また、このような薄膜を形成する過程で、薄膜の内部又は薄膜表面の残留物は、歩留まりを低下させる問題があった。
【0007】
従って、前記残留物を前処理するか、工程中に処理するか、そして工程後に処理する技術の開発が求められており、開発された技術を効果的に適用するための基板処理装置の開発もまた求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、前述のような問題点を解決するために、基板に薄膜を形成する前、薄膜を形成する途中又は薄膜を形成した後にも、薄膜に存在する様々な不完全性を最小化することができる基板処理装置を提供することにある。
【0009】
また、本発明の別の目的は、基板の薄膜の歩留まりを改善させるために、反応空間が常圧より高い高圧を有する高圧工程と、反応空間が常圧より低い低圧を有する低圧工程とを進める基板処理装置を提供することにある。
【0010】
さらに、本発明のさらに別の目的は、このような圧力の変化を制御するために、工程が進むインナーチューブと、インナーチューブ外部の圧力を制御するアウターチューブとを含むように反応チューブを構成することによって、工程処理中の反応チューブの圧力変化に伴う制御が容易な基板処理装置を提供することにある。
【0011】
また、本発明のさらに別の目的は、基板処理のための工程期間中、アウターチューブとインナーチューブと間の圧力をインナーチューブの反応空間より高く維持することによって、インナーチューブが損傷された場合にも、アウターチューブの内部に損傷範囲を制限することができる基板処理装置を提供することにある。
【0012】
さらに、本発明のさらに別の目的は、ドーム状天井を有するようにインナーチューブとアウターチューブを形成することによって、インナーチューブとアウターチューブの構造的安定性を確保し、インナーチューブの内部で渦流が形成されるか、気流の流れが部分的に停滞されることを防止することができる基板処理装置を提供することにある。
【0013】
また、本発明のさらに別の目的は、インナーチューブとアウターチューブに対応するインナーマニホールドとアウターマニホールドを構成することによって、インナーチューブとアウターチューブにガスを供給するか、排気することができ、設計及び組み立ての便宜性を確保することができる基板処理装置を提供することにある。
【0014】
さらに、本発明のさらに別の目的は、基板処理のための工程中、反応空間に高圧が形成される場合、インナーマニホールドとキャップフランジと間に漏れが発生することを防止することができる基板処理装置を提供することにある。
【0015】
また、本発明のさらに別の目的は、ドーム状天井を有する垂直円筒状のインナーチューブによる反応空間の全体に対して、温度検知可能な基板処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、前記のような本発明の目的を達成するために創出されたものであり、本発明は、内部に保護空間を形成し、下部に第1の入口が形成されたアウターチューブと、内部に反応空間を形成し、下部に第2の入口が形成されており、一部が前記アウターチューブに受容され、前記第2の入口が形成された部分は、前記アウターチューブの下方に突出されたインナーチューブと、上部の前記アウターチューブと下部の前記インナーチューブとを離隔して支持するマニホールドアセンブリと、前記マニホールドアセンブリの下部を密閉するキャップフランジと、を含み、前記マニホールドアセンブリは、前記アウターチューブの下端部を支持し、前記保護空間と連結される第1の内部空間を形成するアウターマニホールドと、上端が、前記アウターマニホールドの下端と結合部材を介して締結され結合され、前記インナーチューブの下端部を支持し、前記反応空間と連結される第2の内部空間を形成するインナーマニホールドと、
を含む基板処理装置を開示する。
【0017】
前記アウターチューブは金属材質で形成され、前記インナーチューブは非金属材質で形成される。
【0018】
前記アウターチューブと前記インナーチューブは、非金属材質で形成される。
【0019】
前記アウターチューブは、第1のドーム状天井を有する垂直円筒状に構成され、
【0020】
前記インナーチューブは、第2のドーム状天井を有する垂直円筒状に構成される。
【0021】
前記アウターマニホールドは、前記第1の内部空間を形成する第1の側壁と、前記第1の側壁の上部の周りに外側に延び、前記アウターチューブの下端部を支持する第1の上部フランジと、前記第1の側壁下部の周りに外側に延び、前記インナーマニホールドと結合され、周りに沿って前記結合部材の締結が可能な複数の第1の締結部が形成された第1の下部フランジと、を備え、前記インナーマニホールドは、前記第2の内部空間を形成する第2の側壁と、前記第2の側壁の上部の周りに外側に延び、前記アウターマニホールドと結合され、周りに沿って前記結合部材の締結が可能な複数の第2の締結部が形成された第2の上部フランジと、前記第2の側壁下部の周りに外側に延び、前記キャップフランジにより密閉される第2の下部フランジと、を備え、前記結合部材により前記第1の下部フランジと前記第2の上部フランジとが結合される。
【0022】
前記アウターマニホールドの前記第1の側壁の内径は、前記インナーマニホールドの前記第2の側壁の内径よりも大きい。
【0023】
前記アウターマニホールドは、 不活性ガスを供給するアウターガス供給口と不活性ガスを排気するアウターガス排気口とが形成される。
【0024】
前記アウターマニホールドは、
前記保護空間の圧力を常圧より低い低圧に形成するために、外部の真空ポンプと連結されるアウターポンプ口が形成される。
【0025】
前記インナーマニホールドは、工程ガスを供給するインナーガス供給口、前記工程ガスを排気するインナーガス排気口が形成される。
【0026】
前記インナーマニホールドは、前記反応空間の圧力を常圧より低い低圧に形成するために、外部の真空ポンプと連結されるインナーポンプ口が形成される。
【0027】
前記インナーマニホールドは、前記反応空間の温度を測定する熱電対が設けられる熱電対保護管が締結される熱電対締結口が、前記第2の側壁に形成される。
【0028】
前記キャップフランジの側面の分散された位置に構成された複数のクランプモジュールと、前記マニホールドアセンブリを介して前記反応空間に対するポンピングを行うインナーポンプ部と、をさらに含み、前記キャップフランジの昇降により、前記キャップフランジの上面が、前記マニホールドアセンブリの底面とOリングを挟んで第1の離隔間隔で近接し、前記インナーポンプ部のポンピングにより、前記反応空間が常圧未満に減圧されれば、前記キャップフランジの上面が、前記マニホールドアセンブリの底面と前記Oリングを挟んで前記第1の離隔間隔よりも小さい第2の離隔間隔で隣接し、前記複数のクランプモジュールが、前記第2の離隔間隔で隣接した前記キャップフランジと前記マニホールドアセンブリの下部とをクランプするように構成される。
【0029】
前記キャップフランジ下部に離隔を維持し、固定されるベースプレートをさらに備え、前記複数のクランプモジュールは、前記ベースプレートに分散して設けられ、前記キャップフランジの側面に対向するクランプチャネルが形成されたクランプをそれぞれ備え、前記クランプを駆動することによって、前記第2の離隔間隔で隣接した前記キャップフランジと前記マニホールドアセンブリの下部とを前記クランプチャネル内にクランプする。
【0030】
それぞれの前記クランプモジュールは、前記キャップフランジの側面に対向する前記クランプチャネルが形成された前記クランプと、前記クランプを垂直支持するクランプブラケットと、前記ベースプレートに固定され、ロッドを介して前記クランプブラケットに連結され、前記クランプブラケット及び前記クランプを前進又は後進させるアクチュエータと、を含み、前記アクチュエータの駆動によって、前記クランプは、クランプするためのロック位置とクランプ解除のための解除位置との間を移動する。
【0031】
前記ベースプレートの下部に、弾性部の弾性力により前記ベースプレートと離隔が維持される昇下降プレートをさらに備え、前記弾性部は、前記ベースプレートと前記昇下降プレートと間に介在され、前記キャップフランジの上面と前記マニホールドアセンブリの底面が前記第1の離隔間隔で近接するための前記弾性力を提供する。
【0032】
前記弾性部は、前記昇下降プレートと前記ベースプレートと間の複数の位置に介在されたスプリングを含む。
【0033】
前記インナーマニホールドは、前記マニホールドアセンブリの下部をなし、前記キャップフランジの辺部の上面に対向する第2の下部フランジを備え、前記複数のクランプモジュールがOリングを介して前記第2の離隔間隔で隣接した前記キャップフランジと前記第2の下部フランジとをクランプするように構成される。
【0034】
前記インナーチューブの前記反応空間に垂直設けられ、下部が前記インナーマニホールドを介して引き出され、前記反応空間内のそれぞれ異なる位置で温度を検知する検出部を備える熱電対が複数個挿入される熱電対保護管を含み、前記反応空間は、第2のドーム状天井により形成された天井領域と前記天井領域の下部の反応領域とに分けられ、前記熱電対保護管は、前記天井領域に延び、曲げられた上部の延長管を備え、少なくとも一つの熱電対の前記検出部が前記延長管内に位置する。
【0035】
前記熱電対保護管は、上部の前記延長管と、前記延長管の下部の垂直管と、前記垂直管から折れて形成され、前記インナーマニホールドの側壁を貫通して外部に引き出される下部管と、を含み、前記延長管、前記垂直管及び前記下部管は、一体に形成される。
【発明の効果】
【0036】
本発明による基板処理装置は、薄膜を形成する前、形成する途中又は形成した後に、反応空間を適切な雰囲気で加圧し、その後、減圧する。従って、薄膜の特性を改善することができる利点がある。
【0037】
また、本発明による基板処理装置は、インナーチューブとアウターチューブによる二重チューブ構造を有する。従って、インナーチューブは、アウターチューブにより外部環境に直接露出されることを防止することができるので、外部環境とインナーチューブ内部の反応空間と間の環境差によってインナーチューブが損傷されることを防止することができる利点がある。
【0038】
さらに、本発明による基板処理装置は、基板処理のための工程期間中、アウターチューブの保護空間の圧力がインナーチューブの反応空間と同じであるか、高く維持される。それにより、インナーチューブが不特定の理由により損傷された場合、アウターチューブの保護空間の高圧によりパーティクルなどがアウターチューブの外部へ拡散されることを防止することができる利点がある。
【0039】
また、本発明による基板処理装置は、インナーチューブによる損傷を防止することができ、インナーチューブによる損傷範囲がアウターチューブの内部に制限されることによって、基板処理装置の信頼性を確保することができ、工程の歩留まりを改善できる利点がある。
【0040】
さらに、本発明による基板処理装置は、ドーム状天井を有するように、インナーチューブとアウターチューブとが形成される。これにより、ドーム状天井により、インナーチューブとアウターチューブの上部では圧力が均等に分散されるので、構造的安定性が確保される。また、インナーチューブの内部で渦流が形成されるか、気流の流れが部分的に停滞されることを防止することができる利点がある。これにより、製品の信頼性を確保することができ、工程効率及び工程の歩留まりを改善することができる利点がある。
【0041】
また、本発明による基板処理装置は、インナーチューブとアウターチューブのそれぞれの下部に、インナーマニホールドとアウターマニホールドを構成される。これにより、本発明の基板処理装置は、インナーチューブとアウターチューブに対する独立的なガスを供給と排気が可能な利点がある。また、ガスの供給及び排気構造がインナーチューブとアウターチューブの下部に集中されることで、設計及び組み立ての便宜性を確保することができる。
【0042】
さらに、本発明による基板処理装置は、反応空間の減圧によりインナーマニホールドとキャップフランジと間の離隔間隔を狭めた後、これらをクランプすることができる利点がある。これにより、本発明による基板処理装置は、基板処理のための工程期間の高圧によりインナーマニホールドとキャップフランジと間に漏れが発生することを防止することができる利点がある。
【0043】
また、本発明による基板処理装置は、ドーム状天井を有する垂直円筒状のインナーチューブを利用して反応空間を形成し、ドーム状天井の下部を含む反応空間の複数の温度検知位置で温度検知が可能になる。これにより、ドーム状天井を有するインナーチューブによる反応空間全体に対する温度検知が可能で、基板処理のための反応空間全体に対して加熱を均一に制御することができる利点がある。
【0044】
さらに、本発明による基板処理装置は、基板処理のための工程期間中、アウターチューブの保護空間の圧力を、インナーチューブの反応空間と同等であるか、高く維持できるように、反応空間と保護空間に対する独立的なガス供給及び排気が可能な利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】本発明による基板処理装置の第1の位置を示す断面図である。
【
図2】
図1の基板処理装置の第2の位置を示す断面図である。
【
図3】
図1の基板処理装置におけるマニホールドアセンブリの構成を説明する分解斜視図である。
【
図4】
図1の基板処理装置におけるマニホールドアセンブリの組み立て状態を説明する断面図である。
【
図5】
図1の基板処理装置におけるクランプモジュールによるマニホールドアセンブリとキャップフランジとのクランプを説明するための部分断面図である。
【
図6】
図1の基板処理装置におけるクランプモジュールのクランプが解除された状態を示した部分断面図である。
【
図7】
図1の基板処理装置における熱電体が設けられた熱電体保護管の斜視図である。
【
図8】
図1の基板処理装置におけるガスユーティリティの第1実施例を示す系統図である。
【
図9】
図1の基板処理装置におけるガスユーティリティの第2実施例を示す系統図である。
【
図10】
図1の基板処理装置におけるガスユーティリティの第3実施例を示す系統図である。
【
図11】
図1の基板処理装置におけるガスユーティリティの第4実施例を示す系統図である。
【
図12】
図1の基板処理装置におけるガスユーティリティの第5実施例を示す系統図である。
【
図13】
図1の基板処理装置におけるガスユーティリティの第6実施例を示す系統図である。
【
図14】
図1の基板処理装置におけるガスユーティリティによる動作を説明するための一実施例の波形図である。
【
図15】
図1の基板処理装置におけるガスユーティリティによる動作を説明するための他の実施例の波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、本発明による基板処理装置について添付図面を参照して説明する。
【0047】
本発明による基板処理装置は、
図1に示されように、内部に保護空間22を形成し、下部に第1の入口が形成されたアウターチューブ20と、内部に反応空間32を形成し、下部に第2の入口が形成されており、一部が前記アウターチューブ20に受容され、前記第2の入口が形成された部分は、前記アウターチューブ20の下方に突出されたインナーチューブ30と、上部の前記アウターチューブ20と下部の前記インナーチューブ30とを離隔して支持するマニホールドアセンブリと、前記マニホールドアセンブリの下部を密閉するキャップフランジ70と、を含む。
【0048】
本発明は、基板処理のための工程を行う基板処理装置を例示する。
【0049】
基板処理装置による基板処理のための工程は、ウエハーのような基板に膜質を形成するための工程やアニール(Anneal)等が例示され得る。
【0050】
本発明の基板処理装置は、薄膜を形成する前に、反応空間が常圧より高い高圧を有する高圧工程と、反応空間が常圧より低い低圧を有する低圧工程を行うことができ、一例として、高圧工程を行った後、低圧工程を行うことができる。
【0051】
この場合、本発明の基板処理装置は、薄膜を形成する前に、前記高圧工程と低圧工程が行われる変圧過程を通して基板を前処理するものとして理解することができる。
このような前処理によって基板の界面格子で不純物やその他の原因による薄膜の不完全性を除去することができる。
【0052】
例示的に、基板の表面が塩素により汚染された場合、塩素は、基板のシリコーン原子と弱い結合状態をなしている。
【0053】
このとき、水素を用いて反応空間が適切な温度と常圧以上の適切な高圧を有するようにすれば、軽い原子である水素は、基板の表面だけでなく、シリコーン格子構造の表面からある程度の深さまで浸透可能になる。
【0054】
従って、高圧の水素は、塩素不純物との還元反応が促進され塩化水素の副産物を形成し、シリコーン表面から分離され、分離された副産物は、チャンバが低圧に減圧される過程でリアクタ又はチャンバの外へ排出される。
【0055】
そして、高圧状態では、シリコーン結晶原子の熱振動が増加するところ、増加した熱振動によりシリコーン表面原子と弱い結合をなしていた不純物は除去されるので、基板表面が再結晶化(recrystallize)又はマイグレーション(migration)現象が促進され、アニーリング効果を得ることができる。
【0056】
このような再結晶化は、薄膜をなす元素間の分子結合をより強くさせ、たとえ、不純物がまだ残っていたとしても再び半導体表面と反応してくっつくことを防止する。
【0057】
また、本発明の基板処理装置は、薄膜を形成する中に、反応空間が常圧より高い高圧を有する高圧工程と、反応空間が常圧より低い低圧を有する低圧工程を行うことができる。例示的に高圧工程を行った後に、低圧工程を行うことができる。
【0058】
この場合、本発明の基板処理装置は、薄膜を形成する途中、適切なガスを用いて反応空間が常圧以上の高圧を有するようにし、その後、反応空間の圧力を常圧より低い低圧を有するようにすることによって、一部の肉厚の薄膜の特性を改善することができる。
【0059】
例示的に、TiN薄膜の場合に、薄膜の一部が形成されれば、原料ガスを排気して成膜を止め、この状態で水素(H2)を反応空間内に注入して反応空間が高圧を有するようにする。
【0060】
高圧の間、水素分子の密度が増加するだけでなく、水素分子気体の動きがさらに速くなる。
【0061】
従って、水素分子が比較的弱い結合をなしている残留塩素(Cl)元素や、比較的堅固な結合をしている塩素(Cl)元素との反応がより活性化され、排気に有利な塩化水素(HCl)ガスに還元される。
【0062】
さらに、高圧の還元雰囲気では薄膜をなしている元素の再結晶化が促進され薄膜の質が改善されており、特に、このような再結晶化は、薄膜をなす元素間の分子結合を一層強くさせることになる。
【0063】
一方、この過程で例示的に説明した水素分子のように、高圧のために反応空間に加えられる元素は、薄膜内の不純物と結合して形成された副産物が排出されるようにし、結果的に不純物が除去されるようにする気体である。
【0064】
次に、反応空間が低圧を有するようにすれば、残留した塩素(Cl)などの不純物が塩化水素(HCl)ガス状態で排気される。
【0065】
より具体的に、反応空間が高圧から常圧水準に減圧されれば、塩化水素(HCl)ガス状態の副産物が薄膜の表面又は薄膜外部に移動することができる。
【0066】
より具体的には、反応空間が高圧から常圧水準に減圧される過程で、薄膜の奥深い位置の副産物は、薄膜の表面に移動し、比較的薄膜の表面に隣接した副産物は、薄膜外部に移動することができる。
【0067】
以後に、反応空間が強制排気により常圧から低圧に減圧されれば、薄膜の表面又は薄膜外部に移動し、チャンバ内に存在する塩化水素(HCl)ガス状態の副産物がチャンバの外部に排出され、結果的に不純物を除去することができる。
【0068】
結果的に、このような高圧工程-低圧工程、即ち、変圧過程によりTiN薄膜内の好ましくない様々な残留物が薄膜元素となる弱い結合は崩れることになり、崩れた不純物は、従来に比べより有効に除去され、薄膜をなす結晶構造の不完全性やその他の有機物もより有効に除去され、アニールされる。
【0069】
次に、反応空間内に原料ガスを加え、TiN薄膜の残りの肉厚を成膜する。
【0070】
また、本発明の基板処理装置は、薄膜を形成した後に、反応空間が常圧より高い高圧を有するようにし、その後、反応空間が常圧より低い低圧を有するように構成され得る。
【0071】
この場合、本発明の基板処理装置は薄膜を形成した後、前記した変圧過程により薄膜の特性を改善することができ、これに対する特性改善は、前述した例示などにより理解できるので、具体的な説明は省略する。
【0072】
本発明の基板処理装置は、前述した高圧工程と低圧工程を含む変圧工程を行うことができる構造を有するように、
図1及び
図2のように実施され得る。
【0073】
図1及び
図2は、基板処理装置の一例であり、リアクタを例示する。
【0074】
図1及び
図2のリアクタは、説明の便宜のために基板処理装置と呼ぶ。
【0075】
図1は、内部の熱電対保護管100を示すための第1の位置の基板処理装置の断面図であり、
図3の1-1切断部分に該当する。
【0076】
図2は、内部のガス供給管69を示すための第2の位置の基板処理装置の断面図であり、
図3の2-2切断部分に該当する。
【0077】
基板処理装置は、隔壁CAを基準にし、ヒータ10が構成された上部とボート80がロードされる下部とに分けられる。
【0078】
前記ヒータ10は、前記した隔壁CAの上部に構成され、内部に加熱空間12を有している。加熱空間12には、アウターチューブ20とインナーチューブ30が受容される。
【0079】
加熱空間12は、下部に入口を有し、内部に受容されるアウターチューブ20とインナーチューブ30の形状に対応して天井が塞がった円筒状に形成され得る。
【0080】
隔壁CAは、加熱空間12の入口に対応する貫通領域を有するように構成される。
【0081】
隔壁CAの上面には、所定の肉厚のヒータベース14を介してヒータベース14の上にヒータ10を支持するように構成される。
【0082】
ヒータ10は、高さ単位に区分される複数の加熱ブロック(未図示)を含んでいてもよく、各加熱ブロック別に加熱温度を独立して制御することができる。
【0083】
本発明の基板処理装置は、アウターチューブ20及びインナーチューブ30を備える。
【0084】
前記アウターチューブ20は、第1のドーム状の天井を有する垂直円筒状に構成され、内部に保護空間22が形成され、下部に第1の入口が形成される。
【0085】
また、前記アウターチューブ20は、第1の入口から外側に延びたリング状のアウターフランジ28を有する。
【0086】
このとき、保護空間22は、アウターチューブ20とインナーチューブ30と間に形成される離隔された空間であり、圧力が制御される空間である。
【0087】
前記保護空間22は、インナーチューブ30の反応空間32が常圧以上の圧力を有する場合、保護空間22の圧力は、反応空間32より一定程度高い高圧を有することができる。
【0088】
また、前記保護空間22は、反応空間32が常圧未満の低圧の場合、保護空間の圧力は常圧を維持するか、低圧である反応空間32より一定程度高く、常圧より低い圧力を有することができる。
【0089】
従って、保護空間22は、離隔空間や圧力制御空として理解でき、インナーチューブ30が損傷されたとき、パーティクルによる汚染範囲が拡散されることを防止する役割を果たす。
【0090】
前記インナーチューブ30は、第2ドーム状の天井を有する垂直円筒状に構成され、内部に反応空間32を形成し、下部に第2の入口が形成され得る。
【0091】
また、前記インナーチューブ30は、一部がアウターチューブ20に受容され、第2の入口が形成された部分は、アウターチューブ20の下方に突出されるように構成され得る。
【0092】
さらに、前記インナーチューブ30は、第2の入口から外側に延びたリング状のインナーフランジ38を有し得る。
【0093】
ここで、アウターチューブ20のアウターフランジ28とインナーチューブ30のインナーフランジ38は同じ外径を有してもよい。
【0094】
一方、アウターチューブ20は、金属材質で形成され、インナーチューブ30は、非金属材質で形成されてもよく、他の例として、アウターチューブ20とインナーチューブ30の両方は非金属材質で形成されてもよい。
【0095】
例示的に金属材質は、SUSが用いられてもよく、非金属材質は石英が用いられる。
【0096】
前記アウターチューブ20は、インナーチューブ30の一部を内部に収容し、内側壁がインナーチューブ30の外側壁と均一な離隔間隔を有するように構成される。
【0097】
それにより、アウターチューブ20は、インナーチューブ30の側壁の外径よりも大きい内径を有するように構成される。
【0098】
即ち、アウターチューブ20の保護空間22の第1の入口は、インナーチューブ30の反応空間32の第2の入口よりも大きい内径を有するように形成される。
【0099】
前記アウターチューブ20の第1のドーム状の天井とインナーチューブ30の第2ドーム状の天井は、互いに離隔されてできた空間が維持されるように製作者によって様々な形状で構成されてもよい。
【0100】
一例として、アウターチューブ20とインナーチューブ30のドーム状の天井は、同じ曲率を有する半球状に形成され得る。
【0101】
これにより、アウターチューブ20とインナーチューブ30が結合される場合、アウターチューブ20とインナーチューブ30と間に保護空間22が形成され得る。
【0102】
前述したように、本発明の実施例は、アウターチューブ20とインナーチューブ30による二重チューブ構造を有する。
【0103】
従って、インナーチューブ30は、外部環境と内部の反応空間32との環境差によって損傷されることが防止され得る。
【0104】
また、本発明の実施例は、それぞれドーム状の天井を有するようにアウターチューブ20とインナーチューブ30が形成される。
【0105】
ドーム状の構造は、内圧と外圧を効果的に分散させることができるので、アウターチューブ20とインナーチューブ30は、ドーム状の天井により圧力に対して安全性を確保することができる。
【0106】
そして、ドーム状の天井は、気流の流れを円滑にすることができるので、インナーチューブ30は、反応空間の上部で渦流が形成されるか、気流の流れが部分的に停滞することが防止される利点がある。
【0107】
前記した圧力差を有するようにインナーチューブ30とアウターチューブ20を構成することは、インナーチューブ30が不特定の理由で損傷されたとき、工程中の副産物、反応空間の処理ガス及びパーティクルなどがアウターチューブ20の外部に拡散されることをアウターチューブ20の保護空間22の高圧により防止するためである。
【0108】
一方、本発明は、
図3及び
図4に示されるように、マニホールドアセンブリを備え、マニホールドアセンブリは、アウターチューブ20の下部に保護空間22と連結される第1の内部空間59を形成し、インナーチューブ30の下部に反応空間32と連結される第2の内部空間68を形成する。
【0109】
そして、前記マニホールドアセンブリは、アウターチューブ20とインナーチューブ30が互いに離隔された状態を維持するように、アウターチューブ20とインナーチューブ30をそれぞれ支持することができる。
【0110】
そのために、前記マニホールドアセンブリは、アウターマニホールド50とインナーマニホールド60及びリング状のカバー40を含む。
【0111】
そして、前記したマニホールドアセンブリの下部は、キャップフランジ70により密閉される。
【0112】
前記リング状のカバー40は、アウターチューブ20のアウターフランジ28を上部でカバーし、アウターマニホールド50と結合されるように構成される。
【0113】
これにより、前記アウターフランジ28は、結合されたリング状のカバー40とアウターマニホールド50と間に介在される。
【0114】
より具体的に、前記リング状のカバー40は、辺部に結合部材の締結が可能な複数の締結部が形成されてもよく、アウターマニホールド50は、後記する第1の上部フランジ51の辺部に結合部材の締結が可能な複数の締結部が形成され得る。
【0115】
従って、前記結合部材が、リング状のカバー40とアウターマニホールド50の対向する締結部とを結合することによって、リング状のカバー40とアウターマニホールド50とは結合できる。
【0116】
このとき、前記結合部材はネジ(又はナット)であってもよく、複数の締結部は、ネジ孔(又はボルト孔)であってもよい。
【0117】
また、前記リング状のカバー40は、アウターチューブ20のアウターフランジ28の上面に対向する水平部44及び辺部に形成された第1の垂直部42を備えるリング状に構成され得る。
【0118】
このとき、前記リング状のカバー40のリング状の貫通口にはアウターチューブ20が挿入され得る。
【0119】
前記リング状のカバー40の第1の垂直部42は、アウターフランジ28を外れた位置に形成され、締結部であるネジ孔(又はボルト孔)がリング状の辺部に沿って配置され、第1の垂直部42を垂直貫通するように形成され得る。
【0120】
前記アウターマニホールド50は、アウターチューブ20の下端部を支持し、保護空間22と連結される第1の内部空間59を形成する。
【0121】
このとき、保護空間22と第1の内部空間59は、互いに連結された独立した一つの空間を形成することができる。
【0122】
前記第1の内部空間59は、インナーチューブ30をアウターチューブ20内部に進入させ設けるとき、保護空間22を形成し、両チューブ間に適当な離隔空間を提供する。
【0123】
前記インナーチューブ30の直径がアウターチューブ20の直径よりも小さいので、インナーマニホールド60の第2の側壁の直径もアウターマニホールド50の第1の側壁の直径よりも小さいので、第1の内部空間59が自然に形成され得る。
【0124】
一方、前記アウターマニホールド50は、第1の側壁55、第1の上部フランジ51及び第1の下部フランジ53を備える。
【0125】
前記第1の側壁55は、円筒状の第1の内部空間59を形成するように構成される。
【0126】
また、前記第1の側壁55は、アウターガス排気口54とアウターガス供給口52が形成され、さらにアウターポンプ口(未図示)を含むことができる。
【0127】
前記アウターガス排気口54は、保護空間22に加えられた不活性ガスを排気する構成であり、後記するアウター排気ライン702と連結され得る。
【0128】
前記アウターガス供給口52は、保護空間22に不活性ガスを加えるための構成であり、後記する第1の供給管602と連結され得る。
【0129】
前記アウターポンプ口は、保護空間22の圧力を常圧より低い低圧に形成するために、外部の真空ポンプ750と連結される構成であり、後記するアウター真空ポンプライン762と連結され得る。
【0130】
前記第1の上部フランジ51は、第1の側壁55上部の周りに外側に延び、アウターチューブ20の下端部、即ち、アウターフランジ28を支持するように構成され得る。
【0131】
このとき、前記第1の上部フランジ51は、前述したように、辺部に結合部材の締結が可能な複数の締結部が形成される。
【0132】
一例として、前記第1の上部フランジ51の辺部には、リング状のカバー40の締結部が形成された各位置に対応する締結部であるネジ孔(又はボルト孔)が辺部に沿って配置され形成されることによって、リング状のカバー40の締結部が垂直貫通するようにすることができる。
【0133】
前記第1の下部フランジ53は、第1の側壁55下部の周りに外側に延び、インナーマニホールド60と結合されており、周りに沿って結合部材の締結が可能な複数の第1の締結部が形成されるように構成される。
【0134】
一方、前記アウターマニホールド50は、第1の上部フランジ51の複数の位置で側面に延び、垂直貫通口を有する締結部56をさらに備えることができる。
【0135】
前記締結部56は、貫通口を貫通するボルト58によりリング状のカバー40の上部の上部構造と結合され得る。
【0136】
ここで、上部構造は、即ち、隔壁CA、ヒータベース14及びヒータ10の少なくとも一つであってもよく、ボルト58と貫通口の結合は、締結部56を上部構造と結合するための結合材として例示したもので、前記した結合材は、製作者の意図に応じて多様に変形実施することができる。
【0137】
前記アウターマニホールド50の構造によって、リング状のカバー40とアウターマニホールド50はアウターチューブ20のアウターフランジ28を介在して結合され得る。
【0138】
また、前記アウターマニホールド50は、リング状のカバー40の上部に位置した上部構造、即ち、隔壁CA、ヒータベース14及びヒータ10の少なくとも一つと締結部56を利用して結合することができる。
【0139】
そして、前記アウターマニホールド50の第1の下部フランジ53は、インナーチューブ30のインナーフランジ38を挟んでインナーマニホールド60の第2の上部フランジ61と結合される。
【0140】
前記インナーマニホールド60は、アウターマニホールド50下部に結合され、インナーチューブ30の下端部を支持し、反応空間32と連結される第2の内部空間68を形成する。
【0141】
このとき、反応空間32と第2の内部空間68は、互いに連結された独立した一つの空間を形成する。
【0142】
前記インナーマニホールド60は、第2の側壁65、第2の上部フランジ61及び第2の下部フランジ63を備える。
【0143】
前記第2の側壁65は、円筒状の第2の内部空間68を形成するように構成され得る。
【0144】
また、前記第2の側壁65は、工程ガスを供給するインナーガス供給口62、前記工程ガスを排気するインナーガス排気口64及びインナーポンプ口66を含むことができる。
【0145】
前記インナーガス供給口62は、反応空間32に工程ガスを供給する構成であり、後記する第2の供給管622と連結することができる。
【0146】
前記インナーガス排気口64は、反応空間32に加えられた工程ガスを排気する構成であり、後記するインナー排気ライン722と連結することができる。
【0147】
前記インナーポンプ口66は、前記反応空間32の圧力を常圧より低い低圧に形成するために外部の真空ポンプ750と連結される構成であり、後記するインナー真空ポンプライン742と連結することができる。
【0148】
前記第2の上部フランジ61は、第2の側壁65上部の周りに外側に延び、アウターマニホールド50と結合されており、周りに沿って結合部材の締結が可能な複数の第2の締結部が形成されるように構成され得る。
【0149】
より具体的に、前記第2の上部フランジ61は、インナーチューブ30の下端部、即ち、インナーフランジ38を支持するように構成され、アウターマニホールド50の第1の下部フランジ53と結合される。
【0150】
即ち、アウターマニホールド50の第1の下部フランジ53とインナーマニホールド60の第2の上部フランジ61は、ネジ(又はボルト)のような結合部材により対応する第1の締結部及び第2の締結部の結合により結合することができる。
【0151】
ここで、第1の締結部及び第2の締結部は、ネジ孔(又はボルト孔)として例示され得る。
【0152】
このとき、前記アウターマニホールド50の第1の下部フランジ53とインナーマニホールド60の第2の上部フランジ61は、インナーチューブ30のインナーフランジ38を挟んで結合され得る。
【0153】
また、前記インナーマニホールド60の第2の上部フランジ61の辺部は、第2の締結部の形成のために第2垂直部67がさらに備えられていてもよい。
【0154】
前記第2垂直部67は、インナーフランジ38を外れた位置にアウターマニホールド50の第1の下部フランジ53の辺部に対応する領域に形成される。
【0155】
これにより、前記第2垂直部67は、第2の締結部であるネジ孔(又はボルト孔)が辺部に沿って配置され、垂直貫通するように形成することができる。
【0156】
従って、第1の下部フランジ53と第2の上部フランジ61の第2垂直部67が、ネジ(又はボルト)のような結合部材により結合され、その結果、アウターマニホールド50とインナーマニホールド60がインナーフランジ38を挟んで結合され得る。
【0157】
前記第2の下部フランジ63は、第2の側壁65下部の周りに外側に延び、キャップフランジ70により密閉されるように構成される。
【0158】
本発明は、前述したように、インナーチューブ30とアウターチューブ20のそれぞれの下部にインナーマニホールド60とアウターマニホールド50とが構成される。
【0159】
従って、インナーチューブ30とアウターチューブ20の離隔及びこれらに対する独立的なガスの供給と排気が可能となり、ガスの供給及び排気構造が、インナーチューブ30とアウターチューブ20の下部に集中されることによって、基板処理装置の設計及び組み立ての便宜性が確保できる。
【0160】
一方、本発明による基板処理装置は、様々な位置に設けられる複数のシーリング部が備えられてもよい。
【0161】
例えば、前記シーリング部は、アウターフランジ28の底面と第1の上部フランジ51の上面と間、第1の下部フランジ53の底面とインナーフランジ38の上面と間及びインナーフランジ38の底面と第2の上部フランジ61の上面と間にそれぞれ介在され得る。
【0162】
前記シーリング部は、例示的にOリング(OR)で構成されてもよく、第1の上部フランジ51の上面、第1の下部フランジ53の底面及び第2の上部フランジ61の上面にOリング(OR)を一部挿入して構成するためのOリング溝(未図示)が形成され得る。
【0163】
一方、本発明による基板処理装置におけるキャップフランジ70、ベースプレート200、昇下降プレート210及びクランプモジュール300について、
図5及び6を参照して詳細に説明する。
【0164】
前記キャップフランジ70は、インナーマニホールド60の第2の下部フランジ63の下部に昇下降される構成であり、様々な構成が可能である。
【0165】
前記キャップフランジ70は、昇降して上面がインナーマニホールド60の第2の下部フランジ63に密着することによって第2の内部空間68を密閉する。
【0166】
ここで、前記第2の内部空間68は、上部の反応空間32と連結され一つの空間を形成するので、前記キャップフランジ70は、第2の下部フランジ63と密着されることにより、インナーチューブ30内部の反応空間32とインナーマニホールド60の第2の内部空間68を共に密閉するものとして理解できる。
【0167】
前記キャップフランジ70は、インナーマニホールド60の下部をカバーできるように円板状に構成される。
【0168】
前記キャップフランジ70は、昇下降プレート210の昇降又は下降に連動して、昇降又は下降される。
【0169】
前記キャップフランジ70は、上面の辺部がインナーマニホールド60の底面と第1の離隔間隔Tgを有するように昇降し、インナーマニホールド60の下部を閉鎖することができる。
【0170】
従って、前記キャップフランジ70は、インナーマニホールド60下部をカバーすることによって、インナーマニホールド60の内部と連結されたインナーチューブ30の反応空間32を外部と隔離させることができる。
【0171】
また、前記キャップフランジ70の上部には、ボート80が載置される回転プレート90がさらに備えられていてもよい。
【0172】
前記回転プレート90は、上部に載置されたボート80の下部と結合し、下部の駆動部400から回転力が伝達されるように構成される。
【0173】
これにより、前記回転プレート90は、駆動部400の回転力に応じて上部のボート80を回転させるように構成することができる。
【0174】
これにより、前記回転プレート90を介してボート80が工程期間に回転する場合、ボート80にロードされた基板に反応のためのガスを均一に供給することができ、その結果、歩留まりが向上される。
【0175】
このとき、前記ボート80は、ロードされた基板のプロセス進行のために、インナーチューブ30の第1の入口及びマニホールドアセンブリの通路を介して上昇する。
【0176】
また、前記ボート80は、プロセスが完了した基板のアンロードのためにインナーチューブ30の第1の入口及びマニホールドアセンブリの通路を介して下降することができる。
【0177】
一方、前記キャップフランジ70の下部には、ベースプレート200、昇下降プレート210、クランプモジュール300及び駆動部400が構成される。
【0178】
まず、前記ベースプレート200は、キャップフランジ70の下部に平行に離隔を維持し、固定され得る。
【0179】
より具体的に、前記ベースプレート200は、キャップフランジ70と間に垂直ロッドを介して結合される構造であり、垂直ロッドの上部がキャップフランジ70とネジ結合され、垂直ロッドの下部がベースプレート200とネジ結合されることで、ベースプレート200とキャップフランジ70が互いに平行に離隔を維持して設けられ得る。
【0180】
このとき、前記ベースプレート200は、後記する複数のクランプモジュール300を設けるためのものであり、このとき、複数のクランプモジュール300は、ベースプレート200の複数の位置に分散して設けられ得る。
【0181】
前記クランプモジュール300は、キャップフランジ70の側面に対向するクランプチャネル312が形成されたクランプ310を含む。
【0182】
このとき、前記クランプモジュール300は、クランプ310を駆動することによって、第2の離隔間隔で密着したキャップフランジ70とインナーマニホールド60の第2の下部フランジ63とをクランプチャネル312内にクランプするように構成される。
【0183】
また、クランプモジュール300は、クランプ310、クランプブラケット320及びアクチュエータ330を備える。
【0184】
前記クランプ310は、前述したように、キャップフランジ70の側面に対向するクランプチャネル312が形成され、このとき、クランプチャネル312は、クリップ状に構成され得る。
【0185】
前記クランプブラケット320は、クランプ310を垂直支持し、板状に構成され得る。
【0186】
前記アクチュエータ330は、ベースプレート200の底面に固定され、ロッド332を介してクランプブラケット320に連結される。
【0187】
前記アクチュエータ330は、ロッド332を駆動することによって、クランプブラケット320及びクランプ310を前進又は後進させる。
【0188】
従って、クランプ310は、アクチュエータ330の駆動によりクランプするためのロック位置(
図5に該当する)とクランプ解除のための解除位置(
図6に該当)と間を移動することができる。
【0189】
前記したベースプレート200の下部には、昇下降プレート210が構成され、昇下降プレート210は、弾性部の弾性力によってベースプレート200と離隔間隔が維持されるように構成される。
【0190】
このとき、前記弾性部は、ベースプレート200と昇下降プレート210と間に介在されるスプリング212であってもよい。
【0191】
前記スプリング212は、キャップフランジ70がインナーマニホールド60の底面に当接するように昇降された場合、キャップフランジ70の上面とインナーマニホールド60の底面とがOリングにより第1の離隔間隔Tgを有するように密着させるための弾性力を提供することができる。
【0192】
前記昇下降プレート210は、スプリング212に挿入された複数のピン214を利用してベースプレート200と離隔され、流動可能に結合され、昇下降プレート210とベースプレート200と間の離隔は、スプリング212の弾性によって維持される。
前記昇下降プレート210は、モータの駆動により昇下降力が提供される昇下降モジュール(未図示)に結合され、昇下降される。
【0193】
前記昇下降プレート210は、上部のベースプレート200、キャップフランジ70、回転プレート90及びボート80と一体で共に昇降されるか、下降される。
【0194】
前記スプリング212は、昇下降プレート210が昇下降するとき、発生する振動を緩衝することができ、昇下降プレート210が昇降した場合、キャップフランジ70が目的とする位置でインナーマニホールド60の底面と密着するための弾性を提供することができる。
【0195】
これにより、前述したキャップフランジ70とインナーマニホールド60の下部は、クランプ310によりクランプされ、第2の離隔間隔で密着した状態を維持することができる。
【0196】
従って、キャップフランジ70とインナーマニホールド60の縁は、以降の基板処理のための高圧工程が反応空間32で行われても高圧によって第2の離隔間隔以上に広がらず密着による機密状態を維持することができる。
【0197】
以下では、前述のようなキャップフランジ及びベースプレート200、昇下降プレート210及びクランプモジュール300によりインナーマニホールド60とキャップフランジ70と間に結合されることを説明する。
【0198】
一方、本発明によるキャップフランジ70は、
図6に示されるように、第1の離隔間隔Tgでプフランジ70が第2の下部フランジ63とOリングを挟んで近接することができる。
【0199】
このとき、第1の離隔間隔Tgで離隔されたキャップフランジ70と第2の下部フランジ63は、複数のクランプモジュール300のクランプ310が有するクランプチャネル312の高さTcよりも大きな肉厚Thを有する。
【0200】
従って、このときのキャップフランジ70と第2の下部フランジ63は、ランプチャネル312の内部にクランプされ難い問題点がある。
【0201】
このような問題点を克服するために、本発明による基板処理装置は、後記するインナーチューブ30の反応空間32に対するポンピングを行うインナーポンプ部740が構成される。
【0202】
前記インナーポンプ部740は、反応空間32が常圧未満の圧力を有するように反応空間32に対するポンピングを行う構成であり、より具体的な説明は後記する。
【0203】
前記キャップフランジ70が第2の下部フランジ63との離隔間隔を減らすためにインナーポンプ部740によるポンピングを行うことができる。
【0204】
より具体的に、インナーポンプ部740のポンピングにより、インナーチューブ30の反応空間32の圧力が常圧未満になれば、キャップフランジ70の上面がインナーマニホールド60の第2の下部フランジ63の底面とOリングを挟んで第1の離隔間隔Tgよりも小さい第2の離隔間隔で隣接することができる。
【0205】
より具体的には、キャップフランジ70の昇降を通じてキャップフランジ70の上面とインナーマニホールド60の第2の下部フランジ63の底面がそれぞれOリングに密着し、Oリングを挟んで第1の離隔間隔Tgで近接する。
【0206】
以後、インナーポンプ部740のポンピングにより、インナーチューブ30の反応空間32の圧力が常圧未満になれば、外部との圧力差によりキャップフランジ70の上面がさらに上昇し、これにより、Oリングが収縮し、キャップフランジ70の上面とインナーマニホールド60の第2の下部フランジ63の底面が第1の離隔間隔Tgよりも小さい第2の離隔間隔で隣接することができる。
【0207】
この過程で、前記インナーポンプ部740のポンピングは、スローポンピングとメインポンピングが順次に行われるものとして理解できる。
【0208】
これにより、第2の離隔間隔で密着したキャップフランジ70と第2の下部フランジ63は、
図5に示されるように、複数のクランプモジュール300のクランプ310のクランプチャネル312にクランプ可能な肉厚を有することができる。
【0209】
従って、複数のクランプモジュール300は、
図5に示されるように、第2の離隔間隔でOリングにより密着したキャップフランジ70とインナーマニホールド60の第2の下部フランジ63をクランプすることができる。
【0210】
このとき、第1の離隔間隔Tgと第2の離隔間隔は、インナーポンプ部740の減圧によりインナーマニホールド60の底面とキャップフランジ70の上面に介在されるシーリング部であるOリング(OR)が収縮されることによる差を有するものとして理解できる。
【0211】
実施例の説明のために第2の離隔間隔は、Oリング(OR)が収縮するにつれてインナーマニホールド60の底面とキャップフランジ70の上面がギャップなしに当接するものとして例示することができる。
【0212】
本発明の実施例は、基板処理のための高圧の工程期間が終了した後、クランプ310によりクランプされたキャップフランジ70とインナーマニホールド60のクランプを解除する場合にも減圧を利用することができる。
【0213】
即ち、本発明の実施例中の一つは、基板処理のための高圧の工程期間後、高圧状態のインナーチューブ30の反応空間32の圧力を排気により、まず常圧に下げた後、ポンピングにより常圧よりもさらに低くなるようにして、キャップフランジ70をインナーマニホールド60と第2の離隔間隔で隣接するようにすることができる。
【0214】
このとき、キャップフランジ70とインナーマニホールド60を第2間隔で隣接させた後、クランプモジュール300がクランプ310をロック位置から解除位置へと駆動することによって、キャップフランジ70とインナーマニホールド60のクランプを解除することができる。
【0215】
この過程で、インナーチューブ30の反応空間32が低圧を有するようにして、キャップフランジ70とインナーマニホールド60の離隔間隔を狭めた後、インナーマニホールド60とキャップフランジ70をクランプするか、クランプ解除することができる。
【0216】
従って、本発明の実施例は、基板処理のための工程期間の高圧によりインナーマニホールド60とキャップフランジ70と間に漏れ(Leak)が発生することを防止できる利点がある。
【0217】
一方、本発明による基板処理装置の熱電対保護管100について、
図1、
図3及び
図7を参照して詳細に説明する。
【0218】
本発明は、ドーム状の第2ドーム状の天井を有する垂直円筒状のインナーチューブ30を利用して反応空間32を形成する。
【0219】
この場合、前記反応空間32は、ドーム状の天井により形成された天井領域と、工程のためにボート80が位置する天井領域下部の反応領域とに分けられる。
【0220】
本発明の実施例は、ボート80が位置する反応領域だけでなく、上部の天井領域を含む反応空間32全体について温度を検知できる熱電対及び熱電対保護管100を備えることができる。
【0221】
本発明による熱電対保護管100は、
図1及び
図3に示されるように、インナーチューブ60に熱電対保護管100を挿入するための熱電対保護管挿入端104を含むことができる。
【0222】
より具体的に、前記インナーマニホールド60の第2の側壁65には、熱電対保護管100が締結されるための熱電対締結口が形成され得る。
【0223】
このとき、熱電対締結口には、熱電対保護管100の挿入のための熱電対保護管挿入端104が備えられ得る。
【0224】
前記熱電対保護管挿入端104は、インナーマニホールド60の第2の側壁65を貫通するように構成され、内部に熱電対保護管100の後記する下部管103の設置をガイドするように構成される。
【0225】
即ち、前記熱電対保護管100は、インナーチューブ30の反応空間32に垂直に設けられ、下部がインナーマニホールド60を介して引き出されるように構成される。
【0226】
より具体的に、前記熱電対保護管100は、上部の延長管101と、前記延長管101に連続して垂直形成された垂直管102と、前記垂直管102に連続しており、外部への引き出しが容易なように前記垂直管102から折れて形成された下部管103と、を含むことができる。
【0227】
このときの延長管101、垂直管102及び下部管は103、石英材質からなり、一体に形成され、反応空間32に対して密閉された管を形成することができる。
【0228】
前記延長管101は、反応空間32中の上部の天井領域に位置する。
【0229】
前記垂直管102は、反応空間32中のボート80が位置する反応領域に位置し、下部のインナーマニホールド60に延びる。
【0230】
前記下部管103は、インナーマニホールド60の第2の内部空間68に位置する。
【0231】
特に、前記下部管103は、インナーマニホールド60の第2の側壁65の前記熱電対保護管挿入端104を貫通して外部へ引き出され、引き出された下部管103の端部には、複数の熱電対TC1~TC5を挿入するための入口が形成される。
【0232】
一方、前記複数の熱電対TC1~TC5は、下部管103の入口を介して熱電対保護管100内に挿入され、反応空間32内の異なる位置で温度を検知する検出部をそれぞれ有するように構成され得る。
【0233】
このとき、検出部は、検知された温度に応じて電流を発生させるセンサとして理解でき、各熱電対TC1~TC5の延びた端部に形成されるものとして理解できる。
【0234】
本発明の実施例において、
図7に示されるように、熱電対は5個を備えるものとして例示する。
【0235】
本発明の実施例において、少なくとも一つの熱電対の前記検出部が延長管101内に位置することが好ましい。
【0236】
即ち、熱電対保護管100に対して、少なくとも一つの熱電対の検出部が天井領域に位置し、残りの熱電対の検出部が反応領域に位置することができる。
【0237】
前記複数の熱電体TC1~TC5の検出部の位置、即ち、複数の温度検知位置は、
図7にSP1~SP5として例示することができる。
【0238】
これらのうち、温度検知位置SP1は、天井領域に該当するものであり、残りの温度検知位置SP2~SP5は反応領域に位置するものである。
【0239】
本発明の実施例は、異なる高さに温度検知位置SP1~SP5を設定する。温度検知位置の設定は、複数の熱電対TC1~TC5の各検出部が形成される位置を設計するものとして理解できる。
【0240】
前述のように、温度検知位置SP1~SP5が設定されることにより、複数の熱電対TC1~TC5は、熱電対保護管100の内管に設けられ、それぞれ異なる温度検知位置に検出部が位置するように構成される。
【0241】
例示的に、温度検知位置SP1に熱電体TC1の検出部が位置し、温度検知位置SP2に熱電体TC2が位置し、温度検知位置SP3に熱電体CT3の検出部が位置し、温度検知位置SP4に熱電体CT4の検出部が位置し、温度検知位置SP5に熱電体CT5の検出部が位置していてもよい。
【0242】
各熱電対TC1~TC5は、検出部で温度検知を行うことができ、検知された温度に対応する電流を一対の端子を介して出力することができる。
【0243】
前述のように、複数の熱電対TC1~TC5は、検知された温度に対応する電流を出力するためのそれぞれ一対の端子を有し、複数の熱電対TC1~TC5の端子は、インナーマニホールド60の外部に延びた下部管103の端部を介して引き出されるように構成される。
【0244】
そこで、熱電対保護管100の延長管101の上端及び熱電対TC1の温度検知位置SP1は、天井領域の中間以上の高さに位置するように形成されることが好ましい。
【0245】
例示的に、延長管101の上端は、ドーム状の天井の最上部の下部に位置するように形成され得る。
【0246】
そして、熱電対保護管100の上部の延長管101は、天井領域に延び、内側に曲げられた形状を有するように形成され得る。
【0247】
例示的に、延長管101は、傾斜角を有するように天井領域の内側に屈折された形状を有するように形成され得る。
【0248】
そして、熱電対保護管100は、反応空間32で気体の気流の流れを妨害するか、渦流を形成しないように形状が決定され得る。
【0249】
そのために、熱電対保護管100の上部をなす延長管101は、カーブを有するように天井領域の内側に屈曲された形状を有するように形成され得る。
【0250】
より具体的に、延長管101は、インナーチューブ30の第2ドーム状の天井と同じ曲率を有し、第2ドーム状の天井と均一な離隔間隔を維持し、第2ドーム状の天井の上部に向かって曲がりながら延びた形状を有し得る。
【0251】
そして、熱電対保護管100の垂直管102は、インナーチューブ30の内壁と均一な離隔間隔を維持するように垂直固定されるように形成される。
【0252】
前記熱電対保護管100の延長管101、垂直管102及び下部管103は、同じ内径と外径を有するように構成され得る。
【0253】
また、内部に挿入される熱電対の数が多い場合、下部へ行くほど大きな内径及び大きな外径を有するように構成されていてもよい。
【0254】
一方、本発明の実施例は、高温環境で基板処理のために反応空間32を加熱するためのヒータ10を備える。
【0255】
前記ヒータ10は、加熱空間12内のアウターチューブ20とインナーチューブ30に対する加熱を行う。
【0256】
このとき、インナーチューブ30の反応空間32は、全体的に均一な温度分布を有するように加熱しなければならない。
【0257】
従って、前記ヒータ10も位置別に独立して加熱を制御するように構成される必要がある。
【0258】
そのために、前記ヒータ10は、温度検知位置別に対応される複数の加熱ブロック(未図示)を備えるように製作され得る。このとき、各加熱ブロックは、加熱温度が独立して制御されることが好ましい。
【0259】
そして、各加熱ブロックに対応して前記した温度検知位置SP1~SP5が対応され、温度検知位置SP1~SP5のいずれか一つ、即ち、温度検知位置SP1は、天井領域の加熱のための加熱ブロックに対応するように設定され得る。
【0260】
そして、残りの温度検知位置SP2~SP5は、ボート80が配置される反応領域の加熱のための残りの加熱ブロックに一対一で対応するように設定され得る。
【0261】
温度検知のための熱電対TC1~TC5は、前述したように、温度検知位置SP1~SP5別に検出部が形成され、天井領域と反応領域の各位置別に温度を検知する。
それぞれの加熱ブロックは、該当する温度検知位置の熱電対の検知信号に対応して加熱温度が独立して制御され得る。
【0262】
従って、本発明の実施例は、ドーム状の天井を有する垂直円筒状のインナーチューブ30を利用することにより形成される天井領域に対する温度検知及び温度制御を行うことによって、反応空間32全体に対する温度検知及び加熱制御を行うことができ、その結果、基板処理のための反応空間32の全体に対して均一な温度を維持することができる。
【0263】
以下、本発明によるガスユーティリティについて、
図8~15を参照して詳細に説明する。
【0264】
本発明の実施例は、薄膜の蒸着前、薄膜の蒸着中、そして薄膜の蒸着後の少なくとも一つに対して、反応空間32は常圧より高い高圧を有し、その後、常圧より低い低圧を有する一連の工程を実施するように構成される。
【0265】
そのために、本発明の実施例は、保護空間22に対する加圧、減圧及び排気を行い、反応空間32に対する加圧、減圧及び排気を行うガスユーティリティを備えることができる。
【0266】
例えば、ガスユーティリティは、反応空間32が常圧より高い高圧を有し、その後、常圧より低い低圧を有する工程を行うことができる。
このとき、反応空間32が常圧以上のとき、保護空間22の第1の内部圧力POは、反応空間32の第2の内部圧力PIよりも均一な差で高く維持される。
【0267】
そして、前記ガスユーティリティは、基板処理のための工程期間前に、漏洩チェックするか、キャップフランジ70とインナーマニホールド60をクランプするために反応空間32が常圧未満の低圧を有するようにすることができる。
【0268】
前記ガスユーティリティを備える本発明の実施例は、
図8~13を参照して説明し、ガスユーティリティによる反応空間32の第2の内部圧力PIと保護空間22の第1の内部圧力POの変化は、
図14及び
図15を参照して説明する。
【0269】
一方、ヒータ10、アウターチューブ20、インナーチューブ30は、
図1~2の実施例を参照して理解できるので、重複説明は省略する。
【0270】
一方、保護空間22に加えられるガスとして、不活性ガスは、窒素が使用され得る。
【0271】
また、反応空間32に加えられるガスとして、不活性ガス又は基板処理のための処理ガスなどを含む工程ガスは、水素(H)、酸素(O)、窒素(N)、塩素(Cl)、フッ素(F)等との元素を一つ以上含むガスが適用され得る。
【0272】
例として、前記工程ガスは、水素(H2)、重水素(D2)、酸素(O2)、水蒸気(H20)、アンモニア(NH3)等の形態で利用され得る。
【0273】
一方、本発明によるガスユーティリティの様々な実施例について、以下添付された図を参照して説明する。
【0274】
本発明によるガスユーティリティは、第1実施例として、
図8に示されるように、反応空間に流入された複数の基板に対し、常圧より高い高圧工程と常圧より低い低圧工程とを含む変圧工程を行うことができるように、反応空間32及び保護空間22の排気をそれぞれ制御する構成であり、様々な構成が可能である。
【0275】
例えば、前記ガスユーティリティは、第1の供給管602を介して保護空間22に不活性ガスを供給する第1のガス供給部600及び第2の供給管622を介して反応空間32に工程ガスを供給する第2のガス供給部620を備える。
【0276】
また、本発明による前記ガスユーティリティは、保護空間22に対する排気を行うアウター排気部791と、反応空間32に対する排気を行うインナー排気部792を含むことができる。
【0277】
また、前記ガスユーティリティは、インナーポンプ口66と真空ポンプ750とを連結し、反応空間32を常圧より低い圧力でポンピングするインナーポンプ部740を含むことができる。
【0278】
前記第1のガス供給部600は、第1の供給管602に連結された第1の供給バルブV1を含み、このとき、第1の供給バルブV1は、不活性ガスの排気又は加圧のために様々な圧力で供給するように不活性ガスの供給量を制御することができる。
【0279】
このとき、前記第1の供給管602は、アウターマニホールド50の不活性ガスを供給するアウターガス供給口52に連結され得る。
【0280】
即ち、前記第1の供給管602は、アウターマニホールド50を介してアウターチューブ20の保護空間22に連結され得る。
【0281】
前記第2のガス供給部620は、第2の供給管622に連結された第2の供給バルブV4を含み、第2の供給バルブV4は、工程ガスを様々な圧力で供給するように工程ガスの供給量を制御することができる。
【0282】
このとき、前記第2の供給管622は、インナーマニホールド60の工程ガスを供給するインナーガス供給口62に連結され得る。
【0283】
即ち、前記第2の供給管622は、インナーマニホールド60を介してインナーチューブ30の反応空間32に連結され得る。
【0284】
前記アウター排気部791は、保護空間22に対する排気を制御する構成であり、様々な構成が可能である。
【0285】
例えば、前記アウター排気部791は、アウターガス排気口54と外部排気装置793とを連結するアウター排気ライン702と、アウター排気ライン702上に設けられ、保護空間22に流入された不活性ガスの排気を制御する第1の高圧制御部700を含むことができる。
【0286】
このとき、アウター排気ライン702は、アウターマニホールド50の不活性ガスを排気するアウターガス排気口54に連結され得る。
【0287】
即ち、前記アウター排気ライン702は、アウターマニホールド50を介してアウターチューブ20の保護空間22に連通することができる。
【0288】
前記第1の高圧制御部700は、アウター排気ライン702を介して保護空間22の第1の内部圧力POを制御する構成であり、様々な構成が可能である。
【0289】
例えば、前記第1の高圧制御部700は、アウター排気ライン702上に設けられた第1の高圧排気バルブV2及び第1の高圧制御バルブOCVとアウター排気ライン702と並列に構成される第1の安全ライン706に構成された第1の安全バルブREV1を含むことができる。
【0290】
ここで、前記第1の高圧排気バルブV2は、アウターチューブ20の保護空間22の排気のために開放され得る。
【0291】
また、前記第1の高圧制御バルブOCVは、アウター排気ライン702を介した排気量を制御することができる。
【0292】
また、前記第1の安全バルブREV1は、予め設定された高圧以上を感知すれば、排気のために機械的に開放され得る。
【0293】
また、前記第1の高圧制御部700は、アウター排気ライン702に設けられる第1の圧力ゲージ(未図示)を含むことができる。
【0294】
このとき、別に備えられる制御部(未図示)は、アウター排気ライン702に設けられる第1の圧力ゲージ(未図示)を介して保護空間22の圧力をチェックし、第1の高圧制御バルブOCV等を制御するように制御信号を伝送することができる。
【0295】
前記インナー排気部792は、反応空間32に対する排気を行う構成であり、様々な構成が可能である。
【0296】
例えば、前記インナー排気部792は、インナーガス排気口64と外部排気装置793とを連結するインナー排気ライン722と、インナー排気ライン722上に設けられ、反応空間32に流入された不活性ガス及び工程ガスの排気を制御する第2の高圧制御部720とを含むことができる。
【0297】
このとき、前記インナー排気ライン722は、インナーマニホールド60の工程ガスを排気するインナーガス供給口64に連結され、インナー真空ポンプライン742は、インナーマニホールド60の低圧を形成するためのインナーポンプ口66に連結される。
【0298】
即ち、前記インナー排気ライン722及びインナー真空ポンプライン742は、インナーマニホールド60を介してインナーチューブ30の反応空間32に連結され得る。
【0299】
前記第2の高圧制御部720は、インナー排気ライン722を介して反応空間32の第2の内部圧力PIを制御する構成であり、様々な構成が可能である。
【0300】
例えば、前記第2の高圧制御部720は、インナー排気ライン722上に設けられた第2の高圧排気バルブV3及び第2の高圧制御バルブICVとインナー排気ライン722と並列に構成される第2の安全ライン726に構成された第2の安全バルブREV2を含むように構成される。
【0301】
ここで、前記第2の高圧排気バルブV3は、インナーチューブ30の反応空間32の排気のために開放され得る。
【0302】
また、前記第2の高圧制御バルブICVは、インナー排気ライン722を介した排気量を制御することができる。
【0303】
また、前記第2の安全バルブREV2は、予め設定された高圧以上を感知すれば、排気のために機械的に開放され得る。
【0304】
一方、第1の安全バルブREV1及び第2の安全バルブREV2は、同じ高圧以上に対して、排気のために開放されるように構成されることが好ましい。
【0305】
また、前記第2の高圧制御部720は、インナー排気ライン722に設けられる第2の圧力ゲージ(未図示)を含むことができる。
【0306】
この場合、制御部は、インナー排気ライン722に設けられる第2の圧力ゲージ(未図示)を介して反応空間32の圧力をチェックし、第2の高圧制御バルブICV等を制御するように制御信号を伝送することができる。
【0307】
第1の圧力ゲージ及び第2の圧力ゲージの作動関係に関する詳細な内容については後記する。
【0308】
前記インナーポンプ部740は、インナーポンプ口66と真空ポンプ750とを連結し、反応空間32を常圧より低い圧力でポンピングする構成であり、様々な構成が可能である。
【0309】
例えば、前記インナーポンプ部740は、第2の低圧オンオフバルブV5、第2のメインポンプバルブV7及び第2のスローポンプバルブV6を含むことができる。
【0310】
前記第2の低圧オンオフバルブV5は、インナー真空ポンプライン742上に設けられ、インナーチューブ30の反応空間32に低圧を形成するために開放され得る。
【0311】
また、前記第2のメインポンプバルブV7は、インナー真空ポンプライン742に連結される第2のメインポンプライン744上に設けられ、インナー真空ポンプライン742を介したポンピング量を制御することができる。
【0312】
また、前記第2のスローポンプバルブV6は、第2のメインポンプバルブV7と並列をなす第2のスローポンプライン746上に設けられ、第2のスローポンプライン746を介したポンピング量を制御することができる。
【0313】
以下、前述した第1実施例のガスユーティリティを通した圧力制御に関する作動関係について説明する。
【0314】
アウターチューブ20の保護空間22に対する圧力制御のために、第1の供給管602からアウターチューブ20へ不活性ガスが供給されるか、アウター排気ライン702によりアウターチューブ20の排気制御が行われる。
【0315】
また、インナーチューブ30の反応空間32に対する圧力制御のために、第2の供給管622からインナーチューブ30へ工程ガスが供給されるか、インナー排気ライン722によりインナーチューブ30の排気制御が行われ、インナー真空ポンプライン742によりインナーチューブ30のポンピングが行われる。
【0316】
より具体的に、反応空間32の圧力が常圧以上になることを所望するとき、第2の高圧制御部720は、第2の内部圧力PIが常圧より高くなるように、インナー排気ライン722の排気量を調節することができる。
【0317】
このとき、第1の高圧制御部700は、第1の内部圧力POが第2の内部圧力PIより高くなるように、アウター排気ライン702の排気量を調節することができる。
【0318】
特に、この場合、第1の内部圧力POが第2の内部圧力PIより均一な圧力差で高圧を有するように、アウター排気ライン702とインナー排気ライン722それぞれの排気量を調節することができる。
【0319】
そのために、前記第2の高圧制御バルブICVは、予め設定された設定値を基準とし、インナー排気ライン722を介した排気量を制御することができる。
【0320】
また、第1の高圧制御バルブOCVは、インナー排気ライン722の圧力を基準とし、アウター排気ライン702の圧力が制御されるように、アウター排気ライン702を通した排気量を制御するように構成され得る。
【0321】
そして、反応空間32の圧力が常圧未満になることを所望するとき、第1の高圧制御部700と第2の高圧制御部720は、第1の内部圧力POを常圧に維持するように、アウター排気ライン702の排気を制御し、第2の内部圧力PIが低圧を有するように、インナー排気ライン722とインナー真空ポンプライン742それぞれの排気及びポンピング量を調節する。
【0322】
より具体的に、アウター排気ライン702を、高圧制御バルブOCVを介して開放することによって、第1の内部圧力POが常圧を維持するようにすることができる。
【0323】
また、インナーチューブ30の反応空間32の第2の内部圧力PIは、第2のスローポンプバルブV6を介したポンピングにより減圧され、続いて、第2のメインポンプバルブV7を介したポンピングにより、その後、再減圧され得る。
【0324】
このとき、前記第2の低圧オンオフバルブV5は、第2のスローポンプバルブV6及び第2のメインポンプバルブV7により、ポンピングが行われる間、開放状態を維持する。
【0325】
例として、前記第2のスローポンプバルブV6は、インナーチューブ30の反応空間32の第2の内部圧力PIが、例えば、10トールに到達するまでポンピング量を制御でき、第2のメインポンプバルブV7は、インナーチューブ30の反応空間32が10トール以下の低圧に到達するまでポンピング量を制御することができる。
【0326】
そして、インナー真空ポンプライン742、第2のメインポンプライン744及び第2のスローポンプライン746に作用されるポンピングは、前記真空ポンプ750のポンピング力に依存する。
【0327】
そして、第1の高圧制御バルブOCV、第2の高圧制御バルブICV及び真空ポンプ750は、スクラバライン802を介してスクラバ800に連結され得る。
【0328】
前記スクラバ800は、第1の高圧制御バルブOCV、第2の高圧制御バルブICV及び真空ポンプ750のための排気を行うように構成され、外部排気装置793に含まれてもよい。
【0329】
一方、前述した作動関係のために、制御部は、前記第1の圧力ゲージを介して保護空間22の圧力を確認し、予め設定された圧力値との差により、第1の高圧制御バルブOCVを介した保護空間22の排気量を調節することによって、保護空間22の圧力を制御することができる。
【0330】
また、制御部は、前記第2の圧力ゲージを介して反応空間32の圧力を確認し、予め設定された圧力値との差により、第2の高圧制御バルブICVを介した反応空間32の排気量を調節することによって、反応空間32の圧力が制御することができる。
【0331】
一方、保護空間22の圧力は、反応空間32の圧力より常に高く設定されるか、さらに反応空間32と同じ圧力差を維持するように設定され得る。
【0332】
このとき、第1の圧力ゲージは省略してもよく、第2の圧力ゲージを介して確認された反応空間32の圧力を基準とし、一定の圧力差が設定され第1の高圧制御バルブOCVが制御され得る。
【0333】
一方、また、後記する本発明によるインナーポンプ部740及びアウターポンプ部760も、それぞれインナー真空ポンプライン742及びアウター真空ポンプライン762等に、別途に圧力ゲージが設けられてもよく、圧力ゲージの圧力測定値に基づいてインナーポンプ部740及びアウターポンプ部760が制御され得る。
【0334】
他の例として、インナーポンプ部740及びアウターポンプ部760に別途の圧力ゲージは省略してもよく、第2の高圧制御部720に備えられる第2の圧力ゲージを介して反応空間32の圧力を測定し、測定された値を基準とし、第1の高圧制御部700、インナーポンプ部740及びアウターポンプ部760を制御にすることができる。
【0335】
前述したように構成されたガスユーティリティは、インナーチューブ30の反応空間32の第2の内部圧力PIを加圧する期間を有した後、常圧より低い低圧を有する工程を繰り返して行うことができる。
【0336】
このとき、ガスユーティリティは、インナーチューブ30の反応空間32の第2の内部圧力PIが常圧より低くなるか、その低くなった状態を維持する場合にもアウターチューブ20の保護空間22の第1の内部圧力POは常圧が維持されるように調節することができる。
【0337】
一方、本発明によるガスユーティリティの他の実施例について、添付図面を参照して説明し、前述した第1実施例と同じ構成に対する詳細説明は省略する。
【0338】
前記ガスユーティリティは、第2実施例として、
図9に示されたように、アウター排気ライン702中の第1の高圧制御部700の前端より分岐され真空ポンプ750を連結し、保護空間22を常圧より低く、反応空間32より高い圧力を維持するようにポンピングするアウターポンプ部760をさらに含む。
【0339】
前記アウターポンプ部760は、アウター排気部791のアウター排気ライン702中の第1の高圧制御部700のアウターチューブ30側である前端より分岐され真空ポンプ750を連結することができる。
【0340】
これにより、前記アウターポンプ部760は、保護空間22が常圧より低く、反応空間32より高い圧力を維持するようにポンピングして排気する構成であり、様々な構成が可能である。
【0341】
例えば、前記アウターポンプ部760は、アウター排気部791と真空ポンプ750とを連結するアウター真空ポンプライン762と、前記アウター真空ポンプライン762上に設けられ、真空ポンプ750への流れをオンオフする第1の低圧オンオフバルブV9を含むことができる。
【0342】
また、前記アウターポンプ部760は、第1の低圧オンオフバルブV9と真空ポンプ750と間に設けられ、保護空間22の圧力を常圧より低く、反応空間32より高い圧力を維持するように制御する第1のメインポンプバルブV11を含むことができる。
【0343】
また、前記アウターポンプ部760は、保護空間22の不活性ガスの排気をアウター排気部791及びアウターポンプ部760のいずれかで行うように誘導する第1のバルブV12を含むことができる。
【0344】
このとき、前記真空ポンプ750は、インナーポンプ部740の構成が連結される真空ポンプであってもよく、他の例として、アウターポンプ部760が連結されるための別途の真空ポンプを備え、インナーポンプ部740とはそれぞれ異なる真空ポンプに連結されてもよい。
【0345】
前記第1の低圧オンオフバルブV9は、アウター真空ポンプライン762上に設けられ、アウターチューブ20の保護空間22に低圧を形成するために開放され得る。
【0346】
また、前記第1のメインポンプバルブV11は、アウター真空ポンプライン762に連結される第1のメインポンプライン764上に設けられ、アウター真空ポンプライン762を介したポンピング量を制御することができる。
【0347】
また、前記第1のスローポンプバルブV10は、第1のメインポンプバルブV11と並列をなす第1のスローポンプライン766上に設けられ、第1のスローポンプライン766を介したポンピング量を制御することができる。
【0348】
前述したアウターポンプ部760の構成によって、アウターチューブ20の保護空間22の圧力は、第1のスローポンプバルブV10を介したポンピングにより減圧することができ、第1のメインポンプバルブV11を介したポンピングにより、その後、再減圧され得る。
【0349】
このとき、前記第1の低圧オンオフバルブV9は、第1のスローポンプバルブV10及び第1のメインポンプバルブV11によりポンピングが行われる間、開放状態を維持する。
【0350】
例として、第1のスローポンプバルブV10は、アウターチューブ20の保護空間22の圧力が、例えば、10トールに到達するまでポンピング量を制御することができ、第1のメインポンプバルブV11はアウターチューブ20の保護空間22が10トール以下の低圧に到達するまでポンピング量を制御することができる。
【0351】
そして、アウター真空ポンプライン762、第1のメインポンプライン764及び第1のスローポンプライン766に作用されるポンピングは、前記した真空ポンプ750のポンピング力に依存する。
【0352】
また、このとき、アウター排気ライン702中の第1の高圧制御部700とアウター真空ポンプライン762と間に備えられ、保護空間22の不活性ガスの排気をアウター排気部791及びアウターポンプ部760のいずれかで行うように誘導する第1のバルブV12をさらに含むことができる。
【0353】
これにより、第1のバルブV12が閉鎖された状態では、アウターポンプ部760を介して保護空間22の不活性ガスを排気することができ、第1のバルブV12が開放された状態では、第1の低圧オンオフバルブV9の閉鎖とともにアウター排気部791を介して保護空間22の不活性ガスを排気することができる。
【0354】
一方、第2実施例によるガスユーティリティは、反応空間32の圧力である第2の内部圧力PIが常圧より低い低圧に形成される場合、保護空間22の圧力である第1の内部圧力POが第2の内部圧力PIが高圧のときと同様に一定の圧力差ΔPを維持することができる。
【0355】
特に、一定の圧力差ΔPを維持するために、第1の内部圧力POが第2の内部圧力PIよりは高く、常圧よりは低くならなければならない場合、前述したアウターポンプ部760の構成により第1の内部圧力POを低圧に形成し、一定の圧力差ΔPが維持されるようにすることができる。
【0356】
本発明によるガスユーティリティの第3実施例として、
図10に示されるように、アウターポンプ部760が、一端がアウターマニホールド50に備えられる別途のアウターポンプ口に連結され、他端が外部排気装置793に連結されるように配置され得る。
【0357】
即ち、アウターマニホールド50が保護空間22の内部圧力を常圧より低く、反応空間32の圧力より高い状態に維持するためのアウターポンプ口を含む。
【0358】
このとき、ガスユーティリティは、アウターポンプ口と真空ポンプ750とを連結し、保護空間22を常圧より低く、反応空間32より高い圧力を維持するようにポンピングすることができる。
【0359】
このとき、アウター真空ポンプライン762は、アウターポンプ口と真空ポンプ750とを連結することができる。
【0360】
本発明によるガスユーティリティの第4実施例として、
図11に示されたように、ガスユーティリティは、インナー排気部792のインナー排気ライン722中の第2の高圧バルブ部720の前端より分岐され、外部排気装置793に連結された真空ポンプ750を連結し、反応空間32を常圧より低い圧力でポンピングするインナーポンプ部740を含むことができる。
【0361】
即ち、インナーポンプ部740がインナー排気部792のインナー排気ライン722中の第2の高圧バルブ部720の前端から分岐して外部排気装置793に連結されることによって、反応空間32の常圧未満への低圧排気を行うことができる。
【0362】
この場合、前記インナーポンプ部740は、インナー真空ポンプライン742が、インナー排気部792のインナー排気ライン722から分岐して備えられてもよく、前述した第2のメインポンプライン744と第2のスローポンプライン746の他端が外部排気装置793、即ち、真空ポンプ750に連結されるように配置され得る。
【0363】
このとき、前述したアウターポンプ部760構成は省略することができ、保護空間22の圧力は、常圧又は常圧以上に反応空間32の圧力との偏差を有するように高く維持され得る。
【0364】
また、この場合、インナー排気ライン722中の第2の高圧制御部720とインナー真空ポンプライン742と間に備えられ、反応空間32の工程ガスの排気をインナー排気部792及びインナーポンプ部740のいずれかで選択的に行うように誘導する第2のバルブV8をさらに含むことができる。
【0365】
即ち、第2のバルブV8が閉鎖された状態では、インナーポンプ部740を介して反応空間32の工程ガスを排気することができる。
【0366】
このとき、第2のバルブV8が開放された状態では、第2の低圧オンオフバルブV5の閉鎖とともに、インナー排気部792を介して反応空間32の工程ガスを排気することができる。
【0367】
また、第5実施例として、
図12に示されように、ガスユーティリティは、第4実施例のように、インナーポンプ部740が備えられた状態で、アウターポンプ部760がアウター排気部791のアウター排気ライン702中の第1の高圧制御部700前端より分岐して外部排気装置793に連結され得る。
【0368】
これにより、保護空間22に対するポンピングが行われ、常圧未満の低圧状態を維持することができる。
【0369】
この場合、前記アウターポンプ部760は、アウター真空ポンプライン762が、アウター排気部791のアウター排気ライン702中の第1の高圧制御部700の前端から分岐して備えられてもよく、前述した第1のメインポンプライン764と第1のスローポンプライン766の他端が外部排気装置793、即ち、真空ポンプ750に連結されるように配置され得る。
【0370】
他の例として、
図13に示されたように、第6実施例として、アウターポンプ部760が、一端がアウターマニホールド50に備えられる別途のアウターポンプ口に連結され、他端が外部排気装置793に連結されるように配置され得る。
【0371】
即ち、アウターマニホールド50が保護空間22の内部圧力を常圧より低く、反応空間32の圧力より高い状態で維持するためのアウターポンプ口を含み、ガスユーティリティは、アウターポンプ口と真空ポンプ750とを連結し、保護空間22を常圧より低く、反応空間32より高い圧力を維持するようにポンピングすることができる。
【0372】
このとき、アウター真空ポンプライン762は、アウターポンプ口と真空ポンプ750とを連結することができる。
【0373】
一方、
図14及び
図15を参照して、期間別反応空間32と保護空間22の圧力制御方法について説明する。
【0374】
参考までに、本発明の明細書全般に記載される用語「加圧」とは、以前のステップよりも圧力をさらに高く増加させることを意味し、用語「減圧」とはこれと反対の意味として使われる。
【0375】
また、用語「高圧」及び「低圧」とは、特段に説明しない限り、常圧より高い圧力及び常圧より低圧をそれぞれ意味する。
【0376】
以下、
図14による圧力制御方法について、代表的なガスユーティリティである
図8の第1実施例により説明するか、
図9~13の第2実施例~第6実施例のガスユーティリティにより適用されるはもちろんである。
【0377】
前処理のための期間T1及び期間T2は、漏れチェック(leak check)及び加圧工程を準備するための期間である。
【0378】
期間T1と期間T2において、インナーチューブ30の反応空間32に対する第2のガス供給部620の工程ガス供給及び第2の高圧制御部720の排気は行われない。
【0379】
このとき、アウターチューブ20の保護空間22に対する常圧を維持するために、第1のガス供給部600の不活性ガス供給及び第1の高圧制御部700の排気を制御する。
【0380】
そして、期間T1に、インナーポンプ部740は、低圧オンオフバルブV5を開放した後、メインポンプバルブV7を閉鎖し、スローポンプバルブV6を開放する。
【0381】
即ち、インナーチューブ30の反応空間32に対するスローポンピングが行われる。
【0382】
期間T2に、インナーポンプ部740は、低圧オンオフバルブV5の開放を維持し、メインポンプバルブV7を開放し、スローポンプバルブV6を閉鎖する。
即ち、インナーチューブ30の反応空間32に対するメインポンピングが行われる。
【0383】
インナーチューブ30の反応空間32の第2の内部圧力PIは、期間T1において、スローポンピングにより常圧より低く減圧され、期間T2において、メインポンピングによりその減圧された状態が維持される。
【0384】
キャップフランジ70によりインナーチューブ30の反応空間32が密閉された状態で、期間T1と期間T2を経て、インナーチューブ30の反応空間32が低圧を有すれば、インナーチューブ30の反応空間32で漏れ(leak)が発生するかをチェックすることができる。
【0385】
そして、クランプモジュール300が、期間T2の反応空間32の低圧によるキャップフランジ70とインナーマニホールド60の第2の下部フランジ63と間の密着によりクランプを行うことができる。
【0386】
前述のような前処理を行った後、ガスユーティリティは、
図14の期間T3~T7のように工程を行うことができる。
【0387】
図14は、2回の工程が繰り返されることを例示しており、期間T3~T7の工程は、期間T9~T13で同様に行われるので重複説明は省略する。
【0388】
工程が2回連続で繰り返される途中でも、低圧が維持される必要があるときには、T8期間に示されたように行えばよい。
【0389】
期間T3~T6中、インナーチューブ30の反応空間32に対するインナーポンプ部740のポンピングは中止される。
【0390】
期間T3において、アウターチューブ20の保護空間22の常圧を維持するために、第1のガス供給部600の不活性ガス供給及び第1の高圧制御部700の排気を制御する。
【0391】
そして、第2のガス供給部620は、インナーチューブ30反応空間32の第2の内部圧力PIを常圧に上昇させるために、工程ガス供給を行い、第2の高圧制御部720は排気を行わない。
【0392】
このとき、インナーチューブ30に供給される工程ガスは、水素を用いることができる。
【0393】
期間T4において、アウターチューブ20の保護空間22とインナーチューブ30の反応空間32は、常圧より高い高圧の第1の内部圧力PO及び第2の内部圧力PIをそれぞれ有し、第1の内部圧力POは第2の内部圧力PIより一定の差の高圧を維持する。
【0394】
期間T4において、アウターチューブ20の保護空間22が常圧以上の高圧を有するために、第1のガス供給部600の不活性ガス供給及び第1の高圧制御部700の排気が制御される。
【0395】
このとき、アウターチューブ20の保護空間22の加圧のために、第1のガス供給部600は排気量以上に不活性ガスを供給する。
【0396】
そして、インナーチューブ30の反応空間32が常圧以上の高圧を有するために、第2のガス供給部620の工程ガス供給及び第2の高圧制御部720の排気が制御される。
【0397】
このとき、インナーチューブ30の反応空間32の加圧のために、第2のガス供給部620は排気量以上に工程ガスを供給する。
【0398】
例として、インナーチューブ30に供給される工程ガスは、水素を用いることができる。
【0399】
その後、アウターチューブ20の保護空間22とインナーチューブ30の反応空間32は、第1の内部圧力POが第2の内部圧力PIより一定の差の高圧を維持する。
【0400】
このような高圧の差を維持するために、第1のガス供給部600の不活性ガス供給及び第1の高圧制御部700の排気が維持され、第2のガス供給部620の工程ガス供給及び第2の高圧制御部720の排気が維持される。
【0401】
このとき、保護空間22に対する不活性ガス供給及び排気と反応空間32に対する工程ガス供給及び排気は、高圧を維持するためにそれぞれ調節される。
【0402】
その後、期間T5において、アウターチューブ20の保護空間22に対する第1の高圧制御部700の排気とインナーチューブ30の反応空間32に対する第2の高圧制御部720の排気が、アウターチューブ20とインナーチューブ30がそれぞれ常圧に到達するまで行われる。
【0403】
このとき、第1のガス供給部600の不活性ガス供給及び第2のガス供給部620の工程ガス供給は、パージのために少量維持されるか、遮断され得る。
【0404】
その後、期間T6において、アウターチューブ20の保護空間22に対する常圧を維持するために、第1のガス供給部600の不活性ガス供給及び第1の高圧制御部700の排気が制御される。
【0405】
そして、インナーチューブ30の反応空間32に対する常圧を維持するために、第2のガス供給部620の工程ガス供給及び第2の高圧制御部720の排気も制御される。
【0406】
このとき、インナーチューブ30に供給される工程ガスは、水素の希釈のめに窒素を用いることができる。
【0407】
その後、期間T7は、期間T1のようにアウターチューブ20の保護空間22に対する常圧を維持し、インナーチューブ30の反応空間32に対するスローポンピングが行われ、期間T8の間、低圧が維持される。
【0408】
期間T7は、期間T1と同様に動作するので、これに対する重複説明は省略する。
【0409】
本発明の実施例は
図14の期間T3~T7又は期間T9~T13には、加圧と減圧が含まれる、即ち、変圧工程を行うことができる。
【0410】
従って、本発明の実施例は、薄膜を形成する前、薄膜を形成する途中又は薄膜を形成した後にも、反応空間が高圧を有するようにした後、再び低圧を有するようにすることによって、薄膜の特性を改善することができる。
【0411】
即ち、本実施例は、前記アウター排気部791がインナーポンプ部740の駆動により反応空間32で低圧工程が行われる場合、保護空間22の圧力を常圧に維持するか、常圧より高く維持されるように保護空間を排気することができる。
【0412】
このとき、前記第1の高圧制御バルブ700は、インナー排気ライン722の圧力を基準とし、インナー排気ライン722の圧力より均一な差で高圧を維持するようにアウター排気ライン702の排気量を調節することができる。
【0413】
そして、本発明の実施例は、前記した工程を完了した後、後処理のために期間T14のように、インナーチューブ30の反応空間32の第2の内部圧力PIが常圧より低い低圧を有するようにでき、低圧状態で後処理を行うことができる。
【0414】
前記した、後処理期間に本発明の実施例は、漏れチェックとキャップフランジ70とインナーマニホールド60と間のクランプ解除を行うことができる。
【0415】
本発明は、前述した実施例によって、薄膜の特性を改善するために、加圧後、減圧する変圧工程を行う基板処理装置を実現することができる。
【0416】
また、本発明は、実施例により前記した変圧工程で発生し得るインナーチューブ30の損傷を防止及び漏れ防止を図ることができ、基板処理装置の信頼性を確保することができ、工程効率及び歩留まりを改善できるなど様々な効果を期待することができる。
【0417】
また、本発明による圧力制御方法の他の実施例として、
図15に示されたように、反応空間32で低圧工程が行われる場合、保護空間22の第1の内部圧力POを第2の内部圧力PIよりは高く、常圧よりは低く維持されるように、ポンピングすることができる。
【0418】
このような圧力制御方法は、保護空間22の第1の内部圧力POが常圧より低い低圧状態である場合が含まれるので、前述した
図9、
図10及び
図12、
図113の第2実施例、第3実施例、第5実施例、第6実施例のガスユーティリティを通して実現可能である。
【0419】
一方、この過程において、第2の内部圧力PIが第1の内部圧力POより一定の圧力差ΔPを維持することができる。
【0420】
反応空間32が高圧である場合などについては、前述した実施例とお内であるので、以下では相違点についてのみ説明し、省略された説明については
図14の圧力制御方法が同じく適用され得る。
【0421】
また、前記アウターポンプ部760は、インナーポンプ部740の駆動により反応空間32で低圧工程が行われる場合、保護空間32の圧力が常圧よりは低く、反応空間32の圧力よりは高く維持されるように、保護空間22をポンピングすることができる。
【0422】
このとき、第1のメインポンプバルブV11は、インナーポンプライン742の圧力を基準とし、インナーポンプライン742の圧力より均一な差で高圧を維持するように、アウターポンプライン762のポンピング量を調節することができる。
【0423】
即ち、
図15に示されたように、前述した本発明に対する各実施例において、インナー排気部792及びインナーポンプ部740を介して反応空間32の圧力を高圧又は低圧に調節するとき、それぞれのアウター排気部791及びアウターポンプ部760を介して保護空間22の圧力がΔPを一定に維持し、反応空間32の圧力よりは高くなるように全工程にかけて維持され得る。
【0424】
以上は、本発明により具現できる好ましい実施例の一部について説明したものに過ぎないので、周知のように、本発明の範囲は前記実施例に限定されて解釈されるべきではなく、前記で説明された本発明の技術的思想とその根本を共にする技術的思想は全部本発明の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0425】
10:ヒータ
20:アウターチューブ
30:インナーチューブ
40:リング状のカバー
50:アウターマニホールド
60:インナーマニホールド
70:キャップフランジ
80:ボート
90:回転プレート
100:熱電対保護管